あの美しい文章についてなんでもどうぞ!!!
2 :
鞠・照れ-ズ:2001/07/03(火) 00:32
辻邦生が死者となって全ての短編を送り届けてくれ、
ファンの嘆きが歌となって出版界の果てまで流れている以上は・・・
3 :
吾輩は名無しである:2001/07/03(火) 00:44
もういいよ、辻人生
4 :
吾輩は名無しである:2001/07/03(火) 00:58
教科書にのってたなあ、題なんだったっけ。
5 :
鞠・照れ-ズ:2001/07/03(火) 23:44
教科書に載ったの?
どんな作品だったか教えて!
6 :
吾輩は名無しである:2001/07/03(火) 23:46
>>5 「怖れ」だったかな?
老人画家が最後にぶどうを食べて死んじゃうやつ。
7 :
鞠・照れ-ズ :2001/07/03(火) 23:51
ありゃ。知らない作品だわ。
8 :
神山公夫:2001/07/04(水) 01:53
「春の戴冠」は最高です☆
文章の美しさ以上に、その奥に流れる思想が凄いと思いました。
9 :
吾輩は名無しである:2001/07/05(木) 01:32
西行の小説も書いてなかったっけ?
10 :
吾輩は名無しである:2001/07/05(木) 11:38
「サラマンカの手帖から」はヨカタヨ
11 :
吾輩は名無しである:2001/07/05(木) 16:34
「サラマンカの手帖から」ってどんな話??
12 :
吾輩は名無しである:2001/07/05(木) 17:38
4じゃないけど、中学の教科書に「むさぼり(うろ覚え)」
っていうのが載ってた気がする。王様と家臣が話してたような。
なにかの短編集みたいなののひとつからの抜粋かな?
当時リアル厨房だったけど、教科書にのってるほかの話より
ちょっと異質な感じでおもしろいと思った記憶が。
手元にないしうろ覚えなので今どうとは言えないんだけど。
13 :
ろれんつぉ:2001/07/05(木) 18:05
誰か「西行花伝」読んだ人いない?
14 :
スペシャルマン:2001/07/05(木) 20:51
「春の戴冠」を手に入れました。
流れるような文章に感無量でございます。
15 :
鞠・照れ-ズ :2001/07/05(木) 23:43
あたし、「ランデルスにて」!
16 :
あたし:2001/07/06(金) 00:28
「ランデルスにて」ってどんなの?
17 :
吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 13:14
教科書にあった。高校ん時>怖れ
18 :
吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 21:54
ウチの中学の教科書には「夏の海の色」が載ってた。
咲耶さんはどんな厨房にとってもあこがれの女性ですネ。
中公文庫から出ていた「ある生涯の七つの場所」。
最近、本屋で見かけないなー。
5と6、買い忘れたままなんだけど。
19 :
猪木ファン:2001/07/06(金) 23:41
やっぱり「西行花伝」でしょう。
この人しかあの美しい生き方を再現することは
できない。
20 :
鞠・照れ-ズ :2001/07/07(土) 23:39
「ランデルスにて」
日本人の「私」は異国でブルネット美女にナンパされた。夕食
のさいに話を聞くと、なんと「私」の友人と10年前に恋仲だった
女らしい。
部屋に入ると、隣室に部屋をとった美女が、部屋と部屋との間の
ガラスのしきり姿を表した。形よい乳房を露にして切なく「私」を
見つめている。
「私」は隣室の夢中で廊下に出てドアを叩いた。
支配人とメイドが来た。その部屋には誰も泊まっておらず、
「私」はひとりで夕食をとりながらひとりでしゃべっていたとのこと。
以下は怖いので略。
21 :
きんぱち:2001/07/09(月) 01:07
ゴルァ〜〜!!
22 :
エリーゼ:2001/07/12(木) 17:35
「春の戴冠」を読むと、
フィレンツェに行きたくなります。
23 :
吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 18:32
漏れは「背教者ユリアヌス」
ユリアヌスの演説の中の帝國の概念とか面白かったよ。
そういえば、春頃に「俺は辻萌えだ」なんてKitteyなスレ立てて撃沈されてた馬鹿がいたな。
24 :
吾輩は名無しである :2001/07/12(木) 22:23
「夏の砦」を最初に読んだのですが、ラストがいまいち理解できなかった・・・
初心者には難しかったでしょうか。
初心者におすすめな作品を教えて下さい。
25 :
マリーテレ-ズ:2001/07/13(金) 00:06
邦生さんは短編集が初心者向けよ。
「北の岬」「円形劇場から」「ランデルスにて」をお薦めするわ
26 :
24:2001/07/13(金) 00:27
>>25 ありがとうございます。
文章は素敵だと思ったのでこれからいろいろ読んでみます
27 :
吾輩は名無しである:2001/07/13(金) 03:45
>25
「円形劇場から」「ランデルスにて」は新潮からですか?
28 :
マリーテレ-ズ:2001/07/13(金) 07:58
それがさ、どっちも新潮の『北の岬』って短編集だったけれど
絶版のおそれもあるの。
ま、辻邦生はなんでもいから短編集が初心者向けよ。
29 :
吾輩は名無しである:2001/07/13(金) 08:31
クリストフ・バタイユの翻訳は素敵だと思った。
30 :
文部科学性:2001/07/13(金) 14:11
彼は現代の“ホメロス”だよ。
あんな美しい文章みたことがない。
“美”を追求した珍しい日本人ですな。
31 :
匿名希望さん:2001/07/13(金) 16:04
「回廊にて」の主人公と貴族の子女の関係が
すごく好き。
32 :
ハープマン:2001/07/15(日) 15:49
「春の戴冠」の上を読み終わりました。
続きが楽しみ・・・・
33 :
吾輩は名無しである:2001/07/16(月) 05:13
高校時代模試かなんかで出て面白い小説だなと思った作者が辻邦生っだった。
「怖れ」で名前覚えてたのでこの人の本探してみようとおもった。
ちなみに模試で取り上げられてたのは「欅の木の下」(題名あってるかな?映画館の場面があったと思う)
「ある生涯の七つの場所」に入っていると思うが未入手。
34 :
33:2001/07/16(月) 07:36
「椎の木のほとり」だった。全然違うな。一巻しかもってないからなあ。
35 :
マルコム・X:2001/07/18(水) 00:50
やっぱり辻邦生はあの清澄な文体が (・∀・)イイ!
「私がマリ・テレーズに会ったのは、パリからの帰り、**郵船の船が
スエズ運河をこえて、暑熱の紅海に入ったある朝のことであった。・・・ 」
辻はこうした明朗で地中海的な文体をどこで会得したのだろう?
