【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part72【変な女】

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1この名無しがすごい!
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・前スレ
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part71【変な女】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1366419571/
・佐々木とくっくっ避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8130/
・佐々木とくっくっ避難所(携帯用)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/movie/8130/

・佐々木SSの保管庫
Part1-10まで ttp://blog.goo.ne.jp/sasaki_ss
Part11以降  ttp://www10.atwiki.jp/sasaki_ss/

・涼宮ハルヒシリーズに登場するキャラクター、佐々木を愛でるスレです
 佐々木 = 例の変な女
 自称「キョンの親友」、中学時代はキョンの自転車に二人乗りで週二回、塾に行く間柄
 キョンとは学校内でつるむ回数がクラスメイトの誰よりも多かった
 キョンは否定するも傍からみるとどう考えても...
 古泉曰く「十人中八人が一見して目を惹かれる、実に魅力的な女性」
 恐るべきことに名実共にハルヒと対になる神的存在であることが明らかに!?

・次スレは>>970が立ててくれたまえ。立てられない時は遠慮せずに言うといい。
 このスレの住人は快くキミの代役に名乗り出てくれるだろう、くっくっ

・このスレは基本sage進行だ、間違えてageるならまだしも
 意図的にageるような行為は慎んでくれたまえ。
2この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 00:54:54.78 ID:kQypXhhl
・リンクを貼るときは直リンは禁止してくれると僕も助かるよ。
・スレタイは佐々木とくっつくではないのであしからず。
・荒らし、それに反応する人への対応は無視するのが一番と昔から決まっているんだ。
・キャラクターを貶めるような書き込みは、荒らし行為なので謹んでくれ。
・どうしてもそういった発言がしたい時は、専用のスレッドを立てて、そこで行うといい。
・妙な書き込みが多数あるときは、書き込み日時の右にあるIDを確認すれば、
同一人物による荒らしかどうかの判断の基準にできるだろう。

・次スレは立候補した人が責任を持って立ててくれたまえ。
 ただし、無理な場合はその所信表明を行い、次なる立候補者を集うべきだね。
・次スレへの誘導リンクが貼られるまでは今まで通り書き込みは控えるのが最良の手立てと僕は思う。

(現地人たちに一つ教えてやる。
 スレッドの最大許容量は512kbだ。ところが、500kbを超えた時点で書き込み不可能になる。
 容量が490kbあたりを超えたら、せいぜい急いで、次スレ移行の作業を開始することだな。)

あと、SS保管庫の中の人からこんなコメントをいただいている。
判断はみんなに任せるよ。くれぐれもこれで争うことの無いようにしてくれたまえ。
201    wiki [ sage ]  2007/08/26(日) 09:33:29 ID:lc10YmQU
 どーもwikiの中の人です。
 タイトルにSSってつける件ですが、個人的にはなくても無問題です。
 SSかどうかはみればわかるし。
 今までどおりでOK。
 それよりも、SSにはタイトル(名前欄でも文中でも)と長編なら通し番号をつけてもらえるとありがたいです。
 あと、未完成ならそれがわかるようにしてもらえるとなおよし。

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.       ,'. /  ト、 ヽ   ヽヾ
        i. ((从ソ 从〉,ハハバゝ
.       l. (|┳ ┳i!i| ─ ─i! 
..      ,ハNiヘ'' ー.''ノiハ、. - ノ’ 
.         〈ヾ/゙ノi  /〈にづ┓___
        _.ノUUZゝぐ___,/__||卅]
        ~,'(_,(ソ__//゙> .> /ヾ⌒ヾ
        (--(ニ二__(ン゙/.(--○<)
.        ゞ/__彡' ¨゚¨    ゞ/__彡'
3この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 00:55:50.28 ID:zLZCBpRH
これノベルキャラ板のほうがよくね
4この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 01:23:49.60 ID:kQypXhhl
*ノベルキャラ板(旧文芸キャラ板)への移転についての議論の際の注意。
自治スレの方に、
各スレ内で話し合って決めてください。自治スレに持ち込まないでください。
と釘を刺されていますので、あちら様へこれ以上のご迷惑をかけないよう、お願いいたします。

                         , -‐-ー.、
  ;;`ヽ.     ー ‐‐ ―‐ ―――   〃   ヽヾ
   ⌒) ‐‐ ―‐ ズザー ―――‐ i ハハバハ>  以上!
  )  ;;;`ヽ⌒`)⌒.. _ _ __  (`;.、_イ(! ─ ─|!
  ⌒;;)´⌒;;)⌒;:); ). __ ___ と:こ仁につ - ノ’つ   , -‐- 、
             .                    ,'. /  ト、 ヽ
             ;;`ヽ     ー ‐‐ ―‐ ―――  i. ((从ソ 从〉  テンプレ終了かな
              ⌒) ‐‐ ―‐ ツルー―――   l. (|┳ ┳i!l
             )  ;;;`ヽ⌒`)⌒. . _ _ _ (`;ヘハNiヘ '' ヮ''ノハ!
             ⌒;;)´⌒;;)⌒;);; )._ ___ (_《:_:__,{_i'づニソつ
5この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 02:39:54.00 ID:HWJyRV/g
                         , -‐-ー.、
  ;;`ヽ.     ー ‐‐ ―‐ ―――   〃   ヽヾ
   ⌒) ‐‐ ―‐ ズザー ―――‐ i ハハバハ>  !wwww
  )  ;;;`ヽ⌒`)⌒.. _ _ __  (`;.、_イ(! へ へ|!
  ⌒;;)´⌒;;)⌒;:); ). __ ___ と:こ仁につ - ノ’つ   , -‐- 、
             .                    ,'. /  ト、 ヽ
             ;;`ヽ     ー ‐‐ ―‐ ―――  i. ((从ソ 从〉______ __ ,-,_______
              ⌒) ‐‐ ―‐ ツルー―――   l. (|;;;;;::: ...,,,         ,、||i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|i|iOノ
             )  ;;;`ヽ⌒`)⌒. . _ _ _ (`;ヘハNiヘ '' ヮ''ノハ! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ '-' `'`'`'`'`'`'`゙´
             ⌒;;)´⌒;;)⌒;);; )._ ___ (_《:_:__,{_i'づニソつ
6この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 07:52:47.45 ID:te11RwbI
>>1乙!
容量のことすっかり忘れとった
7この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 08:46:43.26 ID:OeWVfBvB
>>1
藤原のテンプレ追加もGJ。

容量制限は最近は察知してくれる人多いけど、気づきにくいのが難だ。
専用ブラウザに残容量強調機能あったら便利そうだが、そういうものはあるのだろうか。
8この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 09:23:23.66 ID:dNzG3Of/
ノベルキャラ板に移転に賛成。
9この名無しがすごい!:2013/08/18(日) 11:00:06.70 ID:Gx6y2k4Q
>>1
スレ立て乙です。ありがとうございます。
10この名無しがすごい!:2013/08/19(月) 07:21:51.47 ID:mwtEczxw
>>1乙です
容量の事すっかり忘れていました 危な!

移転はねぇ……必要性が感じられないのよね ここに立てるのが違反ってわけでもないし
見てきたけどあちらは相変わらず板自体が過疎ってる状態だし、例の嵐が立てたスレがまだ残ってるし
いい印象がないのよね メリットが全く感じられない
11この名無しがすごい!:2013/08/19(月) 08:50:25.83 ID:+nzY6Fjz
>>1乙ですー

移転というと、個人的には分裂驚愕がアニメになった際にアニキャラ個別板に戻るという移転しか考えてないですわ
12この名無しがすごい!:2013/08/19(月) 22:58:46.12 ID:jiD1zj3O
お盆が空けて最初の塾の日、数日ぶりに会った佐々木さんは、キョンから見たところなんだか落ち込んでいるように感じました
なぜ?
13この名無しがすごい!:2013/08/20(火) 06:25:45.96 ID:njd1hYPZ
>>12
お盆に帰省して……
@初恋のお兄さんの婚約報告があった
A実は佐々木さんに婚約者(欠点無しの完璧超人)がいた
B親(片親前提)がお見合いすることになった
Cキョンからもらった何かを壊したorなくした
D食べ過ぎて太った(胸だけ変化なし)
E従姉妹全員(小学校高学年〜)に胸囲で負けた
F帰省先まで押しかけたきょこたんに付きまとわれ親戚一同から百合っ子認定された

他にどんな可能性がありますかね?
14この名無しがすごい!:2013/08/20(火) 07:32:45.95 ID:04hpjfhv
>>13
自分で用意してた答えは、Dに似てるけど周りの女子が夏バテで痩せちゃった〜とか言ってるのに、体調管理が完璧だった佐々木さん一人だけ痩せてなかった

BCEはそれぞれ方向性が違うガチ落ち込みになりそうだね
15恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/08/20(火) 22:21:19.33 ID:D2YM4cZ8
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS 夏の夜想曲その7

 
 「肝試し?」
 「えらくベタですね」
 「ベタでもいいのよ、これこそ夏の王道よ!」
 古泉が散歩に出掛けた後、佐々木達の部屋に行ったのだが、その時、ハルヒが肝試しに行こうと言い出した。
 「昼間遊んでいた時、誰もいない神社を見つけたのよ。街灯すらなくてさ。このホテルからそこまでは、ちょうど
いいくらいの距離だし、しかもこのホテルの裏道からいけば、途中の道は照明も少ないし、バッチリよ!」
 いつの間にかいていたのか、手製の地図まで取り出して、ハルヒは熱弁を振るう。
 「面白そうだし、夏の思い出作りにいいイベントじゃないかな、キョン」
 かくして、俺達は肝試しをやることになった。

 とりあえず、ハルヒの言に従い、ペアを作り、一人余るので、残り一人はどこかのペアに入ってもらうことにした。
 長門が作ってくれたくじを引き、ペアを決めた結果は次のとおりになった。
 
 俺と長門。佐々木とハルヒ。古泉と阪中と橘。

 少しハルヒは不満そうな表情をしていたが、くじの結果は結果である。
 一番は俺たちである。
 「暗闇だからって有希に変なことするんじゃないわよ!」
 とんでもないことを言う奴だ。誰がするか。俺はさかりのついた猿じゃない。
 「行こうか、長門」
 俺の言葉に長門は頷いて、その場を出発した。

 海辺のリゾート地は、ホテルが集まる地区を少し離れただけで、宵闇が深くなった。
 もちろん、民家もあるのだが、照明が早くも消えた家が多い。漁師町でもあるこの辺は、眠るのも早いのだろう。
 ハルヒが見つけた裏道とは、その集落の端の道で街灯も少ない,真っ暗な道である。
 ただ、そのせいか、夏の夜空が妙にはっきりと見える。いわゆる光害がないのだ。
 俺と長門は懐中電灯を片手に、夜空を眺めながら神社へと向かう。
 「足元気をつけろよ、長門」
 「大丈夫、キョン君の手を握っているから」
 長門が転ばないように、俺達は手をつないで暗い道を進む。
 ”女の子の手は柔らかいんだな”
 昼間、佐々木に日焼け止めを塗った時も思ったのだが、女性の体と男性の体は全く別のものなのだ。
 ”だからこそ、異性に人は惹かれるのかな”
 俺は、柔らかい手に長門の温かさを感じた。
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------
 繋いだ手に彼のぬくもりと力強さを感じる。胸の鼓動が早くなり、気持ちが高ぶる。
 こんなに近くに彼を感じることができる。
 ”足元気をつけろよ、長門”
 さりげない優しさで、私に気を使ってくれる。
 ”この時間が続いて欲しい”
 佐々木さんと涼宮さん。彼女たちをライバルと呼ぶのは少し違うかもしれない。
 彼への気持ちは、もう少しあやふやなままなところがある。
 ただ、彼を近くに感じたい。彼に触れたい。そんな気持ちは私にもある。
 友達としてだけでなく、異性としての気持ち。私を”女”の気持ちにさせる衝動。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------
 別に幽霊が出るわけでもなく、静寂の闇の中に、波の音と虫の音が聞こえる夜道を歩き、あっさりと神社についた。
 「綿津見神社」と鳥居に記されている無人の神社は、潮風を防ぐ防風林に囲まれてはいるが、綺麗に整備され、地元
の人の信仰が厚いことがわかる。
 「ここから折り返しだな」
 とりあえず、せっかく来たことだし、俺達は参拝することにした。
 少し長く、いろいろお願い事をして(神聖な神社を肝試しに使うのは失礼かもしれないので、一応わびも入れた)、
来た時と同じように、俺と長門は手をつないで、来た道を戻り始めた。
16この名無しがすごい!:2013/08/20(火) 22:51:14.43 ID:04hpjfhv
支援
現実での肝試しは修学旅行とかでこちらが数十人単位でないなら、地元のDQNを警戒しようね
17この名無しがすごい!:2013/08/20(火) 23:56:49.33 ID:8VoGwxT+
>>1
18この名無しがすごい!:2013/08/21(水) 00:48:49.60 ID:K7tzw3uo
>>15
おつ
19この名無しがすごい!:2013/08/21(水) 19:31:12.84 ID:247rPqjL
久々の降水で気温も低下、非常に心地好いのですよ佐々木さん
20この名無しがすごい!:2013/08/21(水) 20:38:33.50 ID:K7tzw3uo
佐々木かわいいよ佐々木
21この名無しがすごい!:2013/08/21(水) 23:47:19.89 ID:pD9g3f1A
佐々木さんが他の僕っ娘と違うのは本心では男女の違いを露骨に意識していそうなところ。
本編で一人称”私”はないけどひょっとしたら、ここぞという場面で使いそうな雰囲気だし。

佐々木SS書く人で一人称の切替が上手くできるのは正直賞賛したくなる。
22この名無しがすごい!:2013/08/22(木) 00:17:55.65 ID:0jEpLa37
避難所の雑談スレに投下されてたのは、故意に「私」を使ってたように思う
23この名無しがすごい!:2013/08/22(木) 18:55:25.66 ID:0jEpLa37
明日の予想最高気温が青表示で35゚
ちょっと笑ってしまったのですよ佐々木さん
24この名無しがすごい!:2013/08/22(木) 23:53:00.53 ID:0jEpLa37
入浴中に落雷で停電してしまった佐々木さん
25この名無しがすごい!:2013/08/23(金) 23:32:04.31 ID:6sRgVZQY
おやすみ佐々木さん
26この名無しがすごい!:2013/08/24(土) 09:05:37.76 ID:Ww6TPgHL
渇いた大地に潤いが戻っていってるのですよ佐々木さん
27この名無しがすごい!:2013/08/24(土) 10:08:46.46 ID:kXbRwUSe
雨のおかげで外は涼しくなったものの、家の中の湿気が……

佐々木さんはそろそろキョンの宿題の進捗状況にやれやれ言ってる頃でしょうか
28この名無しがすごい!:2013/08/24(土) 10:44:26.13 ID:Ww6TPgHL
>>27
宿題を手伝うというキョンの家にお邪魔する大義名分ができて、思わず顔が綻んでしまうのを必死で抑える佐々木さんを幻視した
29この名無しがすごい!:2013/08/24(土) 15:44:26.76 ID:BGNIGtm4
佐々木かわいいよ佐々木
30この名無しがすごい!:2013/08/25(日) 09:11:05.95 ID:QS80epvk
散々散々暑い日が続いてたので、遊びに行けないことより涼しいってことが嬉しいのですよ佐々木さん
31〜 夏の終わりに〜俺の後ろに佐々木がいる。:2013/08/25(日) 19:02:09.74 ID:KO9eZ7uD
     〜 夏の終わりに〜
 
 
 あと二日で夏休みは終わる。
 去年の夏休みの、最後の日のことを私は思い出していた。
 
 あれから一年。
 「キョン、いるかい?」
 キョンの家のインターフォンを押すと、家の中からキョンの妹ちゃんが出て来た。
 「佐々木のお姉ちゃん、いらっしゃ〜い」
 キョンと二人で私の母の実家に遊びに行ったとき以来、この家には来ていないけど(キョンは私の家によく来ている)、
妹ちゃんは夏休みを満喫していたらしく、かなり健康的に焼けていた。
 「キョン君ならいるよ。自分の部屋でクーラ-かけて涼んでいるよ」
 その様子も、去年と全く同じだ。
 キョンの家にあがり、キョンの母親に挨拶をして、私はキョンの部屋のドアを叩いた。

 「・・・・・・え?」
 我ながら、少し間抜けな声を出した。
 「夏休みの宿題だろ?今年はもう、全て終わらせたぜ」
 妹ちゃんが持って来てくれたジュ-スを飲みながら、キョンは胸を張って、そう言った。
 「去年は終わりがけになって、大慌てで佐々木に手伝ってもらって、片付けてなかった宿題をやっただろう?めちゃくちゃ朝早く
から、夜の九時近くまでかかったよな」
 中学生だった去年、課題を終わらせていなかったキョンに頼まれ、呆れた表情で(内心大喜びで)手伝いをすることをOKして、キ
ョンの部屋で、朝早くから課題に取り掛かり、ようやく仕上げたものだ。
 「いくらなんでも高校生になったんだし、中学生の時と同じことをしていたら進歩がないってもんだ。去年は佐々木に迷惑をかけ
たしな」
 迷惑だなんて思ってはいない。あの時間は、中学時代の大切な、夏の思い出だ。
 「キョンも少しは成長したんだね」
 「まあね。だから、今、のんびりしてるわけだ。しかし、面倒なことは先に終わらせておくといいものだ、て実感したよ」
 「なにごとも経験することは重要なことだよ、キョン」
 キョンの成長。少しづつ大人に、人間としても成長していくこの時期。そして、私もまた、大人へと近づいていく。
 「ところで、佐々木。お前のことだから、当然課題は早々と終わらせているんだよな?」
 「もちろん。夏休み前半には終わらせておいたよ」
 「だったら、今から出かけないか?いつもお前にはいろいろ世話になっているから、去年の分も含めて、な。去年は飯食いに
いったぐらいだし、お礼をしないと」
 去年は休みが終わった後、キョンがファミレスでおごってくれた(その現場を国木田くんに見られたけど)。
 「いいのかい?キョン。少し高くなるよ」
 「構わないさ。お前にお礼をすると思えば、安いものだよ」
 「それじゃ出かけようか。クーラ-の効いたこの部屋で過ごすのも悪くないけど、君がどんなお礼をしてくれるのか、楽しみだね」
 
 あと少しだけ、私達の夏は続きそうだ。
32この名無しがすごい!:2013/08/25(日) 19:20:00.32 ID:KO9eZ7uD
「 俺の後ろに○○○はいない。いるのは」「帰省〜お盆狂想曲〜 佐々木さんどきどきナイトその一 」
 「帰省〜お盆狂想曲〜 佐々木さんどきどきナイトその二」 「〜 夏の終わりに〜 」を「俺の後ろに佐
々木がいる」シリ-ズにしようと思います。みなさんの書き込みを見ていると、下手な文章ですけど、色々
と書いてみたくなります。
 
 >>28の方の書き込みを見て話を作ってみました。
33この名無しがすごい!:2013/08/25(日) 20:05:46.16 ID:QS80epvk
おつおつ
期待を良い意味で裏切られた佐々木さんおめ

この世界はループから脱出してる?
34この名無しがすごい!:2013/08/25(日) 21:11:27.21 ID:rsWpe1lo
シリーズ化乙です。
35この名無しがすごい!:2013/08/25(日) 22:49:13.50 ID:KO9eZ7uD
 Part71がまだ書き込めそうですね。あとどれくらい書き込めるのでしょうか
?埋めネタ藤原に活躍してもらいましょうか。SS職人さんの規制はまだ解け
ないのでしょうか。たくさんお作品を期待しています。
36この名無しがすごい!:2013/08/25(日) 23:30:22.63 ID:yChrhZkB
>>32
乙です 続き物は大変でしょうが気長にやっていってください

>>35
本来500KBまでで15KB前後位余裕あるんでしたよね?
1KBって何文字くらいでしたかね? いつまでたっても覚えきれない……
37この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 01:57:31.19 ID:JFl7u7ls
佐々木さん、こんばんは
38この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 08:13:56.59 ID:5VZQFvY6
西日本の大雨がひどいですよ佐々木さん
大阪梅田に店持ってる知り合いが浸水がシャレにならんと半泣きで連絡してきましたよ
関西程ではないにしろ福岡もまだ結構な大雨ですよ
39この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 11:48:31.71 ID:pRk8/n0F
テスト
40この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 11:49:45.29 ID:pRk8/n0F
ついに復活なのですよ、佐々木さん*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
41この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 12:20:09.68 ID:WmaPU52S
おめでとさんwwwこれからまたよろしくー

>>38
何年か前の話だけど、未明に大雨が降って数十cm浸かったことがあった
夜明けにはもう水引いてたけど、アパート1階に住んでた人はびっくりしただろうなあ
42『ねこのレポート』:2013/08/26(月) 14:26:16.99 ID:pRk8/n0F
皆様。皆様は現在、興味深い事は何であろうか。私はご主人とその番いの巣における行動様式である。
今回、ラボ…ご主人の巣だが…における行動様式を纏めてみた。取り留めないレポートではあるが、皆様に報告をしたい。

「暑い…」
「言の葉に乗せるのはやめたまえ。余計に暑くなる。」
ご主人とその番いは、羽根が高速回転して異音が立つ物体の前に寄り添っている。
最初は離れていたが、次第に物体の前に寄って来た。風よりは自分のように日陰にいたら涼しかろうに。
番いも番いだ。ご主人に寄り添っては暑いという事は、この番いの中には無いらしい。ご主人の腕に手を回している。
だが、ご主人は気付いてすらいない。汗をかいた飲み物を入れた透明なもの。カランと音を立てる、水が固まったもの。
ご主人からも少し発情の香りがする。番い?言うに及ぶまいよ。漸く子を成すか。
ここはそっと巣から出るのが思いやりだろう。だが、ご主人よ。せめて物陰に移動したほうがいい。
番いも下が冷たいほうがよかろう。煮えた床では肉球が火傷してしまう。
「佐々木。」
「キョン…」
やれやれ。初めての発情ではやむを得んな。レクチャーしようにも私には相手がいない。ここはご主人達の勢いに任せるべきであろう。
出歯亀を止めて外に出る私。主人の幸せを願う忠猫といえる。
「シャーミー♪」
……人によっては天使の音色と呼ぶであろう、その声。私は地面に落ちたセミが、最後の力を振り絞り騒ぐが如き勢いで振り向いた。…そこには…
「あそぼ♪」
殺猫兵器の権化たるご主人の妹…私のもう一人の主人が立っていた。
私は逃げた。心肺機能の限界に挑むが如く走り、猫のオリンピックがあれば有数の成績が取れるであろう走りを見せた。
だが。現実は非情だ。
アメフトで世界を狙えるであろう凶悪タックルに、私は成す術なく倒れ…敢え無く妹の腕の中ご主人の巣へ戻された。
耳をつんざくような叫びがあったが、それはご主人、妹、番いの叫びだといっておく。
あまり関係ないが、ご主人と番いは日陰に移動していた。どうやら心配は杞憂だったようだ。
だが。番いの匂いを嗅いでもご主人の匂いはしなかった。猫は5分もあれば……。ううむ、人は難しい。
まだまだこの巣には、私の学術的関心を引くものが多い。ご主人と番いの研究はまだ、始まったばかりだ。私はご主人の膝の上に座り、次なる機会を待つ事にした。
レポートを取る機会があれば、皆様にご紹介していきたいと思う。また次回に期待して頂きたい。

END
43この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 14:44:10.86 ID:pRk8/n0F
シャミセン視点。
『ねこの森には帰れない』の続編という事でお願いします。
44この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 18:32:45.35 ID:WmaPU52S
おつー
妹ちゃんは「ちゃん」仕様のようですなw
はたして部屋への突入は故意か否か…
45この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 19:35:02.92 ID:pRk8/n0F
シャミセン視点をシリーズにするとしたら
『ねこの森には帰れない』

『あの子の愛した三毛猫』
のどちらがいいですかね?
46この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 19:58:31.44 ID:WmaPU52S
>>45
『あの子の愛した三毛猫』が検索しても見つからない(´・ω・`)
どんな話だったっけ…
47この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 20:20:19.29 ID:pRk8/n0F
いえ、後者はSSは書いてないです。
シリーズのタイトルという事で…
48この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 20:30:01.20 ID:bPigsAQF
「ねこの森には帰れない」に一票。お待ちしていました。
>>42 乙です。
49この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 20:46:34.86 ID:WmaPU52S
>>47なるほど
ならワタクシもねこの森に一票
50この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 21:39:30.50 ID:pRk8/n0F
ありがとうございます。
では、『ねこの森には帰れない』にしたいと思います。
毒吐きモノローグを長門に読まれ、こっぴどい目に遭わされないよう祈りましょうw
51〜移ろい花火〜俺の後ろに佐々木がいる:2013/08/26(月) 22:08:06.08 ID:bPigsAQF
     〜移ろい花火〜俺の後ろに佐々木がいる

 夏休みが終わり、最初のテストもまあ上々。新しい季節と学期が始まった、最初の週末。
 夕食を食べ終わったあと、佐々木から電話があった。
 「キョン、今からお邪魔していいかい?」
 どうぞ、どうぞ。別に予定はないし。
 「それじゃ今からすぐそちらに向かうよ」

 夏に比べれば、日が沈むのも随分早くなって、周囲は宵闇が覆っていた。
 「お待たせ、キョン」
 電話を受け取り、程なくして佐々木はうちにやってきたのだが、佐々木はかなりの大荷物を
抱えていた。
 一体何を持ってきたのだろう?
 そう思っていると、俺の目の前で佐々木は荷物を広げ始めた。
 「これは花火か?」
 「そう、その通り。買い物に行ったら、投げ売り状態で、半額やら割引シ-ルやらが貼られて
いたのでね。今年の夏は花火をやらなかったから、急にやりたくなったんだ」
 そう言われると、去年、まだ中学生の夏休みの日に、俺と佐々木と国木田、岡本、須藤、中川
と花火をやった。
 中学生の夏の最後の思い出。今、そのうち3人は、俺たちと別の道を歩んでいる。
 「早速やろうか、キョン」

 うちにも妹が親にねだった花火が残っていて、それも使い、妹も参加して、庭で花火に火をつけた。
 打ち上げ花火はなく(あっても住宅地じゃ苦情が来るから、火はつけられない)、いわゆる家庭用
の玩具花火、手持ち花火と呼ばれるものばかりだが、俺も佐々木も妹も多いに楽しんだ。
 別に花火は夏だけのものではないのだが、やはりこの季節ではないとどうもしっくりこないような
気さえする。佐々木が見たように、投げ売りされていたのも、やはり花火は夏物、という考えが日本人
の多数に意識されているからだろうか?

 「これが最後の花火だね」
 かなり長い時間、花火を楽しんだあと、佐々木が取り出したのは、丁寧に梱包された線香花火だった。
 「佐々木、その線香花火、何か特別なものか?」
 「さすがキョン。よく気づいたね。」
 よく見かける線香花火に比べ、佐々木が取り出したのは、先が黒く短くて色も素朴なものだった。
 「線香花火は二種類あるんだよ。関西では、今僕が持っているスボ手牡丹というものが一般的だった。
諸説あるが、三〇〇年前に最初に作られた線香花火はこの花火で、その原型を受け継いでいる。一方、
よく見かける線香花火は長手牡丹と言って、スボ手牡丹が関東に伝わり、進化して全国に広まったと言わ
れている。どちらも日本で生まれたものだけど、いまや日本で生産しているところはほとんどない。この
スボ手牡丹も生産しているのは、日本でただ一件、福岡のみやま市高田町の花火屋さんだけなんだ。そして、
この花火は、その貴重な国産のスボ手牡丹の線香花火なんだ」
 「よくそんな貴重なものが手に入ったな」
 「親戚のお土産なんだよ。九州旅行に行ってね。僕にくれたんだ」
 良くはわからんが、何かすごいもののような気がする。締めくくりにふさわしい花火である。

 線香花火には、花火の状態で各それぞれに名前がついているという。
 添加した直後の状態が「蕾」、そして「牡丹」、「松葉」、「散り菊」。それらは人の一生を、花火で表現
したものだという。
 「僕らの今の状況は、線香花火に重ねると『牡丹』に当たるらしい」
 安物の線香花火にはない、闇夜に瞬き、儚さを持ちながら、しっかりと存在感を主張して、スボ手牡丹の線香
花火は火花を放っていた。

 
52〜移ろい花火〜俺の後ろに佐々木がいる:2013/08/26(月) 22:09:14.14 ID:bPigsAQF
すべての花火に火をつけたあと、俺は後片付けをする。
 夜風が涼しく、もはや季節が夏から秋に変わったことを感じさせた。
 庭の片隅に潜んでいた秋の虫たちの音色が聞こえる。
 「今日は楽しかったよ、キョン。こうやって季節に区切りをつけるのも悪くはないね」
 いや、俺の方こそ楽しかった。
 「それじゃ僕は帰るよ」
  ああ、それなら家まで送るよ。結構遅くなったしな。
 「ありがとう、キョン」

 「それじゃ、キョン」
 佐々木の家までついてきて、玄関先で俺達は別れる。
 「ああ、そうだ、キョン。君は明日も時間があるかい?」
 今日と同様、何も予定はないさ。
 「そうか。キョン。文化祭の準備もあることだし、よかったら明日本屋に行きたいんだけど、一緒に来てくれな
いかい?」
 構わないよ。そういえばもうすぐ文化祭だったな。
 「君が応募する小説も、もうすぐ締切だしね。取材に出かけて細部を詰めないと」
 もうほとんど完成はしているんだが。
 「その小説の賞金で、晩秋の行楽シ-ズンに、君と旅行に行く予定を立てておいていいのかな?」
 佐々木は面白そうに、くっくっくっと笑った。
53この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 22:15:33.70 ID:bPigsAQF
今回の花火の話は、福岡県のみやま市高田町竹飯1917の筒井時正玩具花火製造所
さんのホ-ムペ-ジを参考にしました。以前TVでここの会社のことを知り、使って
見たいと思っていまして、昨日、弟と買い物に行った時、半日に割引シ-ルが貼られ
ているのを見て思いつきました。
54この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 22:43:31.61 ID:WmaPU52S
おつー
筒井という花火師、打ち上げ後に毎回製作した花火師の名を告げる福岡の某花火大会で聞いたことあるような
連発花火の締めで白色の花火が一斉に打ち上がり、辺りを明るく照らし出す様子は爆音とも相まって凄い迫力だった記憶が
55この名無しがすごい!:2013/08/26(月) 23:07:17.31 ID:YPUhoBWC
>>40
復帰おめ。
2ch全体できな臭いことになっているようだけど、なるようにしかならんか…。
56『ねこの森には帰れない』:2013/08/27(火) 02:30:35.10 ID:5XjYBOJZ
『銀河通信』

人は、たまに金属を耳に当てている。そこにある表情は様々であり、泣きそうな者、笑う者、怒る者と様々だ。
ご主人は、あれを使い番いと連絡をしている。あれはきっと何らかの通信器具に違いない。
私には分からぬものだが、ご主人が離れている時に一度触ってみた事がある。
猫の言葉で「あまり悪戯をすべきでない」と窘められ、少々反省した事を覚えている。
あのまな板らしき声であったが、まさか猫の言葉を人間が解すると思う程、私はロマンチストでない。
もし解するのであれば楽しいものだろうが。こうした一歳位で終わらせるべき妄想。私は時折こうした妄想を楽しんでいる。
真夜中、ご主人が一人黙っていると、あの番いから連絡があり、番いとの会話に私も混ざるのだ。
そうあれば楽しかろう。私の知らぬ主人、番いの知らぬ主人との情報交換だ。
こうした愚にもつかぬ妄想、そして現実に起こり得ない話は想像であるから楽しい事は、よく理解している。
相互のコミュニケーションは、人と猫では違うのだ。人が常時番いといたがるように。

「佐々木か?」

今日もまたあの番いから連絡があったようだ。
下から見る主人は、安らいだように笑っている。
遠い銀河にいる姫君から掛かってきた連絡でないのだよ、ご主人?
些かながら食傷しつつ窓から外を見る。
空には星が瞬いている…満天の星空とまでいかなくとも、なかなかの風情だ。
銀河が巡り、星が消えても思いは消えないものであろうか。その思いを繋ぐ通信器具。
そう考えれば、何ともロマンチックではある。

ご主人の膝の上で、時折漏れる番いの言葉を聞きながら私は眠った。
せめてこの番いが、銀河を越えた思いを繋ぎますように、と願いを込めて。

「キョン、さっきからどうしたんだい?」
「いや、お前から電話がかかってきた後からシャミセンが膝の上に陣取っていてな。動くに動けん…」

END
57この名無しがすごい!:2013/08/27(火) 07:16:25.49 ID:6dRqefxb
おはおつ
…………キョンと佐々木さんの会話、もしかして長門に筒抜け?
長門→くーちゃん→きょこたんと伝言ゲームで伝えられたら最終的にどんな内容になってるのかしらww
58この名無しがすごい!:2013/08/27(火) 21:09:14.51 ID:XUKPwOxN
いよいよツガノ先生の漫画も来月号で終了。佐々木さん最後の出番だったのでしょうか。
rainy dayの漫画化はなさそう。(あるいは書き下ろしかも?)
ぷよ先生の方は続きそうだけど、谷川先生、続きまだですか?
59『ねこの森には帰れない』:2013/08/28(水) 09:56:26.51 ID:k31t+7lm
『ねこのつがい』
※『雨と猫』のアナザー

「こんな形で、キミとコミュニケーションを取るとはね。」
「全くだ。お近付きの印に猫缶でも如何かな?」
「お気持ちだけで。」
…どのような経緯を辿ったか知る由もないのだが、主人の番いが猫になっていた。
「何やら一服盛られてね。下手人に目星はついてるし、今度会ったら仕置きしてやろうと思っているよ。」
「それはそれは。」
それは良いとして、だ。
「何かな?」
「つがいよ、そこは私の特等席なのだが?」
つがいは、主人の膝の上に寛いでいる。そこは私の特等席なのだが?全く憤懣やる方ない。
「いつもはキミに独占されているからね。独占禁止法を知っているかい?」
「商法と民事法は違う。良いか?つがいよ。私が主人の膝を独占するのは、それはこの家の家猫たる私に与えられた資格、そして権利だ。」
つがいは、ニヤリと笑う。
「騙されなかったか。」
「詭弁を…。」
主人の腹に首を擦り付けるつがい。主人はつがいの頭を撫でる。…幸せそうに目を瞑り、ゴロゴロと鳴く…。
母猫に甘えた時の甘美な記憶を呼び起こす、猫に許された特権たる行動を猫に見せつけるとは!
「良いではないか。存外気が小さい。」
「良くはない!貴様は望めば主人にそうされる事が可能だ!猫の立場を濫用する権利など…」
「人は素直でなくてねぇ。」
主人よ!即刻この雌猫を膝から降ろし、私を撫でる事を要求する!
「メスネコか。言い得て妙だね。こうしてキョンの腕の中にいると、僕は女なんだと実感を伴いながら理解出来るよ。」
恍惚とした表情のつがい。んんんんん!ゆ、許るせーん!
餓狼伝説の伝説の誤植ではない。単に巻き舌になり、『る』が被っただけだ。
ヒトの時も主人を独占し、あまつさえ猫になってまでも独占しようとは!堪忍袋の尾が切れた!実力行使にて排除する!
「あ!こら、シャミセン!」
……主人の部屋を無茶苦茶に荒らし、私は罰として暫く主人の部屋に入れて貰えなかった。
あまりの不条理に扉を爪で掻いていると、いつの間にかヒトに戻ったつがいが、私にマタタビをくれた…。
つがいにしてみたら、私とコミュニケーションを兼ねた遊びだったのだろうか。全く性格の悪い。
こんなものでは誤魔化されんぞ。有難く頂くがな。

「…お前が来ると、シャミセンが膝から離れん…」
「猫にも色々事情があるんじゃないかい?」
つがいが、私を見てくっくっ、と笑う。
誰のせいだ、誰の!

END
60この名無しがすごい!:2013/08/28(水) 12:33:49.23 ID:PISoUPMA
おつー!
嫉妬するシャミセンもかわいいが、猫でならキョンに対して素直になれる佐々木さんはもっとかわいい
61Autumn Rainy&Sweet Day 〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/08/28(水) 17:29:13.08 ID:nwd4ScCj
      Autumn Rainy&Sweet Day 〜俺の後ろに佐々木がいる〜

 突然降り出した、夏の夕立のような激しい雨にたたられて、全身濡れ鼠になったのが、昨日のことで、
すぐにシャワーを浴びたのだけど、私は体調を崩して寝込んでしまった。
 ひときわ暑い猛暑に耐えてきた体のツケが、気温が変わって一気に吹き出したようだ。
 一日おとなしく寝ていたら、なんとか元に戻っては来た。
 窓の外をみると、秋雨とも言うべき雨が降り続いている。おかげで気温は大分下がっていて、過ごしや
すい。
 夏の豪雨ではなく、シトシトいう擬音の表現がピッタリくるこの時期の雨。確実に季節は移ろいでいた。

 家の中は静かだ。
 母親は仕事で、今は家の中に私一人。
 普段は私も学校に行っているから、日中は誰もおらず、こんな風に静かなんだろう。
 ”おい、佐々木、大丈夫か?”
 キョンに学校を休むことを伝えたとき、心配そうな声で聞いてきた。
 ”帰りに寄るからな”
 その言葉が、優しく、私の胸に響く。
 もう少し休んでいよう。
 横になった私の耳に秋雨の音が静かに聞こえる。

 携帯の音で目を覚まして三十分後、キョンが家にやってきた。
 「調子はどうだ」
 「うん。もう大丈夫。一日おとなしくしていたから、明日は登校するよ」
 「そうか。よかった。あ、それとこれは今日の授業のノ-トな。あんまり時は綺麗じゃないけど」
 キョンが渡してくれたノ-トには、きっちりと授業の内容が記されていた。
 「居眠りはしなかったようだね」
 「さすがにな。真面目に聞いて、漏らさず全部書いたぞ」
 「やれば出来るじゃないか、キョン」
 私のために頑張ってくれたことが本当に嬉しかった。
 「それと、これは見舞いの品だ。後で食べてくれ」
 
 キョンが持ってきてくれたのは、私が大好きな星華堂のクリ-ムモンブランケ-キだった。新栗が出回る
この時期だけに作られる、口当たりが良い甘さのモンブランケ-キ。それが二つも入っていた。
 「食事のあとにでもお母さんと一緒に食べろよ」
 「待ってくれ、キョン。僕はあんまり食事が入っていなくてね。それに疲れを取るには甘いものが一番だ
し、せっかくだから、今すぐ食べたい」
 「まあ、お前が好きなようにすればいいさ」
 「君も一緒に食べよう。母親には後日、僕が買ってくるからさ」

 キョンが入れてくれた紅茶とモンブランケ-キを並べる。とても美味しそうだ。
 「そうだ、キョン。せっかくだから、病人の僕にケ-キを食べさせてくれないかな」
 「へ?」
 「頼むよ、キョン。ほら」
 口を開けて、キョンの前に座ると、キョンは僕がやって欲しいことを察したようで、ケ-キを切り取り、フォ
ー国突き刺して、私の口の中に入れた。
 「うん。甘くて美味しい」
 キョンの顔が少しだけ朱色に染まっていた。
62この名無しがすごい!:2013/08/28(水) 21:25:48.61 ID:PISoUPMA

普段の佐々木さんからは到底考えられない行動、どうやら佐々木さんは完治していないようだ
キョンが帰って一人になったら、我に返って恥ずかしさから悶絶しそうw
63恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/08/28(水) 22:05:10.91 ID:nwd4ScCj
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS 夏の夜想曲その8


 「ちょっと、あれ、雰囲気が出すぎていない?」
 キョンが不平タラタラのペリカン口と評する不満げな表情を浮かべて、涼宮さんはそう言った。
 綿津見神社から出てくるキョンと長門さん。闇夜の中で、長門さんが転ばないように、キョンは手をつなぎ、
長門さんはキョンに寄り添っている。
 涼宮さんの言うとおり、知らない人間が見れば、二人はとても親密な関係に見える。
 「早めに出てよかったわ。キョンも男だから、このままの雰囲気であんなことやこんな事になりかねないから、
有希を守るために監視しておかないといけないわね」
 言い訳がましい、説得力ゼロのセリフを吐きながら、涼宮さんは二人の後をつけようとする。
 「涼宮さん、一応神社に行かないと。だいたい肝だめしをやろうと言いだしたのは涼宮さんでしょう」
 「・・・・・・まあ、確かに佐々木さんの言うとおりね」
 「それにキョンなら大丈夫と思うの。涼宮さんが気にかけているようなことはおきないわよ」
 キョンは人の信頼を裏切らない。今の長門さんがキョンに寄せている信頼を、壊すような人間ではない。

 私たちが神社でお参りしている愛だ、キョンたちは更に先に進んだようだ。
 涼宮さんは、少し急ぎ足で帰り道を急ぐ。
 ”それにしても・・・・・・”
 時間は大切なのだろうか?
 長門さんがキョンに寄せている信頼。安心したような表情で、キョンの手を握り、その身を寄せている。
 私も涼宮さんも、キョンと知り合って、そんなに時間がたっているわけではない。それでも私達は、随分
キョンと親しくなったような気がする。
 ただ、私、長門さん、涼宮さんの三人の中では、長門さんが一番キョンに近い(物理的な距離ではなく、
心理的な距離)と思うのだ。
 鶴屋さんからも”この旅行でハンデを埋めなきゃだめっさ。佐々っちは綺麗なんだから、一寸は女の武器を
活かして、キョン君を掴むんだよ”とアドバイスもされている(昼間の日焼け止め作戦は少し恥ずかしかった
けど)。
 ただし、人の心の距離を縮める最大の武器は、私は信頼だと思っている。そして信頼はすぐにできるもので
はない。日頃の積み重ね、お互いがともにいる時間が有り、相手の心に響く行動があり、誠意があり、そうや
って醸成されていくものなのだ。
 キョンの話では、長門さんとは他校ではあるが、中学時代から接点が有り、高校では一緒のクラスになり、
一緒に行動することも多いと聞く。そのなかで、長門さんはキョンへの信頼を持つようになったのだろう。

 ”キョンと私の間に強い信頼関係が出来ますように。私にもキョンと過ごす時間が増えますように”
 神社で神様に頼んだ、私の小さな、でも思いを込めた、強い願い。

 ----------------------------------------------------------------------------------------------------

 「よ、早かったな 」
 キョンと長門さんは無事にホテルに到着していて、私と涼宮さんを出迎えてくれた。
 「結構暗かったからな。佐々木もハルヒも怪我とかしてないだろうな」
 「それは大丈夫。少しつまづきそうになったけど、僕等は運動神経は悪くないんでね」
 「そうか、それはよかった。もうすぐ古泉達も戻ってくるだろう。あとでアイスでも食べるか。近くにス-パ-
があったよな」
 「え、キョンがおごってくれるの?」
 「ああ。構わないさ」
 キョンは笑いながらそう言って、その横で、長門さんも楽しそうな笑顔を浮かべていた。
64この名無しがすごい!:2013/08/28(水) 23:16:47.87 ID:PISoUPMA
しえん
65この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 12:25:58.60 ID:slkLF1gT
最近涼しいのは良いのですが、姉がすっかり夏風邪で参っているのです。
消化が良く、手っ取り早くカロリーを、と考えてベビーフードを渡したら平手打ち食らったのですよ佐々木さん。

久々に週末ネタ拾いを始めたいと思います。
先着二名様で
見たいシチュエーションを明記下さい。
66この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 18:09:34.15 ID:WnfYLSg0
なんか台風直撃しそうな雰囲気ですね佐々木さん

それとは無関係に>>65
妹ちゃんが魔法少女に変身する場面を目撃してしまった佐々木さん
67この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 21:19:53.53 ID:slkLF1gT
>>66
把握。
魔法少女というと、大魔法峠が一番好きだといふ…w

台風どうなるんでしょうね。
直撃しなけりゃいいんですが。
68この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 22:15:55.32 ID:WnfYLSg0
昔は台風楽しみだったなあ…
キョンの家で妹ちゃんだけはしゃいでそうだ
69猫と君と僕と〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/08/29(木) 22:22:21.25 ID:sIQhz0Ph
猫と君と僕と〜俺の後ろに佐々木がいる〜

 学校からの帰り道、商店街のすぐ近くにある公園の入口で、野良猫を見かけた。
 警戒心を見せるわけでもなく、こちらにくる素振りを見せたわけでもない。
 ただ、その猫はまだそれほど大きくなく、まだ子猫かな?と思った。
 母親から買い物を頼まれていたので、私はス-パ-によることにした。

 母親から頼まれていたもの以外に、私は一つ予定外の物を購入していた。
 スライスチ-ズ。ちょうど特売だった。
 あの公園に向かうと、野良猫はまだそこにいた。
 袋を破り、チ-ズを一枚取り出す。
 「ほら、おいで」
 野良猫は私の側にやって来て、チ-ズの匂いをしばらく嗅いでいたが、端の方に食らいつくと、ゆっくりと食べ始めた。
 
 まだ私が「佐々木」という苗字でなかった頃。
 やはり学校の帰り、私は小さな箱に入れられて、捨てられていた、かわいい子猫を見つけた。
 両親に飼ってもいい?と聞いて、何度もお願いして、ようやく父が「いいだろう。ただし、お前が責任持って世話をす
るんだぞ」と言い、私は喜んで猫が捨てられていた場所に行った。
 だけど、その子猫は既に鳴くこともなく、冷たくなっていた。
 その日、私は泣き続け、その子猫の遺体を庭に埋めてあげた。

 昔のことを思い出したのは何故だろう。あのことがあって以来、私は生き物を飼おうとは思わなかった。そして、父は
それから程なくして家から出て行ってしまった。
 毛が少し長く、どうやら雑種らしい。私が飼いたいと思った子猫に、どことなく似ていた。
 「もう一枚だけあげる」
 猫は満足げに喉を鳴らしながら、再びチ-ズに食らいついた。
 「猫だけに、気まぐれかしらね」
 私は小さく呟いて、その場を去った。

 
70猫と君と僕と〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/08/29(木) 22:23:30.84 ID:sIQhz0Ph
それからしばらくたったある日、私はキョンの家に遊びに行った。
 最近、キョンの家にお邪魔することが多くなった。
 キョンも私と同じ塾に通うようになり、また文化祭も近づいてきて、必然的にキョンと二人で勉強したり、共に行動する
ことが多くなったからだ。そして、それ以外にも二人でよく遊びに出かけるようになった。
 「佐々木のお姉ちゃん、いらっしゃい!」
 キョンの部屋でくつろいでいると、妹ちゃんがそう言って入って来た。
 「あれ、その猫?」
 妹ちゃんは子猫を抱いていた。毛が長い、雑種の子猫。
 「ああ、これか。この間、商店街の近くの公園で見つけたんだ。ちょうど妹(こいつ)が猫が欲しいな、とか言い出したん
で、どうしようかなとか考えていたら、公園で見かけたんだ。野良猫だった割には人懐っこいし、毛並みも綺麗だったんで、
家に連れてきたわけさ」
 「へえ、そうなんだ。妹ちゃん、一寸触らせて貰っていい?」
 「うん、いいよ!」
 妹ちゃんから受け取り、私は子猫を抱く。子猫は擦り寄って来て、喉を鳴らした。
 「かわいい猫だね。とても人に慣れている。キョン、時々この猫触りに来てもいいかい?」
 「どうぞ、構わないよ。いつでも来いよ」
 「ところで、この子猫、名前はなんていうんだい?」
 「あー、それがな。妹が付けたんだけどな―」
 「シャーミて言うの!可愛いでしょう!」
 「シャーミって、確か君が書いて応募した小説に出てくる三毛猫の雄の名前かい?」
 「あんまりいい名前じゃないけどな」
 由来が三味線だからね。
 そんなことを知ってか知らずか、自分の名前を呼ばれ、子猫は小さな声でニャ-と鳴き声をあげた。
71この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 22:54:52.71 ID:bh7kYWvL
>>65
キョンと佐々木さんが普通自動二輪免許取って
一緒にバイクでツーリングする話とかどうでしょうか?
72この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 23:20:00.37 ID:slkLF1gT
>>71
把握。
バイクの種類(ネイキッドやレプリカ、アメリカンやビクスク)に指定ありますか?無いならば、適当に決めます。
73この名無しがすごい!:2013/08/29(木) 23:54:23.14 ID:WnfYLSg0
>>69-70支援
佐々木さん悲しひ思い出(´;ω;`)

>>72
知識の幅が広いね期待
74この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 15:23:29.06 ID:os1c9Coa
>>71
ネタ承諾ありがとうごさいます。
バイクについては、あんまり知識無いので適当でいいです。
自分で言っておいてなんですが、キョンにはバイク買うぐらいの財力あるかな。
75この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 15:24:12.22 ID:os1c9Coa
>>71×
>>72○でした
76この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 18:29:27.13 ID:+gnQJ+Oo
豪雨+雷なのですよ佐々木さん

>>74
SOS団の奢りがなけりゃ買えそうな気が…
77この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 18:45:54.61 ID:dzgb0UnO
SS団なら、ナチスになるのか?
78この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 18:58:03.82 ID:sU94vBD0
最近、近所の子どもたちの間では、魔法少女ごっこが流行っている。
「(子どもは無邪気でいいね。)」
無邪気に主人公となり、日々の平和を守るのだろう。ふと、そんな時…聞き覚えのある声が、路地裏から響く。
「街の平和を乱す人にはおしおきなんだよ〜」
あの声は彼の妹なんだろうか?路地裏に走り、路地裏を見るとそこには彼の妹と、その友人らしい女の子が、不良と相対していた。
いけない、警察に…と思っていたら、声が響く。
「リリカル・トカレフ・キルゼムオール♪」
…な、何?前者はともかく、後者の凄く怖い単語は?!そしてそこには、商品化を前提としたかのようなギトギトデザインの魔法少女がいた。
「プリンセス…飛び付き式クロスヒールホールド〜♪」
…腱の千切れる音が響く。目を疑っていると、更なる衝撃的な映像が目に飛び込んで来た。
「まず、お前から血祭りに上げてやる…」
物騒な言葉を呟きそこに立っていたのは……筋骨隆々の女の子だった。不良達も逃げたらいいのに…。あ、一人逃げ……
「何処へ…行くんだぁ?」
いつの間にか回り込まれていたようだ。ありとあらゆる絶望が入り混じったこの空間。最早死亡フラグどころの騒ぎではない。ボッコボコにされた不良達が、地面に転がる。
「またそんな事してたら、お仕置きだからねー♪」
「不良どもか……。自分達の車に連れ込みたいと、車を見ていたなぁ……。」
車?あのワンボックスカーかい?
「いつか…連れ込めるといいなぁ…」
ポーピー、という音がし、何か蛍光色の光が筋骨隆々の女の子から出る。
「あ…車…」
デデーン、という音と共に車が消える……
狂ったかのような二人の哄笑が路地裏に響き、不良達の怨嗟の視線が二人を貫く……
「あ……悪魔たん……」
不良達の呟きが全てを示している。エンタメ症候群にしても行き過ぎだ!それに我が街の治安はこんなに悪かったのか?あんな肩パッドにモヒカンのヒャッハー達なんて、実物は生まれて初めて見たよ!
…暫く唖然としていたら、キョンに声をかけられた。
「何してんだ?佐々木。」
「あ、キョン!大変だよ!そこの路地裏で…」
私はキョンの手を引いて路地裏に入る。そこには…
「何もないんだが?」
あ、あれ?さっきまで血塗れのヒャッハー達が倒れ、車が爆破されていたはず……
「白昼夢でも見たんじゃないか?ったく。」
白昼夢、だよね。あんな光景が現実にあるわけないじゃないか。全く、僕とした事が疲れていたみたいだね、キョン。
「ったく。…頭の回復に喫茶店でも行くか?お前の好きなケーキでも食べたら、少しは落ち着くだろう。」
「キミの奢りかい?」
「割り勘だ、アホ。」
「くっくっ。」

ーーーー
同時刻、長門家。
「ーー魔法少女ーー体験セットーー」
「……感想を……」
二体のインターフェースが、妹とミヨキチに話し掛けていた。
「仮想空間での超常現象……これは楽しかった?」
「楽しかったというよりは、怖かったよね。ミヨちゃん。」
「私、あんなキャラじゃないのに…」
二人が笑う。朝倉は、四人にお茶を出しながら言った。
「仮想空間での願望実現化なんだから、橘さんや、谷口くんが実験台でも良かったんじゃないの?」
朝倉の言葉に、二体のインターフェースが首を振る。
「ーー朝倉ーー涼子ーー」
「ここは、全年齢対象。」

END
79この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 19:07:01.00 ID:sU94vBD0
タイトルは『白昼夢』でお願いします。
QBネタを使おうと思いましたが、現実路線でw

>>74
把握。少し予想外のバイクになるかもですw
80この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 19:35:26.17 ID:+gnQJ+Oo
おつ!
ヒャッハー共の車はバギーかジープみたいなイメージが強いから、ワンボックスに乗るヒャッハー想像したらちょっとシュールだ…ミヨキチがビスケ(ゴリラVer.)の時点で充分シュールだけどw

願望実現だから魔法少女とは限らないのね、谷口きょこたんにやらすと確かにマズイわ
81この名無しがすごい!:2013/08/30(金) 23:31:46.85 ID:+gnQJ+Oo
雨風雷が小康状態なのですよ佐々木さん
せめて21時くらいから小康状態になってくれてたなら、いくつか必要な買い出しに行けたのに…
82この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 04:36:28.01 ID:LXAQUyvD
>>79
乙です 何か元ネタあるんですかね?

レプリカは初心者には技術的にきついし基本的に超前傾姿勢だから長距離は向いてないですよね
クルーザーは乗りやすいけど、とにかく長距離だと腰が……整備もちょっと……
ビクスクはオートマで運転楽だけど乗ってるのがやんちゃなお兄ちゃんかおっちゃんのイメージ
佐々木さんの性格から言ってやっぱりネイキッドですかねぇ CB?XJRでも……
キョンには超古いバイク(陸王とか)が似合いそう

昔ツーリングの時休憩所で見たカワサキさんとこのローソンレプリカに乗った女性がすごくかっこよかったなぁ
で、その勢いで受けた限定解除試験も合格したのに先立つものがなく断念した記憶が……
欲しいなぁ、って言ったら旦那と息子から説教されました 娘は超無関心……味方不在です
それはどーでもいいとして、レーサータイプに乗るとしたら女性陣に似合うライダースーツは何色ですかね?


つーか、台風福岡直撃予定って……嘘ぉ……(´;ω;`)
83この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 06:55:21.41 ID:nmnZTwjr
>>82
元ネタ
妹→『大魔法峠』田中ぷにえ
ミヨキチ→『ドラゴンボールZ』ブロリー
ヒャッハー→『北斗の拳』やられ役の皆様

バイクだと、佐々木さんにはSRに乗って頂きたいw
一昔前の定番故にカスタムパーツも豊富で、乗り手のセンスが出るバイク。
あと、古いカワサキだけは勧めない。
女性のライダースーツは是非ライムグリーンでw

台風ヤバい。・゜・(ノД`)・゜・。
84この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 08:42:30.57 ID:+QRCdGMr
天気予報見逃したー
昨日最後に見た予報ではギリギリ対馬海峡方面に進みそうだったけど、台風はどこへ行くのだろう
85『モーターヘッド』:2013/08/31(土) 12:55:51.92 ID:nmnZTwjr
日常生活、足があれば便利であろうという事で、バイクの免許を取ってみた。
教習所では意外にも佐々木がいた。どうやら学校まで電車で通うのが辟易したらしい。
同じ日に卒業し、バイクを買う段階で佐々木は俺に言った。
「別に高校生風情が、良いバイクに乗る必要もなかろう?僕に任せてくれたまえよ。母のツテがあり、安く手に入るバイクがあるんだ。」
「ほう。」
それは楽しみだな。一週間後、佐々木の家を訪ねると…そこにあったのは…
「カブ?!」
「くっくっ。その通り。」
郵便局で使うようなカブだ。
「古くなったようでね。母に話があったんだ。偶々二台あって良かった。」
…この何処にでも履いて捨てるような、ボロボロのバイク…いや、乗り物。払い下げ一万円か…こんなものなのか?
「…なあ、親友。」
「なんだい?」
「せめて、もう少し見目良いバイクはなかったのか?」
俺の当然の疑問に、佐々木は含み笑いをしつつ答えた。
「くっくっ。キミ、カブはカスタムベースに大人気なんだよ?
我々のような少ない小遣いを遣り繰りしている立場からすると、経済的でカスタムパーツも豊富、かつ二人乗りも可能という、まさに夢のような代物だ。」
しかし、見た目がなぁ。郵便局カブでは格好つくまい。佐々木はコンパウンドを構えて言った。
「さて、大掃除だ。ついでにカスタムの下地も作るか。」
「え?」
「くっくっ。僕も初めてだから、戸惑う事ばかりだろうが…キミがリードしてくれたまえ。」
「誤解を招く言い回しするんじゃねぇ!」
…結局。毎日佐々木の家に通い、二人でコツコツと仕上げていったんだが…パーツを分解し、磨くのが佐々木、そして組み立てるのが俺という分担になった。
塗装だけはプロにお願いしたが、そこは近所の塗装屋が格安でやってくれて…
「こんなものかね?」
およそ二ヶ月を費やし出来上がった大作。それは。
「素人細工にしては上出来だろう。」
ほぼ、色だけ変わったような印象のカブ。佐々木は空色。俺は明るい緑色。ピカピカのカブだが、こうしたものは使い込めば味が出るしな。
「色々興味深い時間だったね。知識と実践は別物だと思い知ったよ。」
佐々木がパステルカラーの二台のカブを、愛おしそうに眺める。…よく手入れするというが、手が掛かったからこそ愛おしくなる感覚が良くわかる。
細部は別物といっていい位に変えたんだが、そんなもん俺達が知っていればいい。
「キョン、来週にでもツーリングに行くかい?」
「ああ。」
こうして、俺達はツーリングに出掛ける事になった。…ちょっとした小旅行だな。
後に理解したが、バイクで荷物を積む場合はカブは理想だといっていい。佐々木はそれを見越してカブにしたのか、それとも本当に格安だったから買ったのかは、そこは佐々木のみぞ知る。
86『モーターヘッド』:2013/08/31(土) 13:44:13.79 ID:nmnZTwjr
ツーリングは山に行く事になった。
カブは快調で、トコトコと走る。
途中、道の駅に寄り佐々木がご当地キャラクターのストラップを物欲しげに眺めていたのには笑わせて貰ったが。
途中、山道で雨が降ってきた。俺達はカブを停め、近くにあった農作物の無人販売所の軒下へと走る…
「畜生、雨かよ。」
「デジャヴだね…」
僕は雨女かも知れない、と佐々木が笑う。雨女、ねぇ。
「なら俺も雨男だな。」
山の天気は変わりやすいと聞く。雨に濡れていくパステルカラーのカブ達。

「綺麗に仕上げたのにね。」
「また磨けばいい。」
「また汚れるよ?」
「そん時もまた磨け。」
「永久機関だね。」
「手入れすりゃ、一生持つだろ。そんなもんだ。」
「僕達が、あのカブを仕上げたように?」
「磨かない権利もある。」
「…そうだね。」
「自分が出来る範囲内で大切にしてやりゃいいさ。」
「観念論者めが。」

雨が止み、街へと戻る。
佐々木と別れ、帰路につき、一日は恙無く終わった。
それからたまに佐々木とツーリングに行くようになり、沢山の思い出を詰め込んだカブは、やがて小屋の中に眠るようになった。

「さて、引っ張り出すとするかね…」
月日が流れ、俺は二台のカブを小屋から出した。時々しか手入れされていないそれは、薄汚れており所々の傷みもある。
「随分懐かしいものを。どうしたんだい?」
「あー、あいつらがバイク欲しいとほざき出してな。薄給の俺達では、あいつらが欲しがるバイクなど買えん。」
「くっくっ。だからその子達を出したのかい?また私達が磨くのも悪くない。」
「ダメだ。それはあいつらにやらせる。」
小屋の前にマニュアルと工具を置く。用意が出来たと察した二人が、小屋に向かって来た。
「親父、何だよその汚いカブは。」
「可愛い…けど汚いよお父さん、お母さん。」
「知るか。乗りたいなら、自分で整備して勝手に乗れ。」
ギャーギャーうるさい二人を放置し、俺達は家に戻った。居間の棚の写真立てにある、かつての俺達とパステルカブ達。

「写真立てが、二ついるようになるね。」
「…そうだな。」
これから、あのカブ達がどんな思い出を紡ぐか。それはカブのみぞ知る、とな。
「おっさんかい?」
「うるせぇ。」

END
87この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 13:51:22.88 ID:nmnZTwjr
今回は未来設定ともリンクしましたw
本当は二人乗りや、佐々木さんの胸をきょこたんが鷲掴みや、露天風呂を書きたかったのですが…近所で雨晒しになっている郵政カブが目に付いて仕方なかったので、つい…w
バイカーの二人でも良かったのですが、マニアックになり過ぎると読む人選びますから、分かりやすい話にしてみました。
ツーリングというよりは、バイクメインの話になりましたね^_^;
88この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 14:53:16.83 ID:+QRCdGMr
おつおつ
カブって50km/lくらい走って且つ耐久性も抜群なんだっけ?高校生の懐にも優しいわ
親子二代でいっぱい思い出作ったんだろうなあ
89この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 16:19:26.19 ID:MYbx1MhD
いいですのう、こういう未来。

そしてどんなツーリングをしてどうしてそう行き着いたのかを
あれこれ想像して悦に浸る。
90この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 20:44:43.73 ID:nmnZTwjr
カブの外観のイメージ
キョン
http://s.ameblo.jp/genomeblog/entry-10750385482.html

佐々木さん
http://www.gongen-paint.com/hp2/images/etc/23_1.jpg

キョンの場合は保守本流、佐々木さんの場合は、何か一手間。そんな印象があります。
91この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 21:05:36.12 ID:LXAQUyvD
>>87乙です
高校生ならそんなとこですね ほのぼの
私は高校が車関係の免許全て禁止だったので二輪免許取ったのが大学入ってからでした
初代が先輩に譲ってもらったエリミネーターだったせいでツーリングとメンテはかなり厳しかったです
二代目もドラッグスターなんでたまに前傾タイプ乗せてもらうとちと怖いです
でも一番怖いのは自転車 なんねあのタイヤの細さは! バリ怖かとです
長くバイク乗ってるとこうなる危険性がありますのでご注意(;^ω^)
92この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 21:40:05.77 ID:nxrH+qIB
>>87
ツーリングってなかなかアクティブな趣味と思うのだが、
インドアっぽい印象の佐々木さんにはわりと意外な気がする。
いや、ここはキョンと一緒に何かしたいという一心の結果だと妄想することにする。

時が流れた結果、僕っ娘卒業できてたりカブが2人の絆の証人みたいになってて
読後感がさっぱりした。
93この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 23:12:22.90 ID:nmnZTwjr
おまけ。

娘「さて、帰るかな。」
橘「私を乗せていって欲しいのですよ。」
ハルヒコ「俺の特等席だ。歩け橘。」
橘「全くこの類人猿は。娘さんの後ろは私が守るのですよ!」
ハルヒコ「ああん?やんのか?テメェ!」
娘「二人とも嫌だよ。歩きな、橘さんにハルヒコ。」
二人「何故!」
娘「橘さんだと、胸を鷲掴みにしてくるし、ハルヒコは髪の匂いを嗅ぐから気持ち悪い。」
橘「ふんもっふしてやりましょうか、この類人猿がぁぁぁぁぁ!」
ハルヒコ「胸を鷲掴みだと三下がぁぁぁぁぁ!表ン出ろ、橘ぁぁぁぁぁ!」

息子「…あいつら、元気だな…」
ポンジー「…乗せてくれると助かるんだが、現地人…」
息子「ああ、スーパーの特売か。構わんと言いたいが、長門が本を返却に図書館に行くしな。」
ポンジー「くっ…これも規定事項か…。卵かけご飯よ、さらば…!」
長門「…藤原くん、良かった皆で食べる?今日は涼子がご飯作るし…」
朝倉「構わないわよ。…親御さんに迷惑が掛からないように監視しとかないと、ね?」
長門、息子「////」
藤原「はじけて混ざれ、リア獣め!」(血涙)

おわれ。
94この名無しがすごい!:2013/08/31(土) 23:29:06.52 ID:+QRCdGMr
なるほどこう被せて来たか乙ー
>リア獣
誤字なのか故意なのか判断つかんww
95 【神】 :2013/09/01(日) 09:26:31.97 ID:2ACXUQRo
9月ですよ
佐々木さんに大吉を!
96この名無しがすごい!:2013/09/01(日) 09:29:24.20 ID:2ACXUQRo
Σ(゚Д゚;)!!!!
97この名無しがすごい!:2013/09/01(日) 09:36:17.75 ID:flijZMzP
なかなかに粋なことしてくれるな、おみくじw
98この名無しがすごい!:2013/09/01(日) 15:22:49.79 ID:BNdjE5/g
件の雨晒しになっている郵政カブ、引き取れないか交渉してみるのですよ佐々木さん。
カスタムするとしたら、色はやはりパステルカラーが良いですかねw
99この名無しがすごい!:2013/09/01(日) 19:08:28.12 ID:2ACXUQRo
遠出したいです佐々木さん
100この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 12:41:23.13 ID:TznSJ4rj
前スレ落下したみたい
101この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 18:14:33.32 ID:iRsZgFbE
佐々木さんの今日の運勢
102この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 20:30:00.46 ID:yyUS4/AF
今週末もまた台風みたいですね佐々木さん…
103この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 20:33:40.96 ID:K2qH7QhX
これまでのあらすじ。

紆余曲折あってりょう
104この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 20:34:35.90 ID:K2qH7QhX
長編上げようとしたら、クリック間違いです。すみません。
105この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 20:43:36.78 ID:yyUS4/AF
どんまい
なんか板が不安定みたいだから注意してね
106『Wanderin' Destiny』:2013/09/02(月) 21:20:54.29 ID:K2qH7QhX
これまでのあらすじ。

紆余曲折あって、漸く両思いになった佐々木さんとキョン。
当然面白くないのは、ハルヒ。嫉妬同然に力を暴発させようとし、佐々木さんがキレてしまいました。
機関、未来、情報統合思念体。其々の思惑。そして、未来から来た『ジョン・スミス』。
はてさて、この始末。どうなります事やら。

