1 :
この名無しがすごい!:
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、
ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に
変わってしまっているのに気がついた。固い甲殻の背中を下に
して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、
まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた
腹部が見えた。
この文章を、さまざまな作家の文体で書き換えてあげてください。
最初の一文だけでもいいです。
2 :
この名無しがすごい!:2007/05/11(金) 22:06:56 ID:oNykd/SG
朝、俺、ザムザはきっつい夢から覚めた。布団の感じがいつもとちゃう、
なんだかカサカサ丸っこい、と思ったら違うのは俺の体。虫、虫、毒虫。
「ザムザさん虫になっちまったようで」「そらあの人働きすぎやからしゃあ
ないわ」「そりゃまたなんで」「仕事の虫、言いますやろ」なんて言ってる
場合じゃなく、じたばたもぞもぞ手足を動かすと目に入るのは気味の悪い
虫の足、虫の殻、虫の腹。気持ちわりぃ、仕事に行けねえ、そうだ、これは
夢だ。夢から覚めたらまた俺人間。仕事の虫のグレゴール・ザムザ。いや
だから虫じゃなくて人間。もし起きてもまだ虫だったらこます。誰にか
何にか分からんがとりあえずこます。
3 :
つげ:2007/05/11(金) 22:07:35 ID:oNykd/SG
まさか朝起きると自分が毒虫になっているとは思わなかった。
僕はたまたま不安な夢を見ていただけなのだ。
医者を探さなければならない。このままでは人間に戻れずに死んでしまう
かもしれないのだ。
部屋を出て母さんに「医者に連れていってください」と頼んだ。母さんは
ヒイと叫んで床に尻をついた。「僕は必死に医者に行きたいと言っているの
です」テーブルで朝食をとりながらじっと僕を見ていた妹が答えた。
「なるほど、兄さんの言わんとする意味は大体見当がついたわ、こう言いたい
のでしょう?『医者へ連れてけ!』」「悪質な冗談はやめて下さい僕は
死ぬのかもしれないのですよ」
ああ駄目だ、蝿が僕を狙ってくる。そうだ隣家へ行けば医者がいるかも
しれない。
ああ、もういいや。
4 :
我輩:2007/05/11(金) 22:08:06 ID:oNykd/SG
吾輩は毒虫である。名はザムザという。なんでこうなったのか頓と見当が
つかぬ。何かしら不安な夢を見ていた気がするが、夢とは動物の体をかくも
変化せしめる程のエネルギーを持っていたかしらん。
腹にうじゃうじゃついている足が気色悪いのだがそれを舐める舌もない。
あれほど好きな毛繕いももう出来ぬのだろうか。今の現実こそこれ悪夢で
ある。主人が吾輩を見れば何と言うだろうか、「ごろごろ虫みたいに
寝転がってるから、本当に虫になりおった」主人が吾輩の姿を見る時は吾輩
が家で休息しておる時か、珍しく躁鬱の気が消え落ちついて外界を見ることが
出来るようになった時である。したがって吾輩の外での勇猛果敢なる活躍や、
疳の虫が爆発した主人の目に止まらぬよう家を駈け回る敏捷な姿を主人は
目にしていないのである。いつもごろごろなどとは腹立たしい。最も
まだそう言うと決まったわけではないのだが。あの主人なら巨大な毒虫が
かつての愛猫だったと気付くことすら無理かもしれぬ
5 :
ヤフー:2007/05/11(金) 22:08:48 ID:oNykd/SG
イース貴族達が好む競技の一つに「グレイ・ゴール」というのがある。
これはヤプーを毒虫の姿に改良したものを貴族達が一体ずつ持ちより、