フランス留学中にか。それとも辻家の血筋なのか・・・
36 :
マリーテレ-ズ:2001/07/18(水) 00:54
邦生さまの父君は琵琶奏者で、霊感があったそうですわ。
37 :
マリーテレ-ズ:2001/07/18(水) 00:57
ガラスのコップを林檎でも磨くように、っとかいう
比喩も綺麗!
38 :
ハープマン:2001/07/18(水) 01:29
>>36
琵琶奏者なのは何かで読んだのですが、
霊感があったのは知りませんでした。
その件に関してもうちょっとくわしく教えてもらえませんか?
39 :
吾輩は名無しである:2001/07/18(水) 05:51
>>36 霊感があったかどうかは知らんが、辻邦生の家系をふくめた
自伝的作品ってあったよね、あれなんていう題名だっけ?
それから「ある生涯の七つの場所」て中公文庫版ではもう品切れ状態なのかな?
どこの書店でも見ないのだが
40 :
ネット売買:2001/07/18(水) 12:52
>>39
辻邦生の家系を含めた自伝的作品のタイトル教えて!!
品切れ、絶版の本は、YAHOOオークション、古本屋の検索で手に入ります。
僕はそれでかなりの絶版本を手に入れました☆
41 :
たけみかずち:2001/07/18(水) 16:04
美に対する思索の深さが、
凡庸な作家との違いを明らかにしている。
辻はホメロスのように語り継がれる日本が生んだ天才である。
42 :
マリーテレ-ズ:2001/07/19(木) 00:02
ハープマン さま
どの本だったか、自信ないのですが、
おそらく、『永遠の書架にたちて』
『美神との饗宴の果て』『遥かなる旅
への追想』『幸福への長い距離』の
どれかに2ページほど載ってました。
父の霊感は怖かったが、自分は父の
その感性で文章を書いているのだろう、
と。
43 :
ハープマン:2001/07/19(木) 00:53
マリーテレ-ズさま
ご丁寧に本当にありがとうございます。
早速明日、書店に足を運びたいと思います。
辻先生の文章は、
やっぱりどこか人間離れしたところがあるように思う。
やっぱり、インスピレーション型なのだろうか・・・・
44 :
猪木の兄:2001/07/20(金) 23:58
今日、「背教者ユリアヌス」という本を見かけたのですが、
これはどんな話しですか?
誰か教えてください。
あと、
辻文学のお勧めをおしえてください。
45 :
マリーテレ-ズ:2001/07/21(土) 00:12
「背教者ユリアヌス」=キリスト教を警戒したローマの皇帝ユリアヌス
の数奇で短い生涯を描いた大作です。
辻文学は、短編をお勧めします。
>>44 「背教者ユリアヌス」は辻文学を語るうえでは欠かせません。
ホメロスの叙事詩を明らかに意識した主題・文体・語り。
日本のベタついた歴史小説とは一線を画します。
世評も高かった作品です。夏休みにはお薦めです。
47 :
肥満ぼうや:2001/07/21(土) 13:14
辻文学入門は???
>>45
短編の収録してある本のタイトルをおせぇ〜て☆
48 :
学生:2001/07/21(土) 13:20
辻文学を研究しようと思うんですが、
>>46
明らかにホメロスの叙事詩意識した主題・文体・語りとありますが、
彼とホメロスの関係を教えてください。
また、彼が生前好んで読んだ書物があれば、教えてください。
49 :
マリーテレ-ズ:2001/07/21(土) 17:44
短編集ならどれでもいいと思います。私が主人公の『北の岬』(新潮)も
お勧めですが、絶版中かしら・・・
>>48 作品ぐらい自分で読めや。ユリアヌスの扉に書いてある。
"彼の人を我に語れムーサよ"だっけか?(うろ覚え)
オマージュだよ、作品全体が。
あと、新聞・雑誌の追悼特集も読め。
51 :
バカボン:2001/07/22(日) 10:27
“オマージュ”ってなんなのだ〜〜??
52 :
ユリアヌスを:2001/07/23(月) 19:13
夏休みを使って胆嚢したいと思います。
53 :
吾輩は名無しである:2001/07/23(月) 19:18
「花のレクイエム」って辻だよね
この短編集面白かった
54 :
月の光:2001/07/26(木) 17:04
「私の映画手帖」を手に入れました。
彼の感覚は日本人離れしてますね。
55 :
バシリナ:2001/07/27(金) 00:48
少女漫画のように外国の物語が増えていったわ。
56 :
食パン:2001/07/27(金) 03:15
案外人気があるのだなぁ。
今度読んでみようかなぁ。
その前に、夏目漱石位は読んでおかんと(^^;
たしかに大家だけれど、必要のない人にとっては
必要がない作家ですわ。
売れ線とはいえなかったからね。
いい意味での「文学者」って感じ。
客寄せパンダの大学教授は辞めとけばよかった。
大金持ちだったから、別に働く必要なかったのよ。
59 :
月の光:2001/07/28(土) 11:05
辻は、さだまさしファンらしいです。
個人的にゲンナリ。辻作品は嫌いじゃないんで余計に。
61 :
さだまさ:2001/07/28(土) 13:47
美に触れたい・・・・・・・
62 :
吾輩は名無しである:2001/07/28(土) 20:24
西行花伝の西行って、あれぁドイツ人かなんかじゃないの?
日本の中世のはじまりを呼吸していないと思った。
64 :
吾輩は名無しである:2001/07/29(日) 12:30
嵯峨野明月記など、戦争(WW2)後の状況に似せすぎていた。
昔というものが単に意匠として使われている。
>>64 それも辻邦生たる所以です。
「日本」(の伝統)という文脈から全く自由なのは、辻ならではです。
ある時代状況に何かを仮託しているというのは、皮相的な解釈です。
66 :
さだまさ:2001/07/29(日) 16:45
>>65
辻さんはさ、ホメロスなんだよ。
67 :
吾輩は名無しである:2001/07/29(日) 21:29
65.
いや。皮相な仮託しかできないのだよ。
68 :
ほめろす:2001/08/06(月) 01:12
辻は、絵画と小説、音楽と小説など、
独特の手法により、新しい文学空間を創造した天才であります。
近代日本で最も、“美”を表現した作家ではないだろうか。
嫌いではないのだが、森有正を読んだら、森の思想に美辞麗句の衣を着せただけではないかという気がし始めた。
70 :
吾輩は名無しである:2001/08/14(火) 01:06
>>69 わおっ!
