1 :
春から修士1年:
この春から仏文修士1年です。
大江健三郎の傑作・代表作を教えてください。
2 :
名無しのオプ:2001/03/09(金) 23:22
同時代ゲーム。大江版吉里吉里人
3 :
吾輩は名無しである:2001/03/09(金) 23:30
代表作といったら『万延元年のフットボール』だろうけど。
大江の場合平均して良いから(ハズレが殆どない)、あとは個人の嗜好によるんでしょうね。
私個人としては『雨の木〜』、『いかにして木を〜』、『河馬に〜』
といった後期短編が傑出していると思います。
同時代の短編の中では世界一なんじゃないかなと思ってるんですが。
4 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 03:26
『万延元年のフットボール』と
『われらの狂気を生きのびる道を教えよ』です。
5 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 03:44
若いうちは、素直に初期の作品読むのもいいよ。
「われらの時代」とか「性的人間」とか。
6 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 04:10
大江に傑作なんて、ねえよ。
全部、駄作。
読む価値なし。
>6
根拠書かないと、荒らしだと思われるよ。
8 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 04:24
「個人的な体験」「空の怪物アグイー」は文句なく傑作。
最も偉大な(アグレッシブな)作品はやはり「万延元年のフットボール」ですかね。
9 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 04:56
うわぁ、「フットボール」人気ですねぇ
物語としても面白かったし、読みやすいので私もお勧めです
でもこれって文庫版が無かったような
後期の作品は最初に読むのはもったいないかも
この人の作品は自伝的なので年代に沿って読むと面白みがますと
思うので
そうするとやはり初期短編?
主旨違いになってたらゴメンナサイ
10 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 04:59
>>9 講談社文芸文庫にありますよ。
しかし高い。
11 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 05:06
フットボールかぁ。
節操なく構造主義を導入してるのがちょっと鼻につくなぁ。
英語のタイトルは「silent cry」
ヘンリーミラー(?)が現代のドストエフスキーと書いてました。
12 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 05:41
話は変わるけど、『われらの時代』は、パクリだよな。
好きでもない女と付き合ってて、女が妊娠して、大慌て・・・
サルトルの『分別ざかり』とまるで同じ。
小説の終わり方もソックリ。同じようなセリフで終わる。
「分別ざかりだ」と「われらの時代だ」ってね。
天皇暗殺に失敗する場面は、
マルローの『人間の条件』の蒋介石暗殺失敗の場面にソックリ。
「剽窃」と言われても、しかたないような作品です。
13 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 05:57
「夜よ、ゆるやかに歩め」というフィッツジェラルドばりの
恋愛小説があって、大江20代の頃「婦人公論」かなんかに連載して、
単行本にもなったけど、その後、作品集とかに載ってない。
瀟洒で好きでした。
「われらの時代」読んでてあたいも「人間の条件」思い出したけど、
まあ、若い作家は、三島もそういうとこあるけど、影響と物まねの
さかいめあたりから出発するのはしょうがないかも・・・
>13
ごめん。でも言わせて、「あたい」って何だよ!?
15 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 06:15
あたいはあたいよ。あんたっっ!
>15
今時、ヤンキーでもそんな言葉使わないだろう・・・
大江といえば『芽むしり仔撃ち』でしょう。
これ以外最後まで読みきったの無いよ。はっはっは。
18 :
モー娘。らぶ。。。:2001/03/10(土) 13:07
傑作というなら、そりゃあ『万延元年のフットボール』だろうけど、おれ的には後期(?)の作品もお薦め。
例えば、『懐かしい年への手紙』とかね。クライマックスがないし、自分の過去のテキストを自作に導入して反復してドモッているんだけど、これぞマイナー文学って感じでスゲエ。
ところで、>>ALL
おれも初期の作品はそれなりに好きだけど、初期の作品って差別的表現を美学的に昇華するようなとこがあるよな。『セブンティーン』へのキース・ヴィンセントの批判もあるし。このあたりってどう思う?
19 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 13:38
というか「政治少年死す」持ってる人いないの?
20 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 16:54
>>19 首吊って、射精しながら死ぬ場面って、読んでみてえな。
21 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 23:08
>>19,20
メアド出したら送るよ。
圧縮してないけど( )
「性的人間」は後編だけでも読んでおくといいとおもうな。
22 :
19:2001/03/10(土) 23:24
>>21 本当ですか?
じゃ、お言葉に甘えて。メアド出します。
23 :
吾輩は名無しである:2001/03/11(日) 04:23
『同時代ゲーム』は『百年の孤独』のパクリだって
聞いたことあるけど、ホントなの?
そんなに似てるの?
『百年の孤独』読んでないんで・・・
24 :
吾輩は名無しである:2001/03/11(日) 05:02
そうだねやっぱり
死者のチンポじゃない?
やっぱり「フットボール」ですな。
作者も認めるとおり導入部分が読みにくいけど
そこを乗り越えると
>23
似てるよ。かなーり。
27 :
吾輩は名無しである:2001/03/11(日) 14:14
「われらの時代」はもっと評価されるべき。
28 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/03/11(日) 14:57
芽むしり仔撃ち
青年の汚名
遅れてきた青年
セヴンティーン
われらの時代
叫び声
不満足
とにかく初期大江最高!!
初期を愛し過ぎて、それ以降を読む気になれない…。
29 :
吾輩は名無しである:2001/03/12(月) 00:47
「日常生活の冒険」を忘れるな!!
30 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/03/12(月) 01:20
「日常生活の冒険」って、さいきさいきちだっけ?
31 :
吾輩は名無しである:2001/03/12(月) 10:21
やっぱ、初期だよ。
32 :
吾輩は名無しである:2001/03/12(月) 11:12
「芽むしり仔撃ち」と「死者の奢り」だな。
33 :
吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 03:21
新しい作品は読んでない。
『燃え上がる緑の木』って、どうなんだ?
34 :
モー娘。らぶ。。。:2001/03/13(火) 10:56
>>33 >『燃え上がる緑の木』って、どうなんだ?
これはつまらない。大江のここ十何年かの傾向−自分の過去のテクストの検討−が特に顕著だし、それが物語に侵入して物語をなかなか進展させず反復を繰り返させるあたりなんかはさすがだけど、『懐かしい年への手紙』なんかに比べると、反復=どもりが足りない。うまく物語にはまっちゃっていて逸脱がない。
と、けなしまくっちゃいましたが、これはオウム事件の前に書かれたんだよね。そう思うと、大江の「想像力」ってすごいね。オウム事件ってこれをある意味なぞっているような気がするしね。まあ、ヤマギシあたりが題材なんだろうけど。
35 :
ポスドク:2001/03/13(火) 14:22
>燃え上がる緑の木
俺は大江の作品の中でこれに一番嵌まりました。
登場人物が(自分が望まないのに)周囲によって祭り上げられ、
周囲によって腐されるという外的および内的状況変化を描いています。
初期の「・・フットボール」には違和感感じて駄目だった。
芽むしりは良かったけど。
36 :
吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 14:52
洪水は我が魂に及びは?
個人的には普通に楽しくて好き。
37 :
ポスドク:2001/03/13(火) 15:47
大江の物語の構成って理系的に思える。
Aという物質をBという条件下でCと反応させると、
Dという物質生産とともにEという事象が観察され得るだろう・・
という風に。
こういう解釈は成り立ちますかねえー?
38 :
吾輩は名無しである:2001/03/14(水) 00:10
>>37 たしかに舞台設定は特殊だけど登場人物が出来事に対してする反応は一般的だと思えなくもないですよね。
それで文体が変にこねくりまわしてないから「特殊環境下における人間観察レポート」みたいな印象なのかも。
『芽むしり仔撃ち』
大江作品で始めて読んだヤツだけど、面白かったね。
『…フットボール』読みてーんだけど、アレ高いんだよなあ。
40 :
吾輩は名無しである:2001/03/14(水) 10:10
「取り替え子」もそんなに悪くなかった。
それにしても朝日の書評はなんじゃあ!?
41 :
吾輩は名無しである:2001/03/15(木) 04:28
↑朝日の書評って、誰が書いたんだ?
メチャクチャ批判してたわけ?
42 :
名無しさんの主張:2001/03/15(木) 10:06
「燃え上がる緑の木」は退屈だったよ。やっぱり大江も寄る年波にはかなわないのかな・・・
43 :
ポスドク:2001/03/15(木) 13:07
「静かな生活」も悪くなかったけどな。
「取り替え子」を読んでみようかな。
44 :
吾輩は名無しである:2001/03/15(木) 13:24
『取替え子」は読むべき。問題作だよ、大江としては初の、
日本文学としても、かな。とにかく今までの作品群と同列には
語れないと思う。いろんな意味で。
45 :
吾輩は名無しである:2001/03/15(木) 13:32
「新しい人よめざめよ」が好き。
46 :
吾輩は名無しである:2001/03/15(木) 19:22
朝日の書評は斎藤美奈子。
そのへんのオバハンが書いたような駄文。
47 :
吾輩は名無しである:2001/03/15(木) 20:21
>>41 内容ははっきりと覚えてないけど、「大江の親友伊丹の自殺の謎が明かされると期待して読んだのに、当てが外れてがっかりした」てな感じの頭わるそーなことが書いてあった。
評者は30女。名前は忘れた。
この前、はじめて「奇妙な仕事」を読んだけど素直に感動。処女作なのに文体は完成されている(当たりまえだけど)。中期以降の粘着質のどろっとした感じではなくて、みずみずしく殺伐と乾ききった感じが新鮮でした。うへうへ。短さ、完成度の点で言えば、「不意の唖」や「鳩」もすごくいいと思う。どーでもいいことだけど、「鳩」とサトラレの「壁」は設定がちょっと似てると思った。国家による直接的な監禁状態。仲間を裏切れない。偶然の契機によって、主人公の監禁状態からの脱出が可能になる。中立者(ベルギー人=混血)に対する隔絶感、怒り。以下省略。しゅるしゅる。
48 :
吾輩は名無しである:2001/03/15(木) 21:33
ノーベル賞って原文のままで評価されたのだろうか、英語だとしたら
誰が翻訳したのだろうか、英語の大江は本当の大江なのだろうか。
わからん。
49 :
吾輩は名無しである:2001/03/16(金) 01:03
へー、結構、中期後期、好きな人いるんですねー。
初期の作品とかまだシンボリックに間接的にテーマ書いてるから
面白く読めるんだけど、中期、後期でテーマが露骨に語られるの
って恥ずかしくて読めないんだけど。
「われらの時代」とか「静かな生活」とか。われらのモラトリア
ムっぷりは、いまだからという訳でなく痛いと思う。
50 :
我輩は名無しである:2001/03/16(金) 11:25
『懐かしい年への手紙』
『燃えあがる緑の木』
『宙返り』
のスーパー3部作を読む。過去の自作の引用の多さに驚く。
結局あわてて全部読む。
51 :
ポスドク:2001/03/16(金) 12:16
>>48 >英語の大江は本当の大江だろうか
確かに気になる。
本屋で「17才」を立ち読みしたんだけど、
原書(日本語)の方を読んでなかったので何とも言えないなあ。
英語では、軽い青春小説みたいに感じた。
今度は日本語で読んだものを英語訳で読んでみるよ。
52 :
吾輩は名無しである:2001/03/17(土) 00:33
「作家の価値」という本でボロクソに言われていますね。
ノーベル賞受賞したが、彼の敵視する三島になどに比べて
外国での知名度、評価は足元にも及ばない、それも作品が
過去の外国文学からの引用でなりたっているからだと言え
るだろう。(大意)
前の大江スレでも指摘された「自己模倣によるグロテスクな肥大化」ということにも言及してたな。
53 :
吾輩は名無しである:2001/03/17(土) 12:51
昔の作品は、ジョン・ネーサン訳が多いかな。いまはバークレーだかアーバインだかで教授やってる。三島関係もいろいろ仕事してる。
54 :
吾輩は名無しである:2001/03/17(土) 12:58
作家の値打ちって服だ和やの? 外国での知名度なんてことを基準にしてしまうところが屈折系島国ナショナリストの直系服だくんらしいわなあ。「グロテスク」っつうのはもしかして誉め言葉?
