村瀬千文ホテルジャンキーズクラブ無断転載【29】

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864無名草子さん
ナトラの最新号、手に入れたので、うpします。

タイトル「ホテルで見つけた魔法の言葉」

サンフランシスコの高級住宅街、ノブヒルにある「リッッ・カールトン・サンフランシスコ」
でのこと。日曜日の朝、いつもよりちょっと遅めに起きて中庭に面したダイニングルームへ
朝食に降りて行くと、「今日はお天気がいいから外の方が気持ちいいですよ」と中庭のテラス席を
すすめられた。
元々は保険会社の本社ビルで歴史的保存建物にもなっているものをリモデリングしたというこの
ホテルだが、中庭はケーブルカーが行き交う表通りの喧騒がうそのように静かだ。ああ、なんて
いい気持ちかしらと大きな伸びをしたところで、後ろのテーブルのカップルと目が合った。ニコニコ
笑いながら手を振っている女性の方が四十代前半、髭もじゃの男性の方が五十前後といった
ところだろうか。ツインピークスにある自宅から車を飛ばしてブランチを食べにやってきたのだという。

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最初の疑問。その女は誰に手を振ったのか。
文脈からすると、伸びをしたチィちゃんに、初対面の白人女性が
ニコニコして手を振ってきて、いきなり会話が始まって、
この後も、夫婦それぞれの職業や、自分たちのライフスタイルについて、
やたらとプライベートな話がガンガン続くんですけど、
超高級ホテルのサンデーブランチの席で、そんなことあるんでしょうかね。
865無名草子さん:02/04/03 13:43
「日曜はいつも、ホテルでサンデーブランチなの」
熱々のブルーベリー入りパンケーキにうれしそうにバターを溶かしながらそう言ったのは、
妻のジェーン。
「ここにやって来るまでに私はひと仕事済ませてきたもので、もう腹が減って、腹が減って」
大盛りのハッシュドポテトを豪快に口に放り込みながら、おおげさにため息をついてみせたのは
夫のジョン。
「今朝もコロンの香りで目が覚めたら、もうすっかり着替え終わった彼が私の顔をじっと
見下ろしているの」とゲラゲラ笑うジェーンはダウンタウンの出版社で編集者の仕事をしているため、
毎晩帰りは遅いのだという。
「わざと音を立ててカーテンを開けたり、着替えながら歌を口ずさんでみたりといろいろやって
みるんだけど、いつも彼女にはまったく効果がないんだ」
大柄な体を揺らすようにして笑っている髭もじゃのジョンは、平日は朝の6時にはサンフランシスコ湾を
一望のもとに見下ろす家を出るという多忙な企業弁護士だ。
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「大柄で髭もじゃ」の五十男が「もう腹が減って、腹が減って」などと
言いながら「大盛りのハッシュドポテトを豪快に口に放り込」んで、
「おおげさにため息をついて見せる」・・・?
SFのリッツ・カールトンも、ずいぶん客層が悪いんですねぇ。
これじゃ、そのへんのダイナーで飯をかき込んでる労働者のオッサンと変わらん。

で、次なる疑問。自分の妻を起こすのに、何でこんなに遠まわしの方法を取るのか。
(歌を口ずさんだり、カーテンを開けたり)
「そろそろ起きれば?」って声をかけるとか、キスするとか、
それが普通だと思うんですけど、一体どうして、
そんなに気兼ねしてるんでしょうね。
朝飯はデリカシーのカケラもなく、食べまくるオッサンなのに(藁
866無名草子さん:02/04/03 14:16
「典型的なすれ違い夫婦なのよ、私たち」と笑うジェーンの目を「君の開いた目を見たのは
実に久しぶりなもので、珍しくてね。もっとよく見せてくれ」とジョンがじっと真顔で
見つめてみんなを笑わせる。
「我々くらいの年になると、"保証期限"がもう切れちゃっているものでね、週に一度は
メンテナンスをしないと」とウィンクするジョン。
「そうなの、だから我が家ではケンカして、仲直りしようっていう時はLet's go for a
Sunday Brunch! "サンデーブランチ"は愛の合言葉なのよ、ね」
甘えるように差し出したジェーンの手を両手ではさみこむようにしてさすりながら、
ジョンが笑顔のまま言った。「そう、そしてすべてをうやむやする魔法の言葉とも言う」
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なんですか、このオチ・・・(脱力

で、この場面でいきなり「みんな」登場ですよ。
ホームパーティーじゃあるまいし、なんで「みんな」が、
他人の夫婦の会話を耳をすませて聞いて、(しかも、つまらないジョーク?)
笑わなきゃいけないんだか、まったく気持ち悪い設定です。