1 :
吾輩は名無しである:
「草の花」「心の中を流れる河」「愛の試み」など。
やっぱ無名?
どうやら前スレはdat落ちしたみたいだね。
評論家のおっさんか?
4 :
sage:2001/08/02(木) 00:45
dat落ちが早すぎる?
短命スレが多くて、効率が悪くないか。
福永スレ、最近だけで3つ目じゃないかな。(もっと在ったかも?)
蓄積の為にもナンとかならないのでしょうか。
5 :
吾輩は名無しである:2001/08/02(木) 00:46
息子は誰だっけ
6 :
吾輩は名無しである:2001/08/02(木) 00:47
需要がないからしょうがない。
7 :
吾輩は名無しである:2001/08/02(木) 01:56
8 :
吾輩は名無しである:2001/08/02(木) 01:59
マチネ・ポエティックやめてくれーー
「世界の終り」読んでると非常に鬱になる
10 :
吾輩は名無しである:2001/08/05(日) 23:22
この間、福永の墓参りに行った。去年の夏は「草の花」のH村(戸田)を
訪れた。夏休みは小海線に乗ろうと思うがO湖というのは一体どこ?
11 :
吾輩は名無しである:2001/08/06(月) 01:41
すげー好き。
とにかく。
12 :
吾輩は名無しである:2001/08/06(月) 02:46
「草の花」読んで泣いたとか
心をやられた
等々と、聞きます
「愛の試み」
福永老人はやってやりました
泣けない
日本的退廃ですか
いつか分かる日は来るのやらやら
13 :
missed in the mist:2001/08/08(水) 13:09
「愛の試み」
実存主義者だったのね…….
14 :
我が輩は名無しである:2001/08/08(水) 14:07
「琴音」を騙る人物がやたらスレ立てるから、まともなスレがDAT落ちしちまうのか…
15 :
我が輩は名無しである:2001/08/08(水) 14:10
「海市」はすっげー感動した。
最後の最後で物語を180度ひっくり返してしまう手腕は見事としか言いようがない。
16 :
我が輩は名無しである:2001/08/08(水) 14:13
>>6 需要はある。
少なくともおれ個人はほしがっている。
17 :
ixion:2001/08/08(水) 23:58
『加田伶太郎全集』は扶桑社から復刊されたけどね…。
>物語を180度ひっくり返してしまう手腕は見事と
>しか言いようがない
同意。あとは「未来都市」なんかのオーソドックスで、静かな
余韻のある終わり方も好きだな。
ageます。
18 :
荒川ヨージ:2001/08/19(日) 00:31
「海市」はおもしろかったね。ただ、結局これに出てくる女性は、なんか
生きてる感じがあんまりしないんだな。主人公の分身でしかないって印象。
画家の妻も心理学者の妻もね。
以前は新潮文庫からたくさんあったような気がするんだが、今出てるのは
「海市」「草の花」「愛の試み」「廃市・飛ぶ男」だけじゃなかったっけ。
「死の島」が読みたくて仕方ないんですが・・
19 :
吾輩は名無しである:2001/08/21(火) 14:50
>5
春菜たん
ヲタは逝けってか?
20 :
我が輩は名無しである:2001/08/21(火) 15:03
21 :
黄昏の国、西洋:2001/08/21(火) 15:05
「死の島」新潮文庫は上巻だけ買って放置してたら、下巻が絶版になった!(怒
あれは、何とか文学大賞を受賞したんじゃなかったっけ。
22 :
我が輩は名無しである:2001/08/22(水) 04:47
しおみしげしって変な名前だよなあ…
23 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 09:31
安見子もへんな名前
24 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 16:26
モスラ。
25 :
吾輩は名無しである:01/09/05 03:13 ID:yZzZkjeQ
「草の花」で主人公の初恋(同性相手)を暖かく見守ってる友人達っていい奴らだ。
26 :
吾輩は名無しである:01/09/06 00:12 ID:Bnq1tQMQ
親子の血は争えない、って本当だな。。。
この人、一生大学教授もやってたの?
27 :
吾輩は名無しである:01/09/06 00:59 ID:V8zgZu02
>25
「僕だって傷ついているよ」と汐見に言う春日先輩が良いね。
28 :
吾輩は名無しである:01/09/06 01:28 ID:uddlFnAw
『死の島』は内容、装丁、全て美しい本だ。
福永って、限定版とか、やたら装丁に凝るよなー。そういうの好きだが。
忘却の河が好きです。
31 :
吾輩は名無しである:01/09/13 01:35
『忘却の河』が結構好きです。
年取ってくると、主人公の寂しさが判ってきた。
32 :
吾輩は名無しである:01/09/18 10:06
>>25 同意同意。
高校生の頃は、汐見にいまいち感情移入できんなーと思っていたものだが
最近、周りの友人たちいいやつ…って思う。
『汐見だって考えているさ、人の傷口をつつくもんじゃない』とつぶやく立花
33 :
吾輩は名無しである:01/09/18 10:59
モスラを無視されてる。
マジなのにねえ・・・。
34 :
我が輩は名無しである:01/09/18 11:11
福永って文章そのものがすばらしいから、映画作品ってあんまり観る気にならないん
だよね。「モスラ」にしても、「廃市」や「風のかたみ」にしても。
そう、文章力(「読みこませる」文章を書く力量)と言う点では彼が一番。
ただ、相当の教養が無いと物語の細部のニュアンスまで分からない。
流石はマチネ・ポエティークの一員。
あと、読む時は生きることに疲れた時のほうがいい・・
36 :
吾輩は名無しである:01/10/06 01:53
福永武彦、池澤夏樹。親子で小説家。修羅だねェー。
38 :
吾輩は名無しである:01/10/06 14:18
生きなくちゃいけないって感じさせる数少ない作家。
39 :
吾輩は名無しである:01/10/10 23:04
age
40 :
吾輩は名無しである:01/10/19 14:21
『愛の試み』の中の「細い肩」が良かった。
後、次々に男を換えて、(本人はその度に真剣)
最後は畳を拭き拭き、相手をちっとも愛してないことに気付くってやつ。
自分が泥沼で辛かった時、
この本読んで、ぐちゃぐちゃの気持ちを
丁寧に説明してもらった気がした。
全然、癒されなかったけど。
41 :
吾輩は名無しである:01/10/28 22:59
風のかたみ、いいよぉ。
42 :
吾輩は名無しである:01/10/28 23:01
うわ!めちゃめちゃ久しぶりに上がったね。
『忘却の河』。
中学生のとき読んだが、暗くて一週間位落ち込んだ。
でも良かった。
「風土」もいいさー。
あの茫洋とした忘我の境地・・
46 :
吾輩は名無しである:01/11/10 16:01
「草の花」しかまだ読んでないのに、作者のファンであるような気がするよ。
47 :
吾輩は名無しである:01/11/10 19:15
ファン=扇風機
48 :
吾輩は名無しである:01/11/12 23:57
草の花いいね。
女子高生の時読んだんだけど、
今読み返したら違う?
49 :
吾輩は名無しである:01/11/15 18:22
「草の花」また読みたいっすねぇ。
50 :
吾輩は名無しである:01/11/24 22:03
現在、廃れつつあると思うかい?
51 :
吾輩は名無しである:01/12/07 02:56
保全age
52 :
吾輩は名無しである:01/12/11 18:56
うっわ、あがんないっすね、ここは(苦笑)。
「死の島」(新潮文庫)を入手。
この本、復刊どっとこむでリクエストされてるくらいだから
面白いのではないかな。
agewasure
55 :
taka ◆WJp3Uzus :01/12/23 17:34
matawasuretayo
草の花、良かったな。
「僕は一人きりで死ぬだろう・・・。」
うーん、寂しすぎるぜ、汐見ー!
20のとき読んだときは、心にしみるようだった、草の花。
今読んだら、もう身近な気持ちでは読めないかも。
汚れちまった、、、のか?
立花のような友人がほしいな。
藤木忍(美形男)には実際いてほしい。
60 :
吾輩は名無しである:02/01/01 20:40
予備校の女子寮に住んでいたとき、寮で福永武彦が流行してしまった。
みんなとろ〜んとした目をしてため息ばかり。
勉強なんて手につかない。
私は海市で号泣したっけ。
あー、もう一回読み直そうかなぁ。
はっ!10年ぶり!?(愕然)
61 :
吾輩は名無しである:02/01/01 20:41
「廃市」でしょ?
62 :
60ではないが:02/01/01 20:46
「海市」という作品もあるんだよ。
63 :
吾輩は名無しである:02/01/01 20:54
ほんとだ。ごめん。
>>60 「勉強なんて手につかない」。
紋切り型すぎ!!ほんとかよ。
>64
本当よーん。
禁TV、門限19時の禁欲浪人生活、
福ちゃんは私らのアイドル(?)やってん。
まぁ、当時のメンバーのヲタ度が高かったのは認める(w
福永武彦と全く関係なくなってきたのでsage
66 :
吾輩は名無しである:02/01/04 02:17
確かにはまったときずっと読んでた気がします。
疲れているときですね。浪人〜大学生のとき。
金もうけを意識するようになった今、福永は
いまいち楽しめなくなった。
忘却の河、告別を何度も読み返したのは近くて
遠い昔なのかも。でもまた読みたくなってきた。
10年ほど前に「ゴーギャンの世界」を読みました。
取り急ぎ、ageということで。
あいかわらず、ムスコよりはイイ、と思うなぁ
69 :
吾輩は名無しである:02/01/17 18:06
70 :
吾輩は名無しである:02/01/18 11:17
>63
おいおい、海市は名作中の名作だぞ。読んどけ。
71 :
吾輩は名無しである:02/01/19 11:05
「廃市」が良いな
水の音や夕暮れのざわざわした感じが伝わってきた
随分前に読んだのでもう一度読みたくなってきたなー
72 :
吾輩は名無しである:02/01/24 12:27
「草の花」を誕生日プレゼントにもらった。
「純文系語れる人ってあんた以外にいないのよ・・・」という言葉と共に。
通学の電車の中で1ヶ月くらいかけて読みました。
純文系の同性愛的感性には今までイマイチのれなかったけどこれは読めたわ。
つーわけで他の作品も読んでみようかな。
そんじゃこっちもage
74 :
吾輩は名無しである:02/02/01 22:24
草の花。
人物がなんだか"綺麗"ですね。いや、容姿じゃなくて。
立花と春日さんが佳いです。
75 :
吾輩は名無しである:02/02/02 20:33
76 :
吾輩は名無しである:02/02/04 01:59
救いようのない、というか突き放された感じにはなりますけど
それ故にあとから彼らの"綺麗さ"が滲んでくる感じです。
77 :
吾輩は名無しである:02/02/04 06:06
それにしても加田伶太郎というペンネームはちょっと痛いと思う
78 :
吾輩は名無しである:02/02/07 23:39
>>76 綺麗さ、ね。フムフム。
押し付けがましくない、遠慮がちな
やさしさとか、あたたかさ、配慮なんかが
とってもいいと思いました。
青年期特有のような。
対する汐見の独りごちた態度も
傲慢さは充分あるけど、
でも、共感してしまったな。
いいな、わかるな、と思った…。
79 :
吾輩は名無しである:02/02/08 13:03
語れ、おおいに
80 :
吾輩は名無しである:02/02/12 15:51
このスレ読んで「海市」読むことにした
全集の中の一冊だと思うけどブックオフで100円だった
81 :
吾輩は名無しである:02/02/13 14:39
AGE
82 :
sasuke ◆FZ4kwao2 :02/02/13 16:45
「死の島」(新潮文庫 全2冊)、2セット持ってます。
83 :
吾輩は名無しである:02/02/20 15:47
いろいろ読んだけどやはり「草の花」かなぁ。
あれが一番綺麗で寂しい気がする。
84 :
吾輩は名無しである:02/02/25 01:47
「愛の試み」を久しぶりに読み返しています。
“孤独”についての見方が、少し新たになりそうな気がしてます。
85 :
吾輩は名無しである:02/02/25 15:57
私も「愛の試み」再読しよう。
女子校生の頃と、ヴァヴァになったいまでは、
かなり印象違いそうです。
やはり「草の花」がベストかなぁ。
昔、ダ・ヴィンチという雑誌の百人書評というコーナーで
「草の花」に若くしてはまり、以来、もてない人生一直線、
というコメントがあり、禿しく同意!
でも、肉々した感じのないところが、とても好きでした。
86 :
吾輩は名無しである:02/02/26 03:03
堀辰雄の弟子筋の中で、一番後世に残る仕事をしたのは、やはり福永武彦だな。
数年前、産経新聞の夕刊に連載された堀多恵子夫人の回顧録「堀辰雄の周辺」で
も福永が印象深く語られていたが、単行本化にあたって新たに収録された福永の
追悼文は緊張感のある名文で、多恵子さんの福永への哀悼の思いが痛いほど感じ
られた。加藤周一は説教臭い進歩的知識人、中村真一郎はただの本好きのディレ
ッタント、野村英夫や森某は堀辰雄物語の脇役。それに対して福永はROMAN
を書き上げた小説家、といったところかな。俺も改めて「死の島」や「海市」や
「愛の試み」を読んでみようと思う。
87 :
吾輩は名無しである:02/02/28 03:50
age
88 :
吾輩は名無しである:02/03/01 13:21
へぇ
堀辰雄からそういう風につながっていたのかぁ。
そのわりに、何故かあまり読まれないんだよね。
まぁ、堀辰雄すら読まない人が多いのかもしれないけれど。
89 :
吾輩は名無しである:02/03/03 02:22
「夢見る少年の昼と夜」も好きだなぁ。
90 :
吾輩は名無しである:02/03/05 17:17
福永さんは短編って書いていないの?
「愛の試み」にあったような短いのが読みたくて仕方がないのだけれど…
91 :
吾輩は名無しである:02/03/06 05:01
こういう時代だから、堀辰雄や福永武彦の作品は読まれなければならない。2人とも
「病弱」だの「感傷的」だの悪口言う奴もいるが、時代と距離を置き、自身の文学的
良心に対して忠実であり続けた。簡単にできそうで、それがなかなかどうして、そう
簡単にいかない。
オンデマンドもいいけど、やっぱり俺は文庫か単行本で読みたいな。
92 :
吾輩は名無しである:02/03/07 06:20
「死の島」は「神聖喜劇」などと並んで、日本の戦後文学の最高峰だ。
『死の島』のラストシーンには驚いたのだけど、
(ネタバレなので答えはメール欄に書き込み)
同じ様な結末の方式を取っている文学作品というのは
それまでに他にも存在していたのでしょうか?
94 :
吾輩は名無しである:02/03/22 10:01
ageときます。
これから風土読むー
95 :
吾輩は名無しである:02/03/26 00:40
『風土』の久邇(くに)が大好きです。
『草の花』が作品としては一番好きなのですけれど。
ああいう利発な少年と少女の関係っていいですね。
相変わらずなんだか救えないようなかんじでしたけど
非常に感傷的な印象を彼の作品からは受けるのですけれど、
作中で「孤独」について述べられていることが何だか多いですよね。
結局、彼はどのようなものが描きたかったのでしょう…
96 :
吾輩は名無しである:02/04/04 03:42
味の素age
97 :
吾輩は名無しである:02/04/04 07:53
汐見の名前は『死を見る、茂く(たくさん)思う』からきていると
読んだことがあります。
98 :
赤ペン先生 ◆hKCcFEo6 :02/04/09 20:30
ブームになってほしくない作家。
ひっそりと、静やかに自分の心の奥で大事にしまっておきたい。
下手に多くの人に読まれるようになると
手垢にまみれて穢れてしまいそうな気がする。
『草の花』は大林宣彦監督で映画化される計画があったそうですが
正直、映像化はしてほしくないです。
>>98 もし、映像化するとしたら監督は誰がいいですか?
100 :
吾輩は名無しである:02/04/10 19:35
「風のかたみ」って映像化されなかったっけ?
101 :
吾輩は名無しである:02/04/12 21:58
モスラage
102 :
吾輩は名無しである:02/04/13 18:47
藤木千恵子は優香のイメージ
103 :
吾輩は名無しである:02/04/13 19:57
大林宣彦が監督なら、千恵子役は冨田靖子になったのか?
104 :
おっぱり加藤伝説 ◆OPPaRi.Q :02/04/14 03:51
一番最初に読んだ福永作品とそのきっかけは何ですか?
私は「一時間の航海」。高校の教科書に載っていました。
105 :
赤ペン先生 ◆hKCcFEo6 :02/04/16 17:26
>>98 うーん、答えになっていなくて申し訳ないのですが
やはりどの監督の手になっても映像化されたものは見たくないのが
正直な気持ちです。
映像化されたものを見ることによって、自分の中で大事に描いていた作品世界が
左右されてしまいそうなのが怖い。特に福永作品は。
>>100 脚本化出身の高山由紀子監督で映像化されました。
>>104 『草の花』です。
大学時代、何かの書評に福永のことが書かれてあったのを読んで興味を持ち、
図書館で福永作品を探したら『草の花』だけがありました。
貸出記録を見たら、ほとんど貸し出されていませんでしたが(w
>>105 脚本化→脚本家 の誤記です。失礼しました。
107 :
吾輩は名無しである:02/04/16 17:58
おかんが福永ファンで、「草の花」「忘却の河」を読んだ。
良かったー。
古い文庫本だったけど。
「海市」「廃市」も読んでみるつもり。
108 :
吾輩は名無しである:02/04/22 01:26
初めて読んだのは、新潮文庫「夢見る少年の昼と夜」
大学1年の頃
ノスタルジックな気分を味わいたくて手に取ったんだけど
表題作に併載されてる作品をはじめとして
それ以降、福永作品の暗く深い世界に、はまってしまったのでした・・
109 :
吾輩は名無しである:02/04/30 05:10
保全age
110 :
吾輩は名無しである:02/04/30 23:21
福永初心者です。3,4冊しか読んでないのですが、
もっと読みたいのに絶版で読めないのが多いのがサビシイです。
ちなみに「草の花」今読み返してます。3回目。
111 :
吾輩は名無しである:02/05/02 23:09
福永武彦って孤独を愛した青二才ですよね。
(島田雅彦ももう少し苦しめば追いつけるでしょうか。)
子供の頃に岩波少年文庫で福永武彦の『古事記物語』を読みました。
今思えば、フランス文学者が何故に古事記・・・・。
(もしかしてこれはあまり知られていないのでは?オススメですよ。)
『海市』は安見子がうそ臭くて(安っぽくて)ちょっと苦手です。
しかもあまりにも実験的すぎるという気もしないでもありません。
・・・それでもやはり地の文章の筆致には脱帽。これぞ日本語!!!
(ふさちゃんのサイドストーリーをもっと読みたいです。)
『草の花』は、20世紀文学の最高峰に位置すると思います。
でも個人的には加田伶太郎名義のミステリがよろしいかと☆
(「草の花」の間奏曲として読めばモテナイ路線に走らなくて済むのでは〜?)
元祖助教授モノってことで伊丹英典氏シリーズを映画化するってのはいかがでしょう?
・・・「すべてがF(フクナガ)になる」。(自爆)
112 :
吾輩は名無しである:02/05/02 23:42
福永訳のランボーが、なんでか好きだ。
113 :
吾輩は名無しである:02/05/02 23:53
『地球を遠く離れて』(船田学名義)。
その後どうなるのか気になる・・・。
小惑星アリンダに降り立った4名は月に帰れるのか?
そもそも宇宙生物って何だ?
おお福永よ、何故に続編を書かかなかったのだっ???????
114 :
吾輩は名無しである:02/05/03 22:24
夜われ床にありて我心の愛するものを
たづねしが尋ねたれども得ず
『雅歌』
115 :
吾輩は名無しである:02/05/09 19:37
>111
孤独を愛した青二才っていい表現…
「草の花」(新潮文庫)の装丁もなにげに好きです
カバーつけずに読んでます。
116 :
吾輩は名無しである:02/05/20 03:40
大学で教えていたけど最悪最悪最悪。
ボードレール解釈も屑。
>116
「教えていた」とあるけど教授なんですか?
どのへんが最悪なの?
118 :
吾輩は名無しである:02/05/20 23:08
『草の花』にハマって以来、神保町の古本屋街で、
コツコツ地道に探し回って、エッセイ以外の小説は、
ほぼすべて読んだと思います。
その中でベストと思われるのは、文句なしに『死の島』。
読み終わったあと「とにかくすごいものを読んだ」という
感想しかもてなかった。とにかく掛け値なしの名作。
福永が好きで、まだ『死の島』読んでない人がいたら、
苦労してでも探して読んだ方がいいと思う。
>>117 教授か専任講師か忘れた。
頑固じいさんの独演会。
>116
あ、教えられたことがある、って意味ですね。
てっきりあなたが教授で、福永作品をテキストに
使ったりしてたのかと勘違いしてしまいました。
何の授業だったんですかね。確かに頑固そうな気はするけど(w
>118
死の島おすすめですか…読みたいなー
でも古本屋めぐりする時間がなかなかない…
誰か貸してー!!つか復刊して!!
>>120 主に伊藤と派閥争いしています。忙しそうでした。
>116
伊藤左千夫?
故人なので派閥争いとか何とかは時効ってことで。
作品で勝負。
「草の花」は好きです。
「海市」は安見子が魅力的な女だと思ってあこがれた・・・。
124 :
吾輩は名無しである:02/05/27 02:50
死の島、読みにくいよ。
でも興味があるなら、苦労して読むだけの価値はあると思う。
125 :
吾輩は名無しである:02/05/27 10:39
「廃市」って、この人の作品ですか。
ロリコン変態監督OBが映画にしたやつ。
126 :
吾輩は名無しである:02/05/27 12:41
>>125 映画は見てないけど、小説の「廃市」はいいよ
読む価値あり
127 :
吾輩は名無しである:02/05/27 19:20
レスありがとう。安心しました。
昔どこかのサイトで、『お引越し』という邦画と小説「廃市」と『コヤニスカッティ』という洋画のドキュメンタリーには通じるものがあると示唆しているページがあって、それで覚えてました。
さがして読んでみますね。
『コヤニスカッティ』という映画も観てみたいのですが、結構レアな作品で、中古ビデオ等も希少らしく、手がでません。
OBの映画は柳川でロケをしたATG作品で、小林聡美が“美少女”役で主演しています。
16mmの撮影です。
128 :
吾輩は名無しである:02/06/08 19:20
age
sage
かわいい子の成績を悪くして、身体を強要して単位を与える男は、
たとえ過去に優れた作品を書いていても軽蔑します。
セックスくらい何でもないと思っている子は、
1年間授業に出ないで、福永と寝てAをもらいました。
それくらいの馬鹿な男扱いされていることを本人は知らない。
131 :
吾輩は名無しである:02/06/11 10:28
132 :
吾輩は名無しである:02/06/13 03:09
>130
いや、正直ちょっと面食らったが、・・・。
結局130氏は作品自体は否定してないんだね。当然だけども。
素行不良(?)な教師のセクハラ行為は許せないと。
133 :
吾輩は名無しである:02/06/13 08:43
電波でてるの?
134 :
吾輩は名無しである:02/06/13 08:54
池澤・ロンパリ・夏樹(サイタマダイガク=テイガクレキ)の
オヤジかぁ。
>130 の真偽は知らないけど
優れた才能が優れた人格の器に入ってるとは限らない
てのはよくあることじゃないかな
136 :
吾輩は名無しである:02/06/16 10:11
>それくらいの馬鹿な男扱いされていることを本人は知らない。
一体誰が馬鹿にしているんだ?
たかが文学の講義で1年寝てAもらっても仕方ないだろうが・・・
137 :
吾輩は名無しである :02/06/16 13:21
一度も講義に出ないで、年度末に一回寝るだけで単位をもらえるから馬鹿にされているのでは?
そういうのはよくある話じゃないかな。いいこととは思えぬが。
138 :
吾輩は名無しである:02/06/21 18:11
孤独あげ
139 :
吾輩は名無しである:02/06/21 18:15
NHKBS2で大林監督の「廃市」みました。
水の音が全編流れていました。
本も読んでみたくなりました。
昔の学生さんは図書館もインターネットもなく、
原稿用紙と万年筆だけで卒論書いたんですね。(w
142 :
吾輩は名無しである:02/07/01 16:52
age
143 :
吾輩は名無しである:02/07/01 16:55
若いころの小林聡美が好きだったので記念カキコ。
144 :
吾輩は名無しである:02/07/02 03:25
age
草の花、ステキ
145 :
吾輩は名無しである:02/07/04 18:53
孤独age
146 :
吾輩は名無しである:02/07/05 21:55
汐見さんみたいな人はほっとけない
147 :
吾輩は名無しである:02/07/08 00:51
サナトリウム
148 :
吾輩は名無しである:02/07/08 02:53
うちの親がファソですよ。
しかし私は「おおくにぬしのぼうけん」しか読んだことが無い…
149 :
吾輩は名無しである:02/07/09 04:42
愛
―――
孤 独
150 :
吾輩は名無しである:02/07/11 21:24
agegaegagageagegegaegageage
151 :
吾輩は名無しである:02/07/13 20:11
『草の花』で女の子と交わりそうになる「濡れ場」があるけど、当時でもあんなん書けたのかと思うと感動する。
また、結局押し倒しておいてヤラないのも文学的。
つか、全体的に「文学的」というのはこの辺の世代までの感覚なのかと思えてしまう。
152 :
吾輩は名無しである:02/07/16 23:44
そういや現代の作家に「文学的」
って言葉使わない気がするなあ。
宮本輝くらいかな?その言葉が似合うの。
>>151 「海市」はもっとすごいよ。「草の花」の作家のイメージで読み始めたのでびびった。
主人公が自己陶酔してる感じだし・・・。
154 :
吾輩は名無しである:02/07/17 04:45
福永武彦以外に自分が好んで読む作家は誰ですか?