55 :
吾輩は名無しである:2001/03/17(土) 13:20
「グロテスクリアリズム」だからね。
56 :
吾輩は名無しである:2001/03/17(土) 14:06
>>52 服だ和やの言をまともに取る方がどうかしてらあ。自分で
読まなきゃわからんよ。英語がどうのってより、日本語で
書いてるんだから、全部読んでからだね。それで
人のじゃなくて、自分の意見を言えばいい。読めよ。
57 :
吾輩は名無しである:2001/03/17(土) 23:29
レインツリー
58 :
52:2001/03/18(日) 00:03
いや、大江は読んでます。特に初期作品が好きですよ。
「作家の値打ち」という書名からして気に入らないので見てみたら
大江ボロクソ状態でひどく理不尽な言い方をされていたので
2chでいう「どうよ?」的扱いで書き込んだまでです。
100点満点で点数つけてカタログ化している時点であの本はおかしいよ。
59 :
56:2001/03/18(日) 00:22
>>58 ごめん、文字面だけ読んで、書いちまった。あやまる。
腹立ってんのは服だの本、君と同じだ。許せ。
60 :
吾輩は名無しである:2001/03/18(日) 00:30
ふくだのいうことはコロコロ変わりまっせ。
「燃え上がる緑の木」が出た当初はかなり興奮してたし。
61 :
吾輩は名無しである:2001/03/18(日) 00:48
>52,54,60
福田君はうちの大学の先生です。
作家の価値っていうタイトル自体どうなんでしょう。
ちょっと前にGQっていう雑誌にも書いてあったが
レビュー書くっていうことを美化しすぎ。
「価値」じゃなくて「値打ち」ね。
「セブンティーン」に決まってるだろ
64 :
モー娘。らぶ。。。:2001/03/19(月) 12:33
福田のレビューはインチキ!
ヘンに甘かったりするしね。点数付けするなら、昔渡部直巳が「すばる」でやってた文芸時評のように、しっかりとつけてほしいな。こんな調子で学生の成績も付けていたらマズいね。将来文壇の大物になりそうな(?)学生には優をあげちゃったりしてな(w
それはともかく、みんな最近の作品もけっこう読んでいるんだね。なんか嬉しいな。おれも最近の作品をけっこうマメに読んでるから。
『万延元年のフットボール』とかに比べると退屈かもしれないけど(物語が)、語り方なんかで実験しているし。ところで、『取り替え子』はどうだった>ALL
65 :
吾輩は名無しである:2001/03/19(月) 19:37
福田的価値観
栗本薫>>>>>>>大江健三郎
66 :
吾輩は名無しである:2001/03/19(月) 23:16
福田の書評値はサイコロで決めてるの知らないの?
当然学生の成績付けもPCで一発変換。
67 :
吾輩は名無しである:2001/03/20(火) 00:23
やっぱ読んでてアドレナリンが出るのは初期のほうかなぁ。遅れてきた青年が好き。取り替え子はまだ読みきってない。ちょっと疲れた。
68 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/03/20(火) 16:18
「河馬に噛まれる」借りてきた。
読む前に聞くのもなんだけど、おもしろい?
>>68 面白い! 保証する。
>>65 どういう比べ方かよぉ、渦巻き眼鏡でもかけてんのか<福田
70 :
岡林 2nd:2001/03/21(水) 00:39
>>21様、こんにちは。私も「政治少年死す」読んでみたいのですが
送って頂けますか?ご返事お待ちしております(メルアドはその後に)。
「見るまえに跳べ」に衝撃を受けた十代が懐かしい。
初期短編は全てが傑作、「鳩」に見られる描写のきらめきは、さながら万華鏡!
「われら〜」「芽〜」「セブン〜」、「厳粛な綱渡り」も大好きです。
ですが「性的人間」だけはモチーフからして辟易してしまう私。何故に痴漢?
先般のホーム転落事件の際に、反射的に思い出してしまいました。
ご子息誕生後は難解すぎて今ひとつ読む気が起こりませんでしたが、
これを機会に挑戦してみます。それでは、また。
71 :
名無し@XEmacs:2001/03/21(水) 10:01
そりゃー「政治少年死す」に決まってるだろ。
72 :
吾輩は名無しである:2001/03/22(木) 00:03
21
>>70 どうぞ。圧縮技術も身につけたのでちゃんと圧縮してお送りします。
73 :
アグイー:2001/03/22(木) 00:53
>>72さん。 のっけからごめんなさいね。
まさかウィルスメールとかじゃないですよね・・・?
そうでなければ私も読みたいです。
お気を悪くされたら申し訳ありません
74 :
吾輩は名無しである:2001/03/22(木) 01:05
>73
19ですけど、心配しなくても大丈夫ですよ。
>>19様、遅くなりました。
メルアド載せましたのでよろしくお願い致します。
感想も書かせて頂きますので!
76 :
岡林 2nd:2001/03/22(木) 23:56
>>19様 メールを頂きましたが、「ウィルスが検知されました(駆除方法なし)」
とありました。一体どういう事でしょうか?
信じた私が馬鹿でした。金輪際2chには顔を出しません。
>>73様 あなたのカンがビンゴ!メルアド挙げないように!
77 :
21:2001/03/23(金) 01:24
>>76 まず、メールを送ったのは19さんでなく21です。
整理すると21は19さんにファイルを送り
それで19さんは「大丈夫です」と書き込んだわけですが…
ウイルスが検知されたというのは本当なんですか?
捨てアドレスでない生アドレスで、しかも本名で
ウイルスメールなんか送るわけないじゃないですか…。
78 :
我輩は名無しである:2001/03/23(金) 01:36
『M/Tと森のフシギの物語』を読んで大江にはまった。
だから他の作品の文体に戸惑った。
でも今はそんな大江文体が好き。M/Tも傑作だけどね!
79 :
ナナシサソ:2001/03/23(金) 02:02
メールを送ると勝手にくっ付いてゆくタイプのウイルスもあるのですよ。
80 :
岡林 2nd:2001/03/23(金) 02:36
21様、早速ですがお詫び申し上げます。この度は全くの私の早合点でした。
本日午前0時4分付けで、確かに「政治少年死す」完全版を(補足資料までも!)
頂戴致しました。御礼を申し上げると共に、何卒ご寛恕下さいますよう
お願い申し上げます。
(
>>77の通り、19様と21様についても混同しておりました。お詫び致します)
手短に経過報告させて頂きますと、21様とは全くの別人が、悪質な悪戯目的で
私の公開アドレスへ先のウィルスメールを送信した模様です。
送信日時は、22日(木)午前9時19分、無署名でした。
ウィルス名称は「W32/Hybris.gen@MMウィルス」、
ホットメールの自動検知システムによって判明しました。即刻削除予定です。
私は通常午後11時以降に(テレホーダイ利用)ネットサーフ、メール確認を
始めます。
>>76の私の早合点投稿の時刻にある通り、投稿した時点では
21様からのメールは到着しておりませんでしたので、今回の独り相撲となり、
さらには21様への罵詈雑言となってしまったと言う訳です。
重ね重ね、本当に申し訳有りませんでした。
>>73様、上記の通り、21様のメールは100%安全である事を
保証させて頂きます。但し、私のようにウィルスメールには呉々もご注意下さい。
>>21様、改めて今回の件をお詫び申し上げます。
そして、有り難うございました。
81 :
吾輩は名無しである:2001/03/24(土) 23:42
↑全然関係ないけど、村上龍の『ヒューガウイルス』は、面白かった。
82 :
吾輩は名無しである:2001/03/25(日) 01:52
「政治少年死す」のアプ、キボーン
>>78 某国立大学教養課程で、文学の授業で読んだんじゃ?
ちと聞きたいんが、ノーベル賞もらった時国民全員が与えて
くれたものだからっていってた気がするけど、
国民栄誉賞拒否した理由は?政治少年死すが関係してる?他は?
サルトルが拒否したのと自分を比べた発言ってなにかある?
前スレにあるんだったらぜひ読みたいが。
84 :
78:2001/03/26(月) 00:30
>>83 俺は東大生じゃないよ(苦笑)。
とある大学の経済人類学の講義で参考文献に挙げられてたんだ。
他には吉里吉里人なんかがあったな。
あと、賞に関して。
大江氏は、「国がらみの賞はもらわない」と
キッパリ言ってる。でもどこで言ってたかは不明。ごめん。
文化勲章も辞退したしね。
85 :
78:2001/03/26(月) 00:33
間違えた。
東大じゃなくて国立大か。
俺は私大です。すまん。変な勘違いして。
86 :
名無しさん@XEmacs:2001/03/26(月) 01:30
わたくしも『政治少年死す』のコピー持ってるけど、中3か高校生のころ
国語の教師にもらいました。スキャナーがあるならホメパゲにageますけど...
持ってないので今しばらくお待ちを。って多分載せたら著作権違反ですね。あはは。
87 :
吾輩は名無しである:2001/03/26(月) 01:32
>86
うぶしてくれ!
88 :
名無しさん@XEmacs:2001/03/26(月) 01:46
2部あるから誰かにあげるよ。(もとが汚いからコピのコピはかなり読みにくいっすなー。)
先着1名様限定。(W
>86
かまわんかまわん。
って、88が俺に譲っていただけるんなら下さい。
(ゲンキンなヤツ、オレ)
90 :
86=88:2001/03/26(月) 16:33
じゃあ約束通り先着者の89にあげるよ。でもどうやって?(W
91 :
吾輩は名無しである:2001/03/26(月) 16:53
「芽むしり仔撃ち」と「われらの時代」です。初期作品と「個人的な体験」以降は
別人の作品です。初期だけなら素晴らしい作家でした。
92 :
名無しさんの主張:2001/03/27(火) 18:11
いやいや、最近の作品もいいですよ。小説だけに限るなら。エッセイとかはダメなんだけどな。
93 :
考える名無しさん:2001/03/29(木) 23:34
大江のエッセイは幼児的すぎて、読むに耐えません。
94 :
我輩は名無しである:2001/03/30(金) 17:55
「小説のたくらみ、知の楽しみ」読んでるんだけど、
ブッキッシュってのはこういう事なんだと改めて納得。
というか、本読みすぎ。怖いくらいですよ大江さん。
95 :
吾輩は名無しである:2001/03/30(金) 19:49
「洪水は我が魂に及び」って好きな人いないのかな。
小説はキルプまでは好きだったけど、それ以降は苦手。
エッセイは、うーん・・・・。
>>95 好きさ!あれは大江作品の中でも面白い小説だよ。
97 :
吾輩は名無しである:2001/03/30(金) 23:14
98 :
吾輩は名無しである:2001/03/30(金) 23:56
昔は敬遠してたんだけど、「セヴンティーン」が面白くて
よみはじめました。
「セヴンティーン」を知ったのは2ちゃんですよ。
ニュース板かなんかで去年、17歳事件が頻発していたとき
にちょっとだけ盛り上がっていたような。
糞レスの中にもたまには拾い物があるのが2ちゃんだね(w。
その後「叫び声」と「個人的な体験」を読んだけど、どっちも
好きだな。
次は何をよもうか、このスレッドを参考にさせてもらいます。
99 :
吾輩は名無しである:2001/03/31(土) 01:13
100 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/03/31(土) 06:15
>>98 「セヴンティーン」「叫び声」はもう、最高峰。
「叫び声」の呉鷹男が好きで好きで、読後興奮しまくり。
あなたにオススメなのは、
「われらの時代」「遅れてきた青年」「青年の汚名」です。
特に「青年の汚名」は超おすすめです、感動必至。
101 :
我輩は名無しである:2001/03/31(土) 13:32
『青年の汚名』文春文庫復刊キヴォンヌ!!
102 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/01(日) 22:20
『大江健三郎がカバにもわかる本』洋泉社
を読んでアタリをつけてから読みはじめるのもよろしいかと。
しかしこれ、けなすふりして絶対ほめてる。
初期作品への愛情限りなし。
ああやっぱし『遅れてきた青年』いいなあ。
103 :
吾輩は名無しである:2001/04/02(月) 01:20
いま「宙返り」読んで頭が宙返り。
それにしても、もっと削れんか?やたら冗長じゃ
104 :
名無しり仔撃ち:2001/04/02(月) 01:39
>>103 冗長というよりは饒舌といったほうが。
それは大江の魅力だと思う。
105 :
吾輩は名無しである:2001/04/02(月) 02:14
めいれい
106 :
103:2001/04/02(月) 02:42
>>104 そうだろうか?すでに前作「燃え上がる緑の木」の舞台を借りているわけ
だから、つまり新しく舞台を設定する必要がないわけだから、もっと他に
書くべきことがあると思うのに、やたらと状況の説明ばかりが続いてる(今の
ところ)。それから新しく出てくる人物や組織といったものも、すでにどこかで
見たことがある、いかにも大江的なものばかりで、それもまた一から説明し
始める。これは饒舌というよりもやはり冗長なのでは?
107 :
モー娘。らぶ。。。特にののたんれす:2001/04/02(月) 12:57
>>106 いやいや、冗長といっても饒舌といっても別にかまわないが、物語がなかなか進まないこと、圧倒的な遅れこそが大江の魅力の一つなんだよ。
これがなければロマンスに終わりかねないケースが大江の小説にはこれまでも見られたけど、冗長さ・遅れ・ノイズがあるからこそ、ロマンスで終わらず小説になっているんだよ。
ああ、良いスレッドだなあ。
参考になるレスをいろいろありがとうです。
104のNAMEにちょっとウケ。別な意味で107のNAMEにもね(W。
>>107 同意!俺の言いたかったのはまさにそれ!
