【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part69【変な女】

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1この名無しがすごい!
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・前スレ
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part68【変な女】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1348228833/
・佐々木とくっくっ避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8130/
・佐々木とくっくっ避難所(携帯用)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/movie/8130/

・佐々木SSの保管庫
Part1-10まで ttp://blog.goo.ne.jp/sasaki_ss
Part11以降  ttp://www10.atwiki.jp/sasaki_ss/

・涼宮ハルヒシリーズに登場するキャラクター、佐々木を愛でるスレです
 佐々木 = 例の変な女
 自称「キョンの親友」、中学時代はキョンの自転車に二人乗りで週二回、塾に行く間柄
 キョンとは学校内でつるむ回数がクラスメイトの誰よりも多かった
 キョンは否定するも傍からみるとどう考えても...
 古泉曰く「十人中八人が一見して目を惹かれる、実に魅力的な女性」
 恐るべきことに名実共にハルヒと対になる神的存在であることが明らかに!?

・次スレは>>970が立ててくれたまえ。立てられない時は遠慮せずに言うといい。
 このスレの住人は快くキミの代役に名乗り出てくれるだろう、くっくっ

・このスレは基本sage進行だ、間違えてageるならまだしも
 意図的にageるような行為は慎んでくれたまえ。
2この名無しがすごい!:2013/01/04(金) 17:59:19.87 ID:6iIoNsru
・リンクを貼るときは直リンは禁止してくれると僕も助かるよ。
・スレタイは佐々木とくっつくではないのであしからず。
・荒らし、それに反応する人への対応は無視するのが一番と昔から決まっているんだ。
・キャラクターを貶めるような書き込みは、荒らし行為なので謹んでくれ。
・どうしてもそういった発言がしたい時は、専用のスレッドを立てて、そこで行うといい。
・妙な書き込みが多数あるときは、書き込み日時の右にあるIDを確認すれば、
同一人物による荒らしかどうかの判断の基準にできるだろう。

・次スレは立候補した人が責任を持って立ててくれたまえ。
 ただし、無理な場合はその所信表明を行い、次なる立候補者を集うべきだね。
・次スレへの誘導リンクが貼られるまでは今まで通り書き込みは控えるのが最良の手立てと僕は思う。

あと、SS保管庫の中の人からこんなコメントをいただいている。
判断はみんなに任せるよ。くれぐれもこれで争うことの無いようにしてくれたまえ。
201    wiki [ sage ]  2007/08/26(日) 09:33:29 ID:lc10YmQU
 どーもwikiの中の人です。
 タイトルにSSってつける件ですが、個人的にはなくても無問題です。
 SSかどうかはみればわかるし。
 今までどおりでOK。
 それよりも、SSにはタイトル(名前欄でも文中でも)と長編なら通し番号をつけてもらえるとありがたいです。
 あと、未完成ならそれがわかるようにしてもらえるとなおよし。
.        , -‐- 、. , -‐-ー .、
.       ,'. /  ト、 ヽ   ヽヾ
        i. ((从ソ 从〉,ハハバゝ
.       l. (|┳ ┳i!i| ─ ─i! 
..      ,ハNiヘ'' ー.''ノiハ、. - ノ’ 
.         〈ヾ/゙ノi  /〈にづ┓___
        _.ノUUZゝぐ___,/__||卅]
        ~,'(_,(ソ__//゙> .> /ヾ⌒ヾ
        (--(ニ二__(ン゙/.(--○<)
.        ゞ/__彡' ¨゚¨    ゞ/__彡'
3この名無しがすごい!:2013/01/04(金) 18:00:19.20 ID:6iIoNsru
このスレッドは文芸キャラ板(http://uni.2ch.net/litechara/)への移転が議論されています。
この板に次のスレッドが無い場合は、まず>>1の保管庫や避難所、及び文芸キャラ板を確認することをお勧めします。
4この名無しがすごい!:2013/01/04(金) 18:17:23.40 ID:+5smoN3O
>>1乙!
今年もよろしくね佐々木さん
5この名無しがすごい!:2013/01/04(金) 20:09:36.88 ID:9P04/npl
規制解除かな?
>>1乙
6この名無しがすごい!:2013/01/04(金) 20:10:39.39 ID:kAriFDcA
>>1乙!
7 忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) :2013/01/04(金) 22:32:24.26 ID:owmCWhhl
>>1
8この名無しがすごい!:2013/01/04(金) 23:58:32.32 ID:+mAz1A8f
新スレ乙
9この名無しがすごい!:2013/01/05(土) 05:19:29.41 ID:qSRoD1UK
>>1乙
10この名無しがすごい!:2013/01/05(土) 23:15:09.04 ID:NifmwfrT
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その3

 体育祭当日、天気は秋晴れという言葉がぴったりくる、快晴だった。
 「いい具合に晴れてくれたものだね」
 スポ-ツの秋と言うには、少し早いような気がするが、成程、体を動かすにはいい具合な天気だ。
 佐々木は念入りに準備体操を行っている。張り切っているな、佐々木。
 「それはそうだよ、キョン。何せ、僕等は涼宮さん達とぶつかるわけだしね」
 騎馬戦とクラブ対抗リレー。
 前者では涼宮&古泉と、後者ではSOS団と戦うわけだ。
 なお、クラブ対抗リレーでは、SOS団のメンバーとして、幽霊部員の谷口が走ることになった。どれだけ涼宮
に弱みを握られているんだ、こいつは。
 そのことを教えてくれた古泉は、ついでに走る順番も教えてくれた。
 「涼宮さんのご指示ですが」
 よほど自信があるようだ。へたな運動部の部員より運動神経がいい連中のあつまりだからな、あそこは。
 その言葉をうけて、俺たちも走る順番を決めて、古泉に教えてやった。これでお互い公平になる。
 「負けるつもりはないよ」
 力強くそう言った佐々木に、俺も大きく頷いた。

 競技は進み、午前中最後の競技、すなわち一年生のクラス対抗騎馬戦の時間になった。
 ル-ルは、競技時間の5分間の間に、騎乗者の頭に巻いてある鉢巻を取り合い、多く残っていたクラスが勝ち、
という、単純なものだ。
 ちなみに試合は一回だけ。騎乗者がとった鉢巻の数が一番多いところが優勝である。なお、騎乗者が落馬すれば
失格になる。
 なお、クラス編成上の都合で、対戦できない一クラスは教職員チ-ムと対戦という、ありがたくもない対戦カ-ド
が組まれる。そのくじを引いたクラスは一年三組、すなわち長門のクラスであった。

 俺たちのクラス、すなわち一年五組と涼宮達の一年九組の対戦は最後のカ-ドだった。
 「さて行くか」
 対戦が終わり、いよいよ俺たちの番だ。
 「頑張ってね、みんな」
 最初に競技を終えた、長門が応援に来てくれ、俺たちに声をかけた。
 「ああ。勝ってくるよ」
 俺は長門にそう言って、佐々木と一緒にグランドに出た。

 「では頼むよ、キョン」
 俺が屈むと、佐々木は俺の肩にまたがる。
 「しっかり掴まっていろ」
 佐々木を倒さないように慎重に立ち上がる。
 「キョン。僕の足をしっかりつかんでおいて欲しい。激しく動くことになりそうだから」
 佐々木の体重は軽いとは言え、子供を肩車するのとは訳が違う。すべすべした女の子の足を掴むのは、いささか
ためらいがある。
 「遠慮はいらないよ。君と二人で勝ちに行くつもりだから。君に掴まれるのは平気だよ」
 気のせいか、周りの(特に男共の)視線が痛く感じられた。

 五組と九組の生徒たちが向かい合って一列に並ぶ。既にふらついている奴もいる。まあ、騎馬戦と言いながら肩車
合戦だからな、これじゃ。
 九組の生徒の中に、涼宮と古泉の姿があった。
 涼宮は古泉にまたがって、列の中央にいた。古泉の上でふんぞり返っているが、大将気取りかよ。
 
 「始め!」
 試合開始の合図とともに、俺は佐々木を載せて走り出した。
11この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 03:21:53.37 ID:kmOoEO1j
>>10
乙!毎回楽しく読ませてもらってます
そしてキョンに激しい視線を送っているのは僕ですwww

長門vs森さんとか期待していいのかね(^ω^)
12あけおめことよろです。:2013/01/06(日) 03:56:50.88 ID:aIgvPDSh
                         _,r=y.
                     、   ´ 7/  /i)
  / ̄\        _          `≧ー_-' 〈-- ' _ i7
/〜〜〜\   ,,'´   ヽ.   ;;-、 .''ー,,,_≧ >≦'           ネ
    ..:::::::::::::..  liミi从从リ〉. /ヽ;;)       .'"'^゛`             ,..ヒニゝ、
::::::::..       _|iト(!゚ -゚ノ!|/             \,\,   _,. -‐'"~  ,ォ、 ``''ー 、_
.      ,ィ´::::::::::ヾ!つ'iづ             "、-─'''"~__,,,..-‐''"个`';ー-, 、.,_``''ー-;:-
       f::(::i::Li_j_i)' lゝ/               `ー=ニ二!  |^'│ . |  |  |  l゙ニフ ̄
.      j:i:ヽ:|゚−゚ノ:|'ソ /_______              ,.__|,∩_|ェェ|,∩ェ|∩!ェェ!∩_|、、,ォ
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     .ノ::j:::く/,.i.,r;:ゞ゙ヾ;,:ゞヾ`ゞ>     _,,..-‐‐"ー''''' ̄ ̄_,,..-‐个ー-二二.,`_''ー------‐ャ
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     ヾ;';:ゞ》:;、_ゞヾ;;/ヘFゞヾ;:'`      ̄ ̄|| ̄〒─i'''''"""| | | |  |  |  |  |. ̄|
     〉ゞ;'ヾゞ、`)'~ヾ;;ゞ';;゙ゞ;ヾ;'ゝ     iョェェ||ェョ;||ョェョl1ォッ==|FEFEFE;|;王i;|;王;|王il|EF|EFヨ
z、,,r;、;v、ヾヾ;;'ゞ;ヾ;iiゞ<ノ;ゞヾ-'、、_      '==i‐_‐‐__‐_',,'ニニiニ二二二i!ニニニニニニニ=‐''
::;;、ヾ;ゞ;'ヾ,.;;:,、   |r''ゞ-ヾ´;ゞゞ;《ヾi       |「--i ─┬──i─┬─‐||─┼─|─┼-┤
'゙,;;='ー'ゞ'ヾゞノ (;;ゞヾ;ゞ';''/ゞヾ;;ヾ`、   ,. -― 、 .|   |    |  !   ||  ||||||||  |  .|
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,、ゞゞ'ー;;;;-ャ ヾ;;| |-=ゞ゙;ヾヾ、=''""二`".ノfハ ^ヮ/7  ,'. /  ト、 ヽ. ノハハハハハ ! ---------'
ヾ;;''ゞ::ヾ、'ゞゝ;-/:/ ̄``';ー-、=-、 r-、_, (《リ[!つ//リ i. ((从ソ 从〉 !|─ ─ ,iリ)!   二
、_,)'| |'二二゙__,| ;|-.( "ミ0 ̄`ヽ.''  `〈6〉  ノ,! //.   l. (|┳ ┳i!l .’ 、 - ,ノル´ ─   二 | ̄|
`'='、 |`ー─ー'| ;|─.))(八)ヽソ ─./ミ{,___ く/i//_,ゝ ハNiヘ.''' ヮ''ノハ! / ||y|| `ヽ      二 __,7T
二 | .| ─  / /   .ヾ)゚ヮ゚ノ)  \\_ ̄// ̄ ̄| ̄|,ィ⌒ヾ/ハ ─.ヽl|ニゝ.ソ| ̄| ̄ ̄ ̄_//
__,.l ヽ;‐-;、/ /,..<`ーィと|廿|⊃ ─  \ `// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ /─
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---──l''iー( ̄ )ノ        Ooヽ  .二   ─   二   ─   二   ─   二   ─
───‐'‐'`""~゙ ̄\         ノ     .─   二   ─   二   ─   二   ─
   ─   二  ─~~~ ―~~~ 二 ~~~ ─   二   ─   二   ─   二   ─   二
13この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 07:39:08.73 ID:uzmrkr4Z
騎馬戦って土台役1人じゃ無理だろ
14この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 09:43:49.72 ID:Idl0Ijni
>>10乙乙
さすがに徒競走ではハルヒに勝てそうにないから、タッグ戦のここでは勝っておきたい

>>12
没にするなんて勿体ない、前スレ>>998-1000も併せて乙!
ところで前スレの分の元ネタ知りたい
15この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 10:36:40.39 ID:tAfNV7Vd
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1348228833/998-1000>>12
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       i. ((从ソ 从〉
       l (|;:;:;:;:;;;;:i!i|
      ハNiヘ'' - ''ノ'iハ 
.        .{i'∪∪)
         ノ_/__l_jヽ.      ,. ‐-ー- 、
        `~しし~´     ノ /    ヽ
                  ノハハハハハ !
           ;       .!|─ ─ iリ)! 
                   ’ 、 - ,ノル´ ww
           ;.        {!とス) 
                     i´゙T`i
         -━━-      〈_.八_,>
                     
16この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 10:45:36.05 ID:TSEQS5Hy
『夕日の約束』※ここだけ見るとハルキョン注意

三学期。来るべき朝比奈さんとの別れに備え、古泉達は準備を進め、長門は観測……場合によっては機関への協力を辞さない……構えを取っていた。
俺は……ハルヒの遊び相手になったり、話相手になったり、佐々木と会って勉強をしたりで、慌ただしく日々は過ぎた。
「……………正直、閉鎖空間の処理でいっぱいいっぱいですよ…………」
古泉が、珍しく愚痴をこぼしてきた。神人は、盛大に大暴れしてくれたほうがまだマシという状態らしい。
「ただ空を見上げていたり、叫んでいたり………。行動をしないんです。ある意味、安定しているのですが…………」
そんな状態の神人を倒すのは、さすがに心が痛むようだ。
「……………………」
長門は、無言で本を読んでいる。………まぁ、これはいつもの事か。
「まぁ…………ハルヒを安定させてやらねぇとな。」
「……………………」
古泉が、俺を寂しそうな目で見る。気持ちの悪いヤツだな。

「ハルヒ。」
「あぁ、なんだ。キョンか。」
帰り道。たまたま校門にいたハルヒに声をかける。
「たまには一緒に帰るか?」
勿論断られる事が前提だ。
「………………あんたと?ま、たまにはいいか。」
返事は、意外にもイエス。俺はハルヒと肩を並べて帰る事になった。
「浮かない顔だな。」
「そりゃそうよ。」
ハルヒは溜め息をついて前を見た。
「……………卒業式が終わったら、もうみくるちゃんと会えない気がする。」
………意外な言葉に、俺はハルヒを二度見した。
「…………こっち見んな、バカキョン。」
ハルヒは、憂鬱そうに言う。最近のハルヒの憂鬱。それは、朝比奈さんとの別れだとは分かっていた。しかし…………ハルヒは、持ち前の洞察力を駆使し、その先を考えていたのだ。
「……………あんたも知ってるわよね、あたしの中学時代。」
ああ。よく知っている。散々に奇行をやらかしていたみたいだな。
「…………茶化すな、バカ。とにかく、殆どいい思い出なんかなかった。……………そんな中で、北高に来て…………SOS団を結成して………………毎日が楽しかった。」
ああ。俺もだ。なんだかんだ言って、楽しいぜ。
「…………始まりがあれば、必ず終わりはある。それはあたしも理解してる…………。でも…………」
ハルヒは下を向く。
「…………笑って、お別れしてやらねぇとな。朝比奈さんと。」
「……………………。」
目に眩しいと思ったら、夕日か。ハルヒの表情は、逆光になり、よく見えない。
「……………あんたは、いなくならないよね?あたしの前から…………。」
夕日で、ハルヒの表情がよく見えない。
「ま、どんな形であれ、お前とは一生付き合うような気がするぜ。」
お前が望む限り、な。
ハルヒは、その言葉に満足したらしい。100Wの笑顔を見せ、俺を向くと………
「団長命令よ!」
と笑顔で叫んだ。
「やれやれ。」

ハルヒと別れて暫く歩いていると、後ろから声をかけられた。
「やぁ、親友。」
「よう。佐々木。」
佐々木だ。今日は塾がないらしい。
「くつくつ。少し前から気付いていたんだが、青春の一ページに乱入するのは不粋だからね。」
「そうかい。」
どうやら見られていたらしいな。さて…………どうしたもんか。

END

泥沼スタート。
17この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 10:50:52.23 ID:TSEQS5Hy
『Days-愛情と日常-』

「君達は、強い絆で結ばれているようで羨ましいよ。」
佐々木はそう言うと、くつくつと笑う。
「絆、ねぇ。」
確かにハルヒとは絆を感じる。しかしな、親友。
「お前との絆も、そう捨てたもんじゃねぇはずだがな。」
俺の言葉に、佐々木は目を丸くし………そしてまた笑った。
「くつくつくつくつ。」
違和感だらけの今。ハルヒの心情告白にしても、長門の協力にしても。
「君は、僕に勘違いさせるのが好きなようだね。」
勘違いであるもんか。
「いいかい?キョン。君は涼宮さんを選んだはずだろう?」
誰もハルヒを選んだなんて、一言も言っていないんだが。
「いい事じゃないか。親友の恋路なんだ。僕も協力する事に吝かでないよ。」
黙れ。
「キョン、今からでも涼宮さんを追い掛けて………………」
「黙れ。」
……………こんなに冷たい声って、出るんだな…………自分で言って、びっくりした。俺は、佐々木に携帯を見せる。
「…………………待ち受けにいるだろ?そいつが、俺の好きな奴だ。ずっと一緒にいたい、と思っている、な。」
フリーズして固まった佐々木。一生隠しとくべき話だったのかも知れんが…………。溢れ出た思いを抑えきれなかった。
「じゃあな、佐々木。」
みっともなくしがみつく趣味はない。どうせ待つのは拒絶だ。
背後に佐々木の泣き声を聞きながら、俺は家路についた。

翌日。晴れない気持ちのまま登校する。
「おはよう、キョン。」
そこには、満面の笑みのハルヒがいた。
「よう。」
浮かない声を上げた俺に、ハルヒは……………
「シャキッとしなさいよ、朝っぱらから!」
「ぐがッ!」
背中に強烈な喝を入れたのであった……………。
部室では、古泉が満面の笑みで迎えてくれた。
「あなたを信じていましたよ。…………久々に8時間睡眠…………。寝具の素晴らしさに涙が出ました。こちら、機関の皆からです。」
………そこにあったのは、色とりどりのお菓子…………。子どもの駄賃かよ!……………長門。食べるのは構わんが、せめて一言位断りを入れろ。
「迂闊。」
そう言いながらも口は止まらない。ああ、もう………食べこぼしやがって。俺はハンカチを取り出し、長門の口を拭いてやる。
「こぉらぁ!このエロキョン!あんた何有希に触ってんのよ!」
突如乱入したハルヒに、俺の手が払われた。
「触ってねぇ!ハルヒ、ならお前が拭けよ!てか、いつの間に来やがった!」
俺の叫びに、ハルヒは…………
「あんたが、有希にハンカチ嗅がせるところからよ!なに?クロロホルムでも嗅がせるつもりだったの?!」
「市販されてねぇだろ、んな物騒なもん!」
暫くハルヒとの口論が続き………朝比奈さんがクスクスと笑い、古泉が微笑み、長門が気持ち微笑む。
「ユニーク。」
………と、まぁ。いつもの団活だったわけだ。

…………この人の登場までは。
18この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 10:57:15.47 ID:TSEQS5Hy
「……………お久しぶりね、キョンくん。」
そう。朝比奈さん(大)だ。
「私を快く送り出そうとしてくれているのね。…………ありがとう。そして、涼宮さんの改変を未然に防いでくれて、こちらも重ねてお礼を言わせてもらうわ。」
朝比奈さん(大)は、深々と頭を下げてきた。
「…………また、何かあったんですか?」
その言葉に、朝比奈さん(大)は、冷たく言った。
「……………ええ。重大な案件が。」
自分の胸に聞いてみろ…………そう言わんばかりの冷たい声だ。
「未来は、極めて不安定な状態にあります。……………その理由は、キョンくん。あなたが一番よく知っているでしょう?」
…………恐らく、昨日の件だろう。
「………………何がいけなかったのか、解りかねますね。」
俺は…………朝比奈さんの目を見た。
「ええ。涼宮さんがいるのに、佐々木さんの心を乱した。そのおかげで、パラドックスが発生しているんです。」
「ですので、そこで何故ハルヒですか?」
確かにハルヒは好きだ。しかし、ハルヒを異性として好ましく見ていたわけではない。
考えてみると違和感ばかりなのだ。佐々木を一年間思い出せなかったことも、佐々木の告白を無碍にした事も。
「未来の既定事項。これ自体が、ハルヒの願望…………そういうわけですか?」
「…………答えられないわ。」
朝比奈さんが目を反らす。
「ハルヒを選ばないならば、違う未来が生まれる。藤原を覚えていますか?藤原は違う時空間に飛ばされたそうですが、あいつは何故こっちに来れたんですかね?
つまり、あの時点では、貴女が違う時空間に行く可能性があった。………違いますか?」
「……………………」
違和感の正体。それは……………
「だとしたら、俺はハルヒの為にも、ハルヒを絶対に選べません。
いや…………ハルヒの為じゃない。俺自身の意思の為にも。」
ハルヒが文字通りの絶対的な存在として、ハルヒの思い通りになるような世界。それだ。
ハルヒに真に成長して欲しいと思うならば、ハルヒに教えなければならない。決して思い通りにならない事もある、と。
……………それは理由に過ぎないか。ハルヒの気持ちは嬉しい。しかし、俺は佐々木が好きだ。ハルヒと会う前から、ずっとな。
「………………あなたの意思は、わかりました。」
朝比奈さんは、残念そうに目を閉じた。
「私は私の未来を守らせて貰います。」
朝比奈さんは、そう言うと去っていった。
19この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 11:06:39.10 ID:TSEQS5Hy
すみません、朝比奈さん。でも、今の俺がハルヒを選ぶわけにはいかないんです。
…………さて。今からケリつけねぇとな。

光陽園駅前。俺は佐々木を呼び出した。
「……………………」
「……………………」
空は薄闇。青紫色の空がビルの間を染めている。
「知っているかい?キョン。宝石のタンザナイトの名前の由来を。」
口を開いたのは、佐々木からだった。
「…………タンザナイトは割と新しい宝石でね。タンザニアの鉱山で発見された、青いゾイサイトがその由来さ。この夕暮れを切り取ったような、深い青紫色でね。…………僕の宝物なんだ。」
佐々木は、そう言うとペンダントを外した。……………美しい青紫色の、小さい石がついたペンダント…………。皆目見当はつかんが、やはりお高いんだろうな。
「高校の合格祝いに、貯金箱を壊して買ってね。僕の宝物なんだ。石言葉は、誇り高き人、冷静、空想。そんな人に僕は、いつしか恋をしていてね。」
「そうか…………。」
…………間が持たん!佐々木よ、後生だ!振るなら早くしてくれ!
「…………いつか、こんな色の空の下で、君と…………とね。…………どうやら、望みが叶ったようだ。
僕は………友情を愛情に替えるに、吝かでないよ。」
………………ん?さ、佐々木?何故赤い顔を?
「鈍感だな、君は。」
佐々木は、俺に携帯を投げてよこす。
「見たまえ。そして笑うがいいさ。」
言われるままに携帯を見る。そこには…………
「………………………」
……………俺は、佐々木を抱き締めていた。佐々木は、一瞬身を固めたが…やがて俺の背中に手を回してきた。
「……………やっと……………見つけてくれたね。」
前に佐々木が言っていた、ガラスの靴。それは……………
「回りくどいんだよ、バカが……………」
俺に託された、佐々木の想いだった。
「…………僕は………いや、私は………ずっとキョンが好きだった。」
「…………俺もだ。ずっと、お前が好きだった。」
これまでの想いを伝える為に、俺達はきつく抱き合った。

この時………佐々木の目尻から零れた涙は、ずっと忘れない。俺達は人目を憚らず、壊れるほど強く抱き締めて、想いを伝え合った。

……………俺はこの時、考えてもいなかった。
朝比奈さん(大)の、未来を守るための行動は既に始まっているかも知れない。その可能性についてだ。
そして……………………

「…………………………」

物陰から、俺達を見つめる瞳も…………。

俺達は…………気付けなかった…………。

END
20この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 11:19:47.00 ID:TSEQS5Hy
解説。

さっくり書いていますが、根幹に関わる話を書いてます。
佐々木→←キョンから、佐々キョンになるまででした。

みくるについて言えば……………
キョンが佐々木とくっつこうが、ハルヒとくっつこうが、古泉とくっつかない限り、それは東京に行くのに新幹線使うか、飛行機使うか、タクシー使うかの違いでしかないんですよね。

ある意味、独自解釈の驚愕ifみたいな感じですが。

タイトルは、Aimから。
デジモンテイマーズの春映画、後期EDのタイトルです。
21この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 16:46:44.86 ID:Idl0Ijni
乙乙!
見てた人影は、やっぱハルヒなんだろうな…
思い通りにならないこともあるって教える必要があるのには賛成、でないとハルヒは人形遊びしか出来なくなるから
22この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 18:39:00.69 ID:TSEQS5Hy
ごめんなさい。エロSS、攻め佐々木になってしまい、キョンモノローグのせいで、気持ち悪い出来に。
エロ除外して、こっちに投下します。

『LOVE THING』

日曜日。誰もいない俺の家。両親と妹は、親戚の家に行き、夜まで帰らない。
…………となると、やっぱり彼女を招きたくなるのは、男の性だよな。
「ねぇ、キョン。知っているかい?人の身体で一番大きい細胞は、卵細胞だよ。その卵細胞にこの精子が受精し、子宮に着床したら妊娠となる。」
「生物かよ。雄と雌に別れた生物は、概ねそうだろ。」
雄が精巣から精子を出し、雌が卵巣から卵を出し。
「確かにそうだが、快楽目的で生殖行為に励むのは、『知性』を持つ故なのかな。」
「知性ねぇ。知性ってよりは、原始的な本能に近い部分を刺激されるから、擬似的な生殖行為をするんじゃないのか?
例えば猿にオナニーさせると、死ぬまでオナニーするそうだ。猿には知性は多少あるが、理性はない。」
彼女………佐々木を呼んで、とりとめのない話をする。
「成る程。それらをカテゴライズするのが知性と理性なんだろうね。」
「昆虫なんか、反射だけで生きているからな………………」
ぺったりくっつき合い、ベッドの中での会話。これはピロートークってやつなんだろうか。
「ん?君は何を言っているんだ?今からが本番だろう?ピロートークは、後戯だよ。」
そうなのか。
「くつくつ。本能に任せて朝から夕方まで盛るのもいいが、やはりこうした君との時間は、僕には必要でね。」
「そうかい。………ま、確かにお前とこうした時間を過ごすのも悪くない。」
普段が普段だ。ハルヒやら橘やらでお互いゆっくり過ごす時間もないからな。
「それに、だ。お前は俺が求めて猿になるようなヤツだったら、まず家に来てねぇだろ。」
俺の言葉に、佐々木は含み笑いをする。
「くつくつ。御名答。もし朝から夕方まで盛るなら、僕は君との付き合いを考えていたよ。」
「やれやれ。」
確かに佐々木とのセックスは、好きだ。しかし、だからといってそればかりをメインにしても面白くねぇよな。
「お前の想いに気付いたのが今で、良かった。」
中学時代なら、こっちだけの思いをぶつけていて、佐々木に負担をかけていただろう。
「くつくつ。それはお互いだよ。中学時代なら、君が僕を壊すか、僕が君を壊していたか、お互い自壊したか。または奇跡的にうまく回るかだろうね。」
傍目には、佐々木はサバサバ振る舞っているし、本人も『物分かりの良い』風にしていたが…………付き合ってみるとよくわかる。佐々木の本質は、独占欲が強く、表に出さないだけで、子どもっぽく我が儘だ。
そこを理解しない限り、佐々木と付き合っていくのは絶対に無理だ。中学時代なら、佐々木の被るペルソナを勘違いしていたはずだ。そうなっていた時の佐々木を想像すると…………実に怖い。
どこまでも堕ちて行っていただろうからな。
「くつくつ。…………そこは君だけ理解してくれていたらいいんだよ。」
佐々木はニヤリと笑う。
「くつくつ。」
……………さ、佐々木?何故また服を脱がす?
「いや、見解一致が嬉しくてね。…………正解者には御褒美をあげないといけないだろう?」
「アホか!」
23この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 18:42:01.28 ID:TSEQS5Hy
こうした場合は、やっぱり俺がリードしたいものだ。…………しかし、こういう場合の佐々木に逆らわないほうがいい。
佐々木が『俺を気持ちよくしたい』と思ってくれているんだ。それを素直に受けておくか。
「んっ……………」
佐々木の舌が、首筋を這い、胸に流れる。…って!
「さ、佐々木?!」
「くつくつ。性感帯というものは、男女差が少ないらしくてね。」
ま、まさか……………
「くつくつ。君によって生じた、僕の気持ちいいところを知ってもらいたくてね。さぁ、その不粋な手をどけたまえよキョン。」
佐々木がニヤリと……………こ、怖え!めっちゃ怖え!
「くつくつ。」
佐々木は服を脱がせ、背中に指を這わせる。………………ゾクッとするが、これは…………
「気持ちいい………よね?」
「…………ふっ…………ああっ!」
耳を舐められ、思わず声が漏れた。ぎゅう、と佐々木にしがみつき、声を洩らすのを必死に耐える。
「くつくつ。」
嗜虐心をそそられたらしい。佐々木は………
「『可愛いぜ、佐々木………』」
と、耳許で囁いた。急速に頬に血液が集まる。……………お、俺は普段なんつー事を…………!佐々木は俺のズボンのベルトを外した。
「『普段澄ました顔なのにな。………見せろよ、その顔。』」
佐々木が囁く。や、やめ……………っ!

「…………と、まぁこんなところさ。普段の仕返しも兼ねた、君へのお返しなんだが、お気に召したかな?」
「顔から火が出そうだ……………。」
ああ。あれは恥ずかしい。気持ちいいが、恥ずかしい。
「お気に召したならば、何よりだ。キョン。僕は君といる今日を楽しみたい。…………意味はわかるよね?」
無論だ。つまり、こうした恥ずかしい事よりは、愛情を確かめ合いたいんだよな?
「分かって頂けて、それは何より。」
佐々木は服を脱ぐと、丁寧に畳んでいく。
「嗜虐的な事もいいんだが、しょっちゅうされては堪らない。奴隷じゃないんだ。」
「善処する。」
絶対にこいつ、何かの機会で仕返ししてくるからな。…………ん?待て。
「んじゃあ、お前もあれは気持ちよかったのか。」
佐々木の顔が赤くなる。
「君が僕を開発したんだろうが。あれでもソフトなうちだ。それ以上言うなら、一番きつかったヤツをしてやる。」
佐々木が真っ赤な顔をして睨む。失礼しました。佐々木が攻めに回ると、えげつないだろうしな。
「えげつないのは君だろうが、全く。………そう言うつれない男は、僕が仕置きをしてやろう。」
おーい、普通にするんじゃないのか、佐々木さーん?!

と、まぁ…………佐々木にこってりやられちまったわけだ。
24この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 18:45:04.01 ID:TSEQS5Hy
「正真正銘のピロートークだな。」
佐々木が、ベッドの上で枕に顔を預けるのを見て、俺は皮肉たっぷりに言った。
「…………お前が、どういう感覚でいたか、知れたのは良かったが。」
「やめたまえよ、キョン…………。僕は自己嫌悪の最中なんだ。」
真っ赤になる佐々木。
「いやらしいお前も、俺は好きだぜ。」
「また、そういう………………!」
普段が理性的だからな。たまに暴走する位でいいだろ。………控えて欲しいが。これじゃ、別の何かに目覚めちまう。
「さ、飯食って勉強すっか?佐々木。」
真っ赤になる佐々木の髪を撫でる。佐々木は俺を睨みながら言った。
「その前にシャワーだよ。君の身体中の僕の唾液を洗い流す!」
やれやれ。

――――――平行世界――――――――――――
「で、どうだった?佐々木。あんたがあたしにしてた事を仕返してみたが。」
「…………いざ、されると…………は、恥ずかしいものだな……………」
ポニーテールの少女が、茶髪の美少年に笑いかける。
「最中に何度もやられてみろ。お前は一回で済むけど、あたしゃ何回もだ。ちったぁ自制しろ。普段、理性的な分際で、ったくどうしようもねぇ。」
「き、キョン子………すまない。そこは広い心で…………」
ぎゅう、と少女を抱き締める茶髪の美少年。
「よし、シャワーだ。べたついて気持ち悪い。」
「くつくつ。君の唾液だろう?別に洗い流さなくても。」
「あたしが気持ち悪いんだよ、アホ!」
少女は思った。
「(な、なんか…………もし平行世界があって、性別が反転してたら、同じような事されてそうな予感がするわ…………)」

…ハルヒが「性別が反転してて、その人達と話せたらいいわ!」と言い出す少し前のお話。
そして、キョン子と佐々木(男女)が話して赤面し合い、キョンはハルヒとハルヒコの面倒を見させられ、貧乏クジを一手に引き受けたという…………。

END
25この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 18:53:48.69 ID:TSEQS5Hy
解説。

エロって難しい。
当初の予定では、ラブラブ→普通にエッチ→今回は古泉がオチ担当のはずでした。

そしたら、まぁ…………普通に動いてくれず、何故か攻め佐々木に。
普段鬱屈してるだけに、佐々木は爆発すると凄そうな予感が。そんな彼女を丸ごと受け入れている、キョン。
そんな感じでやりたかったんですがね。佐々木は、色んな引き出し口があって、書いていて飽きないです。
26この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 21:13:48.34 ID:Idl0Ijni
乙乙!
世の男共は、自分の一度台詞を録音したのを聞いてみるべきだなw
27この名無しがすごい!:2013/01/06(日) 21:19:35.89 ID:Idl0Ijni
ああああああああああああああああちょっと書き直す時に順番間違えただけで意味不明な文章に

一度自分の台詞を録音して、が正しいです
28この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 00:09:10.23 ID:aiJtq9kq
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その4

 この騎馬戦だが、いつも思うのは土台一人じゃ無理があるということだ。
 同級生同士にそこまで大幅な体格差がある例は少なく、下手すりゃ試合開始と同時に騎馬が崩れる事
だって珍しくない。その時点で失格だ。
 だが、俺達、すなわち俺と佐々木、古泉と涼宮の騎馬はその点では全く心配ない。そして、男女の組
み合わせの騎馬は、暗黙のル-ルには縛られない。つまり、男子の騎馬、女子の騎馬、両方攻撃できる
のだ。
 
 「古泉君、どんどん行くわよ!」
 涼宮は古泉に指示を出して、次々と鉢巻を奪っていく。動きは素早く、俺達のクラスは結構やられて
いる。谷口、国木田コンビもやられてしまった。
 「キョン、僕らも行くよ」
 任せておけ。
 佐々木の指示に従い、俺も相手側の騎馬へ突撃をかける。相手の攻撃や防御をかいくぐり、佐々木も次
々と鉢巻を奪う。

 「4分経過」
 審判役が時間を告げたとき、気がつくと双方の騎馬は全滅(半分は自壊だが)、グラウンドには俺と佐々木、
古泉と涼宮だけが残っていた。
 こちらは6本、あちらも6本の鉢巻を奪っている。
 「僕らと涼宮さん達との一騎打ちで決着がつくわけか」
 表情は見えないが、佐々木が笑っているのがわかる。
 古泉は相変わらずの爽やかスマイルだが、涼宮も笑っていた。ただし、その笑いは、何かよからぬことを企む
人間が浮かべる笑いに似ている。
 残り時間、45秒。
 「行こう、キョン」
 俺達が動くと同時に、古泉達も動いた。

 「・・・・・・まいりましたね。どうやってこちらの作戦を見抜いたんです?」
 競技終了後、古泉が声をかけてきた。
 「お前が裏をかき過ぎたんだよ。『裏の裏は表』。俺達以外に攻撃をかけるときは、死角を狙っていたから、
俺達にも同じ攻撃をすると思わせて、俺達には別の方法を考えています、な感じを見せていたが、全く同じ攻
撃を仕掛けてくると思ったんでな。それに、涼宮の表情を見て佐々木が気づいたんで、その指示に従ったんだ」
 騎馬戦は、涼宮の手を防いで、鉢巻を奪った俺達の勝ちだった。死角を作らないよう、その分俺は佐々木の
足を掴んで動きまくったのだが、おかげで体力をかなり消耗した。
 鉢巻を取られた涼宮は、ペリカンのように口をひん曲げ、悔しそうな表情をしている。
 「次のリレーは、絶対負けないわよ!」
 涼宮の言葉に俺と古泉は顔を見合わせ、お互いに苦笑した。

 昼休み。
 高校生の体育祭ともなると、わざわざ親が見に来るところは少なくなるのが相場だが、うちの家族は別である。
 両親と妹、それに妹が何故かシャミセンまで連れてきて、体育祭を見に来ていた。
 「どんどん食べてね、佐々木さん」
 佐々木の母親は例の如く、仕事上の都合で来てはいない。それでは、ということで佐々木も一緒に食べることに
した。
 「とても美味しいです」
 佐々木は笑顔で我が家の弁当を食べる。
 「さっきの騎馬戦の写真はたくさん撮っておいたから、あとで佐々木さんにもあげるわね」
 母親が最近、買い換えたばかりのデジカメを見せびらかしながら、そう言った。
 「それにしても、キョン君と佐々木のお姉ちゃん、息がピッタリだったね」
 妹の発言に、佐々木は大きく頷いた。
 「キョンと組むと負けない気になれるからね。まあ、大分キョンが合わせてくれた部分が大きいけどね」
 いや、佐々木。それは俺のセリフだ。お前が合わせてくれたんで、俺はかなり動けたのだ。お前が勝たせてくれたような
ものだよ。

 「ふうん。キョン君、佐々木お姉ちゃんといつ結婚するの?」

 全く脈絡もなく発せられた妹の爆弾発言に、俺は喉に御飯をつまらせそうになった。
29この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 00:21:26.14 ID:aiJtq9kq
>>20 乙乙です。

すごく続きが気になるSSです。是非見習いたいです。
30この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 03:21:33.69 ID:o8oZGztM
>>20
キリよく完結できるよう応援したい。

>>25
乙。エロ佐々はアリアリ。
新境地への挑戦に乾杯。

>>28
お互いの足りないところを相手に補ってもらえる関係は
これもまた古泉じゃないけど理想的と言えると思うな。
31この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 12:20:45.67 ID:Ru3AnpSo
>>28乙乙
佐々木さんとキョンの噛み合い具合とかいろいろあるけど、なんと言っても妹ちゃんGJの一言に尽きるwwww
32この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 19:07:05.85 ID:bp2wp4k2
『BEGINNING』

翌日。昼休み。俺は古泉に昨日の件について言った。佐々木が好きだ、と。古泉は、苦り切った表情だ。
「………………何と言いようも無いですね。僕には何とも……………。」
閉鎖空間にしても、現在は観測されていないらしい。昨日も実に穏やかな夜を過ごしたという。
「異性としての好意でない、『好き』ですか………………。」
友人として、ハルヒは大好きだ。我が儘で我が儘で、どうしようもないヤツだが、目を離せない。
ただ。異性として一緒にいたい。そう思ったのは佐々木だ。
「………………ハルヒが俺をどう思っているか。目を反らし続けたからな。………………最悪、世界崩壊か。」
古泉。こんな危険人物、ハルヒの側に置いていていいのか?
「……………機関の人間としては、正直、排除したいですよ。
…………しかし、僕はSOS団の副団長。………僕にしても、涼宮さんの成長に期待したいところです。SOS団は、団長に鋼の忠誠を誓っていますからね。」
すまんな、不忠者で。古泉は、俺を見ると下手くそなウィンクで応えた。
「いえ。貴方が一番の忠義者ですよ。自分の感情すら捧げるような人間を、僕は友人に持った覚えはありません。
…………それは涼宮さんへの最大の侮辱ですからね。」
……………すまん。
「僕個人は祝福しますよ。…………おめでとう、キョンくん。」
「……………むっちゃ違和感あるな、そのセリフ……………」
全身にサブイボが立つ。
「ふふ。貴方が一番に相談して下さったのが僕だという事が、嬉しくて。
……………となると、心配なのは未来からの干渉ですね。」
古泉は、表情を引き締めた。
「情報統合思念体は、恐らく中立でしょう。機関としては貴方に対立はするでしょうが、こちらはお任せ下さい。何とかします。
…………未来は、恐らく貴方に刃を向けますよ。
佐々木さんへ向けられた刃は、橘さんが何とかされるでしょうが。」
古泉は、そう言った。
「貴方に、というよりは、我々に、ですか。…………………貴方の気持ちを変えようとしたり、佐々木さんへの実力行使に出たり。こうなった以上は、長門さんの協力を仰ぎたいところですね。」
長門か…………。困った時はあいつに頼りっきりだな…………。
話していると、後ろに気配を感じた。
「………………………」
長門である。
「事情は把握している。私という個体は………………」
……………俺も古泉も、自分達が、如何に甘く事態を捉えていたか。それを思い知らされる一言を、長門は口にした。
33この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 19:08:43.97 ID:bp2wp4k2
「この件に関し、独自の行動を取る事を選択した。」

「な、長門!」
「何故です、長門さん!」
長門の瞳は、強い意思を秘めている。
「昨日、貴方が佐々木○○と抱き合う所を目撃した。そこから発生したエラーは、エンドレスエイト以上の情報量を持って、私という個体のメモリ空間に蓄積された。」
長門が手を上げる。
「長門さん!駄目です!」
異変を察した古泉が、長門に飛び付く。
「邪魔。」
「ぐあっ!」
しかし、呆気なく古泉は長門に吹き飛ばされた。
「………………」
長門の口が、素早く動く。か、身体が…………。意識まで奪うつもりかよ……………!

「わた…………………………あ………………る………………」

意識が途切れかけた俺が見たのは…………………
長門の決意を秘めた目から流れる涙だった。

END
34この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 19:19:41.20 ID:bp2wp4k2
解説。

長門の行動については今は説明しません。長門のキョンに抱く感情も。

なお、話の鍵を握る人物は、意外な人物かも知れません。

………まぁ、谷口でない事は確かですが。

今回のタイトルは、起こる事象からでした。

あと、ハルヒがあの後に目撃していたら、世界崩壊しかオチがありませんでした。
長門、キョン、ハルヒは当分、蚊帳の外です。

次回は、みくるの暗躍です。
35この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 20:53:31.43 ID:Ru3AnpSo
ほうほう支援
次はみくるかー
(小)の方は、話を聞いたらキョン達を祝福した上でハルヒに寄り添ってあげたりしそうなくらい良い娘だから、(大)の方なんだろうなあ
36この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 21:01:04.73 ID:/FVMzx7t
みくるは正義
37この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 21:07:38.45 ID:o8oZGztM
乙。
長門の行動は言わずもがなだが、みくるがどう動くかは結構盲点やもしれんな。
ハルヒ・長門と比べて描写はあっても考察する人は少ない気がする。

余談だけど消失での朝倉とのマンションでの会話を見る限り、
長門は当時未だ見ぬキョンの旧友を意識していたかもしれないと思ったりする。
朝倉の役目を踏まえて上で考えると。

逆にハルヒは会うまではあんまり意識してなかった気がある。
(だからまる1年年賀状以外のやり取りがなかったとも考えられるが)
38この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 22:32:15.10 ID:bp2wp4k2
>>35
支援感謝。そうなります。
ただ、全体的なジョーカーは、みくるではありませんが。

>>37
どちらかというと、みくる(小)のほうが、キョン側から見て純粋悪のみくる(大)よりも、予測がつかなくて危険かも知れません。
長門は、まだ何とも言えないところです。

面白い考察ですね。そういう観点から見直すと、納得するものがあります。
ハルヒの場合、キョンは絶対に自分と同じぼっちだ、と頭から信じ込んでいたに近いかとw

>>29
いえ、私があなたを見習いたいです。
どうしたって変にひねくれて、ストレートに動いてくれないんですよ、私の話の二人は………。
39この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 23:14:39.46 ID:H8ewlFxg
面白いね

強いて言うなら古泉からキョンへの呼びかけるときは「貴方」
そこだけ変
40この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 23:16:05.72 ID:Ru3AnpSo
運転する際は小さい子供に注意の法則ですな>みくる(小)の動向

>>37
長門はエンドレスエイトで、キョンと佐々木さんが邂逅するシーケンスを何度も観測してた可能性もあるしね
消失時点では意識するに充分な情報を持ってたとしても不自然じゃない
41この名無しがすごい!:2013/01/07(月) 23:51:41.58 ID:vg1uoX0m
ぷよぶよの長門雪ちゃんの消失は、普通に長門エンドだろーなー
42この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 03:02:46.38 ID:zz6mJNwA
『LOVE IN VAIN』

その頃。
「(結局なんだったのかなぁ、あの指令。)」
みくるは、昨日の指令を反芻していた。
『涼宮ハルヒを連れて、光陽園駅前を歩け』
それが指令だった。結局、いたのは長門だけ。長門の悲しそうな目は、未だに焼き付いている。
ハルヒが長門に声をかけ、SOS団三人娘で近くの喫茶店で話し、軽食を摂る事になった。
ハルヒは、わざわざ緑茶を頼み、「みくるちゃんの入れたお茶のほうが美味しい」と、クレームを入れ………長門は大盛りのカレーライスを平らげ…………楽しく、暖かい時間を過ごした。
もうすぐ、こんな時間も終わる。だからこそ、皆で一緒にいたい。そんな自分の気持ちを酌んだ指令だったのかも知れない。
みくるは、放課後にハルヒに美味しいお茶を入れてやろうと思った。

同時刻。未来では同一人物が頭を抱えていた。
「……………か、過去の私ながら、アホ過ぎるわ……………!」
あと、たったの10メートル。たったの10メートルで、ハルヒが世界を再構築していたはず。
「……………どっちにせよ、私達には規定事項がある。行動は丸わかりよ、キョンくん…………。」

放課後。
「キョンも、有希も、どこ行ったのかしら?」
団室にはハルヒのみ。古泉は昼休みに階段から落ちて、病院に行っている。
「携帯にかけました?」
「かけてるけど、通じないのよね。……………もう。」
やがて飽きたのか、ハルヒはみくるのお茶を口にする。
「…………ああ〜…………これよね〜…………」
笑顔でみくるを見るハルヒ。ほんの一年半前とは、別人のような柔和さだ。たまに来るセクハラは勘弁願いたいが。
「うふふ。喜んでもらえて、何よりです。」
みくるは、膝の上に乗せた毛糸を使い、編み物を始める。
皆に手袋を作りたい。
自分がいたという、証を残したいという思いからだったが、予想以上に早く出来てしまい、目敏く発見したハルヒに奪われ、早くも分配された。
なので、これは自分用。皆と同じ柄の手袋。未来に帰ったら、指令をしている人にもあげられたらいいな。
それから、二人は女の子同士の内緒話をした。
ハルヒは終始機嫌良く、みくるも笑顔で話し相手になる。二人にとって、最高に楽しい時間だった。
いつか終わるという、寂しさも胸に残して…………。
43この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 03:05:29.34 ID:zz6mJNwA
同時刻。
「……………おかしい。何故キョンは電話に出ないのかしら。」
佐々木は、キョンに電話をしていた。理由などない。ただ、声が聞きたかっただけだが………。
「(忙しいだけかな?)」
佐々木は電話を直すと、塾へ向かおうとした。
「佐々木さん、かしら?」
佐々木は声がした方向を向く。そこにいたのは、大人の色香を匂わす女性だった。
「…………あなたは、確か…………藤原くんの……………」
「………………………ええ。キョンくんについて、お話が。彼が今、長門さんに拉致されているのを御存知かしら?」

公園のベンチに座る。
「……………説明してもらいましょうか?」
佐々木がみくるに詰め寄る。
「言葉の通り。キョンくんは、現在長門さんに拉致されているわ。
……………まぁ、貴方がキョンくんの想いに応えたせいなんだけど。」
…………ブラフだ。佐々木は、直感的にそう感じた。
「信じる信じないは勝手だけど、実は長門さんは以前、涼宮さんの力を奪い、世界を改変していましてね。
今回…………キョンくんの想いを知り、同じ事をしないとの保証がないのよ。」
「…………それは、長門さんがキョンを好きだという事ですか?」
みくるは、佐々木を冷たい目で見る。
「知らなかった?意外とモテるのよ、キョンくん。涼宮さん、長門さん、過去の私…………鶴屋さんもかしら。この四人は、多分キョンくんが選んでいたら、皆、多分想いを受け入れているわ。」
「へぇ。…………私には関係ない話ですね。キョンは私を選んだ。キョンは、ああ見えて強情です。一度選んだ相手を裏切る真似はしないでしょう。」
二人の間に火花が飛び散る。
「話を聞いていたかしら?長門さんには、その思いを上書きする事だって出来るのよ。
あなたとの思い出を、長門さん自身との思い出に摩り替える事も。」
「それは最悪の可能性でしょう?長門さんには長門さんの思惑があるのかも知れない。」
そう言いながらも、佐々木は身を切るような苦痛に苛まされた。
「どうでしょうね。……………佐々木さん。長門さんって、そんなに信用出来る?あなたと付き合い始めた途端に、キョンくんを拉致するような人よ?」
「………………………」
「私は、あなたの味方よ。キョンくんを長門さんに渡すわけにはいかないの。…………ね?」
みくるの表情を見て、佐々木の心は、確かに揺らいだ。しかし……………
「……………キョンに代わって言います。」
「何?」
佐々木は、一息吐くと、みくるに言った。

「くそったれ。」
44この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 03:10:10.82 ID:zz6mJNwA
「なっ……………!」
面食らったみくるが、目を白黒させながら佐々木を見る。
「キョンは、長門さんを自分より信頼している、と言った。…………なら、私は長門さんを信頼する。
その長門さんを、貶められたと聞いたとしたら、キョンなら私に『くそったれと伝えろ』と言うでしょうね。」
知ってか、知らずか。佐々木の言葉は、処分されつつあった長門を救うべく、キョンが情報統合思念体に向けた言葉と同じであった。
「………………………。わかりました。また会う事もあるでしょう。…………その時、また同じ事が言えるか…………。楽しみにしています。」
みくるは、立ち上がると佐々木を見た。
「あなたの我が儘が、ひとつの未来を消し去る可能性があります。………そこを忘れないで。」
立ち去るみくるの背に、佐々木はひとりごちた。

「…………くそったれ。」

自分は、自分達は、逆らうと決めた。しかし。いざそうなる事を言われたら…………やはり、双肩にずしり、と重さが来た。
気弱になる心…………。キョンに会いたい。声を聞いて安心したい。不安で仕方ない心を、抱き締めて落ち着けて欲しい。

「キョン……………君の声が聞きたいよ…………。」

虚空に響く、佐々木の声。愛は、人を強くする。しかし。同じだけ人を弱くする。
下を向いて、歯を食い縛り、佐々木は嗚咽を洩らさないように小さく泣いた。

To Be Continued 『LOVE IN VAIN』 SIDE YUKI.N
45この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 03:20:44.16 ID:zz6mJNwA
中書き。

みくる(大)が、外道ですが、嘘はついていません。

彼女の言葉は、嘘ではないのですが…………といったところです。

ブラフ合戦は佐々木の勝利でしたが、今回、佐々木の胸に立った波紋は、果たしてどうなるか。

次回は、長門の真意を書きます。
ただ、長門の真意としては、意外なものかも知れませんが。

タイトルの『LOVE IN VAIN』は、ロバート・ジョンソンから。
ストーンズのカヴァーが有名ですし、そちらが雰囲気に合いますかね。
46この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 15:10:07.95 ID:Bj4A+jC8
47この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 16:04:18.64 ID:dOIYaoHw
>>40
なるほど、そういう考え方もできますね

>>45
乙です
48この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 17:11:51.58 ID:sVnqpe1a
解説とか中書きとかはミスリードとかの仕掛けも含めて本文に入れるほうがいいかなぁ
書き手として語りたい気持ちもあるだろうけど
読み手としては解釈を物語り外で誘導されると楽しみが減ってしまう


意欲旺盛で外伝とか書き始めて飽きて未完で放置した昔SS書きの人でした。ノシ
49この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 18:03:46.61 ID:/QmsSbIF
おつおつ、やっぱりみくる(小)は良い娘
(大)の方はやり方から口調から、もう別の世界線から来てるとしか思えないw

>>48
完成させてくれても良いんですよ?ダメならネタだけでも歓迎
50この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 19:50:47.56 ID:zz6mJNwA
>>46-47
乙感謝。

>>48
確かに。では、そのような形を取ります。

………プロットだけでも…………

>>49
みくる(大)は、先をお楽しみに。
みくる(小)は、天使ですよねぇ……………

夜半には、長門編を書き上げます。今週は、一足遅い連休がありますので、そこでがっつり書きます。
51この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 21:02:45.40 ID:1QV+QWJI
>>49
昔から
みくる大が別の世界説もあったね
52この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 21:02:48.73 ID:/QmsSbIF
風呂で髪を洗ってたら、右耳にちょっと霜焼けが!とりあえず気がついた時にマッサージするつもりだけど、対処法として正しいか不安です佐々木さん
53この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 21:40:40.40 ID:/QmsSbIF
>>51
鶴屋さんの宇宙人を取るか、未来人を取るかって台詞も関係してくるんかな
54この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 22:30:12.31 ID:zz6mJNwA
『LOVE IN VAIN』 SIDE YUKI.N

―――――エマージェンシーコード―――――

――――同期――――

「…………………………………………」

―――――――――
――――――――――――――

「…………………………………………」

――――――――――

「…………………………………………」

結果――――――――――

長門は、ゆっくりと目を開けた。
「……………事情は把握した。」
涙が一粒零れ…………本に染みを作る。
「……………再修正、0.00001%可能。」

一般に、万に一つの可能性は、不可能という。しかし………………

「……………………私は、次こそ彼を守る……………………」

長門は、可能性に賭ける他は無かった。

――――――――――――――――――

「説明してもらおうか?長門。」
俺は長門…………いや、朝倉か。朝倉に簀巻きにされ、長門の家のリビングに倒れていた。
「………………朝倉涼子。」
長門が、非難の目で朝倉を見る。
「仕方ないでしょ。お野菜切ってた時に、キョンくんが目を覚ましたんだから。」
…………そう。俺は包丁を片手にした朝倉を見て、取り乱した。まぁ当たり前だ。いつ刺されるかわかったもんじゃないからな。
二度ある事は、三度ある!俺がビビりでないとわかって頂けたら幸いだ!
55この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 22:34:14.20 ID:zz6mJNwA
「……………説明する。」
さて、この暴挙の裏に何が隠れているか。教えてもらうぜ、長門。
「…………一週間後。復活した天蓋領域により、あなたは、記憶を封じられる。」
「………………なっ?」
天蓋領域……………周防か?!
「なぜ、あいつが?」
「再び、あなたと佐々木○○の繋がりが生まれ、別の未来が発生した為だと思われる。」
…………つまり、あの騒動の再燃か?
「…………違う。これは………佐々木○○の望み。天蓋領域のインターフェースは、彼女の願いを叶えたに過ぎない。」
佐々木が…………?何故…………………
「…………朝比奈みくる。彼女が佐々木○○に接触し、あなたを望まない未来へと導いた。」
「あ、朝比奈さんだと!?」
意外すぎる名前だ。
「待て!理解出来ない!何故朝比奈さんだ?そして、俺は?その時、俺はどうしたんだ?」
長門は、沈黙した。…………頼む。教えてくれ。長門……………
「……………エラー。答えられない。」
な、長門…………頼むぜ、おい……………
「…………佐々木○○と抱き合ったあなたを見て、私は膨大なエラーが発生した。
私という個体は、この感情を何と言うかはわからない。」
長門が、俺を見る。
「ただ…………………。
あなたは私が守る。今度こそ。」
……………それは、恐らく初めて見る、長門の表情だった。
「…………でも、どうやって?はっきり言うと、天蓋領域のインターフェースは、性能的に私達より上よ。」
朝倉が口を挟む。…………確かに最もだが………
「未来が付け入る機会を与えなければ、それでいい。天蓋領域が介入しては私達は敵わないが、介入しなければ、それが未来を変える機会となる。」
長門は、事も無げに言った。
「仮に、未来が既に接触していようが、私はあなたが信じる、佐々木○○を信じる。」
……………佐々木。頼むぜ。
56この名無しがすごい!:2013/01/08(火) 22:37:55.63 ID:zz6mJNwA
――――――――――――――――――

キョンが帰り、朝倉が溜め息を吐く。
「……………長門さん。あなた……………」
「………………………私は、彼を守る。それだけ。」
朝倉は説得を諦めたように下を向いた。

「キョンくんが全部知った後に、キョンくんから嫌われなければいいわね。」
「……………………」

長門は険しい顔で月を見上げた。

END
57この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 02:27:02.47 ID:2XwMImVy
気分転換。
『もしも佐々キョンが双子カップルだったら。』

よく親友の姉妹と、なんか漫画であるよな。
俺達は、それになっちまった。…………達?ああ、姉貴がいてな。双子の。で、なんかカップルになっちまったんだよ。双子同士でな。

姉貴?ああ。SOS団なる電波女子サークルにいる、もっさいのがそれだ。
俺?ああ。バイトと勉強に明け暮れる生活だが、それがどうかしたか?

「最近キョン子は忙しいみたいだね。」
「だな。あの電波サークルに熱中してるみてぇだ。女子サークルみてぇだが、何やってやがんだか。」
俺の彼女…………佐々木(姉)。ルックス抜群、頭脳明晰、運動音痴だ。
「くつくつ。まぁやることがあるのは良いことさ。こちらとしては、弟に少しでも構ってやってくれると有難いんだが。」
「やれやれ。あいつも苦労するな。」
佐々木(弟)。姉同様のルックスに、頭脳明晰。運動も得意のパーフェクト超人。こんな奴が姉貴の彼氏なんて、姉貴に騙されているとしか思えない。
「蓼食う虫も、好き好きか。」
「全く。キョン子も何を好き好んでウチの弟なんかと付き合うのか。」
「それ、お前の弟も同じ事言っていたらしいな。」
……………ん?失言だったようだ。佐々木(姉)の目にサディスティックな光が見える…………。
「弟への仕置きは後日するとしよう。」
うわあ。
佐々木(姉)は、俺を向くとニヤリと笑う。
58この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 02:43:33.78 ID:2XwMImVy
「僕もいたく機嫌を損ねたわけだが。君はどう償うのかな?」
………可愛く拗ねてるつもりか、顔がニヤケてるぞ、可愛い奴め。
「…………そうだな。お前の好きな炭焼きコーヒーと、ミルフィーユのセットでどうだ?」
「甘いもので僕を釣ろうとする、君の根性が気に入らない。」
と言い、頬を膨らませる。
「俺の根性の悪さを許せる位には、あの喫茶店のケーキはうまいはずだがな。」
人差し指で頬をつつく。
「くつくつ。」
佐々木(姉)は、俺の腕に腕を回すと、にっこり笑い…………
「キョン。時間が惜しい。行こうか。」
と、腕を引きながら歩き始めた。
「焦ってもケーキは逃げんぞ。」
「くつくつ。」

………まぁ、そこから、不思議探索とやらをしていた姉貴達と出くわし、何故か機嫌が最悪に悪かった涼宮に、全額奢らされたのは別の話だ。

END

また気分転換したい時に書きます。
59この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 12:23:40.77 ID:FUJD+zNc
うわタイミング逃した
>>56
キョン達の様子は分かっても、まだ核となる事情は不明だね
長門にも救いがあるといいな

TSものは守備範囲外なので、他の人にお任せしまふm(__)m
60この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 15:34:54.59 ID:hgJZOtCg
ID:zz6mJNwAとID:2XwMImVyは同じ人かな?
決まりって訳じゃないけどさ、三点リーダーって普通一度に二つまでしか使わないんだと思うんだけど
一度に使う数もそうだけど、使う箇所もちょっと多すぎない?
これだけあると(悪く言えば)逆に鬱陶しくないかな?

あと、タイトルは名前欄に入れたほうがwikiの編集やりやすいし、今みたいに2作品以上の長編SSが投下されてる時見分けがしやすいんだけど、どうだろう?
61この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 17:59:30.31 ID:c8YmucyG
作風というか個性に突っ込むのはどうかと
タイトルに関してはお願いします
62この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 19:15:22.48 ID:2XwMImVy
>>59
現在、下手な伏線張り中です。

TSについては、何も考えずに勢いでやった。今は反省している。といったところです。

>>60
三点リーダーについては、『間』を現していたつもりでした。
『間』の取り方について少し考えてみます。

全体のタイトルを名前欄に入れておきます。御指摘ありがとうございました。

>>61
手軽に『間』を表現出来るかと思い多用していたものですし、そこは少し考えないといけないところでした。
どうしても書けないなら、三点リーダー多用に戻しますが。

全体タイトル、名前欄に入れておきます。
63この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 19:58:06.13 ID:vKcxbohI
>>62
64『Wanderin' Destiny』:2013/01/09(水) 21:07:57.87 ID:2XwMImVy
『Made of Tears』1

長門達と別れ、俺は携帯を見た。携帯には、古泉、ハルヒ、そして佐々木から電話があっていた。
一番最初にかけたのは、勿論佐々木だ。しかし出ない。そういえば、塾の日だったな。
「やれやれ。」
次にかけたのは、ハルヒだ。
『何してたのよ、このバカキョン!』
「すまん。ちょっと用事があってな。」
暫くハルヒから説教を受け
『明日は来なさいよ!たるんでるわよ、全く!』
と言われ、電話を切られた。
次は古泉だ。
『御無事でしたか!』
こっちはこっちで、また大変だったようだな。
まぁ要約すると、朝比奈さん(大)が、わざわざ機関に俺と佐々木の件をお話し下さったそうで。古泉は、森さんに大目玉を食ったそうだ。
『まぁ、少し良いこともありましたが。んっふ。なかなかレアなものも見れましてね。』
こいつは心底アホだが、森さんを心底好きな事だけは理解した。
『本来なら、会ってお話しをしたいのですが、生憎森さんから軟禁中でして。明日に少々お話しをしますか。』
おい。聞き捨てならんぞ、その台詞。そう言おうとしたら、電話が切れた。
しかし…どうしたものかね。
朝比奈さん(大)の行動は、分かりやすい。ハルヒが望む世界の進み方をさせる事。
長門の行動は、現時点では意味不明といっていい。佐々木の望みを叶えない事。そして俺を守ること。これが、現時点では何を意味するか。不明だ。
長門は佐々木を信じる、とも言ったが、やはり現時点では何も言えない。
古泉は、恐らくハルヒの成長を願い、未来と対立する。長門と対立するしないは不明だ。
三竦みになっては、それこそ敵わない。これは朝比奈さん(小)よりは、朝比奈さん(大)に気を付けなければならないだろう。

佐々木を選んだ事に悔いはない。しかし。
ハルヒがどう考えるか。どういう行動を起こすか。そこまで考えてから行動をするべきでなかったか?という後悔は、少なからずある。
佐々木からフラれるのが、前提だったわけだからな。情けない話だが、こうなるなんて思いもしていなかった。

「キョン先輩。」

後ろから、不意に声がかけられる。色々ありすぎた一日。最大の衝撃が俺を待ち構えていた。

To Be Continued 『Made of Tears』2
65『Wanderin' Destiny』:2013/01/09(水) 21:22:59.84 ID:2XwMImVy
現在までの流れ。スレ68より。
『Virtual Insanity』
『あさきゆめみし』
『Hotel California』
『Music of the mind』
『夕日の約束』
『Days-愛情と日常-』
『BEGINNING』
『LOVE IN VAIN』
『LOVE IN VAIN』 SIDE YUKI.N
『Made of Tears』1

となっています。
66この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 21:39:57.77 ID:FUJD+zNc
支援

佐々木さん普通に塾であってくれ、無事でありますように
67この名無しがすごい!:2013/01/09(水) 23:09:41.60 ID:PqLTLc5M
          佐々木さんのキョンな日常 体育祭その5
 
 妹のとんでもない発言で俺は咳き込んで、佐々木に背中を叩いてもらい、どうにか元に戻ったのだが、そこに長門がやってきた。
 「キョン君」
 如何した、長門。
 「実行委員会にクラブ対抗リレーの最終順番表を出すけど、このままで良かったよね」
 ああ、その順番で問題ない。SOS団の方も変更は無いと古泉が言っていたからな。俺達も変えるつもりはない。
 「わかった。それじゃ出してくるね…、あれ、シャミセンが来てるの?」
 妹が連れて来たシャミセンは、長門の姿を見ると、嬉しそうに擦り寄って来て、ニャアと鳴いた。
 長門が抱きかかえて、頭を撫でてやると、シャミセンは満足げにゴロゴロと喉を鳴らした。
 「ちょっと見ない間に大きくなったね」
 夏休みの終わりがけに、長門が我が家にシャミセンを見に来て以来だ。あの後から、急に太り出した。秋に合わせたわけじゃある
まいが。
 「それじゃ、ね。シャミセン」
 長門は妹にシャミセンを渡した。
 「また、お家に見に来ていい?」
 いつでも見に来ていいぞ。もとはといえば、長門の猫だからな。
 俺がそういうと、長門は嬉しそうに笑った。

 午後の競技も順調に進み、いよいよ俺達の出番、すなわちクラブ対抗リレーの時間が近づいてきた。
 「キョン、そろそろ行こうか」
 佐々木に促され、俺と国木田、そして朝倉は集合場所へ向かった。
 リレーの順番は次の通りである。

  国木田⇒長門⇒朝倉⇒俺⇒佐々木。

 ちなみに、古泉から聞いたSOS団の順番は、以下の通りである。

 谷口⇒朝比奈さん⇒鶴屋さん⇒古泉⇒涼宮。

 SOS団の最終走者が涼宮だと聞いた時、佐々木は真っ先に自分がアンカーをやると言った。
 「面白くなりそうだよ」
 そう言って、佐々木はくっくっくと笑った。やる気満々である。
 そういう俺も、負けたくはないという気持ちになり、皆で順番を考えることになった。
  
 谷口には国木田をぶつけたのは、普段体育の授業で一緒にやっていて谷口の能力を知っているからだ。
 谷口は案外運動神経はいい方で、国木田よりも走るのは早いが、そこまで差があるわけではない。勝てなくても大負けしなけれ
ばいい。次の走者である長門も、走るのは結構得意だそうで、長門に差は縮めてもらう。
 問題は鶴屋さんと涼宮だ。
 国木田の話によれば、鶴屋さんは頭だけではなく、運動神経も抜群だそうだ。どれだけ走るのか、未知数だ。
 最初、俺は長門と朝倉の順番を逆にしていたのだが、皆で考えた結果、朝倉を鶴屋さんにぶつけることにした。朝倉も走るのは
、クラスの女子の中で相当速いからだ。
 そして、涼宮。
 入学直後、学校のクラブに全部体験入部したという、佐々木並みの能力の高さに、むだに有り余っていそうな体力。
 正直、佐々木も苦戦しそうだが、ここは佐々木を信じてラストは任せる。
 「さあ、行くぞ!」
 第一走者の国木田に襷を渡して、俺達は手を重ね気合いを入れた。
68この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 00:28:28.52 ID:igOjPmEt
sienn
69この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 00:39:37.21 ID:JIy4nBKD
>>60
三点リーダーについて調べてみた。
確かに『……』と2つつなげるのが基本みたいだね。
ただそれ以上つなげてもいいけれどもその場合は偶数にすべきともあった。

まああえて無視する手法もあるとは思うのだけどね。格式ばった正解というのはないと思うんだ。
70この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 00:48:48.37 ID:JIy4nBKD
実は以前自分が初期に投下した話のは恥ずかしながら全く考慮に入れずに
『…』で済ませてしまっていた。
あとは台詞の「」の最後の処理の仕方とか、!や?のスペースの必要性とか。

さっき驚愕を流し読みしてみたけど、長門も九曜も見た限りだと『……』や『…………』と
いう使い方だった。九曜の『――』に関しては2つ、3つ、4つというパターンがあった。

ここまで言ってなんだけど一番のキモは中身だと思うけどね。そこが大変。
71この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 01:08:36.20 ID:JIy4nBKD
いやー、他所様の僕っ娘SSを脳内変換していた時期からいい時代になったものだ。
72この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 02:59:26.53 ID:OEK3XVp1
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その6
 
 各クラブの第一走者が、スタート地点に並んだ。
 このクラブ対抗リレーに参加したクラブは16組。体育会系が14、文科系が2である。
 一応、俺達は当然だが、SOS団も文科系部になっているらしい。何をやっているかはよくわからんが、とりあえ
ず文科系にしておけという、生徒会の判断があったらしい。
 「それにしても、何よ、うちの学校の文化部は。軟弱ぞろいばかりなわけ?」
 涼宮があきれた様に言っていたが、この競技に、過去文化系のクラブは参加した事がない。俺達が初めてなのだ。
 まあ、文科系部の活躍する場は、この体育祭の後にある学園祭が中心なので、参加しないのは当然といえば、当然
であるが。文科系が参加する方が変わっているのだ。

 16組を二手に分け、8組づつ、400メートルのトラックを各ランナーは一周走る。その合計タイムが一番速いクラ
ブが優勝である。
 「なお、優勝したクラブには、特別予算を支給する」
 生徒会長が競技の始まる前に、こう宣言したものだから、俄然各クラブは色めきたった。
 「優勝はSOS団がいただくわよ!」
 涼宮はふんぞり返って古泉達に宣言していたが、あいつらが優勝しても、特別予算は降りるのだろうか?