私はディケンズです。なぜか。
155 :
吾輩は名無しである:02/07/19 02:00
孤独あげ
156 :
吾輩は名無しである:02/07/20 21:21
草の花、感動した。徴兵制度ができれば日本文学も
少しは活性化するか
157 :
吾輩は名無しである:02/07/20 21:22
158 :
福永武彦は福武書店創業者ではありません。:02/07/20 21:51
福永武彦でスレッドが立っているとは思わなかったな。
ただいま「廃市」のDVD観てたとこだもん。
小林聡美があまりに若いから分からなかった。
159 :
吾輩は名無しである:02/07/22 01:31
>>158 廃市ってDVD出てるんだ。
結構小説の雰囲気に忠実で良かったから買おうかな。
でも最後のせりふが余計に感じたような気も…
良く覚えてないんですがね。
とりあえず、悪の華の訳は糞だから。
誰もが認めることさあね。
人文書院のボードレール全集、最悪。むかつき通り越して悲しくなる。
162 :
吾輩は名無しである:02/07/24 22:29
草の花
愛の試み
163 :
吾輩は名無しである:02/07/30 21:34
あげます
「草の花」
いかにもブンガク青年臭がして、読んで吐き気がした。
宿題だから仕方なく最後まで読んだけど・・・。
ついでだけど、堀辰雄も読んでいて気持ち悪くなった。
(こっちも仕方なく2冊ほど読んだけど)
165 :
吾輩は名無しである:02/07/30 21:52
166 :
吾輩は名無しである:02/07/31 19:32
>宿題だから仕方なく最後まで読んだけど・・・。
夏休みの友か?
167 :
吾輩は名無しである:02/07/31 19:48
糞スレあげんなヴォケ
おれは『愛の試み』を読んで反吐がでて、こいつの小説は読まなくても
いいと思った。
169 :
吾輩は名無しである:02/07/31 20:21
おのれ、糞スレだと!!
ゆるさん!
170 :
吾輩は名無しである:02/07/31 20:36
ボードレールの翻訳は最悪。
ゼミでも自分の著作を何冊も買わせ、セクハラ三昧。
糞に失礼だが、糞だこいつ。
171 :
吾輩は名無しである:02/07/31 23:10
たまに上がったと思ったら荒れてんなあ
荒れてるというか、批判が続いただけじゃない?
>>172 批判ならいいけど、必要以上に作品を貶める文章が
いくつかあるので。
174 :
吾輩は名無しである:02/08/01 23:17
必要以上に作品を崇めたてる、文学を知らない馬鹿もいるね。
175 :
吾輩は名無しである:02/08/02 01:19
好きなら好きでその理由を、嫌いなら嫌いでその理由を
ちゃんと書いておけば、荒らしだの何だのと言われる事はなくなる。
「批判」と称するならば、批判たりうる程度の根拠や意見を
開陳せねば単なる好き嫌いだと言われても申し開きできまい。
176 :
吾輩は名無しである:02/08/02 03:34
170に書いたけど?
そんな奴でもいいのかな。
作家と作品を別に考えることなんてできないよ俺は。
当時の俺の彼女もセクハラ強要されたし。
作家とかいう前に人間として屑。
177 :
吾輩は名無しである:02/08/02 03:46
178 :
吾輩は名無しである:02/08/02 03:47
なんで?
179 :
吾輩は名無しである:02/08/02 04:00
1979年に亡くなった人に教わってたということは、結構なお年なんだなと思いまして。
それだけです。
180 :
吾輩は名無しである:02/08/02 15:39
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182 :
吾輩は名無しである:02/08/02 16:51
四十代ですか?
183 :
吾輩は名無しである:02/08/02 17:40
嘘ですか
184 :
吾輩は名無しである:02/08/02 17:50
謎ですね
185 :
吾輩は名無しである:02/08/02 18:00
セクハラじじい。
186 :
吾輩は名無しである:02/08/02 18:01
大変ですね
187 :
@@国防総長2年目@@:02/08/02 18:17
草の花すきです
188 :
吾輩は名無しである:02/08/02 18:38
そうか、福永武彦ってセクハラじじいだったのか。
懐かしいのでまた読んでみようかと思ったけど、もう読むのやめよう。
ボードレールの訳が糞との評価があるが、さもありなん。
マチネ・ポエティックの押韻定型詩は笑えるぜ。(しろーとでももっと
ましなのが書けるぞ。)
189 :
吾輩は名無しである:02/08/02 18:41
四十代ですか
190 :
吾輩は名無しである:02/08/02 18:55
セクハラじじいだったのならますます読みたくなる
>>188 おいおい、2chの情報を鵜呑みにするなよ。。。
福永の悪の華だって、とりたててよかないのは事実だが、
別にクソという程のもんじゃない。
マチネ連中の詩、今となっては噴飯モノでしかないこと
は間違いないが、そもそも福永って、詩人ではなく詩的散文
の書き手だったと思うな。
そんなこんなで、パリの憂愁は悪くないと思うな。
192 :
吾輩は名無しである:02/08/04 01:22
↑
ブラウザオートで名前が付いちゃったけど、オレは140ではない。以上。
193 :
吾輩は名無しである:02/08/04 01:38
>>190 自分の彼女が単位を盾に福永のペニスを銜えて飲まされてもそう思えるか?
194 :
吾輩は名無しである:02/08/04 01:43
195 :
Rξ国防総長2年目ξR:02/08/04 01:59
人格なんてどーでもいいじゃないか?
「福永武彦」は二人いる。
それだけだ。
196 :
吾輩は名無しである:02/08/04 02:04
こんな書き込みを信じる人がいるのか…
197 :
吾輩は名無しである:02/08/07 09:45
孤独あげ
198 :
吾輩は名無しである:02/08/07 13:07
>>176 セクハラのくせにあんな甘ちょろい小説ばっか、書いてたのか(w
もっと詳しい情報きぼんぬ!
情報はどんどんださなきゃ風化するぜよ
199 :
吾輩は名無しである:02/08/07 13:45
↑嘘に決まってんだろ
200 :
吾輩は名無しである:02/08/07 13:53
福永信者は、キモイ童貞処女ばっか(w
201 :
吾輩は名無しである:02/08/07 13:56
童貞は文学です
202 :
吾輩は名無しである:02/08/07 13:58
桜桃は哲学です
日本語むずかし〜
204 :
吾輩は名無しである:02/08/07 15:45
確かに初期の作品は「甘ちょろい」というか
少女趣味的かもしれませんね。
私はそれも好きですが…
晩年の作品である「死の島」なんかは如何でしょうか?
形式・内容共に面白いと思ったんですが。
この人といえば「草の花」ばかりで
意外と読まれてないような気がします。
205 :
吾輩は名無しである:02/08/11 22:03
age
206 :
吾輩は名無しである:02/08/14 00:21
おまいら、風花はいいじゃないか。
207 :
吾輩は名無しである:02/08/14 20:53
福永のように、自分の心に問うた文学者は、後にも先にもいない。
ただ、一般に受けなかっただけ。そもそも、命題は一般受けしないのである。
やつの想いや、言いたかったことは、今でも胸に刺さり続けている。
やつは、昭和のランボーだ。
208 :
吾輩は名無しである:02/08/19 20:19
>204
今まさに「死の島」読んでいますよ。
こんな面白いものが何で絶版になっちゃうんだろうと
不思議です。
素子
私
│
安子さん−◇−郁代さん
│
直之さん
廃市・・昭和34年のフクザツで不可能な関係と言ってみる。
ズレてる(ウチュ)
│
◇
│
正
>>207 福永ヲタきもい。
おまえランボーもちゃんと読んでないだろ(w
214 :
吾輩は名無しである:02/09/11 01:34
孤独&愛
ひゅくながヲタが、他に誰を読んでいるのか気になるw
216 :
吾輩は名無しである:02/09/11 17:30
堀辰雄ナンチャって。
もう23年たつのね。死んでから。
人生の後半は、ほとんど闘病生活だったんじゃないの。
セクハラなんかしてる体力あったんかいな。ちと疑問。
もっとも、作家なんて人格なんてどうでもいいよ。残された作品が勝負。
そういう意味では福永はいい仕事をしたと思う。
217 :
吾輩は名無しである:02/09/11 18:16
みなさん、池澤春菜はアリなんですか?
218 :
吾輩は名無しである:02/09/12 23:21
先日「忘却の河」を12年振りに読み返してみた。
まず、その物語構成の素晴らしさにあらためてビックリした。
読者をグングン引き込んで行く、小説の持つ力(独特の暗さ?)にも。
いまや絶版状態なんで、講談社文芸文庫にリクエストしといた。
因みにわたしは5年ほど前神田の古本屋で新潮文庫から出ていた一式を全て手に入れた。
219 :
吾輩は名無しである:02/09/12 23:38
『死の島』だけ読んだことがある。
詳しく憶えていないが、主人公の前で被爆した女性が自分の肌を晒す
部分が印象に残っている。今でもときどき、あの場面で主人公に一体
何ができただろうと考えることがある。
カタカナ表記だけの章が妙に恐かった。
未来都市
221 :
吾輩は名無しである:02/09/26 04:52
みんなも知っての通り池澤春奈(声優)は池澤夏樹の娘なのだが。
土曜日の午後のNHKFMに毎週レギュラー出ている事にはなぜ触れないの?
福永武彦(文学家) 池澤夏樹(評論家) 池澤春奈(声優)
これは、凋落か栄光か?
222 :
吾輩は名無しである:02/09/26 04:57
何も考えていないNHKらしさ。
日比野克彦やドラもNHKの常連だしwww
島尾敏雄だって、伸三(写真家)→まほ(漫画家)でつ。
224 :
吾輩は名無しである:02/09/27 03:13
こんな時代だからこそ、福永武彦を読まなければならない。
日本の作家の中で、福永ほど真摯に孤独と死について考え続けた作家はいない。
戦後文学の金字塔
@大岡昇平「レイテ戦記」A大西巨人「神聖喜劇」B福永武彦「死の島」
225 :
吾輩は名無しである:02/09/27 12:07
渋いなあ
読んでみるよ
226 :
吾輩は名無しである:02/09/27 23:57
綾子をだましてた元恋人(ヒモ男)が実はいちばん孤独なのかも
…て思いました
227 :
吾輩は名無しである:02/10/03 16:53
age
228 :
吾輩は名無しである:02/10/03 21:57
>>224 その『死の島』はどの出版社から出てるですか?
新潮からは二冊しか出てないんですかね?見当たらないのですが。
講談社文芸文庫の棚見てみるか…
229 :
吾輩は名無しである:02/10/03 22:10
「死の鳥」はとっくに絶版です。古本屋でどうぞ
230 :
吾輩は名無しである:02/10/04 01:12
>>229 手塚治虫作品で、そんなのあったなぁ(藁
231 :
吾輩は名無しである:02/10/06 16:53
age
>>230 火の鳥も、は行の発音が明瞭でない人は死の鳥ですな。
従兄弟の母の父が煙草を吸うときライターを持っていないと
「おい、○○(オレの名前)、しー貸してくれ、しー」
と言っていたことを思い出しました。
彼の死因は肺ガンではありませんでした。
233 :
吾輩は名無しである:02/10/10 12:22
神保町界隈で、絶版になっている福永作品が
ありそうなお店があれば教えていただけませんか?
234 :
吾輩は名無しである:02/10/10 13:01
>234
ありがとうございます!
ほんとにいっぱいありますね。驚きです。
236 :
吾輩は名無しである:02/10/13 00:11
今、「海市」読んでます。
なんか↑の方で皆さん絶賛されてますが、二部の最初の方まで読んでスゲー退屈・・・
ほんとに傑作なんですか?
237 :
名無しだよ:02/10/13 05:19
新潮文庫の死の島読ませろ。
238 :
名無語んべゑ:02/10/13 19:08
福永は、学習院大学の教授だったはずだが、ということは、
自分の彼女がフェラチオさせられたとか書いているやつ、
彼女が学習院だったということを自慢いたしておるのだね。
しかし、単位のために寝たり、フェラするとは、私の知っている
学習院の女性にはいなさそうだけれどもねー。まあ、ごめんあそ
ばせ。
学習院で自慢になるかなあ
240 :
吾輩は名無しである:02/10/13 21:43
中華、ストーカーみたいなヤツで、最近でも歌舞伎役者の周りにまつわりつき
私は彼と13年生活を共にしていました、とか本気で主張していた女性がいた。
しかし、本人は20年以上前から家庭を持ち、別居していなかった。
結局、裁判所から、周囲200m以内に入るべからず、という判決がでたが、全く
無視!そういう類のキ印の女性って、作家の周りにも結構おおい。
241 :
吾輩は名無しである:02/10/13 23:41
?
242 :
吾輩は名無しである:02/10/14 11:33
このスレの「福永セクハラ説」は嘘だろうな。遺族に訴えられたら、嘘のカキコした
奴は、間違いなく名誉毀損で裁判で負ける。
すでに誰かも書いているが、福永は昭和54年に61歳で死んでいる。今から23年
前だから、当時22歳のゼミ生なら現在45歳だ。そんな年齢の人間が2ちゃんねる
やって、当時の恋人が受けたセクハラ行為について福永を弾劾しても、説得力ないな。
>>242 そろそろ時効だし、ってんじゃないの?
2ちゃんって結構年配で書き込んでる人もいるみたいよ。
今まで言えなかったのが、匿名掲示板ができたからチクっちゃえ、ってことだろ?
244 :
吾輩は名無しである:02/10/14 12:12
訴
福永の作品はきらいじゃないが、福永信者はマジきもい。
一般人にそう思われてることに気付いてないとこがさらにきもい。
信者のカキコより、チクリの方が面白いという罠。
246 :
吾輩は名無しである:02/10/14 12:16
必死だ
247 :
吾輩は名無しである :02/10/14 17:36
信者は、いつの場合でも、きもいものだよ。宗教、政治、
芸能(タレントで自分の事務所の社長を「おやじ」とか云う
やつなんか)、みんなきもいってば。
ところで、今から23年前の61の福永は、病状がかなり
悪化していて、とてもちんぽを立てるどころではなかった
はず。30代にしてほとんど総入れ歯になり、周囲には
ひたかくしにしたようであるから、そこまで自分の秘密を
さらけだしたくない男が、ふにゃちんをしゃぶらせるだろう
か、ということだなー。とすれば、少なくともさらに
10年はさかのぼる事件とみる必要があって、
そしたら、いま55歳じゃないかー、55歳の
文体じゃないような気がするな、あのちくりの文体は。
むしろ、入れ歯を外した福永にフェラチオしてもらった
ほうが気持ちいいのでは、と書いたとたん、吐きそうに
なったオレって…
248 :
吾輩は名無しである:02/10/14 17:40
ちと補足だが、ふにゃちんをフェラしてもらうのも、
じーさん的にはきもちいいかもしれん、という反論が
予想されるのだが、つまり、スタイリストの福永
が、ふにゃふにゃシワだらけのちんぽを、若い女子学生に
さらけ出しはしないだろう、という、美学の問題なんだなー。
堀なんかも、少女愛のときのカッコつけは、気持ち悪い
からなー。福永も同じだよ。
よって、この問題は、一見落着。
>自分の事務所の社長を「おやじ」とか云うやつ
イエローキャブとか?
250 :
吾輩は名無しである:02/10/15 10:21
北島事務所のことじゃねーのー? 所属のおねーちゃん
タレントがいう「おやじーい」とは違うと思われ。
たしかに、ジョージ山本なんて、おやじのことを言う時は
目がうるうるしている。
251 :
吾輩は名無しである:02/10/15 12:38
>>248 堀の周りにいた人たちの中で福永は一番離れた位置にいたと思うがな。
前にも書いたけど福永の晩年は病気との闘いで、それどころじゃなかろう。
谷崎のように精力絶倫なわけが無い。
252 :
吾輩は名無しである:02/10/22 01:15
「死の島」ゲーッツあげ
253 :
吾輩は名無しである:02/10/25 23:47
田口検証本、本日堂々発売!
馬鹿ども買え!!
我々の印税がかかっておるのだ協力しろ!
この、きわめて無礼なカキコについてのお詫び。
田口スレの住人ですが、ランディ周辺の汚猿が、盗作監視スレの
評判を落とすためのなりきりカキコを、
あちこちのスレで乱発しています。
こちらのスレッドを無礼なカキコで汚して申しわけありません。
どうかお許し下さい。m(_ _)m
何コイツ↑
この人えろじじいだったの?
W辺J一とどっちがすごい?
257
258 :
吾輩は名無しである:02/11/06 22:33
ネタとはいえ渡辺淳一と一緒にはしてほしくない
ごめんなさい。
>256
いや、大したコトじゃないからいいんだけどね。
261 :
吾輩は名無しである:02/11/13 17:29
ア ゲ
262 :
吾輩は名無しである:02/11/18 03:00
あげ。
草の花以外はつまんないね
263 :
吾輩は名無しである:02/11/18 22:18
>262
でも上げるんだw
264 :
吾輩は名無しである:02/11/18 22:23
『草の花』って宝塚で演ったらうけそうだな。
265 :
吾輩は名無しである:02/11/19 23:48
『草の花』について質問があります。
主人公汐見はホモなんですか?
なんだか、汐見は藤木との友情以上の感情を抱いていた印象を受けるのですが。
どうなのでしょうか?
266 :
吾輩は名無しである:02/11/20 00:33
>汐見は藤木との友情以上の感情を抱いていた印象を受けるのですが
もちろんそうでしょう。
ホモだとかたづけてしまえば、簡単です。
しかしそこで思考が停止してしまう。
もう一度じっくり読んでみてください。
267 :
吾輩は名無しである:02/11/24 00:03
>264
宝塚かあ…汐見・藤木を美形の男役にやってもらえば
たしかに受けるかもしれないけど、汐見茂思の複雑な
孤独さ加減は宝塚や演劇では表現できない気がするよ
268 :
吾輩は名無しである:02/12/01 02:53
あげ
269 :
吾輩は名無しである:02/12/01 10:37
>>266 小難しくいわなくていいだろ、簡単なことだ。
汐 見 は ホ モ で す っ て
270 :
吾輩は名無しである :02/12/01 20:09
池端夏樹が父は離婚して僕は母方に引き取られたと書いていた、
作品からも普通の家庭生活は無理そうだった。。
>269
単にホモだったら千枝子との恋もありえないじゃん
273 :
吾輩は名無しである:02/12/11 00:15
age
274 :
吾輩は名無しである:02/12/12 00:32
『死の島』読了あげ。
戦後文学の最高峰云々はともかく、賞賛したくなる
気持ちはよく分かった。
手のこんだ技巧を、露骨に感じさせないあたり、
名作の条件のような気がする
275 :
吾輩は名無しである:02/12/16 00:15
救出age
このスレでは『海市』が人気あるようですね
正直『塔』読んでツマンネーと思ってたのですが
とりあえずもっかい読んで見ます。というか読まないといけない状況なんですが
それとマイナーだ的なカキコが多いんですがそうなんですか?
あんまそんなイメージないけど
277 :
吾輩は名無しである:02/12/16 00:24
海市は激しくつまらん
278 :
吾輩は名無しである:02/12/16 00:24
>>276 昔はともかく、いまの絶版状況を考えると
はっきりとマイナー作家でしょう
>>277 ガ━━━━(゚Д゚;)━━━━ン!
『海市』買ったのに・・・100円だけど
海市は読んだときポルノっぽいと思ってしまった。
281 :
吾輩は名無しである:02/12/27 18:52
282 :
吾輩は名無しである:03/01/12 17:21
age
283 :
吾輩は名無しである:03/01/19 17:07
age
(^^)
(^^)(^^)(^^)
あちこちで会いますね山崎さん
『花を、花を潰しちゃ駄目よ』
素晴らしい。
『ここにねむの木があったんだね』
288 :
吾輩は名無しである:03/02/02 01:18
福永好きってやっぱクラシック好きなわけ?
自分は大のクラヲタで、アマオケで楽器やってるよん。
今でもよく覚えてるのは、草の花で、ショパンが甘いとかいう風説うんたらを
汐見がけなす場面。
これを呼んだ厨房の頃ショパン大嫌いだった自分は、なんでえこりゃ、と思ったが、
なんかあの汐見の言ってたこと、ショパンよりシューマンを評価していた筈の
吉田秀和の、最近のショパン再評価と似たパターンのような。。。なんかトシ食うと
わかることでもあるのかな??
そういやあの作品で汐見が無為に彼女を待つ日比谷公会堂って、厨房の頃よく
あそこらうろついていたせいもあり、そういう意味でもこの作品は脳裏に刻まれてる。
290 :
吾輩は名無しである:03/02/03 01:22
自分は大学生だけど、同世代の福永ファンっているのかなぁ…。
シベリウス好きだし「死の島」読みたいんだけど、手に入らない。
291 :
吾輩は名無しである:03/02/04 20:17
292 :
吾輩は名無しである:03/02/04 20:19
昨秋「未刊行著作集19 福永武彦」が発売になってます。
18,000円と大分高いけど。
東大の卒論なんかが掲載されています。良くあんな長い論文をフランス語で書けるな。
293 :
吾輩は名無しである:03/02/05 00:01
>>291 ありがとう。新潮文庫版が絶版でなけりゃと思うと、高いけど仕方ないか。
「海市」買った古本屋で在庫探してもらった福永のリストに「死の島」もあったんだけど、
買おうとしたら「すまん、インターネットで売れてた」ってことなのでした。
福永武彦の孫娘は今や声優だ。「キューティーハニー」のテーマソングなんか歌ってるんだからな。
>>294 >福永武彦の孫娘は今や声優だ。
池澤春菜のことか?
296 :
吾輩は名無しである:03/02/05 04:50
297 :
吾輩は名無しである:03/02/05 20:50
298 :
吾輩は名無しである:03/02/12 15:28
age
299 :
吾輩は名無しである:03/02/12 16:14
この人の作品を読んだことがありません。
(ボードレールの翻訳なら読んだことあります)
死ぬまでに一冊だけ読もうと思います。
ですので「最初に読むなら」という括りではなく、
「これぞ福永の真骨頂!金字塔!最高傑作!誰もが認める代表作!これだけは読め」
というのをおしえてください。
>>299 『草の花』以外ありえない。これは必読。ほかは読まなくてもよい
ありがとうございます!
早速amazonで見てみたらユーズド出品あったのでそれを注文して、
それだけじゃ送料もったいないからミキティのDVD
「シンブルV「ブギートレイン'03」」もあわせて買いました。
>>299 ミキティかよ!w
草の花読んだら感想聞かせてくれ
>>300 そうか?
「死の島」こそ読まれるべきじゃないか?
304 :
吾輩は名無しである:03/02/14 20:18
死の島、古本を注文しました。
ついでに加田伶太郎全集も。
船田学の名前でのSFも収録されてるそうで、
なんとなくそっちが楽しみになっちゃった。
とりあえず以上を読んで、もっとこの人の読むかどうか考え舛。
307 :
吾輩は名無しである:03/02/22 17:08
福永の孫(池澤夏樹の娘の春菜)が4月からNHK教育TVのフランス語講座の生徒役だって。
ギリシャ生まれで海外留学も経験しているっていうから期待できるかな。
308 :
吾輩は名無しである:03/02/22 20:41
池澤夏樹って娘がいるのか・・・
とりあえず福永の存在は池澤出現のための単なる布石ってことで。
福永武彦の孫が「た〜る」なんて言っている現実が今ひとつ理解できない・・・。
310 :
吾輩は名無しである:03/02/24 20:43
311 :
吾輩は名無しである:03/02/24 23:14
現在、新潮文庫で「草の花」「愛の試み」「海市」の3つしか
残っていないというのも恐ろしい話だ
「死の島」はとうに消えてるが「廃市・飛ぶ男」さえ絶版
しかも古本屋でもまず見かけない・・・・
初期の作品であって結構粗さがまだある「草の花」が残っているのに・・・・
福永的世界は、人工的な狭い世界のように思えて、現代ではリアリティが感じられない
ということなのであろうか。
「廃市・飛ぶ男」「風のかたみ」はブクオフでゲットしたよ
愛の試みはいいから死の島復刊して欲しいね
死の島 読み上げました。
草の花もよかったけど、俺はこっちのがよかった。
モトコタン…。
314 :
吾輩は名無しである:03/02/26 20:39
>>313 良い歳してなんだけど、俺的には綾子が切なくて哀しい。
>>312 「死の島」は新潮社でオンデマンドで手に入るけど高い。
って思ったら勘違いでした。今新潮社からオンデマンド出版で手に入るのは以下のとおり。
「忘却の河」 2800円
「廃市・飛ぶ男」 3100円
「風土」 4400円
「随筆集 別れの歌」 2600円
「随筆集 遠くのこだま」 2300円
「随筆集 枕頭の書」 2500円
「随筆集 書物の心」 2500円
「風のかたみ」 3700円
「随筆集 夢のように」 2300円
「夢みる少年の昼と夜」 3000円
「海市」 4400円
「随筆集 秋風日記」 2100円
「加田伶太郎全集」 4000円
古書探した方がいい。
http://www.murasakishikibu.co.jp/oldbook/ で検索すれば4,000円前後で手に入る。
315 :
吾輩は名無しである:03/02/26 20:40
>>314 すまん、古書4,000円は「死の島」上・下です。
>314
アドヴァイスありがと
古書で死の島注文しました
317 :
吾輩は名無しである:03/03/06 16:06
age
『風土』の単行本を95円で、
『死の島』の文庫版を各100円でようやく古本屋で見つけた〜〜〜。
318 :
吾輩は名無しである:03/03/06 16:13
319 :
吾輩は名無しである:03/03/06 19:43
320 :
吾輩は名無しである:03/03/15 11:23
age
池澤夏樹って福永を100としたら、30くらいじゃないのか?
文学者としての才能は?
>>321 30あるか? 池澤、いい香具師だけど、文学の才能はな〜ぁ
323 :
吾輩は名無しである:03/03/22 16:45
>>321 「スティルライフ」と「風土」を較べても才能の差は歴然としているように思うが。
324 :
吾輩は名無しである:03/03/22 16:46
それよか春菜のNHKフランス語会話が見ものだな。
325 :
吾輩は名無しである:03/04/07 18:23
あげ
326 :
吾輩は名無しである:03/04/07 21:12
私は、福永武彦の文学者仲間だった、中村真一郎さんがすき。
中村さんによると、福永さんの死後、世の中に発表する価値のある未発表作品
が、奥さんのかたくなな意向で未だ闇のなかだとか。
本当だったら残念ですね。
327 :
吾輩は名無しである:03/04/11 12:57
328 :
吾輩は名無しである:03/04/11 17:03
>>326 熱愛者だっけ?
これはおもしろいと思ったよ。
日本文学全集に二人で載せられてるよね。。
草の花の文庫を今日買ってきたので
スレ探してみたらあった!
今日からROMることにします
330 :
吾輩は名無しである:03/04/12 00:55
実家に帰省した時、たまたまあった短編集「廃市」を読み、
一発でトリコに・・・・。
池澤夏樹さんのお父様だったんですね
331 :
吾輩は名無しである:03/04/12 02:03
>>329 「世界の終わり」、「廃市」もいいYO!
