今夜は梅崎春生で一杯いこうか…。

このエントリーをはてなブックマークに追加
1
ガイシュツだったらゴメンネ。

町田康なんかのはしりじゃなかろうか。
蜆やボロ家みたいな滑稽な小説がたまらなく好き。
幻花は…真面目なのはいまいちかな。
語って。
2fishman:2001/07/03(火) 20:15
町田康とは向いている向きが違うような。。
幻化はうまくまとめられませんが、
過去が現在に溶け込みながら、どこまでも流れていく感じが大好きです。
3吾輩は名無しである:2001/07/03(火) 20:58
ウーン。
でも『ボロ家』なんかの無意味性は明らかに町田康
に近いと思うのだが。
4すばらしい・・・:2001/07/03(火) 22:16


先々月あたりNHKでドラマの再放送やってたね。
5吾輩は名無しである:2001/07/03(火) 22:49
無意味ってことで繋げちゃうなら、
どこまでもどこまでも繋がっちゃうよー。
アゲ
6吾輩は名無しである:2001/07/04(水) 00:24
なかなかレスが少ないですな。
7吾輩は名無しである:2001/07/04(水) 14:14
「助けてくれぇ、という目」(武田百合子)

…確かに。梅崎の人間を見る目は非常に暗い。
8:2001/07/04(水) 15:42
ボロ家、Sの背中などが面白い。あ、蜆もね。
この人は純文学好きな連中には受けが良くないかもしれないが、
こだわらない人間には非常に滋味深く読めるのでは。
9吾輩は名無しである:2001/07/04(水) 19:55
村上龍の「ライン」って、
「春の月」のぱくりだよな。
梅崎の方が全然おもろいけど。 
10JPB:2001/07/04(水) 22:51
梅崎、好き。『幻化』は確かに真面目な文体で書かれてるけど、俺だって真面目な
小説の一つくらい書いたるぜ!との気分で、死ぬ直前に書いたもので、そういう意味
では無茶苦茶な小説のように思います。
梅崎→田中小実昌──弱い 影響関係─→町田康かな。
おのれの「律動」に距離をとってへらへらしつづけるのが梅崎だとすれば、
町田は「律動」=「けものがり?」に身を批判的に重ねていこうとする主人
公を書くところが、違いなのですかね。どちらも好きです。
しかし、今日マジで、フォーク並びの出来ないどころか、横から割り込みの
親子にであった。町田を思い出して、ほくそえみました。
11fishman:2001/07/05(木) 20:47
コミさん読んでないから、その繋がりが良く見えないのかなぁ。。
呟き型と上演型の大きな違いがあるように思ったんだけど。
スレタイトルに戻って一杯やりながら、再読しようっと。
12吾輩は名無しである:2001/07/05(木) 22:17
位置付けが難しいようで。
13吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 17:31
梅崎春生墓碑名

     「人生幻花に似たり」

なんてクールなんだ。廃人の視線。
14JPB:2001/07/07(土) 03:45
島尾スレで書いててふと気づいたのは、かなり歩行とか移動とか逍遥とか流浪とか
そういうテーマが自分はなぜか惹きつけられているのだなあと言うこと。『幻化』
にこだわるのは、おそらくそのようなテーマと連関があるからなのかなあ、と思っ
た次第です。 例えば、漱石の『彼岸過迄』、ボウルズの『蜘蛛の家』、川崎長太郎等々・・・

>>13さんの「クール」・・・思わず、うんうんそうだよなあと思わず同感し、そこには
離別に過度の感傷を読まず、接触に過度の期待をかけず、分有されるものはまとまる
ことのない分断された声でしかない・・・そう梅崎が切ったものはWetであって、
Hotではない。むしろCoolとHotは同時に成り立つ・・・Hotはまさに『ボロ屋の春秋』
を生み、Coolは『幻化』を生み出す。う〜ん、何いってんのかわからなくなってきた・・・
15fishman:2001/07/07(土) 20:11
>14 JPBさん