 文芸部とSOS団は後の8組に入れられた。ちなみに前半のトップは陸上部(当然と言えば当然か)だった。
 運動部に混じり、文芸部とSOS団の襷を掛け、国木田と谷口が第一走者として並ぶ。
 「位置について」
 第一走者達がスタートの構えをとる。
 火薬の音と共に、一斉に走り出した。

 現在、谷口が5位、国木田が6位。4位から下は団子状態で、谷口と国木田の差は4メートル程だ。
 「計算通りだ」
 国木田は良く頑張っている。ゴール前で、谷口との差を少し縮めて、襷は長門に渡された。

 「それにしてもすごいね」
 佐々木が笑いながらそう言った。
 何がすごいかって?
 朝比奈さんへの、男子生徒への声援である。
 愛くるしい容貌に加え、まあ、その、ちょっと言いにくいが、いわゆる巨乳が目立つ朝比奈さんが一生懸命走る姿は
野郎共の保護欲を刺激したのであろう。すざましい大声援である。
 普段の俺だったら、その輪に加わっていたかもしれないが、今、俺が応援すべきはただ一人。
 「長門、頑張れ!!」
 大声援に負けじと、俺は声を張り上げた。

 長門の頑張りで、文芸部は一気に順位を3位に上げた。ちなみに朝比奈さんは5位のまま鶴屋さんに襷を渡した。
 朝倉の走る姿は見事だった。陸上競技をやっていたんじゃないかと思うくらい、フォームが決まっている。スピ
ードも速い。
 だが……

 鶴屋さんの能力にはある種のでたらめさがある。国木田が言っていたが、やはりこの人は規格外の存在だ。
 軽々と、という言葉がぴったり当てはまるような走りっぷりで、鶴屋さんは一気に前の走者を抜き去り、トップに
躍り出た。
 朝倉が懸命に鶴屋さんを追いかける。まだ、それほど引き離されてはいない。
 ゴール前、鶴屋さんから、古泉に襷が渡った。
 「キョン君!」
 少し遅れて、俺は襷を朝倉から受け取った。

 
73この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 04:00:25.45 ID:OEK3XVp1
  佐々木さんのキョンな日常 体育祭その7

 襷を受けて、俺は走り出す。朝倉のおかげで、古泉はまだ射程距離内である。感謝するよ、朝倉。
 古泉はなかなか冷静な走りを見せている。おそらく最後の直線距離100メートルで、スパート
をかけるつもりだろう。
 古泉との差はまだ縮まっていない。
 「キョン、頑張れ!」
 佐々木の声が聞こえる。
 あいつに古泉と並んで襷を渡す。それが最低限度の俺の役目だ。
 ラスト100メートル。
 古泉と俺は勝負に出た。

 「佐々木!」
 ただ、佐々木の名前だけを呼んで、俺は襷を渡す。
 笑顔で、俺の大好きな佐々木の笑顔で襷を受け取り、佐々木は走り出した。
 全く同じタイミングで、涼宮も古泉から襷を受け取り、勢いよく駈けだした。

 二人の走りはまるでカモシカが走る様だった。
 佐々木も涼宮も、駆け抜けるという言葉が当てはまる様な速さで、2位以下を大きく離してトラック
を走っていた。
 どちらも一歩もゆずる気配は無い。涼宮の走りは予想していたが、佐々木がこれだけ走れるのは予想
外だった。
 ラストの直線。
 俺は立ち上がり、ゴール前で声を挙げて佐々木を応援していた。
 「佐々木、頑張れ、後少しだ!」
 佐々木と涼宮が、同時に並んでゴールしようとした時、佐々木が何かにけ躓き、バランスを崩した。
 「佐々木!」
 俺は叫ぶと同時に駈けだしていた。

 「……助かったよ、キョン。ありがとう」
 俺の腕の中で、佐々木はホッとした表情でそうつぶやいた。
 佐々木が転倒したまま、ゴールする寸前、俺はなんとか佐々木の体を受け止めて支える事が出来た。
 「涼宮さんに負けたのは、少し悔しいけどね」
 結局、僅差で1位は涼宮だったが、佐々木はよく頑張ってくれた。怪我がなくて何よりだ。

 「アンタ達、いつまでイチャついているのよ!」
 1位を取ってご満悦のはずの涼宮は、何故か膨れ面をしている。良く分からん奴だ。
 「涼宮、お前の走る姿、すごくかっこよかったぞ」
 一瞬、虚をつかれたような表情になり、その後、なぜか俺から顔をそらした。
 「ベ、別にアンタに褒められる為に走ったわけじゃないんだからね!」
 その様子が少しおかしくて、俺と佐々木は思わず笑ってしまった。

 結局、このクラブ対抗リレーは、優勝はなみいる体育会系を押さえて、SOS団と文芸部が1位、2位
になるという、でたらめな結果に終わった。
 このことにより、SOS団と文芸部の認知度は、一気に高まる事となった。
74この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 10:59:30.82 ID:d89w7/15
自分もSS書く時は『…』の使いどころは結構気をつけてるよ
>>60でも書いてあるけど、使いすぎると逆に読みにくくなったりするんだよね
間を表現する方法は文字や改行なんかもあるからいろんな作品読んでみるといいかもよ
7565:2013/01/10(木) 11:52:08.20 ID:/XtYDmiW
>>67
>>72-73
乙!
体育祭の華は、やっぱりリレーですね。みくるが無茶苦茶にしないか、少し心配してましたw
佐々木が負けた理由は、まさか伝説の胸の……うわなにをするやめ(ry

>>69-70
私は安易に使いすぎましたからね。もう少し考えるべき所でした。
文体よりは中身が一番、それはわかりますが、せっかくなら読みやすくしておきたいですからね。
中身に自信あるかと言われたら、ありませんが。

>>74
確かにそうですね。
シンプルに分かりやすく、自分が書きやすいように書いていたら、かえって読みにくくなった、では本末転倒ですし。
色んな作品を読みながら、少しずつ理解していきたいと思います(書き止めると、エターになりやすくなる為)。

>>66
支援感謝。
無事です。但し今のところは。展開をお楽しみに。
76この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 12:33:28.32 ID:GtHeSVD8
おつおつ
古泉は多少手を抜いてたんだろうなとか、佐々木さんの身体能力にも改変入ってそうだとかあるけど……
なぜ『いつ結婚?』に続く二の矢三の矢を撃たなかったのかを妹ちゃんに小一時間問い詰めたいww
77この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 12:40:46.29 ID:GtHeSVD8
たぶん連レス失礼、「間」の取り方の改行、複数レスに跨がるSSで最初の2〜3行空けるつもりが詰められてしまった失敗思いだした
スペースの後に改行しないといけないだよね

というこのレスの上から3行は改行だけ
どう反映されてるかな?
78『Wanderin' Destiny』:2013/01/10(木) 17:44:21.41 ID:/XtYDmiW
『Made of tears』2

「渡橋。」
渡橋泰水。SOS団に入団するはずだった女の子。ハルヒの無意識が具現化した存在だ。
「キョン先輩、お久し振りです!」
何故、こいつが?いや、この計ったようなタイミング。そう。まるで、ハルヒが既に気付いているような。俺の背筋に、冷たいものが走った。
下品だが、ケツの穴にツララをぶちこまれたような感覚。それだ。
動揺を抑えながら、いや、抑えているつもりなのだろうか。俺は渡橋を見た。渡橋は、俺を小首を傾げながら見る。
「キョン先輩、大丈夫ですかぁ?顔色が良くないですよ?」
ハルヒの無意識の具現化した存在。という事は。洞察力もハルヒ並だという事だ。
最悪の事態。そう考えたが、事態はより悪い方向に進んでいる。そう認識せざるを得なかった。

携帯電話から、着信音が響く。

この着信音は、佐々木だ。
何だろう。この気まずさ。出ないのも不信に思われるだろうし、俺は電話を取る。
「もしもし。」
『キョン!無事だったんだね?』
電話口から、佐々木の本当に安堵した、という声が響く。
「ああ。すまんな。」
渡橋から離れてはいるが、いつ渡橋が不信に思うかは分からない。そして渡橋に知られるわけにはいかない。
『キョン。僕は……』
この時、俺は佐々木の言葉を聞き逃していた。渡橋に意識が行っていたからなのだが。
『誰かいるのかい?』
佐々木も鋭い奴だ。違和感を感じたのか、すぐに俺が意識を別に向けていると気付いたらしい。
「ああ。渡橋がいる。」
『渡橋、というと、涼宮さんの関連の子か。』
電話口の佐々木の声が、不機嫌なものになる。
『キョン。僕は君の彼女だよな?』
「ああ。」
昔から大好きだった、俺の自慢の彼女だ。
『頼む。後生だから、不安にさせないでくれ。さっきも言ったように僕は怖い。怖くて仕方ないんだ。』
「大丈夫だ。」
長門ですらお前を信頼しているんだ。俺はお前を信じているんだぜ、佐々木。
佐々木は暫く無言だったが、やがて決意したように口を開く。
『キョン。ひとつ頼みがあるんだが。』
「何だ?」
そこからの佐々木の言葉は、まさに仰天であった。俺がそういう事を言えるキャラクターじゃない、とお前が一番知っているだろう!

『僕の事を、好きだと言って。』
79『Wanderin' Destiny』:2013/01/10(木) 17:47:07.51 ID:/XtYDmiW
「出来るか!」
公衆の面前での羞恥プレイなんてお断りだ!
佐々木は、少しの間を置くと
『なら、いい。すまない。』
そう言い、電話を切った。……な、何だってんだ、畜生。
「キョン先輩、誰とお話ししてたんですか?」
「ああ。佐々木だ。」
隠してもバレる。ならば、隠さない。寧ろ後ろ暗い事なんて何もないんだ。
「佐々木さん?電話の様子から、てっきり涼宮先輩かと思ってました。」
渡橋は、ニコニコと笑う。……ダメだ。確実に疑念を持たれている。
今頃、世界が書き換えられているのではないか、という疑念すら浮かぶ。
逆転の一手を考えるが、何も浮かばない。
「ね、キョン先輩。私じゃ力になれませんか?」
渡橋の言葉に、俺は渡橋を向いた。

この時、俺は何もわかっていなかったんだ。佐々木の不安も、ハルヒが渡橋を再び作り出した理由も。

「ああ。俺は、佐々木と付き合っているからな。」
最早、手はない。そう考えた事が、間違いだった。

渡橋は、驚いた顔をしている。
「涼宮先輩、びっくりしますよ。」
「……………言うなよ。」

後で考えれば。俺はこうする前に頼るべきだったんだ。朝比奈さんを。長門を。古泉を。SOS団の仲間を。そして。何より信じるべきだったんだ。

ハルヒを。SOS団の皆を。

『どんな形であろうが、ハルヒの側にいる。』
そう言った、自分と。

『あんたは、あたしの前から居なくなったりしないよね。』
そう聞いた、ハルヒの思いも。

俺は、信じるべきだったんだ…………。

To Be Continued 『Made of Tears』3
80この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 18:33:26.87 ID:GtHeSVD8
言い知れぬ不安と共に支援
神か悪魔かはたして
81この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 20:17:13.03 ID:JIy4nBKD
まあ、またヤスミが現れたら正気ではいられなくなっても仕方ないだろうね。

同じく異常事態になったら現れる朝倉相手には軽口叩けるくらい図太くなってはいたけど、
裏にある背景の違いかな。
82この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 20:26:26.18 ID:igOjPmEt
>>79
83この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 22:51:20.70 ID:/XtYDmiW
シリアスは書いていて疲れるから、気分転換に誰かが言っていた、エンドレスエイトのもしも話書いてみた。

『もしも、エンドレスエイトの時に、佐々木とキョンが会っていたら。』

「耳許で、アイラブユーと囁くんです。」

こんなバカみたいな話で、それを真に受けた俺も十分にバカなんだがな。
俺は、どうかしちまっていたらしい。

「遂に、おかしくなったのかい?親友。」
「全くだ。」

帰り道にばったり会った、中学時代の同級生、そして親友の佐々木。抱き締めて耳許で囁いてみたのだが……前文の有り様だ。
佐々木は、俺の腕から離れると、少し赤い頬で俺を向いた。
「僕からの返事は、今は、保留だ。」
悪戯めかした告白のつもりだったんだがな。
佐々木は赤い頬をしながら言った。
「僕は、生憎と夏休みは忙しい。その言葉を証明してもらいたいんだが、時間がない以上、どうしようもない。
差し当たっては……9月1日。放課後にデートに誘って貰えるかな?返事はそこでしよう。」
勿論だ。楽しみにしとけ。「くつくつ。楽しみにしているよ。」
佐々木は嬉しそうに微笑むと、去っていった。ああ。二学期が楽しみになってきたぜ。

その頃、長門はマンションの一室で目を見開いた。
「彼が、詳細不明の雌と接触を確認。私という個体の存在にかけてもループを断行する。」

8月31日。また、ループが始まる…………。

END
84この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 23:25:17.12 ID:GtHeSVD8
ひどいよながもん(´;ω;`)
85この名無しがすごい!:2013/01/10(木) 23:29:22.88 ID:FH0JqlXK
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その8
 
 「なんだって俺達がそんなことをしなきゃならないんです?」
 クラブ対抗リレーの後、俺達文芸部とSOS団は、体育祭実行委員会に呼ばれ出向いたのであるが、何故かそこ
に生徒会長と、書記の――長門と朝倉の先輩で、喜緑さんという――姿があった。
 「なに、簡単な事だ。君たちはクラブ対抗リレーで見事に1位、2位を取った。その輝かしいクラブに、生徒
代表ということで、我々と前の方で踊ってもらいたい、ということなのだよ」
 ・・・・・・理屈にもなっていない。

 体育祭の最終プログラムは、全校生徒による創作ダンスである。
 これが中々しゃれていて、音楽は軽音学部が作詞作曲して、ダンスの振り付けは創作ダンス部が振り付けを
考案するという、生徒主体の創作活動を刺激する目的にもなっているのだ。
 しかも、軽音楽部が生演奏で奏でる歌に合わせ踊るという、かなり面白い試みなのだ。
 だが、まさかこんな話が持ち込まれるとは、全く想定していなかった。

 結局、俺達はその話を承諾した。
 涼宮と佐々木が乗り気だったこと、喜緑さんが長門と朝倉の先輩に当たるということで、断るわけにもいかな
くなったからだ。
 「全校生徒の前で踊るのかよ」
 「まあ、全員踊っているからね。生徒たちよりも、保護者や家族たちに見られると考えたほうがいいね」
 親も妹もまだ帰ってない。佐々木と俺の姿が母親のデジカメの餌食になるのは必定である。
 「君との写真なら、僕は何枚取られても構わないのだけど」

 体育祭最後のプログラム、創作ダンス。
 文芸部、SOS団、そして生徒会長と喜緑さんがステ-ジにあがる。
 ステ-ジには軽音楽部の部員たちがチューニングを行っている。
 コンピュータ研究部、略してコンピ研が彼女たち(言い忘れていたが、軽音楽部は女子生徒ばかりである)の
音楽をデジタル変換して、携帯やスマホ、デジタル音楽プレーヤ-に配信してくれていて、全校生徒はそれで練習
いるのだが、生演奏はまた違っているだろう。うまくいくことを祈る。
 うん?そういえば、創作ダンス部はどこにいったんだ?あいつらこそがステ-ジの立つべきじゃないのか?
 「ああ、彼らは怖気づいてね。全校生徒の前で踊るのは、今回は勘弁してくれとの申し出があった」
 意味ないじゃね-か!

 ダンスは二曲。一曲目は軽快さを感じさせるような、ダンスミュージックだ。
 ヘタレの創作ダンス部が考えた振り付けは、簡素だが曲に合わせて踊りやすいようにできている。
 二人一組で踊り、曲が進むに連れ、パートナーは次々と入れ替わる。
 俺も涼宮や長門、朝倉や朝比奈さんたちと踊り、そして佐々木と踊った。
 谷口は朝比奈さんと踊れて、顔がにやけっぱなしだった。夏休みに彼女だと自慢していた九曜に写メ-ルで送り
つけてやってもいいが。
 国木田は鶴屋さんと、古泉は涼宮と踊れて実に嬉しそうな表情をしていた。

 ノリがよく、おおいに盛り上がった一曲目とガラリと変わり、次の、そして体育祭の最後を飾るのは、軽音楽部
の部員たちが一番気に入っているというバラードだった。
 「なかなかいい曲だよ。音もいいが、詞も気に入った。僕はあまり詞を気にかけないことのほうが多いのだけどね」
 日頃洋楽を中心に聞いている佐々木が、褒めていたが、俺もいい曲だと思った。
 俺は佐々木と手を繋ぐ。プログラム最後の始まりだ。

 ”きっかけはありふれたもの 何気ない日々の中で 僕は君と出会った さりげなく言葉を交わした ”
 ”それが全ての始まり 君と僕との物語 君といるありふれた でも宝物のような日々 小さな宝石 ” 
 ”夜空に煌く星から見れば 僕達の時間は一瞬の閃光 だけど僕らの思いはすべてを照らす     ”
 ”君と手を繋ごう ふたりのこの手で未来を紡ごう 時空の翼で僕等は飛び立つ 時の彼方へ・・・・・・ ”
 
 
 軽音楽部の渾身の演奏が終わり、気がつくといつの間にか俺と佐々木はステ-ジの中央にいた。
 一曲目と同様、パートナーは次々と入れ替わったが、曲の最後で俺は佐々木と手をつないでいた。

 全校生徒から、割れんばかりの拍手と歓声が上がった。
 その喧騒の中で、俺と佐々木は、お互いの手を握りしめていた。
86 忍法帖【Lv=37,xxxPT】(1+0:8) :2013/01/10(木) 23:52:50.44 ID:ptxC+Umf
佐々木かわいいよ佐々木
87この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 05:22:14.64 ID:vbdaWMuL
痴女度数1割増の佐々木さんって感じだった。
ttp://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51740876.html
88この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 08:44:48.87 ID:F9/Q6F+s
現在、『起承転結』の承。

『Made of tears』3

「キョン………」
私は、電話を切ってから暫く空を見上げた。
昨日と同じ、蒼紫の空。それなのに、何故こんなに物悲しく映るんだろう。
胸をかきむしりたい衝動に駆られる。
問題は今だけでは済まない。そうわかっていたはず。
藤原くんに九曜さんが居なくなった時に、そこを理解していたはずではないか?理解していて、なお自分の想いに嘘がつけず、キョンの想いに応えたのではないか?
「(怖いよ。キョン。)」
自分の我が儘で、消え去る未来。可能性。
涼宮さんを選ばない未来という事は、彼の過ごすはずの未来にパラドックスを生む事になる。
つまりは、朝比奈みくるさんの消滅。それを意味する事になる。
彼女を『犠牲』にした、自分達の未来………。それは、あまりに重い事実だ。

怖い。たまらなく怖い。自分が人一人の未来を握る事実が。

自分の怖さをキョンにぶつけ、安心を得ようとしたさっき。渡橋さんがいなかったら、多分泣いていたはずだ。
そして。朝比奈みくるさんの言葉がずっと頭を駆け巡る。
『キョンくんが選んでいたら、皆、多分想いを受け入れているわ。』
『あなたの我が儘が、ひとつの未来を消し去る可能性があります。………そこを忘れないで。』
自分で選んだ未来。そのはず。なのに、何故こんなに怖い?
朝比奈みくるさんには悪いが、彼女の望む未来にする理由はない。それが私の答えだったはず。
しかし。彼女は明確に『消える』事を口にした。それは、私の心を抉るに十分だった。

私の心は、昨日一日で見る影なく弱くなってしまったようだ。
キョンの温もりを感じ、温もりは、燻り続けた火種に到着し、火種は燃え盛り、凍えていた心を溶かした。
被れないペルソナ。
キョンの側にいたい。もっと触れ合いたい。そう願えば願うだけ、自分のペルソナが剥がれ落ちる。
「(こんな弱い自分じゃ……キョンに嫌われる……)」

後で考えれば、私は肩肘を張りすぎていた。キョンは、私のペルソナの裏を見てくれていたのに。
私は、私が思うような人間でない。私がそう理解した時、事態は取り返しがつかなくなりかけていた。
89この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 08:48:29.12 ID:F9/Q6F+s
「俺は、佐々木が好きだ。」
俺は、渡橋にハッキリと伝えた。後ろ暗い事じゃないんだ。
黙っている事自体が、ハルヒに対する裏切りだと思ったが、そこに至るまでのワンクッションが欲しかった。
「ひえええ〜っ!す、涼宮先輩泣いちゃいますよぉ!」
「機会があったら、言うつもりだった。俺は、ハルヒの事は確かに好きだが、それは異性としての好きじゃない、と。」
渡橋は、目を白黒させている。こいつはハルヒの無意識。という事は、渡橋を納得させれば、ハルヒは無意識で納得するという事だ。
「な、何でですかぁ?キョン先輩、涼宮先輩を大事に思っているんですよねぇ?」
大切だ。ただ、異性としての愛ではない。
「私には、分かりません。キョン先輩が、何で涼宮先輩を嫌うのか。」
「嫌ってなんかいねぇよ!」
言葉が強くなる。
「じゃあ、どうして佐々木さんを好きだって事を、涼宮先輩に隠すんですかぁ?
涼宮先輩を、信頼してないって事じゃないですかぁ!涼宮先輩は、そんなキョン先輩を見たら、泣いちゃいますよ!」
渡橋の言葉に、胸が詰まる。
「私は、涼宮先輩に協力しまぁす。今のキョン先輩、嫌いです!」
「!」
渡橋は、そう言うと、アッカンベーをしながら去っていった……。

「なんてこった……最悪じゃねぇか……」

空を仰ぐ。昨日の空は、あんなに美しく見えたのにな……。
渡橋の言う事は最もだ。
ハルヒを思うなら、ハルヒにこそ一番に伝えるべきだったんだ。ハルヒは、全く話が判らん奴じゃない。
俺と佐々木がしなければならなかった事は、ハルヒと向かい合い、ハルヒを納得させる事だった。
そうすれば、朝比奈さん(大)が何をしようが、関係なくなる。何故なら、それをハルヒが望まなくなるからだ。

「畜生……」

渡橋が、再び来た理由。それは、正直わからん。
だが、取り返しのつかねぇ事をしちまった。こうなればハルヒは納得しないだろう。悔恨に下を向く。

次の日。不機嫌なハルヒを見て、悟った。
事態は、一番悪い方向に向かっている。そして。
その原因は、俺の判断ミスだという事も。

To Be Continued 『Made of Tears』4
90この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 12:42:43.33 ID:L/Ec/PKU
どっちも乙、温度差が凄い…
これでまだ『承』ってのがまた
91『Wanderin' Destiny』:2013/01/11(金) 17:13:55.70 ID:F9/Q6F+s
『Made of Tears』4

翌日。晴れない気持ちのまま、私は学校に向かった。
「佐々木さーん!おはよーございますー!」
「おはよう、橘さん。」
あの騒動が終わっても、橘さんは私の側にいてくれている。今では、私の大切な友人……同性では初めての親友だ。
「暗いですよ?せっかくキョンさんと想いを通じ合わせたんですし、笑顔でいないと。」
「そうありたいんだけどね。」
色々考えすぎて、疲れが酷い。この件に関して、私は自分で解決しなくてはならない。
こんな弱い私を、キョンに見せたくはない。嫌われてしまう。
無理に取り繕う、自分のペルソナ。私は、自分が思うような器用な人間でないらしい。思いが深く、そして我が儘だ。
事態が動かなければいい。涼宮さんにバレずに、付き合っていけたらいい。如何に甘い考えか、良くわかっているんだけど。

「ふくくっ……久しぶりだな、佐々木。橘。」
「――――再――会――――」

放課後、もう会えないとばかり思っていた二人が訪ねて来た時。悟らざるを得なかった。

「最悪の事態だ。」

私はそう言うと……机に突っ伏した。
「僕は、未来人とは会いたくなかったよ。」
自分が能動的に動き、何れかの未来を消し去った結果。それが藤原の存在になる。
「随分な物言いだ。暫く会わないうちに、随分傲慢になったな。」
傷付いた、と大仰に手を広げる藤原くん。
「傲慢ではないさ。本心だよ。」
「……本気で傷付くから、やめてくれ。」
藤原くんが溜め息をつく。彼はキョンとは会わせられないね。
「――私――――は?」
九曜さんが小首を傾げる。
「また会えて嬉しいよ、九曜さん。」
「――。」
気のせいか、九曜さんは微笑んで見えた。
「佐々木団の集合ですね!やっぱり初夢は叶うものなのです!」
橘さんは、無邪気に胸を張る。いや、事態は深刻なんだよ。浮かれている場合じゃない。
ここに集合した、佐々木団。つまりは……最悪、あの騒動の焼き直しになる。
藤原くんが、未来を変えようとし、九曜さんが、長門さんとキョンを殺害しようとする。
「(最悪だ。)」
今日何度目かともつかないため息。
こんな辛い思いをする位なら、いっそ……
そこまで考えて、私は首を振った。
92『Wanderin' Destiny』:2013/01/11(金) 17:18:00.03 ID:F9/Q6F+s
「よう。」
「…………はよ。」
ハルヒは、一応、挨拶はしてくれるようだ。ダウナーな不機嫌オーラは、相変わらずだがな。
「あんたさ、佐々木さんと付き合ってんだ?」
……い、いきなり確信かよ!まぁ、渡橋がいたんだ。ハルヒが全てを知っていても可笑しくはないか。
「ああ。まぁな。」
ハルヒは、目を少し上げ……
「団員同士の恋愛は確かに禁じたけど、団員外は盲点だったわ。良かったじゃない。あんたに勿体ない位の、可愛い彼女が出来て。」
と言うと、机に突っ伏した。こ、これは、認めてくれるのか?
「あんたの選択肢は二つ。今すぐ私の前から消えるか、SOS団から出ていって。」
「前者は却下だな。勝手に席を移ると、岡部がうるさい。
後者も却下だ。俺は団員その一。その他の団員と同じく、団長に鋼の忠誠を誓っているものでな。」
俺の大真面目な答えに、ハルヒは薄く睨み付けてきた。
「うっさい。黙れ。話しかけんな。」
その声に、嬉しそうな響きがあった事に、俺は少し救われた。
「やれやれ。」
程なく授業が始まり、昼休み。俺は古泉と落ち合い、今後と、奴が語りたいであろう森さんとの自慢話を聞くべく、文芸部室へ向かった。
焦っても、どうせハルヒは想像を越えて来る。そう理解したくなくても、理解しちまっている。悲しいかなそれが現実だ。変に動き回り、うかつにハルヒを刺激するほうが、よっぽど怖い。
佐々木なら、大丈夫だ。これまでがそうであったように、あいつは俺なんかより遥かに理知的だ。
俺は、俺のやる事をやればいい。佐々木を信じる。それが俺の佐々木に対する……気恥ずかしいが、愛だ。

「前日、森さんが僕のために泣いてくれましてね。」
弁当をつつきながら、古泉は嬉しそうに話す。
「何故、自分に教えてくれなかったのか。私はそんなに信用ならないのか……まぁ、そんなものでしたが、僕は嬉しかったんですよ。」
「こさじ一杯の幸せか。」
俺の皮肉に、古泉は満面の笑みを浮かべる。
「ええ。多くは望みませんよ。僕は幸せの分量は割と少なくて良いみたいですから。
今は、上司と部下。それでいいんです。」
「欲のない事だ。」
「ふふ。僕は幸せだから、いいんですよ。」

放課後。ハルヒの機嫌は朝ほど悪くなかった。まぁ……嵐の前の静けさだったわけだが。

佐々木と会う為に待ち合わせた、駅前。そこに現れた顔ぶれを見て。やはり嵐は確実に来る。そう実感せざるを得なかった。

END
93この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 19:19:10.62 ID:L/Ec/PKU
濃霧の中を手探りで歩いてて、大声でなら辛うじてお互いの声が届く感じ
次回あたり事態が動きそうだね支援
94『Wanderin' Destiny』:2013/01/11(金) 22:07:29.02 ID:F9/Q6F+s
『浸食』

「すまない、キョン。どうしても着いてきたいと聞かなくてね……」
佐々木に、しっかりとしがみついた周防。そ、そうしているとまるで母親だな。
「処女受胎かい?僕はマリアさまじゃないよ。」
「ほう。」
俺の頷きに、顔を赤く染めた佐々木の蹴りが入る。
「こんな時に、リビドーを出してどうする?全く余裕だな、君は!」
す、すまん。やはりどんな状況でも、余裕を持たんと具合が悪い。コチコチに凝り固まっていたら、やはり疲れるからな。
「…………むう。確かに納得はいくが…………。だが、こんな状況なんだ。緊迫感はあって然るべきだろう。」
尤もだ。俺はハルヒの超常現象に慣れすぎているんだろうな。実際にこうなると、なるようにしかならん。……そこが、間違いなのかも知れんが。
「――綺麗――な――瞳――――」
周防が俺に手を伸ばす。何をするつもりだろう。
「――ちょうだ――――い」
俺が慌てて手を払った事は、言うまでもないな?やはり緊迫感は必要だ!

――――――――――――――――――
「でも、キョンが佐々木さんと、ねぇ。」
帰り道。私はみくるちゃんと帰っていた。
「意外、ですよね。私は、キョンくんは涼宮さんが好きだとばかり……」
みくるちゃんは、下を見る。大丈夫よ、みくるちゃん。私は気にしてないから。

キョンは、約束を破らない。誰と結ばれていようが、キョンは私と『どんな形でも』一生付き合うだろう。夕日に約束をした、あの日。キョンは、私に、『私の前からいなくならない』と約束をした。
それは、例え私とキョンが結ばれなくても、変わる事はない。
孤独の辛さ。私は、キョンと出会う前にとことんまで味わっている。だから。キョンがどんな形でも、私の前からいなくならないなら。私はそれでいい。
そう考えていたし、今も変わらない。

ただ、佐々木さんが、キョンを要らないというなら、話は別。私は容赦せずに頂く。
振り向かないなら、力づくで振り向かせ、私のものになるまで愛を囁いてやる。
95『Wanderin' Destiny』:2013/01/11(金) 22:11:16.75 ID:F9/Q6F+s
だって、要らないんなら、あたしがもらっても構わない、って事でしょ?ねぇ?

佐々木さんは、自分を灰被りと言っていた。
なら、私はSleeping Beauty。
王子様は、ガラスの靴を持っているけど、ガラスの靴が毒林檎に化けたところで、何もおかしくはない。
佐々木さんが、自分は灰被りだと伝言してきた時、有希が言っていた。

『灰被りは躍り疲れて、ガラスの靴を砕く。』

あたしは…ただ……

幸せになりたくて。

それだけなのに。

みくるちゃんと別れて、大通りに出て、駅前に出る。
そこにいたのは……佐々木さんと、キョンと、周防さん。

足が前に出ない。代わりにどす黒い感情が噴き出す。

キョン。こっちを見なさい。命令よ。

こっちを見て。聞かないと酷いわよ。

こっちを見て。お願いだから。

私を見て!

――――――――――――――――
「で、だ。俺としては、やはりハルヒと向かい合うのがベストだと思う。」
「いきなり本丸に入るのかい?それよりは、やはり外堀から埋めなくては、涼宮さんも納得しないのではないか?」
――――――――――――――――

当たり前だけど、キョンは私を見ない。
泣き出しそうになり、走り出そうとした時……

「涼宮先輩!」

私は、誰かに呼び止められた。
その声に、三人が振り返る。

「渡橋……」

キョンの声が、やけに遠く響いた。

To Be Continued 『浸食』2
96この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 22:25:45.24 ID:L/Ec/PKU
ハルヒの台詞が((;゚Д゚))怖い…
97この名無しがすごい!:2013/01/11(金) 23:16:56.73 ID:jPjmuovE
ハルピンとヤスミョンの自作自演ホラー開幕
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
98この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 02:26:05.14 ID:toIa63qi
>>97
このスレでそういう呼び方やめなよ
見ていて(二重の意味で)気分のいいもんじゃないよ

やっぱり二つの長編が同時に展開されると状況整理が大変だ
が、たまにはそれもいい
99目線:2013/01/12(土) 03:03:27.83 ID:+WMHfGLK
「ムカつくな」

いく場かの会話の途切れに隣に歩く親友と呼んでいた女性が立ち止まり睨め上げる様に見つめてくる。
その顔は拗ねているのかルージュの塗られた艶やかな唇が尖るっている。
俺がつい笑ってしまった。
大学に入学して2年なり成人式を迎えると言うのに中学を彷彿する幼い表情だったからさ。

「その余裕を含んだ笑顔にも腹が立つ、僕が何に怒ってるかわかるかい?」

いいやさっぱりだ。俺が知るのは一人称を『私』に改め、余裕を無くすと『僕』になるくらいだな。
まだその中二病の設定が治らないんだな。俺はまた笑みを浮かべただろう。

「それ言わないで、黒歴史なんだから!。それに論点をずらした、私の話聞いてる?」

ああ、聞いてるよ。お前の話を聞き逃す分けないだろ
俺の可愛い元親友の現彼女の言葉だからだ。
サークルの飲み会で口説きのくる輩が多くて目を離せないし防御する俺の身にもなってくれ。

「それは大いに痛み入る。アルコールで気が大らかになって失敗するのも反省している。それとこれは違うの」

正面に立った佐々木は俺を見るというより視界のまま真っ直ぐ見据えていた。

「中学の時の身長はあなたの唇が見えていたわ。今じゃ胸しか見えない。温かくて広い大好きな胸だけ」

そっと俺の胸に手を添える。少し寂しげに俯く。

「背が高くなって遠くを見渡せるあなたにムカつく。大人に成って置いて行いかれる気がして私は寂しい。
 こんなネガティブ思考の私より相応しい人がいるに違いないと思うと悲しい」

悲しげに震える佐々木。

とても……

とても愛おしい。


それは俺だって同じだから。
頭が良くて綺麗で、分け隔てなく接する恋人は人気が有って隙あらば狙ってくる男共の多い事か。
必死になって追いつこうとして心の負担になってなんて知らなかった。
見下ろした佐々木の頭を撫でる。

お前がそんなふうに感じてるなんて知らなかった。俺はただ横に並べる様に頑張ってるだけなんだけどな。
今もまだ追いつけて無いって思ってんだけど。

顔を上げた佐々木はさも以外といった表情で見つめてくる。
そんな顔すんなよ、俺だってガキのままさ。
大好きだ。愛してるよ。

そう言って抱きしめてやると俺にしがみ付いて胸に顔を埋めてきた。

おわり
100目線(キャンパスの外野):2013/01/12(土) 03:05:07.58 ID:+WMHfGLK
リア充タヒね!!!!





理屈っぽくアダルト関係をプラトニックにwww
新成人おめでたう
101この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 06:08:13.59 ID:R9rtaPSk
>>96
この『浸食』が一番怖い話になります。
果たして誰が『浸食』されていますかね。

>>97
うん、それ無理♪
モダンホラーとしては秀逸になるでしょうが、やっちゃうと、佐々キョンにならずにバッドエンド確定ですし。

>>98
なるだけ完結を急ぎます。

>>99-100
乙!
佐々木とキョンですし…
藤原(外野)「非リアは!女のエゴ全部を飲み込めやしないッ!」
古泉(外野)「人間の知恵はそんなもんだって、乗り越えられます!」
藤原(外野)「ならば、今すぐ非リア共すべてに彼女を授けてみせろぉ!」.
佐々木、キョン「(仲いいなぁ……。リア充って、あんな人達かな?)」
と、自分達が恵まれていると知らずに、そう言っていそうな予感もw
102『Wanderin' Destiny』:2013/01/12(土) 06:12:10.38 ID:R9rtaPSk
『浸食』2

「(ハルヒ。)」
いつからいたのだろう。泣き出す寸前の悲しそうな顔。渡橋は、ハルヒに駆け寄ると、ハルヒの手を引いて去って行こうとする。
ハルヒは、こっちを見ていた。その目は、表情は悲痛なものだった。

――――――――――――――
涼宮さんの表情を見て、私は悟らざるを得なかった。彼女は、間違いなくキョンが好きで、私達の事を歓迎していない、と。
しかし。私は。
「さ、佐々木?」
キョンの腕をぎゅう、と抱く。絶対に離さない。やっと手に入れた、私の『王子様』なの。
醜い。そう我ながら思う。
涼宮さんの表情が、悲痛なものになればなるだけ、心が凍みいるように痛む。

――――――――――――――
キョンを、取らないで……

ねぇ。お願いだから。

「――情報――収縮――」

お願いだから。

「涼宮先輩、早く行きましょうよ!」

お願いだから。

「……いかん!佐々木、少し離せ!」

お願いだから。

「閉鎖空間……!この規模は、不味いですよ……!」

お願いだから。

「じ、時空震……?!」

お願いだから。

「涼宮ハルヒ……」

キョンを、私から取り上げないで!
103『Wanderin' Destiny』:2013/01/12(土) 06:17:22.80 ID:R9rtaPSk
――――――――――――――
ハルヒの元に駆け寄ったのは、SOS団の皆だった。

「落ち着け!」
「涼宮さん!大丈夫ですか!」
「ふええ〜っ!すっ、涼宮さぁ〜ん!」
「…………」

ハルヒは、下を向くと……
「帰る。」
と言い、去って行こうとした。
こんな状況で、放っておいたら……佐々木を消されかねない。物理的にも、世界からも。
「佐々木。後で連絡する。」
俺は佐々木にそう告げ、SOS団の皆と共に行動した。

――――――――――――――
「――閉鎖――空間――消失――戦闘準備――――解除」
九曜さんは、ゆっくりこっちを向いた。
「――――あなた――消滅――危険――」
九曜さんが、何の冗談も言っていない事はよくわかっている。
「佐々木!無事か!」
「佐々木さん!」
私は、その場にへたりこんだ。そして、涼宮さんの想いと、その危険性をよく理解した。いや、させられた。
彼女は、恐らく。自我としては子どもに近い。純粋無垢。だからこそ……

子どもが戯れに昆虫を殺すように、残酷になれる。

「(彼女は、神だと言っていたっけ。)」
ここまで来ると、グリム童話なんて可愛いものじゃない。多分。ギリシャ神話のヘラと同じ種類の女神だ。
「あはは……」
その気になれば、彼女は私を躊躇いなく消す事が出来る。逆に、キョンだって同じ危険がある。
仮に彼女が、キョンを心底疎ましいと思えば。キョンだって躊躇いなく消すだろう。

「ふざけるな。」

涙が溢れる。
怖い。堪らなく怖い。
死にたくない。いや、あんな人に消されたくない。キョンを渡したくない。渡せるはずがない。
なら、どうすればいいかなんて、明白だ。
私はあんな力なんて要らない。あんな力があったら、間違いなく頭が狂う。
彼女が、キョンを手に入れなくする方法。それは――――。

「九曜さん。お願いがあるんだけど。」

私は、迷いなくジョーカーを切る事を選んだ。
キョンが言ってたっけ……私は、涼宮さんとは違うベクトルの馬鹿だと……

To Be Continued 『浸食』3
104この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 10:14:26.73 ID:p27dFhEJ
乗り越えてほしいよ支援
いっそ二人が神的力のことを知らなけりゃ良いことなんだけどね…
キョンと佐々木さんにハルヒの力を教えたことが最大の鎖
105この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 12:09:07.08 ID:IJWz+qN8
佐々木さんもハルヒもヤンデレの気というか素質はあるからな。
ハルヒに至っては前科あり。
長門もあるんだけど、彼女の場合その要素を仲間に押し付けているとも言えなくもない?

そして話のほうはとうとうアレを求めてしまうのか、佐々木さん!?

>体育祭の話
一段落付きそうなのでコメントすると、
佐々木さんの運動神経って謎だから書く人次第なんだよね。
似たジャンルの話だと昔出ていた二人三脚のSSが好物でした。
106この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 13:14:37.23 ID:IJWz+qN8
佐々木さんの体操着姿というのもファンのイラストでしかないからな。
今投下されている話だったら北高だから青ブルマだと想像できるが…。

個人的に中学時代は黒ブルマ、高校だと短パン、おまけで光陽園だとハーフパンツだと妄想している。
107この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 14:00:10.51 ID:R9rtaPSk
体育なら、中学時代にこんなやり取りがあったと妄想w

『もしも、佐々木さんがあざとかったら。』

冬。さすがに寒くて皆はジャージの上を着ている。そこにわざわざ、半袖の馬鹿も何人かいるが。
そんな馬鹿の一人が、俺の親友だとしたら。お前らならどうするかね。
「身体を動かせば、温もると思ったんだがね。」
「アホ。」
ガタガタ震える佐々木。見ているこっちが寒いわい。俺はジャージの上を渡した。幸い下はスウェットだ。インナーも着ているし、寒くはない。
「着てろ。」
「恩に着るよ、親友。」
佐々木はジャージの上を着る。……いや、そのなんだ?ぶかぶかぶりが、なんだかいやらしい……あ、わ、忘れろ!ただの妄言だ!
「くつくつ。……君の匂いがする。」
佐々木が、ジャージの襟の匂いを嗅ぐ。その言葉に、その行為に、俺は一気に顔に血が巡った。

「返せ、コラーっ!」
「嫌だよ、寒い。」

佐々木と追いかけっこになる。結局授業の終わりまで、佐々木はジャージを着てやがった。
「ありがとう。くつくつ。持つべきは親友だね。おかげで風邪を引かずに済んだ。」
佐々木がジャージの上を返す。仄かに暖かくて、むっちゃいい匂いがするんですが!?
で、俺は着替えようとしたが……学ランがない。

「ああ、君の学ランだが、国木田がお茶を溢してしまったから、保健室のストーブで乾かしていると言っていたよ。」

……結局、その日は佐々木の匂いがするジャージに包まれて過ごした。
帰ってから、暫くマイサンと戯れたのは、お前らが男ならわかるよな?

「くつくつ。」

END

即興で勢いに任せてみた。
108この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 14:58:37.51 ID:p27dFhEJ
おつ(´ω`)おつ
良い清涼剤ですな

いや、むしろ温かくなるから生姜湯とでも言うべきかw
109この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 18:19:36.44 ID:HbkyB+JE
最近になって涼宮ハルヒシリーズ読んだんだが、rainy dayもう見るのはほぼ不可能?
110この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 18:51:31.02 ID:eMbH5/y1
普通にアマゾンのマケプレで初回版の未開封新品が送料込みで通常版の新品より安く買えるよ
111この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 20:16:10.06 ID:qkk6SZBL
驚愕読み直してるけどキョンはあんだけ王道やベタをけなしてるくせに
テメー自身は恋愛ものでメインヒロイン一択とか舐めたことやってんのが腹立つのよな
しかもそのメインヒロインは後出しで出てきてる代物という始末
当時中3のガキとはいえ、佐々木スルーとか見る目なさすぎだろうよ

あー谷川の髪の毛毟り取りたくなってきたわ
112この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 20:39:50.07 ID:CQJQ6LWB
キョン的なひねた言い回しであって心から王道やベタが嫌いなわけでもないんだろうけどね
まあ気持ちはわかるが
113この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 21:03:34.22 ID:R9rtaPSk
まぁまぁ。
とりあえず、β世界で愛してやろうぜ。不満言い出すとキリがない。

長編書いていて、展開が展開だけに鬱になっていたところだ。
先着三人。お題をくれたら、それに沿い、即興で書こう。
但し、エロはエロパロ行きになるが。
佐々キョンか、佐々木→キョンか、佐々木→←キョンかは必須。絡ませたいキャラクターがいれば、希望に沿うぜ。
114この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 22:00:38.14 ID:p27dFhEJ
どっちのカレーが美味しいか勝負だ!
判定に第三者を絡めるも良し、お互いに食べ比べするも良し
115この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 22:54:19.59 ID:IJWz+qN8
>>83
エンドレスエイトネタはそれこそ多くのifが許されるからいいよな。
改めて似たネタを探して読みあさっていたけど、良作モノが掘り出されていろいろやばい。
116この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 23:08:47.83 ID:IJWz+qN8
>>107
乙。SOSの三人はキョンのコートを借りたことあるっぽいこと思い出した。

ただ細かいこと言わせてもらうと佐々木さんが他人を呼び捨てにするのはキョンと須藤くらい。
さらに細かい人は2人称は「キミ」だというかもしれない。
117この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 23:20:24.16 ID:R9rtaPSk
>>114
把握。

『スパイス狂想曲』

さて。お前らは好きな食い物はあるよな?俺はカレーが好きだ。
流石に長門みたいに毎食は食わないが、カレーには一家言あるといっていい。
「キミのカレーは、辛過ぎる。」
今回の騒動は、この佐々木の一言から始まった。
「牛乳を入れて、甘口にして食う奴に言われたくねぇな。」
「ほぉう?」
休日。たまたま遊びに来ていた佐々木に、カレーを作ってやったんだが……
どうやらこいつは甘口がお好みらしい。
「キョン。辛味成分は、脳にあまり良くはない。キミの脳がそれ以上劣化しない為にも、僕のカレーを食べたまえ。」
「佐々木。甘いものは肥りやすい。お前の頬っぺがハムスターにならないよう、俺のカレーを食え。」
火花が飛び散る。
佐々木は、赤い顔をして立ち上がると、言った。
「宣戦布告……そう見なしていいのかな?」
勿論だ、親友……いや、強敵(とも)よ。俺も佐々木にならい、立ち上がる。

「「宜しい。ならば戦争だ!」」

期限は一週間後。会場は、俺の家。審査員は、長門。
この条件に、佐々木は頷いた。
「くつくつ。キミのその破壊された脳細胞で、精々僕のカレーを越える算段をしたまえ。」
「ふん。糖尿病予備軍め。お前の甘いカレーなど、俺のカレーの敵でない。」
お互い、そっぽを向く。

「仲良いねぇ、シャミ。」
「にゃあ。」

翌日。俺は長門に審判を頼んだ。長門は、二つ返事でOKをしてくれた。
「よし、なら、実験のカレーを誰に食べて貰うかだな。」
やはり谷口か国木田だろう。教室で二人に話すと……
「僕は、遠慮したいかなぁ。」
「あ、ああ!そうだよな、国木田!キョン!涼宮なんてどうだ?!」
お前ら、なんでそんな怯えたようにしているんだ?俺の後ろに何かあるのか?
「ハルヒ?いや、俺のカレーは、相応に辛いからなぁ。ハルヒの舌に合うとは……。」
だから、お前ら。何でそう怯えているんだ?!そう考えていると、俺は後ろに引き倒された。
「キョン。あたし、今日はカレーの気分なのよね。」
そこには……悪鬼のような表情を浮かべたハルヒがいた。仕方ない。味見に付き合って貰うか。
118この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 23:22:23.25 ID:+WMHfGLK
>>101

藤原「私、非リアは初詣のついでにお守りを販売する着物姿のおねちゃんにハァハァすると宣言した」
古泉「それは巫女ですだよー!」

>>113
初雪でキャッキャウフフッでダイターン3な佐々キョンでw
119スパイス狂想曲:2013/01/12(土) 23:53:09.98 ID:R9rtaPSk
俺の家で、ハルヒがカレーを食う。考えてみたら、奇妙なシチュエーションだな。
「色と匂いは合格ね。」
ハルヒは、カレーを口に運ぶ。

ほんのりとした甘さを感じたのは、一瞬。あと、口に残るのは煉獄の熱さだったわ……。(涼宮ハルヒさんの後日談)

「かかかかかか!」
氷を口に含むハルヒ。そんなに辛いか?俺もルーをすくって舐めてみた。
「……二日目だから、マイルドだな。」
「いや、そのりくつはおかしい。」
ハルヒが首を振る。
「こんなに辛いと、味なんて分からないわ。てか、辛いより痛い。」
「うーむ。」
難しいな。ならば、佐々木に倣い牛乳にするか?
「痛いから、口直しに……モゴモゴ……」
ヨーグルトでもいいな。とりあえず、俺のカレーは一般的でないみたいだ。
「……キス……してくれたら治るんだけど……」
佐々木の手法を真似るのは、嫌だが……せっかくなら旨いと言って貰いたいしな。よし、真似るか。
「……キョン……」
さて、鍋だ。牛乳入れて、甘めにして、ヨーグルト、と。
「よし、出来たぜ。……ハルヒ、何やってんだ?」
口唇を突きだし、目を閉じているハルヒ。変わった奴だな、全く。

「へ、閉鎖空間!な、何ですか、このカレーの匂いのする空間は!」

「美味しい!」
そうか。ハルヒの舌に叶うって事は、世間並に旨いって事だろうな。

「閉鎖空間が…消える…」

「ありがとよ、ハルヒ。これで佐々木に食わせる自信がついたぜ。」

「と、思ったらまたですか!か、カレーが!カレーが!」

それからハルヒに、一週間飯を奢らされたが、勝負の日は来た。
朝比奈さんや鶴屋さんも褒めてくれたし、自信はある。……古泉にも味見してもらいたかったが、今、あいつはカレーを見るのも嫌なのだそうだ。
「いざ、勝負だ。」
「くつくつ。」
120この名無しがすごい!:2013/01/12(土) 23:56:45.92 ID:E/u2Moqo
佐々木かわいいよ佐々木
121この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 00:06:48.92 ID:p27dFhEJ
速筆羨ましい
ニヤニヤが止まらない支援
122スパイス狂想曲:2013/01/13(日) 00:17:04.52 ID:1TRtKMNo
まずは俺。長門は気持ち恐る恐る匙を口に運ぶ。
「…………」
一口食べた後は、掻き込むように食べてしまった。な、長門!味は……
「ユニーク。」
長門は表情を変えずに言った。さいですか。
次は佐々木。長門は、匙を口に運ぶと……
「……さっきのは、佐々木○○の作ったカレーと推測される。これが貴方。」
そう言うと、赤くなった口唇を押さえた。
佐々木と顔を見合わせる。
お互いの作ったカレーを食べてみると……

「…………」
俺好みの、辛味が効いたカレーだ。佐々木は、くつくつ、と含み笑いをしている。
「くつくつ。やれやれだね、キョン。」
「全くだ。」
笑うしかねぇな。お互いの好きな味を作っていたなんざ、馬鹿らし過ぎる。

長門は立ち上がると、席を離れた。

「…………リア充、爆発しろ…………」

ん?何か言ったようだが、よく聞こえなかった。後で聞いておくか。

「くつくつ。キョン、口を開けたまえ。」
「お前もな。」

それから、佐々木とカレーを食べさせあった。やはりカレーはうまいな。

藤原「爆ぜろ、現地人め!」
谷口「非リアは非リア同士、仲良くしようぜ……」
藤原「は、離せ!僕は非リアなんかじゃ……!み、みくる姉さーんッ!」

END

もはや、おもろい夫婦ですな。
あと、私の中の藤原は、イケメン非リアですw
123この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 00:54:35.01 ID:8Kj6N5zV
>>122
乙です!

爆ぜろリア充!
124この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 00:59:39.67 ID:Oxv67El5
>>122
乙乙
即興できるのは羨ましい

因みにあたしの中のポンジーはイケメン+非リア+ロリ+ドMです
125この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 01:04:23.67 ID:1TRtKMNo
>>118
把握。

『Snow drop』

雪の空を見上げるのが好き。
深々と降り積もる雪。まるで空に吸い込まれるような気がして……。
「初雪か。寒いと思ったぜ。」
キョンの家の玄関の前。学校が違う私達は、駅まで一緒に向かう。
「佐々木。暖めておいたぜ。」
キョンは、私に缶コーヒーを渡す。じんわりとした暖かさが嬉しい。
「くつくつ。キミにしては気が利くね。」
「うるせぇ。」
ポケットに缶コーヒーを入れて、手を繋ぐ。手袋に隠れて見えない右手の薬指には、お揃いのリング。
駅に着く頃。駅前はサラリーマン逹が絶望の表情で立ち尽くしていた。
どうやら初雪は、公共交通機関に盛大なダメージを与えていたらしい。
キョンを見ると、キョンはやれやれ、と首を竦めた。
「遅刻確定か。」
「そのようだね。」
キョンは、私の横に立ったままだ。
「キョン?」
行かないの?北高なら間に合うでしょ?
「雪の日に、あの坂を登りたくねぇよ。怪我しちまう。」
さいで。甘い雰囲気は期待してないから、別にいいんだけど。
「それに、だ。お前も退屈だろうしな。話し相手は必要だろう。」
「くつくつ。」
雪の空を見上げながら、キョンと話す。

「……ねぇ、キョン。不思議だね。このまま空に吸い込まれて行きそうな気がするよ。」
「そん時は俺も連れていけ。」

小一時間位話しただろうか。電車が来る、とアナウンスがあり、サラリーマン逹が歓声を上げる。
「さて、俺も学校に行くか……」
キョンが立ち上がる前。私はキョンの前に立った。
「……佐々木?」

あなたから、私はどう見えているのかしら。願わくは、私の考えるよう空にいるよう見えて欲しい。

「これは僕からの、心ばかりのお礼だよ。」

キョンの口唇に、自分の口唇を合わせる。
126Snow drop:2013/01/13(日) 01:18:51.85 ID:1TRtKMNo
「ば、バカ!お前、人前で……」
「くつくつくつくつ。」
北高生も見ていただろうね、キョン。
何か言い募ろうとするキョンをかわし、私は駅に入る。
「キョン、また帰りに。」
「……もう好きにしてくれ。」
真っ赤になり、キョンが下を向く。……横から美しいフォームのドロップキックが。
あれは涼宮さんかな?
まぁ見せつけたんだけど。

電車に乗る頃には、すっかり温くなった缶コーヒー。私の好きな、少し甘い味。

「(初雪に、感謝かしら。)」
火照った頬に、缶コーヒーを当てて、私は一人にやけた。

END

ダイターン3は発進出来ましたかね。
今回は佐々木視点。

リクエスト、あと一つ消化しますよー。
127この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 01:32:42.11 ID:fXt+64N8
古泉は一週間延々カレーの閉鎖空間だったのかw
なんか「くつくつ」と言われると川原泉の漫画に出てくる、くつくつ虫を思い出す。
128この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 01:46:07.65 ID:8Kj6N5zV
>>126
乙!

佐々キョンで買い物デートしている2人をSOS団が尾行する
なんてお話をオネシャス!!
129この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 01:59:36.18 ID:1TRtKMNo
>>121
支援感謝!

>>123
乙感謝!
谷口「爆発しろ!」

>>124
乙感謝!
慣れですよ、即興。
ポンジーは、色々と残念なんですよねぇ……。ついつい苛めたくなるのは、何故でしょうかw

>>127
その通りw
「くっくっ」に変えたほうがいいですかね?

>>128
乙感謝!
把握。仕事中ですので、手が空いたら取り掛かります。
130この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 02:04:42.84 ID:8Kj6N5zV
>>129
ありがとうございます!

お仕事がんばってくだしあ
131この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 02:25:00.15 ID:eS5aJzSE
佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企みその1

 「それじゃ、くじを引いてもらうわ」
 爪楊枝に色をつけただけの、涼宮自作のくじを引く。最初は俺、次は佐々木、そして鶴屋さんに朝比奈さん、
最後に古泉が引く。
 「あたりは誰?」
 色付きが当たりだと涼宮は言った。爪楊枝を見てみると、当たりは・・・・・・
 「キョンとあたしね!」
 涼宮は何故か嬉しそうに言った。

 SOS団の超監督・涼宮ハルヒが撮影している映画の撮影は佳境を迎えていた。
 体育祭が終わって、最初の日曜日、俺は佐々木に付き添って、涼宮たちの撮影を見学に来ていた。
 涼宮の撮影は、見ていてかなり無茶苦茶なもののように思えるが、多分古泉が何とかするのだろう。
 涼宮の要求に、佐々木はうまく答えている。何をやらせても佐々木はそつなくこなす。
 「OK,これで佐々木さんの場面は終了よ。ご苦労さま、佐々木さん」
 「どういたしまして。なかなか面白い体験だったわ。出来上がりが楽しみね」
 「この私が撮ったんだから、面白いものになっているわよ」
 その根拠無き自信はどっから来ているんだ?

 撮影終了後、俺達は最近古泉が見つけたという喫茶店に入った。
 「コ-ヒ-だけでなく、ここは紅茶やフードメニュ―も美味しいですよ」
 古泉の言葉に嘘はなく、確かに満足いく味だった。コ-ヒ-の香りも味わいも良く、ランチメニュ-も美味しくて
量も多い。古泉はなかなかの食通のようである。
 食後のデザ-トを味わっていると、涼宮が今から不思議探索に行こう、と言い出した。
 「けっこう早く撮影が終わったから、時間もあることだし、探索をするわよ!キョンに佐々木さんも付きあいなさいよ」
 まあ、俺は時間はあるが、佐々木、お前は大丈夫か?
 「僕は構わないよ。今日は撮影以外は予定はなかったしね」
 ふむ、佐々木がいいと言うのなら、俺も付きあうとするか。

 そう言って、俺らはくじを引くことになった。
 それで冒頭の結果になったわけだが、俺と涼宮以外はまとめて行動するらしい。
 この人数なら、3対3で二組を作るのが妥当だと思ったんだが、涼宮の考えはよくわからん。

 「それじゃ一時間後に、ここの近くの公園に集合ね」
 涼宮はSOS団の団員達と佐々木にそう告げると、俺の腕を掴んで引っ張る。
 「さっさといくわよ!」
 せっかちな奴だな、コイツは。
 「キョン、じゃあ一時間後に」
 ああ。まあ、そんなに簡単に不思議なものが見つかるとも思えんがな。
 俺はため息をついて、涼宮に引っ張られながら、その場を去った。


>>122,125 速筆羨ましいです。そして面白い。続き楽しみにしています。
132この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 05:35:02.15 ID:1TRtKMNo
『プレゼント』

「悪い。待たせちまったか?」
「ああ。2分7秒程ね。まぁ誤差の範囲内だろう。」
今日は、不思議探索を休み、佐々木と買い物だ。
「さて、行こうか。」
「おう。」

「ニヤニヤして、バカじゃないの?あんのエロキョン!」
キョンが、不思議探索を休みたい、と言い出したのは、一昨日。
何の気なしにOKを出したんだけど……あの古泉くんを邪悪にしたような奴、藤原。あいつがわざわざ情報を洩らしてくれた。
「佐々木とあの男が、デートするぞ。これは規定事項だ。」
やたら必死だったし、信じてあげて様子を見に来てみたら……本当だった。
しかしまぁ。何でまたあいつはあんなに必死だったのかしら?あの様子じゃ、彼女なんて絶対出来ないだろうけど。
「……」
有希が顔を出す。何かハイライトが消えた目をして、ブツブツ言ってるけど、何を……
「エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー」
……な、何も聞いてない。私は何も聞いてない!

「さて、まずは服を見に行くか。」
「そうだね。」
しかし、佐々木もいいところあるなぁ。

「服ですね。佐々木さんのチョイスで選んでますねぇ。キョンくんが着るには大人っぽいんですけど……」
みくるちゃん、甘いわ!ああやって自分の好みに仕上げるつもりよ!あの女狐なら、有り得るわ!
「ん〜……?」
みくるちゃんは、まだ首を捻っている。

「いまいちパッとしないな。」
「そうだね。次はアクセサリーを見るかい?」
序でに俺も買い物しとくか。佐々木にお疲れ様の意味も込めてな。

「アクセサリー?彼がつけるには、ハード過ぎるチョイスなのですが……」
佐々木さんが持つのは、シルバーの大きなアクセサリー。そんなのキョンに合わないわよ!
「ん〜……」
古泉くんとみくるちゃんが、頭を捻っている。
結局、佐々木さんはシルバーアクセサリーを買った。キョンも、何かここで買ったみたい。まさか……佐々木さんにプレゼント……ってないよね?
133この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 06:01:10.42 ID:1TRtKMNo
「朝比奈さん、気付きました?」
「ええ。大体は。」
古泉くんとみくるちゃんが頷きあう。
「何?」
私は二人を見るが……
「予想通りなら、心配はいりませんよ。」
みくるちゃんが微笑む。
「寧ろ、その方のこれからが心配です。」
「エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー」
…………?

