1 :
匿名希望さん :
2001/04/21(土) 00:20 「ロリータ」もいいけど、ナボコフの本領はやっぱり短編。 好きな短編教えてください。
2 :
山形 :2001/04/21(土) 01:40
「フィアルタの春」。フィアルタの春は、どんより曇っている。 あと、「ランス」。
3 :
JPB :2001/04/21(土) 16:31
え・・・短編全然わかんない。 『セバスチャンナイト』『賜物』『マーシェンカ』しか知らない。 面白い短編集、私も知りたいです。
4 :
匿名希望さん :2001/04/21(土) 21:08
ナボコフファンって案外多いのでは? 「ロリータ」があるんで本好き以外には 公言しにくいのが難点だけど。
5 :
吾輩は名無しである :2001/04/21(土) 22:28
んー、短編。。魅惑者?
6 :
ixion :2001/04/21(土) 23:35
"That in Aleppo Once" "The Wood-Sprite" ロシア語で読みたい。
7 :
吾輩は名無しである :2001/04/24(火) 21:36
短編は文庫で出てませんか? ハードカバーなら見かけたけれど厚いし高いし手が伸ばせません。
8 :
吾輩は名無しである :2001/04/24(火) 21:54
ちくまの『ナボコフの1ダース』が手に入れやすいかと。<短編集 訳の出来不出来とか作品の質はわかりませんが。 ってゆうか、これと『ロリータ』しか読んだことない。 屈んだ途端に脳溢血で死んじゃった蝶収集家のお話が印象に残っています。
9 :
吾輩は名無しである :2001/04/24(火) 21:57
蝶収集家の生涯は収集家本人にとっては幸福な生涯に違いない。 もっとも、蝶にとっては別の意見があろう。
10 :
吾輩は名無しである :2001/04/24(火) 21:59
「ナボコフの一ダース」がちくま文庫から出てたハズだけど。
11 :
吾輩は名無しである :2001/04/26(木) 14:36
>くまの『ナボコフの1ダース』が手に入れやすいかと。<短編集 > 訳の出来不出来とか作品の質はわかりませんが。 訳はとってもいいので、安心して買うように。
12 :
吾輩は名無しである :2001/04/26(木) 14:41
新潮の「ロリータ」は誤訳だらけで、研究者からは殆ど黙殺されて いるね。著作権の関係から、新訳はだせない。20世紀文学の最 高峰と言われる作家の代表作品が、貧弱の極まる訳でしか読め ないのは、不幸というしかない。
13 :
吾輩は名無しである :2001/04/26(木) 21:19
「青白い炎」を文庫化しろ。三段組みは読みづらい。
14 :
蛾 :2001/05/09(水) 01:42
>ハードカバーなら見かけたけれど厚いし高いし手が伸ばせません。 「ナボコフ短篇全集1」たったの3800円だぜ。 映画3本見れない値段。あなたパソコンいくらで買った?何年もつの? あと、長篇だけど「断頭台への招待」。最後の数行で世界を一変させる大傑作です。
15 :
仙介 :2001/05/09(水) 23:23
「ロリータ」ってテーマはいいけど新潮版めっちゃ読みづらい。 文庫で「アーダ」出てないですかね?
16 :
7 :2001/05/12(土) 00:07
>>14 3800円は高いです。パソコンは1万で買ったものを、月300円の接続料で2年ほど…(貧しい!)
しかし文庫のほうメーカーに在庫ないようなので図書館で探してみます。
個人的に文庫っていう形態が好きなので買うなら文庫なんです。貧乏だし。
それとおすすめの長編も探してみます。おすすめありがとうございます。
17 :
7 :2001/05/12(土) 00:12
文章変ですね。一行めだけ書き直すと >パソコンは二年前に買ったもので、接続料月300円コースで繋いでいます。 あと映画も見ません。高いので。
18 :
蛾 :2001/05/20(日) 02:29
>>16 「断頭台への招待」は、集英社版世界の文学8「ナボコフ」に、初期の長篇「キング、クィーンそしてジャック」とともに収録されています。
1977刊、1300円。昔はよかった?
で、ナボコフ関係で言うと「セバスチャン・ナイトの真実の生涯」は、講談社=世界文学全集101で、サリンジャーの「九つの物語」、ベローの「宙ぶらりんの男」とともに収録されて840円(1976)。今じゃ講談社文芸文庫で1200円。「ベンドシニスター」に至ってはサンリオSF文庫で520円だったのが、天下の「みすず書房」様がいくらで売っているかは書店でお確かめください(「ナボコフの一ダース」はサンリオSF文庫で380円でした)。
で、要するに「ナボコフ短篇全集1」は作品社が破格値で出してると思うわけ。晶文社「ナボコフのドン・キホーテ講義」4800円(1992)。
19 :
犬の林 :2001/06/27(水) 12:32
「目」と「絶望」、青春、オーレリアン、さっそうとした男、おとぎばなし、 などがさいこうにおもしろい。あんまり博識めいたものより、さらっと流し た作品のほうがやつの場合いい。こんどトランスペアレントシングズの訳 が国書刊行会から出るって。刊行会さまさまです。
20 :
犬の林 :2001/06/28(木) 18:18
なんで佐藤亜紀が160もあってナボコフ氏は19なのっつうんであげと きます。
21 :
吾輩は名無しである :2001/06/28(木) 18:25
まず、いいものであるのなら、宣伝してみては
22 :
吾輩は名無しである :2001/06/29(金) 00:58
>>14 >パソコン何年もつの?
この言葉に痺れました。そうだ、本代けちっちゃダメだ!
いい本に出会えたら一生ものだろうし。
23 :
吾輩は名無しである :2001/07/08(日) 18:04
ロシア美人借りてきたぜあげ サンキュー <犬の林
24 :
犬の林 :2001/07/09(月) 01:13
「ロシア美人」っすか。個人的な一押しはさっそうとした 男。DASHING FELLOWってやつ。この主人公、かなり酷薄 なんだけど、それでいてなんか爽やかなんだよな。 けっこう中期くらいまでのナボコフの核が垣間見える。 感想教えて。
25 :
米国 :2001/07/15(日) 05:27
米国で彼の評価が高いので驚いた。 米国で出版できなかったのに。。。。
26 :
仙介 :2001/07/28(土) 23:16
読書感想文を「ロリータ」で書いた高校生がここに一名。
27 :
あいうえお :2001/07/28(土) 23:23
短編全集の2巻が出ました。感想求む!
28 :
吾輩は名無しである :2001/07/28(土) 23:37
『アーダ』好きだったのに、引っ越しでどっか行っちゃったよ(泣
29 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 19:00
南ボ個フ
30 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 19:05
美的悦楽
31 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 19:46
ばたーひゃい
32 :
犬 :2001/08/17(金) 09:18
八月十七日。晴れ。今日のナボコフ、ちょっと鼻詰まり気味。
33 :
アーモンド :2001/08/17(金) 16:59
ナボコフの本領は短編、という意見に大賛成。ナボコフは小説を知りすぎていて、長編はそれがアダになっている感じ。フロイトとドストエフスキーとオーウェルの悪口は面白い。短編集では、今は無きサンリオから出ていた「ナボコフの1ダース」で決まり!
34 :
犬 :2001/08/18(土) 10:41
アーモンドさん、ごめん、疲れているせいかアダとアーダをダブらせて 一人でダジャレ大会を開いております八月十八日、午前十時。 ナボコフの悪口はすごい突き抜けてるよね。荒川洋二がナボコフを「やさしい」 なんて形容していた(裏の裏あたりをついて言っているのだろう)が、更にもう 一枚裏をめくってみると、結局ナボコフは邪悪な奴だと俺は思う。にしても、 フロイトバッシングは特にすさまじい。ソールベローを排気ガス呼ばわりするは ポールボールズを才能ゼロと独断下すは、笑えるよ。ほんと。個人的に一番受けた のは、サルトル批判だった。くわしい話はおぼえていないけど、そこをつかれたら ぐうの音も出まいという毒舌ぶりだった。まあナボコフも痛いとこつかれてるから 、引き分けかな。
35 :
アーモンド :2001/08/20(月) 10:45
犬さんレスポンスありがと。 もしご存知でしたら、教えていただきたいのですが、 ナボコフは、アメリカの作家でだれか好きな人はいたのかな。 例えば、フォークナーについては・・・。
36 :
犬 :2001/08/20(月) 18:07
アメリカの作家っすか?これは俺がかってに思ってたことで、別に そういうことが書かれてたってわけじゃないんだけど、なんだかナボコフ とカポーティって互いに密かに認め合っててもおかしくないんじゃないか なって思ってたわけっす。で、ある日、カポーティの伝記を立ち読みして たら、当時の作家についてのインタビューがあった。カポーティもナボコフ に負けず劣らず毒舌で、ドナルドバーセル身とかけちょんけちょんにけなして たけど、インタビューアーがナボコフは?って訊ねたら、ただ「彼はいい。」 とだけ言ってた。もしかしたら、逆もいえるんじゃないかなってわたくしは 思ったりしたわけで。あ、今思い出した。書簡集かなんかでフォークナーの こと言ってた。いわく、どこに才能があるのかわからない(そんな感じ。) 気わるくしないでね。アーモンドくん。俺が言ってんじゃないから。あの 毒舌大魔王だから。あの方の言うことは多少差し引いて考えたほうがいい って。 俺フォークナーはいくつか手にとってはみたものの、全部途中で挫折した 側だからえらそうなこと何もいえないけど。かつて在日アメリカ人?の教授に フォークナーってほんとに面白いんですか?ってずばり聞いてみた。そしたら その先生は「ようするに批評するのにもってこいって事だね。いい悪いは置い といて」といってた。
37 :
アーモンド :2001/08/20(月) 18:45
犬さん、ども。 たしかにカポーティはナボコフとマルケスを褒めていましたね。 それにピンチョンについての悪口は笑えます。 私個人はフォークナー好きですが、多分ナボコフは嫌いだったと思います。 だいたいナボコフは、アメリカに永く住んでいながら、 だれ一人アメリカ作家を褒めていないような気がしたので・・・。
38 :
nabokov :01/09/03 06:22 ID:9pPmjuiw
おはよう
39 :
犬 :01/09/06 10:00 ID:Bz4OFyMw
ナボコフってアゴなくない?