共食いさせるというものである。
読者諸兄は20世紀初頭にフランツ・カフカというユダヤ人が書いた「変身」
という小説をご存知であろう。たまたま時空事故によりイース世界に迷い
こんだカフカが「グレイ・ゴール争奪杯」を見、それを元に書かれた作品
なのである。
ヤプー達は毒虫の姿とはいえ知能はそのままであり、床を這いながらも
なかなか高度な命懸けの闘いが見られるので面白い。
彼らが吐く毒液は灰色であり、最終的に勝ち残った一匹は全身灰色なのが
「グレイ・ゴール」の名の元である。
優勝した者も全身に毒が回り、助かる見こみは無い。そこで観客達は競技の
ラストに赤いボール玉を勝者に投げつける。これは中に花火を詰めたもので、
投げたら爆発する大規模な爆竹と考えてよろしい。大昔に流行ったムザと
いうもので、競技の最後に優勝ヤプーに向かい観客は「ムーザ、ムーザ」
と叫びながら投げつけるのが慣習となっている。カフカはこれを恐らく
人の名前と勘違いしたのだろう。
なお、ヤプー語の「むざむざ」という言葉は、ムーザの変形である。
ヤプー達は「惜し気もなく。あっさりと」などの意味で使っており、それは
優勝したとてあっけなく粉微塵と化す毒虫ヤプーからの連想であろうか。
6 :
正史三国志:2007/05/11(金) 22:10:02 ID:oNykd/SG
黄龍元年、独逸に住むグレゴール・ザムザという者が毒虫に変身したという報告があった。[一]
[一]『捜神記』にいう。朝にザムザが目覚めると、自分が毒虫に変身しているのに気がついた。
寝床に横たわったザムザの体は茶色で、殻に覆われていた。邑の者はおおいにあやしんだ。
臣裴松之が思うに、この逸話は『変身』から取られたものであろう。
7 :
司馬遼:2007/05/11(金) 22:11:08 ID:oNykd/SG
夢から覚めたグレゴール・ザムザは、毒虫となった己の姿を見た。
ここで話の筋からは離れるが、読者は、この毒虫をどういものと思われるか。
筆者は、この場合の毒虫は、甲虫の一種ではなかろうかと思う。
以上例文です。
(;・∀・)ハッ!
>>2名前は町蔵です
9 :
まずお約束:2007/05/14(月) 00:03:06 ID:4GJYQwpd
そんなことより1よ、ちょっと聞いてくれよ、スレとあんま関係ないけどさ。
ある朝、グレゴリー・ザムザが不安な夢からふと目覚めたんです。不安な夢。
そしたらなんかベッドの中で自分の姿が一匹のとてつもなく大きな毒虫に変わっているのに気づいたんです。
で、固い降格の背中を下にして、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげたら、まるくふくらんでて、褐色の、弓形の固い節で分け目を入れられたんです。
もうね、腹部かと。見えたかと。
10 :
ブコウスキー:2007/05/19(土) 20:45:24 ID:n4HW64yq
ろくでもない夢から覚めたおれは、床からなにも拾いあげられないでいる。
古い靴下、
パンツ、
新聞、
ビール壜。
おれはベッドの中で巨大な毒虫になっていた。
なにかが起こった。
なにかがおれの朝を汚した。
おれはたくさんの足とふくらんだビール腹を見つめながら
今まで知り合ったすてきな女たちのことを考える。
少しばかり悲しくなる。
おれはベッドの内と外で
もっとたくさんのことをしなければならないはずだ。
誰もビールを持ってやってこない。
糞。
詩人であることは簡単だ、
しかし人間であることは
とてもむずかしい。
11 :
絵國香織:2007/05/19(土) 20:47:37 ID:n4HW64yq
「毒虫のこと」
冬の朝、冷たい床を歩くときの爪先の感覚。目を覚ました時いっとう先に思っ
