【控訴】ホテルジャンキーズクラブ・村瀬千文【37】
Men's Lifestyle★ゴージャスな癒し、ひとりで泊まる!男のホテル道
文・監修−−村瀬千文(ホテル・ジャンキーズクラブ代表)
ここ数年、東京には個性を競うかのように高級ホテルが続々と誕生している。
しかも不景気と言われるご時世にあって、人気ホテルは高い稼働率を上げているという。
都会に住む女性たちが自分へのご褒美として優雅にホテルに泊まっている時代。
さあ、われわれ男たちも、ひとりでホテルに泊まりに行こうではないか!
■ひとり泊まりのススメ
「女たちよ、男を捨てて、ホテルへ行こう!」。常々、女性たちにはこうすすめている。
つまり、伴侶やつきあっている男性に、何かと期待したり、頼るのではなく、ひとりで
自分自身に向かい合ってみてはどうか、と。そんな時、日常から物理的にも精神的にも
きっぱりと隔離された時間と空間が手に入るホテルは、かっこうの舞台である。
いま、同じ言葉を男性たちにも向けたい。男たちよ、ひとりでホテルに泊まりに行こう、と。
ひとりでホテルに泊まる……そんなの、もったいないじゃないか、どうせなら彼女との
デートの時に使いたい、おそらくそう思う方が多いだろう。しかし、朝、目覚めた時、
思わず「あーあ、きょうもまた始まるのか……」と重いため息をついたり、仕事中、
ついぼんやりと窓の外を見ることが多くなったと思うことはないだろうか?
コンピューターのような機械ですら、長時間使っていれば、目に見えないところで
余計なメモリが増えて動作の負担になったり、プログラム同士のバッティングが起きたり
して、なんだかよくわからないけれど処理スピードが遅くなったり、フリーズが増えたりする。
人間も同じである。上司の前でのみ込んでおなかの中にしまいこんだ反論の言葉。
ついいい顔してしまって断れなかった友人からの頼みごと、断った時の不機嫌な顔を
見たくないがゆえに、あるいは言い争いがめんどうでオーケーしてしまった彼女との
約束……。こうして知らず知らずのうちに体内に不純物がたまっていき、身も心も重く
なってゆくのだ。
そんな時は、「再起動」が必要である。コンピューターの場合は、再起動によって、
不要なメモリを捨て、プログラム間の不要なリンクや絡(から)まった関係を整理して、
身軽なからだに戻す。人間も同じである。無駄なものと捨て、基本にたちもどって関係を
シンプルに整理し、無理しない自然体のあるがままの自分自身に戻ること、重症の
場合は、OSを入れ直さなねばならないが、そこまで行かない軽い症状の時にぜひ
おすすめなのが、ホテルのひとり泊まりである。