説明が長いのは、この小説で初めて大江文学に接する人のためだし
(勿論それだけではない)、
過去の人物、アイテムが登場するのは、これはもう大江の醍醐味!
「出た!」って嬉しくならない?俺は喜んじゃうなあ。
あと、俺もののたん好き。(藁
110 :
103:2001/04/04(水) 02:24
>>107 なるほど、ロマンスを意図的に避けるために(大江がそれを意識しているかは別にして)
その「圧倒的な遅れ」があるのだとしたら、確かに意義はあるのかも知れぬ。
しかしそれでも気になるのは、その「圧倒的な遅れ」が単なる説明の終始に終わっている
のではないかということで、そうなると登場人物や物語はいきおい精彩を欠いた定型的な
ものにならざるをえないのではないか。もともと大江の小説というのは、登場人物たちが
それぞれ何らかの役割を背負わされており、それに沿って行動するというパターンのもの
が多かった。それでも昔はまだそこに逸脱があった。それがあったからこそ、うねりと
いうか動的なものが物語には充溢していたのだけれど、しかし最近のものはほとんどそれが
見られない。例えば「緑の木」のラストなんかでも「ギー兄さん」が石をぶつけられて
殺されるところなんて唖然としてしまった。あまりにも定型に沿った(作者に都合のいい)
物語の進め方ではないか?そこには驚きも感動もなく、「なんだ、結局それがいいたかった
のか」と納得させられた気分しか残らない(少なくとも自分には)。つまり冗長にしろ饒舌
にしろ、ロマンスを迂回し続けるのは構わない。しかしそこにある一定のテンションを
望めないとすれば、それは単なる退屈な説明になってしまうしかないと思うのだが、
どうだろうか。
うわ!俺の発言すげえ軽薄!
鬱舵師脳さらにsage。
112 :
モー娘。らぶ。。。:2001/04/05(木) 11:48
>>110 え〜と、まず、いいわけだけれども、
>>107で書いたのは大江の小説に関する一般論であって、すべてに当てはめることはできないと思う。
それで『宙返り』なんだけど、これはあなたの指摘どおりでしょう。
つまり、大江の小説の魅力でもある、饒舌さによる物語の遅れが物語に侵犯しついには物語から逸脱するという形にならず、物語の遅れがあるにも関わらずそれが物語に侵犯することなく終わってしまったという面は否めないと思う。簡単にいっちゃうと失敗作ね。
だから、『宙返り』に関してはたぶんあなたの指摘どおりだと思うけど、『燃え上がる緑の木』にかんしては異論がある。
113 :
モー娘。らぶ。。。:2001/04/05(木) 12:07
>>112の続きです。
『燃え上がる緑の木』は、これはサブタイトルを眺めるだけでもわかるように単純な物語なんだよね。実際、110さんが指摘するようにロマンスに終わっているわけだしね。
だけど、過去のKちゃんのテクストだとかイェーツだとか矢内原忠雄のアウグスチヌス告白講義だとかが導入されて物語をなかなか進行させないことによってロマンスを小説に変えようとしているんだと思う。
だから、ここでは大江の小説の冗長さ(=饒舌)こそが重要であって、それがなければどうしようもないほど単純な物語で終わってしまうはず。
と書いてきたけど、『燃え上がる緑の木』って、おれ的にはまだまだ冗長さ(=饒舌)が足りないんじゃないかと思うんだよね。だって、イェーツまで導入したのに結局単純な物語に引き寄せられちゃっているからね。
たぶん大江も単純な物語へのノイズの侵犯による物語からの逸脱を目指したんだと思うけど(そうじゃなかったらこんな題材を選ぶのはおかしすぎる!)、巧くいかなかったんだよな。
まあ、でも、オウム事件以前にこんな作品を書いた大江の想像力には敬服しますけど。
114 :
吾輩は名無しである:2001/04/05(木) 14:53
大江は丸メガネにしてからダメになった。
「遅れてきた青年」の冒頭の部分はなんか笑える。翻訳調
を通り越して「重訳調」な文体
115 :
吾輩は名無しである:2001/04/05(木) 14:57
健三郎+光逝ってよし!
116 :
吾輩は名無しである:2001/04/05(木) 15:03
>>116 大江に想像力なんてあるの?紋切り型ばかりじゃないの?小説もエッセイも詰まんないよ
117 :
吾輩は名無しである:2001/04/05(木) 15:07
>>116
激しく同意
118 :
吾輩は名無しである:2001/04/05(木) 15:11
個人的な体験、エンディングサイテー。逝ってよし
119 :
吾輩は名無しである:2001/04/05(木) 15:22
傑作は養護の子供です。
120 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/05(木) 18:59
せっかく優良スレだったのに、いつの間にか馬鹿が増えたな。
大江に嫉妬して騒ぎ立てる奴って多いよね。
悔しかったら、自分も『叫び声』みたいな小説書いてみろっての。
sage進行にした方がいいんじゃないの?
>>120 たしかにな。批評家にもそういう奴っているよな(w
あ、三島もそうだったな。
それはそれとして、名無しリ仔撃ちさんとかモー娘。さんとかの優良レスが続いているのに厨房が遮るのは許せねえな。
>>112 >『宙返り』なんだけど、これはあなたの指摘どおりでしょう。
やっぱそうなのか。まだ読んでる途中なのだが・・・ヘコむね(笑
>『燃え上がる緑の木』にかんしては異論がある。
たしかに110を書いてから、「緑の木」にはまだ動的なうねりがあったかもと思い
直した。モー娘。さんは異論を述べられるかもしれないけど、サッチャンが教会に
対して違和感を抱き、最終的にそこから飛び出すところなんかは初期の大江を
髣髴とさせてわくわくしたし、他にも、ギー兄さんの治療を受けていた少年が結局死んで
しまうところとか、さらに様々なテクストの引用から教会の聖書(だっけ?)を
作るところなんかも面白い。しかし最後の「ギー兄さん」が石をぶつけられるところ
はねえ・・・。我々人類の全ての罪を背負って死んだイエスの物語という結末は
あまりに陳腐だといわざるを得ない。しかしこういうことを書きながらも、ひょっと
したらそこからの逸脱も書かれていたのに、単に読み落としただけかもしれないと不安
になってきた。
>オウム事件以前にこんな作品を書いた大江の想像力には敬服しますけど。
これはたしかにそうだね。大江は「フットボール」で、挫折した政治革命からの救いを
説き、それを今度は「緑の木」で宗教という形を執って復活させた。それが図らずも
今回のオウム事件を予告する形となった。作家の想像力が時代とリンクした極めて幸福な
瞬間であったと思う(オウムの事件自体はグロテスクで憤りを覚えるものだが)。
>>120 まあ春休みが終わるまで我慢しましょ。
「下降生活者」の中で主人公が、
自分は白人のふりをして成功しようとしている黒人のようなものだ、
みたいなことを考えるでしょ?あれ、そのままマイケル・ジャクソンだよね。
読んだ時びっくりしたよ。そしてワラタ。
>優良レス
そんなことはない。(藁
>>21様
つい最近、このスレの存在に気づきました。
「政治少年死す」ぜひ読んでみたいです。お手数ですが送って頂けるでしょうか。
126 :
吾輩は名無しである:2001/04/07(土) 10:24
ホンカツの大江に関する考察は珠玉。
あのメガネオヤジが醜い自尊心の塊に過ぎないブタという事実を暴露している。
日本語も読めない人間が賞を与えるノーベル文学賞のでたらめ、
また、そのくだらぬ賞にニヤける大江のエセ反権威者ぶり。
127 :
吾輩は名無しである :2001/04/07(土) 11:22
>>126 雑誌「スパ」に田中康夫が、大江がいかに外国大使館などに頻繁に出入りし、
狡猾に「運動」しまくっていたかを揶揄したエッセーを書いていた。
それは受賞直後のことで、文壇アウトローとしての田中の硬骨さをおれは見直した。
128 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/07(土) 13:30
129 :
吾輩は名無しである:2001/04/07(土) 15:14
大江に対する批判って、殆ど作者個人の人格攻撃に終始して、作品一つ一つ
についての具体的な批評がないんだよな。大江の知人ならともかく、ただの
読者の我々にとって、彼の人格などどうでもいいことなのだが。
130 :
吾輩は名無しである:2001/04/07(土) 19:19
131 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/08(日) 15:11
どこかに載ってた、大江の主義主張と人格への批判を
まるで自分が見てきたことのように攻撃するアホアホなんぞほっときましょ。
何を嫉妬してるんだろうね、実際。
東大卒、ノーベル賞がそんなに羨ましいのか。
権威に目が眩んでるのは君たちのほうじゃないのかね?
作品を読みなさい、作品を。
132 :
づえちゅ:2001/04/08(日) 22:29
でも大江健三郎の人格と作品,とりわけ初期作品は切り離せないものがあると思う。
死体が浮かんでいる側でぼくの専門はラシーヌです,と自己主張するような"劣等
感""田舎臭さ"こそが大江の真骨頂。それは欧米諸国の大使館に賞取り運動をかける
大江にそのまま重なる。
もちろんそういう"しょうもなさ"を素直に表現して衝撃を与えた嘉村磯多と大江は
まったく異質。嘉村の場合あくまでも自分の野心やコンプレックスは自分の内面心
理の問題だったのに,大江の場合はそれらは"もの"になってあふれ出しべたつきか
つ張り付く。その実在感=中世演劇で"悪"のような概念が登場人物として出てくる
ような意味での中世的実在論,こそが大江の驚嘆すべき個性だったのだ。
133 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/08(日) 23:27
>>132 はい、そうですよ。大江はとても性格が悪いです。
社会と関われないために肥大する劣等感、それに伴い増強される防衛本能。
世間に取り残されたくないからファッションと気分で政治に関わって顰蹙買って、
権威を否定しながらも実はすごい権威主義者。
でもそれがどうしたの?
128で「だから?」って書いたじゃない。
大江は初期作品であますところなく己の醜さを曝しているのに、
その作品を読んでいない人々が、彼を偽善者呼ばわりしているだけ。
それに、そういう大江だからこそ感情移入するし、プライベートがどんなにみっともなかろうが
関係なくその作品を好きだし。
逆に言えば、聖人君子の書いた文章には魅力を感じない。
自分の内にもあるしょうもなさ、みっともなさを共有できるからこそ
大江作品に惹かれるわけ。
134 :
吾輩は名無しである:2001/04/08(日) 23:33
大江の初期作品は大好きです。
でも、最近の作品は全く読みません。
今後も読むことはないでしょう。
一体何故なのかよく分かりませんが、最近の作品は体が受け付けません。
135 :
づえちゅ:2001/04/08(日) 23:44
>>133 うみゅ。
>>132は
>>133とほぼ同じ趣旨のことを言ってるつもりだったの
だが。
ちなみにこのスレッドにも少なからずあったように私も大江は初期作品が
断然いいと思う。
初期も後期も、み〜んな大江が独りで書いたのよ、
だからいいんじゃない。
多彩良し、多量良し、出来不出来良し。
大江がノーベル賞をとることは、三島も生前予告していたべ。
日本文学の本流にして世界的普遍性を持たないんなら、
少なくとも候補にものぼらんわな。
相変わらず問題作書いてるでない<「取り替え子」
良し悪しは別にして、問題作だよ、誰かまともに論じてくで。
137 :
吾輩は名無しである:2001/04/09(月) 01:08
人格云々はどうでもよいが、
差別表現や被差別者の頻出のために
初期短編が作者自身の手によって
削除された(選集から)のだとしたら、
それはちょっと違うと思うなあ。
実生活者としてのモラルを問うようなことはしないが
作家としてのモラルは問われて然るべきだと思う。
138 :
吾輩は名無しである :2001/04/09(月) 01:38
また131が怒りそうだけど、
大江って、澁澤のサド裁判の支援者として吉本隆明なんかとともに
名前連ねてたんだよね。
今思えば、ちょっと勘違いだなあ、と。
あきらかに澁澤氏の方向は違うでしょ、大江は。
139 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/09(月) 06:46
>>135 >
>>132は
>>133とほぼ同じ趣旨のことを言ってるつもり
133です、すびばせん。
褒めていたのか、てっきり攻撃だと思っていた。
被害者意識の強さは大江並み(笑)
『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』1ページ目でいきなり寝た。
読まれることを拒否しているとしか思えない。でもきっと読んでみせる。
140 :
吾輩は名無しである:2001/04/09(月) 07:10
大江の短編小説は、構成が少しだけ弱いと思う。
「セブンティーン」でも、トルコ風呂に行っていきなり、「天皇陛下!!」と叫ぶ様に、腹を抱えて笑ってしまったのは私だけでしょうか。それまでの伏線を張るのにがんばっていたのは認めるが。そのほかの小説についても同じことが言えるような気がする。
141 :
吾輩は名無しである:2001/04/09(月) 12:53
『万延元年のフットボール』は?