40 :
ixion :01/09/06 10:28 ID:J.w/JeF2
やっとナボコフの戯曲集手に入れたよ。あとHis Life in Part なんていうクセの強い伝記。 えーっと、ナボコフはフォークナー嫌いでした。『八月の光』に ついてはまたきっついこと言ってます。ちょいと引用、ナボコフ− ウィルソン書簡集からです(これですよね、犬さん?): Faulkner's belated romanticism and quite impossible biblical rumblings and "starkness"(which is nor starkness at all but skeltonized triteness), and all the rest of the bombast seem to me so offensive that I can only explain his popularity in France by the fact that all her own popular mediocre writes (Malraux included) of recent years have also had their fling at l'homme marchait,la nuit etait sombre. これについては大いに反論の余地ありだけど(特にマルローと 比べるところ^^;)、まぁその後のフォークナーが『自動車泥棒』 なんて書いちゃってるところ見ると、当たってなくもない。 そういや、シャーウッド・アンダソンもけなされてたな。そりゃ チェーホフに比べりゃあアンダソンなんて駄目だけど…。 ところがなんと、フィッツジェラルドの"The Crack-Up"は 褒めてる。"first rate healthy literature"だって。微妙。
ナボコフの作品(Lolita あたりで・・・。)で卒論を 書くつもりなんですけど、参考文献がなかなかみつかりません。 もし、日本語の(もしくは日本人による)書評などがあれば教えて下さい! その他何でも教えて下さい。MAILでもココでも!よろしくおねがいしますっ。
42 :
吾輩は名無しである :01/09/11 21:51
ロリあげ
43 :
Clearly Guilty :01/09/11 22:26
卒論の参考にしてね。 『ナボコフ万華鏡』 富士川 義之 (著) 単行本 (2001/06/01) 芳賀書店 価格(税別): ¥2,400 芳賀書店って、もしかして? 『乱視読者の冒険―奇妙キテレツ現代文学ランドク講座』 若島 正 (著) 絶版です。若島先生によると大津栄一郎はナボコフが読 めない人みたいです。 『ディフェンス』 ウラジーミル ナボコフ (著), その他 単行本 (1999/11/01) 河出書房新社 価格(税別): ¥2,200 映画『愛のエチュード』の原作です。
41さん、ナボコフで卒論書くんだったらロリータは やめたほうがいいかも。すでに無数に出てるし、引用 とかも無数にあって大変っすよ、たぶん。 逆にロリータ以外の作品(マーシェンカ)とか からせメタ方がいいのでは?マーシェンカは デビュー作だけど、あれにはかなりナボコフ文学の核が つまってるし。
45 :
hinana :01/09/12 02:32
43.44さん、ほんとにどうもありがとうございますっ。 さっそく調べてみようと思っています。 私は本を読むのは好きなんですけど、文章がへたっぴっぽくって、 できれば書きやすいのがいいなっておもってたんですけど・・・。 でも、ナボコフが大好きで・・・あーどーすればいいんだろぉ?? 参考にしようと思って、インターネットとかで調べても、出てこないんですよぅ。 「無数に出てるし…」って、44さん! もしそういうのが読める場所があったら教えてくださいぜひ!! では、またあそびにきます! 本当にどうもありがとう。 o(ε ̄o))))
最近、犬のレス丁寧だよなー
犬=犬の林は佐藤亜紀スレで狼藉中。
48 :
吾輩は名無しである :01/09/18 20:59
「記憶よ語れ」が 出ていないのは何故? 自伝だから? あんな美しい本 読んだことないよ。
49 :
我輩は名無しである :01/10/15 17:15
消えかけてたよ、犬。感謝しろ
50 :
吾輩は名無しである :01/10/16 03:05
べンドシニスターだっけ?みすずから出てるやつ。 帯みてもどんな話か分からないので買うの躊躇してます。 あれは面白い?
ベンドシニスターはディフエンスと並ぶ駄作じゃないかな。 買わないほうがいいよ、たぶん。
↑僕は、「ベンドシニスター」がナボコフの長編小説では唯一愛せた のですが・・・。冒頭の妻を亡くしたシーン(水たまりの描写から始 まるあのシーンは異化作用のお手本のよう)やファシズムの描写など、 ナボコフ的でありながらストーリー性も有り、楽しませてくれました。 それに引換え、「賜物」は、僕には退屈でした。 犬さん、僕の小説の読みは、浅いのでしょうか?
ぼんち揚げ殿、愛したんですか? それはそれでぜんぜん悪くないと思います。ひとえにナボコフ好き とはいっても何が好きかは人それぞれですから。一流作家にも当然 駄作はあるけど、その駄作を楽しめる観点を持てるって凄いことじゃ ないでしょか。僕は「ベンド」に対してはそういう風にできませんでした けど。ナボコフがっていうより訳文がひどすぎじゃなかったですか? あと、僕も「賜物」は嫌いです(ろくに読んでませんけど。) 賜物だけじゃなく、どんな作家でももろ自伝調だったりするとそれだけ で辟易するタチなんで。
犬さん からむわけでは、ぜんぜんないのですが、「ベンド」が駄作である、 とする根拠を聞かせてください。 僕自身はナボコフは短編作家である、と勝手に決めつけているのですが、 それでも「マーシェンカ」なんかは好きです。(「アーダ」は読了挫折) 犬さんは、ナボコフの何が傑作だと考えますか? 「ベンド」は失敗作と言うのなら、まだわかるのですが、駄作とは・・・。
前に書いたから言うのやめたんだけど、再度いいます。 個人的には中篇の「目」がダントツです。 ベンドとディフエンスは読む気にすらなれず、断片的 な印象があるだけ。国や時代が違ってれば楽しめる要素 もあるのかもしれないけど、こうやって現代の日本に暮 らしているわたくしこと犬には時代背景からして全然 入りこめなかった。それに翻訳の文章。頭に全然入って来ない。 以上の主観的極まりない根拠で駄作っていうか、面白みのない作品 と決定しました。 ぼんち揚げさん、マーシェンカのどのへんがすきなの? ラスト(マーシェンカに会いに行く場面以降)ってどう? マーシェンカについて誰かと喋るなんてかつて一度もなかったから、 そういう話してみたいと。
なんか賛否両論あって面白そうですね。 とりあえず買ってみます。 ありがとう、ぼんち揚げさん、犬さん。
57 :
吾輩は名無しである :01/10/26 02:36
この前、台湾の留学生が、 「ロリータなんて言葉、聞いたこともないですよ」 と言っていました。
犬さん、「マーシェンカ」いいですね。 ただ、僕は、だいぶ以前に小説を読み、その後映画見てしまったので、 印象がごっちゃになっています。映画は、原作をほぼ忠実に再現しな がら成功した例だと思います。ロシアの回想シーンは、ロシア文学フ ァンなら垂涎もの。 また、犬さんが言っているラストシーンは、正直泣きました。駅のホ ームにある、小さなバーでコニャックを注文 して主人公がマーシャ を持っている。そのコニャックを見つめながら、主人公はあることに、 思い当たる。そして、彼はコニャックを残して・・・・。酒に酔う必 要はもうないのだと言わんばかりに。 (犬さん、原作また確かめとくね)
例えばです。ぼんちあげさん。 川の浅瀬にダイヤのように鮮やかな光りを放つ物を見つけたと します。もしかしたら本物のダイヤかもしれない。少しわくわく しつつぼんちあげさんはそれを救いあげてみます。 けれど、拾ってみればそれはただの石ころに過ぎませんでした。 ただ陽光の当たり具合でたまたまダイヤのように輝いていただけ なのです。 ぼんちあげさんにとってこの体験に何らかの価値はありますか? それともないですか? (これは一見ふざけた心理テストみたいだけど、犬的にはわりと マジです。ここからナボコフ話を拡げて行きたいとおもっとる わけです。)
どっかで頭打ったとしか思えんな。俺よ。
それは、現実的にはただの石ころやんけ、と言わないところが ナボコフワールドでしょう。ダイヤのような輝きこそ、 ナボコフにとって、現実なんだから。 「マーシェンカ」のラストも明らかにそれをメッセージしていると。 そして、僕にとっても、その体験の方がリアルであったりする。 じゃ、現実というのは、そういうキラキラの素材に過ぎんのか・・・。 正直、ここが答えのでないとこなんですね。実に。