たのは、そんなことだった。窓ガラスが、呼気に温められて薄く白い水滴でく
もっているような、いつもと変わらない日だったと思う。
父がつけてくれたザムザという名前に、二十歳をとうに越えた今でも馴染むこ
とができない。ザムザ、ザザムシ、ゾウリムシ。ざの音にはなぜか虫の名前が
多いような気がする。夕べ虫の名前を数えながら眠りについたせいか、お布団
の中のわたしの体がどうにも虫に変わってしまった気分がして困る。目を閉じ
たまま、ぼんやりした頭で、仰向けになった背中に神経を集めると、驚いたこ
とにほんとうに固い甲殻になってしまっていた。か細くなってしまった両の手
で毛布を持ち上げ、こわごわと薄目で昨日までお臍があった辺りを見てみると、
よく磨かれたマホガニーの家具のような様子をしている。これではまるで、毒
虫だ。私はおかしくて笑ってしまった。
12 :
サリンジャー:2007/05/19(土) 20:52:04 ID:n4HW64yq
もしも君が、ほんとこの話を聞きたいんならだな、まず、僕が実際の
ところオスなのかメスなのかとか、学歴はどうだとか、コテハンは何
だとか、そういった≪2ちゃんねる≫式のくだんないことから聞きたが
るかもしれないけどさ、実をいうと僕はそんなことはしゃべりたくな
いんだな。僕は何も、自叙伝とかなんとかそんなことをやらかすつもり
はないんだから。ただ、今朝インチキな夢から覚めたら自分がでっか
い毒虫になっちゃっててさ、それからいろんなイカレタことを経験し
たからね、そのときの話をしようと思うだけなんだ。
13 :
樋口一葉:2007/05/19(土) 20:54:24 ID:n4HW64yq
夢を観るのはいつものこととて、驟雨のざあざあと打たれたやうなる頭のむず痒さ、
根詰めて勤めつづけた挙句の頭痛と独り合点すれば、跳ね起きて一二一二と手足
曲げて治ると思うもあたわず、さわさわと数多の細くて黒い髪のやうな足の揺れるに、
ああ嫌だ嫌だ嫌だ、昨日もおとといもその前だつて道草せず母、妹のため
懸命に汗流してはたらいたというのにこの仕打ち、自分の夢とて堪忍できぬ、
いい加減に覚めないかとくすくす笑いながら、いま一度夢よ覚めよと背中を
曲げると、常々の腰痛の今朝はなきに怪訝は道理で、なっちゃんなっちゃんと
妹のおちやらけた呼び声で、とかく事情を察せらる。
14 :
JOJO:2007/05/22(火) 20:04:28 ID:S/+wxBUt
ゴゴゴゴゴ…
今朝からよォ〜
こいつこそ、まさに生まれ変わった気分ってヤツかもなァ〜
そりゃぁ、起きた時に茶色い腹を見た時はちょっとはビビッたがよぉ〜
ブーーーン
「ンッ、ンンン〜♪」
ウヒハヒァアッ、待ってろよ条太郎ッ!!
この虫になった姿で貴様の体の中に入り込んで、内臓もろとも食らい尽くして
くれるわッ!!
ブーーーン
「ンッ、ンンン〜♪」
そう、おれこそが最強ッ!!
これこそ最高の能力ッ!!
ブーーーン
………。
「でもよぉ〜、なんで死にそうなヤツのことを『虫の息』って言うんだァ〜?
そりゃ虫に失ッ礼だろうがよぉ〜 そんこと考えると大好物のリンゴの皮を
ペロペロ嘗めてる時も万事ハッピーシアワセッって訳にはいかねえんだよなァ〜」
「…なら、確かめてみるか…?」
「ジョ、条太郎ッ!! い、いつの間にィ!!」
「オラァ!」
グボシュ!!!
「今が正真正銘…、虫の息ってやつだな…」
「ちょっ、ちょっと待てぃッ、なんで、オレがスタンド使いだと分かった!」
ドドドドドド…
「虫ってのは、、普通、、女みてえにベラベラ喋ったりはしねえしな…」
「ハッ」
「…」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラァ!!! ドベシェーン!!!
「………。ヤレヤレだぜ」
バーーーーン!