森有正読んでる人いたんだあ!(感涙
「バビロンの流れのほとりにて」最高!
森を読むと、類似性というか、土台は一緒じゃんという感想を持たれるのは分かります。
でも、辻のパクリじゃないよお!
つーか、森の著作集が手に入らないんですけど。あれは是非とも手に入れたい!
啓蒙あげ
71 :
ほめ:2001/08/15(水) 01:25
ユリアヌス読みたいが長い。
69です。!!!多々頂き感謝です。もう少し詳しく言うと中公の初期短編には正に
精神の一瞬の輝きを納めた作品(「西欧の光の下」「ある晩年」等)があるんですが
中後期の長編群になると類型化してると言われても仕方ないというか。主人公
とヒロインのキャラが宮崎駿並に中身が同じに見えるんですわ。
だから駄目というつもりは毛頭ありません。むしろ、ああいう精神秩序の世界
へのアプローチを容易にした(それでも尚マイナーだが)功績は大だと思います。
ただ数を読んでいくと食い足りなくなるわけで、そのとき読者は作品中に
散りばめられた固有名詞たち: 森有正でありリルケであり吉田健一でありはたまた
世界史の個々の局面なり、に進んでいくことになるのでしょう。
73 :
69:2001/08/18(土) 10:36
74 :
70:2001/08/18(土) 13:53
75 :
マリーテレ-ズ:2001/08/18(土) 23:57
映画評論もいいですわね
76 :
ほめろす:2001/08/19(日) 17:01
マリーテレ-ズさま。
はじめてあなたにお目にかかりました。
恋愛を通して、
永生の美へと溶け込んでいく。
そんな感覚をはじめて味わいました。
ありがとうございました。
77 :
マリーテレ-ズ:2001/08/22(水) 00:22
いえいえ♪
78 :
維納の黄昏:2001/08/22(水) 01:18
90年代初頭のマリ・クレール誌(中央公論社)は、ぼくの宝物です。
辻邦夫、贅沢につかわれてたよなぁ。
ちなみにアワズノリオ先生に、あたしゃ、むかし、辻センセがランボーの短編書いたときに
借りた資料、見せてもらいました。
フランスの文化大臣が返還訴訟をおこしてもおかしくない、貴重な資料です。
内容は直筆・・・・(あわわわ)
79 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 01:19
エマニエルさま、そして、マリ・テレーズさま。
あなたは永遠にお綺麗ですね
まっ
還俗しようかしら。
81 :
吾輩は名無しである:2001/08/23(木) 00:43
あれ? 「安土往還記」の話が出てないナ。スレがこんなに成長したのに。
このスレのみなさんは、長編がお嫌いなようでして…
83 :
吾輩は名無しである:2001/08/23(木) 01:08
尾張の大殿いいじゃんか
84 :
ほめろす:2001/08/24(金) 08:21
>>82
『春の戴冠』読みましたよ☆
85 :
顔有り:01/08/28 11:28 ID:.IH1tpmc
>>80 マリ・テレ−ズはそんなこと言わない・・・・
お前偽物だろ!!!!!
あぁ・・・・あぁ・・・・・
86 :
名前はいらない:01/09/01 17:53 ID:cAwS6Tb2
夏の砦 がもっとも緊張感に満ちた名作だとおもうの
ですが.ヨーロッパに織物を習いに行く留学生の話です.
こっちはだいぶ前に呼んだので違うかもしれないが
マルテの手記 にちょっと似ているが.
文春文庫からまだでてたはず.
>85
スカしてんじゃねーよ にーちゃん
あたいのくるぶしが見てェんだろ
ほらよッ チラチラ
88 :
辻もどき:01/09/04 12:50 ID:6/rqkOng
わたしが最も自分の中にある“美”の観念を
表現しえたのが、「西行花伝」です。
89 :
79:01/09/04 20:14 ID:JtNahH3Q
ああっ。その蓮っ葉なところがなんとも・・・・(いい!)。
粟津先生に顔向けできません
大和撫子など、このマリーの敵ではないわ。
20時間ぶっつづけマーラー攻めして差し上げるわ・・・
91 :
吾輩は名無しである:01/09/05 01:22 ID:EpSEoPao
おいおい。キャラが違うぞ
まら攻め。
93 :
ゆりあぬす:01/09/06 16:19 ID:urxpNiEk
>>88
“歌”に対してこれほどの価値を置いた現代の人はいないと思う。
おれは天使の鼓笛団とかああいう、物語がすきだった。
時の扉もよかった。人間の詩的復権かぁーーーー
あああああああ
やっぱりユリアヌスかな・・・・・・・
みなさんのお勧めは??
96 :
屁こき魔・是清:01/10/12 20:08
安土往還機かなあ・・・・
大気圏外まででて往還する奴。
むろん変換ミスだが、
上げ
98 :
吾輩は名無しである:01/10/18 19:52
99 :
吾輩は名無しである:01/11/21 18:54
亡くなる数年前に、辻さんが出演したモノオペラを見た。
辻さんの走らすペンの音が響いて感動だったなあ。
現代ものだけど、「時の扉」は良いよ。
悪女にダマされて、けなげな女性を振ってしまった創作者が、
復活するまでを描いてるんだけど。
101 :
吾輩は名無しである:01/11/21 22:24
「フーシェ革命暦」完結して欲しかった。
102 :
吾輩は名無しである:01/11/21 22:27
世界史スレの「英雄ラディソの生涯」は
すごかったぞ。
ちょっと見たら、辻をドラマティックにしたような
文体だった。
作者の教養が非常に高いのも類似。
103 :
吾輩は名無しである:01/11/21 22:43
河出文庫のパリ日記5分冊、なくしちまったなあ。
持ってるのは集英社のユリアヌス・嵯峨名月記執筆の頃の一冊のみ。
なーんかいいんだわ。この日記が。シェイクスピア全集ひろげて、登場人物を定型化する方法とか、
トマスマン引用して、ひとつの語句を無数の形容詞で表現する方法とか。
実質、ユリアヌスの製作日記だし、小説読むと、「あ。あの日の思索の反映だな」とわかるところ
多数。
ええよ。
>102
あれ、いいですよねえ。達筆ですよ
104 :
吾輩は名無しである:01/12/04 19:33
エッセイ集「海峡の霧」買った。
105 :
吾輩は名無しである:01/12/06 00:36
>実質、ユリアヌスの製作日記だし、小説読むと、「あ。あの日の思索の反映だな」とわかるところ多数。
なるほどね!納得いったわ。つながった。ありがとう!