さっすがじゃん! サルトルならただの石ころやんけってなるんだろうな。 話が脱線するけど、二人が仲悪かったっていうのはもろ頷ける。 上の話は何だったか忘れたけど短編の中に書いてあったものです。 思うに、これはナボコフの核じゃないでしょうか。全作品(読んでない のも三つほどあるけど)にこういうところが見え隠れしてる。 内的現実、内的真実を何よりも尊重するっていうか。(まあ、しょぼい 定義づけはしないほうがいいかもしんないけど。) マーシェンカのラストもそう。初恋の女に会う寸前で心変わりして一人 列車に飛び乗る場面とか。ナボコフ的には現実に彼女に会うよりも、 彼女との過去を回想してる時間のほうがよりリアルだってことを悟っ たわけでしょ。この心理ってテレビドラマの恋愛が現実の恋愛だと100 パー信じこんじゃってる人には絶対理解できないよな。 一番最後にパスポートも何も持たずに国境を越えてやろうって無謀極ま りない企みを抱くところが個人的にはたまんないね。直前の心変わりに しても、その企みにしても、明らかに常軌を逸した行動なんだけどそれ でいてどこか颯爽としてるっていうか、スカッとする。 ぼんちあげさんは「目」は読んだ? 「目」の主題は俺が思うに もろ「内的リアリティー対現実世界」かも。他のどの作品でも 必ずこの要素は入ってくるけど、最も真っ向から取り組んでるのが 「目」じゃないかな。
犬さん、あなたが言っていることは、僕にはよくわかるよ。 「目」も含めて、ナボコフを読み返してみるね。 犬さん、個人的な質問があるんですが、いいですか。 あなたほど僕は読書家ではないですが、 それでもけっこう本は読んでるつもりです。 だけど、ある時期から、読書は自分を太らせるよりも、 拡散させてゆくような気がするときがあります。 犬さん、個人的な質問で失礼ですが、 あなたの読書のモティベーションはなんですか。
僕は読書量多くないですよ。読書歴にすれば五年くらいだし。二十歳 頃までは春樹くらいしかまともに読んだことなかったです。 >読書は自分を太らせるよりも、 拡散させてゆくような気がするときがあります。 もうちょい具体的に言うとどんな感じなんですか? それはもしかして文学史に残るような作家連にやた らと手を伸ばしてる時なんかに陥る感覚じゃないですか。 自分的には拡散していくような気がする時ってそう いうときです。あんま気持ちいいもんではないですよね。 だから僕は単純に割り切って、本能に合わない小説はほとんど 読みません。文壇で取り上げられてるから読むってことも百パー ないですね。少しはそういうのも読むべきだと思うんですが。 これはあくまで自分に関しての話なんですが、 大して興の乗らない小説をいやいや読むより同じ本を果てしなく 再読するほうが結果的に得るとこ多いような気がするんですよ。 そうやって本読んでるんで、拡散するような気分には僕はあまり なりません。逆にものの見方が極度に主観的になってしまうことの ほうがおおいです。(太りすぎになるんですかね。) モチベーションはめちゃめちゃ淡々としてますよ。 ぼんちさんはどうなんですか。あと、ナボコフ以外だとどんな作家 を読むんですか? 基本的には海外作家好きと見ましたけど。
ごめん、犬って厨房じゃなかったんだな。
犬さんへ なるほど、好きな作家に垂直に入ってゆくから、拡散しないわけだ。 自分の嗅覚で読むから核に収斂されてゆくんですね。なるほど。 僕の好きな作家は、ナボコフ以外は、カルビィーノ、マルケス、 そしてクンデラ。 日本の作家では、井伏鱒二が好きです。
カルヴィーノは読書なれしてないころ木登り男爵をはじめいくつか読んで、 寓話的ってのはわかるけどなんだか退屈な作家だなぁ、と思ってました。 でも、こないだむづかしい愛を読んでみて印象が一変しました。 ガルシア・マルケスはいいっすね。特にエレンディラ以前の短編がいいです。 「青い犬の目」だとか初期の完成度が低いとされているものもそれなりに好き ですし。大学の時あるアメリカ人の英文学の教授がいて、その人がなぜ作家は いつも長編で評価を決定されるのか、とよく言っていましたが、俺もそれは 同意見です。マルケスにしてもナボコフにしても、ロリータやら百年の孤独 やらだけじゃなくてもっと注目されていいはずの短編がいくらでもあるんです がね。 井伏に関してはすいません、まったくしりません。あとはまぁ、 カミュの残虐バージョンって感じがしないでもないポールボウルズなんかも好き です。ガルシアマルケスやナボコフと対照的に文は簡潔なんだけど、 逆にそれが想像力を刺激するっていうか。 基本的には包括的な問題より個と向き合った作家が好きですね。 教訓的な意味ではなく、この自分の生をどう充実させようとするかっていう。 何だかんだいってこれほど切実な問題もないと思うんで。
68 :
吾輩は名無しである :01/10/31 03:35
はっきりいって、授業で原書読まされて、 鬱だ詩嚢です
犬さん、カルビィーノの「むずかしい愛」はいいよね。 ナボコフもマルケスもたしかに短編がいい。 「百年の孤独」にしろ短編を立体的に構築したような趣がある。 ところで、犬さんの読書遍歴で驚かされるのは、 その嗅覚のよさです。どうやって、本を選んでいるの。 カルビィーノもナボコフもメジャーといえば、 メジャーなんだけども、ナボコフなんか本が、 なかなか手に入らんと思うけど。 たまたまですか、それとも友達がいるのですか。 僕の場合は、友人の影響が大きかった。 彼はもういないけど・・・。
さりげない犬さんとぼんち揚げさんの会話・・・ ちょっと自分が気付いてなかったことに気付かされて嬉しいです。 スレと関係ないのでsageます。
71 :
吾輩は名無しである :01/10/31 23:40
そんだね、とても俺なんか入り込めないけど。 『ロシア美人』は死ぬ程好き!! 犬さんほど深くはないが、 私ももう「本能」でしか本を読まなくなった。 30歳を過ぎてからだが…
本能で本を読むって不思議な感じだな。 言語化された無意識とか言うとつまんなくなるな。
なんかちょっとふえてるなぁ。 ぼんちさん、お世辞とはいえくすぐったいっすね。犬ですから。 臭いをかぎ分けているんだと思います。 いや、それは本当かどうか知りませんが、時々こういう体験って ないですか? なんか面白いのないのかなあって大学の図書館とかで本を 物色している最中ふと視線を感じてそちらを見ると本の背 表紙がこちらを見てた、と。ズラーッと並んでる本の中で その一冊が視界に飛び込んでくるっていうか。 しゃれでも何でもなくナボコフの「目・四重奏」はそうやって 僕の目の中に飛び込んできました。他にも「コルタサルの遊戯の 続き」とか、マコ-マック、 あとこれは恐らく知ってる人いない んじゃないかと思うけど、ウィリアム・コツウィンクルという 作家の「ファタ・モルガーナ」とか(ややエンタメ路線なんです が、登場人物がトランプのカードみたいな感じで好きです。) そういう体験ってあります??あれは何なんですかね。 だれか国書刊行会から出たサーデグ・へダーヤトっていう暗い 作家の短編集読んだ人います? 「幕屋の人形」って短編が あるんですが、自分的には百二十点あげたくなるなるような 作品なんですが。
ナボコフ・ウィルソン書簡を読んでいましたが、やっぱ 『ベンド・シニスター』についてはウィルソンも批判的ですね。 1.政治・社会変化を扱った小説はナボコフには不得手である 2.権力者の描き方が不完全である 3.ダラダラとした部分が見られる しかし、ナボコフはウィルソンの「政治」に関する読みには 同意できないらしいです。回りくどく「マルローなんて褒める ような君じゃあ…」みたいなこと手紙に書いてますね^^; どーでもいい話なんだけど、ナボコフの手紙のサインって V. なんだよね…。
待て、コツウィンくる、って、あのE.T.のノベライズの コツウィンクルか!? この板で知ってる人に初めて出会ったよ…びっくり
>、あのE.T.のノベライズの コツウィンクルか!? あとがきにそんなこと書いてあったけど、知ってんの!? 俺もビックリだ。サンリオ文庫で二つくらい出てたらしいね。 探してもなかったけど。
>74 ixion さん、ありがと。長年の、胸のつかえが、取れた気分です。 ウィルソンの3つの批判は、僕もそう思っていました。 自分で嫌っているはずのオーウェルばりの部分があるし、 権力者であるトウド(だっけ)も中途半端に幻想的だし、 肝心なところで、シェイクスピアについて長話されては、つらい。 だから「ベンド・シニスター」は失敗作である、といわれても 僕は反論できない。だけど、犬さんに抗議するわけではないけど、 駄作とは言えない、と思う。 まあ、失敗作か駄作かなんて言葉の問題だし、 惚れた女の足が太いと言われても、好きなもんはしょうがない、 なんだけど・・・。 じゃ、「ベンド・シニスター」のどこが好きか。 冒頭の奥さんが亡くなるシーン。これは明らかに、 ロシアが滅びたことを言っていますよね。 その悪夢のような悲しみが、主調低音となって、最後まで鳴っている。 そして最後には、最愛の息子まで失ってしまう。 非常に残酷なストーリーなんだけど、 その残酷なものの影に、悲しみと優しさが、滲み出ている。 短編ではおなじみのこのモチーフが唯一表れている長編小説が、 「ベンド・シニスター」であると思うのです。
いや、俺がガキの頃に劇場で最初に見た映画が『E.T.』で、 そのノベライズもなぜか買って大事に持っていたもんで<コツウィンクル グリーン・プラネット、なんつーわけわからん副題がついていたが^^; それ以外は全く知らないんだけど、そっか、サンリオでも出ていたのね。 『ベンド・シニスター』は、『ハムレット』の、「生きるべきか死ぬべきか」 は間違っている、という(論がある)ことにびっくりした。
79 :
吾輩は名無しである :01/11/02 00:22
『セバスチャンナイトの真実の生涯』って 最後は何なんですか、よく意味がわからなくて。
80 :
吾輩は名無しである :01/11/02 00:55
なんというスレだここは!!! 永遠にあげるぞ!