初期は確かに読みやすく、時代的な気分と同調していると思う。
が、結局この人の真骨頂は中期以降のどもりにあると思うんだけどな。
142 :
モー娘。らぶ。。。:2001/04/09(月) 15:56
久しぶりにこのスレをのぞいたんだけど、思ったことを少々。
まず大江の人格攻撃がちょっと見受けられるけど、おれも単なる読者だから人格は別にどうでもいいし(というかよく知らないし、ゴシップはヤスケンとかのを読んだことがあるけど)、基本的に作品と人格は切り離すべきだと思う。ただし、大江の場合、広い意味で「私小説」に入ると思うから、一旦作品と人格を切り離して作品を読んで、その上で人格(=現実)が作品(=虚構)にどう絡んでいるかを楽しむというのもありなのかな、とも思う。個人的な事柄が普遍性につながるというのが大江作品の一つのモチーフだから。
まあ、「私小説」とモデルの関係は大江スレというよりも別スレでやるべきだな。
どうでもいいけど、大江の作品における現実と虚構について『取り替え子』に即して渡部直巳がこの間の「早稲田文学」にぐちゃぐちゃと書いていたな。渡部らしく粘着なところがおもしろかった。
>>137 ずっと前の方のレスでも書いたけど、実はおれも大江の初期作品の差別表現とその隠蔽が気になっているんだ。大江の初期って差別を美学的に昇華してそこが惹きつけるということがあったからね。政治の美学化はファシズムだからって恥かしくて隠蔽するなんてちょっとやだな。ベンヤミンが政治の美学化に美学の政治化を対置したけど、過去の差別表現を気にしているなら、傑出した作家たる大江ならではの美学の政治化をしてほしいな(どういう手法でもいいから)。
143 :
吾輩は名無しである:2001/04/09(月) 16:57
>142 手法の是非が問われずに行われた美学の政治化が賞賛されるべきモノなら、
石原慎太郎も素晴らしいことになるな。
俺は大江の良さってのは美学や政治からこぼれる
あくまで文学的なモノだと思うけどね。
144 :
吾輩は名無しである:2001/04/09(月) 17:26
>>142 モー娘さんは「取替え子」はもう読んだの?どうだった。感想をちょっと書いてみて。
145 :
文学部教授:2001/04/10(火) 03:01
彼にとって小説とは、自己正当化の手段にすぎないのである。
146 :
長江古儀人:2001/04/10(火) 12:30
「取り替え子」の文中には自分の作品に対する批判の返答と
思われるような箇所が多々あったと思うのだが。
マスコミや芸能関係者への嫌悪が露骨に表現されていて驚いた。
大江作品は大江の周囲の人物をモデルとした虚構として読みたい。
考えて見れば、大江ほど周囲に「何かしら才能のある人間」に
囲まれた作家は居ない。
小説中に「一般人としての視点」が欠けているのも当然なことだろう。
「取り替え子」はどう一般化出来るだろうか?
”人は皆、生まれた時は「素晴らしい何か」であったのに、
外界の何者かによって「醜い別のモノ」に変えられてしまった”
ということか?
また”人は、人生のどこかで「本来」の「素晴らしい何か」であった
「自分」に戻してくれる「誰か」に出会う”ということか?
「取り替え子」のニュアンスは「穢れ」に近いのかな?
大江健三郎に傑作が書けるのなら、僕はノーベル賞を受賞出来ます。
148 :
実習生さん:2001/04/10(火) 16:38
大江って小説はともかく、エッセイとかはひどくて読めない。時代錯誤なことしか言ってないし、だいいち日本語がひどすぎる。小説にしても日本語がおかしいんじゃないかと思う
149 :
吾輩は名無しである:2001/04/10(火) 20:12
>148
大江の日本語がおかしいという指摘はある意味当を得ていると思う。
ただ、自分が理解できないモノを「ひどい」「おかしい」モノとして
排除する姿勢はファシズム的。
150 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/10(火) 20:44
>>147 じゃあ今すぐ書け、書いてみろ。
『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』読んでいる途中で
「ありゃ、この話はどっかで聞いたことがあるぞ」と思ったら
ペネロープ・マンダリンの死にざま、ちょっと前のアンビリバボーで
やってたんだわ。
ペネロープのモデルになった女優って誰だっけ? 教えて。
151 :
長江古儀人:2001/04/11(水) 12:22
>大江の日本語
あの文体は翻訳調。
あの文体だから大江作品には「味」があるのです。
大江作品中には多くの外国語(英語・仏語)が出て来ます。
多少の語学の知識が無いと作品を理解することは出来ないでしょう。
さらに海外経験がないと共感出来ないと思われる箇所があります。
152 :
吾輩は名無しである:2001/04/11(水) 12:37
>151
確かに。
「死者のおごり」という小説があるが、フランス語の「おごり」にあたる「フィエルテ」(綴り忘れた)には、「侵しがたい」という意味もある。
しかし、こういうことをやってしまう大江のありかたが、「小説家」としての正しい態度がどうかは、疑問であるが、私の考えでは、否定に一票入れる。読者を無視しているとしか思えない。
その難解さ気づいたからといって、それを優れた読み方とするのにも反対。
153 :
長江古儀人:2001/04/11(水) 13:57
>152
大江は意識的に読者を無視しているのではないかと
思われる節がある。
「取り替え子」の作品中に主人公の書く小説が
「この三十年ほども、読者のことを考えて主題と書き方を選んだ
形跡がない!」と批判される箇所があることからも推測される。
自分の作品に対する批判は全て承知しているようだ。
「フィネガンズ・ウェイク」や「不思議な国のアリス」のように
作者の「仕掛け」に気付いた人だけが、
ニンマリ笑うという作品を目指しているのかもしれない。
つまり「大衆化」とは対局にベクトルを向けていると考えられる。
肯定に一票入れる。
154 :
彼ハ七誌デアル:2001/04/11(水) 20:05
セクスage
>>140 >トルコ風呂に行っていきなり、「天皇陛下!!」と叫ぶ様
これは藁って正解でしょう。
大江作品は、こういう滑稽な要素が重要なんじゃないかと。
他の作品でも、藁えるところは多い。
『叫び声』の始めの方とか。
156 :
吾輩は名無しである:2001/04/11(水) 21:25
>>152 確かに理解できない層をあらかじめ排除する仕組みには薄い暴力を感じる。
しかし、他の多くの作家に比べて、自分の手法に極めて意識的なのも事実。
では、このファシズムも意識的に仕組まれたものなのか?
が、そこは否定したい気がする。
弱い意見だが、そこの所の判断で引き裂かれるところに大江的なモノが
詰まっていると思う。
157 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/11(水) 21:36
読者のことを考えて書く必要はないと思う。
第一、大江の場合、暗喩など知識的な部分よりも
感覚的な部分を共有できるか否か、が鍵ではないだろうか。
158 :
152:2001/04/12(木) 00:09
>153
>「大衆化」とは対極にベクトルを向けている
これには賛成します。大江は大衆小説の作家ではないのだから。
しかし、「純文学」=「難解」ではないと思います。狭い範囲のサークルから拍手喝采を得たところで、それは自己満足以外の何ものでもない。推理小説ではないのだから、難解な仕掛が賛美を受けるということはありえない。
「飼育」には、黒人兵とともに息子をナタで切る箇所があるが、これは子供を持つ親の立場として、正しいものであるのか? そのへんに疑問を感じるひとは多いはず。しかし、その対極をなす、「個人的な体験」は、私は大好きです。
大江の小説がたたかれるのは、たんに「難解」ということだけではないと、私は思う。読者を無視しているのは、とくに初期の作品は、文体だけではないと思う。
>156
意識的に仕組まれたものなのか?
あきらかに、意識的でしょう(笑)しかし、大江自身が、それをファシズムと自覚しているかどうか、これが一つの大江批判の分岐点になると思う。(て、繰り返しになっちゃったね 藁)
>157
>感覚的な部分を共有できるか否か
「読者のことを考えて書く必要はない」のなら、感覚的な部分を「共有」するのは、大きな痛手になると思うのだが・・・。
159 :
吾輩は名無しである:2001/04/12(木) 20:47
大江の難解さって「読めない」難解さと読めた後に残る難解さがあると思う。
読めない方は大江批判より先に読めないことに対してもう少し自覚的になる必要がある気がする。
別に知的ヒエラルキーを賞賛するわけではないが、読めない事に対する葛藤は
(それについて語ろうとするのなら)あってしかるべきだと思う。
160 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/12(木) 22:59
大江作品を「読めない」理由を推察
・悪文のあまり読む気がしない
・設定に入り込めない
・作者が何を言いたいのやら理解できない
「悪文である」というだけで毛嫌いし、読むことを放棄して批判する
というパターンが多そう。
ドストエフスキーだって相当の悪文らしいですがね。
161 :
吾輩は名無しである:2001/04/12(木) 23:24
>>152 なるほど、翻訳調というのはそういう意味か。勉強になった。
162 :
152:2001/04/12(木) 23:38
>161
それだけじゃないよ。
あきらかに翻訳されることを意識して文章を構成しているところもあるよ。
確か、井伏鱒二が大江の小説を絶賛して、川端は否定したと、どっかに書いてたのを読んだことがあるけど、英語の翻訳などをしたこともある井伏と、日本的な美を追求した川端のこの意見の対立は、大江文学を象徴的に語っていると思う。
160の意見には、ある程度賛成。読者を無視した結果が、そうなるんだろうね。
でも、ドストエフスキーも悪文なの?
私はロシア語ぜんぜんわかんないから、「罪と罰」(crime and panishment)は英語訳で読んだけど、それほど気にならなかったよ。
163 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/12(木) 23:55
>>162 ロシア語の通訳が言うてました。
「ドストエフスキーは、生活のために小説を量産していたので
推敲もせず書き飛ばしていたため、悪文で有名だった」
本当かどうかは知りません。
>あきらかに翻訳されることを意識して文章を構成
『叫び声』のレ・ザミの説明とかモロにそう。
フランス文学の翻訳を読んでいるようで、
仏文好きにとっては結構萌え系の文体だろうな。
美しい日本語にこだわる御仁には最悪だろうけど。
164 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/15(日) 06:46
こんなに下がって悲しいage
165 :
影千代:2001/04/15(日) 10:27
「他人の足」
166 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/15(日) 14:38
図書館で『人生の親戚』めくってみたら、大江の文章を推敲している人がいた。
1ページ目からいきなり、赤ペンでテニヲハや文節の順番を直してる。
いや、確かに直したくてムズムズするような悪文ではあるが…。
余りに直す箇所が多いためか、途中から赤ペンでなく鉛筆に替えているのが
せめてもの慎みと言えなくもないが、しかし
図書館の本に落書きするなよ!!
今後、こういう事態を未然に防ぐために「本にヨゴレがあったらただちに申し出る」
という制度を義務付けるべきだ。
167 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/15(日) 14:40
168 :
吾輩は名無しである:2001/04/16(月) 18:21
あげてみる
169 :
名無しさん@公演中:2001/04/17(火) 00:44
既出かもしれんけど、読者がスムーズに読み進めることに対して大いに抵抗を示すあの文体は、
大江も何かの作品の中で言及しているように完全に意図的なものであって、悪文とかいう問題ではない。
物語が勝手に転がり出すのを明らかにセーブしているし、テーマと物語と文体(語り口)との相関関係こそが
小説であって、それ以外ではない、と確信してるんだとオレは思う。
その要素のどれか一つでも作家の意図を外れて自己運動していくことは、少なくとも自分の書く作品として
許せないんじゃないか?
だから特に加速していく物理的感覚とか単純な観念に収斂していきがちな解り易さには極めて自覚的で禁欲的だったんだと思う。
170 :
吾輩は名無しである:2001/04/17(火) 00:54
>>169 言いたいことが分からなくもないが、説明の仕方が間違ってない?
大江健三郎は他の作家と比べて明晰で理知的な文章を書くほうだと思う。
反面、説明的になりすぎてまどろっこしいところもあるが。
作家の意図をはずれて、書き物が単純な分かりやすさに向かって
転がり落ちていく自己運動とやらはむしろ肯定的に評価するべき
ものだと思うよ。ただその「分かりやすさ」っていうのがクセもの
なんだけどね...