グレゴール・ザムザ(スタンド名:ビートルズ)…再起不能
>>> TO BE CONTINUED
ていうか会社に行ってこればっかり考えてました(←ダメ)
15 :
アーサー・C・クラーク:2007/05/24(木) 22:19:16 ID:jaZxQz9Q
タプロバニーでは沈んだ太陽だが、宇宙では太陽の高度に気をもまされる必要はなかった。
その太陽光に照らされた住居の一室で、グレゴール・ザムザは目を覚まそうとしていた。
惑星アパートメント---周囲に広がる緑もなく、足の下に土はない。
ただそこには闇夜につつまれた無窮の静寂のみがある。
地球の軌道をぐるりと取りかこむリングの甲殻が太陽と地球の放射熱で暖められ、
まるで寝返りをうつようにねじれる。だがこれは設計者たちの計算どおりだった。
ねじれは地球の自転にそって1日かかってリングを一周する。
ねじれた部分がふたたび太陽熱の洗礼を受けて身をよじるころには、もう充分に冷えているのだった。
ねじれが起こすアパートメントのおごそかなきしみが、ザムザを夢から呼び覚ました。
アパートメントに住む者ならば誰でも目覚ましがわりに聞いている音だった。
ザムザはあたりをそっと見まわした。首をひねりながら、彼は胸から腹部へ、
そして手足へと視線を走らせた。彼がその光景を理解できたのは、もうしばらく後のことだった。
そしてザムザは知ったのだ---ちょうどこの瞬間に地球上の誰もが知ったように、
自分がもはや普通の市民の暮らしを送れないことを。しかもそれは、幾千万年もの年月を越える
旅のように絶望的であることも。その褐色の甲殻---研究室で見なれている標本とは大違いだった
---まるく膨らんで節のついた腹部は、まるで悲鳴のように小さく音を立てていた。
彼はもはや人類ではないのだ。
16 :
ジャーナリスト宣言:2007/05/25(金) 19:48:19 ID:0MpbmTdP
これは一体なんのつもりだろう。プラハで服地販売員をしていた私たちの同僚は、
不安な夢から目覚めたとき、しばし言葉を失った。
グレゴール・ザムザは、両親と妹との四人暮らし。不条理にとりつかれたことが、ザムザを無残な姿にした。
ある朝ザムザは、自分がとてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がつく。
固い甲殻の背中を下にして、仰向けになっていたが、よく見ると腹部は、丸くふくらんでおり、
褐色で弓形の固い節だらけ。それもたやすく消えない分け目なのだ。
不条理は、文学においては今や世界に冠たるテーマかもしれない。だけどこれは、
将来の人たちが見たら、1910年代不条理の記念碑になるに違いない。
十年単位で育ってきた人間を、瞬時に変身させて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の……。
にしても、一体「毒虫」って何だ。
「キモすぎますわ、お兄さま」
「背中にりんごが刺さり虫」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
不安な夢からふと目覚めたグレゴール・ザムザが、今日も悪夢のような不気味な姿で、暗い部屋に押し込められていく。
汚れを知らない心身を包むのは、固い甲殻の背中。
まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部は乱さないように、ゆっくりと歩くのが部屋でのたしなみ。もちろん、遅刻したザムザを咎めに来て走り去るなどといった、はしたない上司など存在していようはずもない。
『変身』。
1915年発表のこの作品は、もとは家族から疎まれていた自分を表現するためにつくられたという、形容を変えた私小説である。
第一次世界大戦下。ベルリンの面影を未だに残している石造建築の多いこの地区で、婚約者に見捨てられ、体調不良から結核までの一貫治療が受けられる地獄の園。
時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八分読み続ければドイツ育ちの純粋培養毒虫が箱入りで虐待される、という当時の風を未だ感じられる貴重な小説である。
18 :
この名無しがすごい!:2007/06/01(金) 02:46:36 ID:IG+aXUft
誰だろうか
わからん
>>18 コバルト文庫だから知らない方が普通じゃなかろうか
いや、俺の周りではそれなりに流行ったわけだが
20 :
山中峯太郎:2007/06/26(火) 21:00:27 ID:ZyPhS4uc
わが欧州の怪男児グレゴール・ザムザは、不安な夢から目覚めると、
寝台の中で自分が虫に変わってるのに気がついた。
毛虫か? いな、毒虫だ。奇怪なる毒虫の姿だ。固い甲殻の背中を下にして、仰向けになってる。
――不条理なるかな! ザムザは少し頭をもたげた。腹部には、褐色で、弓形の固い節の分け目が入ってる。
「フム、毒虫だ。まごうことなき毒虫だ」
豪胆にして沈着なザムザは、毒虫に変身してもなお、冷静さを忘れないのだ。
しかし、毒虫と化したザムザに、はたして勝算ありや?
不条理なる怪敵を前に、奇怪なる虫の姿で朽ち果てんとするか?
――ああ、プラハの剣侠児、グレゴール・ザムザの運命やいかに!!