332 :
吾輩は名無しである:03/04/15 00:11
死の島、ネットの本屋で2000円以下でゲット出来ました。
いま読んでる本を読み終わったら読み始めます。
いままで読んだ福永のはどれも良かったから、楽しみだなぁ。
シベリウスでも聞きながら読むとしますか。
シベリウスいいねえ。
334 :
吾輩は名無しである:03/04/19 17:48
>>333 シベリウスは寂しすぎる。好きだけど。
福永は北方志向なのに息子は南方志向ってのは面白いな。
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
>>334 寂しいからいいんだよ、シベリウス。
北方志向というとグレン・グールドも思い出すなあ
福永作品にも合うんじゃないかと思う
337 :
吾輩は名無しである:03/04/20 04:18
高校生だけど、大の福永ファンでつ。図書館で草の花借りて読んだのが最初で、
その後主な長編は大体読みました。ベストは死の島。あんなに悲しくって、胸
を打つ作品は呼んだことないでつ。一番惹かれるのは素子さんかな。
338 :
吾輩は名無しである:03/04/20 09:49
>>337 素子が好きとは渋いね。
おれは綾子が好きだ。いい年したおっさんだが。w
339 :
吾輩は名無しである:03/04/23 20:40
340 :
吾輩は名無しである:03/04/27 02:52
高校生なのに、渋いなんていわれてしまった(苦笑)まあ、素子さんはあの死を
内にたたえた切ない感じがすきなんで。ちなみに、「死の島」で皆さんは三つの
結末のうち、どれを選びます?
341 :
吾輩は名無しである:03/05/08 12:34
『風土』と桂三枝って関係あるの?誰か教えて!
今、樹を読んだところ
酔ってしまう。。
高三です。偶然古本屋で、ハードカバーの「忘却の河」を200円で入手しました。
これから読みたいのですが、受験勉強がいそがしくて・・・・・・
>>343 200円だとう!!いいなあ、どこの古本屋?
短編集のような構成だから勉強の合間にも読めると思うよ
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
「死の島」は、福永の代表作と言うにふさわしい作品だね。
積み重ねられる日常の描写がいい。素子と綾子が愛しくなる。
でも俺は、「忘却の河」がたまらなく好きだ。ここでは人気がないけれども。
賽の河原、幻の子守唄。
俺ら日本人の魂の根っこには、寂しい河が流れているんだ、
とちょっと感傷的に考えてみたりする。
>>344 老人が片手間に開いてるような店でしたw
ではこれから読んでみたいです。
>346
いいこと言うなあ。
俺も忘却の河はかなり好きだよ。
349 :
吾輩は名無しである:03/06/10 08:59
マスコミの「盗聴、盗撮」は許されるの?その9
http://natto.2ch.net/mass/kako/1016/10165/1016527634.html 54 名前: かおる ◆31hpx6to 投稿日: 02/03/22 04:20 ID:SNZoz4gQ
作家を目指して勉強中の男のネタをねらって、盗聴盗撮のストーカー行為が
行われた。収集したネタと引き換えに利得を得た彼らは、作家の口封じに、
彼の情報から虚偽の危険人物を作り上げ、巷にうわさとして流布した。
作家を危険人物と認知した者達は、グループを結成し、監視体制を確立した
が、作家本人からの事情は聞こうとせず、監視と犯罪者に対する私刑は、延々
と行われた。
死の島の文庫がほしいが・・。どこにもない。
やっぱオークションでハードカバー版買うしかないか。
351さん
どうもありがとう
死の島下巻400円でゲットできそうです。
上巻よんでから2ヵ月あいたけど、やっと読める!
回想と現在と小説が入りみだれた構成だったよな..
届くまでにもう一度上巻読まねば
353 :
吾輩は名無しである:03/06/18 22:40
死の島、読んだ。さすがに代表作だけはあるね。
ところで、みなさんシベリウス好きなんですか?
漏れは3番とか5番が好きです。
354 :
吾輩は名無しである:03/06/19 03:46
2番だな
355 :
吾輩は名無しである:03/06/19 23:36
2番もいいんだけど、シベリウスっぽさは他の曲のほうが濃いと思うなぁ。
2番は演奏時間とか最後の盛り上がりとかで演奏会のメイン曲にしやすいから
代表作みたいに扱われてるんだと思うよ。
福永読む前からもともとシベリウス好きなんだけど、
相馬がシベリウス論を語るとこの台詞、自分の言葉みたいで変な感じだった。
356 :
吾輩は名無しである:03/06/24 01:39
発見とりあえずage
357 :
吾輩は名無しである:03/06/24 19:44
若い頃、すごく好きな人が出来た時
「愛の試み」何度も何度も読んだなぁ。
恋愛教本の古典だと思うんだが。時代が変われど人の気持ちの在りよう
なんて変わらないしね。
358 :
吾輩は名無しである:03/06/24 21:09
359 :
吾輩は名無しである:03/06/26 21:35
草の花、読み始めましたage
360 :
吾輩は名無しである:03/06/26 21:36
ああ、それ最後はね・・
361 :
吾輩は名無しである:03/06/26 21:36
藤木と・・
短編でおすすめは何ですか?
>>362 「遠方のパトス」なんてどう。
手に入らないかな。
364 :
吾輩は名無しである:03/06/28 10:22
365 :
吾輩は名無しである:03/06/28 10:52
>>364 ま・じ・で?
ちょっと待ってて・・
読み返してレスつけるから
366 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:00
あったあった・・
僕は藤木といるこの瞬間を、永遠のように感じた。
こうして二人きり向かい合ってさえいれば、それで僕の幸福はすべて充たされるのだ。
うわーヤオイの世界だねっ
367 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:01
あっ、死んじゃった・・
368 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:16
――僕は何も千枝ちゃんをモデルにしてそっくりそのままを書くつもりはないさ。
けれども僕には、千枝ちゃんをもとにした僕だけのイメージがある。
それは普遍的なものにまでたかまった、青春の美しさのようなものだ、
僕はそのイメージが書きたいんだ。
――だってあなたの言う千枝ちゃんは、あなたの頭の中に住んでいる人よ、
このあたしのことじゃない。
――そんな馬鹿な。
藤木忍に失恋した汐見(童貞)は、性懲りもなく忍の妹千枝子タソにハアハア・・
どうなる汐見?
369 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:24
大学図書館に入っている全集を持っている香具師はいる?
あれがあったら絶版だろうがなんでも読めるんだがな。
370 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:30
図書館に入ってるなら読めるじゃん
371 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:37
大学図書館だしな。貸出手続きも面倒だし、好きな作品が
収められている巻を買うのが(・∀・)イイ!かなって思った。
大きな国立私立大の図書館ならどこでも読めるかもね。
貸出手続きも面倒・・普通の大学じゃないのか?
俺んとこは受付に並んでカードと本を渡すだけだが?
373 :
吾輩は名無しである:03/06/28 11:47
>>372 漏れは今春院を修了して地元へ戻ってしまったので、
学生時代みたいにはいかんのよ。
記憶では学外の人間が借りるには、特定の日時や
申請等手続きがあったような気がする。
ちなみに、あの全集ってバラ売りしていないのかな?
検索に引っかかってこないところもあるし、
Googleで見つけた店だと、全20巻で80000円だと。
そのうち5,6冊でいいのでバラ売りしてほしいものよ。
出版元の新潮社の検索では引っかかってこなかった。
絶版なんて反省汁!
373=375は修士論文福永じゃないんだな
もっと全集が安い作家だったのか?
漏れは実験生物系でバリバリの理系ですた。
今は企業の研究職。でも文学は大好き。
実験の合間に中央図書館で福永を借りてきては
寝る前や休日に近所のカフェで読んでいた。
全集じゃなくて全小説で検索してみれば?1冊1000円くらいで、そう高く
もないよ。
379 :
吾輩は名無しである:03/06/28 18:27
この人カダレイタロウって名前で推理小説かいてなかった?
380 :
吾輩は名無しである:03/06/30 18:37
千枝ちゃん(´д`)ハァハァ
381 :
吾輩は名無しである:03/07/01 19:10
草の花、読了age
とてもよかったです。これほど美しい作品はそうはないでしょう。
草の花だけは絶版になって欲しくないね。
383 :
吾輩は名無しである:03/07/01 23:41
死の島
忘却の河
夜の三部作
夢見る少年の昼と夜
秋の嘆き
心の中を流れる河
夜の寂しい顔
見知らぬ町
未来都市
ぜーんぶ再版、復活させろYO!( ゚Д゚)ゴルァ!!
384 :
吾輩は名無しである:03/07/01 23:48
どこがいいの?
具体的に説明してみてよ。
385 :
吾輩は名無しである:03/07/01 23:59
とりあえず文章が理知的。嫌味な衒学的なものではなくて、
端正で透明感溢れる文章。難癖をつけたくない綺麗な日本語。
死、恋、愛、孤独がテーマ。観念的なタイプな人間にはたまらない。
これでもか、これでもかと人間のドロドロした部分(暴力や性)を
見せつけたり、良いも悪いも感動を強制するようなストーリーや
語り口ではなく、知らず知らずのうちに耽溺してしまうような
作品が多い。
・・・全然具体的になってないな。対極だわ。
手許に福永本がある諸兄、フォローおよび訂正頼む。
386 :
吾輩は名無しである:03/07/02 10:09
>>385 あなたの説明、上手だと思うよ。
失礼ながらわたしが付け加えることがあるとすれば、
@作品によっては、時系列の組替えなどを交えた大胆な
構成を採り入れ、それが物語の趣を深くしている。
Aキャラクタ造型の点において、いくらか理想主義的な面
は認められるものの、昨今の小説には稀有な美しさ、誠
実さをもった人物が際立ち、それが哀しくも清涼な読後感
をもたらす。
あまり自信はないのですが、参考にしていただければ幸いです。
>385
>>知らず知らずのうちに耽溺してしまうような
激同。
この人もっと再評価されてもいいんじゃないかと思う。
388 :
吾輩は名無しである:03/07/02 17:35
【繰り上げ当選、繰り上げ前は落選】 だよ
共産党は「クリ−ン」が売りじゃないか。ブツブツブツ
表は政治資金の半分は党に渡して、党として党員が全員均等に使用すると
言っているが、単なるネズミ講式の『上納金式』の資金集めじゃないか。
今回の共産党党本部のビル新築、募金活動が全て。(笑っちゃうよマジに)
○○十万寄付で共産党の記念品ですと?(本当かよ)
無利息で共産党へ貸付
すべて『上納』じゃないか。
こんな事が大きく報道されたら、
繰り上げ当選の大門なんか,,,『ただの爺−じゃねーか!』 そうだろう
今日、本屋で探したけど無かったみたいだったよ。
古本屋に行かないとダメなのかな。
灰市という文庫を持っていたんだけど
どこかにいっちゃった。
何から読むのがいいかな?
390 :
吾輩は名無しである:03/07/02 21:36
>>384 現在福永の本で、一般の書店(そこですら少なくなっているが)で
手に入るのは、新潮文庫の「草の花」「愛の試み」「海市」
「廃市・飛ぶ男」の四冊。
「草の花」はログにある通り、まずは読むべき。青臭さを感じるかも
知れないけど、まずは読んでみてください。
あなたが観念的なタイプだと御自身を評価しているなら、
「愛の試み」も普通に読めるでしょう。これら二冊を読んだ後、
もっと読みたいと思うなら、大きな図書館や大学図書館に行って、
全集を手に取ってください。「忘却の河」「死の島」を探してみて。
きっと気に入るでしょう。
そうか、図書館に行く手があったね。
ダンケ!
392 :
吾輩は名無しである:03/07/04 17:46
結局、「風のかたみ」がいちばん好きなのって、邪道なのかな。
池澤夏樹って、父親の悪いところだけ遺伝した気がする。
「風のかたみ」やっとカバーが写真じゃないのみつけた。
393 :
吾輩は名無しである:03/07/04 17:49
古い話だが、シベリウスは四番すき。六番→七番→二番→一番→四番の順に好きになった。
四番と五番のコンサート。プログラム
四番
休憩
五番
フィンランディア
アンコール
394 :
吾輩は名無しである:03/07/04 19:21
>392
福永武彦の子供なの?
池澤夏樹ってどんな作風なの?
名前は知ってるけど、読んだ事無いのです。
>392
池澤夏樹は最初の妻との間の子ども。
福永自身とはほとんど一緒に生活したことは無いらしいです。
396 :
吾輩は名無しである:03/07/04 21:12
池澤夏樹は、たぶん、芥川賞受賞作「スティルライフ」以外よまない方がよいと思う。
福永から、含羞や詩情を取り除いて、どろどろしたこっぱずかしさだけ受け継いだような作家
と、思われる。
397 :
吾輩は名無しである:03/07/05 21:58
福永に近い作風のひとっている?新旧問わず。
398 :
吾輩は名無しである:03/07/05 21:58
堀辰雄
福永は堀の直弟子だから、
作風が似てると言えば確かに似てるけど……
中村しんちゃん400(σ・∀・)σ ゲッツ!!
401 :
吾輩は名無しである:03/07/06 03:01
>>400 そういえば、中村しんちゃんと福永の対談集を最近読んだ。
彼らは東大エリートだけど、ちゃんとブンガクしていたよね。
まあ、東大生が文学することが日本の悲劇と言えば言えるけど。
でも彼らはブンガクしていたよ。
で、俺たちは何をしているのか? ちょっと哀しくなるよな。
>>398-401 ありがとうございます。
読んでみます。
スレ違いで恐縮なのですが、burger nuds というバンドの某アルバムに
「草の花」という曲が収録されているのですが、やはりただの偶然でしょうか。
>>402 きっと偶然ではないのでは。
webで調べたら「美しいメロディーと多感な詞…圧倒的存在感を放つ楽曲群」とあるので、
きっと影響を受けているでは? 聞いてないので、以上推測です。
福永が好きなら、室生犀星の小説は読んだ?
それから北杜夫もいいかもね。
404 :
吾輩は名無しである:03/07/06 17:32
北杜夫は、いいかも。初期の短編とかね。
「星のない街路」がいいけど、いま、手に入るのかな。
405 :
吾輩は名無しである:03/07/07 09:32
モ−リヤックや高橋たか子あたりは?
両方とも絶版の嵐だけど..
>>401 べつに・・・。オバチャンはオバチャンしていてくれればいいでつ。
407 :
吾輩は名無しである:03/07/07 12:14
>>395 池澤夏樹の「沖に向かって泳ぐ」(インタビュー本)にソースあり。
「塩の道」処女詩集はわりと好きです。池澤氏は翻訳や詩作の方が感性があふれてる気がする・・・
「海市」を読み始めますた。
意外なほどエロエロで、(・∀・)モエッてな感じでつ。
こんな読み方間違ってるとは思いまつが・・。
ごめんよ福永。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
411 :
吾輩は名無しである:03/07/15 21:58
唐揚
「海市」、読了。
ラストが謎解きみたいで感慨深い。そしてなんとも重い余韻が・・。
愛(の不可能性?)の問題に真っ向から取り組んだ傑作だと思います。
もうすっかりファンになってしまいました。
「草の花」といえば、昔石原慎太郎が日曜の朝の番組で
究極のラブストーリーとしてこの本を紹介してた。
>>402 「草の花」は知らないけど、立原道造の作品は沢山合唱曲になってるよ。
作風が近いってことでは堀より立原の気がするな。立原と福永は面識はあったんだろうか?
>>369 昭和62年の新潮社版のやつなら持ってるよ。
他に詩集や評論など全部で70冊ほど持ってる。
>>416 やだ!!
自分で手に入れろよ。
図書館にいけばあるだろうが。
あ、万引きしろって事じゃないよ、為念。
茂思という名前は、俺にとっては生涯の墓標だ。
420 :
吾輩は名無しである:03/07/28 00:37
カレワラ読みたい。
というか、なんで岩波文庫絶版なんだ?
新潮文庫の「死の島」もそうだけど、絶版にしちゃいかん本でしょ。
>>415 をを! そんな貴方にぜひお尋ねしたい、
池澤夏樹、どうです?
死の島を文庫で読みたいけど、オンラインで探しても無いね。
ハードカバー買うしかないのかな。
「草の花」は美輪明宏も推薦してたね
福永の『古事記』が最近出版されました。参考までに。
河出文庫『現代語訳 古事記』 福永 武彦【訳】
河出書房新社
ISBN:4-309-40699-8 455p
\840(税別)
426 :
吾輩は名無しである:03/08/11 03:52
『未来都市』は福永作品には珍しく、展開自体が楽しめる内容だった。
ラスト…綺麗に落ちてはいるけど、あーあという感じ。
理想にこだわった戦いよりは、欺瞞があっても平和の方がいいという考え方なので
「なんてもったいない…」という感想を抱いてしまった。
それにしても主人公ってすっげえ迷惑な奴。
安楽よりもむざむざ苦悩の道を選んでしまう上に、
他人をそれに巻き込む人間がいるのは何故なのだろうとか思ったわ。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
428 :
吾輩は名無しである:03/08/16 11:24
age
家の書庫を探ってみたら、ありました。福永武彦。
新潮社が1967年に発行した日本文学全集50巻目に、
福永武彦の『飛ぶ男』という短編が。
まさか有るとは思わなかったので、ちょっと嬉しいです。
今夜読んでみます。わくわく。
「退屈な少年」の主人公が、
くよくよ悩む大人たちをよそにマイペースで可愛い。
福永作品では比較的話が丸くおさまってほのぼのしているよね。
8月23日
日本産経新聞の夕刊に
福永武彦の「廃市」がテーマに
風景写真付きで載ってました
『名作のある風景』というタイトルだったので
内容がどういうっていうよりも
福岡の柳川をクローズアップしておりました
432 :
吾輩は名無しである:03/09/03 00:00
福永好きなんで池澤夏樹の『スティル・ライフ』読んでみた。
思ったより結構おもしろかったよ。
でも、哲学好きの自分には冒頭のって「これカントじゃん?」って感じがした。
古事記訳どうなの?
古事記くらい古いと読み方ひとつとっても
いろんな説があるみたいだけど。
今日ブックオフに足を運んでみたら
『愛の試み愛の終わり』の初版が100円だった。
しかもかなり美の状態でこのお値段。
ブックオフの懐の深さに恐縮してしまった。
435 :
吾輩は名無しである:03/09/06 03:36
>>432 『スティル・ライフ』は良い同意。
父上の純文学と物理(科学?)っぽさが融合されて、独創的。
しかし、写真でみると全然、父上と似てないですね。
『独身者』が好きなんだけど、
誰も読んだことないのかな・・・
葬儀はキリスト教式で、
洗礼受けたこと知らなかった知人は戸惑ったそうな。
恋愛について考え抜いたらキリスト教になっちゃったってこと?
438 :
吾輩は名無しである:03/09/07 02:08
お。このスレで叩かれ続けてきたムスコが評価されてる。
おれも「スティル・ライフ」好き。
>>436 「独身者」、おれも読んだ。どんな話だっけ?(w
今、「夢見る少年の昼と夜」読んでる。読みやすくて良い。
439 :
吾輩は名無しである:03/09/07 22:39
440 :
吾輩は名無しである:03/09/07 22:43
『独身者』って未完だよね?
最後どうなってんだろう。
福永の場合、ラストが重要だったりするから、未完だと読む気しないかも。
今、『風土』読んでます。二章目のところ。
あんまこの作品好きじゃなさそ・・。
キリスト教に
入信したのは死の間際。確かプロテスタントだったよね、奥さんは10年以上前から
入信してたみたい。
ボートレリアン福永がカトリックじゃなかったのが意外でした。
442 :
吾輩は名無しである:03/09/09 23:54
入信してたのは死の間際でも、キリスト教との関係は抜きにして福永は考えられないだろうね。
『草の花』では千枝子がクリスチャンだったり、『死の島』も綾子が教会行ってたりするけど、
そういううわっつらのところだけにとらわれないでも、福永の作品って根本的にキリスト教的だと思うな。
443 :
吾輩は名無しである:03/09/10 00:04
福永武彦の母トヨは大阪の日本聖公会系のミッション・スクール、
プール女学院を卒業、同じ聖公会系の芦屋の聖使女学院を出て
伝道師となり、山陰地方を伝道活動したという経歴を持つ。
父末次郎もパブテスト教会に属する信者で、
母の死後は武彦を伴って教会へ通ったようである。
武彦は幼時から、キリスト教的家庭で成長したのであった。
[出典]
新潮日本文学アルバム50 福永武彦より
『廃市』を読了しました。
柳川の行き交う船のように、福永の文章が流れ出るようで、情景が目に浮かびます。
あとがきに福永自身、この小説を楽しんで書いた、とかかれてあり、こちらも嬉しくなりました。
みんな書くことが上品ですね
446 :
吾輩は名無しである:03/09/11 23:45
『世界の終わり』がなかなか手に入らず、困っております。
「日本の古本屋」「スーパー源氏」にもありませんでした。
もしどなたか、『世界の終わり』を見かけたらご一報下さい。
関東近辺なら行きますが、webならなおさら嬉しいです。
お願い致します候。
447 :
吾輩は名無しである:03/09/11 23:46
日本の古本屋リンクは? 検索しる!
448 :
吾輩は名無しである:03/09/11 23:49
『世界の終わり』じゃなくて 『世界の終り』で検索したら沢山ありました!
お騒がせ致しましてかたじけのうございます。
ドロン*
さすがに『世界の終り』の初版、高い。・゚・(ノД`)
古本屋は儲かりますな。
それでも欲しいので買っちゃった。
ワンクリックで金が舞う。
>>451 あー、実感わかるぞな。
漏れも失敗したことある罠。
取り消そうかと思って、だが待てこのチャンスを・・
とか煩悶して。結局金が・・金が・・
そこまでして買った本に対する感動も大きい罠。
買えてしあわせ 読み終わって また しあわせ。
454 :
吾輩は名無しである:03/09/12 18:35
ブックオフで、文庫が100円で手に入ることも。
『海市』とか『夢見る少年の昼と夜』とかゲットしたよ。
あと近代文学全集とかも100円で売ってたりするので、読みたいのが入ってればって感じ。
もっとも、漏れは全小説持ってるんだけどね。
全集から小説抜いた残りだけが、正直ほしい…。
一番好きなのが「世界の終わり」
親がほこりをかぶせてた「日本文学全集」というのを
ヒマだったから読んでみたら驚いた
それから広尾の中央図書館で福永全集を読みあさりました
「深淵」というのも良かったよ
文庫になればいいのにね
>455
ちくま日本文学全集(文庫サイズ)の
「福永武彦」の巻に
「深淵」収録されてますよ。
>>455 送り仮名が間違っていますぞ。
『世界の終わり』 → ×
『世界の終り』 → ○
ちくま日本文学全集ってちょっと高いのがたまにきず。
>456知らなかった世ありがd
検索すると村上春樹のばっかり出てきますね…
>446もっと感想聞かせて
>>459さんへ
そもそも、私が間違っていたのです。
紛らわしくてごめんなさい (ノД`)
『世界の終わり』で探していたので検索しても見つからなかったのですが
『世界の終り』←(これが正しい)を「日本の古本屋」で検索したら、いくつか出てきました。
無事に購入できたので、今はそれが届くのをただひたすら待つのみです。
>460今はそれが届くのをただひたすら待つのみです。
そうだったのですか。そんな誤らないで下さいよぅ
届いたら、ぜひ感想をカキコしてくださいね
読んだひとの感想をいまだ聞いたことがないのです
462 :
吾輩は名無しである:03/09/20 11:15
死の島読み終わりました。
「私は綾子ちゃんでありソレであり・・・」と言う素子の台詞で鳥肌が立ちました。
福永の繊細であり丁寧な構想に感服。
しかも2人が死ぬ前に見る海・・・・・・。
福永の作品で海が出てくる度に、なんとも言えない感情を抱いてしまいます。
463 :
吾輩は名無しである:03/09/23 01:11
がーん、2人とも死ぬの?
いま、下巻を読み始めたところです。
一人は生きてると思ったのに。
ごめん、綾子が教会に行ってるってのは嘘だった。
読み直すと相馬の創作のなかでA子が行ってるだけだね。
創作と創作の中の創作の区別がごっちゃになってる…。
>462
福永文学において、海とか河とか、そういう水に関わるものって重要なエレメントだよね。
『風土』や『草の花』における海の存在とか、
『忘却の河』や『心の中を流れる河』にはタイトルに河ってそのまま入ってるし。
>463
ネタばれする気はないけど、そう気落ちせず読み続けるべしって感じ。
465 :
吾輩は名無しである:03/09/28 13:41
「風のかたみ」って面白い?
ブックオフでゲットしたんだけど。
>465
そこそこは
今日、時間が空いていたので福永の本をパラフィンで巻き直した。
なんという爽快感だろう。
468 :
吾輩は名無しである:03/10/16 14:40
ちょっとパラパラと読んだだけなんだけど
糞の花ってホモの話でしょ?
469 :
吾輩は名無しである:03/10/16 15:49
>>468 そう、むかしは青年期の同性愛はふつうにあったからね。
471 :
吾輩は名無しである:03/10/16 16:34
>>470 あったのです。堀辰雄の小説なんてみんなそうじゃん。
472 :
吾輩は名無しである:03/10/16 16:49
そう、だから旧制高校の寮のそばでは
どこでもワセリンがよく売れたという。
473 :
吾輩は名無しである:03/10/16 17:16
なんという素晴らしいお天気だろう、今日は光子さんに何でも
言えるぞ。
474 :
吾輩は名無しである:03/10/16 19:19
旧軍で出世したのは皆ホモ。
475 :
吾輩は名無しである:03/10/16 21:28
戦国時代の武将や新撰組でもホモブームがあったらしいね
ケツを差し出した武将は出世したらしい
476 :
吾輩は名無しである:03/10/16 22:56
>>468 あれを単なるホモ小説として片付けるんだ。
短絡的だね。絶版相次ぐ作家の単なる同性愛小説が
ずっと新潮文庫で存在しつづけることに疑問を持たない?
それこそホモ小説だからなんじゃねぇの?