>離別に過度の感傷を読まず、接触に過度の期待をかけず
うーん。。『幻化』ってどこか方向指示器がぶっ壊れてる感じがして、
離別に対する過度の感傷や接触に対する過度の期待が
「それ」として表されないままに、作品中に充溢してる感じがするのですが。。
切ったのはむしろwetと言うよりは、整合性のような気がします。
上から読み返すと、一人で異論を挟みまくっている。。
鬱だなぁ。。
16吾輩は名無しである:2001/07/08(日) 00:33
要するに嫌いなんだ。
17吾輩は名無しである:2001/07/08(日) 00:52
皆、同じ年齢時の写真、とかに限定しないと
比べてもほとんどイミないべ。
歳とりゃ誰でもハラは出るわシワは刻むわ…実際は。
縞堕みたく
若き日のいっちゃんいい角度で撮られた写真をHP曝して
澄ましている例だってあるわけだし・・・流布してる写真の
質にも左右されるな<印象
18吾輩は名無しである:2001/07/08(日) 00:55
↑スレ違い。トンでまった。
19JPB:2001/07/08(日) 01:49
マターリイコウヨ
20:2001/07/08(日) 14:14
何の関係もないが、川崎長太郎って面白いんですかね?
寺島というジャズ喫茶のオヤジが勧めまくってて気になってるんですが。
21fishman:2001/07/08(日) 18:40
剣呑な雰囲気になってるのかなぁ。。
僕のせいっスね。スマソ。
梅崎春生も川崎長太郎も大好きです。サバラ。
22吾輩は名無しである:2001/07/09(月) 19:52
剣呑などと・・・そんな文脈は全く感じない
それよりゃ、今どき「梅崎」などと、みなさん豪気だねえ・・すばらしい
23:2001/07/09(月) 20:27
剣呑…?
一体何処がどう…。
でも文学好きは得てしてそういう不安定なところがあるからなぁ。
気にせんでええじゃん。
24JPB:2001/07/09(月) 21:40
えっ、私は何も気にしてませんが。
「幻化」についても、おっここまで意見が割れるのも珍しいと
思ってます(^^>fishmanさん

寺島さんって、寺島靖国?氏のことですか?
川崎は、文芸文庫のそれしか知らないですが、なかなか味わい深い作家ですよ。
>蜆さん
25fishman:2001/07/09(月) 22:40
あらら?何か独りよがりに文脈読み違えちゃったみたいですね。。
お騒がせしてスマソ。。
まぁ、ちょっと思い入れの強い小説なんで主張しすぎたかなという
内省が。そう言えば、梅崎春生って大西巨人と同じ分隊に配属されていた
というエピソードがあったような(記憶違い?)
これ以上ないボケとつっこみって感じで、何か微笑ましいなぁ。。
26:2001/07/10(火) 12:56
寺島氏はそいつです。ジャズ喫茶の親父にして、今では
文学さえをも語る文筆家!
川崎長太郎、よんでみようかなぁ。
27吾輩は名無しである:2001/07/10(火) 20:50
寺島は雑文家としては一流だけど、読み手としてはどうなのかなあ。。
彼がどこかでつげ義春を川崎長太郎と並べていて、「不器用なつげが
創作をするはずがない」なんて書いていたけど、むしろつげって
私小説系よりも梅崎的な資質をもった人でしょう。私小説の形を
一見取りながら自由に味付けして創作しちゃうという芸をもって
いるというような。
モロに梅崎に影響を受けたと思われる作品をいくつか描いているし。

蜆は偉大な作品ですね。こっけいというよりも、僕は読んでいて
震えが来た。「幻花」よりも「蜆」とか「ボロ家」のこっけい系に
僕は真の偉大さを感じる。
28吾輩は名無しである:2001/07/10(火) 20:54
アハハ、間違えた
「幻花」→「幻化」
29fishman:2001/07/10(火) 20:59
つげ!その名前が出ちゃうとむくむくとしゃしゃり出ちゃうですよ、ハイ。
確かに梅崎のラインはアリですね。
上で掲げたつたない『幻化』の説明を『海辺の叙景』の一言で、
片づけてしまうことが出来たなら。。
ところで、つげ作品の中で梅崎の名前は挙がっていたかなぁ?>27
小川国夫とか、宮武外骨なんかの名前は挙がっていた気がするけど。
30:2001/07/11(水) 00:41
つげか…。あの奥さん、亡くなったみたいで哀しい…。
ちなみに寺島は雑文家としても読み手としても三流だと思います。
ただ、川崎長太郎の紹介だけ、つぼに嵌った。
私も蜆やボロ家にぐっときちゃうんです。
「幻化」、再読してみようかなぁ…。
31吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 00:49
つげ義春とくれば
川崎長太郎、葛西前蔵、梶井基次郎、井伏鱒二かな。
32:2001/07/11(水) 01:00
葛西善(?)蔵。哀しき父だっけ?
「そして彼は詩作をつづけようとしている」
というラストシーン。
泣いた。
33吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 01:24
いわば、離人としての倫理。

