久生十蘭について語るぞゴルア!!

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1匿名希望
久しぶりに傑作選が筑摩文庫より刊行された。
個人的には夢野や小栗よりはるかにスタイリ
ッシュでカコイイと思うが。
2吾輩は名無しである:2001/05/08(火) 20:45
そういや、最近、本屋いってない・・・
収録作品を教えてくろ。
3吾輩は名無しである:2001/05/08(火) 21:00
あああー大好き!!
新青年マンセー。
個人的には「黒い手帳」の持ち主の男が格好良くて好き。
4吾輩は名無しである:2001/05/08(火) 22:03
凝りに凝った文章がたまりません!
ああ、何ていうタイトルだったかなあ。
探偵モノっぽいんだけど、主人公途中で死んじゃって
話も無理やりまとめちゃったようなやつ。
外国の王様みたいな人も出てくるんだけど、誰か教えて〜!!

5吾輩は名無しである :2001/05/08(火) 22:16
>>2
黒い手帳、ハムレット、母子像etc
ほぼ代表的な短編をすべて収めた
ベリー・ベスト・オブ・十蘭って感じの
本です。
62:2001/05/08(火) 22:53
>>5
ありがとう。
おそらく全部読んでると思うんだけど、「ベリー・ベスト」に惹かれて
買ってしまいそうだよ。
ところで、他の人たちはどの作品が好きなんだろう?
7ixion:2001/05/08(火) 23:26
最高です。久生十蘭や国枝史郎、野村胡堂や岡本綺堂は
俺の中で別格としてそびえたってます。

>4
『魔都』かな?
8吾輩は名無しである:2001/05/09(水) 14:24
>>7
ありがとう!思い出した。

以前金欠の時に本を売ってしまったのです、あーもったいない。
私のベストは「湖畔」です。月並みかな?
9吾輩は名無しである:2001/05/09(水) 14:26
8=4です。スンマソ。
10吾輩は名無しである:2001/05/09(水) 17:24
そういや、以前は三一書房から全集が出てたし、社会思想社や
中公の文庫が手に入れることができたが、これらはほとんど
絶版状態。現在唯一手に入れられる十蘭の本が、このちくまの
最新刊かモナー。
11吾輩は名無しである:2001/05/09(水) 17:37
「夢野や小栗よりはるかにスタイリ ッシュでカコイイ」と俺も思う。個人的にはこの3人の中では一番好き。
でも、長編の完成度が甘いでしょ、「魔都」とか。新青年系のいろいろな作家が書いたものを十蘭がまとめたって話だし。
「ドグラ・マグラ」「黒死館」のような長編の決定作がなかったことが、今、著作が不遇な理由だと思う。
ただ、質の高い短篇・掌篇の完成度は恐ろしいほど。俺もベストは「湖畔」に1票といこう。

教養文庫(社会思想社)の全5冊のシリーズ、今でもたまに古本屋で見つけるけど、持ってない人は手に入れておくべきですよ、あれは。
ブックオフだと、著者名の読み方が分からないらしくて、とんでもない棚に入ってたりするけど。
12吾輩は名無しである:2001/05/09(水) 18:18
このスレ嬉しいんだけど、何で「ゴルア!!」なのかがわからんぞ。(ワラ まあいいけど。>スレのタイトル
「湖畔」は俺も好きだな。死体の描写が素晴らしい。朝日文庫で出てる「顎十郎捕物帖」ってもう絶版?
(創元推理文庫の12巻の全集(個人全集に非ず)を持ってりゃ結局いらないんだが)
次は海野十三をきぼーん。>筑摩書房
13吾輩は名無しである:2001/05/09(水) 21:26
>>1
>夢野や小栗よりはるかにスタイリ ッシュでカコイイ
夢野=バルザック
久生=フローベール
というのは褒めすぎか?
14ixion:2001/05/09(水) 23:42
創元の全集って何だ!?とあせったが、探偵小説全集ね>12さん