478 :
吾輩は名無しである:03/10/17 01:37
>>477 ホモ小説の中でも、最も文学的かつ美しい小説だと思うのです。
479 :
吾輩は名無しである:03/10/17 22:42
俺は「心の中を流れる川」「遠方のパトス」が好き。
あと「ゴーギャンの世界」は名作。あれ読まずに死んでいくなんてもったいない。
>478
むしろ、あんなに肉欲の無いプラトニックなホモも不自然な気がするが。
物語後半の女との恋愛話では、セックス寸前まで行ってるのに。
481 :
吾輩は名無しである:03/10/21 17:37
藤木忍に恋をするくらいなら
笠木忍に恋をする方がマシ
482 :
吾輩は名無しである:03/10/21 17:56
最近メイク濃くなったな・・・笠木。
出始めのころはかわいかったのだが。
483 :
吾輩は名無しである:03/10/22 20:07
幼女を誘拐する話もあったよね。
484 :
吾輩は名無しである:03/11/13 00:50
age
草の花だけは絶版になりませんよーに。
486 :
吾輩は名無しである:03/11/18 11:19
「愛の試み」なんていらねぇから、
「死の島」を復刊しろ。文庫で。
487 :
吾輩は名無しである:03/11/21 01:34
モスラの脚本書いたことあるってホントですか?
なんかで読んだ記憶があるのですが・・。
488 :
吾輩は名無しである:03/11/21 03:22
(モスラはもともと原作が中村真一郎と福永武彦と堀田善衛で・・・それを映画化したもの)
屁ぇ〜
『モスラ』って豪華だね
491 :
吾輩は名無しである:03/11/24 22:35
最寄の駅にある書店の古本ワゴンセールで偶然に
福永の「告別・形見分け」(講談社;600円)を380円で入手。
耽溺age
死の島、上巻、読了。
払った金に見合った程度に結構贅沢な気分になれるけど、
個人的には文体はあっさりしすぎで好みじゃないな。
草の花の方が文体いいよね。
493 :
吾輩は名無しである:03/11/26 09:41
確かに私も文体は草の花のが丁重に書かれていて巧みだと思う。
でも死の島って一人の視点から書かれてない、尚且つ時間軸が特殊だから、上巻では
かなり混乱したけど。
下巻で2人が落ちて行くところは、鳥肌たった。
「草の花」読んでるよん
福永武彦の文体はガラス細工のように繊細で、しっかりした
叙情性があるね。好みだ。
ただし話は糞つまらん
全然つまらなくないと思うけど
「草の花」をつまらないと思う人がいるのか…。
まさに人の好みは千差万別だなあ。
私はクライマックスの部分を電車の中で読んでて、
「藤木、君は僕を愛してはくれなかった。君の妹は僕を愛してはくれなかった」(だっけ?)
のくだりで不覚にも泣いちまったよ。
私は一番最後に出てきた、汐見が千枝子にあてた手紙
「なんといっても僕たちは、長い間の友だちだったからね」
のとこですごく泣けた
…ごめん。それは俺がまだ全部読んでいないからであーる。
だって、サナトリウムの鬱陶しい描写がつづくんだもーん
499 :
吾輩は名無しである:03/11/30 00:13
>498
その後全部読んだ?
つうか話の佳境にも入ってない段階でくそつまらんはないだろ
福永武彦全集20巻、中古瑕疵なしで40000円で入手。
うれしい・・・
ついでに500get
501 :
吾輩は名無しである:03/11/30 23:16
堀辰雄の作品に雰囲気似ているのですか?
私「風立ちぬ」は退屈でしょうがなかったんだけど、
草の花買っちゃった。最後まで読みきれるだろうか・・・
502 :
吾輩は名無しである:03/12/01 00:32
>>501 退屈だよ、おそらく
なんとか「死の島」を入手してください
503 :
吾輩は名無しである:03/12/01 21:53
>>501 堀辰雄と事実上の子弟関係にあったからね。
堀開拓した可能性は、福永が殆どやり尽くしたと
言われている。
『風立ちぬ』は俺も退屈に感じた。『死の島』は確か
に面白いよ。
504 :
吾輩は名無しである:03/12/01 21:54
×堀開拓した可能性は
○堀が開拓した可能性は
スマソ
「風立ちぬ」は描写が素晴らしいじゃないか。
ストーリーはありきたりでつまらんけど、
綺麗な文章が良い感じです。
文章だけで言ったら福永武彦より、端麗だと思う。
それと、新潮文庫の「草の花」についてる帯のコメントが
佐藤エリコなんだけど、正直やめてほしい。
ジョージアのCM見るたびにイライラするし。
506 :
吾輩は名無しである:03/12/01 23:04
全集の「遠方のパトス」読了age
引き続き「夜の三部作:冥府」に移ります。
遠方のパトスには、リルケが「マルテの手記」中で
語らせていたのとよく似たくだりがありますね。
福永はリルケの影響をうけたのかしらん。
>505
サトエリがコメントしてんのか。意外でいいと思うけど
どうせなら本上まなみの方がいいな
>>507 サトエリは数年前からプレイボーイで書評をしている。
「ゴダールとか、フランスの60年代の映画好きです」とかぬかしている。
「とくダネ!」の「文化人ぽい要素を持つ若い女性コメンテーター」枠のレギュラーになっている。
小説を一冊出している。
路線がそっちに行っている。しかし失敗している。
510 :
吾輩は名無しである:03/12/03 18:55
このシト、鼻がでかいんだよなあ。
511 :
吾輩は名無しである:03/12/07 16:40
>>506 堀辰雄がリルケから大きな影響を受けているので近くにいた福永も可能性はある。
512 :
吾輩は名無しである:03/12/07 22:36
卒業論文を福永で書いた幸せ者です。
「深淵」を中心に夜の3部作で書きました。
「草の花」圧倒的人気でさもありなん。
「冥府」を読むといっていた>506さん、どうでしたか?
現在で復刻しても古くささがないのって「冥府」だと思っているのだが。
513 :
吾輩は名無しである:03/12/13 19:12
この人の作品はかなりの確立で誰か死ぬな。
まぁ「死」がテーマだから仕方が無いが。
冥府は良い意味でB級映画みたいな匂いがする。
日本の60年代の難解ぶったアート気取り映画みたいな。
貶してるみたいだけど、好きなんですよ、そういうの。
515 :
吾輩は名無しである:03/12/13 23:38
読み手たちよ、いまこそ『草の花』を語れ
516 :
吾輩は名無しである:03/12/14 00:11
2chの文学板で、
しかもメジャー作家でもないのに500レスいってるんだから、
需要はかなりあると思うんだけどな。
新潮文庫って復刊しないの?
517 :
吾輩は名無しである:03/12/16 01:03
初めてこのスレに書くけど、『死と愛の季節』については誰も触れてないの?
まあ周辺だけど。
519 :
吾輩は名無しである:03/12/20 07:51
>>423 運が良ければ上下巻500円くらいで手に入る。
普通の運なら2-3,000円くらい。がむばれ。
すまん。誤爆だ。
521 :
吾輩は名無しである:03/12/22 01:03
12/21日付けの読売に風土の話題があったな。
でも俺のベストは愛の試み。
それから
>>517よ 首藤も読んだか?
522 :
500=506:03/12/22 21:33
>>518 (・∀・)ニヤニヤ
というのは冗談で、私も偶然見つけた逸品でした。
それまでは7、8万で買わざるを得ないのかなとあきらめていたのですが・・・
>>511 亀レスですが、フォローありがとう。
両者の扱うテーマや愛すること・愛されることに対する
考え方の共通性からリルケの影響を受けたのではないかと
愚考しておりました。
>>512 亀レスですがお返事します。
「冥府」読みました。数年前大学院時代大学図書館所蔵の全集を
借りて読んだ話のうち、強く印象に残っているもののひとつでした。
題名然り、劇的な話の筋然り。
「深淵」で卒論とは大変ではなかったですか?
私は理科系なので文科系の論文の書き方は存じませんで、
まだ「冥府」の方が書きやすいかなという印象を受けました。
>>521 私も「愛の試み」が最も好きな話のうちのひとつですね。
話の短さにも関わらず挿話「細い肩」にはなんとも切ない気持ちに
させられました。
春樹あんまり読んだこと無いんだけど、
小説は福永武彦と似てますか?
524 :
吾輩は名無しである:03/12/27 10:08
ageておこう。
>>523 私は春樹氏の作品を読んだ事がないのでわかりませんが、
少なくとも日本語の美しさや文章のうまさは桁違いではないでしょうか。
(福永に遠く及ばない)
525 :
吾輩は名無しである:03/12/27 11:16
>>524 桁違いという言い方は問題がある。
異質の文学なので、美しさの質、うまさを発揮する方面が
違うということでしょ。
だいいち、読んだことがないとはっきり言いながら、
なにを基準にこういう価値判断みたいな決め付けができるのか?
信じられん○○○と言うしかありませんな。
福永武彦は観念的。
村上春樹は即物的。
どっちが上とかじゃあない。
でも春樹ってまさか角川じゃないよな?
あのひと俳句だか短歌だかはやってたが…
528 :
吾輩は名無しである:03/12/30 00:29
福永武彦は、病的な繊細さ。
村上春樹は、繊細ぶってる常人の自分語り。
でも、どっちも好き。
どっちかっていうと、福永氏の文体の方が好きだけどね。
でも、読み易いのは断然村上氏。
529 :
吾輩は名無しである:03/12/30 00:48
春樹のは病的な常人ぶりだと思われ。いや褒め言葉ヨ。
530 :
吾輩は名無しである:03/12/30 01:02
>>529 禿上がるほど同位。
なんか、嬉しいねぇ。
この頃、福永&春樹の事を考えてたからさ、タイムリィ-だった。
あけまして、おめでとう。
死の島、読了。
文体は嫌いだが、構成がよくて、全体も○。
ぞっと来るとかもあって楽しめた。まずまず好きだ。
でも、終わり方は、あれ、どうなのですかねぇ?
533 :
吾輩は名無しである:04/01/12 11:07
福永さんは中学・高校のとき「草の花」を読んで好きになった。
当時から「一昔前、女子大生・女子高生に一番人気だった」と評判
だったので読んでみたがその通りの感じ。このスレにも元女子学生の
方々の書き込みがあり、納得。
ただ、ビジネスマンになって現実と戦っている今、読み返すのは
少々つらい。感傷的になっては仕事はできないからね。
福永さんがなくなったとき、「婦人公論」で奥さんが「文学の大家の妻として」
というようなタイトルで手記を起こしていたが、読みそこなった。
どこかで手に入りますかね。
534 :
吾輩は名無しである:04/01/12 11:09
かいしはいし
ブックオフで『死の島』上巻を100円で手に入れる。
が下巻が無い。
長いのに上巻だけ読んで放置、という気にはなれんし。
536 :
吾輩は名無しである:04/01/13 21:39
海市読了age
読書中の高揚感と、読後の味気なさ。
ボクシングで言えば、いいパンチはいくつか入っているが、
KOまでいけない、って感じか。
538 :
35歳 主婦 ◆baeGuFHffI :04/01/13 22:48
「草の花」再読中です。
ああ、やっぱりこれ最高にいいですね。
気がついたら新潮文庫はこの「草の花」と「愛の試み」だけで
あとは絶版になってるんですね。
講談社文芸文庫にあったやつも絶版だし、
なんか古典のやつは読む気がしないからあと入手できるのは
文庫本サイズの全集くらいかな?
539 :
吾輩は名無しである:04/01/13 22:53
筑摩の文庫版全集に福永のソネットが載ってるけど、やっぱ上手いね。
同じ詩を志す者として尊敬する。
俺はマチネを肯定的に見てるけど
それでも上手いって言うのはどうなんだろう?
最高の細工だとは思うけど。
美香は創価学会員
スレがあって驚きました。
「草の花」を読んで以来、自分の一番の作家です。
「遠方のパトス」も好き。今まで挙がってない気がします。
あの作品に流れる冷たく澄んでいる孤独と愛と自己と他者いうものは
「草の花」に共通すると思います。
「死の島」読了報告でございます。
死の島、
陰湿なタイトルで読む気などさらさらなかったけれど、
一頁、ニ頁と頑張っているうちにあっという間に
上巻下巻を読み終えてしままいました。
それくらいに文の流れが自然であるし、
完成度の高い構成で、話の展開にアップダウンがあり
厭きずに読むことが出来、実に面白ろかったです。
複数のラストそのものがどれも絶望的で、
不覚にも少し笑ってまいました、無礼な輩で申し訳ございません。
544 :
吾輩は名無しである:04/01/30 22:15
救済age
dat落ちさせてなるものか
545 :
吾輩は名無しである:04/01/30 22:40
「忘却の河」を忘却するな。
講談社文芸文庫にて復刊して欲しい!
546 :
吾輩は名無しである:04/01/31 10:35
最近「草の花」を読み、福永さんの他の作品を読みたい
と思ったのですが、ほとんど絶版ですか?
Amazonで見ても、買えるのは「草の花」と「愛の試み」と、
「ちくま日本文学全集」しか、出てきません。
(他に多数出てくる本は、翻訳本とかですし・・・)
本屋に残っていれば、手に入るかなぁ。でも無理だね・・・。
リクエストしておけば、また出るもんですかねぇ?
547 :
吾輩は名無しである:04/01/31 11:26
>>546 ログをご覧になればわかるように、多くは絶版で古書店で
探すか大きな図書館で全集を探すしか手はありません。
所有することにこだわりがなければ、図書館へ行くことを
お勧めします。ただし大学図書館か大都市の中央図書館など。
548 :
吾輩は名無しである:04/01/31 19:46
加藤周一著『小さな花』の中にある、福永武彦についての文章を、本屋で立ち読みしました。
とてもよかったので、オススメします。
>>548 福永が亡くなった時に書かれた文章ですか。加藤の福永追悼の一文は、親友を
喪った痛惜の念が強く文面に表れた名文だと聞いていますが。
550 :
吾輩は名無しである:04/02/01 22:13
>549
亡くなったときに書かれたのか、
のちに回想して書いたのかは、
立ち読みだったので覚えていません。
加藤周一が、
福永武彦の死を電話で知らされたときのことや、
病室に見舞いに行ったときのことが書かれています。
確かに、痛惜の念にあふれる文章でした。
福永の死について書いた堀多恵子さんの文章も切迫感に溢れ、読む者の胸をうつ
ものです。中村真一郎が亡くなった時、夫のみならず、中村、福永にも先立たれ
た多恵子さんの胸中察するに余りあり、言葉もありませんでした。
552 :
吾輩は名無しである:04/02/04 13:11
萌木素子は、俺が今まで読んだ小説の中で
一番、好きなヒロインです。
・゚・(つД`)・゚・
553 :
吾輩は名無しである:04/02/04 13:12
ふ〜ん、これが春菜のじいちゃんのスレか
554 :
吾輩は名無しである:04/02/04 13:40
風土はウンチク小説。
若き日の福永。
555 :
吾輩は名無しである:04/02/04 14:36
うんち小説って・・・・ひどい
福永が嫌いなの?
556 :
無名草子さん:04/02/07 15:14
廃市の映画はよかったな。しかし、小林聡美って・・・・
結婚してきれいになったのね。(ほめ言葉)
557 :
吾輩は名無しである:04/02/20 14:25
保守。
福永の作品を読んでいると、彼は何故結婚したのだろうかと考える。
懐疑的にはならなかったのだろうか。
また再婚もしているわけで、そのあたりの異性の他人への受け入れって
どう捉えていたんだろう?
みなさんは、どう思いますか?
559 :
吾輩は名無しである:04/02/22 10:49
>>558 奥さんが、例えば『海市』を読んで、
どう思ったのかなー
なんて感じたことはあるな。
彼は再婚しているんだ。最初と二番目の
結婚は彼が何歳のときなの?
>559
「海市」はたしかにそう思わせますね。男女の想いの隔たりというか。
私が最もそう感じるのは「草の花」です。
小説は小説なのだから作家と同一視しなくていいのだけど
あの「他者を寄せつけない」姿には、ね。
昭和19年26歳で結婚→27年34歳で離婚→38年5月再婚とのこと。
(「告別」講談社文芸文庫巻末作家案内より)
卒論を福永で書きたいと言ったら、教授に大喜びされました。
それで「どの作品がいいと思いますか?」って聞いたら「どれでもやりがいが
あるわよ」って言われました。好きな作品と卒論で書きやすい作品って違う
と思うのですが、卒論で書くとすればどれがいいと思いますか?
まだ『草の花』『愛の試み』『廃市』しか読んだことないので
よかったらオススメとか教えてください。
>561
卒論で福永なんていいですね!!
何をテーマに論じるかによると思うのですが、どうでしょう?
早稲田の古本屋で「死の島」箱入り上下巻で200円でゲット!!感涙。
全集も、文庫も発行されたものほぼ持ってますが、嬉しいな。
>>561 私はその他の作品では『風土』と『死の島』が好きです。
564 :
吾輩は名無しである:04/03/02 09:11
風土は内容的にはイマイチだなー、俺は。
でも、福永のデビュー作だから、卒論を書くなら読むべき。
「死の島」は間違いなく、福永の最高傑作だと思う。
レスありがとうございます。近代文学で卒論を書く場合、テーマの考察が
書きやすいようなのでテーマの考察にしようかと思っています。
仮の段階で、卒論の序章を書いたときは「草の花〜テーマの考察〜」
にしたのですが、まだ迷っていまして。
『風土』読んでみますね。『死の島』は、今友人が読んでいて、長くて
苦戦していますが、私も読んでみようと思います。
566 :
吾輩は名無しである:04/03/03 02:34
>>565 作家の処女作は荒削りだけど、著者の書きたいことが一番詰まってるからね。
そういう意味では風土は読む価値あるよ。
とりあえず、「草の花」「死の島」「風土」この三作は重要だと思う。
で時間があったら、「海市」や他の短編も。
そういうわけで卒論がんばれー。
567 :
吾輩は名無しである:04/03/05 00:38
死の島今読んでるんだけどカタカナ部分が…辛い。読みにくい。
ついついとばしちゃうんだけどよくないんだろうなーめんどいなー
568 :
吾輩は名無しである:04/03/06 20:15
俺は素子萌えだから、「内部」は面白く読めた。
「世界の終り」がホラーとしても楽しめた.「寂代」って地名がいやな感じ。
ベルイマンとかリンチの暗めの映画に通じるような風景が浮かんできた。
「草の花」読みました。
藤木という名を見ると
どうしてもちびまる子ちゃんの藤木君を思い浮かべてしまい
汐見がだんだん永沢君に見えてきて感動するまでには至らなかった。残念
>570
やー私ちびまるこちゃん、ちゃんと見てないからなあ。
「草の花」最後のところをバスの中で読んでいて号泣しました。
ほとんど人乗ってなくてよかった。(恥)
こんなこと、このとき1回きりです。
>569
「世界の終わり」,その感じわかります!!ぼわーんとした闇で。
福永作品はそんな風景が浮かぶものが多く、そこも好きな一つ。
>570
私はちびまる子ちゃんよく見てたから、想像して笑っちゃったよ
しかし汐見=永沢くん(タマネギ頭)は哀しすぎる!
573 :
吾輩は名無しである:04/03/23 18:57
皆さん、「幼年」は読まないのですか。
最後の、
「そしてあのやさしい声も、
坊やはどこへ行ったの、早く帰っていらっしゃい、
その声さえも今はもう彼の背後の闇の中に残し、すべての過去の記憶が
夢のように消え去るにまかせながら、多くの期待と少しばかりの不安とに
心をいっぱいにして、・・・」
は、何回読んでもジーンとします。
574 :
吾輩は名無しである:04/03/25 23:19
>>573 例によって、綺麗な言いまわしですね
「幼年」読んでみたいわ
575 :
吾輩は名無しである:04/04/08 15:40
孤独、保守。
576 :
吾輩は名無しである:04/04/16 13:45
ここのスレ 読んで落ち着く 午後のひととき
577 :
吾輩は名無しである:04/04/16 13:50
前田武彦
愛と孤独は背中合わせ。
579 :
吾輩は名無しである:04/04/23 13:01
新潮文庫の『風のかたみ』がブックオフで100円だった。
これって映画になってたんですね。
表紙がスクリーンのワンショットだった。
580 :
吾輩は名無しである:04/04/24 21:25
このスレで点呼とりたい
>580
いち!(「草の花」と「遠方のパトス」が好き)
>508
ノシ 二人目。
『草の花』でハマった。
短編集は『廃市・飛ぶ男』が好きです
583 :
吾輩は名無しである:04/04/26 22:58
『死の島』は、文学の魔力というか、麻薬的な性質を強く持っていると思う。
ただひたすらに悲劇的な『草の花』と並んで推しておくことにしよう。
584 :
吾輩は名無しである:04/04/26 23:09
死の島の文庫本って何処を探しても無い
>586
私は3年前くらいにブックオフで各100円でゲットしましたよ。
箱入りのは最近古本屋でこれまた各100円。
全小説ももっております。8年前?古本屋で6000円くらいだったかな。
がんばって手に入れるのだー!!
福永の あとがきを 読むのが好きだ
589 :
吾輩は名無しである:04/05/06 15:01
590 :
吾輩は名無しである:04/05/07 16:00
全集第3巻、心の中を流れる河再読age
もしかして最近は福永の子や孫の方が有名なのですかねえ。
子はともかく孫はよく知らないんですが。
592 :
吾輩は名無しである:04/05/18 23:08
保守age
593 :
吾輩は名無しである:04/05/19 21:17
加田玲太郎全集好きだな。安楽椅子探偵伊丹英典の推理もの。
映像化してほしいもんだ。
594 :
吾輩は名無しである:04/05/24 21:46
「霧の中でも馬が道を間違えないように、愛されていることは
直に分かるのだ、眼を見ていれば、声を聞いていれば、・・・」
(遠方のパトス;pp36、全集第3巻)
遠方のパトスは私の好きな話の一つで、
このくだりは昔激しく恋した女性と過ごした時間を思い出させます。
やはり女性は男性よりも遥かに聡く相手の眼や声の内に恋慕を
見出すのでしょうか?
>594
私も「遠方のパトス」が大好きです
「愛するというのは賭けること、私は自らを賭けなかった」
(ちくま日本文学全集:183P)で号泣。
ちなみに私は相手の眼や声の中に愛されている云々というのはなかったです(涙
すみませんageときます
597 :
吾輩は名無しである:04/05/25 01:07
>>595 大江健三郎の「見るまえに跳べ」に通ずる諦念、悔恨ですね。
598 :
吾輩は名無しである:04/05/25 12:28
「廃市」って映画見た
>>595 福永の愛に関する叙述に繰り返し出てくるフレーズですね。
愛とは自らを賭けるものだと。
福永を読むたびに、かつて盲目なほどに愛した情熱を
今付き合っている女性に持ちえていないことに寂しさと
空しさを覚えます。
ところでリルケのマルテの手記はお好きですか?
>597
大江のこの作品は未読でした。早速読んでみます。ありがとう。
>598
私も以前見始めたのですが、何か違うよ〜と思ってしまい
何と途中で見るの辞めてしまいました。598さんはいかがでしたか?
>599
私は自らを他人に賭けることがいまだ出来ないでいます。
だから愛というものをいまだ感じ取れずにいるのです。
「マルテの手記」は”ああ!”と幾度も感じたものの、
自分のモノに出来ていなく。。。。
>>595 マルテの手記に、「愛されることは消えること。愛することは
長い持続だ」との一節があり、またギリシャの詩人サフォーの
例をひきながら愛に関する自説が展開されています。
扱う主題、著作に溢れる諦念にも似た静謐さ。
浅見でしょうが、私は福永の「愛の試み」を含む著作を読むたび
彼とリルケとの親和性を感じずにはいられません。
602 :
吾輩は名無しである:04/05/28 00:22
福永いいなー
俺好きだわ。この人
新作まだ?(爆
603 :
吾輩は名無しである:04/05/29 01:10
>>601 同感です。
でも何故だか最近ジャムと福永を結び付けたがる自分に気づくのです。
上手く言えないのですが。
604 :
吾輩は名無しである:04/06/04 06:23
保守
605 :
吾輩は名無しである:04/06/05 01:55
最近はやり?
本屋でよくみる
606 :
吾輩は名無しである:04/06/07 14:21
まさか福永スレがあるなんて。2ch恐るべし
福永の描く女性が良い。梶田梢(心の中を流れる河)とか萌木素子(死の島)とか
...その、なんだ。別に詰られ萌えというわけではないぞ?
607 :
吾輩は名無しである:04/06/07 22:32
>>606 いいんじゃない?私も福永の描く女性には心惹かれますよ。
梢とか素子なんて、破滅的な暗さや冷たい靭さを持つ
女性が好きなんですね。
この速さなら言える。
漏れは「深淵」に出てくる男に似ていると言われたことがある
一歩間違えたら単なる変質者だよ(つд`)
609 :
吾輩は名無しである:04/06/12 00:48
福永氏は
何故、人を好きになり結婚することができたのだろうと思ってしまう。
自分がどうにもそれができないでいるから。
ここのスレ住人さんにそのへんのとこ意見欲しいっす。
610 :
吾輩は名無しである:04/06/12 00:59
息子はいまだに 親父を超えられない・・・
「風土」の「海についての章」が、一番好きだ。
鎌倉の、風騒ぐ海の前で、「海の本質」について語る桂。
一遍の絵のような風景だ。
『死の島』読了記念カキコ。
約1ヶ月前家の蔵書(主におば=母の姉→母に贈呈されたものらしい)
の中から新潮文庫で上・下巻を発見! 狂喜した。ちなみに同じく新潮文庫で
『海市』も併せて発見。保存状態も良好。
おばさん、なかなかいいセンスしてるじゃないか!
まあ身内話はともかく、噂にたがわず傑作でした。
日本文学大賞も納得です。下巻は、東京→広島へ一直線に
ひた走る列車内を主軸に、他の断片章がこれにからまり、京都へ
向かう女(不倫?)や戦争で死にそこねた男が乗り降りしたりで
この構成自体が「人生」を感じさせますね。
しかも広島へ到着するまで"どちらが"死んだのか分からない
というたくみな仕掛け=いやおうなく読者を引き込むストーリテリング
としての牽引力。感服しました。自分が映画監督だったら
きっと映画化するね。
そしてあの驚愕のラスト(笑) クール!!
いやぁ、ものすごい前衛ですねぇ、奴は。
この大傑作が絶版のまま世間から忘れ去られてよいのか?
新潮社の良識、少なくとも文学的良識を疑います。
613 :
review-2:04/06/18 01:48
**続き**
俺は小説読みながら登場人物を勝手にキャスティングして妄想する
へんな趣味があるのだが―
萌木素子は中島朋子(ほたる)or葉月里緒奈だと思ったが、どうか?