「さて、後は食事をして帰るかい?」
「お前、手持ちが寂しいだろ?奢ってやるよ。」
「助かる。ありがとう、キョン。」

いい雰囲気の二人が頷きあう。は、早くぶち壊さないと!
「キョン!」
私は慌ててキョンの前に出る。
「よう、ハルヒ。」
「涼宮さん。奇遇だね。」
二人が微笑む。……な、なんで笑えるの?
「キョン!あんた佐々木さんとデートするからって、団活休んだの?!」
二人は顔を見合わせ、大笑いした。
「くっくっ。デートなら、もっと雰囲気を出すさ。」
「デートなら、こんな色気ねぇもん買うかよ。」
……え?
古泉くんとみくるちゃんが、苦笑している。
「おかしいと思ったんですよ。服にしたって、キョンくんにしては大人っぽい感じのものでしたし……」
「アクセサリーにしても、彼の趣味でなかったですから。」
……え?
「くっくっ。藤原くんの誕生日が近いらしくてね。」
「それで、俺が世話を焼いたわけだ。」
…………え?え?
「き、今日、あんた逹がデートする、って、藤原が……」
私の言葉に、佐々木さんの目が不穏な光を帯びた。
「……ふぅん。」
佐々木さんは、古泉くんにアクセサリーを渡す。
「君逹から渡してくれるかい?茶番劇に巻き込んだお礼がしたいだろう?」
佐々木さんの言葉に、皆の目が輝く。
「……パーソナルネーム、藤原を敵性と判断……」
「んっふ。」
「涼宮さん、ちょっとお仕置きに行きましょうか?」
そうね……これは、あいつにお仕置きが必要ね!SOS団の団結にヒビを入れた罪は重いんだから!
134この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 06:34:21.75 ID:1TRtKMNo
「あ、おい!ハルヒ!これ持っていけ!」
キョンは私に何かを投げてよこした。これは……
「アクセサリー屋にあった革紐だ。皆の分あるからよ!」
「わかった!ありがとう!」

こうして、嵐のようにハルヒ逹は去っていった。
「旋風のような人逹だね。」
「全くだ。」
橘が邪魔をする可能性も考えていたんだが、まさか藤原だとは。
「……で、だ。佐々木。」
「なんだい?」
「邪魔者が居なくなったところで、デートを楽しむか。」
「そうだね。」

この後はわかるよな?
佐々木用に買っていた指輪を渡して、幸せな時間を過ごした。

藤原?
さぁ?月曜日に会ったハルヒ逹のスッキリした表情を見たら、奴に起きた事について同情はしといてやるぜ。

「なんでこうなるんだーッ!」

END

ポンジーがどうしても書きたかった。今は反省している。
135この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 09:52:40.42 ID:cIp1R/26
まずはネタ拾いの人乙!
カレーを互いの好みの味に仕上げるのは、お題に挙げた瞬間から想像してた理想の展開でしたありがとう〜

>>131
体育祭があったやつの続きでいいよね支援
佐々木さんも、くじ作成にもう少し注文してくれていいのになあ
136この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 12:26:37.10 ID:bB4qKlQz
なんというかスレ開いてスゲーとモニター前で叫んでしまったw
137この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 12:35:14.96 ID:Oxv67El5
>>131 >>134
お二方とも乙です

それにしてもどうしてポンジーは残念な方が輝いてみえるんだろ?
138この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 12:48:11.67 ID:k0Y5qsKX
>>126
「キャーササキサン、トッテモダイターン3」
「スズミヤボンバーイェー」

リク感謝です^^
139この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 15:12:39.68 ID:cIp1R/26
藤パンいじり、かつて部分的有機情報改竄の目に遭わせてしまった俺には反論する資格が無いw
奴は弄ってナンボだねぇ
140『Wanderin' Destiny』:2013/01/13(日) 18:15:49.03 ID:1TRtKMNo
『浸食』3

ハルヒを家まで送り届ける。
「……バカキョン。」
「何だ?」
ハルヒは、目に涙を溜めながら、精一杯の笑顔を見せてきた。
「佐々木さん、幸せにしないと許さないんだからね!」
その笑顔が、あまりに悲痛で、俺はハルヒに手を伸ばそうとしたが……
渡橋から手を強く弾かれた。
「勿論だ。約束する。ハルヒ。また明日。」
痛む手だが、敢えて何も言わなかった。

「どうやら、見通しは相当甘かった。そう言わざるを得ませんね。」
古泉が溜め息をつく。
「ああ。」
悔恨。深い悔恨と罪の意識。
「キョンくん、涼宮さんの事、最初から嫌いだったんですか?」
朝比奈さんが、泣きそうな顔をして俺を見る。
「嫌いなら、長門が作った世界から戻っていませんよ。大好きです。長門と朝比奈さんと……ついでに古泉と同じ位に。」
皆は、嬉しそうに笑う。
「良かった……」
朝比奈さんが、安心したように微笑む。
「んっふ。」
いつもの10倍位、エエ笑顔だな……古泉。気持ち悪い。
「訂正を求める。古泉一樹と同じ序列は、私という個体は納得いかない。」
な、長門!ほら!古泉泣いちゃうから!
「ジョーク。私という個体は、胸が暖かく感じている。」
長門。
「こればかりは、涼宮さん自身が乗り越える事ですからね。我々、SOS団皆で、団長を信じましょう。」
古泉の言葉に皆が頷く。
其々に目的があり、ハルヒに近付いた皆。今は、皆がハルヒの為に団結し、ハルヒを信じている。

なぁ、ハルヒ。皆、お前を信じているんだぜ。
俺だって信じている。お前がこんなつまんねぇ事位で、潰れちまうような奴なんかじゃねぇって。

外に目を向けてみろ。ダメならいつでも背中位貸してやる。
俺みてぇなつまらん奴で良ければ、だがな……。
141『Wanderin' Destiny』:2013/01/13(日) 18:17:44.40 ID:1TRtKMNo
「キョンの記憶を消す事は出来る?私に関する記憶を。」

こうすれば。涼宮さんが如何に足掻こうが、『キョン』を手に入れられなくなる。
キョンの姿形をした、キョンの人形。それで彼女が望む人形遊びを、存分にすればいい。
「さ、佐々木さん!それはダメですよ!」
ごめん。橘さん。
「馬鹿な事はやめろ。」
藤原くん。ごめん。
「――可能――ただ――――時間が――――かかる――」
九曜さんの声に、橘さんと藤原くんが振り返る。
「九曜さん!こんなお願い聞かないで!」
「周防!聞くな!」
二人が九曜さんにつめかかる。
「どの位かかるかしら?」
「――四日」
四日。それだけあれば充分だ。

僕は無力な存在に過ぎないけど、君をそのまま神の生け贄にはさせない。

何もしないで諦めてたまるか。

「頭を冷やせ。今の君は正常でない。」
「僕は落ち着いているよ。これ以上なく。」
神様に喧嘩を売るんだ。これ以上なく落ち着いているよ。そう。怒りで。
一周過ぎた怒りは、これ程に人を冷静にさせるのか。初めての経験だ。知りたくなかったけど。
「佐々木さん!ダメです!ぜーったいダメですよ!第一、そんな真似して何になるんですか!」
橘さんが私に詰め寄る。
「どうにもならないわ。」
何にもならないさ。でも。違和感だらけなんだ。キョンが一年間も私に連絡しなかった事についても、私からキョンに一年間も連絡しなかった事についても。
あの結末……キョンが、私の気持ちを無下にした事についても。
それが『涼宮さんの願望』だとしたら。その一言で決着がついてしまう。そんな馬鹿な話なんてあるか。

「願望は、それが強まれば強まるほど、視野は狭くなり、正確な判断や洞察が不可能になる。さっきの涼宮さんのようにね。」

そう言って私は、理解した。キョンといた中学の頃が幸福に思えていたのは、それは、自分自身の正体を知らずにいることが出来たからだ、と。

私の正体は、こんなに醜く……理性的でもなんでもない。
…………私の頬に、鋭い痛みが走る。どうやら、橘さんが私を叩いたようだ。

To Be Continued 『浸食』4
142この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 19:04:38.36 ID:cIp1R/26
きょこたん頑張れ、佐々木さん早まっちゃだめだ
143この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 20:15:00.54 ID:9gvS8o6o
>>142
144この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 23:18:31.35 ID:eS5aJzSE
佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企みその2

 体育祭のあと、街は急速に秋色の色彩をまとうようになっていた。
 俺は佐々木と出かけた時に購入した、新品の秋物を着ていた。今日は佐々木もあの時に購入した洋服を着ている。
 今、俺の横を歩いているのは佐々木でなく、くじ引きでペアを組むことになった涼宮だ。
 何が嬉しいのかしらんが、今日の涼宮はかなり機嫌が良さそうだ。そして、かなり早いペースで先に進んでいる。
 おい、涼宮。もう少しゆっくり進んだらどうだ。だいたい、お前はどこに行こうとしているんだ。
 「さっきから言っているじゃないの、不思議がありそうなところだって」
 何か夏休みの合同旅行のときも同じことを言っていたような気がするが。

 川沿いの並木道の街路樹達も、少し秋模様を纏い始めていて、公園の植物たちにもその気配が感じられる。
 ”小さい秋、見つけた”
 幼い頃効いた歌の意味が、今わかるような気がした。
 「キョン、あんたも急ぎなさいよ。時間は一時間しかないのよ。団長が集合時間に遅刻したら、団員たちに合わせる
顔がなくなるわ」
 俺は公園のベンチに腰掛けた。
 「ちょっと、キョン。何座ってんのよ!」
 いいからお前も座れよ。急ぐ必要はないと思うんだが。
 何事かブツブツ言いながらも、涼宮は俺の隣に腰掛けた。

 「この公園に何か不思議なものがあるの?」
 大ありだ。公園だけじゃない。今、俺たちが歩いてきた街中にたくさんあった。
 「どこにそんなものがあったのよ」
 俺達の前に、秋風に吹かれた木の葉が一枚落ちてきた。
 季節の移り変わり。限りなく続き、繰り返されながらも同じものではない過ぎ行く時の流れ。自然が見せる魔法の技。

 「・・・・・・あんた、結構気障なことを言うのね。それ、文芸部の感性なわけ?」
 文芸部というより、佐々木の影響かもな。あいつの言語感性は鋭いものがある。いろんなことを知っているし、表
現力も豊かだからな。
 俺は立ち上がり、自動販売機の前に行き、ジュ-スを二本買い、一本を涼宮に渡した。

 「あんたと佐々木さんて、付き合い長いわけ?」
 お前と古泉ぐらいの長さかな。そんなに長くはないのかもしれんが、今じゃ一番一緒に行動しているのは佐々木だし、
そう考えると、これも不思議なことかもしれないな。
 「ふーん。で、あんたにとって、佐々木さんは結局どんな存在なわけ?」

 涼宮の問に、俺は少し考え込む。
 あいつは俺のことを親友と言ってくれる。そう呼ばれるのは、誇らしいことだし、とても嬉しい。
 だが、俺自身はどう思っているのか。
 ”親友”
 そんな言葉だけじゃたりないほど、最近は佐々木の存在は俺の心の中で大きくなっている。
 夏休みの旅行の花火の日の夜。
 佐々木に向かって言いそびれた言葉がある。

 ”どこにも行くなよ”
 佐々木が俺の前から消えてしまいそうな、不安な気持ちに襲われることがある。
 あいつの側にいることがふさわしい人間になると願いを書いた、七夕の日。
 佐々木の存在は俺にとって・・・・・・

 「うまくは言葉にできないが、俺にとって大切なもの、大事にしたいと思う存在。そんな感じかな」

 
145この名無しがすごい!:2013/01/13(日) 23:32:04.29 ID:cIp1R/26
明日の成人の日は全国的に荒れ模様の天候になりそうですね佐々木さん
おかげで成人式の会場外で荒れるバカは少なくなるかもしれませんがw
146『Wanderin' Destiny』:2013/01/13(日) 23:45:58.62 ID:1TRtKMNo
『浸食』4

「佐々木さん……」
橘さんが、私の胸に顔を埋めて泣いている。
「それでいいのですか?!佐々木さんは、それでいいのですか?!」
いいはずがない。でもね。
「私のエゴの為に、誰かが消えるなんていうのは嫌よ。」
これは、本心。そして私のつまらない矜持。

私は選んだの。橘さん。たとえ仕組まれた事だろうと、全力で足掻くことを…。

――――――――――――――

何者かの卑劣な罠が、佐々木さんを追い込んだ。

組織の後ろ楯もなにもない今の私に、何が出来るか。でも……
大好きな佐々木さんの笑顔を曇らせた、黒幕を必ず突き止めてみせます。
突き止めて、必ず笑顔を取り戻してみせます。
私には何の力もない。お荷物かも知れないのですが。だから……

「佐々木さん……泣かないで欲しいのです……。」

――――――――――――――

僕がここにいる理由。それは、詳しくは禁則になるのだが、とある人物からの依頼だ。
『佐々木に協力しろ』
生憎とTPDDに狂いが生じ、24時間座標がずれた。
その間に、姉さんは佐々木と接触していたようだ。未来に擦れが生じ、指示を仰ごうにもノイズが入る。
依頼人のいけ好かない顔が浮かぶ。
『後はお前の裁量に任せる』
それが最後の指示。
結末は既に知っている。佐々木が現地人の記憶を消し、暴走した情報統合思念体のインターフェースが、佐々木の記憶を抹消した。
記憶を失った二人は、重なりあう事なく生きていく事になる。
現地人は、涼宮ハルヒと。佐々木は…僕の知らない誰かと。

依頼人が、望むはずのない事実だ。

「(怨むぞ、お前。帰ったら存分に殴らせろ。)」

僕は依頼人……あの気に食わない男を思い浮かべた。姉さんの恋人にして、あの……
147『Wanderin' Destiny』:2013/01/13(日) 23:49:14.25 ID:1TRtKMNo
翌日。

ハルヒも何とか落ち着きつつあった。
渡橋が、ハルヒの話し相手になり、少しずつ納得していっているようだ。
俺達は、それを見て心から安堵した。

ハルヒは、もう自分の思い通りにならない世界を変えようとはしない。

渡橋は、ハルヒの無意識だ。ハルヒは、無意識に俺の思いを理解してくれている。古泉も朝比奈さんも、ハルヒに前よりもフランクに接し、長門もまたハルヒに積極的に接した。
俺もそうだ。ハルヒと今まで通りに接し、ハルヒも今まで通りに返す。
「土曜日、不思議探索はどうする?」
「そうねぇ。佐々木さんには悪いけど、あんた強制参加よ?」
団室に笑いが木霊す。
閉鎖空間も出現していない。本当に良い傾向だ。

ただ。俺は理解していなかったと言っていい。

ハルヒは『佐々木がいるから』納得していただけに過ぎなかった。
仮に佐々木が居なければ。全ては元の木阿弥となり、ハルヒは再び力を行使する。その理解だ。

「全ては規定事項よ、キョンくん……
佐々木さんが、あなたの記憶を奪った時点で、あなたは涼宮さんのものになる。」

朝比奈さん(大)が、そう呟いていた事。それは理解しようがない事だったが。

それよりもこいつが俺に接触してきたのは、まさに予想外だったとしか言えない。

「や、やっと会えたのです……」

橘京子。
あの組織とやらの一員だ。

「どんだけ情報にディストーション(歪み)を重ねてるんですか!諦めて帰ろうと思ったですよ!」
ディストーション?
「歪みですよ!情報統合思念体のせいでしょうけど!」
「知るか!」
とはいえ……最近、朝比奈さん(大)が接触してこないのは、長門のおかげか?
「悪いんですが、接触させてもらうですよ!じゃないと情報がジャミングされて、私にはあなたの姿が見えなくなるのです!」
橘は、俺の袖を掴む。こ、こいつは何の罰ゲームだ!
しかし、こいつが来たとなると、佐々木に芳しくない事が起きるか、俺に芳しくない事が起きるかの二つだろう。

「わかった、わかった。喫茶店にでも行くぞ。」
「分かりました。」

結論から言おう。やはりこいつは馬鹿だ。
しかし。こいつみたいな馬鹿が佐々木の近くにいるのは、実に心強い。

後に長門から聞いた、最悪のシーケンスパターン。
そこにこの馬鹿は不在だった。長門は敢えて語らなかったのかも知れないが。
後に考えると、この時から運命は動き始めたのだ。

END
148この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 00:02:04.13 ID:GPZrBzQh
展開的にキッツイので、週末恒例(?)ネタ拾いの即興SS。

先着一名様。
シチュエーション+佐々キョン、佐々木→キョン、佐々木→←キョン、佐々木←キョンを明記のうえオナシャス!
149この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 00:41:58.45 ID:vxfFU2rV
>>148
せっかくだから成人式ネタはどうでしょう?
佐々木→←キョンから佐々キョンになるきっかけみたいな話で
150この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 02:34:36.24 ID:GPZrBzQh
>>149
把握

『A love eternal』

成人式。周りは着物やスーツの人間でごった返す。着物姿の佐々木も、辟易しているようだ。
「形式とは必要だけど、馬鹿馬鹿しいものでもあるね。」
「全くだ。」
辟易する。こんな式典を考えた馬鹿は、どこのどいつだ。
「キョーン!同窓会、18時からだって!北高が20時ー!」
「ああ。ありがとう、国木田。」
とりあえずは、このスーツを脱ぎたい。ムズムズする。
「同感だよ。……朝から見合い写真は撮らされるは、今日は最悪だ。」
「見合い?」
俺の言葉に、佐々木は顔をしかめた。
「成人式に何故着物を着るか、って話さ。家によっては親が見合い写真も平行して撮らせるんだよ。」
僕の家は悲しい哉、写真を撮らせる派でね。
佐々木はそう言うと寂しそうに笑った。
「今すぐどうこうはないだろうが、将来的には考えないといけない話だ。親としては準備をしているだけなのだろうが。」
「結婚、か。確かに何人かは子どももいるしな。」
既婚は、SOS団だと古泉か。森さんと籍を入れていたな。学生結婚。気の早い事だ。
「……佐々木。」
「なんだい?」
「少し風に当たろうぜ。いい加減気分が悪くなっちまった。」

公民館から出て、近くの中学校に入る。
「開放されているとは、気が利いているな。」
中学校は、開放されていた。卒業生へのサービスなのだろう。どうやら一番乗りらしい。
「ああ。……懐かしいね。」
佐々木は目を細める。
「せっかくだし、教室を覗くか。」
俺の提案に、佐々木は首を縦に振った。

教室は、何も変わっていない。……ここには、いつもあの頃の俺達がいる。
「キョン。」
「……何だ?」
暫く教室を眺める俺達だったが、佐々木は唐突に口を開いた。
「さっきの写真の件だが、あれは本当にお見合いに使われる写真なんだ。」
「……そうか。」
「二年か、三年後。僕は、僕の親に従い、お見合いするかも知れない。その時は……」
俺は、佐々木を向き、言った。
「くそったれと伝えろ。今の俺はただの学生で、何の力もない。だが。お前を好きな気持ちは、誰にも負けん。」
佐々木の目が揺れる。ん?お、俺は何を……?あ、あれ?いや、待て、俺。何を気持ちをぶっちゃけているんだ?
わかる奴はここに来い。そして俺にわかるように説明しろ!いや、して下さい!
151この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 03:04:58.99 ID:GPZrBzQh
「……唐突だね。」
「…………堪忍してくれ。」
一生言うつもりはなかったんだが。すまん。俺はお前に親友以上の感情を抱いている。そこは認める。

しかし、これでは、まるでプロポーズ……

「……五年間。考えてみたら、僕は気の長い恋をした……。」
ん?さ、佐々木?何故泣く?い、意味が分からん!
「キョン。返事を言おう。……これからも宜しく、親友……あらため、恋人。」
あ…………え?い、いや、佐々木?あのだな、俺じゃ、お前には似合わな…………

『だせぇ野郎だな!俺!そう、お前だよ!』

教室から、昔の俺の声が聞こえた気がした。……そうだよな。俺は、自分に応えんといかん。
「ああ。……成人式は、立志の誓いらしいな。」
「…………?」
「お前を支えられるような人間になる、とお前に誓う。……俺とこれからも一緒にいてくれ。恋人として。いつかは……共に道を歩く人間として。」

『くっくっ。キョン、聞いたかい?』
『うるせぇ。ほら、お前みてみろ。泣きじゃくりやがって、情けねぇ。』
『うるさいな。君だって相当なものだろ。』
『佐々木。』
『なんだい?』
『宜しくな。』
『くっくっ。こちらこそ。』

To Be Continued Part68『下戸佐々木』
152この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 09:39:32.71 ID:/Y5L9SvK
>>144
その言葉を、早く佐々木さん本人に聞かせてあげて支援!

>>146-147乙乙
藤原への依頼人は誰だろう?話し方からして古泉じゃないようだし

>>150-151こっちも乙!
あの佐々木さんに絡めるとは思わんかったw時間かかったんだねえ…
153この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 18:39:57.29 ID:/Y5L9SvK
今日は静かですね佐々木さん
154この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 19:26:34.42 ID:GPZrBzQh
佐々キョン、橘古泉でポンジーをいじめてみた。

『チョコレート症候群』

「そういえば、二月はバレンタインだな。」
こんな女臭い集団にいるんだ。さすがにゼロはない。これは規定事項だ。そのはずだ。
佐々木は、さも興味なさそうに言った。
「バレンタインねぇ。僕はキョンに渡すつもりだよ。案外イベントに拘るんだ、キョンは。」
ああ。お前はあの現地人と盛って猿になっていろ。僕の目当ては橘だ。
「古泉さんもなのです。案外嫉妬深いのです。」
お前もか。いや、まだ周防が……
「――佐々木――橘――チョコ――レート欲し――――い」
ああ。宇宙人に求めた事が間違いだったよ。昆布め。利尻島で売られていろ。
「構わないよ。友チョコというやつだね。」
「バレンタイン、楽しみなのです!」
和気藹々とした雰囲気……ダメだ。ここは僕の居場所じゃないよ、姉さん。僕は彼女達から離れ、街を歩く事にした。

「で、藤原くん。君もチョコはいるかい?友チョコで悪いんだが。……あれ?」
「あれ?藤原さん?」
「――――?」

街に出て、花屋に行く。……やはり安らぐ。僕に似合う花は、あの【表記不可】どもではない。
花の香気に癒されつつある僕に、店員は声をかけてきた。
「彼女さんへのプレゼントですか?」
「む?……ああ。そんなところだ。」
……こうした見栄。男とは悲しいものだな……。結局、僕はパンジーを買ってしまった。

「ふええ〜……彼女さんへのプレゼントですかね?涼宮さん。」
「あいつ、ルックスだけは古泉くんばりに良いからね。でもパンジー贈るなんてねぇ。意味深長ね!」
「花言葉…私を思って下さい、など……」
「片思いで、バレンタインに告白とか?」
「「きゃー!きゃー!」」
「ユニーク。」
155バレンタイン症候群:2013/01/14(月) 19:55:09.39 ID:GPZrBzQh
さて……買ったはいいが、どうするかね、このパンジー。
佐々木や橘や周防に渡しても、あいつらは喜ばないだろう。まぁいい。明日考えるとするか。

「あれ?ハルヒ。お前何してんだ?」
「キョン。古泉くんも。」
「二人とも、彼女さんと今からデートですか?」
「んっふ。そんなところです。」
「そうそう、さっきね……」
「ほ、ほう……」
「佐々木○○と、橘京子に確認していて欲しい。」
「ええ、わかりました。貴方も宜しいですか?」
「ああ。」

しかし、見れば見る程愛らしい花だ。寒さに耐え、誇り高く咲く花。僕にぴったりだな。
「ふくくっ……所詮あいつらに僕の魅力なんて……。よし、北高のあいつらにアピールしよう。」

「へぇ!藤原くんがねぇ。」
「らしいぜ。」
「そうか。なら、彼にチョコは渡せないなぁ。」

「藤原さんが?初耳なのです!」
「まぁ、彼も魅力的ではありますからね。誰にあげるかは存じませんが、幸せになって欲しいものですね。」

次の日。僕は北高に行った。
まずは僕の魅力をアピールしなくてはなるまい。これは規定事項だ。
「よう。」
む?現地人か。何故こいつはこんなに友好的なんだ?
「貴方でしたか。お待ちしていましたよ。」
こいつも……。僕は結局、あのSOS団とファミレスにいた。
赤い顔をしたみくる姉さんと、涼宮ハルヒ。興味津々といったインターフェース。
こ、これは……?

「(ほ、ほら!みくるちゃん!聞きなさいよ!)」
「(ふええ〜!は、恥ずかしいですぅ〜!)」

ふくくっ……!時代は僕に向いているという事か!
結局、何も起きないまま2月14日を迎えた。しかし。僕はあの三人のうち、いずれかからチョコを貰えるはずだ。これは規定事項だと言って良い。
僕は、機会を待った。
156この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 20:01:31.56 ID:/Y5L9SvK
幸せに気付いてないパターンやね、弄られキャラに幸あれ
佐々木団、SOSの女性陣もみんな楽しそうで良いな
157 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/14(月) 20:22:18.46 ID:ZWsMFfQb
おつ
158バレンタイン症候群:2013/01/14(月) 20:24:37.56 ID:GPZrBzQh
「はい、キョン。古泉くん。義理。」
「お前……古泉には豪勢なのに、何故俺には『五円があるよ』1つだ……!」
「(羨ましい人ですねぇ。)」

「キョンくん、古泉くん、チョコレートですぅ。」
「ありがとうございます!凄い嬉しいですよ朝比奈さん!」
「お手製ですか。んっふ。御返しに迷いますね。」

「カカオマス、砂糖、油脂を混合し、調合した。」
「す、すげぇ……板チョコだが、SOS団のマークが入っている……」
「ど、どう見ても市販のチョコレートですね……」

……あ、あれ?

「キョン、待っていたよ。僕の本命さ。有り難く受け取りたまえ。」
「ちょっ!お前!」
※詳しくは、バレンタインに佐々キョン書きます。

……は、はは……結局は、ゼロ……
未来に帰ろうかな……。僕はパンジーに目を落とした。
「お兄さん、何やってるのー?」
顔を上げると、そこには猫を抱いた少女が。
「なんでもない。それより暗くなると危ないから、送ってやろう。」
「ありがとう♪」
「にゃあ♪」

少女を自宅に送り届ける。少女は、暫く待つよう言うと、僕に山盛りの四角いチョコをくれた。
「ありがとう。お礼にこれあげるー。」
純粋な好意が暖かい……。
「……ありがとう。なら、これは僕からのお礼だ。もらってくれるか?」
僕は、少女にパンジーを手渡した。
「お花ー♪ありがとう、お兄さん!ねぇ、お名前は?」
僕は、立ち上がると言った。
「どうしても呼びたいなら、藤原というといい。」
「うん!ありがとう、藤原くん!」
159バレンタイン症候群:2013/01/14(月) 20:49:39.08 ID:GPZrBzQh
翌日。目が覚めると、枕元に姉さんとお母さんからのチョコが。
ああ。ありがとう。素直な気持ちで受け取った。

「おはよう、藤原くん。」
佐々木だ。顔がテカっているが……突っ込んだら負けだろう。禁則事項を朝から聞きたくもない。落ち込む僕に、同じくテカった顔をした橘が声をかけてきた。周防は、悲しそうな表情をしている。
「残念でしたね。……でも、藤原さんなら大丈夫なのです!」
何がだ?お前ら、二人して僕を虐めに来たのか?
「よし。皆で遊びに行こう。僕とキョンが、君の分を全額出してやる。」
「私と古泉さんが出しますよ、佐々木さん!」
あ、あれ?

「よう、藤原。残念だったな。」
お前まで何を……
「あんた、良いところあるからさ、絶対次があるわよ。ね、みくるちゃん。」
「そうです!落ち込まないで下さいね?藤原くん。」
だから、お前ら……何を……
「……これ、読んで。」
は、ハードSF……このインターフェースは何を……
「んっふ。次の日曜日にでも、皆で遊びに行きますか。」
「そうね!キョン、古泉くん、佐々木さんと橘さんも誘いなさい!」

そして、遊びに行ったわけだが……訳がわからない。ただ、やたらと現地人が優しかったのが印象的だった。
そして……

「藤原くーん!」
「ふくくっ。待たせたかな?」

時々、あの少女と会い、優しいお兄さんをしている。つまらんプライドを壊してくれたお礼だがな。

……この少女が、あの現地人の妹だと知り、かつ六年生という事実を知った時は、自分で自分に禁則事項を仕掛けたが、それはまた別の話だ。

END…?
160この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 21:02:39.90 ID:GPZrBzQh
解説。

まったり平和な話。
藤原いじり路線は変わりませんが。
あんまり深くやると、ガチの虐めを書きそうなので、ライトな方向にしました。

バレンタインに書く佐々キョンとリンクしますので、END…?です。

キョン妹は天使w

……ミヨキチの年齢を勘違いする話でも良かったんですがw
161この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 21:14:41.63 ID:zLCaf85j
ポンジーネタ懐かしいな。
原作で嫌な奴全開だから狂言回し役掴まされているのは面白い。
ハルヒちゃんでキョンのマジギレツッコミにビビっているのはツボだったりする。

思いついた(というには微妙だが)んだが、このキャラのポンジーは
同じ狂言回しとしては谷口と似ているかもと思ったりした。

なにげに予告していただいているのを見逃さないw
無理強いしない程度に期待してます。
162この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 22:08:31.86 ID:/Y5L9SvK
乙&GJ!
すれ違い勘違いでみんなからフォローされる藤パンかわええw本命が誰だったのかも気になるところだ

>>161
もし谷口だったら投げっぱなしで、ここまでフォロー入らない気がする
それはそれで役回りとしてはオイシイかもしれないが
163この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 23:13:42.65 ID:iTdGaIa/
おい、ここは佐々木スレだぞ。分かってるのか!













いいぞ、もってヤレ!
164この名無しがすごい!:2013/01/14(月) 23:52:17.44 ID:GPZrBzQh
感想、乙ありがとうございました!

IDが、愛車と同じだと今更ながら気付きましたが、タイムアップ。
明日にでも佐々キョンで、ツーリングネタ書いておきます。

……GPZでも900Rでなく、100Kであった、ボロい750Rなんですが……。
165この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 01:03:22.82 ID:MF7eqfFj
しかし原作にしろ二次創作にしろ見る度に、佐々木みたいな親友が欲しいなと思う。
性別はどっちでもいいや
166この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 01:29:05.17 ID:mS3Z4g3x
まだほとんど読んだことないんだが個人的にオススメあったら教えてください

で読んだ後に思ったんだけど
それぞれの話を読んだ感想とか書き込めるところがwikiに欲しいなとか思ったり
ここだと昔の人とか見てないだろうし
あまり昔の話とかしないのかな?
最近来た新参者ですまぬ
167この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 01:37:02.08 ID:oWEmfbUt
性別……佐々木さんが男性だったら親友とか……多分無理
旦那(元親友)にゃ悪いけどチビ達いなかったら我慢できないかもしれない(^v^)

佐々木さんは同性がいいや 変な方向に目覚めることは無い、と思う、かも、多分
うん、自分にその気はない……今のところ

それにしても他の人メインだとあまりいい気がしないのに、ヘタレポンジーだと気にならない
不思議!
168 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/15(火) 01:49:58.41 ID:F49+5VDg
こんばんは
169この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 02:40:49.37 ID:f3upoW2F
>>166
>それぞれの話を読んだ感想とか書き込めるところがwikiに欲しいなとか思ったり

これは思ったことある
他人の感想を知りたくなることあるよね
170この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 03:03:21.66 ID:WjdVmiSj
佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企みその3 

 「さて、我々はどこに行きましょうか」
 キョンが涼宮さんに引っ張られて店を出て行ったあと、取り残された私たちは、とりあえず何をするか
相談することにした。
 「時間は一時間もあるんだしね。ハルにゃんみたいに不思議探しに行ってもいいけど、まあ、ここでゆ
っくり話すのも悪くはないかもよ」
 「鶴屋さん、前から思っていたんですけど、涼宮さんの”不思議探し”って一体何なのですか?」
 私の疑問に、鶴屋さんは豪快に笑いながらこう言った。
 「さあね。ハルにゃんの頭の中は、私にもわからないっさ。だけども、一つ言えるのは、ハルにゃんの
心を揺さぶるもの、それじゃないかね」
 そして、こう続けた。
 「今のハルにゃんの心を揺さぶるものは、キョン君だと思うんだよ、私は」

 「キョン?なぜ、涼宮さんがキョンを気にかけるのですか?」
 自分の口調が、いささか強く感じられたのは気のせいじゃない。鶴屋さんの言葉に、少し過剰反応した
ようだ。
 「涼宮さんに”きっかけ”を与えたからですよ」
 古泉くんが私の疑問に答える。
 「SOS団の設立にしても、きっかけは彼の言葉です。中学時代からの涼宮さんを知る僕としては、明らかに
彼女は内面的に成長していると感じます。中学校の時の彼女は、どちらかといえば孤立しがちな、他人との
接触を忌避しているようなところがありましたからね。自分でクラブを作り、部員を集めるなんて、あの時の
ままだったら、絶対にやりませんね。ただ、僕が転校してきたとき、真っ先に声をかけてくれたのは涼宮さん
ですが」
 
 他人との接触が煩わしい、特に男の子に感じることがあった。
 私が男性と話すときに使う『僕』の名称と言葉。それは端的に言えば、私の心の盾。
 キョンは私が使う言葉についても、何も言わなかった。彼と話すうちに、私は心の盾を下ろしていた(た
だし、口調はなかなか元に戻らず、かえって意識してしまうので、キョンと話すときは”僕”のままだけど)
 
 「ハルにゃんがキョン君を気にかけているのは確かだね。未だにSOS団にキョン君をスカウトしたいみたいだし」
 「涼宮さんが特定の男性を気にかけるのは、僕にはとても不思議なことに思えますね」
 「おんや、どうしてそう思うんだい、古泉君?」
 「涼宮さんが昔言っていたんですよ。『恋愛は精神病』だって。異性に執着するのは病気と同じ、とか言ってましたから」
 どこかで聞いた、というより昔キョンに私が言っていたままの言葉をきいて、私はおもわず、咳き込みそうになる。
 
 「佐々っち。佐々っちにとって、キョン君はどんな存在なんだい?」
 (何か某おもちゃ会社の商品のように呼ばれたけど)鶴屋さんは私に問いかける。
 思わず、引き込まれそうな笑顔で、でも目の奥には真剣な光がある。決して茶化したような感じではない。
 ならば、私も真面目に答えよう。ごまかす必要もない。
 涼宮さんさんの気持ちの一端を知った今なら、なおさらだ。

 「親友、て昔は思っていました。でも今はその言葉だけじゃ足りません。キョンは・・・・・・」
 一息ついて言葉を続ける。
 「私にとって、なくてはならない存在。そばにいて欲しい、そばにいたい。そう思える人です」
171この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 05:49:41.99 ID:GMS3092q
『ダブルデート』

「キョンくーん。お茶ー。」
「お、サンキュ。」
冬の寒空の中、俺は工具を片手にバイクを弄っていた。
大学生になり、少し距離があるだけに、日常の足がないと不便になってしまい、親戚がくれたバイク。
佐々木から、トム・クルーズが映画で乗っていたバイクだと教わったが、とにかくこいつは手がかかる。
詳しく言うとキリがないが、やはり30年近く前のバイクだからな。手を入れてやらねぇと。
「明日楽しみだねー。」
「そうだな。」
明日は、佐々木、妹、藤原で、温泉へツーリングだ。ん?何で藤原かって?妹が聞きつけて、付いてきたいと駄々をこねたからだ。
同じくバイクを持つ古泉からは、彼女に悪いからと断られ、谷口からは、国木田達と釣りに行くからという理由で断られた。今度、俺も誘え。
ハルヒ、朝比奈さん、長門、橘は、論外。レンタカー借りる金なんてない。
それに、レンタカーを借りるとなれば妹がミヨキチを連れてくる可能性が出る。そうなると、流石にミヨキチのご両親も、異性とのお出掛けは、良い顔はしないだろう。

で、消去法として浮かんだのが、藤原だったわけだ。断ってくれてよかったんだがな!

「ふくくっ……!構わんぞ。バイクだな?ああ。構わん。」

……後で考えると、誘い方が悪かったんだろうな。
古泉から聞いたが、どうもあいつは友達が少ないらしく、友達(俺)からツーリングに誘われたと心底浮かれていたそうだ。
矢鱈に友達という部分を強調していたようだが……。谷口でも紹介してやるか。あいつは誰とでも仲良くなれる、稀有な奴だからな。
ああ、言っておくけどな。俺は藤原を嫌っているわけじゃねぇぜ?ただ、親友のカテゴリーには入っていないが。
そのカテゴリーは、今は、SOS団員と国木田、谷口だけだ。
ん?佐々木?元親友。接いでいえば、俺の右薬指を見てくれ。元親友と揃いのシルバーリングがあるな?
分かって戴けたら幸いだ。
172この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 06:16:32.74 ID:GMS3092q
突如電源が落ちて、書いていた分が消えた('A`)
夜に続き書きます。
173この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 08:08:27.05 ID:phE6RQgO
>>170
これはその2と合わせて読むといいね。シンクロ感がイイ!

>>172
続き待ってます。
174この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 16:40:36.25 ID:OdkHK17o
佐々木かわいいよ佐々木
175この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 18:08:08.91 ID:3IWRGZX3
>>166>>169
一応避難所にも感想スレはありますね
規制されてた時によく利用してました

過去にも何度か挙げた個人的なオススメ短編
・3人の嫁候補
・佐々木さん、クリスマスは家族で過ごすものだよね
・佐々木さん、ブーケは誰の手に?
それぞれ1分、2分、5分で笑えます

>>170支援、>>171乙!
佐々木さんの宣戦布告はまだか!そして着々と藤パンに妹ちゃんフラグが…
さあキョン、フラグクラッシャーの出番だ!
176この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 19:39:55.45 ID:GMS3092q
翌日。佐々木が俺の家に到着する。
「待たせたね。」
「構わんさ。」
荷物をサイドに括り、リュックを背負う。女性の荷物は多いものだが、そこは佐々木。最小限に効率的に纏めている。
少し待って藤原。だが。
「待たせたか?」
「…………」
「…………」
えーと、すまん。俺も佐々木もバンドマン……ヘヴィメタさんとの知り合いは居ないんだが?
佐々木すら絶句してやがる。もはやツッコミ所が有りすぎて、どこから突っ込んだらいいのか困り果てている状態だ。
まず、革ツナギの上下はいい。だがな、藤原。何故下がTシャツ1枚なんだ?
しかもモーターヘッドのTシャツ。あれか?レミー・キルミスターに影響されたのか?第一お前、ベースなんて弾けるのか?朝比奈さん譲りの破滅的な音感無しだろ?
しかもバイクがハーレーって何だよ。お前普段は250のビッグスクーターだろ?あれでいいんだよ。(この間、10秒)

ハードすぎるイメージなんだが、何かい?ゲイ路線を目指しているのかい?
なら、LA風に白いTシャツに……いやいや、そうか。キミは細過ぎる。
何なんだい?その僕に勝らぬとも劣らぬ細身の身体は。(この間0.1秒)
国木田くんもそうなんだが、キミ達は何でそんなに細いんだ?
巷では僕のスタイルが良いなんて寝言を散見するが、あれは下着の補正と地味な筋トレ、そして配色の成果なのだよ。実際、涼宮さんに比較したら僕のスタイルなど悲しいものだ。
嘘だと思うなら僕の全てを知るキョンに聞いてみたまえ。彼は僕のスタイルについて、こう言うぞ。
『佐々木は、案外肉あるぞ』と。(この間0.1秒。そして情事を思い出し、2秒程思考停止)
はっ!いかんいかん。そうだったね。そう。そっちの路線に行きたいなら、古泉くんに倣えばいいんじゃないかな?
彼は意外に良い身体らしい。え?何で知ってるか?彼の彼女は僕の親友だよ?勿論そんなの猥談で話し合っているさ。(この間0.2秒)
僕は彼がどんな格好で橘さんを啼かせているか、全部知っているよ。
ああ、因みに彼は後ろのほうが好みらしい。キョンが掘られていないか心配だったから、キョンの後ろに指を三本程入れたら殴られ、処女宣言をされたので、杞憂に過ぎなかったがね。(情事を思い出し、6秒程思考停止)
え?僕のイメージにない?いやいや。女の子に幻想を持つのは勝手だが、現実見た時のダメージは倍増だから、そんな幻想さっさと捨てたまえ。(この間、0.1秒)
177この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 20:15:47.91 ID:GMS3092q
「お前、それはないわ〜…………」
「そうだね。僕とした事が詰まらない事を考えていた。」
…………はい?おーい、佐々木?お前、何言ってんだ?
「無論ナニに決まっている。キョン。このままじゃ藤原くんに存在を食われるからね。」
「はい?」
「だから、さっきのモノローグにブラックユーモアをちりばめておいた。くっくっくっくっ。一応は僕を愛でるスレで、僕が主役だからね。軒先を貸して母屋を乗っ取られても敵わない。」
悪い笑いを見せ、佐々木が笑う……。たまにこいつは理解不能だ。
「たまには、こうしたブラックユーモアで存在感を出すのもありだろう。」
ねーよ。そりゃブラックユーモアじゃなくて、メタなだけだ。

「あ、藤原くんだー!」
「やあ。おはよう。」
何故にそんなエエ笑顔なんだ?藤原。
「その格好………」
頼むぞ、我が妹。hydeみたいとでも言ってやってくれ。
「佐々木さんがこの前、キョンくんと見ていたDVDの人みたい!」
満面の笑みで語る妹。藤原は、固まっている。確かこないだ見たDVDは……
「クィーン。ライブ・キラーズ。多分、フレディ・マーキュリーだね……。」
藤原が大地に手をついた。
「……何かへし折れる音がしたぜ……。」
俺の言葉に、佐々木は納得したように頷く。
「兄妹揃ってフラクラ体質か。藤原くんも哀れな。」
「フラクラ?」
「知らなくていい話だよ。」

「あれ?カッコいいって言ったつもりなんだけど……キョンくーん。藤原くんがー。」
もうやめてやれ、我が妹よ。

藤原は妹をリアシートに乗せる。俺は佐々木だ。

「目的地は温泉。さ、行くか。」
178この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 20:51:34.74 ID:mApfRug+
しえん
179この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 20:53:09.92 ID:3IWRGZX3
支援かな?
ブラック過ぎです佐々木さんw
180この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 22:14:03.49 ID:GMS3092q
途中、こまめに休憩をする。バイクは、案外後ろに乗る奴が疲れるんだ。
ついでに、あのアホの格好を見ても分かるな?冬のツーリングは、防寒着を着込むのが基本だ。
まぁ、痩せ我慢だけは認めてやらなくもない。

温泉郷に着く。藤原の顔面は蒼白。ガタガタ震えてやがる。こりゃ飯の前に風呂がいいな。
「先に温泉かい?まぁ藤原くんを見ていたら、そうしたい気持ちも分かるが。」
「ふ、く、く。き、規定事項だろ、佐々木……」
「佐々木さーん!おうどん食べたい!」
やれやれ。たまには助け船を出すか。
「先に風呂に入ってから、な?藤原が風邪を引くからな。」
俺の言葉に、妹はきょとんとした顔をした。

「えー?暖かったよー?波打ってたしー。」

「藤原くん……」
「情けだ。自殺か他殺位選ばせてやろう。」
「き、貴様ら……!」
見下げきった目で藤原を見る。

「手が。」

「僕はキミを信じていたよ、パンジー。」
「ああ。佐々木、誤解ってあるよな。すまん、藤原。」
「き、貴様ら……」
藤原は涙目だ。騒動のもと、妹はチケットを見ている。
「ねー、キョンくん。家族風呂ってなぁに?」
俺と佐々木は顔を見合わせ、溜め息をついた。そう。ツーリングの目的は家族風呂だった。
痛い話になるが、谷口と釣りに行った時に、大時化に遭い、ずぶ濡れになったんだ。
二人でガタガタ震えながら、近くの民宿にビバーグし、二人で浴場に入った時の温泉の暖かさは、感動以外何もなかった。
佐々木にこの話をしたら、佐々木も是非味わいたいと言い出し……お互い下心から一泊旅行にしようとしたところ、妹から感付かれた。
今回の目的は、それだったんだよ……。

「家族って事は、私はキョンくんと入るの?」
「え?」
佐々木が固まっている……だと?しかし、それは一瞬の事だった。
「ふふ……。そうだね。どうだい?キョン。僕も御一緒していいかな?」
なんですと?!
181この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 22:47:00.37 ID:GMS3092q
「え〜?久しぶりにキョンくんとお風呂入れると思ったのに〜。」
待て。今一緒に入ったら、道徳的に問題があるだろう。
「佐々木さん、家族じゃないじゃ〜ん。」
だからだな、妹よ。家族風呂とは……
「くっくっ。私とキョンは、いつか家族になるからいいのよ?」
「えー?ぶーぶー。」
お前ら……
「よし、行くぞ、現地人。」
藤原が俺の手を引く。よし、いいぞ、藤原。そのままなし崩しに……
「家族風呂2つ。」
だぁーッ!この馬鹿はぁーッ!見ろ!佐々木も妹もドン引きしてるぞ!
藤原がニヤニヤと笑う。こ、この野郎……!佐々木達の裸を拝めると思うなよ……!

「(キョン。埋め合わせはあとでする。)」

ん?佐々木?
「妹ちゃん。せっかく家族になるなら、一緒に入って親睦を深めましょう。」
「ん〜……わかった。キョンくんとお風呂入るの、今回は諦める!」
藤原の顔面が赤くなる。それを見た佐々木が、俺にウィンクを送った。
「よし、藤原。男同士の親睦を深めるか。」
「ああ!ゆ、友情を深めるのだな!ああ、言っておくが、性行為は禁則だ!ただ、お前が求めるなら、それは規定事項にしてもいいぞ!」
…………はい?佐々木も目を見開いている。
藤原は、俺を引っ張り家族風呂へ…………
思い出したくないから、終わるぜ。因みに貞操は無事だった。

藤原は一週間、肺炎で入院した。まぁこれが顛末だ。

後日、改めて佐々木と温泉にお泊まりした話は、近くエロパロに上げておくとしよう。

END

妹絡めると、無茶が出来ませんでした。
尻切れですが、エロパロを頑張ります。

ブラック佐々木、書いてみたらクセになりそうですw
182この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 23:33:38.47 ID:3IWRGZX3
おつー…だけど、波打ってたが分からなかった
妹ちゃんは中3くらいかな?中学当時の佐々木さんとどっちが(ry
183この名無しがすごい!:2013/01/15(火) 23:39:40.67 ID:WjdVmiSj
佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企みその4

 俺達のいる目の前で、若い親子連れが、仲良く遊んでいた。小さな姉弟らしき女の子と男の子を見守る夫婦。
 ここの公園は遊具施設も多く、芝生が広く貼ってあり、桜や落葉樹も多いので、家族連れが多い。
 あの親子の姿はいつか俺に訪れる未来の姿かもしれない。
 時計を見ると、集合時間まであと15分ぐらいである。そろそろ戻ったほうがいいかもしれない。
 「行こうか、涼宮」
 俺達はベンチから身を起こした。

 「ねえ、キョン。人を好きになるってどういう感じ?」
 戻り道、涼宮が俺に聞いてきた。
 「どうって、涼宮、お前、誰か好きになったことがないのか?」
 「ないわね。あたしは恋愛は精神病だと考えているから」
 その言葉に、俺は思わず笑ってしまう。
 「・・・・・・何笑っているのよ」
 「いや、昔のことを思い出したんだ。佐々木から同じ言葉を聞いたことがあって」
 「佐々木さんがあたしと同じ事を言ったの?」
 「ああ」

 人を好きになるという感情は、人間の通常の精神状態とは大きく異なる。普段では考えられないことをしてしま
うという行動が恋愛中に見受けられるのは、根底には変化した精神状態があるからだ。
 その意味において、佐々木や涼宮が言った言葉は間違いではない。
 
 「これだ、ということは出来ないな。ありふれた回答だが人それぞれだ。好きになった奴のことがきにかかるとか
、あるいはその人のために役立ちたいとか、いろいろ思うんだろう。そして、その気持ちは人に変化をもたらす」
 「どんな変化?」
 「そうだな、全部が全部てわけじゃないが、自分を変えようとする。おしゃれして外見や服装が変わったり、あるい
は内面が変化したりする」
 「内面の変化?」
 「考え方だよ。いい方向にかわることもあれば、悪い方向にかわることもある。昔読んだ漫画のセリフじゃないが、
恋愛の形が綺麗なハ-ト形とは限らないからな」

 俺の話を聞いて、しばらく涼宮は沈黙していた。もうすぐ、集合場所の公園に着こうとした時、再び口を開いた。
 「キョン。佐々木さんのことをあんたは大切な存在といったわね。鶴屋さん経由で国木田くんから聞いたけど、
中学時代と今のあんたは随分違うって。それは佐々木さんを大事に思う心があんたに変化を促した、そう考えて
いいわけね」
 
 俺の足が止まった。
 秋風が俺の顔を撫でて、俺は首を盾に振った。
 「涼宮、多分お前が言うことに間違いはないと思う」

 
184この名無しがすごい!:2013/01/16(水) 08:04:56.48 ID:T6zWD63X
おはよう支援
185この名無しがすごい!:2013/01/16(水) 08:26:48.17 ID:XUN7DzqN
>>166 >>169
>>175の方が書かれてるように避難所に感想書くスレがあるのでそちらにどんどん書けばいいですよ

個人的に好きな作品は『巨人の歌』
結構前のSSで悲しい話だけど、描写とか流れがいい作品
読みやすいのでSS書くときの参考にもなりました

SSを書いてる方、乙ですが……お願いですから題名を名前欄に書いてください
1レスで終わらないときは別の人の書き込みがあったりするので
番号付けるとなおイイかと

>>176後半、()書きはその都度改行したほうがすっきりしてたんじゃないかと思います
186この名無しがすごい!:2013/01/16(水) 18:39:53.30 ID:T6zWD63X
カチューシャを貸し借りして、ハルヒとドッペルゲンガーごっこする佐々木さん

うん、のいぢが悪い
187この名無しがすごい!:2013/01/16(水) 20:12:04.00 ID:8+ZSIdJk
のいぢは、わざと似せているのでは?
>>186
やってみた。続きは明日にでも。

最近、涼宮さんが退屈しているらしい。
私が一肌脱いであげよう、と思い、キョンに頼んで、涼宮さんのカチューシャを手に入れた。
キョンは北高の制服を着た私を、呆れたように私を見る。
「くっくっ、遊びだよ、ただの。退屈な涼宮さんに、ちょっとしたスリルを味わって貰いたくてね。
ところでどうだい?北高の制服。似合うかい?」
「ああ。反則的なまでにな。」
キョンは、そう言うと私を見る。
「髪を栗毛にして、ストレートにすると、本当にハルヒだな。」
「くっくっ。細部は違うけれどね。我ながら良く似ているよ。」
九曜さんに髪を染めてもらい、ストレートにした。あとは、カチューシャとしゃべり方だ。
「コホン。……キョン!私とデートしなさい!」
「似て非なる、だな。あたしにしとけ。もっと似る。」
キョンは、興味なさそうに言った。
「……つまらない男だね、全く。彼女が違う女性のコスプレをしているんだ。少しは反応したまえ。」
「止めはせんが、あんまり趣味悪い事するなよ?ハルヒは、ああ見えて気が小さい。」

ほう。実に興味深い。

「さて、キョン。今から僕は涼宮さんになりきる。で、北高内を手を繋いで歩くか。」
「お前……ハルヒをダシにして、お前が楽しみたいだけだな……。腹黒が。」
キョンが憐れみを込めた目で私を見てきた。くっくっ。分かってらっしゃる。
「キミも好きだろ?こういう悪戯。」
「…………否定出来んのが辛いな。まぁ、それにハルヒだからなぁ。俺の事、何とも思ってないだろうし、まぁ効き目ないだろうからな。」
くっくっくっくっ。鈍さもここまで来ると罪だね。
いやはや、どんな反応を示すのか楽しみだよ。

続く
189この名無しがすごい!:2013/01/16(水) 22:38:08.71 ID:T6zWD63X
>>188支援?
拾って貰っといて悪いが、端から見るとキョンが最低男と思われる可能性ががが
190佐々木さんのキョんな日常:2013/01/16(水) 22:47:39.05 ID:uVbxFDoz
     佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企み その5
 
 集合場所の公園に来ると、すでに佐々木とSOS団の団員達はそこに来ていた。
 「早かったな」
 「何、我々も今来たばかりですよ」
 古泉はそう言って、声をひそめて言葉を続ける。
 「実を言えば、こちらの方はずっと喫茶店で話しをしていただけなんですよ。涼宮さんにばれたら、怒られますけど」
 おもわず、俺は笑ってしまった。

 「ハルにゃん、何か収獲はあったかい?」
 素知らぬ顔で、鶴屋さんは涼宮に訊ねる。
 「一応、興味深い物があったわ。まあまあの成果ってところかしら」
 涼宮はなぜか俺の方を見ながらそう言った。
 「こちらもまあまあってとこかね。いいものがみつかったっさ」
 鶴屋さんは佐々木を見ながらそう言った。
 「もうちょっと時間があるわね。もう一度くじを引いて、不思議探しに行くわよ!」

 本日二回目の、涼宮特製の爪楊枝くじを引く。今度の当たりは誰なのか。
 「また、あたしね!」
 なんと、二回目の当たりも涼宮である。もう一人の当たり、涼宮とペアを組むのは誰なんだ?
 「今度は僕らしい」
 佐々木の手には、当たりの爪楊枝が握られていた。

 古泉と鶴屋さんの笑顔が少し引きつっていた。朝比奈さんが、心なしかソワソワしている様に見える。
 「それじゃ、今度は四十分後にここに集合ね」
 「じゃあ、キョン。行ってくるよ」
 佐々木と涼宮は、俺に手を振って、公園を出ていった。

 「よりによってあの二人の組み合わせとは……」
 「えらい事になったにょろ」
 「だ、大丈夫ですよね」
 SOS団の団員は一様に頭を抱えていた。
 何を一体心配しているんだ?
 「いえ、その……」
 珍しく古泉が歯切れが悪い。さわやかスマイルが消えていて、少し不安げである。
 「ま、まあ、古泉君。今すぐどうのこうのというわけではあるまいよ。ここは成り行き任せでいくしかないっさ」
 鶴屋さんの声にも珍しく焦りの様な物がある。
 「そ、そうですよね。な、何も心配する事は無いと思います」
 朝比奈さんは自分に言い聞かせるように言った。

 ところで、古泉。四十分という中途半端な時間、どうやって過す?
 「……随分落ち着いていられますね」
 さっきから何をあせっているんだ?
 「あ、いえ……その……すいません、ぶしつけな事を聞きますが、貴方は佐々木さんの事をどう思っておられます?」
 何だ、いきなり。えらく唐突だな。涼宮にもさっき同じ事を聞かれたんだが。
 「涼宮さんが?」
 ああ。だから答えたよ。俺にとって、佐々木は大切な、大事にしたい存在だとな。
 「そ、その言葉を聴いて涼宮さんはどの様な反応を?」
 別に変わった反応はないが。
 「そうですか……」
 古泉は、少しほっとしたような表情になる。
 それより、古泉。おまえは涼宮との仲はどうなったんだ?人の事を心配しないでいいから、お前はどうなんだよ。
 「へえ、古泉君。古泉君はハルにゃんの事が好きなのかい?」
 鶴屋さんがにやにや笑いながらそう言って、古泉はやぶへびだ、と言う様な顔をした。
191この名無しがすごい!:2013/01/17(木) 00:48:41.40 ID:qAG3TeCO
>>166
遅レスだけど私も「巨人の歌」を第一に勧めたい。

もう読んでるかも知れないけど、保管庫にある
「50万ヒット記念殿堂入り投票結果」に入ってるSSは
いいものが多いと思ってる。投票した一人だけど。

この投票以降、こういった企画が無いのが残念。
192佐々木さんのキョんな日常:2013/01/17(木) 03:30:21.33 ID:Hduv7xfx
佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企み その6
 
 涼宮さんと私は並んで歩いていた。
 公園を出る時、SOS団員の表情が不安げに見えたけど、何を心配しているのだろう。
 団員達と話しているうちに、涼宮さんがキョンに興味以上の感情を抱いているのはわかった。好意と言い換えてもいいかも
しれない。
 SOS団の設立のきっかけをつくったのは、キョンだというのは古泉君の弁ではあるが、その古泉くんは涼宮さんに思いを寄せ
ている。彼はどんな思いで私たちの話に加わり、どんな思いで聞いていたのだろう。

 ”私にとって、なくてはならない存在。そばにいて欲しい、そばにいたい。そう思える人です”
 
 「ねえ、佐々木さん。キョンから聞いたんだけど、昔、佐々木さんは恋愛を精神病だ、って言っていたそうね」
  その言葉にわたしは頷く。昔、キョンに言った言葉の中で、今は消したい発言bPに入るけど。
 「私も昔同じ事を言っていたわ。恋愛を毛嫌いしていた」
 「何で毛嫌いしていたの?」
 「中学時代、自分でいうのもなんだけど、結構もてていたの。よくつきあってくれ、て言われたわ」
 彼女程の美人なら人目を引く。交際を申し込んでくる男子はたくさんいただろう。
 「とりあえず、私も試しに付き合ってみたりしたんだけど……でも、ダメね。ろくな男はいなかった」
 涼宮さんは首を軽く横に振りながらそう言った。
 「行動がワンパターンすぎる。別人なのにやることは一緒。直ぐに飽きちゃって、告白聞くのも馬鹿馬鹿しくなって……
その内誰も来なくなって、まあホッとしたわけなんだけど」
 誰も彼女の心を揺り動かすような男子がいなかったのだろう。
 「で、私は思ったわけ。こんなつまらない事をなんでみんなやっているのかな、てね。考えた末に出した結論は『恋愛は
精神病』だった。正常な神経じゃやってられない、そう思った」

 「でも、今思うと早すぎた結論だったわ。単にあたしが興味をひかれるような男にであっていなかっただけね」

 そして、彼女は出会ったのだ。彼女の心を揺り動かす存在に。
 
 「私もキョンに出会うまでは、そう考えていたわ。直ぐに考えを変えたわけじゃなくて、キョンと一緒の時間を過ごす様になって
からだけど」
 廻りくどいことは言わない。正々堂々と涼宮さんに私の考えを伝える。
 「彼と一緒の時間を過ごすようになって、私も考え方が変わった。キョンは、周りの人には私のおかげで変わったなんて言われている
ようだけど、私も彼に影響を受けた。お互いに影響しているのよ、私達は」
 私は立ち止まり、涼宮さんの眼を真っ直ぐ見る。
 
 「キョンは私にとって大切な存在。今までも、そしてこれからもね」
193Last Name Change 1/4:2013/01/17(木) 07:43:29.95 ID:KH+beyGD
 あれからどれだけの時間が流れたのだろう。それを確認するにははじまりがどこだったのかを思い出さないといけない。
中学でクラスが一緒になる前に見かけたときか、あるいはその直後か。まあ、それはないだろう。私は決して惚れっぽい人間ではない。
何しろ恋愛は精神の病と長い間否定し続けていたのだから。それは置いておいて、もう一度考え直そう。
 ……有力なのは中学の秋頃か、高2の春か、はたまたその後の夏から秋の頃だろうか。今挙げた時期すべてが当てはまりそうに思えてくる。
そしてそこから今に至るまでが長かった。少なくとも6年以上になるのかな。今あえて言うなら、とうとうこの日が来たのね……、ということくらいさ。


 私はきっと彼に目をつけた最初の人であり、おそらく最後に意思表明をした人間であったと自負している。こういってはなんだが、彼は例えば
古泉くんのようにクラスや学生の中で人気があるタイプではないはずだ。男子は当時から見ればお子様だったし、女子はませていた。あの年頃では
カッコイイ男子の話題は出てくることはあっても、彼の名前が出ることはなかったはずだ。だからこそ、僕はあまり深く考えずに彼との会話を
楽しんでいたんだ。気がついた頃には彼との言葉のキャッチボールに夢中になっていた。逆に言うとそのことに専念できたとも言える。噂や
実際に冷やかされめいたことはあれど露骨に私達の会話に割って入る人はいなかったもの。
 ところだ。高校になって彼と再会すると状況は変わっていた。あの小学の時の異彩を放っていた少女が彼と一緒にいるのだ。それだけにとどまらず、
私はあの出来事の後もSOS団に関わってしまい、件の涼宮さんだけでなく長門さんも彼を気になっている様子に気づいたし、同時に困惑した。
 その上、どうやら彼の妹の友達もあやしい。朝比奈さんは積極的に彼に迫ることは少ないからいいものの、朝比奈さんに次ぐ発育の良さだ。
鼻の下を伸ばしている彼を一番目ざとく見つけて怒りつけていたのは涼宮さんだが、私も一度も咎めなかったとは言えない。おそらく長門さんもだ。
こんな風に自分が彼女たちの動向に敏感だったのは日頃の現代文の学習成果なのだろうか、あるいは本能のなせる業だったのだろうか……。
重ねて言うが、彼はモテるタイプの人間ではない。しかしあの頃の彼は客観的に見て俗にいうモテ期に入っていたともいえただろう。
別に学年で人気の男子生徒というわけではなったが、もしそうだったらだったらで私達は平常でいられなかったかもしれない。
参考までに言うと、あるとき鶴屋さんは私にこういったことがある。

「キョロスケくんはマイナー好かれタイプとして注目株なのさっ! ササにゃんはどうするのかいっ。あはははっ」
194Last Name Change 2/4:2013/01/17(木) 07:44:06.56 ID:KH+beyGD
 ふむ。やはり自分のことを赤裸々に語るのは身がもたない。ここからは昔の喋り方でいかせてもらうことにする。
そうはいってもこの喋り方、今となっては親しい人に対してだけ使うようになっている。昔は男の子に使って(流石に先生のような目上の人には使わないよ?)、
女の人には嫌味にならない程度の丁寧語を使っていた。自分の素を悟られまいと年下の幼げにみえる女の子にまで使っていたのは今にしてはお恥ずかしい限りの話だ。
実はその喋り方を封印したこともある。結果的にはあまり長続きはしなかった。それは自分の習性がこびりついていたということもあるかもしれないが、
言わせてもらうと絶対に彼のせいだ。最も彼も封印するといって全然できていなかった言葉があるのだからお互い様ということにしておこうじゃないか。
ただし、喋り方が全くの元の木阿弥になってしまったかというとそういうわけでもない。僕は同性でも気の知れた友達(中には強敵もいたわけなのだが)相手にも
使うようになっていたのだ。

 彼と高2の春に再会し、僕が本当は神のような力の持ち主で涼宮さんからその力を取り戻すかどうかという事件が終息を迎えた後、僕はもうSOS団と関わるべきでないと
決めていた。彼とももう会うべきではない。彼が最早SOS団、いや涼宮さんに惹かれていたことがよくわかったから。こんな想いも高校受験のテクニックと一緒に
忘れてしまえばいい。そして僕の密かなる野望の実現に専念すればいい。そう決心した矢先に、1年くらい放置プレイをしていたくせに今更にも、彼は僕に関わり
つづけようとしてくれたのだった。

「じゃあな親友、同窓会で会おうぜ」

「佐々木、お前もSOS団に入れよ。ほら、一緒に行こうぜ」

 結論から言うと、僕のそんな決心は脆くも崩れ落ちてしまった。涼宮さんの多少の難色はあったものの、そのままなし崩しにSOS団の外部準団員兼アドバイザーに
就任することになってしまった。
195Last Name Change 3/4:2013/01/17(木) 07:44:44.65 ID:KH+beyGD
 正式団員というわけではないが、SOS団の仲間に入れてもらった後は大変だった。自分がこれらの騒動を収めるためにどれだけ役に立てたか今だに自信が持てずにいるし、
どちらかというと無力感さえ感じてしまうのだ。キョン曰く、だいたいの騒動の元凶は涼宮さんだということらしいが、正直に言うと僕も迷惑をかけたことが何度かある。
僕自身が九曜さんが起こす騒動を引き起こす引き金になってしまったり、僕がとうとう堪忍袋の緒が切れて主に橘さんにとばっちりをけてしまったこともある。
彼が恐れる女学生が僕をかばった彼に襲いかかってきた日には肝を冷やされたものだ。ちなみに余談だが、彼のあまり聡明ではなさそうな友人に言い寄られたのを
九曜さんを呼んで適当にあしらっておいたこともある。
それでも彼は変わらず僕に助言を求めてくれた。古泉くんほど的確な解説ができなくても、朝比奈さんほど安心感を与えられなくても、長門さんほど頼りにならなくても。
そして何より涼宮さんほどエンターテイメント症候群のシンクロニシティを感じるということができなくてもだ。
いつしか代償行為をやめ、本当に欲しいモノをまっすぐ求めたくなった。やっぱり僕はキョンの隣を歩いていたい、と。
 そうして保留していた返事をようやくハッキリ言うことができたのだ。

「長い間保留していてごめんなさい。僕には忘れぬことのできない親友、いや好きな人がいるんだ」
196Last Name Change 4/4:2013/01/17(木) 07:45:16.88 ID:KH+beyGD
 そこから僕の真の戦いが始まったといってもよかった。自分がどれだけノロマだったことか。正直勝ち目は薄いことはわかっていた。
かわいいだけの女を出し抜く手段はいくらでもあるんだ、と自分を奮起させないとやっていけない。しかし僕達は学生だった。SOS団と不思議体験をするのは気晴らしには
ちょうどいいと考えるようになれたけれども、学生の本分をおろそかにするのはもっての他だ。本当は優秀な頭脳を持つ彼を放っておいて、進路を違えるのは
もうごめんだったし、共に堕落していくという選択肢もNoだった。彼の学力を上げ、進路を共にする有効な手段を実行しなければならない。
かつて涼宮さんに告げた一言が自らの足かせになっていたのが問題だったのだが、それも考慮しなければならなかった。
 かくしてSOS団の活動拠点に予備校を加えるという企ては成功した。それは涼宮さんを納得させるための譲歩でもあった。そして僕達は同じ進路を志望することになった。
それはSOS団のあり方が変わっても僕達3人の争いや協定はまだ続くということを意味していた。
 その後僕達はなんとか無事大学生活を送ることができた。大学生活についてなんだが、気持ちの整理がまだつかないので細かい話は差し控えさせてくれたまえ。
ある日僕達はとうとう暗黙のうちに決着をつけようということになった。そしてついに彼は待ち続けてきた言葉を掛けてくれた。
 その言葉は僕がずっと望んでいた願いがここに叶ったことを知るのだった。そうして今日、この日に至るのだ。


 今日をもって僕は再び名前が変わる。名前が変わるのはこれっきりがいい。
指に光るアメジストの輝きがそれを信じさせてくれる。ふとそれを抜いて裏の文字を見る。僕も彼もここに刻まれている名前でお互いを呼ぶまでにずいぶんかかったものだ。
おっとそろそろ出かけると私を呼ぶ声が聞こえる。もう佐々木ではなくなる僕の名前を。くっくっく、自然と昔からの笑い方になってしまう。
だから僕は返事をするのだ。キョンの本当の名前も一緒に呼んで。

「わかったよ。――」
197この名無しがすごい!:2013/01/17(木) 07:50:37.96 ID:KH+beyGD
最後のネタが本題。最近、佐々木さんと指輪ネタをからめたイラストやSSがいくつかあったことに刺激されて書いてみた。
自分は順当な佐々キョンいちゃつきネタが書けないけれども、
無限にある佐々木ルートの一つの結末をダイジェスト版でイメージしてみました。

可能であれば投下ペースを上げたいものですが、定期的に投下されている方々にはかないません。
こっちはこっちで頑張ってみます…。
198もしもハルヒと佐々木の声が似ていたら:2013/01/17(木) 09:27:10.59 ID:6ToRuRYf
「やっぱり閉鎖空間発生しても困るな。SOS団に関する事案は却下だ。古泉や長門に殺される。」
ちっ。つまらない。そう考えていたら、キョンはかなりきつく私を睨む。
「佐・々・木?」
……うむ。憤懣やる方ないが、致し方無いね。
「逆に反転なんかどうだ?普段ハルヒがしそうにないような事なんか。」
それは楽しそうだ。涼宮さんは、普段あまり評判が芳しくないみたいだし。
「くっくっ。よし。ならやってみるか。」
当然手伝いたまえよ?キョン。……おや。早速お困りの一団が。
「コンピ研の連中じゃねぇか。」
モニターの前で固まっているね。プログラミングだな。
「あんた達、何やってんの?」
「げぇ!涼宮!」
皆が小波のように引く。……普段、どんな行いをしているんだい?涼宮さん……。
「何でもない!あっちに行け!」
「いいから見せなさいって!」
ああ、どうやらプログラミングのミスらしいね。関数の応用か。ふむ。暫く見てみよう。
「これ、こことここの数式が変。」
数式の間違いという初歩的なミスだ。見落としがちではあるがね。
「あ、な、何だと……?」
センター分けの男の子が絶句する。
「初歩的なミスだけど、これはありがちよ。人間なんて完璧じゃないからね。
……あと、チートコードは感心しないわ。」
「お前ら、またか……」
後で詳しく聞かせたまえ、キョン。ともかく、後は笑顔で締めればいいわよね?私は、穏やかに微笑んで見せた。
「やるなら、正々堂々。シンプルだからこそ奥の深いゲームが一番よ?面白いゲームを期待してるんだから!」

よし、決まった!

「…………」
む?ど、どうした?キョン!キミまで!僕の笑顔は変だったのかい?!
「ささ、いや、ハルヒ。ちょっと来い。」
い、痛いよ、キョン!何よ!

外まで引っ張り出される。
「……すまん。やめてくれ。頼む。」
「何がだい?」
「お前みたいに穏やかに微笑むハルヒなんて、反則だ。」
妬けるんだが?フラクラめ。
「それに、だ。お前の微笑みを、他の連中に安売りして欲しくねぇ。妬けちまう。」
ほう?くっくっ。それは良い事を。この私の最も好きなものの1つは、キミのヤキモチなんだがね。
199もしもハルヒと佐々木の声が似ていたら:2013/01/17(木) 09:55:45.53 ID:6ToRuRYf
キョンは、私の腰を抱いた。
あ、これはまずい。勢いに流されそうな……

「佐々木……」

はッ?!そうだ!今、私は涼宮さんに変装中!キョン!ダメよ!浮気は許さないよ?!私はキョンを突き飛ばした。

「………………」
落ち込みのブラックホールに沈む、キョン。胸が痛むね、流石に。私はキョンを後ろから抱き締めた。
「……ごめんね。妬けたの。あんたは、『佐々木さん』が一番好きだものね。
だから、あたしにキスするのはダメよ、キョン……」
「ああ。すまん。……『ハルヒ』。」
くっくっ。やっぱりキミはいつも『私』も『僕』も理解してくれる。……こんな変装してなきゃ、今頃……ちくしょう。そう考えたら悔しいな。
「興が覚めたね。帰ろうか、キョン。」
「だな。……って、谷口!朝倉も!」
教室のドアが少し開いていたみたいだ。朝倉さんとやらは、真っ赤な顔をしながら俯き、谷口くんとやらは、決まりが悪そうにネクタイを弄っている。
端から見たら、涼宮さんがキョンにあすなろ抱きをしている…それだね。

「「えーと、すまん(ごめんね)。ご、ごゆっくりいいいいいい!」」

二人が駆け出して行く……。
「面白い人達だね。」
キョンは真っ赤になり、顔を押さえている。
「変な噂にならなきゃいいんだが。最低男の謗りは免れたい。」
200もしもハルヒと佐々木の声が似ていたら:2013/01/17(木) 10:31:46.16 ID:6ToRuRYf
翌日。
昨日のハルヒは、ドッペルゲンガーに違いないという話になっていた。
「……サイテーですぅ……」
朝比奈さんの冷たい目が痛い。佐々木の悪戯に付き合った俺も悪いんだが……あることないこと触れ回った、谷口と朝倉のアホはどこに行きやがった……!

……それから。
北高では暫く、佐々木のドッペルゲンガーが出た。
やたら活発な佐々木。
無口で本を愛する佐々木。
常に柔和に微笑み、喉仏のあるごつい佐々木。

この三人の佐々木が一堂にいた時は、さすがに恐怖以外なにもなかったが。因みに一番でかい佐々木は、バレバレだった。

何考えてんだ、古泉!

「んっふ。」

END
おまけ。無口な佐々木ドッペルゲンガーと、佐々木の出会い
「……ドッペルゲンガーを見たら、死ぬ……」
「そ、そっくりだね、気持ち悪い位似てるよ。外見は……。」
「……情報操作は、得意……。」
「長門かよ。全く。ドッペルゲンガーじゃねぇんだな?」
「……違う。私はドッペルゲンガー。だから、私を見た佐々木○○は死ぬ。
パーソナルネーム佐々木○○を敵性と断定。当該対象の有機情報連結の解除を申請す……」
「長門おおお!やめろおおお!」

おまけその2。活発な佐々木ドッペルゲンガー。
「キョン!僕は今、キスがしたい!今からしなさい!」
「……お前は何を考えているんだ、ハルヒ……。」

今度こそ終わり。
201この名無しがすごい!:2013/01/17(木) 10:50:14.98 ID:6ToRuRYf
>>185
そうします。毎度すみません。

>>182
凍傷にかかると、寧ろ手が熱を持つ場合もありますので……。ポンジーの手は凍傷にかかっていた、ということでw
妹ちゃんの年齢は、ご想像にお任せします。私は妹ちゃんが中三の時は、みくるばりの体型だと(ry

>>189
そっちにしようとも考えましたが、ハルヒが可哀想なので控えましたw

>>190>>192
乙です!
アンダンテな感じがたまりません。続きが楽しみです!