>ガキの頃に劇場で最初に見た映画が『E.T.』 わたくしもです。スピルバーグって子供的には最高でした。 でも、ファタ・モルガーナ書いた人がETの小説化ってのは ??って感じで結び付きにくいです。金欲しかったんですかね 、単純に。 ぼんちさんの解説読んでるとベンドもう一度読み返したく なってきました。それにしてもナボコフの主人公って大概 現実世界と緊迫した関係にありますよね。最後はどうなる んですか? そういう惨憺たる現実にもかかわらず主人公 的には内部世界の勝利(客観的にはどう見ても敗北にしか 映らないけど)だと宣言できるような何かを掴むん ですか? ナボコフの小説って救いがあるとすればそういう とこだと思うんですが、ベンドシニスターはどうなんでしょう。 >79 最後主人公がセバになるとこですよね。 あれむずかしいっすね。筋思い出すのがやっとでわかりません。 一つ疑問があるんですが、あの主人公の追跡は主観的体験として はもっともな方法だと思うんですが、あれって伝記として成立しうる んでしょうか。もし主人公が書いた伝記と伝記作家(作中の)の書いた もののどちらかを選べといわれたら俺は伝記作家のほうを選びそうな 気がしないでもない今日この頃です。
>81 「ベンド」に関しては、想像力=内的世界は、悪夢なんだよ。 だから最後に作者は、あえて、その内的世界を閉じて、 貧しい現実を選ぶんだ。 しかし、これは逆説的に、内的創造世界の優位性を示してる、 と僕は思うのですけど・・・。 このスレ、ほんとに気分いいですね。 「ロシア美人」が凄い好きだという人がいたり、 「セバスチャン」読んでいたり。そしてムードもいい。 ところで、僕は「いつかアレッポで・・・」が目茶苦茶好きです。 何度読み返したかしれない。
83 :
我輩は名無しである :01/11/05 14:06
犬、ぼんち揚げ、来てよ。
ナボコフのロリータまわりくどすぎて読めません。 何かお勧め教えてください。
ぼんちさん元気ですか?ディフェンスはじめて真面目に読んでる のですが、かなりいい作品です。残り三十ページほどありますが。 前に根拠も無く駄作とか抜かして ましたけど、取り消します。ベンドも今は保留状態にあります。 ナボコフ万華鏡ちょっと読み直してみて思ったのですが、 「断頭台への招待」むちゃむちゃ読み直したいです。ただ大学の図書館 以外でこの本見たことないんだよな。
やあやあ犬さん、元気だよ。また会えて嬉しいね。 僕も、「アーダ」に再挑戦しようと思っていたところなんだ。 「断頭台への招待」は不思議な作品だね。 ナボコフ自身は自分の最高傑作と言っていたらしいが、 あんがい自信が無かったのかもしれない。 これ書いたときには、カフカは読んでなかった、と ほんとうとは思えないこと言っているし・・・。 ラストは、カミュの「異邦人」を連想させるし・・・。 でも、「断頭台」は想像力と自由をテーマにした小説として、 またディストピア小説として、「ベント」と並ぶ 大切な小説だと思う。 論文書く人、これ面白いテーマだと思うんだけど。
87 :
吾輩は名無しである :01/11/20 00:34
>犬 ディフェンスが駄作なわけ無いだろ。 さんざケナしといて根拠なかったはないよ。
88 :
吾輩は名無しである :01/11/20 00:45
俺チェスのルールとか知らないんだけれど ディフェンスってそれでも楽しめる? チェス覚えようかなあ。
89 :
吾輩は名無しである :01/11/20 01:22
チェスの知識はあるに越したことはないんでしょうが、まっ たく問題なく読めます。取っつきやすいし、ちょっとメタフ ィクショナルだし、おすすめです。
>87 ほんとだよな、俺というやつは。 >88 チェスを将棋として考えて読んでもいいんじゃないでしょう か。俺はチェスも将棋もあまり知らないため、オセロだと考えて 読みました。なんとも間の抜けた話ですが。 こないだナボコフの自伝面白そうなとこだけピックアップして よんでたけど、ナボコフってほんと面白いっていうか、変わった 人なんすね。よくボルヘスとの類似性をあげられるけど、ボルヘス が少々頭の固い知識人であるのに対し、ナボコフは根っからユニーク というか、変わり者というか。喧嘩もけっこう強かったらしい。 子供の頃からボクシング習ってて、巧妙な右ストレートを相手の鼻に 叩き込んだりしてたんだって。 ぼんちさん、ナボコフの短編やら中篇やら、とにかくあまり スポットあたってない作品について話しませんか? まわりで ナボコフ知ってる人もいないので、ほかの人がどう考えている のか知りたいんすよ。 とりあえず語ってみたいのは、俺としては「さっそうとした男」 「おとぎ話」、ロシア美人、目。「雲、湖、城」、博物館を 訪ねてとかその辺から入ってみたいと思うんですが。 この中でOkなものあります?
犬さんへ うん、それは面白そうだ。 今すぐ思いだせるのは、 「ロシア美人」「雲、湖、城」「博物館を訪ねて」の3つぐらいかな。 でも、テキストはあるからどれからでもいいですよ。 僕にとって、再読と新発見につながるので、刺激があって楽しみです。 いつか、ゲームとして、それぞれのベスト5を決めたりして遊びましょう。 もちろん、他の人も参加してください。
92 :
移転させてもらいました。 :01/11/22 16:24
1 :吾輩は名無しである :01/11/22 14:42 あの、ナボコフのロリータの新訳版というか 違う人が訳したヤツは出る予定は無いんでしょうか? 例えば村上春樹が書いても良いと思うんですけど。 もっと現代的な訳になってるロリータが見たいです。
93 :
吾輩は名無しである :01/11/22 20:14
ロリータの本持ってるけど、なんか読み辛い! 文章がゴチャゴチャして気に食わん!もっとスッキリした 字体の本は無いのか!
94 :
吾輩は名無しである :01/11/22 20:53
なんか東京スカパラダイスオーケストラの「めくれたオレンジ」の曲想と「ロリータ」ってカブらない?
95 :
吾輩は名無しである :01/11/22 20:58
>>93 字体もそうだが文章ももっとシンプルで
スッキリしたのは無いのか?ロリータ。
96 :
ああ!マーシェンカ :01/11/23 04:27
「マーシェンカ」を読みました。 物凄くよかったというわけではなかったが、でも読んでよかった。 自分の場合は、どちらかというと 「キラキラした思い出」(ロマン)に比重のあるものより 「すれっからし」(リアル)なところがたくさんでている 作品のほうが性が合う、かな。 「決闘」とか「さっそうとした男」とか。 でも、本を手にいれるまでのドキドキ感、 こういうの何年ぶりかなあ。 本を探している間「マーシェンカ!マーシェンカ!」とまるで 恋する人を呼ぶように心の中で反芻していたよ。家族持ちなのに。 そういう気持ちをあたえてくれたこのスレに感謝!! ありがとう、犬さん、ぼんち揚さん。
97 :
吾輩は名無しである :01/11/23 15:19
>>93 >>95 それでは違う人の本になってしまう。C'est un style de Nabokov!
98 :
吾輩は名無しである :01/11/23 15:24
↑「ル」じゃなくて「アン」なんですかぁ?
99 :
吾輩は名無しである :01/11/23 15:26
俺が希望するのはゴタゴタしていない、すっきりした日本語!
100 :
吾輩は名無しである :01/11/23 15:27
アンです。だってまだナボコフの本ぜんぶ読んでないから(苦しい?)。
101 :
吾輩は名無しである :01/11/23 15:29
よくわかんないけど苦しそうだ。
102 :
吾輩は名無しである :01/11/23 15:30
いや間違いなく C'est 《le》 style de Nabokov! だろう
C'est un "des" styles de ... というつもりなのかもよ。
>>104 いや、文脈から考えてそれはあり得ないだろ
>>105 いや、そーなんだけどさ、
まだ全部よんでないから(ほかにもあるかも)
ってところを深読みしてみたの。
107 :
吾輩は名無しである :01/11/27 01:20
c'est termine...
