>>528 讀賣新聞の松浦寿輝の『ららら』評抜粋。
「矢作は、人間にとって記憶とは何か、時間とは何かという切実な問いを掘り下げつつ、
含羞とダンディズムによってそこに軽やかな寓話の装いをまとわせ、抑制された叙情が
すべてのページに染み透った美しい傑作を書き上げた。どこかで読んだようなあれこれを
つぎはぎして作った幼稚などたばたストーリーだの、自己満足にふやけた饒舌でだらだらと
綴られた日常雑記だのを読まされ続ける中で、『ららら科學の子』のような真正の想像力の
冒険に出会うと、思わず快哉の叫びを上げずにはいられない。」