1 :
吾輩は名無しである:
僕は川端康成が好きなんですけど
どうして自殺したのか分かりません。
あと、太宰とか三島幸雄とか有島武郎とか。
僕の好きなのは自殺したひとばっかりです。
こうした人達はなんで自殺なんかしたんですか?
2 :
吾輩は名無しである:01/09/08 11:38
>1
川端と三島はわけがわからない(煽りじゃなく)ので微妙です。
あとの二人は自分に絶望したからじゃないでしょうか。
ううか哲学者と作家の自殺って似てると思う。
3 :
吾輩は名無しである:01/09/08 11:38
自意識が過剰な人は自殺しやすい
という傾向があります。
では作家というのは自意識過剰なのか
といういいかたは適切ではありません。
むしろ自意識過剰な人が作家になる
というべきでしょう。
つまり数字のマジックですな。
4 :
吾輩は名無しである:01/09/08 14:18
小説家ってのは自分を納得させるのが上手なんでしょう
死んだ方がいいかな、って思ったらいろいろ理由を挙げて本当に死ぬんでしょう
5 :
吾輩は名無しである:01/09/08 14:19
馬鹿だから
6 :
吾輩は名無しである:01/09/08 14:34
>1
三島幸雄じゃなくて由紀夫な。
あと、北村透谷とか芥川龍之介とか牧野信一とか田中英光とかは
お嫌いかえ?
7 :
吾輩は名無しである:01/09/08 15:03
自由業で年金がないからビンボー、
年くって書けなくなって生活苦。
でもプライド高いから、
もらい乞食にななれない、
で自殺。鬱だ誌。
>>6 ごめんなさい、
芥川以外読んだ事ないです。
だけど不思議なんです。
画家ではゴッホなんかが好きだし、
音楽では尾崎豊(自殺じゃないけど)、モーツァルト(これは違うか)・・・
若死にしたひとばっかり好きです♪
9 :
吾輩は名無しである:01/09/08 21:28
そこまで敢えて自分を追いつめたんだな、ああ凄い。
10 :
縞栗鼠(シマリス)の親方:01/09/08 23:49
犯罪心理学、精神分析の小田晋先生によれば、
作家>芸術家>>>>>>>>数学者>化学者
(苦悩/ストレス度)
のように、答えの出ないものを相手にする職業の人は病みやすいそうです。
まあ、光と闇(病み)を繰り返してるうちにどっか
秩序のネジが外れるというか、自分で外すんだと思います。
12 :
吾輩は名無しである:01/09/09 02:02
よし、君も思い切って、足を前に踏み出そう!
せいのぉっ・・・!
あぼーん
03:01 ご臨終です。
15 :
吾輩は名無しである:01/09/09 12:01
16 :
吾輩は名無しである :01/09/09 12:57
自殺する作家の文学が好きな人にまともな人は多いが、「俺って
自殺する作家の気持ち、わかるんだよねー」と吹聴してる奴に
ろくな奴はいない。批評家や文学研究者も含めて。
17 :
吾輩は名無しである:01/09/09 13:12
簡単だよ。
今死ねば伝説になる、って思うから。
三島なんて完璧にそう。
自殺した作家を崇めるのって
カート・コバーン至上主義の厨房と変わらない気がする…。
とか言いつつわたしも三島やカート好きだけど。
19 :
吾輩は名無しである:01/09/09 14:06
感覚が繊細な分だけ、実社会との摩擦を大きく感じるのでしょう。
批評家や文学研究者のようなクズの相手をするのは大変だし、
見当違いの論評(悪口)を見たら、ひどく傷ついてしまう。
小説家は宝物だから、もっと優しく扱ってあげないと。
20 :
吾輩は名無しである:01/09/09 19:42
>18
でもやっぱ自殺した人ってかっこいい〜。
21 :
吾輩は名無しである:01/09/09 19:47
っていうか自殺したい(w
22 :
吾輩は名無しである:01/09/09 20:38
しかし古いイメージですね>文学者の自殺
24 :
吾輩は名無しである:01/09/10 11:50
25 :
吾輩は名無しである:01/09/10 23:24
age
26 :
吾輩は名無しである:01/09/10 23:45
自殺には、薬物による急性中毒死のほかに「緩慢な自殺」という概念もありますよ。要するに、アルコール依存とか、煙草とか、その他身体に悪いとされることをやめられない人は、実は無意識が「緩慢なる死」を導いているのかも知れません。ご用心。
火野葦平は没後だいぶ経ってから遺族が「自殺だった」と公表したんだよね。
28 :
吾輩は名無しである:01/09/11 00:02
緩慢な自殺〓老衰死
>>29 読ませていただきました。
僕はまだまだ文学の世界に足を踏み入れようとしているに過ぎない段階ですが
孤独の反対は無知だという言葉には賛成です。
そしてそうでもないと少し思ったりもします。
自殺者は孤独が苦しくて自殺したんでしょうか?
