1 :
吾輩は名無しである:
『官能小説家』はアレだけど、これは最高だから
マジで読め。
2 :
吾輩は名無しである:2001/06/02(土) 23:39
久しぶりによかったと思う
3 :
ixion:2001/06/03(日) 00:02
『日本文学盛衰史』について:
「今、朝日新聞の夕刊に連載している『官能小説家』と双子の小説
といってもいいだろう。というより、『官能小説家』は『日本文学
盛衰史』の中におさまるべき一つのエピソードが、そのまま育って
長編になってしまったものなのだった。」(週刊朝日6/1号)
『僕の願いはたった一つだった。それは、それがなければぼくだって
なにも表現できない近代日本語、そのはじまりに立ち戻り、それを
作り出した若い作家たちときちんと出会うことだった。「新作」を
持って立ち現れた藤村や啄木は、明治人であり同時に現代人でも
あった。彼らは、ぼくたちがそうやって近づいてくるのをじっと
待っていたような気が、ぼくにはしたのだ」(週刊朝日6/8号)
この作品は良かった。源一郎も充実して、かといって手を抜かず
真摯に書いている(当たり前か…)。でも連載時にも思ったこと
だが、やはりこの終わり方には違和感を覚える。仕方ないのかな
盛衰「史」となっている以上は。
4 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 00:44
買ってよかった。値段分、いやそれ以上の価値あり。
5 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 01:05
この人ってあたりハズレ激しいの??
今回これは面白いんだけど、今読みとちゅう〜〜〜♪
6 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 06:00
7 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 14:18
>やはりこの終わり方には違和感を覚える。
そうは思わなかった。
高橋は、また、自らをも殺したのだ。
8 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 15:29
>久しぶりによかったと思う
何年振りくらい?
「優雅で〜」以降、小説は殆ど空振りのような気がするが。
9 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 17:29
うわ、読みたくなってしもうた
10 :
高橋見直した:2001/06/03(日) 21:01
読まなきゃマズイだろ。
こういう仕事をした作家はもう出ない。
11 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 22:47
俺も良かったage
12 :
吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 23:51
ゴダール?
13 :
吾輩は名無しである:2001/06/04(月) 00:03
?
14 :
吾輩は名無しである:2001/06/04(月) 00:15
高いよ
しかも函入り・・・
本屋で見て驚いた。
15 :
すごい:2001/06/04(月) 00:32
あんまり期待せずに買ったけど、すごい。
こんなことやってのけてたんすね。
>14 箱入りにしては安いでしょ。かなり。
16 :
ixion:2001/06/04(月) 00:44
『日本文学盛衰史』はおよそ六百頁もあり、しかも美麗(?)箱
入り単行本で、講談社は年に一冊ぐらいしか箱入り本は出さない
らしく、まさに社運をかけての出版なのだった
てなわけないでしょ、箱入りはぼくがお願いして作ってもらった
だけ。なんでもカジュアル化が進む中、時代に逆行したかのような
装丁を見て「片道だけの燃料を積んで沖縄に向かった戦艦大和
みたい」といった人がいた。(週刊朝日)
>高橋は、また、自らをも殺したのだ。
それは違うと思う。自分を殺したのなら『官能小説家』みたいなもん
は書かないでしょ。あれは奥泉との対談でも出てきたけど、死者に
ついて語るところに日本の戦後(近代?)文学がある、みたいな
ところを多少しょっているのか、もしくは文学「史」である以上
あの決め方しかないと思ったのか、あの『坊っちゃんの時代』が
そうであったように。回想として一度閉じてしまうことで、これ
からに向かっていくという。もし未来があるとして。
なんで俺はあれが嫌なんだろう、高橋源一郎の「感傷」や「決め」
は見たくないと勝手に思っているだけなのだろうか。連載時には
あの終わり方に「わざとこんな糞ドラマチックな終わり方してん
のか?」と、ちょっと失望したのだったが…。
ま、でも名作ですよ、間違いなく。
17 :
吾輩は名無しである:2001/06/04(月) 07:45
「盛衰史」っていう題名もなかなかいいよね、「衰」がさ。
18 :
7:2001/06/04(月) 16:43
>ixion
>回想として一度閉じてしまうことで、これ
>からに向かっていくという。もし未来があるとして。
いやいや、その通りなんですよ。
それまでの高橋を新しい子供が出来た時点で殺し、
それから未来に向かっていくという感じで。
『ギャング』は最後に「わたし」を殺しているから
それと同じように。
みんな誉めているな。
20 :
吾輩は名無しである:2001/06/05(火) 00:03
ほんとだよね。「ダメダメぶうぶう」という意見もモトム
21 :
吾輩は名無しである:2001/06/05(火) 18:00
今日買ってきた。
本屋での存在感は一番だった。
22 :
吾輩は名無しである:2001/06/05(火) 21:40
けなせるところは
流行を追ってしまったら、やはり古びてしまう。
「たまごっち」なんてみんな忘れてたよ。
でもそれすらも奴の狙いかも知れない。
23 :
吾輩は名無しである:2001/06/05(火) 23:31
まだ途中までしか読んで無いけど、
ギャングが、現代詩批評小説なら、
盛衰史は、文学批評小説なのではないか、
ギャングと対をなすをものではないか、
と思う。
連載してるときちょこっと見たけど、啄木が携帯電話を使って援助交際
してるんだよね?
