1 :
名無し象は鼻がウナギだ! :
2001/05/24(木) 18:36 ペンギンで一通り読んだはいいが 引越しのどさくさで紛失してしまった。 平凡社の新書版でエッセイを読んで あらためて感心。 いまは読んでる人いないのでしょうか?
動物農場マンセー
3 :
吾輩は名無しである :2001/05/24(木) 21:56
カタロニア賛歌
4 :
吾輩は名無しである :2001/05/24(木) 22:00
1984
映画(1984)やアニメ(動物農場)もあったなあ。 映画のあのおっさんは余りにもイタかった。 なんて話題でも結構です。
朝礼や会議が終わるまで 「四本足マンセー二本足逝ってよし……ってか」 と無言で反芻してみましょう。 度胸があったら声に出しても可。
7 :
名無しさんは故郷をめざす :2001/05/26(土) 07:45
某所で『1984』について質問したのですが誰も読んでいないらしく、 レスが一つも返ってきません(泣)ので、こちらで質問させてください。 疑問点があるのですが、<人民の敵>エマニュエル・ゴールドスタイン著 『少数独裁制集産主義の理論と実際』は実はオブライエンが書いた、 との告白がありますが、ではゴールドスタインは実在しない人物だったのか…? もうひとつ。ラストシーンでウィンストンが「喫茶・栗の木」で 生い茂る栗の木の下で 俺はお前を売り、お前は俺を売った、 という(処刑の予告らしき)歌を聴くのですが、「栗の木の下」という言葉には 何か隠喩があるのでしょうか?
8 :
ixion :2001/05/26(土) 10:35
ゴールドスタインは実在しないんだと俺は思ってました。あの 『例の本』ですよね?まぁ途中にビックブラザーは実在するか、 またウィンストン自身が実在するのか、という問答が行われます が、実在/非在はすべて間接的な情報によってしか確かめられない ものです。ゴールドスタインの本がいくら「方法」を説いても 「理由」を説き得ないのは、究極を言えば「実在などはどうでもいい」 「情報による支配こそ全て」という状況を(逆説的に)しめしている ことにもなるような。 『例の本』は、党幹部が支配強化のために「知識を極秘裏に蓄積する」 という反逆の第一段階までも管理してしまう手段として、党幹部たち によって作られたのだと俺は考えてました。 えと、ごめん細部は覚えていないんだけど、 "Under a spreading chestnut tree"ってのはロングフェローの 詩の一説に出てきます。でもそれは村の鍛冶屋力強い体躯をもって 栗の木の下に立っているっていう詩なので、たぶん関係ないのかな。 あとは…別にイスカリオテのユダは関係ないのかな?ちょっと 聖書の該当部分が見当たらないので分からないんだけど。 曖昧な答えでごめんなさい^^;
9 :
鼻がウナギです :2001/05/26(土) 12:29
>>8 前段に賛成です。
栗の木については不詳です。
新約ではたしか果樹園で(オリーブ園だったかも)売った後、
何の木で首つったんでしたか……。
でも田園詩からの引用だとしたらアイロニーではありますね。
そういえば金賢姫が『1984』を読んで驚いたと書いてたのは
う〜ん。そりゃそうでしょう。
ユーリズミックスの主題歌が明るめでかえって怖かった。 ゴールドスタインは実在しないに自分も一票です。 「凍結都市」って子供向けのエンタメですけど 権力についての洞察がかなり突っ込んでいて これ読んで自分も疑問だった「ゴールドスタインはいるの?」は 「やっぱり存在しない」と思い込むようになりました。 作者についてはイギリス人であること以外、忘れちゃったけど。 読んだ当時はギリアムかパイソンズ一党に映像化して欲しいと思いました。
ゴールドスタインが存在するかしないか、曖昧だからこそ、あの小説はかえって気味が悪い。 あの不透明な割り切れなさ、というのは現実に多々ある状況なのではないか? それがあの作品の凄いとこ、と思ってたのだが。 あと、「未来世紀ブラジル」明らかにあれ、意識してるよね?(愚問
1984の 映画の方は小説とは別のイヤ〜な感じを受けた。 ウィンストン G・オールドマン の密会の女性 A・パリロー オブライエン C・ウォーケン ってな役者で見てみたい。
13 :
名無しさんは故郷をめざす :2001/05/27(日) 12:09
7です。皆様、お答えいただきありがとうございます。 「例の本」を書いたのがオブライエンだと知って、猛烈に オブライエンのことが大好きになりました。二重思考マンセー! 11さんはもしかして私のお知り合いでは? 違ったらすみません。 オーウェルは一般にSF作家として認識されているんですか? ある層には『カタロニア賛歌』の作者としてしか有名でないようですが。
14 :
鼻が :2001/05/28(月) 13:19
たしかに『1984』はハヤカワ文庫から出てますけど……。 だいたいそこらの店頭に『動物農場』『カタロニア賛歌』 『1984』くらいしか並んでませんからね。 Keep the Aspidistra FlyngとかBurmese Daysとか Coming Up for Airとか翻訳どころか原語でも見かけん。 むかしは売ってたのに。1984年が過ぎたら用なしの作家では 断じてないと思うんですが。でも結局(まあ日本では) はじめに掲げた三冊の著者としてしか残らないでしょう。 なんでだかなあ?