けど相馬鼎と相見綾子はなかなかぴったりな俳優が
浮かばないんだな・・・。
614 :
吾輩は名無しである:04/06/18 06:04
「死の島」は内部Mがすばらしいです。
615 :
review-3:04/06/18 06:25
>614
そうですか。しょうじき俺は「内部」がいちばん読むのに
しんどかったのだが。あのカタカナ表記のとこは映画だと
モノクロ映像となるところですね。
俺としては「ヒモ男の独白」がけっこう好きです。
ああちゃん・・・雪女・・・大雪の東京の夜・・・
しみじみきますね。
616 :
review-4:04/06/18 16:06
相馬鼎は伊藤英明だな。
「海猿」に出ている人。演技力とか知らないけど
見た目イメージはあんな感じ。
健康的でまじめだけど優柔不断なやさ男。
>>616 ご勝手ですが、脳内でキャスティングしてほしい
>>617 まあまあ。
616じゃないけど、ネタとして楽しいじゃん?スレ伸びるしw
俺は相見綾子は何年か前の和久井映見とかいいんじゃないかと思う。
619 :
吾輩は名無しである:04/06/19 17:01
>618
ご賛同ありがとう。617さん言うとおり「勝手な脳内キャスティング」を
勝手に表明しているだけなんだけど、他の人の脳内キャスティングも
聞いてみたいのよ。一種の表象文化論? それ専用のスレッドを
立てようかと思うくらい(笑) (立てる勇気はないが。「糞スレだ」って
ぼろくそ言われて荒れるの目に見えてるのでw)
>相見綾子は何年か前の和久井映見
↑イイぞ!ナイスセンス。なるほどね。そうそうあんな感じだ。
しかも「何年か前の」と但し書きしているあたりも
分かってらっしゃる(笑)
相見綾子は笑うと"片えくぼ"なんだよ(たしかそんな描写が
3-4回あった覚え)。和久井が片えくぼかは微妙だが。
良スレが一気につまらなくなった。
>>620 そりゃすまなかった。
…確かに俺と619は著しく雰囲気を変えてしまっているな。
申し訳ない。
622 :
吾輩は名無しである:04/06/22 04:11
自由に言いたいこと、書きたいことを表明する場
ではないのですか(荒らし以外
620さんが維持しようとしているものは何ですか
624 :
吾輩は名無しである:04/06/28 09:34
>>623 イメージ的にはだいぶ近いかも。
でも素子さんの髪の毛はもっと綺麗であって欲しい。
そんなことより、古本屋で「独身者」を100円でゲット。
嬉しい。
うわ〜、このスレまだ残ってたんですね。良かった。
あれから大分経ったけど、「愛の試み」をやっと買いました。
これから読みたいと思います。
絶版になった作品、また出してくれないかなぁ。
復刊どっとこむで検索してみたら、四つ登録がありました。
あんまり投票されてなかったです・・・。
>>623 あ、ムンクか…
レスを見て「ムンチってなんだろう」とか思ったオレ…鬱
いい人物画だけど自分のイメージはちょっと違うな。
なんか素子って目がちっさいイメージがあるんだよな、何故か。
太陽壁画ってどんなんだろ?
福永のお墓を詣でたい。
夜の三部作読了sage
夜の時間の奥村次郎ソックリな奴が医学部のダチに居るよ
((( ;゜Д゜)))
自分は三部作では深淵が好きだな。
というよりリアル奥村次郎は
((( ;゜Д゜)))
631 :
吾輩は名無しである:04/07/04 20:52
608の発言に、608は「深淵」の男によく似ていると言われたとある。
人を例えるのに福永武彦というマイナー作家の「夜の三部作」という
今日日全集にしか収録されていないような連作の「深淵」の男を
持ち出してくる人もどうかと思うが(物好きというか稀有というか)、
意外と福永スレには破滅的な御仁が多いのかな?
ちなみに私は冥府が好き。彼の作品には総じて寂しく夢幻のごとき
題名がつけられているので、そのことだけでも好き。
ところで福永スレに書き込む諸兄はどんな職業や専攻の人?
どんな人が彼の作品を愛しているのかが気になる。
私は理系院卒研究員@文学好き
30ちょいの日本文学科出身、主婦です。
研修医1年目@小児科
>>632 やはり日文の出身でしたか。福永との出会いとしては一番王道でしょうか。
>>633 福永の好きな小児科医ですか。きっと優しいお医者になられるでしょうね。
もしよかったら、ご職業に加えて福永の作品(できれば名前も)に出会ったきっかけを
お書きいただけませんか?
恥ずかしながら私は好きな文学作品を紹介するサイトで福永の名前を知り、
大学4年から読み始めました。最初は草の花からで、今は全集も古本で購入しました。
きっかけは、息子さんです。
高校生の頃(かな?)芥川賞受賞で知り、
読み始めました。その流れで、お父様も。
やはり、代表作「草の花」から読み始めました。
私もたしか大学4年目の冬頃に、同期の友人に薦められて草の花と
忘却の河を読んだのが切っ掛けです。その後、古書店で全小説を
購入しました。
忘却の河は特に好きな作品で、今の自分の生き方に深く影響している
と思います。スレを見る限りでは、あまり人気はないようですが。
637 :
吾輩は名無しである:04/07/16 05:16
今『海市』を読んでいるのだが
もう退屈でしょうがないのだが・・。
なんかすごく通俗的な小説っぽい感がある
『死の島』はあんなに面白いのになあ。
けど・・安見子ってイイ名前だなあ
彼の描く女性はとても萌えます。
638 :
吾輩は名無しである:04/07/16 15:30
「死の島」「忘却の河」「草の花」
やっぱ、この三つが素晴らしいと思います。
『海市』は私もあまり好きじゃないです。
639 :
吾輩は名無しである:04/07/16 18:15
汐見と藤木(兄)の話はホモじゃないよ。
なんちゅうのかな、青春における、絶対的に美しいものへの憧れ、
美しい魂への憧れみたいなものをさ、友情を下敷きにし、これを超えた
ものとして透明感をもって描きたかったんだよ。
「孤独」とペアにすることによって。
別に男でも女でもよかったんだよ。
男にしたのは後半の千枝子との話とバランスをとるためだよ。
で、その「憧れ」と「孤独」が現実の世界に向けられたとき…
(戦争という状況のなかで藤木(妹)に向けられたとき…)
その「憧れ」と「孤独」が、後半の悲劇の中でさらに美しく悲しく
浮き彫りになっていく、ちゅうことでっしゃろ?
藤木千恵子のイメージは小倉優子
640 :
吾輩は名無しである:04/07/18 00:19
絶対に違う・・・・・・
漏れの中では菅野美穂
>>639 最後の一行だけ胴衣できない
俺のイメージは池脇千鶴あたり
死の島の文版ゲトズサー
その三人の中から選ぶなら、池脇千鶴で決まりやね。
645 :
吾輩は名無しである:04/08/07 02:09
その三人以外で選ぶなら、ミムラか、はしのえみで決まり屋根。
もしくは杉本彩やね。
汐見のイメージはユースケか森本レオ。
646 :
吾輩は名無しである:04/08/07 18:02
ネタなのか、マジなのか、よくわからない。
>>645 汐見は獣になれなかったので、森本レオはありえません。
てか、年齢が違いすぎ・・・
杉本彩が出てくる時点でネタだと思ったが。>645
650 :
吾輩は名無しである:04/08/14 14:22
age
福永武彦の墓参りをしてきますた。
脇に武彦の銘のある和歌が刻まれていたけど、
ひょっとしたら奥さんのお墓かも知れぬ。
652 :
吾輩は名無しである:04/08/26 00:37
森本レイプ
653 :
吾輩は名無しである:04/08/30 22:40
ボクはこの町が、このつまらない、ちっぽけな町が好きだ、と彼は考えた。
それはこの町のどこかにあの人がいるからだ。
この同じ春らしい空気を、今、あの人が呼吸しているからだ。
愛が、春のように、充満しているからだ。
調べずに作品名を答えられる香具師は福永ファン認定
アレだよアレ、と思いつつも作品名が出て来ませんですた orz
655 :
吾輩は名無しである:04/09/01 00:09
人いないなあ。
>>654 あなた一人しか答えてくれなかったので正解を言うと。
「見知らぬ町」
全集にしか収録されていないのではなかろうか。
作品名が出てこなくて10分で挫折して全集を見た漏れはへたれw
久し振りに未来都市とか読んじゃったよ…
657 :
吾輩は名無しである:04/09/01 21:27
自殺酒場age
658 :
吾輩は名無しである:04/09/02 15:09
福永武彦って、戦後文学者の中での評価はどんなもんだったんだろう。
良い作品書いている割には、あまり賞をもらってないね。
659 :
吾輩は名無しである:04/09/02 17:51
俺は短編をいくらか読んだが、印象は凡庸な作家だと思った。
死の島を一応持っているが、読み始めるのはいつのことやら。
660 :
吾輩は名無しである:04/09/02 18:11
繊細な文学。
保守sage
保守sage
中村真一郎ってどう?
666 :
吾輩は名無しである:04/09/28 13:58:48
age
667 :
吾輩は名無しである:04/10/03 06:15:26
最近読み始めたのであげ
20代の初めに、恥ずかしながら一目ぼれした時、
福永の「愛の試み」を読みに読んだ。幼い人間とバカにされる
だろうが、20代で「愛の試み」がズシリと来たんだな。
こんなの10代前半の人間が読むものなんだろうが・・・。
その後も福永作品を読み漁った。
一目ぼれの片思いの思い出は償却したい過去だが、
福永に出会えたのは宝。最近読んでないけど、この人、純文学の割りに
ストーリーが面白いし。「愛の試み」は小学生の教科書に載せるといい。
669 :
吾輩は名無しである:04/10/09 18:32:49
そろそろage
670 :
吾輩は名無しである:04/10/09 20:07:44
「夢見る少年の昼と夜」、イイ!
671 :
弧高の鬼才 ◆auSqARo302 :04/10/09 21:54:28
「死の鳥」。青臭さ。透明の膜の中の青い斑点のような。
>>658 亀レスかもしれないが。
「死の島」で日本文学大賞を受賞している以外は、たしかに受賞歴は見当たらない。
しかし、戦後文学の中では、大岡昇平や武田泰淳、大西巨人と並んで末永く読まれる
文学者だ。こういう時代だからこそ、福永は読まれなければならない。このスレが存
在することに、心の鎮まる思いがする。
古書店でスタンダールを見つけたので、思わず買ってしまった…
674 :
吾輩は名無しである:04/10/23 19:39:43
モスラの原作ってのがエライ。
おにゃん子クラブに在籍したたのもすごい。
675 :
吾輩は名無しである:04/11/11 23:25:04
保守
おにゃん子??
>>672 いくらなんでもその三者と福永を比べるのは…
福永は趣味的には大好きだが、やはりちょっとね。
>>677 比べるのは三者に失礼? それとも福永に失礼?
確かに、福永は三者とはずいぶん離れたところに佇立している感じがする。
しかし、少なくとも大岡昇平は福永を尊敬していた。大岡が書いた追悼文
には、戦争中の堀辰雄の作品を福永が代作していたのかと推測させるような
箇所がある。実に気になる記述だった。
679 :
オール巨人阪神:04/11/19 03:03:59
大西巨人ってなんだよ、大橋巨泉の間違いじゃねえーーのか??
680 :
福永恵規:04/11/19 03:05:11
>>680 おにゃんこって世代が違うから、
よくわからない。何か関係あるの?
682 :
吾輩は名無しである:04/11/20 15:05:21
モスラと発光妖精が知名度は最高、作者名は有名になってないが
683 :
吾輩は名無しである:04/11/23 06:23:53
加賀乙彦が日本の10大小説で、
福永武彦の「死の島」をあげてる。
ちなみにリストはこんな感じ。
愛の不可能性―夏目漱石『明暗』
女の孤独と聖性―有島武郎『或る女』
故郷と山と狂気―島崎藤村『夜明け前』
愛と超越の世界―志賀直哉『暗夜行路』
四季をめぐる円環の時間―谷崎潤一郎『細雪』
愛と戦争の構図―野上弥生子『迷路』
根源へ向う強靭な思惟―武田泰淳『富士』
暗黒と罪の意識―福永武彦『死の島』
人間の悲惨と栄光―大岡昇平『レイテ戦記』
魂の文学の誕生―大江健三郎『燃えあがる緑の木』
やはり福永は偉大だ。
でも、もう知ってる人は少ないよね・・・。
685 :
吾輩は名無しである:04/11/26 10:33:57
>>684 だから、モスラは子供でもアメリカンでも知ってるよ。
それだけでも立派。
モスラはもしかしたら坊ちゃんや雪国よりも有名。
それだけで十分立派。
モスラってそこまで有名だっけ
687 :
円谷:04/11/27 02:31:30
ゴジラ>>モスラ>>>>雪国>坊ちゃん>漱石>川端>>>>>>>福永
ゴジラ>>モスラ>>>>>>円谷>雪国>旧1000円札のおやじ>坊ちゃん>漱石>川端>>>>>>>>>>>福永>ジェットジャガー
689 :
吾輩は名無しである:04/12/09 04:08:31
今年もモスラ出てたね。
てか、有名な作品を残したら立派なのか?
こそこそミステリー書きやがって!
あ、それって別の名前で出した作品だっけ
693 :
吾輩は名無しである:04/12/10 01:55:43
>>690 はいはい、君が一番立派だよ、って言ってほしいのかな?
屁理屈クン!
有名じゃなくても、モスラよりいい作品あるもん。
695 :
吾輩は名無しである:04/12/10 22:41:02
>>690 おまえ、負け惜しみばっかだな。負け犬だな。
奇を衒うようなこと言って馬鹿にされるタイプだな。
お前は有名じゃないから立派だよ。
おまいらおちつけ。
福永スレらしくもない。
腐女子あるかぎり「草の花」は不滅!
特ヲタあるかぎり「モスラ」は不滅!
つまり福永先生は不滅ということだぁ
698 :
吾輩は名無しである:04/12/22 03:44:53
アマゾンのレビューで
福永の「草の花」がこき下ろされているんだけど、
気分悪い。
「谷崎・三島・大江等の傑作群と比較すれば
(対象が巨大すぎるのは承知の上)、小説家としての力量は歴然だ。
読後に妙な違和感を覚えたならば、その感性はけだし正常。ご安心召されよ。」
こういう馬鹿丸出しの比較しかできないやつはアマゾンに書くなよ。
>>698 挙げてる大物3人が「適当に取り繕いました」感たっぷりだ。
別に「草の花」を凡庸と断じようが、マチネを創造性皆無と断じようがそれは個人の勝手。
しかし、「この作品を絶賛する奴は感性異常」みたいな物言いは流石になぁ……。
当の三島は福永を賞賛しているのだが・・・
そういや、「風土」をアプレ・ゲールの最高傑作と評価してたな>三島
>>698-700 貴兄らでアマゾンに推薦投稿して阿呆の勘違い批評から福永の名誉を守ってやってもらえませんか。
まぁ、『草の花』は確かに若書きってところもあるから。
福永さんはやっぱりなんといっても『死の島』でしょう。
マチネ・ポエティックの朋輩、中村真一郎スレが落ちてしもたorz
モスラの原作読んで、福永と中村の筆致の違いが面白かった。
中村の幻想的書き方に対して、福永はかなり理詰めに感じた。
合作の短編じゃなくて、福永一人で長編にしたらどんな感じになったろう?
(中村なら想像がつく。異類物の御伽草子スタイルになったことだろう。スレ違いスマソ)
705 :
吾輩は名無しである:04/12/23 10:49:05
加田伶太郎=誰(た)れだろうかage
加田伶太郎=福永武彦ですね。
推理小説を書くときのペン・ネームです。
やっぱり『草の花』が一番好きです。
二十歳になったばかりの頃、夢中で読み耽りました。
恋愛に関する作者の考えが一番よく現れていると思います。
それまでの恋愛小説とは全然違って、全体に格調の高さが感じられました。
観念的すぎる、とも言われてるようですが…。
『愛の試み』もいいですよね。
わたしにとって出逢えてよかった、と心底思える稀有な作家のひとりです。
707 :
sage:04/12/29 22:23:17
忘却の河が好き。
708 :
吾輩は名無しである:04/12/30 01:01:04
中央公論を受験したとき、最終で好きな作家を聞かれ福永と答えて落とされた記憶が。
年明け保守
710 :
愛の試み:05/01/04 00:28:41
5年間 思い続けている人がいる。
片恋だからもちろん叶わぬ恋だ。
ヴェルレーヌの
“たかが一人の女のため、ためだと言ふに ...”
ではないが、それに近い心境に陥ってしまう。
“夜われ床にありて我心の愛する者を
たづねしが尋ねたれども得ず”
旧約聖書の雅歌、三章冒頭。
確か 福永武彦の『愛の試み』の扉書にも記されて
いたように思うが その愛を知れば知るほど
悲しみ以上の孤独を痛感する。
愛している人が別の人と幸福にあることを
許せない自分。いや、許せないのではなく
自分がやるせないのだ。
愛とはやはりエゴイズムに他ならないのか。
>>706 だから、kadaretaro=taredarokaだっての。
712 :
吾輩は名無しである:05/01/10 20:13:53
高校の授業中 アマの詩人でもある国語教師が
福永は戦争中 暗号解読の責任性(ミスると現場の兵士が死ぬ)で
精神が追い詰められた
というようなことを言っていたのですが
私がその後 福永好きになってちょこっと調べた限りでは
そのような話は見つけられなかったのですが
このスレの皆さんはどう思われますか?
少なくとも暗号解読に従事してたのは実話です
あと『草の花』の汐見と千枝子の会話なんかからして、戦争への嫌悪は強いと思われますね
「草の花」改め「菊の花」にした方がいい。
高校の教員なんて、疑似インテリの典型ばっかり。人間のクズが多い。大学に残れず
「でも・しか」で教員になった奴も多くてコンプレックスの固まり。できる話といえば
自分の趣味のオペラや芝居、クラシック音楽とかの話だけで、世間の常識とかがおよそ
通じない。器が小さくて了見の狭い連中ばかりだ。俺の知ってる、福田恆存の愛好家に
そんなタイプの奴がいる。顔つき悪くて、教員というよりは人殺しみたいな目つきを
してる。
>>712の国語教師なんて、そのクチだろう。アマの詩人? まあ自費出版で詩集
出して、有名な批評家のところに送りつけて、何かの賞に推薦してもらおうなんて、考え
甘いよ。新聞の折り込みチラシの裏にでも一生寝言書き連ねてろよw
プロの詩人、というのは今でも成り立つビジネスモデル
なんだろうか、と思った冬の夕べ。
福永のように「人生の中に芸術を見出だすところに真の
芸術家の生き方がある」とするなら、チラシの裏に書か
れた詩も生活に即した味があっていいんでない?
718 :
海女の死人じゃちょいとちがうか?:05/01/19 10:59:06
>>712 アマの詩人ってなんだよ、それ!その教師馬鹿丸出しだな。
高校の授業中 プロのおたくでもある国語教師が
福永は金儲けのための映画のバイト中 モスラの脚本の責任性(劇中多くの登場人物がモスラ襲撃で死ぬ)で
精神が追い詰められた
というようなことを言っていたのですが
私がその後 そういう福永に呆れてちょこっと調べた限りでは
そのような話は見つけられなかったのですが
このスレの皆さんはどう思われますか?
高校の授業中 オタクの特撮ファンでもある国語教師が
福永はモスラ撮影中 製作者の特権性(小美人に手を出せる)で
精神が昂揚した
というようなことを言っていたのですが
私がその後 福永うらやましくなってちょこっと調べた限りでは
そのような話は見つけられなかったのですが
このスレの皆さんはどう思われますか?
「綾ちゃんは泣きそうになったから逃げ出したのよ。
泣き虫さんなんだから」
720 :
吾輩は名無しである:05/01/20 02:05:03
福永ってもしかしてそんなに研究されてない?
721 :
吾輩は名無しである:05/01/30 10:44:13
>>720 はい。だって、それほど、大した奴じゃないから。
722 :
吾輩は名無しである:05/01/30 10:49:10
叙情に傾く作家は研究対象にはなりにくいよね。
723 :
吾輩は名無しである:05/02/04 04:00:39
生前は結構研究されてたのにねぇ。
724 :
吾輩は名無しである:05/02/04 05:00:56
このスレ見つけて涙ちょちょぎれるくらい感動。
福永は大学時代に全集と文庫でほぼ全作品読破しました。
「草の花」も「死の島」も「海市」も「風土」も「廃市」もいいけど、
なんといっても「忘却の河」が最高と思います。
このスレでは少数派みたいですが。
構成の妙といい主題の深さといい、読後の感動はこの作品が一番ですね。
10代で読むのと、20代で読むのと、今また30代で読むのと、
味わいが全然違ってくるのもこの小説のすごいところです。
まだの人はぜひ一読を(といっても絶版なんだけど…)
大型書店行くたびに新潮文庫の福永を探すんだけど、
最近は「草の花」があればいいほうですね。
つまらない作品増やす前に、福永を増やせと強く希望。
725 :
吾輩は名無しである:05/02/05 19:37:21
新潮文庫が戦後作家をほとんど絶版にしてる罪は重い。
福永武彦、武田泰淳、高橋和巳、椎名麟三、この辺り全部復刊しろ。
726 :
吾輩は名無しである:05/02/05 20:56:21
異議なし!
>>725 戦後派なんて所詮そのレベル。戦後文学など、文庫化の価値はない。
728 :
吾輩は名無しである:05/02/06 12:20:55
少なくとも、現代文学よりは価値がある。
中村さんちの真一郎くんにも愛の手を。
今、全集読み返しています。
「忘却の河」「廃市」…、ほんとうにいいですよね。
知的な作風で、幻想的で、想像力が掻き立てられます。
文章の妙、とでもいうのでしょうか。
非常にこころを砕いて書いていますよね。
こういう稀有な作家は、大切にしなければならないなあ、と
こころから思います。
731 :
吾輩は名無しである:05/03/03 11:02:11
ちょっと前に、京都の丸善に親子特集?みたいなコーナーがあって、
福永と池澤の本が並べられてたました。
なんかちょっと嬉しかった。
732 :
吾輩は名無しである:05/03/03 23:59:10
「銀の匙」って中じん助?ですか?絶版と聞いてショック。「廃市」の映画は可もなく不可もなくと思いました。
733 :
吾輩は名無しである:05/03/04 01:13:01
中じん助でもなければ、銀の匙は絶版でもないぞ。
ちなみに、中勘(かん)助な。
「銀の匙」は岩波文庫の人気投票でも、
漱石の「こころ」を抜いてトップだったね
734 :
吾輩は名無しである:05/03/04 01:42:17
↑ありがとうございます。さっそく探します。
中村真一郎氏の「雲のゆき来」が文芸文庫から10日発売のもよう。
736 :
吾輩は名無しである:05/03/12 16:31:16
>京都の丸善に親子特集?
親子丼で売ろうとするのかW
たぶんこの親子は、鶏の方は、「卵ったって、
自分が生んだ卵じゃない」といい、
息子も、「この親から生まれた卵じゃないから正確には
他人丼です」っていいそう?
これで池澤は知っていても福永を知らない
若年層にも売り込もうという商魂だろうか?
幸田文と青木玉ならば意味はわかるが、なんだかな・・・
737 :
吾輩は名無しである:05/03/13 20:53:49
物凄い乱暴な売り方ですね・・・
そうかなあ・・・。
私は親子特集とかで並んでたらつい手にとってしまう。
ミーハーと呼ばれるかも知れないけど、そういうつながりや
「実はあの作家はこんな性格」みたいなゴシップを読むと
なんとなく興味をそそられるというか。
もちろん内容がつまらなかったら嫌だけどね。
読者になるきっかけとしては悪くないんじゃないかと。
739 :
吾輩は名無しである:05/03/17 00:22:18
「海市」読んでみた。男は自分の人生を選択し能動的に生きているつもりでいる。はたしてそうだろうか。
女は選択されているように見えるだけで、実は男に選択させているのではないだろうか。安見子は謎めいた
かわいらしい清楚な魅力的な女性として登場する。しかし安見子は惚れっぽい計算高い嘘のつける同時に
何人もの男を相手に出来る女だった。人の不幸をなんとも思わない厭味な女。ああいやな女。
こんな小説のどこがいいの。
740 :
吾輩は名無しである:05/03/17 12:50:15
突き放して読むと面白いよ。自分を誰かに投影すると読みづらくなるかも。小説の読み方ってあると思う。年代によって捉え方も変わるし、引き出しも増えてくるから馴染んでくることもあれば、逆に色褪せた気分にさせられることも。簡単に断定するのは大損ね。
741 :
吾輩は名無しである:05/03/17 12:53:36
742 :
吾輩は名無しである:05/03/17 20:32:22
いいこと言うね、>740
そうね、あまりに自分の経験を読みこみすぎたんだね。安見子がいやでたまらな
くなったのは。人ごとのように読めば、ころりと引っかかった太吉はばかなヤツ、
古賀くんはごくろうさん、と読めたかもね。でもね、このスレの前のほうにあった、
福永はセクハラやったらしい話し、あれが重なって、こんな小説かくヤツはさも
ありなんと思ったね。それから、*で区切った小話をわざと時系列を混在させる
手法もハナにつくね。ひとつの小話だけでもちゃんと独立して鑑賞に耐えるんだぞ、
と自慢してるようでね。それでいて誰の話か説明不足は不親切な作家だね。たしか
に文章は上手いんだろうがね。あ、それから、エロ描写はいまいちイロっぽくなか
ったな。感じなかったよ。
743 :
吾輩は名無しである:05/03/17 22:13:37
作家と作品は別物ーなんて生き証人がいるうちは難しいかもしれない。神の言葉として聖書とイエスを信仰する人は今頃「ダ・ビンチコード」を一人、人型作って焚書坑儒してるかもね。
観る眼に暖かさを感じる
745 :
吾輩は名無しである:2005/03/23(水) 09:32:19
私は淋しさを感じた。
746 :
吾輩は名無しである:2005/03/23(水) 11:21:11
この小説家って、たしか少女小説みたいだと揶揄されて、
なんとか派って、言われたんだけど、
何派だっけ?
