>>170 >ゆっくりとフシノイの頭部が横にずれた。節足が反対側に曲がるとともに、倒れた体はかすかな痙攣を残して動かなくなる。
かと思いきや、ぐるんと反転してナナに向き直り――襲いかかる間もなく残った頭部を踏み潰され、今度こそ足を伸ばして息絶えた。
ブーツの一撃が作り出した衝撃が、空気さえ押し潰そうかというほどに、少し離れたところにいた広彦にまで伝わった。半ば圧倒された広彦には、呆然と立ち尽くす以外にすることはない。
ナナが振り向き、フードの中から言う。
「気をつけて」
頭上から、きぃきぃという怖気立つ鳴き声。
広がりつつある侵食域から二匹、三匹と、フシノイが気味の悪い節足を現していた。
フシノイの描写が少ないせいで、動きのイメージが難しい。
君の悪い節足の説明をもっとするべき。