『Countdown to Extinction』

時間は止まる事なく流れ、ついにキョンの記憶が消される予定の日を迎える。
「快晴ですね…」
みくるが待ち合わせの光陽園駅前へと向かう。
未来からの指示が錯綜し、拾得選択に迷う結果になっているが…どの指令が本来の指令なのか、みくるには皆目見当もつかない。
ある指令では、涼宮ハルヒを守り、佐々木の排除をする事。
ある指令では、佐々木を説得し、キョンとの付き合いを保つ事。
みくるにしてみると、前者であればキョンの気持ちを無視する結果となり、後者であれば自分達の未来への影響が出る結果となる。
ただ。自分の心情としては後者だ。
ハルヒにしても、自身の気持ちのみをキョンにぶつける程愚かでないし、何よりキョンもハルヒをとても大切に思っている。
異性としてのベクトルでないだけであり、人同士の繋がりとしては羨む位に絆が強い。
その中に自分も含まれており、古泉にしても長門にしても同じくである。
五人、スクラムを組み合う仲間であり、その仲間に恋人が出来ただけであり、それは歓迎すべき事態である…のだが。
「(どこに行っても置いてけぼりは、私ですよね。)」
みくるは自嘲気味に笑った。
何故自分はハルヒや長門、佐々木と同じ土俵にすら立てないのか。答えは明白だが、つい妄想してしまう。
もしも、彼が未来にいたら、と。
但し、これは絶対に叶わない願いであり、みくるもまたそれを願う愚か者ではない。
もうすぐ未来に戻され、この時代とも接触はしなくなるのだろう。もう二度と会えない仲間達。そして、もう訪れる事のない場所。
目に焼き付け、今を一生忘れたくないと思った。
任務については、完全に流れに任せる…行き当たりばったりだが、それしかない。佐々木にせよハルヒにせよ、お互いを排除し合って喜ぶ人間ではない。みくるはそう考えている。
責任が自分にあるという事は、行動の自由もある。
今日、この日を目一杯楽しみ、皆で楽しい時間を過ごせば、自ずとどちらを選択するかは決まるだろう。
「罪作りですよねぇ…。」
ちっともカッコ良くない、騒動の渦中にいる人物を思い浮かべ、みくるは少し笑った。
107この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 21:56:10.91 ID:yHpq9rmq
>>106  続きをお待ちしていました。一体どうなるのか、すごく楽しみです。
108この名無しがすごい!:2013/09/02(月) 22:37:29.82 ID:yyUS4/AF
お久ですね支援〜
109『Wanderin' Destiny』:2013/09/03(火) 11:02:05.81 ID:Uvu0t3NR
同じ頃、影はセーラー服の影、藤原、みくる(大)と一緒にいた。
「…一応確認するが、お前は誘われたのか?」
「ふん。僕が誘われないのも規定事項だ。」
「……」
影が藤原の肩を抱き、言った。
「会いたくないもんな、古泉に。」
藤原は影を睨む。
「機関の男のみならず、あの現地人にも会いたくないんだよ。お前と比較すると、どうしてもガキ臭い。」
「仕方ねーだろ。事実ガキなんだ。年なりに子どもで当然だろうが。」
寧ろ、10代で老成していたら怖いとしか言えん。そう影は言う。
「恥かいて当たり前なのに、恥かくのを嫌がるからなぁ。ま、古泉は近くに大人がいるから、あの年頃にしては凄く大人びてるがな。」
その分の反動もあって、非常に多趣味で良く付き合わせられ、たまに二人で怒られもしたが。
過去を懐かしむ色が影の目に浮かぶ。
なんだかんだと腐れ縁で、ずっと親友だった。たまに酒を呑んで勢いに任せてお姉ちゃんのお店に行ったりしたり、泊りがけでゴルフに行ったり、釣りに谷口達を誘って行ったり…
その古泉と、事を構えるかも知れない。影は一息吐くと首を振った。
「古泉は情報統合思念体よりは未来を恐れるはずだ。だが、牙を向かない未来ならばあいつも牙を向かないはずだ。
この時点で、情報統合思念体は天蓋領域のプロコトルの解析を終え、ワクチンを作っているというのが、規定事項になる。
未来…朝比奈さんの動向だが、未来の指示は、今のところはαにβが混在している。現時点で俺達以外に未来が介入しているならば、別次元の朝比奈さんがいる可能性もある。それは…」
「姉さんからの接触は不可能だろう。会えば消し飛ぶ。」
藤原が半分拗ねたようにペットボトルのお茶を飲む。早く帰って姉さんの淹れたお茶が飲みたい、と言いながら。
「お互いに指示するしかない、というわけか。」
「そうなりますね。ただ、お互いに干渉出来なくとも、こちらにはーーさんがいます。」
みくるがセーラー服の影を指す。
「朝比奈みくるの異空同位体の無力化など、雑作もない。許可を。」
「おい、待て。」
何故かやる気満々のセーラー服の影。三人が盛大に突っ込む。つまらなそうに俯くセーラー服の影…。
違う場所では、何故か悪寒に襲われていたみくるβが胸をなでおろしていた。何か八つ当たりされる、という確信めいた予感があったからだ。
「まぁ待てよ。同じ朝比奈さんだろ?俺に良い考えがある。わざわざ暴力に訴えなくてもだな…」
ーーーー
「ーーーくん、最低…」
みくるがこめかみを抑える。確かにそれなら引っ掛かる。間違いなく。だが。
「異空同位体に『キョン』として会い、未来を捻じ曲げるだと?貴様は姉さんの気持ちをだな!」
それは、更なるifの可能性が出る。
「…不許可。朝比奈みくるβの貞操の為にも許可しない。」
それだ。影は老成しているだけに、人の心理を読む事に長けている。つまりは経験則に基づいて行動されては…
実際に骨抜きにされている人間がいるだけに、みくるβもそうなる可能性がある。影がスケベ心を起こしたら……という可能性もあるのだ。一筋ながら女性関連では、とことん信頼の無い影であった。
皆からの大反対に影が叫んだ。
「お前ら、俺を何だと思ってやがる!」
「「「歩くフラグ建築士。」」」
同時にフラグクラッシャー。影は盛大に溜息を吐くと言った。
「やれやれ。」

To Be Continued
110この名無しがすごい!:2013/09/03(火) 12:29:35.50 ID:++hJ6uTB
年季が違うだけに、理解度が段違いだなww支援
111この名無しがすごい!:2013/09/03(火) 19:01:18.17 ID:++hJ6uTB
雨続きで洗濯に困ってる佐々木さん
112『Wanderin' Destiny』:2013/09/03(火) 21:47:46.56 ID:Uvu0t3NR
『Countdown to Extinction』 2

天気は快晴。雨天の場合でも決行したであろう、本日の不思議探索。
「不思議探索って、どんな事をするんですかぁ?」
「別に、世の中にある不思議を探す探索よ。」
捻りはない。だが、そんなものだ。身近にこそ見落としがあるのかも知れないし、それを探す探索だった。
不思議を見つけようと躍起になっていたが、不思議は意外に身近にあった。
それは、人の心だ。
人の心こそ不思議であり、杓子定規には測れない。特に異性間では。
自分は女として誰かを求めたというよりは、人間として誰かを求めていた。そして、それは叶った。
キョン、古泉、みくる、長門といったSOS団の仲間達だ。
正直、団員とは強い絆で結ばれていると思っている。
やりたい放題してきた自分だが、皆はそんな自分を見離さないでくれた。だからこそ、自分も皆にできる限りの事を返したい。
キョンが佐々木を選んだというなら、佐々木をしっかりと見てやろう。もしもキョンにそぐわないと判断したら、そこは一言釘を刺そう。
団員達だって、自分に思うところがあれば言っていい。SOS団の絆は、それしきでは壊れないと自負している。
渡橋と話す事により、ハルヒは自身の内面と嫌になる位に向き合った。そして導き出された答えは。
団員への感謝と、一人の仲間としての団員との過ごし方。これである。
一人の人間として皆と向かい合う。言葉では容易いが、自分には容易にいかない。其れ迄が我儘放題だったわけである。自身と向き合うよりも更に難しいかも知れない。
「(相手あってのものだからね。)」
自身の問題は自身の管轄にある。相手あっての問題は、相手の受け取りも関わる。持ち前の行動力。それが良くも悪くもハルヒの魅力である。

「(子どもって、こんなものかしら…)」
渡橋は、内心溜息を吐いていた。この頃は、もう少し大人…少なくともハルヒの考える境地にはいた、と考えていた。
だが、現実は。まさに赤っ恥もいい所である。何回話している途中にハルヒが世界改変しようとしたか。数えるのも面倒だ。
「(苦労掛けてたのね…)」
仲間達の心労を考えると、今すぐに土下座して詫びたい気分になる。
自分で子育てを一通りやったから分かる。ハルヒの自我は、子どもに近い。内向から外向に向かう手前だ。
閉鎖空間というのが良い例だろう。内向に内向を重ね、爆発を起こす。
自己分析していると死にたくなる気分になるのは何故だろう。それはそうであろう。大人になってもたまに自己嫌悪して死にたい気分になるというのに、子どもから大人になりかけの時代など、恥の山積みだ。
それを恥と考えない時代。それがハルヒにとっての今である。
渡橋は恥じ入り、頬を染めた。もしも未来のみくるがいたら、三つ指ついて謝ろう。そう心に決め、ハルヒの後ろを歩く。

光陽園駅前にはみくるがいた。柔和に手を振り、二人を迎える。
「みくるちゃん、おはよう!」
「おはようございます、涼宮さん。」
ハルヒの笑顔に、みくるもまた極上の笑顔で応えた。
113この名無しがすごい!:2013/09/03(火) 23:32:15.54 ID:++hJ6uTB
支援

ヤバい設定けっこう忘れてる
渡橋の中身が未来ハルヒ?
114この名無しがすごい!:2013/09/04(水) 00:19:16.16 ID:PYB7TlHz
しえん
115この名無しがすごい!:2013/09/04(水) 01:00:34.71 ID:ZWK/u89U
>>113
すでにバレバレですが、バラすとそうなります。
裏事情ぶちまけると、本当はキョン、ジョン・スミス視点で二周書くつもりでした。
が。二周やると、ジョン・スミスの存在意義が無くなる(佐々木を救う理由が弱くなる上に、それだとハルヒが報われない)ので、『ハルヒとみくると長門の王子様』ジョン・スミスと、『全てを知る』渡橋を登場させた次第です。

軽妙にディスりまくるα未来勢のノリは、かなり気に入ってますw
116この名無しがすごい!:2013/09/04(水) 07:57:43.79 ID:D6siFwSF
>>115
あ゙ゔ、まだ出てきてない設定だったのねすまぬ…
把握しました頑張って下さい支援
117この名無しがすごい!:2013/09/04(水) 18:50:59.14 ID:D6siFwSF
連日で竜巻とはまた穏やかでないですね佐々木さん
118『Wanderin' Destiny』:2013/09/04(水) 23:21:07.89 ID:ZWK/u89U
古泉は、車から降りて待ち合わせの光陽園駅前へと向かう。
「定時連絡は欠かさないように。」
「分かっていますよ。」
新川に見送られ、歩く街。
橘のテロ予告は機関に衝撃を与えており、森は機関の中でテロに備えて待機である。
古泉、新川は不思議探索の為に出ているが、機関の代表クラスである古泉、いざとなれば古泉の代役となり得る新川の保護でもある。
全てブラフであり、誤情報であるとは今のところバレてはいない。バレていれば自分も拘束されているはずだ。
「(森さんなら、いざとなれば一人でも切り抜けられるはず。)」
深い信頼。森もまた古泉ならば、適切な答えをハルヒやキョンに与えられるはず、と信頼している。形は違えど、信頼しあっている。そう古泉は思っている。

『一蓮托生よ。あんたが命を賭けるなら、あたしも賭けてあげる。』

泡沫の夢だったかも知れない。だが、自分は確かに聞いた。それは、森の本音であると古泉は信じている。そして自分ははっきりと聞いた一言がある。

『返事が聞きたいなら、ちゃんと帰ってきなさい』

それだけでいい。今は。今はそれだけでいい。それだけで頑張れる。
自分に課せられた任務は、機関を裏切るそれだ。これまで積み上げたものを壊す行為だとしても、自分はSOS団の副団長として、一人の人間の親友として遂行しなくてはならない。
友の自立を促す為に。
窮地にある友を守る為に。
観測を続ける友の為に。
去って行く友を、笑って送り出す為に。
「(僕は、機関の一員であると同時にSOS団の副団長です。)」
古泉は、光陽園駅前にいるハルヒとみくるに手を上げる。
「おはようございます、涼宮さん。朝比奈さん。」
「おはよう!古泉くん!」
「おはようございます。古泉くん。」
少し離れた位置から、古泉の背中を見る新川。
「(良い背中を見せるようになってきたな。)」
本人達は気付かれていない積もりだろうが、森との関係など皆はとっくに知っている。
女を変えるのが男ならば、男を育てるのは女である。その意味では、古泉と森の相性は非常に良いといえる。が、新川に言わせると二人ともまだまだ子どもの領域だ。
新川は、少しばかりの世話焼きと、後処理の算段を考え、含み笑いをしながら古泉を見送った。

To Be Continued
119この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 00:22:21.61 ID:x4zkJd5B
>>118
乙です。

さて、遅ればせながら7月分のSSまとめをやってますが、Wikiが重くなったので、
今回のところは71-736『Heavy weather』までの更新とさせていただきます。
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サークルSOSは想い重ねての章までまとめました。
よろしくです。
120この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 01:03:30.78 ID:FaYqfsBN
>>119
まとめ更新乙です!
毎回ありがとうございます。
121この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 13:02:08.07 ID:ZxP7IbUJ
>>119 乙です。いつもお世話になります。多彩なSSを読めるのは楽しみです。ありがとう
ございます。
>>118 文章と構成の巧みさ、多彩な発想の凄さにいつも感心しています。書いても上達
しない私としては見習いたいです。 乙です。
122この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 18:38:26.61 ID:VXva3TuU
久々に太陽を拝めたのですよ佐々木さん

>>118
まるで父親のような新川さん支援

>>119
毎度乙&ありがとう
頭下がります
123この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 20:19:31.29 ID:FaYqfsBN
週末恒例のネタ拾いを始めます。

先着二名様で
見たいシチュエーションを明記下さい。
124この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 20:28:20.53 ID:VXva3TuU
>>123
佐々木さんの髪が肩あたりにまで伸びたようです
125この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 21:58:37.95 ID:MVg7HDCs
>>123
では、この時事ネタでお願いします。
どこをどう切り取って(このAAとは直接無関係で)も構いません。

   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  | ねえ、キョン                              |
  | 倫理的衛生的な意味で入っちゃいけないとこに入り込んで、 .|
  | 写真撮ってネットで公開してる子がいるんだけど/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  | どう思うかしら?                      | やってみたかったんだろ  |
   \______________  _____| ほっといてやれって     |
マチガイナイデスヨネ?  マチガイナク アノヘヤ   |/       \___  _______/
             .  -‐-      , -‐―‐- 、 コイズミクン ナラ     \|
     ,.ィ'i^i^i`r、  〃#    ヾ. /r#/ニニヾ バイト イッタワヨ        ,. ‐-ー- 、
 .   ,レ'#'"~~` ヽ ! |ノiノハ从ハヽ ハ芥.lノメ从从l't _____ ____    ノ /    ヽ
    ! ((八从リ))).i (| |┰ ┰iイ i l (| | ┃ へ!|. ||\.  .\ |◎| .  ノハハハハハ !
    |(| | ┃ ー| !! 'ハリ、 - ノリ .i从リ、''' ワ''ノ! .||  | ̄ ̄|:|:[] .  !|─ ─ ,iリ)!
    ノリ.ハ.''' ヮ''ノハ .<}:|{H}l:i〉  ┌/'{´フづilつ__|| / ̄ ̄/ !=|    ’ 、 - ,ノル´
.  (.(.(.(リ(`x'゙)' リ . くソ_i_li;ゝ.... |く/_j_,i_|二二二」二二二二二二」 .  〈i゙|†'|´{'>
..     くfi_j},ゝ    (__i_)     ̄]||ヽ_フ/|  |  | |   |  | |     i´T `i`
.       (__j__)            .◎⌒◎⌒/ | [___|_|.  [___|_|    〈_,八__〉
 ________________/   |
│i──────────────── ┐|
│|            ┌─ ┐ || . //   |    ||
│| キミのベッドなう。.   | │|,______..|    ||
│|∧      , -‐- 、.三| └───┘  __||
│| x゚)   . ,'. /  ト、 ヽ             ,ィ':::::||
│|/|   /.i. ((从ソ 从〉_ ,._ ___ __ ____〈:i_i_i_||
│|  l./.  l. (|┳ <i!l,ノ´,; , ,       ||
│| 「|  /ハNiヘ '' ヮ''ノハ!,  ,,    ,       ||
│| |.l/,,,_ _ M/´ン´とン",,  ` ` 、 ゞ   / .||
│| |.|     (r_)/ , ,゙  - -- - -- ー「| ,r'..||
│| |」 ̄ ̄ ̄' んyv--ー〜〜ー〜ーー''^|」´. ||
|────────────────‐┘|
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
126この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 22:15:09.72 ID:VXva3TuU
>>125
キョンからも見えてたらどんな反応したのかなww
127この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 23:09:06.66 ID:JdEDSljm
AA乙
128この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 23:12:22.99 ID:/ycKiOY/
なにしてはるんですか佐々木さんw
129この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 23:28:45.67 ID:FaYqfsBN
>>124-125
把握。
…ご期待下さいw

「恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サークルSOS」を読み、日本のウィスキーに興味を持ったので、呑んでみているのですが…まろやかで美味しいのです。
余市を気に入って呑んでるのですが…
一番気に入ってしまったのが、姉が呑んでいたのを無断で貰った蕎麦焼酎の雲海という。
我ながら安上がりな味覚なのですよ、佐々木さん。
130この名無しがすごい!:2013/09/05(木) 23:38:48.33 ID:BTP+L/Il
>>125,126,129,127,123,124

   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  | ねえ、キョン                              |
  | 倫理的衛生的な意味で入っちゃいけないとこに入り込んで、 .|
  | 写真撮ってネットで公開してる子がいるんだけど/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  | どう思うかしら?                      | やられてみたかったんだろ|
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マチガイナイデスヨネ?  マチガイナク アノヘヤ   |/       \___  _______/
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 .   ,レ'#'"~~` ヽ ! |ノiノハ从ハヽ ハ芥.lノメ从从l't _____ ____    ノ /    ヽ
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131『しっぽのきもち』:2013/09/06(金) 11:14:47.07 ID:zBVpbUzP
最近、色々忙しく髪を切りに行く暇もなかった。
最も、私は基本は怠惰であり、お洒落にしても外を出歩いたり人と会う用事が無ければあまりしなくはある。
家だと中学ジャージというのもザラだし、パジャマというものも下着にシャツというのもおかしくはないのだが。
どうせ人に見せる用事もないわけで、こうした時にお洒落にキメられる橘さんあたりは本当に凄いと思う。
一度彼女が遊びに来た時、彼女のパジャマであるネグリジェを見た時は、心底驚いた。ネグリジェに、ビスチェ。下着の質もシルクで決めており、手触りからして違う。上質なものというのは、気分も高揚させるのだろう。橘さんのテンションは凄まじいものがあった。
私?厚手のTシャツに下はイモジャー。庶民たる私に相応しい格好であったと自負している。
このイモジャーの下は、母の中学時代からの由緒正しき代物であり、足首にある謎の紐がチャームポイントだ。使い込んだ風合いといい、まさしく寝間着の中の寝間着といえる。
「髪、伸びましたねぇ。」
遊びに来ている橘さんが、私の髪を梳く。どうでもいいけど、髪の匂いを嗅がないで。生理的に不快なんだよ。
「明日、キョンと図書館で勉強だというのについていないわ…」
「美容院へは?」
「私は平々凡々な一庶民よ?母にしても働いている。人と会うからと美容院へ行けるブルジョアジーとは無縁よ、橘さん。」
橘さんって、良く分からない。
こないだ、未来人と周防さんと落ち葉焚きをしているのかと思いきや、地熱を使った焼きムカゴや川魚の丸焼きを作って食べていたし、かと思えば着る物は凄く上品で上質なものだ。
「小さいポニーには出来るかも知れないのです。…パイナップルみたいになりますかね?」
橘さんは、私の髪を梳きながら髪の匂いを嗅いでいる…。いい加減に止めるべきか?拳をご馳走したらこの暴挙も止めるのだろうか。文面だけは普通だろうが、実際には私の髪を頬ずりしながら匂いを嗅いでいるのだ。
私の髪の長さは、肩位。といえば私の生理的嫌悪も分かって頂けるだろうか?首筋に橘さんの息が吹き掛かり、彼女のよく手入れされた髪が肩を擽る。男性ならたまらないシチュエーションなのだろうが、私としてはたまらなく不快だ。
私はヘテロであり、決してビアンやバイセクシャルでない。嬌声を上げる橘さんを仕置きし、私は鏡を見た。
「(ポニーにするには短い。)」
やれやれ。明日は久々にひっつめるか。髪が肩に触ると意外に不快だからね。
…ポニーに出来ていたら、一番良かったんだけど。私は明日に備え、早仕舞いして布団に入った。
橘さん?食糧の調達があるから、と早めに帰ったよ。本当に彼女はよくわからない。
132『しっぽのきもち』:2013/09/06(金) 12:21:24.63 ID:zBVpbUzP
翌日。キョンと待ち合わせをしている喫茶店へと向かう。少し早めに行き、喫茶店のコーヒーを嗜みながら本を読むのが私の贅沢だ。
店内に流れる上質な音楽に耳を傾け、活字を読み、物思いに耽る。ひと段落した後にコーヒーを嗜みながら彼を待つ時間というのは、贅沢な時間である。
喧騒の中、コーヒーを嗜む趣味はない。やはり外出してコーヒーを飲むならば、静かな喫茶店に限る。
伸びた髪を後ろでひとつまとめにし、本を読み耽っていると、キョンがやってきた。気配で分かるなんて、我ながら妙な話だ。私は振り返るとキョンに言った。
「やあ、親友。」
「おう。」
キョンは少し奇異の目を此方に向けていたが、直ぐに椅子に腰を下ろした。
「この本に書かれていた事だが、なかなか興味深い。」
いつものようにキョンに、自分の見解と理論を語る。キョンは頷き、理論の違う場所については修正を入れる。
時折首を捻る箇所もあり、私達は少々熱くなりながら語る。
「心理学と哲学は違う学問ではないか?キョン、キミは心理学と哲学を混合し過ぎるきらいがある。」
「佐々木、人の心理を分析したものが心理学であり、哲学とは人の行動の指針となる学問だ。指針と心理の分析。このふたつの関連性は否定出来ない。」
「僕はだね、キョン。」
「俺はな、佐々木。」
はたから見たら、私達は口論しているかのように思われるだろう。だが、口論でなくお互いの理論を語り合っているだけだ。
白熱する議論。身振り手振りも加え、キョンと議論する。久々に楽しい時間だ。
「……?」
だが、キョンは時折赤くなり下を向く…一体どうしたというのか。
「キョン、キミはどうしたというのだい?僕に何かついているのかい?」
キョンは、少しはにかみながら言った。

「いや、お前が身振り手振りする度に、お前のひっつめが揺れてな。まるで尻尾みたいだ、と……」

……それから?キョンを付き合わせ、美容院に行ったよ。キョンは「綺麗なうなじなのに勿体無い」とほざいたが、関係ないね。
いつもの髪型にし、時間は短くなったが、図書館でキョンに勉強を教えてやった。実りある時間だったと思う。

もしも尻尾があったら?さぁね。キョンが言った通りじゃないかな?振り回して楽しんでいたと思うよ。だから髪を切ったんだけどね。
だって、悔しくないかい?
尻尾振り回すのが、キョンには見えて私には見えないなんてね!

END

今回は犬。猫は機嫌悪いと尻尾振り回すのでご注意。
犬っころ佐々木さんと、同じく犬っころキョン。
きょこたんは、平常運行ということでw
133この名無しがすごい!:2013/09/06(金) 18:40:35.11 ID:RiO/5Caq
おつおつ
意地っ張りですな佐々木さんw美容院の鏡越しに見たキョンは、きっと残念な想いが滲み出てたことでしょう


ひっつめという言葉を初めて知ったのは内緒
134この名無しがすごい!:2013/09/06(金) 22:39:06.03 ID:otJNq4RC
>>129 私達の父親が、マルスウイスキー好きでしたので、あの話に登場させました。
キョンと佐々木の夫婦も大人になったら、二人でお酒を楽しむのでしょうね。
135この名無しがすごい!:2013/09/06(金) 23:47:17.67 ID:RiO/5Caq
紅の豚は何も考えず、純粋に娯楽として楽しめるから大好きなのですよ佐々木さん
136この名無しがすごい!:2013/09/07(土) 07:31:16.95 ID:VFiziCEV
紅の豚は、太ったおっさんだったら不細工に見えるかなー
豚だから、人間の容姿基準から外れているけど
137この名無しがすごい!:2013/09/07(土) 08:50:38.51 ID:Il1+v5Ij
佐々木さんはジブリアニメではどれが好きかな
昔はカリオストロのクラリスに憧れてたとかだったらかわいい
138この名無しがすごい!:2013/09/07(土) 12:02:46.54 ID:vE3RxOUk
>>132
きょこたんにひっつかれる佐々木さんの反応が
まるっきり古泉に対するキョンのそれとそっくりなのににやけた。
もはやテンプレやね。

キョン「顔が近い。息を吹きかけるな。気色悪いんだよ」
↑今だに覚えているアニメ版のフレーズ
139この名無しがすごい!:2013/09/07(土) 18:07:49.16 ID:JZ7GtiJi
クラリスって薬の名前に見える
140この名無しがすごい!:2013/09/07(土) 21:31:44.73 ID:VepQOTHP
ようやく今月号のYAを読みました。主人公は長門だけど、佐々木さんいい顔して
いますね。後、谷口&周防いい感じ。
141この名無しがすごい!:2013/09/07(土) 21:47:00.57 ID:Il1+v5Ij
見たい…

でも小遣いが(´・ω・`)
142『sasaki@k キミのベッドなう』:2013/09/08(日) 06:02:15.14 ID:gYbd310v
どんな便利なツールも、使う人によっては大変な事になる。昨今流行りのTwitterや、Facebookもそうだ。
「ま、情報発信なんて誰がやってもつまらないものだし、著名人でもない限りは注目もされないんだけどね。」
「そういう奴に限って、大炎上するんだよ。」
たまたまキョンの家にいた佐々木。キョンがお茶を取りに行っていた時にやった茶気であった。
肩をはだけ、シーツで隠し、一見半裸でベッドに横たわり、写メを撮る。
「ふむ。良い出来だね。」
Twitterに情報発信してみる。
「キミのベッドなう、と。……くっくっ。」
どうせリプする人間なんて橘位なものだし、橘が詰め寄ったところで、橘を御するなど、赤子の手を捻るより容易い。
キョンはTwitterはやらないし、肩をはだけさせた程度の写メなどエロくもなにもない。それに、よく見ればきちんと服を着ている事もわかる写メだ。

『sasaki@k キミのベッドなう』

こうした軽い気持ちでの投稿。
きっと、炎上かました人間も同じく軽いきもだったのだろう。冷蔵庫に入ったり女性器を晒したりするのは、流石に狂気の沙汰だが。狂気の沙汰程面白いという人間もいるが、狂気の沙汰が面白いというよりは、自分に酔うから楽しいのだろう。
佐々木にしても、その場は楽しかった。
キョンが気付かない状態で、キョンのベッドの中にいる非日常。そして彼の知る由もない所での情報発信。知らない人が見たら、まず誤解するであろう絵面と文面。
そんな事もすっかり忘れ、Twitterに飽きて色々な事を忘れかけていた時。往々にしてそんなものだが、天災は忘れた頃にやって来る。
そして。その天災は、最大級の災厄となり降り注ぐものだ。発信した人間でなく、発信された方に。

「我がSOS団も、Twitterを始めたいと思います。」
ハルヒが皆の前で宣言をする。
「アホらしい。情報発信の為のツールでじを集める積もりか。第一、佐々木にしてもTwitterやっていたが今ではすっかり飽きて、アカウントのみある状態だぞ。
アカウントは知っているが、ROMした事もリプした事もないがな。」
ハルヒは思い切り鼻白むと、パソコンからTwitterのアカウントを取得する。
「…お前の携帯からでいいだろ。」
「あたしはアカウント持ってるから。」
意外な言葉に、キョンが目を丸くする。
「意外な。お前が情報発信していたのか?」
「うるさいわね!そんな事どうでもいいじゃない!アカウントは教えないわよ!」
古泉あたりに聞けば、すぐにアカウントの目星はつくのだろうが。キョンは佐々木のアカウントを教えると、皆からジュースを買いに行かされ…席を外した。
143この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 06:14:41.68 ID:KUCEBv3o
144『sasaki@k キミのベッドなう』:2013/09/08(日) 06:35:38.99 ID:gYbd310v
因みに。ハルヒのTwitter。
『harunyan@k 今日もまた便所飯なう。』
など、ネガティブ極まりなく…とてもお見せ出来る代物ではなかった。古泉にしても長門にしても、リプする事は避けており…単なる日々の毒吐きツールと化しているのであった…。
「やあ、親友。」
「よう、佐々木。」
コンビニには佐々木がいた。
「Twitterかい?最初は楽しかったが、すっかり御無沙汰だなぁ。」
コンビニの外でジュースを飲み、雑談をする。
「情報発信と収集は、やはり違うよ。情報発信にしてもネタがないし、存外収集は退屈なものだ。」
「お前の場合だと、リプが少ないというよりは収集するにしてもあまり意味がない、と感じていそうだな。」
「まぁね。何処かの誰かがTwitterやるなら、復帰も吝かでないが。Twitterにしてもものぐさには向かないツールだからねぇ。」
佐々木はジュースを飲み干すと
「じゃあまた、親友。」
と言い、去って行った。
「Twitterねぇ。俺もやってみるかなぁ…」
そんな事を考えつつ、コンビニスイーツを片手に団室に戻ると…古泉の姿が無かった。
「ん?古泉はどうした?」
「帰った。アルバイトだって。」
折角古泉の好きな、レアチーズケーキのバータイプも買ったのにな、とキョンは古泉のお菓子を冷蔵庫に入れる。
長門にプチシューの山盛り、みくるにゼロカロリーのゼリー、ハルヒにエクレアを渡し、すっかり冷めてしまったお茶を片手に一息つく。
「なぁ、ハルヒ。Twitterのアカウント取得って直ぐに出来るものか?」
「一分もあれば出来るわよ。」
何故か冷たさを感じるハルヒの声。長門もみくるも、何故かパソコンの前にいる。
「ねえ、キョン倫理的衛生的な意味で入っちゃいけないとこに入り込んで、写真撮ってネットで公開してる子がいるんだけど、どう思うかしら?」
「やってみたかったんだろ。ほっとけって。」
代わりのお茶が欲しいな、と思いつつ、キョンは携帯を開きTwitterのアカウントを取得する。kyonというハンドルネームは使用済みのようで、@マークを使い次に何を入れるかを考えていると…
「なるほど。やってみたかった、ね……。で、あんたはやっちゃったわけね……」
ハルヒ、長門がキョンに迫る。みくるが二人を止めようとしたが、抵抗は紙以下であった。

「こんのエロキョンがぁーッ!」
145『sasaki@k キミのベッドなう』:2013/09/08(日) 06:53:01.21 ID:gYbd310v
…佐々木が誤解を解くまで、キョンは虫ケラ以下の扱いを受け、古泉は過労死寸前、長門はキョンの監視を強め、刺々しい空気に病んだみくるは、カラになったポットからお湯を出そうとし続けたという…。

「…本当に何も無かったのよね?佐々木さん?」
「さぁね。あなたがそう思うなら、きっとそれが正しいわよ。…あなたの中では。」
「佐々木○○を敵性と断定…」

和かに不穏な会話を続ける三人に、古泉は胃を押さえ、みくるは失神しかけ、キョンは溜息をつくばかりであった…。
どんなに便利なツールでも、運用するのは人間。人間だけに誤解もあれば誤用もある。
「「「もう勘弁してくれ(下さい)!」」」
三人の心の叫びが届く事は、多分ない。

END
146この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 07:20:44.60 ID:gYbd310v
色々誤字脱字が(/ _ ; )
徹夜明けに書いてはいけませんね…
147この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 07:49:20.28 ID:gBFWVXrt
乙乙www
佐々木さんこれやるためにアカウント取った説を提唱します!
148この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 14:22:55.84 ID:cBGcf1ki
佐々木かわいいよ佐々木
149この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 19:06:58.27 ID:gBFWVXrt
今日はダーウィン中止だそうですよ佐々木さん…
150この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 19:41:12.06 ID:cBGcf1ki
>>149
残念ですね、佐々木さん
151この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 20:01:42.65 ID:gBFWVXrt
>>150
週に一度の楽しみが(´;ω;`)
佐々木さんにとっては塾が休講になるくらいと想像
152ダーウィンさんいらっしゃい:2013/09/08(日) 22:49:04.77 ID:9bgBFCKJ
「キョン、君はヒグマと格闘して勝てるかい?」
どこのグラップラーさんだ。無理に決まってる。
「チーターと競走して勝てると思うかい?」
カール・ルイスがドーピングしても無理だろう。
「自分の子供を他人の家庭に育てさせることは?」
中学三年生男子にどういう質問をぶちかましてくれるんだお前は。
「キョン、君はヒグマと格闘して勝てるかい?」
どこのグラップラーさんだ。無理に決まってる。
「チーターと競走して勝てると思うかい?」
カール・ルイスがドーピングしても無理だろう。
「自分の子供を他人の家庭に育てさせることは?」
中学三年生男子にどういう質問をぶちかましてくれるんだお前は。
「いずれも人間が及びも付かない生物たちの例を挙げたまでだよ」
最後のはカッコウの托卵かよ。焦らせるな。
「くっくっ、どんな想像をしたのかな」
ええい、その笑いをやめろ。
「失礼。別に君に他の女と交われと言ったわけではない」
それがオリンピックとどう関係するんだ。
「話を戻そうか。オリンピックは人間の肉体の祭典だ。
 もちろんその精神も企画も素晴らしいとは思うよ。IOCの現状はさておくとしてもね」
あー、黒い話は置いておこう。まともに中継が見れん。
「賛成だ。しかしね、人間がいかに努力してもどうにも及ばない生物たちが
 この地上にはいくらでもいるということだよ。
 それは身体能力であったり、あるいは繁殖力であったりね」
言われてみれば人間は生物的には劣等種だな。
繁殖も一年に一回が限度だ。よく六十億も増えたもんだ。
「君の貞操観念が確認できて嬉しいよ。
 それはさておき、僕は人間が及ばない生物たちを見ながら、人間が万物の霊長を名乗るおこがましさを感じずにいられなくなるときがあるのさ。
 同時に、生物というものの凄さもね」
全ては最初期のアミノ酸から始まったわけだからな。
子々孫々と繰り返していくうちに、かくもここまで地球は変貌したと。
卵が先なのか鶏が先なのかわからんが。
「僕は卵が先だと答えるね。
 遺伝子の連鎖とは生物の発生の際に少しずつ変わって行くのだろう。
 誕生後に遺伝子が大きく組み換えられることは無いよ。少なくとも今の人類技術ではね。
 ヒヨコが誕生してから違う生物にしようとしても無理なのさ」
その発生というのは個体発生のことだな。
「先日の授業で出てきた単語をよく記憶していたね。上出来じゃないか」
受精卵の段階で次が決まるということか。
「そうだね。僕らの子供はまた一つ、何か進化しているかもしれないということさ」
その誤解を招く言い方をやめろ。俺らの次の世代ということだな。
「そうだね、誤解を招くのならば済まなかったと言っておこうか」


>>149
いつもの妄想を会話文にしてみた。
153この名無しがすごい!:2013/09/08(日) 23:28:39.29 ID:gBFWVXrt
>>152
とってもとってもありがとー・゚・(ノ∀`)・゚・。
佐々木さん達は中学時代いつもこんなふうに、軽口織り交ぜながら日々の出来事について会話してたんだろうね
楽しさが節々から漏れい出てて羨ましいw
154この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 00:01:44.40 ID:o8/P8lk0
いつも楽しい話ありがとうございます。乙です。
155152:2013/09/09(月) 00:57:41.85 ID:I4bptqDF
ぐえ、最初部分が重複しとる・・orz
お目汚し申し訳無い。

>>153
佐々木さんの好きな番組とか考えるだすと
キョンの教養の下地を作ったのは中学時代の佐々木さんとの
こういう何気ない会話だろうなと思いますわ

>>154
ありがとうー。これもネタ師様のおかげですわ
156この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 02:44:49.75 ID:wjAsn3ht
7月分のまとめ作業終わりっと。
SSタイトルで言うと71-809「松竹梅」までです。

>>145
佐々木さん、これは完全に牽制ですな。
というかハルヒのつぶやきなんとかしてやれw
みくるもまた病み化しているしw
「@k」ってTwitterの機能かなんかなのだろうか。

>>152
やっぱり微妙にきわどいトークをしかけるのがらしいね。
157この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 12:26:49.43 ID:XYPX4M4Q
>>156
いつも(ry乙っす!
158この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 18:38:22.46 ID:K7px8CKN
>>156
乙です!

『@』については、友人がよく(名前)@○○とハンドルネームに使っていたので、折角なので(名前)@誰かさんの頭文字にしてみただけです。

私もTwitterのアカウント持っていますが、別の掲示板サイトのスレッドねかGMとしての連絡用なので、情報発信でなく連絡先という完全に間違った使い方w
Facebookやmixiにしても、学生時代や結婚時代の友人達の連絡用ツールであり、あっても不便にはならないけど、ものぐさには堪らなく面倒くさいツール。
アカウントあっても私は滅多に使ってないですw
キョンや佐々木さんだと、「不特定多数に情報発信して一体何の意味があるものか」と言いそうなのですよ、佐々木さん。
159この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 22:23:46.65 ID:rhrqTOVO
らき@すた
あまりしっくりこない

けい@おん
160この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 23:39:52.04 ID:NNg1c8qE
>>156 大変ご苦労様です。いつもありがとうございます。乙です。
161この名無しがすごい!:2013/09/09(月) 23:50:40.11 ID:MmwViPq7
SS書いてる皆さん乙です
昔とあるSNSを匿名でやってたことあるんですけどね
小さな情報の組み合わせで当時住んでた家がストーカーチックな人にバレてえらい目にあったことが……
期限付きの転勤先でのことだったので県外に移ってからは大丈夫になりましたが気持ち悪かったわぁ
そういう経験があるだけにTwitterやFBを個人情報全開でやってる人が理解できません……

>>156
いつもありがとうございます
酔った勢いでSSを書くもんじゃないですね
その時書いたものを改めて見て「うわぁぁぁぁ」って声が素で出てしまいましたよ佐々木さん
162この名無しがすごい!:2013/09/10(火) 11:33:13.72 ID:NcvkIjQL
酔った勢いや、眠い時にSS書いて、読み返して泣く事は多々ありますよねぇ…

『バッテリー』の番外、実はアレよりもえぐい内容で、酔った勢いで完成させたまでは良かったのですが、長い、ただの下ネタ、笑えないの三拍子が揃っていたので、笑えるレベルになるまで添削しまくったというw

まとめにSSの書き方談義がありましたが…私の場合、プロットを練ると
ヤンデレシチュエーションでのギャグって、案外笑えるよな。
せっかくだから、二人ともヤンデレじみた真似させたら楽しくね?
→『やんやんでれでれささきょんさん』

キョン子書きたい。
TS嫌い多いし、無理なく読めるにはどうするか
キョン視点キョン子はありがち。佐々木さん視点もなぁ。いや、待て、佐々木さんだとキョンとキョン子だと明確に区別しそうだ。
反転や、爛れたギャグも少し入れてー…
→『TS〜キョン子と佐々木と〜』
ですかw
163この名無しがすごい!:2013/09/10(火) 12:28:55.40 ID:wnmK64IH
枯れて久しい今日この頃
最後に投下した小ネタは何年前であったか(´・ω・`)
164この名無しがすごい!:2013/09/10(火) 12:38:02.81 ID:0x2bNJf5
さすがに季節ネタとか、3周しちゃうともう何もでなくなるのよね。

まあシリーズで途中で切れちゃってるのあるけど、
基本全部続かないSSだし、
切れたのも別に続くものやら終わるものやら、だからいいかと思ってる。
165この名無しがすごい!:2013/09/10(火) 18:34:39.42 ID:wnmK64IH
ちょっと頭がふらふらするのですよ佐々木さん
166この名無しがすごい!:2013/09/11(水) 00:59:36.66 ID:soDnsgJM
私がSSを書くときは雑学ネタか地域ネタですね
たまに子供の面白い言動がネタになることも(^ω^)
短く仕上げるのが下手で長文苦手なのでネタはあれども書ききれないであろう物が数点
佐々木さん中心じゃないもの(SOS団やキョンメイン・クロス物)を含めたらネタだけでいくつあるのやら
数書けばまとめもマシになるのでしょうが……
167この名無しがすごい!:2013/09/11(水) 01:19:00.40 ID:b68ZLLRr
自分がSS投下した初で今のところ唯一のジャンルが佐々キョンなのだけど、その気になれたのが

・いい意味でほどよくマイナーキャラだから
・理屈屋の僕っ娘の真意はどこにあるのか興味深い
・本歌取りであれど、独自の考察を交えた話を作りやすい
(あと前に誰かに考察書けるならSS書いてみ?と言われたような気がする)

といった理由が大きい。
分裂でもしや…レベルだったのが驚愕を経てこの娘は良くも悪くも完全無欠なキョンの味方だということ。
何かが違っていたらシリーズの根幹揺るがしそうなポテンシャル秘めていそうなところも加えたい。
168この名無しがすごい!:2013/09/11(水) 11:12:53.77 ID:LrwvicCG
プロットはあれど、ここで書けないネタ
未来設定(佐々キョンjr達)での『消失』(メインがメインだけに、ながもんスレが妥当)
ドラゴンナイト4をモチーフにした話(ジョン・スミスが出ると、どうしてもハルキョンになる。ただ、みくるが凄く良い役)

本当はここで書いちゃダメだけど、書いちまったze☆
残念なポンジー
残念過ぎるきょこたん
TS
eros
クロスオーバー

…見直してみたら、一人やりたい放題やっていた件(/ _ ; )
169この名無しがすごい!:2013/09/11(水) 12:19:30.92 ID:8p+XX1xh
死蔵してるネタを腐敗する前にいっそぶちまけてしまおうか
でもいつか書くかもしれないしー
170この名無しがすごい!:2013/09/11(水) 12:26:08.07 ID:jalv/W5l
超あるあるw

編集者佐々木の人のシリーズ、もうちょっと読みたかったなあ。
あの雰囲気は本当にすばらしいとしか言いようがなかった。
171この名無しがすごい!:2013/09/11(水) 18:05:22.89 ID:8p+XX1xh
>>170
あれは良かった、ほんと良かった

勝手な続きの締めに用意してたネタをハガレンの最終回で先にやられて、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになった
172この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 00:18:33.89 ID:tHFwc1Un
不幸があり、週末に地獄見るので今からネタ拾いを募集するのです。
本来、行くつもりはありませんでしたが…故人の遺志である以上叶えるしかないのです。義理とはいえ一時期は親と呼んだ人間なのですから。
義理と人情だけは忘れずにいたいものなのですよ佐々木さん。

先着二名様で。
見たいシチュエーションをご記入下さい。
173この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 02:42:38.02 ID:3lgeOTA5
映画か小説で号泣した佐々木さんお願いします。
滅多に感動で泣きそうにないイメージなので逆に見たい。
174この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 12:25:52.41 ID:KXAO6NWW
佐々木さん、護身術を習うの巻で
175この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 19:00:35.99 ID:V0pb0IbL
              ____
            r ニ=ー: : : : : : : : : > 、
       , -=j: ´: : : _,.: : : : <: : : : >.、 _
      /,ィ/⌒: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 二ニイ _,ィ
        l:{/: : : : : : : : : : : : : : : : : : > 、: : : : : : ` ̄: : <
      ,j∨: : : : : : : : : ト: : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : 、ヽ
    ///: : : : : : : : : :|  \: :ゝ_、: : : : ハノ: : : : : : : : :\ヽ
   //ィ ′ : : : : : : ハ: !  / ̄`ヽ:.ー: : l : : : : : : : : : : : ヽ
.  /八 ∨: : : : : : 乂: : l   ィf。示ハ: V,へ: : : : : : : : : : :ハヽ
  {!  l  |: : {: : 斗匕ーノ-ゝ  "乂ぅリ i:l ハ´ !: : : ハ、: : :ヽ: i
  ` ,′ i: ト:ゝ: :乂ィテ:ハ       "  ノi: :ハ イ: : : 八:ハ:!ヽ∨
   / 、 ィハ:..ヽ:.ーゞ 乂ソ ,      'ノ:: : l: !: : /ノ リ }′`
>く ーy: j: : : : i\: ミ=-   _ , ,イノイ: : :/ ´
::::::::::>l: ハ: : : : l: : l`: : ゝ _    / 彡イ
:::::::::::::∧:{ ゝ=-!: : : : : l: :トミ ー l´_,イ´   ト、
:/:::::::::/`    ゝ: ヒ_, ーゞーr yf    /::::ハ
::::::::::::/          ̄__/jーti  _,./:::::::::/::ト、
:::::::::/       /:::::/::,ィ:i:i/ー/::::::::::::/::::::::::\
::::::/    _, ィ ̄:::::/:::,ィ /:i:ij イ:::::::::::::::/::::/"_::::ヽ_
:::::〉_,ィー=く::::::::::::::::/:::,ィ レ:/ /::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::::ハ
::/{:::::::::::::::::::::::::::::/:/ i " /∧___/:::::::∨::::::::::::::::::::i
:{:::::::::::::::::::::::::::::://  ヽ/  ,:::ヽ:-:::;_::::::::::/:::::::::::::::::::::::ハ
:::::::::::::::::::::_, ィ/:::l    /  ,:::::::::\_::::l::::::{:::::::::::::::
―  ´ ̄  /::::::|        !::::::::::::/j::::i::::::::ヽ::::::
       /:::::::::!      i::::::::::/ノ:::/:::::::::::ハ::

佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)

やる夫板より◆MapPerVmH.さんの作品の転載です。
176この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 20:59:20.40 ID:KXAO6NWW
>>175
振り向いた佐々木さん(仮)で保存しました
もっと良いタイトルあれば募集します
177この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 22:53:46.56 ID:J1Gcc0B4
>>176  振り向けば君がいる〜僕の心は君を捜す〜という、SSみたいな題名
を付けてみました。
178この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 22:58:52.09 ID:3lgeOTA5
驚愕ラストシーンの佐々木さんじゃないか。
179この名無しがすごい!:2013/09/12(木) 23:28:52.41 ID:KXAO6NWW
>>177
長過ぎだからダメって携帯に言われた(´・ω・`)

>>178
素直にそれが良いかね採用


>>173で思い出したけど、佐々木さんがvipのSSS読んで号泣してるSSあったね
なんでキョンの葬儀に私が出席してないんだと愚痴ってもいたがw
180この名無しがすごい!:2013/09/13(金) 00:00:36.06 ID:98LacBFI
そんな自己言及的なSSまであるのかw
181この名無しがすごい!:2013/09/13(金) 06:41:09.35 ID:bfMcqmlv
SSSじゃないやSSVだ
182『僕らの泣いた日』:2013/09/13(金) 12:44:25.92 ID:TyMqdeK3
夜に橘さんが泊まりに来るという事で、レンタルDVDを借りに行く事にした。そんな時に、ふと目についたレンタル落ちの中古DVD。

『頑張れコタロー海を渡る』

つい、そのDVDを手に取り、少し笑いが出た。
「佐々木さん、そのDVDが何かあるのですか?」
「いや、大した事じゃないのよ。気にしないで橘さん。」
中古DVDを買い、他には橘さん好みのラブロマンス(これはポルノと何が違うのか、というような映画でもあるが)を借り、私が見たい『総統閣下シリーズ』を借りる。
総統閣下シリーズは、YouTubeにあるよ。アテレコの面白さと、ヒトラー役の役者さんの名演が光る良作だ。
オススメはぷちます!や、女教師かな?ひと時の娯楽には良いだろう。
「氷の微笑もいいのです。」
「シャロン・ストーン?橘さんはポルノスターがお好みかしら?それに、ここは全年齢対象のうえに、シャロン・ストーンを知ってる人すら微妙なんだから、少しは黙ろうか?」
橘さんは、今すぐに粛清すべき。そう思う人は、部屋から出て準備をしてくれ。

古泉が泊まりに来たいというので、夜に備えてDVDを借りに来た。
「んー…男同士だと、これが御約束ですか?」
古泉は、メイドもののDVDを入れる。…二つ結びのメイドさん…これ、完全にお前の趣味だろ。却下だ。こっちの『仮面のメイドガイ』にすり替えて…
と、ふと目についたレンタル落ちの中古DVD。

『頑張れコタロー海を渡る』

つい、そのDVDを手に取り、少し笑いが出た。
「そのDVDが何か?」
「つまらん話だ。」
俺は最後の一枚を買うと、古泉と一緒にレンタルDVDを借りた。古泉がメイドガイを見て必死にメイドさんものを借りようとしていたが、力づくで阻止した。
あ?内容がほぼエロDVDだからだよ!谷口と国木田が、見てびっくりしたって言っていたタイトルだからだ。妹の情操教育に悪い。そう判断したからだ!
「メイドガイも情操教育には相当害があります!」
エロDVDよりはマシだ。
俺が借りたのは、総統閣下シリーズ…と言いたいが、生憎と借りたいシリーズが貸し出し中だった。
なので、妹対策に昔のホラーを。ああ、キョンシーは却下だ。通称が通称だけにバカにされかねん。
「久々にキョンシー見たいですねぇ。テンテンに憧れませんでした?」
「憧れたがな。古泉、ここに来られる方達の年齢層を考えろ。」
古泉の意外な性癖を知ったが…嬉しくもなんともないんだが。ったく。
183『僕らの泣いた日』:2013/09/13(金) 13:06:48.38 ID:TyMqdeK3
中学の時の大作SF映画。
CGを駆使しまくり、大興奮請け合いという話題の映画。
その評判を聞いた佐々木は、キョンに声をかけた。
「興味を惹かれないかい?」
「まぁ、興味はあるがな。だが、親友。いつに行くつもりだ?お前は人混みの中で映画を見る趣味は無かったはずだが。」
キョンの言葉に、佐々木はニヤリと笑う。
「学生だから出来る裏技を、キミは忘れたかい?」
そう。学校のサボタージュである。
「サボりか。教育は現在義務のはずなんだが…」
「くっくっ。義務だが、時に放棄もよかろう。六限位なら、見逃してくれるさ。」
「やれやれ…」
その日、二人で六限をサボり、映画館まで自転車で二人乗りをする。
「…なんだかんだと、ノリノリだね…キミ…」
「うっせぇな。空いてる映画館なら、ゆっくり見れるしそりゃテンションも上がるだろ。」
映画は15時開幕。キョンは自転車を漕ぐスピードを上げた。映画館で切符を買う頃には14時58分。大急ぎで入った先は……

『頑張れコタロー海を渡る』

二人がそのタイトルを見て、愕然とする。
「な、何故だ!どうしてこうなった?!」
がらんどう同然の映画…いかに期待されていない映画であるかがよく分かる。
「くっ…!迂闊だった…!僕達は、どうやらチケットを間違えたらしい…!」
痛恨の思いに、佐々木が顔を歪める。
「…出るか?」
「中学生に1500円は痛いよ…!」
見るしかない、と二人は溜め息を吐くと席に座った。

内容は動物愛ものであり、仲の良いメスの為にオスがずっと海を越えて会いに行く話だ。

「うげー…お涙頂戴かよ…」
「ありがちだね、全く…」
二人でポップコーンを頬張り、スクリーンを見る。
話が佳境に入るにつれ、御主人同士にも愛が芽生え、このままハッピーエンドかと思われた時…メスがジステンバーに羅患してしまう。
オスは、何度も何度もメスに会いに行こうとするが、感染を恐れた二人の飼い主に止められ、ロープに繋がれる。
脱走し、向かった先。だが、メスの姿はない。メスの墓標と首輪の前で、オスが鳴き…

暫く席から立たない二人…
係員からの誘導で外に出て、自宅へと向かう……
184『僕らの泣いた日』:2013/09/13(金) 13:20:24.40 ID:TyMqdeK3
「…いい映画だったね…」
「…ああ…」
夕暮れの中、自転車は進む。
キョンは時折袖で目を拭い、佐々木はキョンの背中にしがみついて泣いている。
「……キミは、何を泣いているんだい?チケットを間違った事かい?映画かい?」
涙声の佐々木。キョンもまた涙声で叫んだ。
「映画だよ!悪かったな!」
自転車が山手に差し掛かり、そこから自転車を押そうと佐々木が自転車から降りる。
「ちくしょー……」
「あんまりだよ……」
二人で号泣し、自転車を押す……
結局、大作SFを見る事は叶わなかったが、それ以上の思い出を胸に刻み込んだ二人であった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モニターの前で、橘が涙を流す。キョンの家では、古泉が、妹が涙を流している。そんな様子を見て、山手で泣いた事を思い出す佐々木とキョン。

「(懐かしいなぁ)」

つい、去年の事だが…昨日の事のようだ。
「(たまには連絡位、よこせ(よこしたまえ)よ。)」
卒業以来会っていない親友を浮かべ、二人は少し笑った。

END
185この名無しがすごい!:2013/09/13(金) 18:54:31.15 ID:bfMcqmlv
原作より古泉の悪友度高いのが微笑ましいw
映画タイトルをぐぐっても出ないあたりオリジナル?
乙です〜
186この名無しがすごい!:2013/09/14(土) 00:14:47.81 ID:gkAbj0V7
>>184
乙です シンクロニシティーですな
どこかで聞いたような内容の映画ですね……ダメだ、思い出せない
古泉が普通(?)の高校生してるのはなんとも微笑ましい
187『護身と誤審』:2013/09/14(土) 12:18:26.13 ID:7O4fujw+
「最近、物騒だとは思わないかね?」
「ああ。夏祭りの後の殺害など、笑うに笑えん。」
「なので、護身術を習ったんだ。」
佐々木は、そう言うとニヤリと笑う。
「橘か?組織とやらなら、護身のひとつやふたつ……」
佐々木は心外極まる、といった表情でキョンを見た。
「…キミは、古泉くんから護身を習いたいかい?」
流石に古泉に習い、寝技などになっては絶対に嫌だ。顔を近付けられ、息を吹き掛けられ…まさかのンギモッヂイイ!と……
「……すまん。」
幾許かの沈黙が、キョンの心理的なダメージであった。佐々木は首を振ると
「理解して頂いたようで嬉しいよ親友。僕も橘さんには似たイメージを抱いていてね。」
と言い、下を向いた。…どうやらお互い苦労は同じようだ。
「それに、だ。僕のキレた運動神経ではとても護身など覚束なくてね。周防さんに頼んでオートメーションの動きをダウンロードしたんだ。
因みに成果は未来人で実証済みだ。」
……藤原も苦労しているのだな、とキョンが下を向く……
「肩の脱臼に、股関節の脱臼だ!大体が、何故僕で試す!これは既定事項にない!」
病院にも行けず、周防の部屋でミイラにされた藤原が叫んでいたのは、また別の話だ。
「ーーーー」
序でに、その姿に興味を示した周防に、それこそ散々な目に遭わされるのだが…そこは悲喜こもごも。

「試しに背後からおそってみたまえ。」
「……手加減しろよ?」
佐々木の誘いに応じ、キョンが佐々木を後ろから抱く。
「…………」
「…………あの、佐々木さん。」
「ハイ、ナンデショウカシンユウ。」
「……あすなろ抱きにしかなっていないんだが……」
「……お、おかしいね?何故……」
一度離れ、今度は正面からやってみた。
「…………」
「…………」
恍惚の表情を浮かべ、キョンの胸に抱かれる佐々木……
「……護身はどうした?」
「……おかしいな。何故オートメーションな動きにならないのか……」
佐々木が赤い頬で首を捻る。
「これは困った……。一度きりだったのだろうか?これでは護身にならない…」
「楽しようとするからだ、バカめ。」
結局、この日は物別れに終わった。
188『護身と誤審』:2013/09/14(土) 13:19:12.35 ID:7O4fujw+
次の日。通学路で橘が佐々木に襲いかかった。…本人は至って正常なコミュニケーションのつもりだったのであろうが……
目撃していた岡本は後にキョンに語った。あんなに流麗に決まった脇固めは初めて見た、と…

「いたたたたたたたた!」
「あら、橘さん?」
「ギブギブギブ!佐々木さん!愛の鞭とはいえ行き過ぎなのです!」

誰と誰がいつ愛し合った。そう言いたい佐々木であったが、何とか堪え…橘を見る。
ガッチリ決まった脇固め。まるで藤原組長のようだ。ズブの素人である自分に、このようにポイントを抑えた脇固めが出来るはずがない。橘とて荒事に備え、格闘技を習っている人間なのだ。その人間を容易に抑え込むなど、自分の力量ではとても無理だ。
「(効果は生きている…。でも、何故?)」
頭を捻る佐々木。
「(まぁ、害意がない人間には向かわないようになっている、という所かな?)」
とりあえず、無為に暴力を振るう事はなさそうである。佐々木は納得すると橘を解放し、学校へと向かう。

周防の家には、見ているほうが痛々しくなる藤原が、愉快な近未来系オブジェのような格好で周防に遊ばれていた。痛覚は無いらしく、藤原はされるがままだ。
「…周防。貴様、佐々木にどのようなダウンロードをした?」
「ーー」

「なん……だと?」

好意を持つ相手以外は、全排除。つまり。半径1センチ内に寄れば、無条件にオートメーションが発動するのだという。相手への嫌悪によって排除のレベルがあるらしく……
橘は、脇固めで済んだ。組長ばりに一瞬で決めたので、痛みは少ないだろう。
だが。藤原は。
近未来オブジェになるまで痛めつけられ、腱を切られなかっただけ良心的という扱いだ。
「も、もう未来に帰る…。」
「ーー」

知らぬは本人達ばかりなり。
合掌。

END
189この名無しがすごい!:2013/09/14(土) 13:32:52.13 ID:w/dWfgyN
乙乙
きょこたん、藤原よりはまともに付き合って貰えてたのね…
個人的にはオチよりも>>187最後あたりの恥ずかしがる佐々木さんの可愛さに撃ち抜かれたw
だんだん声が小さくなってって、最後はほとんど聞き取れるかどうかギリギリだったりしたんだろうなと想像するだけで(ry
190この名無しがすごい!:2013/09/14(土) 16:02:24.69 ID:w/dWfgyN
ちょい久々に雨降ってきたのですよ佐々木さん
予報信じて良かった
191この名無しがすごい!:2013/09/14(土) 20:22:49.71 ID:AVMBA/GQ
佐々木かわいいよ佐々木
192秋月宵花談〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/09/15(日) 00:06:37.74 ID:rbCaG1GG
秋月宵華談〜俺の後ろに佐々木がいる〜

 お盆の時期に、佐々木の誘いを受け、佐々木の母親の実家に連れて行ってもらってから、ひと月。
 初秋の三連休に、俺はまたしてもそこにお邪魔することになった。
 ついこの間まで、猛烈な夏の暑さに体もバテ気味だったが、最近では朝晩涼しい空気が心地よく(昼間はまだ少し暑いが)
 、体力も回復してきた。
 このあたりは俺達が住んでいる所より、自然の移り変わりを感じる事が出来る。
 「彼岸花が多く咲いているな」
 「もともとこのあたりは田畑が多いから、もぐらよけに多く植えてあるんだよ。それがいつしか名物となって、河原やあぜ道
、裏路地にも植えて、だんだん増えていったんだ。もうすぐ秋桜も咲き始めるから、それを目当てに来る人も増えるよ」
 今、二人で川沿いを散歩しているが、河川敷に秋桜が植えてあるらしく、早めに咲いた秋桜の姿が見受けられる。それらが咲
き誇ったとき、さぞかし綺麗な風景が見られるだろう。
 「秋桜の後は紅葉と、このあたりは見所が多いんだ」
 それも見てみたい気がする。
 
 佐々木の祖父母の家の縁側に、薄を花瓶にさして、その横に、白玉団子と栗と里芋が添えられて並べてあるのを見た。
 「そうか、お月見の時期か」
 この前のお盆以来、佐々木からいろいろ教えてもらい、少しは日本の風習について関心を持つようになった俺だが、実際に月見
飾りをしている家を見るのは初めてだ。
 「この辺では待月夜(たいげつや)と言って、中秋の名月の3日前ぐらいから飾り付けるんだ。今年は18日が満月だから、ちょう
ど今日からが飾り付ける日なんだ」
 佐々木の説明に感心していると、庭の草木をかき分けて、目の前に丸々と太った兎が現れた。
 「まさか月の兎か?」
 「いや、これは僕の叔父さんが飼っている兎だよ。放し飼いにしているんで、よくここにもくるんだ。キョン、触ってみるかい?」
 佐々木にだきかかえられて、兎は怯えるわけでもなく、おとなしくしている。
 そっと触れてみると、柔らかい毛ざわりと兎の体温が俺の手の平に伝わって来た。

 夕食の準備は、俺と佐々木でお祖母さんを手伝い、秋を感じる料理が食卓に並んだ。
 「これは僕の自信作だね」
 この地方特産の、いまからまさに旬を迎える栗を使った、栗と冬瓜と地鶏のポトフ風ス-プは、佐々木がかなり気合を入れて作って
いた料理だ。
 他に、栗とキノコの炊き込みごはん、秋刀魚、里芋と秋野菜の煮物等、佐々木のお祖母さんが作り続けて来た秋を感じる料理はどれも
美味しそうだ。
 「あんたのお母さんにも教えたけど、あんたもこの料理、覚えておきなさい。将来の旦那さんにも作ってあげるんよ」
 お祖母さんは何故か俺の方を見たあと、微笑いながら佐々木にそう言った。

 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 お風呂に入ったあと、俺と佐々木は縁側にいた。
 満月ではないが、いままさに満ちていこうとする月の光が、俺たちと宵闇を照らしていた。
 秋の虫(マツムシとか興梠とか鈴虫とか)の音色が静かな田舎の夜に響いている。
 ここの庭に咲いている姫向日葵、(この町の花でもある)竜胆、トルコ桔梗、女郎花などの秋の草花も月下に照らされ、、少し遠くに、
かすかに彼岸花の姿も見える。
 その静かな夜の風景に、俺達もしばらく無言のままだった。
 佐々木の祖父母さんたちは明日農作業があるから、と早めに休んでいてた。
 「・・・・・・ねえ、キョン。もう少し君の側に来ていいかい?」
 佐々木の言葉に、少しドキッとするが、俺は平静を装い、軽く頷いた。
 佐々木は俺の側に来ると、横になり、頭を俺の膝に預けた。
 「君の側にいると心が落ち着くよ。とても穏やかな気持ちになるんだ」
 そ、そうか。(俺は今、心臓が通常より早く運転しているのだが)
 「しばらくこうさせてくれないか」
 ど、どうぞ遠慮なく(佐々木のサラサラした髪の感触が感じられて、心地よいのと落ち着かない気持ちで、更に心臓が早くなる)

 ようやく心臓も落ち着きを取り戻し、佐々木を膝枕したまま、俺達は秋の夜長を過ごした。
 「ねえ、キョン」
 なんだ、佐々木。
 「また近いうちに、今度は紅葉の時ここに来ようか」
 そうだな。お前と二人でゆっくり紅葉をみるのも楽しいだろうな。
 「ここに来る楽しみがまた一つ増えたね」
 そう言いながら、佐々木は微笑み、俺も頷き返した。
193この名無しがすごい!:2013/09/15(日) 00:11:21.06 ID:UVfv5wd+
私怨
194この名無しがすごい!:2013/09/15(日) 06:22:13.95 ID:oonIyLT8
婚約者佐々キョン乙ですー
月見にはちょっと早いかなと思ったらそういう風習ですか、日本にもいろいろありますね
195この名無しがすごい!:2013/09/15(日) 22:15:52.06 ID:oonIyLT8
台風の順路からは外れてるはずなのに、けっこうな風なのですよ
大型って実感が湧きますね佐々木さん
196この名無しがすごい!:2013/09/16(月) 11:08:05.48 ID:3RGkbOmj
支援
197この名無しがすごい!:2013/09/16(月) 12:01:45.45 ID:U/r3f+6z
大荒れですね佐々木さん
198この名無しがすごい!:2013/09/16(月) 21:51:44.07 ID:U/r3f+6z
風に吹かれて佐々木さん
199この名無しがすごい!:2013/09/17(火) 11:58:33.71 ID:1za98fLu
強風に煽られて、服が捲れた佐々木さん。
200この名無しがすごい!:2013/09/17(火) 12:45:47.28 ID:5SVI65R5
周りからの視線をガードするきょこたん
しかし自らはガードの内を向き
201この名無しがすごい!:2013/09/17(火) 18:26:16.35 ID:HMhuB7Y6
自分の服が捲り上がるのすら気付かず、キャラクターのバックプリントがついたぱんつを衆目の下に晒すのであった…
202この名無しがすごい!:2013/09/17(火) 23:49:41.97 ID:TGeAex5P
しえん
203恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/09/18(水) 00:20:17.83 ID:2dEMb8IH
    恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS 夏の夜想曲その9

 
 両脇を美人に固められれば、健全な男子としては、羽化登仙、気分は高ぶるのかもしれない。
 ただ、残念ながら、僕は健全には程遠い、爛れたような、どこか破滅的な男であり、それを微笑の仮面で誤魔化
しているのだ。
 ”彼”が羨ましい。
 ”彼”は、多分平凡で、絵に書いたような学生生活を送っているのだろう。僕が昔失った、平凡だが輝いている
時を。

 「女性二人に脇を固められるのは、どうも緊張しますね」
 「え、でも、古泉さんは慣れているんじゃないんですか、こう言う事態は。女の子にすごく持てるし」
 「いや、そんなことはありませんよ」
 「でも、この前の合コンの時、女性に囲まれていましたよね?」
 「あれは、話しているだけですから。女性二人に挟まれて歩く経験はないですよ」
 古泉さんの右側に阪中さん、そして左には私。
 涼宮さんが提案した肝だめしで、私達は三人で出発することになった。
 該当は少なく、道は暗いけど、阪中さんと古泉さんが、さっきからずっと会話していて、あんまり肝だめしの雰囲気
ではない。阪中さんはすごく楽しそうな笑顔で古泉さんとしゃべっている。
 古泉さんはいつもの爽やかスマイルで、その笑顔が近くで見れるというわけで、阪中さんがご機嫌になるのも無理は
ないと思う。

 「古泉さんが?意外ですね。恋愛経験豊富だとばかり思っていました。この前買い物に付き合ってもらった時、すごく
慣れたような感じだったんで」
 「あれはクラブの部長の森さんの買い物に付き合ううちに慣れたんです。森さんは僕の幼馴染で、姉みたいな人ですけ
ど、いろいろ女性への接し方を教えてもらいました」 
 私の脳裏に、森さんと古泉さんが多丸さんおお店にいたときの光景が浮かぶ。
 なるほど、二人は幼馴染だったのか。でも・・・・・・
 ”親しげな、という印象は受けなかったわ。むしろ”
 張り詰めた糸のような、緊張関係。古泉さんのいうような、単なる幼馴染じゃない、おそらく私の感は間違っていない。

 「正直に言えば、僕は恋愛事が苦手なんですよ。友人関係としてはそれなりにできると思うのですが、恋人として接する
ことはダメなような気がするんです」

 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 森さんと出会ったのはかなり前の事。遠い思い出。何も知らない子供の時。
 二つ上のお姉さん。両親の友達の娘。
 最初に見たとき、少し心臓がドキドキして、暖かい気持ちになった。
 初恋。
 僕等はお互いの家によく遊びに行き、成長して、彼女を追いかけるように、同じ学校に通い、同じ時を過ごした。
 心と体は成長していき、やがて僕等は子供から大人へと少しづつ変貌していく。
 彼女とカラダと心を重ねたとき、僕等は真実を知り、それ以来、僕は恋愛をしていない。

 高校に入り、僕はひとりの女の子にあった。
 涼宮ハルヒ。止まっていた心が、凍りついた感情が動き出し、思いが溶け出す。
 恋愛苦手な僕等が、涼宮さんと共に作った恋愛サ-クル「SOS」。
 その名前は、僕と森さんの叫び声かもしれない。
 ”誰に助けて欲しい?何を救って欲しい?”
 ”彼女に、そして彼に、心を、失った未来を”
 
204この名無しがすごい!:2013/09/18(水) 12:31:49.29 ID:txsiZzu0
支援
古泉…
205この名無しがすごい!:2013/09/18(水) 20:38:33.70 ID:txsiZzu0
満月と佐々木さん
206この名無しがすごい!:2013/09/19(木) 18:13:57.33 ID:TWyxhW/D
今さら真空タンブラー(250ml)を買ったのですよ
実験として氷をたくさん入れて様子を見たところ、結露はしないまでも多少ひんやりしてます
こんなもんなんでしょうか佐々木さん
207この名無しがすごい!:2013/09/19(木) 22:52:53.49 ID:SgZ61YMR
そろそろ週末恒例のネタ拾いを始めるのです。

先着二名様で
見たいシチュエーションを明記して下さい。
208綺麗な満月です:2013/09/19(木) 23:03:48.57 ID:opU4uJhR
 キョン、いい月だね
キョン「ああ、いい月だ」
 確か今年で三年連続満月だね……三回とも君と一緒に見ることができてよかった
キョン「ん? まるでもう一緒に見ることができない様な言い方だな」
 ああ、すまない、そういうわけじゃないんだ
 月の周期から考えて来年の今日は満月じゃないんだよ
 次に満月になるのは多分7〜8年後だろうね
キョン「ほー、そんな先になるのか。 次は子供たちも一緒だな」
 そうだね……次はお腹の二人と一緒に見よう
キョン「ああ、次は家族『だけ』で『静かに』見たんもんだ……」チラッ

長門 「……」モキュモキュ ゴックン モキュモキュ ノドゴックン
ハルヒ「ちょっと有希! 食べ過ぎよ! みくるちゃんお茶!」ガツガツ
みくる「ふぇっ、は、はぁ〜い」パタパタ
古泉 「お二人共追加作ってますからもう少し落ち着いて……って聞いてませんね」
 橘 「ちょ! 九曜さん、ススキは食べちゃダメなのです! ぺっしなさい!ぺっ!」
九曜 「――団子――ない――」
藤原 「ちょっと待て! もうすぐ茹で上がる! なんで僕がこんなことを……」

キョン「やれやれ、あいつら人んちで……風情も何もあったもんじゃねぇな」
 くっくっ、次も集まりそうだから静かに、は無理かもね まぁ、これはこれで楽しいよ


 君の隣で名月を眺める……僕はそれだけで十分さ
209この名無しがすごい!:2013/09/19(木) 23:15:57.79 ID:opU4uJhR
おうふ、誤字発見
『静かに』見たんもんだ →『静かに』見たいもんだ
月があまりに綺麗なんでお酒がススムススム で、ノリで書いたらこれですよ

>>207
横入り申し訳ないです
『急に夜が寒くなったせいで風邪ひいたキョンのお見舞い合戦を行う女性陣』でお願いします
佐々木さんとキョンは友人から半歩進んだくらいで
210この名無しがすごい!:2013/09/19(木) 23:25:34.27 ID:TWyxhW/D
>>207
実はサラシを巻いて胸を小さく見せてた佐々木さん!