108 :
ぼんち揚げ :01/11/27 14:17
犬さん、音沙汰無いけど、元気ですか。 とりあえず、ほんじゃ僕からスタートするね。 ぼんち揚げの感想1 「おとぎ話」について 僕は、今回、これはじめて読んだんだけど。 やはり非常に面白かった。 最初から、男の夢が破られるのはわかっているんだけど、 でもぐいぐい読まされてしまう。 この物語は、男の甘美な夢とその幻滅をテーマにしているようで、 悪夢の予感がずーとする。 何より、夢をかなえる悪魔は、 どうやらヒトラーかスターリンのお袋らしいのだ・・・。 夢が実際かなうと一体どんなことになったものやら。 全体に皮肉が利いているし、最後の一行は、 さすがチェーホフの末裔と感じさせられた。 ところで「おとぎ話」には、教訓があったほうが楽しいだろう。 では、この小説の教訓はなにか? 「欲張りすぎるな」ではもちろんない。 「知らない女とは口をきくな」だと僕は思う。
交換日記はさげで頼みますよ。
110 :
吾輩は名無しである :01/11/27 15:52
>109 お前こそ、ゴミ。なんのために、のこのこでてくる。
>どうやらヒトラーかスターリンのお袋らしいのだ・・・。 なっるほど、鋭い! 考えてもみなかったけど確かにそうですね。それにし ても、ヒトラー自身ではなく、その母親であったってところにナボコフらし さを感 じるなぁ。 ひとつ思うのは彼の夢は果たして本当に破られたのだろうか?という ことです。もしも悪魔のお膳立て通りにハーレムが実現したなら・・・。 僕は逆に、「夢が破れる」とはハーレムが現実化しなかったことではなく、 現実化してしまうことを意味すると思います。とてつもない美女十三人を今 まさにモノにしようとする瞬間、つまり願望と現実が重なり合うかどうかという 瞬間の期待、悦楽。これは現実の14Pがもたらし うる底の知れた快楽を遥かに凌駕しています。何人美女がいようと、実際に はせいぜい一、二回の射精してしまえばそれで限界だし。人間の器官とはな んとしょぼいんだ!と、ナボコフならきっとハーレムの先にこの手の幻滅を 用意していると思います。まーしぇんか、さっそうとした男とかでもこういう かんじの状況ありますよね。 ところが、この物語は得意の寸止めで終わっている。あと一歩で、という 状態にとどまることによってアーウィンの夢は保護?されたというのかな。 そんな気がします。 ぼんちさん、前から聞こうとおもってたんですが、マーシェンカの映画って ビデオ化されてるんですか?
112 :
吾輩は名無しである :01/11/27 21:12
ホモスレですか?
113 :
ぼんち揚げ :01/11/28 13:15
>109=112 まったく下らん奴だな。もっと生産的な発言できんのか。 ナボコフ知らん人から見れば、まあ、多少鼻につくかも知れんが、 ここはナボコフのスレだぜ。お前、迷い込んだのか。 僕と犬さんの話を楽しんでくれる人もいるだろう。たぶん。 まあ、いなくてもいいのだけれど・・・。 というわけで、 ぼんち揚げの感想その2「さっそうとした男」 ナボコフはつくづく皮肉屋さんだと思う。 このタイトルも、アイロニーだな。 このアイロニーはどこから来るのか。 それは事物の両面を見るクールな目だと思う。 「さっそうとした男」は「やりたいだけの男」なんだけど、 性的昂揚=生命力を感じさせる。 そして、突然届いた女のおやじの危篤の知らせ。 ここで文字通り、生と死のコントラストが現れる。 ナボコフの短編には、このようなコインの 裏・表といえるようなダブルミーニングなテーマが多い。 この視点で書かれたナボコフの小説には、 鋭い皮肉が利いているものがあると思う。 (ちなみにナボコフには 「突然届いた不吉な知らせシリーズ」といえる短編が幾つかある)
114 :
ぼんち揚げ :01/11/28 13:21
犬さん、「マーシェンカ」はビデオになっているよ。 普通、文芸作品の映画化ほど詰まらんものはないんだけど、 この映画は素晴らしい。 監督が、かなり作品を理解していると思われます。 原作に忠実でありながら、意図を伝えるために 原作以上のイメージを出している部分もあります。 はっきり言って、 アメリカ人には、創れない映画だと思います。 (「マーシェンカ」はイギリス映画です)
ちょっと今時間がないので手短に話しますが、(くわしくは 次回ってことで)おとぎばなしにしても、このさっそうとした 男にしても、ナボコフが終生蝶に魅了され通しだったという事実 抜きには語れない作品だとおもいます。蝶って野原を飛んでいる 時って綺麗ですよね。でも、捕まえてしまうと不気味というかおぞましい というかそんなもんになってしまいます。変な粉がついてたり。 きっとナボコフはちょうそのものよりも、が飛んでいる時にかもし出す、自然と 一体となっているときのえもいわれぬ美しさを追い求めていたんじゃないでしょ うか。けれど、それは蝶をつかまえることで手に入るものではない。蝶を捕ま えても美しさの残滓しか手に入らない。じゃあいつその美しさを手にできるのか というと、 それを手にする瞬間、願望と現実が一体になるほんのわずかな一瞬だけです 。 で、ナボコフの最たる個性はここにあるとぼくは感じるのですが、彼はその 一瞬を体験し、味わったならば、信じられないほどあっさりと手にしたものを 手放してしまうのです。マーシェんカで女と再開する直前のシーンでも、 さっそうとした男で女とエッチしたあとでもそうですよね。 どちらももう用はないからとして女から離れ、また新たな内的充足を求めて 旅立っていきます。 まだ続けたいのですが、時間が…ので、また次に話しましょう。
>>113 >ナボコフ知らん人から見れば、まあ、多少鼻につくかも知れんが、
鼻につくからさげてくれと頼んでるというに。
自慰を人に見せるなよ。
117 :
吾輩は名無しである :01/11/28 19:36
>116 お前、何読んでも、自慰に見えるのか。 可哀相に。早く、医者いけ。
>116 まあ自慰なら自慰でいいや。116、お前ここ来るんなら 少しはナボコフについてしゃべれよ。道理じゃねえの? てめえの話のレベルで自分らの会話が自慰かどうかは 判断するからよ。一回聞かせてくれ、まじで。 逃げんなよ。
>118 そんな喧嘩腰で3P求められても、ちょいと困るな。 お仲間に入れてくれるんなら、お手やわらかに頼むよ(w
3Pっつーか18P、いや、52Pくらいでどう?
121 :
吾輩は名無しである :01/11/29 00:44
116ではないですが。 ナボコフを読むために欠かせない素質の筆頭は、羞恥心の所持 だと思います。なので、露出にはそこはかとなくはんたい。 少なくとも、彼が固執し続けた、帝政末期ロシア知識人が 身に付けていてしかるべき教養というものについて、そんなの わかりません、黄色人種でごめんなさいと、泣き怒りしながら プーシキンやシェークスピアを読むくらいのことをしてからでも、 遅くはないのじゃないでしょうか。つまりage進行は。
自分であげてしまった。。。
まあ、落ち着いて。 マターリといきましょう。
『翼の一撃』最高!
>帝政末期ロシア知識人が 身に付けていてしかるべき教養というものについて、そんなの わかりません、黄色人種でごめんなさいと、泣き怒りしながら プーシキンやシェークスピアを読むくらいのことをしてからでも、 遅くはないのじゃないでしょうか。 ずいぶんと堅苦しいのですね。プーシキンやシェイクスピアを読まず してナボコフを読むな語るなと。そう言いたいわけですよね。君が そうおもうのなら君自身がやってればいいわけで、それをわざわざごり おしされるのは正直不快ではあります。 帝政末期ロシア知識人が身に付けていてしかるべき教養ですか。そんな もんは院で研究してる人たちが好き勝手に勉強すればいいことではないでしょうか。 言うまでもないけど、ナボコフの作品には時代や空間を超越した普遍性を獲得し ています。だからこそ魅せられもするわけで、文化背景だのなんだのを勉強した上でしか理解できない程度の作家だ ったらはじめから目もくれてないでしょうね。 つばさの一撃たしかに超いい。
ここ読んでたら猛烈にナボコフの短編読みたくなってきた。 ナボコフ全短編集買うか。 「ナボコフの1ダース」が大好きだったら買っちゃっても大丈夫でスカね?
