8 【乱D文庫-145】 『アンテナ』の盗作問題でついに幻冬舎が欺瞞的“解決”へ
●盗人の開き直り釈明【1】
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■お知らせ
「アンテナ」「モザイク」改稿にあたって
※文責 田口ランディ
このたび著書「アンテナ」および「モザイク」を、改稿し文庫化することになりました。
その経緯についてご説明させていただきます。
「アンテナ」は私の二作目の長編小説であり、執筆にあたってはネット上の友人であった
藤森直子さんにアイデアをご協力いただいた。
藤森さんとはパソコン通信のニフティサーブの会議室を通して知りあい、メール交換をしたり、
文章に関して話しあうパティオ(閉じた会議室)で意見交換をするような間柄だった。
「アンテナ」の構想を得たとき、SMをモチーフにしたいと思っていたので、 SMの女王様
を職業としているという藤森さんにメールで協力をお願いし、藤森さんから「このようなお客
にはどんなプレイをさせるか」というようなアドバイスをいただき、それをもとに執筆にあたった。
そのような関係にあったので、私としては藤森さんのホームページの日記のなかのSMプレイを、
現実に行われているSMのバリエーションのひとつとしてとらえ、自著に引用した。
「アンテナ」出版後、半年ほど経った2001年5月ころに、藤森さんのファンという
方から、幻冬舎あてに「インターネット上の藤森さんの文章を盗作している。藤森さんに
謝ってほしい」というメールが届いた。幻冬舎から連絡を受けて、私は事実確認のために
藤森さんにメールを書いたが、藤森さんからはお返事がなかった。
藤森さんと私は、メールを通じてのみの知りあいで、藤森さんの住所はもちろん電話番号も
知らなかったので、私は藤森さんの本の版元であるヒヨコ舎の大場氏にメールをして事情
を説明し、藤森さんに連絡を取ってくださるようにお願いした。
ヒヨコ舎の大場氏とは藤森さんの著書に私が「解説」を書く際に何度かやり取りをさせていただいた。
唯一、藤森さんとコンタクトが取れる方だった。
ヒヨコ舎の大場氏からは、メールとお電話でお返事をいただいた。
大場氏によれば「藤森さんは、『アンテナ』に関しては何も言っていない。『モザイク』
における指さし一人称の青年の話について問題にしています」
私は、一人称を使わないという青年の話は藤森さんの日記で知った。興味をもち友人の
精神科医と心理療法家の二人に問い合わせたところ、とても似た症例があることを教えられ、
その症例をもとに分裂病者のエピソードを書いた。その旨を大場氏に釈明した。その後、
大場氏から再び連絡をいただいた。
「藤森さんは、それならいいと言っています。ホームページ上の掲示板の書き込みは削除
しました」ということであった。
私は、噂に登るというのは何か問題があってのことだと思うので、藤森さんと直接に話
をしたい、電話でだけでも話せないかとお願いすると「藤森さんは現在、体調を崩して入院中
なので連絡を取ることはできないんです」というお返事だった。
少なくとも、大場氏を通して藤森さんからのお返事をいただいたので、それ以上のやりとりはしなかった。
【つづく】