星菫派
748 :
吾輩は名無しである:2005/03/23(水) 13:53:40
さんくす。
もとは、明治時代にそういう詩人たちの派があったことをふまえて
小説の作風を揶揄されて、献じられた言葉なんですね。
現在だと、北村薫先生なんかも、星菫派かな。
暖かさと寂しさは相反する概念ではないと思う。
福永は詩情を持った散文家。
その視点や洞察がとても好きだ。
750 :
吾輩は名無しである:2005/03/23(水) 18:41:25
批評や分析の対象にはされたくない作家。人様に言わずにそっとしまっておきたい作品。暖かさと淋しさが同居する詩のような。。。
751 :
吾輩は名無しである:2005/03/23(水) 20:13:52
わかるぞ。その気持ち。
752 :
吾輩は名無しである:2005/03/24(木) 03:32:34
大人のための童話
学生のための物語
老人のための語り 未来のための遺言
753 :
吾輩は名無しである:2005/03/31(木) 22:25:42
草の花読了。
もうすぐ二十歳なんだけど、この話に惹かれる僕はガキかな…
>>753 わたしも「草の花」はとても印象に残っている作品です
主人公の青年は、恋愛に幻想を抱き、あまりにも過度なものを求めすぎる…
彼の幻想は彼だけに留まらず、周囲の人たちを戸惑わせるばかり
知的で、愛に関して強い理想を抱く彼は、現実の恋人を得ることはできませんでした
…読んだあと、深い思索に入りたくなりました
わたしの大好きな作品です
755 :
吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 08:09:04
福永ほど、キリスト教を正面から描いた作家を知らない。漱石も鴎外も三島も川端も大岡も書かなかった(と思う)。
すでに福永は1949年に、9.11やレバノンのテロにも通じる宗教上の問題点を描いている。その意味で彼は日本の
ドストエフスキーにもなり得たのだ。それがどうだ、女々しい作品ばかり書きやがって、おまけにケチなセクハラ
なんかやって。若いのとヤリたけりゃ、何人でも堂々と囲って朝から晩までヤレばいいじゃないか。そんな汚名を
残して、惨めったらしくて情けないヤツめ。
愛には幻想はつきものだ。そこを現実と折り合いをつけて生きていくすべは女性に与えられた特権だね。理想家の
男には与えられなかったんだ。なんてことを思索したのかな?
>>754
756 :
吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 18:44:23
作品は上梓された時点で作家から独立して自律するもの。文芸、絵画、音楽、哲学、演劇等様々な分野にあてはまる。ピカソの女のだらしなさや身勝手さが彼の作品に遜色を与えたりしない。エロじじぃが偉そうに神を語るな、書くな、描くな!→もっと大人になりましょうネ。
757 :
吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 19:04:26
>>756 キミは、きっと神よりも大人で偉いんだね。
758 :
吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 23:51:55
あなたが幼稚なだけですよ。
759 :
吾輩は名無しである:2005/04/04(月) 00:44:11
連投。たぶん言葉や芸術に対してもっとも純粋に受けとめたい年頃なのね。社会学者の宮台某氏は自説とは逆の人生を選択した。信奉者にとっては裏切り行為。でもそれが現実の社会。言葉で理想を語る限界や虚構に免疫をつけることが大人の世界なのよ。君の憤慨は私には懐かしい。
761 :
吾輩は名無しである:2005/04/04(月) 10:45:28
君と同年代のお友達に尋ねてみて。たぶん、そろそろ言葉や文学の虚構の世界に醒めた見解をもつ子達も出てきてる。きっとそこで何か友人との間に深い溝をみる。とり残された気分になり、君はネットの中で叫んで仲間募っても誰も共感しない。ここから、君の脱皮どころ。頑張れ。
762 :
754 :2005/04/04(月) 17:08:58
>>755 いつのまに、レスがついていたのですね…
>愛には幻想はつきものだ。そこを現実と折り合いをつけて生きていくすべは女性に与えられた特権だね。
>理想家の男には与えられなかったんだ。なんてことを思索したのかな?
…そうですね、わたしが思索(といほど高尚なものでもありませんが)したのは、
福永氏の観念的な愛に対してでした。
「イデアの世界に高く飛翔する…」こうした思想は主人公の青年に託され、彼は
目の前の恋人を生身の人間としてではなく、彼自身が勝手に作り上げた幻想のなかの恋人
のように扱います。
恋人は、自分はありふれた平凡な人間だから、彼がいつか夢から醒めるときが怖い、と
言います。そして、彼を愛しながらも去っていきました…
彼女は現実の自分を見てほしいと何度も願ったのに…
愛を夢見る青年の絶望と、同じ夢を見られない恋人の寂しさが胸を打ちました。
763 :
755:2005/04/04(月) 18:39:26
よくまとまった、おそらく作家の意図をそのままに読み取った女性らしい感想です、コメント返して
いただいてありがとうございます。私はこの本を、もう再び会うことのないかたと共に読む機会を得
ました。後半は涙に暮れながら読み、忘れられない作品のひとつになりました。そのかたはクリスチャン
でした。夢見がちな私と現実的な選択のできるかたと、作品と符合する点があまりに多く、のめり込む
ように読みました。そして読み返すたび当時の切ない気分に襲われ我を忘れます。こういう作品を読書
することの意義は何でしょう。忘れられない思い出を反芻することでしょうか。それは現実の幸せを
つかめない汐見と同じく、現実に役立つことはないでしょう。また、ふたりが結婚して一緒になれた
としてもその先に幸せが約束されている訳ではありません。ふたりの幸せを築くたえまない協力と努力
が必要です。キリスト信仰は、信じること、これに尽きるそうです。幸せをつかむこと、幸せで有り
続けること、これも「信じる」ことかもしれません。自分が今幸せであると信じることが幸せに生きる
ことなのかもしれません。そんなことを考えました。
ところであなたもクリスチャンですか、コメントの前半に感想をいただけませんでしたので。
上でも出ていたけどセクハラってデマなんじゃないの?
信頼に足るソースはあるのかい?
765 :
754:2005/04/04(月) 23:20:03
>>763 丁寧なレス、ありがとうございました。こころに染み入る内容でした。
もうふたたび逢えぬかたとの想い出が託された作品だったのですね……
わたしは洗礼は受けてはおりませんが、教会にかなり深く関わったことがありました。
神父さまやシスターの方たちともお話する機会も多かったです。
キリストの信仰は「愛すること」に尽きるのだと思います。けれどもその愛は身勝手なもので
あってはならない、時として、愛するがゆえに去らなければならない愛も含むのだと思います。
自分の愛が相手の方を苦しめたり、また、相手の生き方を曲げてまで押し通してはならない、
つまり、あきらめるのも愛のひとつの形なのだと思えるようになりました。
愛を与える、愛するということは、相手を自由に羽ばたかせてあげることでは
ないでしょうか……。
この作品を読むたびに思うことは、人は誰もが自分で思い描いた愛に生きている、
ということでした。愛し合いながらもその「愛」は決して同じものではないのですね…
わたしたちはその異なった愛であっても、互いに許し許されて生きているのでしょうね。
そこにあるのは、感謝と祈りです。
766 :
755:2005/04/05(火) 19:53:13
754さんは、失恋から回復されたところだったのでしょうか。福永作品は、活力を与えられるよりも
メランコリーな気分になる気がします。TPOを間違えると、より落ち込んでしまいますね。
「愛を与える、許し許されて生きている、感謝と祈り」いい言葉をありがとうございます。
私は仏教ですが、キリストの教えには頷くことが多く、山上の垂訓を時々読みかえします。
最近見た映画、DVDで借りて見たのですが、「バベットの晩餐会」にこういう言葉がありました。
--あの世に持って行けるのは、ひとに与えたものだけ--これはクリスチャンの間では有名な教え
なのでしょうか、そのように教徒に尽くし努める神父姉妹の話しです。キリスト教の伝道映画の
ような趣もあり、印象深い映画です。
754さんに、女性の意見をお聞きしたいのですが、最後の千枝子の手紙をどう思われるでしょう。
私ははじめて読んだときは何度も涙で読み進められなくなりました。読み返すと、千枝子は冷静に
計算して書いているようでいぶかしく読みました。はたして女性は過去の相手をいつまでも覚えて
いるものでしょうか。その時の相手に夢中になると過去はすべて忘れてしまうのが女性の性では
ないでしょうか。あのように手紙を書けるものでしょううか。ぶしつけで失礼な質問をお許しください。
--どうぞわたくしをおゆるし下さいませ。--
767 :
754:2005/04/06(水) 11:03:34
>>766 仏教徒の方でいらっしゃるのですね。釈迦の教えも大変素晴らしいものがありますね。
「代受苦」という言葉を瀬戸内寂聴さんの本で知りました。これはイエスが身代わりに
なって苦しみをすべて引き受けることと同じものであると、わたしは思いました。
>こういう作品を読書することの意義は何でしょう。忘れられない思い出を反芻することで
>しょうか。(
>>763)
確かに福永作品は活力を与えるものではありませんね。孤独や死という世界に浸らせ、
思索に導くものが多いです。
けれども、わたしは人間が悲しみに直面したとき、その感情から逃れずにそこに浸る時間が
充分必要であると考えています。冬の間、寒さに耐えて地中深く静かに眠る種のように。
中途半端な立ち直り方は、とても危うい。丁寧に時間をかけてその悲しみの時を静かに
過ごすこと、これはとても大切なことであると考えております。
その時間のなかで、わたしは自身を見つめ直し、また、相手の方を繰り返し想うことで
今まで見えなかったものが、見えてくることもあります……。
そうした意味において、福永作品はわたしには必要であり、これからも大切にしていきたい
ものなのです。
(つづきます)
768 :
754:2005/04/06(水) 11:04:27
>--あの世に持って行けるのは、ひとに与えたものだけ (
>>766)
これはおそらく聖パウロの言葉「受けるより与えるほうが幸い」からきているものだと
思います。愛は受けるより、与えるほうが幸いである、とわたしは解釈しました。
詩人リルケも同じことを言っていますね。
――愛することは、長い夜に灯された美しいロウソクの光のようである。
愛されることは消えること。愛することは持続である――
>千枝子は冷静に計算して書いているようでいぶかしく読みました。(
>>766)
千枝子の手紙の部分だけ、読み返してみました。
この手紙は千枝子の告解(カトリックでは司祭に信者が罪を告白し、司祭は神の代理人
として許しの秘蹟を与えます)であると、読みました。
確かに仰るように彼女は自分に罪があり、自分を責めるようでいながら、実は汐見が
夢見がちで愛に過大なものを求め過ぎたがゆえに、このような悲劇を招いたのだ…、
ということを暗黙のうちに訴えていますね……。
わたしはここに人が生まれながらにして負っている罪、原罪を見ます。
人は誰もが自分は正しく悪いのは相手のほうだと思いたいのです。
本来なら人を裁けるのは神以外ないのに、わたしたちは容易に人を裁きます。
(つづきます)
769 :
754:2005/04/06(水) 11:05:56
>はたして女性は過去の相手をいつまでも覚えているものでしょうか。(
>>766)
そうですね…、他の女性の方のことはわかりませんが、わたしは覚えています。
新しい人に巡り会えてそれなりに幸福な日々を送っていたとしても、記憶のなかでは
覚えています。それは、片時も忘れないということではなくて、千枝子の手紙にもありました
ように、ふとした瞬間に蘇るのです。
その瞬間の想いとは、かつての日々のような激しさはなく、淡いやさしい感情で包まれた
ものです。そして、少しほろ苦くもありますが…。
>あのように手紙を書けるものでしょううか (
>>766)
かつての自分を許せなくて、誰かにこの胸のうちを聞いてほしい、その想いが手紙を
書かせるのでしょう…。それは聞いてもらうことで自分が少しでも楽になりたいからです。
こころのなかにずっと秘めたものは、何らかの形で(手紙、小説、絵画、音楽など)誰かに
伝えたい、共感してほしい、許してほしい、と託されます。
それは福永氏のテーマである、「人は皆、孤独である」からではないでしょうか……。
連投、長文、大変失礼いたしました。
770 :
755:2005/04/06(水) 22:12:27
ご丁寧にお返事いただいて恐縮いたしました。作品にも引用されていますが、
--永遠にして女性的なるもの、われらを牽きて昇らしむ。--天上の女性的なるものからの
言葉のように、救いと赦しを感じながら読ませていただきました。ありがとうございます。
もう会えないかたとこの作品について語り合うこともあり得ませんところ、754さんとこう
してやり取りさせていただけて、たいへん幸せに思います。
リルケも孤独と芸術を深く考えた人物なのですね。リルケの言う--孤独は創造の源--という
感覚はすっと頭にはいります。でも福永の「人は孤独のうちに生まれてくる。---人は常に
孤独である。---それは---謂わば生きることの本質的な地盤である。(愛の試み)」という
孤独には残念ながら素直に頷くことができません。またよく使われる忘却という言葉も
ひっかかります。福永はかたくなに過ぎると思います。身近にいるときっと偏屈な取っつき
の悪い変人に違いありません。そういう人物が作品ではやたら女性にもてるのが不思議です。
福永本人ももてていたのか興味がわきます。754さんは女性として福永のどんなところが魅力
なのかよろしかったらお話しくださいますか。
771 :
吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 12:22:10
武ピコの本を新品で買いたいんだけど、新潮からの2冊しかないの?
772 :
吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 12:56:07
773 :
吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 14:50:36
結局、買えるものは3冊くらいやん。
774 :
吾輩は名無しである:2005/04/10(日) 15:15:03
今月号の文芸春秋に、石原都知事が書いてるんですが、そのなかで草の花が取り上げられてます。相当好きみたい。ぜんぜんイメージ合わないんですが。
775 :
755:2005/04/10(日) 19:25:36
読んでみました。石原都知事みたく文章が書けるということは自分の考えがあるということだから、
政治家としても望ましいことでしょう。右よりなのが心配ですけど。読んだ感想としては、日本は
戦争に負けたことをいまだに引きずっていることですね。負ける戦争をしてしまったことはどうし
ようもない。近所の尊敬する爺さん、東大出の元海軍中尉無線技師が言うのに、負けて良かったん
ですよ、勝っていたら今頃ばかな軍閥がえらそうにしてとんでもない社会になっていますよ、とい
うことらしいからぼくもそう思うことにしている。しかし負かされた父権の回復は必要と感じている。
社会道徳秩序の回復に繋がると思うから。石原さんの意識にも福永が重くあることに感慨深い。三島は
颯爽と時代を生きるが如くあらゆる事を演じて見せ、みずからの命をも演劇にしてしまった。三島は
時代に強烈な楔を打ち込んだが、われわれ読者の心の中には福永よりも軽薄な印象を残すことになった。
福永は幻想的なつかみ所のないあやふやな世界を描きながら、読者の心には深く強く訴える作品を残した。
賞を取った三島のほうが虚飾的で空虚な感じがするのは皮肉なことだ。
776 :
754:2005/04/10(日) 20:17:59
>>770 返事が遅くなったことを先ず、お詫びします。
こちらこそ、このような形で、やりとりできることを大変嬉しく思います。
「愛の試み」、これも「草の花」同様好きな作品(愛についてのエッセイ)です。
繰り返し読んだために、もうぼろぼろになっています。そろそろ新しいものを買わねば…。
そうですね、リルケは叙情詩人ということもあり、大変共感しやすいですね。
福永氏の文体も大変美しく、そこに詩的なものをわたしは見ます。(彼も詩を作っていますね)
けれども、同じように「孤独」をテーマにしながらも、755さんが福永作品に感じる不満は
なぜなのか……、わたしなりに考えてみました。
私見ですが、リルケの詩は孤独を詠いながらも生きることに対して背を向けてはいない、
福永作品は、同じように孤独をテーマにしながらも常に厭世観が漂う…。
それが755さんにはどこか投げやりで、やりきれない感じがするのかもしれませんね。
「忘却」、福永氏の好んで使う言葉ですね。
忘れたい過去、記憶……、現在は過去の上に成り立っているわけですが、福永作品に
登場する人物はその過去を抹消したい人が多い。
(つづきます)
777 :
754:2005/04/10(日) 20:19:16
過去を受け容れて生きていくこととは、過去と和解することであり、かつての自分を赦すこと。
これは、わたしたちが生きていく上で最大の課題のひとつではないでしょうか。
誰にだって、受け容れがたい過去というものがひとつやふたつ、あるのですから……。
あくまでもわたしの憶測にすぎませんが、作家というものは自分とまったく異なった人物を
作り出すと同時に、自分とよく似た人物をも登場させます。
前者の場合は、願望がかなり込められているのではないでしょうか。
例えば、現実で異性にあまりもてない人は作中ではかなりもてる人物を好んで描きます。
福永武彦氏の魅力はあくまでも作品をとおしてしか語れませんが、前にも書きましたが、
深い思索が作品全体に漂っていること、詩的な文体の美しさに尽きます。
知的で洗練されていて、もの静かな印象を受けます。
仮に身近にいたとしても、このような人はわたしにとって、遠くから眺めているだけの存在です。
美しい風景は遠くから見ているからこそ美しいのであり、間近で見たら萎れた花や
濁った水面に失望するのはよくあることだと思うのです……。
追記
「文藝春秋」明日、購入予定です。
778 :
755:2005/04/10(日) 22:39:07
こんばんは、ご返信ありがとうございます。なるほど、ご指摘いただいたように、リルケの孤独は
肯定的あるいは積極的で、福永は否定的あるいは厭世的なのですね。納得です。「忘却」も言葉が
出るたびになにが言いたいのか意味不明でした。忘れ去ること=抹消したい過去、これもなるほど
です。
受け入れがたい過去があるように、より深く悲劇的ですが青年期には自分の出生を肯定的に受け
入れられない場合もあるでしょうね。
福永の魅力について、失礼な質問にお答え頂いてありがとうございました。
p.s.三島の演劇性について、彼は父権の回復を願ってドンキホーテのように振る舞ったのでしょ
うか。彼はその点で再評価されるかも知れません。
779 :
吾輩は名無しである:2005/04/10(日) 23:44:15
はじめまして。福永武彦、大好き人間です。
新潮社から出版されている全集全巻を以前購入していたので、暇な時は読んでます。
皆さんが指摘されているように「死の島」はいいですね。なかなか先に進まなかったので、せかされましたが。
今は短編を読んでます。「夢みる少年の昼と夜」「秋の嘆き」などなど。
福永武彦は有島武郎の影響を受けているのでしょうか。そんな気がします。
780 :
754:2005/04/12(火) 17:46:05
>>778 「文藝春秋」掲載の石原氏のコメント、読みました。
『草の花』における恋愛と死について語っていますね。『潮騒』で文学賞を獲った三島氏が
敗れた『草の花』を「肺病病みの小説」としきりに気にしていたことも初めて知りました。
人は無関心なものについては冷淡なはずですから、三島氏にとって当時の福永氏は
相当気になる存在だったということでしょうか。
>三島は時代に強烈な楔を打ち込んだが、われわれ読者の心の中には福永よりも軽薄な印象を
>残すことになった。
>福永は幻想的なつかみ所のないあやふやな世界を描きながら、読者の心には深く強く訴える作
>品を残した。 (
>>775)
……そうですね、三島氏は自決という形で一時は人々の注目を集め、衝撃を与えることには
成功しましたが、やはり上滑りの感は免れませんね。
福永氏は華やかなパフォーマンスとは無縁でありながら、深い内省に基づいた作品で、
読者のこころをとらえました。(ペンは剣よりも強し?)
(つづきます)
781 :
754:2005/04/12(火) 17:47:11
>三島の演劇性について、彼は父権の回復を願ってドンキホーテのように (
>>778)
三島氏は現代ではとうに失われた父権、家族のあり方を再認識させるという点においては、
評価されるべきかもしれませんね。人の軸足は「家族」ということでしょうか。
福永氏は根源的な孤独について、人を超えたものの存在、神を暗示することによって、
人間が最終的に求めずにはいられないものを、作品をとおして示しました。
では、なぜ人は超越者を求めるのでしょう?
それは、おそらく、人は死から逃れることができないからではないでしょうか。
死と向き合ったとき「人は孤独のうちに生まれて、孤独のうちに死ぬ」という普遍的な
真理にたどり着きます。『草の花』の汐見も最後には洗礼を受けたのですね…。
(1977(昭和52)年10月27日、福永氏は59歳で、東京都世田谷区松原の単立キリスト教
朝顔教会井出定治牧師により、病床で洗礼を受けました)
石原氏は死を意識した人の恋愛について、以下のように述べています。
「その仮想は錯覚を超えて、人間故の心の劇として定着し人の一生を支配していく。」
(「文藝春秋」・279頁)
782 :
754:2005/04/12(火) 17:48:23
>>779 こんにちは、初めまして。
新潮社から出版されている全集全巻をお持ちなのですね! 羨ましいです…。
有島武郎の影響を受けているというご意見に、とても興味を持ちました。
わたしは有島武郎の作品は、ほんの代表作くらいしか読んでいないのですが、
779さんが感じられた、福永氏が有島氏から受けた影響とはどのようなものなのか、
もしよろしければ、お聞かせいただけますでしょうか。
よろしくお願いします。
783 :
755:2005/04/12(火) 20:09:23
こんばんは、コメント読ませていただきました。あらのない緻密な文章を書かれるところ、
754さんはお仕事も文章を書くことに関わっておられると想像いたしました。
三島は自分とは異質なスタイルだから、おまけにレベルの高いものを書くから福永を気に
したのでしょうね。三島は戒名に武の字を入れるよう望んだそうですが、福永の名にも武
があるねとその時言ったら、じゃやめとこう、と言ったかもですね。有島も武なんだと並
べて書いて頂いて気づきました。
754さんは女性だから「現代ではとうに失われた父権」とあっさり人ごとのように書かれ
ますが、当の男どもにしたら、これは大変な問題なんですよ。その問題意識もない男ども
が多数派なのがまた問題で、性風俗を限りなく醜悪に蔓延させているのでしょう。
福永作品に出てくる家庭父親もろくでもない部類ばかりです。もっとも読んだのは、忘却
の河、海市、草の花、愛の試み、だけでいまは風土を読書中。忘却の河では、最後になっ
て父権が取り戻せた幸せの予感が示されていました。まあ遠大な夢物語のような話しにな
りますが、石原さんの問題提起に答えるには、それぞれの家庭が父親中心のしつけを取り
戻し規律や規範といったものを子供たちに伝えていけるようになることでしょうね。
汐見は、洗礼を受けたのは失敗だった、つい弱気になってふらふらと受けてしまった、と
書いていながら、またもや自身も病床で弱気になってしまったんですね。彼は人生に二度
失敗したのかな。
「超越者」ですか、=宗教、=神、でよろしいのでしょうか。
石原さんのいい文章を選ばれましたね。その段落は味があって私も読み返しました。
784 :
779:2005/04/12(火) 22:48:38
>782さん
福永武彦が有島武郎の影響を受けたのかな、と思ったのは有島の「生まれいづる悩み」を
読むや否や、すぐに福永さんの文章に似ている!と思ったからです。
飛び交う内面の独白!陽が射したかと思うと、雲に覆われ、嵐へと向かう様・・・。
あとは「カインの末裔」からしても「死の島」にも出てきますし。
最近、「夢みる少年の昼と夜」を読んだのですが、少年の内面に垣間見える、ある種の「自己犠牲」・・・。
どことなく切なくなりました。また皆さんのお話に加わらせてくださいね。そして、色んなお話をお聞かせください。
785 :
吾輩は名無しである:2005/04/13(水) 00:25:58
そういえば、「海市」の中にも、
有島武郎について語ってた箇所があったね。
786 :
755:2005/04/13(水) 07:39:42
そういえば、「風土」の中にも、
有島武郎の心中を、よくもまああんな死に方でがまんできたものだね、
と書いていますね。
787 :
754:2005/04/13(水) 18:04:07
>>783 ありがとうございます。そのように言っていただけて、とても嬉しいです。
わたしの仕事は文章を書くことではありませんが、こうしたところに、思ったことや感じたことを
書くのは好きです。
755さんは、世の中のことや政治的なことに大変精通しておられる方だと思いました。
石原氏の政治的な発言の解釈をしていただきました。感謝します。
仰るように三島氏と福永氏とでは、作風も文体もかなり対照的ですよね。
歌舞伎役者の絢爛豪華な衣装を三島氏とすれば、優美で、洒落たモノトーンの洋服を
纏うのが福永氏でしょうか。
戒名に武の字を入れるよう望んだのですね? 初めて知りました。結構意識してたのかな?
確かに現代では父権の復活はかなり困難ですね。肝心な父親たちが性風俗に染まっています。
755さんの読まれた福永作品は、ほぼわたしと同じです。「海市」は今、読んでいるところです。
「風土」「死の島」は未読です。これから読んでいくつもりです。
(つづきます)
788 :
754:2005/04/13(水) 18:05:08
汐見は形としては洗礼を受けましたが、こころのどこかではやはり神を受け入れきれなかった
感がありますね……。
それは、彼は徹底した理知の人であり、信仰に救いを求めるよりは孤独に殉ずることを選んだ
からではないでしょうか。自分以外の誰か(神)に己を明け渡すことができない。
彼のあまりの透徹した寂しさと痛ましさに、わたしは言葉を失います…。
>「超越者」ですか、=宗教、=神、でよろしいのでしょうか。
はい、そのとおりです。
あえて超越者としたのは、キリスト教の神のみならず、釈迦であったり、
やおろずの神であったり、求める対象が人によって異なると思ったからです。
――僕は、たったひとりで死んでいくだろう―― (汐見の言葉に、泪落とさむ…)
789 :
754:2005/04/13(水) 18:05:56
>>784 さっそくの回答、ありがとうございます。
有島の「生れ出づる悩み」、いいですね。わたしも好きな作品です。まっすぐな瞳をした
画家志望の青年に好感を抱きました。
そうですね、「生れ出づる悩み」「海市」ともに海辺の描写が出てきますね。それに「海市」に
出てくる男性も画家ですね。福永氏は絵画にもかなり造詣が深かったようです。
そう考えると、有島氏の作品を読んでかなり影響を受けたと推察されますね。
>ある種の「自己犠牲」・・・。
宗教色が濃く漂ってますよね。年表を見ましたら、有島氏は若い頃かなりキリスト教に
傾倒していたようです。けれども、のちに棄教しています…。(福永氏とは逆ですね…)
若き日にキリスト教の影響を受けていた有島氏は、棄教はしても念頭から完全に去る
ことはなかったのかもしれませんね。それが作品によく現れていると思います。
また、作品の感想をお聞かせくださいね。
790 :
754:2005/04/13(水) 18:06:46
(追記)
全集、お持ちなのですね。わたしも欲しいと思い、ちょっと調べてみました。
福永武彦全集 (全20巻)新潮社 各価格:¥3,150 (税込) 総額63,000円
むむむ…6万ですか。。。いつか絶対に買います! じっちゃんの名にかけて!
