☆月とシガレット・稲垣足穂スレ☆

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15サクレ
足穂は、ハードで、ドライで、クールなようでいて、なかなか
チャーミングでもあるので、そんなところは女性にも受けたり
するんだろうな。

足穂といえば昔から詩人やメルヘン作家がみょうに優しいイメ
ージだけで捉えがちだが、ここはやっぱり、21世紀の美学的
存在論=期待され、忘却されるがままに在る「中空存在」への
気遣い=ハイデッガーの存在学、ポーの宇宙論についての彼の
美学的解釈=「美のはかなさ」「僕のユリーカ」などをこそ思
い起こしたいところだが・・・。

一時期、河出文庫で代表作が殆ど出たので、若い読者が足穂を
軽やかに読み飛ばしてゆくのも意外と足穂らしくて決して悪い
ことではない、とは思うがね。
しかし本当に良い物は、遍く行き渡るようでいて実は全くその
逆なのだと思う。