>>208乙乙!
穏やかながらも良い雰囲気からの急転直下?にきょこたんのくーちゃんへの対処等々いろいろツボったw
211恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/09/20(金) 00:03:30.77 ID:zuf5lWqs
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS 夏の夜想曲その10


 何故か目が冴えて、俺は眠ることができず、睡眠中の古泉を起こさないように、そっと部屋を出た。
 フロントの当番の人に散歩に出ていく(出入りは午前2時まで可能らしい)とつげ、俺はホテルの外に出た。
 ホテルの近くの砂浜はさすがに誰もいない。夜の静けさの中に、波が押し寄せる音だけが大きく聞こえる。
 時折、ホテルの中にタクシ-が入っていくが、飲みにでも出た観光客が返ってきたのだろうか。
 女性陣達は肝試しの後、アイスを買いに行き、各自部屋に戻っておしゃべりに興じていたが、すぐに寝たようだ。昼と夜にあれだけ
遊んでいれば、疲れもするだろう。
 ”そういや明日には帰るんだな”
 古泉に招待され、同級生たちだけで行く旅行。一夜の夢みたいな楽しい時間。
 この時間が、友人達と過ごす時間が続いて欲しいと思う。
 佐々木、長門、ハルヒ、古泉、橘、阪中、一緒じゃなかったけど国木田や鶴屋さん、それに谷口、藤原――
 中学からの、あるいは高校生になり出来た友人たち。
 長い人生から見れば、皆と過ごす3年と言う時間はあっという間なんだろうが、おそらくかけがいのない時間となるのだろう。
 
 ”?”
 人の気配を感じて後ろを振り向くと、そこには古泉の姿があった。
 「寝てたんじゃなかったのか?」
 「寝ていたんですが、ふと目が覚めまして、起きてみたらあなたがいない。フロントに聞いたら散歩に出られたと聞きましてね。僕も
散歩してみようかという気分になりまして。あ、これ、飲みます?」
 古泉がくれたのはよく冷えた麦茶缶だった。
 「ありがたくもらうよ」
 古泉から受け取り、プルタブを引く。少し乾きを覚えていた喉に、麦茶を流し込んだ。

 「古泉、ありがとうな。俺たちを招待してくれて」
 「お礼には及びませんよ。僕が提案したわけですし、皆さんと来れて楽しかったですよ」
 「俺も楽しい気分だ」
 俺と古泉は笑い合う。
 「正直、高校生活がこんな楽しいものになるとは、入学した当時はあんまり思っていなかったけど、お前や皆のおかげで充実してる、
て感じがするんだよな」
 「そう言われるとこちらとしても嬉しい気分になるんですが、よく考えると、あなたや長門さんと知り合うきっかけになったのは、涼
宮さんのおかげとも言えるかもしれませんね。縁結びの神様になるわけですか」
 
 谷口の頼みを渋々聞いて参加した合コン。「SOS」と言う変な名前が主催するその集まりで、俺は佐々木やハルヒ、古泉と出会った。
 谷口は周防という彼女を見つけ、藤原も朝比奈さんと言う女性と仲良くなり、国木田は鶴屋さんと急速進展、大人の階段を登っている。
 「恋愛サ-クル、友達サ-クルだな」
 「言い得て妙ですね。涼宮さんによれば、『SOS=学生生活を多いに楽しむサ−クル』の意味だそうですが、実際、恋人関係や友人関係に
発展した参加者は多いですよ。まあ、それと個人的意見ですが、恋愛や友情と言うのは学生生活に極めて重要な要素だと思いますが」
 「その意見には賛成だ。お前や佐々木、ハルヒと言う友人に知り合えたことは大きいことだと思っている。もう一つの方の恋愛は、ちょっと
、な・・・・・・」
 「どう言う意味ですか?」
 「俺はそんなに色恋沙汰は得意じゃないんだよ。元々女性と話すのも得意じゃない方だし。最近は佐々木たちのおかげで少しは慣れたけどな」
 「あなたは佐々木さんや涼宮さんと、とても親しそうに話されていたから、ちょっと意外ですね」
 「あの二人と長門は特別なんだろうな。変にかまえなくて済むんだよ」
 缶に残っていた麦茶を、俺は喉に流し込んで、言葉を続ける。
 「古泉、お前も恋愛事は案外苦手なんじゃないのか?」
212この名無しがすごい!:2013/09/20(金) 00:11:16.70 ID:zuf5lWqs
>>208
実に綺麗な中秋の名月です。楽しそうな月見の風景ですね。乙です。
213この名無しがすごい!:2013/09/20(金) 12:29:49.10 ID:NYgcDZzL
>>211支援
踏み込んじゃったかキョン
吉と出るか凶と出るか
214この名無しがすごい!:2013/09/21(土) 03:29:45.71 ID:XjeFYCib
215この名無しがすごい!:2013/09/21(土) 07:49:41.34 ID:Ez8HJ32U
八月第二週以来の晴れて用事も無い週末にテンション上がってしまったのか、全然眠れなかったのですよ佐々木さん
216この名無しがすごい!:2013/09/21(土) 19:21:59.57 ID:LtZ3pjws
忙しいのは良い事なのですが、たまにはゆっくりしたいのですよ佐々木さん。
217この名無しがすごい!:2013/09/21(土) 23:40:29.87 ID:Ez8HJ32U
おやすみ佐々木さん
218この名無しがすごい!:2013/09/22(日) 17:44:09.99 ID:UyfJIuQS
連休を満喫する佐々木さん
219この名無しがすごい!:2013/09/22(日) 20:16:01.25 ID:UyfJIuQS
最強金属が遂にドリルに負けちゃいましたね佐々木さん
220この名無しがすごい!:2013/09/23(月) 12:03:30.37 ID:YurgBJQC
あのスレのキョンは巨人ファンだったな
日ハムの成績は置いといて、巨人優勝セールにキョン兄妹と出かける佐々木さん
221この名無しがすごい!:2013/09/24(火) 16:35:53.73 ID:5ELxC6+s
なかなか忙しく、SSを上げられなくて申し訳ないのです。
明日にはひと段落する予定なので、明後日には上げたいのですよ。
222この名無しがすごい!:2013/09/24(火) 18:14:37.07 ID:9NxWKTsK
把握
無理はせんようにね
223この名無しがすごい!:2013/09/24(火) 21:32:22.22 ID:9NxWKTsK
もっと佐々木さん妄想で盛り上がりたい皆書き込みしようよー
224この名無しがすごい!:2013/09/25(水) 00:28:21.28 ID:M1E8hWYV
佐々木かわいいよ佐々木
225この名無しがすごい!:2013/09/25(水) 18:03:23.44 ID:pgbh3pNw
寒暖の差が大きいですね佐々木さん
226この名無しがすごい!:2013/09/25(水) 20:09:58.05 ID:M1E8hWYV
佐々木とくつくつ
227この名無しがすごい!:2013/09/25(水) 22:52:57.94 ID:pgbh3pNw
世界に誇る佐々木さん
228この名無しがすごい!:2013/09/26(木) 19:04:18.28 ID:aH7a6AAu
佐々木さんかわいい
229この名無しがすごい!:2013/09/26(木) 19:34:34.52 ID:blrluSd/
佐々木さんの容姿が美人系だったら展開は変わってたのかな
230恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/09/26(木) 23:14:09.49 ID:RkZhL4jO
    恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS 夏の夜想曲その11

 
 先ほどの肝試しの時、僕は阪中さんと橘さんに、自分から「恋愛ごとは苦手だ」と告げた。
 しかし、それを他人から指摘されたのは初めてのことだ。
 「どうしてそう思われたのですか」
 内心、僕は少し動揺していたのだが、そのことを隠しながら、彼に聞いてみた。
 「お前が女子と話しているとき、すごい紳士的で人当たりがいいんだが、何か壁を作っているように思えたんだ
。そういう態度を取るのは何か理由がありそうなんで、な。お前みたいなハンサムが女性と距離を取りたがるのは
不思議な気がする」
 彼には平凡な普通の男子学生という印象が強いのだが、なかなかどうして鋭い感覚の持ち主のようだ。
 
 「昔、俺は好きな女性がいたんだ。初恋だったんだけど、結局叶わなかった。まあ、たいてい初恋は成就しない物
だって、長門に習ったけどな」
 彼の言葉を聞いて、僕は複雑な気分になる。
 僕の初恋は成就したと言えるのかもしれない。だけど、残酷な真実は僕等の未来を暗いものにした。
 「そいつがキッカケで、俺は恋愛が苦手になってしまった。何かを、自分の思いを失うのが怖いんだよ。でも・・・・
・・」
 彼はそこで一息ついで、そして言葉を続けた。
 「でもな、もうそんな過去に囚われるのはやめるよ。過去は過去だ。ほろ苦い思い出でだけど、未来まで縛られる
ものじゃない」
 何か夜の闇の中で、彼の横顔が晴れ晴れと輝いているように見えた。
 「高校生になったら、いろいろ変わるかもしれない、なんて中学の頃思っていたんだけど、最近少しずつ実感してき
ているんだ。それは多分、長門や佐々木やハルヒやお前と知り合えた事がきっかけになるんだろうな。『サ-クルSOS』に
合コンに参加するのは乗り気じゃなかったんだが、人間、何が転機になるか、わかったもんじゃない」

 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 部屋に戻り、僕は暗闇の中で天井を見ていた。
 海岸で彼が行った言葉が胸に残っている。
 ”もうそんな過去に囚われるのはやめるよ。過去は過去だ。ほろ苦い思い出でだけど、未来まで縛られるものじゃない”
 ホテルに戻るとき、彼は僕に一つ問いかけをしてきた
 ”古泉、お前は好きな女の子いないのか?”
 その問に、僕ははっきりと、こう答えた。
 
 「ええ。実はいるんです。その人には僕は構えず喋れるんですが」

 過去は変えられない。それは僕の中に思い出として残るだろう。でも、未来は自分の意志でいくらでも変えられるのだ。
 自分で作っていた壁を、森さんとの狭い世界に逃げていた僕を、壊す時が来たのかもしれない。
 ”未来は自分の手で掴み取る”
 僕は暗闇の中で、手を伸ばした。
231この名無しがすごい!:2013/09/26(木) 23:49:46.69 ID:exNEDBjA
今晩は
232この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 00:08:52.69 ID:cQChHiYV
キョン=虚無=ニヒル
233この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 07:35:51.87 ID:QU0YGilY
>>230支援
古泉がハルヒ持って行ってくれたらなあと切実に思う
234『寒暖』:2013/09/27(金) 10:41:59.36 ID:8LJfWfH+
夏が終わり、秋となる。
そんな中、やたら暑かったり寒かったりする時があるものだ。そんな時は、体調も崩しやすく風邪も引きやすい。
御多分に漏れず俺も体調を崩してしまい、学校に連絡をして休む事にした。
「ああ、今日は佐々木と勉強する予定だったな…」
佐々木にメールを打ち、今日は中止と送り、俺は布団に横たわるシャミセンを抱いて寝る事にした。シャミセンも暖かい場所が良いのだろうか、布団に潜り込み丸くなっている。
久々に体調を整える時間だ。ゆっくり休み明日には回復させたいものだ。そんな事を思いつつ目を瞑る。

…こんないつものありふれた話が、これから巻き起こる不幸の序章だと誰が想像したであろうか…。
少なくとも、俺にはちっとも笑えない話であった……

「キョンが風邪、ねぇ。みくるちゃん、何か健康に良いものはないかしら?」
「緑茶は良いと聞きますよ。」
みくるは、緑茶を魔法瓶に入れている。
「朝比奈さん、その魔法瓶はどうされたのです?」
「ああ、これはキョンくんにお茶を渡そうかと思って…」
そんなみくるに迫るはハルヒ。
「あざといわよ、みくるちゃん!それを渡して好感度アップを狙うの?!」
「ふええ!そんな事じゃないですぅ!私はただ、キョンくんが早く治るようにと…ふええ!涼宮さん、胸を揉まないで!」
そんな二人を見ながら古泉はにこやかに微笑み、薬局で買ったであろう袋をバッグに入れる。
「…愛と情熱の漢方薬ヤンヤン堂…」
長門の冷徹な言葉に古泉の手が止まる。無数の汗をかく古泉に長門が言った。
「その薬を彼に渡した時点で、あなたを敵性と見做す。」
「い、いやですね長門さん。ただの漢方薬ですよ、漢方薬。」
長門は再び液体ヘリウムのような目を古泉に向ける。
「では、その漢方薬を橘京子に飲ませて、あなたを同じ部屋に放置する。」
「んっふ…。やはりお見舞いは果物にしますか。」
古泉は表面的にはにこやかに漢方薬を奥深くに仕舞うと、皆を見る。
「では、皆で彼をお見舞いに行きますか。差し当たっては果物などはいかがですかね。」
「あー、ありきたりだけど、それでいっかー…」
ハルヒがつまらなそうにみくるを離し、みくるが避難する。長門は魔法瓶をひっくり返すと、みくるに言った。
「…敵性と判断されたくなければ、今すぐに通常の緑茶を入れるべき。」
「…………」
無数の汗をかきながら、みくるは緑茶を入れ直した。
興奮剤入りの緑茶。後に古泉が飲んでしまい…鉄の意志で興奮を抑えたが、矢鱈と呼気が荒くなり、キョンにホモ疑惑を持たれたという…
因みに。古泉の愛と情熱の漢方薬。これはキョンに飲ませてハルヒを部屋に放置して帰るという、倫理的にアウトもいい所の発案からである。決して彼の性的嗜好ではない事をお伝えしておく。
みくるにしても同様であったのだが…いち早く看過した長門により、未然に貞操の危機は救われたのであった…。
「(…彼を守るのは私…)」
…看過されないほうが幸せだったかも知れないが。
235『寒暖』:2013/09/27(金) 11:09:50.53 ID:8LJfWfH+
「全く、彼は危機管理能力がなさ過ぎる。」
学校帰り。キョンの風邪の連絡を受けた佐々木は、スーパーマーケットに寄る。
買い物かごには、饂飩、パックの出汁、葱だ。
「こじらせると肺炎にもなりかねないというのに、全く…」
主婦達のヒップアタックにもめげず、佐々木は目当ての食材を全て買い揃えた。
「いいかね、僕がこうして食材を買ったのは、キミが空腹でないか心配だっただけだ。余った材料については、御母堂に差し上げてくれたまえ。
…うん。これでいい。」
キョンに手料理をやれて、尚且つ家族へのアピールを備えた作戦。
親友からの距離を少しずつ縮めていき、親友から恋人へと向かう道の一歩目だ。

…賢明な読者諸氏ならば、これら食材の運命は推して知る事であろう。合掌。

「…五時、か…」
妹は風邪が移らないように外に遊びに行かせた。シャミセンは寝るのに飽きたのか、どこかに遊びに行ったようだ。
薬を飲んだせいか、眠気が酷い。つらつらと眠る中…インターホンが、己の存在を主張すべく全力で鳴り響いた。
「…ああ、だるい…。どこの馬鹿だよ…」
文句を言いながらも立ち上がり、俺は部屋を出ようとした。その時。インターホンは、昔のファミコンの名人の連射の如く連打された!因みに今、そのファミコン名人はハドソンを退職したらしいな!
とりあえず、いい加減にしやがれと玄関のカメラを見る。そこには…
「うげ…!」
ハルヒが大写しになっていた…。やばい。嫌な予感がする。俺は間違いなく風邪をこじらせて死ぬ…そんな嫌な嫌な予感…。玄関からハルヒの声が響く。
「ちょっと、キョン!いるなら開けなさいよ!」
断わる!俺はまだ死にたくはない!
「あ、有希、あんた何を…え?ヘアピンよこせ?いいけど何するの?」
長門?まさか…。俺は慌てて玄関へと走った。
…なぁ、お前ら信じられるか?ほんの目を離した三秒後には玄関が開いていたなんて…
そこにいたのは、仁王立ちのハルヒ、長門、困ったような古泉に朝比奈さんだった。
「遅い!罰金!」
ハルヒの宣言の途中…俺は古泉と朝比奈さんの表情が気になっていた。
あの二人のあんな表情は…大体良くない事が起きる手前だ。そして、その災厄はハルヒ…。つまり……
「くっくっ。おや、皆様お揃いで。」
…ハルヒの精神を、これでもかとかき乱す存在があるという事だ…。
俺は観念して皆を部屋に通したのであった…
236この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 12:35:31.82 ID:QU0YGilY
ああ、そら佐々木さんならインターホン連打はしないな…
キョンの行く末に合掌
237この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 18:49:59.20 ID:QU0YGilY
完結してたみたいだから改めて乙、SSの通り寒暖の差が大きい昨今ですので風邪などお引きになりませぬよう
238この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 19:19:37.81 ID:8LJfWfH+
いや、完結ではないですよσ^_^;
少し時間が無く、止めているだけです。今日中には上げたいとは思いますので、もう少しお待ちを…σ^_^;
239この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 19:37:01.30 ID:QU0YGilY
こりゃ失礼をば
何気に長門がナイスセービングしてくれてて有り難いね
続き期待
240この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 20:05:46.98 ID:ARdrI9nq
完結といえば、ツガノガク先生の漫画も終わりました。ただし「第一部 完」となっていて
、さらに番外編が掲載されることもあとがきで記されていたので、これはRainy
day、漫画化に期待が持てる。
241この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 21:43:22.57 ID:QU0YGilY
小冊子の漫画化、ぷよとツガノどっちが需要あるかね
個人的にはぷよに一票
242この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 21:56:00.68 ID:ARdrI9nq
>>241 どちらでも歓迎しますが、私もぷよ氏に一票
243この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 22:32:01.77 ID:prSP33v+
>>240
まあRainy Daysだろうなと思いながらも、
長門アイドル、みくるボクサーとかやってたやつの佐々木団Verとかのオリジナル話あったらいいのに
と思ったりする。ミヨキチ話もなぜかあったし。

有希ちゃんでは活躍してたのにハルヒちゃん内では佐々木さんいまのところ影薄いよな…。
他の佐々木団のギャグキャラ化が美味しすぎるせいか。

>>241
サービスカットでぷよ漫画の中で描いていたね。
244この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 22:32:45.74 ID:kmGMA+PI
ぷよぷよは活躍しているな
245この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 23:42:36.99 ID:kI33kVgt
たった今、SSネタが思いついたんだが
ハルヒと佐々木さんの中身が入れ替わって、外見はハルヒの佐々木さんで
佐々木さんの外見のハルヒとか、ありがちなネタだけど、どうでしょうか?
246この名無しがすごい!:2013/09/27(金) 23:51:52.83 ID:QU0YGilY
>>245
GOですじゃ!
247恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/09/28(土) 22:50:12.69 ID:6uz66E33
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS 夏の夜想曲その12

 
 夜中に散歩したせいかもしれないが、朝食の時間に一番遅く起きたのが、俺と古泉だった。
 女性陣は早々と起きていて、ビュフェスタイルの朝食を(特にハルヒと長門は)たらふく食べていた。
 「遅いわよ、あんたたち。変なエロ話でもして夜ふかししていたんじゃないでしょうね」
 誰がするか、アホか、お前は。
 「まあ、キョンも古泉くんも健全な男子だからしていてもおかしくはないんだけどね」
 いや、佐々木よ。天地神明に誓って、そんなことはない。
 「彼の言うとおりです。少し夜中に散歩に行っただけですよ」
 「ふ〜ん。まあ、古泉くんが言うならば信用できるわね」
 「僕もキョンの言うことを信じるよ」
 佐々木がフォローしてくれたので、ハルヒもそこでこの話を打ち切り、俺達は朝食を取りに行った。

 佐々木の隣に俺が座り、ハルヒの隣に古泉が座り、俺達は朝食を食べ始めた。
 「うん?古泉、お前も結構朝から食べるんだな」
 「基本的な僕のスタイルは朝食と昼食をしっかり食べて、夕方はあんまり食べないようにしているんです。
そのほうが体にいいんですよ」
 「なるほど、俺も今度からそうしてみようかな」
 そんなことを話していると、このビュフェレストランの入口に、鶴屋さんと国木田が現れた。
 ホテルの浴衣を来て、楽しそうにおしゃべりしながら、朝食を載せる皿を受け取っている。
 国木田の顔は、何かスッキリとしたような、爽やかな表情で、隣に並んでいる鶴屋さんは、何か熱を帯びたような
表情で国木田を見ている(どこかその表情は色っぽく見えた)。
 二人は俺達の席の方には来ず、離れた窓側の席に二人だけで座った。
 「何であんな離れた席に座ったのかしら?ちょっと呼んでみようか?」
 「やめとけ。二人だけにさせといてやれ」
 ハルヒが余計なことをしでかしそうだったので、俺は即座に止めに入る
 「そうよ、涼宮さん。二人の仲を邪魔しちゃダメよ」
 佐々木もハルヒを止めようとする。
 他の皆も俺たちに賛同するように、首を縦に降った。
 ”野暮な真似はしちゃいかんだろ”
 俺達の説得(?)が効いたのかどうかしれないが、ハルヒは国木田と鶴屋さんの方へ向けていた頭をこちらに戻した。

 楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。
 朝食後、俺達は古泉の計らいで、チェックアウトの時間が過ぎても荷物をホテルに預かってもらえることになり、正午まで
海岸で遊んでいた。
 ホテルのお風呂で汗と潮と砂を流したあと、送迎バスに乗り、昼食を食べに出かけ、その後街を散策したり、お土産を買った
りした。
 思いっきりこの旅行を堪能した俺達は、家路に帰るバスの中で、少し疲れが出たのか、ほとんど皆眠っていた。
 佐々木も長門も、少し座席を倒して、疲れは見えるが満足そうな表情で眠っていた。
 「おい、古泉、お前、だいじょうぶか?」
 ハルヒの話し相手になっていた古泉は、「眠くなった」とか言って眠ったものの、寝相があまりよろしくないハルヒにもたれ
かかられ、窮屈そうにしていた。
 「まあ、何とか」
 いつもの爽やかスマイルだが、少し苦笑しているように見えたのは気のせいか。
 そうこうしているうちに古泉も俺も眠くなってきた。
 ”また皆で遊びに行きたいな”
 バスの軽い走行振動を感じながら、眠る寸前、俺はそんなことを思っていた。
 
 
248この名無しがすごい!:2013/09/28(土) 23:29:52.08 ID:8+AUEJYt
毛布を干したのですよ佐々木さん
でも明日は暖かい予報(^_^;

>>247支援
まだ古泉の役得表情を見抜くまでには至らぬか
249この名無しがすごい!:2013/09/30(月) 06:59:02.55 ID:HV7fGyJt
とうとう9月も終わりですよ佐々木さん
腰をやってしまい半休養中
暇な時間が増えたんでネットサーフィンやってたらあっという間に時間が……
250この名無しがすごい!:2013/09/30(月) 07:36:56.85 ID:F17btE4q
お、直った?

>>249
腰痛が癖になると大変みたいですし、ゆっくり休んで、しっかり治してくださいな
251『寒暖』:2013/09/30(月) 12:37:15.81 ID:nHvnYKfE
部屋では、ハルヒの家捜しが始まっていた…
「つまらない部屋ねぇ。男子高校生なら、エロ本の一冊や二冊持ってなさいよ。」
「くだらんことを言うな。見た所で俺の性的嗜好しかわからねぇだろ。ったく。」
最近の記録媒体を舐めてはいけない。ほんの小さなメモリーカードに、GB入る世界なんだ。当然ながら俺のオカズというものは、そのメモリーカードに入っている。
中学の時に佐々木にエロ本を見つかって以来、本当に恥ずかしい思いをしたからな…
「ふぅん?キミはこうしたふんわり甘系の女の子が好きなのだね?」
と言いながら
「天然さんとインタビューでは書いてあるが、こうした女性に腹黒は多いものだよ。親友として、僕からの忠告だ。」
と、佐々木は真剣な目で俺を見つめてきた。恥ずかしかったから、つい
「お前に勝る腹黒がいたら、お目に掛かりたいものだ。」
と返してしまい、佐々木がえらくおかんむりになり、宥めるまでにケーキやコーヒーなどの貢物がいくつも必要となったものだ。
「…甘いもので、僕の機嫌を買えると思うキミの態度が気に入らない。」
そうそう、毎回こうしたセリフを…って

佐々木は勉強会用に用意されていた、安曇野のわた雪を頬張り、うっとり目を閉じている。
「キョンくん、いいチョイスです。」
朝比奈さんは魔法瓶からお茶を出し、佐々木と寛ぎきっている…。安曇野のわた雪の栗餡だ。佐々木は季節のものが好きだし…古泉はハルヒと引き出しを探している。時折こちらに目線で謝るが、お前、さり気なく避妊具を引き出しに入れようとするな。
「……」
長門は…見憶えのある記憶媒体を目の前に翳し、口を動かしている…
「どうしたの?有希。何かあった?」
長門の行動に興味をそそられたハルヒが、長門に近付く…
「……認めない。」
長門はそう言うと、記憶媒体を砕いた……あ、あ…メモリーカードごと……
「どうしたの?有希?何があったの?」
「長門さん、何があったの?」
ハルヒ、佐々木が長門に寄る。長門は…
「この記憶媒体に写っていた映像を吟味した結果、胸部が発達した女性8割、ロングヘアの女性6割、肉感的な女性6割という結果が出た。」
ヤバい、と古泉を見ると…机の上に『バイトに逝ってきます』という書き置きがあった…。
「みくるちゃ…っち!逃げられたか。」
朝比奈さんは、危機を察知した鼠の如く逃げ出している…。ハルヒは二人を向くと、ニヤリと笑う。
「さ、あたしは帰ろっかなー。じゃ、キョン。明日は学校来なさいよー。」
足取り軽くハルヒが家を出て行った…。何しに来やがったんだ?あいつは…。
252『寒暖』:2013/09/30(月) 13:04:30.00 ID:nHvnYKfE
「私も帰る…」
長門が立ち上がる。長門は俺を向くと…
「明日から暫く、朝倉涼子は学校を休む…。お大事に…。」
と言い、スーパーの袋を持って去って行った…。夜のマンションに、朝倉の叫び声が響き渡る羽目になるのはまた別の話だ。
佐々木は一息吐くと、立ち上がる。
「やれやれ。お腹は減らないかい?親友。」
「減るには減ったが…」
佐々木はニヤリと笑い、近くを探る。
「…おや?」
ん?何だ?
「…親友、ここに置いていたスーパーの袋を知らないかい?」
「さっき、長門が持って帰っていたアレか。」
…佐々木の目が、猛禽類のような目付きになる…。「あんの根暗」やら「あのケデブといい、今日は散々だ」と言っていたが、聞かなかった事にしよう。
冷静ぶってる割には、熱いんだよなこいつは。激情家というべきか。こんな一面もある、と知ったのは最近なんだが。
「やれやれ。…佐々木。まだわた雪あったよな?」
「…あるが?」
むくれた佐々木に、わた雪を口に入れてやる。
「…甘いもので僕の機嫌が買えると思う、キミの態度が気に入らない。」
「そうかい。俺の態度を許せる位には、そのお菓子をお前は好きなはずだが?」
余計に気に食わないのか、佐々木はベッドに腰掛けると、そのままふて寝しやがった。
「佐々木?佐々木さーん?ササッキー?」
「知らないよ。僕は拗ねた。」
やれやれ。こうなると聞かないのがこいつだからなぁ…
「好みは好みで、目安にしかならんもんだが?」
「対極に位置してもかい?」
「身体目当てに恋人を探すわけでもあるまいに。」
「嗜好は嗜好だ。理想に近いならば良かろう?」
「理想は理想に過ぎん。」
グダグダと言い合い、漸く佐々木が納得したのは二時間後。その間、実は両親に覗かれており、妹も一緒になって冷やかされた。
佐々木の匂いのするベッドは、寝苦しさ満点であり…寝付くのに苦労した俺は、結局風邪を拗らせた。
因みに佐々木も風邪を引いたようで、何故か母親から産婦人科に連れて行かれそうになり、母親に聞くと俺の母親との井戸端会議で、佐々木が俺のベッドに寝ていて、言い合いをしていたと言っていたのを聞いたそうで、大変困ったとメールで送ってきた。
どいつもこいつも、昨今の寒暖の差にやられちまったらしい。

…まぁ、ほんの少しは前進したのか?
それ以上のペースで冷え込んでいる気もするがな!

END
253この名無しがすごい!:2013/09/30(月) 13:13:16.54 ID:nHvnYKfE
忙しくてなかなか上げられなくてごめんなさい。・゜・(ノД`)・゜・。
もうひとつのリクエストも、後日上げます。遅れまくり申し訳ないです_| ̄|○
254この名無しがすごい!:2013/09/30(月) 21:51:11.91 ID:HHyHnxav
>>253 いつも楽しい作品ありがとうございます。乙です。
255この名無しがすごい!:2013/09/30(月) 22:23:38.84 ID:3thFFVXn
>>252
お母さん、産婦人科は飛躍しすぎですwww

美味しゅうございました。
256恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/09/30(月) 23:15:37.12 ID:HHyHnxav
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その1。

 一人ではこのマンションは広すぎる。でも、二人の罪と欲望を閉じ込めておくには狭すぎる。
 最近、部屋を開けて空気を入れ替えることが多くなった。セキュリティ対策が施された高層マンションの上の階
にあるこの部屋には、気持ち良い高所の風が入り込んでくる。暑い夏であっても、山地からの吹きおろしの風が感
じられのだ。
 三年前から、私はここで一人暮らしている。
 一樹が訪ねてくる以外は、光陽の友人たちが時たま訪ねてくるくらい、母親は1、2ヶ月に一度くらい、父だっ
た人は、おそらくもう会うことはないだろう。
 カ-テンを開けると、朝の光が差し込んでくる。夏の強烈な日差しも、最近は幾分か和らぎ、今の時間はまだ少し
まぶしさを感じるだけだ。
 今まで寝ていたダブルベットに視線をやると、そこには誰もいない。
 欲望と憎しみにまみれていたこのベットに眠るのは、今はほとんど私一人だ。
 夏休みに入ってから、一樹はほとんどここに泊まらなくなり、私のマンションに来る回数も減っていった。
 ”それを私も望んだはず”
 欲しいものを手に入れ、そして真実を知ったあの時から、いつかは手放さなければならなかった、私の宝物。
 ”本当に幸せを願うなら、いつまでも古泉くんを側に置くのは、してはいけないことだよ、”
 一つ下の親友が、私に告げた言葉。
 罪の籠に閉じ込めた鳥が羽ばたく時が来たのかもしれない。
 ”だけど・・・・・・”
 理性ではない、本能の部分がまだ一樹を求めて止まない。
 二律相反する感情は、私の中で戦っていた。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------
 その娘に再会したのは、本当に偶然の産物だった。
 キョンと長門さんと3人で買い物に出かけ、映画を観ようとシネコンの入口に来た時だった。
 キョン位その子が声をかけて、キョンが振り向いたとき、彼女の姿を私も捉えた。
 「おお、ミヨキチか」

 「吉村」の表札。むかし、私が「佐々木」じゃなかった頃の苗字を持つ女の子。
 一度だけ、その家に行ったことがあるけど、その時、彼女は小さな女の子だった。
 その小さな女の子を、私の父親は、今のキョンと同じように呼んでいた。
 あれから時間が過ぎて、今、私の目の前に現れたとき、とても小学生とは思えないほど綺麗でどこか大人びた美少女
となっていた。
 「お兄さん、映画を見に来ていたんですか?」
 「ああ。ちょうど話題の映画だしな。買い物に来たついでに、な」
 「この映画、私も見たいなあ」
 「残念ながら、RG-12で、ミヨキチにはまだ早い。もう少し成長したら見に来れるさ」
 キョンにそう言われて、膨れづらを少女の様子は年相応で、それを見守るような優しいお兄さんと言ったようなキ
ョンのことを彼女はとても気に入っているようだ。
 キョンの妹ちゃんと同じ年だと聞いたが、とてもそうは思えない、とキョンに言うと、確かにその通り、とキョンは
苦笑してそう答えた。
 その彼女の横に立つ彼女の母親。私の父の現在の奥さん。穏やかで、優しそうな顔立ちの美しい人。
 内心動揺していたが、むこうは私のことを知っているわけではないので、なんとか平静を装う事が出来た。
 「それじゃ、お兄さん。近いうちにお邪魔します」
 笑顔で手を振る女の子がその場を去ったとき、私は緊張の糸がほぐれてゆくのを感じた。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------
 今年は凌霄花が蔓棚にいつもの年よりも長く咲いている。
 鮮やかな濃い橙色の花が、葛棚を絡め取るかのようにその姿を大きく広げ、咲き誇っている。
 その様子はまるで運命の糸がもつれた様を想像させ、私は落ち着かない気持ちになる。
 
 「もしもし、藤原君?朝比奈です。ええ、明日の11時にモリコーネ前で、待ち合わせですね。はい、ええ。楽しみに
しています」
 みくるは楽しそうに話している。相手は藤原君。
 姉である私に、みくるはとても嬉しそうに彼のことを話す。
 恋する女の子。
 ”だけど・・・・・・”
 真実はいつか不幸な結末をもたらす。しかし、真実を知らないのなら、さらに救いのない結末がもたらされる。
 ”禍根の糸は断ち切らねばならない。父が作った過ちで二人を不幸にするわけには行かない”
 断ち鋏みで、私は生花の茎を切り揃えた。
257この名無しがすごい!:2013/10/01(火) 06:09:53.12 ID:6x0Nc4av
>>256
あっちでもこっちでも破滅の音が今にも聴こえてきそう支援

>>253
避難所にも書いたけどこちらでも乙!
この佐々木さんとキョンはいつから交際してたのか気になる
258 【末吉】 :2013/10/01(火) 06:11:03.89 ID:6x0Nc4av
忘れてた
佐々木さんに大吉を!
259 【大吉】 :2013/10/01(火) 06:12:55.16 ID:6x0Nc4av
今の時間しかできなそうだからね
260この名無しがすごい!:2013/10/01(火) 18:54:51.71 ID:6x0Nc4av
消費税率引き上げについて、佐々木さんの意見を聞いてみたい
261この名無しがすごい!:2013/10/01(火) 23:06:16.59 ID:VcRKtA7u
佐々木さんの今日の運勢
262 【大吉】 :2013/10/01(火) 23:28:01.06 ID:3tLLC11y
おみくじ
263 【中吉】 :2013/10/01(火) 23:59:55.29 ID:VcRKtA7u
佐々木
264この名無しがすごい!:2013/10/02(水) 00:20:43.30 ID:ciiyCCqG
佐々木かわいいよ佐々木
265この名無しがすごい!:2013/10/02(水) 19:37:23.48 ID:ygWZhylq
秋刀魚の値段が去年の倍くらいしますね
ちと手を出しにくいのですよ佐々木さん
266この名無しがすごい!:2013/10/03(木) 00:48:30.05 ID:wUCCTdME
こんばんは佐々木さん
267この名無しがすごい!:2013/10/03(木) 15:41:06.12 ID:Xhv0zhC5
キョン「涼宮がいなくて」佐々木「代わりに僕がクラスメートなら?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380781757/
268この名無しがすごい!:2013/10/03(木) 18:12:27.40 ID:K+HxulPZ
>>267
15時半に立てたスレがもう落ちてるってどういう事?
269この名無しがすごい!:2013/10/03(木) 18:25:26.02 ID:/H6HVxNG
保管庫のSSで補完しよう
270この名無しがすごい!:2013/10/03(木) 18:56:30.22 ID:u+45KEt1
可愛い子には旅をさせよ

佐々木さんかわいい

佐々木さんの旅、OK

キョンと二人旅でにゃんにゃん
271この名無しがすごい!:2013/10/03(木) 19:11:29.82 ID:/H6HVxNG
>>270
何人かこっそり尾行してそうなんですが
272恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/03(木) 23:25:20.33 ID:qy57ATyo
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その2


 最近、野郎五人でつるむ回数が増えた。すなわち、俺、古泉、国木田、藤原、谷口である。
 とは言っても、国木田は鶴屋さん、谷口は周防、藤原は朝比奈さんと、リア充三人はそれぞれの彼女が優先である
が、それでも俺達五人は時間があれば、誰かが声をかけて集まることが多くなった。
 「一番充実しているのは、あなただと思うのですが」
 古泉に言われたが、他の三人は「彼女」であり、「友人」の俺とは違う。とはいうものの、佐々木や長門と出かける
のは楽しいことだ。そして、古泉もハルヒの買い物に付き合ったり、阪中や橘に遊びに誘われることもあるとかで、かな
リの(というか、当然のような気がする)充実ぶりである。

 「朝比奈さん?そうだな、あの人は年上だけど、なんかこう、お菓子のようなイメ-ジがあるな。綿菓子にでも例えられ
かな」
 ・・・・・・藤原の奴、少々にやけたような表情で朝比奈さんのことを、嬉しそうに語っている。ニヒルっぽい印象を持たれる
ような藤原だが、朝比奈さんのことをしゃべるときはデレデレである。
 「周防はな、目が綺麗なんだよな。何か引き込まれそうになるんだ。このまま一緒に海の底へしずんでもいいというような
気分になるんだよな」
 どういう印象だよ。セイレ-ンの魔女かなんかかよ。
 おもわず突っ込みそうになったが、谷口の表情をみると、本当に好きなんだな、ということが感じられて、暖かく見守って
やろうや、という気分になる。
 「そういえば、鶴屋さんが藤原と朝比奈さんのことを気にしていたよ。どれぐらい進んだのかね、あの二人は、て言ってい
たけど」
 「お前と鶴屋さんほどじゃないよ。そして、その言葉、そっくりそちらに返すさ。朝比奈さんも同じようなことを言っていた
んだが」

 そんなことを話しながら、時間を潰し、時にはすこし遠くまで足を伸ばすこともあった。
 佐々木や長門達と出かけるのとはまた違った楽しさがあり、間違いなく高校生活を俺達は満喫していたのだ。
 ありきたりな言葉ではあるが、この時にしか味わえない、仲間と過ごす時間は、思い出としていつまでも心に残るだろう。

 だが、世の中、楽しいことばかりじゃない。辛いこともあれば悲しいこともある。それを経験するのが友人ならばなおさら
胸が痛む。
 後年、時々俺はこの時の出来事を思い出すのだが、藤原の悲しそうな表情はいまでも忘れられない。そして、古泉の勇気を
俺はいつまでもたたえたいと思っている。
 そして同時に、俺達は大人になるという意味を、この時に知ったような気がするのだ。

 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 
 明日は朝比奈さんとの約束の日である。今回はちょっと奮発して、いつもより少し長めのデ-トを予定していた。
 「夜まで大丈夫ですよ」
 そう言われて、どこへいこうか、いつもとは違う洋服で出かけようか、夕食をどこで食べようか、といつもの五倍ぐらいの事前
計画を練り、下調べをして、準備万端整えた。
 正直、今の僕は朝比奈さんの事で頭がいっぱいだ。自分で言うのはおかしいが、僕は恋をしているのだ、と実感できる。
 夜のお店に花の注文を届けに行ったあと、僕は風呂に入り、明日に備えて早々と眠ることにした。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 目覚まし時計がなるより早く、僕は目を覚ました。
 待ち合わせの約束の時間は11時なので、そこまで早く起きる必要もないのだが、体は朝比奈さんに会えることが待ちきれない
と言ったような様子である。そんな自分に苦笑せざるを得ない。
 店の中の片付けを手伝い、その後シャワーを浴びて、朝食を軽く食べ、出かける準備を念入りに行う。いつもより時間を倍ぐ
らいかける。
 そうこうしているうちに、時計の針は10時になった。
 「よし、出かけるか」
 自分の気持ちが高ぶるのを感じながら、僕は家を出た。
 
273この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 07:44:43.42 ID:N43iQyGS
支援
ガンバレ古泉負けるな古泉、なんとしてもハルヒをモノにしろ古泉!
谷口と藤原はまあ…いいか
みくるには不幸になってほしくないが
274この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 10:40:34.10 ID:JrXs6u3d
藤原にとって朝比奈さんは姉なんだろ? そのカップリングはおかしくね?
275この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 12:13:14.81 ID:N43iQyGS
>>274
このSS内ではまだ知らない
276この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 20:53:00.86 ID:ajADEU1O
>>274  全く別の、不思議なこともない平行世界での彼らですので、ご容赦を・・・・・・
ただ、藤原は「過去の世界のせいで、自分の一番大事な人を失った、未来を失った男」と言う
スタンスで捉えています。ゆえに過去ヘ介入しようとする。その点では朝比奈さん(大)と変わらない
存在と考えています。朝比奈さん(大)は何故キョンたちの前に現れたのか?その疑問が、前作の
SS「日常」の根底にあります。原作でも古泉は未来人たちにかなり強い不信感を持っているようですが。
SS「日常」は、未来人により自分の未来を変更させられた、佐々木さんの反撃の物語とも言えるものです。
不思議なことがないこの世界では、藤原の憎む「過去の世界の出来事」に当たるのは、藤原とみくるの
父親になります。
277この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 23:06:40.68 ID:l6rp+Bmb
佐々木さんかわいいよね
278この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 23:31:26.23 ID:K5ysgWk3
佐々木さん今晩は
279この名無しがすごい!:2013/10/04(金) 23:40:11.52 ID:N43iQyGS
今年の台風は働き者ですね佐々木さん、また週末不安定みたい…
おやすみなさい
280この名無しがすごい!:2013/10/05(土) 09:47:00.60 ID:0wueni0p
おはよう、佐々木さん
281この名無しがすごい!:2013/10/05(土) 10:40:40.42 ID:jCRAxiMi
携帯が壊れそうなのですよ
ディスプレイが変色してたり、上下逆さまだったり、そもそも真っ暗だったり
一昨日まで快適に使えてたのに……どうしましょう佐々木さん(´;ω;`)
282この名無しがすごい!:2013/10/05(土) 14:55:34.70 ID:eTILXCBm
>>270
良い。 夢が広がりんぐ
283この名無しがすごい!:2013/10/07(月) 11:45:55.42 ID:sLy6HIJ9
以前に娘が「パパのお嫁さんになるー」とかありがちなことを言ったことがあるんだけど、
そのときに妻が突然真顔になって「駄目」って言ったのが妙に怖かった。

ヤンデレか!!
284この名無しがすごい!:2013/10/08(火) 20:50:15.73 ID:sl+4jrBC
>>283
うちの旦那の時は「カーチャンが重婚OKならな」と言ったらしい 当時娘4〜5歳
調理中にいきなり「おかーさん、じゅーこんしよー」って言ってきたもんだから危うく指切断するところでしたよ
当然旦那をこっそり張り倒しましたけどね いまだに覚えてますよ
そう言えば息子からそれらしいこと言われたことがない……(´;ω;`)

佐々木さんはどうだったのでしょうか?
小学生以降に名前が変わったのが離婚のせいなのか、未婚の母→再婚のせいなのか?
それ次第で変わるなぁ
285この名無しがすごい!:2013/10/08(火) 20:52:16.97 ID:6ZikPEQE
>>272
286この名無しがすごい!:2013/10/09(水) 00:31:02.88 ID:iBaSXAXW
>>283
愛されてるね。
287恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/09(水) 01:06:31.62 ID:3tZFBTrV
   恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その3

  待ち合わせの場所に来ると、既に朝比奈さんは来ていた。あわてて僕は自分の時計を見たが、時針は
まだ三十分前を指していた。
 「すいません、遅れてしまって」
 「ううん、あたしのほうが待ちきれなくて早めに出ちゃいました」
 愛くるしい笑顔で言われると、胸の高まりがさらに早くなる。
 白を基調としながらも秋らしい色使いの、朝比奈さんの可愛らしさを際立たせるファッションは、道
行く男どもの視線を惹きつけてやまない。
 それと同時に、こちらにも自然と視線が集まるわけなのだが、「どうだ!」とばかりに、少し誇らし
い気分になる。
 「それじゃ行きましょうか、藤原くん」
 そう言って、朝比奈さんは手を差し出す。
 「?」
 「はぐれたりすると困るから、手をつないでくれませんか」

 左手に朝比奈さんの右手の柔らかさを感じながら、電車に乗り、このあたりでは一番大きな街へ向かう。
 混み合った電車の乗客から朝比奈さんをかばうように乗降口際の一角に二人で立っていた。
 「すごい混み具合ですね」
 「もともと混むらしいんですけど、それと、どうやらコンサ-トがあるらしいです。だから余計に多いみ
たいですね」
 「藤原くんがかばってくれていないと、あたし、押しつぶされそうな気がします」
 朝比奈さんにそう言われて、がんばらない男などいるわけがない。
 「大丈夫です、僕が守ります」
 普段なら小っ恥ずかしいセリフだが、朝比奈さんの前だと平気で言えるから(野郎友人どもには絶対聞か
れたくない)、不思議なものだ。

 街は人の叡智と欲望の集合体であり、それゆえ、街は生きものの如く進化したりする。
 少し来ない間に、街は大きく変貌している。高層ビルの数も増え、街には人が溢れている。
 「まるで未来都市ですね。」
 朝比奈さんの言葉は言い得て妙だ。
 とはいうものの、多くのショッピング・スポットが最新のブランドを揃えているしたで、昔ながらの商店が
並行して存在するのも、またこの街の魅力なのだ。

 洋服を見て回るのは楽しいが、困ったことに朝比奈さんには、どんなものでも似合うので、どれを買えばい
いのか、本当に迷った、彼女なら羊の着ぐるみでも似合いそうである。
 それでも彼女は俺が選んだ中で、これが一番似合うと言った物を購入した(言うまでもないが、僕がプレゼ
ントさせてもらった)。
「ありがとう、あたし、これ、大事にしますね」
 ・・・・・・なんてかわいい人なんだろうと、つくづくそう思う。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------
 
288恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/09(水) 01:07:31.89 ID:3tZFBTrV
その後昼食を食べ、映画を見て、さらにテ-マパ-クで目一杯二人で遊んでいると、時間はあっという間に過ぎ
、気がつけば、あたりは宵闇が近づいていた。
 「夏に比べると、本当に日が暮れるのが早くなりましたね」
 朝比奈さんの言う通りだ。
 僕等は再び電車に乗り、今度は自分たちが住んでいる町から二つ手前の駅で、降りる。
 このあたりは高級住宅街で、その分なかなかおしゃれな店が多い。ここで降りたのは、朝比奈さんのお姉さん
のみちるさんが、おすすめのレストランがあるということで、来たわけである。
 「店の名前は”道化師のソネット”というらしいんですけど・・・・・・」
 変わった名前だ、と思ったが、朝比奈さんの家族がすすめるのであれば、間違いあるまい。
 そうこうしていると、目の前に、洒落た洋館風の、赤レンガの建物が見えてきた。表札部分に「道化師のソネ
ット」と言う文字が記されている。
 「どうやら、あのお店みたいですね」
 
 店の中に入り、名前を告げる店員が僕たち二人を店の奥へ案内した。
 「朝比奈みちる様より御予約を賜っております」
 どうやらここは予約しないと入れないらしい。そして店員が案内したのは、個室だった。
 「どうぞ、中にお入りください。お客様がお待ちです」
 「?」
 店員が言った言葉の意味が分からず、二人で首をかしげていたが、その個室の中に誰がいることに気づいた。
 「待っていたわよ、二人共」
 
 中にいたのは、朝比奈さんのお姉さん、朝比奈みちるさんだった。
289恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/09(水) 01:25:16.06 ID:3tZFBTrV
 恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その3 (訂正版)

  待ち合わせの場所に来ると、既に朝比奈さんは来ていた。あわてて僕は自分の時計を見たが、時針は
まだ三十分前を指していた。
 「すいません、遅れてしまって」
 「ううん、あたしのほうが待ちきれなくて早めに出ちゃいました」
 愛くるしい笑顔で言われると、胸の高まりがさらに早くなる。
 白を基調としながらも夏と秋の境目を意識した、色使いの、朝比奈さんの可愛らしさを際立たせるファッションは、道
行く男どもの視線を惹きつけてやまない。
 それと同時に、こちらにも自然と視線が集まるわけなのだが、「どうだ!」とばかりに、少し誇らし
い気分になる。
 「それじゃ行きましょうか、藤原くん」
 そう言って、朝比奈さんは手を差し出す。
 「?」
 「はぐれたりすると困るから、手をつないでくれませんか」

 左手に朝比奈さんの右手の柔らかさを感じながら、電車に乗り、このあたりでは一番大きな街へ向かう。
 混み合った電車の乗客から朝比奈さんをかばうように乗降口際の一角に二人で立っていた。
 「すごい混み具合ですね」
 「もともと混むらしいんですけど、それと、どうやらコンサ-トがあるらしいです。だから余計に多いみ
たいですね」
 「藤原くんがかばってくれていないと、あたし、押しつぶされそうな気がします」
 朝比奈さんにそう言われて、がんばらない男などいるわけがない。
 「大丈夫です、僕が守ります」
 普段なら小っ恥ずかしいセリフだが、朝比奈さんの前だと平気で言えるから(野郎友人どもには絶対聞か
れたくない)、不思議なものだ。

 街は人の叡智と欲望の集合体であり、それゆえ、街は生きものの如く進化したりする。
 少し来ない間に、街は大きく変貌している。高層ビルの数も増え、街には人が溢れている。
 「まるで未来都市ですね。」
 朝比奈さんの言葉は言い得て妙だ。
 とはいうものの、多くのショッピング・スポットが最新のブランドを揃えているしたで、昔ながらの商店が
並行して存在するのも、またこの街の魅力なのだ。

 洋服を見て回るのは楽しいが、困ったことに朝比奈さんには、どんなものでも似合うので、どれを買えばい
いのか、本当に迷った、彼女なら羊の着ぐるみでも似合いそうである。
 それでも彼女は僕が選んだ中で、これが一番似合うと言った物を購入した(言うまでもないが、僕がプレゼ
ントさせてもらった)。
「ありがとう、あたし、これ、大事にしますね」
 ・・・・・・なんてかわいい人なんだろうと、つくづくそう思う。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------
 
290恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/09(水) 01:27:10.41 ID:3tZFBTrV
その後昼食を食べ、映画を見て、さらにテ-マパ-クで目一杯二人で遊んでいると、時間はあっという間に過ぎ
、気がつけば、あたりは宵闇が近づいていた。
 「一時期に比べると、本当に日が暮れるのが早くなりましたね」
 朝比奈さんの言う通りだ。
 僕等は再び電車に乗り、今度は自分たちが住んでいる町から二つ手前の駅で、降りる。
 このあたりは高級住宅街で、その分なかなかおしゃれな店が多い。ここで降りたのは、朝比奈さんのお姉さん
のみちるさんが、おすすめのレストランがあるということで、来たわけである。
 「店の名前は”道化師のソネット”というらしいんですけど・・・・・・」
 変わった名前だ、と思ったが、朝比奈さんの家族がすすめるのであれば、間違いあるまい。
 そうこうしていると、目の前に、洒落た洋館風の、赤レンガの建物が見えてきた。表札部分に「道化師のソネ
ット」と言う文字が記されている。
 「どうやら、あのお店みたいですね」
 
 店の中に入り、名前を告げる店員が僕たち二人を店の奥へ案内した。
 「朝比奈みちる様より御予約を賜っております」
 どうやらここは予約しないと入れないらしい。そして店員が案内したのは、個室だった。
 「どうぞ、中にお入りください。お客様がお待ちです」
 「?」
 店員が言った言葉の意味が分からず、二人で首をかしげていたが、その個室の中に誰がいることに気づいた。
 「待っていたわよ、二人共」
 
 中にいたのは、朝比奈さんのお姉さん、朝比奈みちるさんだった。
291この名無しがすごい!:2013/10/09(水) 01:31:55.52 ID:3tZFBTrV
弟と連休、有給を利用して旅行に行って、帰ってから書き込んだらとんでもないミスをしました
・・・・・・このSSの中ではまだ夏休みの最中です。スレを無駄遣いして皆さんすいません。
292この名無しがすごい!:2013/10/10(木) 05:38:29.18 ID:yIN90MAe
>>291
乙です
まずひと組に破滅の序曲が……

訂正部分が少なければそこだけ書けばいいと思いますよ
そのやり方なら書く方も読む方も面倒がなくていいですからね
wikiの編集はひと手間でしょうが……
293この名無しがすごい!:2013/10/10(木) 07:52:29.40 ID:F2uDRa4t
まっさんか。
ぼくはーピエロになれるよー
294この名無しがすごい!:2013/10/10(木) 08:35:30.14 ID:w4ZkFl37
>>293 私達の母親が大好きな曲です。歌詞の内容が何となく二人の未来につながるので。
295この名無しがすごい!:2013/10/10(木) 21:33:06.94 ID:sRornD6D
>>291
296恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/11(金) 01:30:03.68 ID:XljQq7A4
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その4


  一応光陽は進学校という評価があって、それは客観的にみても間違いはない。そんで、あたしも一応夏休みの間に
行われる特別授業とやらに、参加はしてみる(これは受講希望者のみを対象としており、別に強制ではない)。
 「?」
 教室に入った時、あたしは親友の姿が見当たらないことに気づいた。
 「ねえ、みくるの姿、みなかった?」
 クラスメ-トに訪ねたが、皆首を横に降った。
 「彼氏でもできて、不参加を決めたんじゃないの?」
 一人がそう言ったが、みくるはそんな子じゃない。藤原くんという彼氏(まだお友達かな)ができたのは事実だけど、
みくるは真面目な性格で、勉強をおろそかにするようなことはしない。それに今日の特別授業には参加すると言ってい
たのだ。
 「夏風邪でもひいたのかしら?」
 それならそれで、あたしに連絡を入れるはずだ。この特別授業をみくると一緒に受けているので、変更する場合は、連絡
を取り合うようにしているのだ。
 ”何か変な胸騒ぎがする”
 スマフォを取り出し、画面に触れて電話番号を表示して、重要人物の二番目に登録してある親友へ電話をかけてみた。
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 エルーガーXの画面に鶴屋さんの名前が表示される。
 「もしもし、国木田です」
 参考書と問題集を書店で購入したあと、店を出たちょうどその時、鶴屋さんから電話が入ったのだ。
 「国木田君、いきなりで申し訳ないんけど、藤原くんの電話番号わかるかい?」
 鶴屋さんの声が、少しばかり慌てているような感じがした。
 「藤原ですか?ええ、わかりますけど」
 「良かった。すぐに連絡を取りたいんだけど」
 「何かあったんですか?」
  一瞬間を置いて、鶴屋さんが言葉を続ける。
 「みくるが倒れたんだよ」
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 三十分後、僕は鶴屋さんと一緒に朝比奈さんの家の前にいた。
 ”かなり大きい家だな”
 何度もお邪魔している鶴屋さんの屋敷に比べると小さいけど、かなり格式が感じられる家である。和風の門構えの横に「青山
方丈流華道家元」の一枚板の看板が掲げられている。華道の家元の娘さんだとは鶴屋さんから聞いていたけど、こんなに立派な
家とは思わなかった。
 この家に来る前に藤原に連絡を入れようとしたが、何故か藤原は電話に出なかった。藤原の家の花屋の方にも電話したけど、
朝から出かけていないと、藤原の母親に言われた。
 ”どこに行ったんだ、藤原”
 そんなことを考えていると、門が開き、中から朝比奈さんを10年ぐらい大人にしたような、すごい美人が現れた。
 「久しぶりですね、鶴屋さん」
 「お久しぶり、みちるさん。あ、隣にいるのは国木田くんと言って私の彼氏。国木田君、こちらは朝比奈みちるさん。みくる
のお姉さんさ」
 紹介されて僕は頭を下げる。
 「初めまして。いつも妹からあなたと鶴屋さんのことは聞いています」
 朝比奈さんのお姉さん、みちるさんはそういって頭をさげた。

 「ところで、みちるさん、一体みくるに何があったのさ?」
 家の中には上げてもらえたが、みちるさんは朝比奈さんに会わせることはできないと言われた。安静状態にしておかねばならな
いとの診断が出たらしい。
 みちるさんを問い詰める鶴屋さんの口調がいつもの鶴屋さんとは違っている。不安、焦燥、戸惑い、そして微かな怒り。
 それらの感情が、鶴屋さんから明るさと冷静さを失わせていた。
 しばらくみちるさんは黙っていたが、長い沈黙のあと、口を開いた。

 「今は何も言えません。それを話せる状況ではないのです。いずれ話す時が来るでしょう。でも、今日はこのまま帰って
もらえませんか」
 そう言ったみちるさんの目の奥には、なんとも言い様がない、深い哀しみが見えた。
297この名無しがすごい!:2013/10/11(金) 20:05:41.04 ID:M17gNTgU
298この名無しがすごい!:2013/10/12(土) 13:39:16.80 ID:OgzBOLgY
新しい携帯で漸く復帰しました
>>296支援

メニューと戻るが逆で凄く戸惑ってるのですよ佐々木さん
299この名無しがすごい!:2013/10/12(土) 16:12:34.45 ID:BkTaHmRG
300この名無しがすごい!:2013/10/12(土) 23:59:14.56 ID:64GfbYHL
佐々木かわいいよ佐々木
301恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/13(日) 00:34:01.58 ID:WRGh0Tuz
    恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その5


  国木田から俺のエクスペリアZに連絡が入ったのは、佐々木の案内で、学習塾の体験授業を受けに行った
帰りだった。
 今、俺は長門に勉強を見てもらう事が多いのだが、いつまでも長門にばかり頼るわけにもいかないし、そ
れに、最近自分でも少しは学習の意欲が出てきたので、塾に行ってみようかなと佐々木に相談したら、佐々
木が通っている学習塾の体験授業を紹介してくれた。
 「どうだった、授業を受けた感想は?」
 「ああ。想像していたより、わかりやすかったし面白いと思ったな。夏休み終わってから、通ってみよう
かな」
 「前向きな発言を聞けて、なかなか嬉しいよ。いざとなったら、僕も手伝ってあげるよ」
 「それはありがたいが、ただ、なるべく自分でできるようにならないとな。長門にも今まで随分迷惑かけ
たからな。佐々木にまで手を煩わせるのは、ちょっと」
 「長門さんは迷惑だとは思っていないと思うんだけどね。まあ、自分でやろうとする気持ちは大事だね」
 そんなことを話しながら、商店街の中を歩き、搾りたての果汁ジュ-スを飲ませる果物屋の前で足を止め、
佐々木と俺は氷でよく冷えた果汁ジュ-ス(俺の奢りで)を飲んで、夏の暑さで乾いた喉を潤していた。
 その時、国木田から電話が入ったのだ。

 「藤原が行方不明?」
 『そうなんだよ、キョン。それに今話したみたいに、朝比奈さんの様子もおかしい。絶対に何かあるんだ』
 「電話は繋がらないのか?」
 『電源も入ってはいるけど、出てくれないんだ。藤原のお母さんに聞いても、何も言わず出て行って、まだ
帰ってきてないみたいだ。藤原のお母さんは、こんなことは初めてだって言っていた』
 「行き先も告げずに、か」
 国木田の話によれば、朝比奈さんは現在自宅で寝込んでいるという。面会謝絶の状態。そして藤原がいなくな
った。
 「どうかしたのかい、キョン。顔色が悪いよ」
 佐々木が心配そうな表情で俺の方を見ている。
 「実は・・・・・・」
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
 その電話から一時間後、俺と佐々木は、国木田と鶴屋さんと合流した。
 集合場所は鶴屋さんのお屋敷(本当にお屋敷だった)で(どんだけの資産家なのだろうか?)、その敷地の広大
さには、さすがに佐々木も驚いていた。
 「話には聞いていたんだけどね。こんなに広いとは」
 佐々木も鶴屋さんの家に来るのは初めてらしい。
 「僕も最初は驚いたけど、最近は慣れてきたよ」
 ・・・・・・国木田、お前、そんなに鶴屋さんの所に入り浸っているのか?
 とりあえずその疑問は後回しにして、今は藤原と朝比奈さんだ。
 「みくるが倒れたことと藤原くんがいなくなったことは、明らかに何か関係があるっさ。だけど、一体二人の間
に何が起こったのかねえ」
 「あんまり想像したくないことだけど、藤原が朝比奈さんに何かいらないことをしたとか・・・・・・」
 「いや、そんなことじゃないと思うっさ。みくるから藤原くんのことは聞かされているけど、とてもみくるを大事
に扱ってくれると言っていたからね。それに帰り際にお姉さんに確認したけど、外傷とかじゃなくて、精神的なもの
だ、とだけは教えてくれたのさ」
 「それと気になるのは、朝比奈さんのお姉さんの表情です。鶴屋さんと僕と話しているときの表情が、すごく引っ
かかた。勝手な推測かもしれないけど、藤原と朝比奈さんのことに関して、お姉さんは何か重要なことを隠している
気がするんです」
 「ちょっと待て、朝比奈さんにお姉さんがいるのか?」
 「うん。朝比奈みちるさん、て言うんだけどね。十年後の朝比奈さん、みたいな美人な大人の女性なんだ」
 「何か、藤原の名前と似てるな。あいつは藤原みつるだし」

 「え、キョン君、今、何て言った?」
 「は?ああ、藤原の名前ですよ、藤原みつる。朝比奈さんのお姉さんと似ているな、と思いまして」
302この名無しがすごい!:2013/10/13(日) 00:39:51.50 ID:WRGh0Tuz
>>298 お待ちしていました。
303この名無しがすごい!:2013/10/13(日) 00:46:03.91 ID:CHlRhQBX
支援
304この名無しがすごい!:2013/10/13(日) 03:45:37.92 ID:48bIXjMP
ワンバンコ佐々木さん
305この名無しがすごい!:2013/10/13(日) 07:58:52.05 ID:Sl2g8WLA
>>302ありがとです!
なるほど藤原の名前も伏線になってたのね支援
306この名無しがすごい!:2013/10/14(月) 12:53:38.45 ID:kEbKKJkC
体育祭はちょっと面倒くさいと思ってる佐々木さん
307この名無しがすごい!:2013/10/14(月) 17:05:18.77 ID:akMYf//p
板違いだから移転しないといけないのでは?
308この名無しがすごい!:2013/10/14(月) 17:24:47.85 ID:e2M4nXEc
サロンに板違いはありません
ノベルキャラ板への移転がより適正か、だよね

このスレはカプスレであり創作スレであるからノベルキャラ板のローカルルール違反
適正そうに思える板のLR違反で行き場がない以上、サロン存置が妥当というのが自治スレの結論
異論があれば自治スレへどうぞ
309この名無しがすごい!:2013/10/14(月) 18:20:27.71 ID:kEbKKJkC
チェックしてたのに、真球を作る職人の番組見逃してしまったのですよ
残念です佐々木さん
310恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/14(月) 23:49:00.80 ID:5pOlUcJu
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その6

 もう随分、昔の事のように思える。
 私に妹か弟が出来る。そのことで大喜びしていたとき、父がこう言ったのをよく覚えている。
 ”女の子だったら、素晴らしい未来がその子に来るように『みくる(未来)』、男の子だったら、輝く月のように人生が
満ちていくように『みつる(満、充)』と名付けよう”
 ”私と似た名前になるんだね”
 ”お前の妹か弟だからな”
 やがて生まれた女の子、わたしの妹は、父の言葉通り、「みくる」と名付けられた。

 みくるがうまれる少し前、青山方丈流に何人かの入門生が入った。その中に藤原と言う女性がいた。
 うちが仕入れている花屋さんの娘さんで、先々代の青山方丈からの付き合いがある花屋の娘さんは、目立つような
感じではなかったが、かすみ草に通じるような控えめな美しさを持つ女性だった。
 覚えもよく、青山方丈流の意味するところを理解して、父や他のお弟子さんも思わずうなるような作品を生み出して
いた。
 半年ほど通っていたが、その後生花教室には来なくなった。
 私も忘れかけた頃、ある日、偶然公園で彼女を見かけた。ただしその時彼女は一人ではなかった。
 かたわらに小さな男の子がいた。その子のことを、彼女は「みつる」と呼んでいた。
 そして、その場には私の父とみくるがいた。
 ”……みつるくん、一緒に遊ぼう、わたしはみくるていうの・・・・・じゃあ、わたしがおねえちゃんなんだね…”
 父と彼女は会話を交わしながら、一緒に遊ぶ二人を本当の家族のように優しく見守っていた。
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 俺の言葉に鶴屋さんが妙な反応を見せたあと、何かを考え込むように、鶴屋さんは喋らなくなり、しばらくその状態が
続いた。
 「お嬢様、そろそろ夕食の時間ですが」
 家政婦さんが部屋のドアをたたいて、そう言われて俺らも時計をみると、既に7時近くになっていた。
 最近少し日が暮れるのが早くなったとは言え、まだ外は明るいので、そんなに時間が過ぎているとは思わなかった。
 「キョン君、佐々っちも良かったら夕食を一緒に食べないかい」
 「え、いいんですか?」
 「遠慮はいらないよ。御飯はいっぱいあるし」
 お言葉に甘えて、俺と佐々木は鶴屋家の夕食をいただくことになった。

 夕食の間も、鶴屋さんは何事か考えている様子だった。
 国木田と楽しそうにおしゃべりしながらも、それ以外はいろいろ考え事をしているようだった。
 夕食を食べ終えたちょうどその時だった。
 エクスペリアZの着信音がなり、画面に古泉の名前が表示される。
 「もしもし」
 『こんばんは、古泉ですが、今大丈夫ですか?』
 「ああ。大丈夫だが、何かあったのか?」
 
 『実は、藤原さんを拾ったというか、その、彼はひどく酔いつぶれていたような感じで、路地に寝込んでいて・・・・・・
警察に見つかるとまずいので、とりあえず森さんのマンションに運んで・・・・・・今、僕もそこにいるんですが、はい、ええ』
 
 その電話を受けた十分後、俺達は鶴屋さんの家のお抱え運転手さんが運転する車に乗り、古泉が藤原を運んだという、
森さんのマンションに向かった。
311この名無しがすごい!:2013/10/15(火) 07:45:19.81 ID:+agL3Sh7
おは支援
古泉にとっちゃ他人事じゃないよな
312この名無しがすごい!:2013/10/15(火) 17:49:07.67 ID:+agL3Sh7
雨が降るでもなく、かといって強く照ることもなく
また比較的風も穏やかな一日でしたよ佐々木さん
嵐の前の静けさ?