>>193-197
乙&GJ!
やっぱりこうした話は、見ていてほっこりしますね。
私も主題は同じでも、やたら冗長になりすぎるので、現在少し練り直しをしています。
202この名無しがすごい!:2013/01/17(木) 19:47:52.31 ID:fRNoIbKF
>>190>>192支援
遂に、遂に直接対決ですな!退くな譲るな佐々木さん

>>193-197乙乙乙
ダイジェストのみならず、個別(特に後半)も見て見たかったりw
あと指輪ネタ関連の佐々木さんイラストについて詳しく

>>198-200これまた乙乙!
佐々木さんに独占欲を抱くキョンはやっぱ良い
ドッペル佐々木さんの朝比奈さんVer.が現れなかったのはさすがSOS団の良心かw
203この名無しがすごい!:2013/01/17(木) 23:48:52.76 ID:fRNoIbKF
おやすみ佐々木さん
204ふたりぼっち(1/2)※軽度な鬱注意:2013/01/17(木) 23:57:55.29 ID:6ToRuRYf
「生きていくうえで、誰しも皆、ひとりぼっちなんだろうね。」
「そりゃそうだろ。」
俺は相槌を打つ。……所詮はそんなもんだろう。最後に頼りになるのは、自分しかいねぇわけだからな。
半裸の佐々木が身を起こす。
「キミと僕も、一緒にいてひとりぼっちの寂しさを癒しているように思えるよ。」
「一夜の宿かよ。都合のいいこった。」
「くっくっ。」
俺と佐々木がこうなったのは、一月位前。恥ずかしい話になるが、俺は涼宮達に誤解がもとで虐めを受けてな。
全部片付けて、その後にたまたま再会した佐々木と、こうした関係になっちまった。
「俺はお前を使って、喪失感を埋めているつもりはないが。」
「僕もだよ。まぁ、ヤマアラシのジレンマだね。お互いに。」
良くも悪くも、佐々木と俺は近すぎた。近すぎただけに、お互いにわかってしまう。お互いが、どんな状況でひとりぼっちになったか。
そこはお互いに触れられない。
「キョン。もう一度するかい?」
「そうだな。」
お互いに触れている時間。それが最も癒されるが、最も傷付く時間だ。
俺はハルヒに惹かれていたし、まだ未練はある。戻れるならまた戻りたい。
佐々木は、俺を真っ直ぐに見ているからこそ、俺の思いに傷付く。
近くにいるのに、こんなに寂しい。

「いつか、時間が癒してくれるさ、お互いに…。」

SOS団は、現在も存在はしている。但し、長門は力を失い、朝比奈さんも未来に帰られず、古泉も能力を失った。
涼宮は鍵が無くなり、能力が消えた。
最後の願いが、SOS団との繋がりだったのだろう。鎖に縛られた長門、朝比奈さん、古泉を哀れには思うが、俺には関係ない話だ。彼らは、俺を仲間だと思っていなかったわけだしな。鎖を解いてやる理由は、何もない。
涼宮は、俺をSOS団に戻そうとしているが、答えは絶対にノーだ。もう付き合いきれん。

結局皆、ひとりぼっち。それだけの話だ。
205この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 00:08:02.07 ID:2a/RmZU2
正月明けから移転派のフリしたアラシがまたやらかしてたね
ここだけじゃなく喜緑さんとこと九曜さんとこも削除依頼出してた
もう一つの妄想独り言スレ(一人で900以上のレス書いてる)は消えてもいいとして……
橘さんとこが依頼されてないのが逆に気になる
気づかれなかった……のか? それはそれで……(ToT)

つーか、いい加減サロンの意味分かってもらいたいもんだ
前に消えたのも削除人の知識不足によるものって自治スレでも言われてるのにな
その後もすべての削除人が相手してないの分からないんだろか?
206ふたりぼっち(2/2):2013/01/18(金) 00:09:16.83 ID:cOTKL+u7
佐々木は、執着された男から嫌がらせを受けた。
橘達がいなくなり、精神的に一番傷付いた時だったので、かなり堪えたようだ。
再会したときの俺達は、まさにボロボロだった。お互いに涙を見せはしなかったが、一目見て理解しあった。傷付き、疲れ果てている、と。
結局は、お互いに暖かさを求めて、お互いに優しさを求めた。だから、佐々木はお互いのエゴイズムについて、ひとりぼっちだと言ったんだろう。
そうした意味だと、皆、ひとりぼっちなんだろうな。
今は不甲斐ないが、いつかお前に言わせてみせるさ。

「キョン。ふたりぼっちだね。」

とな。

寝息を立てる佐々木の髪を撫で、俺は佐々木にそう誓った。

END

解説。
『最悪の方向に回った歯車』がテーマ。
サブタイ、『みんなぼっち』。

お目汚し失礼しました。
207この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 00:18:37.49 ID:2a/RmZU2
>>206
途中割り込んで申し訳ないですm(_ _)m

二人は結ばれて欲しいがこういう結ばれ方は後々なかなか続かないもの
悲しすぎる
208この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 00:50:54.63 ID:fdg5RQ2N
読んで頂きありがとうございます。

>>200
この話の長門はまたエラー溜まりまくっているんじゃ…。
古泉も壊れているしwww

>>201
同じテーマでも書く人によって盲点を突かれるような視点もあるんで楽しみです。

>>202
イラストはpixivで探してみてください。「佐々木」で探して新しい順から見ていけばいくらか見つかるはず。
元々上手くないんで思いついたもの、書けるものから時系列もランダムにしか書けないんで。
(どっかからフレーズやネタを引用したり…)
あの話とあの話はひょっとしたら繋がっているかもね程度が今のところ精一杯です。
余談ですが、宝石のネタは過去に話題に上がっていたのを一部使わせて頂きました。石言葉や色もよさげだったので。

>>206
乙です。
これは…、2人がどんなひどい目、つらい目にあったか想像すると鬱になれますな。
209この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 01:51:02.93 ID:cOTKL+u7
宝石ネタなら……

佐々木…『タンザナイト』
キョン…『ブルーサファイア』
ハルヒ…『ルビー』
長門…『ダイヤモンド』
みくる…『ムーンストーン』
古泉…『アンバー』
九曜…『キャッツアイ』
ポンジー…『アレキサンドライト』
きょこたん…『瑪瑙』

だと思う。
因みに、タンザナイトは割れやすいから注意!アメジストも脆い宝石です!取り扱いには注意!
キョンは、ラピスラズリやターコイズでも。どちらも幸運の御守りです。
210この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 08:18:51.50 ID:Bhj3MNz5
佐々木さんはガーネットとかも候補になる
211この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 12:43:35.79 ID:PRi7AJHi
>>206
乙ーだけど悲しい…
そういえば昔vipのいじめSSでも佐々木さんENDあったね
あっちのキョンは力ずくで跳ね返したけど

宝石ネタ、オパール説も追加で
212この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 13:13:22.50 ID:cOTKL+u7
>>207
救いは入れてました。
ハルヒの能力消失=キョンの吹っ切り
キョンの未練=皆の日常
後は、佐々木次第です。

>>208
若干の蛇足を加えます。

>>211
キョンいじめは、胸糞ものから救い無しまで様々ですね。
あのキョンは、バイオレンスでしたね。こちらのキョンは、程遠いですw
213この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 18:53:51.84 ID:uPhltlVS
こんばんは
214この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 19:30:13.10 ID:PRi7AJHi
食指をそそられる番組がさっぱり無いです佐々木さん
215佐々木さんのキョンな日常:2013/01/18(金) 19:32:29.97 ID:/9MKtul/
    佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企み その7

 少しの間、私達はお互いに何も言わなかった。周囲の音がやけに大きく聞こえた。

 「最初から駄目と決めつけると、みすみす手に入る物を見逃すこともあるわ」
 沈黙を破ったのは涼宮さんだった。
 「佐々木さん、キョンとあなたの間には強い信頼関係がある。それこそ、誰も入り込める隙が無いほどね」
 信頼関係。私とキョンを結ぶ絆の一つ。
 「皆はあなた達の間に入る事は不可能だ、て言うけれど、でも本当にそうかしら?」
 涼宮さんの口元に浮かんだ笑い。体育祭の騎馬戦の時に浮かべていた、何か企んでそうなあの笑い顔。
 「人の考えは、心は変わる物。キョンがあたしや佐々木さんの考えを変えたようにね」

 「キョンの心も変わると?」
 「あり得ない事じゃないわ。全て物事は変化する。永久不変なものなんてないのだから」

 小学校最後の年、私の両親は離婚した。それまでの姓から、私は佐々木という名字に代わった。
 私のとってそれよりも衝撃的だったのが、あれだけ仲が良かったと私が思っていた両親の姿は、一面でしか
無かった事、人の心が変わる事だった。
 涼宮さんが言っている事は正しい。人の思いは、心は変わるのだ。
 けれど、だ。

 「そうね。涼宮さんの言うとおりなんでしょうね。人の心は変わりやすい。それは確かなんでしょうね、でも…
…」
 一息ついて私は言葉を続ける。
 「変わりやすいからこそ、その思いを大切にしたいから、人は努力するのよ。その思いを守り、より強くする為に」
 私の気持ち。守りたい、強めたい思い。キョンを思う心。
 「涼宮さん、あなたはとても魅力的な人だわ。キョンの心を捕える事が出来るのかもしれない。けれど、あなたに渡すつもりはないわ」
 キョンを、キョンの心を。

 「宣戦布告とうけとっていいのかしら。でも、少し意外だったわ」
 「何が?」
 「佐々木さんがこんなに情熱的だったなんて。冷静で落ち着いた人だと思っていた」
 私の中の”女”の部分。理性だけでは測れない感情の源。
 「誰にでも意外な面はあるのよ。私にも、そしてあなたにも」

 それから、私達は再び歩き出した。
 直球勝負で、涼宮さんは来た。でも、その方がわかりやすい。私も受けて立つ。
 彼女のキョンに対する思いと、私のキョンの対する思い。
 どちらがキョンの届くのか。
 「おもしろくなってきたわ」
 涼宮さんはご機嫌だ。
 「そうね。楽しくなりそうね」
 私もくっくっくっと笑った。 

 
216この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 20:18:44.12 ID:PRi7AJHi
>>215乙ー
今回出てないけど、きっと裏でやきもきしてるであろう古泉にも頑張って貰いたい
是が非でもハルヒを捕まえれ
217『ふたり』:2013/01/18(金) 21:00:04.41 ID:cOTKL+u7
※『ふたりぼっち』の続編。ハッピーエンド。

「今日は暖かいね。」
今日は陽射しが暖かい。
佐々木はよく笑うようになった。再会した時の自嘲的な笑いでなく、自然な笑顔で。
「佐々木、手を繋ぐか?」
「くっくっ。拒否すると思うかい?」

キョンが笑う。前みたいな沈んだ表情でなく、安心した表情で。
最初は、精神的な飢餓を埋めるようにキョンを求めていたが、最近では肌を重ねる回数は減った。……代わりに、その、ね。これは私の口からは言えない。

思春期頃の中学生みたいに、佐々木を求めていたのは何だったんだろうな。最近では、一回に時間かけるから、回数は激減している。
それに、こうして手を繋いで、キスするだけでも充分満たされるからな。こんな小学生みたいな事でも充分じゃないか。

「キョン。アクセサリーを見に行かないか?」
「アクセサリーか。いいな。」
繋いだ手に力を込める。手汗なんて気にしない。このような時間があるなら、ひとりぼっちだった高校時代は、前ふりとして許してやりたい。

もう、俺達はひとりぼっちでも、ふたりぼっちでもない。
大学で、当たり前に友人を作り、当たり前に環境に溶け込み、それでもお互い近くにいたいから、俺達はふたりになった。それだけだ。

アクセサリー屋の話は除外するぜ?宝石なんて分からんからな。
ただ、結構なお値打ちのものが40%オフであり、佐々木の左薬指にしか入らないサイズだった。
今、薬指を見ながらニヤニヤしている佐々木を見て、判断してくれ!ああ、今月はもう塩ご飯しか食えねぇ!
佐々木は、俺に寄り添いながら、穏やかな笑みを浮かべた。俺が一等好きな、佐々木の本来の笑顔。
「キョン。」
「ん?」

「ふたりだね。」

END
218 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/18(金) 21:04:15.56 ID:W9hE3dtB
乙です
219この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 21:09:46.80 ID:PRi7AJHi
おつおつ(´ω`)
のんびり幸せ噛み締める二人いいなあ、塩ご飯でも心が満たされてるからダイジョーブ!きっと!!
……まあ、倒れたって佐々木さんが看病してくれるさw
220 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/18(金) 23:55:19.03 ID:W9hE3dtB
おやすみ
221この名無しがすごい!:2013/01/18(金) 23:56:54.39 ID:XXzdgGIT
佐々木かわいいよ佐々木
222いじめは駄目だよね:2013/01/19(土) 00:49:12.20 ID:7LMWJ0DC
いじめかい?、中学時代にあったね。
そりゃ陰湿だったよ。無視も日常茶飯事でキョンと二人ぼっちだったよ。
いや、別に辛くはなかったさ。世間に注視すほど出来た人間では無かったし
彼が居てくれたからね。
どんな目にあったかって?、たとえばね。

席替えでくじ引きによる厳選な抽選であっても傍に座るのが嫌なのか
いつもキョンと隣になる様に入れ替えさせられたり。
他にも体育祭で二人三脚のペアに知らないうちに組まれたり。
あと、文化祭で劇をする事になったんだけど、他薦で主役をやらされたね。
民主主義は数の暴力とはよく言ったね、2対多数で可決さ。
題材は何かって?
台本は創作物でね、姫と王子役さ。
最後に愛を語らされてね、とにかく恥ずかしくて堪らなかったよ。
修学旅行だったそうさ。
班決めでも辛うじて国木田達に誘われたくらいだし。
自由行動で同姓から笑顔で取り残されてぼっち。
キョンも同様だったらしく、いや暴力を振るわれて背中にたくさんの紅葉が出来上がっていたね。
優しい彼は慰めてくれたよ。二人で居る間は手を繋いでくれたんだ。
おかげで楽しい時間を過ごせたさ。
帰ってからも大変だったね、部屋で取り囲まれて尋問さ。
どこに行ったか、何をしたかすべて白状させられたよ。
何がササキサンダイターン3だよまったく、いつもどおりなのにね。
高校になってからはさすがにいじめは無くなったけど、同窓会では復活さ。
キスコール。あれには参ったね。
でも察していたから事前に二人で練習しておいたんだ。
傑作だったよ、みんな唖然としていたね。
復讐するは我に有りだ!
繋がれた銀糸の橋が口から垂れた後、怒声が上がったよ。いじめ再開だ。
女子から悲鳴が出るわキョンなんか男子からタヒねコールさ。
もうキョンにしがみ付いて難を逃れるしかなかったよ
って、みなさん暗い顔してどうしたんだい?

女子一同(´・ω・`)ショボーン

きょこたん「それいじめじゃなくてクラス公認じゃ……」


おわり
223この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 01:19:07.71 ID:7LMWJ0DC
いじめイクない
リア充爆散しろ
224 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/19(土) 01:21:53.73 ID:ZxLxkOJg
225この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 01:38:06.00 ID:nMY2Im/a
>>211
俺がみたやつは終わり方が2パターンあるやつだけど、それのことだろうか。
みんな謝ってくれて佐々木さんと一緒になるのと差し伸べられた手をつかめなかったのと。

>>215
ハルヒはそういうところ正々堂々って感じだしね。

>>217
これは終わりよくてすべてよしってやつかw

>>222
いじめちゃうねん、野郎は壁殴りを本人にかましただけw

そういや佐々木さんはクラスで変な風に浮きはしなそうだ。
自覚的にKYなこということはあっても、肝心なところは協調的に溶け込むように動くから
平凡と自己評価しているのだろうか。
226この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 07:40:22.82 ID:HIudiqGI
>>222ワラタGJwww
愚痴にかこつけた惚気話とは素晴らしひ

>>225たぶん
救われない方のは見てないというか断念したなあ、暗い話はOKだけど、汚い話はNGな人なので
227この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 09:35:48.42 ID:QPd1KEM0
>>222
GJ!男性陣のリアクションについて考えてみた。

ノロケ話を聞き、致命傷を負い倒れる藤原に、谷口が駆け寄る。
谷口「おい!」
藤原「谷口……お前はなるべく……い、生きろ……」
谷口「お前こそ生きろよ!……藤原……死ぬな……死ぬなぁっ!」

藤原の目が閉じる。

谷口「藤原……起きろぉっ! 藤原ぁ──っ!」

佐々木「……何をやっているんだい?彼らは?」
キョン「知るか。……しかし、仲いいな。あいつら。」
〜非リア寸劇、平成ライダー篇〜
228 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/19(土) 09:43:13.83 ID:ZxLxkOJg
おはよう
229この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 12:33:51.54 ID:QPd1KEM0
週末恒例、即興ネタ拾いタイム。

先着二名様で。
シチュエーションと、
佐々木→キョンか、佐々木→←キョンか、佐々木←キョンか、佐々キョンを明記にて。
230この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 13:43:06.25 ID:toHjIM6B
>>222
いやもう、素晴らしいわー。
最初は眉をひそめていたのに、
行を進めていくごとに顔がにやけて困った困ったw
あとはもう子宝爆発しろ。
231この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 13:45:20.51 ID:HIudiqGI
ドラクエの世界に魔王として放り込まれてしまった佐々木さん、キョンとの再開はいつ何処で?
当然佐々キョンは崩せない
232この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 14:06:15.39 ID:1EGMBJo7
>>231
親友が魔王になる話は定番だよね
233この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 15:03:23.28 ID:toHjIM6B
くっくっ、世界の半分を君にやろうじゃないか
234この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 15:31:02.96 ID:rHoE2CfD
佐々木は魅力的なキャラクターだな。恋愛対象とするより話していて楽しい感じがする。
驚愕(前)のシャミセン膝に乗っけてる挿絵が可愛くて気に入っている。

最近のラノベのヒロインとか、胸がデカいだけで頭の中が空っぽの性悪女とか、○○財閥のお嬢様とか生徒会長とか
ファッションモデルやってるのありきたりな設定が付けられたり、ご都合展開と周囲にチヤホヤされるだけのお人形さんばっかりで
中身でキャラの魅力を引き出しているのが、いないからな。
235僕の勇者と俺の魔王:2013/01/19(土) 15:38:33.14 ID:QPd1KEM0
魔王。それが僕の役割だ。
このドラクエ的な世界で、私は魔王として生きている。

「早くきたまえ。……キョン。」
地下に作った庭園。花と水に囲まれ、光に満ちたこの空間。台座に腰を掛け、私はひとりごちた。

「なんつー広い城だ……!」
魔王の城なんて、おどろおどろしいものを想像するが、この城は違う。
大理石に囲まれ、太陽光が織り成す幽玄な光景。そして水音が響く、安らぎに満ちた空間。
モンスター達が笑いさざめく声がし、侵入者である俺にも無視だ。いや、友好的ですらある。
「(古代ローマの城みてぇだな。ルネサンス期のようでもあるが。)」
建築様式の統一。そして趣味からして、俺の身近にいる人間での心当たりは、一人しかいない。

城の最深部に着く。ここもまた、手入れが行き届いた庭園だ。

「くっくっ。ようこそ。」
魔王が姿を見せる。
「やっぱりお前かよ、佐々木。」
佐々木は相好を崩す。
「ああ。久しぶりだね。お茶でも飲むかい?」
「……ああ。」
久々の再会。魔王が佐々木である事は、想像してはいたんだが……やはり悲しいものだ。魔王と勇者は戦う運命。前からそう決まっている。それがお約束だ。
紅茶を飲みながら、庭園を見る。佐々木は、ぽつりと言った。
「……勇者、いや、キョン。どうだい?」
「世界の半分を、ってやつか?」
「そんな使い古されたセリフは言わないさ。」
おや?佐々木の頬が赤い。
「僕の世界をキミにあげよう。対価はキミの世界を僕にくれることだ。イエスなら、戦争は終わり。ノーなら、世界を滅ぼして僕も死のう。」

こうして、世界は救われた。勇者と魔王の子達は、人間とモンスターの架け橋となり、共存共栄したのである……。

「こんな世界、あたしが滅ぼしてやるわ!」
「エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー」

新たな火種は残ったが。

END
236この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 16:40:37.06 ID:nMY2Im/a
>>227
朝倉がイライラして無差別に襲いまくる図が脳裏に浮かんだw

>>234
何も特別なことしてないのに普通に会話しているだけなのに、いちゃついているようにみえる手法は
自分の知っている例はあまり多くないけど、たいていのは頭を使った雑談ということがポイントじゃないかと。

>>235
乙。キョンが勇者という設定は案外斬新かも。
ハルヒ劇場や戸惑の影響でキョンの職業はただの(?)一介の戦士というイメージだったんで。
237この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 17:54:59.75 ID:HIudiqGI
>>234
猫と戯れる佐々木さん確かにかわいい

佐々木さんが拾ったなら、シャミセンに代わってどんな名前を付けたのだろうか

>>235おつおつ
最後の2人は新たな魔王と異世界からの侵略者みたいな感じかw
二者を相争わせて、弱ったところをまとめて叩きましょう佐々木さん
238 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/19(土) 18:04:35.79 ID:oWLFiiEs
乙です
239この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 18:37:51.51 ID:HIudiqGI
ところで>>229の人がせっかく先着2名としてくれてるのに、他にリクエストしてる人が居ない…
他の人のアイデアと、そこからどう広げてくれるのか見てみたいです
240『ドラクエの続き』:2013/01/19(土) 21:33:02.22 ID:QPd1KEM0
勇者と魔王が結ばれる。んなもん他からすりゃ、面白いわけないわなぁ?
しかも俺なんて、ただ単にたまたま筆記試験に受かっただけの似非勇者って言われてたのによ。
故郷に佐々木を連れて凱旋したら、案の定拘束されちまった。やれやれ。
「キョン。子どもの名前は何にする?」
「お気楽だな、お前は。」
佐々木は編み物をしている。因みに拘束は1秒で外された。佐々木が焼き切ったそうだ。
「お気楽だよ。僕は一国の元首。そしてキミはその伴侶。それを拘束するなんて、外交問題になるから。普通に。
どこのトンチキが考えたかは知らないけど、戦力差がありすぎる国に対して戦争なんてやるものじゃない。仮に僕達を殺せば、その瞬間がこの国の終焉さ。
それに。見ただろう?あの兵士達の怯えた表情。個体としての能力で、魔王に敵う者はいない。よって殺される事はないよ。」
確かにな。魔王は最強の存在だ。勇者を除けばな。

似非勇者の俺と違い、本物がいるんだよ、伝説の勇者が、この国には!

「キョン……」
階段から音がする。……フリフリのドレスに着せられた、伝説の勇者……涼宮ハルヒ。
「ウェディングドレスじゃないか。上質な絹をふんだんに使った、贅沢品だね。」
や、やめろ、佐々木……
「お久し振りね、女狐……!」
剣が一閃したかと思えば、牢屋の格子がチーズみたいに切れた。
「ひいいいいいい!」
後退りする俺の前に、佐々木が出る。
「くっくっ。祝福に来てくれたのかい?そのドレスは、私への御祝儀かしら?涼宮さん。」
「そうね、あんたの血にまみれる事になるからね。棺桶で着せておいてやるわ。」
二人の間に火花が散る。
そして。
「エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー」
無機質な声が響く。……この声は……
「長門……!」
機械の町の長門有希。対人無敗の女。仮に1対1なら、その戦闘スキルは勇者をも凌ぐ。
しかし、対モンスターにはあまり強くはない。
「迎えに来た。」
長門はそう言うと、俺に真っ直ぐ向かう。立ちはだかるのは、ハルヒと佐々木。
三竦み。ハルヒを倒せば、長門が佐々木にやられる。
佐々木を倒せば、ハルヒが長門にやられる。
長門を倒せば、佐々木がハルヒにやられる。

羨ましいか?いつでも代わってやるぞ?ただ、死んでも文句言うなよ?流れ弾に直撃しちまい、俺は床に倒れた……。次に気付いた教会でも、三人の争いに再度巻き込まれて殺されたが。
どうやら『平穏』からは程遠いな。やれやれ。

END
気が向いたら続けます。
241この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 21:33:10.94 ID:sOuavgke
>>234
言いたい事が解らなくもないが、他のラノベのヒロインたちへの悪口は程々にしとけ。
他キャラを引き立て役にして、自分の好きなキャラをageようと企んでると思われるから。
242この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 21:58:29.18 ID:HIudiqGI
>>240
続くんかwww乙乙
キョンの心中(『しんちゅう』ね、間違っても『しんじゅう』ではない)お察しします
243この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 22:01:23.31 ID:Zv88LPmh
職人さんたちには毎回楽しませてもらってます。
ネタ一つ仕上げるのに数週間かかる俺にとって、即興で良作を生産し続ける皆様の才能が、羨ましい限りです。
では>>229にリクエストをば。

       /| |   jllji| :.:i.:o |.:.:.:|.:.: :|:.: : :}.:oli!jli
     / dL| |   lilill!。.:l_:l_:|_:j_:イ: : jlilil|
     | 〃dtl |   li il|ヽ:.{ヒ:ツ    ヒツj: 。:|iiil!!
     lN ./ .. |   |jilil: :八 。   ,   / : : |liil!l
     |/   |   .jil li| .: .:jト .  -   ..: .: .: :lili!l|
            |  ,/jlil!il ̄o ̄ ゚̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄li!lljl
         ┌‐┐il!jliilj__゚___。__ ljli!l'|
..      c ,. -‐- 、 . , --ー- 、===========liil!|,l,
     c ,'. /  ト、 ソ/    ヽ: : : : : : .j!lilj,il
.     / i. ((从ソ 从ハハハハ.  ! : : : : : ノjljil!.iゝ
   /,.  l (| /////i!l  ─ iリ) !~⌒~⌒~⌒~⌒~)、
 /, (⌒ハNiヘ '' C''ノハ!ゝ''' ノリル':: ::::: ::: :::::: :  ~:,)
 |l (     Dにづ゙iづどニi`!..: ::::::: ::: ::::::  ~:: ノ"
 ||,ゞ、    ゞ くュュュ,ゝ.:/'T ン.::. : ::: ::::::  ,,~:: ~ノ"
 |l⌒~⌒~⌒~⌒゙\ン_ン〈_<__/⌒~⌒^⌒^⌒~ )~ノ"
 ||l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_l_n_::;'∧∧  オイラードラマー
 ||ー'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-'-||っ-x-)っ ユキヤマドラマー
244この名無しがすごい!:2013/01/19(土) 22:49:11.02 ID:dlMR56dy
(嫉妬の)荒らしを呼ぶぜ〜
245『SWEET SWEET SWEET』(1):2013/01/19(土) 23:11:08.29 ID:QPd1KEM0
今週末。
彼氏が泊まりに来いという事。つまりそれは。

「……すずめさん、今日もいい感じにほっぺた系だね……そのまま僕の心も、夢の世界に飛ばしておくれよ……」
「何言ってるのですか?佐々木さん?」
変なモノローグを入れていたら、不意に橘さんに声をかけられた。
「お、おはよう、橘さん。」
「おはようです、佐々木さん。」
にっこり笑う橘さん。……首筋に、季節外れの虫刺されがあるんだけど……そこはやはり聞いておくべきだろう。後学の為にも。
「ああ、キョンさんとついにですか。」
「うう……。」
正直言って戸惑っている。橘さんは古泉くんだから、色々慣れていただろうけど……
「古泉さんが?冗談はやめて欲しいのです!余裕はないわ、最悪でしたよ!」
え?意外。モテそうだけどな、古泉くん。
「優しいのは優しいですが、案外粗忽なのです。今は慣れて、スムーズですが……最初は最悪でしたね。」
「…………」
こ、古泉くんで最悪レベルか……!キョン、この時ばかりは許すから、誰かと経験していたとか……いや、ないなぁ……。
涼宮さんなんて、性道徳に関しては見本のような人だし、長門さんは、そもそも性自体に関心がない。
朝比奈さんは、強引さがないキョンに、彼女が口説けるとは思えない。

おめでとう。初めては私のものです。

いやいやいやいやいやいや。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
私は頭を抱えた。
そんな私に、藤原くんが声をかける。
「佐々木。既定事項だ。これの使用を忘れるな。オカ○ト社の最高級……ぐほぁッ!」
ナイス、橘さん。余計なお世話だよ、セクハラ男。まぁ使うけど。で、キミは経験あるの?
「だから言っているだろう。現地人との性行為は、禁則。未来に未知のウィルスを持ち込む可能性や、子どもなどの……」
「いや、未来で。」
聞きたくもないけど。正直あんまり関心ないから、答えなくとも……
「どどどど、童貞ちゃうわ!」
ああ、いや、わかった。うん。キミは非童貞だ。わかったから、何も言わなくていいよ。
246『SWEET SWEET SWEET』(2):2013/01/19(土) 23:46:40.94 ID:QPd1KEM0
運命の日を迎える。
夕方7時。私は夕飯の買い物を済ませ、キョンの家の前に立った。
横入りする御婦人、レジまで辿り着いたら、財布が見当たらずにポケットを探ったりして、まさに挙動不審を絵に書いたようだったが。
インターホンを押す。
「よう。佐々木。」
「やあ、キョン。」
……うん、気まずい。まさに、これから『やりますよ』って空気だ。
「き、キョン。材料買ってきたから、夕飯を作ろう。」
「あ、ああ。よし、やっちまえ!」
台所に立ち、夕飯を作る。とりあえず、栄養価から考えてサラダは欠かせない。

キャベツは細く細く刻んで、お水をしっかり切って。
リンゴはウサギに変身、1つは食べて7つ飾るわ。
特製ドレッシングには、私の愛をたっぷり注いでシェイク。

……したつもりなんだけどね。切って盛っただけだというのが正しい、かな?
作り慣れてないせいか、全品、なかなか豪快な出来だ。

「……うん。うまい。」
「そうか。それは何よりだよ。」
キョンは無言で箸を動かす。豪快に掻き込むものだね、男の子って。
「うめぇよ。毎日でも食いたいぜ。」
「くっくっ。まるでプロポーズだね。」
「ああ。そうだな。」
……この天然ジゴロめ。血液が顔に集まるのを感じる。
洗い物を済ませて風呂に入り、キョンの部屋に。

電気を消してあるのは、彼の気遣いだろう。
より緊張するが、それはまた仕方ない。
ベッドの横に座る。……キョンからのキスが来た。
ん、んん、や、やっぱり怖い……!キョン、やめ……

ん?
247この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 00:04:25.46 ID:iQ9QuQCY
!?
248佐々木さんのキョンな日常:2013/01/20(日) 00:30:04.42 ID:XsTdl+DB
       佐々木さんのキョンな日常 涼宮ハルヒの企み その8

 ”感情なんてものは人類の自律進化への道を阻害する粗悪な遮蔽物としか思えない。特に恋愛感情なんて
のは、一種の精神的な病だよ”

 中学三年生の時のキョンとの会話。しかし、”真実”を知った今、”私”は重大な疑問を持つことになった。
 自律進化の過程。統合思念体や、天蓋領域の存在が関心を持った、涼宮さんの力。”私”が”契約”によって
行使することになった”力”の鍵は、”感情”。
 ”私”の考えは間違っていたことになる。
 長門優希。涼宮さん、そして”私”と並ぶ自律進化の可能性の具現者。統合思念体により生み出されながら、
自らの意思と過程において進化し”長門優希”となった。
 3人に共通するものは・・・・・・

  ”鍵”
 その名称で、涼宮さんに関わった組織及び存在すべてに観察されていた存在。 

 「なんだ、佐々木達の方が先についていたのか」
 キョンがSOS団の団員たちとともに集合場所へやってきた。
 「何か面白いものはあったか?」
 「ああ、あったよ。かなり興味深いものがね。涼宮さんと二人で見つけられたよ」
 私も涼宮さんも笑っていた。
 「そうなのか?こっちはあんまり・・・・・・いや、ひとつだけあったな」
 キョンは何故か古泉くんを見た。古泉君の微笑みが若干強張っていた。

 「それじゃ、またな」
 キョンと私は涼宮さん以下SOS団の団員たちに手を振って別れた。
 「行こうか。キョン」
 私は彼の手を取って、歩き出した。
 
 「しかし、SOS団は、毎回あんなことをやっているのかね。単に涼宮の思いつきに振り回されているだけの
ような気がするが?」
 「でも、僕にとってはなかなか有意義な時間だったよ。彼女とゆっくり話してみたいとは思っていたからね」
 彼女の気持ちを知ることもできた。そして、私も彼女に気持ちを打ち明けた。
 「まあ、お前がそう言うんだったら良かったんだろうが・・・・・・ところで、佐々木。話は変わるが、今日の夕食、
うちで食べていかないか?」
 「母親は今日もいないから、君の家で一緒に食事させてもらえるのは嬉しいけど、でもいいのかい?夏休みの間、
散々君の家でご馳走になったから、しばらく遠慮しておいたほうがいいかな、と思っていたんだけど」
 「うちの家族は佐々木が来てくれると喜ぶから、遠慮はいらないよ。佐々木のおかげで俺の成績も上がった、て
母親は喜んでいるし、妹はお前が相手してくれるから来るのを待っているしな」
 キョンの家族。暖かく私を迎えてくれる、私が好きな居場所。

 「それじゃ、お言葉に甘えて、お邪魔させてもらうよ」
 「よし、わかった。ちょっと待ってろよ。今からうちに連絡するからな・・・・・・ん?」
 「どうかしたのかい?」
 「いや、メ-ルが来ていた。母親からだ。『佐々木さんの分は準備してあるから、一緒に食べてもらうように伝え
なさい』・・・・・・よくわかっているな」
 「さすが君の母上だよ」
 私もキョンも声をたてて笑った。

 
 ”涼宮さんが”私”に対してあのような行動に出るのはある種の規定事項だった。彼女の力が”鍵”に由来する以上、
当然といえば当然だ。
 同時にある勢力がなぜ、あのような行動をとり、改変を行ったのもおぼろげながら分かりかけてきた。
 とすると、その勢力が行動を起こすのは”あの日”しかない。
 固定因子が発生する、最後の扉が開くあの日。
 その日まで、私は意識を潜ませる。”私”は少し苦労するだろうけど、キョンとの絆を、彼への想いを強くして
ほしい。
249『SWEET SWEET SWEET』(3):2013/01/20(日) 00:31:17.16 ID:w+zYuJ6m
私はキョンを見た。
キョンは、手が震えていた。

ああ、なんだ。怖いのは私だけじゃないんだ。
そう考えたら、少し安心し。私はキョンの首に腕を回し、キョンの口唇を舌で味わう。
お互いの舌の動きが、少しずつ激しくなる。頭に薄い靄がかかったような、どこか不安定な気分。
ゆっくりと服を脱ぐ。小さな胸だけど、あなたは満足してくれるのかしら。

ただ、あなたのためにだけだから。

静かに揺れる肩越しに、薄く差す月光が見える。部屋を染める薄闇の蒼。

「…………つっ!」
「す、すまん!大丈夫か、佐々木!」
「大丈夫……。」

暫くしたら、痛みにも慣れると思ったけど、痛いものは痛い。
涙でぐしゃぐしゃになっているけど、目を開けた。目の前に、キョンの輪郭がある。
闇に拐われないように、私は腕を伸ばしてキョンを抱き締めた。

「佐々木…もう…」
「……うん……」

キョンと私の手が重なる。ほどけないように、私はしっかりと繋いだ。
胸と胸が触れ合う。
「キョン……。離さないで……」
「……ッ!」
キョンの身体が、二、三度震える。……どうやら終わったらしい。

鈍痛と精神的な満足感で、動きたくない。なんだか泡くっているうちに終わった。そんな感じだ。

「……してみると、なんだか呆気ないものだね。」
「だな。……すまん。初めてで、全く余裕がなかった。」
キョンも疲れはてた表情だ。
「くっくっ。充分さ。」
私はキョンの髪を撫でる。これから、私はキョンの好みに染められるんだろうな。
ただ、私の好みにも染めるけどね。

寝息を立てるキョン。私はその温もりに包まれ、安らぎながら目を閉じた。
250『SWEET SWEET SWEET』(4):2013/01/20(日) 00:53:34.96 ID:w+zYuJ6m
「――観測――――結果――」

「け、けしからん!けしからんぞ!いかん、これは既定事項にない!トイレに行ってくる!」
「……んっふ。参りましたねぇ全く。見ているこちらがドキドキしました。橘さん、いまから……ぐぇ!」
「佐々木さぁん……痛かったでしょ?直に良くなりますから、もう少しの辛抱なのです……」
「はわわわわ……。キョンくん……///」

プライバシーもへったくれもなく、覗かれていた……。
二人がそれを知るよしはないが、あっという間に噂は広まり……

「イライラするわねぇ……あなたよ、キョンくん!」
「朝倉?!な、ナイフはやめ……」

「じゃあ……どうやったらリア充に……なれるのかな……」
「た、谷口?!おい!」

「私はただ……幸せになりたかっただけなのに……」
「ハルヒ?!」

「それにしても……今日は天気が悪い……あなたの顔が……見えない……」
「な……長門……?!」

メランコリックになった一部が、願いを叶える為に13人の生き残りマッチに参戦したとかしないとか。

END
251この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 01:04:30.42 ID:w+zYuJ6m
言い訳。

はい。ドリカムです。
はい。ラストのオチは龍騎です。
はい。直線的なエロシーンを書く事なく、どれだけ隠喩で済ませるかに腐心しました。

はい。途中でこっ恥ずかしくなり、泣きそうになったのです。
キョン視点だとエロパロ行きになるので、除外。

お楽しみ頂けたなら、幸いです。
また来週末にでも、リクエストを受けます。
252この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 02:13:12.09 ID:5K5mcnBf
 
いいぞもっとやれー
             えっちなのは感心しません!
     , -ー- 、
    /,.  / i \    ,.ィ'i^i^i`r、   (⌒)       キョンクーン ササキオネエチャーン
 .  i ノノソハノバリ)  ,レ' ;' "~~` ヽ  /      、   コノトシデ オバサンハ マダ カンベンシテー
    リ(l ─ ─|ソ   ! ((八从リ)))      ( "8'  ̄`ヽ
    `'ハ、 ヮ ,ノ     |.(| | /////| !        リ((ハヾNリi   ∧∧
     〈{つ旦O  .  ノ,(ヨハ '' (フ''ノハ         !、゚ヮ゚(ソ  (-x- )  ドウシテ コウナッタ…
     とi.__,〉_.〉,   (. ( ヽリ(`x'゙)、'リ         (|廿|')    w  )〜
                 こくfi___,(ソ           .'ー'ー″
             __ __ __. __ __ __ __ __.
           〃/二二二二二二二二二∨ /
          i |::::::::::::i!三三三三!i:::::::::!i |!   /
...   Creakily... l |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|i::|l
          i |:::::::::〃 ̄ ̄ /i!:::::::::::::|l::|i
          i |::::::::::il ̄ ̄ ̄i!:i!:::::::::::: |i::|l  \
            ∧::::::::l|:::::::::::::: il::i!::::::::::::!l//
              ~ ̄,」!:::::::::::::::i!::i「 ̄ ̄ ~  Ah, yeah...
           //::::¨¨¨¨¨¨¨ニ二\ヽ
           /∧:::::::::::::::::::::::::::::}}::::::∧ヽ
             ~  ̄~ ̄^ ̄^ ̄~~^~ ~
253まおゆう的なアレ:2013/01/20(日) 02:14:07.39 ID:/MJTlLhe
魔王佐々木「僕のものになれ、遊び人!」
遊び人キョン「俺かよ!!」

遊び人キョン「いやいや暫し待て。ネタ的に勇者を勧誘するんじゃないのか」
魔王佐々木「くつくつ。君は確かに遊び人さ。だが僕は知っているのさ、その正体を」
遊び人キョン「ほう正体とはね。俺にはさっぱりだ」
魔王(以下略つか佐々木)「遊び人とは仮の姿、遠山の金さん的な完全なる法の執行者、
 たとえ勇者であろうと神であろうと法の下に罰の裁定を行う完全なる人の為の正義番人。
 もっとも、遊び人としてそこいらにフラグを立てているみたいだけどね」メラメラ
遊び人(ryキョン)「意味が分から無いし笑えない。話を進めてくれ。お前は本当に魔王なのか?」
佐々木「ふむ、否事を。ほら見てくれ太ももの付け根に魔王たる証の刻印があるだろ」
キョン「待て待て、スカートを持ち上げるな。つか魔王の癖に縞パンを履くな直球ズドンだ!」
佐々木「脈ありだメモしておこう」メモメモ
キョン「くそ色々問題ありだgdgd過ぎる」
佐々木「なぜ僕を受け入れくれないんだい。もしかてアレかい、おっぱいなのか。
 数値的に見れば確かにトップは大きくは無い。でも基本の肢体が細身で脱いだらすごいんだぞ。
 着やせするタイプで限りなくでぃーに近いしぃーカップだなんだぞ
 ぷにぷにだよ。君の掌にジャストフィットのはずだ」
キョン「俺の好みは一先ず置いてくれ無敵過ぎる」
佐々木「交渉の余地有りだね。自虐ネタだがロリ巨乳好きめ、略してロリキョン」
キョン「うがー!!」
佐々木「ん、んん。ともかくだ。好きです、大好きです。マジックアカデミーで隣合った時から好きでした。
 僕をお嫁さんにしてください!」
キョン「……古傷なんだぞ、忘れ様と努力してた。卒業式で告白するつもりだったのにおまえが親友なんて言うから…」
佐々木「ごめんね。あの頃の関係が心地よくて壊れるのが怖かったんだ、後悔してた。今なら言える愛してる」
キョン「…俺もだよ。まだ愛してる。公務員だし生活も安定してるから気兼ねなく嫁に来い」
佐々木「うはーリアルな話は避けてロマンチックにいこうよ」
キョン「リアルと言えば勇者達は誰と戦ってんだ」
佐々木「えーと、勘違いと言うか何と言うか……」

その頃勇者一向

勇者ハルヒ「あんたが魔王ね。ギッタギッタンにしてやるから!」
バオー来訪者「バルバルバルバルー」
バオーは思った。匂いが嫌いだ。悪の匂いだ。
こいつらの匂いを消してやる!!
バオー武装現象(バオー・アームド・フェノメノン)だッ!
今バオーの戦いは始まったばかりだ

254まおゆう的なアレ:2013/01/20(日) 02:16:44.60 ID:/MJTlLhe
何書いてんだ俺orz
ネタぱくまくりで意味不明
255この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 08:46:30.22 ID:iQ9QuQCY
おはよう、そして乙!
定期的に書いてくれる人の影響かな?最近賑やかになってくれて嬉しい

>>248
遂に第三の当事者も動き出す……!?

>>250
外野自重しろwww

>>252
妹ちゃん、いつの間にそんな知識を

>>253
なかなかのカオスに御座いますもっとやれw
256この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 11:47:48.81 ID:4smY+Pa3
    ∧
     ||
     || 
  , -‐- 、、  
. ,'. /  ト、 ヽ  
.i. ((从ソ 从〉
.l (|;:;:;:;:;;;;:i!i|
,ハNiヘ'' - ''ノ'iハ
   〈i'∪∪)
  ノ_/__l_jヽ.
  `~しし~´
     || 
     || 
     || 
     ||.
    ^^^
257 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/20(日) 13:53:02.04 ID:fSAqyWBv
おつ
258この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 18:50:43.67 ID:iQ9QuQCY
昔に較べて少食になった気がします佐々木さん
259この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 20:13:51.26 ID:w+zYuJ6m
滅入り苦しみますな話題を聞かされ、鬱入ったのでネタ拾い。

先着一名様で。
シチュエーションと、
佐々木→キョンか、佐々木→←キョンか、佐々木←キョンか、佐々キョンを明記にてオナシャス!
260この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 20:43:53.23 ID:iQ9QuQCY
妹ちゃんの誕生会で、ミヨキチと牽制し合う佐々木さん
佐々キョン

いつも拾って貰ってるので、22:00まで他に無ければ
261『言葉のデッドボール』:2013/01/20(日) 22:28:50.91 ID:w+zYuJ6m
妹ちゃんの誕生会。それに招かれ、僕はキョンの家に来ていた。
本来、家族水入らずでやるのが良いのだろうが、そこは賑やか好きの彼の妹らしい。
「えー?佐々木お姉ちゃんも一緒にやろうよぉ。ねぇ、キョンくーん?」
という一言に、妹……いや、年下全般に甘い彼はOKした。
長門さんや、涼宮さんにしても、彼にとっては可愛い妹だからなぁ……。
「オッサンだと言いたいのか、お前は。」
「オッサンというよりは、お兄さんだね。橘さんもキミはお兄さんのイメージだと言っていたよ。」
「んじゃ、お前はお姉さんか。」
「くっくっ。」
あんな手のかかる妹達は、勘弁願いたい。
「僕のキミへのイメージは、エッチな男の子なんだがね。」
「てめぇ……」
キョンにベッドに引き倒される。くっくっ。リビドーに身を任せるには、まだ日が高い。
「キョンくーん!」
ほら。愛しの妹が呼んでいるよ?キョン。
「覚えてやがれ。泣かしてやるからな。」
「くっくっ。このエロキョンめ。」
若干乱れたスカート。……お気に入りの下着だったのだが。汚れないで良かったというべきか。
「よう、ミヨキチ。お前も来たのか。」
「お久し振りです、お兄さん。」
ん?どうやら妹さんの御学友らしい。
「散らかっているが、まぁ入れよ。」
部屋に向かっているみたいだ。私はシャミセンを膝に抱く。
「佐々木。紹介するよ。妹の友達の、吉村美代子。通称ミヨキチだ。」
……えらい美人な小学生がそこにいた。
二つ結びのお下げに、発育途上ながら整ったボディライン。そして。
「…………」
私への敵意。うん。一目で理解したよ。

こいつは私の敵だ、と。
262この名無しがすごい!:2013/01/20(日) 23:45:26.10 ID:iQ9QuQCY
えっと支援?展開厳しいなら無理しなくてもいーよー
263『言葉のデッドボール』2:2013/01/20(日) 23:57:46.76 ID:w+zYuJ6m
続きは明日に。
アルコール入ってしまい、眠っていました。申し訳ありません。
264『言葉のデッドボール』:2013/01/21(月) 04:14:01.85 ID:Atox2Nu8
「んじゃ、俺は妹とケーキ買ってくるからよ。お前らはゆっくりしていてくれ。」
キョンはそう言うと、部屋を出る。
「ミヨキチさん、だったかな?まぁ座ってはどうかな?」
「佐々木さん、ですかね?そうします。」
二人でキョンのベッドに腰を掛ける。
「…………お兄さんの、恋人、ですか?」
「どう思う?」
意地悪な質問を投げ掛けた。
「そうですね。お兄さんは、胸が大きい人が好きですし、佐々木さんだと……お胸が山梨県というか。」
確かに盆地胸と言われても仕方ないんだが。
「くっくっ。若いね。何もセックスアピールのみが条件ではないさ。」
「ふふふ。そうですね。私はまだ発展途上ですから。」
子ども相手に私は何を。思考にノイズが走っていたみたいだ。
「まぁお察しの通り、恋人だよ。」
「へぇ。お兄さんって、案外……」
「くっくっ。趣味が悪い、かな?」
「ええ。」
にこやかに頷くミヨキチさん。明け透けな好意も敵意も示すのは、この年代の特徴なんだろうか?
キョンが世間で言う小児性愛好者だとは、とても思えないが…彼女位に発育していればどうなんだろう。
「今日は、本来は遠慮したかったんだけどね。妹さんきっての頼みとあれば、断わるわけにはいかなかったの。」
「あの子、賑やかなのが好きですからね。お兄さんとデートした時も、着いてきて大変だったんですよ。」
くっくっ。
「私の時は、案外気を使うらしくてね。進んで二人きりにさせようとしてくれるよ。」
「うふふ。きっと佐々木さんが嫌いだからですよ。」
可愛いね。この子は本当に。

この子が精一杯の背伸びをして会話しているのがよくわかる。
牽制して、相手を傷付けよう、傷付けようと頑張る。それ以外に愛情の表現を知らないから。
私は、こんなに可愛くないな。
265『言葉のデッドボール』:2013/01/21(月) 04:16:52.30 ID:Atox2Nu8
しかしね、ミヨキチさん。
言葉は便利なツールでもあるけど、とても怖いものでもあるんだよ。
貴女のこれからの為にも、言葉とはなんたるかを教えてあげるとしようか。

「『私も』キョンが好き。それだけにキョンと『親しい』人に、『あまり』嫌われたくない。」
「私は嫌いですよ。」
「そうね。その回答だと…『あなたは』キョンが嫌いである、と捉えられるわ。」
私の言葉に、ミヨキチさんが怪訝な顔をする。
「『私も』と言ったわよね?」
「……言葉遊びじゃないですか。」
「くっくっ。他にもあるよ?考えてごらん?」
「…………?」
ミヨキチさんが頭を捻る。

「くっくっ。つまりあなたは、キョンへの宣戦布告を一言で終わらせた、って事。嫌い。つまり、事象の否定なんだよ?ミヨキチさん。」

「…………!屁理屈じゃないですか!私はお兄さんが嫌いだなんて一言も…………あ!」
『私もキョンが好き』
『キョンと親しい人に』
『あまり嫌われたくない』
「そう。この3つを全て否定した。」
「屁理屈です!言葉遊びじゃないですか!」
「その言葉遊びを捉えるのが、良くも悪くも相手なんだよ?
あなたがキョンに好意を抱いていて、私を嫌うのは勝手だけど、言葉の使い方を間違うとこうなっちゃう。
まぁ、これはかなり歪曲した捉え方なんだけどね。」
ミヨキチさんは、下を見て俯いた。
「嫌うのは一番簡単なのよ。大事なのは、相手への敬意。……憧れの人を取っちゃったのは、謝るわ。
もしもあなたが何年かして、まだキョンが好きだったら、その時は来るといいわ。
次は、同じ土俵に立って勝負してあげる。」
こういうのはどうか、と思うけど……やっぱり女は女。恋敵に容赦は出来ないのよ。
266『言葉のデッドボール』:2013/01/21(月) 04:22:14.18 ID:Atox2Nu8
キョンが帰り、誕生会が始まる。
妹さんは、満面の笑み。ほっぺたについた生クリームをキョンが拭う。
「キョン、ティッシュを
「お兄さん、ティッシュです。」
「ああ、すまんな、ミヨキチ。……お前も見習え!」
「きゃあー!痛い痛いー!」
キョンが妹さんに、ウメボシ責めをする。ん?ウメボシ責めかい?こめかみをグーでぐりぐりと……
「お兄さん、可哀想ですよ!」
ミヨキチさんが、キョンの手を握る。……うん。僕は落ち着いているよ。普段通りさ。トテモ冷静ダヨ。
「ぶーぶー!キョンくん嫌い!」
「そうかい。俺は好きだぞ?」
「えへへ、私も!キョンくーん!」
うん。たまたま手が震えているが、気にしないでくれ。僕はとっても冷静だ。
こんなに平静な僕を、何故そんな怪物を見るように見るんだい?シャミセン。
「ちょっとトイレに行く。」
キョンが立ち上がる。私の前を通過するときに、キョンは言った。

「一番はお前だがな。」

……ああ、もう!この言葉のビーンボーラーは!

END

さすがにミヨキチが、佐々木と同じ土俵で牽制をやり合うのは無理と判断。

佐々木をやり込める小学生なんて、多分いませんw

テーマは『言葉』。
久々にガヤのないオチを書いた気がw
267この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 05:19:39.17 ID:0juu/oxW
おつ
268この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 12:09:20.10 ID:4KPiTEvS
おつー
ミヨキチが異常に刺々しいなw
269この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 16:43:27.59 ID:/dONrO2L
       ___    \  全世界のもてない男たちを   /          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     /L,    |  \  \ 救済するため作り上げた  /    /⌒ヽ    | クリスマスとは
   ./ ト、└L, |  jJヽ  \    秘密結社!!   /::    |  ▽|  ∠   そもそも
   ハ |  \ しlv┘/|!   \ その名もステキ  /::      ノ⌒ヽ/    | なんであるか
   | 'ゝ\__> l /  ノ|    \ 『 し っ と 団 』 /    , -/ , 、_ `‐-‐、 |   杉野!!
  /| '⌒〜-イl、`ー ´(|      \        /:::    /   '''´ {   、   ヽ \______
/  .|      ,' `¨⌒/       ∧∧∧∧∧ ::::    ノ  ヾ   |   ,ハ`''"〈
  / |ヽ.    ,'    ∠-―- 、   <    し  >::::   (  人   }  イト、   )
/  ||\__,/__, <__      >ー< 予 っ  >:::::::::  ヽ、ヽ|   j   ハ  〈
──────────────<.   と  >───────────────────
    ,人,ノヽ 〈与えねばなるまい< 感  団  >       ゝ しイ    \ そう!!これは
  人ノ  ,.   ! 〉 アベックどもに ..<       > ___|__  _)  て   <天に代わって悪を討つ
,ノ'   / |  (| \  天罰を!! <. !!!.  の  >  ||  'っ h ´__  /  正義のわざ!
  ,/,/l ! ム|    ̄`――――/ ∨∨∨∨∨ \ ||l l l  \咢)P!  ̄|/\/\/\/\/
/,/ / | (_,|          / ワレらの      \   /   ,ゝ__r┘    < 決して私怨から
/゚ / / /|        /    目標わ!!    \      」 )‐<\    < でわない!!
´三:"/  フ|      /    Xマスイブ12月24日! \     厂丁ト、l_   ∨ ∨ ∨ ∨ ∨∨
 ̄ ̄  <, |     /    悪のアベックどもに     \    〉 | | |::ト、 _|\/\/\/\
へ(⌒ヽ厂 |   /正義の鉄槌を下し 根だやしにすること!!\ }  } ハ 〉{_7、\ 聖 戦 だ ! !
270この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 16:45:14.59 ID:/dONrO2L
しっとレディー爆誕か!
271この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 17:01:24.77 ID:Atox2Nu8
ジョー&リンダが、佐々キョンで書こうか?

団員達は考えてくれw
272この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 20:38:02.57 ID:4KPiTEvS
自転車二人乗り、雪が積もった日はどうしてたんかな
相合い傘は恥ずかしがるから無理としても、並んで歩いてったのか、塾が休みになったのか
273この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 22:45:35.68 ID:KjpyyZfH
>>266
個人的にGJ。
そもそも同じネタが少ないとはいえ、佐々木VSミヨキチで佐々木が追い込む展開ってなかったと思うし。
ミヨキチもどちらかというと相手方を動揺させる立場だけど、それも両立させている。
大人げない佐々木さん萌え。

>>272
分裂の挿絵みたいに1人ずつ傘さして自転車引きながらバス停まで談笑してたのでは?
たまにキョンが傘忘れた時に、やれやれ仕方ないなってことはあったかもしれないけど。
274この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 23:05:23.67 ID:zo8XRaeA
>>266
キョン、やるじゃねえか。
ミヨキチと現段階でぶつかったらまだ佐々木が勝つよな。
ミヨキチが佐々木に勝つには、あと五年くらいの経験値がいるだろう。
逆に言えば、同い年ならば佐々木と直接対決できるくらいだという印象。

話がまとまらないが、とにかく言いたいことはGJだということだ。
275この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 23:29:35.16 ID:4KPiTEvS
>>273
キョンが傘忘れのシチュ良いな
佐々木さんが「もしかして、故意犯かい?」とからかう姿が鮮明に想像できるw
276この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 23:41:12.29 ID:e5WAnHDb
>>269
こらこらこら
277この名無しがすごい!:2013/01/21(月) 23:59:44.64 ID:Z62+O1DH
佐々木かわいいよ佐々木
278この名無しがすごい!:2013/01/22(火) 00:08:26.84 ID:I+omPHrb
>>276
お、クズがいる
279佐々木さんのキョンな日常:2013/01/22(火) 02:31:32.70 ID:n1FsqWXu
佐々木さんのキョンな日常 朝倉涼子の戸惑い〜ヒトメボレα その1


 「遅かったわね・・・・・・あれ、それは何?」
 「カレ―。キョン君の家でもらったの」
 長門さんは嬉しそうに答える。
 最近では、週に一度はキョン君の家に、長門さんは寄り道している。長門さんが拾って、キョン君が飼っている
三毛猫・シャミセンの様子を見に行っているのだ。
 最もそれだけでなく、一緒に勉強したり、学園祭に向けた準備をしているようだけど、夏休みの終わり頃から二人
の距離は縮まっているように感じる。
 長門さんが書いた恋愛小説。あれは長門さんとキョン君の物語。
 長門さんの話によれば、キョン君は中学時代の長門さんとの出会いを忘れてはいなかった。
 それは長門さんの願い。七夕の日に星に願った事。

 キョン君と最も親密なのは誰が見ても佐々木さんだ。あの二人の間には誰も入り込めないような気がする。
 長門さんだって、そのことは解っている。だけど、彼女はキョン君のことが好きなんだろう。
 自分が好きな人が、自分を好きになってくれる。
 言葉にすれば簡単なことだけど、一番難しいことだ。恋愛は理屈じゃない。

 学園祭で文芸部が出す文芸部誌のサンプルが今日出来たので、最終確認を行う。
 最初は文芸部部員だけで執筆するつもりだったのが、何故かSOS団の団員達や喜緑先輩までもが執筆者に加わり、
文芸部誌は結構充実した内容になった。手前味噌になるけど、かなり読みごたえがある、面白いものになっている。
新生文芸部が生み出す第一弾としてはいいものだと思う。
 
 ”そういえば、喜緑先輩も生徒会長と付き合っているんだったけ”
 切れ者の少し鋭い感じのする生徒会長。温和な喜緑先輩と合うのかなと思っていたけど、うまくやっているようだ。
 あの生徒会長が喜緑先輩とデ-トしている姿なんて、あんまり想像できないけど。

 キョン君や佐々木さん、あるいは長門さんや喜緑先輩、それに国木田くんや古泉君立ちを見ていると、私も少し羨ましい気分になる。
 恋愛がすべていい形になるとは限らない。思いが届かない、実らない恋もあるだろう。
 それでも、誰かを好きになる、その思いは私には輝いて見える。

 ”誰かいい人いないかな”
 思わず心の中でそう呟いた。

 
 同時刻 キョンの家。

 「キョン君、電話だよー」
 妹が大きな声で俺を呼ぶ。
 「電話?誰からだ?」
 少なくとも、この言葉を発したとき、俺の頭の中から最低十人は除外されていた。何か用事があれば携帯にかけてくるからだ。
 「ナカガワさんとか言っているよ」
 ナカガワ?ナカガワ・・・ナカガワ・・・・・・
 何度か繰り返し、俺はようやく該当する名前にたどり着いた。
 「中河か」
 しかし、なんであいつが?奴は佐々木と同じく、中学三年の時一緒のクラスだったが、そんなに親しかったわけじゃない。
 ガタイが良くてラグビーか何かやっていたはずだが、そいつが何の用事だ?
 首をかしげながら、俺は部屋を出て電話の所へ向かった。
280 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/22(火) 07:36:33.52 ID:27YnDyrv
しえん
281この名無しがすごい!:2013/01/22(火) 08:35:09.22 ID:kO9wWFCW
>>246 >>253
ドリカムのアルバムの曲やらバオー来訪者
少々マイナーだけど好きなものがネタに使われるとちょっとにやける
読んだのが家でよかった

ミヨキチはこういうシチュだと一歩引いてあたふたするイメージがあるからなんか新鮮
佐々木さんが過去ミヨキチの家庭教師をやっていた設定のSSが以前あったせいかな?
282この名無しがすごい!:2013/01/22(火) 12:35:40.43 ID:9cnKMHnQ
>>279乙&支援
サブタイから察するに、標的は朝倉さんなのかね
佐々木さんは長門の行動をどう思ってるのかも気になるが、無意識下の契約あるから干渉してない?
283この名無しがすごい!:2013/01/22(火) 13:32:38.51 ID:353GRWl5
みよきちはどこまでキョンが好きなんだろうか
284佐々木さんのキョンな日常:2013/01/22(火) 19:43:57.83 ID:n1FsqWXu
   佐々木さんのキョンな日常 朝倉涼子の戸惑い〜ヒトメボレαその2

 「おお、キョンか。俺は一日千秋の思いでお前が電話に出てくれるのを待っていた」
 電話口で、いきなり大げさな元クラスメートの声を聞き、俺は一瞬電話をこのまま切ろうかと思ったが、とりあ
えず、会話を続けることにした。
 「突然の電話でお前も驚いていると思うが、しかし、俺は今藁にもすがる思いなのだ。頼む、キョン。お前を男
と見込んで頼みたい事がある」
 まあ、だいたいそんなことだろうとは思っていた。大して話したこともない奴がいきなり電話をよこすのは、何
か下心があって頼み事をするためであるという可能性が高いのだ。
 しかし、俺に頼みごととは何だろうか?

