【ラノベ】自作を晒して感想をもらうスレvol.45

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104この名無しがすごい!
>>101

>面白いか
結構微妙

まず設定を披露する順がちょっと気になります
例えば冒頭のバトルで主人公がピンチになった時ですが、敵に「嬢ちゃん」と呼ばせる事で、女性的な整った顔立ちの主人公像を読者に持たせようとしたんだとは思います
が、それまでに主人公の性別が明言されていない為「僕っ娘」と読み違えました
そのまま進むと今度は銀の龍が主人公を「少年」と呼ぶ
まあ最終的に男なんですが、それが判明するまでのどっちやねんと、思わせる間が長すぎるかと

突然出てくる「フィート」もそうですね
舞台を明示しない為に、魔法を軸にした闘いから異世界ファンタジーを想像して読んでいると突如フィートインチ法での距離表記が出てきて悩む
読み進めると中世ファンタジーだと分かり、まあなんとか納得出来る
けど紀元前からフィートが使用されていた事を知らない読者ならば、間違いなく国際フィートと勘違いするでしょうし、そもそも当時のフィートは今と同じ長さだった訳ではないかと

そんな感じで物語世界への没入が度々阻害されました
冒頭から設定語りがダラダラ続く物は読めた物じゃありませんが、設定を知る事で物語が面白くなる、物語世界への移入を促進するならば、設定はどんどん語るべきかと
ただ「設定語りウゼエ」と思わせない工夫や技術は必要でしょうが

で、一番気になったのが、異なるファクターの繋ぎあわせが上手くいってないように思えます
簡単に言えばシリアスとコメディ、リアリティとフィクションという相反する要素のバランスが適当な配分ではないかと感じます
例えば冒頭からアドニスとの会話までは、魔法詠唱などを使ってみたりで、凄く正統派ファンタジーなんですが、帰還した後の日常パートはまるで現代ラブコメのような台詞回しであったり
「アフリカ大陸北部」「アレクサンドリア」や先に述べた「フィートインチ法」などの現実、史実に即した部分と、オーバーテクノロジーを使用したショッピングセンターのような、完全架空建造物の組み合わせだったりですね
勿論魔法のある世界ですから、なんでもアリには出来るでしょうが、その繋ぎが上手くいってない為に非常に安っぽく感じました

シリアスとコメディやフィクションとリアリティという物は読者に与える印象や感情がまるっきり逆な物になります
が、決して同居できない物ではありません
ですがそれは、やはりメインとなる方向性があっての事だと思います
普段カッコいい主人公が時折馬鹿な事をするから面白く、逆に馬鹿な主人公がヒロインの為にここぞという時に身体を張るからカッコいい
そのバランスを50:50にしてしまうと、読者は笑えばいいのか、真面目に読めばいいのか分からず、結局作者は何を見せたいのかと首を傾げるのではないでしょうか

結果として冒頭は「おっ、これは!?」と楽しく読んでいたのですが、次第に尻すぼみになり、二人がショッピングセンターで買い物を始めた頃には完全に流し読みになっていました

それと最後に、推敲レベルで潰せる表現ですが、所々おや?と思った文章がありました
例えば
> 濡れたように光る長い黒髪を振り乱し、同じく水に濡れた黒衣の裾を枝に引っかけながら、
服が濡れてるんなら髪も「濡れたように光る」じゃなくて「濡れて光る」なんじゃね?
とか
> アコは端正な顔をうっとうしいとばかりしかめて、
うっとうしいと言わんばかりに、アコは端正な顔をしかめると、
とかの方が伝わりやすくね?
とかのレベルですが
脱稿後は校正にも時間をしっかりかける方がよいかと思います
そんな感じです