21 :
この名無しがすごい!:2007/06/26(火) 22:54:02 ID:pRfvYUJm
おまえら天才だよ
22 :
20:2007/07/01(日) 09:20:29 ID:J9n4oWlE
間違えた
怪男児って何だよorz
快男児だ
23 :
池波:2007/07/12(木) 07:50:15 ID:OEtFGx9M
ある朝、グレゴール・ザムザが
「不安な……」
夢からふと醒めてみると自分が途轍もなく大きな
「毒虫……」
に変わってしまっているのに気づいた。
24 :
湾岸ミッドナイト :2007/08/14(火) 22:20:44 ID:/UZLQADu
いつだったっけか 朝不安な夢を見てサ 目ェ覚ましたら
ベッドの中で自分の姿が変わってるのヨ
オイオイこれ毒虫だろーって(笑)
背中なんか固い殻になっちゃっててサ ちょっと頭もたげたら
腹んトコがまるくふくらんで 褐色の 弓形の固い節で分かれてるワケヨ
25 :
谷川俊太郎・訳:2007/09/08(土) 16:40:13 ID:4tpfjg/J
あるあさ ザムザが めざめたら
おおきな むしに なっててね
まるい おなかは ぶよぶよで
おひさま にこにこ わらってた
しごとも やめて おくさん にげて
すっかり こまって まるまって
ぶよぶよ おなかを さわってみれば
ちょっぴり ひんやり いいきもち ホイ
とうとう ザムザは しんじゃった
むしけら どうぜん そりゃ むしだもの
あけた まどから ながれた かぜが
かたい おなかを なでてった
26 :
この名無しがすごい!:2008/03/02(日) 02:14:14 ID:sGrtQ61p
w
28 :
サボテンくん:2008/06/17(火) 03:11:48 ID:qvMpbpPG
ザムザちゃん、どくむしくんになっちゃったんだって。
くさむしちゃんを食べないでね。
こまけだら。
あーたがたはねえ、朝が来て、美しい朝が来て、目覚めるわけですよ。
そんなときにですよ皆さん。グレゴール・ザムザはですよ、
不安な夢から覚めたと思ったらですよ皆さん!
一匹のですよ!とてつもなく大きな毒虫に!
変わっちまってたんだウォゥイェェェェーーー!!!
ジャーン!(←レスポール) ドガドガドカカッ(←ドラム)
固い甲殻のですよ、背中を下にしてですよ、
仰向けになってってんだよ。
仰向けになってってんだよ!
仰向けになってってんだよ!!
それでちょっとばかりですね、ちょっとばかりですね、ちょっとばかりだよ、
頭をもたげたその時に見たわけですよ。
ボブ・ディランも岡林も、見ることのなかったものを見たわけですよ。
まるくふくらんだ!(ジャン!)
褐色の!(ジャン!!)
弓形の固い節で!(ジャン!!!)
分け目をいれられた!(ジャン!!!!)
腹部が!腹部が!腹部が!腹部が!見えたんですよ皆さん!!!!
ジャーンジャーンジャーンジャンジャンジャンジャン(←レスポール)
ズドドドドドドドドドドドドカドカドカドカカッ(←ドラム)
あ゛ーーーーー!あ゛ー!あ゛ー!あ゛ー!
愛と!平和!愛と!平和!
a
32 :
ニュース番組の台本:2009/01/04(日) 13:02:21 ID:FefkDwJi
今朝7時ごろ、チェコの首都プラハで、グレゴール・ザムザさんが等身大の毒虫に変容していると、家族から消防に通報がありました。
画面:グレゴールの顔写真
グレゴールさんは今朝6時に起床しようとすると、身体がなかなかいうことを聞かないので頭を持ち上げると胸からは褐色の三対の細い脚が生え、腹部は堅い弓状の節で区切られ、背中は頑丈な甲殻で覆われていました。
画面:毒虫化したグレゴールと医師
プラハの消防当局及び医者団は取材に対し、「何が何だか分からないです。何とかして彼を元に戻す方法を見つけたいです」と語っていました。
33 :
司馬:2009/01/04(日) 19:36:51 ID:gK9BOPdG
グレゴール・ザムザという男がいた。
ある朝、この男が何やら言いしれぬ不安な夢を見た。目を覚ましてみて、
−−自分はとてつもなく大きな毒虫に変わっている
という事実に気がついた。まさかの大異変であった。このザムザという男は
平凡な男として知られていた。その平凡な男が寝ている間に、一匹の虫に
変わってしまうのだから、人間の運命というものは奇妙なものである。しかし
ながら、
−−背中に固い殻がくっついている
と自らの境遇を冷静に分析したのだから、存外、このザムザという男にも非
凡なものがあったのかもしれない。
まだ信長が健在だった頃、こういう挿話がある。織田の家中に小西文吾と
いう者がいた。信長が越前の朝倉攻めにこの文吾も従軍し(略)
一方、ザムザである。固い甲殻を下にし、仰向けになってみると、自らの
褐色の腹部が見えた。弓の形をした節で腹部は分け目を入れられている。
34 :
新井素子:2009/01/05(月) 21:12:40 ID:6evPDVeL
朝起きたら ベットの中にね、大きなムカデさんがいたのよ。
悲鳴を上げる前にちょっと違和感ー これ あたしの体よね …?