まだ疑問が残ります。
文学者は孤独を突き放すような真実(人生のはかなさのようなもの)
を求めているような気がするからです。
そこにはある美的な感慨があるような気がします。
そして現世が全く無価値に思えるんじゃないでしょうか、
どうでしょうか。
31 :
吾輩は名無しである:01/09/11 19:15
>30
だから伝説になりたいだけ。
そんなかっこいいもんじゃない。
自殺を美化すんな。
32 :
吾輩は名無しである:01/09/11 19:52
>31
まあ自殺を美化するのは勝手だが、社会的に影響を与えたり
有名だったりしてないと見苦しく迷惑なだけだな。
いや、影響与えても迷惑は迷惑だが。
どうして自殺するかは本人しか結局はわからないだろうし
死者は還ってこない。
大切なのは残されたものがどう解釈するかだと思う。
それぞれが考える答えがその人にとっての真実だと思う。
1さんがそういう疑問を感じるのなら、文学の世界に飛び込んでみたら
どうですか?
age
35 :
吾輩は名無しである:01/09/15 14:52
ただあげんじゃなくて、なんか書け。
37 :
吾輩は名無しである:01/09/15 17:33
作家としてなーんかいろんな世界を見てるうちになんとなーく
死の世界に近付いちゃって、そのまま逝っちゃうんじゃないかなあ。
あ、いけるかも、、、とか思って。
身の回りの人で、日記とか、小説とか書いてる人には、ものすごく神経質で、
自分のことをすごく深く見つめている人が多いように思う。しかも鬱になりや
すく自分を責める人が多いと思う。何か書く人ってのは、アナログのはずの人
生をデジタルに変換できる人なんでしょう。だから、人間と言う巨大な情報から
断片を取り出して、作品にする事が出来るけど、反面、人間の負の断面ばかり見
えたり、死の断片を何度も見つめることになるんじゃないですか。
有島の死賛美!。
たとえば、沢山の生に触れることにより、自分の人生をあまりに客観的
に見すぎてしまうために自分の生のリアリティが希薄になってしまう
とか。
41 :
吾輩は名無しである:01/09/15 20:52
思春期(感受性の強い時期)って鬱になるもんな。
>>41 ってことは、自殺する作家って思春期に近い精神状況なのかなあ。
43 :
吾輩は名無しである:01/09/15 21:36
自殺しがちな人が小説なりを書くんだと思われ。
書いてるうちに(何かが分かって)死にたくなるというよりは。むしろ。
44 :
吾輩は名無しである:01/09/15 21:51
>>43わしもそう思う。生きるためにかくつーか…
書くという行為はリアリティ獲得のためだと、オリャ思うずら…
>>39 死の断片、ときどき見えます。
ペ−ペーなのでうっすらですけど。
現在、日本では年間約3万人が自殺します。
ちなみにその多くは中高年男性です。
一方、日本では作家と名乗る人物は多いですが、最近は
あまり自殺してくれません。
「作家に自殺が多い」というのはもはや完全に過去の神話です。
これは上記のように統計学的にも証明されています。
現代の作家は猛烈なバイタリティーで、たとえ日本が沈没しても
自分だけは生き残ろうという根性の持ち主ばかりといえましょう。
また死を美化するのは厨房すぎるのでやめましょう。
現代作家のど根性を見習ってください。
「嘘には三種類ある。その一つが統計だ」
さあ、空気の読めないお年寄りはこの際放っておくことにして、
空疎で楽しい揣摩憶測をどんどん押し進めましょう。
48 :
吾輩は名無しである:01/09/16 00:09
大体、小説家=自殺する者という発想自体が古臭いんだね。
だから46のような意見を吐くこと自体、アナクロな価値観の
断片を背後に感じるわけです。浪漫的(すごく悪い意味で)、というか。
とはいっても小説家が自殺しなくなってから小説の価値が下がった、
というのも事実なわけで。だから現代作家が自殺しないずうずうしさ
を持ったからといって、居直って開き直るのもソートー恥かしいこと
だということを自覚すべきである。透谷や三島(ちょっと飛躍しすぎ)
がなぜ自殺したのか、というその意味をもう一度深く考えてみるべき
>猛烈なバイタリティー
これと同じぐらいの死の脅威を抱えてると思われ。
だからこそ、物凄いエネルギーを発揮できると思うんだが。
>「自殺を美化してる」
こんな宗教的然と思考停止してる作家なんていないでしょうに。
しょぼいやつなら別だけど。
いろんな事を考えるがゆえに生にも、死にも思惟が辿り着くんですよ。
51 :
吾輩は名無しである:01/09/16 00:15
>>49 すみませんが、誰が、現代のどの作家が
「死の脅威」におびえて物を書いているんですか?