25 :
質問します:2001/06/06(水) 12:28
この本は日本文学の入門書としても使えるでしょうか?
それともやはり日本文学に詳しい人のための本なのでしょうか?
26 :
吾輩は名無しである:2001/06/06(水) 20:16
>25
入門書としてはどうかな・・・
日本文学の知識が無くても読めるとは思うけど、
知識があった方がより楽しめる。
ああ、ここは『春』のこと言ってるんだな、とか。
27 :
偽金子光晴:2001/06/06(水) 20:30
私は「青春小説」の傑作として読みました。山田美妙の死ぬ所は、泣いてしまった。
>>3で引用された「週刊朝日」の記事を読んだ時、ああ、それで「官能小説家」は失敗したんだ、
と思いました。同じようなやり方で、村上春樹が「国境の南、太陽の西」を書いているでしょ。
あれも、「ねじまき鳥」の「中におさまるべき一つのエピソードが、そのまま育って長編になってしまった」
ものだと言ってましたよね。
「国境の南」がダメだったのと、「官能小説家」がダメだったのは、リンクしていると思います。あれを「盛衰史」に
組み込んだら、こんなことにはならなかったでしょう。
28 :
吾輩は名無しである:2001/06/06(水) 21:51
源一郎離婚ってマジネタ?
『官能小説家』の方は終章になってるし。
群像新人賞の高校生に手を出したか?(藁
29 :
吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 00:15
一葉萌え
30 :
偽イタロ・カルヴィーノ:2001/06/07(木) 03:49
>マジです。「官能小説家」にすべて書いてあります。
これで源ちゃん、ほんとに死んじゃえば「私小説」として残る。
32 :
吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 12:15
日曜日にサイン会行く奴いる?
33 :
吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 16:32
「国境の南」をダメゆうなー!!春樹作品でいっちゃん好きだっちゅーの!
34 :
吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 22:17
源一郎離婚詳細希望age
35 :
吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 22:36
ああ、せっかくの「盛衰史」スレが(泣)
離婚原因知りたい人は週刊文春読みましょう。
噂の真相もじきに追っかけてくれますよ。
それでいーじゃないですか(泣)
36 :
吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 23:52
プレイボーイの連載読んでる奴なんざ居るのか?
ちなみに俺はサイン会に行く。
うん。読んでるよ。
もったいないから少しずつ読んでるよ。
38 :
37:2001/06/08(金) 22:08
ごめん、読んでるのは「盛衰史」ね。
1さんの呼びかけにこたえたものです。
39 :
吾輩は名無しである:2001/06/09(土) 23:29
値段高すぎ
40 :
ロカンタン:2001/06/10(日) 17:03
彼が作ってる部分が臭すぎてなあ。
やっぱ、作家というところでは出涸らしなのかもしれないなあ。
でも、彼の中では、久々にまあ読めるものではあるけど。
41 :
吾輩は名無しである:2001/06/10(日) 21:31
>彼が作ってる部分が臭すぎてなあ。
ってゆうか、高橋源一郎が書くとどうしても昭和になってしまうような気がして。
最初は明治の文人たちの苦悩が「今の」文人の苦悩に重なるように出来ているのかなあと思ってたけど、
どうも違うような気がする。
42 :
ロカンタン:2001/06/11(月) 23:28
元ネタが同じだから、しょうがない部分もあるが「『坊っちゃん』の時代」
の小説版焼きなおしみたいな気がする。
結構この本読んで関川夏央とかしらけてたりしてな〜。
43 :
吾輩は名無しである:2001/06/11(月) 23:34
発言内容は構わぬ。
ロカンタン←このハンドルなんとかならぬか
ろばくんにも言ってやってくれ
45 :
ロカンタン:2001/06/12(火) 18:14
>43
たまにムカついて、ゲロ吐きたくなるからさ〜。
オレンジ色の部屋に閉じこもる元祖ひっきー君の名前にでも
変えようか?