二年に一度くらい怒るという佐々木さん、怒る前の様子はどんな感じなのでしょうか
313この名無しがすごい!:2013/10/15(火) 22:09:23.48 ID:mPCUClvn
よく見ている人じゃないと気づかないレベルで不自然に機嫌が良さそうになる説で。
314この名無しがすごい!:2013/10/15(火) 22:23:27.48 ID:UIdg5LoM
>>313
パーフェクトだ。賛同する。
315この名無しがすごい!:2013/10/15(火) 22:32:09.06 ID:Nzyoyp4e
>>313 長門有希の感情を読み取れるキョンだけには、手に取るようにわかるのですね
316この名無しがすごい!:2013/10/15(火) 23:41:33.46 ID:+agL3Sh7
>>315
佐々木さんの感情読み取り、きょこたんとどっちが上だろう
317この名無しがすごい!:2013/10/16(水) 18:55:42.69 ID:o9m4w6fn
今日は寒かった…

台風凄いことになってますね佐々木さん
318この名無しがすごい!:2013/10/16(水) 23:57:07.47 ID:FJlxjFox
【中国メディア】 台風報道に見る日本メディアの悪趣味 「カメラを雨でぬれた少女に向け、下着が透けている様子を映す、視聴率狙いだ」
ttp://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1381914376/

橘「これですよ佐々木さん。透けブラで男は撃墜です!」
佐「…。」
319この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 00:13:57.17 ID:IHhh4LUi
>>318 ウケた、座布団3枚!
320この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 00:57:41.66 ID:iVeQGITH
透けブラで撃墜できるというのなら、何故今も戦いはつづいているのか……
321この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 02:11:31.57 ID:O4T6/fmQ
>>315-316
妙に鋭いところがある一方、肝心なところは鈍感なキョンと
普段KYなのに一応友人と見てもらえているきょこたんでは甲乙つけにくいのでは。

2人とも激おこな佐々木さん見たことないだろうから、どこまで見抜けるだろうか。
佐々木さん自身が見られたくないとのことだが。
322この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 18:55:48.86 ID:oclkhEcR
>>320
透けブラで駄目ならもう手ブラしか(ry
そんな状況になれるような関係なら佐々木さんの勝利確定してるけどw

>>321
希望的観測込みで、橘京子≧キョン>きょこたんという結論は如何でしょうか
323この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 21:24:08.22 ID:ZMrmvGtI
佐々木とにゃんにゃん
324この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 21:54:19.27 ID:kalfXyrH
猫しゃしゃきさんとな
325この名無しがすごい!:2013/10/17(木) 23:49:42.02 ID:oclkhEcR
もふもふ
326この名無しがすごい!:2013/10/18(金) 21:17:29.58 ID:OPXv191H
週末はまた雨みたいですね佐々木さん
上の流れから、ひげをクシクシする猫佐々木さんが思い浮かんだ
327この名無しがすごい!:2013/10/18(金) 21:45:37.24 ID:VhkeAr6S
橘「私たちがなんとかしなければ、確実に世界は崩壊するのです」
328恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/19(土) 00:36:56.08 ID:FLI8SLku
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その7

 森さんというのは、どんな人なんだろうか?前に、佐々木に聞いたことがある。古泉と同じサ-クル「SOS」に所属して
いる、仲のいい先輩後輩。光陽での他の生徒達の認識は、そのようなものらしい。
 美人で、落ち着いた感じがする女性。男女問わず人気が高いそうだ。
 ”ただね、キョン。これは僕の勝手な妄想なのかもしれないんだけどね。僕等の目に映る森さんは、本当の姿を見せてい
ないような気がするんだよ。古泉君に似たようなところがあって、人あたりはいいんだけど、本心をかくしているような感
じがあるんだ。でも、最近古泉君は少し変わったような気はするけどね”
 それは俺も思っていることだ。自惚れるつもりはないが、俺たちとつるむ様になったからではないかと思う。
 ”しかし、森さんのマンションに運んだ、てのは少し気になるな”
 単なる仲の良い先輩後輩、てだけではなさそうだ。

 結構高そうなマンション(長門が住んでいるマンションにも匹敵する)の入口で、鶴屋さんはインターフォンを鳴らし、
森さんの部屋に繋いだ。その後エレベータに乗り込み、上の階へ上がって行く。その様子はかなり手馴れた感じだった。
 「まあ、ここはSOSの部室みたいな物なのさ。ハルにゃんや古泉くん、みくるやくーちゃんもよく来ているっさ」
 それで古泉も藤原をここに運んだのだろうか?どうもそれだけではないような気がするのだが。
 ドアの前に立つと、中から開いて、古泉が顔をのぞかせた。
 「お邪魔するよ」
 鶴屋さんはそう言って部屋の中へ上がって行く。それにつられるように、俺達も靴を脱いで、部屋に上がることにした。

 応接間らしき部屋のソファに、酔いつぶれた藤原の姿があった。
 「森さんと食事に出掛けた帰りに、見つけまして・・・・・・驚きましたよ。倒れていたのが藤原さんだと気づきましてね。今
は夏休みですから、警察に補導される可能性も高かったんで、とりあえずタクシーを呼んでここに連れてきたわけなんです」
 古泉の判断に、俺は感心した。最近は、地域のボランティアで巡回活動があっているので、未成年が酒を飲んで酔いつぶれ
ている姿なんぞ見つかった暁には、補導されて学校や家庭に通報である。そうなると、停学は免れない。
 俺は酔いつぶれている藤原に声をかけた。
 「おい、藤原。何でこんなことをやっているんだ。古泉が助けてくれたからいいけど、お前の将来に傷が付くとこだったん
だぞ」

 「将来?将来なんて、いまの僕にはどうでもいいことだ」
 酒臭いが、俺の声掛けに、藤原はしっかりと、そしてなんとも言えないような、まるで自分自身をあざ笑うかのような薄ら
笑いを口元に浮かべ、それでいてとても悲しい表情をしていた。
 「将来?未来?そんなものがどうしたってんだ。絶望しかないんだよ、何でこんな馬鹿なことに・・・・・・お笑いぐさだ。とんだ
道化だよ、僕は」
 言っていることが支離滅裂に聞こえるのだが、一体何があったんだ?
 「藤原君、みくるが倒れたよ。今、寝込んでしまっている」

 鶴屋さんの言葉に、藤原が驚愕したような顔つきになり、鶴屋さんに詰め寄る。
 「状態は、朝比奈さんは大丈夫なんですか!?」
 「なんとも言えないっさ。ただ、わたしたちは会わせてもらえなかった。精神的なダメ-ジを相当受けていると聞いたよ。それ以
上は何も聞いてないのさ。藤原君、一体みくると何があったんだい?みくるは君のことがえらく気に入っていたっさ。君もみくるを
大切にしていた。それが、みくるは寝込んで、君は酔いつぶれる。なにかあった、と考えざるを得ないんだよ」
 確かに鶴屋さんの言うとおりだ。朝比奈さんが倒れたのは藤原絡みと考えてほぼ間違いないだろう。

 「姉さん・・・・・・」
 「?」
 「姉さんなんだよ、朝比奈さんは。僕の姉さんなんだ、あの人は」
329この名無しがすごい!:2013/10/19(土) 07:02:42.28 ID:mH72Fr5G
支援
古泉の胸中やいかに
330この名無しがすごい!:2013/10/19(土) 20:12:17.47 ID:mH72Fr5G
明日2つの街で商工会主宰のお祭りがあるのですよ佐々木さん
どっちに行こう…
331この名無しがすごい!:2013/10/19(土) 23:42:35.38 ID:M70l2cCD
こんばんは
332この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 04:19:24.48 ID:I3ZJapek
>>328
333恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/20(日) 15:29:08.99 ID:ubTKTinS
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その8

藤原の告白に、俺は言葉を失った。佐々木も衝撃の事実に顔が青ざめていた。
 藤原の父親は、藤原が生まれる前に亡くなったと聞いたことがある。母親と祖母の手で、藤原は育てられたと言っていた。
 「藤原君、君とみくる、みちるさんと名前が似ているのは、偶然じゃなかったんだね」
 「朝比奈さんのお姉さんから・・・・・・僕の本当の父親がつけた名前だと。朝比奈さんの弟としての僕の名前・・・・・・」
 鶴屋さんは俺の発言で、そのあたりに気づいたのかもしれない。国木田が気にかけた、朝比奈さんのお姉さんの態度も納得
が行く。
 それにしても、あまりにも残酷すぎる結末だ。朝比奈さんのことを語るときの、嬉しそうな顔をよく覚えている。本当に彼女
のことが好きだったんだろう。それが実は異母姉弟で、しかも本当の父親は生きている。
 昼ドラマじゃあるまいし、普通の高校生には人生がひっくり返るような、大きすぎるほどの衝撃だ。藤原がやけ酒なんてバカな
真似をしたのも、理解できなくはない。
 「こんな、こんなバカなことが・・・・・・悪い夢なら覚めて欲しい・・・・・・ちくしょう!」
 藤原は六重に溜まった物を爆発させるように叫び、そして、その場に崩れ落ち、号泣した。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 生まれてきた子供に罪はないという。確かにそうだろう。だが、親たちには責任がある。
 親たちの都合で離婚し、私は名前が変わり、それから母と二人暮らしの私。
 父は今は別の家庭の父親だ。吉村という私の昔の苗字をもつ女の子。キョンの妹の友人。
 あの子に会うと、どうしても昔、むりやり押し込めた感情が少しだけ湧き上がってくる。
 何で両親は別れたのだろう。すれ違いが理由だとだけは聞いた。だけど、本当のところはどうなんだろう。母は別れたあの日以
来、父の話をしない。私が父のことを話すのを嫌っていて、それに気づいた私は父のことを話題にすることはない。
 別の場所で新たな家庭を持っている父。会いに行って、幸せそうな家庭を見て、勇気が出なくて、会わずに帰ってきた私。
 人のせいにすること、社会のせいにすることが私は嫌いだけど、やりきれない思いは私も持つことがある。
 藤原君の泣き崩れた姿を見て、倒れてしまった朝比奈さんのことを思うと、その理不尽さに、やるせない思いになり、同時に無力
感を感じた。
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「藤原、とりあえず家に帰ろう。ここにいても・・・・・・」
 「いやだ、僕はあの家にいたくない。どんな顔して母親と話せばいいんだ」
 藤原の言葉に俺はどう答えていいか解らない。
 母親が藤原に語らなかった真実を、藤原は知ってしまったのだ。そのことを前にして、一番混乱しているのは、当の藤原なのだ。
 「この苦しみは誰にもわからない・・・・・・僕はどうすればいいんだ・・・・・・朝比奈さんは・・・・・・」

 「わかりますよ、藤原さん。あなたの苦しみはね。この僕は誰よりもわかりますよ」
 重苦しい雰囲気の中、古泉が口を開く。
 鶴屋さんが何か言いかけようとしたが、それを古泉が制した。
 「藤原さん。僕もあなたと同じ経験をしましたよ。僕には誰よりも好きな人がいました。幼馴染で、僕の憧れの人で、その人の事
がずっと好きでした。成長して、僕はその人に思いを伝えました。彼女は僕の気持ちを受け入れてくれました。本当に嬉しかった。
でも、そのあとで、僕は忌まわしい真実を知りました。彼女は僕の異母姉だったんです。僕の父親は、彼女の父親とは親友のはずだ
った。親友面して、親友の恋人と不倫して、子供を産ませたんですからね。話になりませんよ」
 
334この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 15:58:21.17 ID:V3mY6BkT
私怨
335この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 17:18:01.58 ID:p541BolH
支援
このタイミングで古泉もぶっちゃけちゃったかー
336この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 17:44:50.56 ID:HqvL48xm
投下乙です。

お待たせしましたが、8月投下分のSSをまとめました。
恋愛苦手な君と僕は夏の夜想曲編までをまとめています。
337この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 20:09:38.20 ID:p541BolH
>>336乙です
いつもありがとう
338この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 22:12:17.59 ID:ubTKTinS
>>336 いつもご苦労様です。お世話になります。乙乙です。
339この名無しがすごい!:2013/10/20(日) 23:40:58.77 ID:p541BolH
月曜日に追いかけられる夢を見る佐々木さん
340この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 00:07:10.62 ID:g/AYsH6s
乙です
341この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 08:17:30.07 ID:M8ZS0gyh
ちょっと厳しい意見になるが、人類の歴史は
過去の先人たちが、とてつもない努力と犠牲を支払って作り上げたものだろう。
未来人が過去の事を利用したりバカにしている度に、お前らが存在できるのは過去の人たちが
歴史を作っているからじゃないのか?と言いたくなる。少しは過去の功績も敬え。
342この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 09:35:13.09 ID:eZf011GU
>>333
乙です
昼ドラ化してきましたねぇ
佐々木さん家は離婚した父親が同じ町内(学区?)にいるわけか
そんなに近くに別れた父親がいるのはどういう気分なんでしょうか?

>>336
いつもありがとうございます

>>341
誤爆?
343この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 12:14:36.74 ID:Ji+7zeJb
>>342
キョンには佐々木さん連れて遠くへ逃げてほしいな
長門も一緒でいいから
344この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 20:17:48.67 ID:Xi7PE43Q
>>342 私の知り合いにいました。離婚したけど、大して離れていない場所に
父親は住んでいて(行政区分上は別の行政区なんだけど、距離的には近い)
そんなに時間を開けずに父親は再婚したという人が。相当複雑な気分だった
と思いますよ。
345この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 22:00:37.59 ID:j0Lq76cP
松谷みよこさんのモモちゃんとアカネちゃんとかのシリーズも、
途中でお父さんが離婚して、ちょっと離れた所に引っ越したりしてたなあ。
あれ松谷さんの実体験だから仕方ないんだけど、
両親離婚とか結構ハードな話多かったよなあ
「お前の亭主は歩く木だ。二人一緒だと枯れてしまう」とかなんとなく覚えてる。
あれ、ウィキみたらお父さん途中で死んでるのね……
346恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/21(月) 22:21:08.79 ID:Xi7PE43Q
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その9


 古泉の顔から、女性を魅了する微笑が消えていた。今の古泉の面に現れているのは、憎しみと怒りと、そして深い哀しみ。
 それは、今の藤原の表情と似ている。微笑みの影に隠れた古泉の心。苦しみを背負いながら成長した少年の、仮面を外した素顔。
 「崩壊したのが、僕の家庭だけだったらまだ良かった。だけど、彼女の家庭も粉々にしてしまった。彼女は僕と僕の家を、父親
を憎みました。彼女の感情は当然です。殺されたって文句は言えませんよ」
 古泉の話の凄まじさに俺達は何も言葉を発することができない。大人びてはいるが、俺たちと大して変わらない少年である古泉の
味わった衝撃はどれほどのものだったのだろう。
 「彼女の僕に向けた憎しみが辛かった。でも、それで彼女の気が晴れるのであれば、いくらでも僕に憎しみをぶつけても構わなか
った・・・・・・僕が一番辛かったのは、彼女を姉さんと呼ばなければならない事でした」
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 ”二人きりの時は姉さん、でしょう”
 一樹に私を姉さんと呼ばせていた理由。そう呼ばせることにより、私は一樹に憎しみをぶつける。と同時に、血のつながりを持つ
愛おしい存在であることを知らしめる。愛情と憎しみの二率相反する感情を込めた言葉。
 ”でも、そんなこともおしまい”
 一樹の話を聞きながら、私は時が来たことを知る。
 一つの物語に、私と一樹の時間にさよならを告げる時が来たことを。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「過去は変えることはできない。だけど、それにいつまでも縛られるのは愚かなことです。僕はそのことをある人から教えられま
した。思い出として胸にしまい、新しい生き方を僕は選ぶつもりです・・・・・・藤原さん。朝比奈さんを好きだったことをすぐに忘れる
ことはできないでしょう。彼女が姉であるということと、そしてあなたの出生に関する事実もすぐには受け入れることは無理でしょ
う。僕もそれを受け入れるのに長い時間がかかった。ただ、あなたと僕が違うのは、朝比奈さんはあなたを憎む感情はないというこ
とです。いつか姉弟であることを喜ベる日が来ることを・・・・・・僕は信じていますよ」

 古泉の言葉を聞き、顔を上げていた藤原の目から涙が流れ、やがて嗚咽が漏れる。それを見つめる古泉の表情はいつもの優しい表
情に戻っていた。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 古泉くんの話を聞きながら、あたしは小さなため息を付く。横目で森さんに視線をやると、彼女の表情は、何か吹っ切れたような
顔つきだった。
 古泉くんの言葉は、藤原君にだけ向けられたものじゃない。あれは森さんへの別れの言葉。さよならを告げる彼の、今までの思い
を込めた告白。
 姉弟であることを知り、愛憎の檻に囚われ、未来を見つけることが出来なかった二人。
 その枷を解き放ったのは、ハルにゃんと、そしてキョン君。
 もう古泉くんが森さんを「姉さん」と呼ぶとき、苦しめられることもないだろう。まだ時間はかかるけど、二人はいつか普通の姉弟に
戻れる日が来るだろう。
 そしてみくると藤原君。
 哀しい思い出は、いつか時間が癒してくれる。古泉君の言葉の重みは藤原君にも伝わったはずだ。
 みくる。私の大切な親友。古泉君が藤原君を救ったように、今度はあたしが彼女を助けよう。傷ついた彼女の心をあたしが支えよう。
347この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 23:16:47.79 ID:lHD07vX5
私怨
348この名無しがすごい!:2013/10/21(月) 23:32:00.67 ID:Ji+7zeJb
支援
この世界でも鶴屋さんは空気読む事情通なのね
349この名無しがすごい!:2013/10/22(火) 10:43:13.83 ID:AD23tueU
まるっきり斜め上の感想になるけど…
佐々木さん、古泉、森、みくる、藤原の親父ぃ達の動向に注目しとります。

というわけで乙&支援の小ネタ。
『恋愛苦手な君と僕〜超展開予想〜ブロリー篇』

あまりにもあまりにもの親父ぃsの対応に、怒りに目覚めた五人は、伝説の金色毛虫に覚醒してしまいました…
古泉「親父ぃ…」
藤原「どこへ…行くんだぁ?」
古泉、藤原、佐々木親父ぃ「お、お前らに頭を下げる準備だぁ!」
みくる「航空券片手に…車に乗って…ですか…?」
森(『ちゃん』仕様)「……」車を掴む
親父ぃs「お待ち下さい!お助け下さい!」
佐々木「親父ぃ…」
古泉、森、藤原、みくる、佐々木「(ブロリーネタでの)お約束だから。」
親父ぃs「……ああ、そうだな……」
メキメキ メキメキ!グシャッ!
古泉、藤原、佐々木親父ぃ「いいぞぉ!俺達をこの世から消し去ってしまえー!」
森「ぬぅおおおおおーーーー!」
ブンッ!ヒューン…………
親父ぃs「うぁーははははは…」(車が飛んでいく)

キョン「ブロリーネタといや、これもお約束だな。『息子です。何なりとお使い下さい。』」
佐々木、ハルヒ、長門「……」
…その後、大きなお腹を抱えた三人が見られ、世を儚んだキョンは出家し、仏門に入った…。
長門「あなたは言った…何なりと使えと…」
ハルヒ「ま、お約束お約束。」
佐々木「多少強引なこじつけだがね。くっくっ。」
キョン「息子違いだ…!」

古泉「迂闊なネタを振るからですよ…。まぁお腹の子さえ愛せたら、僕は晴れて涼宮さんと…」
橘「どんどんどんどんどんどん近付け」
阪中「どんどんどんどんどんどん近付け」
橘、阪中「どんどんどんどんどんどん近付け」
…その後ろから同じ不幸が近付き…まるっきり同じ不幸が降りかかると、彼はまだ知らない…。

※ネタが分からない方は、YouTubeあたりでブロリーMADをご覧下さい。
350この名無しがすごい!:2013/10/22(火) 18:15:31.25 ID:Zui2OFqt
>>349
DBの映画は正月の2日か3日の午前あたりにテレビ放送してた記憶が
詳しくないけど古泉が同じ目に遭う下りにワラタww
351〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/10/22(火) 20:51:28.13 ID:vp/zTRKO
文藝部の文化祭その一 〜俺の後ろに佐々木がいる〜
  
 文化祭もあと半月ほどに迫った、晩秋に近づく秋の日の午後。
 部室で佐々木と長門を交えて昼飯を食べているとき、その電話は入った。

 『第12回、角河(つのかわ)HD書籍部、ランナ-ズ文庫大賞作品、司希遥(しきはるか)作、春日野涼の
憂鬱/笹木野晶の充実』

 「ありふれた日常の中に、不思議な世界を構築し、二人の女性を対比させつつ、彼女たちに振り回される
主人公の姿を、定番のライトノベルのハ-レム要素を排し、現実的なほろ苦さを交えながらも見事なSF作品
として仕上げ、恋愛もの、青春ものとしての複合的な要素を破綻なく取り込み構成させた傑作。審査員一同
満場一致で大賞に決定した」

 俺が司希遥(しきはるか)のペンネームで応募した作品が、何と第12回角河(つのかわ)HD書籍部のランナ
-ズ文庫大賞作品に選ばれたという連絡だった。
 
 「おめでとう、キョン!やったじゃないか!」
 「すごい、キョン君、本当におめでとう!」
 佐々木と長門の祝福を受けても、まだ実感がわかない。先ほどの電話を受けてから、俺はまだ夢の中にいる
ような気分だった。
 「早速皆に知らせなきゃ」
 長門が部室を出ていこうとするのを、俺は我に返り、慌ててそれを止めた。
 「ま、待ってくれ長門。まだ皆に話すのはちょっと・・・・・・」
 「どうしてだい、キョン?こんなに素晴らしいことは早く皆に教えないと。僕も他の人にこの喜びを伝えたいん
だが」
 「と、とりあえず角河HD書籍部のHPに正式に掲載されてからにしよう。2時に正式に掲載されるそうだから、そ
れから後にしてくれ。俺自身もちょっと混乱しているんだ」

 それからしばらくして、午後2時。
 角河HD書籍部のHPに、授業中にもかかわらず、スマフォで俺たち三人はアクセスして、そこに俺のペンネームと作品
名がしっかり掲載されていることを確認した。
 授業終了前には、親しいやつには全てに(佐々木と長門が送信した)情報が行き渡り、そして放課後になると、岡本や
須藤、中川 ら、北高以外に進学した友人たちからもお祝いのメ-ルが入っていた。
 「キョン、おめでとう。すごいことじゃないか!」
 文芸部の部室に来た国木田も、少し興奮したような口調で、俺を祝福してくれた。
 「今日はキョンが作家としての一歩を踏み出した日になるわけだね」
 佐々木にそう言われたのだが、正直この先、まだどんなふうになるのかは俺にも予測がつかない。
 「キョン、しかしこれは文芸部にとっても一大事件だよ。順番は違えど、文化祭に会わせて出す文系部の部誌に載る作品
は、記念すべき受賞後第一作になるわけだ。君自身が文芸部の最大の目玉となったわけだよ。印刷所に増刷をお願いしてお
いたほうがいいかもね」
 「まさか。そこまで反響があるとは思えないが」
 大手出版社の角河HD書籍部のライトノベル大賞とはいえ、直木賞や芥川賞じゃないんだからな。
 
 だが、文化祭の当日。俺は佐々木の言葉が正しいことを思い知らされることになった。
352この名無しがすごい!:2013/10/22(火) 21:00:02.84 ID:vp/zTRKO
>>349 一読して大笑いしました。弟共々、作品を読んでいただき、職人様に感謝します。
 女性にだらしない男には天誅を、と言いたいところですが、魅力あるものに男性は弱い
らしいと弟から聞いていますので、親父ぃS三人、それぞれの子供たちにどう向き合わせて
責任取らせるか思案中です。
353この名無しがすごい!:2013/10/22(火) 21:16:37.62 ID:xnwPvFD9
354この名無しがすごい!:2013/10/22(火) 22:18:01.85 ID:Zui2OFqt
>>351
こっちも支援

>>352
スカッとさせてくださいまし
355この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 08:54:20.90 ID:5JRmfBsL
乙です
356この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 18:08:46.22 ID:d4EqLmWL
帰れなくなるのを見越してキョン宅を訪問する佐々木さん
357この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 20:03:05.68 ID:2J5jYfqx
本日娘と本を買いに行きました
私は最近勉強中のPC関連書籍を二冊 娘は小説と漫画を一冊ずつ
家に帰って袋の中を見てみるとチラシが一枚 その内容は『○○塾県内大学受験対策講座のお知らせ』
娘は身長170cmありますがどう見ても童顔の中学生 私は三十路半ばのお姉さん(←ここ重要)
一体どうしろと……
取り敢えず見た目で勘違いして自分にくれたものだと主張する私に対し笑い転げた旦那は張り倒しておきました

佐々木さんのお母さんはどんな方なんでしょうか?
昔からありがちな『お姉さんにしか見えない』系でしょうか?
それとも『バリバリのキャリアウーマン』でしょうか?
複雑な家庭事情のようですし芸能関係も候補としてはアリか……妄想は尽きませんね
358この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 20:39:04.10 ID:d4EqLmWL
>>357
たしかvipだと思うけど、性格のモデルがハルヒの佐々木母が出てくるSSを見たことあるよ
掛け合いがすごく自然だったw
359この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 21:29:48.02 ID:KwyoKRhs
I屋さんのスペックが高い
360この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 22:23:07.58 ID:C6uy9ABO
>>358
読んだことあるかもしれないけど気になる。
最近はVipやSS速報で佐々木SS情報見なくなったな…。
361〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/10/23(水) 22:29:29.12 ID:Suz4ZJv7
    文藝部の文化祭その二〜俺の後ろに佐々木がいる〜

  角河(つのかわ)HD書籍部は、俺が応募した『春日野涼の 憂鬱/笹木野晶の充実』を、校正・編集して、わずか一週間後
には、電子書籍として先行販売し、それから二週間後には文庫本で出すという、かなり素早い販売促進活動を行った。
 出版社の内情など知る由もない俺は、凄まじい速さで話が進んでいく状況を、当事者の一人でありながら、唖然として見守
るしかなかった。
 文化祭の当日には、まだ書店に文庫本は並べられていなかったが、既にダウンロード購入で俺の作品を読んでくれた人がか
なりいて、俺は休日や放課後を使い、近所の書店などに営業担当者と挨拶回りに出かけ、サインを書いたり、あるいは「高校生
作家、新しいラノベの未来を切り開く!」と記されたポスタ-を貼ったりした。
 また、佐々木や長門、国木田や岡本や 須藤、中川 たちが友人や知り合いに宣伝してくれたおかげで、文化祭当日には、既に
俺と俺の作品の知名度は加速的に上昇していたのだ。

 「ランナ-ズ文庫大賞作品、『春日野涼の 憂鬱/笹木野晶の充実』の作者、司希遥(しきはるか)受賞後第一作作品掲載。文化祭
にて限定発売!作者のサイン入り」
 ”君自身が文芸部の最大の目玉となったわけだよ”
 佐々木の言葉通り、北高文化祭における文芸部の目玉が俺自身という、正直あまり笑えない状態になってしまった。
 「でも、キョン。僕は嬉しいんだよ。大事な親友の君が一つの成功の切符を手に入れたんだから」
 「私も嬉しかった。この文芸部からプロの作家が誕生するなんて。文芸部の歴史に残る出来事だから」
 佐々木と長門が喜んでくれる姿を見て、俺も受賞した喜びを少しづつ実感できるようになってきた。

 最初、印刷する文芸部の部誌の数は百五十冊だった。
 ”そんなにさばけないだろうな”
 自分でお買い上げになるだろうな、と(中身は結構充実していると自負しているのだが)思っていたのだが、受賞が決まった後
、佐々木と長門は印刷する数を四百冊に増やした。
 「おいおい、大丈夫かよ、そんなに増やして」
 内心ドキマギしながら、俺は二人に尋ねた。
 「大丈夫だよ。全部捌けるから」
 自信満々に佐々木は答えた。

 来場者は俺の予想をはるかに超えていた。
 絶対閑古鳥が鳴くだろうなと考えていた文芸部の部室に、部誌と俺のサインを求める客がズラリとならび、少し腕が痛くなりながらも
俺はサインを書き続けた。
 「電子書籍で読ませていただきました。すごく面白かったですよ。是非応援させてください」
 爽やかな笑顔を浮かべた、カチューシャをつけた美人の彼女を連れたハンサム野郎(俺たちと同じぐらいか?大人びては見えたが、光
陽の制服を着ていた)からは握手を求められ、記念撮影までサ-ビスした。
 まだ本物の作家とは言えないけど、こうやって俺が書いた物を読んでくれる人がいることを知ると、作家として一歩踏み出しているんだ
と実感して、俺は武者震いをした。

 充実した文化祭も終わり、俺は佐々木と長門を連れて、夕食をご馳走することにした。
 「色々と俺のために手助けしてくれて本当にありがとう。今日は好きな物を食べてくれ」
 二人に頭を下げて、俺の作品を宣伝してくれ、文化祭でサポ-トしてくれたことに感謝の意を表した。
 「いや、本当に楽しかったよ、キョン。君の作家としての第一歩にかかわらせてもらって、こちらとしても嬉しいんだ。本当におめでとう」
 「おめでとう、キョン君」
 ジュ-スで乾杯し、俺達はお互いを労った。
 「これからも君の力にならせてくれよ、キョン。僕等は親友なんだから」

 ”出来れば公私共に、ずっと君のサポ-トをしたいんだけどね”
 
 佐々木が楽しそうに微笑みながら、何かつぶやいていた。
 
362この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 22:50:29.61 ID:d4EqLmWL
>>360
まだ充分な確認してないけどタイトルは『月の微笑』ぽいです

>>361支援
佐々木さん事実上のプロポーズですやんw
でも来場者に不安の影がちらりと…
363〜俺の後ろに佐々木がいる〜:2013/10/23(水) 23:19:58.21 ID:Suz4ZJv7
         俺の隣に佐々木がいる

 
 俺が作家になって、あっという間に十年の月日が過ぎた。
 高校生作家としてデビュ-して、時には壁にぶつかりながらも、俺は今、中堅作家と呼ばれるように
なり、ライトノベルだけでなく、幅広い作品を執筆して、それなりの生活をしている。
 最初の作品・『春日野涼の 憂鬱/笹木野晶の充実』はシリ-ズ化して、全十巻、累計売上七百万部を
突破して、海外でも翻訳され、角河(つのかわ)HDお得意のメデイアミックス戦略も当たり、アニメ化
コミック化され、おかげで多くの人が俺の作品を読んでくれた。
 他の作品も映像化されたりして、俺の作品を楽しみにしてくれる読者もさらに増え、俺は締切に追われ
ながらも、充実した毎日を過ごしている。

 「キョンパパ−、ご飯だよ-」
 三歳になったばかりの娘が、書斎に入って来た。
 「おや、もうそんな時間か」
 「きょうは長門のお姉ちゃんも来ているんだよ−」
 
 高校を卒業して、同じ大学に通い、佐々木は出版社に就職して二年後、俺と結婚した。
 大学卒業時には、俺は佐々木と結婚する決意を固めていて、今では公私共に俺を支えてくれて、俺達の
間には娘も生まれた。
 長門も佐々木と同じ出版社に就職して、今は少女漫画の編集を担当しているのだが、俺の作品のイラスト
を担当する漫画家やイラストレターを手配してくれたりして、間接的に俺の作品を手助けしてくれる。
 また、長門自身も、個人ブログで書いていた紀行文や食べログ、イラスト(うちの実家の猫のシャーミを
モデルにした猫のイラストで、俺も使わせてもらった)が評判を呼び、そちらの方でも活躍している。
休日には、よく俺達の家に遊びに来ている。三人(と娘)で過ごす時間は、とても楽しいひと時である。
 文芸部のあの時から、俺たち三人は仲間であり、サポ-タ-であり、親友であり続けている。

 高校時代、俺の後ろに佐々木がいた。そして、今、俺の隣に、人生を共に歩む者として、佐々木はいる。
 お互いに支え合い、娘の親として、これからも俺達は生きていく。
 娘の後をついて、俺はキッチンへ向かう。
 「キョン、ご飯ができているよ。今日は君の好きな・・・・・・」
 俺をいつでも支えてくれる、俺が守るべき笑顔を浮かべた佐々木の姿がそこにあった。

        
     〜俺の後ろに佐々木がいる〜終
364この名無しがすごい!:2013/10/23(水) 23:38:30.83 ID:Suz4ZJv7
>>360 佐々木さんSS、もっと増えて欲しいですね。他の人が書く作品は非常に
楽しみです。
>>362 今回は基本的にハルヒがいない世界ですが、特別出演ということで。
キョンとの接点がないわけで、その世界では、やはりハルヒの恋人は古泉しか
いないでしょう。今回の作品は好きなSS、「編集者佐々木」シリ-ズの影響大
です。あれは続きがあれば読みたいです。あんなに面白く上手にかけたらいい
んですが、いかんせん文才が・・・・・・
365この名無しがすごい!:2013/10/24(木) 08:09:51.08 ID:JQVMG59f
完結乙&GJ!
最後まで穏やかで良かった
夫婦になってるSSで佐々木さんバリバリ外で働いてるのは宿命なのだろうか?一番主婦っぽいことしてるのが件の作家と編集者で通い妻してる佐々木さんだしw
でもイメージ通りでインドア派なキョンともお似合いかもね
366この名無しがすごい!:2013/10/24(木) 09:40:52.43 ID:IGDK/YId
>>363 
乙です!
367この名無しがすごい!:2013/10/24(木) 19:59:23.81 ID:JQVMG59f
フルーチェ初体験の佐々木さん

案外食べたことない人いると思うのよね
368この名無しがすごい!:2013/10/25(金) 19:20:51.15 ID:hezf+EF1
台風による大雨、佐々木さんとこは大丈夫でしょうか
369この名無しがすごい!:2013/10/26(土) 18:25:36.31 ID:HAHsbmdH
ハルビンの大気汚染が酷いらしい
370この名無しがすごい!:2013/10/26(土) 20:06:33.85 ID:Qb7dJWzr
>>369
いつもならスルーするところだが、IDにH(ハルヒ)多いな
371この名無しがすごい!:2013/10/26(土) 20:10:24.23 ID:NRLz7+pI
ささきさん
372この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 00:08:17.29 ID:jIde/Qkt
昔、どっかの板で、NAGATOとかいうID出た人いなかったっけ?
373この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 07:02:13.57 ID:qPugYaCT
長門スレは守備範囲外なもんでそういった情報には疎いのです…
という今日のIDてす
374この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 14:20:13.57 ID:mmxMjdQh
「陽だまりの彼女」の主題歌(友人がそう言っていました―カラオケで流れていた)のPVを見たら、
主人公たちがキョンと佐々木さんに見えました。図書館で勉強しようとしたら、臨時休館。バスに乗って
目的もなく遊びに行く二人、かき氷を二人で食べるシ-ンなど、思わず、脳内でSSにして再生されました。
375この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 16:02:43.56 ID:qPugYaCT
>>374
SSにしてくれても良いのよ?

……は一先ず置いといて、二人に似合いそうな光景ですね
図書館じゃないけど、塾が臨時休講になる理由付けとかも妄想したなあ
376この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 17:00:37.34 ID:DqjEpIDk
雨が降ったりやんだりなのですよ佐々木さん
377この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 19:43:38.15 ID:Co8uQzd5
テスト
378この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 19:52:31.45 ID:Co8uQzd5
異性と、久々に手も握らない位清らかなデートをしたのですよ。
清らか過ぎて、佐々木さんにスウィングした気分だったのですよ、佐々木さん。
379この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 21:13:43.10 ID:F5S8brid
一応
佐々木「キョン、僕は・・・」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382871222/
380この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 21:18:38.53 ID:qPugYaCT
>>378
佐々木さん達はどの程度までスキンシップしてたんかね
交際ではないから進んでたにならないのが寂しい
381日だまりの彼女〜一〇年後の再会〜:2013/10/27(日) 21:29:42.72 ID:mmxMjdQh
         日だまりの彼女〜一〇年後の再会その1

 三年目になると、仕事の要領も心得て、それなりの対応もできるようになるし、取引の場面である程度
一人前扱いをされるようになってきた。
 俺は大学卒業後、大手の総合食品製造メ-カ-の菓子部門に就職して、営業企画課という部署で働いてい
る。取引先を周り、時には小売業界と共同で販売促進のために新商品を開発する部署だ。
 
 夏のある暑い日のことだった。
 取引先の大手流通業との販促の打ち合わせのために、俺はそこの本社を課長と訪れていた。
 系列化した中堅小売店の全店リニューアルの目玉として、うちのお菓子とアイスを重点的に扱いたいとの
申し入れで、しかも、これはグル-プ全体でバックアップするという大型キャンペ-ンだった。
 大口の取引であるがゆえに、うちの会社も意気込みが違っており、販売奨励金(安売りの原資)も普段より
多いので、入念な打ち合わせと調査が必要なのだ。その仕事を、課長と後一人付いてくるしても、任されると
いうのは、多いにやりがいを感じていた。

 会議室に入ると、相手方は五人いた。それぞれと名刺を交換したのだが、一人は系列化された会社の社長だ
った。
 だが、俺はその中の一人の顔と名前を見て、愕然とした。相手も俺に気づいて、いたずらっぽい微笑を浮か
べていた。

 「久しぶりだね、キョン」
 途中休憩の時間、俺と佐々木は外に出て、近くの公園のベンチにいた。
 「高校の同窓会以来か」
 「成人式の時の同窓会は海外留学中で参加できなかったからね。一〇年ぶりかな」
 「早いものだな」
 「君はあんまり変わってはいなさそうで安心したよ」
 中学時代、そして高校の時のあの春に再会した時と同じ喋り方だった。
 ただ、さっき男性社員としゃべっている時は、普通の(という言い方も変な言い方だが)、女性口調だった
が、今、俺としゃべっている時は、昔のままなのだ。
 「ここで再開するとはおもわなかった。佐々木がここに就職していたとは」
 「僕もまさか君に再会するとは思わなかった。さっき課長さんが話していたけど、期待されているようだね」
 「まだまだだけどな」
 一〇年ぶりに再会したが、俺達の間にはそのあいだの時間は丸fr存在していないかのように、俺達は自然に、
あの頃の時間に戻ったように会話をしていた。

 打ち合わせが終わったあと、俺は佐々木から一枚のメモ紙を渡された。
 そこには電話番号が記されたあった。
382日だまりの彼女〜一〇年後の再会〜:2013/10/27(日) 22:31:28.86 ID:mmxMjdQh
日だまりの彼女〜一〇年後の再会その2

 佐々木との再会から三日後、金曜日の夜、俺と佐々木は著名なフランス料理店に
いた。
 店内は落ち着いた雰囲気で、都会の喧騒を忘れさせる静かな店だった。
 「再開を祝して」
 ワイングラスを軽く合わせ、俺達は一〇年ぶりの再会を祝った。
 
 一〇年間のことをお互いに話し合った。佐々木も俺もこの一〇年間いろいろあった。
 料理が進むとともに、会話も進んだ。
 「そういえば、キョン。涼宮さんはいま、どうしているんだい?相変わらず君と付き合っ
ているのかい?」

 この一〇年、俺の身の上で一番変化したのはハルヒのことではなかろうか。高校入学時の
衝撃的な出会いから、様々な非日常の不思議体験を体験した。高校卒業後、俺とハルヒは同
じ大学に進学した。そして俺達は恋人同士になった。
 しかし、大学三年生、すなわち将来の進路を考える頃になり、俺とハルヒにすれ違いが目
立ち始めた。俺は平凡な人間であり、一方、ハルヒは才能に溢れ、発想力も行動力も有り、
大きな夢を持ち、それを実現する実力もあった。
 ハルヒの夢と進路、俺の進路が一緒のものではなくなり、それからすれ違いとお互いの距
離感が開いていき、俺達は別れを選択したのだ。
 卒業後、俺とハルヒは会ってはいない。ただ、この前、国木田(今は鶴屋)から電話を貰い
、その時、ハルヒは古泉と付き合っていると聞かされた。それを聞いて、俺は安心したような
気分になった。古泉なら、ハルヒを幸せにしてくれるだろう。
 ”僕は涼宮さんのことが好きなんですよ”
 あの世界での古泉の言葉は今もはっきりと思い出せる。

 デザ-トは夏が旬の白桃のソルベだった。
 「洒落たデザ-トだね。そういえば、今君が担当しているのは、アイスクリ-ムやお菓子の販促
だったね」
 佐々木の言葉に思わず俺は苦笑いをする。佐々木と再会出来たのはその仕事のおかげだ。
 「アイスクリ-ムといえば、キョン、中学時代のことを覚えているかい?」
 「?」
 「夏休みに塾に行っていた時、担当の講師が急病で休んで臨時休講になった時の事だよ」

 佐々木と行っていた塾の担当講師が急病で、臨時休講になり、俺達は図書館に行って勉強するか
という話になり、そちらの方へ向かい始めたのだが、途中で何を考えたのか、佐々木はバス停でベ
ンチに腰掛けたのだ。
 俺が「?」というような表情をしていると、バスがやって来て佐々木はそれに乗車した。
 「キョン、一緒に行こう」
 微笑みながら佐々木はそう言って、俺もワケが分からぬままバスに飛び乗った。
 佐々木と俺以外は乗客はおらず、俺達は並んで座った。
 バスが進むのに身を任せて、俺と佐々木は窓の外を眺めていた。

 俺と佐々木が降りたところは、門前町らしいところで、屋台や古いお店が並ぶ、鄙びた所だった。
 「ここら辺を散策してみよう」
 佐々木の言うままに俺達は歩き出した。
 緑が多いおかげで木影が出来ていて、直接日が当たるのは少なくて済むが気温は高いので汗が吹き出してくる。
 「キョン、アイスクリ-ムを食べないか」
 佐々木の提案に俺は賛同して、道端に縁台を出している甘味処らしきお店に入った。
 
383この名無しがすごい!:2013/10/27(日) 23:28:33.21 ID:qPugYaCT
寝る前支援
おやすみなさい
384日だまりの彼女〜一〇年後の再会〜:2013/10/28(月) 00:05:47.20 ID:O+oeWOiQ
          日だまりの彼女〜一〇年後の再会その3

 その店で佐々木はアイスを二つも食べた。俺は一つだけだったので、そのことは強く印象に残った。
 それからあとはその辺を文字通り散策し、夕方には再びバスに乗り、俺達が住む街へ戻った。

 昼間の熱気が残ってはいるが、夜風があって、幾分は涼しさが感じられた。
 食事をしたあと、俺達は店の外に出て、中学時代のあの日のように、行く先を決めることなく歩き始めた。
 「キョン、昔僕は君に言ったことがあったね。涼宮さんは太陽のような人だと。彼女は眩しいほど輝く魅力
とあふれるような情熱を持っている。僕も小学時代、彼女に憧れた。でも彼女に近づきすぎるのは危険なこと
だと思ったよ。適度な距離感が必要なんだよ、彼女と付き合うには」
 ハルヒとのことは、青春時代(まだこの言葉をつかう年齢ではないのだが)の思い出の一つだ。終わった過去
の事とは言え、まだ胸に残っている。
 「地球が今の位置にあることで生命が生まれたように、太陽が本来の姿ではなく、暖かい日だまりと感じられる
くらいの距離感があれば君たちは――でも、君たちは高校時代、非日常的な時間を過ごした。入り込む隙間がない
ような中では、君が涼宮さんと適度な距離感を図るのが難しかったのは当然といえば当然のことかもしれないね」

 たまたま見つけたカフェに俺と佐々木は入店した。店の奥の、外からも入口からも見えにくい席に、俺達は腰掛けた。
 「佐々木、お前は付き合っている人はいないのか?」
 「高校時代はすぐ別れたし、大学時代も変わらないね。近寄って来る男は昔よりは増えたけど、どうもね。皆勝手に
理想像を抱いて、その理想像を僕に押し付けようとする。君のように、あるがままに僕を受け入れてくれる男性はそう
いないのさ。今の会社でも同じ。いかに君が貴重な男性かよくわかるよ。君も僕にとっては暖かい日だまりのような存在
だったんだよ」
 「そうかね」
 「そうなんだよ。そしてそれこそが君の最大の魅力なんだよ」

 そこで二時間ほど喋って、俺達は店を出た。
 「久しぶりに楽しかったよ。キョン。とりあえず今日は帰ろうかと思うけど、君が良かったら、僕の部屋まで送って
くれないかい」
 「ああいいよ。どうせ休みだし、夜道を一人で帰らせるのは危ないからな」
 「ありがとう、キョン」

 佐々木の住む賃貸マンションは、以外にも俺が住むアパ-トからさほど離れていない場所だった。案外近くにいたこ
とに少し驚いた。
 セキュリティがしっかりしているマンションの5階の一室が佐々木の部屋だった。
 「それじゃ、な」
 ドアの前まで送り、佐々木にそう言って帰ろうとした時だった。
 「・・・・・・佐々木?」
 佐々木の体温と鼓動が感じられ、俺の目の前に佐々木の顔があった。
 「十年前のあの日、僕には迷いがあった。君との心地よい関係を失うことと、涼宮さんが君の側にいることに対する
諦めの気持ちが。でももう迷わない。君の側には灼熱の太陽はいないのだから」
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------
 そのあとのことはあまり話す必要はないだろう。
 中学時代、俺達はかなり勘違いをされていた(俺にその認識がなかったからな)。
 今は俺と佐々木は恋人として付き合っている。日だまりのような暖かさをもつ彼女が側にいてくれるのは、幸せだと
思える日々を過ごしている。
 佐々木の実家に挨拶がてら帰省したとき、国木田(鶴屋)や中学時代の同級生に再会したが、生暖かい視線を向けら
れた時には、少し照れくさかったが。春先には俺達は結婚する予定だ。

 帰省したとき、俺と佐々木はあの門前町へ行って見ることにした。
 あの日食べた甘味処は閉店していた。その代わり、そこに新たなお店が出来ていた。
 「少しさみしいね・・・・・・でも、過去のことは過去の思い出として、記憶にとどめておこうよ、キョン。これから先、
二人でたくさん思い出を作っていこう」
 佐々木の言葉に俺は強く頷いた。

                     
                Fin

 
 
385この名無しがすごい!:2013/10/28(月) 00:09:18.64 ID:O+oeWOiQ
>>375の方の書き込みと映画の主題歌のPVを見て書いてみました。375の方
ありがとうございました。
386この名無しがすごい!:2013/10/28(月) 12:32:57.74 ID:BjPNWg+o
乙!
皆が皆、収まるべきところに収まるってのがやっぱりベストだね
387この名無しがすごい!:2013/10/28(月) 18:56:42.80 ID:QxgXaeDW
388この名無しがすごい!:2013/10/28(月) 22:16:43.33 ID:MJTjqwXH
そこを黙して語らず綺麗にまとめてくれたのが嬉しい
乙でございました。
389この名無しがすごい!:2013/10/28(月) 22:46:58.01 ID:ukD96ap/
乙です。時事ネタだけど佐々木さんは、テレビのニュースとか見ないのかな。

橘「佐々木さん、チャンネル変えていいですか?あたし、ほこたて好きなんですよ!」
佐々木「ほこ、たて?新手の料理番組かな?」
390この名無しがすごい!:2013/10/28(月) 22:56:33.72 ID:BjPNWg+o
>>389
終了のピンチだよね…
ゴールデンに持って来て潰れた番組の列に並ぶ日も近い?
391まぁ、仕方ないね:2013/10/29(火) 04:51:17.13 ID:pBLLW41/
深夜の時間帯の番組の主な視聴者は10代後半〜20代
それ以下だと既に寝ているか見てもアニメくらい
それ以上だと家族持ちが増え子供に生活リズムを合わせる人が増える
それに比べゴールデンの視聴者は全年齢 加えてそのせいで競争も激しい
深夜のノリでやってもいつかは無理がくるというもの

例えば深夜では許されてた下ネタや過激なネタは叩かれる可能性が高くてできないから、それが売りの番組だと魅力半減だ
また、深夜だと多少マニアックなネタをやっても、元々低めの視聴率にはそこまで影響ない
が、ゴールデンでは視聴率の振り幅も大きいからコアなネタは続けることができない
そうすると無難な番組構成になり深夜にあった魅力は半減 視聴者は離れて潰れてしまう

ただ『ほこ×たて』の場合はどうだろう?
上記の条件はそこまで当てはまらない しかし番組終了の危機 何故か?
理由はおそらく簡単  『ネタ切れ』

そりゃそうだろう
世の中矛と盾の関係にあるものなんてそうそうあるものではない
子供やお年寄りにもある程度ウケルものとなれば尚の事
そうした結果、いまいち微妙な組み合わせや納得できない結末が出てきた そしてヤラセの発覚
代わりの旅番組も景色の映像が反転(車が右側通行だったり看板の文字が鏡文字だったり)しているという謎の加工
こうなると番組と局に対するイメージは最悪 おそらく番組続行は無理だろう 残念だ……


佐々木「というわけでこんな対決を用意してみた」

『涼宮・朝比奈・鶴屋・橘・朝倉 vs 長門・九曜』

キョン「なんだこれ?」
古泉 「涼宮さん達が料理を作り長門さん達が食べる! どちらが先に倒れるかァ!」
キョン「ノリノリだな」
朝倉 「私これだけのために呼び出されたわけ?」
キョン「らしいな、諦めろ」
藤原 「それでは華麗なる女の戦い! ハル's vs 有希's ルゥエディィィ! ゴウ!」
キョン「楽しそうだなお前ら」
新川 「この番組は機関と組織の提供でお送りします」
キョン「お疲れ様です新川さん。 しかし矛盾というより無謀だろ、これ」

   十数時間後

ハル's「」チーン
長門 「勝利」
九曜 「ぶい」
キョン「だろうな」
佐々木「くっくっ、まあ、順当もいいじゃないか なかなか面白かったよ」
キョン「途中で一緒に勉強したり食事に行ってたりしてたから最初と最後しか見てないけどな」
長門 「……勝負に」
九曜 「――情けは」
長九 「「無用」」フンス
古泉 「さぁて! 今回はこのような結果になりましたがァ!」
藤原 「次回は更に白熱した勝負になるのか! ではまた来週ゥ!」
キョン「ホント楽しそうだなお前ら。 またやるのか?」
佐々木「さぁ? どうだろう?」
 森 「この番組は機関と組織の提供でお送りしました」
392この名無しがすごい!:2013/10/29(火) 12:15:13.74 ID:H69VNhgV
唐突に始まった対決ワラタw乙ー
こんなん料理に毒や爆弾紛れ込ませでもしないと無理ゲだwww
393この名無しがすごい!:2013/10/29(火) 19:35:49.77 ID:H69VNhgV
ちょっと鼻の奥がむずむずするのですよ佐々木さん
今日はPM2.5がやや多かったとの情報による、悪い意味でのプラシーボ効果が働いてるだけと自分に言い聞かせてます…
394この名無しがすごい!:2013/10/30(水) 18:08:18.00 ID:kMKMtpjT
佐々木かわいいよ佐々木
395この名無しがすごい!:2013/10/30(水) 18:25:30.45 ID:JwtvNAY9
>>393
私も急に鼻がムズムズしだしてくしゃみ連発、鼻はズルズル かと思ったら急に治まる
こんなのが最近しょっちゅうありますよ それも家族の中で私だけ
辛いです佐々木さん
396この名無しがすごい!:2013/10/30(水) 18:55:23.39 ID:SkbTfhlc
>>395
ワタクシは今日に至って完全に鼻づまりです
でも体温測ったらほぼ平熱、ほんと原因何なんでしょうね
397この名無しがすごい!:2013/10/31(木) 18:20:35.55 ID:cE4PCsNX
巨人と楽天、佐々木さんはどっちを応援してるのだろう
398この名無しがすごい!:2013/10/31(木) 23:18:44.61 ID:Yzr+DT/n
こんばんは
399恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/10/31(木) 23:36:58.88 ID:DLE0KgyD
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その10

 八月も終わりに近づいていたある日の正午。
 「早いですね」
 「そうでもないさ。俺達も今来たばかりだ」
 古泉おすすめのカフェは、湧水公園に面した、木陰が多い涼しい場所にあり、夏の暑さも随分和らいで感じられる。
 さすがにも猛暑続きだと、俺も少々夏バテ気味になるが、クーラ-ばかりというのも何となく、なという気分で、自
然の爽やかな風は心地よかった。
 「どうですか、藤原さんの様子は?」
 「まあ、少しは落ち着いたかな。一応あれから母親とは話したらしいんだが・・・・・・」
 
 衝撃的な事実を知ったあの日から少し時間は過ぎ、藤原は苦しみながらも事実に向かい合う決意を固めたようだ。
 母親には、自分が朝比奈さんの父親が本当の父親であることを偶然知ったと話し、いろいろ親子で話しあったようだ。
 その過程でわかったことは、最初、朝比奈さんの父親・青山方丈氏は、藤原の存在を知らなかったそうだ。
 藤原の母親は青山方丈を愛したが、不倫の関係であるわけで、自ら身を引いたのであるが、既にお腹には藤原がいた
のだ。しかし、そのことを青山方丈に知らせるつもりはなかったそうだ。
 シングルマザーの道を選び、育てていた藤原の母親は、ある日子供を連れて公園で遊んでいたところ、青山方丈と再
会したという。
 表立って会うことはないが、今も青山方丈と藤原の母親には、昔のような関係はないが、繋がりはあるらしい。
 藤原は朝比奈さんと付き合っていたことは(友達になったことは言ったが)喋らなかったそうだ。それは賢明な判断
だったと思う。
 ただ、実父の青山方丈にはまだ会う気持ちにはならない、と言っていた。
 「まあ、当然のことだとは思いますね。気持ちの整理はそんなに簡単にはつかないでしょうから」
 あの日、古泉が打ち明けた、古泉自身が背負っている重い十字架はどれほどのものか、そしてその苦しみの中でそれを
乗り越えようと、もがき悩みながらも前に進もうとする古泉の姿を、俺は格好いいと思った。
 そして、あの時の古泉の言葉は、間違いなく藤原には大きな意味を持ったと思う。こういうい言い方は間違っているの
かもしれないが、藤原はまだ禁忌の一線を超えてなかったからだ。
 「早く立ち直って欲しいですよ、彼には。僕とおなじような苦しみは味わって欲しくはありませんし」
 そう言いながら、古泉は注文していたアイスカフェに口をつけた。

 「キョンに古泉君。君たち二人に伝えなければならないことがあるんだ」
 俺達のやりとりを黙って聞いていた佐々木が口を開いた。
 「朝比奈さんの事なんだが、実は9月から朝比奈さんは転校することになった。京都の叔母さんの所に行くらしい」
 
 佐々木の言葉に俺と古泉は驚く。
 「いつそんな事が決まったんです?僕は聞いてませんよ」
 「古泉君が知らないのも無理はないと思う。僕が話すまで、そのことを知っているのは、鶴屋さんと森さんの二人だけ
だから。僕はお見舞いに言ったとき、たまたま聞いてしまったんだ。サ-クルSOSのメンバ-にもギリギリまで話すつもり
はないと言っていたから」
 朝比奈さんが最も信頼する親友の鶴屋さん、そしてクラブの良き先輩としての森さん。
 この二人だけに伝えたのは、他の皆を心配させたくはないという、朝比奈さんの配慮かもしれない。
 「そのことは僕も考えた。黙っていたほうがよかったのかもしれないけど、ただね、僕は藤原君に朝比奈さんと話して
欲しいと思っているんだ。お互い、あの日から会っていないんだろう?二人が新しい道に進むなら、二人には区切りが必
要なんだ。そうしないと、二人は先には進めない」
 「・・・・・・・・・・・・」
 「二人の関係が終わるわけじゃない。彼氏彼女の関係は終わったけど、二人の姉弟としての絆は残るんだ。そのためには
二人にはお互いの”さよなら”の言葉が必要なんだ」
 
 ”さよならから新しい物語を始めるために”
 佐々木の言葉を受けて、古泉の唇が声を出さずにそう動いたのが、俺にははっきりとわかった。
400 【中吉】 :2013/11/01(金) 08:22:26.79 ID:JddE2vq5
佐々木さんに大吉を!

>>399
ちょい久々ですね支援
401 【大吉】 :2013/11/01(金) 08:23:41.20 ID:JddE2vq5
11月ですね佐々木さん
402 【凶】 :2013/11/01(金) 21:33:19.01 ID:I6XSYaO7
大吉来い
403この名無しがすごい!:2013/11/02(土) 09:47:38.65 ID:1jDJHITa
親友が結婚するのですよ、佐々木さん。
私は嫌な目に遭いましたが、親友は幸せになって欲しいのです。
404この名無しがすごい!:2013/11/02(土) 11:05:26.38 ID:8YT0sAz1
佐々木さんの元にキョンから結婚式の招待状が届いたのを想像してしまったorz
原作では並んで出席or連名で招待する側でありますように
何はともあれ目出度いことは良いことです
405!omikuji:2013/11/02(土) 22:09:46.11 ID:eWlaQFNe
大吉来い
406この名無しがすごい!:2013/11/02(土) 22:56:32.74 ID:8YT0sAz1
手袋と佐々木さん
407この名無しがすごい!:2013/11/03(日) 00:20:01.56 ID:2cJCvhrG
NHKに佐々木さんが出てると思ったら声がハルヒで性格は喜緑さんだった
408この名無しがすごい!:2013/11/03(日) 06:08:16.58 ID:ix6IIVwN
>>407
もうちょい詳しく
409恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/03(日) 14:38:47.70 ID:200/U6Oh
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その11

 高校生活最初の夏休みは、もうすぐ終わろうとしていた。
 それにあわせるかの如く、朝比奈さんは光陽から転校していくことになった。
 朝比奈さんの転校は、大部分の人にとっては青天の霹靂とも言うべきことで、学校中に漣をおこした。
 朝比奈さんは人気ものであり、男女問わずファンも多い。
 「どうして、もっと早く教えてくれなかったのよ!」
 サ-クルSOSの看板の一人として、朝比奈さんを非常に気に入っていた涼宮さんは多いに憤慨していた。
 表向きは、朝比奈さんは自分の家の青山方丈流を次ぐために、京都の叔母さんの家でいろいろ学ぶので
転校するというものだった。転校先は光陽の姉妹校である女子高であり、これには鶴屋さんが手を回して
くれたらしい。
 本当の転校理由を知っているのは、七人。すなわち私、キョン、古泉君、森さん、鶴屋さん、国木田君、
そして藤原君だ。
 朝比奈さんから京都に行く日を聞いたとき、私はすぐにキョンと連絡を取った。
キョンは藤原君にそのことを伝えたそうだが、返事は返ってこなかったそうだ。
 朝比奈さんが京都に出発する日、駅には大勢の人が彼女を見送るために集まった。
 その中に、藤原君とキョンの姿はなかった。

 「みくるちゃん、必ず戻って来てね」
 「修行が終わったら必ず・・・・・・いつ戻れるかわかりませんけど・・・・・・」
 笑顔の影に隠された悲しみ。私の胸は痛んだ。それでも朝比奈さんは見送りに来てくれた人達に笑顔で答え
ていた。
 「皆さん本当にありがとうございます。向こうに着いたら連絡しますね」
 見送りに来た人達に手を振って、朝比奈さんは改札口を通り抜けた。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 改札口を通り抜けたとき、あたしは涙がこぼれ落ちそうになるのをどうにか我慢した。
 大好きな、あたしが生まれ育った街。大切な友達が住む街。そして・・・・・・
 京都ヘ行く列車が来るまでまだ少し時間があった。
 何気なくスマートフォンを取り出し、画像フォルダを開く。
 藤原君と二人で写った思い出の写真。
 春先のサ-クルSOSの合コンで知り合った、花に詳しい男の子。あたしより一つ下の彼に心惹かれ、彼もあたし
を気に入ってくれた。
 美しい花が咲くには時間がかかるように、あたしたちは穏やかに、それでも確実にお互いの距離を縮めていった。
 あたしは間違いなく彼に恋していたのだ。
 だけど、あの日、あたしと藤原君は姉が予約してくれたお店で姉と会い、そして衝撃の事実を聞かされた。
 ”あなたたち二人は血の繋がった異母姉弟です”

 「・・・・・・さん」
 聞き覚えのある、いや、聞き間違うことなどありえない人の声に、あたしは我に返る。
 「藤原君!」
 走ってきたのだろうか、藤原君の少し息が荒い。そして、隣には佐々木さんの友人、キョン君の姿があった。
410この名無しがすごい!:2013/11/03(日) 16:09:30.40 ID:ix6IIVwN
支援
女子は立ち直りが早いと聞くがどうなる
411この名無しがすごい!:2013/11/03(日) 22:04:32.64 ID:ix6IIVwN
久々に野球日本一決定の瞬間まで見た気がするのですよ佐々木さん
今年はけっこう視聴率高いんじゃないかしら
412この名無しがすごい!:2013/11/03(日) 23:54:47.65 ID:y6qYr5r+
佐々木かわいいよ佐々木
413この名無しがすごい!:2013/11/04(月) 04:17:36.85 ID:J+YtNZ7W
>>411
今年は7戦までもつれたな
414この名無しがすごい!:2013/11/04(月) 06:27:26.64 ID:JFnaDZ0M
>>413
ですな
某日本ハムファンの佐々木さんは巨人ファンのキョンと一緒に巨人応援してそうだったけど、負けたキョンを泊まりで慰めてあげたんだろうな
415この名無しがすごい!:2013/11/04(月) 23:48:09.43 ID:cI85qFpo
楽天優勝したな
416この名無しがすごい!:2013/11/05(火) 18:57:41.06 ID:n3nrtd7n
大方の予想通り視聴率も良かったみたいですね佐々木さん
でもセールの恩恵は受けられそうにないのが残念なのですよ
417この名無しがすごい!:2013/11/06(水) 00:17:40.60 ID:SCK3Kjwd
佐々木かわいいよ佐々木
418恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/06(水) 00:48:35.98 ID:NIVXxiN7
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その12

「藤原、しっかり話してこいよ」
 そう言って、キョン君はあたしたちの側から離れた。どうやら藤原くんをここに連れてきたのはキョン君らしい。
 ”キョンはすごい思いやりがあるんですよ。少々鈍感ですけど”
 前に学校で、佐々木さんが嬉しそうにキョン君のことを話していたことを思い出す。
 ”佐々木さん、あなたたちが羨ましいわ”
 彼女たちに血のつながりはないのだから。

 「本当に・・・・・・行ってしまうのですか」
 藤原くんの言葉にあたしは無言で頷く・
 「僕は・・・・・・僕はあなたを失いたくはないんだ・・・・・・姉さん」
 藤原くんが絞り出すように発した言葉に、あたしは胸が締め付けられそうになる。
 姉さん。藤原君とあたしの本当の関係。一番聞きたくはない言葉。でも、今、あたしと彼を結びつける唯一の言葉。
 「あたしには・・・・・・弟はいません・・・・・・あなたの姉であるあたしは存在しないんです、て・・・・・・言いたいの。あなた
に。あたしに弟はいない。いるのは藤原君だって。あたしが大好きな藤原君だって!」
 こらえていた涙が溢れてくる。
 失われた時間は、藤原君との大切な時間は、二度と戻ってこない。恋人としての短い夢は、終わりを告げたのだ。
 「姉さん・・・・・・朝比奈さん・・・・・・」
 あたしは彼の胸で泣いていた。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 もうすぐ京都行きの列車がホ-ムに入って来る時間だ。
 「いつか・・・・・・いつか戻って来てくれますよね」
 「必ず・・・・・・戻ってきます」
 散った花が、季節を巡り新しく違った美しさを身にまとって咲くように、あたしもいつの日かこの街へ戻ってくるだろう。
 「連絡しても・・・・・・いいですか?」
 「待っています。あたしからも連絡入れますね」
 構内放送が、まもなく列車が到着することを告げていた。
 「朝比奈さん・・・・・・姉さん」
 藤原くんが顔を上げる。
 「あなたに会えて良かった。気持ちを整理する時間はかかるけど・・・・・・いつか笑顔であなたを迎えられるようになる日が来る
と思う。姉弟であることを喜べる日が来ると思う」
 「・・・・・・ええ」
 彼がいうように、時間はかかるだろうけど、いつかそう思える日が来るのだろう。
 列車の乗客が降りて、それと入れ替わるように、ホ-ムの人たちが列車に乗り込んでいく。
 
 「藤原君」
 彼の唇にあたしの唇を重ねる。
 最初で最後のキス。恋人としての時間に終わりを告げるさよならのキス。
 あたしが列車に乗り込むと同時に、ドアが締まる。
 ”さよなら、朝比奈さん”
 彼の唇がそう動いているのが、窓越しに見えた。

 ”……みつるくんて言うんだ。一緒に遊ぼう……あたしがおねえちゃんなんだよ・・・・・・”
419この名無しがすごい!:2013/11/06(水) 12:33:10.09 ID:G7XgXKFp
見てるよ支援
420この名無しがすごい!:2013/11/06(水) 18:20:17.57 ID:G7XgXKFp
傘を持って行ったのが無駄になったのですよ佐々木さん
でも雨に降られるよりはましですね
421藤原のVガン風心象風景:2013/11/07(木) 15:35:16.63 ID:PMKSgB5n
 _| ̄|○

     \ へ
         /○ |_      ネエサン
             _|
             ○
                  く
                \/        ミクルネエサン
                ○              タスケテヨ

                   ○|_| ̄

                      ○/       ( ミクル ノ ゲンカク )
                       \ へ

                          ○
                          | ̄
                           ̄|
      ○        ミクル ネエサン・・・
                            /\
                            >

                            _| ̄|○

                                |_ ・;∵..
                                _|・;∵..・;∵..
 ______________________○___  ゴギッ!!!

パパパパーッ
422この名無しがすごい!:2013/11/07(木) 17:47:57.07 ID:bdOvHZx/
>>412
救いが無ひ…
423この名無しがすごい!:2013/11/07(木) 22:08:22.49 ID:zYnTnKQu
>>421
うーーーーーむ、、、、、
凄い話だ
424恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/07(木) 23:56:20.14 ID:CjhsPKsj
  恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS さよならから始まる物語その13


 新学期が始まり、久しぶりに級友達に会うと、この夏の間にどんな出来事があったのかは知らないが、雰囲気が
変わっている人が何人か見受けられる。
 この学校の生徒として過ごす新たな時の始まり。
 まだまだ暑い日が続いているが、とりあえず新しい季節の始まりである。

 夏の間に光陽(ここ)から二人の生徒が去っていた。
 一人は言うまでもなく朝比奈さん。私達が見送った後、(キョンの話だと)朝比奈さんは藤原君と話すことが出
来たらしい。何を話したのかはさすがにわからないけど、少しでも前向きになって欲しいと思う。
 もう一人は森さんだった。
 森さんは突然転校していった。転校先はわからない。おそらく行き先を知っているのは二人だけ。すなわち古泉
君と鶴屋さんだ。
 「一体どうなっているのよ!みくるちゃんに続いて森さんまでいなくなるなんて!」
 涼宮さんは首をかしげていたが、理由は私にはよくわかっていた。
 古泉君の別れの言葉。愛憎入り混じる関係は終わったのだ。
 さよならを告げなければ先には進めなかった、二組の姉弟の物語。
 それはあの日、あの場所にいた私やキョン、鶴屋さんや国木田君の胸に秘めておかなければならない秘密の物語。
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------
 「佐々木」
 放課後、私はキョンと待ち合わせをした場所に向かうと、キョンは既に先に来ていた。
 「待たせたかな?」
 「そうでもないよ。俺も今来たばかりだから」
 夏休みの間、何度かキョンと来たカフェに入り、店の奥の、入口から見えにくい席に二人で腰掛ける。
 「古泉の様子は?」
 「何ともね。彼はあの爽やかスマイルで、他人だけじゃなくて自分を誤魔化しているような所があるから。ただ、
ここから先は推測にしか過ぎないんだけど、古泉君は森さんが去る事を予想していたんじゃないかな。いづれにせよ
どこかで区切りが必要だったんだ。朝比奈さんと藤原君達も悲劇と言えるけど、あのままだとさらなる悲劇を生んで
いた。語弊があるかもしれないけど、あそこで真実を知ったことは結果的には悲劇の拡大を防いだとも言えるかもし
れないね」
 キョンは私の言葉に黙ってしまう。古泉君と藤原君という友人二人が背負った物の大きさに、キョンは胸を痛めて
いた。
 注文したコーヒーが運ばれてきて私達の前に並べられる。
 「・・・・・・佐々木、俺は無力なガキなんだな。何の力にもなってやれなかった」
 キョンのつぶやきに込められた感情に私は胸が締め付けられる思いだった。
 「キョン。僕等は子供と大人の中間だよ。でも、今度の件はたとえ僕等が大人であっても、そんなに大したことはで
きないと思うんだ。結局彼らの問題は、彼ら自身の選択でしか解決できないんだ。キョン、君だけじゃない。僕だって
無力な存在なんだ」
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 いろんなことを話し合い、その後カフェを出て、キョンに家まで送ってもらうことにした。
 「少し日が沈むのが早くなったね」
 「もう秋だからな、まだ暑いけど」
 確かに今年は異常気象だ。
 「佐々木、今日はありがとう。いろいろ話せてよかったよ」
 「とんでもない。いろいろ気にはなっていたんでね。僕でよければ付き合うよ」
 「そういえば、来週から佐々木の通っている塾に行くんだったな。そちらもよろしく頼む」
 夏休みにキョンは私の通う塾に体験入学したのだが、来週から私と同じ日に塾に通うことになったのだ。
 そうこうしているうちに、私の家の前までたどり着いた。
 「それじゃあな、佐々木」
 「ありがとう、キョン。また連絡するよ」
 玄関で手を振りキョンと別れ、私は二階の自分の部屋に上がる。
 窓を開けて外をみると、薄暗い初秋の黄昏時の道を歩いて帰るキョンの姿が遠くなっていくのが見えた。
 その姿に向かって、私はもう一度手を振った。
 
425この名無しがすごい!:2013/11/08(金) 00:04:38.80 ID:5RUSTLlz
>>421 多分この世界の藤原の心はこんな感じだったのでしょう・・・・・・
426『Vガンダムネタ』:2013/11/08(金) 02:40:00.90 ID:s/YskZ0Z
きょこたん「冬が来ると訳も無く悲しくなりません?」
佐々木「元ネタ知ってると笑えないから、やめなさいよ橘さん…」

『便乗、Vガンダムネタ』

キョン「男って殺し合うだけの道具なのかね?」
佐々木「何故そう思うんだい?」
キョン「女には新しい命を作れるのに男は…」
佐々木「その命が育つ環境を守るのが、役目ではないのかい?」
橘「お腹大きくなりましたね、佐々木さん。」

佐々木「腐らせる物は腐らせ焼く物は焼く。ゴミの分別は義務だからね。」
橘「佐々木さんの言う台詞じゃないのですよ!あなたは家の二階で物思いに耽ったり、盗み撮りする私を馬鹿にしていてくれれば良かったのですよ!」
佐々木「……とりあえず表に出ようか、橘さん。」

終われ。
427この名無しがすごい!:2013/11/08(金) 12:39:31.64 ID:MT9Irqzb
>>424支援
修羅場が一段落ついたようでなにより

>>426
元ネタさっぱりだけど、キョンが佐々木家に婿入りしてるのは分かったw
428この名無しがすごい!:2013/11/08(金) 18:46:13.41 ID:MT9Irqzb
今日は空気が霞んでなかったのですよ佐々木さん
429この名無しがすごい!:2013/11/09(土) 19:47:36.38 ID:Z6Njssi5
段ボールを回収に出すの忘れてしまったのですよ佐々木さん…
430この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 00:27:25.83 ID:wp/AyJqy
今晩は
431恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/10(日) 13:12:01.09 ID:7Zigq39y
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その1

 「ねえ、古泉君」
 案外というか何というか、彼女にはある種のわかりやすさというものがある。
 声の調子、表情。そういうものを観察していれば、自ずと彼女の感情がわかってくる。
 ”彼”はそのことに早々と気づいていたらしいのだが、”彼”に対する彼女の思いには鈍感なようで、気づいてい
ないらしい。
 「最近、少し退屈だと思わない?」
 彼女の口が不満の感情を表している。”彼”に言わせれば「不満顔のペリカン口」だそうだが。
 「みくるちゃんも森さんもいなくなるし、鶴屋さんは北高の、国木田君だったけ?とばかりだし、あいつは塾に通
い出すし」
 ”あいつ”とは”彼”のことだ。”彼”は夏休みが終わってから、塾に通うようになったそうだ。それも佐々木さ
んの紹介らしく、通う日も一緒の日ということで、最近では”彼”と佐々木さんが放課後待ち合わせをして、塾に通
う姿を目撃したことがある。時には”彼”が自転車の後ろに佐々木さんを載せて行く姿を見たこともある。その時の
佐々木さんの表情がとても安心したような、彼女にしては無防備だと感じさせるような表情だったのが印象深い。
 そういう話ははすぐに広まりやすいのだが、佐々木さんは気にした様子でもない。
 むしろ気にしているのは外部の人間、まあ涼宮さんである。
 ”そういえば”
 ふと、北高の”彼”の友人だという長門さんのことを思い出した。彼女も”彼”に思いを寄せているようだが、こ
の状態をどう思っているのだろうか?

