■■古井由吉■■

このエントリーをはてなブックマークに追加
1
小田切秀雄が愚かにも「内向の世代」と名付けた作家たちの中でも
特に力強い作品群を現在に到るまで物しているこの人について
思うところを語ってください。
2吾輩は名無しである:2001/03/05(月) 00:47
「ようこ」と「楽天記」読んだ。
3吾輩は名無しである:2001/03/05(月) 03:20
「杳子」いいね〜。
4ixion:2001/03/06(火) 00:10
さげんのもったいないから上げよう。
5吾輩は名無しである:2001/03/06(火) 00:15
でもいまいち盛り上らないんだよね。
前にも立てたけど。なんで?
6吾輩は名無しである:2001/03/06(火) 00:31
点数が少ないし、文体・内容ともに難解になっていくからなあ。
「杳子」くらいならついて行けるのだが、
「水」「 木菫 」以降になると・・・
万葉・古今的言語の現代への蘇生を企図したのか?
大江とは別の意味で現代日本語に揺さぶりを掛けたんだろうけど・・・

72:2001/03/06(火) 00:48
「杳子」は足元がぐらつくような不安を覚えたな。
「楽天記」はさらっと読み通したけど、あとからじわじわ気になってくる
不思議な作品だ。
次はなに読めばよろしかろ?
8ixion:2001/03/06(火) 01:22
難解、というか、文の揺らめきが大きくなると、ちょっとついていく
のがつらくなる時はある。でも「行きつく先の老耄の背に、まもなく
寸分違わず重なる生涯の背中」を追うような近作の「老」作は好き。
記憶の錯綜や掛け違えを辿る筆致は職人芸。ちょっと鼻につくけど。

『仮往生伝試文』や『楽天記』のじわじわ感、本人が言うところの
「粘り」の感覚に浸るのも良し。
9岸田健作:2001/03/06(火) 01:33
戦後文学の数少ない収穫の一つだな。
恐ろしい作家だ。
10吾輩は名無しである:2001/03/06(火) 02:24
「楽天記」新潮文庫版の解説(佐伯一麦)よりP327−328

「あれは1987年、昭和62年の10月、『海燕新人賞』の授賞式があった夜の
二次会の飲み屋の座敷でだった。その夜デビューした新人作家の『小説は
一度死んだ形式だ』と気負いのこもった物言いが、ひとしきり座の話題と
なっていた。テーブルを囲んでいた島田雅彦や私は、『小説は死んで
いない』と反論していた。しばし応酬があった後、おもむろに古井氏が
新人作家に向かって言い放った。『君は、dieとdeadを間違えたんだよ』
笑みを湛えていたようにも見える。
小説は死んである形式だ、という認識は、新人作家も若手作家も沈黙
させるに充分だった。デッド・ゲームを宣告されたようなものだ。(・・・)
小説は死んでいる、だが死んでいるからこそ生きられるという小説の
場がある、というイメージを私は漠と思い浮かべたことだった。」

うーむ、深い。だが小説が死んであるような形式になったのは最近のことか。
それとも小説ははじめから死んでいたのか?
11吾輩は名無しである:2001/03/06(火) 02:26
日本文学の良心。長生きしてもらいたい。
12吾輩は名無しである:2001/03/06(火) 07:07
「仮往生伝試文」の文庫化、激しく希望。
13ixion:2001/03/06(火) 12:36
「何もかも遠のいた。失せていく手ごたえに、懸命に追っつけるほど
に、狂っていった。狂うことによって、追っつけていた。」
(『楽天記』)

「先の見えない世界でも、人は先の見えるところもある。しかし見えた
からといってどうにもならない。対処しかねて、じたばたしているわけ
だ。しかも見えないが、見えるを、それぞれわずかずつふくんでいる。」
(『白髪の唄』)