106 :
吾輩は名無しである:01/12/17 01:22
銀杏散り・・・・(なんとか)って辻邦生だったよね??
106は、「胃腸地理やまず」
僕は、中三の国語の教科書の「夏の海の色」で、「む」と思い、
図書館で、あの青のケースと白い本にはまってしまったのでした。
やっぱしヨーロッパで「エマニュエル」みたいな人と大学通いたいなーって、
思いますよね。
さらに「時の扉」で高校時代本格的にはまってしまいました。
田舎だったので、新潮文庫のは「回廊にて」「安土往還記」など、
手に入るものは皆読みました。あの表紙、白の地にデカめの文字が懐かしい。
「背教者ユリアヌス」サーカスの女の子が裁判で告白してしまうシーン、忘れません。
「春の戴冠」ジュリアーノが殺される所は、まるでゴッドファーザーみたいでした。
青春も過ぎてしまい、なぜか今藪医者してますが、
好きな作家はいまだに、日本では北杜夫、辻邦生、福永武彦ですねー。
尼にあるまじき妄念ですが
あの女の子とユリアヌスも
ちゃんと接吻どまりだったの
でしょうか?
文学はF+fなり。
あの場面では、
Factではなくfeelingを愉しみましょう。
>>107
私は、今年に辻邦生と初めて出会いました。
「春の戴冠」を読んだ後、貪るように辻作品を読んでいます。
衝撃を受けたのは「西行花伝」でした。
“詩”の本質に触れられた気がします。
現実という虚空に漂う人間を支えるのは、
永遠の世界から溢れ来る言葉にあるのだと気づかされたとき、
改めて詩、文学の存在に感謝できるようになりました。
辻文学は、私の人生も変えてしまいそうです。
>>108
109のスレはマリーテレーズ様へのお返事です。
邦生さまの居ない世紀の2年目。でも、よいお年を。
112 :
吾輩は名無しである:02/01/01 00:41
あけましておめでとうございまする。
「美しい夏の行方」なぞを傍らに年をこしましたばい。
貴尼はときどき蓮っ葉なところが魅力ですな(笑)
113 :
マリーテレ−ズ:02/01/05 13:01
まっ
age
辻作品を平成の子は読まないのかね?
読まんでしょうね。あれほど、美しい作品群をかく作家は滅多にいないのだが。
ちなみに筒井康隆のあやうくヒロインになりかけたアンチ・ヒロイン「七瀬」も
短編小説講義だかなにかのなかで、「敬愛する辻邦生先生」という恋文めいた
文章をかいておりました。
>>116
筒井康隆についてもうちょっと詳しくおしえてください。
春の戴冠の下巻を読んでます。
もともと、ボッティチェリが好きで「春」の解釈についても
色々読んでいたのですが、辻先生の作品を読んでますます
「春」という絵が好きになってしまった。膨大な資料と文献を
ご研究されたと思いますが、どこまでがほんとでどこまでが
フィクションなのかを本人に聞いてみたかったなぁ。
まぁ、全てが実在したかのように読ませることこそ作家の
力量なのだろうけれど。
余談ですが、先日フィレンツェに行って、ボッティチェリの生家と
思われるあたりをうろうろしてきたのですが、それらしきものとして
保存されていないようです。ダンテの生家はあったけど。
残念でした。
僕もイタリアに行きたい。
で、「私はのどが渇いていた・・・。」かなんか言いつつ
「カ、カフェ、カルドォ・・・。」とか、言ってみたい。
ん?あれはスペインですか?サマランチ会長みたいな名前の・・・。
>119
私も長年の念願がかない、カフェで
「エスプレッソ・コン・グラッパ」
といってみました。カルバドスも美味しいそうですね!
そういえばパルテノン神殿に感動して
「ギリシャの精神に打たれた」とかおっしゃってましたねー
そういう晴朗な良さ、吹き抜けの良いイメージ、
さわやかなというか、そういう読後感与えてくれるみたいな感じが、
作品群にもありますね!
>>121
辻の作品は、単なる西欧の小説の受け売りではなく、
西欧思想を徹底的に考え込み、自らのものとした結果うまれた、
結晶のようなものなのです。
キリスト教精神の裏に隠れた、
ギリシャ思想に目をつけ、理解しようと努めたところが、
彼の作品にさわやかさという感じで表現されているのです。
そして上げ。。
124 :
マリーテレーズ:02/01/15 18:58
あなたにageる
125 :
アントニヲ:02/01/17 01:03
実は辻フリークは多いんですね。
卒論は辻にしようかな・・・・・
1・2・3・・・・・・・
実は亡くなられた事知ったのは、「のちの思いに」の巻末でした。
ショックだったです・・・。
「楽興の時十二章」ってどなたか読んだ方いませんか?
どんな話なんでしょ?
128 :
マリーテレーズ:02/01/22 21:02
名曲一曲につき、刺激されて一つ短編を書いた。それを集めた本よ。
耐難い悲しみの中に生きる人々が、生きる喜びに燃えることによって
苦しみに耐えていく物語が多かったわ。
129 :
吾輩は名無しである:02/01/24 19:43
辻さんの作品で、
キリスト教っぽくないやつってある??
130 :
マリーテレ-ズ:02/01/25 00:44
言われて見ればなかなかございませんわねェ。
映画評論や、日本の古典に構想を得た作品も、
根底にエホバ様が宿ってますし。
131 :
吾輩は名無しである:02/01/25 01:46
キリスト教思想とギリシャ思想を融合しようとした方
なのかなって思うんですが、
「春の戴冠」なんかはそれがよくあらわれてるんじゃないかな?
サヴォナローラの考え方とフィチーノ、サンドロの考え方との対比で。
あと、「西行花伝」に流れる思想は、ギリシャ哲学に似ている気がする。
安土往還記も良かったなー
133 :
吾輩は名無しである:02/01/28 00:39
「回廊にて」?を読んでいます。
男の人がどうしてこんな感情を描けるんだろうって、
ちょっと不思議です。
↑「虚無の中に立つのは一種の力業だと・・・」
とかいうのがありましたね。
135 :
吾輩は名無しである:02/01/28 21:16
安土城のフロイスおくりだす夜間騎馬タイマツのパレード。
ワグナーのタンホイザー序曲ききながら読んでます。
通俗ですが、絵が浮かんでいいです
136 :
吾輩は名無しである:02/01/28 22:44
子供のころ(小学校低学年)に「ユリアと魔法の都」を読みました。
そのせいでずっと童話作家だと思ってました。(w
「西行花伝」が好き。
137 :
吾輩は名無しである:02/01/29 21:05
このスレでスタンダールとか、読み人いないの?
