【超電波小説】メギ曜日のハルカ 2【連載放棄】

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543この名無しがすごい!
しょうがねえな、くすのきのヤツ。
デカい口を叩く割にまるで語らねえから
俺がメギ曜日を語るぜ


猫が床から十数センチ離れた空間に猫パンチをくらわせていた。近づいてみても虫すらいない。
それなのに必死に猫パンチ。いい加減に止めないとアホになるんじゃないかと心配していたら、通りすがりの弟が
鼻息を荒げている猫をその場から撤去した。
夕飯時に昼間猫が空中を殴打していたという話をしたら、「おっさんが生えてた」と弟がボソッと呟いた。
床からおっさんが顔半分だけ生えていて、猫はその控えめな頭髪に覆われた頭を叩いていた。
最初は迷惑そうだったおっさんの顔が徐々に泣きそうになってきて、かわいそうだったので猫を撤去したんだとの事。
今日も猫はおっさんが生えているであろう空間を肉球で殴打している。

昨夜、うつぶせで寝ていたら金縛りにあった。声帯が思うように動かず声も出せない。
だんだん背中が痒くなってきて、掻きたいが金縛りで動けずどうにもならない。
いい加減イラついてきた頃に野太いおっさんの声で「ええか、ここがええか」と囁かれながら背中を掻かれた。
ここがええのんかなどとテクニシャンな台詞を言うわりには痒い場所とは見当違いの所を掻かれ、十分ほどで金縛りから解放されたがイライラだけが残った。
体が自由になり恍惚とした想いで痒い場所を掻きむしっていると、先程と同じおっさんの声が聞こえた。
「なんだよお、痒いところ言えばよかったじゃないかあ」と。無念そうな声色だったが喋れなかったのでどうしようもなかった。

以前、控えめな頭髪に覆われた頭を猫にしばかれていたおっさんかと思ったが、弟の話によると未だに床から生えており移動していない。
ここ何日かは猫が機嫌の悪い時にサンドバック代わりにされているだけだそうなので違うと思われる。
むしゃくしゃしている猫は容赦なく爪を出して雛鳥のような頭を殴打するため、おっさんの頭には血が滲んでいることもあるのだとか。

「姉ちゃん、あのおっさんいねえよ。成仏したっぽい」
ここ暫く、おっさんの雛鳥のような頭を見なかったらしい。
自分には元から霊感というものはないので彼が居ようが居まいが何の変化も感じないが、そういう類のものが視える弟は「観察日記つける前に消えやがって」とぼやいていた。
当の加害者である猫もおっさんが居なくなって数日は、いつものふてぶてしい顔にうっすらと哀愁の入り混じったような表情で「ぬあーおん、まおーん」と鳴きながら家のあちこちを探し回り、おっさんの捜索を諦めて不貞寝する、という行動を日に何度も繰り返していた。

しかし、おっさんは再び現れた。家の敷地内から200メートル程南にある祖父の畑で、真昼の燦燦とした日差しを浴びながら恍惚とした表情で土に埋まっていたらしい。
ここならばあの白黒模様のケダモノに見つかるまいとでも思ったのかもしれないが、田舎猫のテリトリーは広い。
その日の夕方には飼い猫がよくつるんでいる野良の茶トラ猫と共に、おっさんを殴打している光景を弟が目撃した。
光合成でもしているのだろうか。陽光を浴びたからといって頭髪が育つ訳でもないだろうに。
移動もできるのなら、なぜ逃げずに二匹の猫にしばかれているのか。



                 _         パシ
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