>長編の完成度が甘いでしょ、「魔都」とか
細部の破綻とか人物描写とかの点ではたしかに甘いかもしれんけど、あの
ぐるぐるとした感覚がたまらんのよね。大体地下迷路ってなぁ何でも俺の
テイストに合うんだな^^;『魔都』大好き。

みなさん、『真説・鉄仮面』はどうですか?
15JPB:2001/05/09(水) 23:53
久生いいね。
『母の手紙』なんてのは入ってるんだろうか。
16Tango:2001/05/10(木) 01:06
第一回世界短編小説(文学?)賞で一席に入った作品、
だったっけ?<「母の手紙」
17JPB:2001/05/10(木) 01:11
>Tangoさん
あ、そうだったんですか?知らなかった。
わたしが読んだのは1945年5月に『主婦之友』に掲載されたとき
の奴を読みました。つーか、一億玉砕とか言ってるときに、微妙なこと
書いてました。

『真説・鉄仮面』は読んだことないなあ。。残念。
18Tango:2001/05/10(木) 01:19
>JPBさん
実は、タイトル、曖昧なんです。
母親と男の子の微妙な関係を描いた作品だったことは
記憶しているんですが・・・今度探してみます。
19吾輩は名無しである:2001/05/10(木) 01:24
>>12 青空文庫に結構あったよ<うんの
1さん、スレ立ててくれてありがとう、明日本屋に行くよ。
20JPB:2001/05/10(木) 01:31
>Tangoさん

それ、違うっぽい。戦中のアメリカの日本人収容所にいる母親が
自分の夫と子供(女の子)に、三つの場所から三つの手紙を送る
って話です。それぞれ架空の手紙で。
戦争が終わったらこの場所であいましょうね、なんて言ってる(^^

広いよね、久生。
21吾輩は名無しである:2001/05/10(木) 04:49
キャラコさん、姦(かしまし)を読んだ時
びっくりしました、これが男の人のかいたものなんて!!って。
22吾輩は名無しである:2001/05/11(金) 05:09
湖畔あげ
23通りすがりの就活生:2001/05/11(金) 07:20
>>18
母子像ですよ
24Tango:2001/05/12(土) 09:53
やあ、ありがとうございます>23さん
それで、やっと見つけることが出来ました(お恥ずかしい・・

いま小学館の文学全集を見ているのですが、「たとえば、ポーとリラダンと
ワイルドを足して、しかし四か五で割ったような人物」だとか「なかなか物差
しの当てにくい人」だとか、さっぱりわけの解らない解説がしてあります(笑
ん? 「わずかに郡虎彦のような先例があるが、・・」とあるけど、郡虎彦っ
て誰だ?

経歴についても触れられているので、簡単に要約。

岸田國士に付いて演劇を学ぶ。やっと戯曲を発表し始めた頃、突然渡仏。
パリで物理学校に入ってレンズ工学を学んだりするが、その間も演劇の勉強は
続ける。帰国後は新築地劇団の演劇助手となる。が、その頃から活躍の舞台を
『新青年』に移してゆく。とのことです。

ちなみに、先の文学賞はヘラルド・トリビューン誌の国際短編コンクールとい
うことでした>JPBさん
このコンクールの為に書いて(つまりは、完全に「狙って」行って!)、見事、
一席を射止めた、というようなことを何かで読んだ記憶がありますが、これで
はなかったようです・・。
25JPB:2001/05/12(土) 22:55
久生マンセーアゲ。
26吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 04:12
鈴木主水がスキ
27:2001/05/19(土) 03:05
ちくまから傑作選でたのね あげ

高い金払って 三一書房の全集かってしまったよ
解説は誰が書いてるのか?中野美代子?