現在不治の病を患っている作家以外に?
具体的に教えてください。
52 :
吾輩は名無しである:01/09/16 00:29
>透谷や三島(ちょっと飛躍しすぎ)
>がなぜ自殺したのか、というその意味をもう一度深く考えてみるべき
伝説になりたかったから。
「脅威」を意識してるしてないに関わらずだと
思うのでなんともいえないな。
お気楽なエッセイとかを書くひとはそんなに悩んでないだろうし。
一概には言えないだろう。
54 :
吾輩は名無しである:01/09/16 00:32
なにも作家にかぎらない。
アーティストでもミュージシャンでも今自殺なり発狂なりしそうな人がどれほどいる
心当たりあれば教えてたもれ。
55 :
吾輩は名無しである:01/09/16 00:34
>>52 三島の自決に対しては、澁澤が「男と死にたいというエロティシズム」から、と語っていたな。
56 :
吾輩は名無しである:01/09/16 00:47
私にはことさら大げさに「死」を主題にして書く作家のほうが
胡散臭く感じられて、仕方がない。
なにか、「下手糞」という感じがして。
彼らは単に「死」をドラマタイズして、
「死」の観念をもてあそんで自分のための創作のアイディアをひねり出しているだけ。
つまりそこには「死」という観念を出せば、みんなしかめっ面をして
いたって「文学的」だと思ってもらえる、というステロタイプな
偏見が隠されているから。
日常的なエッセイの端々にある「死」の予兆、のようなもの
が私は好きだ。それは我々をして、「死」という観念に優しく馴致させてくれる。
57 :
吾輩は名無しである:01/09/16 01:00
気づくのが怖いんです。実は自分が凡人だということに。
だから死んで非凡になろうとする。
58 :
吾輩は名無しである:01/09/16 01:06
願わくば、
志半ばの突然死!
>ステロタイプな偏見
こういう発言こそステロタイプだと思うがね。
内在化の過程にステロタイプも既出も流行遅れもなにもないだけどね(藁
61 :
吾輩は名無しである :01/09/16 04:10
>54
ミスターチルドレンの桜井氏なんかは自殺寸前だったらしいが。
あとは、極真空手の数見氏とか・・・は違うか。腹切りだからね。
ヒロトもそうらしいな
作家と自殺について考える上で、筒井康隆の「自殺悲願」(短篇集『農協 月へ行く』所収)は必読だな。
ドタバタを通じてしか表現できない真実というものを、実によく描き出している。
64 :
吾輩は名無しである:01/09/16 06:32
いぢめられっこに対して「死ぬな」という椎名誠の気持ちもわからん。
川端は自殺するには爺過ぎ
他人の葬式ばかり上げて生きるのが嫌になったのか?
66 :
吾輩は名無しである:01/09/16 07:03
ノーベル賞待ち自殺
67 :
吾輩は名無しである:01/09/16 07:05
受賞による5月病
壊すものが無くなったから
自分壊すんだろ。
69 :
吾輩は名無しである:01/09/20 03:55
age
三島由紀夫の場合、日本という国家が自我をなくして無くして無制限に欧米化することに耐えられなかったんじゃないか。
金閣寺に代表される雅らかな王朝文化に傾倒していた彼のこと、無機的で没個性化する祖国の姿そのものが耐えられないとして彼が憧れ続けた古風な美学に殉じたといったら褒めすぎか。
71 :
5モロ、無修正画像サイト発見!:01/09/20 08:04
72 :
吾輩は名無しである:01/09/20 11:51
自殺よりも書かなくなるってことの方がすごい。
例はランボーだけど。
小さい例では、庄司薫。あれだけ人気作家だったのが、どうして書かなくなったのか理由が判らない。書けなくなったってだけじゃ、理由にならないと思うんだけどな。(一度、筆折って復活した人な訳だし)
73 :
吾輩は名無しである:01/09/20 12:05
書かなくても生活に困らないからでしょ。
>>72 庄司薫が中村紘子のエッセイの代筆をしていることは、ほとんど公然の秘密だよ。
文学板なのに「実存について悩む」ことがどういうものか、
それすらもわからん連中ばかりなのはわかった。
76 :
吾輩は名無しである:01/09/20 15:10
>>75 (゚Д゚)ハァ?