 「古泉君、人生に一度きりしかないこの学生生活を多いに楽しまなければ、学生であることに意味はないと思うの
よ。勉強だけで終わるのは大いなる時間の浪費だわ」
 「確かに涼宮さんのおっしゃるとおりですね」
 「考えたら、そのためにSOSを立ち上げたはずなんだけど、何かやる気が全く起こらなかったのよ」
 それは精神的に涼宮さんが”彼”の存在のおかげで、ある程度充足していたからだ。しかし、今、”彼”は佐々木
さんとの距離を縮めつつある。そのために涼宮さんは不満がたまってきているようだ(逆に僕は、森さんがいなくな
ったことで、心に空白ができたような気分である。今、森さんは朝比奈さんと同じ学校にいる。これは僕の親戚筋に
当たる新川のおじさんが光陽の姉妹校の学園長であり、彼の計らいで森さんは新川さんの家に下宿させてもらいながら
、学校に通っている。そのことを知っているのは僕と鶴屋さん、そして朝比奈さんの三人である)。
 「SOSの活動を再開してみますか?手配はすぐにでもできますが」
 「う〜ん、そうね。森さんとみくるちゃん、鶴屋さんがいないのはちょっと影響が出そうだけど・・・・・・九曜は谷口
の阿呆とバカップルだしね、結構隠れファンというかマニアというかいたんだけどね」
 谷口君と周防さんの交際は順調のようだ。サ-クルSOSの合コンで知り合って交際している人間は案外多いのだ。
 「そうだ!ねえ、古泉君、北高のあの二人、阪中と橘、あの二人を呼べばいいわ。あ、それと有希も誘うのもいいわ
ね。あの子は地味な感じがするけど、綺麗な顔立ちをしているし、磨けば光ると思うのよ。九曜にも感じが似ているし」
 「長門さんを誘うのですか?」
 「そうよ。絶対人気が出るわよ」
 涼宮さんの審美眼というか、魅力を見つけ出す嗅覚というのは確かなものがあるが、しかし・・・・・・
 「参加しますかね?」
 「まあ、誘うだけだし、一回ぐらいあの子にも経験させてみるといいと思うのよ。それから後は参加するしないは
自由だし」
 確かにそうだ。今までの参加者の中にも一回しか参加しなかった者もいるし、谷口君みたいに何回も参加した者も
いるし、それは本人の自由意思だ。
 「とりあえず、一回SOSを再開させて、それからまたいろいろ考えようかしら。合コンだけ、てのもつまらないから、
他の企画も考えようかしらね」
 涼宮さんの頭の中で、何かがめまぐるしく動き出したようだ。
 
 この時は、後にあんなことが起こるとは僕も涼宮さんも全く思いもせず、”彼”が余計な騒動に巻き込まれる事になろ
うとは考えもしなかった。
432この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 15:08:28.88 ID:3PjQJp1A
支援
古泉頑張れ超頑張れ
頑張ってハルヒをモノにしろ
433この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 20:15:09.26 ID:3PjQJp1A
寒いね佐々木さん
434この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 21:15:49.60 ID:Mco80TnP
寒波ですね佐々木さん
435この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 21:47:35.06 ID:3PjQJp1A
もし

サムデイで女物のマフラー巻いてストーブ運んでるキョンを佐々木さんが目撃してたら…
436この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 22:13:05.33 ID:LTdA16uy
>>435
それならまだしも、ハルヒとの相合傘を目撃してたら……
って、そんなSSあったよーな
437この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 23:36:06.95 ID:3PjQJp1A
>>464
素でそんなシーンあったの忘れてた…佐々木さん悪堕ちしてしまう( ノД`)
438この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 23:37:27.34 ID:3PjQJp1A
安価ミス
>>436でした
439この名無しがすごい!:2013/11/10(日) 23:43:08.46 ID:3vTk7d7L
佐々木さん今晩は
440この名無しがすごい!:2013/11/11(月) 16:33:40.72 ID:Izacezzl
さっきー
441この名無しがすごい!:2013/11/11(月) 18:02:41.63 ID:ro/JCPm9
一人で夕飯は寂しかろうとキョン母から招かれる佐々木さん
442この名無しがすごい!:2013/11/11(月) 22:33:15.67 ID:hvCTe+Kb
>>441 そしてキョンの家庭の味を覚えて、未来の嫁が誕生というわけですね
443この名無しがすごい!:2013/11/11(月) 23:02:23.57 ID:8lgy3lY4
>>442
そして二人は結婚して一緒に住み始めるわけですね
でも毎回夕食時になるとテーブルには何故か長門さんと九曜さんがいるんですね
で、その二人を連れ戻しに朝倉さんと喜緑さんが来るんですね
そこでせっかくだからとキョンが二人も食事に誘うわけですね
そして気がついたら涼宮さんと朝比奈さんと橘さんとヤスミちゃんもいるわけですね
結果、毎日賑やかな食卓になるんですね 分かります




しかし呼ばれない古泉くんと藤原くんは二人寂しく赤提灯へ消えるわけですね
/(^o^)\ナンテコッタイ
444この名無しがすごい!:2013/11/12(火) 07:23:12.35 ID:epl5Qz3o
>>443
長くーハルの食費だけで破産しそうですが、そこは宇宙的な力でゴニョゴニョしてもらうわけですね
445恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/12(火) 22:49:15.65 ID:BU7zLPzl
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その2

SOSの活動の中心にいるのが涼宮さんとは言え、色々と力になっていたのは、森さんと鶴屋さん達の有形無形の
支えであり、それがあったからこそ順調すぎるほど順調に物事の段取りは進んでいた面はあるのだ。
 今回の主催者は涼宮さんと僕だ。とはいうものの、基本的に涼宮さんは企画立案を行い、実務は僕が中心で行
うという感じで動いているので、実質的には中心は僕なのだ。
 まあ、しかし涼宮さんを支える参謀という感じで、悪い気分ではない。自画自賛するわけではないが、森さん
や鶴屋さんがいる時と変わらないくらいで物事は進んでいく。
 「さすがは古泉くんね。頼りになるわ」
 涼宮さんは上機嫌で、お褒めの言葉までいただいた。
 「あたしは有希に会いに行ってくる。ついでに参加できそうな人間、引っ張ってこうかしらね」
 「涼宮さんが直々にですか?」
 「こういうことはトップが率先して声をかけないとね」
 --------------------------------------------------------------------------------------------------
 週に三回、図書委員の仕事はある。昼休みに一回、放課後に二回。
 放課後に彼と一緒に図書委員の仕事をしたあと、一緒に返り、たまにカフェに寄り、コーヒーを飲んだあと、
家まで送ってもらう。
 それは私の密かな楽しみ。彼と過ごす貴重な時間。だけど・・・・・・
 夏休みが明けてから、彼は塾に通い始めた。光陽の佐々木さんの紹介で行くようになったのだけど、その影響で、
彼と帰る日が一日減ってしまった。
 塾に行くようになってから、彼は授業中の態度が変わって行った。真剣に授業に向かい合うようになり、私と一緒
に勉強している時も、彼の学力がかなり向上していることが感じられるのだ。
 「長門が教えてくれるおかげかな」
 彼はそう言ってくれる(正直とても嬉しい)が、それは彼の実力がついてきた証拠。いづれ私も追い抜いて、どん
どん先に行くのかもしれない。
 嬉しい半面、何か寂しい気持ちになる。

 今日は彼と一緒に帰れない。一人で帰ろうと思っていたら、従姉妹の朝倉涼子が待っていてくれた。
 クラス委員長である涼子は、会議があったらしく、図書委員の仕事が終わるのと、会議が終わる時間が変わらない
事に気づいて、私を待っていてくれたようだ。
 「たまにはあたしと帰るのもいいでしょう」
 涼子が笑いながらそう言った。
 
 校門を出て、坂道を下り終えた時だった。
 「有希!今、帰ってるの?」
 聞き覚えのある、元気の塊みたいな、はっきりした大きな声。輝くような笑顔と、誰もが振り返るような美少女。
 「涼宮さん」
 ”どうして彼女がここに?”
 「誰なの?長門さん?」
446この名無しがすごい!:2013/11/13(水) 12:24:28.71 ID:RJM5e7CM
支援
この場にキョンが居なくて良かった
447この名無しがすごい!:2013/11/13(水) 19:20:35.64 ID:RJM5e7CM
この寒さでこたつが誘惑してくるのですよ佐々木さん
448この名無しがすごい!:2013/11/14(木) 18:12:08.22 ID:9D8h+oK+
佐々木かわいいよ佐々木
449この名無しがすごい!:2013/11/14(木) 18:37:28.25 ID:RZBr1kBK
巨大彗星が来るそうですね佐々木さん
でも事前に騒ぎになると巨大化しないジンクスが…
450この名無しがすごい!:2013/11/15(金) 18:39:54.41 ID:B+W2FBdX
紅葉狩り中の佐々木さん
451この名無しがすごい!:2013/11/15(金) 23:49:06.91 ID:PtxzO83W
赤い彗星の佐々木
452この名無しがすごい!:2013/11/16(土) 07:04:13.36 ID:tS66h3yu
上2つの流れでキョンに真っ赤な紅葉を作る佐々木さんを幻視した

佐々木さんがキョンを思い切りビンタするシチュエーションてどんなのだろう
453この名無しがすごい!:2013/11/16(土) 11:33:23.45 ID:dkRt/+/T
>>452
後先考えずに突っ走り、結果オーライではあったが下手したら大変な事になっていた時や…
トラブル体質で助けた人に引きずり回され、模試をサボる羽目になり、連絡はしていたものの
模試終了まで繋がらず、厄介事終了の後に自宅前にいた佐々木さんからビンタ。
「あんまり、心配をかけさせないでくれたまえよ…」
と、キョンを抱き締めながら涙声で囁く佐々木さん…まで妄想したのです。

友人の結婚式の二次会で、Portrait of Tracyを弾く事になったので練習しまくっているのですよ佐々木さん。
ジャコパスLOVEの人、フレッテッドでもエフェクトかまして近い感じにしたら良いですかね?
拘るならフレットレスにしたいのですが、フレットレスは扱いきれないのですよ…。
454この名無しがすごい!:2013/11/16(土) 14:42:01.52 ID:tS66h3yu
>>453
何その燃えと萌えの両立

…扉を開けたら着替え中できゃああああみたいなのしか想像できなかった自分が恥ずかしひ
455この名無しがすごい!:2013/11/16(土) 21:35:12.81 ID:C4+wTCfB
>>452
例えば他のSOS団の仲間の危機に対して、自分は何もできないと立ち尽くしていたら、
気つけ代わりにやるかもしれない。
もっともキョンは自分が無力な一般人だがそれがどうかしたといって、開き直って奔走する男だが。

あと考えられるとしたら悲哀ものになってしまうな…。
456この名無しがすごい!:2013/11/17(日) 17:36:01.31 ID:abXhoQN2
今日は雨上がりなのに結構空気が白く濁ってたのですよ佐々木さん

>>455
やはりハッピーエンドでこそだよね…
457この名無しがすごい!:2013/11/18(月) 15:51:14.95 ID:jufuRlk8
>>453
二人っきりのところを何者かに襲われ建物の中へ
キョンから「俺が足止めをするからお前だけでも逃げろ」的なことを言われるが頑なに聞かない佐々木さん
隙をついて佐々木さんだけ外に出してキョンは笑顔で中から施錠
助けを求めに一度は逃げたものの異能力者’sのおかげで大したこともなく解決
助けられたキョンのもとへ走り出し抱きつくかと思いきやフルスイングのビンタ
キョンにいろいろ文句を言うも途中で涙混じりになり抱きついて号泣
そのままキスへと……でhappy・end






かと思いきや実は佐々木さんに仕掛けられたドッキリでした
九曜さんヘルメットをかぶりプラカードを持って登場
佐々木さんのハイライトさんご旅行で氷の笑顔(げきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム)に
キョンに『KHOLODNYI SMERCH(ホーロドニースメルチ)』炸裂
まで妄想
シリアス?ベタ?なにそれおいしいの?
プロットはすぐ思い浮かべるんだけど文章になかなか出来ない

結婚式の二次会にPortrait of Tracyとはまたえらいものを……
フレッテッドでもそこまで極端に変わることはないので気にしすぎない方がよろしいかと
逆にエフェクトかけすぎは実音の響きがジャコっぽくなりにくいかもです
それよりハーモニクスがキモなんで変な波にならないことと強弱に気をつけるようにしたほうがいいです
実音に引きずられて力入りやすいんですよねあれ
通しで弾けた事は殆んどないですが弾けたらめちゃくちゃ気持ちいい曲なんで頑張ってください
ジャコ好きな人はやっぱりフレットレス愛用者多いですよね
私もフレットレスの音の微妙さ加減が昔から大好きです(因みにトロンボーンもかじってました)
と言うかモロにフェンダー社のジャコモデルジャズベ愛用者です(*^^)v
が、指の圧や角度で音がすぐ半音変わるしポジションマークの位置が違うしそもそも押さえる位置がフレッテッドと微妙に変わるし……
バンド経験ありでしたが他の人とまともに合わせられるようになるまで更に1年半かかりました
それでもまだ納得できる音はなかなか出せません……17万の価値はありますがあれ趣味の世界超えてますよ
458この名無しがすごい!:2013/11/18(月) 17:52:52.27 ID:3gDzecg3
また楽しそうな脚本がぁーギャグでもシリアスでもどんと来い

空気読めないくーちゃんを、珍しく空気読んだきよこたんが佐々木さんがキョンにキスするまで必死に抑えてる様子がありありと
……でも結局引きずられるだけのきよこたんw
459この名無しがすごい!:2013/11/18(月) 19:10:18.67 ID:dNYwdIEY
>>457
ありがとうございます。実音に引っ張られないよう気を付けて頑張りますd(^_^o)
通しで弾く(但しルパート)のは何とか出来ますが、ジャコの音には遠過ぎて。
ベースがM#265で、パッシブにしても微妙なんですが、これはこれで行きますか。
ジャコモデル17万…。買うかどうか迷う、絶妙な値段なのです…。

今日は生憎の天気模様で、満月が見えないのですよ佐々木さん。
冬の凛とした寒さ、月明かりの中の佐々キョンを書こうとしたら、既に書いていたのですよ…。
何故か佐々木さんとキョンのイメージだと冬になるのですよ佐々木さん。
460この名無しがすごい!:2013/11/18(月) 19:23:48.41 ID:3gDzecg3
佐々木さん単体では秋のイメージが一般的?
でも空気が澄んでる冬の夜空を、キョンと二人寝転んで語り合いながら眺める様子も確かに似合うなあ
461この名無しがすごい!:2013/11/18(月) 23:57:00.24 ID:wYiYvYom
konnbannha
462この名無しがすごい!:2013/11/18(月) 23:58:25.30 ID:sBprDX17
まだあったのか
このスレ
463この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 18:14:43.17 ID:2R47sZoG
佐々木さん、俺…頑張ったよね?
炬燵のスイッタ入れても良いよね?
464この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 18:16:55.86 ID:srGIkK/P
すまない……
残念ながら「炬燵のスイッタ」なるものの存在は寡聞にしていままで聞いたことがなかったので、
入れて良いものかどうか僕の口からはなんとも言えないのだよ……
465打ち間違えたよちくしょう:2013/11/19(火) 19:10:45.00 ID:2R47sZoG
うああああ
     あ
      あ

       あ


        ぁ




         ・
466この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 22:18:46.23 ID:R4ZHQq6i
どっかで聞いた事あるが、一流の作家は虚実の使い分けが上手いそうだ。
ハルヒシリーズでは、出来るだけ「虚」が長門を始めとする宇宙人関連や
未来人の時空移動理論で 「実」がキョンや佐々木など、普通の人間で書かれている。

他のライトノベルだと「魔術」「超能力」が存在している禁書目録シリーズや
異世界から現在に現れた魔王が、アルバイト店員として仕事に励む「はたらく魔王さま!」など
架空とリアリティの組み合わせが上手くて、リアルっぽく見える楽しい物語になるんだと思うな。
467この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 22:39:25.27 ID:3gH8C2Zo
本当の中に少し嘘を混ぜるといいね、とも聞くな
468この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 22:45:07.20 ID://aMkif/
つーかファンタジーだろうとSFだろうとリアル路線だろうと、
人間心理では嘘や繋がりのない展開書いちゃダメなんだよ、
それだけのこと
469この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 22:52:27.58 ID:nOowSh3f
>>466 ライトノベル好きですけど、一番好きなのは現実的な話なんですよね。
弟は私より多くラノベを読んでいたんですけど、ラノベにありがちなハ-レム
展開とか、正直興ざめとか言い出して、以前より読まなくなりましたね。
ヘタの横好きでSSを書かせてもらっているんですけど、「虚」よりも「実」、
普通の「彼ら」を書きたいという気持ちの方が強いですね。しかし、実はそれが
一番難しいわけで、案外外に出ている弟に比べ、引きこもり傾向の姉はリアルが
書けない・・・・・・
470この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 23:19:11.85 ID:nOowSh3f
何げに角川のスニ-カ-文庫のTwitter覗いてみたら、1月1日の新刊に関して思わせぶりな
記述がありますね。もしかして涼宮ハルヒシリ-ズの新刊でしょうか?
471この名無しがすごい!:2013/11/19(火) 23:59:57.34 ID:u+ilw0Ho
ワンバンコ
472この名無しがすごい!:2013/11/20(水) 07:07:38.76 ID:HOyAw/51
ちゃんとした小説なら色々考えるんでしょうけどね
SSならあまり細かいこと考えないで妄想全開で書いちゃえばいいんですよ
学生服着るような子供がいる30半ばのお姉さん(←ココ重要)がこうなんだから皆さんも気軽に書きゃいいんですよ
もちろんそのスレの趣旨に合って最低限人が読めるものにする必要はあります
VIPやニュー速だと容赦ない悪態が返ってくるみたいですが、ここはそういうこともないですし
そもそもスレ立てのやり方知らないから関係ないし……やってみたいですけどね

ただ、佐々木さん中心だと短編しか思いつかないんですよねぇ それも一昔前の変なオチがつくものばかり
もう死語に近いって言われる言葉が好きでシリアスで終わるのが苦手 でもいいんです(開き直り
スレ立てして書くくらいの長編だと『キョンと愉快な仲間たち』になるからここの趣旨とはかなりずれてしまうんですよね……

角川への期待は作者のこともあってあまりしないようにしてます
いいことであればそっちの方が喜び多いですからね
473この名無しがすごい!:2013/11/20(水) 08:08:00.44 ID:b3/+lTHI
新刊は正式に出ると発表されるまでなんとも言えないだろうな。
おそらく次は短編集だろうからゴメンネにはならないと思うが。

場合によってはあてずっぽうやRainy Dayの再録かもだが、新作で佐々木さん本人の登場はともかく
最低でもキョンの口から佐々木さんについて何か言及して欲しいところだ。

あ、でも佐々木さんの「すまない」の描きおろし出たら許してしまうかもしれんw
474この名無しがすごい!:2013/11/20(水) 21:20:19.79 ID:WXb+Sgx9
はたらく魔王さま!は主人公を慕う女子高生バイトの女の子の
名前が佐々木なんだよな。ハルヒの佐々木さんは、バイトより勉学に励みそうだけど。
475この名無しがすごい!:2013/11/20(水) 22:14:48.10 ID:yYSmp9Zq
どうあれ、続きは早く出て欲しいですね。
476この名無しがすごい!:2013/11/20(水) 23:46:01.07 ID:b3/+lTHI
>>474
あっちの佐々木はビジュアルしか知らないので、巨乳になったきょこたんって印象なんですわな。
実際のところは生憎よくわからんのだが…。
477この名無しがすごい!:2013/11/21(木) 01:24:52.93 ID:j9SvId0z
>>474
渋とかで検索するとそれとモバマスが優先的に表示されるから色々と辛いです
478この名無しがすごい!:2013/11/21(木) 18:15:14.51 ID:B4uuXfzA
みくるの世界の藤原は、みくるの夫かもしれん
479この名無しがすごい!:2013/11/21(木) 18:58:10.31 ID:aOdFUaVl
久々に藤原はみくるの息子説
480この名無しがすごい!:2013/11/21(木) 22:27:19.83 ID:PozTQVuS
>>478 その説に一票。実は私のSSでも、その設定で書きました
481この名無しがすごい!:2013/11/22(金) 22:08:36.55 ID:Anmsp8zc
こたつむりになる佐々木さん
482この名無しがすごい!:2013/11/23(土) 10:16:59.84 ID:dLp7OE/I
分裂以前は藤原くんと朝比奈さんの関係は色々言われててそれに沿ったSSもたくさんありましたね
敵対組織・仲間・親子・夫婦・姉弟・兄妹
VIPでは姉弟のような肉親関係だと「それは無理あるだろ〜」みたいなことを言われてましたが……
平行世界でその人がいるいないはあっても肉親と同一人物が他人になったりするもんですかね?
遺伝子の継承を考えると確率の低さは天文学的な数字になりますがそれが存在すると思えるのもファンタジーの醍醐味なんでしょうね
483この名無しがすごい!:2013/11/23(土) 18:57:36.11 ID:yPz/q2HO
絶対に許せないタブーを犯したから家族として認めない、とかならあるいは
484この名無しがすごい!:2013/11/23(土) 22:19:41.63 ID:dO7YRXLL
驚愕出る前まではみくるも藤原もキョンの母親違いの子孫じゃないかと妄想していた。
485この名無しがすごい!:2013/11/23(土) 22:50:13.22 ID:yPz/q2HO
ハルヒ世界と佐々木さん世界じゃないのかw
486恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/23(土) 23:40:18.75 ID:8mD8T4Yr
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その3

彼女のことは、長門さんから聞いてはいたけど、どうもとらえどころがない。
 「へえ、有希の従姉妹なわけ。有希も美人だけど、アンタも相当な美人ね」
 カフェの、通りに面した窓際の席にあたしと長門さんが並んで座り、向かい合って光陽の女子生徒・涼宮ハルヒ
が座っている。
 「あたしは涼宮ハルヒ。学生生活を面白くするサ-クル『SOS』の、今の責任者てとこかしら」
 ひと目で人を惹きつける美しい顔立ちに、妙に力強さを感じさせる口調。
 「あたしは朝倉涼子。長門さんの従姉妹にして親友ね」
 あたしがそう名乗ると、彼女は無遠慮に顔を近付け、値踏みするようにあたしを見た。
 「橘や阪中だけじゃないのね。案外北高も美人が多いのね」
 「よく知っているわね、北高の生徒の事」
 「まあ、その二人とは夏に旅行に行っているし、それに谷口もいるしね。あいつが『SOS』の北高の窓口だから」
 想像以上に、彼女の人脈は広いようだ。

 「つまりあたしにあなたたちが主催する合コンに参加しろと?」
 「そういうこと。美人が参加したほうが盛り上がるし。単なる人数合わせでも、美人が多いのと少ないのじゃ、大分
違うから。まあ、男の方がもう少しマシなのいないかしらと思うことはあるけどね」
 そういえば、キョン君は人数合わせで谷口君に合コンに誘われた、と前に話てた事がある。そこで確か佐々木さんという
女の子と知り合って仲良くなったらしいと長門さんから聞いたけど。
 佐々木さんというのもなかなか魅力的な人物らしく、長門さんとキョン君、佐々木さん、それにこの涼宮さんと四人で
出かけることもあるらしいのだが、長門さんは佐々木さんのことをかなり高く評価していた。
 長門さんはキョン君のことが好きみたいなんだけど、佐々木さんもキョン君のことをかなり気に入っているみたいだ、と
長門さんが言っていた。そして、目の前の涼宮さんもキョン君を気に入っているようだ、と言っていた。
 長門さんの恋はライバルが多いようだ。

 結局、あたしは涼宮さんの主催する合コンに、長門さんと一緒に参加してみることにした。
 別に彼氏がほしいというわけでもないが、最近少しあたしは退屈していたからかもしれない。
 「これで目玉は揃ったようなものだわ。今回光陽(うち)が少しタマ不足かなと思っていたけど、
 有希たちが参加してくれるなら、盛り上がりそうよ」
 輝くような、でもどこか何か良からぬことを企んでそうな笑顔を浮かべ、あたしと長門さんの手を握りながら、涼宮さん
はそう言った。
 「早速、古泉君に連絡しないと。善は急げよね」
 スマートフォンを取り出し(それがキョン君と同じものであることにあたしは気付いた)、涼宮さんはメ-ルを打つ。
 送信後、すぐに返事が返ってきたようだ。
 「さすが古泉君。どうやら準備は終わったようね。いいタイミングだわ」
 スマフォの液晶画面を私達に見せると、どうやら会場らしき場所が映し出されていた。
 「今度の土曜日、ここに集まるわよ」
487この名無しがすごい!:2013/11/24(日) 06:41:57.34 ID:LfrbzExJ
支援
長門の参加を止める役かと思いきや一緒に参加か
そういや元々急進派だもんね
488この名無しがすごい!:2013/11/24(日) 08:03:50.76 ID:2Hn5IgGa
長門VS周防
489この名無しがすごい!:2013/11/24(日) 22:15:38.77 ID:LfrbzExJ
今日古本屋で驚愕上下に挟まれた秘話と思しき薄い本のセットを見つけたました
でも値札付いてなかったから躊躇って結局買わなかった…
判断間違ったでしょうか佐々木さん
490この名無しがすごい!:2013/11/24(日) 23:39:57.59 ID:tiTVCPN1
まんだらけとかで多分安く買える(定価以下、普通の古本+200円ぐらい)ので、
値段不明なら手を出さなくて正解です。
491この名無しがすごい!:2013/11/25(月) 08:06:55.86 ID:KZkQKwa4
>>486
乙です 朝倉さん参加で男性陣がどうなるのか?
キョンのスマホの機種を知ってるってのもフラグだったら更なる修羅場になるんですかね(ワクワク
それとも別の男性と……あれ? 藤原くん以外だとやっぱり修羅場?
あくまでも長門さんを応援する立場になるのでしょうか?

>>489
私がたまに行く古本屋では去年上下巻セットと秘話付きセットの2種類置いてました
値段の差は確か50円……
別に買わなくても店員さんに値段だけ聞いてみれば良かったんじゃないですかね?
492この名無しがすごい!:2013/11/25(月) 12:30:18.90 ID:l/w1eUf0
>>490-491
気長に構えて、他もちょこちょこ巡りながら1ヶ月ほど残ってたら縁があるのだろうと買うことにします
493この名無しがすごい!:2013/11/25(月) 17:57:06.92 ID:AHXNd/Hs
正直言って藤原は驚愕での、長門を九曜に攻撃させたりハルヒを殺そうとするわで
他人の力を借りているだけなのに、絶対的な優位に立っているかのように威張り散らして
これらが藤原の印象の悪さに拍車をかけたな。
494この名無しがすごい!:2013/11/25(月) 23:21:35.06 ID:pV68elD7
藤原ってキョンいわく古泉以上にイラつく笑い方するとか言ってたと思うが、
個人的になんとなくキョンにも似たところもあるかなと思っていた。藤原の方が性格悪いんだけど。

>>493読んで少し理由付けできそう。
2人とも皮肉屋で他力本願、でも自分の立ち位置理解しつつハッタリが得意といったところか。
495恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/25(月) 23:36:15.77 ID:Q0LEk7f8
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その4

会場になった場所は、最近話題になった、一軒家をレストランに改装した店だった。
 一軒家といっても、その広さは半端ではなく、屋敷といってもいいくらいだ。
 「古泉君、こんな洒落たお店よく見つけたわね」
 「まあ、実をいえば、このお店は、知り合いが来週から営業する予定なんですが、今日は試運転とでもいいますか、皆さんに
試食も兼ねて、この店の使い勝手を評価していただこうかと思いまして。オ-ナーとしては、結婚式の二次会とか企業のパ-ティ
の利用を考えているみたいですよ」
 「なるほど、それで安く済んだわけね」
 高校生が気軽に利様できるような店ではないような気がしたのは正しかったらしい。光陽はお金持ちが多いとは聞いているけど、
今日は北高や、あるいは寛西高校(男子校で、スポーツの名門校として有名)や他の高校からも何人か来ているが、そんなに会費
は高くなく、これなら敷居は低くて参加しやすいのだろう。
 それにしても、涼宮さんと古泉君の顔の広さには少し驚いている。合コンとかに参加するのは初めてで、どんなものかわからな
かったけど、自己紹介を聞いていたら、普段あまり交流がない市外の高校の生徒とかも来ている。二人は独自のつながりを持って
いるようだ。
 涼宮さんに声をかけられ、参加を決めた従姉妹の涼子はかなり人気をあつめていて、多くの男子に声をかけられている。美人だし
人当たりは良いから、やはり人気が出るのだろう。
 橘さんと阪中さんも人気が高いけど、二人は古泉君の側にいることが多い。夏の旅行でも二人は古泉君の側にいたけど、やはり二
人共古泉君を好きなんだろう。

 「有希、楽しんでいる?」
 涼宮さんが私の隣の席に座る。
 今、私がいるのは、広い庭に面した窓側の席だった。
 「正直、どんなふうに振舞えばいいのかわからない。合コンに参加するの初めてだから」
 「へえ、そうなの?朝倉は慣れている感じだから、てっきり有希も慣れているかと思っていたんだけど」
 私は首を横に振った。
 「そういえば、キョンも参加したとき、そんな感じだったわ。有希みたいに座っていて、少し戸惑ったような顔をしていたわ。人数
合わせで谷口が呼んだらしいけど、明らかに浮いた感じがしていたわね」
 おかしそうに涼宮さんは笑う。
 「その様子がちょっと気になったんだけどね。そのすぐ後に佐々木さんが声を掛けていたんだけど、でもきっかけてわからないものよね
。今じゃその佐々木さんとキョンがよく一緒にいるんだから」
 そう言ったときの涼宮さんの横顔は、少し悔しそうな表情に見えた。
 「ねえ、有希。有希は今まで男と付き合った事はあるの?」

 中学時代、私はある男の子に告白されたことがある。スポーツマンで、私に一目ぼれしたと言って、交際を申し込んできた。
 真面目なタイプで、結構クラスメイトに男女問わず人気があって、私も好感を持っていた。その彼に告白されたのは、嬉しかった。
 それから私は彼と付き合い始め、しばらく彼氏彼女の仲だった。だけど、彼は理想を押し付けるような傾向が強く、私も彼の好みに
合わせようとした(彼のことが好きだったから)が、やがて違和感が大きくなり、彼についていけなくなっていた。
 ギクシャクしだして、やがてすれ違いを感じ心は離れてゆき、彼は他の女の子を好きになって、私は彼と別れた。
 「勝手な男ね。あんな男と付き合って、本当に無駄な時間だったわね」
 涼子は多いに憤慨していたが、私も別れた直後は気分的に少し落ち込んだ。
 卒業後、彼はスポーツ推薦で私とは別の高校に進学したが、もはや私には関係のないことだった。
 
 涼宮さんに言われ、私は中学時代の事を思い出した。半年ぐらい前のことなのに、随分昔のことのような気がする。

 「遅いぞ、何やっているんだ」
 寛西高校の男子の声で、私は我に返った。
 「すまん、もうすぐ隣町の高校のアメフト部と練習試合があるんだ。負けたら地獄の合宿なんでな。お前に誘われていたから、無
理言って抜け出してきたんだ」
 聞き覚えのある声。昔好きになって、でも苦い思い出になった男の子。
 ”中川くん・・・・・・”
 半年振りに見る彼の姿だった。
  
496この名無しがすごい!:2013/11/26(火) 18:22:39.23 ID:drINx9iA
支援
果たして朝倉さんは鬼、修羅、夜叉のどれになる?
497この名無しがすごい!:2013/11/26(火) 20:36:45.03 ID:OrVtkhSy
しええん
498この名無しがすごい!:2013/11/27(水) 01:35:41.39 ID:Qu+mnRaU
支援
朝倉さん
取り敢えず長門さんと付き合っただけでなく他の女性にまで手を出した中川はやっちゃってよし
499この名無しがすごい!:2013/11/27(水) 07:46:59.99 ID:fw1ygBiH
この長門さんは中川と「しばらく彼氏彼女の仲」で、更に「中川の好みに合わせようとした」って言ってるわけだから、
まぁおよそリア厨カップルがヤる様な事は大体ヤってたってことなんだよな…
押しの弱い長門さんならキスは当然として、セックル位経験しててもおかしくない

何このすごい寝取られ感…興奮してきた
500この名無しがすごい!:2013/11/27(水) 19:01:21.68 ID:Eqi0quQC
>>496
どれも結果一緒や!……とツッコんで欲しかった(´・ω・`)

>>499
中学生の頃だろうから、そこまでは行ってないんじゃないかな
てか朝倉と仲良しみたいだからフラれたって情報は既に伝わっとるかも…
501この名無しがすごい!:2013/11/27(水) 20:28:43.14 ID:zvorbom9
原作の中川って
中学時代は長門の姉妹に惚れていたりするのかな?
502恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/28(木) 00:27:06.37 ID:xkgO6yFe
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その5


 投げたダ-ツが、的の中心に突き刺さっていた。
 「すごい、百発百中だね」
 何故かここにあった、ダ-ツゲ-ムにあたしを誘った男の子が驚嘆の声を上げる。
 まあ、投げたダ-ツが5本中5本とも中心ゾ-ンに刺さっていれば、大抵の人間は感心するだろう。
 「コントロ-ルいいね。ソフトか野球でもやっていたの?」
 「ソフトは小学生の頃にやっていたわ。でも、昔からこう言うのは得意なのよ」
 しばらくおしゃべりに興じたあと、あたしは長門さんの様子が気になって、その場を離れた。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「久しぶりね、中川君」
 涼子の顔は笑顔ではあるが、目は笑っていない。口調にもいささか刺が感じられる。
 私の姿を見て、中川君は困惑したような表情を浮かべていたけど、それは私も同じだった。とりあえず、挨拶はし
たけれど、何を話していいかわからない。
 この場を離れようかと思ったとき、私の側に涼子がやってきたのだ。
 「長門・・・・・・それに朝倉・・・・・・」
 「こんなところで会うとは思わなかったけどね。でも不思議ね。確か中川君、彼女がいたんじゃなかったかしら?」
 涼子の言葉はかなり刺々しくなっている。私と中川君が別れたとき、涼子はかなり激怒していたし、今でもいい感情
を持ってはいないのだ。
 「・・・・・・彼女とは別れたんだ・・・・・・」
 大きい体に似合わないような小さな声で、中川君はそう返答した。
 「へえ、そうなの?長門さんの時よりも短いんじゃない?」
 中川君は何も言えず、黙ってしまった。
 「・・・・・・涼子、もういいよ。他の場所に行こう」
 私はいたたまれない気持ちになり、涼子にそう囁く。
 「それじゃあね。ここで中川君が気に入りそうな女の子でもしっかり見つけなさいね」
 中川君の顔を見ることなく、私と涼子はその場を離れ、庭先に設けられたテラス席へと移った。
 ------------------------------------------------------------------------------------------
 合コン終了後。
 私、涼子、それに涼宮さん、古泉君、橘さん、それと阪中さんはこのレストランに残っていた。
 古泉くんの知り合いだというオ-ナーシェフの好意に寄り、私達には、特別に食後のデザ-トとコ-ヒが
出されたのだ。
 「中々盛況だったんじゃない?」
 涼宮さんは機嫌がいいようだ。
 「まあ、成功と言えるんじゃないですかね。結構盛り上がっていましたし。上出来だと思いますよ」
 「そうね。ところで、古泉君、古泉君が気に入りそうないい子は見つけた?」
 「え、いや、今回は僕は裏方ですので、そんな暇はとてもとても」
 古泉君は爽やかスマイルを浮かべてそう答えたが、何となく誤魔化しているようにも見えた。もっとも
、その言葉を聞いて、橘さんと阪中さんはホッとしたような表情をしていたけど。
 「朝倉も結構声掛けられていたじゃない。やっぱり私の目に狂いはなかったわね」
 実際涼子は、あの後も多くの男子から話しかけられていて、中川君の時とは別人のように、明るい笑顔を
見せていた。
 「有希は誰かいい人見つけた?」
 「ううん私は食べる方に神経取られていて・・・・・・。私はこういう場は向いてないのかもしれない」
 「色気より食い気なわけ?まあ、それでもいいわね。あ、でも、終わりぐらいに気づいたんだけど、有希の事を
気に入っていたような男がいたわよ。そいつ、ずっと有希の事を見ていたんだけど・・・・・・あいつ確か、寛西の男子
だったわよね。遅れてきますとか事前に連絡はもらっていたけど」
 それが中川君であることは明白だった。
 私は無意識に、自分の握り締めた手に力を入れていた。
503この名無しがすごい!:2013/11/28(木) 07:18:46.37 ID:R3TSjSF8
>>502
乙です
離れれて改めて長門さんの良さに気付いたんだ、の焼け木杭パターンですかね
スレ的に佐々木さん以外の女性はいずれも別の男性と、ってなるんでしょうが……
中学生だった事を考えても理由が理由だけに中川君とはなんか嫌だな
理想を押し付ける相手に無理して合わせるような恋愛はうまくいきそうにないしね
中川君が改めて長門さんのことを気になってるのは合わせてくれてた頃のイメージが強いからだろうし
また付き合ってもいずれ同じことの繰り返しになるんじゃないかな
旦那の友人がそんな感じだったからね

この長門さんはそれなりに報われて欲しいね
504この名無しがすごい!:2013/11/28(木) 12:13:32.93 ID:Bkwy6ItF
支援
もういっそ両手に花でも良いんじゃないかとすら思う今日この頃
505この名無しがすごい!:2013/11/28(木) 18:05:54.65 ID:Bkwy6ItF
洒落にならないくらい寒い1日でしたね佐々木さん
体感的には雪よりみぞれの方が体温奪われる気がするのですが、実際のとこはどうなんでしょう?
506この名無しがすごい!:2013/11/28(木) 20:38:35.50 ID:KQkghJXk
久々に渋で佐々木タグ巡回したら描いてる人いるみたいでほっこりしたでござる。

>>505
最近気温の上下が激しいからつらいっす。
体感温度で辛い寒さというと断然湿度が低いと余計にこたえると思うのです。
507この名無しがすごい!:2013/11/29(金) 12:38:13.16 ID:pIlWAv8z
>>506
確かに論理的に考えると、寒さは湿度も低そうな雪の方が辛そうですね
自分のはあくまで感覚的なものなんで…
雪は服に付いてもすぐに払えば大丈夫のようなイメージがあります故
508この名無しがすごい!:2013/11/29(金) 19:04:19.75 ID:pIlWAv8z
アイソン彗星蒸発のニュースを見ながら、キョンに「涼宮さんに近付き過ぎて、キミもああなったりしないようにね」と釘を刺す佐々木さん
509恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/11/29(金) 23:44:57.93 ID:YtwxbKGv
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その6


 最近長門の様子が少しおかしい。何か元気がないように感じる。
 3日前、長門から携帯の番号を変えたから、と言われ、新しい番号を登録させてもらったのだが、
どうもその日あたりから、少し変なのだ。
 何となく考え込んでいるような、かと思うと上の空のような感じで、集中力にかけたような様子を
見せたりする。
 と同時に、俺は朝倉の機嫌が何か宜しくないような感じであることに気づいた。

 放課後。今日は図書委員の当番の日だった。
 長門と受付をしていたのだが、今日はあまり本を借りる生徒もおらず、居残って勉強する生徒もい
なかった。
 「早めに閉めるか」
 このあたりは図書委員の裁量に任されていて、三十分ぐらい早めに閉めても苦情を言われることは
ない。
 長門に声を掛け、俺は閉館の準備に取り掛かった。
 ----------------------------------------------------------------------------------------
 最近は長門が我が家による回数が減っていて、本日、うちに来るのは一月ぶりぐらいである。
 「有希ちゃん、お久しぶり!」
 シャミセンを追い掛け回していたらしい妹は、笑顔で長門を歓迎する。コイツは佐々木にもなつい
ていて(佐々木は塾に行っている関係で、最近我が家に来る回数が増えている)「お姉ちゃんが二人
出来たみたい」と喜んでいるが。
 シャミセンは拾い主の姿を見て、喉を鳴らして長門の側によってくる。
 「いらっしゃい。久しぶりね。元気にしていた?」
 母親が長門の姿を見て、声をかけた。
 
 我が家で御飯を食べたあと、俺は長門をいつものように送ることにした。
 相変わらず母親は、長門にいろいろ持たせて俺たちを送り出した。
 すっかり夜の闇に包まれた道を長門と話しながら歩いていたが、その時俺は妙な気配を感じた。
 ”?”
 誰かがつけてくるような気配だった。
 
 マンションの入口に着いた時、普段ならここで別れるのだが、今日は俺も中に入った。
 「どうしたの、キョン君?」
 「長門、誰かが俺達を尾行していた」
 俺の言葉を聞いて、長門の顔色が変わる。
 入口の影から外を覗くと、体格のいい(暗がりで顔はよく見えないが)男の姿が見えた。
 「あいつ、制服姿か?あれは確か寛西の制服じゃないか?」
 その時、俺の左腕に強い力が加わるのを感じた。
 「長門?」
 長門が俺の腕にしがみついていた。
 --------------------------------------------------------------------------------------
 長門の部屋には何度かおじゃましたことがあるが、朝倉の部屋にお邪魔するのは初めてだった。
 「ありがとう、キョン君。キョン君が送ってくれて良かったわ。本当に未練がましいんだから」
 俺の話を聞いて、朝倉はかなりご立腹である。美人が怒ると迫力があるなと、俺は少々間抜けな
事を思っていたが。
 「朝倉、俺達をつけてきた男に心あたりがあるのか?」
 「まあね。あんまり言いたくはないんだけど・・・・・・長門さんの中学時代の彼氏よ。とっくの昔に
別れたんだけどね」
 
 
510この名無しがすごい!:2013/11/30(土) 00:51:35.59 ID:xLmaoHyK
>>509
乙です
あー、中川君ストーカーになっちゃったか
これって何気にキョンも危ないんじゃないかな?
511この名無しがすごい!:2013/11/30(土) 07:17:26.56 ID:SlKgtbZO
支援
鶴屋家や森さんの支援は受けられそうにないし、他に上からガツンとやってくれる人は誰が居るかな
512この名無しがすごい!:2013/11/30(土) 22:24:04.57 ID:SlKgtbZO
風呂上がりに久々暑いという感覚を覚えるのですよ佐々木さん
513 【吉】 :2013/12/01(日) 11:12:54.59 ID:g+e1ASLo
12月ですよ佐々木さんに大吉を!
514 【豚】 :2013/12/01(日) 11:15:40.50 ID:g+e1ASLo
まだまだ!
515 【大吉】 :2013/12/01(日) 11:17:31.00 ID:g+e1ASLo
豚はきょこたんに食材として提供
516恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/01(日) 22:47:12.91 ID:SzeAgyHW
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その7


 中学時代の長門に彼氏がいたというのは、少し驚きだったが、そこまで意外と言う気はしなかった。
 長門は地味な感じがするが、綺麗な面立ちをしているし、少しおしゃれすれば男子受けはさらに高まるだろう。
 個人的に付け加えれば、メガネをコンタクトに変えればさらにその魅力はますような気はする(眼鏡をかけていても充分綺麗
だが、俺には眼鏡属性はない)。
 佐々木も同じ事を思ったらしく、「長門さんは宝石の原石だね。それもとびきり上等の」と評したことがある。
 
 話を聞いていると、長門の元彼である中川という男は、いささか勝手な気がするが、ただ、長門に未練を残しているというのは
わかるような気はする。男と女、どちらが未練がましいかといえば、間違いなく男である。
 理想を、というか男の勝手な妄想を、女に押し付けがちなのが男の最大の欠点であるといえる。中川はそれをやり、なおかつそ
れが受け入れられないとなると、他の女に目が移り、長門と別れたわけだが、その相手とも別れると、長門の良さが認識できて、
未練が持ち上がってきたわけだ。
 俺の父親がよく見ている寅さん映画のセリフじゃないが、「男はあきらめが肝心」なのだが、どうもそこら辺ができないのが
昨今は多いようだ(まあ、高校生だし、未熟なところがあるのは当たり前だ。俺だって、ひょっとすると中川と大して変わらない
ことをするかもしれない。人は時々思いがけないことをする生き物だというのは、佐々木からよく聞かされる言葉である)。
 とはいうものの、当の長門は中川と復縁するつもりは毛頭ない。ハルヒが主催したサ-クルSOSの合コンで(長門に目をつけたハ
ルヒの目は確かだ。佐々木と同じように長門を評価しているようだが、案外二人は似た所があるのかもしれない)、偶然再会した
後、中川は電話をかけてきて、よりを戻したいといってきたそうだが、当然長門は断った(当たり前の反応だな。自分で振ってお
きながら、そういう事をするのは虫が良すぎる)が、その後も何度か連絡を入れてきて、長門は携帯の番号を変えたのだ(つまり
3日前に長門が携帯の番号を変えたから、といったのはそう言う事情があったわけだ)。
 その後は、連絡は無くなったそうだが、今日、俺と長門の後をつけてきたわけだ。

 「どうすればいいと思う?キョン君」
 朝倉の問いかけに、俺はしばし考え込む。
 中川という人物の話を聞く限り、いささか思い込みが激しいところはあるが、話が通じないような人間でもないようだ。
 俺達の後をつけてきたのはまるでストーカーとも取られかねない行動だが、それがすぐに危険かと言われると、そうとは言えな
い。そこまで短絡的な人間でもなさそうだ。
 沈黙が部屋を支配する。
 その中で俺は考え込み、一つの決意を固めた。

 「長門、朝倉。俺は中川と話しをしてみようと思う」

 「でも、キョン君、中川くんが話を聞くと思う?」
 「いきなりやるわけじゃない。事前に連絡を入れてからだ。ただ、長門と朝倉には協力してもらう必要があるんだが・・・・・・」
 「それはもちろん。これは本当は私と長門さんの問題だし」
 「もう俺も関わっているんだ。それに長門は俺の大事な友人だ。いろいろ長門には世話になっているし、こんな時こそ、力になって
やれなくて、何が友人だって思うしな」
 「キョン君・・・・・・ありがとう」
 長門がそう言って下を向く。
 俺は長門の手を取る。
 「たまには役にたたせてくれ。勉強や図書委員の仕事じゃ長門に世話に成りっぱなしだから」
 その言葉を聞いて、長門が俺の手を握り締めた。
 
517この名無しがすごい!:2013/12/01(日) 23:56:46.45 ID:VGa/5IwA
くつくつ
518この名無しがすごい!:2013/12/02(月) 00:53:45.70 ID:ehOt0RE3
>>516
乙です
まーたキョンってば長門さんの親愛度を上げるような真似をしよってからに
映画消失の病院屋上のシーンみたいにいい感じ出してるんでしょうねぇ
519この名無しがすごい!:2013/12/02(月) 12:08:14.23 ID:HWJ1nlxz
>>516支援
ナイフ持ち出す展開になるのだろうか
誰とは断定しないが
520この名無しがすごい!:2013/12/02(月) 18:00:59.59 ID:HWJ1nlxz
不気味な霧の中をさまよう佐々木さん

現れたキョンとの会話が理想通り過ぎるから偽物と気付く佐々木さん
521この名無しがすごい!:2013/12/02(月) 22:27:03.66 ID:nrq7JjS3
佐々木かわいいよ佐々木
522恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/02(月) 22:42:47.63 ID:ql+zP52r
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その8

「それじゃ日曜日に」
 長門と朝倉と話し合いを終えて、俺は朝倉の部屋を出ようとした。
 その時、俺のスマートフォンが音を立てた。
 画面をみると、そこには佐々木の名前が記されていた。
 『やあ、キョン、今話しても大丈夫かい?』
 「ああ。大丈夫だが」
 『実は野球のチケットを母親からもらったんだ。デ-ゲ-ムの外野席だけど、シ-ズン大詰めの決定戦だし、面白い
とは思うんだが、一緒に行かないか?』
 結構佐々木は野球好きで、この前塾が終わって帰る途中、その話題で、話が盛り上がったのだ。時間があれば観戦
に行きたいとは思っていたのだが・・・・・・
 「すまん、佐々木。誘ってくれてありがたいのだが、その日は大事な用事があってな。ちょっと行けないんだ」
 俺と佐々木の会話を聞いて、長門が何か言いかけたが、俺はそれを制した。
 「ああ。すまないな。え、次の週に買い物に付き合ってくれ?うん。わかった。それじゃあ、あさって塾で。」
 普段だったら、佐々木の誘いを喜んで受けただろう。だが、今は長門のことが優先だ。
 「ごめんなさい、キョン君・・・・・・」
 「気にするな、長門。それよりお前のことだけを気にしていろ」
 そう言って、俺は長門と朝倉にお休みを言って、部屋を出た。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------
 自分の部屋に戻った後、私は窓の外を見る。
 外はもう真っ暗で、その中を一人、私をこのマンションまで送ってきてくれたキョン君は帰っている。
 佐々木さんからキョン君に掛かってきた電話。あれはキョン君と遊びに行きたかった彼女の想いがこもった誘いの
電話。
 キョン君は私の為にそれを断った。「気にするな」と彼は言ってくれたけど・・・・・・
 しばらく私は逡巡したが、意を決してスマートフォンを取り出し、電話を掛けた。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------
 日曜日。
 「しかし、彼も中々度胸がありますね」
 ある喫茶店の一角。
 私、古泉君、そして涼宮さんの三人がそこに集結していた。
 「少し無謀すぎるような気がするんだけど」
 「私も驚いているわ。でも、キョンらしいといえばキョンらしいかも。彼はとても友達思いだから」
 「でも。有希には特別のような気がするのよね」
 「まあ、北高でも図書委員を一緒にやっておられるようですし、信頼関係があるのでしょう」
 キョンを野球に誘い、行けないと返事をもらったあの日、長門さんから電話があった。彼女からキョンが行けない
と言った理由を聞かされたのだ。
 長門さんの昔の彼氏が長門さんに復縁を迫っていて、どうやら結構しつこいらしい。電話番号を変えたら、今度は
キョンと二人でいる後をつけてきたそうだ。
 その昔の彼氏と、長門さんを助けるためにキョンは話をするつもりらしい。
 ”正直、長門さんが羨ましい”
 電話で話を聞いたあと、私はそう思った。おそらく長門さんは私に気を使ってくれたのだろう。
 ”もし、長門さんの立場が私だったら・・・・・・”
 キョンは同じように助けてくれるだろうか?
 そんな事を考え、それがすぐに愚問だと気づく。。
 ”多分キョンは助けてくれる。キョンはそういう人間だから”

 とはいうものの、キョンや長門さん、それに長門さんの従姉妹だけで大丈夫かなと私は考えた。
 少しためらいはあったが、私は協力者が必要と考え、涼宮さん、そして古泉君に連絡を入れたのだ。
 「そういうことなら協力するわよ、任せなさい!」
 涼宮さんはそう言って、古泉君もキョンの為ならと協力してくれることになった。
 「彼と長門さんの昔の彼氏が会う店を、この店にしてくれるように連絡してください。ここは僕の知り合いの店なんで
色々と対応できますから」
 そうやっているうちに日曜日がやって来て、私達三人は先にこの店に集まったのだ。
523この名無しがすごい!:2013/12/03(火) 07:05:59.35 ID:7kLNtELE
>>522
乙です
こういう場面でのハルヒは吉と出るか凶と出るか

新しい職場の勤務時間が最低14時間でなかなか苦しいですよ佐々木さん
他で潰しが利かない業界に入った者の宿命ですが……
時間がある学生の時に実務に使える勉強をすべきだったと後悔しているのですよ
524この名無しがすごい!:2013/12/03(火) 12:13:35.98 ID:xHCOAThn
>>522支援
>>523
吉で間違いないと思われ
佐々木さんが迷路を地道に右(左)手探索するとしたら、ハルヒは壁を破壊してでも目的地に向かうタイプだし
不測の事態が起こりかねない相手だから非常に心強い
525この名無しがすごい!:2013/12/04(水) 00:18:26.07 ID:KNBUYxSZ
konnbannha
526この名無しがすごい!:2013/12/04(水) 19:22:40.30 ID:VTQVuThW
時間割の曜日を間違えて持って来てしまい、普段はたしなめてるキョンの置き勉に助けられる佐々木さん

……という展開は、同じクラスだと発生しないよね(´・ω・`)
527恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/05(木) 00:38:26.74 ID:4UHHgxEC
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その9


 最初にこの店に入ってきたのは、長門さんと彼女の従姉妹の朝倉涼子さん(涼宮さんに教えてもらったのだが、彼女も
キョンと同じ北高生だそうだ)、そしてキョン、最後に長門さんの元彼氏という寛西の男子生徒・中川君が入って来た。
 四人は丸いテ-ブルに座る。そして、私達は彼らの席からは死角の位置である席に座っていた(私達が来ていることは、
キョンは知らない)。
 古泉くんの計らいで、店は貸切状態で、この店の中にいる客は私達だけだ。
 「合コンの時は遅れてきたからよく見てなかったけど、いいガタイしてるわね」
 「寛西の生徒に聞いたのですが、彼はアメフト部のレギュラーだそうです。寛西のアメフト部は全国大会にも行くぐらいの
強豪ですから、そこで一年生からレギュラーというのは、かなりのものですね」
 「もし暴れだしたりしたら大変ね」
 「一応この席は、中川君の後ろの位置になります。何かあれば、後ろから殴りつけます。そのための道具も二、三つほど用意
しました」
 「スタンガンでもあれば良かったけど」
 ・・・・・・私の横で、涼宮さんと古泉君は不穏な会話を交わしていた。
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 円卓というのは、こう言う話し合いをする時にはなかなかいいものだと思う。
 「俺は長門の友人で、本名はあるが、キョンと呼ばれている。始めましてというべきかな」
 この前は暗闇の中で顔はよく見えなかったが、その体から何となく熊を連想させる。
 長門の元彼・中川は、俺のいささか間抜けな自己紹介を、俺の事をジロジロと眺めて聞いていた。
 「中川だ。そう呼んでくれ・・・・・・お前、長門の今の彼氏か?」
 中川の言葉に、俺は飲みかけた水を吹き出すところだったが、なんとか押し止めた。
 「いや、さっきも言った通り、友人だ。同じクラスで図書委員を一緒にやっている。時々勉強を教えてもらうこともある。いず
れにせよ、長門にはいつも世話になっているんだ」
 「そうか・・・・・・高校でも長門は図書委員をやっているんだな」
 懐かしそうな口調で中川はつぶやく。俺が長門が最初に会ったのは中学の時の県内中学校の図書委員交流会の時だったが、その
頃は、長門は中川と交際中だったのだ。

 こう言う話し合いというのは、中々難しい。ただ、どういう風な結論に持っていけばいいのか、それはもう決まっている。長門に
中川とよりを戻す気はない。つまり、中川に諦めてもらうしかないわけだ。
 冷静な話し合いをするのはさらに難しい。同席した朝倉は、元々が中川が長門を振った経緯を知っていて、よりを戻したいという
中川の気持ちを絶対に許せないと思っていて、つい言葉も激しい物になる。まるで言葉のナイフだ。
 ただ、あんまり追い詰めるのも、最悪な方向に行きかねないので、俺は朝倉を落ち着かせた。
 長門は一言も喋らない。中川と視線を合わそうともしない。
 「中川」
 俺は一息ついてしゃべる始めた。

 「別れた経緯はまあ、聞いているよ。気持ちはわからないでもない。長門は魅力的な女の子だ。別れを言ったのはそっちだろうけど、
いざ他の女と付き合ってみると、長門に及ばないわけだ。そりゃ自分の行動は失敗だったと思うよな。よりを戻したくもなるよ」
 朝倉に散々責め立てられ、疲れ果てた表情をしていた中川の顔に、少し生気が蘇る。
 「誰でも失敗はする。失敗しない人間なんていないよ。その失敗を取り戻したいというお前の気持ちはよくわかる。でもな」
 少し間を置き、コ-ヒ-を飲んで、言葉を続けた。
 「いくら頑張っても、取り戻せないことはあるんだ。自分から手放してしまえばなおさらだ。好きだった気持ちも、楽しかった思い出も、
長門の心にはもうないんだよ。楽しかった事もつらい思い出に変わってしまえば、心の扉は開かない。鍵を手放してしまったんだ」
 
528恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/05(木) 01:25:12.86 ID:4UHHgxEC
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その10

 朝倉さんと違い、キョンの言葉は落ち着いたものだった。中川君の行動を責め立てることはあまりせず、理解を示しながらも、でも中川君が
しでかしてしまったことと、その事で長門さんが苦しんだ事を考えさせる話ぶりだった。
 「なかなか上手いですね。中川君の頭が少しは落ち着いたんじゃないでしょうか。朝倉さんの後では効果的ですね」
 「ちょっと意外ね。キョンにあんなことが出来るなんて。佐々木さん、何かアドバイスでもしたの?」
 「まさか。第一、私達がここにいることをキョンは知らないのよ。長門さんに口止めしておいたから」
 「まあ、最悪の事態は回避されたんじゃないでしょうか。中川君も案外理性はある人間のようですし」
 キョンの話を聞いて、中川君はしばらく考え込み、下を向いて、黙っていたが、顔を上げて口を開いた。
 「・・・・・・確かにお前の言うとおりだ。俺が勝手過ぎた。自分でしでかしてしまった失敗だ。長門の気持ちを考えないで、よりを戻そうなんて
虫が良すぎた」
 「わかってくれたか」
 キョンがホッとしたような表情になった。
 「だけど、本当に好きだったんだ。あの時の気持ちは嘘じゃない。笑われるかもしれないけど、未練はあるんだ。長門だって俺の事を好きだって
言ってくれていたんだ。言葉だけじゃない。キスだってしたしそれ以上―――-」

「中川!」
店内に響いたキョンの声は、一瞬にして店内に沈黙をもたらすほどの、迫力のある、怒気を含んだ大きな声だった。
正直、キョンがここまで大声を出す人間とは思わなかったし、まるで中川君をぶん殴りかねないような表情をしていて、涼宮さんも古泉くんも呆気
に取られていた。
 「中川。お前と長門がどれだけ親密な関係だったか知らないが、もう終わった事を男がベラベラしゃべるもんじゃない。それは他人に話すような事
じゃないし、思い出として胸にしまっておくもんだ。それが男の礼儀ってものじゃないのか」
 キョンの言葉を聞いて、中川君はうなだれていた。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「長門、朝倉。本当に済まなかった」
 中川君は二人に深々と謝罪した。
 「謝って済むことじゃないが、長門、俺が悪かった。もう顔を見せることはない。出来れば許して欲しい。」
 「中川君・・・・・・」
 中川君を見つめる長門さんの表情は複雑だった。
 すぐに気持ちを切り替えることはお互いに不可能だろう。それでもいつかは過去の思い出になるのだろう。
 「キョンとか言ったな。長門をよろしく頼む。長門はいい友達ができたんだな」
 中川君はキョンにもそう言って、深々と頭を下げた。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 中川が店を出たあと、疲れがドッと出て、俺は椅子に座り込んだ。
 緊張感が抜けて、幾分かホッとした気分になったのだが、途端に腹が減ってきた。朝、いろいろ考えすぎて、朝飯があんまり入らなかったのだ。
 「キョン君・・・・・・」
 少し不安そうな、なんとも言えない表情をした長門に俺は笑いかける。
 「とりあえず一件落着だな。少し腹減ってきた。何か食べようか」

 「僕が奢りますよ」
 聞き覚えのある声に後ろを振り向くと、そこに古泉とハルヒ、そして佐々木がいた。
 「な、お前たち、どうしてここにいるんだ?」
 「私が頼んだの。佐々木さんに話をして・・・・・・」
 「おせかっいとは思ったんだけどね。君たちのことが心配でね。万が一を考えて協力したのさ」
 「いや。助かったよ。正直なところ、どうなるかわからないところはあったんでな。佐々木たちがいてくれてよかった」
 意気込みとは裏腹に、そこまで自信と勝算があるわけではなかったし、いささか無謀だったかもしれないかったので、、それは正直な俺の本音だった。
 「それにしてもあなたの説得ぶりは見事でしたよ。そのあとも実に迫力があって、格好良かったですよ」
 「そうよ、キョン。あんたってば凡庸そのものにしか見えないけど、いざという時は火事場の馬鹿力が出るのね。少し見直したわ」
 ・・・・・・褒められていると取っていいのだろうか?正直複雑な気分になる。
 そんな俺の様子を見て、佐々木が面白そうにくっくっくっと笑った。
 
 
529この名無しがすごい!:2013/12/05(木) 07:13:56.21 ID:J43GJCpS
>>528
乙です
と言いたいところですが、『キスだってしたしそれ以上』のくだりはいらなかったんじゃないかな?
古泉×森と違ってあまりよろしくない性格の中川にそういうことを許したってのはあまりイメージが良くない
もう少しぼかしても良かったんじゃないですかね?
某関連キャラスレでこの手の話題が荒れる原因になったのを見たことがあるのでちょっと気になりました
スレに男性の方がいれば意見を聞きたいところですが……?
530この名無しがすごい!:2013/12/05(木) 07:57:48.25 ID:iLI0wCha
これが長門じゃなく佐々木さんだったら以後スルーするくらいかな
531この名無しがすごい!:2013/12/05(木) 12:09:31.35 ID:Rh6Dlle4
肝試しの時の長門のモノローグがえらく生々しかったので、「なんか長門さん経験者っぽいナー」なんて思ったが、やっぱり非処女だったのね…
負け惜しみの発言とはいえ、中川の台詞からは1度や2度ヤったって訳じゃなく付き合ってる間しばらくはヤってたっぽいのが又なんかもにょったわ
リア厨なんて性欲の塊だし、心理描写的に長門自身も(好きな男相手なら)セックル好きそうだし…

奥手で従順な美少女をゲットしたリア厨中川君が、
付き合いだして2〜3ヶ月後にどうしてもセックルしたくなって渋る長門さんを無理矢理説き伏せて、
朝倉さんの目を盗んで長門邸で童貞&処女喪失
リア厨じゃラブホにも入れんだろうから、その後も朝倉さんが居ない時に長門邸でヤってたんだろうなといった想像までして、ちょっと鬱になった

まぁ何が言いたいかって言うとだ、一番奥手そうな長門さんが、実は一番性的に進んでいたって話に興奮したって事
その内長門に初Hの時の感想を聞く佐々木さん&ハルヒなんてエピソードが来そうね…
532この名無しがすごい!:2013/12/05(木) 18:40:26.30 ID:iLI0wCha
数年ぶりに、契約してるガス会社のカレンダーが郵便受けに入ってたのですよ佐々木さん
ちょっとは景気上向いてるのでしょうか
533恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/05(木) 22:50:33.55 ID:4UHHgxEC
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その11

 その日の夜のことだった。
 夕食を食べたあと、俺は自分の部屋で、佐々木から貸してもらった文庫本を読みながら、ベットの上で
シャミセンのようにごろごろとくつろいでいたのだが、そこへ妹がシャミセンを抱いて入って来た。
 「キョン君、お客さんだよ」
 「客?誰だ、こんな時間に?」
 「朝倉さんて人だよ。キョン君と同じクラスだって。キョン君の知り合いは美人が多いね―」
 朝倉?意外な名前だった。なんであいつがうちに来たんだ?
 とりあえず、俺は部屋を出て、玄関に向かう。
 「こんばんは、キョン君。昼間はどうも。お邪魔していいかしら」
 正直、なんでここに朝倉がいるのだろう?首をかしげながら、俺は頷き、朝倉を家ヘ上げた。

 「男の子の部屋にしては綺麗に片付いているのね」
 朝倉は俺が寝転んでいたベットに腰掛けて、俺と向かい合う。
 「キョン君、お茶持ってきたよ」
 何故か妹が母親が入れてくれたお茶を持ってきた。
 「どうぞごゆっくり―」
 そう言って妹はお茶をおいて部屋を出たのだが、朝倉は面白いというような顔で笑っていた。
 「かわいい妹さんね。将来美人になるわよ」
 どうかね。まだ小学5年生だしな。まあ、ミヨキチは将来どころか今でも美人だが。
 朝倉は妹が運んできたお茶に手を伸ばした。
 
 「昼間はありがとう、キョン君。あらためてお礼を言うわ。おかげで長門さんも安心できるわ」
 「いや、何。長門が安心できるならよかった。朝倉も色々と心配していたからな。二人が安心してくれる
なら、それでいいし、俺もホッとしたよ」
 まあ、一仕事終えたような気分であることは事実だ。
 「ねえ、キョン君」
 「なんだ、朝倉」
 「その、変な事を聞くけど、あの時、長門さんがそう言う経験があると知ってどう思った?」
 
 朝倉の爆弾質問に、俺はお茶の入った湯呑を落としそうになった。
 「お、おい、朝倉」
 かなり内心焦りながら朝倉の方をみると、朝倉の表情は真剣な顔つきになっていた。
 俺はひと呼吸おいて、言葉を選びながら、それでも自分の思ったことを話すことにした。
 「そうだな・・・・・・正直驚いたというか・・・・・・彼氏彼女の仲だったて聞いたから、まあ、そういうことも
あるのかなとは思ったけどな。ただ、そのあとの中川の言葉は余計だと思った。あれ以上喋っていたら、
殴り倒していたかもな」
 (俺だってそういうことに興味はあるが)あの時言ったように、男は余計なことをベラベラしゃべるもんじ
ゃない。俺達の年頃だと、そう言うことを自慢したがるやつが多いのかもしれないが、俺はそういうのは好ま
ない。国木田と鶴屋さんの関係もそう言う関係だが、国木田はその事を自慢しないし、俺もことさら言うつも
りはない。
 「長門さんをどう思った?軽い女の子と思った?」
 「いや。さっきも言っただろう。そういう事もある、て。そういう関係になった経緯はしらんが、そんな
軽い気持ちじゃなかったんじゃないか。長門も中川を好きだったんだろう?そういう関係になることだってある」
 (たとえに出すのは適切でないかもしれんが)古泉と森さんたちだって、確か長門たちと変わらないくらいの年
だったはずだ。
 「ねえ、キョン君。もうひとつだけ聞きたいんだけど、自分の彼女の昔の男の事って、気になるものかしら」
 「う〜ん。一概に言えんが、まあ気になる奴は気にするだろうけど・・・・・・それは女も変わらないと思うんだけど
な。だけど、朝倉。これはあくまで俺の個人的意見だが、気にしてどうするんだ?と俺は言いたいね。俺は大した
恋愛経験はない、というか、ないんだよな。昔初恋みたいなものはしたが、まあ情けない結末で、それ以来、恋愛
の事を考えるのが苦手になっちまっていた。最近ようやく吹っ切れたけどな。大体世間一般の恋愛している男女だ
って、いろんな恋愛を経験してきているだろうし、いちいち気にしていられるか。その積み重ねの上にお互いの今
の姿があるわけだから、どうのこうの言う必要もないだろう」
534この名無しがすごい!:2013/12/05(木) 23:18:34.41 ID:1pVmM2io
>>529
533を読んで分かると思いますが今回の話はあなたが指摘している部分が肝の様です。
描写がどうとかで荒れたとか、中川の性で長門が穢れたイメージを持つとかはあなたの主観であり作者に指摘する物ではありません。
変な言かたですが『釣れた!』状態入れ食いですね。
それと男性の意見を聞きたいそうで僭越ながら私の意見をば。

可愛い子がいたら彼氏くらい居るでしょ。セックルしたいに決まってんじゃん。
イケメンがいたら彼女くらい居るに決まってるでしょ。ほっとく分けないじゃん。

です。
潔癖症なのか存知ませんがそうで有ってほしくないイメージを作者に求めたりしたらアカンよ。
533の最後の1行のまんまです。
535恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/05(木) 23:32:19.69 ID:4UHHgxEC
    恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その12

 俺の言葉を聞いて、しばらく朝倉は黙っていたが、やがて口を開いた。
 「昔ね、あたしは長門さんを怒った事があるのよ。中川君と別れた時にね。そういう関係にまでなっていたのに、浮気されてさ。
中川君も許せなかったけど、長門さんにも腹が立って・・・・・・長門さん、中川君の好みに合わせようとしていたくらいだし・・・・・・
そこまでしてたのにね。男を見る目がない、て怒ってしまって、その他にもひどいこと言っちゃって・・・・・・後で謝ったけど、それ以来
長門さんに近づく男には警戒するのよ。もう二度と悲しい思いはしてほしくないし。何たってあたしは長門さんの従姉妹で親友だし」
 「朝倉の気持ちはよくわかるよ」
 「最初キョン君も警戒したのよね。でも、今はキョン君が長門さんの友達になってくれて良かったと思っている」
 朝倉の発言にいささか照れくさい気分になる。
 「キョン君、これからも長門さんをよろしくね」
 「こちらの方こそ、よろしくだ」
 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 キョンと野球には行けなかったけど、私は気分がよかった。
 今日のキョンは格好よかった。優しいだけじゃない、大事な物を守れる強い心もキョンは持ち合わせているのだ。
 あのあと、皆で食事して、いろんな事を喋りながら楽しい時を過ごした。長門さんにも笑顔が見られ、キョンは安心したような表情
をしていた。
 ”来週はさらに楽しみだな”
 キョンと買い物に行く約束を取り付けた、一週間後が今から楽しみで仕方がない。
 そんな事を思っていると、机の上においていたエクスペリアZが呼び出し音を鳴らしていて、私はあわてて電話を取った。
 「もしもし」
 『佐々木さん、こんばんわ』
 声の主は長門さんだった。
 『今日は本当にありがとう。佐々木さんに助けてもらって・・・・・』
 「私は何もしていないわ。一番頑張ったのはキョンよ。古泉くんも涼宮さんもそう言っていたし、私もそう思う」
 場所を用意したのは私たちだけど、それ以上は私達が出る幕はなかったのだ。
 「キョンは長門さんの事を大事に思っているのね。ちょっと意外なキョンの一面が見られて驚きだった」
 と同時に、それだけ大事に思われている長門さんを改めて羨ましいと思う。

 『佐々木さん。私、あなたに言わなければならないことがあるの』
 「え?」
 電話口の向こうから聞こえる長門さんの口調が少し変わったような気がした。
 『佐々木さん、私はキョン君のことが好き』

 その言葉を聞いて、私の胸の奥がざわめいた。
536この名無しがすごい!:2013/12/05(木) 23:42:28.15 ID:4UHHgxEC
>>529の方へ。ご指摘ありがとうございます。正直その言葉を入れるかどうか
考えました。>>534の方が書いてくれましたが、男女関係とはいろいろあるも
のだと思います。どうしても性的なことが絡んできます。その上で彼らはその
事実にどう向き合うか?SSの中でキョンに言わせたセリフは、私の弟の考えを
そのまま書きました。
537この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 01:06:16.36 ID:8Ar1IWai
作者的にはまぁ色々言いたい事があるんだろうけど、
正直長門にババを引かせた感はあるな

このSSの長門は今でこそキョン>超えられない壁>中川だけど、
中川と付き合ってた時はそれこそ中川が一番大事だっただろうし
538この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 01:10:31.82 ID:8Ar1IWai
あとな、このスレの>>15の中頃に書かれている

繋いだ手に彼のぬくもりと力強さを感じる。胸の鼓動が早くなり、気持ちが高ぶる。
こんなに近くに彼を感じることができる。
(中略)
ただ、彼を近くに感じたい。彼に触れたい。そんな気持ちは私にもある。
友達としてだけでなく、異性としての気持ち。私を”女”の気持ちにさせる衝動。

って下りを見れば長門がハルヒや佐々木さんと違ってとっくに「女」になってたってことは分かる
最初は中川の勢いに流されてイタしたとしても何度か回数をヤる内に慣れて、
「好きな男とだったらセックスするのは普通」となるのもおかしくはないべ
539この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 01:21:28.33 ID:8Ar1IWai
ただ一つだけ納得がいかないことがあるとすれば、
この一件に関するキョンの対応・言動が非常に不自然だって事だな

過去の失恋(それも一方的なもので、厳密に言えば恋愛ですらない)から脱却できないリア高の童貞が、
憎からず思ってる知り合いの、そこそこ付き合いの長い美少女に割とゲスい(元だが)彼氏が居て、
更に中学時代に(恐らくキョンと長門が知り合った時点で)既にキスやらセックスを経験済みで、
しかもその事実を当事者である元彼氏から聞かされてこんな悟った様な返しが出来るわけねぇと思うのよ

それこそ中川を嫉妬するだろうし、時間を戻したいとも思う筈だろと
このキョンの対応こそが一番のファンタジーだと思うの
540この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 02:08:45.56 ID:j8ngzsP7
>>529
この手の話になるとスレの雰囲気にもよりますが意見は別れますよ
某ハルヒスレではキョンと朝倉さんがキスしただけでフルボッコにされスレを追い出された人もいましたから
ただ、>>534の意見は正直どうかと思いますけどね
SSの内容に疑問があれば指摘・意見は別に構わないでしょ
別にここは作品垂れ流し&作者マンセーじゃないといけないわけじゃないし
後半の意見に至ってはもうちょっと現実見てみ、としか

それを踏まえたうえで自分の意見を言うなら、その描写がこの物語に本当に必要かどうかで意見が変わりますとしか言えないです
進行上どうしても必要だったのならともかく、そうでないなら自分はこの作品を嫌いになると思います
佐々木スレだから仕方ないにしても前々から佐々木さんとキョン以外の登場人物の扱いがあまりよくないのが引っかかってましたから
もうひとつ書くなら『義務教育も終わってないケツの青いガキが軽々しくやってんじゃねぇよ』ですね
なんぼ男女関係とはいえ中学生に性的なもの絡ませる必要あったんですかね?
キョンに作品内のセリフを言わせるのに中学時代の性行為という事実は必要な事だったんですかね?
結婚まで操を守れとは言わないですが、この長門さんにはちょっと軽率なイメージができてしまいました

でもそれが作者の思い通りというのならそれはそれでOKなんでしょう
それが嫌だと言ってもこれがこの作者さんの望む作品なんだから、で諦めるしかないですよ
以上長々と言いたいこと書きました
541この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 07:50:07.26 ID:8Ar1IWai
長門がキョンに惹かれたのも、作者的には中川にヤり逃げされて捨てられたのが原因とかだったりしてな…
このキョンは去勢されたのかって位男を感じさせない性格だし、自分本意な中川とは正反対だから

まぁいくら親しいとはいえ、彼氏でもないキョンを独り暮らしの家に連れ込んだりしてるんで、この長門さんは元々軽率な性格をしている気がする

付き合ってた時はそれこそ中川の言いなりだったっぽいし、中川のスマホやパソコン内のデータに長門の自家撮りエロ写メやエロ動画があっても納得するレベル
542この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 10:58:30.72 ID:dHpEZeNj
>>529
>>540
自演乙
543この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 12:23:01.15 ID:4oaeFB/V
>>541
>このキョンは去勢されたのかって位男を感じさせない性格だし
佐々木さんの透けブラに無反応なキョンが原作に居るのですが
544この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 17:52:50.07 ID:ybUgYdzL
ここからどうなるかを見たい。
とりあえず、中川は謎のきょっこ団に襲撃され、お仕置きされたと脳内補完している。

きょこたん「フランスの「パリ」ってですよォ…………
英語では「パリスPARIS」っていうのに、みんなはフランス語どおり「パリ」って発音して呼ぶ。

でも「ヴェネツィア」はみんな「ベニス」って英語で呼ぶのですよォ〜〜〜
「ベニスの商人」とか「ベニスに死す」とかよォーー

なんで「ヴェネツィアに死す」ってタイトルじゃあねえーんだよォオオォーーッ
それって、納得いくかァ〜〜〜、おい?
私はぜーんぜん納得いかねえ……

なめてんのかァーーーッ、この私をッ!イタリア語で呼べ!イタリア語で!
チクショオーーームカつくんだよ!コケにしやがって!ボケがッ!」
朝倉「飛び込んでみなよーー、中川ァ!!運河を泳いで逃げてみなよォ〜〜〜ッ。おめーの泳ぎが早いか…私のナイフが早いか、賭けてみるのも悪くねーーッ!」
中川「あ…あの女達の目…養豚場の豚でも見るかのように冷たい目だ。残酷な目だ…“かわいそうだけど明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね”って感じの!」
藤原「いい時計だな。だがもう時間が見れないようにたたっこわしてやるぜ…きさまの顔面の方がな。」
谷口「よく見たらやれやれ…趣味の悪い時計だったな……
だがそんなことはもう気にする必要はないか…もっと趣味が悪くなるんだからな………顔面の形の方が…………」

アッー!