彼女の「ゼノンの時計」南半球綺想曲に
タヌ子とコン吉がでてるのは知ってるかい?
28日本アメリカ化計画:2001/05/19(土) 03:50
A型は徒党を組んで国民を操ろうとする。注意せよ!
特に全国民の5%しかいないAA型は偏固で神経質。

291:2001/05/21(月) 22:42
酔っぱらって立てたスレにこんなレスがついてて感謝。
さて、改めて「魔都」を読みたくなったんで、神保町の
書店街に逝ったんだけど、今や社会思想社の教養文庫も
散逸書房の全集も絶版なのね。
27さん。筑摩文庫版の解説を書いているのは日下三蔵
という若い人(67年生まれ?)でこのシリーズ(岡本
綺堂なども含めた探偵・怪奇小説のアンソロジー)の
編・解説を一人でやってるようです。どんな人か漏れ
はしらんが。
30ixion:2001/05/21(月) 23:46
『魔都』は、朝日文芸文庫のやつがまだ手に入ります。
ちょっとゆるゆるだった時刻の部分も訂正されているので
(俺自身は訂正は不要だと思うが)どっぷりとあの十蘭
ワールドに漬かることができます>1さん

日下さんはワセミス関係だったよね、確か?桃源社もの(笑)
のみならず、正紀やら風太郎やらいろいろな作家を解説されて
ますね。

しかし、教養文庫って、橘外男やら牧逸馬やらも出してたのに、
なんで復刊せんのかなぁ。面白いといったら今の作家なんか
目じゃないのに。橘外男に関しては「天刑病」とか書いてる
からだろうか^^;
31ixion:2001/05/21(月) 23:53
『魔都』は朝日文芸で出てます>1さん

日下さんはワセミス関係の人だっけな?桃源社もの(苦笑)以外
にも正紀やら風太郎やらにも詳しい方ですね。

しかし、十蘭のみならず、橘外男やら牧逸馬やらも絶版にしている
教養文庫、金出すから復刊してくれ!!
32ixion:2001/05/22(火) 00:09
ごめん、二重^^;
331:2001/05/22(火) 17:12
30/31さん。どうもありがとう。
さっそく本屋に行って来ます。
さて、久生の洋行の話ですが、当時洋行できると言ったら
国費留学か、荷風にように家がとんでもない金持ちじゃ
なかったら不可能だったのでは。彼の洋行は演劇研究の
ためだったそうだけれども、その詳細(完全な私費留学
だったのかとか、具体的な目的とか)が知りたいです。
詳しい情報きぼんぬです。
34吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 20:08
あげちゃる

他の作家とは全然違うんだよ。京都のサバト館で短編集出したりしてたが
まだまだ埋蔵されたまま発掘されていない名作があるはず。

教養文庫に詳細な年譜が載ってる。完全な全集を出して下さい出版社の方々
35吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 23:47
ちくま頑張ってるな
36犬の林:2001/06/27(水) 17:52
物語の内容に関しては物足りなさは否めないけど、あの新青年の時代の人たちっ
て海外文学の影響を受けながらも、母体である日本語がしっかりしてるからい
い。橘外男なんかいい文章してる。これは単に生理的な問題なんだけど、海野
十三うざい。
37吾輩は名無しである:2001/06/28(木) 18:18
久生十蘭を新青年でくくるなー

他の作家とは全然違うんだよ。プロットすごいし主客のない不思議な文体といい空前絶後
38:2001/06/29(金) 00:45
>>34
京都サバト館の詳細きぼんぬ
薔薇十字社の、Collection Juranesqueも未だにお目にかかった事がない

作家、脚本家の役を演じるはずが、その前に演出家すぎた
もちろん、そこも魅力だ
39吾輩は名無しである:2001/06/30(土) 07:26
age
40吾輩は名無しである:2001/06/30(土) 08:46
面白いと聞いたんですが、どこらがオススメなんですか?
文学に詳しくない現代人が読む場合として。
41吾輩は名無しである:2001/06/30(土) 12:16
そんなもんこれからのにほんをせおわない
ギャル達がよむか
ぼけ
42吾輩は名無しである:2001/07/03(火) 11:13
age
43吾輩は名無しである:2001/07/24(火) 23:26
久生十蘭、ちくま文庫でいくつか読んだけど。
何がおもしろいか全然わからんぞい。
母子像なんてどこが傑作なんだ?
文体の魅力といわれてもな〜〜。
なんかとっつきやすいの無いかい?
44吾輩は名無しである:2001/07/25(水) 19:10
文体っつうか、彼の作品のほとんどは口述筆記なのさ。だからかどうか
知らないが、技巧的なんだけどひとつらなりの呼吸感が醸し出されてて
楽しい。のではなかろうか。