 「実はだ、キョン。俺には好きな人ができたのだ」
 ほう、それはいいことじゃないか。で、どんな子なんだ?
 「それがよくわからん。まだ喋ったことがない。実を言うと名前も知らない。しかし、北高の生徒であることは
わかっているんだ」
 かなり漠然としているな。北高の生徒だと言っても結構いるぞ。
 「お前の言うとおりだ。その子を見かけたのは春先のことだったんだ。高校に入学して少し時間が経っていたん
だが、ある日北高の制服を着た彼女に出会ってな、俺は一目惚れをしてしまったんだ」
 一目惚れか。話には聞くが、それを体験した人物を知るのは初めてだ。
 「俺もどちらかといえば、一目惚れなどありえんと考えていたんだが、自分がそうなって考え方を変えた。人間、
何事も経験だ」
 しかし、相手のことが解らなければ、その気持ちを伝えようがあるまい。
 「お前の言うとおりだ。その後何度か見かけたんだが、声をかけられるタイミングがなくてな。ところが、ついこの間、
彼女がお前といるところを見かけてな、お前の佐々木と国木田もその場にいたのだが、俺は迷った挙句、お前に電話をす
ることを決めたんだ」
 なるほどな。ところで中河、『お前の佐々木』とはどういう発言だ。
 「隠さなくてもいい。お前たち二人の仲はもはや公認のものだろう。それより、俺の話を聞いてくれ。かなりお前は彼
女と親しげに話を話をしていたようだったのでな。お前なら大丈夫と思ったのだ」
 俺たちを見かけたのはいつのことだ。
 「つい二日前ほどだ。駅の近くだった」

 その日は学園祭に必要な物を買いに行った日だ。
 あの日は文芸部の部員たちと喜緑さん、それに鶴屋さんも一緒に買い物に行ったのだ。
 中河が一目惚れしたのは、佐々木を除いた残り4人の誰かだ。
 一体誰だろう?何か特徴があるのかね。

 「まずかなりの美人だった」
 それだけではわからん。佐々木も含めて皆美人ぞろいだからな。
 「いつも微笑んでいるような雰囲気を持っていた。そして髪が長い」
 この時点で長門と喜緑さんが除外された。二人ともそんなに長く伸ばしていない。特に長門はショ-トカットだし、それがよく似合う。
 「あと、眉毛がけっこう太かった。変に細くしていなくて、ナチュラルな感じが実に良かった」

 「朝倉か」
 我がクラスの委員長にして長門の親友、朝倉涼子だった。
 谷口があいつの独自ランキングでかなり高評価をつけていたが、成程中河も目が高い。
 「朝倉さんというのか。そうか、ありがとうキョン。ついでにフルネ-ムを教えてくれないか」
 朝倉涼子だ。字面はわかるか?
 「ん、なるほど・・・・・・なんて素晴らしい名前だ。あらためてお礼を言う。それとキョン。もうひとつ頼みたいことがある。こっちの
方が重要なのだ。心苦しいが是非に頼む」
 電話の向こうで頭を下げまくっている中河の姿が想像できた。
285この名無しがすごい!:2013/01/22(火) 21:12:14.04 ID:9cnKMHnQ
>>284支援
暫くはヒトメボレと同じような流れで続くんかな
『お前の佐々木』にちょっとワラタw中川くんてば良く分かってらっしゃる
286『異世界〜キョンが年上だったら〜』:2013/01/22(火) 23:05:13.46 ID:9F1DiWDi
美味しいコーヒーを飲ませる店を知った。
個人経営の喫茶店。自宅一階を改装した風の喫茶店で、家庭的な雰囲気と独特の空間を作っている。
「また来たのか、暇人。」
「ああ。コーヒーを頂きにね。あとは、妹さんとミヨキチと宿題を。」
「……ったく。」
ここのマスターは、キョンと呼ばれている。
母親が趣味で始めた店を引き継ぎ、パティシエとして高校卒業から働かされていたようだ。
夜9時まで営業しており、この街のオアシスとなっている。
光陽園学院で知り合った、キョンの妹、吉村美代子。彼女達と親しくなるまでに時間はかからなかった。
天真爛漫で、純真なキョンの妹。
物静かで控え目だけど、芯が強いミヨキチ。
……二人とも、凄いナイスバディの持ち主なんだが……スレンダーも魅力的だよね……?ね?
まぁ……キョンの妹が自宅に招待してくれたのが、この店に足繁く通うきっかけになった。
キョンの第一印象は、何だかうだつが上がらない冴えない奴。しかし、会話してみると、驚愕に値する知識の持ち主だった。
「お兄さん、美味しいです。」
ミヨキチが微笑み、キョンがミヨキチの頭をポン、と叩く。
「お前は、本当に社交辞令が上手いな。でもありがとう。」
うわぁ。満面の笑みだ。……ミヨキチ。キミは今泣いていい。

勉強が終わり、背伸びをしていると、キョンが小さいパフェを持ってきてくれた。
「200kcal程度だ。肥る心配は少ないぜ。」
「キョンくん、サイテー!」
笑い声が響く。
「あ、キョンくん、ミヨキチは今日泊まるから、佐々にゃん送ってくれない?」
「ああ、構わんが……車は車検だからなぁ。佐々木、自転車でもいいか?
あと、母さんに閉店の準備をしといて、と言っておいてくれ。」
「はーい。」

……これは、思わぬ僥幸というものか?いや、しかしミヨキチのように泊まるのも……
287この名無しがすごい!:2013/01/22(火) 23:51:48.92 ID:9cnKMHnQ
寝る前支援

おやすみなさい…
288『異世界〜キョンが年上だったら〜』:2013/01/22(火) 23:59:50.60 ID:9F1DiWDi
「車が車検でな。すまんな、自転車で。」
「いや、構わないよ。わざわざ僕のためにすまないね。」
北高校のステッカーが貼られた自転車。僅か二年前は、毎日活躍していたんだろうな。
「キョン。せっかくだから歩かないかい?美味しいものを食べ過ぎてしまい、肥るのが怖くてね。」
「お前、肥満の欠片すらねぇよ。ったく。」
文句を言いながらも、キョンは付き合ってくれた。
年上の人にこんな言葉遣いをしている理由は、ただの背伸び。せめて言葉だけでも、対等でいたい。そんな詰まらない背伸びだ。
帰り道は、他愛なくあっという間に過ぎた。
私の家の近所。キョンは、私の頭をポンと叩く。
「また来い。次は野菜炒めでもサービスしよう。」
「色気ないな。全く。」
「よし。なら愛情のスパイスをたっぷりと。」
「さっさと帰りたまえ。」
キョンを見送り、私は家に入る。
「あら、随分ご機嫌ね?あんたが鼻歌なんて珍しい。」
お母さんが声をかけてくる。
「そう?いつも通りだけど?」
「いや?あんた、今、顔赤いわよ?」
「え?」
鏡を見ると、そこには茹で上がった蛸がいた。お母さんはニヤリと笑う。
「あんたもお年頃ねぇ。」
え?あ?いや、恋愛なんてただの精神病だよ?私が羅患するわけ……

「かかる本人は気付かない。此れ則ち精神病也。」
「お母さん!!」

……どうやら、愛情のスパイスたっぷりの野菜炒めを食べたくて、私は精神病にかかったみたいだ。

明日にでも処方薬を出して貰うよ、キョン。
キミの愛情のスパイスをかけた野菜炒めという、処方薬をね。

END
289この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 00:09:19.57 ID:4Bn8QXXE
ミヨキチVS佐々木から発想が湧きました。
何か発想が湧けば、続きを書きます。
290この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 03:50:18.20 ID:mTsb5bey
>>288
乙。
まあまあ面白かった。
291佐々木VS小学生s:2013/01/23(水) 07:24:18.94 ID:86kKm/Vg
               ┌──‐、‐────────┐  ┌────────‐ ,‐──┐
                 liニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニil   .liニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニil
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\! | L._.j L\. l l.   _j L __,..l ! .|   | | L._.j L_  .l l._ /j L __,..l ! .|
| ですから、思い切って, \      ̄   ̄       !__!   |__j       ̄   ̄       | !
| 混浴の温泉にしましょうと|       , 、       l |  | |      .____,,._  .l |
| 言ったのです       /      / 〉      l |  | |      ./ lコ .lコ /  .l |
 \  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\.   __ノ  ー一 、     l |  | |      ./ lコ .lコ /  ...l |
   ∨| 今となってはね… |   \__,  ,-,  ,‐一     l |  | |   ._,'==ニ'' Zニゝー,   l |
    \____  __/!    〈  ー'  '、       l |  | |    ̄ ̄フ / ̄7 ./   .l |
             ∨ .   l .l       フ . ヘ、)    .l |  | |   ._./ / 、ー-′/     l |
     ショウガクセイハ サイキョウダネ      ̄ l、       l |  | |   .ー一'   `ー‐″    .l |
.  , -‐- 、、 .     , -‐- 、 └───‐─';`ー┬┬┬‐;┘ !   |└────‐',`-‐ー‐- 、--' |
.〃   ; ヽヾ.   ,' #  ト、 ヽ       /((::!┰ |[二iol |  ..| イッショニ  ̄ ̄.ノ,       ヽ _ !
ハミ(ノノノリ从)).  i. ((从メ 从〉       , i:::l::ヾヽ - ノ∩ ̄:|  ..|  コッチー    ノバハ.    i゙;   ヽ
| i(| ┃ ┃ |!|.  l. (|┳ ┳i!l .   / . !:::|:::⊂リ{介|. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄..| .( "ミ0 ̄` !─iリ)   ,!リノリリキ!
| トリ、'' 〜''ノ!|  ハNiヘ '' ヮ''ノハ!  /   . |:::|:::::i::く/_|_j!  Reserved |  ))(八)ヽン、ノルハハハメ!、ヮ^*lfハ マダ コドモナノデ
レ゙/´ iヾ/゙i〉リ.    /"ヾyソiヽ.../ .   ノ;;;l;;;;;i;;;;(__j_,|  貸  切  |  .ヾ)^ヮノ/i}.  l:`i ヾ/iキチど}j》) オニイサン
  `'イl===!      L.イニ〈ノ              |         |    /´}づOl_」:_,!`O<iT i_,ゝ   ヨロシクオネガイシマス
.  ̄ L!_j. ̄ ̄ ̄ ̄ヒ佐__j ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|     橘 様. | ̄ ̄ し-J 〈__八__〉 ̄ iミiヾヨ  ̄
                                  |  ____   |
                                  |__|」 .  l_|__|
292この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 08:51:20.18 ID:7VUUKoWc
>>284
キャラスレでそのキャラ以外の人物が話のメインになるSSは珍しいがこれも続き物だからこそ
結構面白い

>>289
年齢や性別が違うifものは単発のほうが後々面倒なくていいと思うんですがね

>>291のようなAAを作れるのはすごいと思うけど……
ここでのディフォルメAAはキチガイの餌になるのが困りもの
293この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 10:42:01.93 ID:Q8iF7ysP
               ┌──‐、‐────────┐  ┌────────‐ ,‐──┐
                 liニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニil   .liニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニニ「lニil
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\! | L._.j L\. l l.   _j L __,..l ! .|   | | L._.j L_  .l l._ /j L __,..l ! .|
| ですから、思い切って, \      ̄   ̄       !__!   |__j       ̄   ̄       | !
| 混浴の温泉にしましょうと|       , 、       l |  | |      .____,,._  .l |
| 言ったのです       /      / 〉      l |  | |      ./ lコ .lコ /  .l |
 \  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\.   __ノ  ー一 、     l |  | |      ./ lコ .lコ /  ...l |
   ∨| オゴッ!!!!… .|   \__,  ,-,  ,‐一     l |  | |   ._,'==ニ'' Zニゝー,   l |
    \____  __/!    〈  ー'  '、       l |  | |    ̄ ̄フ / ̄7 ./   .l |
             ∨ .   l .l       フ . ヘ、)    .l |  | |   ._./ / 、ー-′/     l |
     ショウガクセイハ サイキョウダネ      ̄ l、       l |  | |   .ー一'   `ー‐″    .l |
.  , -‐- 、、 .     , -‐- 、 └───‐─';`ー┬┬┬‐;┘ !   |└────‐',`-‐ー‐- 、--' |
.〃   ; ヽヾ.   ,' #  ト、 ヽ       /((::!┰ |[二iol |  ..| オトコユゥ  ̄ ̄.ノ,       ヽ _ !
ハミ(ノノノリ从)).  i. ((从メ 从〉       , i:::l::ヾヽ - ノ∩ ̄:|  ..|  コッチー    ノバハ.    i゙;   ヽ
| i(| ┃ ┃ |!|.  l. (|::;:::::;::i!l .   / . !:::|:::⊂リ{介|. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄..| .( "ミ0 ̄` !─iリ)   ,!リノリリキ!
| トリ、'' 〜''ノ!|  ハNiヘ '' ニニニ||=====l. |:::|:::::i::く/_|_j!  Reserved |  ))(八)ヽン、ノルハハハメ!、ヮ^*lfハ マタ ヘンナノガイルノデ
レ゙/´ iヾ/゙i〉リ.    /"ヾyソiヽ.../ .   ノ;;;l;;;;;i;;;;(__j_,|  貸  切  |  .ヾ)^ヮノ/i}.  l:`i ヾ/iキチど}j》) オニイサン
  `'イl===!      L.イニ〈ノ              |         |    /´}づOl_」:_,!`O<iT i_,ゝ   ヨロシクオネガイシマス
.  ̄ L!_j. ̄ ̄ ̄ ̄ヒ佐__j ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|     橘 様. | ̄ ̄ し-J 〈__八__〉 ̄ iミiヾヨ  ̄
                                  |  ____   |
                                  |__|」 .  l_|__|
294この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 12:24:13.01 ID:29a7Q7jh
>>289
キョンにも背伸びしてるのバレバレだったんだろうなと思うとニヤニヤしてしまうw

>>291
失敗に気付く佐々木さんかわいい
馬鹿はどうせ速攻NGにするだけなので、これからも良作ガンガン貼ってくださいまし
295この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 13:03:31.41 ID:CXqqbhVf
>>291,293
>>292,293
>>294,293
296この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 18:41:23.44 ID:29a7Q7jh
佐々木さんは降水確率何%から傘を持ち歩くのだろうか
297この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 20:06:01.15 ID:kpIIYmQk
>>289
年上相手にでも対等で在ろうと奮闘するif佐々木もアリだね。
298佐々木さんのキョンな日常:2013/01/23(水) 20:53:55.25 ID:i16slIVK
    佐々木さんのキョンな日常 朝倉涼子の戸惑い〜ヒトメボレαその3


  次の日。
 「それは中々愉快なことだね」
 昨夜の中河の電話のことを俺から聞いた佐々木は、くっくっくっと笑った。
 「朝倉さんに一目惚れした挙句、君にキューピット役を頼んでくるとは」
 キューピット役じゃないな。どちらかといえば、伝書鳩だろうな。
 「まあ、確かに朝倉さんは美人だし、性格も良いから男性の目を引くのはよくわかるけどね。中河君が一目
惚れしたのは意外だったな。そんなタイプじゃなさそうだけどね」
 本人もそう言っていたな。あいつは宗旨替えしたそうだ。
 「何事も経験、ということか」
 そのとおりだな。
 「で、キョン。君はどうするつもりだい?」

 放課後、学園祭の打ち合わせで、文芸部の部員全員部室に集まり(何故か喜緑さんも来てくれた。最近よく
手伝ってくれるのである。さすが長門と朝倉の先輩である)、準備をすることになった。
 「朝倉」
 文芸部誌の印刷に関しての試算を行っている朝倉に俺は声をかけた。
 「どうしたの、キョン君?」
 朝倉は作業の手を止めて俺を見る。
 「実はちょっと話があるんだが・・・・・・」
 俺は少し声を潜めて部室内を見回す。
 皆、それぞれ分担して受け持った作業を行っている。
 「ちょっとここじゃ何なんで、外で話そう」

 「え、あたしに?」
 俺の話を聞いて、朝倉はびっくりした様子だった。
 「ああ。中学の時の俺と佐々木のクラスメートなんだが、朝倉に一目ぼれしたそうだ。何でも春先ぐらい
には見かけていたそうなんだが、声をかけられなくて、つい三日前に俺たちと一緒にいるところを見かけて
俺を頼ってきたわけだ。直接会うのも考えていたらしいが、お前が驚くだろうし失礼になるかもしれない、
てことで、俺に伝言を託けたわけなんだ」
 中河はあいつなりにいろいろ考えていたらしい。猪突猛進型かと思ったが、まずは俺という緩衝材を介して
朝倉に接触しようと考えたようだ。
 「いきなりで驚くかもしれないが、返事はすぐにじゃなくていいそうだ。ただ、一度話をしてみたいと言っ
ていた。もちろん朝倉がよければの話だが」
 正直言って、俺は朝倉がこの話を承諾するとは思えなかった。だから、昨夜中河に一言言ってはおいた。

 「う〜ん、そうねえ・・・・・・どうしようかな、一度会ってみようかしら」
 ・・・・・・意外な答えが帰ってきた。
 「そこまで思ってくれるなんて、少し嬉しいかな。それにキョン君の話を聞いている限り、悪い人じゃなさ
そうだし」
 悪い奴じゃない。そんなに話をしていたわけじゃないが、中々真面目なところがあったな。運動部で頑張っ
ていたし、教師にもクラスメ-トにも受けはよかった。
 「学園祭の準備で忙しいけど、時間があれば、一度会いましょうと伝えてくれる?」
 それはもちろん引き受ける。俺の脳裏に飛び上がって万歳する中河の姿が浮かぶ。
 「良かったわね、涼子ちゃん」

 ・・・・・・何で、あなたがここに居るんですか、喜緑さん、それに長門も。
 「ちょっと気になったんで付いて来てみたの」
 ひょっとして、話をぜんぶ聞いていました?
 「ええ。最初から全部」
 俺は頭を抱えた。朝倉に気を使って部室の外で話したのだが、全く無駄に終わった。
 
 「での、なかなか涼子ちゃんに声をかける男子がいなかったんで、いい機会だと思うわ」
 これは意外なことだった。朝倉は美人だし、面倒見がいいんで、競争率は激しそうだと思っていたんだが。
 「そう思って逆に声をかけづらいの」
 なるほどね。
 俺が納得したように頷くと、喜緑さんはクスクスと口元を抑えて笑った。
 朝倉の方を見ると、こちらは顔を真っ赤にしていた。
299この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 21:25:44.15 ID:29a7Q7jh
板として必要は無いけど、書いてくれる人のモチベ維持のため支援
朝倉さんは、案外声をかけられないのがそんなに恥ずかしかったのね
300この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 21:39:19.87 ID:+H3c/LCu
>>291
301この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 22:22:05.59 ID:4Bn8QXXE
ifは、単発に留めたほうがマシかね。

とりあえずは呼称表と仮設定公開。
佐々木→妹さん、ミヨキチ
妹→佐々にゃん、ミヨキチ
ミヨキチ→ササッキー、妹

キョンの元カノ→朝倉(朝倉は未練ありまくりだが、キョンは未練なし)
キョンの親友→ポンジー、谷口、国木田

異世界故に、敢えてハルヒ達を除外した環境で考えてみた。
仮設は、ハルヒは他校で関わる機会なし。古泉は同級生だが関わる機会なし。長門は朝倉関連で少し関わった程度。みくるは、友達の綺麗なお姉さん。

朝倉とは、卒業で離ればなれになる時に、朝倉の負担になるのを嫌ったキョンから別れを告げたという設定。

続きをバッドにしたいなら、佐々木またはミヨキチと歩くキョンを見た朝倉から、キョンがナイフで刺殺されたとでもw

橘は、佐々木とお友達になりたいと考える同級生という事で。
ポンジーの役回りは、ねぇ……w
302この名無しがすごい!:2013/01/23(水) 23:16:11.41 ID:29a7Q7jh
>>301
これこれ、どこがバッドエンドなのですかと宣う方々も、某所には少なからずいらっしゃいますなw
もとい、あまりに本来から離れて行き過ぎるのであれば、設定は書いてあるのだし後は個人の想像に任せるのも手かと
高校生の恋愛なんて、後で考えたら可愛いもんだ。俺と朝倉の恋愛だって同じだった。そう思いたい。
高校一年の5月だったかな?クラスメイトだった朝倉が、俺を呼び出したのは。
こんな冴えない奴が、何だってこんな美人から告白を?返事は勿論OK。感極まった朝倉からキスされて、それを谷口に見られて冷やかされたな。
それから、自宅の喫茶店のメニューを考えるのに朝倉も手伝ってくれた。朝倉は
「いつか、看板のケーキを作る時は、キョンくんの一番近くにいる人に名前を決めさせてね。」
と言い、俺もそれを了承した。それは、朝倉以外にないと俺達は思っていた。妹には冷やかされたがな。
朝倉との付き合いは本当に順調であり、夏には想いを通じ合わせ、朝倉の幼なじみでルームメートの長門から苦言を受けたな。
朝倉と過ごした高校生活は、本当に楽しい時間だった。今でもそう思う。
暗雲が立ち込めたのは、三年生の時か。朝倉の夢は、学校の先生。兵庫の大学でも良かったが、実家のある京都の大学に行く事になった。
朝倉の実家と長門の実家は仲が良く、兵庫に外部受験をした理由は、娘達の自活能力を養う為だったという。
そして、大学は京都の実家から通うとなっていた。これは親御さんとしては当然の考えだろう。俺は朝倉に別れを告げた。
このまま一緒にいたら、朝倉が苦しむ。だからだ。
結果、朝倉は京都の大学を受験し、見事に合格した。この頃、俺と朝倉の間に会話はなく、会っても気まずい時間ばかりが過ぎていっていた。
時間だけが徒に過ぎ、卒業式を迎える。卒業式に出る気になどならず、俺は教室に戻った。
朝倉に、他の人と同じように押し流され通り抜け、忘れられてしまう位なら、自分から消えてしまえ。そう思ったからだ。
しかし。教室には先客がいた。

「……朝倉……」
「……キョンくん……」

手を繋いで床に座り、ただ何をするわけでもない。お互いの体温を感じ、二人で座っていた。
触れた手から伝わる体温が生々しく、肩越しに感じる鼓動が、やたらとリアルに感じる。
とても優しく、そしてとても寂しい時間。どうしようもない別れ。朝倉は京都に帰り、俺はこの街に残る。
朝倉と目が合う。朝倉は、涙を流しながら言った。

「離れてしまっても忘れないで。どんな時でも覚えていて。」

それが俺達が交わした、最後の言葉だった。
桜なんて咲かなければいい。このままずっと時間が止まってしまえばいい。そう真剣に願った。しかし、時間は容赦なく流れ……。

今も、朝倉を忘れてなんていない。どんな時でも覚えている。

しかし。俺は、朝倉よりも好きな人に出会った。そいつは朝倉とは対極とも言える奴だが。
仮面を被った、不器用な妹の親友。
「くっくっ。キョン、御招待ありがとう。」
「すまんな、佐々木。感想を頼む。」
ずっと暖めていた、看板のケーキ。それを佐々木に出す。
「わぁ、美味しそう!」
俺は前に進む。お前に出来なかった全てを、佐々木に捧げよう。

「こいつをウチの看板にするから、お前が名前を決めろ。」

END
304この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 04:01:44.51 ID:4zHZjPq1
書き上げてしまったので、公開。

朝倉を佐々木に、佐々木をミヨキチに変換すると、死にたくなるのでご注意w

この先があるとすれば、妹が指摘して佐々木が問い詰め、キョン告白ではないですかね。
思い出があるからこうした思いは輝くのであり、相手を離したくなくなる。
ただの二人の物語から少し捻った話にしました。

タイトルの『Portrait of Tracy』は、ジャコパスから。
『サウタージ』などのタイトルによるネタバレから、少し捻りました。
305 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/24(木) 08:36:57.05 ID:Bt1prNPH
乙です
306この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 11:14:10.10 ID:Wjx8v4SH
>>304 乙乙乙!
まさかここで偉大なベーシストの名前を聞くとは……若い子達は知ってるんだろうか?
全盛期は30年くらい前だもんなぁ 自分もリアルタイムじゃ殆んど聴いてないし
Portrait of Tracyは何度も練習したけど結局人様に聴かせられるようにはならなかった苦い思い出が……
ソロも好きだけど「ウェザーリポート」の前半の頃が一番好きだったりする
久しぶりにヘビーウェザーでも聴こうっと

……いい年してちょっと興奮してしまいました 申し訳ない
307この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 11:59:59.81 ID:4zHZjPq1
>>306
SSのタイトルから察して頂けるように、私も趣味でベースをしており、ジャコパスは嫌になるほど練習しましたw
リアルタイムは生まれてませんので、全く知りませんが、あの時代を見て来られた方はうらやましいですね。
私の場合、マーカス・ミラーの大ファンなので、ジャコパスは当然通る道でした。
因みに私の愛機は、アトリエZのM#265。プリがXTCTですので、TCTよりは若干コンプがかったような音ですね。

……果たして何人の方が理解されるのか。マニアックな返レスすみません(^_^;)
308この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 12:40:48.50 ID:5ViiYt0/
おつ(´;ω;`)ー……でも悲しひ
昔話を聞いたら、佐々木さんにしろ変換Verのミヨキチにしろ、黙って身を退いちゃうんじゃないだろうか
過去はほじくらないのが吉ってどこも同じなんだろねぇ
309この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 19:15:27.69 ID:5ViiYt0/
主が席を外したキョンの部屋、無防備なキョンの携帯を見る佐々木さんに悪魔の囁き
310この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 19:42:55.20 ID:VCn4bbAn
>>303
311この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 21:02:53.15 ID:6EYo6OIm
佐々木かわいいよ佐々木
312この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 22:21:38.46 ID:sdq9SsC6
つーかぶっちゃけ佐々木さん、簡単に身を引きそうな人だからな…。

あそこから盛り返すにはまた事件に関わらせて、その気にさせるというフラグをいくつか立たせないと。
佐々木さん自身もケジメつけないといけないことあるだろうし。

と、きょこたんじゃない組織の人が言ってた。
313この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 23:06:13.20 ID:ynB/OOPU
結構年食ったつもりだったけど、どうやら尊敬すべき人生の先輩が
このスレには大分いらっしゃるようだ。

佐々木さんの魅力をわかる向きってそっちが多いのか
314この名無しがすごい!:2013/01/24(木) 23:49:18.76 ID:5ViiYt0/
ハルヒに対してだけは退いてほしくない
他なら長門でもみくるでも朝倉でさえも認めるが、今まで好き勝手してきたんだからハルヒは駄目
315『♪=60』:2013/01/25(金) 00:10:22.45 ID:tJs/TrxH
文化祭。SOS団はバンド演奏をやる。その練習の為、俺は長門からベースを渡された。
「詳細はマニアックになるが、聞いて欲しい。フェンダー社のプレシジョンベース。あなたにはこれが良いと私という個体は判断した。
プレシジョンベースの特徴としては、ソリッド。あなたは幅広い表現をするが、根本は常に1つ。性格的な観点からも、こちらが良い。」
ごつく、無骨なベース……。3トーンのサンバースト、そして飴色のプラスチックのカバー……
「垢抜けんなぁ……」
長門に楽譜とメトロノームを貰い、自宅に帰る。今日は佐々木が来る日だ。
「プレべ、ねぇ。」
佐々木はベースを膝に乗せ、少し触る。
「この無骨さと洗練されなさ、キャラクターの強さは、まさにキミだね。」
「泣くぞ?」
俺の言葉に佐々木はくっくっ、と笑う。
「いやいや。長門さんとは仲良くなれそうだな、と思ってね。キミを端から見ているだけなら、多分ジャズベースを渡しているだろうから。」
「意味がわからん。とにかく楽譜に沿ってやってみる。スローバラードだし、なんとか……」

結果は、最悪の一言だった。後で嫌になる位理解したが、バラードは一番難しいのだ。
「くっくっくっくっ。」
「笑うなぁぁぁぁぁ!」
ミスしまくり、ズレまくり……まさに最悪だった。
「弾いていれば、指は動くようになるはずだ。あとは、タイム感だね。」
佐々木は俺を背後から抱き、耳を胸に押し付けた。
「さ、佐々木?!」
「知っているかい?人間の心拍数は、1分で約60。テンポは、1分でどれだけのリズムを刻むかなんだ。」
や、柔らかい感触と……い、良い匂いが……
「つまり、今の僕の鼓動。それがM.M=60に近いはずだよ。」
ほう。邪念を捨てて聴いてみるか。なるほど。テンポの60bpmは、こんな速さなんだな。
よし、理解したぞ!

翌日。皆で合わせる。60bpmのスローバラードだが……
「ハシリすぎよ、キョン!何が60bpmを理解した、よ!」
「2倍位ズレてましたよ?メトロノームでご確認下さい。」

…………あれ?

END
316佐々木さんのキョンな日常:2013/01/25(金) 00:21:44.62 ID:43mfas9L
佐々木さんのキョンな日常 朝倉涼子の戸惑い〜ヒトメボレαその4

  日曜日の秋晴れの澄んだ空の下で、俺は人を待っていた。
 時計の針は午前11時半。ちょうどいい具合だ。
 「待たせたな、キョン」
 久しぶりに見る中河は、中学時代よりさらに体格が良くなったような気がする。
 「大して待ってはいないさ。時間通りだな、中河」
 「当たり前だ。お前から電話をもらってからというもの、俺はこの日を来るのを今か今かと待っていたのだ。
そんな大事な日に遅れるわけには絶対にいかんのだ」

 朝倉から会ってみてもいい、との返事をもらった日の夜に、俺は中河に連絡を入れ、その言葉を伝えた。
 電話口の向こうで、中河の雄叫びが聞こえ、しばらくは興奮状態が続いた。
 落ち着いた後、とりあえず中河の予定を聞き出し、いったん電話を切り、その後朝倉に連絡して会う段取りを
決めたあと、再度中河に連絡をした。
 「ありがとう、キョン。お前には感謝してもしきれない。なんとお礼を言ったらいいか・・・・・・」
 「ただ、中河。俺が出来るのはここまでだ。朝倉がお前の申し出を受けるかどうかは、お前の行動次第だ」
 「それは十分承知している。俺も男だ。断られる可能性もあるのは解っている。ただ、やらないで後悔するより
やってみて、その結果が自分の望むものでなくても、そっちの方が百倍マシだ」
 なかなかいいこと言うじゃないか。挑戦する気概を持つ人間は俺は好きである。
 あ、それともう一つ伝えなければいけないことがあった。
 それは朝倉が中河と会うときの条件として、俺に頼み込んできたものだった。

 「お待たせ、キョン」
 俺達より遅れること3分、待ち合わせ場所に来たのは、佐々木と朝倉だった。
 朝倉の出した条件、それは中河と会う場所に、俺と佐々木が一緒に付いてくる事だった。
 中河にその条件を伝えた時、むしろ俺が頼みたかったことだ、是非一緒に来てくれ、と頼み込まれた。
 佐々木に連絡を取ると、佐々木はすぐに承諾して、俺達は同伴することになったのだ。

 「初めまして、自分は中河と言います!」
 直立不動で朝倉に向かって挨拶をした後、中河は深々とお辞儀をした。
 「朝倉涼子です。初めまして」
 朝倉は微笑んで、中河に返事する。
 この笑顔を見て、中河の心は完全に朝倉に囚われたようである。

 喜緑さんがおすすめだと朝倉に教えてくれた洋食店に、昼食を兼ねて行くことにした。
 この店は女性客が多い、おしゃれな感じの店で俺や中河が入るのは場違いのような気がしたが、佐々木と朝倉が
いるから、まあ、いいだろう。
 中河は最初はかなり緊張していたが、朝倉がうまく気を使って話しかけてくれたおかげで、気もほぐれたようで
店に入る頃にはかなり普段通りしゃべれるようになっていた。

 「まあ、今の状態なら二人だけでもいいと思うよ」
 俺と佐々木は、朝倉たちとは別の、離れた席に座った。
 「朝倉さんがうまく中河君の気持ちを解してくれたから、あとは二人で話させればいいよ」
 確かに佐々木の言うとおりだ。俺たち二人は言うなれば、中河と朝倉の見合いの仲人みたいなもので、話が弾めば
あとは二人だけで話せばいい。
 俺達はランチメニューに目を通す。
 「これとこれ、美味しそうだね。キョン、いつものように違うものを頼んで、半分ずつ交換しようか」
 それがいいな。よし、頼むか。
 テ-ブルの上にある、従業員を呼ぶボタンを押す。

 ・・・・・・何であなたがここにいるんですか。
 俺たちの席に注文を取りに来たのは、誰であろう、この店がお薦めだと言っていた、喜緑さんその人である。
 「この店は私の親戚が経営しているの。今日頼み込んで一日バイトしているの」
 朝倉のことが気になったからですか?
 「その通り。涼子ちゃんのことが少し心配になって」
 多分大丈夫ですよ・・・・・・ところで、注文いいですか?
 「ええ、どうぞ。お客様、何になされますか?」

 
317この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 00:54:39.31 ID:g34qyiAF
>>314
まあ気持ちはわかるが、そこまで憎悪するのはちょっと引く
人を呪わば穴二つ
318この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 01:33:21.79 ID:hGg1TDH+
>>307
ジャコを直接聴いたのは最後の二年もないくらい それだけに亡くなった時は唖然とした
それに二人目の元奥さんの話を聞いて子供心にも日本人として申し訳なかったなぁ

アトリエZのM#265ってモロにマーカス・ミラーですやん
midが他と違ってるから別のベースで慣れてると弾いた時「ん?」ってなるのよね
んで去年の春頃かな、黒やガンメタが出てずっこけた覚えがある

>>315 乙〜
なるほど、キョンがプレベかぁ 言われてみれば合うかも
ってか佐々木さん、倍の120ってマーチやん 行進でもする気ですか(笑)
キョンも気づけよ

>>316 乙〜
うん、喜緑さんのオススメって聞いて絶対出てくると思った
319この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 01:40:48.38 ID:Ucm3NebR
よそのスレに出張しなければまだねえ・・
320佐々木さんのキョンな日常:2013/01/25(金) 02:08:17.35 ID:43mfas9L
 佐々木さんのキョンな日常 朝倉涼子の戸惑い〜ヒトメボレαその5

 食事をしたあと、中河と朝倉はお互いの電話番号を交換していた。
 「今日はありがとうございました!」
 中河は朝倉に最初に会った時と同じように、深々と頭を下げた。
 「こちらこそ。中河さんて、とても面白い人ですね」
 どうやら、第一段階はうまくいったようである。
 俺は少しほっとした気分になった。

 とりあえず、今日のところは二人の顔を合わせるのが目的だったので、俺と佐々木は朝倉と中河と別れ、遊びに出か
けることにした。
 百貨店やファッションビルは既に冬物の取り扱いが本格的に始まっていた。学園祭が終われば、冬はもうすぐそこに
来るのだ。
 「これはいいな」
 俺が目を付けたのは、厳しい寒さも防げそうな白いポンチョだった。
 試しに佐々木に着せてみたのだが実によく似合っていた。帽子がついていて、それをかぶって立つ姿は、冬の妖精を
思わせる。佐々木もとても気に入ったようだ。
 ただし、値札を見ると、一万八千円と記されていた。
 「ちょっと高いね」
 残念そうに佐々木はため息をつく。
 クリスマス前までに、俺はバイトを少し増やす決心をした。

 その日の夜。
 
 今日はいろいろあったな。わたしに交際を申し込みたいと言ってきた中河君。
 どんな人かと思っていたけど、強そうな、熊みたいな外見と違って、とても緊張していて少しおかしかった。
 ただ、彼の気持ちはよく伝わってきた。
 人を好きになる、あるいは思いを寄せられる。それはとても心地よいものだった。
 とりあえず、今日は電話番号を交換した。その時、彼は「迷惑でなければ、朝倉さんが都合にいいときにまたお話したい
のですが」と言った。礼儀正しい人だ。
 正直なところ、まだ、彼と付き合うかどうかはまだわからない。わたし自身に戸惑いもある。彼のこともまだ、すべてを
把握したわけじゃない。、
 喜緑先輩(あの洋食屋にいるなんて思わなかった!)、がいつも言っているけど、人と付き合うときは、相手のことをしっかり
見ていいところも悪いところも見極めなさい、それは大事なことよ、と。
 ただ、また会ってみてもいいかなとは思っている。
 わたしと彼がこの先、そうキョン君と佐々木さんのような仲になるのか、それとも友達、あるいは他人のままか、どうなる
のか―――
 少し楽しみが増えたかな。そんな風に私は思った。

  



 
321のキョンな日常:2013/01/25(金) 02:09:46.13 ID:43mfas9L
同時刻
 
 家に帰ってきてすぐに、俺は中河から電話をもらった。しきりに礼を述べたあと、中河は嬉しさを隠しきれない調子でしゃべり続けた。
 「キョン、本当に感謝する。どうなるかはわからないが、頑張ってみるつもりだ」
 そうか。まあ、応援はさせてもらうよ。
 「うむ。ありがたく受け取るよ。ところで、キョン。お前の佐々木にもお礼を伝えておいてくれないか」
 ・・・・・・だからこの前も言ったが、『お前の佐々木』とはどういう意味だ。
 「照れるな、キョン。今日お前たち二人の様子を見て俺は確信した。佐々木を大事にしてやれるのはお前しかいない。結婚式には
是非俺と朝倉さんを呼んでくれ」
 幸せのあまり、頭がいかれたのか、お前は。えらく先走った妄想を口にするな。
 「じゃあな、キョン。また連絡する」
 言うだけ言って、中河は電話を切った。

 ”佐々木を大事にか”

 言われなくても、佐々木のために俺は頑張るさ。
 俺にとって、佐々木は大切な存在なんだから。
 
322佐々木さんのキョンな日常:2013/01/25(金) 02:16:09.67 ID:43mfas9L
>>299 板違いと思われる作品を支援していただきありがとうございます。
 読んで頂いた方にも感謝します。連投すいません。
323この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 08:30:43.62 ID:HcUcveNh
>>315
乙。涼しい顔してドキドキしている佐々木さんww

>>321
乙。この中河は果たして素なのか超感覚持ちなのか…?
324この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 12:06:05.90 ID:tJs/TrxH
>>318
ジャコ関連ではないですが、同じような頃にロイ・ブキャナンも亡くなっているんですよね。

流石にマーカスモデルは、照れてしまいましてw
M#系統は、基本的にドンシャリですから、ミッドが薄いんですよね。扱いを知らないと変に埋もれたり、抜けなかったり。
後はアンプで何とでも。
カスタムカラーは、+1〜2万でやってくれるはずです。
私のは、カスタムカラーのシースルーブラック。なかなか渋い色合いです。


週末恒例のネタ拾いをやります。
先着二名様で。
見たいシチュエーションと、佐々木、キョンの状態(カップル、両想い、片想い)を明記してください。
325この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 12:34:22.67 ID:IqOw+l4l
>>315GJ
そら心拍数も爆上がりになりますって佐々木さんw

>>322
板として必要ない=支援なくても落ちたりさるさん食らったりしないという意味です、分かり辛かったならすいません
投下めっちゃ歓迎ですよ〜
この中河が長門や喜緑さん見たらどうなるのかもちょっと興味あったり
326この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 18:44:29.18 ID:IqOw+l4l
久々真剣に寒いですね佐々木さん、明日からお休みが嬉しい

>>324
てことで寒さを耐え凌ぐ佐々木さん
327『Voice』1/2:2013/01/25(金) 19:58:04.93 ID:tJs/TrxH
塾が終わり、帰りの荷物を用意する。どうやらシベリア寒気団は今年も日本に出兵らしい。
愛用のマフラーは、今日も活躍中だ。後ろに巻く独特のスタイル。皆からもっと可愛い巻き方を習ったが、私はこれでいい。
この武骨な巻き方を私と一緒にしている人は、地球の体調でも心配しているんだろうな。
心配するだけで、なにもしないんだろうけど。
吐く息が空に溶けていく。

「雪か。」

空を見上げれば、雪。深々と降り積もり、明日には雪化粧となるのだろうか。久しぶりに冬が寒い事を思い出した気がする。
「(去年は、こんな事を思わなかったんだけどね。)」
寒いには寒いが、隣に誰かがいた。その誰かさんは卒業以来、連絡してこないが。
「全く罪作りな人だ。」
病院の前の自販機で、コーヒーを買う。手を暖め、ひとすすりすると、どこからか彼の声がした。

「雪……」
328『Voice』2/2:2013/01/25(金) 19:58:57.57 ID:tJs/TrxH
どうやら私は、相当疲れているようだ。

「くっくっ。非論理的幻聴とはね。……僕の思考に、ここまでノイズを発生させるのはキミだけだよ。」

身体は寒くて震えているが、何だか少し暖かい。
「(今は、キミの声が聞こえた。それだけでいい。)」
私はコーヒーを飲み干し、家路についた。
中学時代に、隣に当たり前にあった温もりを懐かしく感じながら。

「キョン。今日はとても寒いね。」

雪にかき消されるであろう私の声が、彼に届く事を願って。

その頃の病院の屋上……
「ん?佐々木?」
「エラー。」

END

特に指定がなかったので、佐々木片想い。
時系列としては消失直後あたりとでも。
329この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 20:33:51.48 ID:IqOw+l4l
乙&さんくす!
長門がエラー解消した直後なのに、また蓄積してしまうw
ちなみにマフラーを後ろで結ぶのは俺もやってますよ〜
首元に結び目があると、隙間が出来てそこから風が入って寒いので
330この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 22:56:45.15 ID:MN8W1i4Z
>>317
いやでも、あの我儘女は倒すべき敵、憎むべき敵でしょ
少なくともこのスレでは
331この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 23:26:39.12 ID:VdhWPvsz
>>330
俺個人は同意するけど、そういう尖った思想は人に押し付けちゃいかんよ
332この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 23:34:55.44 ID:tJs/TrxH
>>330
ここは『佐々木を愛でるスレ』であり、『佐々木をダシにハルヒを貶めるスレ』ではないからね?
敵視は自由だけど、あんまり公言すべきでないよ。

そう言いたい気持ちは、痛い位にわかるけどね。
333この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 23:37:17.03 ID:E2dbrnV9
>>328
乙です
334この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 23:48:02.11 ID:IqOw+l4l
キョンと佐々木さんが二人で創る幸せな未来をハルヒにも祝福してほしい
それが一番良い
335この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 23:48:33.15 ID:deLWvprb
佐々木さんおやすみ
336この名無しがすごい!:2013/01/25(金) 23:49:53.95 ID:MN8W1i4Z
>>331
>>332
あの基地外女を憎む気持ちは皆同じで安心したよ
これからもっとそんなSSが増えるといいな
337この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 00:22:52.82 ID:sljTPVmF
なんかどっちらけたので、ネタ拾い中止します。
また来週末に。
338この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 01:08:04.28 ID:ziSrKGAr
アンチの自演でしょ
頭のおかしい人はスルーが基本
339この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 01:30:33.17 ID:VWPrzZc/
>>328
思ったけど、佐々木視点でもやっぱキョンみたいに専門用語を使って何でもない日常を物々しく語る様が違和感ないんだわ。

キョンのクセのある語り方はどうも佐々木さんが原因らしいけど、逆もありなんと改めて思った次第。
340この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 02:15:23.02 ID:gJW5f7zf
妹ちゃん家に遊びに行くと大好きなお兄さん会えます。
でも決まってお友達の佐々木お姉さんがいます。
何かムカつきます。
いつも一緒でお兄さんの返答に変な笑い方して腹が立ちます。
もっと構ってほしいのに邪魔するのでいじわるする事にしました。

妹ちゃんとこれみよがしにお手伝いをいっぱいしました。
お兄さんがお礼と頭をなでなでしてくれます(/////
どうですか!お兄さんが褒めてくれたのです。
横目でチラリと様子を伺うと微笑ましそうににニコニコしてます。
なんですかその縁側でごめん寝する猫を見る様な慈愛に満ちた笑みわ!
ちょ〜ムカつきです。憤慨なのです。

ふうっ、仕方ありません。最終手段です。
これだけはやりたく有りませんでしたが喧嘩別れしてもらいましょう。
最強最悪の手段です。
私は周りの様子を伺いつつチャンスを待ちます。
今です、私はお兄さんの目の前で佐々木お姉さんのスカートを捲り上げました。
スカートを捲りパンツを見られる。女子なら最強の屈辱を味わうはずです。
私の場合なら男子にビンタをかまして股間を蹴りあげちゃいます。

うふふっ、思ったとおりです。
何故か股間を押さえて座りこんだお兄さんに顔を真っ赤にした佐々木お姉さんが詰め寄ります。
計画通りニヤソ
部屋を出て行く様に言われ退出すると部屋ドタバタと騒音がしました。
『ヤバイ…ちょっとタンマ…激しい過ぎ…』
苦しそうなお兄さんの声は相当叱られているみたいです。

パチンパチンと音がします。これはお尻ペンペンですね。
どうやら形勢が逆転したみたいです。
私も小さい頃ママにされてよく泣いたものです。
怖くてお漏らししちゃったのかな?くちゅくちゅと水の音がします。
高校生にもなってはしたないですね。

けし掛けておいて何ですが喧嘩は良く無いと思います。
寝返りを打った時みたいにギシギシとベッドが振動してるみたいな音がします。
少しの心配と罪悪感がこみ上げてきました。
私は妹ちゃんを促して居間に戻りました。

長い時間がたって二人が降りて来た時あれれ?って思いました。
仲直りしたみたいです。
それどころかいつもよりもベタベタとしてます。
どうやら計画は失敗したみたいです。
残念。

お見送りにお兄さん達が外に出ていくと妹ちゃんが肩に手をかけきました。
やれやれとポーズを取って私にこう言いました。
「ミヨちゃんはまだまだ子供だねぇ」
その横顔はとても大人ぽっかったです。

おわれ
341この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 02:17:38.67 ID:gJW5f7zf
タイトル入れ忘れ
「いじめは駄目だよね2 (逆襲のミヨキチ)」

いじめ?イク無い
リア獣爆裂しる
342 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/26(土) 02:57:24.10 ID:I0pZqmc/
いじめ???
343この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 05:52:50.79 ID:sljTPVmF
>>340
乙!

恒例逆襲の非リア

古泉「何でこんなもの(ビデオカメラ)で彼の部屋を映す。これではあなた達が寒くなって非リアの冬が来ますよ。」
谷口「リア獣は自分たちの事しか考えていない。だから抹殺すると宣言した。」古泉「人が人に罰を与えるなどと!」
谷口「俺達、きょっこ団が粛正しようと言うのだ、古泉!」
古泉「エゴですよ、それは!」

橘「戦うのです…佐々木さん、佐々木さん。勝った方を私が全身全霊をかけて愛してあげるのですよ!?
うはっ、あはは、あーははははははははははー!」

キョン「佐々木しかいねぇーッ!更に前振りの古泉ときょっこ団いらねぇーッ!って、佐々木……笑顔でハリセン握ってどこに?!」
344この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 09:38:21.36 ID:xKRaJsrZ
>>340
ミヨキチのかわいいアシストもとい復讐乙!妹ちゃんは何度か覗き見てそうだなw
345この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 10:12:17.50 ID:SGe/7FIt
>>331 >>332
書いていいことと悪いことの区別がつかない人はスルーしましょうよ
どちらにしても相手すると調子に乗って宜しくない書き込みが増えてしまいます

>>328
乙 相変わらず仕事早いなー
こんなすれ違い何度かしてそうだな、この二人

>>340
乙 キョンも佐々木さんもがっつき過ぎでしょ
346この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 17:53:39.11 ID:xKRaJsrZ
なぜ女性はブラックコーヒー苦手な人が多いのでしょう佐々木さん
347この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 18:00:28.16 ID:FLa3vPA8
>>340乙!

>>338,345
なんでもかんでもアンチ認定するのもどうかと
348この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 18:16:24.62 ID:sljTPVmF
久々に、親友と会って飲むのです。
再会の挨拶は「やぁ、親友。」が良いですかね、佐々木さん。

あと、書くのは明日になるかも知れないけど、ネタ拾いをします。
何かあれば、宜しくお願いします。
349この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 19:08:44.97 ID:xKRaJsrZ
>>348
バレンタインまでの期間限定で、駅前にスケートリンクがオープンしたそうですよ佐々木さん
ほのぼのでー
350この名無しがすごい!:2013/01/26(土) 21:54:21.67 ID:sljTPVmF
>>349
おk、把握。
明日にでも。
351 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/27(日) 00:00:06.35 ID:I0pZqmc/
こんばんは
352 忍法帖【Lv=13,xxxPT】(1+0:8) :2013/01/27(日) 00:00:51.18 ID:t76wWy+e
佐々木とにゃん
353この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 00:56:54.37 ID:Q+zyoiW8
>>347
>>345です
文を見てもらえれば分かると思いますが自分はアンチとは一言も書いてません
アンチだろうがそうでなかろうが書いちゃいかん事ってあると思うんです
実際>>330はそこだけでなく他の方の発言を受けて>>336では更に「人として」宜しくない言葉を書いています
だから自分は相手にしないほうがいいと書いたのです
ある人を愛でるのに他の人を貶める必要性は皆無でしょう?
354佐々木さんのキョンな日常:2013/01/27(日) 01:57:46.46 ID:+S2F7BUW
   佐々木さんのキョンな日常 学園祭その1

 「しかし、暇だね」
 「まあ、確かにな」
 「少し計算違いだったよ。新生文芸部の文芸誌があんなに早く売れてしまうとはね」
 
 今日からいよいよ北高の学園祭が始まった。
 新生文芸部がとりあえずの目標として掲げた、学園祭での文芸誌の発行。
 部員全員によるチェックを終えて、いよいよお披露目となった文芸誌は、漫画研究会やコンピ研の作品
とともに展示・販売されたのだが、販売から1時間も経たないうちに印刷した150部(一冊は図書室に寄贈
した)すべてさばけてしまった。
 売り子で俺と佐々木は座っていたのだが、前評判が良かったらしく、次々と売れていった。文芸部だけ
じゃなく、SOS団も宣伝に協力してくれたおかげかもしれない。涼宮と古泉には、後で礼を言っておこう。

 さて、予定よりはるかに早く文芸部誌を売り切った俺と佐々木は、とりあえず部室に戻った。
 既に校内はお祭りムードの熱気に包まれ大賑わいであるが、文化棟のここは会場として使われておらず、
熱気もここまでは届いていない。各文化系クラブは、各展示会場に出っ張らって、ここにほとんど人はい
ない。
 文芸部の部長・長門優希は自分のクラスの出し物に参加しており、朝倉は俺たちのクラスの委員長として
、俺たちのクラスが行っている出し物の運営と準備にあたっている。国木田は鶴屋さんの手伝いに行ってお
り、こちらに来れる状態でない。
 いま、文芸部にいるのは俺と佐々木の二人だけなのだ。

 「お茶でも飲むか」
 俺は急須にお湯を入れ、少しおいてから煎茶の葉を沈めてしばらく置く。そして湯呑に注ぐ。
 「いい香りだ。色合いもいいね」
 これは朝比奈さんに教わった美味しい煎茶の入れ方である。朝比奈さんはついでに茶葉を分けてくれたの
だが、これが実にいい茶葉だった。
 「お菓子を持ってきているんだ、キョン、食べるかい?」
 ありがたくいただこう。

 「しかし、キョン。君とここにいて話しているのも悪くはないが、せっかくの学園祭だ。楽しまなければ
もったいない気がする。二人でどこか見て回ろうか」
 確かに佐々木の言うとおりだ。北高の生徒として、楽しむのも大事だな。
 「そういえば、涼宮さんが九組でやっている出し物に僕たちを招待してくれていたんだ」
 なにをやるつもりだ、あいつらのクラスは。
 「『お客も店員もみんなでコスプレ喫茶』とか言っていたけど。涼宮さんと古泉君のアイデアらしい」
 ・・・・・・何考えているんだ。ん、そういえば、あいつが監督した例の、原作俺「SOS探偵団」はどこで上映
するつもりだ?
 「映画研究部の作品と入れ替え制で、視聴覚教室で上映するそうだよ。自分がそれにsy津園しているのは
少し気恥ずかしいけどね」
 それも見に行かなきゃならないな。
 とりあえず、俺達は部室を出て、みんながいるところへ向かうことにした。
355この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 04:39:03.49 ID:SWEtDitX
>>353
貴方も蒸し返さずにスルーすればいかが
人にはスルーするよう言って自分は出来ない痛い子なの?
356この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 08:08:43.38 ID:8JpyUQHI
>>354支援ー
値段にもよるけど部誌完売って凄いことだよね、近場の大学の学祭ですら無料配布だったし
次回から暫くは文化祭デート!?
357この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 11:26:25.61 ID:FISePyir
支援
358『倦怠ライフ』:2013/01/27(日) 12:51:48.41 ID:x4OmJfSd
駅前に、バレンタインまでの期間限定でスケートリンクが出来たようだ。
「氷の上を滑るという行為に、価値を見出だせんな。全く。」
部室で古泉と将棋を差しながら、俺は呟いた。
「どうなんでしょうね。まぁアイススケートは、カップルの定番ではありますが。」
「シロクマじゃあるまいし。……王手。」
「待った。佐々木さんと行ってみては?」
ふむ。しかし俺はアイススケートは未経験なんだが。「よし、なら日曜にでも誘うか。たまにはあいつの頭を休ませてやらんとな。……王手。」
「お優しいですね、全く。……投了です。」

キョンから連絡があり、日曜日、駅前に出来たスケートリンクに誘われた。
「スケートリンクか。私には氷の上を滑るという行為に、価値があるのか疑問だわ……」
あんまり運動は得意ではない。キョンにしても究極のインドア派のはずなんだけど。
「カップルの定番なのです。意外にキョンさんが、スケート得意なのかも知れませんよ?」
「キョンみたいにキレた運動神経の持ち主が、スケートが得意だとは思えないわ。絶対に『シロクマじゃあるまいし。』とか言ってるわよ。」
橘さんの彼氏みたいに、完璧超人なら話は別だろうけど。
「コツを掴めば簡単なのですよ?不安なら、私も彼氏を誘って着いて行くのです。」
「ダブルデートか。悪くはないけど、醜態晒すのはちょっとね……」
しょんぼりと肩を落とす橘さん。……何か良心が痛むけど、ごめんなさい。
意外と運痴なのよ、私。

日曜日。佐々木はいつもと対極の格好で待っていた。
「部屋着だな。」
ニットキャップに、パーカー、タイトなジーンズ。普段、外出時のキメキメファッションからすると、意外なものだ。
「服を汚したくないんだよ。普段がミニだから、見えても嫌だし……。」
そう言い、やれやれとゼスチャーする佐々木。
「いいんじゃないか?新鮮だぞ、ローファーやブーツでなく、スニーカーのお前も。」
俺の言葉が気に障ったらしい。佐々木は俺を軽く睨むと……
「次のデート、覚えておくといいよ。キミにトラッド系の服を着せてやる。僕も新鮮味が欲しかったところだ。」
と宣った。
「やめろ。俺がトラッド系着たら、オッサンになる。」
「聞こえない。却下。行こうか。時間が惜しい。」
佐々木は俺の手を引くと、スケートリンクへと向かう。どうやら機嫌を損ねちまったらしいな。やれやれ。
359『倦怠ライフ』:2013/01/27(日) 12:53:53.30 ID:x4OmJfSd
スケートリンクは、子ども達やカップル連ればかりだ。
「これ履いて歩けるのかよ……」
指なんか通過したら、えらい事になるだろう。うむ、一番切れる刃物は、使い込まれたスコップだからな。
「塹壕の戦いでは、銃より頼りになるみたいだしね。」
「ああ。ということは、こいつも……」
「くっくっ。……骨までスパン、と?」
二人で爆笑する。歯止めがあるから、それはない。
「くっくっ。さて、少し滑ってみるかい?」
「シロクマじゃあるまいし。」
「くっくっ。さて、二匹のシロクマが氷に初挑戦だ。行くよ、キョン。」

バランスを崩した佐々木が、俺に寄りかかり…更にバランスを崩した俺は、佐々木を胸に、氷に一人バックドロップ…

「ふおおおおお!」
「ご、ごめん!大丈夫かい?キョン!」

一時間位、頑張りはしたんだがな。結局は無理だった。人には向き不向きがあるからな。仕方ない。
「しかし、キミには悪い事をしたね。」
氷から上がり、屋台のたこ焼きを二人でつつきながら、佐々木が申し訳なさそうに言った。
「何が?」
佐々木の口にたこ焼きを入れる。
「ひや?ぼくをからっひぇ、きみはたふぉれひぇばかりだった。」
佐々木が、俺の口にたこ焼きを入れる。
「ひにふんな。」
ま、女を守るのが男の仕事だからな。結局は滑られるようにはならなかったが、楽しい時間ではあった。
「さて、帰るか。」
「そうだね。」
「あ、キョンく〜ん!佐々木お姉ちゃ〜ん!」
荷物を持ち、立ち上がった俺達の背中に、声が刺さった。この声は……妹?
「キョンくん達もいたんだー?」
「まぁな。お前はミヨキチといるのか?」
妹の次の言葉を聞き……俺達は地獄の門が口を開いて待つ光景を想像した。

「いーや?ハルにゃん。ハルにゃん、スケート得意だから、教えてくれるって。あと、有希ちゃんとみくるちゃんも一緒!
キョンくん達見てて、教えてやんなくちゃ、って張り切ってたよ。」

今、おトイレと妹が言った。ハルヒ、頼むからその括約筋を少しでも緩めて時間をかけたうえで排泄してくれ。
「逃げるぞ、佐々木。」
「ああ。光よりも速く。」
出口まであと少し。しかし……
「キョン。佐々木さん。」
俺達は、暖かい手に掴まれた。……暖かいって事は、お前手を洗わなかったな?
いや、そんな事はどうでもいい。ハルヒの大腸菌やカンジダなどの真菌の存在などについてはどうでもいい。
因みにカンジダは常在菌であり、性交の経験の有無で腟炎など発生するものではない。真菌の増殖、つまりカビの発生。それが所謂カンジダ腟炎となる。
女性器は常時高温多湿。真菌にとって住みよい環境だ。カンジダ腟炎に羅患した女性は、性交しまくりの女性というわけでない事だ。
まぁハルヒが腟炎かどうかは知らん。常在菌であり、手を洗っていないならば、手についていてもおかしくはないというだけだ。因みに男性も羅患する。
あと、ハルヒの性交の経験の有無は俺の知るよしもないし、興味もない。佐々木?ああ、血が出てたよ。
油の切れたロボットのように、俺達は後ろを向いた。
「水くさいわよ。言えば教えてあげるのに。」
小さな親切、大きな迷惑。それが今のお前なんだが……
360『倦怠ライフ』:2013/01/27(日) 12:56:23.61 ID:x4OmJfSd
「さぁ、行くわよ!あたしが滑られるようにしてあげる!」
100wの笑顔が眩しすぎる。しかし。
そう。ヴェールを脱いだ死神が、鎌を振り上げて笑っている姿にしか見えん!
……あとはわかるな?公開レイプ。それだ。その甲斐あり、なんとか滑られるようになったが……

「Get set.Ready?」

ハルヒ考案のスピードスケート。全敗して後の食事を全額奢らされた事は、語るまでもないな?
朝比奈さんの時は、長門が嫌な笑いをしていたので、あいつが一枚噛んだんだろうが。
ハルヒ達と別れ、三人で帰路につく。佐々木も俺も疲労はMAX。一秒でも早く帰りたかった。
三人手を繋いで歩く。妹は、満面の笑みで俺と佐々木を見た。

「遊園地のあとの、お父さんとお母さんみたい。」

……だろうよ。確かにお前に付き合わされた後の両親は疲れ果てていたが。
「フルムーンだね、全く……」
「ああ……。」
こうして、なんでもない一日が終わりを告げた。

「「……という事があってね(だな)」」
翌日、キョンと佐々木は古泉と橘に先日の話をした。古泉と橘は、それぞれにコメカミに手を当て、頭を振る。

「「あなた達は、どこの老年夫婦(なの)ですか。」」

END

糖分控えめですが、見ようによっちゃベタ甘w
おしどり夫婦でなく、お互い理解しまくった夫婦みたいな感じにしてみました。
361この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 13:02:30.68 ID:x4OmJfSd
あと、もうひとつ。
ポンジーいじりの設定を流用しました。
佐々キョン、古泉橘と、他まったり。ハルヒいい奴。ポンジー非リア。

まったり路線は、今後もこちらの設定にします。
362この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 17:00:20.08 ID:8JpyUQHI
乙&ありがとー
面白かった!うんうん、キョンでなくたって現実逃避したくなるわなww
363この名無しがすごい!:2013/01/27(日) 22:37:26.85 ID:8JpyUQHI
舌がひりひりしますよ佐々木さん、タイ焼のあんこで火傷してしまいました
"がわ"が手で持てる温度だからと油断しました…
364佐々木さんのキョンな日常:2013/01/27(日) 23:37:51.30 ID:aAikJMJC
佐々木さんのキョンな日常  学園祭その2

 「お〜い、キョン」
 俺の後ろから大声で呼ぶのは、聞き間違えるわけがない、谷口である。
 振り返ると、奴は一人ではなかった。
 「お久しぶりです」
 夏休みの旅行先で、偶然出会った谷口から「彼女」と紹介された美女――周防九曜がそこにいた。光陽女学院の制服
に身を包み、長い髪をなびかせている。
 「谷口君に招待されたので友達を一緒に連れて来ました」
 そうは言うものの、そこにいるのは九曜一人である。友達とやらは何処へいったんだ?
 「何かこの学校に知り合いがいるらしくて、挨拶してくるとか言っていました。最近うちの学校に転校してきたのです
けど、たまたま北高に知り合いがいることを知って喜んでました」
 偶然とはすごいものだ。その友達とやらもさぞかし喜んでいるだろう。
 
 九曜を案内すると言う谷口と別れ、俺と佐々木は、学園祭のパンフレットを見ながら、何処を廻ろうかと考えていた。
 「鶴屋さん達のクラスにでもいってみるか」
 国木田が手伝いにいっているのだが、何をやっているのかはわからなかった。案内をみると「甘味茶屋・野点」となっ
ていた。
 「茶道をとりいれた和風カフェてところかな」
 とりあえず行ってみるとしよう。

 「やあやあ、キョン君に佐々っち、よくきたっさ!」
 笑顔で俺達を迎えた鶴屋さんの姿に、俺達は唖然とする。
 派手さは無いものの、しっとりと落ち着いた和の装い。家紋付きの着物姿は、優雅さを感じさせる。
 「いらっしゃい、キョン、佐々木さん」
 鶴屋さんの横に並んだ 国木田の装いも紬仕立ての紺色の着物で、二人の姿はまるで名家の若旦那と女将さん
である。七夕の時といい、このコスプレコンビはとことん凝るようだ。
 「二名様ご案内〜」

 教室の中は見事な茶室と化していた。
 「いらっしゃい、キョン君、佐々木さん」
 あでやかな着物姿の天使は、言うまでもない朝比奈さんである。他にも着物姿の生徒が何人かいた。
 「皆鶴屋さんが用意してくれたんだ」
 国木田の言葉に、俺は唸った。さすがは資産家。桁がちがうわな。
 佐々木と並んで正座して座り、朝比奈さんが点てた抹茶を作法に従い、静かに頂く。
 「美味しい」
 苦みは少なく、お茶の風味がよく味わえる。添えられた柿の干菓子は程良い甘さで、この席に相応しい。
 「結構なお手前でした」
 俺と佐々木は揃って、頭を下げて礼を述べた。

 鶴屋さんのクラスをでて、今度は長門のクラスへ向かうことにした。
 「それにしても、国木田君と鶴屋さんは益々仲が良くなっているようだね」
 うむ。何かあれば、鶴屋さんは国木田をご指名のようだからな。単なる先輩後輩の中じゃない様な気がするな。
 そんなことを俺達が喋っていると、またしても後ろから声を掛けられた。
 「あの、すいません」
 声をかけて来たのは、俺達と同じぐらいの、光陽女学園の制服を着た女生徒だった。
 「すいません、人を探しているんですけど」
 その言葉で、俺はもしや、と思った。
 谷口の彼女――九曜が言っていた、転校してきた友達とはこの女生徒のことだろう。
 その女生徒の口から出た名前に、俺は少なからず驚いた。

 「古泉一樹さんのクラスはどこだかご存じありませんか?」
 ツインテールに結ばれた女生徒の髪の毛が揺れていた。
 
 
365 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/01/28(月) 00:25:20.94 ID:13l3gWcc
しえん
366>>291の続き(1/2) オリキャラ注意!:2013/01/28(月) 09:05:06.45 ID:TpHCqW2v
            〃 ̄ヽ  .  | カウノデス!.画_集. |
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_|__|| ヽ―――――――――――――――――――――――!    |l  ̄ ̄ l|
 ̄| ̄..__||  | |∧∧ ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄| |    |l _s_l|
. [l,ィ´:::::::::ヾ| lっ゚ x゚) ___l爻爻x、.| l爻爻x、.| l爻爻x、.| l爻爻x、.| l爻爻x、.| |___ |:| __
_f::(::i::Li_ji).|―‐ '´   , 々‐―| |―――| |―――| |―――| |―――| |     /_ヽ
 ̄j:i:ヽ:|゚ cノl| l. ̄ i、(ノノソヾザ. ̄| | ̄_ ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄| |  ,.‐-'ー- 、┘
 ノj:/゙l:|'/:;イ.l l爻.メwj! ゚ー゚,ハXx、|;'´, ; `@..l爻爻x、.| l爻爻x、.| l爻爻x、.| l.ノ /    ヽ_
ノノ(^ヽU、;リ l |==(.〈.kiヾ/jリ==.ノイ(ハ从kャゞl======|_l==== 、 |_|======|_|ノハハハハ'´;  u ヽ
`ー-し'ヾニゞ'_____</UU>___`'zゝ^ヮ^ノッ_______   ( "8'  ̄`ヽ.   !|┬ ┬;iルリノリリキ!
:\\  .  |\\=;=;=@;=;=;=;=;=⊂)゙京iつ=;=;=;=;=;=;\\ リ((ハヾNリi   ’ 、「) ノk!、D ゚ lfハ
;=;=\\  l!l.i|\\=;=;=;=;=;=;=;=; く/_j,>;=;=;=;=;=;=;=;=;\\。!、ヮ^(ソO て二l゙|Y|`|!うiキヂ(ヽ》)
 ̄i! ̄|l il . \|! li|i;l | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ >_),) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i! ̄|l ilヽ|廿| /     / T `U<イT i,ゞ
.. \li|il l    \|;; i|                     \li|il | レーJ    〈_,/.ヽ__〉. iミiヨ
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K,从l: :|: :|: :|: :|: `;, '   `ー''"   _;, _,"  ゛-'';       ゛r.,_ '   ,ィ´::::::::::ヽ        `;,
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∧∧ /~~ヘ/⌒⌒;'´, ; ヽヽ/~~ヽ/⌒⌒ゝ /~~⌒⌒ヽ/~⌒`〃⌒_,゙',,⌒川)~ヮノ∩゛''ー` ~ ' -.,,
(x - /    (  ノイ(ハ从kャゞ/ ゞ ( 彡  ミヽ,. ‐-ー- 、〃 ,, -`   _  `''゛;゛'' っ,^ ..;,- ,;.,-
. ソ~~⌒ヽ )0' ̄ `'zゝ^ヮ゚ノッ⌒ ̄;_~⌒~~' ̄ノ /    ヽ'.⌒~~ '´;  # `よヽ '-,,''_),) - ー- _,, ,,;
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367(2/2) オリキャラ注意!:2013/01/28(月) 09:06:26.97 ID:TpHCqW2v
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 ̄rvへ:_.||'   ; ヽヾll| |/.         ,. ‐-ー- 、.  ノイ(ハ从kャゞ  ̄`ヽ;!il| k!、ヽT lfハ
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 _,..-‐'"i」」」」|┃ ┃ |!| '´   , `@ .ノハハハハハ !  〈_7y/iG、ヮ^(ソ;!lii!|.レiニヨン
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,i」」」」」」」」」」/.:.───メwj! ゚ー゚,ハ─.’ 、っ ,ノル´──Ll__,」.─i_!_liー' ─────
.」」」」」」」」」/ ∧∧.  (〈./^ヾサlヾ)  /!゙ly!kチヽ
    〜( ( -x-) .    Lン'木|シ   ヽi==f(l_,ソ
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 ;'´, ; `@ i、(ノノソヾサ ハ、'' D ''ノルiハ! iチリノリリキ!   /'Y.V.ハ  〃 u  ヽヾ   \
ノイ(ハ从kャゞメwj!- c-,ハ. /iヾyソ"ヽп。/k!、〜゚ lfハ.  ゙ーィ二ト'゙ i ハハバハ>      \
`'z,ゝ ^ヮノッ(〈./^ヾサiヾ) ヽ{うニKノハ|%|Di ̄|φ!》)    ,  _ イ(! ─ ─|iヽ
  /ヾy/iう ̄ ̄`ーキ[|iiii| |iiii|] ̄ ̄ l,_,l Yo  ̄ ̄ 旦\ ( (ゝ_ゞハ、 〜 ノ’) \
/'(iヽ_ノづ旦_。_      ̄.  ̄        ┴        旦\ ヽ  ,-一〜⌒´ ̄`ヽー`、
ゝとi_i/  c(  ア                   |_|]    \ \ ヽ、  ´ ,    ヽ   ヽ、
ー---l二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二l   \ ヽ、   ' ,  、`   ヽ、
  .   | |l     ,.ィ´::::::::::ヽ      _,.-(⌒( - ゚-)っl | |     \ ヽ、             ヽ、
  .   |_,,ソ ,......ノ:/:(::i::Li_j_i).  ____. `ー'∨∨.  !,|_,ン       \ ヽ、________,;)
      ごソ;;;ノ;ノ;;j:i;ヽ:|*~ヮノ;lつ ()コーラ)                  `ー────────'
368この名無しがすごい!:2013/01/28(月) 10:32:02.66 ID:Oon4Vm+P
>>367
:     |!:l;i1|i:      |l;iヽ二二二二二二二二二二二,イi;!i|     |i |:;|l!;!i|
.     |:i!l!;!||.       |li;| ヽ三三三三:典:.三三三三_/ , |;;l|     |l |lil!|!i;|
=====|l:|!li!||=======|;li|、 |ト、|[##Ξ][Ξ##:.]|イ li',..|lii|=====:| i|i!:l;i1|.=====
┬‐┬|j!li:!i||┬┬┬‐|ll;| ド、_i\ ______./!_j/j~ ,|:;i|     |!!|;:i:i;l:;|
┼‐┼||il;!i!||,.+-‐-.、‐|il;| |ヽ、i !:i゙ _,...._.ii_,_,_,_,_i: ! :il_,.:イ~ |il;|     |!!|l;i:ll;:i|
┼‐┼|i!i;!|i||/ u ト、 ヾ;i| | :|゙:i !:i;'::::!:l」ji冊冊 i: ! :i|  | :|l;i|     | l|;:i;li;l;|
┼‐┼|;li!:|!||(从メ=========《《《《《《= .  ̄ ̄i; ! :i|  | :|;i;|     |i ||;il;!i!|
┴‐┴|:|l!;!i||(|::;:::::;::i!l;||_| :|゙:i__iノ:::::リU┴──':,i__i|;;;;:!.....|;li|     |!!|i|:i!l!;|  _
 ̄|| ̄|l;i|1i|lヘ ;; ロ;;ノハl| | .|/!ノ;;;;;;;ゞJ   .    }ヽ.i'''''l_il_.    |i |j!l;i:;!|. '´;  , ヽ
_||_|;l!i;|!l()ゞ=┴<ヽ;l|_|/|/            ヽ ;'´, ; `@ ] | i|;!il!!i;| iルリノリリキ!
 ̄rvへ:_.||'   ; ヽヾll| |/.         ,. ‐-ー- 、.  ノイ(ハ从kャゞ  ̄`ヽ;!il| k!、ヽT lfハ
'´`='=~ ,..-‐'レメノリ从))l/  _    ノ /    ヽ `'zゝ^ヮ^ノッハヾNリi|1i|《ハゞチ/ヽ》)
 _,..-‐'"i」」」」|┃ ┃ |!| '´   , `@ .ノハハハハハ !  〈_7y/iG、ヮ^(ソ;!lii!|.レiニヨン
'"  」」」」」」」」|''__x_''ノ!|_i、(ノノソヾサ_!|へ へ ,iリ)!__トlニニ!_ヽi゙yi'lヽ、!i!|_.}_jミ!__
,i」」」」」」」」」」/.:.───メwj! ゚ー゚,ハ─.’ 、っ ,ノル´──Ll__,」.─i_!_liー' ─────
.」」」」」」」」」/ ∧∧.  (〈./^ヾサlヾ)  /!゙ly!kチヽ
    〜( ( -x-) .    Lン'木|シ   ヽi==f(l_,ソ
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 |  | |  | (ヾ/,ノ) |:::lな. ん|:::|  |  |.(ゞハ^ヾD:| .    |:|:|          |:| |
 |  | |  |  ミ)Y´ノ  |:::|い__|:::|  |  lニニニニ|:| O.   |:|:|        O |:| |
 |  | |  |   i ̄ l   l;;;;;;;;;;,. -‐- 、|  |(,____,Z|:| .    |:|:|          |:| |
 |  | l/ ̄.└‐┘  ̄ ̄〃;' ト、 、 ヽ.l(,_______|:| ( "ミ0 ̄`ヽ..        |:| |
 |  | l.. =》》》》》》========= バ.i  i!(,_ _ _|:l__))(八)ヽソ _______|:| |
 |  l_ ̄ ̄. '´   , `@ !ilー‐;;;ー‐ |l); l─'´;  , ミヽ─ヾ)゚ヮ゚ノ)─., -‐-ー.、‐─|__j
 ;'´, ; `@ i、(ノノソヾサ ハ、;; D ;;ノルiハ! iチリノリリキ!   /'Y.V.ハ  〃     ヽヾ   \
ノイ(ハ从kャゞメwj!- c-,ハ. /iヾyソ"ヽп。/k!、〜゚ lfハ.  ゙ーィ二ト'゙ i ハハバハ>      \
`'z,ゝ ^ヮノッ(〈./^ヾサiヾ) ヽ{うニKノハ|%|Di ̄|φ!》)    ,  _ イ(! へ へ|iヽ
  /ヾy/iう ̄ ̄`ーキ[|iiii| |iiii|] ̄ ̄ l,_,l Yo  ̄ ̄ 旦\ ( (ゝ_ゞハ、 〜 ノ’) \
/'(iヽ_ノづ旦_。_      ̄.  ̄        ┴        旦\ ヽ  ,-一〜⌒´ ̄`ヽー`、
ゝとi_i/  c(  ア                   |_|]    \ \ ヽ、  ´ ,    ヽ   ヽ、
ー---l二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二l   \ ヽ、   ' ,  、`   ヽ、
  .   | |l     ,.ィ´::::::::::ヽ      _,.-(⌒( - ゚-)っl | |     \ ヽ、             ヽ、
  .   |_,,ソ ,......ノ:/:(::i::Li_j_i).  ____. `ー'∨∨.  !,|_,ン       \ ヽ、________,;)
      ごソ;;;ノ;ノ;;j:i;ヽ:|*~ヮノ;lつ ()コーラ)                  `ー────────'
369この名無しがすごい!:2013/01/28(月) 12:37:36.58 ID:3cQUceb6
>>364支援
きょこたん登場、古泉巡ってハルヒと修羅場期待……は厳しい?

