>>201 「ホモ・ルーデンス」(Homo ludens)というのは、オランダの歴史学者
ヨハン・ホイジンガが人間の本性を一言で表現するために考え出した言葉で、
「遊び多き人類」という意味のラテン語の造語。
従来、人類の特性を言い表す表現として、生物分類学上の
用語である「ホモ・サピエンス」(Homo sapiens)すなわち
「知恵ある人類」というラテン語が使われ、あるいは人類の他の
生物とは異なる特性として「道具を作り出す能力」に注目し
「ホモ・ファーベル」(Homo faber)すなわち「工作技術に
長けた人類」という表現をする文明批評家などもいたが、
ホイジンガは人類文明に“あそび”や“無駄”という特質
を見出し、人類が他の生物と違うのは「意味のない遊びを
夢中になって行なうこと」だと喝破し、それで「遊び多き
人類」つまり「ホモ・ルーデンス」という概念を提唱したの
でした。「ホモ・ルーデンス」は人類全体の本質的特徴を
いう包括的・普遍的表現だが、「遊び人」というのは人類の
なかの一部を指して言う個別的・特殊的表現なので、ホモ・
ルーデンスを「遊び人」と解釈するのは根本的な間違い。
なお、「ホモ・サピエンス」の「サピエンス」とは「知ってる」
という意味なので、「ホモ・ルーデンス」が「遊び人」なら
「ホモ・サピエンス」は「知り人」とか「尻子」になるぞ、
という皮肉であります。