171 :
吾輩は名無しである:2001/04/18(水) 19:53
>170 うんと、どちらかと言えば169に賛成です。
その三者間に引きつけられて、ぽっかりと浮かんだ
小島のようなものを小説と呼びたい。
単純なわかりやすさに転がり落ちていく自己運動を
肯定する根拠を教えて欲しい。
172 :
名無しり仔撃ち:2001/04/18(水) 23:26
>>169同意。
『万延元年のフットボール』以降、
ナラティヴ(語り方)の問題と格闘してきた大江は、
むしろ意識的にあの文体を作り出したのであって、
あの文体じゃなきゃ表現できないわけでは決してないんだと思う。
大江も、小説とは何を書くか、ではなく、いかに書くか、であると言っている。
そうすることがまさに、文学者の仕事だと思う。
「分かりやすさ」を、その額面どおりに肯定するのは、
エンターテインメント作家の仕事なのではないだろうか。
173 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/19(木) 20:24
『キルプの軍団』『治療塔』は文庫化されてますか?
174 :
モー娘。らぶ。。。最近は加護が気になる:2001/04/20(金) 12:51
久しぶりに来たらたくさんレスがついてるな。
え〜と、いっぱい書きたいことがあるんだけど、とりあえず大江のナラティブについて。
ところで、大江のナラティブが話題になっているようだけど、
>>169さんがいうとおり、もちろん意図的でしょう。
大江は題材としてはわりとわかりやすい物語(単純といってもいいかもしれないな)を選ぶ傾向にあるけれども、あのナラティブを選択することによって結果として物語(ロマンス)の重力から逃れていると思う。
あ、逃れていないのもあるけど(w
しかし、こうして見てみると大江って小説家なんだよな。それもかなり意図して小説家になろうとしたんだよな。日本には物語作家は多くても小説家は少ないからね。
175 :
吾輩は名無しである:2001/04/20(金) 14:17
↑ なんだか高尚なお言葉に、無知な私はチンプンカンプン。
高レベルの会話についていけないお馬鹿な小生にご教授を願います。
物語作家と小説家の決定的な違いとは、簡潔に言ってなんなのでしょうか。
たとえば"思想の有無"などと換言しても構わぬのですか?
176 :
吾輩は名無しである:2001/04/20(金) 17:07
頭がいいことを自慢したいだけなんだろ。おれはこれだけ知っているっていうことをいいたいだけなんだろうな。
大江と同じだよ。難しいことばかり逝って悦に入っているだけ。こんな奴ら無視するに限る。
よって、このスレは終了〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
177 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/20(金) 18:59
>頭がいいことを自慢したいだけなんだろ。
なぜそう思うかな〜。こういうこと言う人は、何を読んでも
「俺、バカにされてる」って思うんだろうね。
素直に「学ぶ姿勢」で読めばいいのに。
で、学ぶ価値がないと思えば無視すればいいし。
無視できないってことは自分にひどく劣等感持ってるんじゃない?
178 :
吾輩は名無しである:2001/04/20(金) 19:11
大江の小説なんてつまんない。
ムダに時間を費やすだけですよ。>1
>177
難しいことばかり逝ってるんじゃねえよ。
>174
おい、モーオタ! おまえには前からむかついていたんだよ。うぜえよ、こら。モー板に帰れよ。ゴルァ。
179 :
吾輩は名無しである:2001/04/20(金) 21:24
>>173 岩波同時代ライブラリーから出てましたね。
「文学部唯野教授」が同叢書から、現代文庫に再録されましたから、
これらの作品も再刊行されるのかも知れません。
180 :
169:2001/04/20(金) 21:37
>>174 もう少し先に進みたいんだけどね。
物語の重力(引力でもいいが)ってのはやっぱりある。
そこから逃れたい衝動もある。
元々物語=定型が持っていた力とか効用が陳腐化して
全然有効に機能しなくなったってところから現代の小説は始まったわけでしょ?
今だに魅力的ならそれをハズス必要もあんまりないわけで。
ひとつの試みとして物語とかロマンとか(あなたの言うロマンスってロマンというのが正しいと思うよ)
を開き直って復権させることに成功したりすれば、それはそれで感動的であるし。
実際そういう試みが少なすぎるという気はする。それがないために反発力も惹起されない。
双方中途半端にならざるを得ないってとこが問題じゃないか。
もちろんそれが困難っていうのはわかるが、大江までがすべてを相対化したシニカルな作家であらざるを得ないとしたら
どこに表現の遠近法が成立するのか?
181 :
23:2001/04/20(金) 22:15
大江にナラティブって言葉使うの今一つぴんとこないんだよね。
大江の言葉って紙の上に固定された静的な言葉って気がする。
表現の遠近法が成立するとしたらそれこそナラティブの方向にあるんじゃない?
182 :
名無し・父:2001/04/21(土) 21:58
長篇で面白かったのは、
『ピンチランナー調書』
リー、リー、リー、リー、リー、リー、リー、リー、リー、リー・・・・・・・・
183 :
吾輩は名無しである:2001/04/22(日) 02:44
初期は傑作の森。
「個人的な体験」以降は読む価値なし。
184 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/22(日) 07:13
>>179 そっか、現在は入手しづらいということね?
再文庫化を待つことにしよう。どうもありがとう。
『人生の親戚』は障害児2人の自殺の場面に泣けた。
大江がかつて自分の分身として描いてきたエキセントリックな若者と健気な弟
(この場合、道夫くんが若者でムーサンが弟タイプに当るけど)
を、そのまま自分の息子世代に投影しているんだなと思った。
主人公である筈のまり恵さんについては全然興味ないんだけど…。
185 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2001/04/22(日) 21:49
本多勝一 「大江健三郎の人生」
〜しかしながら、「侵略された側の敵」としての大江氏の正体に、なぜ多くの進
歩的日本人たちが気づかぬのでしょうか。これには彼のヒロシマや沖縄とのかかわ
りに、みごとだまされているからにほかなりません。
すでに「大江健三郎の人生」で述べたとおり、彼は「反核声明」には熱中して
(しかし自分ではなにもしない)も「反原発」には熱中せず、「ヒロシマ」「沖縄」
には熱中しても「南京」「従軍慰安婦」「フィリピン」等には熱中しません。そんな
ことをすれば文春や新潮社の意向の枠からはみだしてしまうからです。
186 :
一番星:2001/04/23(月) 00:52
>182,おれもうけた!
りー、りー、りー、りー!
もう最高!!!
187 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 04:10
僕はちゃんと勉強したわけではないので、専門用語等は
分かりませんが、よく初期の作品のほうが良かったという意見
を聞きます、その理由は何でしょうか?初期の作品郡って
書き逃げな感じがしませんか?まあなんていうかちょっとした詩的な感じ
がしなくともないですが。
マルカム・ラウリーの作品って絶版ですか?
ちなみに英語だめです。
188 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 09:31
大江は反日作家。
おまえらだまされるなよ。
189 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 10:24
このスレって大江スレにしては優良レスが続いているけど、ところどころ荒れていますね(藁。
ほどよい感じで荒れているというか。
ところで、おれも初期の作品はけっこう好きだけど、書き逃げ的なところが気になります。論理ではなく詩的な感じというかイメージで語ってしまうようなところがありますから。
『飼育』の黒人差別的表現とか『性的人間』『セブンティーン』の右翼ホモセクシャル差別的表現とかはそれが前面に出てきているような気がします。
190 :
一番星:2001/04/23(月) 12:20
論理でなく、詩的なイメージで書いてるところがいい!
若者の心をつかむのに成功したのはそこに拠るところが
大きいのでは?
191 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 12:25
大江ほど世界の真実と遠い作家もいないだろうな(藁
192 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 12:37
>>190 詩的イメージで書いてるところは正直あまり
感心しませんね。天皇制を見ているようで。。
大江はやっぱり中期以降という気がします。
193 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/23(月) 13:02
>>192 横入り失礼します。
> 詩的イメージで書いてるところは正直あまり
>感心しませんね。天皇制を見ているようで。。
どういう意味で「天皇制」のように感じるのでしょうか?
>>190 激しく同意。すべての事象を自己の内部に取り込み
自分なりの解釈で書き切ってしまう、あの思い切りというか思い込み。
だからこそ若者の共感を得たのでしょう。
感心できたものではありませんが、それが大江なのです。
194 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 15:28
>193 単純に、論理的な構造を持たずに、気分的な同調を
求めるその曖昧さにです。また、彼の初期作品に詩的という
言葉を使うのには疑問を感じます。詩的象徴作用よりも寓話的な
薄い暴力に包まれていると思います。
195 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/23(月) 17:33
>>194 >気分的な同調を求めるその曖昧さ
そこが10代〜20代の青年のツボだったのでしょう。
この年代の若者が「人を殺したい」と衝動を持つことに論理的な理由などありません。
大江の文章は、それゆえに読み手の曖昧な焦燥感と理由なき暴力性にシンクロするのです。
「詩的な面と、寓話性の両面を備えている」から惹かれるのでしょう。
それでいいのでは?
196 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 18:05
大江を読む奴は馬鹿。ある程度の判断力を持つ人間にとっては常識です。
普遍的なものなど何も含まれていません。
死後は読む人はいなくなるでしょう。
いくら馬鹿な君達でも、30年もたてば、
認めざるおえないでしょう。ああ、時間がもったいない。
197 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 18:20
>>195 それって無条件に肯定されちゃって良いことなの?
頼むから文学は悪を許容しなくてはならないなんて
筒井みたいなこと言わないでね。
198 :
名無しさんの主張:2001/04/23(月) 18:24
大江なんて難解な観念小説を書いて悦んでいるアホ。大衆への影響はまったくない。
ははははは。
199 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/23(月) 18:43
>>196 自殺しなかったら人気が出なかった人よりはマシかな。
>>198 >大江なんて難解な観念小説を書いて悦んでいるアホ。
え、難解なんですか? 驚いた。
それはあなたが理解できないアホってことですね。
>>197 >それって無条件に肯定されちゃって良いことなの?
肯定なんぞしてませんがな。「だから共感する」と言ってるだけ。
>文学は悪を許容しなくてはならない
そんなことを筒井が言ったの? あはははははは。
200 :
187:2001/04/23(月) 19:51
大江健三郎って昔は若者に人気だったんですか、
僕は最初の頃のってなんの解決もしないまま終わってる感じがして
ストーリー自体は妄想入ってて面白いのもあるとは思いますが
好きではないです。
やっぱり「万延元年の〜」以降のほうが問題を解決させる方向で
書いてる気がして、そういうところが気になって読んでいったんです。
たしかに大衆への影響まったくなしですね、政治的な感じなんてしないし
僕のまわりでも知ってるひといないです。
だから大江健三郎批判するぐらいならやくざでも批判すればいいのにと
思いますね。
201 :
モー娘。らぶ。。。:2001/04/24(火) 19:14
>>180 >あなたの言うロマンスってロマンというのが正しいと思うよ
そうですね。
>どこに表現の遠近法が成立するのか?
おれも181さんと同じように、これはやはり語り方(ナラティブ、叙述法)だと思うんだけど。
>>185-
>>188 ホンカツと右翼の大江批判で一つ共通することがあるよね。曰く、大江は日本語がおかしい、大江は反日作家と。おれは大江のそういう部分こそ肯定したい。ドゥルーズに倣えば大江は日本語をどもることでマイナーな作家になっているからね。大江は日本を代表する作家ではあるけれども、正しく「反日作家」でもあるんだよな。近代小説はナショナリズムとおおいに関係があるんだけど、大江はどもることによって、あの読みづらい文体によって、ナショナリズムから逃れようとして、実際逃れることに何度か成功した稀有な作家なんだよ。
ということで、ホンカツマニアとか右翼とかは以降ヘンテコな中傷はしないようにね。
202 :
吾輩は名無しである:2001/04/24(火) 19:52
>201
いや、何か蒸し返すみたいで悪いんだけどさ、本勝・右翼的なものを
惹きつけちゃう弱さ(かな?)は大江の作品に溢れかえってるよ。
個人的には、彼らは裏声と本音の区別が付かないーもしくは
作品人物の心情吐露をそのまま作者の真意と無邪気に信仰してるーつまりは
稚拙なんだけど。。しかし、それでも、大江作品の核心の一部を突いてると思うよ。
まぁ、それは大江の空気感に共感するとすんなり言えてしまう
「若者」についても言えることだけどね。。
203 :
吾輩は名無しである:2001/04/24(火) 22:00
大江は意図的に、
叙情×ロジック
真意×仮構された嘘
共感の対象×反発の対象
……
といったものを混在させて、ときには見分けのつかないようなやり方で
(入れ替えてみたりする場合もあったかも)
配置させてると思う。
それがシンプルな解釈を拒んで作品世界に奥行きと広がりを与えているんでは?