791 :
755:2005/04/14(木) 18:05:37
こんばんは、今「海市」お読みなのですか。男どもは父権と風俗の問題を抱えていますが、
かたや女性は嫁姑問題を抱えています。これは日本文学史上100年の長きにわたって未解決
の永遠のテーマです。最新の「対岸の彼女」でも問題はこじれる一方です。もう女性は年
を取ったら意地悪ババア(失礼)になるしかない宿命にある感さえあります。「海市」でも
またこのテーマが伏線になっています。太吉がもっと早くうまく舵取り出来ていたらあの
物語は成立しませんでした。なぜうまく対処できないのでしょう。この点についてなにか
コメントいただけたらと思います。ついでに書くと、「草の花」での男の純愛を現在の
高校生の女性版におきかえたのが、「対岸の彼女」とも言えます。こちらのほうが福永
よりも同姓の純愛を描くのに現実的で上手く出来上がっていると思いました。やはり女性
のほうが現実的なのでしょうか。
792 :
779:2005/04/15(金) 22:17:31
こんばんは。
先日から、再度「風土」を読み始めました。実は途中で止まってたものを、はじめから
読み直しています・・・。いいですね、「風土」。抒情詩のような時間の流れや映像・・・。
あと、この掲示板でも話題に出ていました「マルテの手記」も少し読んでいるんですが、
内面の心理描写を追いかけるのが難しい。あと・・・、ジイド「一粒の麦もし死なずば」も入手したので
挑戦してみます。「狭き門」「田園交響楽」ともに魅せられました。
793 :
吾輩は名無しである:2005/04/16(土) 02:17:15
おお、奇遇だな。
オイラも今『マルテの手記』読んでる。(新潮文庫のやつ)
が、翻訳本だからなのか、いまいち心理描写がついていけない。
794 :
754:2005/04/17(日) 21:56:00
>>791 そうですね…、嫁姑問題はわたしはまだどちらも未経験の未熟ものですが、この問題を
真正面から取り上げている男性作家はあまりいないのではないでしょうか?
嫁姑問題は、おそらく永遠に解決されない問題のひとつだと思います。
人間は誰でも自分の領域を侵されることを嫌います。姑が守ってきた場所、男性たちから
見たら実に些細なものでしょう。けれども長年に渡って守ってきたものにとっては、唯一の
自分の城であり、自分の権限を最大に発揮できる場所です。
いきなり現れた血の繋がらない他人、嫁に神聖な場所をあっさりと明け渡すのは、
容易なことではないと思うのです…。
他人の領域に必要以上に介入しないこと、そのためには自制と慎みが必要であり、
また、両者ともにどこかで日頃の鬱憤を晴らす息抜きの場所が、絶対に必要です。
抱え込み過ぎたものは出さなければ、こころが壊れてしまうからです。
男性が双方の間の舵取りができない、というのであればせめて話を聞いてあげるべき
でしょうね。セラピストたちの基本はとにかく相手の話を聞くということだそうですが、
かつて水道がなかった時代、井戸端会議と称される、嫁は嫁たちで、姑は姑たちで集い、
他愛ないおしゃべりで鬱憤を晴らせる場所があったようです。そこで交わされた会話は
他言しないというのが暗黙の鉄則だったとか…。
(つづきます)
795 :
754:2005/04/17(日) 21:56:43
仕事に疲れ、家に帰ったら妻と母親から双方の怨念にも似た愚痴を延々と聞かされる、
そんな日常から逃れるように別の女性を求める。
男性作家が好んで描くのは家庭内のごたごたよりも、そんな日常を脱出するきっかけと
なった別の女性との恋愛ですね。
そこでは、日常生活がすべて切り離され、都合よく恋愛が繰り広げられます。
「海市」では画家という職業柄か、他の女性との恋愛が芸術家には必要であるという
ふうにも読めますよね。創作意欲を掻き立てる女性、ファム・ファタル…。
男性は定住を嫌う永遠の旅人であり、女性は巣をつくって守る、とよく言われますが
当を得ているのではないでしょうか……。
「対岸の彼女」は未読です。ひと頃は現代女性作家の小説に嵌まっていたことも
ありましたが、最近はなぜか足が遠のいてしまいました…。
796 :
754:2005/04/17(日) 21:57:12
>>792 こんにちは。ジイドの「狭き門」を読まれたのですね?
わたしは「狭き門」を先に読み、数年後に「草の花」を読みました。その時、汐見はどこか
ジェロームをほうふつとさせる青年だと思いました。アリサに対して永遠なる女性像、
理想の女性を重ねて見ているからです。
決して目の前の現実のアリサを見ようとしない。汐見が千枝子を見ていたの同じまなざし。
結果、両方が悲恋に終わっていますね。。。
彼らは最後まで夢から醒めることはないのでしょうか……。
「マルテの手記」は随分前に読みました。
通常の物語小説のように、すんなりとは読み進めていけなかった印象があります。
神について、人間について、愛についての思索の書とでもいいますか、マルテの心象風景、
思考の軌跡が記されていますね。時間をかけてゆっくりと読む本なのかもしれません。
――愛する人間はもはや誰の疑いも許さない。愛する人間の心には清らかな神秘がある――
「マルテの手記」より抜粋(新潮文庫 251頁)
797 :
吾輩は名無しである:2005/04/17(日) 23:29:25
>796
そうですね、「マルテの手記」は一気呵成に読むのではなく、じっくり吟味しながら読む小説なのかもしれませんね。
すんなり理解できない文章の流れで少々苦しんでいます・・・。
リルケと言えば、偉大なる彫刻家・ロダンとの関係がありますよね。岩波文庫でも「ロダン」が
出ていますが、書棚に置き去りにされたまま・・・。いつか読んでみたいと思います。
冒頭を少し読んだだけでも、その力強い筆力が感じられます。楽しみ。
通りすがりの者ですが、汐見に重ねあわされているのは、ジェロームではなくアリサだと思います。
天上の恋に生き目の前の現実を拒んだのはアリサではないでしょうか?
いずれにせよ、恋愛の構図にしても「狭き門」の影響はかなり大きいのではないかと思います。
そんな内容の論文を読んだ気がしますが詳しくは忘れました。首藤さんだったかな…?
799 :
755:2005/04/18(月) 20:32:10
>>794 私の見聞きした範囲で思うんですけど、母子の絆は夫婦の絆よりも本能的に強いことが
そもそもの原因ではないでしょうか。「海市」p90に福永は詳細な観察を書いています。
さて母も子(太吉)も自覚していない問題点はどこでしょう、それは母の子離れ、子の親
離れが出来ていないことではないでしょうか。これはもう母子が学習しないといけませ
ん。結婚するからには母は子を他人と思い、子夫婦に口出ししないことです。嫁がまた
姑になるときも然り。それで嫁姑の怨念の連鎖を断ち切ることが出来そうです。
すると嫁が「自制と慎み」をもって姑に合わせるのは間違いと気付きます。その態度は
怨念の連鎖を助長します。
男は狡いから、嫁姑がうまくいかないことを放置して、自分の遊びの口実にします。
この不作為の責任逃れは、内に隠された狡さゆえに糾弾されなければなりません。
「ファム・ファタル」ですか。それぞれにちょうど都合のいい言葉が用意されています。
--p.s.ただいま「風土」p303。灯台の灯のまわる海岸で、母娘がそれぞれの相手と
接吻しています。ショートケーキに砂糖をもぶし蜂蜜をかけたくらい甘くて食傷気味です。
--p.s.2 福永には sage進行が よく似合う
800 :
754:2005/04/19(火) 18:07:16
>>797 何かに行き当たったときや、恋愛や人生につまづいたとき、ふっと紐解いてみたくなるのが
「マルテの手記」でした。記されている珠玉の言葉の数々は、ずっしりとした重みを持ち、
あたたかく、やさしく、わたしのこころに深く語りかけてくれました。
今はすんなりと理解できない文章も、時が経ち、ふたたび読み返した時に、
理解とまではいかなくとも共感できることがあると思います。
ロダンには高村光太郎もかなり影響を受けたようです。知人が光太郎氏の論文を書くに
あたり全集を買ったので、借りて読みました。ロダンは表現が力強いですよね。
圧倒されます…。
801 :
754:2005/04/19(火) 18:08:26
>>798 こんにちは。レス、ありがとうございます。
実はわたしも798さんと同じように、アリサのほうが汐見のイメージだと思いました。
ところが、「草の花」を読んだあとで、ジェロムは信仰篤いアリサに永遠の女性像を
抱いており、彼のイメージにふさわしくあるためにはアリサは現実の生身の女性であって
はならない、つまり生涯を神に仕えるという形でしか彼の愛に応えることができなかった
のではないか、と思ったのです。千枝子も愛と信仰の間でかなり苦しんでいましたね…。
そんな折、たまたま「恋することと愛すること」という遠藤周作氏の本を入手しました。
――アリサもまた実は普通の、平凡な女性だったのであります。彼は自分を比べようも
ない聖女と考えている。もし、彼の夢をうち砕いたら、彼は自分を捨ててしまうだろう。
ジェロムは夢見がちの青年であり、あまりにも理想主義的な男でしたから――
(「恋することと愛すること」講談社文庫 70-71頁)
遠藤氏のこの言葉に納得したのです。遠藤氏はこれを陶酔しすぎた悲劇、
恋愛のもたらす結晶作用のいき過ぎとしています。
ご指摘のとおり、信仰や恋愛を考えるとき、「狭き門」の影響はかなり大きいものですね。
802 :
754:2005/04/19(火) 18:09:11
>>799 母子の絆、ですか。確かに強いですね。「海市」p90でも妻の弓子が家を出て行ったことに
ついて母と太吉の会話がありますが、別にいなくても構わないといったような口ぶりです。
母子が自覚を持って学習する、深く深く納得です。
「風土」、ずい分と甘いシーンがあるようですね。ちょっと楽しみ…。
福永氏の作品はとてもロマンティックな場面が多く、それが美しく品の良い文章と調和して
読むものを夢心地の気分に誘います。
ありきたりな現実の生活に辟易している人たちにとって、彼の作品はほんの一時の
甘く美しい夢を見させてくれるものであります。
小説を読むことは旅をすることだ、とは作家の星野智幸氏の言葉ですが、そのとおりですね。
作家が紡ぎだす非日常の世界にわたしたちは浸ることによって、登場人物たちとともに旅を
続けます。旅先で起る恋愛、別離、また、人生における悲しみや挫折、そうしたものを
わたしたちはまるで自分のことのように感じ、涙を流したり笑ったりします。
最後の一頁を閉じた瞬間、わたしは現実世界に復帰することがなかなかできないことが
よくあります……。
803 :
755:2005/04/19(火) 23:35:00
こんばんは、話題を変えて福永の音楽評について。
もう「海市」p242まで読まれているでしょうか。安見子とともに演奏会に行く場面。
私はモーツアルトクラリネット五重奏曲k.581には、明るい透明なA-Durの色調にクラリ
ネットの持つ深い憂いを帯びた音色が混ざり合って、聞く者の心を満たす暖かみ、優し
さ、生きていることの喜び、天才の声=神の声を聞ける喜び、時に哀しみを時に湧き出
る生気を時に希望を感じます。福永の孤独に全面的には同調できないように、とても残念
なことですが「冥府から吹いて来る風」なんか感じません。もっとも私の感想はありきた
りのモーツアルト評で福永は天才的に吹っ切れた評をしているのかもです。または安見子
とつないだ手の暖かみと、恋人とともに聞く喜びを浮き立たせるためわざと暗い評を書い
たのでしょうか。謎です。
804 :
779:2005/04/20(水) 01:49:06
こんばんは。最近、この掲示板をたずねるようになったのでわからないのですが、
775さんは学者さんなのですか。とても博学な文をお書きになっているようなので・・・。
遠藤周作さんの話も出ていますね。私(♂)も好きです。「わたしが・棄てた・女」
「女の一生(2編とも)」など恥ずかしながら男泣き・・・。
ところで、福永さんの「風土」。とても叙情的というか、絵画的な、昔の穏やかな世界が
目に浮かびますが、登場する少女とマッチする銅像を見つけました。私の大好きな銅像です。
いかがですか。
http://www.nature-n.com/shtng/htm/02s01-j.htm
805 :
754:2005/04/20(水) 18:28:37
>>803 安見子とともに行った演奏会における福永氏の音楽評論の感想についてですね?
わたしはモーツァルトはあまり聴く機会がないので(魂の音楽、J.S.バッハのほうが好き)
詳しいことは述べられませんが、モーツァルトは華やかな楽曲という印象を抱いて
おります。明るく伸びやか、喜びをもたらす楽曲が多い。
「冥府から吹いて来る風」について福永氏は以下のように記していますね。
――但し永遠に孤独に、一人きりで、……それがモツァルトが私に語りかけて来る
冥府の印象だった――
愛する人とたとえ同時に甘美な生の喜びに浸っていても、人間は孤独から永遠に逃れる
ことができない、わたしたちは一人一人透徹した孤独のなかで生きている……。
これはまさしく、福永文学の最大のテーマではないでしょうか。「草の花」「愛の試み」、
皆、徹底した孤独が語られていますね。
愛する人がいてともに愛を語りあっても、また、その愛が最高潮に達した瞬間でさえも、
わたしたちは皆一人であり孤独からは決して逃れることができないのです。
愛に酔いながらも醒めた怜悧な人間を福永氏が描かざるを得なかったのは、氏の闘病、
つねに死と隣り合わせだった日々の、悲痛な魂の叫びではないでしょうか…。
――J.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲第一番ヘ長調」を聴きながら――
806 :
754:2005/04/20(水) 18:29:26
>>804 遠藤周作氏の作品、わたしも大好きですよ。
「わたしが・棄てた・女」最後に近い場面とシスターの手紙文、いつ読み返しても
泣いてしまいます……。
遠藤氏は森田ミツを一人の聖女として描いた、と後書きにありましたね。
――踏むがいい、そのためにこそ、わたしはこの世に来たのだ――
「沈黙」の踏み絵の場面のこのせりふに、何度涙ぐんだことか……。
限りない慈愛と赦しが込められた言葉。
(遠藤は若いころ、モーリアックに心酔してましたね。)
「風土」に登場する少女とマッチする銅像のイメージ、貼りつけていただき
ありがとうございます。
今治の糸山公園から、海を眺めている女の子の銅像ですね。潮風に飛ばされぬよう
帽子を片手で押さえている少女。清々しい印象を受けました。
「風土」はこれから読むつもりですが、こんな可憐な少女が出てくるのかと思うと
ますます楽しみです。
807 :
755:2005/04/20(水) 21:17:52
そうしますと、p242はたんなる楽曲の感想じゃなくて、754さんの言われる「福永文学の
最大のテーマ」を名曲中の名曲に衣を借りて表現しているのですね。福永はこの曲を選ん
だのも周到に計算していることになります。注意深く書いて何度も書き直したような文章
です。瞑想的で華やかすぎない永遠に残る名曲、「冥府から吹いて来る風」がそれらしく
聞こえること、自分の作品にふさわしい品位のあること。
あと注意深く書いているのは、p258。ここでも美と死と生を語っています。「私の固定
観念」はいつもなにごとも死を通して語られ「彼女の美しさの中に死を発見することに
よって、生を発見し」ます。この2pが「海市」の福永がもっとも語りたかったメインテ
ーマということでしょうか。
--p.s. ブランデンブルグ協奏曲は久しく聞いてなくて、手元には3-6番のCDしかありま
せんでした。バッハは本を読んでいても刺激的でなくてBGMにいいですね。
--p.s.2 少女の銅像、拝見しました。潮風に吹かれておとな一歩手前の道子に似つか
わしい感じです。
808 :
754:2005/04/22(金) 17:14:07
>>807 >福永はこの曲を選んだのも周到に計算していることになります
おそらくそのとおりだと思います。
――この世のものではないやさしさ、柔らかさを持ち、(略) 魂の上を羽ばたくように
通り過ぎた―― とあります。このモーツァルトの楽曲が示している意味は何でしょう。
こころが高揚し陶酔している状態、つまり、恋愛中の状態ではないでしょうか。
相愛の人とともに聴くに最もふさわしい甘美な楽曲、その最中でさえも太吉は死の意識や
孤独から逃れることはできないのですね。醒めているのです。
>この2pが「海市」の福永がもっとも語りたかったメインテーマということでしょうか。
…そうですね、わたしはこの部分は芸術家がとらえている美、愛、死生観について語られて
いると思いました。愛する女性を前にしながらも、彼は徹底した「観察者」です。
恋愛につきものの陶酔感を通り越し、対象を冷静に見る芸術家のまなざしを感じました。
そのような非情な目を持っているからこそ、芸術家たり得るのかもしれません…。
(つづきます)
809 :
754:2005/04/22(金) 17:14:42
この小説は、ひとりの芸術家のエゴが描かれています。
ふさちゃんと呼ばれるかつての恋人との心中も戦争を理由に土壇場になって怖気づき、
安見子と最後に落ち合うはずだったのに、子供の入院を口実に結局そこへは行かない。
――お前はそういう男だ、そういう卑怯な男だ。(略) 要するにお前は死ぬのが怖いのだ、
或いは愛することが怖いのだ。(略) お前には愛することが出来ない、死ぬほど愛する
ことなんか、お前には出来る筈がない。――
最終頁に出てくるこの文章が、ひとりの男の、芸術家のエゴイズムを糾弾していますね。
――考えてみると、あたしたち一緒に愛し合っていたのじゃなかったんです。
あたしたちは別々に愛していたんです――
安見子の電話の最後の言葉。
わたしたちは互いに愛し合っていても、その愛は決して同じではありません。
恋愛というものには、幻想や錯覚がつきものです。そのことを福永氏は「愛の試み」に
おいても語っていますね。ここでも然り、です…。
810 :
755:2005/04/22(金) 21:21:59
こんばんは、クラリネット五重奏曲は恋愛状態を表現していたのですか、う〜ん、なるほど、
そう思って聞くとそのとうりに聞こえます。これほどの名曲をひとりで聞くのはもったいな
いですね。
ところで754さんは、どうしてそのように的確に作者の意図を読み取れるのですか。コメント
読ませて頂いて、現国の試験の模範解答を見るようでした。ひょっとして、ま、いいか、
詮索はよしましょう。
そのかわり、小説を読むコツというか、作品の主題を分析的に読みとる方法をお教えいただ
けませんか。3回くらい読まれるのですか?メモをとりながら読まれるとか?おつむの差で
すよ、はひとまずおいといてお教え願います。
811 :
754:2005/04/23(土) 18:41:20
>>810 いえいえ、わたしは文学の専門ではありません。たんなる一素人です。
的確に読んでいるかどうかは、正直言って自信がないのですよ…。
と言いますのは、わたしはかなり深読みする傾向があり、また、書かれてある
ことにプラスαして空想(妄想?)する癖がかなり強くあるのですね。
ですから、感想を話し合う時など、周囲から浮くことが多いのです。(苦笑…
小説を読むコツですか…
わたしは、基本的に小説は読み手がどのように読んでも構わないと思っています。
(勿論、専門の批評家はそれではまずいでしょうが…)
分析能力もわたしには、あまり無いと思います…。冷静な判断力からは遠いです。
わたしは、書かれてあることに対して思い込みが激しく、書き手の意図を時には
無視してひとり勝手な自分だけの想像の世界を築き上げてしまうことが、しばしば
あります。暴走してしまうのですね。。。
(つづきます)
812 :
754:2005/04/23(土) 18:42:40
メモをとりながら読むことはしませんが、光る表現に出逢うとすぐさまマーカーで
線を引きます。気に入った本ほど、読み終えたあとは線だらけになりますね。
回数はあまり数えたことがないのですが、気に入った作品は、やはり繰り返し
読みますね。
要は、身構えず、好きなように自由に楽しく読めればいいと思うのですね。
小説を読むことは、登場人物や、あるいは書き手との対話でもあると思うのです。
その対話をいかに真剣にするか、作品の世界に入り込んでいくかについては、
未読の作品を手にした瞬間の高揚感と強い好奇心――どんなことが書かれている
のだろう?――という未知の世界に対する、あのワクワクした気持ちを何よりも
わたしは大切にしております。
あまり、質問の答えになっていないようですみません。
稚拙ながらも、わたしの小説の読み方です。
――パッヘルベルの「カノン」を聴きながら――
813 :
755:2005/04/24(日) 18:17:48
いえいえ、「たんなる一素人」ではすまされないレベルですよ。
そうですか、線を引くことと、気に入った作品は繰り返し読まれて、「未読の作品を手に
した瞬間の高揚感と強い好奇心」を大切にされるのですね。教えていただいてありがとう
ございます。私も「風土」の最後にさしかかっていまして、なにかが起こりそうな期待を
もって大切に読むことにします。また754さんも「風土」読まれたらお話しいたしましょう。
---「カノン」は持ってなかったですね〜、春らしくin DのMozartフルート協奏曲2番を聞
いて次にBachのクールなSonatas for Violin and Harpsichordをかけました。
814 :
吾輩は名無しである:2005/04/28(木) 03:03:30
皆さん、何だか「加藤周一」のような文章ですね。
保守
816 :
吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 22:58:00
先日の新聞のコラムにも掲載されていたのですが、
映画にもなった(映画の題は別ですが)、「ヒロシマ私の恋人」という小説というか
作品というか、それがどことなく福永武彦の小説のような雰囲気があって素敵です。
「死の島」を思わせます。
この人に興味ある初心者です。
この人の作品はジャンルで分類すると何小説ですか?
818 :
吾輩は名無しである:2005/05/29(日) 01:36:38
私にとっては「池澤夏樹のパパ」だ。
まさか「池澤春奈のおじいちゃん」などと言う奴はこの板にはいないだろうが
819 :
吾輩は名無しである:2005/05/29(日) 03:33:47
サメの話しようぜ
820 :
吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 21:26:00
ところで、相見綾子って結局処女だったんだっけ?
漏れ、読んだ当時惚れてたからちょっと気になる。
読み返してなくてあれですが、普通に違うでしょう。
822 :
吾輩は名無しである:2005/06/14(火) 12:31:33
新潮文庫「死の島」上下が近所の古本屋にありました
面白いですか?
823 :
吾輩は名無しである:2005/06/18(土) 02:15:00
値段は?
新潮文庫のは珍しいから、
安かったら買ったほうがいいよ。
池澤はスティルライフ以外知らんが
名前だけは良く聞くよな。
825 :
吾輩は名無しである:2005/07/23(土) 03:46:34
だって一人で死ぬのはあんまり寂しいもの…
age
826 :
吾輩は名無しである:2005/07/23(土) 08:58:04
つい先日予備校の夏期講習のテキストで福永武彦さんの「忘却の河」を見ました。
おもしろそうですね。なんか今の自分にとってすごい魅力的な抜粋部分でした。
827 :
吾輩は名無しである:2005/07/25(月) 15:09:08
「草の花」高校ん時の読書感想文の指定図書だった気がする。
“そんなにも無益な孤独が、僕のささやかな存在理由の全部だった。”
激しく共感した青春時代。青臭かったな…w
828 :
吾輩は名無しである:2005/08/29(月) 03:33:13
「死の島」読了したばかりで、興奮冷めやらず。
ヒロイン二人より、男達に感情移入して涙さえ浮かべたなあ。
どっちが生きているか待ち儲ける主人公の現在の時間はなかなか進まなくて焦れた。
私は最初の結末を選びたいと思う。単純に、一番予測できたし、まだマシだと思ったから。
(もう一人の方はどっち道無理そうだけど、せめて彼女と相馬が会話できるのを望んでたんだよ)
しかしそう考えたところで、後二つのぞっとするような絶望と虚無感も無かったことにはできない。
奇妙な読後感でした。
「永遠にまつわることをすべきだ。君がそう思わないなら別にいいけどね。」
みたいなセリフを福永作品で読んだ気がするんですがどなたかご存知ありませんか
830 :
吾輩は名無しである:2005/10/05(水) 02:09:57
上の方でも少し語られてた問題ですが
福永は何故晩年になってから洗礼を受けたんでしょうね?
幼い頃からキリスト教家庭に育っているし
「死の恐怖」っていっても若い頃にはサナトリウム入ってるし。
(しかもその経験を元に描いた「草の花」ではアンチキリスト教)
「狭き門」との関連もあるし。
831 :
830追記:2005/10/05(水) 02:14:31
福永作品の「愛」とキリスト教の「愛」
その相違点がポイントなのかなぁ?うーん。
832 :
吾輩は名無しである:2005/10/12(水) 04:19:10
今日初めてこのスレを見て
もう一度全集を読み直そうかなと思いました。
あの頃は一巻3000円が高価に思えた学生だったので
多少の経験を積んだ今読むとまた違って感じられるかなと思います。
833 :
吾輩は名無しである:2005/10/26(水) 16:26:37
新品で買える本が三冊くらいしかねーじゃん
834 :
吾輩は名無しである:2005/10/26(水) 16:34:17
福永の人生観は複雑だが、それがそのまま複雑な文学観には繋がらない。
晩年に洗礼を受けた福永には、朽ち果てる我が身が絶望の内にオーバーラップ
したことへのフラストレーションに過ぎずに終わることを何よりも恐れた証拠に
死の島があると考えられる。死の島に語られたことは、洗礼を朽ち果てる我が身と
対置して考えることに成功した暁の成果だという信条が語られる。
>>834 書きたいことはわからんでもないが悪文だな・・・
今日、神田古本祭りで、福永武彦全集・全20巻・新潮社のうち
小説集のみが1巻から11巻までまとめて出ていましたので
買いました。
11巻で8,400円でした。
これでようやく手元において好きなときに読めますよ。
837 :
吾輩は名無しである:2005/10/30(日) 22:14:33
愛の試み読んだ工房ですがなんかもっと延々と書き続けてほしいくらいでした。
なんとなくこれはいい文学入門だったなあと思います。
838 :
吾輩は名無しである:2005/11/03(木) 12:51:28
>>836 うげげ、全集にウン万円払ったあたしの立場は・・・
>>837 挿話の「細い肩」だったけな、ジンとならなかったかい?
ageとく
839 :
836:2005/11/03(木) 18:36:41
>>838 古本祭りは時々、掘り出し物がありますよね。
今回は本当にラッキーでした。
でも、838さんがお持ちの20巻のなかには美術評論や自作の詩なども
収められていると思いますので、それはそれで宝物だと思いますよ。
「細い肩」良かったですね〜。
あと、挿話のなかで好きなのは「花火」、「女優」かな。。。
「愛の試み」は観念的な恋愛論ですが、こうしたわかりやすい
挿話を織り込んでいるのは、作家ならではの手腕ですね。
地方の駅構内の古本コーナーで「死の島」新潮文庫(初版)が上下各100円で売ってました。
すかさず買って、これで5セット目(全小説、河出書房、新潮文庫×3)ですw
「草の花」と「狭き門」との関連はおもしろい話題ですね。
「狭き門」がアリサに対する非難であるのに対して、
「草の花」は汐見に対する非難であるのかもしれません。
そうすると、「草の花」はあながち反キリストではないのかもしれませんね。
「死の島」にしても、誰か福永作品とキリスト教思想の関連性について論じることが出来る人いませんか。
論じることができるほどの専門でもなく、また、福永氏の作品すべてを読んでいる
わけではないのですが、、、
福永氏の「廃市」とジイドの「狭き門」はほぼ似た構図だと思いました。
二人の姉妹に愛された一人の青年。
「廃市」では妹が姉の夫に惹かれているという設定、「狭き門」も妹のジュリエットが
姉の恋人のジェロムに片恋しています。
両作品とも姉は妹のために身を引きます。結果、どちらの作品も悲劇に終って
います。
ここに見られるのはキリスト教の「自己犠牲」です。
「惜しみなく愛は奪う」ものではなく、「譲る」という姿勢です。けれども、それは偽善
でしかない。こと恋愛に関しては「自己犠牲」は誰も幸福にしません。
福永氏は洗礼は受けましたが、そうしたキリスト教の博愛主義や自己犠牲的な
教えは欺瞞であると見抜いていたのではないでしょうか?