独りで悟った気になってるカコワルイ
77 :
吾輩は名無しである:01/09/20 16:03
>>75 君のそれ、文学者は自殺するのが当たり前、と言ってるに等しいよ。
>>76-77
理解できないのが悔しいって素直に認めたら?
でなけりゃ「実存について悩むこと」を説明するか。
できないだろうけど(w
79 :
吾輩は名無しである:01/09/20 19:28
何度も言いますが、伝説を残したいだけです。
夢を壊してすいません。
--------------------------終了-------------------------------
80 :
名無しさん1周年:01/09/20 19:33
マーケティングでいえばブランド=自殺なのね。
81 :
吾輩は名無しである:01/09/20 19:56
不良作家でイメージするのって誰かいる?
俺はバロウズ。
82 :
吾輩は名無しである:01/09/20 19:56
とりあえずどうして小説家が自殺するのかは分からないが>78が明らかに
馬鹿で社会不適応なのだけははっきり分かった。
83 :
日本@名無史さん:01/09/20 23:17
>>78 説明して自慢したいって素直に認めたら?
でなけりゃ「実存について悩むこと」を説明するか。
できないだろうけど(w
まあ、ブンガクなどというものをやろうとする輩はとにかくセンチメンタルだからね。だから文学者の自殺が多い。ただそれだけのことさ。
85 :
吾輩は名無しである:01/09/20 23:25
自殺したからのちのち肯定された。やな商売だ。
86 :
吾輩は名無しである:01/09/20 23:26
今の人で自殺した人って多いかな?
昔の人はよう死んでたけど。
太宰治の「人間失格」、あれつまらんね。ぐだぐだぐだぐだ自分勝手な内容でなんであんなに売れたんかよう分からん。
でも、まあ繊細な人が多いんやろね。自殺することで何かを得ようとしている、という考え方は今らしいひねくれた考え方ですな。
87 :
日本@名無史さん:01/09/20 23:26
ミュージシャンにもままあるナリ
>1
川端康成は、16歳にして最後の肉親であった祖父を喪い
天涯孤独になった。
その後一高→東大と進み、才能を開花させ
後年「文壇の天皇」とも言われる地位を確立、弟子筋は
ゴマンといた。三島由紀夫なども生涯、師弟の礼を尽くした。
家庭的にも賢妻と養女を得て安泰。ノーベル賞までも獲得。
…だが、栄誉の果てに行き着いたのは、
16歳のままの孤独な魂。
川端は一生、深甚な孤独を孕んでいた、三島とはまた違った意味で。
三島に先に死なれてしまったこと、
しかも「あのように」死なれたという事実も、
晩年の川端にはイタかった。…じつに淋しい、もうそれしかないという
自死だった。
89 :
吾輩は名無しである:01/09/21 00:42
作家も一人の人間だからね、パブリック・イメージとのギャップに耐えられなくなって逝ってしまうのでは。
売れてしまうと書きつづけねばならないし、今更凡人には戻れないってことで死を選ぶのでは。
90 :
吾輩は名無しである:01/09/21 04:09
>>83 78には無理だよ。
ただかっこつけて高みに登ろうとしてるだけだからね。
91 :
吾輩は名無しである:01/09/21 12:20
>86
三島は、自殺することで何かを得ようとしていた、と思うけどな。
92 :
吾輩は名無しである:01/09/21 15:25
三島由希のことを三島なんて言うやつは、オナニストですか?
93 :
吾輩は名無しである:01/09/21 19:13
>>91 三島由紀夫の場合、発作的な自殺のような気がしますが。
>>93 発作的なわけない。『豊饒の海』の最終回の原稿だって、11月25日という署名に反して夏には書き上げられていたことが確認されているのだ。
95 :
吾輩は名無しである:01/09/21 23:06
みーんなナルちゃん。
カッコつけすぎ。
96 :
吾輩は名無しである:01/09/22 00:25
どうせやるならもっと派手にやればいいのに。
三島が飛行機でビルに突っ込んでたら、感動しただろうな。
97 :
吾輩は名無しである:01/09/22 15:45
98 :
吾輩は名無しである:01/09/22 16:29
感動したっ!!!
99 :
86名無しのオプ:01/09/22 19:14
>91
私が思うのは、自殺したことで有名になろう、とか考えてる人がレスに多かったので、そういう理由で自殺したのではないと思ったのです。
100 :
名無しさん1周年:01/09/22 19:14
作者の自殺と作品と何の関係があるのやら(藁
101 :
吾輩は名無しである:01/09/22 21:17
作家が自殺するのではないのです。
自殺したがる人が作家になるのです。
既出?