上っ面に示されたものを作品の意図だなんて受け取るほど、
われわれはおめでたくも幸せ一杯でもないだろうに。
204 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/25(水) 13:12
>>202 >大江の空気感に共感するとすんなり言えてしまう
「共感」というのともまた、違うけどね。これは初期作品に限ったことだけど。
大江作品を読んだ時ほど、自分の「図星を指された」経験はない、
だから大江はすごいのさ、ってとこかな。
でも『叫び声』や『セヴンティーン』の作中に大江の本音が吐瀉されていた
ことは疑いようもないでしょう。
別に「神様、大江様」って妄信してるわけじゃないから心配しなさんな。
大江が生きていく過程の中で、もがいて見せている姿を
「苦しんでんなあ、よし俺も頑張ろうかな」という思いで眺めてるってとこ。
205 :
彼ハ七誌デアル:2001/04/26(木) 01:07
結局のところ、Oエ犬三郎は結婚するまで童貞だったってことで・・・
ーーーーーーーー終了ーーーーーーーーーーーーーーー
206 :
吾輩は名無しである:2001/04/26(木) 01:33
>>204 同意! 大江本人が意図するとしないとに関わらず、常に
時代性をもった作家であることは間違いない。そして
それこそが、日本文学の中で本流であることの証でもある。
ホンモノは常に、結果的に「時代」を体現している。
それが同時代の読者に「図星を指された」感じを与える。
最新作『取り替え子』も、時代を色濃く反映している問題作、
けっして秀作とは言わんけども。
207 :
名無しり仔撃ち:2001/04/27(金) 01:46
「すばる」3月号で、
これからかなりの数の短篇を書くって言ってた。
楽しみだねえ。「大きな本をつくる」ってよ。
208 :
吾輩は名無しである:2001/04/27(金) 03:08
大江の最高傑作は、
「芽むしり子打ち」
に決まってるだろうが!
あと「セブンティーン」もいいな。
「送れてきた青年」とか
「見る前に飛べ」
とかいうのも、題名からして、詩人だ。
大江の偉大な才能を貧弱な今の日本文学青年に
受け継いでもらいたいものだ。
大江の自虐史観しか受け継がないあほ共へ。
209 :
名無しさんは故郷をめざす:2001/04/27(金) 08:56
タイトルの字が全部違うよー。
「芽むしり仔撃ち」
「セヴンティーン」
「遅れてきた青年」
「見る前に跳べ」
どっちでもいいけど。
210 :
実習生さん:2001/04/27(金) 14:55
>>1
死者のチンポコ
かな、俺としては。
211 :
吾輩は名無しである:2001/04/28(土) 13:07
大江の最も優れた点の一つは、
一見いろんなヒトに突っ込みを入れられざるをえないような
反動的にも見える危ういスタンスに立ってるような
設定・叙述をするところであるが、それは他でもなく、
自分も嫌らしい部分を持ち合わせているという自覚から始まっていて、
屈折した自己批評の方法を作品の内部に含んでいる、
と見るべきであると思うのだが。
212 :
吾輩は名無しである:2001/04/28(土) 15:30
大江健三郎の初期作品は評価が高いことはわかった。
でも今はつまんないんだろ?なんでつまらなくなったのか
分析できる人はいないのか?
213 :
吾輩は名無しである:2001/04/28(土) 15:36
214 :
187:2001/04/28(土) 17:55
215 :
吾輩は名無しである:2001/04/28(土) 18:39
>>211 あぁ、個人的な体験とかピンチランナー調書とか
もろそんな感じね。たださぁ、その2作に関しては着地点が
どうにも気にくわないんだよなぁ。
216 :
吾輩は名無しである:2001/04/28(土) 20:56
「セヴンティーン」ってのは作家と主人公が見事に距離をおいた点で画期的だ。
しかも批評的な距離を保ったまま感動的なカタルシスを提示し得ている点で、
他に類を見ない地平を見せていると思う。
>>212 作家自身が若い時に若い世代にウケル作品を書くのは当たり前で、
歳をとっても同時代の若い世代と問題意識を共有するのはムリがある。
歳とれば(君もそうだと思うが)大抵のことはどうでもよくなってきて
書くべきことは自分の興味の範囲に限定されてくると思うのだが。
時代精神とか性的なこととか興味の範疇から外れてくるんじゃないかね?
217 :
一番星:2001/04/29(日) 00:22
>212、若者を刺激する現代社会における
行動と冒険の可能性について書かなくなったからです!
ひかると詩人の引用ばかりで時代を突破する小説を
書かなくなった。
218 :
一番星:2001/04/29(日) 00:24
>212、若者を刺激する現代社会における
行動と冒険の可能性について書かなくなったからです!
ひかると詩人の引用ばかりで時代を突破する小説を
書かなくなった。
219 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 00:48
沢木耕太郎がこんなことかいてます!以下引用。
たとえば、大江にとって、その文学的出発における主題は
脱出だった。青年を取りこめ、皮膚にねっとりと絡みつく
かのような状況からの脱出であった。しかし脱出の刻はついに
訪れず、けだるい喪失感のなかでますます自虐的ならざるおえない。
大江の才能はまず、脱出すべき状況設定の見事さに発揮されていた。
そして、それは私的な状況に公的なものが重ねあわされた、まさに
状況だったのである。だからこそ、大江が脱出への願望をこめた歌
を歌う時、それが同時に時代の歌になっていた。時代の、青年の
歌になっていたのだ。だが、現代において状況からの脱出は、主題
たりえなくなった。状況は、青年を取りこめるより、解き放ち
無限に拡散させようとしている。このような時代に青年を巡る
文学的主題は逆転した。状況からの脱出ではなく、拡散からつなぎ
とめてくれる何物かへの執着こそ、主要な関心事になった。
以上!この意見はどう思いますか?
220 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 01:14
主題論としてはアリかもね。
しかし、大江論としては読めてませんとしか言えないです。
221 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 01:55
>>219 その沢木耕太郎の物言いは、なんか他人事みたいね。
あんたはどうなの?って感じ。
脱出だろうが執着だろうが、その時点での身振りはどうにでも変わるがな。
そういう意味でのテーマの選択なんかカタチの違いだけ。
そんなこと言うならあんたはどう生きてんだ? 大江に教わって生きてんのか?
文学のテーマを自分らの生き方に重ね合わせて有難がってた時代のオメデタイ御言葉。
それじゃ、大江が可哀相すぎるってもんだろう。
222 :
187:2001/04/29(日) 02:10
>>219 難しいことはよくわかりませんが、初期の作品が
自分の状況を書いたのではなく。(全くないとは思いませんが)
そういう青年を想像して書いていたのだとしたらどうでしょうか?
あと、その人の意見なんですが、下から4行目"状況は〜"からの
部分って最近の作品はそんな感じも入ってるように思うんですが。
批判してるのかな
223 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 10:31
>>221 気持ちは痛いほど良くわかる。だけど、最近思うんだけど、
日本文学が実人生から身を離したのは果たして有効だったのかなぁってこと。
テクスト論がつまらないとか無意味とか言うんじゃなく、それはそれで
きっちりと続けていくべきと思うんだけど、愚鈍さも時には必要なんじゃないかと
思い始めています。
224 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 14:01
>221,君の意見は現代の個人主義路線の影響をもろに
受けてます!文学の最も偉大なところは他人と社会への
影響力です!どこまで時代を捉えることができ、
どこまで他人の人生を変えることができるか、そして
時代と社会にあるひとつの方向性を提示できるか、にかかってます。
文学は全体的なものだし、個人というレベルを超えていかなけ
ればならない物だと思います。、
225 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 14:24
>>224 うーむ、時代がかってますなぁ。
そんな風に断定できるあなたの立ち位置を教えて欲しい。
226 :
吾輩は名無しである:2001/04/29(日) 23:31
サルトルがかつて文学とは何かのなかで似たことを
いってたね!>224
227 :
モー娘。らぶ。。。:2001/05/01(火) 20:07
>>223 おれもたまにそう思うときがある(藁
>>224 たぶんその認識は19世紀の(せいぜい20世紀前半の)文学観だと思うんだけど。ちょっとロマン派がかってるし。
それに、大江はむしろ個人的な出来事を突き詰めていくことによって普遍性を得るという作家だと思うし。
228 :
モー娘。らぶ。。。:2001/05/01(火) 20:20
ところで
>>1はもうなんか読んだのかな?
読んだのならなんか書いてほしいな。
229 :
吾輩は名無しである:2001/05/01(火) 20:26
>>219 要するに、初期大江作品に見られる脱出願望の文学的挫折を
批判的に継承したのは自分で、その昇華こそが「深夜特急」
である、と言いたいのかな?
230 :
吾輩は名無しである:2001/05/01(火) 23:38
ところでみなさん大江健三郎の同系統(べつに同系統でなくてもいいですけど)の作家で誰(またはどの本)が好きですか?
大江健三郎の本を読んだことのない人の参考になると思いますが。
ちなみに僕はドストエフスキー(こっちの方が先でしたけど)とか
あとは作品の中ででてきた作家などからどんどんリンクしていった感じです。
231 :
吾輩は名無しである:2001/05/02(水) 00:14
中期以降の作品には、中上健次との作品に
共謀とも捉えられそうなあからさまな類似があります。
大江の森と中上の路地の親和性は注意に値すると思います。
232 :
吾輩は名無しである:2001/05/02(水) 00:16
中期以降の作品には、中上健次との作品に
共謀とも捉えられそうなあからさまな類似があります。
大江の森と中上の路地の親和性は注意に値すると思います。
233 :
吾輩は名無しである:2001/05/02(水) 00:24
大江とドストエフスキーって内容でどこが似てるんですか?
おれはぜんぜん似てるとは思わないけど!
234 :
吾輩は名無しである:2001/05/02(水) 00:37
大江以降の現在中年以上(あるいは物故者)の作家で、
大江の影響を受けてない人はあまりいないように思う。
作風にあからさまに出てなくても、意識は常にしてきたんじゃないか?
っつーか、オレがそうでない作家を認めてないだけか、
大江以上の作家を知らないだけなのかも。
235 :
152:2001/05/02(水) 01:28
ひさびさ登場。
ちょっと話は変わるかもしれないけど、今日、ひさびさに「死者のおごり」と「芽むしり」を読み直してみたので、その感想など。
「死者」について今回思ったことは、死体の造形が非常に曖昧だね。あれだけで読者にわけれってのは無理なハナシ。つまり構造上、欠陥があると言えるかもしれない。もちろん、外国語に訳した場合は違うんだろうけどね。悪い意味で、サルトルを脱しきれてない。
「芽むしり」は、とても楽しく読めたんだけど、最後の終わり方が気に入らない。でも、やっぱり、大江の小説家としてのスタイルとしては、ああ書かなくてはいけないんだろうなぁ。
でも、そこに至るまでの、新鮮な感情の流出はスゴイと思うし、なぜか有島の「生まれ出ずる悩み」のような、自分と違う形のものに出会って、それを美しく描いたような感じがした。
まちがえた。すまん。
上から6行目
「わけれ」→「わかれ」
逝ってきます。
237 :
吾輩は名無しである:2001/05/02(水) 07:47
「芽むしり」の最後の部分は非常に好きです。
希望が何一つ残ってないゆえの明瞭さがあるから、全体の完成度も
高く感じる。もちろんそこに至るまでの描写あっての話だけど。
「性的人間」の終わり方も似てるけど、これにはまだ少年の理想を
代理するというテーマ性があった。大江は理想的観念をもった人間の行動に
物語全体を導かせることで、定型から外れつつも破綻を防いでいるのかな。
238 :
230:2001/05/02(水) 20:26
>>233 かなり大雑把にいうと
罪と罰とか偉大なる罪人の生涯、とか言ってる事と
罪のゆるしとかって言ってる事が同じだと思うんですが。
なんかまったく説明になってないですね、
あと映画で(原作読んでないのですが大江健三郎以降
の作家なぜだか読んだ事ないです)
ゴールデンボーイが「僕が本当に若かったころ」
と似てると思います。
239 :
吾輩は名無しである:2001/05/03(木) 00:26
ちょっと脇に逸れるが、
大島渚の「儀式」は「万延元年のフットボール」に似たところがある。
240 :
名無しさん@公演中:2001/05/04(金) 22:21
「万延元年のフットボール」人気あるけど
どこがどうイイのか語っていただきたい。
241 :
吾輩は名無しである:2001/05/04(金) 23:35
バフチンの言う「ポリフォニー」でしょう。
それを日本語でやると、イエーツがどうたらダンテがこうたら
になる。
242 :
吾輩は名無しである:2001/05/15(火) 00:36
あげげ
>>237 うん、あれは幸福なる(少年)時代の終焉をあらわしてるのかと>めむしり
って、最初は「何だかとってつけたようなオチだな」と思ってたんですが。
244 :
FROM名無しさan:2001/05/16(水) 10:43
「飼育」ってどうなんですか。ざっと見たけど載ってなかったようなんで。芥川賞
作でしたよね?