読んでますわ
よく尼僧の恋をモチーフにする作家ですもの
139 :
吾輩は名無しである:02/01/31 02:11
山本周五郎は?
140 :
吾輩は名無しである:02/01/31 03:09
景山民夫は??
141 :
吾輩は名無しである:02/01/31 16:52
age
142 :
吾輩は名無しである:02/01/31 20:18
いくらageても読まんものは読まん(笑。
いや、好きだけど。
昔、マリクレールに連載された辻邦生の映画評本もよかったね。
「幸福の断章」とかいうタイトル?『コミック雑誌なんか要らない』も、彼はきちんと
目を通しているのだ。
「ニュー・シネマ・パラダイス」の手放しの絶賛もいい。
143 :
吾輩は名無しである:02/01/31 20:21
北杜夫ファンとして、最初、辻邦生の名を知ったけど(ほら、ドクトルまんぼう航海記のパリの章に出てくるT夫妻。トマス・マン研究に狂う・・・)
両方とも好きだな。
北杜夫の「わが青春の日記」とか「まんぼう青春期」とか松高時代の辻との友情とか、中公文庫あたりででている
対談集がおもしろい。
楡家の人々の後書きに、ふいに辻邦生が執筆者として現れたとき、読書の幸福をかみ締めたものだよん
山本周五郎ももちろん読みますよん。<139
ところで、パリ帰りで下船する辻氏を港に出迎えて
「おお、辻、辻は力持ちだ」と言いながら重いトランクを持ってあげる
どくとるマンボウ氏が出て来たのは何の本の中だったでしょうか・・・。
145 :
吾輩は名無しである:02/02/01 01:09
あれ?
「医局物語」?
それとも辻邦生の河出文庫5分冊のパリ日記最終巻かしら?
宗吉いう記述があれば辻邦生っぽいですが。
うーん、わからないですねえ
146 :
吾輩は名無しである:02/02/01 23:49
辻さんってメジャー?
マイナーメジャー?
148 :
美は美を知る:02/02/02 02:34
116
>>117 亀レスですが、「短編小説講義」か「本の森の狩人」(著者筒井康隆 岩波新書)のどちらかに、
件の書評収録されてます。
まずお尋ねの七瀬ですが、筒井康隆の「七瀬3部作」というヒロインSFにでてくる主人公です。
ご存知のように筒井は脱糞や失禁をギャグとして好む傍ら、美や純粋さ、快楽、幸福の特化した物語も
意識的に書く手練の作家です。
その作家が創作したヒロインですから、非常に美しい印象を読者に与えるように描かれているし、現にファンが多いようです。
(私はとくにいれこんでませんが)
そのヒロインの口を借りて、前述の著書で、筒井は辻邦生「江戸切絵図〜」の書評を行なっています。
内容はとくにありませんが、「敬愛する辻先生の著作を読みました」の一文で始まる美女(らしきヒロインの)
歌うような辻邦生賛歌は、なかなか読んでて気持ちの良いものでした
149 :
吾輩は名無しである:02/02/02 14:50
どなたか、辻邦生「小説の作法??」(タイトル絶対違う。中公文庫)とかいう、ごく初期の
彼の小説の書き方自主研究論文読んだことある人いますかね?
いや、今、上のスレッドでバルザックが立ったのであげとく。
辻も、最初、小説の書き方わからず(私ら凡人がわからないいうのとは違いますぜ(笑))、執拗な風景描写からはじめたような。
150 :
吾輩は名無しである:02/02/03 02:26
うーむ。今、書庫を探したんだけど、辻の小説創作本『小説への序章』、見つからなかった。
中公文庫で全部揃えてたのに、ユリアヌスまで見つからぬとは・・・。
そのかわり
辻邦生対談集「灰色の石に座りて」
・トマスマンについての対話/北杜夫
・ヨーロッパ体験と小説/篠田一士
・天草の雅歌を語る/古屋健三
・長編小説の作法と技法/北杜夫
・作品の方法と意識/清水徹
・歴史と現代文学/遠藤周作
・わが文学の軌跡/丸谷才一
・小説のイデーとイマージュ/菅野昭正
・人間精神の祝典としてのドラマ/浅利慶太
がでてきた。
どれも拾い読みすると面白い。なんていうか、無性にスタンダールやシェイクスピアを読みたくなるような、
あるいは堀田義衛や響庭孝雄の欧州エッセイ文読みたくなる感じ
151 :
吾輩は名無しである:02/02/04 12:00
>150
今、たまたま堀田善衛「スペインの沈黙」読んでいるんだけど、
フランコ没後、40年ぶりにスペインを訪れた内戦で共和国側で戦った国際義勇軍の七人の老人に堀田が出会う。
堀田がたまたま「リンカーン旅団」の一語を会話で出すと、老人は、
「その名を知っている人がいるのか・・・!」
と泣き崩れる。
歴史の中で風化してしまう記憶をとどめようとする『ある生涯の七つの場所』を彷彿させるエピソードでした
152 :
ななしさん:02/02/04 16:39
辻先生よ永遠なれ。
小川国夫も好きなんだが..
154 :
パーマー・エルドリッジの今年3つになる娘:02/02/05 05:40
小川未明もいいでよ。
ええい、敬愛する辻先生をもっと誰か語れ。
他力本願寺
最近の若い方は、
夏目漱石の文学論は読んでいないのですか?
私は漱石に多くのことを学びました。
156 :
吾輩は名無しである:02/02/06 01:30
「ある生涯の七つの場所」の形式は、
辻さんオリジナルでしょうか?
「西行花伝」にしても、
独特の情緒空間を創り出す手法は、
辻さんが編み出したものなのでしょうか?