「あれからでももう15年、振り返ってみれば、およそ腰の据わらぬ、
散漫な暮らしをしてきた。ところが、あれ以来物心ともに切り詰めて
一心不乱に生きてきたような、あるはずもない印象が細く一筋、背後
へ続いている。15年ほど前に、それまでは細々と保たれていた、
世の中の動きとの共感が、断ち切られたということなのか。
ならば、机の前に座りつく男の背は、私自身の自己投影に過ぎないのか。」
「あれは自己投影どころか、自分の背中そのものではないか。行きつく
先の老耄の背に、まもなく寸分違わず重なる生涯の背中だ。何をしようと、
いかに走りまわろうと、背後から見ればいつでもあんなだった。」
(「背中ばかりが暮れ残る」)
14ixion:2001/03/06(火) 12:37
何かを書くという行為は、常に後から追うということでしかない。
語られる言葉に、書かれる言葉は遅れてしまう。紙面に書き付けられた
言葉は死物として横たわる。眼差と紙面の間には埋め切れない距離が
あるが、唇と紙面の間にも生まれた言葉を殺すほどの距離がある。言葉
は書かれた瞬間から死んでいる。
記憶もまた、思い出された時には死んだ記録となっている。押しつける
手ごたえは時間とともに去り、じたばたと歳を重ねるうちに事実との
共感は断ちきられてしまう。老齢に近づくにつれ、実感が積み重なる
わけではない。共感を断たれ死んだ事実が横たわっているだけだ。
言葉も記憶も、つまり「死ぬ(die)」という過程を踏むことなく、
生から死の状態(dead)へと飛び越してしまうのだ。小説家とは、
ある意味墓碑銘を刻む者でもある。その墓碑銘から生を思い浮かべる
墓参者=読者はいても、銘の刻み手の目の前にあるのは死んだ言葉だけ
だろう。

「一瞬、私はうろうろと自分の身体を、左右の腕から、足の先まで
見まわした。どこから来た、何者であるのか、何事に責任があるのか、
急いで思出そうとすれば片端から跡かたもなく消える気がした。」
(「無言のうちは」)
15吾輩は名無しである:2001/03/07(水) 00:11
古井由吉セクハラ疑惑って本当?
学者肌の人かと思ってたけど。ますます尊敬しちゃうなあ古井先生。
16JPB:2001/03/07(水) 02:26
『聖』とかはかなり肉感的な文章だったと思う。いや、全体にそうだけれど。
『円陣を組む女たち』の描写とか、なんだろ、犬に顔を舐められたときの
ヌメる感じが伝わってくる。
17名無的発言者:2001/03/07(水) 03:48
一度電話でお話ししたことあります。
「もしもし……」のトーンは凄く低いのに、
そのあとの会話になると一転してソプラノボイスに。
ご丁寧に応対していただきました。
18吾輩は名無しである:2001/03/07(水) 07:18
競馬キチですよね。
19:2001/03/08(木) 00:04
「杳子」は歴代芥川賞の中で、数少ない好きな作品。
だが他のは読んだ事がない。古本でもあまり見ないせいかな?
「楽天記」おもしろそうなので探してみます。
他にもおすすめあれば教えてください。
20ポンきっ着:2001/03/08(木) 00:10
ドイツ文学を専攻してたんですよね。
彼の作品とドイツ文学ってどう繋がってるんですか?
21吾輩は名無しである:2001/03/08(木) 01:03
「三日目の夜中に、子供の泣き声で目を覚ました。階下のほうで声をかぎりに泣き叫んでいる。
 一晩中きれぎれに眠って、目を覚ますたびに泣き声を聞いた。ある時は甲高く、ある時はもう
 半分眠りの中からたえだえに泣きじゃくっていた。そのたびに毛布の下でからだをもそもそと
 動かして、痛みのないことの安堵に漬かった。」(『水』より)

「夜半過ぎに幼児の泣き声が聞こえた。階下から昇ってくる。よるの白む頃まで泣いていた。
 油臭いどぶ川の縁の、木造モルタルの二階建ての病院だった。私は半月あまりも前にそこに
 運ばれて手術を受けたきり二階の病室で起きあがることもできずにいたので、声を耳にしても
 院内の様子を思い浮かべられずにいた。」(『白髪の唄』所収「紅い女たち」より)

どちらも、作者の少年時代の体験をベースに書かれている訳だが、文章の質的転換は間違い無い様に思える。
問題なのは、その“転換”の質なのだろう。一見したところ、前者の方が単文あたりの簡潔性や文の結合力から
分があるように思われる。だが、前者において泣き声は「安堵に漬か」る物にしか過ぎないのに対して、
後者では「浮かべられずにい」ると不安を誘うものであるところが決定的な違いだ。この違いはどこからくるのか?