46 :
吾輩は名無しである:2001/06/14(木) 05:13
読み途中あげ
47 :
Fishman:2001/06/14(木) 21:20
あー。出遅れちゃったかな。。昨日購入して、睡眠時間を削って
今日読み終わりました。仕事中眠い眠い。
雑誌連載時から、気になっていて時々拾い読みしていたのですが、
読み終えての感想は「面白かった」素直にそう思いました。
未読の方には是非一読を薦めます。
漱石の時代との比較はひとまず置いて、面白いにも関わらず、このあらゆる意味で
高橋的な書物が、まるで遺書のように見えてしまうのはどうしてでしょう。
上のレスで結末部分への違和感が挙あの結末であるにもかかわらずげられていましたが、
僕個人としては、全編を覆う哀愁に同調し切れませんでした。
(あの結末であるというのに!)
悲しいだけとでも呟いてみましょうか。
48 :
吾輩は台無しである:2001/06/17(日) 20:21
泉が丘のほうが新金岡よりも便利だと知った。中原昌也も置いてたし。
俺も青春を扱ったものとして読みました。
育児、や、信号機、で現されているもの。
この哀切さはもう一人の「生まれなかった子供」に向けられたものではないか。
最後に生まれた「赤ん坊」は、「生まれなかった子供」なのか。
>人は戦うために生まれた。そして、人は、愛山の言葉を借りるなら、戦うという幻のために、
>戦うことを自己目的とするために戦うのではない。そこに敵がいるから戦うのである。
彼らの「敵」は何だったのか。身を滅ぼすような若さと老いは、何を残して何を殺したのか。
よくわからなかったので、もう一度読み返してみます(笑)
49 :
吾輩は名無しである:2001/06/17(日) 21:24
サイン会いってきたage
50 :
吾輩は名無しである:2001/06/18(月) 00:27
51 :
吾輩は名無しである :2001/06/19(火) 16:34
>>50 49さんではないが、行ってきました。
朗読なさってました。とっても滑舌サワヤカでした。
52 :
吾輩は名無しである:2001/06/19(火) 22:02
タカハシは清原の3連発を予言していたのか・・・
53 :
我輩は名無しである:2001/06/24(日) 14:38
『官能小説家』のスレを捜していたらココに辿りつきました。
本になったと知り、パソコン消してすぐ本屋に買いに行きました。
田舎の本屋ですが、きちんと入荷されていて(でも一冊だけ)
うれしかったです。こらえきれず、
帰り道によったスーパーの前にあったベンチで梱包を解き
読み始めましたが、数ページすすんで、自分が涙ぐみそうになっていることに
気がつき慌てて家に戻ってきました。
54 :
花と名無し:2001/06/24(日) 16:59
高橋源一郎の文章にあるリリカルさが好きなので、全編の底に流れる
哀感にも違和感がなかった。
だから、『ゴーストバスターズ』も楽しんで読んでたからなぁ。
ただ、『官能小説家』の夏子の文章はリリカルを通り越して駄目駄目
だったけどね。
とにかく、この『日本文学盛衰史』は名作でしょう。
55 :
吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 18:49
あげ
56 :
我輩は名無しである:2001/06/26(火) 18:49
ひきつづき53です。
山田美妙が死んでしまうところで落涙する、
という予備知識が
このスレで備わってしまったから
うわっ、涙デテシマウ、だから
オレが今読んでるココって山田美妙のこと書いてんだよなあ、
と、勇み足しきり。
涙ぐむ箇所では「おお、これが山田美妙の記述なのかっ!!」と
センチメントに犯されながら
冒頭の11頁くらいから
涙の垂れ流しに繁く忙しい。
まだ400頁です。
『官能小説家』を読んでいると
高橋さん、
ダイジョウブなんだろか、
苦しくないのかな、
死んだりしないでください、と
そればかり考えてしまう。
57 :
吾輩は名無しである:2001/06/27(水) 00:05
サイン会とかもうないの?