>>犬さん
>プーシキンやシェイクスピアを読まずしてナボコフを読むな語るなと。
そこまで教条的でもないです。どうしたって限界はあるわけで、
読むのも書くのも、何なら理解することさえ、個人の自由みたいです。
そのように、なんだか非ナボコフ的状況でありますので、せめて
品と質にはご留意を、とそれだけのこと。
>>126 私も「ナボコフの1ダース」から入りました。作品社、危なそうな
気もするし、早めに買っておいたほうがいいかも。
128 :
ぼんち揚げ :01/11/29 11:17
>121 おう、この気色悪いマゾっぽい文章は、 教養のない俺をからかうためのユーモアだよな、もちろん。 露出するな、といいながら自分ものうのうと出てくるところや、 おくめもなく人に説教垂れるのも、もちろんユーモアだよな。 もし、万一、これを本気で書いたとしたなら、 あなたは小説のことは、何一つわかっていない。 (帝政末期のロシア知識人については、俺も小説でしか知らんけど) ここはナボコフを語るスレだから、当然ナボコフについて語る。 その酒池肉林の饗宴に参加したい人は、どんどん参加すればいい。 ただし、ナボコフについて語ろうぜ。 お上品に教養をつみたい人、なに見ても自慰に見える人は、 おとなしく本読んでるか、医者行くかしろ。
>128 >教養のない俺をからかうためのユーモアだよな、もちろん。 >おくめもなく人に説教垂れるのも、もちろんユーモアだよな。 あなたがユーモアだと感じるのなら、きっとそれはユーモアなのです。 つまるところは感性の問題だと思いますから。 それと同じ意味で、ここに書かれていることをまるで自慰のようだとか、 そこまで言わずとも、ある種の気恥ずかしさ感じる人がいるとすれば、 それはまた、その人たちにとっては真実なのです。 で、わたしがここで感じたのは「酒池肉林の饗宴」という言葉に 対する違和感。場違い、というほど直裁的なものではありませんが、 たとえばプルーストが大藪小説に耽っているような、あるいはその逆。 強引にナボコフにからめていえば、かれが嫌悪し、 短編「ランス」において徹底的に排斥したような、紋切り型的表現。 紋切り型そのものは嫌いじゃありませんが、 そういったものを用いてナボコフを語ることには、 どうしても違和感がつきまとうのです。 妙な遠慮みたいなもの、121で触れている羞恥心と同義的なものが、 ことナボコフに関しては機能しているのが、何となく面白いです。
からむのではありません。が、突っ込みたいところがけっこう ありまして。 犬はきみの言う羞恥心、恥の感覚とやらを聞いてもしかしたら あのことかな、と、ものすごく漠然とですがほんの一寸感じた ような感じてないような、そんなあいまいなところです。ぶっちゃけ よくわかってないということですが。 その羞恥心というのが具体的にどういったものであるのか 説明するべきなんじゃないっすかね。 ナボコフに関して「羞恥心」という言葉に拘る人がそう 何人も同時期に現れるはずはありません。そろそろ「121じゃないが」 「じゃないが」はやめたらどうですか?煽りも羞恥心がらみの話 も全部129と同じ人がやってんでしょ。 でも、荒らしたりなんなりしといて「じゃないが」っていうのは君式 羞恥心なのかもしれませんね。なんじゃそりゃってかんじですが。 >そこまで教条的でもないです。どうしたって限界はあるわけで、 読むのも書くのも、何なら理解することさえ、個人の自由みたいです。 個人の自由ってんならはじめから硬いこと言わなくてよかったのでは? >非ナボコフ的状況 これはこのスレッドにおける羞恥心の欠如を言ってるわけですか? とにかくもうちょい具体的な説明がなきゃ話しようがないですよ。 だって羞恥心も何も、 俺は雑談がてら物語の解釈についてしゃべってるという意識しかないんで。 追伸 ロリータなんか紋切り型のオンパレードですよ。
131 :
ぼんち揚げ :01/11/29 21:00
なるほどな、やっぱり、 >116=121=127=129なんだな。 俺もそうだろうとは思った。 ところで、「酒池肉林の饗宴」に引っ掛かったらしいが、 普通の感覚している人は、わざと誇張表現していることが わかるだろうに。 でも、この人はやはりわからないんだろうな、 気持悪くて引用するの嫌だったんだけど、 > 素質の筆頭 >羞恥心の所持 これらは、はっきり言って、日本語じゃないぜ。 他人の質や品を問題にする以前の問題だ。 ということで、次回からは、ナボコフに話しを戻すぜ。 お前も発言したいんなら、変な文章でも構わんから、 ナボコフの話しをしろ。
>116=121=127=129 ごめん、ほんとにちがうんだけど。 自分に関係あることだったらレスしようと思うけれど、 いっしょにされると、まあいいか、と思ってしまうのね。
133 :
我輩は名無しである :01/11/29 21:35
どうでもいいけど、羞恥心について語ってみては?
134 :
ぼんち揚げ :01/11/29 21:40
>132=116 そうか、すまん。上の文章の意味もよくわからんのだが・・・。 そしたら、君は、121=127=129とは関係ないのだな。 それと、好奇心から聞くが、ナボコフは好きなのか?
野暮を承知で答えるけど、116=129。 あとは関係ありません。 ナボコフは好きです。
136 :
ぼんち揚げ :01/11/30 12:11
>135 野暮も糞もねえよ。それより、ナボコフ好きなら、 変なチャチャ入れずに、ダベロウぜ。 別に、尻の穴を見せろなんて言わんから。 「ランス」読んでんなら、 「いつかアレッポで・・・」を知っているよな。 次回これについて話すつもりだったんで、 その前に、あんた、何か感想あれば言ってくれ。 それと、できればネームを付けてくれ。じゃあな。
137 :
吾輩は名無しである :01/11/30 18:33
お前→てめえ→君→あんた、と 心ならずも二人称の遍歴を続ける135。 >それと、できればネームを付けてくれ。 なんですか、ここは。いちいち「おうおう、われこそは」 とばかりに名乗りをあげるのがしきたりなんですか。 そういうのはちょっと・・・。 きみは幸福な人間だから、みじめなぼくの立場を 心理的に理解するのはまず無理だろうが・・・。 (まだ仕事中ゆえ、時間があったら戻ってくるかもしれません)
138 :
我輩は名無しである :01/11/30 18:36
135は自分でしょ?
そうですよ。書き忘れた。。
140 :
我輩は名無しである :01/12/02 23:00
>>きみは幸福な人間だから、みじめなぼくの立場を 心理的に理解するのはまず無理だろうが・・・。 どうでもいいけど、なんかサムイよ。
141 :
吾輩は名無しである :01/12/03 02:30
age
142 :
ixion :01/12/03 03:59
若島さんの『乱視読者…』の続きが出てましたが、どうでしょう?
パラぱらっと立ち読みしただけですけど、ちょっと買ってみようか と思わせる内容だったと思います。 こないだ衛星でスティングの特集があってポリス時代の message in a bottleのプロモ流れてました。若いスティング むっちゃかっこよかったから早速ベスト買って聞いてたら、 邦題高校教師という曲の歌詞にナボコフの名前がでてた。 ある、ありえるなぁ、と一人にやついてしまいました。
144 :
吾輩は名無しである :01/12/16 17:29
あげとこう。
145 :
吾輩は名無しである :01/12/29 09:44
>>140 >>>きみは幸福な人間だから、みじめなぼくの立場を
>心理的に理解するのはまず無理だろうが・・・。
>どうでもいいけど、なんかサムイよ。
どうでもいいけど、これナボコフの引用だよ。
いま気づいたんだけど。
146 :
ぼんち揚げ :02/01/07 18:47
「いつかアレッポで・・・」と言うのは、 オセロの中の言葉ということなんだけど、 この小説における意味がわかりません。 誰かわかる人いますか?
147 :
吾輩は名無しである :02/01/14 19:47
短編全集は買いでしょうか? 未だ踏ん切りがつかない。
148 :
吾輩は名無しである :02/01/15 21:27
買いでしょう。 品切れ秒読みです。
149 :
吾輩は名無しである :02/01/28 10:54
さげないでくれ。
150 :
吾輩は名無しである :02/02/08 13:14
短編読んだ人、どれが面白かった?
151 :
我輩は名無しである :02/02/14 16:33
全部読みがいあるyo
152 :
吾輩は名無しである :02/02/14 16:58
>151 お薦めベスト3ありますか?
153 :
我輩は名無しである :02/02/14 17:05
「ロリータ」かな?
155 :
我輩は名無しである :02/02/14 20:45
>>154 スマソ。実はまだあまり読んでないので・・
でもきっと読む価値のある作家であること
に間違いないでしょう。勘ですが。
お勧めは何ですか? 絶対読みます。
『ナボコフの一ダース』(サンリオSF文庫、ちくま文庫、ともに品切) に入ってた、「フィアルタの春」「城、雲、湖」「合図と象徴」 「初恋」など13の掌編は、すべて、『ナボコフ短篇全集』1・2 (作品社)に収められています。 あまりに美しい細部に、うち震えずにはいられません。 ちなみに、『短篇全集』の中では、「ベルリン案内」「ロシアに届かなかった手紙」 が素晴しい。2度3度読み返しても、まだ読みたいほどのきらめきです。
157 :
吾輩は名無しである :02/02/14 22:30
ナボコフ初心者は、『ナボコフ自伝 記憶よ語れ』晶文社 から読みな 短篇全集の中の“元ネタ”が、自伝の中にごろごろしてるのが分かるよ ただの自伝という枠を越えて、 一文一文が、ほんとにキラキラした詩になってるんだ
158 :
吾輩は名無しである :02/02/14 22:48
みなさんが、これまでに挙げたもの以外では、
短篇では、「神々」「北の果ての国」、
長編では、『青白い炎』(筑摩 世界文学大系 に所収)が、なかなかオシャレ
で面白かったです。
でも、
>>157 さんが言うように、『自伝』はとっても感動しました。
私は、新潮社から出てた『ロシア美人』(短編集)を10年愛読しています。 そこに入ってる「唇と唇」「ポテトエルフ」「独りぼっちの王様」 「レオナルド」「世界の果て」などは、全て、 さいきん出た短篇全集の中に収録されているはずなので、ぜひ御一読を
160 :
吾輩は名無しである :02/02/14 23:17
>>158 「青白い焔」!! お〜なつかしー
死んだ詩人の作品を、ガイキチの友達(語り手)が注釈する、
そのうち、回想、真実、詩、妄想がごちゃごちゃになり、・・・
っていうトリッキーな構造の小説だ!!