それはおそらく、前者においては子供の泣き声が「叫ばれる」ものであり、
つまるところ、子供自身に帰属する物であったのに対して、後者においては、「昇ってくる」もので、
それ自体自立したもの、換言すれば自他の境界を揺らがせる肉感的なものに転化していることだ。
肉体の付属物ではなく肉感性を帯びた“言葉”なのか?
古井氏において“言葉”が決定的な変貌を遂げているのは確かなようだ、
ただ、その意図、意味がよく分からない。あるいはそういった意味付けを拒むものかもしれない、
よく分からない・・・・
22吾輩は名無しである:2001/03/08(木) 02:44
「木犀の日」だったっけ、自薦短編集、講談社学芸文庫、おすすめ。老いや
病や狂気が日常とのずれとして心身がきしんでゆく有様を繊細にして力強い
筆致で描いた佳作がそろってます。
23:2001/03/10(土) 00:13
>22さん
高いで評判の学芸文庫ですか。(笑
新潮文庫だとありがたかったけど探してみます。
ありがと。
24:2001/03/10(土) 00:31
>高いで評判の学芸文庫
特に学芸文庫を批判して言ったわけではありません。
実際、絶版になっては勿体無いような良いものを
集めている貴重な文庫だと思っています。
ただ貧乏学生の私は、新潮の安い古本文庫
ばかり買っているので(^^;

誤解を生む書き方してしまった。逝ってきます
25吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 01:44
ま、そう逝かんでも(笑)。高いのは事実。当方、海外在住なので
日本の本は、二倍から三倍の定価で購入。アホらしいくらい高い。
ネットならそうでもないが、届くのに時間がかかるしな。
学芸文庫一冊買うと、日本なら文庫本何冊買えるだろうなんて
絶対考えないようにしてます。
26吾輩は名無しである:2001/03/11(日) 06:49
「楽天記」は廃盤
27:2001/03/11(日) 20:47
>25
ありがと。嬉しいレスでした。
近所のブックオフ2件まわって探したけど、1冊も見つからなかった。
芥川賞作家だと言うのに。やっぱり学芸文庫しか無いのか(泣)
日本で買っても高いのに、その2倍3倍となるとかなり厳しいっ!
それに比べれば学芸文庫とはいえ、定価で買えれば良い方かな。
28吾輩は名無しである:2001/03/12(月) 18:19
>27
新潮文庫の「聖・栖」は、ブックオフとかでたまに見かけるよ。
あと、文庫以外だと、たまに日本文学全集などあります。
29JPB:2001/03/12(月) 19:48
図書館が余った本を放出するとき、古井本が紛れ込んでいるときが
あります。私はそれで『仮名往生伝試文』手に入れました。こまめ
に見るといいですよ。いやしかし、そうした本が放出されるとは・・・
30:2001/03/13(火) 01:11
>28,29さん
そっか、ブックオフでも古本でもあるんだ。
2chのおかげで読む本の幅がひろがって面白いよ!ほんと嬉しい。
古本屋通いの楽しみも増えて、貧乏学生ますます暇無し。
31ixion:2001/03/13(火) 01:42
まだ『聖耳』よんでないんだけど、どなたか感想キボーン。
32吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 02:17
病院に出家したら道路工事でうるさかったり、病院で一番人間的
な場所が喫煙所だったり、狂った友人が変な電話かけてきたり、
けっこう大変な日常が折り目正しい日本語で描かれてました。
「聖耳」。
33吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 07:58
>9
>戦後文学の数少ない収穫の一つだな。
>恐ろしい作家だ。
ワラタ。お前の方が怖いわ。

>11
>日本文学の良心。長生きしてもらいたい。
11はすぐ氏ね。

     ___ミミ
ミミミ /川川川\ミミ
ミミ〇川||/ ヽ|||||〇
   |川メ  卅川 (
   (|| >  < ||)
     ゝ" X"ノ
   /  ̄ ̄丶、
  / /  。  。 γ 丶
 (⊃ヽ      //^⊂)
  |  |ヽ、   ,/ /  /
  |_|   ,   /_/
  |_|、  /  ,/_/
 (^  | ´丶` |  ^^)
   ̄ ̄⊂シャー⊃ ̄ ̄
   ⊂omaera doudemo iindayo⊃
34吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 08:17
33は日本の恥部。早く死んでもらいたい。
35目のつけ所が名無しさん:2001/03/13(火) 08:41
「杳子」をついさっき読了しました。
偶然あげ。よかった
36吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 21:54
>31.32
『聖耳』って一昨年くらいに「群像」で連載されてたやつですか?
違うかな?
37吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 22:22
浅田彰がいうように古井が制覇したとも言えるけれども、
文学通に見えたいなら古井はいい、金井はいい、といって置けば
いいというだけでは?
ヘゲモニをえた人のものがあまり売れないということは、みなさんいたみわけ
ということか。
38ixion:2001/03/13(火) 23:16
制覇、って言うのもひどいコトバ遣いだなぁ…意識的か?<浅田
マイナーたることが「通」としての読者の選民意識を煽ってる、
ってんならまだ分からんでもない。曰く、「孤高の作家」とか
「本物だけが分かる」とかね。特に、小田切秀雄が愚かにも「内向の
世代」と名付けた作家たち、を支持する批評家の中にそんな奴らが
いるのは事実だろう。金井好きにも多いのかな、知らんけど。
だいたい、文学なんてものは制覇すべき土壌を切り崩すことで成り
立ってるんだから、誰にしたって制覇なんかするはずないんじゃんね。
俺が古井好きなのは、老いた自意識を突き詰める、ってのが幼い自分
には絶対出来なくて、それを作品にしてるのが古井だから。
ヘゲモニィなんちゃア関係ないな。ヘゲモニってんなら大江か?