佐々木「…初めて世のため人のためになったね、彼女ら。」
ハルヒ「きょっこ団ねネタがジョジョネタや、なんJ限定って時点で色々お察しだわ…」
キョン「森さんのブロリーよりはいいだろ。」
古泉「プロシュート兄貴を使いたかったみたいですよ?ただ、あまりに物騒になって笑えないので除外みたいですが。」
日ハム小笠原「こうした男は男からも嫌われる。皆、気をつけろ。」
皆「サンキューガッツ」
545佐々木さんの、海の下の都の巻(1/2):2013/12/06(金) 19:11:18.84 ID:vltF/kG2
パリ、でふと浮かんだ超即興。オチもなんもありません。


中学三年の夏、水泳の授業の自由時間に、プールサイドで足だけ水につかって座っていると、
反対側から泳いで来た佐々木が、水につかったまま突然脈絡もない話をし出したことがあった。

「昔むかし、フランスのブルターニュの南に、コルアイユという王国があり、その善良な王グラドロンは、
 ネヴェドの森に住む聖コランタンと出会って、キリスト教に改宗したのだというよ」
 突然どうした佐々木。
「王には美しいダユーという名の娘がいたそうだ。
 だが、ダユーは父王がキリスト教に改宗したことを忌々しく思っており、国にキリスト教が広まることに耐えかね、
 自分のための神都造営を王に懇願した」
 それはまた贅沢な願いだな。
「娘を溺愛していた王はそれを聞き入れ、王国の西の端、海に面した低地に、
 イスという新たな街を作ったそうだ」
 作ったのか。
「そこは海抜よりも低い地帯だったが、王女は妖精たちの力を借り、街を作り、まもなく洪水から都を守るための、
 水門も設置された。
 そしてイスの支配者となったダユーは、妖精たちの力を借り、海行く船から略奪を繰り返し、
 その冨でイスは短期間に非常に栄えたというよ」
 なんか急に話が違ってきたぞ佐々木。
「しかし一方で人々は享楽におぼれ、街は背徳の蔓延る巷となった。ダユー自身も、彼女に求婚する数多の貴公子と、
 一夜を共にし、飽きると海に捨てるという非道をなしたという」
 一夜を共にするとか、平然と言うのはやめなさい。
「おや、君はそういう話に全く反応しないともっぱらの評判だけれど、違うのかな? くっくっ。
 まあ話を続けるが、憂慮した王の説得や、王の使わした聖ゲノルの改宗の呼びかけにも、イスの人々は耳を貸さなかった。
 それがキリスト教の神の怒りに触れてしまった。
 ある日、王女の前に赤ずくめの貴公子が現れた。
 彼は王女を巧みに誘惑し、心奪われた王女は、この不思議な人物の求めるまま、イスの水門の鍵を盗み出し、
 赤ずくめの貴公子に渡してしまったそうだ。
 だが、誰あろう、この貴公子こそ、怒った神が使わした悪魔だったのだよ」
 なんで赤いんだろうな。浦和レッズのサポーターもレッドデビルとか言われてたが、何か関係あるんだろうか。
「疑問はそこかね?
 まあ後は物語の定番どおり、男の手によって水門は開けられ、街は洪水に襲われた。
 父王と聖ゲノルは馬に乗って逃げ出したが、ダユーは聖ゲノルに杖で打たれ、馬から転げ落ちて波にのまれたという」
 王様も一緒に都にいたんかよ。大騒ぎになる前に娘諫めれば済んだ話だろそれ。
「しかも最後、自分は逃げて娘を見殺しだからね。怖いものだね。
 水没したものの、イスの街は海の底で、地上にあった頃と変わらぬ姿で存在し続けたというよ。
 ダユーは人魚となり、蠱惑の歌声で漁師を海中に引きずり込んだそうだ」
無残な話だな。
「それから長い時が流れたある日、漁師が漁を終えて錨を船に引き上げようとすると、海中の何かにひっかかって上がってこない。
 一人の勇敢な両紙が海に潜ったところ、錨はなんと、海中にある教会の窓の格子にひっかかっており、
 中をのぞくと多くの人がミサを行っていた。
 ミサを主催する司祭が、漁師にミサの答唱を求めた、まあ漁師にも歌えということだね、それを求めたが、
 漁師は無学なため答唱できなかった。
 中の人々は悲しげな顔で漁師を見つめ、やがて、街も、教会もまた水底深く沈んで行ったそうだ。
 彼が答えてさえいれば、イスの街は再び許されて地上によみがえることができたのに」
546佐々木さんの、海の下の都の巻(2/2):2013/12/06(金) 19:12:50.82 ID:vltF/kG2
……教会が沈んで行ったら、漁師の舟も沈没せんか?
「ああ、キョン。君は得がたい人物だが、たぶんこの話の本題はそこではないと僕は思うな。
 まあ、錨はのぞき込んだ時点で外せたとしておきたまえ。
 今でも晴れて波が穏やかな日には、波間の下に教会の尖塔がのぞいたり、ミサの響き、そして教会の鐘の音が聞こえることがあると、
 物語は伝えているよ。美しい話だね。
 人々はこのイスの街の美しさをのみ伝承に伝えており、パリ、とは、Par-IS、
 つまり「イスのような」、「イスに匹敵する」美しい都、という意味なんだそうだよ。
 さて、キョン。この話の教訓はなんだろうね」
……うーむ、神様は怒ると悪魔をパシリに出す性根がいじけた野郎だ?
或いは、水の中で歌えとか無茶ぶりしてもしょうがないだろうって話か?
「ああキョン。ああキョン、君はまさしく得がたい人物だよ」
俺の返答がツボに入ったのか、佐々木はプールから顔を出したまま、脇腹に手を当ててくつくつと笑う。
なにも身を折ってそこまで笑わなくてもいいだろう。鼻に水入るぞ。
「ケルト文化だと、「あの世」というのは、西の海の底にあるんだ。指輪物語なんかも、その伝承をひいている。
 この話はね、たぶんケルト的な文化がキリスト教に駆逐されてしまうロマンスの残り香なんだと思うよ。
 ケルトの言葉だと、「イス」とは「低い町」の意味で、王女のダユーという名前は、
 「良き魔女」という意味なんだそうだよ。もの悲しいものだね」
 そう言うと、佐々木はいたずらっぽいほほえみのまま、すいと水中に沈み込んだ。
妖精が水中から助けを求めるように、細い手をしなやかに俺にむかって伸ばす。
(ああ、キョン、君がその手をとってさえいれば、イスの町はよみがえることができただろうに)
とでも言いたげな、いたずらな視線は、水の揺らめきの中からでも俺をまっすぐに見つめている。
ああ全く、怠けている友人を誘うためだけに、こんな長い話を枕にする中学生は、
日本ひろしといえどもお前だけだよ、佐々木。
俺はため息を一つつくと、佐々木の手を取り、そして予想どおりそのままプールに引っ張り込まれた。
ああ、やれやれ。




という中学生三年の夏に、さして楽しい思い出などなかったという話を国木田としていると、
国木田が真剣な顔をして、その話を絶対ハルヒにするなと釘を刺された。
まあふと思い出したつまらん日常の話だし、別にすることもなかろうが、国木田は時々よくわからない事を言う。
そしてその国木田を、神様、はいいすぎにしても、天使でも見るような感謝の視線を送る古泉の奴もよくわからん。

ああ、変なことを言われたせいで、この話の本当のオチを国木田にいい損ねてしまった。
その日の放課後、一緒に塾へ向かいながら佐々木が教えてくれたのだが、
「けれどね、この話の一番面白い所は、実はパリの名前の由来がパル-イスだというのは俗説で、
 本当はパリの由来は、ガリア人のパリシィ族がかつて作った町から来ているのだよ。
 夢もロマンも、根っこはそんな枯れ尾花を核にして、人が勝手に膨らませたことなのかもしれないね」
そう言って微笑む佐々木は、ああ、本当にこいつは佐々木だなあ、とよくわからない感想を覚えたことを、
なぜか今でも時々思い出す。
                                       オチがないままおしまい
547この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 19:28:32.55 ID:ybUgYdzL
>>545-546
いいね!何か総天然色の空が見えた。
548この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 19:34:58.61 ID:4oaeFB/V
おつおつ
佐々木さんは王女たるキョンを言葉巧みに連れ出した(小)悪魔かw
意味を察したキョンが差し出された手を引っ張り上げて、勢い余った佐々木さんを抱き止める展開も妄想
549この名無しがすごい!:2013/12/06(金) 20:47:16.95 ID:bLL8F35d
>>545〜546乙です。私の話より断然面白いです。
 いろいろ書き込んでくれてありがとうございます。話を作るとき、非常に参考になります。
>>540の方の意見は特に参考になります。未成年の性行為は、私は推奨しませんが、現実に
存在します。私の仕事柄、それに伴う結果に関する色々な事例も見聞きしてきました。自分
の学生時代、多くはありませんがそれを自慢していたバカな男子もいました(大体女子には
軽蔑されていましたけど)。「恋愛苦手な」と題名に入れていますが、私も恋愛は苦手な方
なんです。良い思い出もあるけど、悪い思い出も結構あるんです。恋愛は素敵なことばかり
じゃなく、苦い思い出や、失敗も当然あるわけで、その負の部分を他のキャラに演じてもらって
いるので、>>540の方が指摘されるとおり、他のキャラの扱い方があんまり良くありません。
それと>>539の方が言われる通りで、キョンの対応は、ファンタジーです。普通の男だったら、539
の方が言われる通りなんでしょうね。ただ、前にも書いた通り、うちの弟の考えなんですよね。
弟は女性の友人が多いんですけど(女性の友人の結婚式によく呼ばれているんですが)、彼女と
呼べる存在はいないのですが、いつもこういうことを言うんですよね(それこそ高校時代から)。
友人に聞いたら「弟さん珍しい考えしているわね」と言われたので、どこかおかしいんですかね・・・・
・・長文失礼しました。
550この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 00:13:10.61 ID:v/5SZZ76
クリスマスに久々にきょっこ団やりたい。

「私の右手が真っ赤に燃えるぅ!
愛を砕けと轟き叫ぶぅ!
喰らうのです!愛と憎しみの…
ぶぁぁあわぁくねつぅぅぅぅ!しぃぃぃぃっとフィンガー!」
橘の手は、見事に佐々木のスカートを捉えていた。
ひらり、と舞い降りる薄い布。
一瞬、何が起きたか理解しかねたが、次の佐々木のリアクションで全てが理解出来た。
…いや、させられた。
「きゃあーッ!嫌ァーッ!」
佐々木が慌ててしゃがみ込む。つまり。橘の手にある薄い紫の布きれは……
「しぃぃぃぃっと!エーーーーンドッ!」
橘の高笑いが響く…そこに便乗した朝倉、谷口、藤原も高笑いだ。
…おい。橘。お前何でそのパンツを懐に入れてるんだ?そして何故そんな嬉しそうに…
さ、佐々木?おい、馬鹿やめろ。鉈なんて何処から出した?やめろ。よせ……

といった具合のw
551この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 00:31:57.54 ID:ZBdS0W/O
ほらよ


       ___    \  全世界のもてない男たちを   /          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     /L,    |  \  \ 救済するため作り上げた  /    /⌒ヽ    | クリスマスとは
   ./ ト、└L, |  jJヽ  \    秘密結社!!   /::    |  ▽|  ∠   そもそも
   ハ |  \ しlv┘/|!   \ その名もステキ  /::      ノ⌒ヽ/    | なんであるか
   | 'ゝ\__> l /  ノ|    \ 『 し っ と 団 』 /    , -/ , 、_ `‐-‐、 |   杉野!!
  /| '⌒〜-イl、`ー ´(|      \        /:::    /   '''´ {   、   ヽ \______
/  .|      ,' `¨⌒/       ∧∧∧∧∧ ::::    ノ  ヾ   |   ,ハ`''"〈
  / |ヽ.    ,'    ∠-―- 、   <    し  >::::   (  人   }  イト、   )
/  ||\__,/__, <__      >ー< 予 っ  >:::::::::  ヽ、ヽ|   j   ハ  〈
──────────────<.   と  >───────────────────
    ,人,ノヽ 〈与えねばなるまい< 感  団  >       ゝ しイ    \ そう!!これは
  人ノ  ,.   ! 〉 アベックどもに ..<       > ___|__  _)  て   <天に代わって悪を討つ
,ノ'   / |  (| \  天罰を!! <. !!!.  の  >  ||  'っ h ´__  /  正義のわざ!
  ,/,/l ! ム|    ̄`――――/ ∨∨∨∨∨ \ ||l l l  \咢)P!  ̄|/\/\/\/\/
/,/ / | (_,|          / ワレらの      \   /   ,ゝ__r┘    < 決して私怨から
/゚ / / /|        /    目標わ!!    \      」 )‐<\    < でわない!!
´三:"/  フ|      /    Xマスイブ12月24日! \     厂丁ト、l_   ∨ ∨ ∨ ∨ ∨∨
 ̄ ̄  <, |     /    悪のアベックどもに     \    〉 | | |::ト、 _|\/\/\/\
へ(⌒ヽ厂 |   /正義の鉄槌を下し 根だやしにすること!!\ }  } ハ 〉{_7、\ 聖 戦 だ ! !
552540:2013/12/07(土) 01:24:38.38 ID:m7hBEMFt
>>542
自分の意見と対立する人間は皆同一人物と思っちゃう人ですか ご愁傷様

>>549
勘違いされたみたいだけど、中学生の性行為自体がないとは言ってないです
流石にそこまで世間知らずじゃないですよ
弟さんの性格も知ったこっちゃないです
長門さんに性行為させる必要があったのかが疑問なだけ
キョンに弟さんの意見を言わせたかったというのなら別に中川の相手が佐々木さんでも良かったって事?
それでもあなたの言いたいことは成立しますよね
それとも>>541が言うみたいに長門さんを貞操観念の低い女性にしたかっただけなのかな?

鬱陶しいかもしれませんがスレに意見を上げるとこういうことになりますのでご注意を
553この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 08:20:06.47 ID:JDPUqPxv
刺々しいのはやーよ

>>550
佐々木さん紫とはマニアック……なのですか?w
554この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 08:30:41.48 ID:9Hu08fVh
>>552 貴重なご意見ありがとうございます。鬱陶しいとはおもいませんよ。むしろ指摘して頂けることに感謝します。
これからもどんどん指摘して頂けるとありがたいです。
555この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 08:33:31.61 ID:v/5SZZ76
(アカン)
556この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 09:56:33.29 ID:ZBdS0W/O
意見を聞き入れてもたらったんだし良しとしとけよ
同じ内容を何度も繰り返して、挑発する様な真似するのが痛々しいつーの
どこぞのスレで荒らして追い出されたのはお前自身とちゃうw
鬱陶しいぞ発達障害児www巣に帰れwww大人になりなwww
557この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 10:25:46.24 ID:ZBdS0W/O
とまぁ冗談はさて置いて
本気で心配になってくるよ
あなたは実生活でも一つの事に拘りすぎて騒動を起こしてないかな?
別の話題に移っているのに元の話題を持ち出して、納得できないと繰り返してたりしないかな?
もしかしたら軽度の自閉症かもしれません
生活に影響している様ならお医者様に見てもらって、自分が何者かを知るのが大事です
大人の発達障害は良くある事です。恥ずかしいものでもありません
心当たりが有るならぜひ
558この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 10:31:40.77 ID:8MuVy3Vj
なんにせよ荒れる原因になるのは確かだよな
俺はそもそも読んでないからいいんだけど
559この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 22:32:19.40 ID:JDPUqPxv
サッカーワールドカップグループリーグの組分けが決まりましたね佐々木さん
慎重に見て突破率は25%くらいでしょうか?
560恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/07(土) 23:06:07.77 ID:zK7G1drC
       恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その13

 放課後、何とはなしに、私は涼宮さん達が集まるサ−クルSOSの部室へ向かった。
 サ−クルSOSの部室 は、一応文化系クラブの部室にある。サ−クルSOSの活動が文化系と言えるかは、甚だ疑問であるが、
涼宮さんに言わせれば「楽しむことも文化よ!」ということになる。
 『人間は、ホモ‐ルーデンス(遊戯人 )【(ラテン)Homo ludens】である』
 何故か部室の入口にそんな言葉が刻まれたメッセ-ジボ-ドが掲げてある。オランダの歴史学者・ホイジンガの言葉だ。
 「おや、これはこれは。珍しいですね、佐々木さんが僕たちの部室に来られるとは」
 ドアをノックして部室の中に入ると、中にいたのは爽やかスマイル・古泉君だった。
 「涼宮さんはいるかな」
 「いえ、それが外に出る用事があるとか言われ、鶴屋さんと出て行かれましたが。三十分ぐらいで戻って来られるとは思
いますが」
 「そう。それは残念」
 少しアテが外れた。涼宮さんでなくても、鶴屋さんでも良かったのだけど、二人共いないとは」
 「何か涼宮さんにご相談事ですか?」
 「なんでそう思うのかな?」
 「少し難しい顔をされておられるので。佐々木さんがそういう顔をされているのはあまり拝見したことがありませんし」
 中々鋭い人間だ。私は涼宮さん、あるいは鶴屋さんに相談したいことがあって、ここに来たのだ。
 私がどうしようかと逡巡していると、古泉君が意外な事を言った。
 「佐々木さん、僕でよければ相談に乗りますが。お役に立てるかどうかわかりませんが」

 「なるほど、長門さんがそう言われたのですか。”彼”の事がを好きだと」
 あの日の夜、長門さんが私に掛けた電話。それは友達としてのキョンでは無く、異性としてのキョンを好きだということだ。
 「正直戸惑ったよ。何故この僕にそんな電話を入れたのか。何と返事をすればいいのか、わからなかった」
 「それは簡単なことです。長門さんは筋を通されたのだと思いますよ。自分の力になってくれたあなたに対する礼儀です。
彼の気持ちを得る上で、最大のライバルになりうる佐々木さんにね」
 古泉君の言葉に、私は黙ってしまう。
 「佐々木さんが今の時点で”彼”の事をどうい意識されておられるかは知りませんが、長門さんは自分の気持ちをあなたに
伝えたということは、長門さんはそう認識しているということです」
 つまり、私がキョンに、男性としての好意を持っていると長門さんは判断したということだ。
 
 その認識はあたっているといえる。夏の日の、今思うと少し恥ずかしい行為は、鶴屋さんにそそのかされたとは言え、それを
実行したということは、あの時以前には、キョンに対する異性としての気持ちが醸成されていたということだ。
 あの電話を受けたあと、胸のザワつきが止まらなかったのは、自分以外に、明確にキョンへ異性としての好意を向ける者がいる
ことへの、心に立った漣だったのだろう。

 「それにしても少し意外な気がしました。長門さんとはそれほど話をしたわけではありませんが、そこまで自分から積極的に
行動するようには見えませんでしたが」
 「あくまで僕の個人的な意見だけど、元々彼女は案外行動する人間なのかもしれない。元彼氏と朝倉さんの会話を喫茶店で聞
いて思ったのだけど、その恋愛中は受身型だったのだろうけど、多分本来の彼女とは違った行動を取らざるを得なくて、結局、
元彼氏の浮気で破局したわけだ。彼女は今回の件で、過去の自分に区切りをつけた。その上でキョンに対する気持ちを確認して、
動きだしたのだろうね。彼女への見方を変えなければならないのかな」
 いずれにせよ、長門さんは、強力なライバルになるのは間違いない。
561この名無しがすごい!:2013/12/07(土) 23:55:47.95 ID:3pUFmHYo
>>545-546
久々に聞いたな、その話。
イスはゲームYsの元ネタの一つだと聞いたことがある。
パリシィはサクラ大戦3で知ったw

それはともかくとして、キョンを誘うためにこんな話をする佐々木さんが愛しいGJ。
562恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2013/12/08(日) 00:15:29.89 ID:op5GuyGC
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS SOS再起動その14


 「まあ、長門さんが”彼”に惹かれるのはわかるような気がします。中川君が余計な事を言いかけた時の、彼の
切り返しは見事なものでした。”男の礼儀”というものを説いて、中川君を黙らせた。恋愛経験豊富な男でないと
あんな言葉は出てくるものじゃないと思うのですが、想像以上に”彼”は器が大きいのかもしれませんね。僕の過
去を知った後でも変わらず、僕を友人として付き合ってくれますし、朝比奈さんと藤原さんの件でも、彼は最後まで
藤原さんの力になろうとしていた。人が良いのもあるのでしょうが、心に彼は”熱”を持っていますね。僕の知る限り
、そんな人は後は鶴屋さんぐらいですかね」
 古泉君の過去という言葉に、私はハッとする。
 つらい思い出。だが、人によっては嫌悪感や、軽蔑を表すのかもしれない。
 藤原君の件が一段落したあと、キョンと二人で色々話したことがあるが、キョンは古泉君が藤原君に語り掛けた
言葉を聞き、あの場で古泉君が見せた行動を尊敬すると言っていた。
  人には色々な過去がある。古泉君にも長門さんにも、私が思いもしなかった経験がある。それを踏まえて上で、
キョンは彼らとの関係を築こうとしているのだろう。

 「どうですかね。お役に立てましたか?」
 「十分だよ。世話になったね」
 「そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいですね。聞いてて興味深い話でしたし。それと、今日聞い
たことは、もちろん誰にもしゃべるつもりはありません。
 古泉君は笑顔で(いつもその表情であるが)そう答えた。
 「古泉君は相談事に向いているのかもしれないね。サ-クルSOSで悩み事相談やったら、案外繁盛すると思うのだけど」
 「実は涼宮さんが合コンだけじゃなく、他の事もやろうか、と言い出してましてね。そのアイデアも出ていました。
僕等は『学生生活(S)を大いに(O)楽しめるようにするサ-クル(S)』だそうですので」
 色々思いつく人だ、彼女は。
 「そういえば、古泉君。君はこの学園での学生生活を楽しんでいるのかい?」
 「ええ。もちろん。いろいろありましたが、光陽(ここ)での学生生活だけじゃなく、学外での事も楽しいです。僕は
いい友人に恵まれたようです。そして―――」
 古泉君の表情が、真剣なものになった。
 
 「僕が好きな人が近くにいてくれる。それが僕にとって、一番楽しいことです」
 
 
563540:2013/12/08(日) 00:53:10.64 ID:V8OHz8Xs
>>557
うわぁ…心配しなくても仕事もプライベートもそれなりに順調なんで気にしなくていいよ
で、申し訳ないけど色々と気持ち悪いんで自分の相手はもうしないでね
564この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 01:18:23.71 ID:ofZYqiQt
>>563
うわぁ…心配しなくても仕事もプライベートもそれなりに順調なんで気にしなくていいよ
で、申し訳ないけど色々と気持ち悪いんで自分の相手はもうしないでね
565この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 01:42:07.74 ID:ualW7Z16
72-192「秋月宵華談〜俺の後ろに佐々木がいる〜」までまとめWikiを更新しました。
最近多忙で作業が追いつけていませんがご容赦を。

避難所にあったSS見落としてました。内容ちょっとアダルトでシリアスかな…。
566この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 08:02:03.20 ID:VtX1uIua
>>560>>562支援
最後古泉も一歩踏み出したね
佐々木さんも踏み出しても良い頃合いかな

>>565
いつもいつもありがとうです〜

>>563
煽るだけのレスなんて相手するだけ損よ
気にしない気にしない
567この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 10:05:57.17 ID:ofZYqiQt
>>563
>>566
マジキチ毒吐きメンヘラ乙w
悔しいのうw悔しいのうwww
568この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 10:24:29.95 ID:GdwLSTX0
なんかいつだったかの俺妹エロパロスレを思い出すな…
アレも原作とロクに関係ない俺設定満載のSS(しかも内容が人を選ぶ奴)を作者がオナニー全開で連載してて、
荒れに荒れた結果作者がスレから追放されたっけな

正直に言うと俺、寝取られ属性有るから長門が非処女でも興奮したけど、
普通にハルヒ好きな人間だったら文句言う内容だと思うの
569この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 15:57:46.25 ID:op5GuyGC
>>565 いつもご苦労様です。ありがとうございます。
570この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 16:21:03.23 ID:op5GuyGC
>>568 確かにそうですね。いつも姉が書き込んでいますが、この度はスレの皆さんに
ご迷惑を掛けてすいませんでした。このスレは自分も大好きで、二人でいろいろ
話を作りながら姉が書き込んでいるんですが、これ以上書き込むと、どうも荒れそうなんで
しばらく控えます。スレが荒れる原因になってしまい、不快な思いをさせた方にはすいませ
んでした。アイデア出した自分にも責任はありますので、申し訳ありません。姉の書く話は
自分は好きなんですが、以後気をつけます。
571この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 16:50:59.95 ID:LIgSNFqP
俺はあなた達、姉弟の書く話は大好きですよ。
書き手と読み手の乖離で、書きたいもの書けなくなるのってキツイ事だと思うし、その辛さは俺も知っています。
前まで色々書いていたけど、今、御無沙汰してるのは別口で似た問題にやられた+単純に忙しい+クソッタレが私生活に介入してきて、書こうにも書けなくなって、モチベーションが無くなったからです。
またモチベーションを取り戻したら、SSを書きたいと思っています。
お姉さんも、モチベーションを取り戻すまでに考える事があると思いますが、あんまりネガティブに考えないように伝えて下さい。
俺はあなた達姉弟の書く物語が好きで、同じSS書きとしても応援していますよ。
572この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 17:07:09.04 ID:VtX1uIua
なあに、スレの1/3があぼんだった頃を乗り越えて来てんだ
嵐は放っといてガンガン書き込みして下さいな
573この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 17:17:13.21 ID:op5GuyGC
>>571,572.ありがとうございます。他の方のSSも楽しみにしています。
574この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 17:28:41.81 ID:ofZYqiQt
荒らしてしまって申し訳ない
うちの嫁さんの元旦那で毒吐きモラハラ野郎に似てたもんで、頭に血が上って同じ土俵に下りてしまった
申し訳ない
再開される日をお待ちしております
575この名無しがすごい!:2013/12/08(日) 23:15:21.55 ID:VtX1uIua
もうすぐ月曜日ですね
おやすみ佐々木さん
576この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 01:27:16.50 ID:sn+rd3ZI
>>573
一人いまだに言動のおかしい(可哀想な?)人が荒らしてるように見えるだけで、数スレ前のアンチで大荒れの時期よりはマシですよ
それでも他の関連スレに比べるとまともな人がほとんどじゃないですかね?
そもそもここは皆が共用しているスレだから場合によってはそれなりに厳しい意見が出るのも仕方ないのではないでしょうか
例えば自分はハルヒの主要キャラは皆好きなんですよ
だからギャグならともかく、シリアスだと変な扱いが気になるととことん気になるんですよね
ただ開き直るのもいけないけど、気にしすぎもよくないです
「ああ、こういう意見持ってる人がここにいるんだ」程度に受け止めないと
まぁ、別に強制なわけでもなし、自分のペースで書いていけばいいでしょ
自分も最近平日土日関係なく忙しくてこんな時間にちょっとしか書き込みできません
SSも数ヶ月書いてないけど時間ができたらまた書くつもりだし、そんな感じでいいんじゃないですかね?
577この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 03:12:45.95 ID:J3mneSUe
>>576
おお、もう…
578この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 04:34:03.43 ID:/aXX0aHD
荒れてますな
579この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 04:53:05.47 ID:J3mneSUe
>>578
同じ事の繰り返しよ。マイナスあるで。
580この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 10:21:19.54 ID:xk63IL+l
>>576
お望どおり作者を追い出したね、満足?
581この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 21:50:36.47 ID:JLBJrN45
古泉かわいいよ古泉
582この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 22:39:13.56 ID:CeHDOq7W
賞味期限が2ヶ月前の缶詰めを見つけた佐々木さん
食べる?食べない?

自分は容器に異常が見られなければ食べるに一票
583この名無しがすごい!:2013/12/09(月) 23:11:53.74 ID:MNsVzcFQ
>>582
佐々木「橘さん、鯖の缶詰食べる?」

または、たまたま停電でガスも止まってしまい、ライフライン全滅時。
「漸く見つけたのが、この期限切れの鰯の蒲焼の缶詰か。」
佐々木「賞味期限とは、決して過ぎたら腐るものでもないのだよ。だから、多少越えていても問題はないはず…」
キョン「ひとつを分けて食べるしかないな。期限切れが蟹でないだけ幸いだな…」
佐々木「ストラバイト現象かい?あれは口にしても問題ないよ。」
キョン「カルシウムの結晶だしな。だか、精神衛生上に悪い。」
佐々キョン、雑談に興じる。
佐々木「つい話し込んでしまったね。さて、鰯の蒲焼を…」
長門「……」モグモグ
となるのが浮かんだw
584この名無しがすごい!:2013/12/10(火) 00:23:27.00 ID:lYM9QlZw
>>580
SSの表現に対し強めに意見言ったら追い出しとか……短絡的というか2chらしいというか
うん、まぁそう見えたのならそう思えばいいよ

>>583
食物ネタで安定の長門さんオチ
相変わらず雑学の知識豊富なスレですな
585この名無しがすごい!:2013/12/10(火) 00:24:28.27 ID:Yz5rxkwH
今回の荒れをニダーさんが解説します。


          |ヽ、   | ヽ
        /  ヽ─┴ ヽ     長門さんに性行為させる必要があったニカ!
      / (;;゚\)ll(/゚;;)\   中学生に性的なもの絡ませる必要あったニカ!
    /   ⌒(__人__)⌒ .\  もう少しぼかしても良かったんじゃないですかねスミダ?
    <  ノ(  |r┬- |     > 弟さんの性格も知ったこっちゃないニダ!!
     \ ⌒ 、|r l -ソ   /
  ::/i⌒i⌒i⌒lヽ::`ー'   ヽ
  ::〈 '` ´` ´`´ l::: ワナワナ  \




       |ヽ、   | ヽ      荒れても数スレ前のアンチで大荒れの時期よりはマシニダ、ケンチョナよ
      /  ヽ─┘ ヽ     よってはそれなりに厳しい意見が出るのも仕方ないのではないでしょうスミダ(荒れ容認)
    /    ─   \    「ああ、こういう意見持ってる人がここにいるんだ」程度に受け止めないと
  /       \    \  まぁ、別に強制なわけでもなし、自分のペースで書いていけばいいニダよ
  <       '" (___人_)>  <・・・・
   \        ` ⌒/
   ノ          ヽ
  /            \




          |ヽ、   | ヽ    鬱陶しいかもしれませんがスレに意見を上げるとこういうことになりますのでご注意ニダ!
        /  ヽ─┴ ヽ   自分の意見と対立する人間は下げすさんで哀れんでやるニダよ!!
      / (;;゚\)ll(/゚;;)\
    /   ⌒(__人__)⌒ .\        ノ\    ノ\
    <  ノ(  |r┬- | u u >       ノ     ヽ_ノ   ヽ    メンドクサイやっちゃな
     \ ⌒ 、|r l -ソ   /     / ノ(           \  意見に整合性を持たせろよ、文句にしか読み取れんは
  ::/i⌒i⌒i⌒lヽ::`ー' u ヽ      /  ⌒              i  適当に聞き流せと言うなら反復すんなヴォケ!!
  ::〈 '` ´` ´`´ l::       \   |  u             |  結局お前が荒らしとるがな・・・
   ::ヽ ヽ '  /::        |   丶                ノ
586この名無しがすごい!:2013/12/10(火) 08:25:50.23 ID:I5p8fIYi
>>583
出オチにも本オチ(?)にもやられたw乙乙です
587540:2013/12/11(水) 00:55:46.25 ID:1+6phiLy
皆さん、変なのを引き込んでしまって申し訳ない
もう黙ります
588この名無しがすごい!:2013/12/11(水) 12:24:10.63 ID:9Wn01/qT
こっそり復帰してもバレないのが匿名掲示板の良いトコロですよ?
NG可能な専用ブラウザは多数ございますので、いつでもまた御越しください〜
589この名無しがすごい!:2013/12/11(水) 18:38:32.90 ID:9Wn01/qT
一旦帰宅してしまうと炬燵から離れられない佐々木さん
590この名無しがすごい!:2013/12/11(水) 23:42:08.27 ID:z71IFkL5
佐々木かわいいよ佐々木
591この名無しがすごい!:2013/12/11(水) 23:55:00.66 ID:SLj0skah
橘京子
592この名無しがすごい!:2013/12/12(木) 20:29:48.51 ID:/NBF2JJZ
シャミにじゃれつかれてストッキングが電線してしまった佐々木さん
593この名無しがすごい!:2013/12/12(木) 22:40:23.74 ID:LP0G0AuW
>>585
何だそれ
594この名無しがすごい!:2013/12/13(金) 00:47:20.37 ID:DV+n+SNZ
>>593
おもに>>540の発言を抜粋羅列してるだけ。流れは>>527から嫁

路面凍結ですっ転んでぱんちゅ見えちゃう佐々木さんハァハァ
595この名無しがすごい!:2013/12/13(金) 08:12:20.12 ID:i+r5O8xI
佐々木さんだってたまには隙を見せるのです
596この名無しがすごい!:2013/12/13(金) 10:32:58.99 ID:adrQuEOo
>>595
藤原「お前のPCにあった佐々木の画像だが、佐々木にバレたら大変だから周防に頼んで消しておいたぞ。ふくくっ…感謝のあまり言葉も無いか。無能な現地人の為に何かしてやるのも悪くは…む!た、橘!やめろ!ほ、包丁は…しかも刃を上に向けて……ぐあああ!」

佐々木「刃物は心臓に近い方に刃が向いていたら、明確な殺意があると判断されるみたいだよ、キョン。」
キョン「未来人への傷害…致死まで行くか分からんが、それを裁く法律ってあるのか…?」
佐々木「さぁ?未来には未来の法があるだろうね。少なくとも未来人は、現行の法律で守られた存在ではないよ。」
キョン「しかし、ここで藤原が果てたら、未来にパラドックスを負わせるのではないか?」
佐々木「だからこそ、行動には細心の注意を払うべきなのだがね。愚かな男だよ、あの未来人は。」

きょこたん「殺すッ!殺すのです!一年かけて溜めた佐々木さんパンチラシリーズをーッ!」
佐々木「…すまない。急用が出来たようだ。後程この埋め合わせをさせてもらおうか。」
…そう言い、鉄パイプを握り締める佐々木の目は…これまで見た事が無い位優しかった。
周防「ーー同類ーー」
ある意味、橘達は佐々木の素を見せられる貴重な存在かも知れん…
藤原が、朝比奈さんの名前を絶叫しながら橘に膾に斬られ、勝ち誇る橘が後ろにいた佐々木に気付いて土下座し、額を地面に擦り付ける様を見ながら、何と無くそう思った…。

と浮かんだw
盛大に佐々木さんの感情を爆発させる、仲良し(?)佐々木団w
597この名無しがすごい!:2013/12/13(金) 12:36:02.47 ID:i+r5O8xI
うわーなんてほほえましいこうけいなんだー(笑)
598この名無しがすごい!:2013/12/13(金) 16:39:55.50 ID:DV+n+SNZ
仲良しグループだー、青春してるなー(棒)
599この名無しがすごい!:2013/12/14(土) 14:37:48.04 ID:wAV9K8bO
佐々木「親友の一歩先があるのなら」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1386996414/
600この名無しがすごい!:2013/12/14(土) 18:54:56.06 ID:JmbIA1nl
>>599
続き来てないね…
601この名無しがすごい!:2013/12/15(日) 06:29:14.87 ID:5UV8D3Ge
お腹が空いたよ佐々木さん
でも布団から出たくないのですよ佐々木さん
602この名無しがすごい!:2013/12/15(日) 14:30:39.01 ID:AMw+SMyL
>>596
おつ
603この名無しがすごい!:2013/12/15(日) 17:06:37.06 ID:5UV8D3Ge
昨日のスレの続き発見
佐々木「親友の一歩先があるのなら」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387089682/
604この名無しがすごい!:2013/12/15(日) 20:28:57.26 ID:mLarP/Ci
久しぶりにVIPやSS速報に佐々木SS出てきたか。
完結してくれることに期待。

なんだかんだで年末は佐々木さんネタ補充できそうな感じだな。
605この名無しがすごい!:2013/12/15(日) 21:37:09.19 ID:zBRvI4g8
こんばんは
606この名無しがすごい!:2013/12/16(月) 18:15:32.64 ID:rWST8vis
大雪のニュースを、頭では現地の人は大変なのだと分かっててもちょっと憧れてしまう佐々木さん
607この名無しがすごい!:2013/12/16(月) 23:29:42.63 ID:EZ72IPBA
ハルヒちゃんの新刊表紙が佐々木さんだ。

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱(8)
http://www.kadokawa.co.jp/cover_b/321308/321308000061.jpg
608この名無しがすごい!:2013/12/17(火) 17:53:10.08 ID:091mIi31
>>607
正直、二人ともあんまり雰囲気がいまいちなような…
漫画の中では崩し方の違和感ないのかな?
609この名無しがすごい!:2013/12/17(火) 21:51:58.89 ID:091mIi31
雨降ってるくらいだから湿度が高いのか、風呂の湯気が凄いことになりました
明日は寒くなる予報だし、結露がどれほどになるかちょっと怖いのですよ佐々木さん
610この名無しがすごい!:2013/12/17(火) 22:47:59.57 ID:qsLOMI60
 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱も長門有希ちゃんの消失 も今回は佐々木さんの出番は
多いので楽しみです。
611この名無しがすごい!:2013/12/18(水) 02:33:32.58 ID:ZYRcIbdO
>>607
これは楽しみ
612この名無しがすごい!:2013/12/18(水) 18:27:05.66 ID:1vVnitrg
長門有希ちゃんの消失がアニメ化らしいね
ひょっとしたら佐々木さんの出番も……
613この名無しがすごい!:2013/12/18(水) 20:05:19.85 ID:s382BLDd
ついに佐々木さんに声が!?
614この名無しがすごい!:2013/12/19(木) 05:54:01.09 ID:aFjmW7cf
腐っても鯛。
ロナウジーニョ、やっぱり凄いのですよ佐々木さん。
615この名無しがすごい!:2013/12/19(木) 19:01:25.73 ID:ZToRGdO4
前は森永理科さんとか白石涼子さんなどの名前が挙がってたけど、数年経ってるし今は佐々木さんに似合う声優候補変わってるかな?
   恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  雨の日〜父と子 その1

 秋雨が冷たく感じられるようになり、晩秋の訪れを告げていた10月の終わりのある日の夕刻。
 私は駅を出て、傘をさしてその冷たい秋雨が降る中、自宅に戻ろうとしていた。
 「――――」
 後ろから、私の名前を呼ぶ声。
 忘れることなどないその声。だけど、振り向くことができない。
 「――――」 
 もう一度呼ばれる私の名前。声の主は―――
 その声から逃れるように、私は雨の中を走り出していた。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------
 「それでキョン君、長門さんがね―――」
 朝倉の部屋で、俺と朝倉、そして長門は朝倉お手製のおでんを食べながら、おしゃべりに興じていた。
 塾に行くのと佐々木と遊びに行く以外の日、最近ではよくこの二人に誘われる回数が増えた。
 「いつも長門さんがキョン君の家にお邪魔しているから」
 そう言って、朝倉が俺と長門を招待してくれた。
 朝倉は料理上手なのだが、寒くなってくるこの時期は朝倉お手製おでんは実に美味い。大根と飛竜頭(がんもどき)
には、よく出汁味が染み込んでいる。
 「この前涼宮さんから連絡あったけど、光陽の学園祭が来週の土、日曜日にあるから、皆で来ない、て言われたけど」
 朝倉の話で、俺は佐々木から招待されている事を思い出した。国木田や谷口も行くとか言っていたな(鶴屋さんと周防
に招待されているのだろう)。
 ”お前は何か出し物に参加するのか?”
 ”それは君が来てからのお楽しみだね”
 そう言っていたずらっぽく佐々木は笑っていたが。

 冷たい秋の雨が小降りになってきた。朝倉の部屋にお邪魔したときは、結構強く降っていた。ただ、この雨は二、三日
は続くらしい。一雨ごとに寒くなり、晩秋を迎え、すぐに冬が来るのだろう。
 「お邪魔したな。おでん美味しかったよ」
 「どういたしまして。それじゃ、キョン君、また明日」
 「またね、キョン君」
 長門と朝倉に手を振り、俺は朝倉の部屋を出て、我が家への帰宅路を歩き出した。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 次の日の朝。
 今日もどうやら天気は雨のようである。
 『ごめん、キョン。実は風邪を引いてしまってね。ある程度は回復しているんだが、治るにはもう少しかかりそうだ。今日の
塾は休ませてもらうよ』
 学校に行く前に、佐々木から電話がかかってきたとき、声の調子がおかしいなと思ったら、そういうことだった。
 「大丈夫なのか?熱とかは?」
 『今は下がっている。昨日雨に濡れてしまってね。その前から少しおかしかったのかもしれないけど」
 「そうか。わかった。ゆっくり休んで早く治してくれ。ぶり返すこともあるから、熱には十分注意しろよ」
 『ありがとう、キョン』
 そう言って電話は切ったものの、やはり心配だった。

 その日の授業が終わり、それから塾に行ったものの、佐々木のことが心配で、あんまり授業の内容が頭に入らなかった。
 一応ノ-トはとってはおいたので、後から勉強しなおすつもりではいるが、とりあえず、俺は佐々木の家にお見舞いに行く事に
した。
 塾での学習が終わり、俺はすぐに塾を出て、商店街の中にある洋菓子屋に寄り、その後佐々木の家に向かった。
 玄関口に立ち、ドアフォン(カメラ付きのやつだ)を鳴らす。
 「佐々木、調子はどうだ?」
 しばらくして、ドアが開き、少し疲れたような表情をした佐々木が顔をのぞかせた。
 「見舞いに来てくれたのかい?」
 「ああ。顔だけでも見ておこうと思って。それとこれ、良かったらたべてくれないか?」
 そう言って、俺は佐々木に洋菓子店で買ってきたケ-キが入った箱を渡す。
 「ありがとう、キョン」
 「とりあえず大丈夫のようだな。良かった。それじゃ俺は帰るよ。また連絡する」
 佐々木の様子が確認できて、俺も少しは落ち着いた気分に成り、そう言って家に帰ろうとした時だった。
 
 「キョン、せっかく来てもらったんだ。家に上がっていかないかい?」
617この名無しがすごい!:2013/12/20(金) 02:19:25.29 ID:OZzomIVs
 姉が続きを書く気がしばらく出ないというので、自分が書いて見ることにしました。
 姉に比べると文章と話は拙いのですが、皆さんどうかよろしくお願いします。
618この名無しがすごい!:2013/12/20(金) 12:22:26.85 ID:gXHJL0fR
支援〜
最初のは長門で良いんかな?のわりにはキョン・朝倉さんと居る時は普通過ぎる気がするし…

>>617
早く元気が戻るのを祈ってますです
619この名無しがすごい!:2013/12/20(金) 12:31:50.41 ID:G4rNYu8L
>>617
橘「佐々木さん、ずっとこっちを見ている女性が居るのですが…」
佐々木「…不審者かい?」
藤原「どうもどこかで見たことある現地人だな。」
佐々木「あれは…僕のファンスレの姉弟のSS書きのお姉さんではないかな。」
九曜「ーーーー」

佐々木「あなた、何か用事でもあるのかしら?」
姉「…書きたいよ」
佐々木「えっ?」
姉「書きたい。また書きたいよ!」
佐々木団、SOS団、登場人物全員、スレの住人全員(ニッコリ)

とお姉さんの気持ちが向くよう、心から願っています。
620この名無しがすごい!:2013/12/20(金) 17:44:43.75 ID:gXHJL0fR
今季一番の寒さに加えて台風にも匹敵する強風で、体感気温が凄いことになった1日でしたね佐々木さん
炬燵の素晴らしさを何度でも再確認
621この名無しがすごい!:2013/12/20(金) 22:22:21.18 ID:M9yLnjXP
>>617
弟さん乙
あんな騒動の後だしお姉さんのモチベーションが戻るといいですね

ちょっとだけアドバイスみたいなの
文章を書き始めの頃は私自身もそうだったのですが文末を
「〜した」「〜た」「〜だ」で終いがちになってしまいよね
まるで小学生の読書感想文みたいで締りが良く無い様に思います
おかげで昔書いたSSを直視できませんwww
これらは別の表現に監置できます
するとどうでしょう、なんと文章が上手くなった気になりますw
がんばってください
622この名無しがすごい!:2013/12/20(金) 22:48:57.99 ID:aSTCdyc+
江南の橘、江北のきょこたん
623この名無しがすごい!:2013/12/21(土) 02:03:55.17 ID:r/jzxL8K
>>618,619,622の皆さん、ありがとうございます。姉は書き込み始めると集中力が
すごくて、連日書き込めるようですが、一度途切れるとしばらく何もしたくないという
事があります。姉の話を一番楽しみにしているのは自分なのですけど、
624この名無しがすごい!:2013/12/21(土) 19:54:47.36 ID:I2Scdgg7
牛乳を買い忘れてることにさっき気付いたのですよ佐々木さん
625この名無しがすごい!:2013/12/22(日) 08:47:44.91 ID:y8ZmnvZH
窓を開けたら一面真っ白な世界



霧が凄いのですよ佐々木
626この名無しがすごい!:2013/12/22(日) 17:50:46.34 ID:y8ZmnvZH
カボチャプリンを作ってあげて、妹ちゃんのカボチャ嫌い克服に一役買う佐々木さん
627この名無しがすごい!:2013/12/23(月) 20:18:41.34 ID:dU+osKr7
佐々木さんのクリスマスの予定は?
 恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  雨の日〜父と子 その2

 佐々木の言葉に、俺は一瞬躊躇する。
 回復しつつあるとは本人の弁だが、まだ病み上がりなので、無理をさせるわけにもいけない。
 ”とりあえず帰るよ”
 そう言ってこの家を辞しようとした時だった。
 さっきまで静かに降っていた雨の勢いが急に強くなり、傘をさしていても濡れそうなくらい、土砂降りになってきたのだ。
 「キョン、雨の勢いが弱くなるまで家にいるといいよ。このまま帰ると、君が濡れて風邪を引きかねないから」
 とりあえず俺は佐々木の言に従うことにした。

 佐々木の部屋にお邪魔するのは初めてのことだ(まあ、普通男は女性の部屋にむやみに上がることはしないものである)。
 家の中は綺麗に整理整頓されていて、掃除が行き届いていたが、何かヒヤッとしたような、妙に寂しいような感じがする。
 佐々木は母親と二人暮らしだと前に聞いたが、仕事が忙しくて、家にいることは少ないと聞く。
 ”そういえば”
 長門や朝倉の家は両親が揃っているが、佐々木の家と同様、仕事が忙しくて家にいることは少ないのだが、あの二人の
部屋は、今俺が佐々木の家で感じているような、さみしさにも似たような感じはない。
 階段を上がり、二階の、二つある部屋の左側の部屋のドアを佐々木は開ける。
 「どうぞ、キョン。ここが僕の部屋だよ」
 
 初めて入った佐々木の部屋は、一言で言えば普通の部屋だった。
 派手に飾り付けてあるわけでもないが、適度に女性らしい感じがそこらに感じられる。ぬいぐるみが一つ大きいのがあるが、
それ以外は見当たらない。
 この部屋で目立つのは本棚に並べられた本の数と、CDの多さだった。どうやら洋楽の類のようである。
 「すごく本を読むんだな」
 「ここにあるのはまだ三分の一くらいだよ。となりの部屋が書庫みたいになっていて、残りはそこに収納しているけどね」
 一度、佐々木は下に降りて、紅茶を入れて、俺が持ってきたケ-キを並べて戻ってきた。
 「すまないな、佐々木。病人にこんなことをさせて」
 「気にすることはないよ。僕が招いたんだ。こちらが君をもてなすのは当然のことだよ」
 
 窓の外の雨の勢いはまだ強いままだった。
 「洋楽を聞くといってもね、歌詞の意味なんか理解していない。音感と曲調で選んでいるのがほとんどだよ。僕は歌詞の意味を
リアルタイムで翻訳するレべルまでは達してないからね」
 まあ確かに佐々木の言うとおりかもしれない。俺はエンヤとかの曲は好きだが(余談だが、初恋の従姉妹の姉ちゃんが好きだった)
歌詞の意味はさっぱりわからん。
 「ワム!の『ラスト・クリスマス』も曲の調子と音感はすごくいいけど、よくよく調べれば結構切ない曲だし、クリスマス向き
じゃないのかもしれない。ロマンチックな聖夜には似合わないね。後一月半もすれば定番ソングとして街中に流れるけど」
 「お前のオススメは何かあるか?」
 「そうだね。この辺はどうかな?ちょっと昔のだけれど」
 佐々木が取り出したのは、八〇年代の、ちょっとレトロな感じがする曲を集めたCDだった。
 「『宇宙のファンタジー アース・ウインド&ファイアー』?どんな曲だったっけ?聞いたことがあるかも」
 「かけてみようか?」
 そう言って、勉強机の横にあるミニコンポにCDをセットする。
 「・・・・・・ああ、これか。思い出した。うちの父親がよく聞いてた曲だ。小さい頃家族で遊びに行った時、よく車の中でかけていた
な、この曲」
 「そうか・・・・・・」
 しばらく二人して黙って過去の名曲に耳を傾ける。俺の父親はこの曲が好きだったのだろう。ドライブの時は、必ずこの曲を掛けて
車を発進させていたものだ。

 「キョン、僕の父親もその曲が好きでね。君のところと同じように、車の中でよくかけていたよ。そのCDはもともとは僕の父親のも
のなんだ」
629この名無しがすごい!:2013/12/24(火) 08:16:08.77 ID:sYfbsfHk
支援
雨が強くなったのまさか神的パワーじゃないよね?佐々木さんちなんだか色々と寂しい雰囲気(´・ω・`)
キョン温めてあげてくれ
630この名無しがすごい!:2013/12/24(火) 22:31:17.29 ID:sYfbsfHk
おやすみ佐々木さん
良い夜を
631この名無しがすごい!:2013/12/24(火) 23:11:38.45 ID:CMioxarS
佐々木さんこんばんは
632この名無しがすごい!:2013/12/25(水) 01:21:36.46 ID:m9A8EMV/
コミックスが最終巻で寂しいが、レイニーが収録されていたから
ほんの少し溜飲を下げました。

・・もうマンガ独自に第二部を進めてくれませんかね
633この名無しがすごい!:2013/12/25(水) 07:24:31.06 ID:vbkRLxMi
我々求公式佐々木さんEND
634この名無しがすごい!:2013/12/25(水) 18:53:01.05 ID:vbkRLxMi
SOS団との合同クリスマスパーティーから、キョンの自転車の荷台に揺られて帰る佐々木さん
635この名無しがすごい!:2013/12/25(水) 18:53:57.33 ID:nM+sozq/
さ、佐々木さんのクリスマスSSを……
キョンと甘い甘い聖夜のSSを……
636この名無しがすごい!:2013/12/25(水) 22:22:13.64 ID:DwNKaJV8
ねじくれたキョンサンタは、一晩遅れでやってくる。
明日の朝までにひとつ書いておくのです。
少し別口のジャンルでの用事があるのですよ…。

…別板別ジャンルで、えっちいのを一本上げるという用事が…(つД`)
時間があれば、佐々キョンでエロパロに上げたいのですが、そこまでは時間が足りないのですよ…
637この名無しがすごい!:2013/12/25(水) 22:37:43.09 ID:vbkRLxMi
>>636
期待して待つ
俺はとっくにネタぎれっす
   恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  雨の日〜父と子 その3

 佐々木の父親。中学生になる前に離婚して、家を出たという父親の事を、前に聞いたことがあった。
 ”何故父と母が離婚したのか、正直今でもわからない。いや、わからないというより理解できないと言った
ほうがいいかな”
 親達には親達なりの理由があるのだろう。子供は案外物事をよく見ているとは言うが、それでもわからない
ことはある。物事はいきなり破局を迎えるわけでは無く、少しずつ事は進み、気がつけば取り返しのつかない
結末になっていたということが多いのだ。
 中学生になる前の佐々木に、それはどんな影響を与えたのだろう。
 戸惑いと悲しみ。そして寂しさ。この家で感じたもの。
 「父親が出て行った後、父親の荷物はないと思っていたんだけど、あるとき書庫の本棚に置いてあることに
気づいたんだ。僕も父親が聞く洋楽が好きだった。言葉の意味をよくわからないで、父親と一緒に聞いていた
。そのCDだけが、父親が僕と母親と暮らしていたという証だよ」

 雨の勢いはまだ強いままだった。
 ミニコンポから流れる曲は、軽快だが、力強い女性ボ-カルのものに変わる。
 「リンダロンシュタッドの『イッツ・ソー・イージー(It’s So Easy)』だね」
 これまた奇遇な事に、俺の父親が大好きな曲だ。運転しながら上機嫌で口笛を吹いていたのを覚えている。

 ”恋に落ちるのはあまりに簡単なの 恋に落ちるのは簡単よ 
  恋に落ちるのは愚か者だって人は言うけど 誓いを全て破って私は恋に落ちてしまうの

  本当に簡単なのよ とてつもなく簡単なのよ
  あまりにも簡単 あなたが相手ならば 私の心は学べばいい”

 人は誰かを好きになる。しかしすべてが幸せな結末を迎えるわけではない。古泉や藤原、そして長門や俺自
身(片思いの大した恋愛じゃないが)。佐々木の両親もそうだ。

 「何故人は恋愛をするのだろうね」
 俺の思考を読んだかのような佐々木の言葉に、俺は首を横に振った。
 --------------------------------------------------------------------------------------------
 「キョン、今の君にとって、父親とはどんな存在?」
 佐々木が入れてくれた二杯目の紅茶を飲みながら、俺は考える。
 小さい頃、父親は俺とよく遊んでくれた。いろいろなことを教えてくれて、父親の存在は身近に感じていた。
 いつの頃からか俺は父親とあまり話さなくなり、友人達と行動することが多くなった。
 それでも、父親は俺たち家族の中にいて、余計な事はせず、俺や妹を母親とともに見守ってくれていることは
わかる。俺にとって父親がいることは当たり前の事なのだ。
 「そうか。羨ましい話だね」
 佐々木はそう言って、紅茶に口を付ける。
 「実は先日、駅で父親と再会してね。偶然声をかけられたんだが、返事が出来なくて、情けないことにその場から
逃げてしまった。その時雨に濡れてしまったせいで風邪をひいたんだ」
 そう言いながら、自嘲するように佐々木は笑う。
 「一度はこの街を離れたのだけど、再婚してここからそれほど離れていない所に住んでいるのは知っていた。けれど
僕の母親と同様、仕事で飛び回っていて、そんなにこちらにいる様子なかったんで、会うこともあんまりないだろうと
思っていたけど・・・・・・少し想定外だった」
639この名無しがすごい!:2013/12/26(木) 00:25:41.31 ID:BaASU3lO
>>636 楽しみにしています。お手本にさせてください。
とりあえずぷよさんの新刊2冊、姉が買って来てくれました(まさかと思うけど
クリスマスのプレゼントとか言うオチ?)。佐々木さん出番多いですね。是非
ぷよさんに佐々木さんマンガ書いて欲しいです。
640『ふらくら時間9』:2013/12/26(木) 04:45:24.80 ID:7lCebcXG
クリスマス。
異教の文化がこう浸透するとは、如何なイエス・キリストとて思わなかったに違いない。
凛とした冬の寒さの中に、商戦を張る日本人らしい何ともなお祭りになってはいるが…
…さて。本日は…ハルヒの馬鹿はサンタのコスプレをし、朝比奈さんを鞭打ち…いや、ハルヒの名誉の為に言えば、朝比奈さんがジョークでトナカイの赤い鼻を付けて遊んでいたら
「夜道を照らして、みくるちゃん!」
と、背後から抱き付いて全力で胸を揉みしだいたのだ。
古泉がとりなし、長門は無言…。結局は朝比奈さんがジョーカーを引いてしまったわけだ。
「…眼福でしたね。」
「…否定はせん。」
「エラー」
「いひゃあああ〜!」
朝比奈さんの素っ頓狂な叫びを残し、今日の団活は終わりを告げた…。

「実に涼宮さんらしい話だね。」
佐々木は近所のケンタッキーで買ってきたパーティーバレルを頬張っている。
その場にあるのは、売れ残りのケーキにこれまた特売品のシャンメリー。
「クリスマスイブに会えないのは仕方ないとしても、流石にお互いの都合が合わずに25日の夜まで会えなかったのはどうかと思うのだがね、親友。」
今日はお前が遅くなると電話したろうが。ぶんむくれた佐々木は、器用にチキンの骨を外して皿に置き…
「なぁに、気にする事はない。凡人たる僕には理解出来ない集団に属するキミだ。僕など蚊帳の外で良いのだよ。」
と言うと、ケーキを切り分けにかかった。
「…面倒臭い奴だな。」
「我ながらそう思うよ。この時間を外してしまえば、キミとは年末まで会う機会はない。となれば、僕はこのクリスマスケーキが食べられたものでなくなる姿を見なければならなかったわけでね。」
僕は長期戦を覚悟しているが、さすがにケーキはそうなる事は想定外だろう。美味しく食べられるうちに食べないとね、と佐々木が笑う。…すまんが、お前が何を言いたいかさっぱりだ。
サンタのお菓子が俺のケーキに乗り、佐々木は小屋のお菓子がケーキに乗っている。さて、乾杯といくか。
「では、乾杯。」
シャンメリーを飲み、チキンを食べ、ケーキを食べる。
プレゼントはお互い用意していなかったが、それで良かろう。お互いに物に執着するタイプでもないしな。
こうして、何も変わらないクリスマスは過ぎていった……。

同じ頃。
「クリスマスケーキと女性の婚期は、同じらしいのですよ古泉さん。」
「貴女が何を言いたいのかさっぱりです。真面目な声を出さないで下さい。耳許に息を吹きかけないでください。顔が近いんですよ気持ち悪い。」
ネグリジェ姿の橘が、古泉ににじり寄ったとか寄らないとか。

『ふらくら時間〜♪』

END

昔は女性の婚期の適齢期としてクリスマスを喩えていたらしいので、ネタに使いました。
ラブラブも良いですが、久々に原点回帰。長尺にせずにテーマを絞ってまとめてみましたw
オチをきょこたんにするか、橘京子にするか、悩んだ末に橘京子。
長尺盤も時間がある時にやりますので、見較べてみるのも面白いかもです。
641この名無しがすごい!:2013/12/26(木) 12:21:28.60 ID:TIN3NI8o
>>638佐々木さん独白支援
>>639
出来はどうですか?