>>365-366乙乙
こらまた賑やかですな(´ω`)
370この名無しがすごい!:2013/01/28(月) 20:35:41.89 ID:3cQUceb6
アカシックレコードと佐々木さん
371この名無しがすごい!:2013/01/28(月) 22:22:51.90 ID:8UFLEEw+
>>366
すげええええええ!!
そしてなにげにがんばらない佐々木さんの掛け軸が。
372この名無しがすごい!:2013/01/28(月) 23:11:46.35 ID:4x3hG3T6
>>368
おお、乙!
素晴らしいAAだ。
373この名無しがすごい!:2013/01/28(月) 23:31:59.34 ID:13l3gWcc
>>367
凄いですね
374『蓼食う虫と食われる蓼』:2013/01/29(火) 00:28:26.06 ID:UC0USU94
「やっぱキョンはないわー。古泉くんみたいにイケメンでお金持ちがいいわー。」
「……そう。」
「ふええ……そ、そうですね。」
「そうか。」
「んっふ。」
ま、知ってた。俺が古泉に勝てる要素はないからな。
「さて、将棋でもやるか?古泉。」
「え?……ええ。」
ハルヒ達は、意外そうに俺を見る。
「……あんた、悔しいとかそんなんないの?」
「事実を指摘されて、悔しいもなにもあるか。実際、俺と古泉を並べて俺を選ぶヤツはいない。」
将棋の駒を用意する。
「わかんないわよ?蓼食う虫も好きずきって言うし。」
「ああ、俺は蓼だからな。だから柔らかくて食べやすい草に行ってくれ。」
下手な慰めなんかいらん。所詮俺は非リア。谷口の類友が精々だ。
そうだ、藤原も誘うか。三人寄らば文殊の知恵ともいう。非リア三人で遊べばさぞ楽しかろう。
ボードゲームで古泉を片付け、団活終了まで時間を潰す。とりあえず谷口にメールを送り、佐々木を経由して藤原にメールを送った。
返事は、二人ともイエス。谷口はともかく、藤原も意外と暇なんだな。

「……だから反対したんですよ……。彼にそうした嫉妬を煽る作戦は、絶対に逆効果になる、と……」

「よー、キョン!来たぜ!」
「僕をお前が遊びに誘うのは、既定事項にない。この遊びが、どれだけの(僕とお前は)未来に影響を及ぼす(お友達になれる)のか……ふくく……」
「すまんな、谷口、藤原。たまにゃ野郎同士の親睦を深めたくてよ。」
俺の言葉に谷口がニヤリと笑う。
「まぁ任せろよキョン。色気ぁねえが、たまにはこんなのも良かろうさ!」
「ふくくっ!親睦か!」
三人で、総合スポーツレジャー施設に入る。
「時間は三時間でいいよな?」
「ああ。」
「一晩でも構わんぞ、現地人。」
「死んじまえ。」
バスケットに、テニスに、サッカーに、バッティングに……
俺達は汗を流し、たまに通るお姉さんを冷やかし、疲れた頃にゲームコーナーに向かい、あっという間に三時間が過ぎた。
藤原と携帯番号を交換し、谷口とも親睦を深め、また遊びに行く約束をして別れる。
……すっげぇ楽しいな、こういうの。次は国木田や中河達を誘うか。
「やぁ、親友。」
不意に後ろから声をかけられた。この声は佐々木か。
「さっき、随分上機嫌な藤原くんがいてね。話を聞くと、キミと遊んだのが楽しかったそうだ。」
ほう。そりゃ何より。お前もなんなら古泉に話を通しておこうか?
375『蓼食う虫と食われる蓼』:2013/01/29(火) 00:54:08.93 ID:UC0USU94
「そこで古泉くんが出るのか、甚だ疑問なんだが……。僕は彼よりはキミと遊びたいよ。」
嘘つけ。
「くっくっ。この蓼め。大方何か言われて拗ねたな?」
うぐ……!やはり佐々木は鋭い……。しかし、俺が古泉に勝る所など……
「魅力の違いでないかな?古泉くんのルックスが魅力的という人もいれば、キミの唐変木さが魅力的だという人もいる。僕は蓼食う虫でね。」
……ん?
「男子との友情を深めるのもいいが、たまには僕との友情を深めてくれたまえ、親友。」
佐々木はそう言うと去っていく。

「然るのち、根っ子から食べてあげよう。」

佐々木の言葉に真っ赤になり、俺は立ち尽くした。

……まぁ、後日は略するぜ。結果だけ言えば、蓼はくつくつ虫に根っ子から食われた。
谷口達とも仲良くなり、男連中で遊ぶ機会も増えた。時々くつくつ虫も参戦し、男連中から笑われるが、まぁそこはそれだ。
ハルヒ達が古泉とうまくいくようセッティングしていたら、古泉が過労死寸前になっていた。あの美女三人が相手だとは羨ましいが、それも甲斐性だろうな。頑張れ、古泉。

「堪忍してください……」
「どうしてこうなった……」
「……エラー……」
「ふええ……」

END

フラクラ万歳。
376佐々木さんのキョンな日常:2013/01/29(火) 01:38:25.80 ID:G25Aus3W
佐々木さんのキョンな日常 学園祭その3

 古泉は俺の友人だが、あいつは一年九組にいる。確か、クラスの出し物の喫茶店の準備で忙しいと思うんだが。
 「ありがとうございます。私は橘京子と言います」
 古泉の友達か?
 「ええ・・・・・・昔からの知り合いです」
 橘と名乗った女生徒のその言葉に、何故か俺は少しだけ引っ掛かるものを感じた。
 「でも良かった。一・・・古泉さんにあなたのような友人が出来ていたなんて」

 「それじゃ、失礼します」
 橘は俺たちに頭を下げると、一年九組の教室へ向かった。
 「彼女は、古泉君のただの知り合いじゃなさそうだね」
 佐々木の言葉に俺は首肯する。
 橘が言いかけた言葉、あれはおそらく「一樹さん」だ。下の名前で古泉を呼ぶのは、橘がかなり古泉と近い関係
にあるということだ。
 正直に言えば、俺は古泉の友人だと名乗ったが、古泉自身のことを良くは知らない。あいつと顔を合わせるのは
学校とSOS団の活動中くらいなのだ。あいつの自宅の住所は教えてもらったのだが、未だお邪魔したことはない。
 あいつの爽やかスマイルの下には、何か秘密があるのだろうか?

 ”僕は涼宮さんのことが好きなんですよ”

 春先に古泉から聞いた言葉。あの時の古泉の表情は真剣なものだった。嘘偽りがない、あいつの本心。
 「まあ、後から古泉を捕まえて問いただしてやるさ。それより、佐々木。次の所へ行こうぜ」
 俺は佐々木を促し、長門の教室へ向かった。

 「いらっしゃい、キョン君、佐々木さん」
 長門たちのクラスの出し物は、なんと占いだった。それで、長門も魔女っ子みたいな格好をしているのか。中々
に合っているな、その格好。
 そう言われて、長門は照れたのか、恥ずかしそうに下を向く。
 しかし、素人が占いをどうやるのかね。
 そう思っていると、実は占いをやるのはパソコンにインストールされた占いソフトだそうである。
 朝倉と長門の両親の会社、統合CーNETが近々配布する予定のパソコン、スマートフォン向けの占いアプリを、学
園祭向けに特別に貸し出してくれたそうである。
 鶴屋さんと言い、長門たちと言い、何か羨ましい話ではある。

 「ここは定番だが、君と僕との相性占いをやってみようか」
 なにを占ってもらおうかと考えたとき、佐々木がそう言った。
 「それじゃ、まず二人のフルネ-ムと生年月日、血液型、それに出会った日と一緒にいる時間を入力してください」
 長門に言われるまま、俺達はそのデータをパソコンに打ち込む。しかし、初めて出会った日なんて、よく覚えて
いたな、佐々木。
 他にも、細々としたデータを打ち込む。何か尋問されている気分になるのだが、個人情報保護は大丈夫なんだろう
な、このソフト。
 「それでは診断開始」
 ENTERを押すと、画面が切り替わり、流れるようなCGが表示される。占い結果が出るまでのつなぎである。
  
 『おふたりの相性は99・9%。まさに理想の組み合わせです。お互いを大切に思う心があなたたちを強く結びつけ
ています。その絆を大事にしてください』
 電子合成音声が告げる結果に、教室がどよめいた。
 
377この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 01:45:25.00 ID:9WDcQIao
>>364
ハルヒ挟んであっち△こっちは□
きょこたん登場でハルヒもぶれるだろかね・・・楽しみすぐるw

>>AAのおちびサン達
誰が誰なのか解説ぷりーず

>>375
なるほど、古泉はこうやっていじめるのか ニヤソ
駄菓子貸し、ササキサンダイターン3に繋がる展開が思いつかんので書けんな・・・
378この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 01:51:48.50 ID:9WDcQIao
ぐは〜
レス入力中に新作投下、乙ですごっつおさんです
379この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 02:28:53.72 ID:G6sqymmX
最近投下続いてて嬉しいわ
某ハゲのおっさんも見習って欲しいわ
380この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 03:29:52.70 ID:zXUGIzZq
AAのやつはヤスミがいるような気がするんだが確信はもてない。
きょこたん百花ワロタ
381この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 06:47:22.75 ID:lX+lm8QF
>>379
禿げのおっさん?
382この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 12:28:01.60 ID:pEfkHjHG
乙&支援でー
自らを蓼食う虫と称する佐々木さんの攻めもなかなかだが、相性99.9%とは攻め過ぎだぞ占いアプリw

>>381
原作者のながるんのことでない?
383この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 13:21:53.59 ID:UC0USU94
>>377
例えば、ハルヒ達の言動を逆手に取るなど。
「ん?あなた達は古泉くんみたいな人が好きなのだろう?くっくっ。」など。
省略した後日談は、ただのSOS団イジメになるといふ。

「図書館に……」
「ん?待ってろ。古泉に聞いてやる。」
「…………」

「次の任務を手伝って欲しいんですが……」
「俺よりは、古泉に手伝ってもらってはいかがです?」
「…………」

「日曜日、服買いに行くから付き合いなさいよ。」
「悪い、谷口、国木田、中河、榊達と遊びに行くんだ。古泉でも誘ってやれ。」
「…………」

「閉鎖空間が頻発しています。勘弁して下さい、お願いします。」
「またまたー。鍵はお前じゃないか。ハルヒに長門に朝比奈さん。羨ましい限りだぜ。俺は佐々木とデートだからよ。じゃあな。」
「き、極大の閉鎖空間が!」

といった具合でしたw
384この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 17:14:07.75 ID:o6kQ5tSs
>>367
面白いAAだ
385この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 18:57:38.10 ID:pEfkHjHG
>>383
世界の重荷から解き放たれて、キョンも気楽そうだw
386この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 21:05:09.08 ID:yHaWqnVx
366-367のセリフありバージョン(HTML)を、アップローダーお借りしてうpしました。
かなりgdgdなので、AAだけでも面白いと感じて下さった方は、ご覧にならないほうがいいかもしれません。

  コンカイ カギリノ
  オリキャラ デス      ,. -一- 、  ワタハシ ヤスミデス
     _         ;' ,'´;' `ヾウ)ヽ  サイトウジョウ ハ
   '´   , `@     ノ(从ハ从,ゞャい  アルノデショウカ?
   i、(ノノソヾサ ..    'イik ┃ へルィk!
..  メwj! ゚ー゚,ハ     'ハ、'' ヮ'''ノzメ      コウイウ ヤスミチャンノササキバン
.  (〈と)iキサiづ     ⊂}|{H}|'{⊃       ミタイナ オリキャラノデル SSッテ
     く/_j>         </_i_l_,ゝ     ∧∧   アッタリスルノダロウカ…
     し'ノ          (_,ハ__)     (-x- ) )〜
387この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 22:20:04.04 ID:UC0USU94
お仕事一段落(´ω`)

息抜きに即興ネタ拾いやります。
見たいシチュエーションと二人の状態を、先着一名様で。
388この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 22:28:00.10 ID:zXUGIzZq
>>383
細かいフラクラはSOS団相手でもやらかすんだろうけど、これはちょっとw
肝心なフラグはちゃんと拾ってくれるのがキョンのはず。

なんか久しぶりに基本に立ち返って佐々木さん相手にフラクラかますキョンが見たくなってきたなw
フォローか仕返し込みで。

>>386
うpロダ見た。乙。
確かにありそうでなかったネタだわ。
自分はヤスミの中に佐々木因子をわずかでも見いだせないかと考えていたんで、その発想はなかった。
389この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 22:59:38.91 ID:pEfkHjHG
うずうず

でも、自重
390『ふらくら時間』:2013/01/29(火) 23:13:35.12 ID:UC0USU94
「キョン、来週の日曜日に買い物に行かないか?」
「佐々木と?構わんぞ。」
よくよく考えれば、二人で出歩くのも久しぶりか。
……さて。お気に入りの服に、お気に入りの香水に、お気に入りの…………ぱ、ぱんつに……あ、あと、ななにがあってもいいように、み、身嗜みに、財布に近藤さんを……!
こうしてめかしこんだ私の前にいたのは……ジャージにビーチサンダルのキョンだった……。

『ふらくら時間』

「随分めかしこんだんだな。見違えたぜ。」
「くっくっ。そうかい?」
ま、まぁ、ともかく……見た目のインパクトは与えたみたいだ。
「いい匂いだな。」
良かった……香水にも気付いてもらえた……
「朝比奈さんも同じヤツをつけてたな。」
…………
「人によって、香りが違うんだな。お前のほうが落ち着いた匂いだ。」
「くっくっ。香水は、つける人間によっても香りが変わるみたいだよ?」
「いい匂いだと思うぜ。何だかお前らしい匂いだ。朝比奈さんよりは、お前を思い出すようになりそうだ。」
一瞬殺してやろうかと思ったが、良しとしよう。……移り香させてやる。

「さて、映画にでも行くか?ああ、図書館はNGだ。長門が『行くな』と言っていたからな。」
長門さん、ねぇ。まぁいいが。
「映画にしようか。」
「そうだな。」
映画は、三本ロードショーされている。

『風邪ヶ丘』
『イスラエルの中心でハイルヒトラーと叫ぶ』
『秒速5キロメートル』

……どれも興味は惹かれるが、あまり見たくないタイトルなのは何故だろう?
特に2番目の映画は、死亡以外のオチがあれば御教示願いたい。

「『秒速5キロメートル』にするか。」

おい!

定番は甘いカップルものだろう!『秒速5センチメートル』のパクりなんだから、悲恋以外何もないだろう!
見てみたい気もするが、これはダメだ!悪い予感しかしない!
「風邪ヶ丘よりいいだろ?お前、恋愛は精神病だと言っていたじゃねぇか。」
ぐ…………!

結局、私達は映画館に入った。

「ねぇ、グラハムくん知ってる?レールガンの撃ち出される速さ。」

二重のパクりだーッ!
声優ネタで銀○かと思えば、ガン○ムだーッ!
もはや、どこをどう突っ込んでいいのかすらわからない。
隣のキョンの顔も、驚愕以外何物でもない。唖然とした表情でスクリーンを見詰めている。
391この名無しがすごい!:2013/01/29(火) 23:15:56.13 ID:LjlZen2z
イスラエルって案外ナチスをネタにする人多いって聞いた
392『ふらくら時間』:2013/01/29(火) 23:59:47.74 ID:UC0USU94
幼馴染みのグラハムとフラッグは、運命的なものをお互いに感じあっていた。
結果は、まぁ悲恋なんだが…………
「……佐々木。これはロボット愛ものなのか?」
「……わからない……フェチズムというのは理解不能だ……」

『よいではないか、よいではないか!収録が終わったら謝りますから、監督が!土下座もさせて頂きますから、監督が!』

ベッドシーンだーッ!メカと人がどうやってーッ?!

「……出よう。理解不能だ。」
「意義なし。」

こうして、ただ単な時間の無駄は過ぎた。

次に行ったのは、食事。喫茶店に入り、トーストとサラダを頼む。……少しはお洒落に見えるかしら?
「そばめし1つ。」
「…………」

……何を浮かれていたんだろうか。キョンにとって、今日はただの友人とのお出掛け……。
万が一なんて起きるわけないじゃないか。

昼食が終わったら帰ろう……。サラダを見ながら溜め息をつく。

「……なんつーか、すまん。」
何が?
「こうして女子と出掛ける時は、こうすりゃいい、ってハルヒがほざきやがって。
どうやら俺は嘘を吐かれていたらしい。」
教えるヤツも大概だが、信じるヤツも大概だ。
「今度、埋め合わせをしたいんだが……」
……おや?少しは恵まれたかな?

「そうだね。次の日曜日なんてどうだい?」
「すまん。その日は妹とミヨキチと出掛けるんだ。」

もういい。私は席を立った。
もう知るか。そう思っていた私だったが、一通のメールで機嫌はたちどころに良くなった。

『次は、俺から誘わせてくれ。あと、お前の今日の格好は最高に似合っていたぞ。』

このフラクラめ……。つれないかと思えば、これだ。

『あんまり待たせないでくれよ?』

ここまで思考にノイズを走らせてくれたんだ。お返しはじっくりしてやる。
そうだな。遊園地を一日付き合わせてやろう。くっくっ。
次は、キョンから誘われる『デート』だ。またおめかししてやるさ。

END

大小様々なフラクラを入れてみました。
佐々木とのデートでは、逆にキョンがフラクラされまくり、やきもきしまくったとお考え下さいw
393佐々木さんのキョンな日常:2013/01/30(水) 00:37:06.20 ID:TpF5jqHz
佐々木さんのキョンな日常 学園祭その4

 「すごい・・・・・・99・9%なんて数字、初めて見た」
 「今まで64%が最高だったのに」
 占いソフトが叩き出した数値に、一年三組の生徒たちから、驚きの声が上がった。
 そうなのか、長門?
 「うん。会社のモニター調査でも最高数値は72%だったの。本当にすごい・・・・・・」
 
 「君と僕との相性の良さが証明されたことになるのかな?」
 まあ、このソフトが証明しなくても、お前との相性はかなりいいと俺は思っていたんだが。
 ・・・・・・ん、どうした、佐々木。何で黙っているんだ?
 「・・・・・・キョン、君は時々大胆なことを平気で口にするね」
 佐々木の顔が少し赤くなっていた。

 「しかし、これだけ高い数値というのも、かえって気になるね。少し出来すぎなような気もする」
 99.9%の数値だからな。バグったわけではないと思うが。
 「キョン、ちょっと他の人と試してみようよ」
 俺は構わんが、誰と試すんだ?
 
 「私でよかったら・・・・・・」
 そう言ったのは何と長門だった。
 いいのか、長門?
 「うん。ちょっと興味あるから・・・・・・実を言うと、私も朝倉さんもこれ、使ったことがなくて」
 そうなのか。ああ、でも、朝倉はそのうち使うかもしれんな。昨日、俺は中河から連絡をもらっていた。
 
 成り行きで、今度は長門がデータを打ち込む。俺のデ-タは先ほど入れたデ-タに少し追加するだけでよく、
すぐに終わる。それにしても、佐々木もだが長門も俺と出会った図書館の日の日時を覚えていた。女は男よ
りも記憶力がいいのかね。
 「それでは診断を開始します」
 再びENTERが押される。そしてCG画面。結果が表示される。

 『お二人の相性は90・5%。とても良い感じです。これから先、ともに過ごす時間が増えるにつれ、二人の
仲は進展していくでしょう。共に支え合い、お互いの力になれるいい関係です」

 ・・・・・・こういう場合、正直どんな反応をして良いのかわからん。
 
 「思った通りだよ、キョン。このソフトはかなり高性能だよ」
 佐々木が面白いというように、クックックと笑った。
 長門は下を向いていた。
 「このソフト、信頼できるね。今の結果を見て、僕は確信した。長門さん、これは絶対ヒットするよ」

 「おじゃましたな。かなり面白かったよ」
 長門に礼を言って、俺と佐々木は一年三組の教室を出た。
 あのあと、何故か俺と佐々木はデジカメで二人並んで写真を撮られた。
 「宣伝に使わせてね」
 そう言われたのだが、佐々木はともかく、俺が宣伝になるのかね。

 
 教室を出たとき、私はキョンを見送る長門さんの表情を見た。とても嬉しそうな表情。間違いなく、彼女は
キョンのことが好きなのだ。涼宮さんも手ごわいけど、どちらかといえば、長門さんの方が強敵かもしれない。
 宣戦布告をしたものの、涼宮さんはまだ特に何か具体的な行動をしてきてはいない。まあ、何か企んでいるのは
間違いない。
 キョンは優しいけれど、私以外には特に長門さんには優しくしている。キョン自身は自覚はないけど。
 ライバルは増えたけど、私は負けるつもりはない。長門さんにも涼宮さんにも。
394この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 08:39:01.63 ID:smfio2K/
>>392
ネタ拾いサンクス。
両想いになる前のフラクラ奮闘モノはやっぱ面白いな。
しかし佐々木さん、耳年増というかエロいなぁ。

>>393
乙。長門の相性も相当高いけど、その差は既に出来上がっている絆と
これからできるかもしれない可能性の違いだろうか。
まあ、絆の形は一つとは限らないからね。
395この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 12:24:13.67 ID:G05loknV
どっちも乙乙!

>>392
テンポの良さが気持ちい〜、昔vipで読んだフラグ擬人化を思い出しました
ハルヒ性格悪いぞw自分が誘った時にあんなことされる可能性は考えてたのだろうか

>>393
長門との相性の数字がまたリアルだw警戒してね佐々木さん
朝倉さんが自分もと言い出さなかったあたり……は、突かない方が吉ですかね
396この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 16:53:27.73 ID:UEBfeWaT
なんか無性にBまでの雰囲気重視のエロいやつを書きたい……。
今日中にエロパロに上げとく。
397この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 19:10:20.88 ID:9ntgK8LT
乙です
398この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 21:17:04.70 ID:G05loknV
今日は故あって駄目なので、明日読みに行こう
399この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 23:27:33.64 ID:5dPFHRJz
>>386
400この名無しがすごい!:2013/01/30(水) 23:40:36.26 ID:UEBfeWaT
エロパロに『みずいろ』というタイトルで、佐々キョンを上げました。

キョンって、絶対に無責任な事はしなさそうですよね。
401『みずいろ』β:2013/01/31(木) 01:45:17.09 ID:XEGYU8Bi
「なぁ、キョンって童貞なのか?」
「いきなり藪から棒に何をほざくか、お前は。」
教室。朝っぱらから谷口はかっ飛ばしてやがる。
「あんだけ綺麗な彼女がいるんだし、童貞って事はねぇよな。」
こんな時に限って何故岡部は遅い?後ろを向くとハルヒまで聞き耳立ててやがる。
「……答える必要はねぇだろ。」
「かぁー……羨ましいぜ、マジで。」
「そうかい。」
回答の後に岡部が来た。
そんな気になるもんかね、全く。俺が佐々木を抱いていようがいまいが、お前らの人生になにがしらかの得でもあるのか?

いつもの団活が終わり、俺は珍しく古泉に呼ばれた。
「すみませんね、お呼び立て致しまして。」
「……またハルヒ絡みか?」
「いえ。……半分はそうですが。」
少し溜め息を吐く。大方、ハルヒは気付いている。俺が佐々木を抱いていないと。
「……佐々木、だな?」
「ええ。……単刀直入にお伺いしますが、貴方は童貞ですね?」
「まぁな。」
隠す必要もない話だ。
「お前もハルヒも、俺が佐々木を抱かない理由が分からない。そういうどころか?」
「ええ。」
……いちいち説明するのも恥ずかしい理由なんだがな。
「それに近い事はやっている。ただ。抱いてはいない。」
古泉は、首を傾げる。
「疑問ですね。世間一般の高校生ですと、彼女を抱きたいという思いや、リビドーをぶつけたい、彼女を自分のものにしたい、という感情のみが先走るものです。
貴方は、その感情があるのに佐々木さんを抱かない。それが疑問でして。」
本当に、どいつもこいつも。
402『みずいろ』β:2013/01/31(木) 02:14:36.12 ID:XEGYU8Bi
言う必要もないが、聞きたいなら聞かせてやるよ。くっだらねぇ理由だがな。

「お前、100%避妊が出来るか?」

俺の言葉に古泉が目を丸くする。
「笑いたけりゃ笑えよ。」
古泉は、困ったように微笑むと、やれやれとゼスチャーした。
「……貴方が、何故未だに涼宮さんから好まれているのか、よく理解出来ましたよ。」
「くだらねぇ。俺の自己満足だ。」
佐々木はどうか知らん。だがな。惚れた女に不要なリスクを負わせる位なら、俺は今すぐマイサンを切り落とすぜ。
「呼び出してしまい、すみませんでした。」
古泉は、そう言うと去っていった。

帰り。佐々木を駅で待つ。
「キョン、待たせたかな?」
「ああ、5分位な。」
佐々木はジト目をしながら、喉の奥で笑う。
「くっくっ。そんなつれない男は、仕置きをしてやろう。」
「やれやれ。」

今はまだ。この笑顔を守れたらいい。悔しいが、俺には何の力もないからな。
これからは自分次第だ。
佐々木を守れるか守れないかも。

「青に白足せば水色か。……ちっ。」
「キミは何を言っているんだ?」

思い描く蒼には遠いが、それまではこうして佐々木の手を繋いでいよう。
俺は佐々木と手を繋いで歩き続ける。

END

青+白=水色。
白→キョンの思う『未熟さ』
青→周りの思う『世間一般のカップル像』

こうしたテーマから『みずいろ』というタイトルにしました。
エロパロのほうと平行して読むと、テーマが分かりやすくていいかも知れません。
ただ、エロパロのヤツはエロくもない、キャッキャウフフ程度ですがw
403佐々木さんのキョンな日常:2013/01/31(木) 10:37:44.93 ID:n7xP2Lsj
佐々木さんのキョンな日常 学園祭その5
 
 今度は一年九組、すなわち涼宮と古泉のクラスへ向かった。あいつらが提案したという『お客も店員もみんなで
コスプレ喫茶』に、佐々木は招待されていたということで、これは行かねばなるまい。しかし、一体どんな店なの
だろうか?

 ・・・・・・何だ、あれは?
 九組の教室の前に看板を持ち、大声で客を呼び込むバニーガ-ル。間違いなく涼宮ハルヒである。
 おい、涼宮。お前、なんて格好をしているんだ?
 「いらっしゃい、キョン!来てくれたのね!」
 お前が佐々木に声をかけてくれたからな。それにしても、何でバニーガ-ルなんだ?
 「呼び込みはこの姿が定番じゃない」
 どこかのいかがわしい店なら確かにそうだろうが。スレンダーながら、発育しているところはしている涼宮のその
姿なら、先客万来だろう。
 ところで、ここはどういう喫茶店なんだ?
 涼宮の姿から目をそらしながら俺は尋ねる。
 「名前の通りよ。横の教室にある衣装部屋に入って、自分の好きな衣装を選んで喫茶店で楽しんでもらうのよ」
 そう言われてみると、八組と特別室の入口に「衣装室」の看板が立っている。八組が女性、特別室が男性の衣装室
らしい。
 「面白そうだね、キョン。早速着替えてみよう」
 佐々木は大乗り気のようである。

 コスプレ喫茶というだけあって、どこから集めたんだ、というくらいいろんな衣装がある。制服からアニメキャラ
ものまで、よりどりみどりである。
 「君がどんな衣装を選ぶか楽しみだよ」
 そう言った佐々木はなにを選ぶやら。
 だが、その前に‥‥‥

 「おい、涼宮」
 俺はいったん外に出て、涼宮を呼ぶ。
 「なに、キョン」
 何故か嬉しそうな笑顔を浮かべて、涼宮は俺の所へやってくる。
 「お前、これを着ていろよ」
 そう言って、俺は涼宮に真っ赤な衣装をかける。
 「その格好のままじゃ、風邪を引くぞ。まだ、明日もあるんだから」
 一番暖かそうな衣装はそれだったので、俺はサンタの衣装を選び、涼宮に着せたのである。
 「あ、ありがとう、キョン」
 照れていたのか、涼宮は俺の顔を見ないでお礼を言った。

 「お待たせ、キョン」
 衣装選びに念を入れていたのか、佐々木は俺より遅く出てきた。
 お互いの衣装を見て、俺達は吹き出しそうになった。
 佐々木はメイドの衣装に猫耳カチューシャをつけていたが、無茶苦茶似合っている。
 俺は執事の衣装に犬耳をつけてみた。夏休み、鶴屋さんの別荘で見た新川さんを思い出し、少しひねってみたので
はあるが、二人とも頭に飾りものをして並ぶと、何となくコントっぽい。
 「あれ、涼宮さん、衣装変えたの?」
 「そうよ。キョンが選んでくれたの!」
 ああ。涼宮が寒そうだったからな。
 
 「キョンはあいかわらず、優しいね。君のその女性を紳士的に扱う態度は誰に教わったのか、非常に興味があるね」
 俺自身はそんなに女性に優しくしているとは思わないが。古泉の方がよっぽど紳士的だと思う。
 「無自覚は罪なことだよ、キョン」

 「じゃあ、中に入って。たっぷりサ-ビスするように古泉君に言っておいたから」
 涼宮が俺の背中を押す。おい、そんなことをしなくてもいい。繁華街の客引きか、お前は。
 「二名様、ご来店」
404この名無しがすごい!:2013/01/31(木) 12:35:13.39 ID:Y3JMlsup
乙&支援
>>402
エロパロのはエロかったよ、充分
実際キョンは消失関連の最後でくそったれと伝えろと言ったり、映画撮影時のハルヒに殴りかかろうとしたりといざって時は後先考えない場合もあるし、どっちなんだろう

>>403
ハルヒのフラグ強化しないでお願い(´;ω;`)
405この名無しがすごい!:2013/01/31(木) 19:09:26.96 ID:PMN47pQl
>>403
おつ
406この名無しがすごい!:2013/01/31(木) 21:06:40.17 ID:Y3JMlsup
唐突にカラーひよこを愛でる佐々木さんを幻視した
理由は不明
407『恋するニワトリ』:2013/01/31(木) 22:23:55.94 ID:XEGYU8Bi
>>406
書いてみた。エンドレスエイトのアナザーパターンという事にしたから、後味はあまりよろしくないが。

夏祭り。ハルヒ達とはぐれた俺は、ヒヨコ屋の近くを通りがかった。
「(やれやれ。ガキ相手に阿漕な商売しやがって。)」
興味本位でカラーヒヨコ屋を覗いてみる。そこには……
「何やってやがんだ、佐々木……。」
色とりどりのカラーヒヨコを愛でる親友がいた。
「ああ。ヒヨコをね。」
佐々木は俺を見ると立ち上がり、微笑んだ。
「聡明なお前だ。知っているとは思うが、こいつらは……」
「皆、雄。そして毛の色は着色。だよね?」
うぐ……。返す言葉がない。
「くっくっ。久々の挨拶がこれだとは。」
「全くだ。」
二人でカラーヒヨコ屋の前に座る。色とりどりのヒヨコ達が動きまくり、ピヨピヨと煩い。それを見る佐々木の目は、あくまでも優しい。
「先日、ウチのニワトリが死んでしまってね。」
「ニワトリ?」
「ああ。小さい時にカラーヒヨコを買って、それが大きくなったんだよ。」
こうしたところのニワトリは、すぐに死ぬと聞く。それを生かすとは佐々木恐るべし……。
「あのコは真っ青なニワトリになる、と子供心に思っていたんだが。立派な鶏冠を備えた白色レグホンの雄だった。傷ついたよ、全く。」
佐々木はそう言うとむくれる。
「じゃ、そこにいるレインボーカラーは?」
「きっと何か間違えたB系のお兄さんだな。」
二人で顔を見合せ笑う。結局佐々木はヒヨコを買わなかったが、終始楽しそうだった。
「さて、帰るかな。」
「そうか。俺は連れを探すよ。」
「そうか。じゃあ、また。たまには連絡位寄越したまえ。」
「ああ。またな、佐々木。」

キョンが去っていく。……どうやら、彼は楽しい生活を満喫しているんだね。背中を見送ると、少女達と少年の一団が、彼を迎える。
彼らの背中を見送り、帰ろうとすると、足元に白色レグホンが染色されたものがいた。

「ココ、コココ。」

くっくっ。そうだね。思いを込めて卵を産まなくてはいけない。あの唐変木に好意を持つのは、私だけではないみたいだから。

8月31日。
またループは巡る――――

END
408『恋するニワトリ』:2013/01/31(木) 22:31:38.16 ID:XEGYU8Bi
歌詞を載せたかったが、やはり宜しくないと考え、取り止めた。歌詞について全文見たい方は、ググってくだされ。
409この名無しがすごい!:2013/01/31(木) 22:52:38.77 ID:f0oHOwzy
恋は 恋は 恋♪
410この名無しがすごい!:2013/01/31(木) 23:40:19.59 ID:Y3JMlsup
乙乙、EEはやっぱ寂しいね…
元曲の歌詞もググッたよ、ニワトリだから理解できてないのかそれとも自分の理解が足りないのか、けっこう脳天気に見えないこともない
動画だと印象違ったりするのかな?ともかくありがとう
411この名無しがすごい!:2013/01/31(木) 23:54:15.89 ID:n7xP2Lsj
 ネタに対して、きっちりSSを作ってこられる職人さんに対して脱帽です。
412この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 00:38:42.58 ID:a2VKoMyV
佐々木かわいいよ佐々木
413 【だん吉】 :2013/02/01(金) 00:41:57.47 ID:F9uE6BqF
どーれ
414この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 00:54:36.03 ID:mI+eIIGj
久しぶりにスレを覗いてみたら、何このSS祭り
相変わらず基地外や口悪いのやらをちらほら見かけるけど盛り上がってるようで何より
自分も時間出来たら何か書かせてもらおうかな
415 【吉】 :2013/02/01(金) 02:23:27.06 ID:waIRMEgk
こんばんは
416この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 09:06:03.30 ID:/9AUdUsZ
ほんと最近忙しくて嫌になるね
昼夜問わずSS書いて投下できる環境の人が羨ましい
まぁ今の景気だと、まともな職に就けてる事に感謝しないといけないのだろうけど
417この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 10:56:57.18 ID:Fb6bdlbt
週末恒例のネタ拾いやります。

先着三名様で
見たいシチュエーション
佐々キョン、両想い、どちらかの片想いか
明記のうえでオナシャス!
418 【末吉】 :2013/02/01(金) 12:17:51.24 ID:fSEjaU4R
佐々木さんに大吉を!

>>417
せっかくなのでおみくじで
両想い
419『待ち人、遠からず』:2013/02/01(金) 13:32:26.34 ID:Fb6bdlbt
>>418
把握。因みに前スレでは4連続の記録がw

初詣の季節も過ぎたというのに、何故か神社に足を運んでしまった。
何故また自分は占いや御神籤なんて、非論理的かつ非生産的並びに非現実的な事をしているのだろうか。
古くは亀の甲羅を使って占いをしていたらしいが。
シャーマニズムによって治められた国も過去にはあり、いかに人が非現実的な盲信に頼りがちかという事を如実に物語っている。
「毎度ー。」
こうして恋愛成就の神社に、わざわざ占いで最も良い日を選び、わざわざ籤を買う私にしても。
御神籤は……
『末吉 待ち人、遠からず来る』
……まぁ、現実なんてこんなものだ。佳くもなく悪くもなく。当たり障りない結果が一番だよね。
私は木に御神籤を括ると、足早に帰った。御神籤が導いてくれる事を願って。
「……遠からず来てくれよ?キョン。」

最近、国木田は占いに凝っている。
「キョンも占ってあげようか?」
「いらん。占いなんて非論理的かつ非生産的並びに非現実的な話だ。この21世紀にシャーマニズムを信仰するか?国木田よ。」
捲し上げた俺だが、国木田は笑顔で俺を見ている。
「ま、このカードの中から一枚引きなよ。」
「……やれやれ。」
聞く耳無しか。俺はカードを一枚無造作に引くと、国木田に見せた。国木田は、『やっぱり』という顔で笑っている。
「キョンらしいカードを引いたね。」
時計が付いた輪?なんだ、これは?
「Wheel of Fortune。運命の輪。『運命対自由意志』。」
「くだらねぇ。」
まぁ、あとから考えたら。ちーっともくだらなくなかったんだがな。国木田は、多分占い師になれる。何故なら。大当たりしちまったんだからな、占いが。
運命の輪は自由意志を選んだ。そうとしか言えん。……足掻いてみるか。運命とやらに。

「くっくっ。『待ち人、来たる。』だね、キョン。」
END
420この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 15:13:25.47 ID:ILy9dIvM
421佐々木さんのキョンな日常:2013/02/01(金) 18:04:05.06 ID:+8AUfOLx
  佐々木さんのキョンな日常 学園祭その6
 
 一年九組の教室は、様々なコスプレ衣装に身を包んだ客と店員で賑わっていた。
 定番の制服から、アニメキャラ、被り物から、映画キャラまで様々だ。
 その中で、ひときわ目立っていたのは、この企画を涼宮と考案した古泉だった。
 
 おい、古泉。その宇宙貴族兼艦隊司令官風の衣装は何だ?
 「これですか。実は涼宮さんが選んだのですが、『銀河英雄伝説』のラインハルト=フォン=ローエングラムだそうです」
 あのSF古典名作か。しかしなんで今頃そのキャラなんだ?
 「いま、宝塚でその演劇を上演しているのをTVで涼宮さんが見まして、それに決めたそうです」
 それでか。しかし、その衣装、少し派手すぎるな。
 「ええ。僕としましてはヤン=ウェンリ-が良かったんですが。涼宮さんの選択には従いますよ」
 お前も少しは断れ。あいつのためにならんぞ。
 「まあまあ・・・・・・そういえば、涼宮さんからサ-ビスするように言われていますので、どうぞ、空いている席にお座りください」
 皇帝陛下に言われるのも何か妙な気分である。

 「キョン、君がアニメのキャラコスプレをやるとすれば、なにをやりたい?」
 う〜ん、そうだな。ベタなところで、ルパン三世かな。髪型も近そうだしな。
 「・・・・・・それはどうかと思うのだけど、じゃあ、僕は峯不二子のコスプレをやればいいのかな?」
 いや、お前はクラリスだよ。清楚できしゃに見えて芯が強いお姫様が似合うと思うが。
 「すると、君は僕の心を盗んで行く泥棒ということになるね」

 そんな会話を交わしてくると、古泉皇帝陛下が飲み物を持ってきた。

 ・・・・・・おい、古泉これは何だ。
 「当店名物のミックス果汁『スクエア』です」
 商品名はともかく、このストローは何だ。ハ-ト型で、一つの器に二本挿してある。二人で、これを飲めというのか?
 「はい。あなたがたにふさわしいかと思いまして。ついでにこちらもどうぞ」
 俺たちの目の前にもってこられたのは、これまたハ-ト型の、二人分はありそうなホットケ-キだった。皿は一つでナイフとフォ
ークは二つ。
 「ではどうぞ、ごゆっくり」
 ごゆっくりじゃねえ!

 「キョン。せっかくだから頂こうじゃないか。涼宮さんたちの好意だ。ありがたく受け取っとこう」
 ・・・・・・しかし、佐々木よ。これを人前で飲んだり食べたりするのかよ?
 「僕は一行に構わないよ。買い物に行ったときも、よく二人で分け合ったり、交換したりしているじゃないか。同じことだよ」
 教室の中のざわめきが一瞬大きくなったような気がしたが、気のせいだろう。
 まあ、佐々木が言うとおり、買い物のときと大して変わらないか。俺もいただくことにしよう。
 「キョン、どっちがジュ-スを飲んでしまうか、競争してみるかい?」

 結論から言えば、二人で同時に飲んで、俺の方が飲んだ量は多かったな。佐々木と顔が近づいて、ジュ-スを飲むのに少し
苦労したが。
 ホットケ-キはきっちり二等分した。二段がさねだったので、メ-プルシロップとバタ-が多くかかっている上段を佐々木が
、下段を俺が頂いた。味はかなり良かった。

 「ごちそうさん」
 教室を出るとき、俺は古泉に礼を言った。
 「しかし、あなたも意外に度胸がありますね。どんなふうに食べるかなと思っていたんですが、堂々と二人で一緒に飲まれて
いましたね」
 ああ。少しだけ恥ずかしかったが、まあ、佐々木と遊びに行く時とそれほど変わらんからな。ああいう、ジュ-スの飲み方は
初体験だが。お前があのストローを選んだのか?
 「あれも涼宮さんのアイデアなんです」
 いろいろ考えつく奴だ。

 「古泉、暇になったら後でいろいろ廻ろうぜ」
 そう言って、俺達は次の教室へ向かう。
 古泉は爽やかスマイルで頷いたが、俺にはいつもの表情よりも少し曇っているように見えた。
422この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 18:39:27.62 ID:fSEjaU4R
どっちも乙乙

>>419
運命の輪、ググったら回避できない幸運みたいな意味ですね
てことはクラスみんなから有形無形のアシストでもあったのかな?

>>421
慣れてる二人がある意味恐ろしいw
きょこたんはまだ到着してないみたいね、教室を出る前に登場するか否か
423!omikuji:2013/02/01(金) 19:10:09.29 ID:F3vj+n/c
おつです
424この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 21:56:19.99 ID:fSEjaU4R
日付変わるまでが勝負、佐々木さんに大吉を!
425 【大吉】 :2013/02/01(金) 21:57:45.64 ID:fSEjaU4R
おみくじやってなかったorz
426この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 22:19:36.43 ID:Fb6bdlbt
特にリクエスト無ければ、0時で打ちきります。
427 【凶】 :2013/02/01(金) 22:49:15.00 ID:vtnms2PW
佐々木さんの運勢は?
428この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 22:50:16.41 ID:vtnms2PW
うわああああ佐々木さんごめんなさい!
>>427は俺の運勢で良いです!!
429この名無しがすごい!:2013/02/01(金) 23:02:07.25 ID:qP5odfCf
>>417
せっかくだから
シュークリームをめぐる何か
佐々木の片想い
430 【だん吉】 :2013/02/01(金) 23:34:58.78 ID:F3vj+n/c
今日の運勢
431『SUGAR LOAF EXPRESS』:2013/02/02(土) 00:07:48.85 ID:3YBTZ/ad
>>429
把握。

家庭科。今日はシュークリームを作る。
「あたし、○○くんに渡すんだ!」
「私は○○くんに…」
精神病に羅患した皆が、口々に譫言を言う。……恋愛なんて精神病に過ぎないのに。
「佐々木さんは、キョンくんでしょ?」
「いや?自分で食べるけど……。甘いの好きだし。」
無論キョンにやるのも吝かでない。しかし、いちいち色めき立たれるのは勘弁。この種の患者達は、友情すら恋愛だと言うからね。
「へー。なら、あたしキョンくんにあげようかな?」
こうしたお約束。お決まりだね、やれやれ。
「生クリームに見せ掛けた、白唐辛子でも使ってみて。人が火を吐けるのか見たいから。」

シューを焼く。そしてカスタードを作り、生クリームを泡立てる。
「佐々木さん、生クリーム泡立てて。」
手でやると意外と骨なんだよね。
しかし……先程の彼女が本当にキョンにシュークリームを渡すとしたら……
容易に鼻の下を伸ばす親友の姿が浮かぶね、全く。照れながら受け取り、精神病としか思えぬセリフを聞き、安っぽい言葉のバーゲンセールだろうか。
「佐々木さん!ちょっ……!」
……親友として見たくない光景だね。彼らしからぬ言葉のバーゲンセールは、実に佳くない。
「泡立て過ぎ!佐々木さんってば!ツノなんてレベルじゃ……」
いかんな。これじゃ私が可笑しいじゃないか。何もキョンが彼女を受け入れるとも限らない。
「度し難いね、我ながら……。」
滅茶苦茶に固くなった生クリームだが、まぁこれはこれでよかろう。カスタードも上出来。試食も上々。
さて、後はキョンに渡すだけ…………ん?いや待て。何故にキョンが?思考に大幅なノイズがあるようだ。誰かと話して気晴らしするか。

「給食の後にも食べると、肥りそうで怖いね。」
「佐々木さん、顔真っ赤よ?」
「コーヒーのカフェインのせいじゃない?カフェインって血管を拡張させるから。」

慌てて言い訳する私。……どうなっているんだ、全く。
432『SUGAR LOAF EXPRESS』:2013/02/02(土) 00:39:59.07 ID:3YBTZ/ad
結局、私はひとつだけ持ち帰る事にした。給食の時間になり、私はキョンと机をつける。
国木田くんに、中河といった連中も一緒だが。
「国木田、ひとつよこせよ。」
「嫌だよ。中河、自分で貰いなって。」
ルックス的に残念ながら当然なんだが、やはり国木田くんは貰えて中河、キョンは貰えなかった。
「やれやれ。」
キョンがゼスチャー付きで答える。
「余裕だな、お前……。佐々木から貰えたのか?」
「いや?佐々木から貰えるわけがなかろう。こいつはこう見えて甘いの大好きなんだぞ。」
そんなに欲しいものかね?中河も精神病に羅患してるみたいだね。
しかしキョンは相変わらず……よく私を理解していらっしゃる。
「まぁね。僕からキョンに渡すのは、まず僕が食べてからさ。」
「佐々木、それじゃ間接キスだ。」
中河が泣きそうな顔で言う。もぎって渡す発想がないの?この男は。
「くっくっ。よくジュースの回し飲みもやってるし、今更だよ。」
「だな。ただ、口つけては流石に飲めんが。」
「くっくっ。」
国木田くんが微笑み、中河が机に倒れる。……しかしまぁ。皆、よくこうした話題で飽きないな。
「ま……放課後もある。中河。まだ可能性はあるぜ。」
「下手な慰めはよせ、キョン。もうダメだ……おしまいだぁ!」
「全く……。中河、後でひとつ分けてあげるから。」
「国木田ぁ……」
美しい男の友情だね。私が幾つか持っていたら渡してあげるけど、勘違いしそうだよ。中河は。

放課後になり、キョンと共に塾に行く。
「佐々木、コンビニに行ってから塾に行かねぇか?」
「構わないよ。どうかしたのかい?」
キョンはバツが悪そうに笑った。
「……腹が減っちまってよ。」
「……全く。仕方無い奴だね、キミは。」
……これはチャンスかも知れないな。いや、何のだ。
433『SUGAR LOAF EXPRESS』:2013/02/02(土) 01:11:51.90 ID:3YBTZ/ad
勇気を振り絞れ。さぁ、早く。
「(人人人人人人……これくらい書けば落ち着くか?)」
私は前を見る。……キョンは既にコンビニにいた。

「待たせちまったな。」
「いや?」
コンビニから出てきたキョン。どうやらシュークリームを買ったようだ。
「国木田達が食ってるの見たら、やたら旨そうでな。」
「だから自分で調達かい?キミらしいね。」
パッケージを破るキョン。まぁ、人生こんなもんだ。キョンはシュークリームを食べると、パッケージをゴミ箱に捨てた。
塾の後、自宅に帰り、シュークリームを食べる。
「……しょっぱいなぁ。」
やたらしょっぱいシュークリーム。普通に作ったはずなんだけどね……。

翌日。私はシュークリームを作ってみた。
「人道的支援シュークリームだよ、中河。キョンも。」
「佐々木ぃ……ありがとう、ありがとう……」
中河が咽び泣く。……すまない、気持ち悪いよ。正直。
「うまいぜ、佐々木。コンビニなんかとは比較にならんな。」
「それは何より。お礼をしたいなら、次の日曜日に頼むよ。」
「ああ!何でも言え、佐々木!」
キミには言ってないんだが、中河。キョンは、やれやれとゼスチャーし、国木田くんに声をかける。
「国木田ぁ。中河と佐々木と次の日曜日に遊びに行こうぜ。」
「うん、わかった。」
あんなしょっぱいシュークリームは、一度でいい。
「楽しみにしておくよ。」
次は、キミと二人でね。

……あれ?

END

ビバ片想い。自分の気持ちに気付いてそうで気付いていない佐々木にしました。
434いじめは駄目だよね3 (適材適所):2013/02/02(土) 02:05:05.31 ID:NGc1iyA3
俺達をカリオストロの城のキャストで例えるとか…、
そうだな…クラリスは佐々木だな。
華奢で幸薄の美少女だからな。
本人の話し方は兎も角、なんつうか庇護欲をそそられる感じで守ってやりたくなるだろ。

長門は五右衛門だな。
職人気質で感情の起伏が少なく無口加減がぴったりだろ。

朝比奈さんはまぁ…80〜90年代ハリウッド映画定番のまったく役立たずで
行動が主人公の足を引っ張る如何し様もないヒロイン気質に酷似してますが
女性キャラが少ない映画なのでスタイイル的に峰不二子がよろしいかと。

古泉はなぁ…次元と言いたい所だが
腰ぎんちゃくと言うかイマイチ目立たない加減がジョドーだろ。
忠実な執事っぽっいしな。

ハルヒはだな。
独善的で我侭、周りに気を使うわせて踏ん反り返って迷惑千万、
視聴者に嫌な印象を与える伯爵がばっちりぴったしだろ。


俺か?
俺はルパンだろ。一応主人公だし。
クラリスを連れて逃げたいとつねづね思ってたからな。


「「「「あんた(あなた)は銭形」」」」

あれ、俺って昭和一桁!?
435いじめは駄目だよね3 (適材適所):2013/02/02(土) 02:07:42.28 ID:NGc1iyA3
いじめ??イク無い
正直今回は失敗、
らヴ無い、落ち無い、短い、ネタ弱い
すまんかった
436この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 03:42:33.94 ID:8opaZeoo
>>435
何をおっしゃいますやら、乙乙ですよ

いやあ、あの我儘基地外女が伯爵とは、ナイスキャスティング( ・`ω・´)
437この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 08:24:32.06 ID:KNmJFVzg
>>433
ちょっとだけ意地を張ってしまったがために、フラグ折る隙を与えてしまった佐々木さんかわいいw

>>434
はい先生!冷静で有能な佐々木さんには、頼れる相棒次元大介こそ一番の適役だと思います!
なので空いたクラリスにみくるを、不二子にハルヒをそれぞれ割り振るべきと提案します!
438 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/02(土) 09:12:32.38 ID:cANggbYt
おつです
439この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 13:07:32.18 ID:wWZHPVxO
佐々木はホームズに見える
440この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 16:00:36.61 ID:BLQZtyzp
>>434
銭形は相手がルパンだから間抜けに見えるけど
刑事の中では有能な方なんだよね
441この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 19:50:29.58 ID:3YBTZ/ad
佐々キョンで、ドラゴンナイト4をモチーフにしたファンタジーを書いてみたら、ラストがハルキョン(ジョン・スミス)に(´・ω・`)
前半部のみだとバッドエンドだし、公開不可。キョンをジョン・スミスにしちゃダメだな……。
442この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 20:08:33.06 ID:KNmJFVzg
面白い?前に箱説付きスーファミ版200円のを見たけど買うべきだったかな
443この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 20:45:07.41 ID:3YBTZ/ad
>>442
SFCは、ただのヌルい戦略ゲー。エロありきのシナリオだから、正直物足りんかと(なのでワゴンセールの常連ゲー)。
一部ユニットの性能格差があからさますぎ、主人公が後半から役立たずになるというw
444この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 20:56:26.37 ID:KNmJFVzg
>>443
了解です
もうちょっと厳しくして、100円なら買うことにします
445この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 22:01:53.53 ID:izzXbZYh
佐々木「うふふ・・・私ね、前から涼宮さんのことイイなぁって」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359807169/
446この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 23:24:47.21 ID:3YBTZ/ad
ドラゴンナイト4モチーフのファンタジーの設定、あらすじ公開。

機関関係者、未来人→魔族
古泉は魔王の娘のハルヒと結ばれるはずだったが、森を選び、魔王の不興を買い、幽閉される。
幽閉から解放され、森と結ばれる条件として出されたのが、人間界の支配。これを快諾し、田丸兄弟、新川を率いて人間界を侵攻する古泉。
魔王に反発し、何とか古泉を森と結ばせられないかと考え、みくると共に人間界にやってきたハルヒ。

神託がミスり、勇者に担ぎ上げられた不幸な男・キョン。
何かの間違いに違いない、と泣きそうになりながら旅支度をしていると、幼なじみの佐々木から『不幸の御守り』を渡される。

「いじめか?いじめだろ?いじめに違いない!」

涙ながらに旅立ったキョンの前に現れたのは、ジョン・スミスと名乗る男。
果たしてキョンは世界を救えるのか?
447この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 23:40:59.23 ID:cANggbYt
>>446
なんだそれは
448この名無しがすごい!:2013/02/02(土) 23:51:14.32 ID:3YBTZ/ad
>>447
たまには毛色が違うものをやってみたくて。
ただ、つまらん冗長なものにしかならん、と書いていて気付いたわ。
4491年以上前の没ネタAAその3:2013/02/03(日) 00:13:29.16 ID:S/1xj00q
         。     。
 。 。   。 ヽ    /   。
     \  。       /  。
     \  \   /    /
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 。    .,ィ'::::::::::ヽ,,'´   ヽ  /                   _ ,ィ:T'Tシ:::、ィT'Tシ,:::.、
  \  〈:i_i_i_l」:::::iliミi从从リ〉   。               ///三三三ミ::ヾ三三ミi
      ('l:|、- ゚ l:l::Oト(!^ヮ^ノ') /                / /.::ソハハハハド'}ソ ヾ.iド:i __
      ヽi'{ハ}゙l:|ヾレヾ.!不i/リ       ___            / / ::: !|─ ─ ,iリ)! ┳ )〉! /::\
 。     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   。 //::\      /  /::::::::::’ 、 - ,ノル'ニニ彡'ジ/:::::::::::\
       lコ ::::::::福::::::: コ|    / /::::::::::\.   _,,..-'"~,~'' v’:::::::/i゙|iYソ )./ミ三彡ヾ、::::::::::::::::
       lコ:::::::::::::::::::::: コ|  / /::::::::::::::::::\{Y"_,.`''~´ {i!::::::,.O==(ン゙ ソ ;   ,ゞー',._::::::::::::::
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    人__)ゝ_,,つШ,,,,つ   く_ノ 八ヽ〉            / }. { } /_〈      ,! 〉
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450この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 00:42:46.45 ID:SM1vv+mI
自治スレにここから工作員がきてると聞いてやってきました
451この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 01:03:46.76 ID:kt4AqEWB
>>449
おつです
452佐々木さんのキョンな日常:2013/02/03(日) 01:20:26.99 ID:J5vBl5EV
佐々木さんのキョンな日常 学園祭その7

 学園祭の一日目はとりあえず、こんな感じでおわり、俺と佐々木は一緒に下校していた。
 もうすぐまた季節が移り変わる時が近づいている。日の暮れるのが随分早くなった。
 俺は佐々木を家まで送ることにした。

 「それにしても、学園祭はなかなか面白かったね。結構みんないろいろ考えて、一生懸命やっていたし」
 そうだな。最初はどんなものになるかな、と思っていたんだがな。俺たちの文芸部誌も捌けたしな。やってみて良かったよ。
 「文芸部にとっては一つの段階を超えた感じだね。次のことも考えなければならない」
 確かにな。長門たちと次の活動を相談しなきゃならんな。
 「今日参加して、あらためて思ったよ。何か目標を持って、それに向かって努力し行動することは素晴らしいことだ、てね」
 
 「それじゃ、キョン。また明日よろしく」
 ああ。明日朝から迎えに来るからな。
 佐々木の家の前で別れ、俺は道を引き返す。今日は佐々木の母親は家にいるようだ。
 一人で歩く帰り道は静かで、秋風の音がやけに大きく聞こえる。
 俺の隣に佐々木がいること。当たり前のようでいて、当たり前じゃない、二人の何気ない、でも大切な特別な時間。
 願わくば、その時間がずっと続きますように。

 ”?”
 いつもの帰宅コ-スを外れ、途中本屋に寄り、雑誌を購入して自宅に戻っていたとき、俺は足を止めた。
 ”古泉と・・・・・・それに、あれは橘京子?”
 宵闇であまりはっきり見えないが、街灯の光に浮かび上がった横顔は、間違いなく古泉と北高で会った橘だった。
 古泉の表情は爽やかスマイルではなく、俺にいつか見せた真剣な表情だった。
 二人がいるのは、小さな公園だった。
 ”なにを話しているんだ?”

 正直、今の俺の行動はあまり褒められたものではない。友人の会話を盗み聞きするのは良くないことである。
 小さな公園ながら樹木は多く、二人の会話が聞き取れる距離にまで近づいても、俺の姿は全部隠れていた。
 俺の良心がとがめたが、好奇心が優ったのである。

 「元気そうでなによりだわ、古泉さん・・・・・・やっぱり苦手、この呼び方は。昔の呼び方でいいかしら、一樹さん」
 「構いませんよ。名前で僕のことを呼ぶ人は、今の僕の周りにはいませんから、久しぶりにそう呼ばれると、少し
違和感は残りますけど」
 「ならば、私のことも昔みたいに京子、て呼んでほしいな。あなたから『橘さん』と呼ばれるのは、私も違和感が
あるから。それにその敬語でしゃべるのも、私たちのあいだでは無しにしてもらいたいわ」
 「今じゃ、この喋り方に慣れてしまったので、変える方が苦労しますね」
 「会わない二年の間に随分変わったのね。あなたのお友達の涼宮さんの影響かしら」
 「なぜ、涼宮さんのことを?」
 「転校先で友達になった周防さんの彼氏が、あなたの中学時代のクラスメ-トで、あなたと涼宮さんのことを話してくれたの」
 
 谷口から橘は古泉と涼宮のことを聞いていたらしい。人間、妙なところでつながるものだ・
 「少し妬けるわね。その涼宮さんに。一樹さんをここまで変えるなんてね」

 「婚約者の私としては、本当に複雑な気分になるわ」

 俺は橘が言った言葉を頭の中で反芻する。
 婚約者?橘が古泉の?どういうことだ?
 
 「親同士が勝手に決めたことだけど、私は嬉しかった。小さい頃からあなたとは兄妹みたいに育ってきたわけだし、
あなたのことが好きだったから。でも、あなたは自分の未来を、たとえ自分の親でも決められるのが我慢ならなかった。
だから、あなたはあの家から離れた。あなたの才能なら、一人で暮らすのも簡単なことだし、実際今は一人暮らしでしょう?」
 「ええ。気楽なものですよ。あの家にいたら息が詰まっていましたよ」
 「おじ様もあなたの成長のためになるとかおっしゃられてたけど、私は寂しかった。もう帰ってこないんじゃないかと思った」
 「正直帰るつもりはあまりありませんよ。僕は今の生活が気に入っているので」

 橘が小さく笑った。
 「そう言うだろうと思って、私もこちらに転校してきたの。一樹さん、ひとつだけ大事なことを言うわね。私はあなたを涼宮さんに
渡すつもりなんて、毛頭ないから」
 
453この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 08:47:50.62 ID:c2sucRVx
>>449
まことに勝手ながら、「新婚旅行でエジプトに」と命名し保存させて頂きました。お都合が悪い場合は速やかに対処しますので御一報お願い致します。

>>452支援!
きょこたんてば直球勝負!?次回どうなるのコレwww
454この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 13:25:14.58 ID:cOVaZGBh
>>449,451,453
                                             lニl i|ヽ
                                           .l|i_|__|>   ヽl|
                                            (__),   ー
                                           .(_____)`ー   
         。     。                             (__)    -
 。 。   。 ヽ    /   。                          (___)  __,.--
     \  。       /  。                          | | l|i ̄
     \  \   /    /                        ・   .| | ;
         _    _      。                     .゚;・li|;|;。; ・
 。    .,ィ'::::::::::ヽ,,'´   ヽ  /                   _ ,ィ:T'Tシ:::、ィT'Tシ,:::.、
  \  〈:i_i_i_l」:::::iliミi从从リ〉   。               ///三三三ミ::ヾ三三ミi
      ('l:|、- ゚ l:l::Oト(!^ヮ^ノ') /                / /.::ソハハハハド'}ソ ヾ.iド:i __
      ヽi'{ハ}゙l:|ヾレヾ.!不i/リ       ___            / / ::: !|へ へ ,iリ)!::::::;::)〉! /::\
 。     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   。 //::\      /  /::::::::::’ 、 - ,ノル'ニニ彡'ジ/:::::::::::\
       lコ ::::::::福::::::: コ|    / /::::::::::\.   _,,..-'"~,~'' v’:::::::/i゙|iYソ )./ミ三彡ヾ、::::::::::::::::
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455この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 15:27:37.21 ID:8qhITCKf
節分で、非リア達にパチンコ玉を投げつけられるキョンか、佐々キョンで恵方巻き食べる話か、どちらか書いておく。
456この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 20:26:57.36 ID:c2sucRVx
期待してまふー
457『きょっこ団、聖戦に備えるの巻き』:2013/02/03(日) 21:25:52.10 ID:8qhITCKf
今年の恵方は、南南東。
珍しく長門が恵方巻きを作って持ってきた。
「食べて欲しい。」
酢飯にカレーというチョイスは、嫌がらせなのだろうか。しかも一日置いているので、既にカチカチだ。
ハルヒも古泉も朝比奈さんすら冷や汗を流している。
「…………?」
長門が小首を傾げる。いや、長門……これはだな……
「(キョン!有希の心遣いを無にしちゃダメよ!)」
我等が男前な団長様。まず率先するかと思いきや……
「まずはキョンが食べるわ!」
と、まさかの無茶ぶりを宣言した。
……まぁ、味は分かるよな?酢飯にカレーが合うって奴なら、多分気に入るぜ。俺は絶対に無理だがな。
結局、ハルヒも古泉も朝比奈さんも、目を白黒させながら食べた。長門は満足そうだったし、まぁ良しとしよう。

「くっくっ。酢飯にカレーか。斬新な組み合わせだね。」
「笑うな。長門なりに一生懸命だったんだろう。可愛いじゃねぇか。自分の好きなもんで巻物なんてよ。」
学校帰り。佐々木と駅で落ち合い、ベンチで話す。付き合い始めてからは、これが日課だ。
「くっくっ。本当にキミは長門さんを大切にしている。妬けてしまうよ。」
「バカ。SOS団の皆はお前と違うベクトルだ。」
ハルヒも長門も朝比奈さんも古泉も大切な仲間だ。
「さて、キョン。そろそろ行くかい?」
「ああ。」
佐々木と手を繋ぎ、立ち上がる。今日は俺の家で夕食だ。
佐々木お手製の恵方巻きを食べられるかと期待する俺の前に、数人の男女が立ち塞がる。
「鬼は外だ、キョン!」
オールバックの男がパチンコ玉を構える。
「なぁっ?!」
佐々木の手を取り、走り出そうとした俺に冷ややかな声が響く。
「ここでお前が果てるのは、規定事項だ!現地人!」
薄いアッシュの髪の男もだ。
「佐々木!逃げるぞ!」
何とかいない方向へ駆け出す俺達だが……
「うん、それ無理♪」
青髪の女が立ち塞がった。
皆、一様にパチンコ玉を抱えている……。
458『きょっこ団、聖戦に備えるの巻き』:2013/02/03(日) 21:55:01.23 ID:8qhITCKf
「お、お前らは何者だ!」
「僕達がキミ達に何かしたのかい?!」
佐々木を守りながら立つ。……奥からマスクをつけたツインテールが歩いてくる……。
「ところ構わずいちゃつくアベック達に、正義の制裁を与える……」
大仰なポーズを取り、ツインテールが俺達を見る。
「その名もステキ」
「「「「きょっこ団!」」」」
……目が点になるとは、この事だろうか。
「……そこのパピヨングラスつけている三人の変態。お前ら谷口に藤原に朝倉か。」
三人のパピヨングラス達が明らかに動揺する。
「違います。彼等はきょっこ団の名もなき修羅なのです!」
「お前、橘だろ。」
ここまでバレバレだと、最早突っ込むのも面倒だ。
「やれやれ。行こうぜ、佐々木。ビビって損した。」
佐々木の手を引き、歩き出そうとした俺に……

「本物の佐々木さんはこのわたしを信頼されているのです!!
だから!なにがあろうといちゃつくはずがないのですッ!よくも!このクソキョンがッ!
わ た し に 佐 々 木 さ ん の『姿』を 見 せ 付 け た な ァ あ あ ー ー ッ!
よりによってこのわたしに! よくもッ! 佐々木さんの手をッ!よくもわたしの前で握ったなァーーーーッ!!
蹴り殺してやるッ! こ の ド 畜 生 が ァ ー ー ー ー ー ッ」   プッツン
何かヤバい音がした。
「暗黒空間にのみ込むのは一瞬だッ! それでは私の怒りがおさまらんッ!
キサマが悪いんだ! キサマがッ! わたしを怒らせたのはキサマだッ! キサマが悪いんだ!
思い知れ! どうだッ! 思い知れ! どうだッ! どうだッ!」
橘が、谷口が、藤原が、朝倉が……俺にパチンコ玉を雨霰と降らせる。
この橘 ま と も じ ゃ あ ね え ………異常だ!
カップルが手を繋ぐ姿を見たことを怒っているのか! こいつらの精神こそが暗黒空間だッ!こいつの心の中がバリバリ裂けるドス黒いクレバスだッ!
459『きょっこ団、聖戦に備えるの巻き』:2013/02/03(日) 22:19:54.96 ID:8qhITCKf
「……今日はこの位にしてやるのです。」
ボコボコにされたキョンが倒れる。

「次の聖戦はバレンタインなのです!」
気勢を上げるきょっこ団のマスクの肩を、佐々木が掴んだ。

「ちょーっとお話ししようか?」

ニコニコ笑い、佐々木は橘の肩を掴む。その笑顔はどこまでも美しく……

どこまでも残酷だった。

翌日。
「えらいめに遭ったぜ……」
痛む身体を引き摺り、俺は教室に入る。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
朝倉が真っ青になり震えている……。谷口も同様だ。
こいつらに何があったか、佐々木に尋ねてみたが……

「くっくっ。おいたが過ぎるから、躾をしてあげただけだよ。」

と言うだけで、朝倉達も頑として答えなかった。

次の聖戦を前に、早くも敗北したきょっこ団。

彼女らの明日は、暗く……そして悲しい。

「次は地獄姉妹になるのです!」
「理由はともかく、少しは懲りてはどうかな?橘さん。」

END
460この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 23:14:31.31 ID:c2sucRVx
おつー
パチンコ玉は比重も重いしガチで危なそうなので、絶対真似しないようにしましょう
ここに『ちゃん』世界の森さんが入ってなくて良かった…
461この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 23:16:02.42 ID:c2sucRVx
ついでに避難所から転載

676:名無しさん
13/02/03(日) 18:37:57
主にPart68(今年の1月アタマまで)をまとめました。

・5-938「お招きいただき」と6-136「おっぱいぷにぷに」が続編とわかるようにリンク付け
・4-332「涼宮ハルヒの告白」についてはリンクがつけられないテキストモード編集のためURLのみの掲載
・Part6/31/61に抜けていたSSを追加
・「夏休み」および「エンドレスエイト」に関係しそうなSSにタグを追加
・SSメニューにタグ一覧追加(試験的)
・Part68のSSほぼ全てを収録

まとめに関して。タグを活用して似たテーマの話を一覧で見られたらいいかもと考えた結果、試験的に一部の話にタグを付けてみました。
他に付けて欲しいジャンルがあれば検討します。
個人的には「フラクラ」とかあったら面白いかもと思ったり。多すぎるので逆に「フラクラなし」の方が楽かなw

エロの基準について。個人的な線引で恐縮ながら67-xxxお前軽いな〜とか63-423分水嶺みたいなくらいがセーフかなと思っていたりします。

TSについて。可能性は低いけど佐々木♂キョン子とか蔓延されてもよくないと思いますので、見送りの方向で。
正直まとめるならば、TS用のまとめを別途作るなり入れてもらうなりする方が適当な気がします。


今回のまとめ作業は量もさることながら続き物もあったりして大変でしたが楽しんでできました。
462この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 23:18:53.94 ID:c2sucRVx
もひとつ転載

677:名無しさん
13/02/03(日) 18:44:41
本スレで企画ないねという話題があったので、ちょっと考えてみたのですが、
驚愕発売2周年かハルヒ百花発売記念などと名をうって、何かやって欲しいななんて思ってたりします。

SSは現状ほとんど毎日投下して貰っていますし、難しいところなのですが、
投票(ルールが必要?)か旧作の感想集なんてどうかなとか一つの案として出してみます。
個人的に殿堂入りした話以外の名作や驚愕発売前と後でSSの作風に違いがあるかなと興味あるだけなのですがw

――――――――ここまで――――――――

それでは皆さんお休みなさい
463この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 23:36:33.43 ID:T0mSkT9V
464この名無しがすごい!:2013/02/03(日) 23:59:17.06 ID:S/1xj00q
>>453
見てくれる人に、解釈を投げっぱなしにするというスタンスですので、すべてお任せします。
保存して下さり、ありがとうございます。
                                ,.-`ー‐- 、
                               ン/'V^ヽ、 ゝ  バックアップ ッテ
                 ,、- ー- ,、         メ《(〈`´〉)》〉ミZ   ツライナア
                 ン,ミヽンミノノ         |.|─ ─| |)ハ\_
               、バ〈《゙`"〉〉〉  ,.A〜A、 ⊂jハ、||ヮ ||ノリ.lつ_j .〉ご) .  -━━ ミ
ジツハ,            _ _ イj(√ 厂ル  :(´     `):    .        /:┛┗ : : :\: :\
イニシャル ヲ ナラベルト  (二l _NiつДノつ :(_,人_,谷人):           /: : : ┓┏: :〕: : : : : : \
TRIP ニ ナル ッテイウ             :リ'(! O  O|:          /: : : : |!: /: /:/ ヽ: : ト、: : : \
 シコミ ダッタンダヨネ              :ヾ!、u ロ,ノ:   .      /: : }: : |!/: /:/   \} ヾ: \\
    , -ー- 、                :/i' l `{iつ:   .      l: : : γヽ:リ'¨´ ┃   ┃ |!: : :ト .z≧
   /,.  / i \              :(_,ハ_ヽ_,ン二!ク:       /: : { : ヽ    ┃   ┃ |!: ヽ:\
.  i ノノソハノバリ)     イマトナッテハ         ,.zー‐- 、、    }从: ト: : :>   、 _,  从l: :.ト ミ、
   リ(l │ │ |ソ      ドウイウ ネタ ダッタカハ  .ノバ  ; ヽヾ     ヾ ミ: : :_> _ イ:_:ノ!:./
.  `'ハ、 〜 ノ    ∧∧ ヒミツ ダガナ       ハミ((ノノリ从)ゝ       ,イ  \ |- 、
    〈{つ旦O    (゚x ゚ )         (`;ヘ,ノ i(| -- (::; |!し      /ヽ \ 〈 ー ト ハ
    とi.__,〉_.〉    w  )〜        (_〈;_:_,{_Nトリつ ヮ||ノづ       l  丶 <\ /| 1
                                              |   l!    |! |: |
465この名無しがすごい!:2013/02/04(月) 00:56:44.93 ID:hDOt5Ygw
>>464
466この名無しがすごい!:2013/02/04(月) 08:12:55.80 ID:S039Mxeo
>>459
某漫画の影響かもしれないが、パチンコはマジで危ない 目に当たりでもしたら一発で失明する

ヴァニラ・アイスな橘 想像しても全く怖くないのはここの影響か

また、それをわずかな時間でAAにする>>464もすごいな
467佐々木さんのキョンな日常:2013/02/04(月) 12:05:21.09 ID:Zo7HwVou
  避難所676:名無しさんにまとめ作業をしていただいて感謝しています。
  ありがとうございました。
468この名無しがすごい!:2013/02/04(月) 12:17:23.59 ID:OGy5JICf
>>464乙乙
今回は分かり易いww
ネタから新たなネタにつながる流れ、久々だから凄く嬉しい
469佐々木さんのキョンな日常:2013/02/04(月) 17:50:33.42 ID:Zo7HwVou
佐々木さんのキョンな日常 学園祭その8

 次の日。
 あのあと、しばらく古泉と橘はその公園にいたようだが、俺は途中であの場を去った。
 古泉の婚約者と名乗った橘京子。あいつは古泉が涼宮に思いを寄せていることを知っていた。その上で堂々と
「渡さない」と宣言した。
 ”なかなか大胆な奴だ”
 しかし、古泉――お前は何者なんだ?
 家を出て一人暮らしをしている。橘の話ぶりじゃ、あいつの家は相当の資産家のようだ。そこが嫌で出て行った。
 謎だらけだ。ただ、橘が古泉を追ってきたことにより、あいつの実体の一部をつかめた。
 ”そういえば”
 昨日、佐々木と一年九組の教室にいき、その後、教室を出るときに古泉の表情がいつもと違って見えたのは、橘が
来ていたせいではないのか。あのあと、俺達は橘に校舎内で会うことはなかった。おそらく、俺たちより前に古泉と
橘は再会していたのだろう。
 これから先、何となく事態は複雑な事になるような、そんな気がした。

 朝から佐々木を迎えに行き、それから俺達は北高へ向かった。
 北高の学園祭は二日間。準備期間は長いものの、祭りはあっという間に終わる。
 「それはすべてのことに当てはまると思うと、キョン。仕事だってなんだって、結果に至る過程が重要な要素であり、
実際行動してみると、あっと言う間に時は過ぎていくのだから」
 何事も毎日の積み重ねが大事なんだな。
 「そのとおりだよ」

 俺たちの教室にくると、そこで俺は意外な人物に出会った。
 「おお、キョン。元気にしていたか」
 でかい声と体格。中河である。
 まあ、元気だ。よく来たな。
 「うむ。朝倉さんに招待されてな」
 実に嬉しそうだ。
 
 「キョン君、佐々木さん」
 その朝倉が俺たちに声をかけて来る。
 「突然だけど、二人でこれに出てくれないかしら。生徒会主催の行事なんだけど」
 朝倉が持ってきた用紙には、「生徒会主催・ベストペアコンテスト」と大書きされていた。
 『自薦、他薦は問いません。友人、恋人、相棒、そんな枠にこだわらず、二人でいる事が最もふさわしいと思われるペア
のコンテストを行います。なお、クラブ推薦が優勝した場合、そのクラブは特別予算が加算、自薦優勝者には、個別に記念
が渡されます』
 「喜緑先輩から渡されたの。多い方が盛り上がるから、出場出来る人に声をかけて欲しい、て」
 「出てもかまわないけど、朝倉さんは出ないの?中河君と出ればいいじゃない」
 俺が返事をする前に、佐々木が答えていた。
 「え、あの、それは・・・・・・」
 思いもかけぬ佐々木の言葉に、朝倉がうろたえる。
 「いや、キョン、佐々木。俺は北高に来るのは初めてだ。そんな人間が朝倉さんとこう言う行事に出るのは、朝倉さん
に失礼というものだ。お前たち二人が出るのは当たり前だが、俺はそうじゃない」
 なかなか筋が通っているが、何で俺たち出るのが当たり前なのかね、お前の認識は。

 「それじゃ、私は中河君を案内してくる。文芸部推薦でキョン君と佐々木さんの出場申し込みを出しておくわね」
 朝倉は中河を連れて、教室から出て行った。美女と野獣(熊だな、ありゃ)がならんで歩く様はなかなか絵になる。
 「そういえば、SOS団は出場しないのかな。涼宮さんと古泉君のペアはいいと思うのだけど」
 佐々木の言葉を聞いて、俺は昨夜の古泉と橘のことを思い出す。一体どうなることやら。
 「ついでに国木田と鶴屋さんも出ればいいんじゃないか。あ、でもその場合、優勝商品はどうなるんだっけ」
 「文芸部とSOS団で半々かな」
  
 そんなことを話しながら歩いていると、渡り廊下のところで、ばったり谷口に出くわした。横には周防九曜、そして、
その横には橘京子がいた。
470この名無しがすごい!:2013/02/04(月) 18:53:24.58 ID:OGy5JICf
>>469支援
なるほど、きょこたんはコスプレ喫茶の時点でもう古泉と会ってたのね、んでその時にハルヒも見たと


うん、展開予想になりそうだから自重します
471この名無しがすごい!:2013/02/04(月) 22:15:44.86 ID:OGy5JICf
静かだ
みんな更新されたSSを読み漁ってるのかな
472この名無しがすごい!:2013/02/04(月) 22:41:47.53 ID:VjBxXtfo
長編の展開の考え中。
佐々キョンに限ってはバッドエンド書きたくないっす。
473!omikuji:2013/02/04(月) 23:17:41.18 ID:czF93JOb
>>459
普段穏やかな人がキレると怖いよ。朝倉を怯えさせるなんて長門くらいしかいないと思っていたがw
きょこたんは懲りないなぁ。だからこそつるめるんだと思うけど。
カレー味の恵方巻きは…、こんな感じに食ってたのかと

「……おいしい?」
「スゴクオオキイデス」(ハルヒちゃんのキョン風に)

>>464
AA乙。

>>469
登場人物が揃いつつあるな…。
474この名無しがすごい!:2013/02/05(火) 03:31:44.13 ID:aQvdVh6N
佐々木さんおやすみ
475この名無しがすごい!:2013/02/05(火) 13:30:38.33 ID:FwKR+MuA
>>469
おつ
476この名無しがすごい!:2013/02/05(火) 18:24:42.78 ID:cx2LCYoj
佐々木さんの積雪対策はどんなのがあるかね
477佐々木さんのキョンな日常:2013/02/05(火) 20:28:52.11 ID:/ZrGuEKu
佐々木さんのキョンな日常 学園祭 その9
 
 「昨日はお世話になりました。おかげで、古泉さんとも会えました」
 橘は俺たちに頭を下げて、お礼を言った。
 「それは良かった。古泉も喜んだろう」
 我ながらよく言うよ、と思いながら、素知らぬ顔で俺は橘に聞いてみた。
 「ええ、とても」
 橘は本当に嬉しそうな笑顔で答える。
 
 「ところでよ、キョン。話はかわるんだが、お前、これに出ないか?」
 谷口が俺の目の前につきつけた用紙は、先程朝倉から見せられたものだった。
 「周防とこれに出場しようかと思っていたんだが、おれたちだけじゃ、どうも心細くてな、お前が一緒に出てくれると助かるんだが」
 言われなくても出る予定だ。先程、朝倉にクラブ推薦で出るように頼まれたところだ。
 「やっぱりそうか。まあ、お前なら多分出るとは思ったよ。おっと、相手に関しては聞く必要もないか」
 にやけた笑いはいささか気になるところだが、お前、SOS団の推薦で出るわけじゃなかろうな。幽霊とはいえ、一応団員だったよな。
 「バカを言うな。個別の自薦資格さ」
 よほどコイツは自信があるようだ。まあ、確かに九曜の長い髪と整った顔立ちは人目を引く。問題はその相手が谷口という点ではなかろうか。
 俺も人のことはあまり言えないが。
 
 「キョン!」
 谷口たちと話していると、こちらに俺の名を呼んでやってくる人間がいた。
 バニーガ-ルの衣装の上にサンタの衣装をまとい、右手に立札を持った女――言うまでもない、涼宮ハルヒである。
 その横には、今日は衣装を変えた、ヤン=ウェンリー=古泉がいた。

 「何で、こんなところに集合しているの・・・・・・あれ、アンタは確か、昨日古泉君を訪ねてきた娘よね」
 「ええ。古泉さんの友人で橘京子と言います。今度こちらにある光陽学園に転校してきたのです。」
 「へえ、古泉君も隅に置けないわね。こんな可愛い友人がいるなんて」
 涼宮は含み笑いをしながら、古泉にそう言ったのであるが、ある程度の事情を知る俺としては、胃が痛くなるような光景だった。
 「古泉君、クラスの方は途中で切り上げていいから、お友達を案内してあげなさいよ」
 「そうですね・・・・・・それならば、お言葉に甘えてそうさせて頂きますか」
 古泉もたいしたものである。奴の爽やかスマイルはいつもの通りである。

 「ところでさ、キョン。あんたこれに出ない?」
 涼宮がそう言いながら、俺に見せたものは本日三度目のご拝見になる、あの用紙である。
 「あたしと組んでこれに出ようじゃない。そしたら、優勝間違いなし。SOS団は予算獲得が出来る、てわけ」
 ・・・・・・度々いうがな、涼宮。俺は文芸部の部員だ。SOS団の団員じゃない。それに、優勝とはどこからそんな根拠ない自信が出るんだ?
 「涼宮さん。悪いけど、キョンは私と文芸部推薦で出るの。もう朝倉さんが申し込んでくれているから、残念ながら間に合わないわね。古泉
君と出場したらどうかしら?」

 笑顔の影で、女たちの間に火花が飛び散った用に見えたのは気のせいだろうか?