自分はこんな「通」向けの知られざる作家を知ってますよ、って
いう姿勢は、それこそ少数の権威を構造化する馬鹿の姿勢だから
大嫌い。
39吾輩は名無しである:2001/03/13(火) 23:36
俺は柄谷は認めるけれど、柄谷の古井読解には違和感を感じた。

40:2001/03/13(火) 23:43
>自分はこんな「通」向けの知られざる作家を知ってますよ、って
>いう姿勢は、それこそ少数の権威を構造化する馬鹿の姿勢だから
>大嫌い。

激しく同意、あげ。
「通」でも何でもないが、古井は杳子以外読んでいないけど
どうもほかの作品も面白そうだ、もし面白いのならそれを
読まないなんて勿体無い、ただそれだけのために
今日も古本屋で古井と後藤の本を探していた。。
41四海楼カスタム:2001/03/14(水) 01:10
 この前やっと櫛の火を購入いたしました。ブックオフとかには杳子ばっかりあるしなぁ。福田和也がべた褒めしてた仮往生伝志文なんか見かけたことさえない…。福田和也の誉め方が異常だったからなぁ…、あそこまで言うなら読んでやろう…と思ったが、ねえし。
42吾輩は名無しである:2001/03/14(水) 01:38
ヘゲモニー云々は、シニシズム、ニヒリズム、スノビズムに浅田が
脳髄まで侵されていることを示している。どんな文脈で言ったのか
しらないが、ユーモアやイロニーにしては、おもろしくないな。

んなこと気にせずに読んで楽しめばいいだけ、読者としては。
43吾輩は名無しである:2001/03/18(日) 03:03
「妻隠」はエロティシズムですよね?
44吾輩は名無しである:2001/03/19(月) 20:52
よくわかりません
45吾輩は名無しである:2001/03/20(火) 00:24
「妻隠」読んでピンコ立ちしたの俺だけ?
アパートの風呂場が外から覗かれないように奥まった構造になっているのが
「淫ら」であると表現した由吉は天才です。
46吾輩は名無しである:2001/03/21(水) 02:02
 いろいろ読んだけど、やっぱり最初に読んだ「杏子」(当時私は軽い神経症を
患ってました)の衝撃には及ばなかった・・・。
最近「杏子」を読み返したけど、以前ほどの感銘は受けなかったな。
47吾輩は名無しである:2001/03/21(水) 03:14
じゃあ、神経症の方は治られたんですね>46