15 :
名無しさん@1周年 :2001/05/30(水) 20:58
みんな英語が得意だね。 俺は失業中に、英語の勉強のために(就職に有利かと思って) Down and out in Paris and Rondon を初めて読みました(図書館に通って)。10年前。
16 :
あげるよ :2001/05/31(木) 00:09
岩波文庫から「パリ・ロンドン放浪記」が出てる。あと評論集も。 まさかすでに絶版?
17 :
ウナギ :2001/05/31(木) 10:53
Down and Out で極貧の形容に
fantastic
と書いてあったのを思い出します。
>>15 私もオーウェルで英語を読みはじめたクチで
他の近代・現代英語の小説家のは読みづらいんです。
「時代遅れの英語」教育のおかげか
スウィフトとかディケンズ(これもオーウェル経由)は
むしろ読みやすい。
「馬の国」はオーウェルによれば
嫌〜な国……。
さげ〜。 PC(政治的に正しい)表現を論じるときに オーウェルの『1984』が引き合いに出されますが このPC語(反・差別表現)というのも 笑わしてくれるのがありますね。 たとえば「馬の国」はdifferently liberated とかになるんでは。
19 :
15down&Out :2001/05/31(木) 21:53
>たとえば「馬の国」はdifferently liberated >とかになるんでは。 ・・・よくわからんけど、わかったような。 オモシロイ!
>>19 『1984年』のウィンストンは
a person with alternative freedom
『動物農場』の豚たちは
ethically different
(↑この語句をポルポトか
アミンのキャプションで見て
もだえた……)
こらこら〜っ! なのです。
すべての動物は平等である。 でも一部の動物はもっと平等である(『動物農場』)。 円周率が「およそ3」というのを聞いて なら社会科で 「すべての国民は法のもとに だいたい平等である」 と教えたれ。 と思った。
22 :
吾輩は名無しである :2001/06/19(火) 12:33
ageるよ 良いスレだね
バーナード・クリックの伝記(GEORGE ORWELL A LIFE)に 養子の男の子の写真が載ってましたが もういまごろはいい爺さんでしょうねえ。還暦かもしれん。 奥さん二人ともすてき。 犬(NON-HUMAN COMPANION)の確かダックスフンド 名前が「マルクス」……。 オーウェルはカミュについて 一言もふれていない(すくなくとも私見では)。 不思議。戦争のどさくさで英仏間に 同時代の文学の紹介がなされていなかったのか。
>>23 カミュは関係ないだろ。
貴君の脳内ではそういう系なのか。
エリック・ブレアの妹萌え〜
25 :
吾輩は名無しである :2001/06/27(水) 23:44
質問がてらにサルベージしますね。 Down and out in Paris and London で、 plongeur と cafetier って職業が出てきて、扱いが違うみたいな 話になってたんだけど、英和辞書ひいても載ってないんですよね。 これって何ですか?
