文体模写してください

このエントリーをはてなブックマークに追加
5ヤフー
イース貴族達が好む競技の一つに「グレイ・ゴール」というのがある。
これはヤプーを毒虫の姿に改良したものを貴族達が一体ずつ持ちより、
共食いさせるというものである。
読者諸兄は20世紀初頭にフランツ・カフカというユダヤ人が書いた「変身」
という小説をご存知であろう。たまたま時空事故によりイース世界に迷い
こんだカフカが「グレイ・ゴール争奪杯」を見、それを元に書かれた作品
なのである。
ヤプー達は毒虫の姿とはいえ知能はそのままであり、床を這いながらも
なかなか高度な命懸けの闘いが見られるので面白い。
彼らが吐く毒液は灰色であり、最終的に勝ち残った一匹は全身灰色なのが
「グレイ・ゴール」の名の元である。
優勝した者も全身に毒が回り、助かる見こみは無い。そこで観客達は競技の
ラストに赤いボール玉を勝者に投げつける。これは中に花火を詰めたもので、
投げたら爆発する大規模な爆竹と考えてよろしい。大昔に流行ったムザと
いうもので、競技の最後に優勝ヤプーに向かい観客は「ムーザ、ムーザ」
と叫びながら投げつけるのが慣習となっている。カフカはこれを恐らく
人の名前と勘違いしたのだろう。
なお、ヤプー語の「むざむざ」という言葉は、ムーザの変形である。
ヤプー達は「惜し気もなく。あっさりと」などの意味で使っており、それは
優勝したとてあっけなく粉微塵と化す毒虫ヤプーからの連想であろうか。