リブロはもう終わったみたいだけど。
58 :
吾輩は名無しである:2001/06/27(水) 00:20
おおおーサイン本欲しい〜
59 :
我輩は名無しである:2001/06/27(水) 18:12
柄谷行人『日本近代文学の起源』の
お粗末な小説版、という感慨もあるのだけど
いかがでしょう?反論まってます。
「不思議そうな顔で」という、
人を見つめるときの描写が頻出していたのは
語彙の貧しさではなくパロディでやっているのかな?とも思いましたが、
高橋さん全盛期の利発さがすこし失われているような気もして
これは本気で書いてるかも!と疑ってしまいます。
60 :
fishman:2001/06/27(水) 20:50
お粗末かどうかはおくとして、確かにキーポイントを言文一致に
置いているだけに、『日本近代文学の起源』とかぶるところは
大きいですね。
ところで平成4年に講談社から『柄谷行人×高橋源一郎 ー群像
5月臨時増刊号』という、いかにもな本が出ています。
僕の疑問はこの本の中の対談で『日本文学盛衰史』の
主要なタームは出尽くしてるんじゃないか?ということです。
何故、それをあらためて小説化するのか。そこがちょっとわからない。
そこに付け足されているのがリリカルな叙情だけであるとするなら、
どうもそのリリカルな叙情が評価すべきではないものに思えてくる。
と言うわけでやっぱりこの小説の個人的評価は保留なんですよね。。
ホント面白く読めたんだけどなぁ。。
61 :
我輩は名無しである:2001/06/27(水) 23:57
62 :
我輩は名無しである:2001/06/28(木) 11:50
53,56,59
と書きこみした者です。昨晩読了しました。
山田美妙が死ぬところは「あれ、ここなの」ってぐあいに
すどおりしてしまいました。
全体を通してよい、と
思いましたが59で書いた感慨はそのまま残りました。
『官能小説家』のほうがよいかもしれません。
63 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 18:21
age
64 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 18:47
age
65 :
吾輩は名無しである:2001/06/30(土) 07:38
age
66 :
ixion:2001/06/30(土) 08:10
>ところで平成4年に講談社から『柄谷行人×高橋源一郎 ー群像
>5月臨時増刊号』という、いかにもな本が出ています。
>僕の疑問はこの本の中の対談で『日本文学盛衰史』の
>主要なタームは出尽くしてるんじゃないか?ということです。
>何故、それをあらためて小説化するのか。そこがちょっとわからない
ものすごく的確な指摘ですね。ただ、こう考えてみるとどうでしょう。
おそらく(というか、絶対に)高橋源一郎は「現代に作家として書け
ない・書き得ない」ことを強く実感している作家なのですが、そう
した「書き得ない」という内面までもが作り出されたものであり、
結局は「現代」であろうと「明治」であろうと、表現に対する不可能
性、またそれに対する作家の悩みは反復されざるをえない。
では反復されえないものは何か、それは抽象性を持たず、批評や
歴史の側からすれば陳腐であるが故に脱落するひとつひとつの生・
情・交・死であり、それを実感として描くことが出来るのが小説で
あり文学であった「時代」は、もう過ぎ去ってしまった。それも
また一つの実感であり、あえてフィクションとして文学「史」を
書くことで、高橋源一郎はもういちど「言葉と内面」に立ち戻り
ながら、同時にそれが死を迎える(かもしれない)ことをあえて
内面・実感としてとらえようとしたのではないか。
ただ、言葉への率直な実感に立ち戻ることが、この小説の最後で
「貧しい語彙」とあえて言い切りたい部分につながっていくことに、
それはそうかもしれないが…と抗いたい気分に、俺は駆られる。
67 :
ixion:2001/06/30(土) 11:29
ところで、高見順の『昭和文学盛衰史』第二巻の終章「徴用作家」
では、戦後の「書けない」作家についてこう書かれている:
「一年後に私たちは日本に帰った。ただし武田麟太郎のように、日本