>>640
乙(´ω`)乙
佐々木さん達は静かながら充実してる時間を過ごせてなにより
クラッシュされたのは何ですかね〜♪
642この名無しがすごい!:2013/12/26(木) 23:02:10.14 ID:BaASU3lO
>>641 長門有希ちゃんの消失の方の佐々木さん、国木田との会話の中で、いい笑顔です。
”いるんだ、想い人って奴が”このセリフだけでも買う価値ありですね。
>>640 ふらくら時間〜面白いですね。ラブラブものや純愛物が大好きですが、こういうのも
楽しいです。
643この名無しがすごい!:2013/12/27(金) 00:14:12.16 ID:7h2q6pFT
>>642
ありがとう探してみます

おやすみ佐々木さん
644この名無しがすごい!:2013/12/27(金) 00:24:24.41 ID:daNEWswe
二期に相当する物語自体は「ハルヒとは何者か」を知らしめるため、その計り知れない力の一端を見せる
と言う意味では必要だったと思う、二期での無意識的に、ほしいままに「力」を発揮し、時空を歪め絶滅種を
復活させるその恐るべき力を見て、ハルヒこそ悪のアルコーン、偽神デミウルゴスに違いないと確信したくらいだ
その後ハルヒに対抗しうる力を持つ佐々木が登場するに至り、佐々木が魂の救済者であるソフィアであり
偽神であるハルヒとの黙示録的闘争を繰り広げるのかと期待したが…全然そんなことはなかったぜ(苦笑
645この名無しがすごい!:2013/12/27(金) 00:28:10.94 ID:daNEWswe
>>644は谷川スレからの転載です
なかなか興味深い考察だと思いますが、いかがでしょうか?
646この名無しがすごい!:2013/12/27(金) 08:12:13.52 ID:7h2q6pFT
浅学ゆえにデミウルゴスやソフィアのことは存じませんが、ハルヒの力がながるんにまで及んでる可能性を慮外できませぬ
647この名無しがすごい!:2013/12/27(金) 17:10:38.33 ID:x5lsU0DP
デミウルゴスとかアルコーンは誰のどの学説だか宗教だかわからんのであれだが、
消失以降は、
ハルヒ=キョンが選んだ非日常のシンボル、なんだかんだ言って基本キョンによって肯定される存在
なので、
ハルヒという神

を劇場に配してそのトラブルメーカーぶりを楽しむ観客兼監督兼役者であるキョン

の独白というフィルターを通してハルヒの劇場を見る読者
というめんどっこい舞台構造で、

キョンが役者兼読者へのフィルターというのが厄介な上に、
そもそも平凡ないち個人でありたがる全能神キョンが、
日常に彩りを添えるべく呼び出したピエロであるハルヒ
的な考察の方が多くなかったっけ?
648この名無しがすごい!:2013/12/27(金) 23:42:24.52 ID:usidxWaA
ツガノ版でも長門有希ちゃんでも佐々木さん活躍しているけど、ハルヒちゃんでは初登場ってだけでさほど目立ってないな。
まあ、他の佐々木団がギャグ要員で佐々木さん自身はラブコメ向けの立ち位置ということでバランスはとれているか…。
649この名無しがすごい!:2013/12/28(土) 23:03:55.53 ID:Kt5XMp3e
なかなか古本屋に「ちゃん」の新しい巻が並ばない
嘘予告が載ってる巻すらめったに見ない
650この名無しがすごい!:2013/12/29(日) 18:57:28.13 ID:KazqzqWj
年末の忙しなさに追われる佐々木さん
651この名無しがすごい!:2013/12/29(日) 22:13:39.09 ID:euEyAMnw
ポリスのシンクロニシティーの後半は佐々木。
652この名無しがすごい!:2013/12/29(日) 23:49:00.43 ID:LPqRI//d
ちゃんはまだ来てないの?
653この名無しがすごい!:2013/12/30(月) 15:02:35.86 ID:HVEZBMk1
佐々木はちゃんのアニメ続編では出なさそう
654この名無しがすごい!:2013/12/30(月) 17:09:40.06 ID:elkrQSXt
(´・ω・`)ザンネン…
655この名無しがすごい!:2013/12/31(火) 19:47:29.67 ID:UIWHHsS+
俺の教室にハルヒはいない2の表紙に見た目が佐々木さんっぽい人が…。
656この名無しがすごい!:2013/12/31(火) 20:29:04.81 ID:VbPN7Xy7
うp
657この名無しがすごい!:2013/12/31(火) 21:50:09.56 ID:p4BJruPV
今年もお世話になりました。
来年、モチベーション回復し次第リクエスト再開します。
来年も宜しくお願いします。
658この名無しがすごい!:2013/12/31(火) 21:52:58.98 ID:UIWHHsS+
>>656
ttp://www.amazon.co.jp/dp/4041011698

>>657
お世話様でした。来年もよろしくです。
659この名無しがすごい!:2013/12/31(火) 22:02:03.00 ID:VbPN7Xy7
>>657
たくさん乙でした
復帰楽しみに待ってます

>>658
確かに似てる…
だが胸は似てない!きっと!!
660この名無しがすごい!:2013/12/31(火) 22:33:10.20 ID:RZrNZquD
佐々木さんまた来年
661この名無しがすごい!:2014/01/01(水) 00:18:08.06 ID:bbFzKgLj
皆様今年もよろしく
やる夫界隈とかでは、地味に佐々木さん定着してきたし、
やっぱりキャラとしては抜群の魅力あると思うの。
ちゃんアニメとかで、出番あるといいねえ
662 【139円】 【大凶】 :2014/01/01(水) 07:54:22.55 ID:Q3dihV+K
あけましておめでとうございます佐々木さん
今年も宜しくお願いいたします
663 【大吉】 :2014/01/01(水) 07:55:22.84 ID:Q3dihV+K
厄払いは済んだかな?
664この名無しがすごい!:2014/01/02(木) 11:08:23.88 ID:o956WRZx
皆さん明けましておめでとうございます

先月はボーナス商戦に後輩3人のミスにより泊まり込みが3回
それが終わったと思ったらすぐにクリスマス商戦なのに同僚一人が車に追突されて5日間お休みのせいで大忙し
終盤にはちょっと熱っぽいと2〜3日マスクをしてた旦那がまさかのインフルエンザ(知ってたけど旦那鈍すぎ)
クリスマス明けに息子と娘に感染し私以外K・O
休みに入っても私一人で大掃除と年始の準備
昨日はご来光も見ずに明け方までバタバタ
そのあとちょっと寝て私一人でお世話になった人へ挨拶回り
やっと落ち着きました
佐々木さん、もうゴールしてもいいよね ちょっと眠いんだパトラッシュ……
665この名無しがすごい!:2014/01/02(木) 19:16:58.39 ID:NmfyMGHJ
不運は新年一発目に私めの大凶が引き受けました故、きっと良い事が待ってますよ
しばらくゆっくりゆったり安んで英気を養ってくださいな
666この名無しがすごい!:2014/01/03(金) 10:14:22.07 ID:O+ffPi2r
こんにちは
667この名無しがすごい!:2014/01/03(金) 18:25:08.91 ID:eGHVBTCJ
正月太りを気にする佐々木さん
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  雨の日〜父と子 その4

 「母にとって、父のことは――少なくとも表面的に見る限りは――もう区切りを付けた過去の事、あるいは他人だと考えている
様だけど、僕にとっては、他人じゃない、過去のことでもない。肉親、父親なんだよ。迷い続けているんだ、僕は」
 母親―母、父親―父。佐々木が両親を呼ぶ名称からも、佐々木の心の迷いが透けて見える。
 それは当然のことだろう。佐々木は理知的な、こちらが驚嘆するほど頭のいい女性だが、中身はこの部屋と同じように、同年代
の女子高生とさほど違いがあるわけではないのだ。
 法的にはある程度ケリはついている問題だが、人の心はそんな単純なもので納得できるものじゃないのだから。
 
 窓の外に目を向けると、雨の勢いは幾分か弱まっていた。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「お邪魔したな。病気療養中なのにすまなかった」
 「とんでもない。上がっていくように勧めたのは僕の方だ。それにお見舞いに来てくれてありがとう。嬉しかったよ、僕は」
 少し疲れた様な表情をしていた佐々木の顔に、少しは血色が戻ってきたようだ。
 雨は上がっていたが、すでに外は宵闇に包まれていた。冬が近づく季節の空は、夜が来るのも早くなっている。
 「それじゃ、佐々木、体を大事にしろよ」
 そういって、その場を去ろうとしたとき、佐々木が俺を引き留めた。
 「キョン。その、出来ればこれからも時々、うちに遊びに来てくれないか。今日はとても楽しかった。君さえよかったら、またゆっ
くり話したいんだ、君と二人で色々なことを」
 佐々木の言葉に俺は少し驚いたが、俺は首を縦に振っていた。
 「俺みたいな奴でよければ、佐々木の話し相手にならせてもらうよ」
 「ありがとう、キョン」
 そう言って、俺に向けられた佐々木の笑顔は、思わずドキッとするようなとても綺麗なものだった。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 
 突然強く降り出した雨に、濡れ鼠とかした僕は、誰もいない自分の家にたどり着き、真っ先に浴室に向かった。
 熱いお湯で冷えた体を温めながら、汚れを洗い流す。
 さっぱりした気分で体を拭き上げ、無駄に広く感じられる我が家の廊下を歩き、奥まったところにある自分の部屋に戻る。
 誰もいないことは解っている、隣の部屋のドアを開けると、そこには姉の――森さんの荷物が置いてある。
 朝比奈さんと同じ学校に転校することになった森さんは、マンションを引き払い、必要なものだけを持っていき、残りの荷物を
我が家に預けて行った。雇いの家政婦と僕で荷物は整理しているが、なかなか片付かない。
 ため息をついて、自分の部屋に入り、椅子に腰かけた時、机の上に、赤い封筒が置いてあるのが目に留まった。
 差出人の名前を見る必要はない。この色の封筒で僕に手紙を送る人間は、一人しかいない。
 『古泉一樹様』 
 宛名に書かれたその名前を見ると、少し奇妙な気分になる。姉に――森さんに、フルネ−ムで呼ばれたことなどないからだ。
 
 ぺ−パ−ナイフで封を切り、中身を取り出す。
 綺麗な字で認められた、5枚の便箋。
 『一樹へ』
 そう書かれた書き出しで始まる手紙を、静まり返った部屋の中で、僕は読み始めた。
 
669この名無しがすごい!:2014/01/03(金) 23:23:11.72 ID:uudyCi2p
遅くなりましたが、スレの皆様、明けましておめでとうございます。
 姉と初詣や遊びに行った以外は、家でごろごろしている三が日でした。
670この名無しがすごい!:2014/01/03(金) 23:40:27.59 ID:eGHVBTCJ
支援
佐々木さんがシリアスな雰囲気だと速報のスレと混同しそうになるw

>>669
今年は曜日の並びのおかげであと2日ごろごろできますね〜
671葛藤 1:2014/01/04(土) 21:37:36.95 ID:AL09N0kG
僕には最近妙に気になるもの、最早渇望というべきものがある
涼宮さんの仕業かと思える程急に気になりだしたのだ
本屋やコンビニで特設コーナーが出来る書籍
18歳未満は閲覧禁止の書籍――所謂エロ本と呼ばれるものだ
恥ずかしながら今まで一度も見たことないそれは18禁とはいうものの、殆んど建前のようなものである
実際勤勉な学生であるはずのクラスの男子生徒ですら集まってこっそり読んでるのを何度も見ている
一部の女子生徒が読んでるレディコミというものもなかなかにきわどいものらしい
だから僕がそういうものに興味が出てもおかしくない
むしろ今までなかった方がおかしいのだ
が、しかし、それは周りの人にとって僕のキャラからは恐らく程遠いものと認識されているだろう
いや、別に大凡の他人や周りの異能者達からの評判なんてそこまで大したものじゃない
なんならクラスの男子生徒に読ませて欲しいとお願いするのも出来ないわけではない
たとえそれで評判が変わろうとも、それが僕なのだから仮にそれで離れる人が出てもそれは仕方ない
因みに僕には恐らくいくつかの勢力の監視の目が光っている
だから性欲の処理は流石にそういう監視が緩い風呂場やトイレで妄想しながらでしかやったことがない
しかしもうそんなものはどうでもいい
ただただ読みたいのだ
読んでこの苦しみを解消したいのだ

ただ、不安材料が一人
彼――キョン――である
恐らく書籍を手にしたら貪るように読んでしまうだろう
それほどに欲求が高まっているのだ
彼は僕がそこまで異常な態度をとったと知ったらどういう反応を示すのか
恐らく「やれやれ、お前もそういうものに興味があるんだな」で笑って済ませてくれるだろう
だが万が一ドン引きされたら……それだけは避けたい
何故だか分からないが彼に避けられるのだけは嫌だ
愛情云々ではないのははっきりしているのだが距離を取られるのは辛い
それほどに大事な得難い友人なのである
しかしもう限界だ
672葛藤 2:2014/01/04(土) 21:39:28.63 ID:AL09N0kG
そう考えながら来たコンビニでも更に悩み、早1時間以上経ってしまっている
知ってる書店のそういう雑誌は完全に隔離された場所にあるためそこに近づくのは初心者には厳しい
また、参考書をよく買うため顔見知りの店員さんに咎められるかもしれない
いくらなんでもそれはまずい
なんだかんだ言いながら僕にもまだ羞恥心はあったようだ
そういう訳で見知らぬ店員しかいないコンビニに来たわけである
服装もちょっと大人っぽくしたから大丈夫だろう
とは言うものの買うタイミングというものがなかなか難しい
自意識過剰なだけであろうが、他人の視線が予想以上に気になるのだ
しかし今残り最後の客が会計を済ませて出て行った
今がチャンス!
袋とじになってて中身が確認できないから適当なものを手にとっていざレジに「らっしゃっせー」何だとぉー!!
しまった、店内に気を取られて外を全く見てなかったァ!
おまけによりによって入ってきたのが……

キョン「珍しいな、こんな所で会うなんて」

な、何故ここに……

キョン「偶然こいつらに会ってな、近くの雑貨屋に付き合わされた帰りにお前の姿が目に入って来たんだが……」

彼が怪訝そうな顔をする
それはそうだろう
僕は狭い18禁コーナーで18禁の雑誌を手にした体勢のまま固まっていたのだから
ダメだ、頭が真っ白になってきた……

キョン「そんな所で固まって何やってるんだ

















     古泉」

佐々木「ふむ、ここは気がつかなかった方がよかったのかもしれないね、キョン」

橘 「こ、古泉さん、わ、私は何も見てないのです だからお気にせずに///」

九曜 「――ファミチキ――20個――所望――10分待機――了解――古泉一樹を観測しながら待つ――」
673この名無しがすごい!:2014/01/04(土) 21:54:36.15 ID:AL09N0kG
仕事帰りに寄ったコンビニで漫画を立ち読みしながら18禁コーナーをチラチラ見ている男の子が一人
大人っぽい格好をしてるんだけど、アナタどう見ても中学生ですよ
代わりにお姉さんが買ってあげようか、をグッと我慢して帰りました
帰り道に今時の高校生って気にしないんだろうなと思いながらもこんな話になりました
674この名無しがすごい!:2014/01/04(土) 22:01:34.59 ID:RU3uXEIj
騙された
675この名無しがすごい!:2014/01/04(土) 22:12:18.51 ID:cKBXh0rS
>>673
君は僕たちを裏切った。
期待に満ちた手つきで画面をスクロールさせていった
僕たちの期待に対して酷い裏切りを行ったのだ。
今すぐ君がすべきことは、その素晴らしいSSの
佐々木さんバージョンをアップして僕たちの溜飲を下げることだ。
わかったかいGJだチクショウ騙された
676この名無しがすごい!:2014/01/05(日) 07:53:56.99 ID:1lqob9ux
参ったwww
いやいや20歳超えてても、恥ずかしいものは恥ずかしいですよね乙乙乙
677この名無しがすごい!:2014/01/05(日) 21:52:52.63 ID:ZUBxMtI5
>>673 すごくおもしろいオチでした。乙です。
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  雨の日〜父と子 その5

"こちらに来て二か月近くが過ぎ、街も色付き始めました。この時期になると、この街は観光客にあふれ、
 たくさんの人が季節が織りなす古き良き伝統の美を求めています。
 私は今、こちらの学校で朝比奈さんと同じ倶楽部に入り、茶道や生け花を習いながら、残り少ない高校生
 活を過ごしています。朝比奈さんもああいうことがあって、まだ心に区切りがついたわけではないけれど、
 最近では、以前のような愛くるしい笑顔も見れるようになってきました。
 私も一樹の傍から離れ、この地で自分自身を見つめなおし、ようやく過去のことに区切りを付けれる気持
 ちになりました。
 一樹。貴方を愛したことは、私にとって、とても大事な思い出です。そして貴方を、いいえ正確に言えば、
 貴方というよりは、私達の父を憎んだ気持ちもまた、忘れることはできないでしょう。
 離れることで、夜叉の妄執から私は逃れることができる。しばらくは貴方と会うことはないでしょう。今度
 会うときは、私は本当の貴方の姉さんとして現れるでしょう。
 一樹も私との過去に囚われず、貴方が思う大切な人へあなたの心を伝えなさい。涼宮さんにあなたの想いが
 伝わることを私はこの地から願います―――                              ”

 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 封筒には、何枚か写真が同封されていた。
 朝比奈さんと姉さん――森さんが、秋の色が深まりだした京都の風景を背にして、笑顔で写しだされていた。
 その顔は、まだ何も僕らが知らなかった頃に、いつも見ていた姉さん――森さんの笑顔だった。
 
 手紙と写真を封筒に戻し、それを机の中にしまい、僕はベットに体を横たえ、天井を見上げる。
 手紙の言葉が頭の中で反芻される。
 過去を変えることは出来ない。僕等二人の出来事はなかったことには出来ないくらい濃密なもので、愛したことも
憎しみをぶつけ合ったことも、僕の心の中になまめかしく残っている。
 そして父への憎しみと怒り。
 そもそもの元凶は、僕の父親だ。企業経営者としての父は、僕ですら敬意を表したいが、人間としては最低だ、と
思う。どういう事情があったのかわからないが、父の行為は同じ男として許容できるものではない。
 ”過去が変えれるものならば”
 昔読んだライトノベルの中に、世界を変えられる無意識の力を持った女子高生の話があった。何となくヒロインの
感じが涼宮さんに似ているのだが、もし本当にそんな力があるのならば、僕はすべての過去を変えてしまいたい。
 僕と森さんが姉弟でなく、他人として出会う世界があるのならば――

 現実にはそんな力は存在しない。だからこそ人は過ちを犯し、そのことがもたらす結果に苦しみ、迷いながらも、
より良い先にあるものを求めて前に進もうとするのかもしれない。そう、姉さん――森さんの様に。
 
 体を起こして窓の外を見ると、雨の勢いは弱まっていて、周囲は宵闇に包まれていた。
 中庭灯と外灯のスイッチを付けると、闇の中に、秋色に色付いた庭木の姿が浮かび上がった。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------
 
 雨が急に強く降り始めた。
 仕事帰りの会社員やOL、学生たちが急ぎ足で商店街を駆け抜けていく。
 母に頼まれ、店番をしているが、こんな日は夜の酔客も少ないだろう。水商売向けの花も、存外天候に左右される。
 「ごめんください」
 傘を閉じて、女性の客が一人店内に入ってきた。
 「いらっしゃいませ――」
 女性客の姿を見て、思わず僕は息を呑みこむ。
 「今晩は、藤原君」
 朝比奈さん――姉さんのお姉さん、僕にとっても異母姉にあたる朝比奈みちるさんだった。
679この名無しがすごい!:2014/01/05(日) 23:18:48.31 ID:1lqob9ux
支援
この古泉は、葛藤することはなかっただろうな
また別の葛藤はたくさんあっただろうけど
680この名無しがすごい!:2014/01/06(月) 23:34:26.11 ID:paAtztqZ
こんな話題を見て真っ先に佐々木さんのことを連想したよ

男友達を彼氏にしてよかったこと4つ - モデルプレス
ttp://mdpr.jp/column/detail/1305888
681この名無しがすごい!:2014/01/07(火) 12:33:57.50 ID:FEhYInd/
>>680
男女逆転させても成り立ちそうだ
気まぐれに頬を寄せて来たり背中からもたれ掛かってくる佐々木さんを見られるのはキョンだけ
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  雨の日〜父と子 その6

 彼がわたしとの待ち合わせのお店に来たのは、わたしが彼のお店を訪ねてから一時間半後のことだった。
 「お待たせしました」
 まあ、わたしもその待ち時間のうち、一時間は近くの大型書店で時間を潰していたから、さほど待っていたというわけでは
ない。
 「店番て大変ね。いつもあなたがしているの?」
 「いいえ。母が用事があるときと、僕が手伝える時だけです……なるべく手伝うようにはしてますが」
 藤原君の表情はいささか強張っているように見える。彼と会うのは、妹(みくる)と彼に真実を告げたあの日以来だ。
 そんなわたしが突然訪ねてきたのだから、彼が警戒しているように見える態度をとるのはある意味当然なのかもしれない。
 「何か食べましょう。夕食まだなんでしょう?わたしが奢るから、好きなものを注文して頂戴」
 「え、しかし……」
 「遠慮はいらないわ。わたしの都合であなたを呼び出したのだから」
 「そう、ですか……」
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 藤原君とわたしが注文したのは、偶然にも同じメニュ−だった。
 短角牛(赤牛)のハンバ−グにナイフを入れると肉汁があふれ、わたしはフォ−クにそれを突き刺し口に運んだ。
 「美味しいわね」
 「そう、ですね」
 藤原君はまだぎこちないままだ。
 「藤原君。最近、みくるに連絡をした?」
 藤原君の動作が一瞬止まり、視線を下に向けたまま、首を横に振った。
 「……あれから一度も連絡していません。いや、しばらく連絡をするべきではないと思っています……」
 「どういうことかしら?」
 「あの人が僕の姉さんであるという事実を僕は理解しています。でも、頭は理解していても、心はまだ納得していない。いま、あの人の声を
聞くと、僕はおかしくなる。衝動が、狂気といった方がいいかもしれない――抑えられない。でも、それは僕にとっても、あの人にとってもい
いことじゃない。あの人のことが本当に僕は好きなんだ。だからこそ、今は……」
 彼の言葉の行間に見える激しい想いを聞き、少しやるせない気持ちになる。
 「あなた、みくると同じことを言うのね」
 藤原君が顔を上げる。
 「あなたへの手紙を預けられたわ。区切りを付けたいと言いながら、何度も迷って、それでもあなたに出したかった手紙よ」
 藤原君は少し震えた手で、わたしから妹の手紙を受け取り、食い入るようにその手紙に目を通した。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 妹からの手紙を読んだ後、藤原君は呻くようにつぶやいた。
 「約束をしたんです……いつか姉弟であることを喜べる日が来ることを……」
 迷い、苦しみ、理性だけでは納得出来ない衝動に心乱され、もがきながらも、二人は前に進もうとしている。その原因を作ったのは……
 
 「藤原君、父を、青山方丈を恨んでいる?」
 私の言葉に、彼の表情が険しいものになる。そして、わたしから視線をそらす。
 藤原君の体が震えている。
 「……僕にとっても、あの人にとっても……そしてあなたにとっても、父親です。恨むとか、そんな単純な感情では表せない」
 コップに残っていた水を飲みほして言葉を続ける。
 「いないといっていた僕の父親がいたのは、うれしい気持ちもある……母はまだ父に心があるみたいで……だけど、あの人と姉弟だというのは
……正直、わからない……」
 彼の言葉を聞き、わたしはお店の窓の外に視線をそらした。
 外の雨は、大分勢いが弱くなっていた。
 
683この名無しがすごい!:2014/01/08(水) 01:05:11.48 ID:mu85m7fb
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 
 家に帰り、俺は窓の外を眺めながら、今日の佐々木の話を思い返していた。
 父親に対する、佐々木の複雑な感情。
 俺の家族関係は平凡で普通だと思っていたが、それがいかに大切なものか、考えさせられたような気がする。
 ”そういえば……”
 父親との関係というならば、古泉や藤原も相当複雑なものだ。あの二人は、父親によって背負わされたものが
大きすぎる。
 少し憂鬱な気分になりながら、窓の外の夜空を眺めると、いつの間にか雨は上がり、雲は消えていて、月と星が姿を見せていた。
 ”ん、あれは”
 流れ星が一つ、雨上りの夜空を横切って行く。
 ”願わくば佐々木や古泉や藤原達が……”
 余計な世話かもしれない、それでもただ3人の、それぞれの父親との関係が良くなることを、俺は祈った。
 
姉が続きを書く気が出ないので書いてみましたけど、SS書くのは大変ですね。
 (姉も含めて)SS職人の皆さんはすごいです。話のネタは思いつくんですけど、
文章にするのは難しいです。思い知らされました。
685この名無しがすごい!:2014/01/08(水) 12:22:44.20 ID:uYyI+9DM
支援ん
佐々木さんはキョン、古泉はハルヒが居るとして藤原は誰とくっつくのが平和だろうか
686この名無しがすごい!:2014/01/09(木) 12:10:53.22 ID:MV8BuRew
今日は厳寒……のわりに、風のない場所ではさほどでもないのですよ
服装も違うとはいえ、11月末あたりの急に冷え込んできた頃の方が体感的な寒さは上な気がします
慣れって凄いですね佐々木さん
687この名無しがすごい!:2014/01/09(木) 20:52:41.81 ID:QClDy/cI
こんばんは
688この名無しがすごい!:2014/01/10(金) 18:12:30.89 ID:Gmqv+Ct3
寒さ対策が行き過ぎて、着膨れしてる佐々木さん
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その1
 
 「佐々木。学園祭の最後の日に、俺からの芙蓉の花を受け取ってくれないか。」
 
 光陽の文化祭があと一週間後に迫ったある日のことだった。
 私は自分のクラスの出し物を担当する委員の一人に選ばれていたが、もう一人の担当者が、クラスの学級委員長でもある彼だった。
 準備も大分進み、あとは細かな飾り付けと二、三程度の修正を行えば準備完了というところまで進んでいた。
 今日の分も終わり、家に帰ろうとしたとき、彼に呼び止められ、私は彼にそう告げられたのだ。

 芙蓉の花とは、光陽学園を象徴する花であり、校旗にも施されている。ただ、学園祭の時の「芙蓉の花」には、別の意味がある。
 学園祭では、生徒達手作りの、紙や布で作られた造花の芙蓉があちらこちらで貼り付けられ、学校中を彩る。
 学園祭の最後の日。思いを寄せる人物がいる生徒は、その芙蓉の花を手に取り、想いを寄せる人物にその花を手渡すという、この
学校の伝統行事見たいなものがあるのだ。
 話に聞いたところによると、実際、これがきっかけで付き合うようになり、中には結婚まで進んだカップルもいるということだ。
 すでにクラスの中では、誰が誰かに渡すみたいだ、とか、いろんな噂話が飛び交ってはいたが、私には無縁の事だと思っていた。
 私に芙蓉の花を渡す、つまり、私と付き合いたいという意思表示なのだけど……

 「突然こんなことを言われて戸惑っているかもしれないが、俺は佐々木のことが好きなんだ。もしよかったら、俺と付き合ってほ
しい」
 私は困惑した表情をしていたに違いない。
 「一週間後の学園祭の最後の日に返事を聞かせてほしい」 
 彼はそういって、教室を出ていった。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 キョンの家の呼び鈴を押した時、家の中から出てきたのは、キョンではなく、キョンの妹ちゃんだった。
 「あれ、佐々木のお姉ちゃん?」
 「突然ゴメンね。お兄さんはいる?」
 「キョン君なら、有希ちゃんを家に送って行ったよ。たぶんもうすぐ帰ってくると思う」
 どうやら長門さんが来ていたらしい。
 「そうだ、佐々木のお姉ちゃん。キョン君の部屋で待っておけばいいよ」
 「え、でも……」
 さすがにキョンが不在のときに、部屋に上がるのは気が引ける。
 「いいから、いいから」
 そういいながら、妹ちゃんは私の手を取った。

 半ば強引に妹ちゃんにひきこまれて、私はキョンの部屋にお邪魔することになった。
 この部屋に入るのは初めてではないけど、キョンがいないときお邪魔するのは初めてで、何かいつもと違う感じがする。
 男の子の部屋ににしては整理された部屋は、私の家と違い、何か暖かさを感じる。ここに来ると、私は気分がおちつくのだ。
 10分ぐらい待っただろうか。
 「え、佐々木が来ているのか?」
 「うん、お姉ちゃん、キョン君の部屋で待っているよ」
 玄関口で、キョンと妹ちゃんが会話しているのが聞こえた。キョンが戻ってきたようだ。
 
690この名無しがすごい!:2014/01/11(土) 07:47:18.47 ID:fL8sTKJk
支援
問題いっぱいあるから、キョンと佐々木さんが交際する展開はまだまだハードル高いよなあ…
どうなるんだろ
691この名無しがすごい!:2014/01/11(土) 21:11:25.56 ID:l33QuDSF
こんばんは佐々木さん
692この名無しがすごい!:2014/01/11(土) 22:29:02.89 ID:OF+L41Ir
こんばんは
693この名無しがすごい!:2014/01/12(日) 13:18:10.14 ID:zoboVdkH
シンガポール

シンガポール

中国

ベトナム
694この名無しがすごい!:2014/01/12(日) 17:24:40.52 ID:1V7oyg7k
>>693
何???
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その2


 幾分か慌てたような様子で、キョンが自分の部屋に戻ってきた。
 「すまない、佐々木。待たせて悪かった」
 「突然お邪魔したんだ。気にしなくていいよ、事前に言っていなかったからね」
 実際、キョンの家を今日訪ねるつもりはなかったのだ。
 「長門さんを送りに行っていたんだって?妹さんから聞いたよ」
 「ああ。シャミセン――うちの猫を見に来たんだ。元々は長門が拾ってきたんだけど、あいつの家じゃ飼えないか
ら、家にもらったんだ」
 そんなことを話していると、その話題の猫が部屋のドアの隙間から入ってきて、キョンのところへやってきた。
 「三毛猫だね」
 「雄の三毛猫なんだ。拾い物にしては幸運すぎると思う」
 確かにキョンのいうとおりだ。

 「キョン、これをあげておくよ」
 私は学園祭のチケットを取り出し、キョンに手渡した。
 光陽の学園祭は、原則として招待客しか入れない。家族や卒業生のほかは、生徒自身が招待するわけだが、一人当たり
3名までだ。そのチケットを、先週、塾に行ったとき、キョンに渡す約束をしていたのだ。
 「すまんな。今度の塾のときでもよかったのに」
 「いや、こういうものはもらったときに渡しておかないと、後で慌てる羽目になりやすいからね」
 「そういや、クラスの出し物の準備委員になったといっていたな。ハルヒ達から聞いたけど、えらく頑張っているそうじ
ゃないか。古泉の奴が感心していたぞ」
 「まあ、選ばれたからには全力でやらないとね」
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 キョンとおしゃべりしているうちに、いつの間にか時間は過ぎ去っていた。
 楽しいことは時間が過ぎるのが早く感じられる。
 「家まで送るよ」
 そういって、キョンが私を家まで送ってくれることになった。
 「キョン君、有希ちゃんに続いて二人目だね」
 妹ちゃんが意味ありげな顔で笑い、キョンがうるさいとあしらった後、私達はキョンの家を出た。

 ”結局、肝心なことは話せなかった”
 私がキョンの家に来た本当の目的は、放課後の出来事、すなわち私がクラスの委員長に告白されたことについての事だった。
 ”だけど……”
 キョンと話しているうちに、私には心に迷いが生まれていた。
 ”キョンに話すべきことだろうか?”
 私はキョンのことを大切な親友だと思っている。塾や休日の時にしか会えないが、私がもっとも信頼できる人間だ。口は堅く、
長門さんの件でも見せた、思いやりの心を持っている男の子。
 長門さんはキョンに対する、異性としての好意を私に告げた。古泉君は、長門さんが私をライバルとして認識していると言った
が、肝心の私は、キョンに対する気持ちがまだあやふやだ。
 ”迷っているの?私の心は”
 隣にキョンがいて、一緒に話しながら歩いていると、心が温かくなる。とても満たされた気持ちになる。
 ”この気持ちは……”
 それを何と呼ぶべきか、私にはわからなかった。
 
 
 
 
696この名無しがすごい!:2014/01/12(日) 23:25:20.93 ID:N6Qxu81n
支援
やはりまだ時期尚早でありましたか
697この名無しがすごい!:2014/01/13(月) 16:35:10.33 ID:ewmtcjW/
思わぬ場所にドンキホーテが新しくできてたので寄ってみましたが、思ったより安くなかったのですよ佐々木さん
698この名無しがすごい!:2014/01/13(月) 23:34:35.08 ID:A27pbjNH
こんばんは
699無くて七癖とは言うけれど 1/2:2014/01/14(火) 12:03:20.75 ID:Dpn2E2xb
やぁ、最近殊更に寒いね 僕自身寒いのはそこまで嫌いじゃないんだけどもう少し暖かくなってほしいもんだね
まぁ、家の中は暖かいから……早く本題に入れと? せっかちだな君も
落ち着いてお茶をどうぞ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

僕の友人の事、と言うかその友人とのこれからの事で今僕は悩んでる
名前は【禁則事項でしゅ】と言うんだけど……なんだい今の?
……うーん、どうやら本名は言っちゃいけないみたいだね
と言うか今噛んだよね、大丈夫かな?

???1「ふぇぇ、鉄の味がしますぅ……くすん」

えっと、皆からは『キョン』って呼ばれているんだけどさ、本人はあまり気に入ってないみたいなんだよね
そもそもそのあだ名も名前の漢字に【ふん、禁則事項だ】っていう字が……ってこれもダメなのかい?
それにしてもさっきから何なんだい? ……ふーん、そこは答えてくれないんだね

???2「ふん、面倒だが姉さんがあれじゃ仕方ないからな」

まぁいいか
僕の大事な友人「キョン」はとかく不思議な奴でね、よくモテるんだよ
彼とそれなりに関わりのある女性は皆大なり小なり異性としていい感情を抱いてるようなんだ
僕もそれなりにモテるって言われるけど彼とはちょっと違うんだよね
自分で言うのもなんだけど僕は容姿が人よりいくらかいいらしく、あまりよく知らない人からもそこそこモテたりするんだ
でもキョンは妹さんがいるせいか包容力っていうのかな?、それがとても高いんだ
おまけに世話好きと言うか人がいいというか、人が困っていると遠慮なく手を差し伸べてくれる
そして物事を程良く知っていて程良く知らない
仮に知らない内容でも自分の考えをさっとまとめることができる
残念ながら勉強でそれが発揮できてるわけじゃないようだけどね
そこまで興味のない話題でも聞き流すことをしないから話をしてて本当に楽しいんだよ
見た目は実に平均的なんだけど、知れば知るほど惹かれていくってヤツなんだよね
だから男性でも彼のことを気に入る人は少なくないよ
かくいう僕も恋愛感情まではいかないにしても、とても気に入ってる友人なんだ
700無くて七癖とは言うけれど 2/2:2014/01/14(火) 12:13:20.03 ID:Dpn2E2xb
おっと、話がちょっと逸れちゃったかな ここからが本題
キョンとは大学受験のための勉強をたまにしてるんだけど、日曜日である今日彼がうちに来ることになったんだ
それ自体は特に問題ないよ
でも僕自身にちょっと問題があってね
土日は親が職業柄夜遅くまで働いていて家にいない時間が長いんだ
それを知ったキョンが気を使ってか、うちに来てくれるって言ってくれてさ、実にキョンらしい行動だよ
まぁ、嬉しい申し出ではあるんだけど実際の所、自分一人である程度やりたい放題できるから自分としては特に問題ないんだよね
ただ、そのせい(?)で土日家にいるときは変な習慣ができてしまってさ
簡単に言うと家の中では裸なんだよ
正確には全裸にニップレスのみ
以前昼間から風呂に入ってその後ふとその格好をやったらなんか病みつきになったんだ
我ながらちょっと変かなって思うけど、人間変な癖はひとつやふたつあるもんだろ
僕の場合たまたまそれが全裸にニップレスってだけでさ、些細な問題だよね
ただそれが当たり前というか快感になってしまって、キョンの前でもその格好でいるべきか悩んでいたんだ
彼にはあまり隠し事したくないからさ……乳首は隠すけど
ただそれをキョンが受け入れてくれるか心配でね、昨日からずっと考えていたんだ
まぁ彼の周りは随分と個性的なメンバーが多いからね、恐らく大丈夫だろう
驚きはするだろうけど、いつもの「やれやれ」で済ませてくれるはずさ
そんなこんなで結論としてキョンには僕のあるべき姿を見てもらおうということになったんだが……
おや? そうこう考えてるうちにキョンが来たようだ
うん、鍵は空いてるからそのまま入ってきていいよ
ちょっと訳あって玄関には出られなくてさ(流石に玄関に出ると外から見られてしまうからね)
飲み物を用意してるところだから上がって正面の部屋にどうぞ
さて、キョンはどんな反応を見せるのかな
やぁキョン、いらっしゃ……え?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

キョン「やれやれ、別にお前が人に迷惑かけなければある程度は気にはしないさ
     ただな、言ってなかった俺も悪かったが、俺がひとりじゃない可能性は考えなかったのか

















     国木田」
701この名無しがすごい!:2014/01/14(火) 12:14:40.73 ID:CMXtV2O0
続くのかな?支援
こないだの古泉という例があるから、佐々木さんの名が出てない『僕』には慎重になってしまうw
702無くて七癖とは言うけれど おまけ:2014/01/14(火) 12:15:10.95 ID:Dpn2E2xb
佐々木「流石にこれは……君もインターフォンにカメラがついてるんだから確認くらいしたまえ///」

ハルヒ「あたしも人の性癖にはとやかく言うつもりはないけど、間にキョンがいなかったら飛び蹴りしてたわよ!///」

 古泉 「これは僕もなんと言ったらいいものか……気持ちはわかりますけどね」

 長門 「……(涼宮ハルヒから今までにない情報爆発を観測するも特に問題はなし)」

 阪中 「あたしは涼宮さんに昨日誘われて来たんだけどお邪魔します、あ、シュークリームどうぞなの」 ←絶賛混乱中

キョン「どうしたもんかな、この惨事 なぁ佐々木 あと国木田はお茶なんぞいいからまず隠せ」

佐々木「僕に振らないでくれるかいキョン 取り敢えず棒立ちになってるらしい国木田をどうにかしてくれ」

 長門 「……(パーソナルネーム国木田○○のは平均より一回り大きいと報告 報告は破棄された)」 ←エラー処理中
703この名無しがすごい!:2014/01/14(火) 12:26:46.42 ID:Dpn2E2xb
先日職場で土日祭日出勤の時子供がどうしてるかの話題になりました
中学生以上になると色々隠れてやってるんだろうなと思いこういう話に
親としては多少の性癖は認めてあげようと思っています
ところで1レスの限界行数はいくつなんでしょう?
2/2とおまけは最初は一つにしてたのですが改行が多すぎとエラーをくらいました
エラーって言われて長門さんの気分になって気分は上々ですけどね

>>701
ここはなかなか慎重な方がいるようで ええまたですごめんなさい
もう同じような口調のキャラがいないのでやり方を考慮中です
704この名無しがすごい!:2014/01/14(火) 18:43:26.30 ID:CMXtV2O0
乙乙ながら先に>>703を読んでしまった俺orz
行数は遥か昔の記憶で良ければ60行までだったはず…
でもその頃とは板も違うしあまり当てにはしないでね
705この名無しがすごい!:2014/01/14(火) 18:54:23.18 ID:CMXtV2O0
ついでに佐々木さんのセリフをLet's書き分け
>佐々木「流石にこれは……君もインターフォンにカメラがついてるんだから確認くらいしたまえ///」
↓↓↓
国木田「流石にこれは……◯◯◯(名前)も、インターフォンで確認くらいしようよ///」
古泉「流石にこれは……せっかくインターフォンにカメラがついてるのですから、確認くらいはしておくべきでしょう///」

個人的にはこんな感じ
706この名無しがすごい!:2014/01/14(火) 23:02:00.61 ID:AuWn7apM
つ……釣られてなんか、釣られてなんか……!(血涙)

それはそうと
>涼宮ハルヒから今までにない情報爆発
これはBLの覚醒と見ていいのだろうか
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その3

『もしもし、古泉さんですか?』
 夕方、僕にかかってきた電話の主は、阪中さんだった。
 彼女が僕に電話をかけてきた理由は解っている。光陽の 学園祭のチケットをこの前、僕と涼宮さん、阪中さんの四人で遊びにいった時、
彼女と橘さんに渡すと約束していたのだ。そのチケットが今日配布されたので、昼休みにメ−ルを入れておいたのだ。
 『あたしが取りに来ましょうか?』
 「そうですね……いや、ちょうど橘さんのお店にお酒を買いに行く用事がありますから、橘さんに渡しておきましょう」
 『いいんですか?』
 「かまいませんよ。わざわざ来ていただくのも大変ですし」
 『すいません、お世話になります』

 電話を切り、一つ問題が片付いたところで、僕はため息をつく。
 ため息をついた理由は、招待券の事ではなく別の問題、それも僕個人の問題だ。
 僕の視線は学校中に飾り付けられている芙蓉の造花に向けられている。
 想いを寄せる人物に芙蓉の花を手渡すという、光陽の学園祭での伝統行事。
 そう、僕は涼宮さんに芙蓉の花を渡すべきか逡巡しているのだ。
 涼宮さんのことを好きか?
 答えはもちろんYES。友人として、そして一人の女性として、僕は彼女のことが好きだ。
 だが、彼女は僕のことをどう思っているのか?
 涼宮さんは、僕の親友である”彼”のことを気にしているようだ。
 ”彼”自身には、特定の”彼女”という存在はいない。だが、彼のクラスメ−トである長門さん、そして僕らのクラスメ−トである佐々木さん
は、”彼”に思いを寄せている。長門さんは、”彼”にはっきりと、異性としての好意を寄せている。佐々木さんはまだ曖昧。涼宮さんの思いは、
正直、この二人には敵わないと思う。
 ”涼宮さんの心を僕に振り向けることができるか”
 ”彼”が自覚無きライバル、というのは、複雑な気分だ。

 姉さん――森さんのときは、僕らはお互いのことが好きで、想いを伝えるのに迷いはなかった。それは、実はとても珍しい事例で、ほとんどの恋愛は
お互い、迷い、戸惑いながら、想いを届け心を繋げようと悪戦苦闘しているのだろう。人の心ほど複雑で、気まぐれで、わからない物はないのだから。
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 待ち合わせの場所に彼女が来たのは、約束の時間の十分前だった。
 それが、キョンと私と彼女が待ち合わせをする時の、いつの間にかクセみたいになっているのだ。
 「忙しいのにごめんなさい、呼び出したりして」
 「ううん、大丈夫。今日は何の用事もなかったから」
 彼女――長門さんと私は、最近人気の、大型書店に併設されたカフェで、会う約束をしていた。
 実を言うと、長門さんとは、あの日、長門さんの昔の彼氏との件の後、その日の夜、キョンに対する思いを聞かされて以来、会っていなかった。
 長門さんを久しぶりに見て、表情には出さなかったが、私は少し驚いていた。
 彼女はもともと綺麗な顔立ちをしている。ただ、それがあまり目立つ女性ではなかったが、今の彼女は、その綺麗さがはっきりと目立つようにな
っていた。 
 化粧とかしているわけでは無く、何といえばいいか……彼女の持っていた美しさが花開いたと言うべきなのか、そんな表現が当てはまるような……
 
 ”恋をすれば、女性は綺麗になる”
 昔、誰かから聞かされた言葉が、不意に私の脳裏によみがえった。
 
708この名無しがすごい!:2014/01/15(水) 00:07:41.04 ID:zutHZYQ4
>>705
ご丁寧にありがとうございます 60行ですか 参考にさせてもらいます
国木田君の台詞を意識すると確かに彼って言い方はあまりしないんですよね でも気にしないのがルール
古泉君に関しては原作よりハルヒちゃんや長門スレでよく降臨する師匠の影響が大きいです
前作は妥協してしまいましたが私の中で彼ら男性陣の殆んどは爽やか変態です

>>706
なるほど、そういう見方をしましたか SSなんでそういう見方もありです
因みに私の書く女性陣は男性陣とは違い比較的ウブな方が多いです
ええ、私とは正反対です
こんなんでも二児の母親はできているから人生は面白い
私が意識したこのハルヒはちょっと混乱中でそのための情報爆発です
シャミセンが妹ちゃんに人生を語ってるかもしれないくらいに混乱中です
興味がないわけじゃないけど免疫がない子がこういう場で戸惑う姿は素晴らしいと思いませんか?
709この名無しがすごい!:2014/01/15(水) 12:31:10.10 ID:9IUuXV2v
>>707支援
何度でも言うぞ古泉頑張れ超頑張れ
頑張ってハルヒをモノにしろ
それと長門から見た佐々木さんも美人になってそうだ

>>708
漫画でも表情豊かな子はかわいいよね
710この名無しがすごい!:2014/01/15(水) 23:31:27.76 ID:Tt05vbmp
久しぶりにスレ覗いたらまだ動いてて感動しました。
昔絵をうぷしていた者です。
記念に保管庫の絵置き場に落書き投下しておきました。
711この名無しがすごい!:2014/01/16(木) 00:04:37.49 ID:vNRBVh7v
み、みょんさんだ!
お懐かしや。
絵投下感謝ですよ!!
712この名無しがすごい!:2014/01/16(木) 00:34:58.18 ID:L46YUaxP
>>710 新作ありがとうございます。
713この名無しがすごい!:2014/01/16(木) 12:17:49.43 ID:NYhKYlc/
>>710
お久&新作ありがとです

ところでPCの人に質問だけど本来のサイズ何kbだった?携帯からは33kbだったんだけど…
714この名無しがすごい!:2014/01/16(木) 22:07:34.41 ID:KKCUBRTJ
PCでも33Kbよ?
715この名無しがすごい!:2014/01/16(木) 22:41:32.94 ID:NYhKYlc/
>>714
そうなのかありがとう
716この名無しがすごい!:2014/01/17(金) 21:11:51.44 ID:F6Te/395
センター試験の日の天気荒れそうですね佐々木さん

いざ佐々木さんが高3になってたとしても、推薦で決めててセンターは受けなそう
717この名無しがすごい!:2014/01/18(土) 15:10:50.49 ID:eM5PRMTy
センター試験は受けないんだ、と聞いて私学推薦かと思っていたら
アメリカかイギリスあたりに留学が決定しましたという展開も有り得ると想像。
718この名無しがすごい!:2014/01/18(土) 15:56:00.93 ID:QYI1AbcG
>>717
その役ハルヒとチェンジでお願いします(´;ω;`)
719この世界という箱庭を開けて:2014/01/18(土) 23:16:49.07 ID:eM5PRMTy
>>718

涼宮さんとね、賭けをしたんだよ。
一つ目は、君が今日この時、ここにやってくるかどうか。
でもこれはね賭けにならなかったんだ。
僕も涼宮さんも君が来る方に賭けてしまったからね。
でも賭けはもう一つあるんだよ。
君が、僕と涼宮さんと、どちらを選ぶか。

そういうことよ、キョン。
あんたが選んだ方は、この日本に残って有希たちやあの変なのと世界を守る。

そして、君が選ばなかった方は、旅立って世界を変える。
という趣向だ。
さあ、僕達の親愛なる異世界人の観測者よ、猫の入った箱を開けてくれ。
僕と涼宮さん、心が生き残るのは、果たしてどちらなのかを。
720この名無しがすごい!:2014/01/18(土) 23:43:45.46 ID:QYI1AbcG
>>719
佐々木さんかハルヒの前にキョンの心が死んじゃうよぉ..
721この名無しがすごい!:2014/01/19(日) 00:38:27.29 ID:iTJshF4X
ハルヒだったら、海外に住むことになってもSOS団をそっちに招集かけかねないぞ。
722この名無しがすごい!:2014/01/19(日) 16:15:35.72 ID:5UHW5dVQ
>>719
生きている猫と死んだ猫の世界に分岐して
ハルヒが勝ちの世界に負けの世界のハルヒが移動
つまり、佐々木が勝ちでハルヒが不在の世界と
二人のハルヒがキョンを取り合う世界に分岐します
723この名無しがすごい!:2014/01/19(日) 18:14:04.77 ID:4qpQHMEo
ハルヒが二人の世界、キョンも二人にされそう…
724恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2014/01/19(日) 20:36:54.50 ID:zmYv0k3+
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その4

私の話を聞いていた長門さんは、何かを考えるように沈黙していたが、紅茶を飲んだ後、口を開いた。
「佐々木さんの心に、その人を思う心が少しでもあるならば、付き合ってみるのもいいのかもしれない。だ
けど、佐々木さんの心にはその人が入り込む余地なんてない。だって、佐々木さんが好きなのは、私と同じ
人だから」

 長門さんを呼び出したのは、同じクラスの委員長に告白された事を相談する為だった。
 本当はキョンに相談したかったのだが、結局、私は話すことができなかった。
 古泉君や涼宮さんは同じクラスで、しかも告白してきた相手も同じクラスの人間で何となく相談しにくい。
 鶴屋さんという選択肢もあったが、何となく違う気がして、後は長門さんしかいなかった。
 古泉君は、長門さんは私をライバルとしてみているといった。ただ、私の気持ちはまだはっきりしていない
。キョンに対する気持ちがなんなのか、自分でも定義できていないからだ。
 だけど、長門さんの言うとおり、少なくとも委員長のことをキョンの様に考える、という気持ちは正直言っ
て、全くない。あるのは戸惑いだけだ。
「それだったら断った方がいいと思う。仮に付き合ったとしても、すぐに駄目になる可能性が高いわ。」 
「気持ちがないから?」
 長門さんは小さくうなずく。
 別れたからあんまり参考にはならないかもしれないけど――私が中川君と――前の彼氏と付き合いだした
時は、私も彼に対するあこがれの気持ちがあって、その彼から告白された時は、すごく嬉しかった。その気持
ちがあったからこそ、彼と付き合って……彼に好かれようと努力していたの。あの時の私は彼のことが本当に
好きだった。その気持ちがなければ、すぐに別れていたと思う」 
「長門さん、答えたくなければ、答えてくれなくていいんだけど、付き合っていたときの気持ちはどんな感じ?」
 私の言葉に、しばらく考えるようなしぐさを見せて、彼女は口を開いた。
 「そうね、今思うと不思議な気もするけど、彼の為に私という存在がある、みたいな感じかな。”恋は盲目”
て陳腐な表現だけど、案外当たっているのかも。それとやっぱり恋愛を楽しんでいたと思う。。彼の好みに合わせ
ようとするのも苦にはならなかったし、彼が傍に居るのは嬉しかった」
 長門さんは淡々とした口調で過去のことを語る。
 「でも、そのうちズレが生じて……最初は小さなものだったけど、だけど、だんだん大きくなって行って、今ま
で楽しかったことは楽しくなくなって、、彼の好みに合わせようとするのに疲れて……彼に触れられるのが嬉しか
ったのが苦痛になって……同じことをしているのに、全く正反対の感情を持つようになったの」
 「心の繋がりが無くなったから、そういう風に感じるようになった、ということかしら?」
 「そう。恋愛で一番大事なのは、結局”心”だと思うの。その繋がりがなくなれば、恋愛をしている意味は消失
しているから。彼から別れを告げられた時、私はすごく悲しくて落ち込んで……彼に対する未練があって、でも彼
は他の女の子と付き合いだして、それで私も何とか区切りを付けて……今思えば、別れて正解だった。あのまま続
けていても、お互いの為にならなかったと思う」
 今の長門さんには、昔の彼氏に対する未練など、露ほどもないだろう。それどころか、向こう側が未練を持って、
付きまとった挙句、キョンに説教され、追い返される羽目になった。もはや彼女にとっては、昔の彼の事は、まさに
文字通り”昔の事”なのだ。
725この名無しがすごい!:2014/01/19(日) 22:31:16.26 ID:4qpQHMEo
支援
ながもん良い子だ
726この名無しがすごい!:2014/01/20(月) 01:13:46.21 ID:ZYdM6CF1
>>726
乙です
自分が中高生の時はこんな深く考えて男性と付き合ってなかったなー
旦那とは中学の時からの腐れ縁だけどちゃんと付き合ったわけじゃないし……
やっぱり程々に異性を感じて程々に自然体でいられる相手が一番ですよね
727この名無しがすごい!:2014/01/20(月) 18:59:47.70 ID:fwDbrRnV
天気を読み間違えてしまった佐々木さん
728〜ある雨の日のひとコマ〜:2014/01/20(月) 22:20:43.24 ID:ZYdM6CF1
僕だって間違えることやうっかりすることくらいあるさ。
君が思うほど僕はしっかりしてるわけじゃないよ。

キョン「で、普段は晴れの時も持ってきてる折り畳み傘をよりによって午後から雨になるっていう今日忘れたわけか。」

そうだよ。 笑うがいいさ、この間抜けな僕をね。

キョン「その位で笑うかよ。 佐々木にしちゃ珍しいって思っただけだ。」

くっくっ、そうかい? 僕はこれで結構そそっかしいところもあるんだよ。
さて、職員室に置き傘がいくつかあったはずだから運が良ければ借りられるかな。

キョン「それだと明日返すのが面倒だろ。 送ってやるから俺の傘に入ってけ。」

……君はどうしてそういう事をさらっと言えるかな。
ああ、クラスの好奇の視線がすごいよキョン。 女子の黄色い声がほとんどなかっただけマシかな。
どっちにしろここに居ると何かと厄介なことになる気がする、早く帰るとしよう。

キョン「ん、急ぎの用でもあるのか? お、おい、引っ張るなって。」

やれやれ、全く君ってやつは鈍いのか図太いのかよくわからないな。
あの空気の中よく平気なもんだ。

キョン「(なんか知らんがずっと手を引いてるから皆の好奇の視線がすごいんですけど佐々木さん)」

ああ、明日また面倒な尋問があるんだろうな……でも
”「ん。」と君が傘を差し出してくれたから今日は相合傘記念日”
ってとこか。

キョン「(ま、いいか。 こんなふうに女子に強引に引っ張られることなんてもうないかもしれんしな)」

くっくっ、何を考えてるんだ僕は。 やれやれ、どうやら僕は浮かれてるみたいだ。
ああ、さっきまでの憂鬱な気分が嘘のようだ。 外は大雨だけど心は晴れ渡ってるよ。 キョン、君のおかげでね。 しかしなんで……












カバンの中にすりこぎなんか入れたんだ僕は?

岡本「すり替え成功! 念のため置き傘も回収してたけど必要なかったわね。」
須藤「何やってんのお前。」
女子's「岡本さん、GJ。 さぁ、後をつけに行こう!」
岡本「ラジャー!」
須藤「ホントに何やってんのお前ら?」
729この名無しがすごい!:2014/01/20(月) 22:25:14.20 ID:ZYdM6CF1
>>727
すみません、ネタ拝借しました。 そのくせ全然違う話になりました。
たまにはこういうのも楽しいです。
困惑する佐々木さんが好きです。
730この名無しがすごい!:2014/01/20(月) 22:32:32.56 ID:CPREL5Z9
>>729
ではこれより第二次作戦を開始する。
さあ行くんだ、水たまりの水を跳ね飛ばし隊よ、いざ出撃の時が来た。
二人纏めてずぶ濡れと化せ。
そのままシャワーを借りて服を借りる名目で、しばしのアバンチュールへと
雪崩込ませるのだ!

なお、作戦司令部は、すりこぎの太さと形状から、いかがわしい方向に
会話が突入することを狙って本作戦の材料として最良と判断したものであります。
731この名無しがすごい!:2014/01/20(月) 22:58:31.53 ID:fwDbrRnV
>>729
拾いサンクス&ワラタGJ!
さすがの佐々木さんも、色恋話『ド』ストライクなお年頃のお嬢さん達の行動までは読み切れませんなwww

>>730
アンタの妄想力も凄いw
732この名無しがすごい!:2014/01/21(火) 19:09:35.36 ID:73hNfQoV
天気を読み切って交通機関の乱れに備え早めに家を出たら、途中で休校になったと知らされた佐々木さん
733恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2014/01/22(水) 00:25:04.13 ID:HxnpJPBM
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その5


「長門さん、恋愛において、女と男の最大の違いは何だと思う?」
「そうね……そこまで違いはないのかもしれないけど、性愛に関しては大きく違うと思う。女性の方が心を重視する
のに対し、男性は本能を優先する。性愛に対する関心は、女性も男性も変わらないくらいの強さがある。だけど、女
性は男性みたいには中々ならない。そういう人もいないわけじゃないけど」
「生物学的に言えば、男性ホルモンは攻撃性の増幅作用、女性ホルモンは鎮静作用があるけど、それゆえ、男性は性欲
が強くなる。男性の方が浮気しやすいのもそのせいかしら?」
「そうかもしれないけど、女性も浮気している人も多いから一概にはいえないかも」
「どっちもどっち、と言ったところかしら」

 二杯目は綺麗な酸味とさわやかさを感じるコ−ヒ−とアップルパイのセットを頼んだ。
 長門さんはエスプレッソとモンブランケ−キを頼んでいた。
 「女性と男性の間に生じる”好き”という感情は結局何なのかしらね」
 「いろんな”好き”の形があるけど、例えば、まだ幼稚園児ぐらいの”好き”と私達の年代の”好き”では意味合いが
違う。幼稚園児の”好き”は、家族愛や友情の延長みたいなものだけど、思春期や成長期の”好き”は、性本能を伴う
強い好意だと思う」
 「肉体的に、大人に近づいている証明みたいなものね」
 「ただ心と体は繋がっているから、精神的にも大人に成長しないといけないけど」
 「その”精神的に大人になる”というのも難しいわね。考え込まされるわ」
 私の言葉に長門さんが小さく微笑んだ。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「今日はありがとう、相談に乗ってくれて」
 「ううん。私の方こそ佐々木さんと話せて楽しかった。すこしは役に立ったかしら?」
 「ええ。おかげでどういう風に自分が行動すべきか、決心がついたわ」
 私がどういう結論を出したか、おそらく長門さんは気付いている。
 「そうだ、長門さんにこれを」
 そういって私は彼女に光陽の学園祭のチケットを渡した。
 「キョンにも渡したから、よかったら一緒に見に来て」
 「ありがとう、佐々木さん」

 「それじゃ」
 「うん、またね」
 私は長門さんに手を振り別れを告げる。
 長門さんも私に手を振り、私とは反対の方向へ帰ろうとした。
 「長門さん」
 長門さんに私は声をかけ、長門さんはこちらを振り向く。
 「長門さん、キョンのことが好き?」
 あの日、電話越しに聞いたキョンへの長門さんの想い。
 「うん。私はキョン君のことが好き」
 長門さんの言葉に、あらためて彼女の心を私は確認する。
 
 「じゃあ、長門さんと私はライバルなんだ」
 私の言葉に、長門さんは笑顔でうなずいていた。
734この名無しがすごい!:2014/01/22(水) 00:40:08.04 ID:PanfsCUI
中学時代は徒歩圏内なので交通機関で動くその状況は高校あるいは大学と推察される。
大学の場合は休校というケースは珍しく学内は動いているのでおそらく高校であろう。

高校時代の平日だとするとキョンは北高に通っているため
休校になったとしても活動圏は少ないので直接遭遇することは難しい。

途中で休校になったと知らされた、ということは携帯メールでの通知サイトの確認ではなく
誰かから聞いたことになる。
途中でということは学校までは到達していない。
学友という可能性もあるが基本的には佐々木さんは高校では孤立しているため
その考えは排除していいだろう。
となると不意の遭遇で知らされたということになる。
交通機関を利用するとなると駅に行くわけで、休校になったとなると台風であろうとすると
駅前には台風時に出没する台風ずぶ濡れレポータが通行人に声を掛けていた可能性が
十分に考えられる。
このレポーターから、大雨暴風警報で本日は休校になってしまいましたが大丈夫ですか
とでも言われたのではないだろうか。
そしてこのとき大雨で傘も役に立たないくらいずぶ濡れになって下着がうっすら透けている
佐々木さんの姿が生中継でテレビに映ってしまうわけだ。
これを自宅待機中のキョンが見つけてしまい、あのレイニーデイを想起してしまい
いてもたってもいられなくなった彼は大雨の中、駅前へ佐々木さんを迎えに飛び出していくのであった。

誰か続き書いて。
735この名無しがすごい!:2014/01/22(水) 07:48:20.25 ID:5XRjMBYK
生活圏の中では今季初めてまともに雪が積もったのですよ佐々木さん
今日は足元に注意せねば

>>733
ついに佐々木さんキョンへの好意を自覚しましたね支援
にしてもやっぱりこのながもん良い子や

>>734
オチさえ思いつけば……という書き込みを何度したことやら(´・ω・`)
736この名無しがすごい!:2014/01/22(水) 23:10:46.62 ID:yTE2YpJR
こんばんは
737この名無しがすごい!:2014/01/24(金) 18:10:18.58 ID:WTzCvpjK
昨日自転車で転んで派手に手をついたところの痛みがなかなか引かないのですよ佐々木さん
病院に行くべきでしょうか
738この名無しがすごい!:2014/01/24(金) 18:50:25.59 ID:Sf8yx9jX
打撲、ねんざは治癒までに時間がかかる。
適切なテーピング、湿布などは驚くほど負担軽減になるし、
多少なりとも治癒速度を上げる

あと腱とか筋いためてたら2,3ヶ月痛みが残ることもある
(たぶん自転車だと、そこまでではないとおもうけど)ので、
テーピングと湿布もらうためだけでも明日の午前中でもお医者さんいきなはれ。
湿布も薬局で買うよりは安いから。
739この名無しがすごい!:2014/01/24(金) 19:05:53.36 ID:WTzCvpjK
>>738
ありがとです
明日行ってきます
740恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2014/01/25(土) 02:01:49.02 ID:/pQhL0XT
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その6


 光陽の学園祭当日。
 冬が近づいているのを感じつつも、今日は秋晴れの、快晴ともいえる天気のおかげで、来客は多そうだ。
 学園全体が、高揚感に包まれている。三年生は受験勉強等の関係で、あまり参加していないがその分、
一,二年生が力を入れていて、伝統を刻む光陽の学園祭にふさわしい舞台が整ったようだ。
 招待客の入場は九時半からである。
 僕のクラスでは、出し物の準備の責任者である佐々木さんと委員長が最終確認を行い、問題がないことを
確認し、来客を待つだけとなった。
 涼宮さんは朝から機嫌が良い。元々彼女はこういう”お祭り”事が大好きな人だ。佐々木さんや委員長を
手伝ったりもしていたし、いろんなアイデアを出したりしていて、かなり積極的だった。
 ”そういえば……”
 ”彼”から昨日連絡をもらっていて、一〇時ごろに”彼”の友人の長門さん(佐々木さんにとってはライ
バル)と一緒に来るということだった。
 ”北高の生徒が結構くるな”
 鶴屋さんは彼氏の国木田君を招待、周防さんは谷口君、佐々木さんは”彼”と長門さんを、僕は橘さんと
阪中さんを招待している。
 そして、ふと一人の人物のことが頭をよぎった。
 彼の心の傷はまだ癒えてはいないだろう。僕と同じ境遇に陥りそうになった、朝比奈さんの異母弟である
彼は、今どうしているだろうか。”彼”や国木田君、谷口君と僕を交えて四人で遊ぶことは結構あるが、あれ
以前は彼もその中に入っていたが、あの件以降、”彼”が誘っても、来ることはない。
 京都に行った朝比奈さんは、彼のことをどう思っているのだろうか。
 行き場のない、想いの迷宮。それから彼ら姉弟が抜け出れる日は、いつのことだろうか。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――-
 「やあ、キョンに長門さん、いらっしゃい、ようこそ光陽の学園祭へ」
 来客者の中に、佐々木さんは、”彼”と長門さんを見つけて、笑顔で彼らのところに寄って行く。
 「結構人が多いんだな。それに北高の学園祭とは規模が違うな」
 「うちは私立だからね。OB達からの寄付金や有形無形の援助もあるし、そこら辺の結束力と繋がりはかなり
大きいからね。結構いろんなことが出来るんだよ」
 「貧乏公立校には出来ない芸当だな」
 ”彼”の言葉に佐々木さん、それと長門さんはおかしそうに笑っている。
 ”彼”と佐々木さんと長門さん。
 事情を知っているものからすれば、いわゆる三角関係なのだろうが、そんな緊迫したような感じはなく、むし
ろ、その三人でいることが実に自然であるように僕は感じた。
 それも”彼”の特徴なのだろうか。女性に対する接し方が、”彼”は何か他の男性とは違うのだろうか。
 ”それとも……”
 ”彼”は佐々木さんと長門さんを”異性”とはみなしていないのだろうか。
 涼宮さんのこともあって、僕は”彼”の考えが非常に気になっていた。
 
741この名無しがすごい!:2014/01/25(土) 07:31:30.98 ID:1mydpVjE
支援
動くのはもうちょい先みたいね
742この名無しがすごい!:2014/01/26(日) 16:47:31.68 ID:Huf+8+HN
昨日の今日で気温下がり過ぎですよね佐々木さん…
743この名無しがすごい!:2014/01/27(月) 02:55:08.44 ID:NW6Nffv8
久しぶりにまとめ更新。
72-234『寒暖』までです。(9月分)

ちょっと前に懐かしい人が頂き物置いていただいたようでうれしい。
744この名無しがすごい!:2014/01/27(月) 07:25:15.05 ID:EnC1S81C
乙です!
745この名無しがすごい!:2014/01/27(月) 13:38:47.32 ID:SzjrgwQQ
>>743 いつもご苦労様です。乙乙です。
746この名無しがすごい!:2014/01/28(火) 17:57:02.54 ID:N7LAS/Oj
困った場所にニキビができてしまったとキョンに語る佐々木さん

面と向かってor電話越し
747この名無しがすごい!:2014/01/29(水) 18:11:44.20 ID:LgNPWxx1
「『思い、思われ、振り、振られ』というニキビ占いなるものは、あれは女子学生の流行としても起源が不確かで、
下手をしたら、クレアラシルのCMででっちあげられたものではないかと僕は思うのだよ」
顎にできたニキビを保健室の鏡で確かめつつ、佐々木はそんなことを言う。
「どれが思いニキビで、どれが思われニキビかという組み合わせも何種類かあるようだし、
 僕は正直あまり興味は持てないね」
そもそも佐々木は占い自体興味ないだろ。
「そんなことはないよ、キョン。占いというのは非常に歴史のあるものだし、それなりに効用はあるよ。
 現代のアメリカ人が精神科医に日常的にお世話になるのと同じくらい、
 昔は人の精神の安定に寄与してきたのだよ。あまりバカにしてはいけない」
でもお前、血液型とか星座とかで今日は幸運だとか、その手の話に加わっているのを見たことないぞ。
「おや? キョンは意外に僕の行動を見てくれているのだね。それだけで僕は感動のあまり号泣しそうだよ。くっくっ」
いや、そっちはいいから。
「まあ、ラッキーアイテムとか、占いの内容については全く信用していないのは事実さ。
 信用するだけの内実がない。日本に同じ血液型の人間、同じ星座の人間がどれだけいると思っているんだい。
 それらがまったく同じ幸運だの不運だのに遭遇した経験は、残念ながら僕にはないからね。
 占いの本当の効用というのは、そんなものではなくて、人の不安な心理をうまく解きほぐして、
 状況を改善させようと希望を持たせる話術さ。
 精神安定剤としての占い、については、非常に敬意を払っているつもりだよ?」
佐々木は今日も相変わらず佐々木であった。
「第一、思いの印が、相手に吹き出物を出させる、なんていうのは哀しいと思わないかい?
 どうせなら、相手も喜ぶようなサインでないと、嫌がられるだけだと思うんだ」
まあ確かに、モテモテ男が顔中思われニキビで一杯になったら、そりゃまるで呪いだな。
「まあ、人を恋う、というのと、人を呪う、という行為は、案外近しいものなのかもしれないね」
嫌なまとめ方するのやめてください佐々木さん。
「僕だったらそうだね。実名入りで「予約済」とか額に書くかな、こんな風に」
そう言うと、不在の保険医の鉛筆立てからサインペンを一つ取ると、
自分の額に書き込むようなまねをする。
……えーっと佐々木さん、その腕の動かし方、「キョン売約済み」とか辞めてください。
「何故だい? 思春期特有の事柄ではあるにせよ、恋の鞘当てというのも不毛なものだろう。
 こうしてはっきり表した方が、お互いスムーズに物事が運ぶと僕は思うのだが」
だからって自分の額にそういう事を書くのは冗談でも辞めなさい。あと予約済みじゃなくって売約済みって何だよ。
「君の手間をはぶいてあげたのだよ。くっくっ。「保健室で、私はもうキョンに売約済みにされてしまったの」とか、
 男のロマンではないかね?」
絶対ないからやめなさい。あとそのひっくり返ったような高音の女子しゃべりもやめてくれ。
「ふむ、君は存外低い声の方が好きということだね。了解したよ」
そうじゃなくて、なんか佐々木らしくないだろ、そういうの。
「たまには僕も「年頃の女子学生らしく」振る舞いたい時もあるのだよ。くっくっ」


などと保健室の掃除中に佐々木にからかわれている所を国木田に目撃され、
「ああまたやってるよこの二人」とでもいいたげに「やれやれ」と肩を竦められてしまったとさ。
国木田。誤解云々以前に、お前の解釈と実際に現場で起きたことは全く違うと思うんだ。
なあ話を聞け国木田。
岡田に嬉々として「今日も二人の夫婦漫才は絶好調だよ」とか吹聴するの辞めてください国木田さん。

「くっくっ」
748この名無しがすごい!:2014/01/29(水) 19:01:53.59 ID:uRGhFjIJ
今日は暖かかったですね佐々木さん、明日は雨ながらもっと暖かくなりそう

>>747
おつ(´ω`)おつ
佐々木さんSSの国木田はいつも良い役もらえるね、二人の夫婦漫才目撃の常習犯w
749この名無しがすごい!:2014/01/29(水) 22:59:46.17 ID:ALVYZmEP
>>748
乙。
つい先日、本当に保健室で売約されちゃったSS読んだばかりw
でも岡本さんの名前間違えないであげて。
750この名無しがすごい!:2014/01/30(木) 13:52:19.52 ID:aInJK80I
中華バー

中華タウン

潜伏先中華バー

浮気in中華タウン

光金シリア
751この名無しがすごい!:2014/01/30(木) 18:06:21.44 ID:jRcN6rkv
STAP細胞のニュースが世界を駆け巡ってますね佐々木さん

ハルヒがキョンの奪い合いに負けたら一気に実用化しそうだ
752この名無しがすごい!:2014/01/31(金) 22:58:09.66 ID:IUP8zg2g
1月も終わりですね佐々木さん
おやすみなさい
753恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2014/02/01(土) 00:15:14.54 ID:qPh2hYD3
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その7


 学園祭にキョンが来てくれたのは嬉しいけど、招待したのはあたしではなく、佐々木さんだ。しかも有希も一緒だった。
 有希はもともと綺麗な子だけど、最近ますます綺麗になっているような気がする。その理由は何となくわかっていた。
 「とりあえず、僕らは自分のクラスの出し物があるんで、また時間が空いたら連絡するよ」
 「わかった。それじゃ、また後で」
 「キョン!有希!必ずあたしたちのクラスにも来るのよ!来なかったら罰金だからね!」
 あたしの言葉に、二人は笑っていて、「必ず来るさ」とキョンが言って、二人はこの場を離れた。
 「お似合いね」
 周防が微笑んでそういって、周防に招待されて、彼女の横にいた谷口もその言葉に同調したように首肯した。
 「最近、ウチのクラスの女子共に評判なんだよな。長門が綺麗になった、て。キョンと付き合っているからじゃね-か、
とかいう女子もいるぐらいだけどな」
 「ちょっと、谷口、キョンと有希て、付き合っているの?」
 「いや、周りの女子共が勝手に言っているだけだ。キョンを知っている奴らは、そんなことは思っちゃいないけどな」
 「どういう意味よ」
 「あの二人にはそんな意識ねえんじゃないの?キョンなんざ特にそうだ。多分俺達と遊ぶのと変わらん意識しかないと
思うね」
 キョンに関しては谷口の言う通りかもしれない。だけど、有希に関しては違う。有希は間違いなくキョンの事が好きなのだ。
 同じ女性として、キョンに話しかけるときの態度や、その表情から、有希の気持ちは読み取れる。その読みに間違いはない。
 佐々木さんも有希の気持ちは気づいているはずだ。そして、佐々木さんもキョンに好意を持っている。
 だけど、彼女の有希に対する態度には、むしろ余裕すら感じられる。キョンと一緒に長門さんを招待した事からも、佐々木さ
んの心が見えてくる。
 その佐々木さんも、最近さらに綺麗になってきた、ウチのクラスの女子の間で密かにささやかれている。
 有希に関してそういわれているのと同じように、佐々木さんも同じことを言われている。そして、一部の事情通には、キョンの
存在は知られているのだ。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――--
 あたしたちのクラスの出し物は二つあって、一つは学園祭に付き物の喫茶店だ。
 始まってすぐにお客さんがやってきて、全員で悪戦苦闘しながらも、何とかあたしと古泉君、佐々木さんと準備担当係である
委員長の采配で何とか捌いて、しばらくすると段取りが慣れてきたのか、スム−ズに案内できるようになり、ある程度落ち着いて
きたところで、佐々木さんと委員長は必要な物品を資材置き場にしている二つ離れたクラスに取りに行き、周防は他の女子生徒に
頼んで谷口のところに行った。
 ”よく付き合っているわね”
 中学時代からの谷口を知るこちらとしては、周防が谷口と付き合っているのは少し不思議な気もするけど、周防が言うには、谷
口はとてもマメらしい。余程周防にほれ込んでいるみたいだ。
 
 「ごめん、涼宮さん。紙皿が足りなくなりそうだから、持ってきてもらっていい?」
 そう頼まれて、あたしは物品置き場のクラスへ向かう。佐々木さんと委員長が準備しているはずだ。
 クラスに入ろうとした時だった。

 「委員長。この前の件の返事だけど、君の芙蓉の花は受け取れない」

 聞こえてきた佐々木さんの言葉に、あたしは足を止めた。
754 【凶】 :2014/02/01(土) 07:55:44.43 ID:l4JyNWx0
佐々木さんに大吉を!