妻隠は確かに考え様によってはエロい
48吾輩は名無しである:2001/03/21(水) 12:38
けど一時期「淫ら」って連発してたような
49吾輩は名無しである:2001/03/29(木) 03:29
『ようこ』しか読んでない。
よくわかんないけど、いいと思う。
だから、アゲちゃう。
50吾輩は名無しである:2001/03/29(木) 07:31
あれ?このあいだ新潮文庫で出た「白髪の唄」が本屋で見当たらない
んだけど。
もう絶版・・・?
51吾輩は名無しである:2001/04/01(日) 23:16
>50
いや、まだだと思うけど(まだって・・・)。
注文するか、オンライン書店に行けば確実に手に入るでしょう。
52吾輩は名無しである:2001/04/01(日) 23:17
>50
いや、まだだと思うけど(まだって・・・)。
注文するか、オンライン書店に行けば確実に手に入るでしょう。
53吾輩は名無しである:2001/04/01(日) 23:18
連続カキコ、スマソ。。。
54吾輩は名無しである:2001/04/01(日) 23:33
>50
私は2週間前に購入しました(危機感を覚えたから)。
なるべく早目に入手した方が良いのかもしれません。
断裁漏れがブックオフに出まわるのかもしれませんが、
潰れてからでは手遅れのような気もするからです。
5550:2001/04/02(月) 03:07
うー、そうかあ
ありがとうみんな
56吾輩は名無しである:2001/04/02(月) 22:57
ageppe
57考える名無しさん:2001/04/04(水) 06:48
「白髪の唄」手に入れた。残り二冊だった。あぶないあぶない・・・
58吾輩は名無しである:2001/04/07(土) 20:32
ホントに、ホントに面白いし、突き詰められた日本語のあり方を
提示してるんだけど、売れないんだよなぁ。
後ろからついてきてるのって、松浦寿輝ぐらい?でも、彼もやっぱり
売れないんだろうなぁ。これってちょっと考えなくちゃいけない状態
だと思うよ。古井はでぇーっどって薄笑いを浮かべるんだろうけどさ。 
59我輩は名無しである:2001/04/07(土) 23:06
きょう、ぼく「ようこ」よんで、
ティンコしごいたよ。
はくちびって、えいえんのえろてぃしずむ、
だよね。
60びくびく名無しさん:2001/04/11(水) 20:45
「ようこ」と「妻隠」を読みました。
なんか真摯な文体ですね。(つっこまれると困るけど)
「白髪の唄」と、「木犀の日」と「眉雨」という二つの短編集を
手に入れたのですが、「楽天記」は見つからないなぁ・・・

「木犀の日」についてる著書目録で多作な作家さんだということを
知りました。寡作なイメージ持ってた・・
61吾輩は名無しである:2001/04/11(水) 20:55
かなり多作なんですけどねぇ。

この前、ようやく「櫛の火」手に入れたよ。
図書館にも行ってみたんだが、近所にあるのはしょぼいので
余り置いてないみたい。古本屋巡りするしかないみたい。
62吾輩は名無しである:2001/04/11(水) 21:06
>61 予約なり、リクエストなりしてみたら?
図書館結構使えるって。
古井程の作家の本なら、少し時間掛かってもイイなら、
確実に手に入るよ。
63吾輩は名無しである:2001/04/12(木) 00:21
でも自分のものとして欲しくならない?
他の作家とはそこが違う。
64吾輩は名無しである:2001/05/04(金) 01:38
ここって古井由吉のファンが集うのに、なぜ
槿(あさがお)の話題がでてこないのか。
中上の「地の果て 至上の時」をおさえて
谷崎賞もとったのに。あの時代の谷崎賞はまだ
ちゃんとしてたのに。
65吾輩は名無しである:2001/05/05(土) 11:38
女好きで有名だから、女性は気をつけるように。
中沢けいと一時期同棲。
酔っ払っては新人女作家をさわりまくり。
同席していた新潮社の編集者は
「神様に、触ってもらったと思いなさい」と言った。
66吾輩は名無しである:2001/05/05(土) 21:46
「椋鳥」入手
中公文庫って古井とか後藤明生とか結構揃ってるんだね。
全部絶版だけどね
文芸文庫で拾ってくんねえかな。
67吾輩は名無しである:2001/05/14(月) 13:36
さがりすぎ
68吾輩は名無しである:2001/05/14(月) 13:42
金井に「射精できない男の文体」って言われてたよ。
69吾輩は名無しである:2001/05/14(月) 23:41
そんなことはない。古井由吉は業界内で有名なセクハラ大魔王である。
70吾輩は名無しである:2001/05/15(火) 00:11
本を手に入れることに熱中する
コレクターじゃねえかお前ら

図書館いきゃ幾らでも手に入るだろうに、古井程度

71吾輩は名無しである:2001/05/15(火) 22:27
好きなものをコレクションすることが一体なぜ非難されねばならないか。
コレクターであると言うことと、内容を軽視するという事は
無条件に並立する事ではないだろう。
証明して見ろ。
72吾輩は名無しである:2001/06/03(日) 01:52
×講談社学芸文庫
○講談社文芸文庫

