★産廃物&盗作屋・田口ランディ監視スレ Part 30★
か伝えたがっている、といわれたそうだ。「どうすりゃいいんだ、困った困っ
た」と思って、仕方なくあまりつきあいもなかったおじいさんの墓参りに行っ
てみたところ、ご先祖代々のお墓に大木が倒れていて、墓石が下敷きになって
いたのだそうである。それを直したら、ケロっと治ってしまったのだそうだ。
「でもさ、霊って、お墓に住んでいるわけじゃないと思うんだけど……」
あまりにも「さもありなん」なオチだったので、私は呆れていった。
「僕だって、そう思うよ。だけど、その人にとっては何かしらの意味があった
と考えるしかないよね、実際に治ったんだから」
墓石は石である。神社のご神体も石が多い。石というのは人間の念のような
ものを集めやすい物質なのかもしれない。
だから、たくさんの人が石に向かって念を込めると、その石には何か特別の
「想念」の塊が宿ってしまうのかもしれない。自分を納得させるために、そん
なことを考えた。
私の友人で、神懸かりになって1年ほど精神病院に入院していた友人がいる。
退院して来たときに、彼女はこんなことをいっていた。
「精神病院に1年いたけど、病院っていうところは、本当にチャネラーが多い
ね。みんな霊感体質だった。びっくりした」
この友人は、大変な霊感の持ち主なのだが、あるとき、いきなり強い思念が
自分に降りて来て、それを受け止めきれずに錯乱状態に陥ったのだ。いわゆる
神懸かりである。
「巫女ってのは体力がないとダメなのよ。私みたいに身体の弱い、神経の細い
女は本当に大きなものは受け入れられないのよね」
と彼女はいい、今は体力作りに勤しんでいるそうだ。彼女は入院中に電気シ
ョック療法を受けて、その後遺症でところどころ過去の記憶が消えてしまい「ち
ょっと不便」だと冗談のようにいう。いかに治療のためとはいえ、電気ショッ
クなんて考えるだけで恐ろしい。
興奮した脳を鎮める薬を飲んでいたため、彼女は退院当初、鬱病のように見
えた。病院に入院すれば、その日から誰でも精神病患者になれるのだ。
「神懸かりって、どんな感じなの?」
私の質問に彼女は「すごい怖い」と答えた。
自分の思考の中にバリバリと暴力的に侵入してくる別の思念というのは、すさ
まじい恐怖だったそうである。洪水のように言葉と映像が流れ込んできて、フ
ラッシュバックのようにとりとめのないシーンが浮かび、頭の中が乗っとられ
完全にパニックになるのだそうだ。
それが本当に神なのか、それとも悪魔なのか、それとも霊なのか、それとも
精神病なのか、体験したことのない私にはわからない。
彼女が霊障だったとして、では彼女の状況を入院以外にどのような方法で解
決すればよかったのか、私には見当もつかない。
「霊障なんてものは存在しない」といいきる精神科医の方が圧倒的に多い。だ
けれども、私にはどうしても、何か外部からの「思念」のようなものに過敏に
反応してしまうタイプの人が世の中にはいて、それを理解されずに苦しんでい
るように思えてならない。
とはいえ、もし私の家族に異変が起きたら、私はまず病院に連れて行くだろ
う。何もしないで悩んでいてもどうにもならないからだ。できることから行動
を起こす。それがトリガーだ。方法の良い悪いではない。行動し続けること。
心の問題はそれしか解決への道はない。どうすればいいのか、その答は理屈に
はない。探し続けることが道なのだと思う。