157 :
吾輩は名無しである:02/02/06 04:55
まず7つの場所という定型をきめてマスを埋めていく、辻さんの強迫観念にもにた端正さのあらわれですね
「エマニエル物語」(7つの場所の最終巻)だと7色をきめて物語りの中に、その色を織り込んでいく。
(緋色の場所の物語だったら、エマニエルがあう司教の服の色、みたいな)
一種の童心にも似た遊び心で短編をかさねていき、全部で100にならんとするタペストリーを織り上げる
いうのはバルザックの人間喜劇あたりがヒントになったのかもしれません
158 :
吾輩は名無しである:02/02/06 04:58
ちなみに「ユリアヌス」の霧の中でユリアヌスの母がわが子の懐妊と未来をさとる
あれは、ワグナーの音楽か何かでインスピレーション得たようなこと、「モンマルトル日記」(集英社文庫)
にあったような・・・。
たしかにロマン派音楽みたいな情景描写です
159 :
吾輩は名無しである:02/02/06 12:49
細君はわたしの大学の時の先生でした。
「さほこさーん。」と先生を迎えに来ることで有名でした。
わたしの先生もものすごく才女でちゃきちゃきしたステキな女性で、
とてもお似合いの二人に思えました。
160 :
吾輩は名無しである:02/02/06 13:25
エスキモーみたいに小さい、とか書かれた方ですね。
北杜夫は失礼ですね〜(笑)
個人的にはベストカップルだと思います
161 :
吾輩は名無しである:02/02/06 14:05
一瞬、まあまあといなそうと思ったが、思うに女性ファンの闘いもありえると
思ったりして
163 :
吾輩は名無しである:02/02/07 09:59
>>159は辻邦生以上の年齢ナノカー。
さいくん 【細君】
〔「妻君」とも当てる〕
(1)ごく軽い敬意をもって、同輩以下の人の妻を指す語。「君の―は京都の人だね」
(2)自分の妻の謙称。「うちの―にも手伝わせよう」〔もと、前漢の東方朔(とうぼうさく)
の妻の名。転じて自分の妻、さらに転じて他人の妻を指す〕
よくわからんが、座布団1枚!
それで勘弁してちょ。
そういえば国語の教科書に、「ある生涯の7つの場所」の3巻あたりの短編、
大昔収録されていたな。咲耶(コノハナサクヤノヒメあたりから?)いう女性がでてくる、
「思い出の夏」みたいな話
165 :
吾輩は名無しである:02/02/08 23:45
辻先生に会いたい・・・・・・
166 :
吾輩は名無しである:02/02/09 14:37
この春、辻作品を読むとしたら何??
背教者ユリアヌス!!!
168 :
吾輩は名無しである:02/02/10 00:53
ランボーの生涯を複数一人称のナラシオンで語った短編(「永遠」かな?)
がよかった。
英雄詩を読んでるような高揚をおぼえた
>164
「思い出の夏」みたいな話→「夏の海の色」
私「人を好きになるならないって、全然そういう事じゃないんだ」
タケチュウ「え、今なんて言ったんだ?」
城跡にたたずむ私たちの間を夏の終わりの風が吹き抜けていった・・・。
みたいなラストシーンだったよね。
・・・良かったなぁ。教科書に選んでくれて、文部省に今でも感謝、感謝。
>168
確か妹も出てきて、ランボーがアフリカに行って何かやばい事した話?
でしたっけ?読みたくなってきました・・・。
170 :
吾輩は名無しである:02/02/12 04:57
>169
それですそれです。タケチュウといういかにも毬栗頭の人のいい友人がでてくる・・・。
高校生が読むと、「人妻」というところで妄想がふくらみ、割りと友人かんで人気のある
作品でした。
スレのレベルを落としてスマソ(笑)
171 :
吾輩は名無しである:02/02/13 01:39
誰かマニアックな辻作品知ってる人います??
けっこうどぎつい印象は「夜ひらく」とかいうやつ
173 :
吾輩は名無しである:02/02/14 13:39
夜ひらく、出版当時から横目で睨んで興味あったのですが、まだ未読。
たしかバブル時代、どこかの出版社が、世界の都市の歴史みたいな業書(維納、ペテルブルグ、ベルリン、プラハ)
だして、それのおまけにつけた小説をまとめたような気が・・・。
タイトルからして官能的で、面白そう。
全然関係ないが、「ARIA」いうオペラのアリア・オムニバス映画がある。ケン・ラッセルとかゴダール、アルトマンとか
ロジェ・ヴァダムの息子とかが監督したイメージ映像集。
あれの冒頭のウィーン篇は秀逸。
辻邦生もこの辺の官能狙ったのかしら。
是非、クリムトやエゴン・シーレのウィーン世紀末美術の絵にお話、つけてほしいわ。
174 :
吾輩は名無しである:02/02/17 01:47
age
175 :
吾輩は名無しである:02/02/17 02:10
12の肖像画のお話とかもあったね。
16世紀くらいの人物画(ホルバインか何か)におはなしつけた奴。
あれも未読だけどよい
あと、こないだ図書館いったら、中央公論だか岩波だかから、辻邦生のエッセイあつめた
全集あったね。そのへんの文章、まだ未読。
あと映画評関係。タルコフスキー評論(じつは評論じゃなく頌歌)とか、辻先生の愛があふれた名文
いっぱいありそう
176 :
マリーテレ−ズ:02/02/17 03:29
「夜ひらく」は辻邦生さまが、西洋文化への官能的な憧れを
のびのびと華やかに発揮した作品集ですわ。
>12の肖像画のお話
「風の琴」(文春文庫)ですわね。12の風景画のお話も
一緒に載っている。
177 :
吾輩は名無しである:02/02/18 00:16
ageageage
178 :
吾輩は名無しである:02/02/18 12:42
エマニエル物語(ある生涯の7つの場所)で海の貴婦人だかなんとかいう
リンドバーグ夫人の小説を意識したタイトルがある。
あれ、レズビアンの物語で、エマニエルが誘惑されます。ちょっとエッチ
>170
「夏の海の色」には続きがありますよ(まぁ、そもそも連作の一つなんですが。。。)。
「城の秋」(『人形クリニック』ある生涯の七つの場所4)がそれです。
変わらず美しい咲耶さんが再登場します。
180 :
吾輩は名無しである:02/02/18 13:50
ある生涯の七つの場所を読破された方いますか??
感想をお聞かせください。
感想も何も、「良かった・・・」です。
182 :
吾輩は名無しである:02/02/19 00:03
ある生涯の七つの場所
ハードカバー(全初版!古書店でセット12000円)で読んでます。
藍色のケースに白い本です。
タイトルも藍色。
現在4冊目『雪崩のくる日』の途中(ちなみに文庫と本のタイトルが一部違う)
一日一編読んでいて、今日は「プッペンクリニック」です。。
とにかく飽きないです。すごい完成度…
183 :
吾輩は名無しである:02/02/19 18:37
>>182 一日一編っていいですね。
それ、今日から僕もやってみます。
辻さんくらい“美”っていう価値を探究した作家って他にいますかね?
>182
4冊目、いいなぁ・・・。
2冊目のひまわりが噴水にあった話とかと、つじつまが合う、
のは3冊目のでしたっけ?