>>753支援
漫画とかでは定番だけど、うちの高校は模擬店とかなかったなあ
ハルヒは古泉くんに幸せにして貰いなさい
755 【だん吉】 :2014/02/01(土) 07:57:11.61 ID:l4JyNWx0
もう一丁
756 【吉】 :2014/02/01(土) 07:59:31.70 ID:l4JyNWx0
負けない
757 【末吉】 :2014/02/01(土) 08:01:11.46 ID:l4JyNWx0
ま、まだまだ!
758 【ぴょん吉】 :2014/02/01(土) 08:02:20.05 ID:l4JyNWx0
気がついたらピタゴラスイッチ終わってた…
せめて佐々木さんに大吉を
759 【大吉】 :2014/02/01(土) 08:03:40.08 ID:l4JyNWx0
結果全部バラバラでまだ大吉出ない…
760この名無しがすごい!:2014/02/01(土) 08:04:54.99 ID:l4JyNWx0
漸くですな
今月も宜しくお願いします
761 【中吉】 :2014/02/01(土) 23:55:25.54 ID:zoZZpJOR
こんばんは
762恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS:2014/02/02(日) 00:59:23.32 ID:C8rzjRt3
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その8

 
 光陽の学園祭における『芙蓉の花』の意味は、あたしも知っている。鶴屋さんから聞いていたけど、それは好意を、
好きな相手に対する想いを伝える象徴だと。
 ”つまり委員長は佐々木さんに告白したわけ!?”
 佐々木さんは美人だし頭もいいし、同性からも人気があるけど、男性に対しては壁を作っているように感じている。
 ”男の子と話すのはどうも苦手だわ”
 SOSのコンパに誘ったとき、最初はそういって断られていた。 今でも佐々木さんは男子と積極的に話しているわけではない
(キョンと、それと最近は、古泉君も例外みたいだけど)
 
 中の二人に気づかれないように、あたしは身を屈めつつ、中の様子をのぞいてみる。
「君の想いに僕は答えることは出来ないんだ、委員長」
 「佐々木、それでも俺はお前のことが」
 佐々木さんは首を横に振った。
 「僕の心の中にいるんだ。君に告白されるまでそんなに意識はしていなかったけど、いるんだよ。僕には想い人が」
 そう力強く言い切った佐々木さんの顔は、とても輝いているように見えた。

 少し時間をおいて、あたしは物品置き場のクラスのドアを開ける。
 「佐々木さん、紙皿が欲しいんだけど、準備できてる?」
 「出来ているわ。割り箸や紙コップもいるかしら?」
 「そうね、ついでに持っていくわ」
 そういいながら委員長の方へ視線を走らせると準備に没頭していたけど、かなり落胆したような表情をしてはいた。
 ”まあ、当然よね”
 失恋したわけだから、普通と変わらないようにしているということが出来るわけがない。
 つくづく恋愛は難しいとあたしは思う。
 自分が好きな人が、自分を好きでいてくれる。思いが通じるということを、文章にすれば、これだけの事なのだけど、そう
簡単にはいかない。そして、それはあたしにも言えることなのだ。
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 俺達の学校、すなわち北高生徒と比べると、光陽の生徒の最大の特徴は、生徒達の自主性、すなわち「やる気」にあふれていると
いうことではなかろうか?
 展示物や出し物をみていると、そう感じられる(学生の本分たる勉学に関しては、言うまでもなく大差をつけられているが)。
 ハルヒ程ではないが、熱心に取り組んでいる生徒が多いな、と俺だけでなく、長門や国木田も感じたらしい。
 「まあ、鶴屋さんを見ていればわかるけどね。あんなにすごい人はいないよ」
 誇らしげに国木田は自分の彼女を自慢した。
 ”そういえば佐々木もずいぶん頑張っていると古泉が言っていたな”
 何となく、負けられないな、という気持ちになってきた。
 
 最初は俺、長門、国木田、谷口、それに阪中と橘と一緒に周っていたが、谷口が周防と合流し、国木田は当然鶴屋さんの所へ、
阪中と橘は古泉に会いに行くと言いだし、結局俺は長門と二人で行動する羽目になった。
 生徒による模擬店は結構多くて、おいしそうな食い物が色々と販売されている。
 「これ美味しそう……」
 長門が足を止めたのは、四種類のフル−ツソ−スと果物と生クリ−ムをはさんだクレープだった。
 確かに旨そうだが、結構でかい。女性一人には(長門は結構食べるほうだが)分量が多すぎるようだ。
 長門も少し思案顔である。
 「長門、一つ買って半分にするか?」
 俺の提案に長門の顔が明るくなり、首を縦に振った。
 「すいません、これを一つください」
 注文を受けて、模擬店の女生徒は手慣れたような手つきでクレ−プを作り始め、対して待つこともなく、クレ−プは出来上がった。
 「少し大きい?」
 確かに長門が言うように、見本に比べると一回りさらに大きいような気がする。
 「仲の良いお二人にサ−ビスです」
 模擬店の女生徒は笑顔でそういった。
763この名無しがすごい!:2014/02/02(日) 07:01:41.58 ID:TmY4o8XM
支援
正直こいつら皆羨ましいw
764この名無しがすごい!:2014/02/03(月) 18:53:04.88 ID:cxmu5vvs
豆まきの後、子供には「年の数だけ食べるんだよ」と言いながら、自分は年齢よりちょっと少なく食べる(旧姓)佐々木さん
765芙蓉の花の小話:2014/02/03(月) 19:14:26.74 ID:YTppV9Dk
>>762
支援
いい感じに盛り上がってきてますね で、ここで佐々木さんから薀蓄話があるそうです

さて、この話のキーアイテム(?)に芙蓉の花が出てくるわけだけどこの花に纏わる話はなかなか面白いんだ
花言葉は「繊細な美」「しとやかな恋人」「富貴」「微妙な美しさ」など
花自体が朝咲いて夕方にはしぼむ一日花で寒さにとても弱いからこういう繊細な感じの花言葉になったんだろうけどね
それに芙蓉の顔(かんばせ)と言えばしとやかな美人を指す言葉だし、枯れてからの姿も印象的で『枯れ芙蓉』というものもある
植物学的には仲間のハイビスカスとは花としては全く逆の印象だよね
でも実際は排気ガスには強く、西日本では高速道路の路肩に植えられるような花でもあるんだ
繊細で美しい一方ある意味の強さも持つ、高校の象徴に使うにはうってつけの花なのかもしれないね
又、誕生花の日付(8月25日と9月14日 ※諸説あり)もなかなか面白い
8月25日と言えば年配の方なら40年前にTBSの故・林美雄アナウンサーが設定したサマークリスマスを思い浮かべる人もいるかもね
自分の誕生日にこじつけたらしいけど、これも花のイメージとはかなり違うよね
他にもウルグアイの独立記念日や 長門「即席ラーメン記念日」……長門さんどこから現れたの?
長門「日清食品が1953年に世界初の即席ラーメン「チキンラーメン」を発売したのがこの日。 素晴らしき記念日」
そうなの? それは知らなかった 流石は長門さんといったところね……ってもういない くっくっ、彼女らしいというところか 
コホン、さて気を取り直して、9月14日もこれはこれで面白い日だね
まずは「コスモスの日」
ホワイトデーから半年後のこの日、プレゼントに赤いコスモスを添えてお互いに渡し愛情を確認するんだ
赤いコスモスの花言葉は「愛情」「調和」だからね
そして「メンズバレンタインデー」
同じくホワイトデーから半年後のこの日に男性から女性に下着を送って愛を告白するんだ
上記はともかく、下記の記念日はどうなのかな?
男性が女性の下着を買えるのかね? キョン、君には荷が重すぎないかい?
まぁ日本ボディファッション協会が定めただけで浸透はしていないみたいだけどね
とまれ、愛情を捧げる日としてはどちらも悪くないよね
でもその一方で定められているのが「セプテンバーバレンタインデー」
これはホワイトデーから半年後のこの日、女性から男性に別れを切り出す日なんだってさ
半年付き合ってみた女性から男性にダメ出しする日というわけかな
女性は紫色の物を身に附け、白いマニキュアを塗り、緑のインクで書いた別れの手紙を直接手渡すのが決まりだそうだ
ちょっと怖いけどこれも深夜ラジオ番組が発祥の記念日というより勝手に定めた日なんだ
いずれも芙蓉のイメージとは全く違うけど誕生花と記念日は関係ないものが殆んどだからね
こうやってちょっとしたキーワードも掘り下げて調べてみると意外と面白いよね
766この名無しがすごい!:2014/02/03(月) 20:04:38.94 ID:cxmu5vvs
>>765乙でし
セプテンバーバレンタイン、男性からするとすごい可哀想な日っすね…インパルスの堤下さん思い出しまする
        名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 プロロ−グ

 すべてが終わった後で、俺はハルヒに聞いてみた。
 「おい、ハルヒ。お前、土曜日の夜にアニメでも見ていたのか?」
 「そうよ。なんで知ってるのよ?」
 「いや、何となくな……ところでどんなアニメを見たんだ?」
 「貯めどりしていたやつよ。宇宙戦艦ヤマト、時をかける少女、それとアニメじゃないけど、シャ−ロック・
ホ−ムズの冒険。最近衛星放送でやっているやつ」
 なるほど、それであんな世界に、俺達は放り込まれたわけか。ハルヒが寝る前に、それらを見て、おそらく無
意識下で「夢の世界」を作り上げたに違いない。そして迷惑なことに、無意識下で、こいつの変態パワ−を発動
させたのだろう。
 以前、「消失」の世界に(あれは暴走した長門によるものだったが)引き込まれた時、俺にはこの世界の記憶
があったが、今から語る物語の世界では、記憶すらなく、全く別人の平行世界で俺は生きていた。
 しかも、なぜか俺の隣にいたのはハルヒではなく、佐々木だった。
    名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その一

  西宮(ウエスト・パレス・シティ)の駅より五分ぐらい歩いて、緩やかな坂道を上り、ふと振り返ると、遠くに
瀬依内の海とポ−トランド・シティ神辺の街並みが見える。
 黄昏から宵闇の時に移りゆく中、貯光有機燭灯の青煌色が街路を照らしだし、瀬依内の海面には鮮夜海蛍が発する
淡い白色の煌めきが見える。その海の向こうに見える輝光灯にいろどられた都市は、豊阪都だ。
 ”ここからでも豊阪都の賑わいが感じられるな。だが……”
 明るければ明るいほど、闇もまた濃くなる。都市でも、そして人間の心も。

 「統合書店」と記された3階建ての建物の裏手に回り、俺は門を開け敷地に入る。
 俺と同居人、それとこの建物の持ち主の3人が飼い主となっている三毛猫のシャミセンが俺を迎える。
 「後で餌をやるからな」
 頭と喉を撫でてやり、玄関を開け、中に入り、俺は二階への階段を昇った。
 三つ並んだ部屋の、真ん中の部屋のドアを叩き、ただいまと言って、室内に入ると、部屋の中には、さわやかな柑
橘系の匂いが充満している。香久之実草の煙に間違いない。
 この部屋の中央にテ−ブルとソファがあり、そこに寝そべって香久之実草を柿の木のパイプに入れてふかしている
のは、俺の親友にして同居人の佐々木だった。
 「やあ、お帰り、キョン。お仕事ご苦労さん」
 「また香久之実草を吹かしていたのか?」
 「心配しなくても、これはタバコや麻薬と違って常習性もないし、脳をしびれさせるわけではない。神経系統の緊
張をほぐし、老廃物の排出を促し、細胞を活性化させるものだ。全く高度錬金生命学の技術は大したものだ。こんな
植物を生み出すのだからね」
 香久之実草はもともと毒消しの薬草として開発されたものだ。これを蒸し焼きにして、酒精に浸し、さらに蒸溜す
ると、動植物の毒消しの特効薬と知られるニチェンカが生み出される。
 佐々木は、これをタバコの様にして吹かすのを好んでいた。そしてこれを吹かしているということは……
 「何か事件でも持ち込まれたのか?」
 「いや、何もない。事件の依頼はゼロ。副業の依頼は今月は3件。離婚訴訟だが、今日で終わりだ。存外早く片付
いた。離婚案件は疲れるね」
 「それで香久之実草を吹かしていたわけか?」
 その通り。出来れば僕の思考能力をフル回転させた後で、香久之実草を吹かして頭をすっきりさせて気持ちよくな
りたいね」

 俺の名前はキョン=和杜尊。職業は医者だ。西宮(ウエスト・パレス・シティ)の大規模病院の非常勤の総合診療医
として働いている。
 同居人のシャ−ロア=佐々木は、俺の中学からの親友で、職業は私立探偵兼弁護士。統合書店、すなわち俺たちの下宿
する統合書店の二階に「佐々木探偵兼弁護士事務所」の看板を掲げている。
 大学まで俺達は一緒の進路だったが、卒業後、俺は医学の道に、佐々木は法律の道に進んだ。
 それがなぜ一緒に同居するようになったかというと、俺は卒業後、軍に就職し(学費が免除になった)医務官として働い
ていたが、しばらくして紛争停戦監視団の軍医として海外に派遣され、難民キャンプで診察していたのだが、そこで一部過
激派の襲撃に会い、負傷して帰国して、回復後、軍を退官して、職場を探していた。。
 一方、在学中に司法試験に合格した佐々木は、弁護士として研修後、なぜか警察官の採用試験を受け、これも合格し、し
ばらく働いたのち退職し、私立探偵兼弁護士の事務所を開こうとしていた。
 そんな時、俺と佐々木は再会し、生活費や家賃等を節約する意味もあって、同居することにしたのである(俺の傷痍軍属
年給はそんなに多くはなかった)。
 
769この名無しがすごい!:2014/02/04(火) 01:15:52.25 ID:UwaTyEhM
 姉の物語を考えながら引き継ぐの苦労するので、ちょっと気分転換で書いてみます
770この名無しがすごい!:2014/02/04(火) 12:23:12.98 ID:uDIio22D
期待してみよう
支援
771この名無しがすごい!:2014/02/04(火) 22:12:06.32 ID:jo87TgZ+
最近、ミステリーものに相対する男女コンビ系がぽつぽつ流行っているから
佐々キョンだとどう言う風になるのか楽しみ。
772この名無しがすごい!:2014/02/04(火) 23:05:31.43 ID:uDIio22D
メイン推理に佐々木さん、行き詰まった時に思わぬ方向からのヒントを見つけるキョンの役割分担は鉄板だろうね
某教授が誰になるかも鉄板!?
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その二

 「僕の頭脳は、自ら持つ能力を最大限に生かすことに無上の喜びを感じるようになっている。ゆえに『探偵』という職業
は僕の欲求を満たせるものなのだよ、キョン」
 とはいうものの、佐々木の頭脳を満足させるような事件はなく、せいぜい浮気調査か家出人探しくらいで、副業と本人が
称する弁護士業務が、佐々木の仕事の中心となっていた。

 「こういう状態は僕にとっては非常に望ましくないのだよ、キョン」
 まあ、いくら常習性がないとはいえ、香久之実草を吹かすばかりでは、確かにあまり健全とは感じない。
 「そこでだ、キョン。一つ君に協力してもらいたい。知的快楽に匹敵する快楽、すなわち心理的かつ肉体的な充足を満たす
為にだ、今夜は―――」
 佐々木がそこまで言いかけた時、俺達がいる部屋のドアが勢いよく開かれた。
 「抜け駆けは許さない」
 そういって部屋に入ってきたのは、この家の持ち主であり、統合書店の経営者であり、俺達の世話もしてくれる女主人(マダ
ム)・長門=ハドソン=有希だった。
 「マダム・長門」
 俺はこの家の主人に挨拶をする。
 「マダムという尊称はいらない。貴方には私を『有希りん』と呼んでほしい。二人の未来への予行練習として」
 「…………」
 何故かこの家の女主人は、下宿人である俺の事を気に入ったらしく、こういう妙な発言をする。
 「夕ご飯が出来た。食堂に来るように」
 そう告げて、マダム・長門は部屋を出ていった。
 「相変わらずだね、長門さんは。まあいい。キョン、夕ご飯を食べるとしよう」
 俺達二人は、夕ご飯が待つ三階の食堂へと上がって行った。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 マダム特製のチキンカレ―を食べた後、近くの銭湯に入りに行き、そのあと俺は医学書、佐々木は新聞を読みふけっていたのだが、
またしてもドアが勢いよく開き、マダム・長門が入ってきた。
 「佐々木、貴方にお客さん」
 新聞から顔を上げ、ソファに沈めていた体を起こし、佐々木は立ち上がった。
 マダム・長門の後ろに男の姿があった。
 「夜分に訪ねてきて申し訳ない」
 そういった後、顔を上げた男の顔を見て、俺と佐々木は、あっと声を上げる。
 「谷口!?」
 「キョン、それに佐々木さん?」

 
「看板を見てはいたんだが、まさかあの佐々木さんとは思わなかったぜ。それとキョンよ、やはりお前は佐々木さんといたのかよ」
 何か意味ありげに笑う、俺達の高校時代の同級生とは、五年前に行われた同窓会以来の再会だった。
 「谷口、今お前はどうしているんだ」
 「家を継いだよ。今は仕込みを担当していて、その時期以外は営業をしているんだ」
 谷口の家は、酒蔵が多いこの地域の中でも中堅で、うまい酒を醸すと評判の蔵元である。
 「お前の家の酒は旨いからな。俺も佐々木も、この家のマダムもお気に入りだ」
 「それは光栄だ。これからもよろしく頼むぜ」
 俺にそういって笑顔を見せた後、佐々木の方に向き直り、谷口は急に真面目な顔つきになった。
 「実は佐々木さん。貴方に折り入って頼みたいことがあります。この谷口、一生のお願いです」
 こいつは高校時代、”一生のお願いです”とかいって、俺や佐々木の学習帳を移させてくれと言っていたので、あんまり重みは感じな
いが。
 「人を、俺の婚約者を探してほしいのです」
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 谷口が俺達の前に差し出した総天然色(フルカラ―)の合成銀製謄写板に写された肖像は、何とも愛らしい家政婦(西洋でいうメイド姿)の女
性の姿だった。
 「彼女は朝比奈みくるさんといい、俺の婚約者です。現在は鶴屋財閥の当主のお屋敷で働いているのですが、来月には俺と式を挙げる予定です」
 よくこんな美人がこいつと婚約してくれたな。どこで知り合ったんだ?
 「鶴屋家の当主がウチの酒をお気に入りでな。彼女はウチの酒を買ってくる係だったそうだ。俺が声をかけて知り合ったわけさ」
 こいつは学生時代、うちの学校だけでなく、他校の女学生にもよく声を掛けていたな。月日が過ぎても、あんまり変わっていないようだ。
 「それで交際を初めて一年と半年が過ぎて、俺は彼女に結婚を申し込みました。彼女はその申し込みを受け入れてくれまして……俺の両親も
彼女ならと快く祝福してくれたのです。結納も済ませ、後は式を挙げるだけだったのですが……」
 谷口の表情が曇る。
 「三日前に、彼女は姿を消しました。務めていたお屋敷にも、彼女が住み込んでいた鶴屋家の使用人の長屋部屋にも、彼女の姿は見当たらなかった
。荷物を残したまま、彼女は何も言わず、こつ然と姿を消したんです」
 谷口の話を、佐々木は黙って聞いていた。
775この名無しがすごい!:2014/02/05(水) 12:17:25.28 ID:VtFo8xcw
支援
長門め良いところで入って来やがってヽ(`Д´)ノ
776この名無しがすごい!:2014/02/05(水) 21:00:39.12 ID:VtFo8xcw
佐々木さんはオリンピック見るのだろうか
777この名無しがすごい!:2014/02/05(水) 21:04:33.31 ID:QRmpRQ7j
777♪
778この名無しがすごい!:2014/02/06(木) 00:30:24.85 ID:VNGaJoYD
長門がその配役なのは意外だった。といってもその1を読み返していたら伏線貼っていたっぽいけど。
他のキャラはどんな配役になるのか今は想像して楽しんでいる。
779この名無しがすごい!:2014/02/06(木) 17:49:38.23 ID:hjt042Tu
統合書店はわりとあからさまだったから、長門の登場には驚かなかったなあ
やっぱり佐々木さんが事を成そうとしたら、毎回ノックも無しに乱入してるんだろうか
       名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その三

 「警察には届けたんだよな」
 「もちろんだ。鶴屋家でもすぐに届けてくれたよ。だけど、俺は朝比奈さんの婚約者だ。警察だけに頼るだけでは男が廃る
。出来る限りのことはしたい」
 いいこと言うじゃないか。少しは人間的に成長しているようだ。
 「谷口君、君の婚約者に最近何か変わったことはなかったかい?」
 「いや、鶴屋家の人にも聞いたのですが、彼女が姿を消した日の前日にも、いつもと同じように、七時半には仕事を終えて、
自分の部屋に戻ったそうです。それからあとは外出するわけでもなく、そのあとしばらくして就寝したと、隣の部屋の子が証言
してくれました。それと警察が部屋の中を調べたそうですが、彼女と使用人以外の指紋は見つからず、荷物も荒らされていなか
ったそうです」
 谷口の話を聞いて、佐々木はしばらく考え込んでいたが、やがて椅子から立ち上がり、部屋の中を歩き回った後、谷口の前に
立ち、こういった。
 「谷口君。君の依頼、探偵として、この佐々木が引き受けよう」
 -----------――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 報酬は前金として、龍紋金貨二〇枚、解決時には後金として龍紋金貨二〇枚を受け取る契約が交わされた。
 次の日の朝。
 マダム長門の朝食を食べた後、佐々木は卓上電話で電話交換手を呼び出し、ある場所へ連絡を入れた。
 
 その一時間後。
 「時間通りについたね」
 佐々木愛用の、大学の首席卒業者に下賜される高性能クロノメ−タ−機構を組み込んだ上蓋付の懐中時計で確認すると、一分も
早すぎもせず、遅すぎもせず、俺達は目的の場所についた。これは俺と佐々木の共通の性格によるところが大きい。
 『お屋敷街』といわれる富裕層が多く住む芦奈野の中でも、他の屋敷を圧倒するほど広大な敷地を持つ、鶴屋財閥の当主のお屋敷。
 近西地方の最大の電力会社・西和電力をはじめとして、金融、鉄鋼、造船、自動車、飛行機、鉱山事業、瓦斯、化学、電気機器、家
電製造、百貨店事業、鉄道、商船貿易など、いくつもの大企業を傘下に収め、皇國五大財閥に数えられ、近西経済界の帝王とも評される
鶴屋財閥の本丸の、大きな門が開き、中から人が現れた。
 「お待ちしておりました。シャ−ロア=佐々木様とキョン=和杜尊様ですね」
 朝比奈さんと同じ、西洋メイドの格好をした、美しく凛とした女性と、実に渋い風貌をした中年の執事が俺達に頭を下げる。
「初めまして。先程連絡をしました、朝比奈さんの婚約者、谷口氏の依頼を受けました、私立探偵の佐々木です」
 俺達は帽子を取って、彼らに礼を返した。

 期待を裏切らない、ササン=ペルシャ絨毯が敷き詰められた、豪華な洋間の応接室に俺達は通された。
 この部屋に匹敵するのは、俺が紛争地域に派遣される前、主力部隊だったムガリア帝国の王族が兵士壮行会を催してくれた時、特別に
見せてくれた、王族が招待客をもてなすために使うと言っていた貴賓室ぐらいだろう(そして、あの時、俺とともに酒を酌み交わした何人
かの兵士は、二度と戻って来ることはない)。
 「私は当屋敷の執事長の新川といいます。こちらは当屋敷の家政婦をまとめ、教育する家政婦長の森でございます」
 森さんと紹介された家政婦の女性は、俺達にお茶を継いでくれた。どうやら色と香りからして、玉露のようだ。
 「当主より、貴方方二人には全力で協力せよとの命を拝しております。行方知れずとなった朝比奈は、当主の御息女の友人でもあり、
当主もかわいがっておりました。私どもも微力ながら、お二人方の力にならせていただきたいと思っておりますので、何なりとお申し付
けください」
 実にいい味の、ひと肌の玉露を呑み、佐々木は口を開いた。
 「それでは早速で申し訳ありませんが、彼女の部屋を見せていただけないでしょうか」

 
 
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その四

 使用人の住居である長屋といっても、鶴屋家ぐらいの規模だと、まるで帝国公団住宅が最近発表した新住宅
平屋団地に匹敵する。
 水道、瓦斯、電気付の小さな炊事場と二つの部屋と洋式水洗トイレがついていて 、一人で住むには十分な広
さだ(夫婦で働いているものには、もっと広い部屋数を持つ長屋が与えられているとのことだ)。
 そして、敷地内には、従業員用の銭湯(無料だが)が三つもあり、俺はその規模のでかさに思わずうなった。
 森さんに案内され、朝比奈さんの部屋の貯光有機燭灯の丸型照明の点滅器を入れると、柔らかい卵色に近い乳
白朧の光が、彼女の部屋を照らし出す。
 綺麗に片づけられた部屋は、ここに住んでいた彼女の性格をよく表しているようだった。
 質素でつつましい生活。
 いくつかの家電製品はもともとこの部屋に備え付けのものだということで、森さんによると、彼女が持っていた
贅沢品といえば、谷口から送られた懐中時計と新型人工鉱石ラジオぐらいなものだった。
「朝比奈さんに、 身内の方はおられるのですか?」
 「おりません。彼女は元々は孤児でして、鶴屋家が援助する十次愛染孤児園から当方のお屋敷に雇われまして……
ただ、彼女はとても良い性格で皆から可愛がられておりました。彼女を見染める男性も多かったのですが、谷口様が
是非にと望まれ結婚を申し込まれた時には、皆大変喜んだものです」
 全く、よく谷口を選んでくれたものである。
 
 彼女が姿を消した手掛かりになりそうなものはないだろうか?
 俺と佐々木が色々と物色しているとき、俺の視界に、朝比奈さんの仕事着であろう、衣文掛けに吊るされたメイド服
が飛び込んだ。
 「?」
 メイド服とともに、衣文架けに首飾りのようなものがかけられていることに気付いた。
 金属の細い鎖が、正方形の白金色の金属の板を通してある首飾りで、金属の表面には、大木と稲妻のような模様が象嵌され
ている。
 「これは朝比奈さんの持ち物ですか?」
 俺は森さんに聞いてみた。
 「はい。彼女はいつもそれを嵌めていました。本人から聞いた話ですが、孤児院に預けられたとき、唯一彼女が持っていた
持ち物がそれだったそうです。彼女はお守りとして、それを大切にしていました」
 佐々木がやってきて、俺の手元を覗き込む。
 金属板はかなり薄い。だが、ものすごい強度があるようだ。力を入れてみたが、全然曲がるような感じもない。
 「見事な細工だね。実に緻密で、素晴らしい仕事だとわかる」
 「だけど、佐々木。この金属は相当固いぜ。どうやって細工したんだ?」
 俺から首飾りを受け取り、佐々木は学者のような視線で首飾りを凝視する。
 「白金ではなさそうだね。似ているが少し違う様な……」
 「ルテノイリドスミンじゃないのか?」
 「万年筆のペン先に使われるあの超高密度硬化金属かい?それとも違う様な……うん?」
 佐々木の目が鋭く光った。
 佐々木が薄い金属板の横の方に、爪を立てた。すると、まるで金属がはがれたという表現が当てはまるように、金属板が
二枚に別れたのだ。
 「!!」
 薄い金属がさらに別れて、その別れた金属の表面に現われた物は―――
 「これは……朝比奈さん?」
 小さい女の子の天然色の肖像写真。だが一人ではなかった。彼女の横には小さな男の子、そして笑顔で立つ二組の男女。
 
 「誰なんだ、これは」
 鶴屋家の屋敷を辞して、俺達は、俺達二人の本拠地である下宿に戻った。
 金属板を新川さんにも見せたが、金属板の肖像写真(金属に直接埋め込まれた写真と表現するのが適切かも知れない
。だが、どうやったらそんなことができる?)の人物に心当たりはないということだった。
 「私どもの方で十次愛染孤児園の方に問い合わせてみます。彼女を引き取った当時の職員がまだ在籍しているはずです
ので。何かありましたらすぐにこちらから連絡をします。
 「常識的に考えれば、朝比奈さんの家族だろうと思うが」
 「ただ、彼女はあの金属板の秘密には気付いていなかったようだね。それとあの写真は、かなり小さい頃のようだ。朝比奈さんに
そのころの記憶があったかどうかわからないけどね。ただね、キョン。僕はそれよりも、あの金属板の表面に刻まれた模様も気にな
るんだよ」
 首飾りを鶴屋家に預けて来たが、佐々木は首飾りの表面に記された模様を模写していた。
 「この模様、どこかで見たような気がしていたんだが、ようやく思い出したよ。キョン、この本を見てくれ」
 佐々木が本棚から取り出したのは「皇國布教全宗教一覧」というものだった。出版元は、宗教法人の管轄元・文科教育省だ。
 「この項を見てくれ、キョン」
 佐々木が示したぺ−ジを見て、俺はあっと声を上げた。
 そこには、金属板に彫られた模様と全く同じ模様が記されていた。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――----
 『ビリケン教団。御一新とともに豊阪都で興った新興宗教。豊阪都・天公主を拠点として、教祖・藤原紀男が開いた。アメリア連邦
が発祥とされる、天主の子・智慧と音楽と幸福の神・ビリケンを信仰する団体。最高指導者は津久津久法師と呼ばれ、信者には、学ぶ
ことの大切さ、自然への感謝、人間性の向上をとき、そのような社会を作ることこそ、人類が生まれた意味だとといた。彼らの特徴に
、科学技術を重視し、その正しい発見と使用が人類を救うと時、またその教えをわかりやすく理解させるために、「花月団」という演劇
・歌謡団を作り、多くの信者に演劇や歌を通じて、教えを説いた。豊阪都のみならず、近西一円で信者を獲得したが、同じ新興宗教の千
里教、然花解脱会に押され衰退し、現在では信者もほとんどいないと思われる。なお、解散届は当文科教育省のは提出されていない。
なお、教団が建設した施設は、今でも残り、天公主地区・新世界界隈にある通天閣楼は、元はビリケン神を祀る施設であり、現在はラジオ
電波送信施設として使用されている。通天閣楼内部にはビリケン神の像が今でも祀られており幸福の神様として親しまれている。また、花
月団に所属していたものが、後に喜劇を中心とする劇団を結成し、それが今日の梅沢キ劇団である。』
783この名無しがすごい!:2014/02/07(金) 12:21:53.78 ID:uG/ZpICy
いろいろ種が蒔かれてるね支援



ガスって漢字初めて見た
784この名無しがすごい!:2014/02/07(金) 22:45:00.91 ID:uG/ZpICy
一度入ってしまうと、なかなか抜け出せないのが炬燵唯一にして最大の問題点ですね佐々木さん
785この名無しがすごい!:2014/02/07(金) 23:56:35.19 ID:MDAKzhsO
こんばんは
786この名無しがすごい!:2014/02/08(土) 01:56:45.76 ID:DQCVe173
>>782しえん
787この名無しがすごい!:2014/02/08(土) 05:51:35.62 ID:yt7Zbmjz
もうすぐバレンタインか
788この名無しがすごい!:2014/02/08(土) 07:59:37.58 ID:4Ohctgf4
しばらく前からデパートではバレンタイン商戦真っ只中ですよね佐々木さん
789この名無しがすごい!:2014/02/08(土) 17:14:47.10 ID:4Ohctgf4
きょこたんには「靴の上から靴下を履くと雪道でも滑りにくいよ」と教えつつ、自らは転びそうになると必死でキョンの腕にしがみつく佐々木さん
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その五

 「これでいくつか解ったことがある。朝比奈さんはビリケン教団と何らかの関係がある。それもかなり深い繋がりだ」
 佐々木は「皇國布教全宗教一覧」のぺ−ジをめくる。
 「キョンが気付いた首飾りは、あれは信者である証であり、そしてビリケン神の力を意味する紋章を刻んだお守りなんだよ。信者たちには
白銅製の『聖牌』というものが、最高指導者の津久津久法師から下賜されたそうだ」
 「しかし、あの金属は白銅じゃないよな」
 「ビリケン教団は僧侶にあたる、宗教の教えを説く教育係がいたそうだが、彼らには銀製や黄金製の『聖牌』が与えられた。あの金属が何
かは不明だが、僕が推測するに、あれはかなりの高位の教育係が、たぶん最高指導者を補佐するぐらいの地位の者が付けていた可能性が高い
ね」
 「だとすれば、朝比奈さんのあの首飾りの写真に移っていた人達は……」
 「おそらくビリケン教団の幹部級で、そして朝比奈さんの御両親。男の子は彼女の弟にあたる人物だ。断定して間違いはないと思う」
 「家族の集合写真ということか」
 佐々木はうなずいて、パイプに香久之実草をいれて、火をつけた。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 夕方になって、鶴屋家から俺達に電話がかかってきた。
 『お待たせしました、佐々木様』
 渋い中年執事長・新川さんのこれまた渋く丁寧な口調が受話器から聞こえてきた。
 『十次愛染孤児園の、朝比奈を引き取った職員に確認を取りましたが、過去の記録を見ても、写真の人物たちに関する手掛かりは何一つ
無かったそうです。それと朝比奈は引き取られた時、記憶が欠損しており、本当の名前も年齢もわからないということです。ただ、彼女が
小さい頃に保護された場所は解りました。豊阪都・天公主の新世界界隈にある通天閣楼の近くの公園だったそうです』
 ビリケン教団の本拠地だった場所。そこで朝比奈さんは拾われた。
 『それともう一つ報告することがございます。何か変わったことはないかと使用人すべてに確認したところ、姿を消したと思われる日の
午前中に、朝比奈ともう一人の使用人が買い出しに出かけていまして、その時、行き倒れの浮浪者を助けて、交番の警官に手伝ってもらい
、病院に運んでもらったそうです。その時、浮浪者が何か二、三言ほどしゃべたそうですが、よくは聞こえなかったそうですが、一瞬だけ
朝比奈はひどく驚いた表情をしたそうです』
 「すいませんが、その浮浪者はどうなりました?」
 『運ばれた病院に確認したところ、その日の内に亡くなり、警察が確認して、遺体は荼毘に付されたそうです。身元がわかるようなもの
はなく、無縁仏として六奉寺に遺骨はおさめられたそうです』

 新川さんの電話を受けた後、佐々木はソファに体を沈め、しばらく沈黙していた。
 こういう時は、佐々木の思考能力が大回転しているのである。
 夕焼けの光が、西の空へ沈んでいき、黄昏の薄闇が辺りを覆い始めたころ、佐々木は体を起こした。
 「キョン、明日も君は仕事は休みかい?」
 俺の仕事は現在非常勤で、週に五回、今月は土日が休みである。つまり、明日も休みなのだ。
 「明日、天公主へ行ってみよう。おそらくそこにヒントがある」
 確かに佐々木の言う通りで、状況証拠は、天公主地区・新世界界隈を示している。
 真剣な顔つきでそういった後、佐々木は急に表情を緩めた。
 「ついでにあの界隈で旨いものを食べて、映画でも鑑賞するかい?あの辺りは娯楽の町でもあるからね」
 天公主地区・新世界界隈は労働者の町とも言われ、一方で映画、落語、演劇、歌謡などの大衆娯楽が充実し、女給喫茶店が軒を連ね、名
物の串揚げやどぶろくを安く提供する飲食店がひしめく町でもある。また東洋一といわれる天公主大動物園もあり、”何でもアリ”の感が
ある、ある意味において豊阪らしさが最も現われた地区だ。
 「調査ついでに、二人で映画を見に行くのもいいかもしれないね。ちょうど鑑賞券があるしどう――」
 
 「私もついて行く」
 またもいきなり俺達の部屋のドアが開いて、マダム長門が入ってきた。
 「私も鑑賞券を持っている。書店は臨時休業にすればいい」
 「…………」
 「それと夕ご飯が出来た。食堂に来て」
 それだけ言うと、マダム長門は部屋を出て行った。

 「やれやれ」
 そういって佐々木はため息をつき、そのあとおかしそうに、くっくっくっと笑った。
791この名無しがすごい!:2014/02/09(日) 07:04:18.21 ID:qNAvSI9m
支援
ガラスの執務室w絶対この時代には存在しない高性能カメラ&マイクが仕掛けられてるな
792この名無しがすごい!:2014/02/09(日) 13:12:26.32 ID:JKSNGswe
しえんmn
793この名無しがすごい!:2014/02/09(日) 16:59:12.75 ID:kJkac0M8
さて、今日も本スレを荒らしに行くとしましょうか。
794この名無しがすごい!:2014/02/09(日) 18:37:38.35 ID:qNAvSI9m
今日はサザエさんの視聴率凄そうですね佐々木さん
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その六

  西宮(ウエスト・パレス・シティ)から電車に乗り、豊阪中央駅で降り、そこから 豊阪中に水路を張り巡らす、
都市運河で運行する小型水上ハイヤ―船に乗り換え、天公主地区・新世界界隈に俺、佐々木、マダム・長門はやっ
てきた。
 「さすがに高いな」
 大村海軍通信塔、別府鉄塔と並び、皇國三太楼との名を持つこの建物は、豊阪都の住民にとっては豊阪の象徴で
あり、これを超す高さを持つ建物は、近西のみならず、東洋には存在しない。通天閣楼の五階の展望台には、そこに
昇って、近西一帯を眺望したいという観光客が後を絶たない。そして、そこに件のビリケン神は祀られている。
 近西百貨店業界・四天王の一つ、琴鉄百貨店の紙袋を下げた人々がやけに多いのも、このあたりの特徴だ。天公主
大動物園がある関係で、家族連れの姿も多く、この地で遊ぶ人の年齢層は幅広い。
 映画館や演劇場にも客が朝から押し寄せ、洋画館や二番館も大賑わいだ。路地には縁台将棋をやる人の姿も見かけ
られる。当然、それらの押し寄せる客を目当ての飲食店も営業しているわけで、街角には各店の厨房から流れる旨そ
うな匂いが漂っている。
 佐々木もマダム・長門も朝食は食べてきたのだが、すでに「食べてみたい」という様な表情をしている。
 「とりあえず通天閣楼に行ってからだな」
 
 エレベ−タにのり、五階の展望台に上がると、すでにそこは人でいっぱいだった。
 この階の中央に、ビリケン神は鎮座している。写真で見たことはあるが、実物を見ると、奇妙な感じだ。
 ビリケン教団はなくなった(正式にはどうかわからないが)が、地元で愛されているのだろう。像の前には供え物
が並べられていた。
 通天閣楼のこの部屋を改めて見廻すと、これだけの高い建物を建築した教団のすごさが感じられる。イスパニアの
サクラダファミリア=ガウデイ大聖堂、ムガリア帝国のマハル廟など、宗教建築には、熱狂的ともいえる信仰心が付
き物だ。それがなければ、このような建築物はこの世に存在しないだろう
 ”その消えた教団と谷口の婚約者……一体なにがあるんだ?”

 そのあと、俺達は新世界界隈を歩き回り、在りし日のビリケン教団について聞き込みを開始した。
 教団は地元民に対し、福祉事業や教育なども積極的に行い、かなり慕われていたようだ。その名残が通天閣楼で見た
ビリケン神への供え物として残っているのだろう。ただ、現世御利益といった、近西地方好みの宗教心は薄く、むしろ
自己の向上心による、努力の積み重ねを重視する教団の教えが、現世御利益を唱えた千里教や然花解脱会に押され、衰
退した原因だったのだろう。
 
 聞き込みを一段落させて、俺達は串揚げの名店として名高い「串揚げ料理・達磨本亭」へ入った。

 「しかしよく食べたな」
 佐々木もマダム・長門も俺の倍は食べていた。まだまだ余裕だという顔をしていたが、さすがに俺が止めた。
 「まあ、せっかく来たんだからね。しかも評判の達磨本亭だからね。食べなければ損だよ」
 やれやれだ。

 その後、俺達は昨日、新川さんから教えてもらった、、朝比奈さんが拾われたという公園に向かうことにした。
 春日通りの入り口にある、月の女神の使い・兎を祭ってある新世界兎神社公園がその場所らしい。
 「佐々木、すまない。ちょっと先に行っててくれないか。トイレに行ってくる」
 「わかった。神社で待っておくよ」
 丁度もよおしてきたので、二人を先に行かせ、俺は路地に入ったところにある公衆トイレに駆け込んだ。
 出すものを出して、手を洗い、トイレを出た時だった。

 「動くな」
 俺の背中に何かが突き付けられ、と同時に俺の後ろに何者かが立っていた。
796この名無しがすごい!:2014/02/09(日) 19:06:25.83 ID:qNAvSI9m
支援
春日通りってのが気になる
797この名無しがすごい!:2014/02/09(日) 23:30:34.68 ID:8dx8VzOH
>>794
波平死んだから?
798この名無しがすごい!:2014/02/10(月) 03:21:44.33 ID:a00iNz4l
佐々木かわいいよ佐々木
799この名無しがすごい!:2014/02/10(月) 05:28:59.74 ID:ADcg2OiJ
>>797うん
5分以上見たの子供の頃以来
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その七

 
 口調からして男、体格は俺と変わらない程度、背中にあたっているのは短刀といったところか。
 「誰だ、お前」
 男は俺の問いに答えなかった。
 「ビリケン教団を調べているようだな。忠告する。手を引け。朝比奈みくるからもな」
 ”こいつ……”
 朝比奈さんの名前を知っていて、しかも彼女とビリケン教団との繋がりを知っているとは、何者だ?
 「断る、と言ったら?」
 「痛い目に会いたいか?それとも、運河に浮きたいか?」
 つくづくふざけた奴だ。
 「どちらもことわるさ!」
 そういったと同時に、俺は右足で後ろにいる男の右足を払い、同時に体を屈め、男の腕をつかみ、そこに力を加え
地面に男を叩きつけた。
 「野郎!」
 もう一人仲間がいたらしい。横から飛び出してきた男の突進をかわし、腕を取り、相手の勢いを利用し、体を浮か
せ、自分の力を加え、先程の男と同じように地面に叩きつける。
 鈍い音がして、男たちは気を失った。

 「お見事です」
 手を叩く音がした方を見ると、そこにさわやかな微笑みを浮かべた、どこぞの華族の貴公子かといってもいいくら
いの美男子が立っていた。
 「我々の組織の手練れのものをここまで簡単に倒されるとは思いませんでした。ただの探偵じゃなさそうですね」
 探偵は俺ではなく、親友の方だが。
 「合気流武術、それもかなりの使い手のようですね。しかもそれだけではない。右手に持たれている硬貨、その技、
拳法の銭&#37858;ですね」
 この男、よくわかっているようだ。
 合気流武術。創始者の名前から名付けられた「バリツ式護身術」として、今や外国人にも広まるようになった武術。
 中学時代から、合気流武術の創始者にして、佐々木の祖父・植司馬律平(うえしばりっぺい)に佐々木と共に習っ
た技の数々は、俺達の体の動きの一部になっているといっていいくらいだ。そして、俺にはもう一つ技がある。軍属
時代に台湾人の兵士に習った白拳(完全ではないが)だ(俺にそれを教えてくれた兵士は、難民キャンプを守って
戦死してしまった)。
 「お前達、何者だ?」
 「本来なら名乗らないのですが、貴方の強さと勇気に敬意を表して名乗りましょう。我々はSOS団。僕の名は古泉=
モラン=一樹」
 SOS団?ふざけた名前だ。だが、俺の前に立つ男に感じる、この男の”意思”は、男が只者ではないことを表していた。
 「なぜ朝比奈さんから手を引けと?お前たちが朝比奈さんを隠しているのか?」
 「彼女は我々の所にはいませんよ。しかし我々は彼女を探しています」
 「何のためにだ?」
 「さすがにそこまでは教えられませんね。しかし、貴方がまだ捜索を続けるというのであれば、いずれ真実に近づくで
しょう……おや、どうやら目を覚ましたようですね」
 古泉と名乗った男がしゃべっているうちに、俺に倒された男たちは、ようやく意識を取り戻したようだ。
 「また会いましょう、名探偵さん」
 古泉は微笑みを浮かべたまま、男たちを引き連れて、その場を去った。
 
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 大通りに戻り、佐々木たちと合流し、俺達は朝比奈さんが拾われたという新世界兎神社公園に行った。
 通天閣楼を見上げることができる、小さな公園に祀られている、かわいらしい兎の神様。何となく写真でみた朝比奈さん
を連想させる。その公園を見まわしたが、彼女に繋がりそうなものは見当たらない。ただ、地元の子供たちが何人か遊ぶ姿が
見られた。
 俺達は神様に手を合わせた。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「襲われた!?」
 帰りの電車の中で、俺の話を聞いて、佐々木は思わず大声を出そうとしたが、何とか抑え込んだ。
 「そうか、それで映画を今度見ようとか言ったのは、それが理由だったのかい?」
 「ああ。なるだけ、早くあの場所を去りたかったんでな」
 「私としては良かった。おかげで、阪球百貨店で買い物も出来た。今度は私と二人で行くべき。貴方に危害を加える者が
現れたら、私が警察署に預けてあるトンプソン短機関銃ですべて抹殺する。そのあと二人でゆっくり映画を見る。それと家
に帰ったら、私がけがの手当てをする」
 「いや、大丈夫。けがはしていない。相手は知らんが」
 「僕の祖父に習ったことが生かされているようだね」
 「ああ」
 「だけど、何者だい。君を襲った連中は?」
 「SOS団と名乗っていたが……流行の少年探偵団ではあるまいし。ただ、奴ら相当なものだ。その道の連中だろうな」
 「犯罪組織ということかい」
 「そうだ」
 俺の言葉を聞いて、佐々木は考え込む。
  西宮(ウエスト・パレス・シティ)の駅について、ようやく佐々木は口を開いた。
 「キョン。長門さんじゃないが、僕等も預けている拳銃を取りに行こうか。それと、国木田君に少し情報をもらおう。彼は今、組織犯罪
対策室にいるはずだ」
 国木田とは、中学校からの友人であり、佐々木の勉学上の好敵手、俺と佐々木の同級生である、国木田=レストレードの事だ。大学を卒
業後、佐々木と同じように警察学校に入って、今でも警官を続け、県警本部から派遣される形で西宮(ウエスト・パレス・シティ)の警察
署にいる。
 
 ※警察署に拳銃を預けているという意味を少し解説しておこう。
 御一新までは、農民たちは狩猟用として、銃を所持することを認められていたが、その御一新後、銃の所持に関しては許可制となり、今日
まで六度の法改正を得て、今では、国民は登録して、必ず警察所に預けるようになった。これに違反すれば懲役刑、さらに犯罪にかかわれば、
その銃は没収、以後、二度と銃は所持できない。精神疾患者は最初から駄目である。さらに議会で七度目の法改正が審議されるようであり、
狩猟銃以外は、許可されない方向で進んでいるようだ。なお、一般国民が持てるのは、短機関銃までである。
 ついでに書けば、俺が持つ銃は、弾倉を交換することで、軍用九ミリ弾を使用できる回転式拳銃・豊和二六年式拳銃「飛影」、佐々木が持つ
のは、新南武一四年式多弾倉型自動拳銃「星桜」である。
 
 
802この名無しがすごい!:2014/02/10(月) 23:42:28.84 ID:ADcg2OiJ
支援
このキョンはスペック高いなー
そして長門の突き抜け具合もなかなかw
803この名無しがすごい!:2014/02/10(月) 23:46:02.77 ID:syiY42+e
やはり佐々木が一番
804この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 00:01:32.12 ID:VwWC0OeJ
佐々木っちゃんぐうかわ
805この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 00:02:56.62 ID:lBXHJNMc
国木田は佐々木と一回ヤッてる。
806この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 00:06:48.47 ID:ZbcwJ6aW
佐々木・・・・
807この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 00:45:30.56 ID:7N7R193o
>>801
支援
時代背景というかどういう舞台なのかがよく分からない ホームズの世界観なのかな?
あと御一新とかそれってなんぞ?っていう感じの言葉が多いからちと読みにくいっす
長門さんのはっちゃけっぷりと高スペックなキョンはなんか好き
佐々木さんの推理で物語は進むのか、ハルヒの強引な展開に巻き込まれるのか今後も楽しみ
808この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 01:16:08.16 ID:T9xRs5xZ
>>807  時代背景的には、明治後期〜大正の日本がモデルです。そこにホームズの世界観
みたいなものが加わり、さらに鋼の錬金術みたいな感じを取り入れたいという姉の要望で、
世界を作っています(ただし、私は見たことがありません)。御一新とは、この世界では、
明治維新にあたるものを指す言葉です。場所のモデルは無論大阪です。
 銭&#37858……ひどい文字化けしていますね、今気づきました。白拳にある硬貨を使う
技を名前なんですが、銭指弾ということにしておきます。実際の名前は違うのですが。
 読んでいただき感謝しています。
恋愛苦手な君と僕〜放課後恋愛サ−クルSOS  〜花迷宮〜その9

とりあえず、大き目のクレ−プを長門と二人で分ける。フル−ツソ−スと果物の酸味と甘味、それと生クリ−ムが
混ざり合い、かなり美味い。最初は食べ切れるんかい、と思っていたが、二人でアッという間に食べてしまった。
 「美味しかったな。うん?長門、ちょっと」
 ティッシュを取り出し、口の端についていたクリ−ムをぬぐってやる。
 「あ、ありがとう……でも、ちょっと恥ずかしい……」
 長門の顔が真っ赤になる。
 「あ、す、すまん」
 つい妹にしているのと同じ気分でやってしまった。
 ”このリア充が” ”すごいお似合いね”
 周囲の人間の声が聞こえ、俺達は早々にその場を離れた。

 「やあ、お待たせ」
 クラスでの仕事に区切りを付け、佐々木がやってきた。
 「結構客が多くてね。商売繁盛はこちらとしても嬉しいんだが、大変だよ」
 「すまないな。忙しいのに俺達を案内してくれて」
 「いや、僕が招待したんだからね。案内するのは当然だよ」
 
 『只今より、クラス対抗語学カラオケ大会を行います。参加者は至急、講堂ステ−ジに集合してください」
 三人で回っていると、そんな放送が聞こえてきた。
 「佐々木、クラス対抗語学カラオケ大会て、何だ?普通のカラオケとどう違うんだ?」
 「あれは、語学勉強も兼ねて、外国の歌だけで競う大会さ。生徒が自分で選んだ好きな曲で歌声を競うんだが
、三人一組で出るけれど、ウチのクラスからも出ているよ。涼宮さん、周防さん、それと古泉君だね」
 そいつは面白そうだな。
 「行ってみるかい?」
 「ああ、あいつらの歌声を聴いてみるか」

 エントリ−したのは八クラス。ハルヒたちは三番目だった。
 しかし、みんな発音がうまい。ネイティブみたいな発音だ。留学か、それともスピ−ドラ−ニングでも使って
いるのか?
 最初はハルヒだった。曲目は、レディーガガの『モンスタ−」だった。
 「すごく上手……」
 長門が感心したようにつぶやいたが、俺も同意見だ。しかし、衣装は何とかならんか。どこの悪魔教徒だ。
 それでも会場は大盛り上がりだった。
 「すごい奴だな」
 ハルヒの次は、谷口の彼女・周防九曜。谷口のアホが客席の最前列に並んでいる。曲目は……
 ”スティーヴィー・ワンダー 「パートタイム・ラヴァー」 ”
 「また難しい曲を選んだね、周防さんは」
 だが、周防はあのぶつ切りみたいな、それでいてあの甘い感じの歌い方を完璧にコピ−していた。
 周防の歌で、会場は乗りに乗っていた。最前列で、谷口は周防の歌声に合わせて踊っていた。
 ただ、谷口よ。知っているだろうな。「パートタイム・ラヴァー」の意味は。

 




 
周防の歌声の余韻が残る講堂内ステ−ジに立ったのは、古泉一樹。それだけで、奴のファンと思しき、女生徒
(阪中・橘も入っている)の黄色い歓声が響く。古泉が歌うのは……
 「ビリ−ジョエル。"Honesty" 」

 If you search for tenderness(もし優しさが欲しいのなら)it isn't hard to find(見つけるのはそう難しくない)
 You can have the love you need to live.(生きるために必要な愛も手に入る) 
 But if you look for truthfulness(でも、もし真実を欲しているのなら)
 You might just as well be blind.(例え盲目であろうと同じこと)
 It always seems to be so hard to give.(そんなもの、ありはしないのかもしれない) 
 Honesty is such a lonely word.(誠実――なんて空虚な言葉だろう)Everyone is so untrue.(誰もが正直ではないからだ)
 Honesty is hardly ever heard.(誠実――聞いたことすらない)And mostly what I need from you.(でも、あなたに欲しい
 ものはそれなんだ)

 さわやかな古泉の普段の姿からは想像出来ないような、何かに思いを込めた様な、力強い、それでいて、切なさもこもった、歌声。
 その思いは誰に向けられたものなのだろうか?

 I can find a lover.(恋人は見つけることができた)I can find a friend.(友達は見つけることができた)
 I can have security until the bitter end(一応のこと安心して生きることはできる)Anyone can comfort me(誰であろうが慰めてはくれる)
 with promises again.(また期待を持たせて)I know, I know.(それはわかっている、わかっているんだ)
 When I'm deep inside of me(考え込んでしまっているときは)don't be too concerned.(気にしないでいてほしい)
 I won't ask for nothin' while I'm gone.(そういうときは何も求めちゃいないから)But when I want sincerity(でも、誠意が欲しくなったときには)
 tell me where else can I turn.(どう向かえばいいのか教えて欲しい)Because you're the one I depend upon.(あなたが唯一頼れる人なのだから)
 Honesty is such a lonely word.(誠実――なんて空虚な言葉だろう)Everyone is so untrue.(誰もが正直ではないからだ)
 Honesty is hardly ever heard.(誠実――聞いたことすらない)And mostly what I need from you.(でも、あなたに欲しい
 ものはそれなんだ)

 古泉が歌い終えた時、講堂内は、割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
811この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 15:44:25.70 ID:VQ41I5p7
バレンタイン前最後の休日だからか、チョコレート売り場が凄いことなってましたですよ
中学時代、佐々木さんもキョンにあげるかどうか散々迷ってたりするのでしょうか

>>809-810
こちらも支援〜
「ちゃん」続編アニメ化で出番ある?くーちゃんの中の人は誰になるんだろう
812この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 22:05:01.10 ID:ODc77svg
>>794
猫が新聞見る話は面白かった
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その八

 マダム・長門を先に返し、俺達は 西宮(ウエスト・パレス・シティ)の警察署へ向かった。
 銃器対策課に書類を提出し、写真を撮られ、本人確認が済むと、拳銃が引き渡される。
 「弾丸を後で補充しとかなきゃならんな」
 豊和二六年式拳銃「飛影」、新南武一四年式多弾倉型自動拳銃「星桜」も使う弾丸は九ミリ高速弾で、俺にとっては軍属だった時に、
佐々木は警察官だった時になじんでいる弾丸だ。回転式拳銃の弱点である装点数の少なさは、最近開発された簡速弾丸充填六連環(スピ
―ドロッダ―)で克服されつつある(なお、弾丸は購入した際、火薬商店から警察へ届け出がなされる仕組みになっている)。
 「とりあえず、一〇〇発ほど在庫はあるから、あとどれくらいいるかな?」
 そんなことを話していると、俺達に声を掛けてくるものがいた。
 「やあ、キョンに佐々木さん。しばらくだね」
 俺達の友人である、国木田=レストレード警部だった。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 「SOS団?確かに相手はそう名乗ったのかい?」
 谷口からの依頼を受けて、今までの出来事を国木田に話していたが、SOS団の名を出すと、国木田の表情が鋭いものになった。
 「知っているのか?」
 「キョンは犯罪組織じゃないかと推測したけど、実際どうなんだい?」
 「犯罪組織ではあるよ。ただし、犯罪をする対象が、犯罪組織という連中だけどね」
 「?」
 国木田の言葉に、俺も佐々木も首を傾げた。
 「SOS団の名前を知っているのは、警察の上層部と組織犯罪対策室の人間、それと犯罪組織の一部の連中だけだ。SOS団は犯罪組織を
襲撃して、その財産を強奪する組織なんだよ。犯罪組織は彼らをすごく恐れているんだ」
 「おいおい。犯罪組織の連中が、そんなことをされて黙っているのか?報復とかするだろう」
 「この前、幻燈会と角河一家の抗争があったのを覚えているかい?双方の首領が死んで、所属組員も同じく、双方の組織及び息のかか
った傘下組織まで壊滅状態になった」
 「ああ、あれか」
 「あれの真相は、元々抗争中だった両組織の拠点を襲って奴らの財産を強奪していたSOS団の存在に気付いた両組織が、一時休戦締結した後
SOS団に報復しようとしたのが、返り討ちにあって、全滅したというわけさ。彼らだけじゃない。報復しようとした組織は、同じような目に
あっているんだ。そうやって返り討ちにあって壊滅した組織は二十を下らないと言われているよ。銀行で金融洗浄した隠し財産まで奪われて
いるぐらいだからね。えげつない組織だね」
 「かなり強大だな」
 「ああ。だけど、組織の実態は皆目わかっていない。わかっているのは、組織の長が『教授』と呼ばれていること、使っている武器には
機関銃からダイナマイト、飛行機まであるということぐらいだね」
 「俺が会った奴は、古泉= モラン=一樹と名乗ったが……奴は何となく華族とか、そんな感じを受けたぞ」
 「貴重な情報をありがとう、キョン。後で調べてみる。偽名かもしれないけど、何かの手掛かりにはなるよ」
 「しかし、警察の上層部は何もしないつもりなのかい?」
 「それなんだけどね……」
 国木田は声を潜める。
 「口には出さないけど、上層部は屑どもが壊滅してくれるんで、むしろありがたいとすら思っているようだよ。一般人に直接被害が出ている
わけではないしね。証拠がほとんどないこともあって、積極的ではないし、SOS団の事も、抗争の過程で判明して、生き残った組員から聞き出した
けど、重症だった組員はその後死亡して、それ以上のことは解らずじまいなんだ」
 「無茶苦茶だな、警察の上層部も考えることが」
 「毒を持って毒を制するというわけか」
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 「谷口の婚約者の件はこちらでも調べているけど、君らが気付いた、ビリケン教団との繋がりは、大きなヒントになりそうだ」
 「警察と僕等、どちらが早く朝比奈さんにたどり着くかだね」
 とんだ競争だ。
 「何かあったら教えてくれ、国木田君。君に迷惑が掛からない範囲で結構なんで」
 
 
 
814この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 23:53:38.73 ID:ODc77svg
こんばんは
815この名無しがすごい!:2014/02/11(火) 23:55:51.63 ID:LD2PCMFv
佐々木かわいいよ佐々木
816この名無しがすごい!:2014/02/12(水) 06:05:11.81 ID:WdJu6H8V
>>813支援
この国木田もスペック相当上がってそうだ
良い場面で発揮されたりして
817この名無しがすごい!:2014/02/12(水) 06:40:09.58 ID:BPJWUuP/
おはよう
818この名無しがすごい!:2014/02/12(水) 18:51:25.54 ID:WdJu6H8V
まだ暫くは気温の低い日が続くみたいですね
暖かい日々が恋しいです佐々木さん
819この名無しがすごい!:2014/02/13(木) 18:31:29.94 ID:Fm68NHA9
周りからの圧力に耐え兼ねてと言い訳しながら、キョンへのチョコレートを手作りする佐々木さん
820この名無しがすごい!:2014/02/13(木) 23:27:02.39 ID:8ZkzSaOm
>>811
ちゃっかりハート型でつくる
821この名無しがすごい!:2014/02/13(木) 23:55:08.91 ID:NacWgwxS
最近はチョコでないのをあげる例あるのだっけ?
名探偵・佐々木とキョンの冒険〜秘神ビリケンの謎 その九

 警察署から下宿先へ戻る途中、俺らは銃砲火薬店「朝倉火薬・銃砲・刃物商店」に寄った。
 個々の女主人・朝倉涼子は、美人だが、武器の扱いにたけているとの評判で、近所では大変恐れられている。
 俺と佐々木の拳銃は、ここから購入したものだ。それと彼女は、マダム・長門の親戚だそうだが、なるほど、そういわれ
れば、何となく感じが似ているような気はする。ただ、近年の相次ぐ銃規制の流れを受けて、商売替えしようかと言ってい
るそうだ(マダム・長門の話ではおでん屋をやりたいと言っているらしい)。
 「いらっしゃい。待っていたわよ」
 警察署から電話を入れていたのだが、すでに用意しておいてくれたようだ。
 「高速九ミリ弾丸を百発ずつ。注文通りにそろえておいたわ。射撃室で試射してみる?」
 このお店の地下が射撃室になっている。
 「長門さんも来ているのよ。トンプソン短機関銃の新型弾倉が入荷したからちょうどよかったわ」
 いつの間に警察署から引き取ったんだ?俺達より先に自宅に戻ったはずだが?
 首を傾げながらも、地下の射撃場へ降りると防音耳栓をしたマダム・長門が短機関銃に弾倉をセットしていた。
 「ドラム型弾倉ね。五〇発は連続して打てるわよ」
 朝倉は何故か嬉しそうに言う。相当武器が好きなのはまず間違いない。
 「僕らの九ミリ弾丸と長門さんの銃とは互換性がなかったよね?」
 「長門さんのは輸出用の型で、プロイセン帝国用に九ミリ使用にしてあるから、互換性は確保されているわ。あなた達も
欲しい?」
 「いや、いい。遠慮しておく」
 丁重に断り、俺達が防音耳栓を嵌めると同時に、マダム・長門が引き金を引いた。
 地下室に凄まじい射撃音と火薬のにおいが立ち込める。
 「全弾命中。出来は上々」」
 標的用の的が、跡形もなく粉々に砕けているのを見て、マダム・長門は満足したようにつぶやいた。

 試射をした後、俺達は何故か三人で銭湯に行くことになった。まあ、今日一日いろんなことがありすぎて、少し疲れたの
は事実で、風呂に入って、汚れと疲れをさっぱり洗い流した。
 風呂から戻って、マダム・長門が夕食の準備をしている間、佐々木はまたも考え込んでいた。
 「食事ができた」
 夕食を食べているときも、佐々木は考え込んでいた様子で、ほとんどしゃべらなかった。
 
 蓄音機で俺がレコ−ドを聞いている間も、佐々木は考え込んでいたが、何かに気付いたのか、ソファ―から体を起こした。
 「キョン。彼は、SOS団はいつから朝比奈さんに目を付けていたんだろう?」
 「?」
 「君が会ったSOS団の、古泉と名乗った男は、朝比奈さんとビリケン教団の関係を知っていた。彼女自身はビリケン教団のこと
をおそらく失踪する前までは何にも知らなかったはずだ。それは彼女が首飾りの秘密に気付いていなかったことでも解る。だが、
彼らは知っていた。そして朝比奈さんを探しているとも言った。つまり、彼らは朝比奈さんの動向を、かなり前から、ずっと見張
っていたということだ」
 確かに佐々木の言うとおりだ。
 「最初、僕はビリケン教団が――今も活動しているとしての話だが――SOS団に依頼か何かをした可能性を考えたんだが、両者が
協力関係にあるというのは、ありえないという結論に達した。そしてもう一つ思い出したのは、新川さんが教えてくれた、朝比奈
さんが失踪する前に手助けたという行き倒れの浮浪者、おそらくその浮浪者も、教団関係者、それも朝比奈さんに相当近い関係に
あるとみていいね。遺体が荼毘に付されて、手掛かりがなくなってしまったのは残念だけど、倒れる前にささやいたという言葉は、
彼女の家族に関するものだったんだろう。穏やかに過ごしてきた彼女を、突き動かす程の衝撃があったんだね」
 「まあ、孤児だと思っていたら、実は家族がいた、て聞いたら、俺でも動くだろうな」
 「彼女は自らの意志で、姿を消した。自分の、家族のことを知る為に。ひょっとすると、手引きした者がいるかもしれない。そして、
彼女がいる場所は、今の教団の本拠地だ」
 「天公主地区の通天閣楼じゃなく?」
 「シンボルとしての意味合いは変わらないだろうけど、別の場所だろうね。SOS団も天公主地区にいると思ったからそこにいたのだろうが、
だがみつけていないということは、そこにはいないと考えていい。今のビリケン教団がどれぐらいの規模か知らないが、天公主地区で動いて
いるなら、もと本拠地だ。住民に気付かれないわけがない。宗教活動というのは案外目立つものだからね」