嘘ぉ。何なんだ この唖然とした状況は。 だって…困るのよ!ムカデさんになっちゃうなんて。
そういう場合では無いって分かってるんだけど自己紹介しとくね。
あたし、グレゴール・ザムザっていう○○歳、プラハ在住のセールスマン…
35 :
京極夏彦:2009/01/07(水) 00:51:56 ID:LkvWhBaN
白川夜船で不安な夢を見てゐたが、何時の間にか目が覚めてゐる。
布團に仰向けのまゝ見ると、大きな毒虫をそこに見た。
叫びさうになつた。
まづ丸く膨らんだ弓形の節で分けられた腹部がゐけない。
様々な思ひが次々と浮かんでは消えてゐく。
さうだ。私はグレゴール・ザムザだ。
それとも、私はもふ 人ではないのだらうか?
ゐけないとかもふはひどいな
>>36 何分 古文は難しゅうて…
テキストは「魍魎の函」しか無いし、大目に見て下さいよ…
38 :
筒井康隆:2009/01/07(水) 19:33:54 ID:LkvWhBaN
とどのつまり、不安を内包した夢から覚醒したのである。頭をもたげて仰
向けのおれ自身の体を眺めると、デカい毒虫になっているではないか。ま
さかと思い気のせいだなんでもないなんでもないと思うのだが見れば見る
ほど毒虫に見える。固い背中を下にして褐色の節で区切らた腹がそこにあ
るではないか。けけけけけけ。早速隣部屋の妹の前に立ち「大変だ大変だ
おれは毒虫になってしまった」と訪ねようと思った。おれがうろたえて騒
ぎ立てると妹も驚く。「えっ。変身したんですか。困りますねえ。どうし
ましょう」「変身前のいい写真はあったかな」引き出しをひっくり返してぶ
ちまけ、写真を探す。「兄さんっ。そんな事しているどころではないでしょ
う。どことどこへ電話すればいいんですかっ。教えといてくれなきゃ駄目
でしょうが」と、ここまでで思考を進めた所で幻覚の可能性に思い至った
のである。白衣を着た男たちを呼ばれ「実はわたしにもそれに似た経験が
」という人達と同じ部屋に閉じ込められる怖れがある。しかし、おれはそ
ういう人達と仲良くするようにしている。話をしていると面白いし、時折
はけけけけけけなどと笑い、また喧嘩をしたり、時には殺し合ったりも…
39 :
シグルイ:2009/01/09(金) 20:33:04 ID:wkYmAaMM
これなるはグレゴウル・ザムザ。 ぷらは城下にて禄を食む、訪問販売員なり。
ある朝目覚めてみれば己が姿、異形のモノに変化せしめして 震撼す。
人に非ず 獣に非ず 毒虫…!?
固き甲を下に 臍を上に向けたる姿勢で頭を擡げれば、褐色の節で区切られし腹が見えたり。
その肉体は 全身あます所無く…醜魁!
…其れでは 御免!