 いささか刺々しくなったその場の空気をかえたのは、新たにその場にやってきた鶴屋さんと国木田コンビである。
 「やあやあ、みんな集まっているね!」
 鶴屋さんの声は圧倒的な存在感と迫力があった。
 「国木田君とこれに出るんだわさ。みんなも一緒に出ないかい?」
 いま、その話をしていたところですよ。
 「そうかい。やっぱりキョン君は佐々木さんと、ハルにゃんは古泉君と出るのがいいと思うっさ。SOS団と文芸部で優勝を目指すよ」
 いささか強引に話が進んでいくが、これによってその場の空気が変わったのは確かだ。
 
 「古泉さん、涼宮さんと出場してくればいいわ。そのコンテストいつあるんですか?」
 橘の言葉は意外な助け舟になった。表情を見ると、余裕綽綽と言った風である。
 「お昼前の11時半からお披露目だね。そして、投票受付して、結果が出るのが二時ぐらいだね」
 「それじゃ、もう少し、時間があるわね。涼宮さん、古泉さんをよろしくお願いします」
 涼宮はペリカン口の不満顔だったが、橘に頭を下げられて、承諾した。
 その様子を佐々木は面白いというような顔で見ていた。
 
478この名無しがすごい!:2013/02/05(火) 22:01:52.05 ID:cx2LCYoj
((;゚Д゚))!!
479この名無しがすごい!:2013/02/05(火) 23:46:14.24 ID:mR7vwYSl
しえん
480この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 01:14:19.05 ID:SZLFOx39
>>477
だんだん泥沼化してないか……?

>>479
sageなさいって
481イジメイクナイ:2013/02/06(水) 01:21:29.33 ID:1biktsXo
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
コエーヨ
ササキョンガ、ガッコウコウニンジョウタイナノハ
ワカッテルケド…
サクシャニノセラレテルノガ
クヤチィ
482イジメイクナイ:2013/02/06(水) 01:31:18.50 ID:1biktsXo
>>477
ヽ、__ /         `ヽ/  `ヽ  \      
`ー,.   /  /      ヾ〃ヽ   ヽ  〉  \\ 
/   〈   {   { {  i'ヽ/`i/ /  / }  {  _、//
     ヽ  `ーj } } {   { /  ノ /  `ー' i
  ノ  ノ`ー-‐'ノ ノ ノノ   !_l i { {   _,./    エ凡
 `ー-‐' \__,/ノノ‐-' ,,.-‐''`‐-`!`ー`-- 'ヽ     ハ_ヽヽ
    i/ / / ((_j }  / ,.-‐‐‐‐,'/i i | } ヽヽ
     {  { ゝ、_,.ノ  l|| `‐--‐'、i/ ノ ノ ノ ノ ノ   |
    `ヽ`ニ-‐ノ   l|    il|||jノノ ノ- ' /   `ー '
   ノ  `---'"   ili;    ||ヽ__,./`ー-'{      l
、__/ ノ ノ ノ }  ,.   '" ヽ /||ヽ__,./i / ヽ_,.i   レ  ヽ
ヽ__/_/ .ノ-'   { { ̄ ̄} } / /ヽ__,./ヽ{ i  ノ    フ
`、_/_/ノ-'ヽ.    '、___,ノ  /| ヽ ヽ  } ヽ"    ‐┼‐
  `ー-‐'‐-‐' ヽ    --  / l  }  }  }  |     '
   `‐-----‐' `ヽ ___ /   l / /  /  /     | |
483この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 19:20:21.88 ID:fLI0ovA6
どこまでがジャンクフードなんでしょうね佐々木さん
484この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 21:39:38.44 ID:SZLFOx39
>>483
ジャンクフードって言うと結構勘違いしている人もいるけど
本来カロリーに対してそれ以外の栄養素が極端に低い食べ物のことを指すんだ
例えばハンバーガーなどの高カロリーファーストフードやスナック菓子・清涼飲料水の多く、といったところか
アジアではその基準がはっきりしないのが面白いところかな
イギリスではジャンクフードのCMは16歳未満対象の番組で流してはいけない法律がある
ハンガリーには「ジャンクフード税」があるし、他の欧州諸国でも「肥満税」にジャンクフードの定義があったりする
あのアメリカでさえ12歳未満対象の番組に対するCMを自主規制している企業が結構あるそうだよ

かと言って日本がその辺りがいい加減っていう訳じゃない
外国の方々から見ると所謂「日本版ジャンクフード」は栄養面で極端に問題ある物ってかなり少ないらしいよ
カロリーも低いものが多いしね
だから尚の事日本では定義が難しいみたいだね
485この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 22:07:46.12 ID:ZqfP0VoS
どうでもいいわ
486『ねこの森には帰れない』:2013/02/06(水) 22:19:04.94 ID:tjoHqW2D
シャミセンは思った。
猫は発情期のみにパートナーを作るが、人はそうでないようだ。
今日、主人は、つがいを巣に招いている。
自分を膝に乗せ、撫でる雌。人間の呼称は佐々木か。ヒトの雌は、主人の妹といい、あの黄色い角のある雌といい、恐怖の対象以外何者でもないが、この雌は一味違うようだ。
「シャミセン、ご機嫌だな。こいつ割と女嫌いなのに。」
ご主人が手を伸ばし、自分を撫でる。ふむ。心地よい。
「くっくっ。妹さん達は構いすぎなんだよ。」
全くその通り。この雌の膝はなかなか気持ちよい。発情期特有の甘ったるい匂いが無ければ、最高の寝心地だと言っていい。
一番はご主人の隣なのだが、そこはまぁ自分の特等席だ。
机を向かい合わせ、何やらカリコリ音がする。ご主人のこうした姿は、このつがいが来た時に多く見られる。
「佐々木、ここは?」
「ああ、ここは……」
甘ったるい匂いが強くなる。ご主人、雌に誘われているぞ。気付いてやれ。雄の義務だ。
「……ああ、なるほどな。さすが佐々木だ。」
「応用に過ぎないよ。」
しかし、これだけの発情傾向にあるなら、既に何匹も子がいてもおかしくはないはずだが、悲しいかな、ご主人とこのつがいに子はいない。
猫は半年もすればある程度増えるのにな。ヒトは不思議だ。
結局、今日もこのつがいは交尾せずに別れた。どうやらご主人には、まだ雌の発情のサインを読む嗅覚がないらしい。
あの黄色い角の雌に、乳牛に、まな板もご主人が近くにいたら、発情のサインを出しているのだが。
「さーて、寝るか。シャミセン、入るか?」
「にゃあ♪」
しかし、当分はこうしてご主人の隣を独占出来る権利は自分にある。当面はこれでよかろう。

ねこの森には帰れないな。

END
487この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 22:32:39.38 ID:tjoHqW2D
今回はシャミセン視線。

『ねこの森には帰れない』は、谷山浩子さんの曲から。
今回は、タイトル以外絡めてませんがw
488この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 22:39:18.49 ID:DfcmbM3b
>>486
いいなあこれ。
傍らにいる物言わぬものには当たり前のように見えている事実というのが
暗示が明示されたみたいで歯痒い爽快感を抱かせてくれる。
489この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 22:49:37.63 ID:Z5E7NLMA
>>485
どうでもいいならレスすんなよ
あと、sageなさい
490この名無しがすごい!:2013/02/06(水) 22:53:39.77 ID:fLI0ovA6
>>484
凄く勉強になりますありがとう!
定義からすると、夏場の素麺あたりが一番日本版ジャンクフードと呼ぶに相応しそうですね

>>486乙乙
長門なら猫の思考も読めそうな気がする
けっこう毒吐いてるし、シャミセンが本物の三味線にされてしまう前に同席しないよう隔離しませうw
491 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/06(水) 23:11:39.70 ID:v3C4k7xK
シャミセンが三味線、、、
492佐々木さんのキョンな日常:2013/02/07(木) 00:50:13.57 ID:Z44GoPx4
佐々木さんのキョンな日常 学園祭 その10

僕の横に並んで歩いている橘京子は、ご機嫌だった。
 小さい頃はいつもこうやって一緒に並んで歩いていた。父親同士が親友で、しかも父の仕事を支える優秀な人材
である京子の父親は、僕にとっては親戚同然であり、そのため京子とは兄妹のように育った。
 ただ、こうして並んで歩くのは、二年ぶりのことだ。
 
 自分の生き方を他人に決められるのは好きじゃない。たとえ親でもだ。
 両親は僕を自分たちの後継者にしたいと思っている。親の仕事に対しては悪い感情などない。むしろ敬意を抱いている。
 だが、それを決めるのは自分で納得してからだ。
 京子を婚約者に、と親同士が決めたことで、僕はしばらく家を離れることにした。年齢不相応の金融工学で得た金は、
少なくとも大学まで行き、卒業してもおつりが来るくらいある。
 自分のことは自分でやれ、という親の教育方針のもと、何でもやっていたので、一人暮しには困らない。その点は親に感謝
している。

 京子のことを嫌っているわけではない。あの家にそのままいて、親同士が勝手に婚約者と決めなければ、いまでも僕の隣に
いるのは京子だと思う。
 家を出て、転校先で、僕は一人の女性と出会った。
 涼宮ハルヒ。
 今の僕の想い人である。

 「こうやって二人で歩いていると昔を思い出すわ」
 京子の言葉に僕も頷く。
 コンテストが始まるまでの時間、僕は京子を案内することにした。
 「楽しそうな人が多そうね、この学校。涼宮さんに、あなたの友人だと言ったキョンさん、その彼女の佐々木さん。とても
個性的ね。光陽じゃなくて、こっちに転校してくればよかった」
 厳密に言えば、佐々木さんは彼のまだ正式な彼女というわけではないが。
 「でも、親は光陽しか許してくれなかったし、残念だわ。一樹さんみたいに一人で生きていく力もないし、ほんと駄目ね。
せいぜい出来るのは家事ぐらいだし」
 「それだけできれば上等でしょう」
 「何なら一樹さんのおうちに住まわせてもらおうかしら」
 楽しそうに京子は笑った。

 「でも、一樹さん。涼宮さんはあなたの友人を好きみたいね」
 「ええ。先程は生きた心地がしませんでしたよ。火薬庫に松明持って入ったような感じですね」
 正直、佐々木さんがあそこまで強い感情を見せるとは思わなかった。彼のことに対しては佐々木さんは一歩も譲る気はな
さそうだ。
 「あなたの友人が恋のライバルだということに対してどう思っているの?」
 「あまり関係ないですね。何故なら、彼は涼宮さんに対しては、佐々木さんにかけるほどの気持ちを向けてない。基本的に
彼は女性には優しいですが、佐々木さんに対しては他の人とは比べ物にならないほど大事にしている。お互いの信頼関係も強
いですし、正直涼宮さんが入り込むのは難しいでしょう」
 「だけど、人の気持ちは変化する。可能性はゼロじゃない。涼宮さんはそう考えてそうね」
 
 人の気持ちは変化する。絶対というものは存在しない。それは真理だ。
 だからこそ、僕は思う。
 今は涼宮さんは僕には振り向いてはくれない。しかし、いつか必ず彼女の気持ちを捉えてみせると。

 
493佐々木さんのキョンな日常:2013/02/07(木) 02:08:29.75 ID:Z44GoPx4
佐々木さんのキョンな日常 学園祭 その11

 一通り案内した後、京子は何故かSOS団の部室を見たいと言い出した。
 「今は誰もいませんが」
 「ちょっと興味があるの。一樹さんがいる部室をみてみたいの」
 学園祭の喧騒から外れた文化部棟の一室。僕らSOS団が入る前は物置だったが、涼宮さんによって僕らの根拠地
となった。そしてSOS団を作るきっかけを与えた彼が所属する文芸部の部室はすぐ側にある。

 「そろそろ戻らないと。もうすぐコンテストの時間だし、その前に周防さんたちにも会わなきゃ行けないし」
 中学時代のクラスメ-ト、谷口君の彼女だというその女生徒と京子が友人だと言うのも、因縁めいている。
 「それじゃ、一樹さん。頑張ってきてね」
 そう言って笑った後、京子は言葉を続ける。
「昨日も言ったけど、あなたを涼宮さんに渡すつもりはないから。だけど、今日だけは目をつぶるわ」
 その言葉におもわず、ため息をついた。
 
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------

 「結構参加者がいるね」
 ああ。商品に釣られたのかね。
 「部の予算が増える可能性があるから、そっち絡みじゃないのかね。つくづく思うのだが、うちの学校の生徒会は、
やる気を起こさせることに関してはけっこう優秀なような気がするんだ」
 上手い金の使い方を心得ているのだろう。
 「まあ、人間のやる気を引き出すコツは、人の持つ欲望を上手に生かすことだからね」
 
 コンテスト会場にはかなり多くの参加者がいた。
 こんなに多いと、目立たなくなって俺達が優勝する見込みはないんじゃないかね。涼宮と古泉、あるいは鶴屋さんと
国木田コンビだったら、目立って優勝の可能性はありそうだが。
 「まあ、キョン。当たって砕けろだ。お祭りなんだから楽しんでやればいい。商品何か関係ないよ、僕には。君と
出られるだけでも嬉しいからね。それに、僕自身は、いつも君と組むと負ける気はしないんでね」
 自信たっぷりにそう言って、佐々木はくっくっくっと笑った。

 ペアコンテストの出場者は合計40組。一分間という短い間に、自分たちの紹介を行い、観客にアピ-ルする。
 そのペアのなかで、誰がベストペアなのか、観客は投票を行う。
 生徒全員参加ではないし、けっこう時間がかかるので、俺はそこまで参加する奴はいないと思っていたが、何故か
異様に盛り上がり、会場となった講堂は熱気に包まれた。
 正直、舞台の上に立ち、俺達がなにをしゃべったか、覚えていない。気がついたら、あっつと言う間に時間は過ぎ
ていた。
 「大丈夫だよ。キョン。うまくできたよ」
 佐々木はそう言ってくれたが本当かね。
 俺たちの後に、涼宮&古泉、国木田&鶴屋さん、そして最後に谷口と九曜がアピ-ルした。
 なお、何故か長門と朝倉の先輩、喜緑先輩と生徒会長も出ていたが、これはありなのか?

 『投票受付は只今をもちまして終了します。なお、結果が出るのは二時半頃になると思います。優勝者は校内放送で
お知らせします』

 「キョン、とりあえず、昼食を食べよう」
 そうだな。少し疲れたからな。気分転換に何か食べようぜ。
 「そうだね。出店で何か買って部室で食べよう」
 それがいいな。そうしよう。
 俺は頷いて、佐々木と一緒に、各クラスが出している屋台を見て回ることにした。
494この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 02:38:18.53 ID:pRyJGhkx
乙。昔に比べてだいぶ文章が良くなったね
495 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/07(木) 07:53:22.30 ID:03agMtLh
乙、、、
496この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 09:42:11.30 ID:IbelU3X8
>>485
君、新規さんなのかもしれないけど、このスレに向いてないよ

>>493

さてさて、結果はいかに
497『バレンタイン話』:2013/02/07(木) 10:46:58.49 ID:rWVtmJFh
2月14日。
世界の格差社会を見せ付けられる日。それが今日、この日。バレンタインデーだ。
古泉のイケメンスマイルが眩しく、国木田の困った表情が印象的だ。谷口は机に突っ伏していた。
「こ、今年こそはかーちゃん以外から……!」
…………。すまん。俺も似たようなもんだが、哀れ過ぎて……。しかし不条理だ。何故誰もが皆製菓会社の陰謀に踊らされるのか。
「全くよね。鬱陶しいったらありゃしない。」
ま、最初からお前には期待しとらん。
「あたしは今年はあげるわよ。これが最後になるだろうし。」
ほう。そいつは意外な。
「手作りなのよ。ふふ。ああ、今日は団活なしね!」
ハルヒはそう言うと、にっこりと笑った。……どうなってやがんだ?
あっという間に放課後になり、何をするわけでもないのでさっさと帰る事にした。
しかし、ハルヒが本命を渡すか。どんな男かは知らんが、うまくいくといいな。
駅前には、佐々木がいた。佐々木からは
「生憎と懐が寂しくてね。お返しは、いつか等倍に返してくれたらいい。」
『5円があるよ』を渡された。
自宅に帰ると、妹が満面の笑みでチョコをくれた。分かりきっていた話だが、やはり俺はモテない。
何を期待していたんだか。まぁ、佐々木がくれた五円については大切に置いておくか。等倍で十円なのにな。変わったやつだ。

自宅前が騒がしい。きっとシャミセンが喧嘩でもしているんだろう。入ってきたら手当てでもしてやるか。

―外―
「涼宮さんっ!本命渡しておいて彼にもだなんて!僕だってこの愛情の手作りを彼に!」
「お父さんにやるのも、これで最後だもん!それに何で古泉くんが!」
「ふええ〜ッ!私も本命渡すんです〜ッ!」
「……邪魔。私だけ渡す。」
END

ぶっちゃけオールキャラ。徹底的に素直でない佐々木をネタにしました。
ご縁と重縁。おあとが宜しいようで。
498この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 12:29:43.19 ID:z2B0VO7Z
例に因って乙&支援で〜
>>492-493
やっぱり古泉の心境は我々と同じで((;゚Д゚))してたんだね
カップル戦は参加ペア全員の相性占いしてほしいわw

>>497
ゲ泉は久々に見たwキョンな日常の古泉と較べると毎日が楽しそうだ
しかし近い将来の佐々キョンには及ぶまい!
499この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 21:06:00.26 ID:OkA/S2Xk
乙ですたい
500この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 21:51:30.38 ID:z2B0VO7Z
佐々木さんに「あと一週間ですね」と囁いたら、どんな反応を返してくれるだろうか
501この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 21:57:14.14 ID:JMFXf0pN
>>499
いいかげんsageろカス
502この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 21:57:39.47 ID:OGzYCHWN
「この1年を振り返って、相応と思える期待をすればよいのではないかな。くっくっ」
503この名無しがすごい!:2013/02/07(木) 22:26:34.33 ID:z2B0VO7Z
むぅ……やはりキョンでないと慌ててはくれないか
さすが佐々木さん
504『Wanderin' Destiny』:2013/02/08(金) 00:55:42.57 ID:zbza/bAS
『The time of the outh』1

橘に連れられた俺は、喫茶店に入った。
「話は佐々木さんなのです。」
「佐々木?」
橘は、俺を見ると単刀直入に言った。
「キョンさん、佐々木さんが好きですよね?」
いきなり何を言うか、この馬鹿は。
「当たり前の事を聞いてくるな。」
「その当たり前が、当たり前でなくなろうとしているのです。」
こいつは何をほざくか。しかし、橘の表情は真剣そのものだ。
「佐々木さんは、基本的に『諦念』の人だと知っていますよね?」
「…………」
「佐々木さんは、先日の一件を見て、貴方が涼宮さんに『奪われる』事は避けられない事態だと考えています。」
「……あ?」
確かに先日のハルヒは危なかった。閉鎖空間発生の一歩手前まで行ったが……
「待て。お前、ハルヒを信用していないのか?」
「個人的な感情なら、答えはイエスです。」
確かにハルヒは危ない力をもっているが……だからといって、何でも思い通りにならないものを思い通りにする奴などでは決してない。
「ふざけんな。」
ハルヒは誤解されやすい奴だが、理解出来ない位にふざけた奴じゃない。
本気の人間には真摯に対応するし、本気の言葉なら、あいつは最大限考えるだろう。
でなければ、俺達SOS団があいつを大切に思うわけがない。
「俺はハルヒを信じている。あいつは受け入れてくれる。必ずだ。」
「そこですよ、佐々木さんが怖いのは。」
俺の言葉を橘が遮る。
言いたい事は分かるよ。佐々木は99%の中の1%の失敗を考える奴だ。
「でもな、お前が思う以上にハルヒは考える奴だ。」
……そう言った時。俺は佐々木の言葉を思い出した。

『ここのところの物事は、もっと悪い方へ変わりつつある。
発狂した世界なのさ、僕たちが暮らしてるのは。』

その瞬間。ざわり、と背筋が泡立った。
505佐々木さんのキョンな日常:2013/02/08(金) 01:14:38.00 ID:ca+ELV02
佐々木さんのキョンな日常 学園祭 その12

 学園祭の出店であるから、まあ、メニューは決まりきったものが中心だが、こういう時は不思議とそう言うものが美味く思える。
 「縁日や夏祭りの時と同じだよ。普段は買いそうにないものを何故か買ってしまう。雰囲気に乗せられるんだね」
 成程な。佐々木の言うとおりだろう。
 文芸部の部室へいくと、長門の姿があった。
 「どうだ、占いの客足は」
 「うん。かなり盛況。昨日のキョン君と佐々木さんの数字が話題になって、クチコミで広まったみたい。クラスのみんな、喜んでいた」
 それは何よりだ。
 長門もいくつか買い物をしてきたらしく、俺たち三人は買ってきたものをテ-ブルに広げて、少しずつ交換しながら、みんなで味わった。
 「そういえば、朝倉さんはまだ、中河君を案内しているのかな?」
 「朝倉さんは一年九組に行く、て言ってたよ。中河君、て人も一緒だった」
 あの二人が涼宮たちのクラスでどんなコスプレをするのやら。

 コンテストの結果発表まで、まだしばらく時間があった。俺と佐々木、それに長門の三人は視聴覚室へ行くことにした。
 ここで、原作・俺、超監督・涼宮ハルヒによる映画『SOS探偵団』が上映されている。それにはSOS団員のみならず、佐々木や文芸部の部員
たちも出演している(結局俺は出ていないが)ので、是非とも見に行かなくては、と思っていた。
 「はたしてどんな映画になっているか楽しみだね」
 撮影現場を見ていた俺としては不安だらけだが、古泉がうまく調整していたみたいだから、何とかモノになっているんじゃないかね。

 視聴覚室は結構観客がいた。映画研究部作品と入れ替え二本立になっているのだが、ちょうどこの時間は『SOS探偵団』の上映時間だった。
 俺の右に佐々木、左に長門が座ると、視聴各室の照明が消され、室内は真っ暗になる。
 スクリ-ンに映像が映し出される。映画の始まりだ。

 『ようこそ、皆様。初めまして。世の中の不思議なことを捜すSOS団です』
 ・・・・・・何故かメイド姿の朝比奈さんが映し出された。
 『私たちSOS団は私たちの日常のすぐ側にある不思議なものを随時募集しています。連絡はこちらまで』
 画面下にURLが表示される。どうやらSOS団のホ-ムペ-ジのアドレスらしい。いつの間にそんなものを作ったんだ?
 『それでは超監督・涼宮ハルヒ作品、原作・文芸部部員キョン君、『SOS探偵団』お楽しみください』
 朝比奈さんがウインクして、画面が切り替わった。今度こそ映画が始まるらしい。

 
 上映が終わり、室内が明るくなった。
 「いや、なかなかよくできていたよ。悪くないと思うね」
 現物を見るまで不安だったが、観たあとの感想は、出来栄えとしてはかなり良い物だったと思う。古泉の苦労の跡が感じられるが、涼宮も一応
真面目に撮影していたんだな。俺の原作の世界をかなりうまく捉えていた。
 「僕と長門さんの演技はどうだった?」
 いや、お世辞抜きで上手だった。二人とも画面によく映えていたな。
 「君にそう言ってもらうと、僕としても涼宮さんたちに協力した甲斐があったというものだ。まあ、結構面白かったしね。そうだ、今度は長門
さんの小説を原作に撮影してもらおうか?」
 それはいいかもな。
 「え、え?私の小説を?」

 そんなことを話しながら歩いていると、校内放送を告げるチャイムが鳴り響く。
 『ペアコンテストの集計が終わりました。只今より結果を発表します。ベストペアコンテスト、優勝者は――――』
506『Wanderin' Destiny』:2013/02/08(金) 01:43:48.41 ID:zbza/bAS
ハルヒの力というものは、果たして『まとも』の範疇なのだろうか。
それを指し、佐々木は『発狂した世界』と言っているのではないか?
「…………」
背筋に嫌な汗が流れる。
ハルヒが本気になれば、佐々木どころか俺も消滅する可能性がある。
渡橋が再び現れた理由。それは……

『佐々木と俺を消し去らない為の安全弁』

それだ。
「…………私が涼宮さんを信用出来ない理由が分かりましたか?佐々木さんが涼宮さんを恐れる理由も。」
背筋が寒くなった。恐らく、ハルヒと深く接するか接せないかの差。
俺達SOS団は、ハルヒと深く接して関わり合った。そして『人間』涼宮ハルヒの美点も欠点も知っている。
しかし。佐々木のようにハルヒと明確に『敵対』した人間はどうなるか。それは未知数だ。
「佐々木さんが選んだのは、キョンさんの記憶を消し、自分の痕跡を消す事なのです。」
「……あの馬鹿は……!」
佐々木の性格上、そうなればハルヒは『俺』の全てを手に出来なくなると考えたのだろう。
俺は、佐々木の影響を強く受けた。佐々木なくして俺が現在の俺になったか。答えはノーだ。
「させるかよ。」
佐々木の思惑はどうであれ、俺は俺でありたいし、せっかく掴んだ佐々木の手を離すのもごめんだ。
「絶対させねぇ。」
事態は自分が考えるよりも深刻であり、ただ逆らうだけがこんなに厳しいとは思わなかったが。

「佐々木の手を離さねぇ。何があってもな。」

To Be Continued 『The time of the outh』2
507 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/08(金) 07:45:13.47 ID:2QLkT6z1
おつ
508この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 17:03:01.55 ID:G2JqyfUq
time of the o"a"th
ならHelloweenのアルバム名なんだが……
509この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 18:20:19.84 ID:zbza/bAS
>>508
あう……スペルミス(Тωヽ)

○ time of the o"a"th

× time of the o"u"th

とんだ阿呆な真似を。御指摘ありがとうございます。
510この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 18:51:09.32 ID:qQhA4DZw
今朝は寒かったです佐々木さん、雪も積もったし

>>505支援
ず〜っと息もできないほど緊張が続いてたから、ここらでちょっと一息ってとこですな
さて審査結果はいかに

>>506こっちも支援
いよいよ佳境!?あと>>509どんまい
511この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 19:54:20.96 ID:zbza/bAS
週末恒例ネタ拾いタイム。

先着二名様で
見たいシチュエーションと
カップル、両想い、片想いかを。
512この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 19:59:51.26 ID:/rYqUlDl
>>511
季節にあやかってお二人には
ゲレンデを溶かしていただきたい
513 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/08(金) 20:30:26.98 ID:vZImwUm+
佐々木VSユキ
514この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 20:30:40.79 ID:qQhA4DZw
天地創造の二柱
両想い
515『倦怠ライフ・スキー篇』:2013/02/08(金) 20:58:27.65 ID:zbza/bAS
>>512
把握。

スキー。運動神経ゼロの俺が何をしに来たか。それは。
「きゃははははー!」
「待てー!」
妹とSOS団、佐々木団の引率だ。
「さぁて。どうするかねぇ。」
雪ダルマになりに行くのも億劫だ。完璧超人のハルヒ、古泉、長門、周防はともかく、橘も滑れるのは少し意外だった。ついでに言えば、藤原と朝比奈さんも。
そしてここに二人のぼっちが誕生したわけだが。
「初心者は初心者らしく大人しくしておくかい?」
「だな。」
因みに妹は滑れる。兄と違い、優秀な妹だ。兄より優れた妹は存在しないはずなんだが。
「いつの間に鉄仮面を装着したんだい?キョン。」
「ああ。黙っていたが、俺の胸には7つの傷があるんだ。」
「ただの鬱血の跡だろう?タチの悪い蛭が、昨日吸い付いたからね。」
佐々木が、自分の口唇に指を当てる。……上目遣いで見上げるな。全く。
「ああ。その蛭は、頭から食っちまったがな。」
「くっくっ。美味しかったかい?」
「勿論だ。」
そこまで言うと、俺達はハルヒ達を見た。ハルヒ達は既に山へ向かうリフトにいた。
身ぶり手振りしているが……言葉は聞こえない。ハルヒは両手中指を突き上げ……お前はどこのストンコだ?
仮にケツにキスしろと言ったら、顎よ砕け散れとばかりのスタナーを喰らいそうだ。
残り全員一斉のサムダウン……。おかしいな。至って通常の会話なんだが。

スキーは、なだらかな坂でボーゲンから始めてみた。
「内股を締めて、ハの字、だね。」
「お、これなら何とか。」
なだらかな坂で、ボーゲンが出来たと一喜一憂する運痴二人。……なんかすっげぇ物悲しいが、楽しいな。
「すみませーん、雑誌○○の取材の者ですが、写真を一枚お願いしますー。」
多分、初心者を虚仮にする企画だろうな。取材には適当に答え、最後に佐々木とのツーショット。ポーズは、いつも通り。
結局グダグダだったが、楽しい時間を過ごした。

――翌月――
516『倦怠ライフ・スキー篇』:2013/02/08(金) 21:26:24.65 ID:zbza/bAS
学校が騒がしい。
「キョンー!なんだ、これはー!」
「あ?」
朝っぱらから、谷口が血涙を流している。雑誌の一面を見て叫んでいるようだ。
「あー、こないだのスキーのあれか。」
『ゲレンデを溶かすカップル』のグランプリとやらに輝いたらしい。なんだそりゃ。
「グランプリなら、金一封でも貰いたいんだが……」
横の寸評も散々な書かれ方だしな。

「佐々木さん、雑誌に載ってたよ!」
「……ああ、こないだのあれね。…連絡先を教えなかったのはミスだったかしら。グランプリなら、金一封でも貰えたかも知れないのに。」

『寸評』
スキー初心者のカップル。ボーゲンで坂を滑り、お互いの失敗を話し合い、成功を喜んでいたのが受賞の決め手。
寄り添う姿は、カップルというよりは年期の入った老夫婦!

「「やれやれ。」」

END

例により、糖分控えめに見せ掛けたゲロ甘w
517この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 21:34:13.39 ID:qQhA4DZw
おつおつ
甘い〜、こりゃ角砂糖6個は入ってますなw
518『VS長門』:2013/02/08(金) 22:17:42.46 ID:zbza/bAS
「おや。奇遇だね。」
「佐々木か。」
図書館。長門の調べ物に付き合っていたら、図書館には佐々木がいた。
「…………」
長門は、例により液体ヘリウムのような目で佐々木を見ている。
「彼女とデート中だったかな?」
「長門が?そりゃ長門に失礼だろう。」
「…………」
長門が何故か俺から離れない。普段ならフラフラ本の所に行くはずなんだが。
「調べ物……」
長門が俺の手を引く。佐々木は…
「キョン、ついでだ。少し付き合いたまえ。勉強を見てやろう。」
そう言うと俺の手を掴んだ。
「「…………」」
二人の間に火花が散る。
……あとは分かるな?肩を脱臼しちまった俺は、長門に治してもらい、外の芝生にふて寝した。

「クールだと思っていたら、意外に負けず嫌いなのね。」
「それはあなた。」
キョンに散々怒られ、私は罰として長門さんの調べ物に付き合う事になった。
「調べ物って、ブラフでしょ。」
「……嫌な人。」
調べ物もせずに、彼女はドストエフスキーを読んでいる。ロシア文学なんて、長大で陰鬱な話をよく読む気になれるな。
「あなたも。」
私が手に持つ本は、コクトー。偉大な芸術家の本だ。
「私という個体に、人の言う芸術は理解出来ない。」
長門さんはそう言うと、本に視線を落とした。
「理解出来るように噛み砕くのが文章であるし、文章で情景を描かせるものについて、こうした詩も文学書も大差無いって思うわ。」
「理解不能。私には、絶対的に経験が足りない。」
ふむ。
「そうね。思想というものを他者に伝える為のツール。それが芸術であり、長門さんが好きな本であると言えば理解しやすいかしら。」
「…………」
519佐々木さんのキョンな日常:2013/02/08(金) 22:27:27.16 ID:ca+ELV02
佐々木さんのキョンな日常 学園祭 その13

『生徒会・生徒会長&喜緑書記に決定しました!』
 
 ・・・・・・一気に気が抜けた。
 どこかで『出来レ-スだ!』という声が上がったが(その声が谷口に似ていたような気がするが)、まああの二人
なら知名度抜群だし、順当な所ではないか。そういえば、あの生徒会長の傍には必ず喜緑さんがいるような気がする。

 『続きまして、特別賞の発表に移ります。特別賞は、文芸部推薦・佐々木&キョンペアに決定しました。

 校内放送で、自分の間抜けなあだ名を、佐々木とセットで呼ばれ、少し経ってから俺達は我に返った。
 「え、俺達?」
 
 『30分後に授与式を行います。今回選ばれた方は、至急実行委員会本部までお集まりください』

 「すごいよ、キョン君、佐々木さん。特別賞に選ばれるなんて!」
 長門が興奮気味に話す。
 「しかし、特別賞なんてあるとは意外だったね。そんなものがあるなんて、用紙には書いてなかったけど」
 確かに佐々木の言うとおりである。何か裏がありそうなきがするが。
 「せっかくだから受け取りに行こうじゃないか。その特別賞とやらを」
 何故か佐々木の目が生き生きと輝いているように見えるのは気のせいか。
 まあ、俺も佐々木とペアで何か賞をもらうというのは悪い気分ではない。どんな内容かはわからんが。
 「なら、長門。また後でな」
 「うん。また後でね」
 長門に手を振って、俺達は実行委員会本部へ向かった。

 実行委員会とは要は生徒会のことであり、その本部とは生徒会室である。
 「よく来てくれた。キョン君に佐々木君とやら」
 自分たちが主催した行事に出場し、自分たちで優勝してしまった生徒会長は、偉そうにしているが、かなり上機嫌
だった。
 その横で喜緑さんは静かに微笑んでいる。
 「ペアコンテストの優勝者は公正な投票の結果、我々に決まったが、その次に得票が多かったのが君たちだ。投票
用紙に書き込まれたコメントにもかなり君たちを推す声が強かったのでね。特別に賞を授与することにしたよ」
 一体なにをもらえるんですかね?
 「優勝は我々だったが、それだと特別予算は生徒会に入ることになり、出来レ-スといわれるがオチだ」
 すでに言っている奴がいたが。
 「こう見えても、私は公正明大と実力主義という言葉が好きなんでね」
 そういうふうにはあまり見えないが。
 「特別予算は次点であることを考慮し、2割減額の上、文芸部に支給する。それは授与式において正式に表明する」
 ほう、なかなか公平じゃないか。どうやら出来レ-スじゃないのは事実のようだ。
 「それについては少し面白い余興を考えている。是非、君たちに協力してもらいたい事があるのだがね」


  
520佐々木さんのキョンな日常:2013/02/08(金) 22:28:32.23 ID:ca+ELV02
・・・・・・しかし、高校生の時点でこんなものを着る羽目になるとは思わなかった。余興にしても少し乗りすぎじゃ
ないのか、生徒会?
 「僕としてはかなり気分がいいのだがね。自分の未来の予行練習のような気持ちだよ」
 そりゃ、お前のその姿は誰の目にだってきれいに見えるさ。俺だって見とれてしまうよ。
 薄い白銀色のベ-ルに顔を包まれたウエディングドレスの花嫁姿の佐々木。
 喜緑さんがばっちりメイクまでしてくれたその姿は、本当に綺麗だった。
 しかし、その相手が俺で良かったのかね。一応白のタキシ-ド姿の花婿姿。髪は何とか整えたが、釣り合わないん
じゃないか。
 「何言ってんだ、キョン。僕ら二人だからこそ選ばれたんだよ。自身を持って行けばいい。言っただろう?君と
組むなら負ける気はしないと」

 生徒会=実行委員会の余興とは、優勝者に花嫁・花婿衣装を着てもらうことだったらしい(同性同士だったら
どうなっていたんだ?実際、出場者に何組かいたぞ)。
 本当なら、生徒会長と喜緑さんが着るはずだったのだが、それでは面白くないと判断したらしく、俺たちにお
鉢が回って来たのだ。
 「それじゃ、行こうか。二人とも」
 生徒会長が声をかけて来る。
 「さあ、キョン。よろしく僕をエスコートしてくれよ」
521『VS長門』:2013/02/08(金) 22:49:36.89 ID:zbza/bAS
「色々な思想を学び、相手が伝えたい意思を読み取る。それが私にとっての本ね。本で経験は積めないけど、行動の指針にはなる。」
「一理ある。しかし、私は対有機生命体のインターフェースに過ぎない。」
議論は平行線かと思いきや、彼女は意外な言葉を口にした。
「くっくっ。」
「…………?」
いや、可愛いじゃないか。彼女は、完全に頭でっかちの子どもみたいなものだ。
「いや、ごめんなさいね。なんだか私を見てるみたいで。」
自分も、キョンに会うまではこうした『頭でっかち』であり、自身に凝り固まっていただけだと思う。
長門さんは、きっとその頃の私。キョンに出会い、キョンと一緒にいる頃の私だろう。
「意味不明。私という個体は、対有機生命体のインターフェース。」
長門さんは、微妙に表情が変化していた。
「長門さん。」
「…………?」
長門さんがこちらを向く。
「ひとつ忠告しとくわ。私は幾ら語彙を上げようが、出る言葉は一つしか浮かばなかった。
どれだけ美辞麗句を並べようが、相手に響く言葉はシンプルなものよ。」
「理解不能。」
そこはゆっくり学べばいいさ。その前に、キョンが誰かのものになってないといいね。私も譲る気はないけど。

結局閉館時間まで本を読んでいた。キョンは、芝生の上で幸せそうに眠っている。
二人で溜め息とも微笑みともつかない吐息を洩らす。この罪作りな男に、何をしてやるかね。
私は長門さんに笑いかけた。

END

実力行使以外に長門が勝てる図が浮かびませんでした。長門も意地張りそうですから……。
あと、本の趣味に関しては私がハードSFを読まないので、コクトーやら、ドストエフスキーやらが出ました。
佐々木のイメージとしては、白洲正子あたりの随筆がこっそり本棚に紛れていそうな感じですか。
522この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 22:52:09.67 ID:zbza/bAS
>>514
明日にでも書いておきます。
一杯ひっかけて書いていたら、眠くなりました……。
523この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 23:24:48.40 ID:qQhA4DZw
どちらも乙乙!
>>520
ウェディングドレスの佐々木さん……ベール越しに見える、三人娘の誰とも違う穏やかな笑顔は綺麗なんだろうな

>>521
良い感じです、長門とはなんだかんだで気が合いそうだしね

>>522
先着逃してるし、無理はしなくてええよ?でも期待w

おやすみ〜
524この名無しがすごい!:2013/02/08(金) 23:39:01.02 ID:ca+ELV02
 YA3月号の長門有希ちゃんの消失にも佐々木さんがまた出て、なかなかいい感じです。
 SSが増えて嬉しいです。しかし、お題をもらってすぐ話が作れるのは本当にすごい。
525この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 01:11:00.31 ID:vFfROysF
前に別の板で長門と佐々木とキョンで哲学の話するスレあったんだけど、もうやってないのかな。

何気に結構面白かったんだけどな。
526 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/09(土) 08:58:39.47 ID:0fhjQpA+
おつ
いつから自分がここにいたか、なんて忘れちまった。
とりあえずは自分は、何か作る能力があるみたいだが、別にそれも極々つまらんもんだ。
浮き雲に乗って、今日も自堕落に過ごそうとしていたが、地上を見てみると自分と同質の存在がいる。
ずっと見ていたんだが、話す度胸もなく今に至っている。

「よう。」
「……キミは?」
「多分、お前と同じ存在。」
「へぇ。」

いつから自分がここにいたか。それはわからない。気が付いたらここにいた。あるのはひたすらに広大な大地と、ひたすらに長い時間だけ。
そんな中を、雲に乗ってプカプカ浮いている、自分と同質の存在がいる。
……興味があっても、なかなか声をかける機会がなく、今に至ったんだが……
「些か時間を持て余していたんだ。少し話し相手になってくれると助かるよ。」
考えてみたら、ここにいて初めて会話する気がするな。
「ああ、構わねぇよ。しかし、殺風景だな。」
何もない。暗闇にひたすらに静寂なだけの空間。
「全くだ。非常に無駄がないが、無さすぎるのも寂寥に過ぎる。」
二人で顔を見合わせ笑う。
「お前も手伝え。」
「何をだい?」
彼が手を上に翳すと、五色の雲が降りてきた。
「俺は作る事は出来るが、産み出せない。」
「どれどれ。……色々作ったんだね。水に、土に、宝物に、生き物か。」
くっくっ、と彼女が笑う。
「昆虫の種類が万を越えているね。どれだけ暇だったんだい?」
「うるせぇ。」
「くっくっ。いいよ。僕も何かを産み出す力があっても、何かを作り出す力が無くてね。」
雲を掴んで手を翳す。
「僕の手を握って。」
「ああ。」
それぞれの雲を、彼のイメージ通りに産み出していく。

島は土に覆われ、水が生まれ、金銀珠玉の鉱物が生まれ、生き物が生まれていく。

「おお……」
「くっくっ。壮観だね。」
天地が作られてゆく。彼のイメージ通りに産み出せたようだ。
528この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 10:49:13.19 ID:bMB50kke
おつ
生まれた世界を見て回る事にする。
沢山の生き物と、色とりどりの自然に囲まれ、それは『国』と定義されるものとなった。

木の上に座り、月を見上げる。
「この『国』を統率する神がいなくてはならないんだが、どうしたものかね。」
「だな。範囲が広すぎる。」
溜め息をつきながら、世界を見る。そこに、一羽の梟がやってきて、女神の肩に止まった。
「くっくっ。可愛いものだね。」
首を傾げ、目をパチパチする梟。
「動物の生態を真似てみるのも、面白いかも知れんな。」
「成る程。僕達を合わせた存在か。」

そして、天神と地神は、沢山の神を産み出した。その中でも
ペケレチュプ(日の神)
クンネチュプ(月の神)
という神は、とりわけ美しく、二柱は国の霧を払い、始まりの地を作った。

役割を終えた天神と地神は、何処かへと消えていった……。

「僕達の力を両方持つ『人間』と、僕達の形を引き継いだ『人間』がいるみたいだね。」
「しかし冴えねぇツラしてんな。」
天神そっくりの男の子が、カチューシャをつけた女の子に平謝りし、地神そっくりの女の子が仲裁に入る。
「くっくっ。さて、どうなる事かな。」
「やれやれ。」

END

スーファミや日本神話だとダークになるので、カムイ神話をモチーフにしました。
一見イミフですが、こうしたファンタジーも良いですかね?続編は無理ですが。
530この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 11:44:32.50 ID:mYKqF79S
おつおつ、神話は洋の東西を問わずカオスですね〜
個人的には、全ての可能性を孕む原初の混沌こそ閉鎖空間の本質だと思っとります
531この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 12:13:56.78 ID:Wv+YwSJM
おつですたい
532この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 13:57:30.44 ID:yUUK9AQ/
『異世界〜キョンが年上だったら〜』のバッドエンドルート

教育実習生朝倉→妹から朝倉がキョンの元彼女と知らされる→朝倉の薬指に年期の入ったシルバーのリング
妹から語られた、卒業式の後に部屋で泣いていたキョン→喫茶店に行くと、喫茶店を外から悲しそうに見詰める朝倉→無理に中に入れようとするが、断られる。
キョンに朝倉がいたと伝える二人→キョンは「元気でいるなら、それでいい。」の一言。キョンのネックレスに、朝倉と揃いの指輪。
その後、夜の街の近くで再会したキョンと朝倉を発見。未だに想い合うと考えた佐々木は、身を引く決意。(分岐)

(朝倉ルート)→一年後、光陽園に朝倉が赴任。朝倉の左薬指に光る、プラチナの指輪。これで良かったんだ、と考えていた佐々木に、朝倉の独白。
あの時点ではキョンは自分が好きであり、朝倉とはあの時点では何もなかったと知り、後悔。
現在、朝倉はキョンの自宅から通勤し、近く結婚すると妹から聞き、ミヨキチと二人で静かに泣く鬱END

(分岐よりミヨキチルート)
結果が出ていないし、諦めないと誓ったミヨキチ。努力を重ね、遂に朝倉と佐々木の面影を消し去る。
妹に誘われて久々に訪れた喫茶店には、アルバイトのミヨキチが。二人の揃いの指輪を見て、二人が遠くに行ってしまった、と改めて認識する。
妹からキョンの気持ちを聞かされ、大後悔。今更どうにもならず、閉店後、口唇を合わせる二人を見て、ただ俯く鬱END。

テーマとしては
『自己完結はろくな結果になりませぬ。諦めない事もまた重要。』
文面に起こすとエグい内容になるし、佐々キョンバッドは書きたくないので公開不可。
朝倉ENDより、ミヨキチENDのほうが、より一層えげつなく救いない終わり方です。
533この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 18:19:26.58 ID:qE7JcAoy
乙です
534!omikuji:2013/02/09(土) 18:29:30.13 ID:vFfROysF
>>497
佐々木さんは素直になれないで意地っ張りな方が萌える気がする。

賽銭の5円はご縁に通じるんだけど、10円は生憎よくない意味になる解釈もあるんで注意。
20円だと二重の縁という意味になるんだけどね。
535この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 19:04:00.83 ID:mYKqF79S
うん、やっぱり辛い・切ない顔よりも、佐々木さんにも他ヒロインにも満ち足りて幸せな表情をしててほしいね
536この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 21:49:01.45 ID:yUUK9AQ/
友人から誘われて久々にセッションに行ったら、メタルだったのです。
意地で2フィンガーで頑張ったら、指が吊るという不可思議な経験をしたのです、佐々木さん。
537 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/09(土) 23:16:38.42 ID:Wv+YwSJM
538佐々木さんのキョンな日常:2013/02/09(土) 23:33:08.49 ID:YAJDB09H
佐々木さんのキョンな日常 学園祭 その14

「それではベストペアコンテストの優勝及び特別賞の授与式を行います」
 実行委員の司会で授与式は始まった。
 「優勝者は投票の結果、生徒会長&喜緑書記のペアに決定しました。おめでとうございます」
 いささか 会場に白けたような空気が流れているのは気のせいか。
 生徒会長が司会からマイクを受け取り、喋りはじめる。
 「投票でベストペアに選ばれて、喜緑君共々光栄に思う。だが、この結果では特別予算を組んだ意味はなく
なる。生徒会及び学園祭実行委員会としては、祭りには多くの生徒が参加し楽しむことに意味がある、と考え
る。そこで、投票結果を尊重し、次点のペアを特別賞として表彰し、所属するクラブに予算を支給することに
した」
 生徒会長の言葉に、会場がざわつく。
 「特別賞・文芸部推薦、佐々木&キョンペア」

 佐々木の右手を引き、講堂のステージに俺達は立った。
 見渡すと、講堂内が大いに盛り上がっているのが解った。
 喜緑さんが、花束のブーケを佐々木に渡す。
 ベールの下で微笑む佐々木の横顔は本当に綺麗だった。完璧な花嫁姿だ(ドレスのサイズが少々大きすぎたので
、締め付けてはいるが)。
 最初はこの姿で人前に立つのは恥ずかしいと思ったが、今は佐々木と並んでこの場に立っているのが、むしろ
誇らしく感じられる。
 「全く二人とも良く似合っている。特別賞にふさわしいペアだ」
 生徒会長が満足げに頷いた。
 「佐々木さん、その花束を会場に向かって投げてみて」
 喜緑さんが佐々木に耳打ちする。おいおい、結婚式じゃないんだが。
 佐々木は輝くような笑顔を浮かべて、思いっきりブーケを会場に向かって高く投げた。

 -----------------------------------------------------------------------------------------------------


 『ただいまより、最後のプログラム、創作ダンスを行います。参加される方はグラウンドへお集まりください』
 学園祭のトリを飾るのは、体育祭の時にはへたれて、全高生徒の前で踊るのを拒否した創作ダンス部によるダン
ス、それと参加生徒によるダンスだ。
 体育祭の時に、軽音楽部の生演奏で踊った全高生徒のダンスが大好評で、学園祭でもう一度やることを実行委員
会は決めたのだ。

 「楽しい時間ももうすぐ終わりだね」
 創作ダンス部の演舞を見ながら、佐々木はそうつぶやく。
 俺達二人はウエディング姿は脱いでいたが、佐々木にはまだ余韻が残っている様だった。
 「それにしても、あのブーケ、まさか涼宮さんが持っていくとは思わなかったよ」
 佐々木が投げたブーケは、綺麗な放物線を描き、会場の見物人の中に落ちていった。
 そのブーケの落下地点にいたのが、何故か涼宮だった。
 まるでひったくるかのような勢いで手を伸ばしてブーケをつかみ取った涼宮の横には、古泉の姿があった。

 創作ダンス部の演舞がおわり、割れんばかりの拍手がおこる。素晴らしいダンスだった。
 そして、最後の、学園祭を締めるダンス。
 「さあ、行こう、キョン」
 俺の手を握り、佐々木は駈けだす。
 参加する生徒達が輪をつくる。その中には、文芸部の皆、SOS団の団員、それに中河と周防の姿があった。
 朝倉が中河に踊り方を教え、周防には谷口が付いていた。
 橘の姿は見えなかった。ひょっとすると、橘は帰ったのかもしれない。
 古泉の横には涼宮がいた。

 軽音楽部の演奏とともにダンスが始った。アップテンポなダンスミュージックにのり、参加生徒が踊る。
 俺も佐々木も、涼宮も古泉も、国木田に鶴屋さん、長門に朝比奈さん、朝倉に中河、谷口に周防も踊り
出す。
 高校一年生の、今の時にしか体験できない、かけがいのない、佐々木と共にいる時間。
 つないだ手に、佐々木の温もりを俺は感じていた。
539この名無しがすごい!:2013/02/09(土) 23:54:59.97 ID:mYKqF79S
おつおつ
このまま素直にいっておくれ
540 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/10(日) 00:03:03.65 ID:HacO0GLb
おつ
541この名無しがすごい!:2013/02/10(日) 01:11:27.53 ID:RcXT4K+1
>>538

長門X朝比奈フラグが立ったと思ってしまった汚れた自分は滝にうたれてきます
542この名無しがすごい!:2013/02/10(日) 19:06:37.56 ID:M4IL2XHC
ビリヤードやりにアミューズメントに行ったら、ミニ四駆のレースが。
ついつい買ってしまったw

佐々木やキョンは、レツゴー世代なんだろうなぁ。
SS書いていいだろうかw
543この名無しがすごい!:2013/02/10(日) 21:32:01.02 ID:DDlehh+G
最高のパーツだけを集めても上手くはいかないらしいね
工学系の頭が要求されそうだ
544この名無しがすごい!:2013/02/10(日) 22:31:44.50 ID:M4IL2XHC
ミニ四駆だが、最近は痛四駆もあるみたいで、今日見た中では、朝倉のシール貼ってたツワモノがいた。
このスレの住人としては、やはり佐々キョン四駆にするべきだな。

気長に作っていくか。
545 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/10(日) 23:35:21.29 ID:HacO0GLb
痛四駆は見たことある
546この名無しがすごい!:2013/02/10(日) 23:48:55.94 ID:DDlehh+G
公式の2ショットは塾帰りだけかな?ちと寂しい
547この名無しがすごい!:2013/02/10(日) 23:59:38.92 ID:fEST4bd4
今晩は佐々木さん
548佐々木さんのキョンな日常:2013/02/11(月) 00:23:37.27 ID:jKDQImvR
佐々木さんのキョンな日常 恋愛交差点その1

 学園祭がおわり、一息ついたのも束の間、すぐに秋期テストがあったのだが、今回は文芸部全員で集まり勉強したの
で、おかげで慌てることなくテストに向かい合うことができた。
 結果は上々で、今回は一位から五位までを、文芸部で独占した。ちなみに、一位は国木田、僅差で佐々木、長門、俺、
朝倉と続き、その後が涼宮、古泉と続いた。
 「今度は私たちも勉強会に加わらせてもらうわよ!」
 涼宮は少し悔しそうだったが、合計点数でいえば、朝倉と一点しか違わないのだ。涼宮も古泉も相当勉強している
のだろう。塾に行っていないところを考えると、俺たちよりも頭はいいと思う。
 「しかし、今回は少しミスってしまったね。国木田くんに負けたのは僕もいささか悔しい。次はミスしないようにし
ないと」
 あいかわらず、佐々木と国木田は次元の高い競争をしている。本当に尊敬するよ。
 「そういう君もさらに飛躍したじゃないか。長門さん共々僕らに追いつくのも時間の問題だね」
 それは文芸部のみんながいてくれたからだと思うのだが。俺一人の力じゃない。
 「その意味では僕ら文芸部は、お互いに高め合う良き友人関係が確立していると言えるね」

 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------

 それから数日後の放課後。
 「キョン君、佐々木さん、お願いがあるの」
 朝倉が俺達に手を合わせて頼んできた。
 「今度の日曜日、国立K大の文学公開講演会とSF作家のサイン会に長門さんと行こうと思っていたんだけど、私が用事が
出来て、一緒に行けなくなったの。私の代わりにどっちか行ってくれないかしら。チケットを喜緑先輩からもらったから
、もったいなくて」
 「文学講演会、て誰か有名な作家でも来るのか?」
 朝倉が言った名前は、ミステリー作家でもあり、現代文学の研究者として知られる作家だった。
 「非常に興味あるけど、あいにくその日は母親に付き合わなければならないの」
 佐々木の母親が今は家にいて、どこかでかけるらしく、佐々木もそれに一緒に行かなければならなくなった、と一昨日俺に
話していたのを思い出した。
 「キョン、君が一緒に行ってあげればいい。何か予定はあるのかい?」
 ないね。国木田は鶴屋さんと朝比奈さんと出かけると言っていたし、谷口は周防に首ったけ、古泉も出かけるとか言ってい
たしな。中河、・・・・・・うん?そういえばこの前中河が何か言っていたような・・・・・・確か日曜日に・・・・・・
 「それじゃ、キョン君。長門さんをお願いね」
 俺の手にチケットをおしつけると、朝倉は教室を出て行った。
 「多分、朝倉さんは日曜日に中河君と出かける予定なんだろうね」
 おそらくその通りだな。

 日曜日。
 「ごめんね、キョン君。家まで迎えに来てもらって」
 昨夜長門に電話して、朝に長門のマンションに迎えに行く約束をしたのだ。
 何、構わないさ。それじゃ駅まで二人乗りだ。少し風が冷たいけど、しっかり俺に掴まっていろよ。
 夏休みの合同旅行の時のように、長門を後ろに乗せて、俺は自転車のペダルを漕ぎ出した。

 駅前の駐輪場に自転車を置き、俺と長門は駅の構内に入り電車を待つ。
 国立K大へは、俺と佐々木がよく行く街中の駅で降りて、K大行きの直通バスに乗り込めばすぐにつく。
 今回の講演会の事を、長門は文芸部の次の活動に活かそうと考えていたらしい。さすがは文芸部の部長だ。
 ホ-ムに電車が入ってきた。
 俺と長門は、その電車に乗り込んだ。
 
549この名無しがすごい!:2013/02/11(月) 00:29:08.80 ID:DFYNrMA6
>>546
国木田・谷口と遭遇した挿絵がある、と思ったが後ろに九曜の影があったな…。

あとは分裂の電話しているところか驚愕の最後の挿絵か。
シャミセン膝に乗っけているのは佐々木さんピンだったしな。
550 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/11(月) 00:55:28.52 ID:NYZtf0Jp
551『夢幻泡影』:2013/02/11(月) 08:52:58.71 ID:OOYP9Rd0
「幸福の薬を飲みますか?」
と聞かれて、イエスと答える馬鹿は麻薬中毒患者位だろう。
夏休み、佐々木と再会してから俺達は順調に愛を育んだ。
「正気の沙汰とは思えんテーマだな。」
「この話には続きがあってね。幸福の薬を飲んだら、もう目は覚めない。しかし、夢の中で全てが叶う。こんな話だよ。」
「成る程。……夢は万能だ。」
現在の俺達が過ごすこの世界も、誰かが見る夢なのかも知れん。これはあの馬鹿のやらかす与太事か。
「胡蝶の夢とも言える。哲学なら、こうした話もあるわけだよ。」
「ふむ。」
確かにそうかも知れんが、それじゃつまらんだろう。
「人生を『借り物の身体で生きる』と仮定した人間もいるぜ。」
「伊達政宗だね。」
借り物というだけで、死生感の達観ぶりが凄いんだがな。俺には辿り着けん。
「夢物語の登場人物でもいいじゃないか。」
「確かにね。こうしている時間は、夢物語でない。」
佐々木と手を繋ぐ。暖かさと湿った手汗。
「俺が幸福の薬を飲む事は、多分無いな。」
「僕もだよ。こうした時間が夢では勿体無い。」
ただ、この手の温もりがないなら飲むかも知れん。
「手だけかい?」
「言い替えよう。お前の温もりだ。」
「くっくっ。」
影が重なる。佐々木の香りが鼻腔をくすぐり、柔らかい感触と暖かさに包まれた。
一時の夢。全ては夢幻の如く、波間の泡のように消え去る。

「泡沫夢幻だな。」
「夢幻泡影と仏語では言うよ。」

この時間も、儚く消えてしまうものだとしても。

――――8月31日。
再びループは巡る――――

END

微鬱。
綺麗な話にしようとしたら、何故かエンドレスエイトものにw
552この名無しがすごい!:2013/02/11(月) 09:59:00.15 ID:wLEXXmZj
二度寝って素晴らしい

>>548支援
地味に国木田が羨ましい…

>>549
国木田谷口との遭遇は2ショットと言えるね
佐々木さんが笑顔なのもポイント高い

>>551乙ー
2週間じゃここまでいかんよな…てことは、夏休み初っ端から付き合いは再開してる
こらループ永久に終わりませんわ
553この名無しがすごい!:2013/02/11(月) 14:36:47.52 ID:7Y9NGg8B
>>551
エンドレスエイトはいくつか定番のことをやっていない回があるんだよな。
となると、と妄想できるわけでGJ。
554この名無しがすごい!:2013/02/11(月) 19:26:27.79 ID:OOYP9Rd0
今日明日中に、エロパロに『夢幻泡影』のβを上げときます。
主題が主題だけに鬱注意。
555この名無しがすごい!:2013/02/11(月) 20:44:40.85 ID:wLEXXmZj
鬱注意か…
他の人の様子を見てからにしよう
556 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/11(月) 21:07:50.81 ID:NYZtf0Jp
おつ
557この名無しがすごい!:2013/02/12(火) 01:18:51.53 ID:Cmf8UTjC
『夢幻泡影』β、エロパロに上げました。

ただのキャッキャウフフで、大してエロくもないです。

エンドレスエイトがネタだけに、ラストを深読みすると無駄に鬱になりますので、鬱注意。
558佐々木さんのキョンな日常:2013/02/12(火) 01:27:26.86 ID:CH5XlS52
  佐々木さんのキョンな日常 恋愛交差点その2

 電車を降り、K大行きのバスに乗り換え、そのバスに揺られること20分。
 国立K大教養課程キャンパスの広大な敷地の前に、俺達は立っていた。
 ”リベラルア-ツに力を入れているところで、実を言うと、僕の進路選択候補の一つに入っている
んだ。キョン、長門さんと行くついでに、学内を見学してきたらどうだい”
 ここに来る前日に、佐々木にそう言われたのだが、成程、すれ違う学生の顔つきが、かなり大人び
て見え、世間一般の人間が日本の大学生に抱いている偏見が多いに間違いだな、と思うような知性を
感じさせる。確かに、佐々木にはこういう大学がふさわしいのかもしれないな。

 講演がある第二公会堂は、四階建てでレンガタイル装飾の重厚な雰囲気を持つ建物だった。案内板
を見ると、二重四時間利用可能な大図書館が内部に併設されており、カフェやレストラン、購買部ま
である、学生たちの知の拠点でもあった。
 「すごいところだね」
 長門の目が輝いていた。
 もし、長門がここの学生だったら、一週間ぐらいここにいそうな気がするな。
  
 講堂は既に満席に近い状態だった。
 俺と長門は、何とか空いてる席を見つけ、二人並んで座った。
 大型スクリ-ンと音響装置のおかげで、後ろの方でも聞こえるが、やはりもう少し前の席で見たかった
というのが本音である。
 講演者は俺と佐々木がよく読んでいる作家で、自分の書いているミステリーの話題も交えながら現代
文学の話もしていたが、これがなかなか面白く、この手の講演会は退屈なんじゃないか、と思っていた
俺の期待を良い意味で裏切ってくれた。
 俺も長門も、その話に引き込まれていった。

 2時間という時間を感じさせない講演会がおわり、俺達は満ち足りた気分で講堂を出た。
 第二公会堂の壁面に埋め込まれた大時計の針が、12時前5分を示していた。
 「少し早いけど、長門、ここのレストランで昼ごはんを食べるか?」
 どんなメニュ-があるのか、少し興味があった。
 「うん。実を言うと、お腹がすいていたの。寝坊しちゃって、朝ごはんを少ししか食べてなくて」
 「なら決まりだな。早く行かないと、講演会みたいに席は埋まっているかもしれないな」
 
 レストランのメニュ-はなかなか種類が豊富で、しかも量も多くて安くて味も良い。聞くところによると、
留学生も多いのでいろいろなメニューを取り揃える必要があり、朝から深夜まで営業しているとのことだった。
 とりあえず料理を選び、テ-ブルに備え付けてある情報端末機のタッチパネルで注文を確定すると、画面に
番号が出る。料理が出来たら番号で呼ばれるので受け取りに行くというシステムだ。
 飲み物は俺たち二人は飲み放題を選択したので、セルフ方式で好きな物を飲める。
 「長門、なにがいい?俺が持ってくるよ」
 「え、わ、私も一緒に行くよ」
 「いいから、座っていろよ。遠慮する必要はないぞ」

 ------------------------------------------------------------------------------------------------

 キョン君――彼と二人で向かい合い、お喋りしながら食べる食事の時間。
 普段、彼の目の前にいるのは佐々木さん。
 学園祭の時、彼と佐々木さんが並んでウエディング姿で現れたとき、あまりにお似合いの姿だったので、他の
生徒たちはため息をついていた。
 彼の横に、私が佐々木さんのように並ぶことはないだろう。
 だけど、今のこの時間だけは、私は彼と一緒にいられる。そう、佐々木さんの様に。

 「それ、美味しそうだな。長門、少し交換しないか?」
 「え、あ、うん、どうぞ、どうぞ。あ、私もキョン君のをもらっていい?」
 「もちろん構わないさ」
 心臓がドキドキする。

 
559佐々木さんのキョンな日常:2013/02/12(火) 01:29:42.39 ID:CH5XlS52
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 食事を終え、SF作家のサイン会の時間までは大分あるということで、俺達はキャンパス見学をすることにした。
 将来佐々木が行くかもしれない場所。
 俺はまだ、佐々木みたいにどこに進学するとかまでは考えているわけではない。母親の口癖「佐々木さんと同じ
大学に行きなさい」との言葉が、頭にこびりついてはいるが、どうなるかはわからないのだ。
 この大学に来るかもしれないし、別の場所かもしれない。ただ、進級して進路を決める時期は、実はそんなに先
のことではないのだ。


 ”?”
 ふと、視線を走らせたとき、俺は意外な、でもよく知った人物の姿に気づいた。
 ”あれは古泉じゃないか”
 見慣れた制服姿でも普段着でもなく、何とス-ツ姿である。そして、その横にはこれまたきめている橘京子。
 そして、さらにもう一人。
 ”誰だ、あれは?”
 かなりの美人で、俺たちより五つぐらい上の大人の女性だった。
560 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/12(火) 07:06:12.13 ID:nq2ZyTCY
おつ
561 忍法帖【Lv=27,xxxPT】(1+0:8) :2013/02/12(火) 08:18:11.45 ID:tgX1tTgQ
佐々木かわいいよ佐々木
562この名無しがすごい!:2013/02/12(火) 13:30:24.12 ID:qtJC34EA
>>559
563この名無しがすごい!:2013/02/12(火) 13:38:43.17 ID:y8FFe+NR
>>559

5つ上? 森さん……じゃないよな
キョンも冬山で車運転しているのを見て「少なくとも運転できる年齢」って思ったくらいだからなぁ
あとは誰か該当者いる?
564この名無しがすごい!:2013/02/12(火) 18:11:08.74 ID:G8YI17ES
乙乙
学食は安い代わりに不味いとはいつの時代のことであったろうか
565佐々木さんのキョンな日常:2013/02/12(火) 20:56:02.35 ID:KW1TWY8E
佐々木さんのキョンな日常 恋愛交差点その3

 どうやら向こうの方もこちらに気付いたらしい。古泉が手をあげて声をかけて来た。
 「奇遇ですね、こんな所でお目にかかるとは」
 それは俺もそう思ったさ。俺たちは講演を聞きに来たんだ。
 「講演?ああ、そういえば文学講演会のお知らせが学内に掲示してありましたね。あれを聞きにこられたのですか?」
  そうだ。おまえは此処で何を?
 「私の父が、此処の学長にお世話になっているので、父の使いとして挨拶にきたわけです」
 なるほどな。で、おまえの友人も一緒にいるのは、デートでも兼ねてか?
 少し茶化してみたが、だいたい答えはわかっていた。

 「婚約者として付いて来たのです」

 答えたのは橘だった。

 「へ、こ、婚約者?」
 橘の意外な言葉に、長門は眼を白黒させる。俺にとっては周知の事実だが、俺も驚いて見せた。
 「あら、今日は佐々木さんて人じゃないのですね。どなたですか?」
 そういえば、橘は長門と合うのは初めてか。文芸部の部長で俺の友人の長門優希だ。
 「初めまして、橘京子と言います」
 そのやり取りを、もう一人の女の人はじっと見ていた。

 古泉、さっきから気になっていたんだが、その女性は誰だ?お前の姉さんか?
 「いいえ、違います。彼女は父の秘書をされている森さんです」
 「初めまして。森園生といいます。古泉がいつもお世話になっています」
 丁寧に笑顔で挨拶をされ、俺も頭を下げ返す。
 とてもきれいな笑顔だが、目の奥と口に浮かぶ微笑みには、何故か鋭いナイフのような感じを受ける。
 俺はさっき五つくらい上かなと思ったが、どうも良く分からない。その話し方と落ち着きぶりからみるとまだ、上の年
齢なのかもしれない。化粧をしているので、なおさら分かりにくい。
 学園祭の時に、佐々木が喜緑さんにメイクしてもらっていたが、普段の佐々木よりもずいぶん大人にみえたものだ。
 化粧一つで別人になる、男にとって女は謎めいた存在だ、とつくづく思う。

 「古泉、用事はすんだけど、これからあなたはどうするの?」
 森さんに聞かれ、古泉は首をかしげる。
 「どうしましょうかね。伝書鳩の役目で午前中を無駄にしましたしね。午後も用事は入れる事が出来ませんでしたしね」
 古泉の言葉に、珍しく棘があることに、俺は少し驚く。橘に「家に戻るつもりはあまりない」と言っていたが、古泉と
実家との溝は思ったよりも深いようだ。

 「古泉、良かったら、俺達、サイン会に行った後に色々遊びに行くつもりだったんだが、おまえも一緒にどうだ。おまえ
の婚約者も一緒に」

 俺の言葉に古泉は少し驚いた様な表情をしていたが、、しばらくして「よろしいのですか?」と言った。
 かまわないさ。おまえと遊びに行くのも良いと思うんでな。
 俺は長門の方を向き、小声で「いいだろう?」と尋ねると、長門は笑顔でうなずいてくれた。
566この名無しがすごい!:2013/02/12(火) 21:11:30.43 ID:PkGPdwaR
しえん
567この名無しがすごい!:2013/02/12(火) 22:00:49.91 ID:G8YI17ES
もう投下が日々の楽しみと化してる支援
568『バレンタイン症候群β』:2013/02/13(水) 01:49:26.48 ID:g2OYpCyF
※ポンジーいじめのβ。攻め、エロ佐々木注意

バレンタイン。最後にチョコを貰うのは佐々木。17年生きて初めて貰う本命チョコ。きっとどれよりも味わい深くなるだろう。俺の部屋のベッドに腰をかける佐々木。
「これが僕の本命チョコだよ。」
佐々木が取り出したのは、リップクリームの筒。
「……まさか、お前がこんなコテコテで来るとは。」
「定番というものは、使い古されているからこそ定番だと言えるのさ。」
佐々木がニヤリと笑う。
「そして、それは起こり得ない。……だからこそしてみたい。キミはそう思わなかったかい?」
……全くだ。漫画などの定番、リップクリーム形のチョコ。甘い口唇を舐めるのは、定番だ。定番だが起こり得ない。何故か?そんなキモい真似をする女はいないからだ。
妄想の定番、そして即物的な男の悲しい産物。それがリップクリーム形のチョコ。
「くっくっ。」
佐々木は、リップクリームを俺に塗る。……何故?WHY?どうしてだ?!
「知っているかい?チョコは、かつては媚薬として活躍していた事実を。」
佐々木の目が邪悪に光る。ま、まさか……。佐々木がベッドに俺を押し倒した。ち、ちょっと待て、佐々木!それじゃ逆だアッー!

