【ラノベ】自作を晒して感想をもらうスレvol.35

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195 [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
>>170
>「やあ。初めまして、と言ったほうがいいかな」
「あんたが?」
 メモを赤穂と名乗る男へ見せる。体格のわりに子供みたいな丸い目をじっとそれに注ぎ、赤穂は頷いた。
「やっぱり覚えてないか。お葬式のときに渡したんだ。受け取ってくれなかったから、服のポケットに押し込んでおいたんだけど」
 広彦は首を振った。赤穂は気分を害した様子もなく笑った。笑顔というものを忘れてしまったかのような引きつった笑みだった。
「それでもメモは取っておいてくれたんだ。良かったよ、連絡をくれて」
「母さんの見知らぬ友人って?」
「ああ、それは」
 頭をがりがりとかく。ぼさぼさの髪がさらに乱れる。
「何て書こうか迷ったんだ。お互いに面識はなかったけど、ボクは知ってたというか。つまり、お世話になっていたから」
 どことなく仏頂面になっているトラがニャアと鳴く。
「そうそう、この猫が、キミのお母さんに夕食をもらっていただろう」
「それじゃ、トラの飼い主なの?」
「飼い主、というのとは少し違うけど」
 赤穂はもごもごと口ごもり、せわしなく周りを見回した。
「こんなところで立ち話もなんだから、ボクの家に来ないかい。何か話したいことがあるから電話をくれたんだろ」
「ああ、だけど」
 広彦は少し迷ったが、赤穂に助け舟を出すようにトラが鳴いた。ついてこいといわんばかりに広彦を見つめている。
「堤防のところに車を止めてあるんだ」
 赤穂について歩きながら、広彦は都津にメールを送った。赤穂という名前を知っているか確認だ。返事はすぐに来た。

この程度の展開なら退屈する。