あらかじめ「病んじゃった者」が不可避的に受けいるしかない魂の宿題。

ダサク言えば「宿命」のようなもの。

ではないかと。
34倉林きみ:2001/07/11(水) 11:20
なかなかいいスレですね。
35吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 12:42
読み手の集まってるとこだなあ
36吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 13:05
>30
寺島はオーディオ系雑文家としてはかなり読ませますよね。
そっち方面のろくでもなく単調な書き手が多い中で、
ほろりとさせる芸もあり、また自分がへたれであることを
見せることのできる寺島はかなり光って見えます。
まあ自分はそっちの方から入ったので。

>29
つげさんの、李さん一家ものだとか、「峠の犬」といった作品は、
梅崎の「庭の眺め」「空の下」といった隣人ものや、エス
(愛犬)ものからの強い影響を感じます。もちろんパクリという
のではなく、つげなりにきちんと消化しているわけですが、
モチーフ(作品を描く動機)は露骨に梅崎っぽいと感じています。

僕が葛西善蔵をつげ義春と並べてしまうことに違和感を感じるのは、
つげさんの一連の「私小説」と見なされるような作品が、かなり
効果的に「作って」いる作品だと思うからです。
それを非常に上手いと思うし、感心もするが、それを素朴に
私小説と重ね合わせて読みたくはない、と思っている。
37吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 13:10
読んでみたくなるね。
38吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 13:11
↑いや、梅崎春生の小説をってこと。結構いいスレだなあ・・・
39:2001/07/11(水) 13:36
>>36
寺島氏は馬鹿正直だよね。
アドリブが分からないと言い切った唯一の評論家じゃないか?
J・グリフィン観とかかなり共鳴するけど、「文章が難しいから」
大江健三郎や柄谷は駄目だとか、やたら一方的且つ低次元な思い込みで
時折文学を語るので、其の辺りがちょっとね…。遺憾、スレ違いだ。

私小説について言えば、私小説でもフィクションでも、
俺は余り気にならない。紙に書かれた時点で全てはフィクションでしょう。
仮にモチーフの類似が認められるとしても、つげ義春はやはり断固として
漫画家だから、彼の作品に文学性を見出しても、俺は文学的には読まない。
漫画でしか書き得ない世界だと思うし、あれは漫画芸術の極北と思う。
本人も「私小説を装い、読者が勝手に私の実生活と思い込むのを見て
楽しんでる」と言ってるくらいだし。それで奥さんと相当揉めたらしいが。

つげで思い出すのは、網走番外地のメロディに誘われるようにして
千葉の海岸の寂びれた民宿をふらりと訪れ、そこで出来心から寝た娘に
暫くして再び会いに行った帰り、海辺で焚火をしながら飲めない酒を飲んでいる
所に猫が現れ、その猫を抱え上げて、梶井基次郎の小説に出てきた、
猫の足の裏を瞼に当てると、ひやっとして気持ちいい、というくだりを
実践する場面。…タイトル失念。
青年の魂の孤独と彷徨、その末のささやかな救済がいかにも梶井タッチで、
つげが梶井を読み込んでいるのが分かって微笑ましかった。
…ハッ!?本当に梶井だったっけ…。

なんか思いっきり本題と外れてるな…。
40倉林きみ:2001/07/11(水) 13:42
梶井の「愛撫」ですね。私も好きです。
あ、外れた!
4133:2001/07/11(水) 18:05
今読みかえしたらば自分の書き込みが、ああ、カチョワルイ。
まるで、飲み屋で文学少女を口説いてる変なヒトのようだタスケテ。

あの夜は、酔っぱらって、いた、ん、で、す・・・(悶死)
42吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 19:43
>寺島氏は馬鹿正直だよね。
>アドリブが分からないと言い切った唯一の評論家じゃないか?