いきなり揚げ足取りでゴメソ。
今日ブックオフで「杳子」見かけました。
読んでみます。初めてです。
73吾輩は名無しである:2001/06/06(水) 20:32
セクハラ大魔王。
74吾輩は名無しである:2001/06/07(木) 06:47
古井のおっさん。いい顔しとる。昔から好きよ。
いや、顔じゃなくて。ある時期本当に文学が可能な
日本語は死んだのかと半絶望状態になっていたとき
彼の文章に出会った。なんだか中世浄土教に現象学が
乗っかったような不気味さ。まさに日本流のシンクレテイズム。
75セクハラ大魔王:2001/06/07(木) 23:14
金井美恵子に問いたい!
射精できない男の文体とは、どういう文体やねん。具体例を述べよ。
私は毎回 射精してます。
76吾輩は名無しである:2001/06/16(土) 00:42
アゲますです
77吾輩は名無しである:2001/06/20(水) 06:07
すごいですね、この人。
「あさがお」よみました。
今回はじめて古井さんの作品を読んだのですが、
驚きました。松浦寿輝や町田康の作品とは
次元が違いますね。
日本語の文章であんな不気味な世界を表現できる
ということに凄さを感じましたね。
78吾輩は名無しである:2001/06/20(水) 06:11
あさがお、本棚で誇りかぶってる。読んでみようっと。
79吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 01:51
「先導獣の話」は凄まじいと思った。
あんな人間描写は他にない。
80吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 01:54
読み終わったとき、よんだぁっていう初々しいような満足感がある
81名無しさん@1周年:2001/06/21(木) 03:00
みんな誉めすぎだぞ。
文章下手だと思うんだが、どうかな。俺にはどうも
作られた文体が喉につかえて飲み込めない感じ。
勿論全ての文体は作られるのだが…

読むpleasure,楽しさがないんだな。息苦しく、先を追おう
としても引きずられる感じ、同人誌を読むような。
82吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 03:09
>81
まじ?
83吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 03:11
相当ゆっくり読まなあかんよ。
多分、作品にはその作品に適した速度がある。
植物的時間で読んだらええと思うよ。
8477:2001/06/21(木) 04:58
>81
その「息苦しく、先を追おうとしても引きずられる感じ」
が個人的にすごく好きなんですよ。
近年のアメリカとかの翻訳ものの対極的な味わいが
いいんですよね。
もちろん読みやすい小説も好きなんですけど、
「読みにくい」小説で味わいのあるのって
凄く少ないでしょ。
もちろん、だからといって古井さんを神秘化
するような輩には同調しないけどね。
単純に技術をほめたい。
85吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 05:19
この前、3週にわたって朝日の書評欄で自身の読書経験書いてたね。面白かった。
86吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 05:25
>>85
どんな本挙げてたの?
87吾輩は名無しである:2001/06/21(木) 07:58
古井由吉が“スゴい”というのはよく分かる。
文体も異様だし、言葉使いもおかしい。
だがその背後には透徹した論理が横たわっているように思われる。
例えば処女作の『木曜日に』は著者の二十代唯一の
作品であり、氏はそれを作品として定着させるまでに
五年間もの時間を費やしたという。
そこには自己と世界の関係をひたすら冷徹に見究めよう
とする眼差しがある。
88吾輩は名無しである:2001/06/27(水) 01:20
優良スレにつき、あげ
89吾輩は名無しである:2001/06/27(水) 02:57
変な顔したジジイ。興味なし
90吾輩は名無しである:2001/06/27(水) 09:15
>>86
あー、具体的な書名というよりも、若い頃に名作を読んでいて
「こんな文章かけるわけない」とか思ったりだとか、年取ってから本棚を見たら
読んだ覚えのない本があって、読んでも内容を覚えていないのだけどほんの端々に若い頃の
自分が書いたメモがいっぱいあってそれに感嘆したりとか。
なんか、シメの言葉が「読んで感じるばかりが読書ではない」だったかなんかの
上手い文句だった。

記憶曖昧でスマソ。
91吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 04:00
セクハラを自己申告した清水が、
芥川賞の候補になったが、どーするんだろうな。
ちょっと興味がある。
92吾輩は名無しである:2001/07/11(水) 09:42
質問!!
『櫛の火』は現段階でどうやってら手に入るのでしょうか。
よう子・妻ゴミの次あたりですよね?
93古爺:2001/07/11(水) 18:04
>>91
ほっ、ほっ、ほっ、選考に私情ははさみませんよ。
文学とはアンタッチャブルなものなのです。
ほっほっほっ・・・・
(以下繰り返し)
94吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 00:07
あれ? ヨシキチも選考委員なの?
95吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 00:29
古井の選評ってなにげによく見据えてるから
信用できる。若者に媚びたりしないとこも◎。

優れた作家はやはり優れた読み手だ・・・・。
96吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 00:40
>92
古本屋に行けば、売ってます。
97吾輩は名無しである
中沢けいと同棲してたらしい。
やるね!ジジイ!