245 :
いーよー:2001/05/16(水) 23:12
「飼育」いいですよねー。私は初期の方が好きでしたね。
大江が原文で読めるというだけでも日本人に生まれて良かったと
マジに思った頃もありました(*^_^*)。
遅さの魅力。彼の濃密で不透明な文章に一番似つかわしいと
思ったのは「同時代ゲーム」の森の深さです。
いいスレッドですね。むきになって彼を否定しようとしている人達が
完全に頭悪そうに見えます。
246 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 20:58
最近のはぜんぜん読めないな、僕は。雨の木って言うんでなんだか素敵な奥深い
イメージがあるのかと思って読もうとしたら、2ページで挫折しました。
まあ、一般大衆が読むような小説じゃないよと言われれば、それまでだが。
文化勲章はけってノーベル賞はもらうって感覚もわかりませんね。
ノーベル文学賞の受賞者の顔ぶれを見れば、かなりどきゅんな賞であることは
文学をやっている人であれば、常識なのにな。素直に文化勲章ももらってくれて
いれば、こんなことは言わないんだが。
247 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 21:50
>>246 ノーベル文学賞でドキュンて誰を指して云ってるの?
どこの常識?
248 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 21:58
249 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 22:05
その割りには辞退した奴あんまりいないな。
サルトルぐらい?
250 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 22:08
だけど後から賞金は請求したとか
251 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 22:27
いっそのこと2ちゃん文学賞でも立ち上げる?
252 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 22:40
ノーベル賞って根回しや情実、あとは持ちまわりで決まってるみたいな
ところがあるよね。井上靖の取り巻きなんかはかなり動いたらしいよね。
でもこいつはハズシタゼー、というのは例えば誰?
253 :
テキサス:2001/05/18(金) 01:37
万延元年のフットボールは本当にすばらしい!!!
何度読み返しても新鮮な発見がある。この作品が
前期大江の集大成ではないか?
254 :
吾輩は名無しである:2001/05/18(金) 03:07
金がもらえるからっていってたんでしょ。
知ってもらえるとか。
あと、再読ってしたことないなあ、さすがに話知ってるとつらいです。
255 :
吾輩:2001/05/26(土) 01:28
大江も結構読んだけど、レインつり、もうひとりの和泉式部が生まれた日とか好き
めむしり公地は23で書いたとわかりショックだった
万延元年は何がいいのかわからんかった
同時代ゲーム、懐かしい都市、ピンチランナーはついていけず投げ出した
コヴァ秀雄が同時代ゲームを10ページで投げ出したと言う話を読み、そうだそうだと我が意を得たと思った
やっぱおれは開港剣の方がはるかに好きだな
青い月曜日とか最高
256 :
吾輩は名無しである:2001/05/26(土) 02:00
フランスで
最初にノーベル文学賞を受賞したのは、
ミストラルです。
今では、仏文科の学生・大学院生でも、誰も読まない。
フランス人でさえ、読んだ人なんて、めったにいない。
257 :
吾輩は名無しである:2001/05/26(土) 02:02
「空の怪物アグイー」も良いよ…
258 :
吾輩は名無しである:2001/05/26(土) 02:03
>>256 その風流な名前の人は面白いですか?
日本語で読めるなら読んでみたいのですが。
>>255 同時代ゲーム最後まで読んでみ?
我慢して。
すごいよ!ものすごいよ!損はさせないよ!
260 :
新しい人:2001/05/26(土) 23:59
同時代ゲームかぁ、大江自身この小説で多くの読者を失ったと言ってるよね
これ読んだのもうだいぶ前だけど、なんとも言えない読後感を味わったの覚えてる
熱にうなされているような文体、混沌とした物語群、
その幕開けとして、あの書き出しは素晴らしいと思うしかない
261 :
吾輩は名無しである:2001/05/27(日) 03:00
あのぉ、ちょっとずっと思ってたんすけどぉ。
大江にはまった人って他の作家のどういう作品で満足するのかな?
オレはずーっと今だにダメなんだよね。日本の作家では。
262 :
通りすがり:2001/05/27(日) 16:24
目取真俊(めどるま・しゅん)の『魂込め(まぶいぐみ)』
263 :
吾輩は名無しである:2001/05/28(月) 02:43
小説とかエッセイの中でも日本の作家の名前でてくるし
そこで読んでみたのとかもある。
安部公房とか大岡昇平とか
264 :
吾輩は名無しである:2001/05/28(月) 03:18
人間の羊という短編がもうキティチックで大好きです。
初期の文庫本のなかに入っていたと思いますが、
どなたかこの作品が好きな方いらっしゃいますか??
265 :
元祖ポスドク:2001/05/28(月) 07:40
>>261 激しく同意。
大江に嵌まってから日本のどの作家の作品も読む気がしない。
266 :
モー娘。らぶ。。。:2001/05/28(月) 15:22
>>261 おれも大江にはまったけど、別に(日本の)他の作家の作品でも満足しているよ。
戦後の日本の作家に限っても、後藤明生とか古井由吉とかは大江に並ぶくらいおもしろいよ。
あとはやっぱり中上かな。
>>261さんと
>>265さんが中上を未読ならば是非お薦めします。
まあ、(日本の)作家にこだわらなくてもいいと思うけど。
267 :
吾輩は名無しである:2001/05/28(月) 20:30
なんか読むとすごーく鬱になるんですが。この人の作品。
268 :
吾輩は名無しである:2001/05/28(月) 20:48
>>266 おっ、久々登場だね。しかもあっさりしているな。もっと濃いスレおくれ。
>>267 じゃあ、読むな!とはいわない。鬱になるばかりじゃないだろう。そんなあなたには『懐かしい年への手紙』を薦めたい。
269 :
吾輩は名無しである:2001/05/29(火) 22:14
もちろん中上も古井由吉もいいと思いますが、
桐山襲ってどうですか?
松下竜一なんかもそうですが、大江が高い評価してましたね。
まぁそういうのと関係なく、私はすごく好きでした。
寡作で若く死んじゃいましたが。
イデオロギー抜きにしても、乾いた叙情と神話性を帯びた
上質のロジカルさを持っためずらしい作家だと思いました。
270 :
267:2001/05/29(火) 22:58
>>268 あ、そういえば個人的な体験は感動したっけ。スマソ。昔のことで忘れてた.。
つーか結局結構読んでんだけどね。
271 :
吾輩は名無しである:2001/05/29(火) 23:25
私も「飼育」好きでした(黒人兵と少年のやつでしたよね)。
周り外人だらけの(あたりまえ)カナダ留学中に読んで、
なんか異様なショックを受けた。
272 :
吾輩は名無しである:2001/06/05(火) 00:43
アゲゲ
「万延」から「洪水」にかけての、
キティ大量出演作品がいい。
って、初心者いないみたいだから意味ないか。
このスレのタイトルに立ち返ってみると、
相当レベルの高い議論が交わされておりますな。
来たれ、大江初心者よ。
今後の指針にしたまえ。
274 :
実習生さん:2001/06/05(火) 08:36
このスレってつくづく文学板の良心だよね。
レスつくの遅いんですけどこの板では普通なんですか?
276 :
名無しり仔撃ち:2001/06/06(水) 18:53
いきなり思い出したんだが、
文芸文庫版『万延元年のフットボール』の
加藤典洋の解説、どうにかならないもんだろうか。
なぜだか『日常生活の冒険』から離れられないらしい。
読者はそんな加藤に興味などないのだ。
『万延』の解説をしろ。
277 :
吾輩は名無しである:2001/06/09(土) 02:47
あげておこう
278 :
吾輩は名無しである:2001/06/10(日) 15:49
同時代あげ
読むのに時間かかるぅ!
279 :
吾輩は名無しである :2001/06/11(月) 02:18
>>278 それ読んでたらM/T1日で読めました。
280 :
名無しさんの主張:2001/06/15(金) 02:17
age
281 :
健太郎:2001/06/16(土) 03:21
ようやく『政治少年死す』を読むことができた。
『セブンティーン』好きの俺には、かなり満足のいく作品だった。
あと、『叫び声』とか好きだな。
282 :
吾輩は名無しである:2001/06/16(土) 20:28
スレの前のほうで指摘されてた、大江の圧倒的な停滞。
歳とってくるとあれに感応するようになってきた。
物語の展開ってナンボのもんじゃいってな気にもなる。
一つところに留まってうだうだ描写を重ね理屈をこねくり
グルグルやってるような感覚が今オレはたまらなく好きだ。
283 :
吾輩は名無しである:2001/06/16(土) 21:57
ここでずーっと前にやってた
「物語」の逸脱だとか表現の遠近法の話に興味がある。
要するに今の世の中では”ロマン”にもう魅力が無いんだな?
で、ロマンという枠組みを設定しつつも、
”小説”であることが好ましいというんだな?
で、誰かが大江みたいな「小説家」は日本では珍しい言うてたけど、
それはどういう意味?答えてなかったぞ。
気になるんだ、それが。
初期作品群ははたしかに面白かった。
でも『個人的な体験』は愚作だとおもう。
障害を持った赤子を心配しつつも、セクフレ女との情交に勤しみ、
挙句その女とアナルセックスして「俺は悪魔みたいな奴だァ」
と思うだけの小説に、一体どれだけの感動があったか?
とってつけたようなオチに何のカタルシスと説得力があるのだろ。
あれがいわゆる「小説」なのか?
アフリカの地図を買い求める素晴らしい出だしに胸ふくらんだため、
ガッカリだった。
雨女は傑作だと思うが、その理由は良く分からない。
卑小な性が幾つか描かれる連作エッセイの中から、何か迫るものがあった。
だが、最後にくっつけられた小説、
あれが最悪。
ああいう童貞青年の妄想みたいな手癖は本当に卒業して欲しい。
だが、
雨女のような試みにこそ小説としての価値があるということなのだろうか。
言いたいことがまとまらないで済まないが、
停滞感にせよ遠近法にせよ、
方法論に異常なまでに固執し、かつそれを作家が得意げに晒したり
読み手や批評家が嬉々として解読する図式に不健康な文化の淀みを
感じるのは俺だけか?
もっと率直な物語ではいけないのか?
284 :
吾輩は名無しである:2001/06/16(土) 21:58
つづき。
感じるのは俺だけか?
もっと率直な物語ではいけないのか?
285 :
吾輩は名無しである:2001/06/16(土) 23:18
>>283 マジレスします。
このスレで言われている「物語」と「小説」の違い。
「物語」はパターンがあります。たとえば勧善懲悪ってのが最もポピュラーです。
パターンは、そのバランス感覚やカタルシス作用により読者に満足感を与えるようにできています。
「物語」でストーリーを語る場合、パターンに沿ってなされますが、
現在そのパターンはあまり説得力を持ってるとは言えません。
完全な悪人や善人など設定するのは困難だし、状況のせいにするのは自分もまた状況に加担する一人にほかならないので
無責任だからです。
なので「物語」から距離を置こう、というか少し違った方法をとったほうが
誠実だろうという姿勢も出てきます。
それが「小説」としての表現です。
パターンとしての有効性をある意味放棄してるわけですから、
わかりやすくはならないし、カタルシスが得られるとは限りません。
そういう困難を引き受けるところから大江(等ほかの小説家)の
「小説」が始まっているのだと思います。
286 :
284:2001/06/17(日) 14:32
マジスレどうもです。>>285さん
しかし、抽象的過ぎて今ひとつ釈然としない。
完全な善人や悪人が、誠実な作者にあっては創出し得ないのは
分かる。
方法論というより倫理的な側面でそうなのだろう。
だが、それはたとえば夏目漱石の『こころ』に出てくる”先生”
や”K”が悪人でも善人でも無いように、
長い近代文学史においては自明の理なのでは?
だがあの作品がそれなりに(あくまでそれなりだけど)
胸を打つしあがりになっているのは、
作者に明快で、且つ考え抜かれた主張があったからじゃないんだろうか。
つまり、「言いたいこと」があったんじゃないか。
大江氏もそうだが、昨今の小説家って別に言っても言わなくてもどっちでも
いいような事を必死に逸脱がどうとか停滞がどうとか言いながら
捏ねくり回して表現してる気がする。
言いたいこと無いなら言わなくてもいいじゃん。
言いたいことができるまで筆折ってバイトして稼げよ、と。
要はそういう暇そうな連中が文学界で幅を利かすのが気にいらないと、
まあ私の話はそれだけではある。
しかし、”困難を引き受ける”という言い方は少しカッコよすぎん
じゃないかなぁ〜。
こちらも抽象的なレスで申し訳ないが、やはりいろんな文学的な遺産を読んで
育った人間にははっきり言って物足りんだろう、現今の小説は。
ロマン万歳と小さく呟いて箸を置く。
いや、筆を置く。
いや、キーボードから手を引っ込める。
言いたいことが書かれてあっても
読み取れない読者が増えた…ライトノベルだのミステリーだの
お手軽な描写に馴らされた読解力の方も問題だな・・・
288 :
吾輩は名無しである:2001/06/18(月) 00:06
あの文章は日本語として最悪だ。
ノーベル賞をもらったのは翻訳されたもので評価されたからだ。
289 :
健太郎:2001/06/18(月) 11:58
「飼育」とか「芽むしり仔撃ち」に出てくる
「弟」萌え
290 :
吾輩は名無しである:2001/06/18(月) 23:24
>>287 人によっては分からない事もある、
だけど別にそれが悪い事とは思わないです。
こころ、と大江健三郎は似てますね。
291 :
↑:2001/06/18(月) 23:48
は?