102 :
吾輩は名無しである:01/09/22 23:07
既出_?
作品が作れなくなったから
>>27 火野葦平は生活苦ではなかったか。
人が良くてホイホイと保証人になって潰れちまったらしい。
104 :
吾輩は名無しである:01/09/24 00:28
読みやすいところで嵐山の「追悼の達人」をおすすめします。
近代以降の自死した作家、しなかった作家について、同時代人による弔辞を通じて、
その作家がどんなもんだったか、分かるから。
どうも大正時代以降らしいね。自死が増えるのは。
明治の作家は、自殺=負けを認める、という感覚から、あまり実行しなかったという分析があるよ。
105 :
吾輩は名無しである:01/09/24 01:06
『自殺の文学史』 グレゴーリィ・チハルチシヴィリ 作品社
でもどうぞ。
106 :
吾輩は名無しである:01/09/24 02:31
>>104 それだけじゃないと思う。近代以降自我が、自意識が日本人の中に確かに確立されて、
その中でも作家なんてのは一番それが肥大化する人種だったから自重に耐えられなかったんじゃないのかと。
107 :
パルマコン:01/09/25 04:51
「ジャン・コクトーの傑作、それは彼の人生です」とロジェ・ランヌは言ったそうだが
詩人、小説家の多くが一度はそう言われたいと思っていたとしても不思議はない。
しかし、世に名作と呼ばれる作品を残した作家にしても、その人生に関しては特別
ロマンチックでもなければ、波乱万丈でもないというのがほとんどであり、むしろ
コクトーのような人物が少数派であることは、伝記作家たちもよく知っている。
そうした多くの小説家たちが、自殺することによって、自らの人生を一つの芸術に
高めようと夢想するのは、まったくありふれた、そして最も陥りやすい罠であるから
したがって彼らはその欲望を夢想のうちにとどめようと、あらゆる手段を使って処理
しようと試みる。しかし、結局理性は欲望に勝てないということを誰よりもよく知って
いるのもまた、彼ら小説家であり、それがわからない者に、傑作と呼べる小説など書ける
筈がないのである。
>>107 んで、君はいったい何が言いたいんだ?
・・・ところで小説家は知らんが、一般に“芸術家”と呼ばれている
人種は誰もがそれはそれは激しい人生航路を辿っていると思われる
のだが。ミケランジェロもしかり。カラヴァッジョもしかり。
ロダンもしかり。ガウディもしかり。小説家が「欲望を夢想のうちに
とどめようと」した、というのも嘘くさいな。。。北村透谷
ような人もいるしね。誰もが知っているんだよ、彼らの人生が
彼らの芸術を真似したんではなくて彼らの芸術が、彼らの人生を
模倣したんだってことを。
109 :
パルマコン:01/09/26 04:10
>>108
一点の曇りもないある鏡の前に、ある壮絶な人生を生きてきた険しい顔の男が
座ったとしても、鏡に映るのは男の顔であり、その人生ではない。
われわれはその男の顔にふさわしい人生を、鏡の中に見ようとする自分を見る
にすぎない。
今までミケランジェロだと思って見ていたものが(それが作品であれ、作者の
人生であれ)、実は自分であったと解っても、ミケランジェロの美に変わりは
ないであろう。
つまり、美は美であり、芸術は芸術であって、もはや何かの模倣物などでは
ないのだ。私の言う欲望とは、そうした美や芸術と自分との結合を望むことで
あり、小説家は美との結合を夢みながらも、現実には行なわないという態度
なくして、いったい何処に客観性(芸術家にとって絶対必要なもの)の根拠が
あるというのだろう。
件の意味からしても、小説家の自殺は美に対する敗北と言えるかもしれないが
この終わりにある悦楽(戦いからの開放)を夢みる勇気のない人間に、どれほど
のものが書けるのか、私には疑問なのである。
芸術とは常に、己の際すれすれのところからしか生まれない、私が言いたかった
のはそういうことである。
110 :
吾輩は名無しである:01/09/26 10:34
芸術家(もちろん作家も含む)が特別な人間であるかのような意見は意味がない。
坂口安吾が太宰の死に触れて、
彼は死(=自殺未遂)から這い上がるたびに名作を生み出した、
というようなことを書いていたが、
小説を書くたびに、
メトロノームみたく小さな生と死を繰り返すタイプの作家はおり、
それこそがその作家にとっては創造の源なのだが、
その生と死の針がおかしな風に振れてしまったとき、
想像上の死から現実の死へと踏み出してしまうことがあるのだ、
とわたひは思ってまふ。