フランス語ではないでしょうか。 cafetier はカフェの給仕のことかなあ。レストランのボイかなあ。 ボリスがチップをしたこまもらってた仕事じゃない? plongeur は厨房の皿洗いじゃないかなあ。 アメリカ人の客がくるから英語の練習相手に 屋とってやるよって皿洗い……ドキュンだなあ。 でもオーウェルは厨房に「厨房」も「ドキュソ」も 見ないんですよね。 『動物農場』の馬や牛みたいな感じに見てる。 じゅぬぱぱれふらんせ。ぱるどん。
キャフェティエはキャフェのマスター。 ボリスの夢がこれだっけ。 プロニュールは潜水夫? パリで? 手元に件の本がない。わからんです。
28 :
25 :2001/06/29(金) 00:55
なるほど・・・何となく分かったような。どうもでした。 なんせ当方、excerpt で読んだもんですから 細かいとこがよく分からんのです。 ペンギン60周年記念で出た本で、60ペンスでした。
29 :
吾輩は名無しである :2001/07/08(日) 01:59
質問です。 「ナポレオンが手なずけた九匹の猛犬→国家秘密警察 (ゲーペーウー)」って書いて有るんですけど、 ゲーペーウーってKGBのこと? それから青年共産主義同盟って何ですか。
30 :
吾輩は名無しである :2001/07/08(日) 02:18
↑そりゃ、ちゃうよ。
31 :
吾輩は名無しである :2001/07/08(日) 02:45
それじゃ何
32 :
吾輩は名無しである :2001/07/09(月) 06:26
もし良かったら教えて欲しい ゲーペーウーと青年共産主義同盟とは何なのかを
33 :
吾輩は名無しである :2001/07/09(月) 07:09
・ゲーペーウー=GPU=旧東ドイツ秘密警察 ・青年共産主義同盟=説明は難しいけど、当時の共産国で若者を 「良き共産主義者」に教育するための団体。ボーイスカウトみたいな ものなのかな? ここのメンバーで有能な者を中央に送り込む と言う意味で、エリート選抜機関の役目も果たしてた。 (ゴルバチョフやエリツィンがそうだった)
34 :
吾輩は名無しである :2001/07/09(月) 12:43
レスありがとうございます でも動物農場ってスターリン体制下のソビエトの話なのに 何でそこで東ドイツが出てくるの
35 :
1 :2001/07/25(水) 16:38
神保町に行ったら2001年発行のペンギンの選集が ずらずら並んでやがった。横浜のへたれ本屋の洋書部は猛省しる! 「全小説」「オーウェルと政治」「オーウェルと持たざる者」 「オーウェルの英国」「オーウェルのスペイン」「エッセイ」 重複もあるがこれで1万7千円くらいだった。 しかしタイトルが西原理恵子の「わたしと〜」みたいだなあ。 ところで関係ないが最新のPODの組版はなんだあれは! むかしのに戻せ!なんであんなこっぱずかしいのにした!? CODも同断だ!ぷんすかぷん!
36 :
吾輩は名無しである :2001/07/31(火) 12:42
sageんなって
37 :
吾輩は名無しである :2001/07/31(火) 14:43
ENGSOC萌え〜
38 :
ありゃ :2001/07/31(火) 14:54
1ですが自分でアゲんのもなんだと思って。 全集は20巻もあるらしい。 ペパーバックの全集も6月くらいから 順次刊行のようだが20巻も読めん。 オーウェルがサルトルを書評してる短文があった。 どれどれ。
>>23 どちらも植民地生まれ。
どちらも奨学金で進学。
二人とも兵役志願したけど健康上の理由で不採用。
40 :
政治と英語 :2001/08/01(水) 12:29
この可笑しさは原文でないと。 I returned, and saw under the sun, that the race is not to the swift, nor the battle to the strong, nor yet riches to men of understanding, nor yet favour to men of skill; but time and chance happenth to them all.(きっと欽定訳だろう) この「現代語訳」 Objective consideration of contemporary phenomena compels the conclusion that success or failure in compititive activities exhibits no tendency to be commensurrate with innate capacity, but that a considerable element of the unpredictable must invariably be taken into account.(日本人が書きそうな文体だ)
オーウェルが言うには ユダヤ人差別はプチブル固有で労働者階級には僅少だ 階級撤廃後の社会にはユダヤ人差別は消滅していよう 等とムッシュー・サルトルは眠たい事を書いているが この手の本は出るたびにむしろ差別を助長するんだよ (4行で読むPortrait of the Anti-Semeiteの書評)
42 :
名無しさんは故郷をめざす :2001/08/24(金) 21:05
ゲー・ペー・ウーはKGB(カー・ゲー・ヴェー)の前身。 1922年に設立されたソヴィエトの国家政治保安部。 青年共産主義同盟はいわゆるコムソモールのことで、 白いシャツに赤いネッカチ、ブルーのズボンで見た目はまんまボーイスカウト。
11月に『アニマル・ファーム』('99年アメリカ映画)の ビデオが出るらしい。日本未公開。DVDは出ないのかな。