「キング、クイーン、そしてジャック」「道化師よごらん」も
良かったけど、ベスト1はやっぱり「焔」だね
短篇べすと3「初恋」「ロシアに届かなかった手紙」「ある日没の細部」 長編べすと3「セバスチャンナイトの真実の生涯」「断頭台への招待」「青白い炎」
162 :
吾輩は名無しである :02/02/15 21:34
「ロリータ」が良かったという人は、その原型「魅惑者」も読みましょう。 中編ですが、少女愛ものの核的作品と言えます。
163 :
吾輩は名無しである :02/02/15 22:48
ナボコフの長編は面白くねえ。 短編はあんなに面白いのに、長編は構成をいじりすぎ。 マジックハンドがない、と思うんだけど・・・。
164 :
権田原雪之丈 :02/02/15 23:22
「セバスチャンナイト」のインチキ伝記作家グッドマンは はたしてそれほどインチキなのだろうか?語り手が 過剰に夭折した「天才」作家(もう一人の自分)に肩入れ しているように思えるのは俺だけではないはず。 なんにしろ自意識過剰な作家ではあると思う。それが 欠点であると同時に長所であり、さらには彼の独自性 でもあるのだが。
ナボコフの母国語はロシア語ですよね? ユダヤ系のロシア人作家、アメリカに亡命して活躍?した、と。 そんな感じで捉えていましたが、正確なプロフィールの知ってる方。 もっと詳しく知りたいので、お勧めの「ナボコフ」的なサイトなどあれば 教えてください。
166 :
我輩は名無しである :02/02/15 23:38
何だかんだ言ってこのスレけっこー詳しいよ。
167 :
吾輩は名無しである :02/02/16 00:08
「ナボコフ書簡」みすず書房 参考になるよ。そして、文章美しい☆
>>165 白子さん
講談社文芸文庫『セバスチャンナイトの真実の生涯』
および
平凡社ライブラリー『ニコライゴーゴリ』付載の
ナボコフ年譜を御覧ください。
169 :
吾輩は名無しである :02/02/16 00:26
富士川義之『ナボコフ万華鏡』芳賀書店刊は、 日本初のナボコフ研究書にして、すばらしいガイドブックです。 2400円です。買いましょう。
ナボコフ読者ではありませんが、最近図書館で、 たまたま若島正の『乱視読者の冒険』を借りて読んだところ、 むしょうに読みたくなりました、ナボコフ。いちおう積ん読本の山の中に、 『自伝』と『セバスチャン・ナイト』はあるんですけど。 ところで、今日神保町に行ったら、某書店の格安本ワゴンの中に 300円の『魅惑者』を見つけました。本の状態が良くないのと、 過去に一度読んでいることもあって結局買いませんでしたが。 その代わり、出たばかりの『乱視読者の帰還』を2000円で捕獲して天にも昇る気持ち。
>>170 「乱視読者の帰還」わたしも読みました。雑文も混じってるけど、
ナボコフ愛好者ならではのエッセイ(?)・評論(?)ですよね。
【註:若島氏は、短篇全集1・2で、12篇を訳している方】
題名は、ナボコフ「チョルブの帰還」を踏まえているのでしょう。
172 :
吾輩は名無しである :02/02/16 05:14
>300円の『魅惑者』を見つけました。 どこですか??ヒントください!
173 :
ixion :02/02/16 07:04
長編はほとんど品切れ。「アーダ」「プニン」「マルゴ」「絶望」「賜物」 「道化師よごらん!」「マーシェンカ」・・・すべて、WEB日本の古本屋、 WEBスーパー源氏、WEB神田古書店、などで捜したまえ!
175 :
Ray.na ◆CujopyKE :02/02/17 03:14
ロリータの主人公の趣味は共感できる。 私は女だけど、男だったらやっぱり同じような趣味だとおもう。
176 :
Ray.na ◆CujopyKE :02/02/17 03:15
ああ、辻とか加護とかには惹かれないけどね。ああいうおだんごっぽいのは 好みじゃない。
177 :
我輩は名無しである :02/02/17 08:15
>>Ray.na で、「ロリータの主人公」の趣味ってどんなんなの?
178 :
我輩は名無しである :02/02/17 08:22
ネット書店で見つけたんだけど、ナボコフのMAGDAってどんな 小説なの?マルゴなら持ってるけど。MAGDAなんて小説みたこと ないな。絶版で23000円くらいだった。 もう一つ。研究社小英文叢書という会社から昔出版された「ナボコフ短篇集」 ってどんなのが収録されてるか知ってる方います?
179 :
ixion :02/02/17 10:56
その翻訳は読んでないけど、たぶんMagdaがでてくるのはKamera Obskura (Laughter in the Dark)じゃないかな? 相場はたぶん2〜3000円です。また例の古本なんたら堂じゃないのかな、 そんな馬鹿な値付けしてるのは^^; >研究社小英文叢書という会社から昔出版された「ナボコフ短篇集」 へー、このシリーズでナボコフ出てたんですね。
180 :
我輩は名無しである :02/02/17 13:52
>>179 いや、(Laughter in the Dark)はマルゴの原題ですよ。
たしかにマルゴなら2〜3000円くらいですよね。
MAGDAはたぶんマルゴとは別の話だと思います。
>>178 1932−34年にナボコフが書いた『暗室』という中篇小説が、
1934年ドウシャエルガーズによって仏訳されたのが『マグダ』
(日本では、川崎竹一訳・河出書房『マグダ』として刊行)、
そして、1938年にナボコフ自身が英訳したのが『マルゴ』
(日本では、篠田一士訳・河出書房『マルゴ』として刊行)、
であるから、同じ作品といってよいのだが、
題名や、登場人物名、書き出し、場面の描写など、相当の変更がある。
別作品と言われるのも当然だろうか。
>>181 >>180 ちなみに、英訳の際に、題名が、「闇の中の笑い
(Laughter in the Dark)」に変更されたのです
183 :
吾輩は名無しである :02/02/17 20:03
『ナボコフ短編全集2』の巻末に、翻訳された作品の一覧が載っているので、 これを参考に、ネット古本屋で捜してみるのがイイと思う
と、詳細な解説があるので、もう俺は書かなくてもいいな^^; Kamera Obskura = Laughter in the Darkって書いたのが まちがいのもとだったか、申し訳ない。 しかし、『マグダ』なんてそのまんまの題名だなぁ…知らんかった。
185 :
吾輩は名無しである :02/02/17 23:16
昨年の『ベンドシニスター』復刊(サンリオSF→みすず)は、快挙だった。 なんとキラキラ美しい、独裁国家小説だろう! せっかく生誕記念なのだから、『青白い炎』(筑摩)も、 『道化師よごらん』(立風書房)も、復刊して下さい!!!
あ、178さん『MAGDA』買うつもりなら、やっぱり相場はネット古書店 だと3000円前後で売っていますので、そんな高値で買わないよう ご注意を…。
>>177 ロリータ、すなはち、少女愛。
その基本形が「魅惑者」(河出書房新社)、
そして、少女愛に近親相姦的要素が加わったのが、
「アーダ」(早川書房)です。
188 :
我輩は名無しである :02/02/17 23:52
>>ixionさん 毎度のことながら有難うございます、貴重なアドバイス。 「MAGDA]3000円で売ってるんですか? でもマルゴとほぼ同じっていうんなら買うのやめよっかな。 「マルゴ」冒頭はテンポよかったんですが、期待したほど 面白くなかったんで。惰性で書かれてるようなグダグダ感 を感じました。 ところでixionさん、ふと思ったのですが、あなたのixiって ひょっとして顔文字ですか?いや、なんとなく今そんな気が したんで。
189 :
吾輩は名無しである :02/02/18 00:15
「ナボコフ自伝 記憶よ、語れ」って絶版なのか・・・ あきらめて原書で読むか・・・鬱だ。
原書だと、ナボコフ短編全集2257円(!)だ。(Skysoftで) 安くてびびった。もっと語学力を磨いとくべきだった・・・
191 :
吾輩は名無しである :02/02/18 00:38
>>189 「ナボコフ自伝」晶文社 ジュンク堂には置いてあるよー
古本屋でも、1800〜2000円程度で、よく見かけるよー
>>190 ナボコフを原書で読むには、ロシア語も英語もできねばなりませんね
193 :
我輩は名無しである :02/02/19 23:39
↑オタクぶりもホドホドに…
194 :
吾輩は名無しである :02/02/20 00:38
そう? きちんとしていると思うけどね。
『乱視読者の冒険』読了! アガサ・クリスティ論も圧巻でしたが、ナボコフの入れ歯の話にはまいりました。 淫してますねえ。 買わなきゃいかんのか「全短編」。やれやれ。
↑ スマン、間違えた。『乱視読者の帰還』のほう。
>192 なるほど。ありがとうございます。まあそこまでマジに調べる気もないですし。 あれこれ妄想するのも楽しいもので。ところでいま読んでいる本で見つけた一節: 「ナボコフの知的な手品はたしかに並はずれて鮮やかであるが、ときどき表面の 図式の卓抜さの下に根本的な空虚さが潜んでいるのではないかと疑われる」 (トニー・タナー「言語の都市」) たぶん、これはかなりあたっていて、ナボーコフの小説になじめるかどうかの一つ の分かれ目になる部分じゃないかとは思います。
198 :
ixion :02/02/20 10:44
>あれこれ妄想するのも楽しいもので やまがたさん、こんにちは。そうですよね、無粋なことをしてすみません^^; タナーのあの本は名著ですよね。ボルヘスと並べてナボーコフをきちんと論じて いるし、この2者が抽象的なものを求めるがため、空間への恐れが感じられる、 というのもまぁ頷けるまとめ方です。 「ボルヘスの場合と同じように、ナボーコフの小説の人物たちはチェスの駒の ように動いている。彼らはもっぱらチェスをさす人間の機略縦横の才気とゲーム の規則を明らかにするために、作品の中に存在しているのだ」 (佐伯昇一/武藤脩二訳 ただしナボコフを「ナボーコフ」の表記に改変) ナボーコフの場合、有名な言葉として「小説一般は存在しない」とか「現実は 括弧なしには不可能だ」なんてのがありますが、一般的な広がりを忌避する 傾向は、確かに彼の作品に見て取れるような気がします。ただ、その底にある のが空虚なのか、それともあまりに私的であるが故に言語に移し得ない何か なのか、ナボーコフにしか言えないような気がします。彼の「思い出」への 囚われと、蝶の収集・分類とが結びついているのと同じように、ある私情と 言語の構築(手品的な技)とが入り組んで、彼の作品が作り上げられていると 思えることも多いですから。 Man's life as commentary to abstruse Unfinished poem. Note for further use.