842 :
830:2005/11/16(水) 04:34:35
>>841 福永はジイドの「狭き門」は「キリスト教の純潔批判の書」であると言っているけど
それを典拠にした「草の花」、「廃市」の主題もそうであるかと言われれば、おそらく違う
まぁ、戦時中には少なからずキリスト教に不審を抱いてたと思うけど(日本でもキリスト教は戦争に賛成してたから)
よく言われている主題は「孤独な魂の再現」ですね
「草の花」の汐見は福永自身がモチーフになっており
その汐見と同じように、福永も死ぬ前に洗礼を受けたってのが面白いね
20年前の自分の著書をなぞる事になるなんて
というか汐見と重ねる為に洗礼受けたんじゃ、とか冗談半分で思ったり
福永が死んで「草の花」が完成されるって寸法ですよw
843 :
吾輩は名無しである:2005/12/10(土) 23:21:26
最近、古本屋行って真っ先に見るのが「ふ」のコーナー
新潮文庫の「死の島」見つけたときは嬉しかった
844 :
吾輩は名無しである:2005/12/14(水) 20:51:25
ずっと、村上春樹ファンで、すべての著作を読んできました。
春樹以外の作家の作品を渉猟してみたものの、ぴったりしたものが
見つからず、友人から、福永武彦がいい、といわれて、
「誰、それ?聞いたことない」と返事して、
まあ、いいや、と風土から初め、海市、草の花、死の海とのめりこみました。
文章の澄み切った清冽さ、充分に計量された構成、作中人物の心象風景の
奥深さ、どうしてこれほど完成度の高い作品群が 廃刊になっているのか、
不思議でなりません。村上春樹など、足下にも及ばない作家が戦後いたことに
驚き、死後、急速に忘れ去られていることがとても寂しい。
孫の人気が下降したからw
息子じゃなくて孫のせいかよww
847 :
吾輩は名無しである:2005/12/21(水) 15:31:22
『廃市・飛ぶ男』と『お伽草子』をさっきネットで注文しました。届くのがすごい愉しみです。
今は『夢見る少年の昼と夜』を読んでます。
848 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/04(水) 06:00:17
草の花
849 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/21(土) 23:05:09
20台前半ですが、草の花の世界観が好きでたまりません。千枝ちゃんは理想の女性です。おそらく俺は変態なのでしょう。。
太宰ファンだという今ちょっと気になってる人に、草の花をプレゼントすることを思いついたんだけどこれってアイタタ・・な行為でしょうか。
太宰好きの女性にだったら、上手く行くかも。
なんか、往年の少女漫画みたいだなぁ。
僕も草の花好きの20歳です。
周りに純文好きな子はいないですね…
852 :
吾輩は名無しである:2006/02/15(水) 15:53:56
忘却の河読了。読後、初めて福武氏の写真を見た。
読みながら想像した作中の美術評論家の顔とそっくりで驚く。
ドストエフスキー「未成年」を経て「死の島」にとりかかる予定。
どうなんだ?この進路は。
853 :
吾輩は名無しである:2006/02/17(金) 14:29:46
セクハラ事件の真相を教えてください!
854 :
吾輩は名無しである:2006/02/17(金) 14:30:41
今は大学の国文で近代日本文学を勉強している女です。
855 :
吾輩は名無しである:2006/02/20(月) 22:24:40
>>854 その話はネタでしょう。で、全然関係ないけどメル友になって。ください。好きなのは福永太宰漱石などです。
昔、新潮文庫で全冊持ってたけど、このスレッド見てまた読みたくなってきました。
今となって記憶に残るのは「かだ れいたろう」のアナグラムのみ orz
857 :
吾輩は名無しである:2006/03/09(木) 17:45:27
俺は「廃市」が好き
858 :
吾輩は名無しである:2006/03/09(木) 21:41:27
「忘却の河」が一番好きだけど、「心の中を流れる河」もいい。
主よ、この娘を救いたまえ、この暗き心に光を与えたまえ。
孤独との共生を示唆してくれるセンテンスが多く、まるで聖書のようです。
859 :
吾輩は名無しである:2006/03/09(木) 22:28:25
廃市は大林宣彦が映画化してますね。
草の花もやってくれ!!
860 :
吾輩は名無しである:2006/03/10(金) 00:21:24
ただし「漂流教室」のような原作より甚だ劣化した
映画は勘弁な。
中村・堀田と並んでモスラのセットを見学している写真ありませんでした?
スタジオに例のごとく痩身長躯のスーツ姿で立って、おほっみたいな嘆声を漏らしているかのような
和らいだ表情で、仰ぎ見ている写真。すごく好きな写真なんですけどね。
どこで見たんだっけかな……
絶版してる作品が映画化されたら復刊されるのかな。
>>861 新潮日本文学アルバムにあったような気がします
864 :
吾輩は名無しである:2006/03/10(金) 13:06:33
47ページにあるね。
865 :
861:2006/03/11(土) 06:45:34
自己解決しまして、集英社の日本文学全集81(中村|福永合本)の解説で見たものでした。
中野重治と連れだって犀星の墓参りへ行ったときの写真もあり、こみあげるものがあります。
ただ残念なことにこれは画質が悪い。教えてくださった新潮日本文学アルバムを探してみます。ありがとう。
世界の終りが好きです。福永の名人芸のひとつに《改行》があると思いますが、特に「彼女」に設けられた書き込み
一つひとつに不可視の楔を打ち込むリズムの「非情さ」は酔いしれさせます……
彼はフォークナー、ウルフ、ジョイスから影響を受けたのだと、はっきり打ち明けていますが、(うろ覚え→『野生の棕櫚』寄稿文で)
あの一度引きずり込んだらこちらの認識の束をばらばらにほどくまで目移りを許さない「深淵」などは、
これらの作家には見られない現象であると思っています。おそらくそれは避けがたい日本語との格闘の成果でもあるのでしょう。
きわめてこの問題を単純化すれば日本語の句点(>。<)はフルストップではないということです。
つくづく不思議な魅力をたたえた作品です。
最近『芸術の慰め』を読みました。書中に神秘主義という著者にしてみれば避けたかったかもしれない
異形の語句が何度か出てきます。若き日の私訳マルドロールの歌の自己引用などもありました。あれを思い、これを思います。
福永の物好きに興味のある物好きの方は必読書かと思います。
ところでひょっとすると読者層がかぶるかもしれない田久保のスレッドを作るだけ作っておきました。
スレ初っ端にお定まりの2chノイズを垂れ流しておいたので、気が向いたときにでも気軽に書き込んでくださるとうれしく思います。
では
866 :
吾輩は名無しである:2006/03/29(水) 12:16:19
これまで、村上春樹一辺倒ですべて読破して、自慢していた。
が、福永の死の島を最近読了、
全然、レベルが違う。
何で、こんな凄い本が、絶版なんだ?
日本の出版界は砂漠のような世界。
凄いかどうかは1000年経ってから結論が出る。
今、凄いのは平安以前の作品だな。古今和歌集が1101年か?
復刊ドットコムの「死の島」に、ここ数日で何票も入ってるんだが何かあったのか?
死の島なんか古本屋で簡単に手に入らないのか?
福永武彦いつか読みたいと思ってたら集英社の日本文学全集をゴミ捨て場で拾った。
収録作品は・告別・塔・死神の馭者・鬼・死後・世界の終り・廃市。
読んでみたら塔と世界の終わりが特に好きだと思った。学校の先生にこの話をしたら全集にそのチョイスは通だねって話だった。他にも福永の作品読みたいんだけどじゃあスタンダードなのは何?片っ端から読んでみてもいい気もするけど意外と全集とか図書館にない…
短編だったらそういう選び方も有りでしょう。
普通に言われる代表作は、風土・草の花・忘却の河・海市・死の島ってところではないかと思います。
塔と世界の終わりが好きだってことは長編もきっと面白く読めるはずですよ。
おれは風土が好きだな。
御教授どうもありがとう。
学校の図書館に福永の個人全集は置いてない…。
置いてある本の中では新潮社の福永武彦集の収録作品が・草の花・忘却の河・海市・廃市だったのでちょうどいいですね。読んでみます。
他の作品はどうしよう…。
874 :
吾輩は名無しである:2006/05/03(水) 16:49:23
私の大学の図書館には全集がおいてありました。医科系の単科大学の教養部なのに。
「廃市」は白秋を意識してるはもちろんなんだけど、明らかにローデンバックも影響しててね
っていわれて、ローデンバックは「死都ブリュージュ」しか読んでないんですけど
と答えたら、そうそう、死の都ブリュージュ。…とのこと。
あ、そうなの?少しもそんなこと思ってなかったどいわれてみればそうなような、そうでもないような…。
「廃市」は映画の主人公の笑顔が初々しくてなんかいい。
>>856 ミステリだったっけ?、読んだ記憶はあるんだが、
なにせ二十とニ、三年前だw 岩波の詩集とかは持ってるけど、
そっちの方が読み返したい。 …そういや先日の大掃除で
『愛の試み』が出て来た。このおセンチさが今は妙に沁みるよ、
「砂浜にて(挿話)」、来るなぁw
>>875 大林監督の「廃市」の映画見ました。姉妹にばあさんのような気品がほしかったな。
婿を取り合う設定に、残念ながら姉妹の女性的魅力が足りない。さらに妹が部屋に
案内するなり布団敷いたり給仕したり、旧家らしい格式を欠いて残念。
夏休みに俳優のギャラなしで撮ったとか、エピソードは大林監督の入れ込み度満点
でした。さらに福永は「草の花」をなぞった死に方をしたという証言付きです。
878 :
吾輩は名無しである:2006/07/24(月) 00:32:55
この人が書いたもので、「夜の海を1人泳ぐ女性」が
出てくる小説ってあります?
879 :
吾輩は名無しである:2006/08/01(火) 14:44:22
東進衛星予備校の現代文担当。出口ひろし先生が福永を好きだと言っておりました
880 :
吾輩は名無しである:2006/08/01(火) 21:41:34
「死の島」読みました。面白かったです。
素子がいい。最後可哀想だけど……
過去はおいといて、相馬の方が可哀想だと思った。
そうかもしれないけど、相馬は同情するには煮え切らなさ過ぎるように思う。
物語の構造上しかたないことだけれど。
「冥府」を読んだんだけど、死後の世界があんなだったら
そこで間違いなく悶死すると思った。
…生き方を変えたい。
884 :
吾輩は名無しである:2006/09/03(日) 03:10:45
ウン十年前の怪獣映画「モスラ」の原作者の一人は福永武彦さんです。
皆さん、知ってましたか?
他の二人の原作者も日本文学における巨匠なので、モスラを見るにしても
深い意味を汲み取ろうとしてしまう・・・。
原作本は短いのですが・・・。
885 :
吾輩は名無しである:2006/09/10(日) 11:06:33
全集の「夢の輪」を読んだ人っている?
「心の中を流れる河」だっけか、寂代を舞台にした話を
大きくしたものなんだけど。
筑摩書房から出てた本は
いつ絶版になったの?
887 :
吾輩は名無しである:2006/09/15(金) 10:07:31
たくましそうな名前に似合わず、繊細な作品を書く人だなあと思った。
アブクちゃん
889 :
吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 10:25:23
草の花の内容を簡単に教えて下さい。
売ってないんです。
890 :
吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 11:16:11
『草の花』は、日本文学では稀な、知的な青年を描いた作品である。この青年の孤独は、
理智から来ているともいえる。理智が彼を潔癖にし、潔癖が妥協を許さない。そのために
彼は友を失い、恋人を失ってしまう。
汐見茂思は、彼女にも、また彼女の兄の藤木にも、夢を見る人として恐れられ、避けられ
たが、果たして夢を見る人であっただろうか。そうではあるまい。彼こそ覚めた人だったのだ。
ただ、彼は、孤独の中にとじこもりすぎていた。そして孤独のうちに考えてばかりいた。
「僕の孤独も無力かもしれないが、少なくとも神なんかに頼って、この神が日本を救えと命令
したなんぞと考えるよりは、百倍も正直で人間らしいと思うのだ。神がいないからこそ、僕は
人間らしく苦しむことが出来るのだ。愛することも、苦しむことも、神とは関係がないと思うよ」
しかも、そういう彼らの心を、彼は量ることができなかった。彼は書いている、「藤木、と
僕は心の中で呼び掛けた。藤木、君は僕を愛してはくれなかった。そして君の妹は、僕を
愛してはくれなかった。僕は一人きりで死ぬだろう……」
このような絶望的な孤独は、多分、作者のものであろう。その絶望の深淵の中から
自分を見つめ、人生を見つめることは、さぞつらいことであろうと思う。しかし、そのような
深淵の底でこそ、真物(ほんものとルビ)が作られる。波の間に間に浮かぶようなものから、
われわれは何ものをも期待しはしない。
以上、文庫解説(本多顕彰)からの抜書き。
…いやさ、俺、持ってはいるけどこの本、読んだ覚えが無いんだよなw
891 :
吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 12:02:33
>>890 ありがとうございます。
僕は、ある女性から、福永さんの草の花を読むと、
恋愛の機微を知る事が出来る。
と、言われたんですが…
892 :
吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 19:49:49
>>891の書き込みについて、
皆さん、皆さんは、どう思います?
893 :
吾輩は名無しである:2006/10/03(火) 20:03:02
君は「愛の試み」読むと良いよ
894 :
吾輩は名無しである:2006/10/22(日) 10:46:49
福永武彦と池澤夏樹って
あんまり似てないような
春菜も夏樹に似ていないが。
>>891 恋愛の機微とはちょっと違う気がするなぁ…。
897 :
吾輩は名無しである:2006/11/13(月) 18:27:00
「死の島」購入age
899 :
吾輩は名無しである:2006/11/19(日) 00:49:33
「死の島」読了。
…orz
900 :
吾輩は名無しである:2006/11/19(日) 09:59:00
この人の最高傑作てなに?
ブクオフでこの前全集買いました。
9冊400円、2冊1600円で。
うれしいが、汚れるのがいやで
bなかなか読めそうもない。
902 :
吾輩は名無しである:2006/12/02(土) 10:03:53
素子さん…(T_T)
903 :
吾輩は名無しである:2006/12/22(金) 11:23:32
ageるお(´・ω・`)
草の花読んで人生棒に振りました。
もう落ちることもないだろうよ、ここが底の底だろうよとおもたら、今日また落ちました。アへ。アヘヘ
眠れんよ
だから1から読むYo。1よ、スレ立ててくれてあリがトぉオぉお
いや ふざけてごめんまじありがとうございました。
愛されているね。
906 :
吾輩は名無しである:2007/01/16(火) 08:53:37
ああ
もうだめなのら
一人で死ぬのら
あてにも肺摘手術をしてくらはい
ノートは…ノートは…書けましぇえでした。ええ
吊ってくらぁよ。
はい!上げます!
907 :
吾輩は名無しである:2007/01/18(木) 13:28:10
評論家のおっさんか?
「死の島」を読んだら無性に翡翠のペンダントが欲しくなり、
ネットオークションで安物を購入。
「ひすい」か「かわせみ」か?
相馬が素子さんにあげたやつです
で、材質が「ひすい」だったのか?形態が「かわせみ」だったのか?
912 :
吾輩は名無しである:2007/03/05(月) 14:20:53
駅まで見送りに来てくれた立花君age (ノ´△`)ノ
あ、沈丁花age
新庁舎の全集を持ってます。一冊ごとに発売のたびに買ったので
(88年とか89年とかの話かな。)思い入れも深いです。その前の単行本も
いくつか持っていて「死の島」より「忘却の河」が感傷的だけど好きです。
いま20年ぶりに見たら単行本だと思っていた忘却の河は全小説の7巻目でした。
背表紙のところに団子虫がつぶれて死んで、乾燥していました。
それはさておき「あなたの最も好きな場所」っていい短編だと思いませんか。
話として無理があるのは百も承知で、ロマンチックだよな。
「お前には星の送ってくる合図がわかるかな。」
20年も前、俺は星の合図がわからずにただ福永武彦の全集を買い続けた。
今日20年ぶりに単行本を手に取ると背表紙に団子虫が干からびて死んでいた。
人生は美しい。
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| ここはお前の日記帳じゃねえんだ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\_______ _______/ | チラシの裏にでも書いてろ
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ヽ、)ノ::{ ´,,,ニ'=゙ー ´、yr゛7'¨ッ ヾ¨'7"ry、` ー゙='ニ,,,` }::ヽ(ノ
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916 :
吾輩は名無しである:2007/03/12(月) 23:03:10
917 :
吾輩は名無しである:2007/03/12(月) 23:49:30
教え子凸まくるやりちんだったと知って幻滅しますた。
918 :
吾輩は名無しである:2007/03/12(月) 23:57:37
生涯現役の作家先生
「風花」読了した。
これはかなり自伝的要素が強いのか?
「草の花」は、検査結果に一喜一憂している患者の中で
一人泰然としている汐見が主人公だったけど、
「風花」は一喜一憂サイドの男の語りだ。
息子を肩車してやる回想場面で、
幼児語を話す池澤を想像したらウケたww
本人の人格と作品の質は別。
俺は「風土」「死の島」「草の花」だな。
922 :
吾輩は名無しである:2007/03/22(木) 23:35:03
「風花」は、とある私立高校の入試問題に文章題で出題されたことがある
やはり難しめの問題にならざるをえない
藤木が汐見を避ける理由はなんとなく分かるが、
それじゃ、なんで最初はなついたんだよ?
近付き過ぎる関係は怖いということかしらん?
924 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 19:58:17
花を
花を潰しちゃ駄目よ
age
>>911 材質が「ひすい」に決まってるでしょうよ
926 :
吾輩は名無しである:2007/04/28(土) 19:22:35
「世界の終わり」でも嫁がイカれて、姑とはとことん拗れる訳だが、実生活でも
そうだったのか?
「海市」読了。
渋は卑怯な男だけど、実際に近くにいたら惚れてしまいそうだ。
しかし、死に向かう女フェチって難儀な性癖だなぁ。
>923
最初は、汐見のあの性格を知らなかったから、気楽だったんだよ。
親しくなって、退いた、と。
藤木が汐見を受け入れていたら、どうなっていたのだろう。
藤木は理知的というか、ちょっと冷たいよ。
スレ初期の方で、福永武彦のセクハラ疑惑の話があったが、真偽はともかく
あまり気にならない自分が不思議だ。
これが堀辰雄だったら、「もう読みたくない!」という気にもなるかもしれない
のに。
無意識のうちに、福永さんなら・・・と思っていたのだろうか。
スケベではないかもしれんが、傲慢ではあるだろうな。
931 :
吾輩は名無しである:2007/06/05(火) 19:43:17
元福永信者です。。
厨房の時に感動しまして(笑)
いまは…あんなのもう読めません
932 :
吾輩は名無しである:2007/06/05(火) 19:53:43
あ、↑の元信者です
それからはマリみて にハマり。。ギリシア生まれ、池沢って池沢春菜ってもしかして〜と思ったら孫でビクーリ!文学者の孫がオタクに夢を売ってるなんて(笑)
>>932 福永→マリみて
って、退化してんじゃんww
いまはアンパンマンか?
934 :
吾輩は名無しである:2007/06/11(月) 01:22:13
935 :
吾輩は名無しである:2007/06/11(月) 05:37:31
ちょっと聞きたいんですが、福永の作品でホモネタがあるのって「草の花」だけ?
936 :
吾輩は名無しである:2007/07/03(火) 18:24:58
ずっと「草の花」が大好きだったのですが、最近読み返して、以前ほど感動
できなかったのにショックを受けています・・・。
以前は、魅力的に感じていた藤木忍に、魅力を感じられなくなってしまって。
どこにでもいる、幼い、大人しい少年だな、と思うだけになってしまった。
藤木忍が、どういう人だったのか、
汐見をどう思っていたのか、結局よくわからないな・・・。
青春の記憶だし、藤木の人物像は、あれでいいのかもしれませんが・・・。
937 :
吾輩は名無しである:2007/07/10(火) 20:08:48
>>60 女子寮に住んでたということは女性ですね。
文学板住人って男ばかりかと思ってたけど、女性もいるんだ。
てか、2ちゃんねるに書き込むような女の人はこの世にいないと思ってたのに。
本が好きなら普通に書きますよ
939 :
吾輩は名無しである:2007/07/20(金) 07:07:28
男性アイドル板とか、明らかに女としか思えない
書き込みばっかりの板もありますよ
ヤフーの「草の花」トピがひどい状態だ。
このスレの方がはるかにまし。
この前‘その百日紅の木’を見てきた。
国立療養所東京病院の中をくまなく探したが
どこにもそんな木は見当たらず、
あきらめかけた帰りがけにふと通り過ぎた
隣接する大学の敷地内にその木はあった。
木はしょぼすぎて印象すら残っていないが
そのキャンパスはやわらかで心地よい印象。
いい学校だな、素直にそう思って帰ってきた。
>941
私もあの出だし、好きです。
といっても百日紅がどういうものなのか全く知らないんだが。
昔の純文学小説のような男子校、女子校は、復活することはないのかな・・・。
復活しても、私は行きませんがwガラじゃないし。
943 :
吾輩は名無しである:2007/08/17(金) 11:55:55
amazonは「在庫あり」以外はいい加減だよ。当てにならない。
1ヶ月ぐらいしてから「ありませんでした・・・」なんてのはざらだから。
ちなみに
本やタウンでは「出版社確認」
紀伊國屋WEBでは「絶版」
になってる。
945 :
吾輩は名無しである:2007/08/18(土) 20:17:41
>>944 やっぱりそうですよね。
クロネコやBK1では取寄せ不可になっていたのに、変だなと思いました。
しかし、Amazonもひどいですね。
この本、読みたい人はすごく読みたくて仕方ない本でしょうに、
狂喜させといて落胆させるなんて…。
そうなのか、じゃ自慢してやる(笑
俺はむしろ中坊の頃に読んだきりの、
新潮文庫版の加田伶太郎全集が欲しい。
947 :
吾輩は名無しである:2007/08/21(火) 20:25:10
忘却の河はヤフオクで買ったよ
「忘却の河」は暗くて落ち込む
949 :
吾輩は名無しである:2007/08/22(水) 08:13:58
来月、復刊されるそうですね、『忘却の河』。
解説は池澤夏樹で。
950 :
吾輩は名無しである:2007/08/22(水) 21:06:29
文学の名著、毎月復刊 団塊の定年に合わせ新潮文庫
2007年08月22日12時01分
新潮文庫が絶版になっていた文学作品の名著を定期的に復刊する。8月刊で4冊=写真=出すのを皮切りに、9月以降も毎月2冊ずつ復刊する予定。新たな解説を加え、名作の再評価を狙う。
8月刊で復刊されるのは柴田翔『贈る言葉』(解説・小池真理子氏)、島尾敏雄『出発は遂(つい)に訪れず』(同・堀江敏幸氏)、井上靖『後白河院』(同・縄田一男氏)、林芙美子『風琴と魚の町・清貧の書』(同・川本三郎氏)の4冊。
951 :
吾輩は名無しである:2007/08/22(水) 21:08:30
(続き)
毎月新刊を出すが書店の棚の面積は変わらないため、新潮文庫は売れ行きが不調な作品は代表作と言われるものでも絶版にしてきた。
だが、「これらの作家に親しんでいた団塊の世代が定年になって時間を持つので、毎月刊行することで関心を持ってもらえると考えた。
活字を大きくしてルビを増やし、若い読者も掘り起こしたい」と同編集部の佐々木勉さんは話す。
9月刊では、池澤夏樹氏が父・福永武彦の『忘却の河』に解説を寄せる。
以後、井伏鱒二『駅前旅館』、リルケ『神様の話』、小島信夫『アメリカン・スクール』などを予定している。
952 :
吾輩は名無しである:2007/09/04(火) 18:12:01
あげ
953 :
吾輩は名無しである:2007/09/05(水) 09:18:06
Amazonは嘘付いてなかった件
「忘却の河」、紀伊国屋の書棚に並んでました。
装丁はすっきりしたものですね。
文字も大きく読みやすくなっていました。
池澤夏樹の解説だけ立ち読みしました。
この機会に、多くの人に読んで欲しいですね。
955 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:15:20
45
956 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:18:42
44
957 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:19:15
43
958 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:22:07
42
959 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:22:46
41
960 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:23:44
40
961 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:24:13
39
962 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:25:44
40
963 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:25:54
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964 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:26:43
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965 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:27:26
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966 :
吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:41:08
なんだこの上がりっぷりは!「草の花」ドラマ化決定か!!・・・と思ったがあーそうかい。
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吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:43:35
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吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:46:38
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吾輩は名無しである:2007/10/14(日) 22:47:15
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