40 :
この名無しがすごい!:2009/03/23(月) 16:39:15 ID:Fpm2OAUD
わあ、ムカデだ
42 :
西村寿行:2009/07/03(金) 22:43:25 ID:3Q17e/Ej
朝。グレゴール・ザムザは目覚めた。
戦慄に背筋が凍りついていた。
蟲であった。巨大な毒蟲だ。
ベッドの上の己の肉体が、あり得べからざる変貌を遂げていることに気づいた。
仰向けになった背中には固い甲殻の感触がある。
何とか苦労して鉛のごとく重い首をもたげた。
腹部が見えた。吐き気を催すような褐色の連なりがそこにあった。
固い節目でくぎられた悪夢のような形状の蟲の腹であった。
全身が粟立つような気がした。
さらに信じがたいのは、その腹の向こうにそそり立つ巨大な男根であった。
節瘤だらけの恐ろしげな巨根が天を突いて憤っていた。
まさに男根さまであった。
その雄渾な姿の前には、すべての女が平伏さずにはいられまい、とグレゴール・ザムザは思った。
「‥‥そうか」
やがて、グレゴール・ザムザは小さく息を吐いた。
安堵の響きがあった。
何のことはない、ただの朝立ちであった。
43 :
この名無しがすごい!:2009/07/04(土) 00:48:00 ID:G2bOcaba
江國でやろうと思ったら先にやられてた
笑った
みんなうめーな
その朝はまるでグレゴール・ザムザの不安な夢みたいな、ウイスキー色に焼けていた。
シーツの向こうに見える足はコヴェントン・フィールズのかしの木にたかった毒虫だ。固い甲殻の背中をしたに、あおむけになった虫だ。
私はうなりながら頭をもたげた。ふくらんだ褐色の、ローマ時代の石弓みたいに湾曲した腹が見える。
「仕方ないよ」
誰かの声がする。
「だから飲み過ぎるなと言ったんだ」
私の声だった。
起きたらムシになってた。
え? なにそれ? ってミンナいう。
アタシも思った。何それ? って。
お腹とか、ヤバいし。
茶色とか、ない。
なんで? もう叫びそう。
つか、叫んでた。
「どーなってるん? はやくきて」
ヒロにメールしたけど、返んない。
ヒロは今カレで、バイト先の先輩。
47 :
北方謙三ハードボイルド風:2009/08/12(水) 20:51:09 ID:pD9kSGVF
虫。
人が虫になる。そんなことが、あるものなのか。
私は動揺を意思の力で抑えつけ、ベッドのヘッドボードから葉巻を取出した。
ゆっくりくゆらせる。キューバ産の甘い香りがささくれた心を鎮めてゆく。
目を醒ますと自分が虫になっていた。そのことをあらためて考えてみた。
昨晩は、六本木で若い娘を拾った。あの娘から妙な病気でも移されたのか。
身体には特別痛みも苦しみも感じられない。ただ虫になった、それだけのようだ。
それにしても何故、虫、なのか。
枕元の携帯が鳴った。
「グレゴリー・ザムザさんか」
男が低い声で笑った。
「どうだね、厭らしい虫になった気分は」
「誰だよ、あんた」
相手はその問いかけを無視した。ただ含み笑う声が受話器からかえってきた。
「例の件から手をひいてもらえねえか、ザムザさん。そうすれば、人間に戻る方法を、教えてやらんことも‥‥」
私は黙って携帯を切った。
葉巻一本、ゆっくりと時間をかけて灰にした。
虫の身体のままベッドから起き出した。確かめたいことがある。
ジーンズに脚を通すのは面倒だったが、焦ることはない。
事務所に電話を入れ、今日は休む旨を伝えた。
藤本は理由を聞かなかった。今日の案件は自分一人の裁量でどうにでもなる、そう判断したのか。
私の気まぐれに付き合うようになって3年になる。最近はその辺は心得たものだった。
マンションの地下駐車場へ向かった。
獣が眠っていた。真紅のマセラッティ。乗り込んだ。
イグニッションを回した。
マセラッティは獣の唸りをあげた。私は目醒めると虫になっていたが、マセラッティは獣になって目醒めた。
クラッチを繋ごうとして気づいた。虫の脚。届かなかった。
目を閉じた。
ブレーキもアクセルも踏めない、つまりはそういうことだ。
「虫に、なっちまったんだな」
つぶやいた。ただ、口にしてみた。それだけのことだ。
ここはカフカの変身以外は扱っちゃいけないんですか?