199 :
カエルくん :02/02/20 11:41
山形さん、名指しですんません。 ナボコフの長編おもろないんです。 短編はなめるように読んでいるのですが・・・。 いったい「賜物」なんて面白いのですか? それと、すんませんバロウズとナボコフの類縁性というのはなんですか?
すげー。盛り上がってる
201 :
吾輩は名無しである :02/02/20 12:59
『透明なもの』って邦訳されてたっけ?
ナボーコフの長編……ぼくも実は「賜物」は読み通せてません。訳が悪いので あろうと思っていつか原文を読むつもりですが、いつになることやら。「ベンドシニスター」 とか「プニン」、「アーダ」や「pale fire」はおもしろいです。特にプニンとpale fire は連作みたいに 読めるから、とっつきやすいのでは。 ナボーコフとバロウズの近さは、記憶の扱いにあるのです。バロウズのカットアップは 記憶のありかたに依存した手法で、したがってナボーコフのよさはカットアップで 再現できます。ああ、はやく本を書き上げなくては。
203 :
カエルくん :02/02/22 10:34
山形さん、ありがとうございます。参考になりました。 ナボコフとバロウズは、僕のたいへん好きな作家なのですが、 その二人をつなげて考えることはしなかったので、 かなりショッキングでした。 たしかに二人ともプルーストが好きだったり、 晩年までランボー読んでたりしたもんなぁ。 本、楽しみにしています。
205 :
吾輩は名無しである :02/03/05 18:06
age
206 :
吾輩は名無しである :02/03/19 08:20
age
207 :
吾輩は名無しである :02/03/19 21:35
"Lolita" の原書読んだ。 単語がむずい、構文ややこしい、フランス語たくさん、ラテン語・ドイツ語 もあり、バイリンでない自分は、頭が朦朧としました。ナボコフは初めてで 内容的には予想以上に面白かったのですが、これ、英文としてネイティブが 読むとどういう感じなんでしょうか。こんな言い方ありなの?、と思うような 箇所もあったように思います。単なる初心者の無知かもしれないんですが。 Penguin の著者紹介で、 Not only did he gain a magnificent command of this second language, English and develop an extraordinary narrative and descriptive skill, but ... と説明されているのは、ちょっと皮肉が入ってるんでしょうか。
208 :
我輩は名無しである :02/03/19 21:55
英語で読むとみょーに技巧的な感じがするんだよな。 俺は原書読んでみて逆に興味なくしつつある。
209 :
我輩は名無しである :02/03/19 22:44
微に入り細を穿つ、丹念で精巧な細部描写が時として仇となっている。
>208 なんかウザイ表現とかあって、英語を知らない自分が悪い のかと思ってたんですが、必ずしもそれだけじゃなさそうですね。 ありがとうございます。
211 :
我輩は名無しである :02/03/20 07:13
>210 HAHA! たしかにウザイとこあるよな。一文で何回関係 代名詞つかえば気が済むのか? 小一時間問い詰めてみたい
212 :
吾輩は名無しである :02/03/20 12:25
>>207 読んだというだけで尊敬してしまう。
この作品の最初の、ハンバートとアナベルのエピソード
ポーの詩「アナベル・リー」そのものですね。
213 :
吾輩は名無しである :02/03/20 13:05
小説のわからんアホウどもが文章をあげつらっとるわ。
214 :
吾輩は名無しである :02/03/20 14:44
215 :
我輩は名無しである :02/03/20 17:42
>213 ならナボコフのどこがいいのか説明してみれ
216 :
吾輩は名無しである :02/03/20 17:59
スタンリーが原作に選んだことだけでも、非凡の作なることは自明。 但し、アリスとロリータの掛け橋は渡り切るには偏見が多すぎる。
217 :
>216 :02/03/20 23:08
自明か?時計仕掛けのオレンジは原作それ自体は決して 非凡の作ではないけどな。何の説明にもなっとらんから 却下だな。
218 :
吾輩は名無しである :02/03/20 23:12
>>217 おひおひ、「オレンジ」はアンソニー・バージェスだよ。
逝ってよし。
219 :
我輩は名無しである :02/03/20 23:39
>>218 おひおひ、「オレンジ」はキューブリックが
映画化してるだろ? 日本語読めんようだな。
ならナボコフの韜晦な文章わかるはずもないから
おたくこそ炒ってよし。
220 :
吾輩は名無しである :02/03/20 23:49
Burgess's best-known work is A Clockwork Orange (1962), written in an imaginary teen slang and set in a classless, futuristic society, where an intelligent young hoodlum asserts his individuality by deliberately choosing to do evil.
222 :
我輩は名無しである :02/03/20 23:58
わかるよ。バージェスもナボコフと同じで言語に対するこだわりが 人一倍強い。 だが、MFやオレンジやらを飛ばし読みした感じではどうも一流って いうのは言いすぎな気がするもんでな。
223 :
我輩は名無しである :02/03/21 00:01
ところでキューブリックの本領といえば、 二流の原作を一流に仕上げる点にあるとも思うんだが。
保守
225 :
吾輩は名無しである :02/04/07 19:11
226 :
吾輩は名無しである :02/04/08 19:35
ロリータの映画に興味があるんですが、何度か映画化されたなかで どの出来がいいとか教えていただけませんか。
227 :
吾輩は名無しである :02/04/09 23:27
講談社文芸文庫になってるの高いっすよ! 近所の本屋のだと、かなり古そーで変色してるようなのしかありません。 こんなんでも買っとく値打ちありでしょうか? 「 セバスチャン・ナイトの真実の生涯」
228 :
吾輩は名無しである :02/04/09 23:31
229 :
吾輩は名無しである :02/04/17 19:33
『賜物』図書館で借りてやっと読み終えました。長かった〜。 部分部分は「ナボコフ節」みたいな感じで気持ちいいんだけど、 全体としてはやっぱり冗長な感じがしました。妙に疲れた。 訳のせいもあるかもしれないけど、代表作とか言われるわりにはそれほどいいとは思わなかった。 他を読みたくてもほとんど手に入らないのばっかりだしなあ・・・。 どうにかしてほしいもんです。 『透明なるもの』はいつ出るんだー!!
230 :
吾輩は名無しである :02/04/18 00:08
「アーダ」ってどんな作品ですか。 検索してみたけど、読んでる人が少ないのか今ひとつわからない…… 上下合わせて1400円だったら買っていいですか。
231 :
吾輩は名無しである :02/04/18 09:51
>>230 漏れだったら3倍の値段でも買うぞ!!
ていうか何処!?売ってくれ!!読みたい!!
田舎の古本屋の、積み上げられた本の隙間に発見しました。 こういう機会は逃さないほうがいいですよね。買っておきます。
233 :
吾輩は名無しである :02/04/26 21:43
「青白い炎」やっと読んだ。シビれました。 「ベンドシニスター」のハムレットについて駄弁ってる部分とか 「賜物」の長い伝記部分(4章だっけ?)とか、 本筋と関係ありそうな無さそうなところが読みどころなのかもしれないけど、 そういうとこは長くて少しばかり疲れる。やっぱりそこも良さなのかな。
ナボ保守
235 :
吾輩は名無しである :02/05/07 15:28
ロリータ、わがいのちのほむら
236 :
吾輩は名無しである :02/05/10 22:24
翻訳者の若島正のエッセイっていいの?
237 :
我輩は名無しである :02/05/10 22:42
紀伊国屋で「透明なる事物」ゲットォ!! 今から徹夜で読んできます!!