読みました。
表現もさることながら、ストーリーも(物語として)おもしろいですよね。
187 :
吾輩は名無しである:02/02/23 01:56
>>179 朗報ですね。咲耶さん再出演ですか。
・・・辻邦生さんの日記読むと、先生は文章を通して執筆者・読者に<甘美な感情>を誘発することを
至福としているとか(モンマルトル日記)
筒井康隆もそのへん意識的にかいとりますが、辻先生の描く美人像にはまいど、読んでて至福をかんじます。
188 :
吾輩は名無しである:02/02/23 02:00
というわけで、今、辻先生のシチリア紀行よんどります。
辻さんは、是非ともスタンダールやデュマ風の第2帝政下のフランス冒険小説
書いて欲しかった・・・
定期的に、あげ
「プッペンクリニック」はなんだか萩尾望都さんの少女漫画のようでした・・
女性(特に少女)の心理描写に卓越していますよね。
191 :
中谷彰宏は:02/02/27 11:55
作家ですか?
192 :
吾輩は名無しである:02/02/27 23:54
辻作品の中で、
最も美しい女性は誰??
193 :
マリーテレ-ズ:02/02/28 00:20
[岩蔭|]_・)ソォーッ
194 :
吾輩は名無しである:02/03/02 03:45
ユリアヌスとイリアスって関係あるの??
195 :
ゲッペルス:02/03/02 04:09
>>193 あーたは美人だけど、前立腺マッサージの過去があるから(笑)
196 :
吾輩は名無しである:02/03/03 11:45
>195
?意味わからん・・・・
197 :
吾輩は名無しである:02/03/03 12:57
>>85-90参照
尼僧には触れてはならぬ過去があるのです
個人的にはこっちのほうが魅力だな(笑)
198 :
マリーテレ-ズ:02/03/03 23:20
神の命により、人々に喜びを。
199 :
吾輩は名無しである:02/03/07 01:09
辻さんの小説って長〜〜い☆
200 :
マリーテレ-ズ:02/03/07 02:15
短編も多うございますわ。
201 :
吾輩は名無しである:02/03/10 00:04
そろそろ寿命かな・・・・・・・
202 :
まあ、そういわんと:02/03/10 02:21
辻邦生「安土往還記」なんか、中高生に読ませたら、意外に評判高いんじゃないかな?
というのは、ほら中公文庫でルイス・フロイスの「日本訪問記」全巻でたじゃん?
あれ読売資本がはいって、「織田信長の戦国軍記ものや仮想戦記がはやっていて、この厨房群れるマーケットを学研だけに
まかせておくわけにいかない。フロイスだせば意外と売れる」とだして売れた。
購読者層おなじところ狙って売れれば、佐藤大輔がどうのいってる人たちに売れると思う。
すまんね。スレ汚しで。
203 :
マリーテレ-ズ:02/03/10 03:51
日本の出版界は、福音活動の技術が未発達でございますわね。
204 :
吾輩は名無しである:02/03/12 17:14
どなたか「絵と音の対話」って
読んだことある方いませんか??
興味があるんですが・・・・・
205 :
吾輩は名無しである:02/03/13 00:13
age
206 :
筒井康隆、佐藤大輔ファン。:02/03/13 23:23
>>202 辻邦夫スレでその名前がでるとは…
一番好きなのは、「背教者ユリアヌス」かなぁ。
ファンと名乗るほど辻先生の本は読んでいないけど、
好きな作家の一人です。
207 :
吾輩は名無しである:02/03/14 00:32
>>207 壮大な物語を楽しめるからでしょうかね。
もともと歴史小説のたぐいが大好きなので。
他の読んだことのある辻作品の感想もついでに。
もう記憶が風化しているものもありますが。
「回廊にて」 そこはかとなくただよう切なさがよかったです。
「西行花伝」 短歌の教養がないせいか、世界に入り込めませんでした。
「安土往還記」 馬揃えの場面は印象にやきついています。
「江戸切絵図貼交屏風」いまひとつだったとしか覚えがないです。
209 :
吾輩は名無しである:02/03/17 12:07
>>208 「西行花伝」は、素晴らしい小説です。
古典と日本史の教科書を片手に読みましょう。
美しさが生きているのを感じることができるでしょう。
>「西行花伝」は、素晴らしい小説です。
そうだろうと思う。
でもがりがりの理系(数理工学専攻)なので、
古典の知識がないのよ。
のんびり教養をつけてまた読んでみます。
211 :
吾輩は名無しである:02/03/20 23:19
そろそろだな・・・・・・
212 :
吾輩は名無しである:02/03/21 04:25
いや、そういわれると下手な延命療法はかりたくなる(笑
ていうか、今、世界史板ちょっとしたネット小説ブームなんだけど(見りゃ判る)
西欧の光を意識した作家である辻邦生は世界史板住人のあいだでももっと話題になって
いいと思うのだが。
フーシェ革命暦、読了に失敗したおれがいうのもなんだが・・・。
だってツヴァイクの簡潔明瞭期待して読み始めたら、プルーストもかくやの悠久の
語り口なんだもの。
あれから10年。そろそろ再読して見ようかしら
213 :
吾輩は名無しである:02/03/22 00:23
彼は、
絵画から音を聞き、
音楽が描く絵を観られた、
日本が誇る天才です。
214 :
吾輩は名無しである:02/03/23 05:14
age
215 :
吾輩は名無しである:02/03/23 15:46
さらにage
216 :
吾輩は名無しである:02/03/26 03:05
もうageないよ、いいの?
217 :
いや、そういわれるとな:02/03/26 03:52
うーん。正直いうとユリアヌスやパリ日記の頃にまで書かれた作品しか
知らないからなあ。
いや、好きなのよ。辻センセの文章。タルコフスキー賛歌とかそりゃ
蓮見シゲヒコに比べれば無批判な映画批評が、ときには「先生ほどのお人が
そんな幼稚な文章を」と腐したくなる瞬間あるけど。
やっぱ読めば清々する
218 :
吾輩は名無しである:02/03/28 00:11
辻作品の、なんていうか哲学的なところに惹かれます。
219 :
吾輩は名無しである:02/03/28 00:23
ROMっててときどきあっちの「辻」のスレと間違える。なぜに辻がユリアヌス?
ああ、こっちの辻かって。おろそしい。
220 :
吾輩は名無しである:02/03/28 01:01
あっちの辻はあんまり好きじゃないんですよ。
なんていうか、こっちの辻の美にひかれるもんでね。
221 :
辻、清・美:02/03/28 01:23
辻は清くて美しいのです。
・・・あ。
222 :
吾輩は名無しである:02/03/28 11:06
確実にスレのレベルが下がってきますな☆
ageとくよ♪ アントニヲ
224 :
吾輩は名無しである:02/03/28 23:13
旅に出たかと思ったよ
辻さんが生前、愛読してた本って何かありますか?