へ帰ることを好まないで足掛け三年、ジャワに留まったというのも
ある。日本に帰っても、どうせ自分の書きたいような小説は書けない。
書けないというだけでなく、暗い気持ちで暮らさねばならないくらい
なら、いっそ外地にいた方がいい。彼はそういう気持ちだったのである。
昭和十九年一月に、彼は帰った。帰っても、彼はその一年間、何も
書かなかった。」
今の作家に徴用や戦争は無い。無戦の平地に暮らしながら、文学を
志す者は文学というものへの疑いを隠さない。いや、言葉への疑い
さえもそこにはある。
「文学や言葉に帰っても、どうせ自分の書きたいような小説は
書けない」
として、いっそ「文学の外」に留まる者もいるだろう。その時に、
もう一度「文学の内」に帰ってみようとした試みが、源一郎にとって
の『日本文学盛衰史』ではなかったか…。
68 :
ぼっけもん:2001/07/01(日) 03:16
↑文学的な、あまりに文学的な解釈、ですな〜。
69 :
吾輩は名無しである:2001/07/01(日) 03:30
関川夏央『「坊ちゃん」の時代』に、スーパーひとし君で。
70 :
fishman:2001/07/01(日) 11:42
?66-67
とても面白く読みました。
>高橋源一郎はもういちど「言葉と内面」に立ち戻り
ながら、同時にそれが死を迎える(かもしれない)ことをあえて
内面・実感としてとらえようとしたのではないか。
こう捉えるなら、『日本文学盛衰史』を肯定的に見れる気がします。
ただ、やっぱりちょっといらつきは残って、
その実感が、ラストに限らず、作品中に頻出する
叙情的な形容詞の中に無防備に流れ込んでいるように思える。
その叙情的なイメージの中で「内面」「実感」は手つかずで
温存されはしまいか?そしてそれは少なくとも高橋源一郎という
作家にとっては喜ばしい事態ではない。何故ならそれは少しも詩的ではない。
とまぁ、そんなことを考えました。
個人的な彼へのリクエストを挙げるなら、学生運動や文壇事情は
良いから、家族を書いてよという気がします。
それは、自分の内蔵写真を提示して安易に現実と作品をクロスオーバー
させるような手法ではなく、徹底的に言語的な問題としての「私小説」
でなくてはならない。間違ってもファミリーロマンスなんかには
流れないで欲しいなぁ。もっと大声で一番好きな作家は山川方夫だって
口にしてみてもいいんじゃないのー?
71 :
fishman:2001/07/01(日) 11:47
↑なんかうまく表示されない。。
>>66 >>67 です。?じゃ失礼ですよね。ごめんなさい。
72 :
吾輩は名無しである:2001/07/05(木) 22:19
以前に蓮実重彦が源一郎は明治の文豪をライバル視しているのではないかと批判していたと
記憶しているのですが、源一郎が病院の同室で漱石と同じ病気で並んでいるところなんかを読むと、
やはり漱石などと同等であると思っている節があるのかと思ってしまいます。
そういった部分を評価するべきか。今の時代に19世紀的な完全な小説を書くことが時代錯誤である
ことを解っていながら、ふとそんな小説を書きたい瞬間が不意に現れてしまうのだろうか。
73 :
S.K.:2001/07/06(金) 03:33
『日本文学盛衰史』、『官能小説家』を読了し、なんとなく「いいなぁ、
こうゆうの」と思っていたのですが、みなさんの厳しい批評や批判を読
んで、ちゃんと反芻しないと、と思い直しました。
"『日本近代文学の起源』ネタ"は確かに、この作品のテーマのひとつでし
ょう。しかし、より強いテーマとして、太宰の(十年一日のごとき)『如是
我聞』的プロテストを盛り込んだものと私は見ました。要するに、文学が
つまらなくなるのは作家(の根性)の責任である、ということ。作家の責任を
引き受けようとすることの恐れと空しさを歌い上げ(『日本文学盛衰史』)、
"プロテストの完遂=自死"を試み(『官能小説家』)たのではないか、と
いう感じ。穿った見方でしょうか? 本当に彼に死ぬ気があったのかは大いに
疑問ですが(もちろん自殺未遂などのニュースは入っていません)、陳腐な
実生活の成り行きに賽を投げたのかな、とは想像できます。
いつの時代も、作家、そして読者のすべきことは、意外にシンプルなのでは?
