コータ +50点
こんにちは。はじめまして。コータです。
いつもは読み専なのですが、少し感想を残したいと思いましたので参上しました。
とにかく面白かったです!こんなにまでのめりこんだのは久しぶりでした。
十七年前に起こった事件を中心として、三人の女子高生をメインに、
過去と現在を交差させながら物語を進めていく……
自分で書いてて思いますが、非常に大変な物語だったと思います。
それをここまでハイクオリティに仕上げてしまうとは恐るべし……ですね。
どの登場人物も『キャラクター』ではなく『人間』だったのが、
とても印象に残りました。個人的にはれみが好きですね。
あの、どこか狂っていて怖いのに、なぜか人の目を引き付ける魅力と言いますか。
反対に由美は他の方もおっしゃられているように年相応の語り口で、書きわけがややこしくなりませんでした。
個人的に好きだったのはれみの章。特に、
<真っ青な空に、白い飛行機雲がまっすぐまっすぐ進んでいく。
まがることなんて知らないみたいに、まっすぐまっすぐ。
まがってしまえ、バーカ。
<まるで、神様みたいじゃない?
前者には、どこかれみの弱さが、後者にはれみの狂喜が入っていて、思わず身震いしました。名言が多いですね……他にも心に残ったセリフがたくさんあります。
反対に、多少ひっかかったのは、修飾語が多いこと。
もちろん、ひとつのことを多く描写できるというのは作者様の文章力のためでしょう。
ですが、僕は時折『余分なものが多いかな』と感じました。
あくまでもド素人の個人的感想としてお受け取りください。
また最後に一次審査のほうで落選したということですが、
読了後正直言って信じられませんでした。
もしかしたら作者様が失礼ながらも見落とされたのではないかと電撃の一次予選通過者をチェックしてしまったほどです。
なんとなく僕も気落ちしてしまって、なんで落ちたのだろうと考えていた結果、
僕なりの考えが浮かびましたので、駄文ながらも載せさせていただきます。
一つめにヒロインが不在であること。
女性キャラはいます。
ですが『ヒロイン』という立場に立っている人物はいなかったのではないかな、と。
ラノベ出版社からも典型的なライトノベルとは少し外れたものを出版しているところはあります。
けれどそういったものにもほぼ例外なくヒロイン的キャラがいると思います。
電撃文庫はジャンルが広いとはいえ、どちらかといえば少年向きです。
そこが一つめではないかと。
二つ目にやはりテーマが重い。
ライトではないですね。
作者様が文章力があるおかげでというべきか、この場合はせいでというべきか、
物語の本質である重さがありありと表現されていて、軽く読むものではなくなっていると思います。
三つ目に『キャラクター』ではなく『人間』だったこと。
僕はこの点がよかったとおもっていますが、
前にとある作家さんのインタビューで『ラノベは二次元の魅力にあふれたキャラクターを書くことが大事』と仰られていました。
人間の魅力と、人間の二次元的魅力。
例えば二次元の人間は、現実ではしそうにないこと、いいそうにないことをしますし、僕らはそれも含めて彼らに魅力を感じるわけです。
ですがこの作品は魅力はありましたが、『現実の人間としての魅力』だったな、と。
もちろんそれが悪い事とは言いません。ラノベの中でも現実的人間
の魅力のあるキャラクターはいます。ですが、完全にそうである登場人物は、
今まで結構なライトノベルを読んできた僕ですが、出会ったことがありません
(もしご存知の方がいらっしゃいましたら申し訳ありません)。
以上三点、勝手な意見を申し上げました。
結果、僕の中で生み出されたのは、一般の賞に出したらいいところまでいくのではないでしょうか?
物語としての完成度は高いですし、
今回のは他の方もおっしゃられてますがカテエラが最大の敗因理由だと思います。
まだ迷っていらっしゃるということですが、
僕としてはぜひこの作品に日の目を見てほしいですね。
デビューの日を楽しみに待っていますので頑張ってください。
それではこれで。駄文を失礼しました。
……個人分析ではそういうことだそうです。