227 :
吾輩は名無しである:02/03/30 04:19
そりゃ、北杜夫ことドクトルまんぼう航海記で1957年だかのパリに
辻夫妻を訪れたとき、「ブデンブルーク家」の冒頭の1節、単語をいかに副詞や
修飾詞がつないでいるか、カードにかいて説明する個所があります。
小学館ライブラリーだか講談社だかからでた辻邦生「トマス・マン」研究本だかで
まとめられているとおり、トマスマンは愛読したでしょう。
東大仏文ですが、むしろ松高時代のドイツ文学こそ生涯の教養かと。
なにせブデンブロ0ク家岩波訳者望月市恵センセイにドイツ語直接習った世代です。
228 :
吾輩は名無しである:02/03/30 04:22
むろんスタンダールや、ちょっとインテリくさくスパイ小説など好きですがね。
中公文庫の短編集とかのぞくと、キューバ革命だかアルジェを舞台にしたサスペンス小説とか
かいていたと記憶。
グレアム・グリーン風の「逃亡者の心理サスペンス」だったかなあ
229 :
吾輩は名無しである:02/03/30 06:48
ヘーゲルの美学講義なんかも愛読していたようですね。
観念論の香りはけっこう流れている気がします。
230 :
吾輩は名無しである:02/03/30 14:26
うんうん。そうそう。ヘーゲルくらいになると、私には理解不可能だが(^^:;)
「小説への序章」なんかで1章、彼の著作周辺に考察をさいてたような・・・
231 :
吾輩は名無しである:02/03/30 23:09
漱石の文学論についても熱く語っていましたなぁ・・・・・
232 :
吾輩は名無しである:02/04/01 19:03
辻先生のような文章を書きたい・・・・・・・・
233 :
吾輩は名無しである:02/04/01 19:55
>>232 ROMっててビクーリ、いっしゅん、清美のほうかと・・・
前レスで仁成とまちげえる人もいたけど。
ほんとにさいきんややこやしいですね、「2chの辻」。
この前、古本市で辻邦生の限定本を見かけた。箱に入ってて、なんとかっていう
版画家(フィニだったような?)の版画つきの。版画なしで売られていたが、僕はとくに
辻にこだわりがないので買わなかった。タイトル失念。ほんとに記憶力ないなあ、
漏れは・・・鬱
234 :
吾輩は名無しである:02/04/02 23:43
今日、シュタイナーの本を読んだんだけど、
どこか辻文学に通じるものがある気がしました。
235 :
ベスト3発表!!:02/04/03 11:45
1 西行花伝
2 春の戴冠
3 ある生涯の七つの場所
といったところでしょうか。
まだまだ読んでいない作品もあるので、
読み比べてみます。
236 :
吾輩は名無しである:02/04/03 18:41
ふむ・・・・・
237 :
吾輩は名無しである:02/04/03 23:00
あづちおうかんきははいっとらんのかね?
238 :
吾輩は名無しである:02/04/04 02:36
安土往還記は、あの夜間タイマツパレード(フロイスか誰かの送別の夜宴)
いつも脳内BGMにタンホイザー序曲かけてます。
べたですが。
人生50年下天のうちにくらぶれば・・・いう敦盛の一節が
「虚無のなかで懸命に有為をおこなおうとする男の生命力賛歌」
として西欧人の目にうつるところなんか感激ですね。
あるいは安土におけるセミナリオ建設の1章。
やがて繊細に焼け落ちる運命であるあの花の都安土ルネッサンスの描写には
胸が高鳴りました。
信長書く人は多かれど、やはり辻先生の「尾張のシニョーレ」は何かが違います
239 :
吾輩は名無しである:02/04/05 22:45
そして美は廻るのです・・・・・
240 :
吾輩は名無しである:02/04/08 02:01
マリー様、
最近来ないなぁ・・・・
241 :
マリーテレ-ズ:02/04/08 23:27
マリーはいつも皆様のお側におりますわ
242 :
吾輩は名無しである:02/04/10 22:18
絵と音の対話は最高でした。
私は片思いしています。
辻さんの小説で恋愛の参考になりそうなのはありますか?
私は詩を少し書きます。
辻だったら「海峡の光」とか、「白仏」だな。
>>244 ・・・・・それって“辻”違いじゃ・・・・・・
寿命ですな・・・・・・
247 :
吾輩は名無しである:02/04/16 14:31
スレ意識低下
248 :
吾輩は名無しである:02/04/21 13:20
「のちの思いに」読んでますけど、ざっくばらんさがいいですね。
5月に出る「辻邦生のために」でしたっけ?奥さんの本も早く読んでみたいです。
奥さんの本も出るんですか!
250 :
吾輩は名無しである:02/04/25 21:37
辻○成スレと間違ってクリックする俺はイタイですか?
奥さんの本っていつ発売ですか?
252 :
吾輩は名無しである:02/05/24 22:09
age
奥さんの本は
新潮社から五月末日に発売です。
新潮社のホームページでカバーも確認できますよ。
>>248
ありがとーございます!!
ところで
きょう古書店で、最近でた辻邦生の「・・・の海?」(タイトルわすれた)
というエッセイ集を読んでいたら、なんとファッションデザイナーの
山本耀司について書かれていて驚きました。
なんでも、ヴェンダースの「都市とモードのヴィデオノート」
(山本耀司のドキュメントらしい)
をみて、耀司氏のクラフトマンシップに感動したということです。
耀司氏は昔の人物の写真の見るのが好きで、
「かつて極寒地帯の人々にとって厚手のコートは生きるための服であった。
自分の服作りの精神はそこにある」みたいなことを言っていて、
辻邦生は「生きるための服」という部分に美への精神が感じられ、
ファッションに関わる人間からこのような感動的なことばが聞けるとは
思わなかったというようなことが述べられていたとおもう(うろ覚え)・・・
でも、間違っても、耀司の服は買っていないだろう・・・(笑)
ま〜服がいいかどうかと言うよりは考え方に共感したということですね。
でも・・・山本耀司ってしべるのうまそうだからな〜・・・。
大好きです。辻邦夫
どんなに苦しくても、どんなに寂しくても、生きているってすばらしいって、教えてくれた。
気高く生きることを。
氏の講演を一度でいいから聞きたかった。
作品の行間に氏の声を耳を澄ませて聞いています。
258 :
吾輩は名無しである:02/06/04 16:13
辻先生Forever・・・・
259 :
吾輩は名無しである:
たまにはあげておきまする