取っ付きやすさでいえば顎十郎捕物帖あたりでは?>東京創元社の文庫が
入手しやすいと思われ。
45成人:2001/07/25(水) 20:55
シャルル・ジュラン だっけ?
4643:2001/07/25(水) 21:11
>>44
顎十郎か〜、ありがと
読んでみるよ・・・。
47吾輩は名無しである:2001/07/25(水) 21:30
「魔都」「十字街」スピード感がいいと思うなー。あの文体はそのためのツールなんよ。意図してかどうか知らんが。
48吾輩は名無しである:2001/07/27(金) 00:55
題名わすれたんだけど、短編小説で、
日本人留学生の女の子が二人、
学費稼ぎに南仏かどっかのカジノに行く話があったよね?
振袖着てカジノに入場したら、客全員に拍手されてしまって、
「日本人としてせこいことはできない」といって
持ち金をすってしまった話。
軽めの小説だけど、こんなのも好きだなー。
49吾輩は名無しである:2001/07/30(月) 11:51
>>48「モンテカルロの帯」かな?
こういう 
お嬢さんたちを扱った軽めで粋な文章を読むと「贅沢だな〜」と思う
50吾輩は名無しである:2001/07/30(月) 23:31
>43
「蝶の絵」「亜墨利加討」を読んでうちのめされてみ。
51吾輩は名無しである:2001/08/09(木) 12:21
筑摩の選集は「虹の橋」より「黄泉から」を入れて欲しかった。
日本の幻想文学史上でも大事な作品だと思うので。ラストの一行泣きそうになったよ・・・。

朝日新聞社の「魔都」と「平賀源内捕物帳」は取り寄せで手に入れられた。
同社の「顎十」と三一の全集5.6.7巻は古本屋で買った。しかし遺漏も多いので
ちゃんとした全集をだしてくれないかな。
52吾輩は名無しである:2001/08/09(木) 14:57
>>48
>>49
大好き! 
53吾輩は名無しである:2001/08/10(金) 15:40
以前ミステリ板で議論されたらしいけど、「湖畔」の主人公は実は本当に精神が
向うの世界に行ってしまい、妻が生き返ったと思い込み、その幻影に導かれ高木も
殺してしまったのだ・・・という解釈はありですか?
54吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 01:22
age
55草双紙趣味:2001/08/23(木) 15:57
えー、久生十蘭の生活については韜晦してるとこ
多いんでわからんようです。江口雄輔「久生十蘭」白水社は特に
謎の多いフランス時代に焦点をあててよい本。十蘭だけで一冊の研究書
ってこれだけでは?他にあったら教えて!
あと、その江口も書いてる新青年層書「久生十蘭」は珍しいテキスト入り。
雑誌では昔ユリイカか現代思想で特集やって、まあ、関心のある著者網羅って
感じでした。
56吾輩は名無しである:2001/08/23(木) 22:20
工房のころルビ付きシリーズで『黒い手帳』、『ハムレット』を読んでめちゃくちゃびびった。
それ以来新青年系の作家ばかし読むようになってしまったなぁ。
今でもこの二作は読み返したくなるもの。

で、解説読んだら同郷の出身で更にぶっ飛んでしまった。
彼の原稿が展示されてる(らしい)博物館、帰省したら行ってみよう。
57吾輩は名無しである:01/09/13 17:56
「夜の鶯」読んだアゲ
58吾輩は名無しである
>>38
『美国縦断鉄路』だやっとわかった
編者は生田耕作だ多分