「んっ!ぐぅぅう゛!む゛ヴうう゛!」
「んっ……ぷぁ…………キョン……」

きんぐ☆くりむぞん

……こうして俺のバレンタインは終わりを告げた。貰ったというか奪われたような気がするのは何故だ?
そういや、妹がパンジーを持っていた。どういう経緯を辿ったかは知らんが、藤原はダメだったようだな。
「キョンくんと佐々木お姉ちゃんから、チョコの匂いがするー。」
変なモンに目覚めちまいそうだから、チョコは暫くいい。俺は佐々木に耳打ちした。
「ホワイトデー、覚悟してやがれ。」
佐々木はニヤリと笑うと、耳に吐息を吹き掛けながら言った。

「三倍返しで頼むよ。」

END

明日は暇がないので、先走り。キンクリはここでは書けませぬ。爆ぜろ、リア獣。
569 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/13(水) 06:08:45.65 ID:rbUnhmrt
おつ
570この名無しがすごい!:2013/02/13(水) 07:26:07.78 ID:cUP+NR+X
乙(´ω`)乙
571『TS〜キョン子と佐々木と〜』:2013/02/13(水) 13:23:25.21 ID:g2OYpCyF
朝起きたら、女になっていた。
「…………。」
驚くより早く、まずは長門に連絡し、状況を聞く。
「涼宮ハルヒの願望。彼女は明日のバレンタインに、あなたにチョコを渡す勇気がなかった。」
「本命で来たって願い下げだがな……!」
頭が重い。
「因みに性別が反転しているのは、あなただけ。残りはいつもと変わりはない。……明後日には元に戻る。」
「……おい。聞き捨てならんぞ。」
つまり。現時点で佐々木と付き合う俺は……
「キョン子ちゃーん。佐々木お姉ちゃんが迎えに来てるよー?」
絶句。まさにこれだ。

「全く、迎えに来て良かったよ。」
佐々木が俺の髪を丁寧に鋤く。
「せっかくのロングヘアーなんだ。綺麗にしておかないと。毎朝の僕の日課になりつつあるが。」
艶やかな黒髪。これは、どうやら佐々木が毎日ブラシを当てているからのようだ。
「…………」
因みに佐々木とは、プラトニックと言い難い関係だったんだが……そこはどうなんだろう。
シュシュをつけたポニーテール。佐々木は髪を満足そうに触る。
大切な宝物に触るような手つき。少しひんやりとした手に、身をすくませると……

眼前にある佐々木の顔。口唇のグロスが艶かしく、申し訳程度のマスカラが潤んだように輝く。
ゆっくりと近付く、佐々木の顔……。そう。俺の今の身長は、長門並みに小さい。つまりは……
自分より背の高い男にキスされる幻視をしたのだ。

「ひっ!ひぃっ!ひゃああ!」
俺は佐々木を突き飛ばすと、ダッシュで部屋を出た。


佐々木×キョン子から佐々キョンになるけど、書いていいなら続き書く。
572この名無しがすごい!:2013/02/13(水) 17:56:06.52 ID:WMGbzvcu
貴様の妄想をどうしたらいいかなど他人に聞くな!
分かったならさっさと続きを書けよください。
いいか、正座して待っやるからお願いします。
573背中を押してみよう:2013/02/13(水) 18:11:49.21 ID:cUP+NR+X
(・∀・)つ>>571
574『TS〜キョン子と佐々木と〜』:2013/02/13(水) 20:13:20.80 ID:g2OYpCyF
慌てて教室に入る。教室にいたのは、いつもと変わりない連中だった。
「……驚天動地だ。」
俺はとりあえず席に座った。
「よーっす、キョン子。今日ももっさいな。」
谷口だ。こいつのこうしたところは、本当に安心するぜ……
「ああ、谷口。おはよう。」
「明日はバレンタインだなぁ。」
「ああ。お前には何もやらんから安心しろ。」
「けっ。」
長門の言うよう、性別以外は前と変わらんようだな。
「おはようキョン子。」
ハルヒもいつも通りだ。何の問題もない。団室に向かい、放課後を迎える。
そこには……いつもの数倍エエ笑顔を浮かべた古泉がいた。
「明日はバレンタインですね。」
「だなぁ。お前は大変だろ。」
からかいついでに言ってやった。古泉は困ったような笑顔を浮かべると……
「そうですね。貴女から貰えるか貰えないか。僕の不安はその一点に尽きますよ。」
と、宣った。こいつも色々大変だな。
「こんなもっさいのからより、ハルヒ達からに期待しろ。」
「つれませんねぇ。そこがいいのですが。」
顔が近いんだよ、気持ち悪い。……おや?朝比奈さんが目を丸くしている……
「き、キョン子ちゃん……いつものアレはどうしたんですかぁ?」
はい?
「いつもなら顔を近付けただけで、膝蹴りから始まるキョン子ちゃんラッシュなのに……」
…………はい?古泉まで何か物足りなそうな顔を…………?
「……ね、熱でもありますか?!」
古泉が俺の額に手を当てる。……心配するなら、お前の頭を心配してくれ。
「…………」
「…………」
朝比奈さんの表情が驚愕に歪む。古泉は……驚天動地といった表情だ。
「待たせたわね……って、キョン子!あんた何でそのままなのよ!」
だから何がだ!?ハルヒは俺を掴む。
「アレは?!ボディへの膝蹴りからハイキック二連で膝をついた古泉くんにシャイニング・ウィザードを喰らわせる、あんた必殺の……」
お前は何を言っているんだ?!
575この名無しがすごい!:2013/02/13(水) 20:29:53.94 ID:C/RCSuvp
ワロタ
576この名無しがすごい!:2013/02/13(水) 20:53:51.46 ID:cUP+NR+X
なかなかアグレッシヴにございますなw
577『TS〜キョン子と佐々木と〜』:2013/02/13(水) 22:33:51.54 ID:g2OYpCyF
俺を女にしただけでは飽き足らず、バイオレンスな性格にまで換えやがっていたのか?ハルヒ!
長門が俺の手を引く。
「伝えそびれた。貴女はこの世界では佐々木○○と付き合うレズビアン。特に古泉一樹を嫌悪しており、近付く度に制裁を加えている。」
…………はい?
「彼もその制裁に悦びを覚えている。先程の行為も、貴女から制裁を加えて欲しかったから。」
「わかった。もういい。」
頭痛がしてきた。今日は帰るとハルヒに伝える。
「そうね。今日は調子悪いみたいだし、そうしなさい。」
「キョン子ちゃん、私が送って行きますね。」
すみません、朝比奈さん。
「…………」
長門が手を引く。どうした?長門。長門が小声で囁く。
「推奨出来ない。この世界では朝比奈みくるは鶴屋○○と関係を持つレズビアン。襲われる可能性が非常に高い。」
……本日何度目かの驚愕。無茶苦茶な改悪しやがって……。
「貴女は一人で帰るべき。佐々木○○が待っている。」
長門に押し出されるように団室から出る。

校門には佐々木がいた。
「やぁ、キョン子。」
気のせいでなければ、佐々木の顔は沈んでいる。こいつの事だ。俺の今朝の反応から、自分が嫌われているのではないか疑っているんだろうな。
「よう、佐々木。待ってくれていたのか?」
「ああ。今日は塾が休みだからね。」
佐々木は少し息切れしている。……まさか、な。
「さぁ、行こうか。」
佐々木は俺の手を引くと、笑顔で歩き出した。……手を引く掌が汗ばんでいる。確定だ。この馬鹿は、駅から走りやがったな。
普段も佐々木が待っている時があるが、それも佐々木は走って来ているんだろうか。
あの心臓破りの坂を。
「……どうかしたのかい?塾が休みの日はキミの家で予習復習をするのだろう?」
何でもないように笑う佐々木。……その汗ばんだ笑顔。俺は俺のままなら、多分気付けなかったんだろうな。
578 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/13(水) 23:55:25.57 ID:rbUnhmrt
ハルヒちゃんの九曜は、ネコっぽい
579『TS〜キョン子と佐々木と〜』:2013/02/14(木) 00:29:53.63 ID:bxKlo5c+
家では普通に過ごした。特に佐々木も何も求めず、俺も何もしない。
朝の事について、佐々木は何も言わなかった。なので俺も何も言わない。

…………次の日。佐々木は来なかった。

バレンタイン。顔を近付けた古泉にニーリフトを喰らわせると、俺は走った。
鼻血を噴きながら「青春に悔い無し」なんぞあのアホは叫んでいたが、そこはそれだ。
「国木田!俺はエボラ出血熱と腺ペストを併発したから帰った、と岡部に伝えてくれ!」
「キョン子!どっちも日本じゃ確認されない病気だよ!それに『俺』って…」
とにかくどうでもいい。佐々木に会わなくてはいけない。
電車を乗り継ぎ、佐々木の高校に。校門に待つが……
「……さ、寒っ……」
身を切るような木枯らしの中、俺は佐々木を待った。二時間後、下校してきた佐々木はギョッとした表情で俺を見る。
「キョン子!」
佐々木がマフラーを俺に被せる。さ、寒い……
「何をしていたんだい?!今日は僕が朝の特課だから迎えに行けないと言っていたはずじゃないか!
ああ、こんなに身体が冷えきって……!近くに喫茶店があるから、そこに行くよ!」
佐々木が俺の手を引く。
「……聞かせて貰おうか、キョン子。」
暖かいコーヒーとケーキで一心地つく頃、佐々木は俺を睨む。
「……お前さ、俺が男だといったら信じる?」
俺の問いに佐々木は目を白黒させたが、すぐに平静を取り戻した。
「信じるも信じないも……僕はキミの身体を隅々まで知り尽くしているんだが。キミも同じだろう?」
確かに。だがな。それは俺であって俺でない記憶だ。女の俺は、お前と睦み合った覚えはない。
「意味不明だ。こないだからおかしいよ。キョン。」
話せば長くなる。知らんでいい事もあるしな。
だが、聞きたい事はひとつだ。

「佐々木。お前は俺が男でも愛せるか?」

それだ。佐々木はこめかみに手を置いている。
580『TS〜キョン子と佐々木と〜』:2013/02/14(木) 04:47:13.89 ID:bxKlo5c+
「その設問に答える意義があるか、実に不明なんだが……答えはイエスだ。」
……良かった。佐々木が古泉や朝比奈さんのように悪い方に改変されていてはどうしよう、というところだった。
「僕はヘテロのつもりだが、例外はキミだけだよ。」
「そっか。ならいい。」
聞きたい事は聞いた。

佐々木と手を繋いで帰る。人通りの少ない道。佐々木は、そっと俺にキスをした。
……自分よりも背が高い奴にキスされると、空しか見えないんだな。
「……毎日、数億の僕がキミを思って死んでいき、キミの為に生まれる。」
佐々木は俺を見ると、またキスをした。
「僕は、いつでもキミを愛しているよ。キミが男でも女でもね。」
「佐々木……」
じわり、と涙が出る。女の子は、こんなに涙脆いものなのか。
「どうせチョコも何も用意していないんだろう?こいつは僕が渡す唯一無二の本命だ。受け取りたまえ。」
……ぐしゃぐしゃに泣いちまった。もうこのまま女でいいか、と思う位だ。

それから街を少し歩き、駅に向かう。佐々木は一限遅れで塾に向かうという。
甘いものを食べた後だが、佐々木はアイスを買って食べている。案外健啖なんだよな。
「じゃあ、また明日。」
「ああ。」
階段を一段上がる。そして佐々木を手招きした。
「どうした?」
普段、佐々木が俺を見上げる高さはこの位か?俺は振り向きざまに佐々木に一瞬キスをした。
佐々木の手からアイスが落ち、バッグが落ちる。微かに香るチョコミントのフレーバー。
「また明日!」
ポニーテールを翻すと、俺は走り去った。

明日、佐々木が迎えに来ない事も、この長い髪ともお別れという事にも、少し寂しさを感じながら。
581『TS〜キョン子と佐々木と〜』:2013/02/14(木) 05:19:16.04 ID:bxKlo5c+
翌日。俺は俺に戻っていた。
「…………」
やっぱり佐々木が迎えに来るはずもなく。普段の生活と変わりなく日常が過ぎる。
ただ、女性の視点というもので見たら、普段いかに自分が佐々木について考え無しに接していたかがよくわかった。

校門に待つ佐々木。息切れを直そうとするあいつが、たまらなく愛しい。
「やぁ、キョン。」
「おう。……ほれ。」
用意していた水を渡す。佐々木は目を丸くしている。
「……どうしたんだい?」
「別に。……俺は案外お前に愛されているのに気付いただけだ。」
「言ってたまえ。」
多分、佐々木からは『守る対象と一緒にいる対象』の違いなんだろうな。
お互い不器用に出来てやがるぜ、全く。
俺は佐々木の手を握ると、佐々木の呼気が落ち着くまで待ち、歩き出した。
佐々木は嬉しそうに腕に手を回す。……俺まで嬉しくなっちまう。今回の改変もあながち無駄でなかった。そう思っちまう。
こうして俺のバレンタインは終わりを告げた。

――――――――――――――――

「……はぁ。彼が僕をシバき上げませんかねぇ。」
「鶴屋さんも素敵なんですよねぇ……」
「(エラー!)」ゾワワワ
若干の改悪の影響が残り、長門が大変な事になったのは、また別の話だ。

END

TSキョン子でした。
582この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 05:32:15.28 ID:TifUtmfj
おおつ
583この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 06:50:29.25 ID:MH9Jf8Iu
>>581
自分はNL/非TS派なんでアレだったんだけど、
こういうの前提にしたモノとしてはなかなかひねった話だなと感心してしまった。

あと少しだけ古泉がかわいそうに思えてしまったw
一応アレでも幸せなのかw


昨日からまとめwikiのアクセス数がその手合いの話が並んでいるっぽい。
それと直接上げられている方もいるようで、切なくともいい話だった。
584 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/14(木) 07:31:39.15 ID:gXVfx2rd
おつ
585この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 08:12:18.85 ID:8wnHgH6s
おはおつ
感想が>>583と丸被りなのは、類は友を呼ぶ故の必然と言っても良いのだろうか
586佐々木さんのキョンな日常:2013/02/14(木) 18:10:40.51 ID:6yfTtIbw
        佐々木さんのキョンな日常 恋愛交差点その4
 
 「古泉、いい友達が出来たわね。友達は大事にしなさい」
 そう言って森さんは微笑みを浮かべたのだが、それは先ほどの鋭さを奥に秘めたものではなく、優しいものだった。
 「それとたまには両親にも会ってあげなさい。気には掛けられているのだから」
 古泉は返事をしなかった。
 
 K大の敷地をでたあと、俺たち四人は停留所でバスを待つことにした。
 そう言や古泉、お前たちはどうやってここまで来たんだ?
 「森さんに乗せて来てもらったんですよ」
 ちょうどその時、俺たちの目の前を、赤いスバルBRZが走り去った。その運転席には、森さんの姿があった。
 あれに乗ってきたのか?
 「ええ。森さんは非常に有能な方で、運転技術もプロ並みに上手いのですよ」
 「時々、少々荒っぽい運転をすることもありますけどね」
 橘の言葉に、古泉は苦笑いを浮かべた。

 「貴方がたが行かれるサイン会には誰が来られるのですか?」
 この前、全日本SF大賞を受賞した○○だよ。俺は長門に貸してもらったんだが、面白かったよ。
 長門がバッグから分厚いハ-ドカバーの本を取り出す。これにサインしてもらうつもりなのだ。
 「ああ、その本なら知っています。まだ読んではいませんが、ニュ-スで話題になったので。本よりも、作者のキャラ
が話題になりましたよね」
 授賞式のスピ-チが秀逸すぎて、物議を醸していたな。
 「そうですね、僕もその本購入してみましょうかね」

 駅前の百貨店のワンフロア―の大部分を占める巨大書店が同時に展開しているカフェが、サイン会の会場として貸し
だされており、かなりの人がそこに来ていた。
 早く並ぼうと思ってきたのだが、これは時間がかかるんじゃないか?長門を並ばせるのはきついかもな。
 少し考えて、俺は一つのアイデアが浮かび、長門を呼んだ。

 「成程、あなたが並んで、順番が近づいたら、長門さんと変わるわけですね」
 長門に長時間立たせるのはきついからな。
 「あなたが、佐々木さんの心を捉えている理由がわかる気がしますね。人に対する思いやりが自然と行動に出ている」
 そう言えば、昔佐々木に似たようなことを言われたような気がする。
 「さすが、あなたをよく見られておられますね。学園祭でベストペア特別賞に選ばれただけのことはあります」

 サインを貰ったあと、俺達はしばらく書店で本を選び、その後いろいろな店を見て回ることにした。
 橘が案外積極的で、古泉は結構お買い上げさせられていたようだが。
 長門は本以外は見て楽しむことがほとんどだったが、それでも猫をモチーフにした雑貨類は気に入ったらしく、いく
つか購入していた。その中の一つの猫の絵が付いたカップは俺が買って、長門にプレゼントした。
 「貰っていいの?」
 長門はそう言ったが、遠慮はいらない。俺の思いつきに付き合ってくれたお礼だ。
 「ありがとう。大事に使わせてもらうね」
  
 
587佐々木さんのキョンな日常:2013/02/14(木) 18:12:10.75 ID:6yfTtIbw
気がつけば、既に夕暮れ時で、宵闇がせまってきており、西の空が紅く染まっていた。
 「今日は本当に楽しかったです」
 橘が嬉しそうにそう言った。
 「一樹さんとこうやって出かけるのは本当に久しぶりです。昔はよく二人で出かけていたのですけど」
 橘が親達によって、幼馴染から婚約者と決められたことで、古泉は家を出てしまい、橘と古泉は離れてしまった。そして
古泉は涼宮と出会い、あいつを好きになった。
 皮肉なことだ。結びつきを強めるつもりが離れることのきっかけになるとは。
 
 「ところで、おふたりは夕食はどうされるつもりですか?」
 古泉からそう言われ、長門と顔を合わせた俺はあることを失念していたことに気づいた。
 普段佐々木と出かけるときは、俺の家族が佐々木と会いたがるので、たいてい夕食は家で食べる。そうじゃないときは
早めに家に連絡を入れ、夕食を食べるかどうか伝えるのだが、すっかり忘れていた。
 「私は家に帰ってから準備しようかな、と思っていた。でも、今日はコンビニにでも寄ろうかな。家に誰もいないし」
  長門が自宅で一緒に食べる回数が多い朝倉は中河と出かけているしな。

 「よろしければ、うちで食べていかれませんか」

 いつもの爽やかスマイルを浮かべて古泉はそう言った。
588この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 18:33:06.77 ID:8wnHgH6s
支援で
長門を佐々木さんの代わりにキョン家の夕食に招くのか?とちょっと心配になったから一安心
589この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 19:15:48.27 ID:0umgykCp
しえん
590この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 20:15:59.52 ID:bxKlo5c+
『TS嫌いにも読めるTS、そして佐々キョンとして無理なく成立させる。』
楽しんで頂けたようで、何よりです。

書くのは明日になりますが……恒例のネタ拾い。

読まれたいシチュエーションと、二人の関係をお書き下さい。
591この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 20:37:18.88 ID:8wnHgH6s
みくるフォルダを誤って消してしまい落ち込んでるキョン
佐々木さん→キョンで
592この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 23:37:06.99 ID:bxKlo5c+
>>591
おk、把握。

車が壊れて買い換えようとしたら、ギャル車に乗せられて公開レイプ食らったでござるの巻きw
ピンクのヲタ製パイクカーはないわー……
593この名無しがすごい!:2013/02/14(木) 23:52:43.27 ID:8wnHgH6s
楽しみにしてますです

おやすみなさい〜
594佐々木さんのキョンな日常:2013/02/15(金) 00:38:51.98 ID:ErcHNM1v
佐々木さんのキョンな日常 恋愛交差点その5

「 え、 古泉君の家?」
 長門が戸惑いの表情を見せる。
 「ええ。今、僕が住んでいる家ですが」
 長門にも古泉の家の複雑な事情はわかったのだろう。古泉の言葉にしばらく経ってから、納得したような
表情を見せた。
 しかし、いいのか、古泉?俺達がお邪魔して。
 「大丈夫ですよ。一人で暮らすには十分すぎる家ですから」
 何故か橘が答える。古泉の家の中をよく知っているようだな。
 「週に二回はお邪魔していますし、休日は泊まることもありますし」
 さらっと言ったが、橘、今とんでもないことを言わなかったか?
 古泉の表情を見ると、奴め、視線を空した。

 古泉の家は、東中からさほど離れてはいないところにある一軒家だった。
 外見はいささか古いが、古泉の話では賃借する前にリフォームをしてあるとのことで、成程、玄関からお
邪魔すると、内部は綺麗なものだった。掃除もよく行き届いている。
 まさかとは思うが、古泉、橘がやってくれているのか?
 「いえいえ。全部自分でやっていますよ。二日に一度ぐらいは。それに掃除機ロボットもありますし」
 シャ-プのココロボの姿が目に付いたが、そういえば、うちの母親も欲しがっていたな。それにしても二日
に一回とは、相当マメな奴だ。
 「昔から一樹さんはそうなんですよ」
 さっさっと家にあがり込み、家主より先に橘はキッチンに入る。通い妻やっているんじゃないよな?

 夕食は橘と古泉が作ることになった。まあ、俺達がお邪魔しなくても、元々そういう予定だったらしいが。
 橘の話によると、橘自身は光陽の学生寮に入っているらしい。門限はあるが、親戚の家に行く場合は外泊も
許可されるそうだ。それを利用して橘はここに泊まるらしい。

 ”しかし、まあ”
 俺の脳裏に学園祭の初日の夜、橘が古泉に言っていた言葉が蘇る。
 ”涼宮さんにあなたを渡すつもりはないから”
 ”僕は涼宮さんが好きなんですよ”
 橘の気持ちと古泉の気持ち。交差することがない二人の思い
 全く恋愛は難しい。恋愛は綺麗な形をしているとは限らないのだ。ややこしい事の方が多いのかもしれない。

 
595佐々木さんのキョンな日常:2013/02/15(金) 00:39:56.29 ID:ErcHNM1v
古泉シェフと橘シェフが作った料理は、かなり出来栄えがよく、俺と長門は二人の腕に感心しながらありがた
く頂いた。
 「すごい、橘さん。いいお嫁さんになりそう」
 長門が褒めていたが、それには俺も同意する。
 後片付けは俺と古泉がやることにした。長門も手伝うと言ったが、橘が「ゆっくりしてください」と言って
引き止めた。
  
 古泉と食器を並んで洗いながら、俺は古泉に話しかける。
 「なあ、古泉。橘が婚約者だと言ったが、あれは本当のことか?」
 知ってはいるが、一応確認の意味も込めて古泉に尋ねる。
 「ええ。彼女は幼馴染で、父同士が親友でもあるので、兄妹同然に育ちました。それが僕が中学二年になった
時、親同士が勝手に橘さん・・・・・・すいません、もうわかっていることなので普通に言いますね。京子を僕の婚約者
にしたんです」
 「しかし、橘のことは嫌いじゃないんだろう?」
 「ええ。まあ、一緒に育ってきたも当然ですから・・・・・・ただ、僕は勝手に自分の人生を決められるのは好きでは
ありません。たとえ親でもです。それで実家を離れたんです。一人で暮らすことくらい出来ますから」
 「なるほどな。だけど、なんで今頃橘はお前を追ってきたんだ?」
 「この前京子は誕生日を迎えたんです。16歳になった。それが意味することはわかりますか?」
 「・・・・・・結婚出来る法定年齢に達したということか」
 「そうです。世間的に公式に婚約者と名乗れる年齢になった。まあ、僕が18歳になっていないので、実際は無理
ですが。ただ、その意味は社会的にある程度の影響を及ぼします。特にうちの場合、仕事関係で」
 成程、だいたい事情は読めた。実家絡み、そしてそれぞれの親の仕事上における繋がりと影響。単純な婚約劇では
ない、ということだ。
 もう一つ、古泉に聞いておきたいことがあった。

 「古泉、お前は涼宮に対する気持ちはどうするんだ?」
596この名無しがすごい!:2013/02/15(金) 02:34:51.07 ID:QPnC3o6R
ほし
597 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/15(金) 03:59:17.87 ID:nM1ApdJR
ほしゅい
598『失ったもの・得たもの』BAD END ANOTHER:2013/02/15(金) 04:27:03.15 ID:SQ9IL24k
※前に話題になったキョンいじめSSの『失ったもの・得たもの』のバッドエンドアナザー。

バイト先。
「いらっしゃいませー」
コンビニで働き、少しの金の為にペコペコ頭を下げる。下らんが、金銭に貴賤はない。
いちいちつまらん事に抱くプライドなんて持ち合わせていないしな。
真面目にやってりゃバイトだって楽しいもんだ。廃品をガメたり、店長からジュース奢ってもらえたり。
下らん日常から解放され、実に楽しい。
「すみません。」
「はい。申し訳ありません。大変お待たせ致しました。」
レジに並んでいた客は、佐々木だった。……見た所、連れがいる。男だ。
良かった。佐々木は幸せを掴めたんだな。
安堵していた俺に、佐々木が男になにやら耳打ちした。……がっくり項垂れた男が帰っていく……
「……お前……」
睨み付けるが、佐々木はどこ吹く風かといった表情だ。
「清算はまだですか?」
「……申し訳ありません。210円になります。」

それから。佐々木は足繁くバイト先に通って来た。あの男は初回以来見ていないが、恐らくは俺をダシに使ったんだろうな。
まぁ、こんなんでも役に立つわけか。佐々木は、俺に声をかける事はなかったが、佐々木が元気にしていて安心はした。
やがて、自然に一言二言話すようになり、俺達は以前のような関係に戻るまでに、一月を要しなかった。
バイト帰りに待ってくれていた佐々木に、俺は全てを打ち明けた。
「俺は実は――」
涼宮達に愉快犯的に虐めを受け、逆襲した事。佐々木を頼るわけにはいかなかった理由。全てを語った。
佐々木は無言で聞き……
「僕もキミにバカにされたものだね。」
と言った。
599『失ったもの・得たもの』BAD END ANOTHER:2013/02/15(金) 06:09:14.37 ID:SQ9IL24k
佐々木は、中河や岡本さんを通じ、全てを知っていたという。俺の悪い噂を聞いた中河と岡本さんが、国木田を問い詰めたらしい。
国木田は罪の意識というよりは我が身可愛さに白状したようだが。まぁ俺の態度を見ていては致し方あるまい。
「国木田くんも気に入らないが、一番気に入らないのはキミだ。」
佐々木がショックだったのは、荒れる俺が、何故自分に向かわなかったか。そして自分はそんなに弱く見られていたか。この二点だったという。
「僕を思ってというなら、少しは僕を頼りたまえ。……親友と言った言葉が偽りであれば、その限りでないが。」
「……すまん。だが……」
また同じように何かを信じて裏切られるのは、もう嫌だ。
「僕達が彼女達と同じとでも?」
「違う!」
我知らず声が強くなる。
「ならばそこで話は終わりだ。全てに絶望するには早すぎる。
キョン。もう一度だけ聞く。無回答は許さない。ここまで話を聞き、かつキミが思う強さを手にした今で。
僕の手を取るか、取らないか。
ここで決めたまえ。」

俺は…………

佐々木の手を取る事を選んだ。

「……自分の弱さを認めるのも強さなのよ、キョン。」
「……すまん。」
佐々木に抱かれ、俺は思い切り泣いた。佐々木も俺を抱き締めて泣いた。

それまでの俺は、ただの負け犬だった。ただ、周囲に自分の辛さを当たり散らすだけの存在だった。
しかし、もうこんな生き方は出来ない。
本当に『強く』ならなければいけない。それが佐々木の手を取った俺がやるべき事だ。
その為には、自分自身と相対しなくてはいけない。
それを乗り越え、もっと強くなったその日に……

全てを失おうとした時、どんな時でも俺を見ている、見てくれている奴がいた。
そんな奴が一人でもいた。いてくれた。それこそ俺が得た最大のものだ。

俺は、佐々木の手を握る為に前に進む。そしていつか佐々木の手を引けるような奴になれたらいい。

その日こそ――――

「お前に、好きだと言っていいか?佐々木。」
「くっくっ。あまり待たせないでくれよ?」

END
600この名無しがすごい!:2013/02/15(金) 06:31:38.29 ID:SQ9IL24k
あちら風にタイトルをつけるなら、『見つめ合う心、弱さを認める強さ』ですか。
バッドエンドのストーリーからのアナザー、ハッピーエンドのつもりで書きました。

いじめいくない。
反動形成した元いじめられっこが言ってみるw
601 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/15(金) 07:19:09.47 ID:nM1ApdJR
ほし
602この名無しがすごい!:2013/02/15(金) 12:25:41.29 ID:wclf22Gq
例に因って支援&乙
きょこたんは古泉と会うの久しぶりみたいな雰囲気だと思ってたけど、かなり頻繁に会ってたのね
603『フォルダの中身は』:2013/02/15(金) 13:28:17.17 ID:SQ9IL24k
パソコンのHDDのクラッシュ。よくある話だ。
だが、それがマイスウィートエンジェル、朝比奈さんのお姿を納めた『mikuru』フォルダ入りだとしたら。
お前らならどうするかね?

神様仏様、ノートン様!なんとか復元を!と祈るよな。おれだってそうさ。
おれだってそうしたさ。そしてふくげんしたさ…………クリックミスで、全消ししちまったんだが……
「…………」
痛恨の思いに下を向く。……USBに移すべきだった……!移していれば……!
「良かったー!復元出来たのね!SOS団のロゴ!」
ノートン様は、mikuruフォルダ以外を全て復元された。
「……帰る……」
小声になり、俺は幽鬼同然の足取りで団室を出た。

あの麗しいお姿を納めた、至高のフォルダ。mikuruフォルダ。もはやこの世のどこにも存在しない。
……よし。死のう。今から、すぐに。
電車がいいか、首吊りがいいか、いや、別口の俺いじめSSのように飛び降りや轢死でもいいな。
「……ン」
因みに轢死は佐々木を乗せた車に轢かれたらしいぜ。素晴らしい鬱展開だ。よし、そうと決まれば早速学校に戻って練炭の準備を
「……キョンってば!」
「うわぁ!」
いきなり後ろから声が。後ろにいたのは、佐々木だった。
「何を縁起でもない事をブツブツ言っているんだい?」
「さ、佐々木……」
俺は、天使の姿を納めたデータを消滅させるという許されざる大罪を犯した。
こんな役立たずに、最早生きる資格など……
……おや?久しいな周防。
何故佐々木と頷き合っているんだ?
ん?何だか意識が……

クチュクチュ グリグリ
「――ふん――ふ――ん」
「あっあっ、朝比奈さんのデータをっあっ、ぶっ飛ばしちまってっあっ」
クチュクチュ
「蟻編だね。」
「蟻編なのです。」

次に目を覚ました時、生暖かい目をした佐々木と橘、縛られた藤原、そして見ていると何故か頭が痛くなる鍼を構えた周防がいた。
604この名無しがすごい!:2013/02/15(金) 18:34:29.76 ID:wclf22Gq
終わりなのかな?乙ー
なぜか蟻編が蝙蝠に見えて、さっきまで朝比奈さんのこと考えてたくせに佐々木さんに出会った瞬間〜〜な展開かと思ってしまった

ところで、藤原は何故縛られてたのだろう(´・ω・`)?
605『フォルダの中身は』:2013/02/15(金) 19:47:50.56 ID:SQ9IL24k
>>604
もう少しだけ続くのです。

「全く、キミの朝比奈さんへの崇拝ぶりは、狂信者もかくやだね。」
マイスウィートエンジェルに何を言うか。藤原が暴れているが、橘が腹に蹴りを入れて黙らせている……
簀巻きにされて横になっているところを蹴られているし、イギー並みに蹴られているが……大丈夫なんだろうか?
「ああ。キミが朝比奈さんの事を話したら、『みくる姉さんが汚された!』と暴れだしてね。やむを得ずさ。」
オモイシルノデスッ! ドウダッ! オモイシルノデスッ! ドウダッ! ドウダッ!
「…………」
嫌なデジャヴを感じるが、まぁいい。
「な、なぁ、周防。データの復元なんて出来ないよな?」
「――可能――――」
なんですと?!周防は、俺にUSBメモリを差し出す。
「これを――接―続――」
な、なんと!俺は周防からUSBメモリを貰う。
「因みにどんな写真なんだい?」
「ハルヒが撮った、セクハラ紛いの写真だ。因みに隠しファイルにしていて、あれ以来見てはいないんだがな。」
佐々木がジト目で見る。疑ってやがるな?だが事実だ。
「どうだか。」
つん、と横を向き、歩き去る佐々木。おい。あの二人も持って帰れ。

団室に戻り、PCにUSBメモリを接続する。

「因みに、あれは朝比奈さんのデータの復元なのかい?」
「――橘――京子が――写した――」

USBから流れたファイルは……
「な!マウスのカーソルがひとりでに!」

『保存』『sasaki』

「「…………はい?」」
606『フォルダの中身は』:2013/02/15(金) 20:09:33.98 ID:SQ9IL24k
佐々木から電話があった。
『き、キョン!まだファイルを開けてないよね?!』
ああ、まだ開けてはいないが……
『ぼ、僕が今から北高に行くから!開けてはいけないよ?!絶対にだ!』
余計に気になるじゃないか。しかし、佐々木。
「遠隔操作されているのか、勝手にカーソルが動いているんだが……」
『きゃあああああ!いやあああああ!』
ファイルが開かれる。……そこに写っていたのは……

「……写真立てにキスする佐々木?」
『いやあああああ!やめてええええ!』

写真立てに微笑む佐々木など、様々な佐々木の写真だ。
しかしこいつにこんな一面があるとはな。
恐らくは洋楽か何かの憧れのアーティストか何かだろう。佐々木だって思春期の女の子だしな。そこは武士の情けだ。問い詰めずにおこう。
だが、数少ない佐々木をからかうネタになるし、このファイルは隠しで保存、と。

後日――
『sasaki』フォルダの横に『haruhi』フォルダという隠しファイルがあり、
ハルヒの『いかにも自分で撮りました』といわんばかりの際どいバストショットばかりが並んでいたのは、また別の話だ。

END
607この名無しがすごい!:2013/02/15(金) 20:49:10.43 ID:wclf22Gq
えがった乙乙
結局みくるフォルダ復活は不成か、キョンの損得勘定は±どちらかな
てかハルヒに見つかってるし、佐々木さんフォルダについて問い詰められなかった分ましかw
608この名無しがすごい!:2013/02/15(金) 23:36:09.74 ID:prqskXNZ
sasakiフォルダは別にエロいものじゃないもん。本人がこっ恥ずかしくなる代物なだけで。
写真立てに何写っているかはおそらく想像通りだろうな。
609佐々木さんのキョンな日常:2013/02/16(土) 01:30:00.94 ID:mDYyzROb
佐々木さんのキョンな日常 恋愛交差点その6

「ゆっくりしていてください」
 橘さんがそう言って、私にコ-ヒ-と、今日の買い物の途中で買ったアップルパイを出してくれた。
 「片付けは一樹さんとお友達に任せておけばいいのです」
 橘さんは美味しそうにアップルパイを食べながら、そう言った。
 
 「ねえ、橘さん。あなたは本当に古泉くんの婚約者なの?」
 K大での彼女の発言にはびっくりさせられた。私と同じ歳で婚約者がいるなど、想像もつかないことだ。
 「はい。親同士が親友で、私達は幼馴染なんです。14歳の時、親は私を一樹さんの婚約者に決めました。でも、
そのことで一樹さんは勝手に物事を決める家に対して反発して家を出てしまいました。私はすごく嬉しかったの
ですけど、そうなってしまったのは残念です」
 一息ついて、彼女は話を続ける。
 「16歳になったので、私は法的にも婚約者を名乗れるようになったので、一樹さんを追って、こちらの高校に
転校してきたのですけど、競争相手ができていたのは予定外でした。まあ、いてもおかしくはないのですけど」
 「競争相手?」
 「SOS団の団長さんの涼宮ハルヒさん。一樹さんが好きな人です」
 
 涼宮さんの傍には確かにいつも古泉君がいるイメ-ジがある。佐々木さんの横に”彼”がいるように。
 「正直言って、この二年間の間の時間の空白を埋めないと、一樹さんの心は涼宮さんに取られてしまいます。
でも、私は涼宮さんに一樹さんを渡すつもりなんて毛頭ありませんから」
 強い口調で橘さんはきっぱりと断言した。
 「今日は本当に良かったです。週に二回はこの家に来るといっても、ほとんど顔を見に来る程度で、休日に来ても
一樹さんは涼宮さんたちと出かけていることが多いから。泊っても夕食を一緒にたべるくらいで。昔みたいに遊びに
行けて嬉しかった。誘ってくれたキョンさんに感謝しています」
  
 彼――キョン君の、人を思いやる心。いろいろな場面で彼は優しさを見せる。
 図書館で初めて出会ったあの日の出来事。私と彼を繋ぐ、二人だけの思い出。

 「ねえ、長門さん。長門さんは好きな人、いるの?」
 「え、あの・・・・・・」
 突然、橘さんに聞かれ、私はどう返事していいのか戸惑ってしまった。
 「もし、好きな人がいて、その人に彼女がいても、最初から諦めたりしては駄目。自分の気持ちに嘘をつくことは
できないし、それに恋愛は戦いだと思うのよね。覚悟がないなら人は好きにならない方がいいと思います」
 そう言った橘さんのツインテ-ルの髪が誇らしげに揺れていた。

 ------------------------------------------------------------------------------------------------------

 「おじゃましたな」
 周囲はすっかり暗くなっていた。
 「いえいえ。本当に今日は楽しかったですよ。また時間があれば行きたいですね」
 片付けを終えて、しばらく古泉の家で喋りながらくつろいでいたが、夜遅くなるので切り上げることにした。
 「それじゃな」
 「おやすみなさい」
 玄関口で古泉と橘に手を振って、俺と長門は古泉家を出た。
 あとは長門を無事に長門のマンションまで送り届けるだけだ。
 長門といろいろ今日のことを話しながら歩いていると、すぐに長門のマンションについた。
 「今日はありがとう、キョン君。いろいろ付き合ってくれて」
 礼を言うのは俺の方だ。思いつきに付き合ってくれて感謝するよ。
 「そんな・・・・・・それに猫のコップありがとう。昼ごはんもごちそうになって、キョン君に悪い・・・・・・」
 気にするな、長門。
 マンションの入口で、長門と別れ、俺は自宅へ足を向ける。
 かなり空気が冷たく、夜空の星が澄んで見える。

 
610佐々木さんのキョンな日常:2013/02/16(土) 01:31:32.49 ID:mDYyzROb
”今はまだ、わかりません”
 俺の問いかけに対する古泉の言葉をふと思い出した。人の心は夜空の星のように明快じゃない。
 古泉の心は、涼宮と橘の狭間で揺れている。
 人の心が交差するとき、そこには様々な思いが生まれる。その思いの中で人は戸惑い、考えながら前に進むのだろう。
 ”ただ、いずれ答えは出します。中途半端な態度は涼宮さんにも京子にも失礼ですから”
 迷いながらも古泉は俺にそう言った。どんな答えを出すにせよ、古泉にとって良い結果が出ることを祈るばかりだ。

 携帯の着信音が俺の思考を中断させる。
 この着信音は・・・・・・
 「やあ、キョン」
 佐々木の聞きなれた声が、冷たい夜風の中で暖かく感じられた。
611この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 08:35:00.34 ID:JA8rGiP/
乙乙
きょこたんしっかりしてるね、長門もかなり影響受けそうだけど、佐々木さんにも同じ言葉を聞かせてあげたい
612この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 11:15:42.28 ID:YBXtNm94
週末恒例ネタ拾いタイム。

先着二名様で
読みたいシチュエーションと、二人の関係をご記入下さい。
夕方頃から即興でやります。
613この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 11:49:39.63 ID:JA8rGiP/
佐々木さんに同性からたくさんチョコ(本命含む)を貰ってしまったと相談されたキョン
キョン→佐々木さん

他に案が2つ以上あるなら辞退ということで
614佐々木さんβ頑張らない:2013/02/16(土) 15:18:11.29 ID:mDYyzROb
         佐々木さんβ頑張らない

 もちろん某ラノベ原作アニメとこのスレのAAga元ネタです。

 佐々木の母親から電話をもらったのは、そろそろ三月も終わりかけの、ある日のことだった。
 中学を卒業した後、佐々木とは全くあっていなかったのだが、だからと言って佐々木の母親からの頼みを無視する程、俺は冷たくない。
 佐々木の母親によると、佐々木は春休みが始まった日から部屋に閉じこもりの状態になったらしい。塾にも行かなくなったそうだ
 さすがに俺もその話を聞いて、言葉を失った。いったい、何があったんだ?

 佐々木の部屋にお邪魔するのは初めてのことだ。
 部屋はきれいに片付いている。佐々木自体も身奇麗にしている。引きこもりと聞いて、俺が想像した喪女佐々木は杞憂に終わった。
 「やあ、親友。よく来てくれたね。僕はうれしいよ」
 笑顔でそういう佐々木の姿を見て一安心といったところだが、佐々木よ、一体何があった?
 「いや、大したことじゃない。ただ、思うことがあってね。俗世と精神を断ち切ってリフレッシュをしているのだよ」
 そうなのか?
 「だけど、君が来てくれたことで、少しは俗世に戻る気がしてきたよ。キョン、今日はゆっくりしていってくれないか。話したいことが
山のようにあるんだ」
 その日、結局俺は夕飯までごちそうになり、家に帰ったときは10時を過ぎていた。
  
 春休みでもSOS団の活動はあっていた。ハルヒが集合をかけたからだ。
 「フリマに行くわよ!」
 駅前に集合して(例のごとく俺が最後)、会場に向かう。
 電車に揺られながらも、俺の頭の中は、佐々木のことでいっぱいだった。

 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 くっくっくっ。作戦の第一段階は成功した。遅れた時間を取り戻す。
 だいたい、キョンと結ばれるのは僕なのに、あの未来からきたロリ乳牛が歴史に介入してくれたおかげで、あのキチ○イ女とキョンが付き合う
ことになった。おかげで僕は貧乏くじだ。同じ未来人だというパンジ-野郎を締め上げて(禁則事項だ、というのを無視し宇宙人に頼んでゲロさ
せてやった)真実を吐かせた。
 神の力は僕がいずれ、すべて頂く。現在半分頂いた。そしてキョンも取り戻す。
 モニター起動。

 少し憂いを秘めたキョンの顔がアップされる。早速取り込み。キョンフォルダに保管しておかないと。
 キョン、今君はなにを考えている?聞かなくてもわかるよ。僕のことで頭がいっぱいなんだろう?本当に嬉しいよ。
 橘さん、隠しカメラはもう少し近づけてくれ。うん?誰か近づいているよ。やばい、あれは橘さんの敵対組織とかいう「機関」のゲイ。
 橘さん、ここは一時的に戦略的撤退だ。あとはパンジ-藤原に切り替える。

 うん?何であのロリ乳牛の姿が映っているんだ?
 「いいなあ、姉さんの姿は。いつ見ても可愛い」
 このシスコンお花畑野郎!貴様の脳みその中にパンジ-でも咲いているのか!
 『お客様、ちょっとこちらへ』
 車掌がパンジ-を連れ去った。愚か者のたどる末路である。

 キョンのそばにいるSOS団の三姉妹ならぬ三人娘。○チガイにホルスタイン、無口人形。しかし、キョンは変な女が好きだからなあ。
 人の良さそうなフリして、腹は黒いショタ木田がそう言っていたが、うん、待てよ?変な女って、もしかして・・・・・・
 後でやつの思い人のちゅるやさんとやらに手紙とスモ-クチ-ズを送っておこう。

 
615佐々木さんβ頑張らない:2013/02/16(土) 15:19:09.79 ID:mDYyzROb
キョンはフリマを楽しんだ後、いろいろどこか買い物に出かけたらしい。深海ひじき宇宙人・九曜が画像を転送してくれたが、あれの言葉同様
とぎれとぎれのぶつ切り画像だ。おまけにキ○ガイが常にそばにいる。実に気に食わない。
 今日は早めに寝ようかな。

 「キョン君が来てるわよ」
 母親が部屋のドアを叩く。
 え、どうして?なぜキョンがここに?
 「佐々木、入るぞ」
 慌てて、キョンフォルダを閉じる。
 「やあ、いらしゃい、キョン」
 「これ、おみやげな。今日遊びに行ったんだが、ついでにこれも買ってきた」
 キョンが買ってきてくれたのは、今話題のクリ-ムパン。行列しないと買えない代物だ。
 もしかして、僕のために?
 「ああ。昔、塾の帰りに二人で食べたことを思い出してな」
 忘れもしない。あれは中学三年の11月の思い出ファイルNO185番のできごとだ。
 「佐々木、俺でよかったら、いつでも相談に乗るぞ。対した力にはなれないかもしれないが」
 
 キョンはやっぱり僕のキョンだ。優しいし、思いやりがある。中学時代と変わらない。
 「よかったら、佐々木明日出かけないか?大分桜も花開いてきたしきれいだぞ」
 「是非によろしく頼むよ、親友」
 僕はキョンの手を握っていた。

 その夜、僕はなかなか寝付けなかった。
 今まで成り行き任せできたけど、いよいよ反撃開始だ。必ず、キョンを取り戻す。三人娘ども、覚悟しろよ。
 明日から、少し頑張ってみよう。今日はゆっくり休むとしよう。


 「だから俺は姉さんの写真を撮っていただけだ!こんなところになぜ、閉じ込められるんだ!規定事項にはないことだ!」


 キョンの日常シリーズは基本的に普通の青春を送る佐々木とキョンの話なので、なかなか先に進みません。たまには違った話を書いてみま
したが、他のSS職人の方々に比べて文章も構成力も下手なので、無茶苦茶になりました。
616この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 15:59:25.49 ID:JA8rGiP/
あうぅ、佐々木さんの、性格があぁぁ……という訳で今回は乙できない
読ませて貰ってる分際が偉そうでごめんね(´・ω・`)
617この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 18:13:26.16 ID:YBXtNm94
>>613
把握ー。

>>615
乙!こうしたブラッキーな佐々木も面白いですね。
切り口を代えてみたら、色んな面のあるキャラクターですよね。
個人的には好きな黒佐々木でした。
618この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 18:20:55.96 ID:VtaAShZ6
まあ、ネタ出すのも大変だから意欲的なのも実験的なのもあってもいいんじゃないかと。
タイトルは誰かは考えつくなw
佐々木さんとβは何かと縁があると思った。

ネタリクあるなら…
発情、佐→キで。
619この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 18:29:18.64 ID:5q19GNMu
乙です
620『チョコレートランブル』:2013/02/16(土) 20:22:07.98 ID:YBXtNm94
久々に佐々木から連絡があり、佐々木の家に行くと……
佐々木がチョコレートの山を、コーヒーで流し込んでいた。
「……や、やぁ。キョン。」
うぷ、と口に手を持っていく佐々木。このチョコレートの山は、一体何なんだろう。
「バレンタインに、チョコレートをもらってしまってね……
本来は僕一人で彼女らの誠意に応えたかったんだが、さすがに骨過ぎて……」
「よし、わかった。お前は男なら俺の敵だ。」
「全く。どうしようもないね、キミって奴は。」
佐々木は、そう言うと既製品と手作りの品に分ける。
「キミには既製品を頼みたい。既製品なら、何も入っていないはずだからね……多分。」
佐々木はティッシュを取ると、何かを吐いた。固形物のようだが……
「なぁに。ただの爪だよ。」
…………はい?
「キミは中学生頃の女子の恐ろしさを知らないな?この先、安易にそこいらの年代から物を受け取らないほうがいい。
ある意味一番純粋な年代だし、どんな色にも染まる。なので……」
佐々木は、はねていたチョコレートを割る。中には小さな破片が見える。
「因みに爪だよ。こうした気色悪い事も出来るわけだ。」
ああ、非モテが一番だよな。
「それでは、僕は手作りの品に取り掛かるが……」
でもな、親友。だからと言ってお前を危険に晒すわけにもいかん。
俺は佐々木のチョコレートを奪う。
「キョン?」

南無三!

俺はチョコレートをがっつき、全て平らげた。

ざらざらした繊維質の舌触りのチョコレートや、鉄臭いチョコレート、何だか唾臭いチョコレートがあり、実に気分が悪い。
強烈な胸焼けに襲われ……俺は全てトイレで戻してしまった。
そこで見たもの。便器が赤く染まり、かつ長短の毛(中には縮れた毛も…)が浮いていた。
やはり非モテが一番だ!
621 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/16(土) 21:14:36.91 ID:ZnKkSIAE
まこ
622この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 21:18:24.66 ID:4IuecP0F
>>616
いえいえ、とんでもないです。私の駄文を読んでいただけるだけでも感謝です。です。
623『チョコレートランブル』:2013/02/16(土) 23:14:53.69 ID:YBXtNm94
「……無茶苦茶やるね、キミも……」
佐々木が背中をさする。
「しかし、キミが食べてくれなかったら、同じ目に遭ったのは僕か。
ひとまず、水を飲んでまた吐きたまえ。」
仕方ねぇだろ。こんな目にお前を遭わせるわけには。
「……全く。」
佐々木は、変なものが出なくなるまで俺を離さなかった。ようやくスッキリしてきた。
「……因みに髪の毛は、腸壁に貼り付き一生取れなくなる。そうなる前に出て良かったよ。」
そ、そうなのか……。
「ヤンデレとやらの定番だね。依存先を探していただけなんだろうが。」
「怖い怖い怖い怖い。」
身震いがする。
「結局、そういった連中を目の当たりにしているからこそ、恋愛は精神病だというんだよ。……気持ち悪い。」
……知っていたけど、こんな奴なんだよな。
佐々木は部屋に戻った。俺はもう少し吐き、口を濯いでから佐々木の部屋に入った。
暫く話をし、チョコレートの既製品をつまむ。やったらと苦いチョコレートだな。本当に。
「さて、帰るか。」
「そうかい?悪いね、たいしてお構いもせず。」
玄関を出て、歩き出す。

あのチョコレートに籠められた思いと、自分の思いに、たいした差はない。
『佐々木を自分のものにしたい。』それだ。食い散らかしたのは、チョコレートを渡せる奴に嫉妬しちまったからなのかもな。

「最初から手作りが怪しいなんて、わかってた。」
私は彼が食べていた、ビターのチョコレートをかじる。苦味走った味は、まさに今の自分の気持ちそのものだ。
恋愛は精神病に過ぎない。だが。キョンが自分を守る為に、チョコレートを片付けた時に。自分は彼に愛され守られているような錯覚を感じた。
こんな気持ちを何て言うんだろう。

「「前途多難だな、全く。」」

END

副題。スウィート&ビター。
624この名無しがすごい!:2013/02/16(土) 23:26:35.22 ID:JA8rGiP/
乙乙
まさかここまでダーティーな代物が出てくるとは思わなんだ、書いてて気分悪くなったりしてないか心配だ
拾いありがとー
625 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/16(土) 23:59:29.57 ID:ZnKkSIAE
おつ
626 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/02/17(日) 00:47:34.00 ID:Yn3TfhT+
今晩は、佐々木さん
627この名無しがすごい!:2013/02/17(日) 00:47:39.90 ID:xO/qPx5n
>>618
把握。明日にでも上げます。

>>624
捻りを加えようとしたら、一回転してしまい危ない方向に転がりましたw
こうした話は、真っ直ぐが一番。

ファンタジー世界のIFもので、お涙頂戴をやってみます。
FF3世界。浮遊大陸脱出直後。
パーティーは5人
キョン→シーフ
ハルヒ→ナイト
長門→黒魔道士
古泉→赤魔道士
みくる→白魔道士

死にネタ、独自設定、単発IF注意。
628『ファンタジーな佐々キョン』※死にネタ注意:2013/02/17(日) 01:23:02.97 ID:xO/qPx5n
※FF3世界、浮遊大陸脱出直後の水の世界。

「絶景かな絶景かな。」
ハルヒが上機嫌に飛空挺から空を見る。
剣と魔法の世界。俺達SOS団という俺とハルヒが立ち上げたグループは、クリスタルから選ばれたなぞほざかれ、なし崩し的に旅に出た。
幼馴染みの長門、鍛冶屋の娘の朝比奈さん、サスーン王国の古泉を仲間にし、旅に出たわけだが……
亀やら鼠やらメデューサやらサラマンダーやら骸骨やらをぶちのめし、世界の時間が止まっているなんて戯言を聞かされ……
今まで俺達が生きてきた世界が、空に浮いた世界だという眉唾物の話が事実だという、まさに仰天ものの世界だ。
久しく会っていないが、あの理屈好きの奴なら、この世界を何というのか。よく長門と本を読んで、話をしていたな。
「なかなか絶景ですねぇ。」
「風が強い。」
帽子を押さえる古泉と長門。
「ふええー!髪が痛んじゃいます!」
フードを必死に抑える朝比奈さん。
鎧を着込んだハルヒは、上機嫌に空を見ている。バカと煙は高い所が好き。言い得て妙だな。
「しっかし殺風景な。一面海しかないじゃねぇか。」
下を見ると一面の海。
「地上の7割は海。しかし、これは明らかに異常。」
長門の言葉に、ハルヒは興味をそそられたらしい。エンタープライズを着水させ、下を見る。
「……海の下に、何かあるように見えない?」
ハルヒの言葉に、皆が海を覗く。
「……わかりかねますね。朝比奈さんはどうですか?」
「……うーん……」
結局、何かあるに違いないんだが、それが何かはわからん。
「キョン、あんた潜りなさいよ。」
「お前が潜れ。鎧の重さで、良い感じに沈むだろ。」
言い合いをしていると、長門が前方を指差した。
「……島。難破船も見える。」
島に上陸し、難破船に入る。そこにいた人物を見て。俺と長門はこの世界以上に驚いた。
「佐々木……」
そこには、青白い顔をして難破船のベッドに横たわる佐々木がいたからだ。
629『ファンタジーな佐々キョン』※死にネタ注意:2013/02/17(日) 02:02:28.97 ID:xO/qPx5n
「佐々木!」
「朝比奈みくる。ポーションを。」
俺と長門は佐々木に駆け寄り、ポーションを含ませた。顔色が戻り、佐々木はゆっくりと息をつく。
「疲弊されていたようですね。」
「何ともなくてよかったです。」
古泉と朝比奈さんは、安堵の声をあげている。ハルヒは実に不機嫌だ。
「ふん!今日はここで野宿ね。有希!聞きたい事があるからこっちに。キョン!あんたは食料を調達して!」
「はぁ?」
看病してやんねぇといけねぇだろ!
「古泉くんとみくるちゃんで看病してあげて。二人ともケアル覚えてるでしょ?顔色が悪くなったら、ポイゾナもね。」
……ああ、そういう事かよ。ちっ。
外に出た俺は……角が生えた蛙やら気持ち悪い蜥蜴やらに追われながら、なんとか自生している椰子の木を見つけ、近くにいた椰子ガニや椰子の実を収穫した。
ハルヒが椰子を取ると、キングスソードでまっ二つに。片方を長門に渡すと、椰子の実の汁を飲んだ。
「……幼馴染みなんですって?」
「幼馴染みってよりは、まぁ……親友だな。一緒にいたのは、一年位だったが。」
「ふーん。ウルなんて辺境に何の用だったのかしら。」
お前の地元のカズスも充分辺境だろうが、馬鹿が。
「涼宮さん、佐々木さんが目を醒まされましたよ。」
古泉がハルヒに声をかける。ハルヒは軽く舌打ちすると、古泉の所に向かった。
「ここは……長門さんに……キョン?僕は一体……」
佐々木が身を起こす。
「私達も驚いた。まさかあなたがここにいるなど、思ってもいなかった。」
長門の言葉に佐々木が頷く。
「僕は、水のクリスタルを祀る巫女の末裔でね。ウルには、風のクリスタルを見るために行っていたんだ。
キミ達と別れた後……クリスタルの様子を見に行ったんだけど、クリスタルが暴走し、大地震に巻き込まれてね。気付いたら、今さ。」
まぁ、何にせよ……助かって良かったな。
「全くだ。しかし、キミ達がクリスタルに祝福を受けるとはね。」
「成り行きだ。」
「くっくっ。変わらないね、キョン。」
佐々木は目を細めて笑った。
630この名無しがすごい!:2013/02/17(日) 02:31:16.66 ID:DInRcm4r
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part70【変な女】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1361035726/

すみません。
容量オーバー間近につき、独断で立てました。
631『ファンタジーな佐々キョン』※死にネタ注意
「そろそろいいかしら?」
ハルヒ達が部屋に入る。ハルヒはイラついた表情だ。
「あなた達を、クリスタルは選んだのね。……とても大きな光を感じるわ。」
「あっそ。悪いけど、それについても説明してくれない?水のクリスタルを祀る巫女なら、この水の世界も説明出来るでしょ?」
お前……。俺がハルヒに詰め寄ろうとすると、佐々木は俺の手を握った。
「説明するわ。この世界は……」
この水の世界は、水のクリスタルを、魔王ザンデという奴が暴走させて作った世界らしい。
「まだクリスタルに光は残っているはず。……私も一緒に連れて行って。」
話を聞いたハルヒが、舌打ちをしながら言った。
「……特別だからね。言っておくけど、あんまりイチャつくなら、海に叩き落とすわよ?キョン。」
こいつは……。
難破船で一夜を過ごし、俺達は佐々木を乗せて水の神殿に向かった。
「……キミが、クリスタルに選ばれるとはね。」
「俺だって予想外だ。お前が引っ越した後に、カズスからハルヒと朝比奈さんが来て、サスーンから古泉が来てな。
ハルヒが、皆で不思議探索をしようと言って、洞窟に入ったら、このザマだ。」
やれやれ、と肩を竦める。
「くっくっ。……僕としては運命を感じるがね。
僕は水のクリスタルの巫女。それが定めであり、僕はこのままキミに会う事なく過ごすと思っていた。
……再びキミに、長門さんに逢えて嬉しいよ。親友。」

エンタープライズが船から飛空挺になり、高度を上げる。
佐々木が道案内の為にハルヒの横に行き、俺は武器の手入れをする。
シーフである俺の得物は、ナイフ。何故か嫌な宿命を感じる武器だが。
「……俺だって、お前にまた会えて嬉しいさ。」
長門だけが知っている、佐々木が引っ越した後にへこんでいた俺。また会えたら思いを伝えるんだ、と誓っていたんだが……
やはり俺は、とことん不器用に出来ているようだ。