292 :
うさねばこうくむ:2001/06/19(火) 04:21
>>290 オオエ・ケンザブのカイタしょぼ小説、キルプの軍団にはマイッタよ。
あまりのしょぼさにマイッタ。あれにはマイッタ。
293 :
吾輩は名無しである:2001/06/19(火) 04:26
治療塔もしょぼいと思う。
294 :
吾輩は名無しである:2001/06/19(火) 06:05
しょぼいと云うか早く切り上げすぎた>治療塔
5部構成で進化と救済の物語を展開すればよかったのに…
あと、広島ドーム=治療塔はやりすぎ!
295 :
吾輩も名無しである:2001/06/19(火) 08:04
え、広島にもドーム出来たの?
あの弱小球団のカープが...
296 :
吾輩は名無しである:2001/06/19(火) 08:15
確か原爆ドームを補強して保存しているだったような。
なんなんでしょうね、SFなんですかね、バギーとかレーザー銃とかでてた。
泥臭い感じで小松崎茂風なんでしょうか。
297 :
吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 15:57
人間の羊さいこー
あげ
298 :
吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 17:05
「万延元年のフットボール。」
ロマンティックな設定で、「いわく言い難い日本人の不安の源」を
言い尽くしているような・・・。
299 :
吾輩は名無しである:2001/06/22(金) 07:02
「我らの狂気を生き延びる道を教えよ」。
思春期の頃に読み、とても影響を受けたように思います。実存的な不安感と生への希求が感じられました。
「河馬に噛まれる」。
連合赤軍を題材にした小説の中では、かなり面白く読めた作品でした。
「しおりさん」は、すこし謎めいたキャラクターです。
アフリカという舞台に救いを託された小説かもしれません。
へーえ。
「河馬に噛まれる」がおもしろかったとはねえ。
ほーお。
そうとうへぼい作品だと思いますがねえ。
私小説っぽく書いてるのが読んでて欝になる。
このまえ、「いかに木を殺すか」買ったとき店員3人に笑われちゃったよ。
へんてこな題名つけんなよオオエ・ケンザブ。
もう逝っていいんじゃない。
301 :
吾輩は名無しである:2001/06/22(金) 08:48
とかいいながら結局買ってんじゃン!
302 :
吾輩は名無しである:2001/06/22(金) 13:45
>>286 「言いたいことがなくなった」というのは、同意。
この平和で飽食の現代において、作家が「言いたいこと」って、
どうしたって個人レベルの悩みの開陳&解決にテーマが収斂されてしまう。
中上健次は個人に「時代」が加味された珍しい作家だったが、
途中から個を見失ったようで、途端に面白くなくなったなぁ〜。
お、ずれた。いかんいかん、戻し戻し。
まあ、普通個人レベルのオナニー小説なんか読みたくないよな。
いや、読みたくないはずなんだが、
困ったことに昨今は、自分の空虚さを別人の追体験で埋め合わせようとする、
そして感情を回復する(という言い方しか思いつかない)ヤツが多くて、
なぜか他人の不幸話なんかがウケちゃったりする。
昨今のオーケンの光ネタも然り。
障害者が家族にいることって、そんな大したことじゃないぞ。うちもいるけど。
それを讃えるのはどっか間違っていないか? 時代よ。
そう思うと、オーケンは時代を読んでいるのかもしれないが、
そんな浅はかな風潮に迎合してほしくなかったなぁ。
戦前・戦後の文学には、その時代が訴求するテーマを
作家たちも抱えていたように思う。
この「なにもない」現代からは、オナニー小説しか生まれない。
個のレベルから脱却するところにまで高めた思惟を
誰か形にしてくれないか?
最近の新人たちはひどすぎる。文芸の復興を切に願う!
303 :
吾輩は名無しである:2001/06/22(金) 16:02
他のところでもそうだけど、なんか自分が実感もてなくなると
「言いたいことがなくなった」で片付けてるな
304 :
吾輩は名無しである:2001/06/22(金) 23:28
↑
俺は302じゃないが、
それはちと違うと思うぞ。
実感の稀薄さは歳を追うごとに
消えるものだ。
観念から脱却して肉体に還る、というかな。
そうやって「人間失格」やらヘッセやらオオエやらが
消え、ドストフやらが残っていくんじゃないか?
いつの時代だって、
いいたいことがある奴の言葉が強靭であれば、
それは残ると思う。
305 :
吾輩は名無しである:2001/06/23(土) 00:12
もちろん言いたいことが説得力持ってりゃ、オレも共感するわさ。
状況だけで言っちゃアカンやろ。
描いてる状況からどういう展開するかってのは
読み手の感受した作品の切実さが証明するじゃねーか。
すべてから独立したとも読める大江のかっこよくない曖昧な物言いが
やっぱり誠実だ、って結局は思ったんじゃねーのかよ、みんな。
306 :
匿名希望さん:2001/06/23(土) 00:45
外出だったらすマンガ、いつも朝日新聞には面白いことかいてるよな。
このまえはチョムスキーとやらに、「沖縄にコソボや東ティモールと同様の人間的悲惨が云々」って
スゴイ過激だよな。
よもや朝日の編集者も記者も編集委員も読者も沖縄県人も在日米軍も「沖縄がコソボや東ティモールみたいになる」
なんて朝日新聞に書こうとは思わないだろうな。カッコイイ。
思ってないだろうな。
307 :
吾輩は名無しである:2001/06/23(土) 00:55
すまんが。
304だが、
305の言っている事の意味がいまひとつ解せん。
もう少し噛み砕いて言ってもらえるとありがたい。
308 :
考える名無しさん:2001/06/23(土) 00:56
「雨の木を聴く女たち」
「新しい人よめざめよ」
309 :
吾輩は名無しである:2001/06/23(土) 01:28
>>307 305はまだ、日本に住み始めてから日が浅いと思われ。
310 :
吾輩は名無しである:2001/06/23(土) 02:06
上のほうに書いてあったけど、雨の木の最後の部分、ああいうのが
結局書きたい所なんじゃないの。似たようなのが他の小説にも
度々出てくるし、
311 :
名無しり仔撃ち:2001/06/23(土) 11:17
312 :
吾輩は名無しである:2001/06/23(土) 19:53
>>310 雨の木の最後の小説って、
一体何を言いたかったの?
313 :
ロカンタン:2001/06/23(土) 22:23
>259
「同時代ゲーム」って、マルケス「百年の孤独」のヘタクソなマネじゃん。
わしが大江がダメだと思う理由。
いまだに「政治少年死す」をちゃんと出版してない。
喜んでノーベル賞なんてもらってしまう。
ってところだな。
でも、ガキの頃にマンガでも読むノリでサクサクと大江を読んでました。
そのころは結構面白いと思っていたのも事実。
すごく個人的な感想だけど、ばなながデビューしたころマンガ読むノリで
読んでたのと同じようだったなあ。
314 :
吾輩は名無しである:2001/06/24(日) 21:09
>313
単に小説が稚拙なのでは?
あの文体一点張りでは最後までよめないよ。
長編には息をぬくところが必要だ。
だいたい大真面目に書きすぎなんだよ。
315 :
314:2001/06/24(日) 21:23
すまん。実はあんまり読んでない、、。撤回します。
316 :
考える名無しさん:2001/06/25(月) 09:52
>>311 のスレに参加していたものです。
文学板のこのスレを読んでみて自分の勉強不足に鬱になりました。
鬱山車能生
317 :
吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 18:06
この人の最近の作品ってホントにおもしろいと思いますか?
初期はいいですが・・・。
318 :
吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 18:11
「政治少年死す」に一票
319 :
吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 20:23
雨の木を聴く女たちに2票!
320 :
吾輩は名無しである:2001/06/26(火) 20:42
「万延元年」に米俵1俵
「政治」に二票
322 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 02:12
大江健三郎の小説についてのお薦め批評書を教えてください。
現在、蓮見重彦の「大江健三郎論」を読んでるので、その他で。
323 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 02:45
笠井潔「球体と亀裂」作品社
324 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 03:37
蓮實も笠井も(大江論)難しすぎる!誰か要約して説明してくれー。
自分は北大の桑原丈和『大江健三郎論』(三一書房)。
その中でも『芽むしり 仔撃ち』論か。
325 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 15:24
批評とか解説に同意できた事って無い、
個人的には読む必要無いと思う。
本人生きてるんだから手紙とか出したほうがおもしろそう
326 :
吾輩は名無しである:2001/06/29(金) 23:25
>本人生きてるんだから手紙とか出したほうがおもしろそう
は?批評から本人に手紙云々にどうつながるのよ!?
327 :
吾輩は名無しである:2001/07/01(日) 00:51
うん。基本的には大江の小説が存在する位層と同じ領域(マス・メディア)でないと、
「批評」は成立しないと言えるんじゃないか。
そうでないと、お互いの条件が違ってくるから。
328 :
吾輩は名無しである:2001/07/01(日) 01:10
329 :
327:2001/07/01(日) 01:23
作者が仕事で小説書いてるんだから、批評も仕事でしなければ、お互い、噛み合わないという事。
作品に向き合う時の危機感が違うから。だから2ちゃんはダメという事は、全くないけど。
330 :
吾輩は名無しである:2001/07/01(日) 01:26
>>329 別に2chで批評を書け、っていってるんじゃなくて
プロの批評を紹介しろ、って話題だろ。お前何イッテンノ?
331 :
327:2001/07/01(日) 02:04
ああ、その通りだよ。ただいきなり「読む必要ないかも」というのが出てきたから、
それはないだろうと思って。ちなみに桑原を推した者でもあります。
332 :
モー娘。らぶ。。。:2001/07/02(月) 13:16
柄谷がだいぶ昔(おれが学生だった頃だから10年くらい前)、大江と三島の「終わり」に関して批評を書いていたんだが、あれはおもしろかったな。
たしか『終焉をめぐって』に入っていたと思う。
あと、やはり蓮実の大江論はおもしろいと思うよ。それほど難しくないから読んでみようよ。
ちなみに大江がノーベル賞を取った前後に柄谷と行った対談は大江のぶっとびぶりがサイコー。
FAX網を敵視したり電子レンジを批判したりしていてすげえよ。
333 :
名無しり仔撃ち:2001/07/02(月) 17:36
モー娘。らぶ。。。 さん、
その「蓮実の大江論」「柄谷と行った対談」の
詳細を教えて!読みたひ!
334 :
吾輩は名無しである:2001/07/02(月) 18:48
純粋電子レンジ批判
335 :
吾輩は名無しである:2001/07/02(月) 23:47
モー娘。らぶ。。。さんじゃないけど、蓮実の「大江健三郎論」は青土社から
定価1900円で出てます。小説中に出てくる数詞に注目した批評です。
336 :
モー娘。らぶ。。。:2001/07/03(火) 13:15
>>333 蓮実の大江論は
>>335さんのいうとおりです。
柄谷と行った対談はたしか大江のノーベル賞受賞後かな?「群像」の別冊で『大江健三郎』とかいうあまりにもストレートなタイトルだったと思います。
新しい電子メディアが大好きな柄谷に対して、FAX網に支配された世界がある日突然FAXの叛乱によってカタストロフを迎えるとか話してキティすれすれの想像をしていたんじゃなかったっけな。
今度実家行ったときにもう一度読み直してみよう。
337 :
名無しり仔撃ち:2001/07/03(火) 14:36
335さん、モー娘さん、
ありがとう。探してみます。
338 :
吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 21:42
age
339 :
吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 23:03
政治少年死すのテクスチ誰かくれ。
340 :
吾輩は名無しである:2001/07/06(金) 23:09
>>339 オレにも!
ダメなら概要だけでも書いてくれ。
『セブンティーン』とどうつながってるのか。
ミロのヴィーナスは、腕がないから、いいんだ。
「個人的な体験」読んだが不覚にも結構楽しんでしまったよ。
途中、不良少年が出てきたりしてラストにまたそいつ等が
出てきたときには、「ほらやった!だから駄目なんだ馬鹿」と
思ったけど。
でも分かりやすい作風だったのだね。難解と聞いていたが、
分かり易過ぎてちょっと嫌味だったと感じるのは俺がお馬鹿なのかな。
343 :
吾輩は名無しである:
厨房のころサイキサイキチになりて〜!と思ってた
友達いなくなった…