朝起きたら僕は虫になっていた。
そして蒸しになっていた。この場合夏なので蒸されているのは、あながち驚くほどのことでは無いのだけれど。
とんかく僕はこのサウナのように蒸し暑い部屋の中で虫になされていた。
普段よりもだいぶ、だいぶというよりむしろ異常なほどふくよかな脂肪に覆われているので体の勝手がまるで違う。熱のこもり方も尋常じゃないのだ。腹部は意外に鍛えられているようで硬かった。
僕は自由の利かない芋虫の様な体をくねらせ、隣の部屋、主の居る場所へと向かった。這って向かった。
こういう事をしでかす奴を僕は一人しか知らない。
「おい、これはどういうことだ?」
「どういうことって?」
「見りゃわかるだろ! 何で僕がこんな得体の知れないミュータントみたいになってんだよ!」
「あら、いつもと違わないように見えるけど?」
そいつは僕の尻に向かって話しかけていた。
「戦場ヶ原、今は変わり果てているかもしれないが、それは僕が人だったと仮定する所
の尾?骨を覆い隠す皮下脂肪の多くついた場所であり……」
「あら、グレゴール、皮下脂肪は女の子限定よ?」
着眼点も間違っているし、女の子限定? それも何か間違っている気がする。
「とにかくだ、僕の顔を見て話してくれ」
「あら、ごめんなさい。普段から特徴のない顔だったから、ついそのドングリの帽子のような歪なお尻と顔をまちがえてしまったわ」
「僕のお尻と顔に謝れ! ドングリさんに謝れ! おい戦場ヶ原っ、だからそれは僕のお尻だって!」
本当に間違っていた。
「あらやだグレゴール。わたしがそんな間違いをするわけがないじゃない」
「じゃあ、なんでお尻ばっかみているんだよ。お前は尻フェチか」
「……だって、あなたの顔を見て話すのが恥ずかしいんだもの」
デレちゃった。この子、この期に及んでお尻に向かってデレちゃった。
「嘘よ」
50 :
この名無しがすごい!:2009/08/17(月) 14:41:15 ID:kZbUJCIL
ここで敢えての西尾かよw
51 :
舞城王太郎:2009/08/17(月) 16:08:04 ID:hY/HkNzc
俺だってそこら辺でバカ騒ぎしている上半身裸の奴らと同じように浴びるほど酒を呑んで何もかも忘れちまいたいことだってあるんだよ!愛しのナオミ・ワッツがどこの誰だかわかんねえ野郎とできちゃった結婚したって聞いた日がまさにそれだった。
ある朝のこと俺グレゴール・ザムザはナオミ・ワッツの娘が腕に蛇のタトゥーをいれてる肥満体型の男に強姦されちまうって不安な夢からふと覚めてみると、ニトリで買ったベッドの中で俺の姿が一匹のとてつもなく大きな毒虫に変わっちまっているのに気がついた。
おいおいちょっと待ってくれよ?ここはサンフランシスコで俺は腕利き外科医のザムザで今日の天気は晴れで仕事は休みでつまり夏休みだろ?どうなってんだよこれ…。
その毒虫は固い甲殻の背中を下にして仰向けになっていやがるから俺の睡眠を邪魔したソイツのデカい態度にムカついてどうやって殺そうかって考えてる。
頭を持ち上げたら丸くふくらんだ褐色の弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が見えたから俺は思わず「ファッキン!ファッキン!ファッキン!」って叫んじまった。
その声を聞きつけた妻のミシェルが俺の部屋に来てパンツを脱いでケツを見せていかにもヤりたいって誘ってくる
>>48 過去スレ(
>>27参照)でのお題が「変身」だったから、その流れなんじゃないの?
個人的には違うお題のが見たいけどね。
何かよいお題があるなら提案してみては?
ある朝ぼくはスリーピング状態で虫になっていた
なんでや……
>>52 >何かよいお題があるなら提案してみては?
草枕とか走れメロスとか羅生門とか我輩は猫であるとか
神々の微笑とか神州纐纈城とか……駄目なんですかね?
山本「……それである朝、ザムザが不安な夢からふと覚めてみる。
するとベッドの中で自分の姿が一匹の大きな虫に変わってしまったんです。」
−−「戦前にもベッドがあったんですね」
山本「ありました。
それで固い甲殻の背中を下にして……」
−−「紅白?」
山本「甲殻。カブトムシやクワガタの表面です(紙に書いて)」
−−「ああ。」
山本「ちゃんと聞いてる?」
−−「すみません」
山本「それでザムザがちょっとばかり頭をもたげると、
まるくふくらんだ茶色の腹が見える。」
57 :
この名無しがすごい!:2010/03/27(土) 11:42:11 ID:xsitDLeR
>>55 変身はみんなが知ってる作品だから、お題として秀逸なんだろうね
太宰の「人間失格」で文体模写してみてほしい