ふふふ。 そういうところもかわいいの。

>私小説について言えば、私小説でもフィクションでも、
>俺は余り気にならない。紙に書かれた時点で全てはフィクションでしょう。

うん、一面ではそれはそうですな。
でも葛西とか野口冨士男とか佐伯一麦の作品を読んでいるとき、
それがどうしても他では取換のきかない私小説である、と考えて
しまっている自分がいるということもやはり確かなのですね。

>>33
いや、けっこういけてるヨ
43fishman:2001/07/11(水) 20:01
スレから離れていきますが、つげ漫画にはとても
良質の小説を感じます。別にそれは何もかもを
文学の領域に回収しようとする卑小な派閥意識からではなく、
僕の中から出た単純で最大限の賛辞としてです。

>>39 蜆さん
『やなぎや主人』ですね。
最後のワンシーンは、するすると色々な読みから抜け出していって、
ぽっかりと青空が浮かんでいるとでもいったような、
何とも言えない空白を作品に穿ちます。

>>36
隣人ものの系譜。納得です。
友人でも、敵でも味方でもない隣人としか呼びようのない
関係は、思えば『幻化』の中にも見出せますね。
確か文庫版の解説でそのような切り口のものがあったような気がします。

何だか、つげに引っ張られてますが。。
44吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 01:00
誰も風宴を語らない・・・。
45吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 23:34
よいしょっと
46:2001/07/13(金) 15:06
風宴か…。
うろ覚えだけど、この作品は別に梅崎ならではって
感じしなかったような気がするなぁ…。
青年期、誰もが抱えるメランコリックな心情と言うか。
47fishman:2001/07/16(月) 21:26
えと、脱線ついでに。。
このスレ、ジャズ好き多そう。
梅崎ってアイラーじゃないっすか?とイメージ以外の
何者でもない戯れ言を振ってみる。
48吾輩は名無しである:2001/07/16(月) 22:40
アイラー?ビッグバンドっぽいけど。
49:2001/07/16(月) 22:59
チャーリー・ラウズ!
って言ったら貶しすぎ?
愛情なんだけど・・・。
50吾輩は名無しである:2001/07/16(月) 23:13
ラウズ?うーん、ベイシー
51JPB:2001/07/17(火) 03:39
ティナ・ブルックス
52fishman:2001/07/17(火) 20:03
ティナ・ブルックス!ハード・バップ!
あうー、その例えいいっすねぇ。
4枚組は聴いたことなくって、ブルーノートから出てるのしか
聴いたことないんですが、あの妙にスカスカとした
ノイズ混じりの音質は確かに梅崎っぽい。

しかし、JPBさんはいつも素敵なところを押さえますねー。
53吾輩は名無しである:2001/07/18(水) 21:49
jazz age
54吾輩は名無しである:2001/07/19(木) 23:18
アグェ
55吾輩は名無しである:2001/08/01(水) 04:16
可笑しくて、悲しくて。『蜆』のおっさん、アゲ。
56不知庵:2001/08/01(水) 04:24
デイブ・ブルーベック!
57:2001/08/01(水) 11:45
上がった!
と思ったらまたジャズか…。

最近サド・ジョーンズ『ザ・マグニフィセント』を
やっと購入して飽きずに聴いてます。
一曲目の「パリの四月」の素敵な諧謔は梅崎的かも。
・・・ってすげえ強引ですがね。
58吾輩は名無しである:2001/08/02(木) 20:18
粕取焼酎で一杯いこうか。
59fishman:2001/08/06(月) 01:18
あさりの酒蒸しで一杯やってます。たまにはあげてみようかな?
タイトルちょっと失念してしまったけど、飼っていた猫が轢かれて、
道路に張り付いた猫の一部がその上を通る車にはぎ取られていく……
それを話者は上から眺めている。そこに一向に叙情が差し挟まれていかない
不思議を何となく思い返しています。
60吾輩は名無しである:01/09/08 21:35
救っておこう。
61吾輩は名無しである
ひと月以上放置されて、尚且つ生きていたなんて…。
文学版の落日をみるおもひ…。