いずれにせよこの手の著作は、読み手の「覚悟」を問うものがあるような気が
します。
長々と失礼致しました。
74 :
吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 04:54
S.K.さんの真摯な考察に敬意を表しつつ、オレの二作への評価。
「文学へのストーキング」
75 :
のんけ:2001/07/06(金) 23:41
今読んでんだけど結構おもしろいな。
「たまごっち」とか「オール」とか出てくるとなんかケツがムズムズするけどよ。
76 :
吾輩は名無しである:2001/07/07(土) 00:09
うちに帰ったら僕を抱いて寝てくれませんか。
78 :
吾輩は名無しである:2001/07/07(土) 00:57
>>77 超長期天気予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り
79 :
吾輩は名無しである:2001/07/27(金) 21:40
増刷age
80 :
吾輩は名無しである:2001/07/28(土) 00:42
うれてるの?どーなの?
81 :
音速の名無しさん:2001/07/28(土) 03:33
どこにも売ってねーよヴォケ。どうすればいいんだよゴルァ
82 :
吾輩は名無しである:2001/07/30(月) 15:21
評論の棚に入ってるかもしれません…
ウチの近くの本屋ではそうでした
83 :
吾輩は名無しである:2001/07/30(月) 17:59
多摩センターでは平積み。
84 :
吾輩は名無しである:2001/07/31(火) 01:31
「群像」の穂村弘との対談読んで、これは面白そうだと思ってたんだよねー。
ここのスレでも褒められっ放しのようなので、決めた、買いだ。
この夏は「日本文学盛衰史」の夏だな。
ところで「盛衰」って書かれるとつい「じょうすい」って読んじゃうんだけど
元ネタ何だっけこれ。
85 :
吾輩は名無しである:2001/07/31(火) 02:20
ぎおんしょうじゃのかねのおとじょうしゃひっすいのことわりを
>>84 平家物語
86 :
85:2001/07/31(火) 02:21
って違うじゃん、全然違うこと聞かれてんじゃん、夜中だからって何ぼけ
てんだ俺。
源平盛衰記じゃないの。
88 :
偽金子光晴:2001/08/03(金) 20:25
「フィクショネス」プレゼンツ
偽金子光晴と高橋源一郎の新作を語る夕べ
「フィクショネス」では、高橋源一郎氏の「日本文学盛衰史」刊行および
「官能小説家」連載完結を機に、
「高橋源一郎なぺえじ」「2ちゃんねる文学板」等で言いたい放題のことを言っている
「偽金子光晴」さんを中心に、高橋源一郎作品を愛する人たちと、
ゆったり、まったり、面白おかしく、高橋源一郎作品と文学の現在なんかについて
おしゃべりする催しを行います。
高源ファン、文学好きの方、「偽金子光晴」の正体を見たいと思っている方、
こぞってご参加ください。
日時 2001年8月5日(日) 午後7時より
場所 下北沢南口「フィクショネス」
(会場の詳細は、ホームページ
http://www.sigma-planning.com/ficciones をご参照ください)
参加費 500円
なお、この企画は高橋源一郎氏本人とはまったく関係ありません。
だいたい2時間くらいで終わる予定です。
89 :
吾輩は名無しである:2001/08/05(日) 03:49
評判いいんだね。でも、あれって「高橋源一郎」が書くべきものじゃない気がする。
「恋愛〜」の方が「らしい」って気も。彼が今考えている問題は発言聞けばわかるし、
でもそれって保坂、奥泉とか、そしてなんてたって二葉亭らが直面したもの。それをあからさま
に言われても・・。源一郎フアン!て人なら作家論でオッケーかもしんないけどね。
反論しようのない文章だけど、彼の価値をもし現代文学の中で定めるとしたら・・。
感性を失ったとき、作家は技術や物語、そして歴史への同定をはかるのは・・・・。
そして、彼の今言っている問題は、おそらく既に過去の作品が物語っていると思う。
自己発見に付き合う、人間学=文学への読みは、もういいよ。
90 :
吾輩は名無しである:
源一郎は好きで本は全部持ってるけど今回は面白くなくて途中で止めてしまいました。
読み始めていつもの源一郎的な文章だなあとしか感想が出ないの。
構成的にもずいぶんと退屈で、ゴーストバスターズの焼きまわし的な印象が拭い去れないなあ。
新鮮さが無くなったっていうか。
もう卒業って事でしょうか。