1 :
名無しさん :
2000/08/04(金) 14:13
2 :
ルイ=フェルディナン、ザムザを治療する :2000/08/04(金) 17:28
原文もあらためて書いておきます。 ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと目覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。固い甲殻の背中を下に して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、 まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目を入れられた 腹部が見えた。(カフカ『変身』) 夢だって?……何の夢どころか!……私がこの目で見てるんだから! グレゴール・ザムザ、それがやつの 名前さ、これがうなされっぱなしで! ≪うー!うー!≫ いやまいったね! こりゃまるで虫、じゃなかった 牛だ!……いやその虫なんだが、やっこさんとうとう目覚めて気付いたんだ……驚いたね!……毒虫だ!…… それもとびきりの!……いやそれほど大したもんじゃないさ……私はもっと下等なうじ虫をゴマンと知ってるんだ! ……売国奴が、ナチの手先がほざきやがる?……やれやれ!……奴らは私が『旅』を書いたことに我慢ならないんだ…… とんだ剽窃野郎ども!……モーリヤックにラランゴン、それにいんちき野郎のタルトル!……占領中は俺の足元に 這いつくばってやがってたくせに、戦争が終わった途端に若者のアイドルになりすまして、無駄口叩きのサル殿様めが! ……奴なんぞ俺のケツの穴さ!…… また諸君を置いてけぼりにしちまった……決して諸君を忘れてたってわけじゃない……ザムザの話だった、それで やっこさん、ちょっとばかり頭をもたげてみた……仰向けの状態で、固い甲殻の背中を下に……そして自分の腹を見る ……まるくふくらんで、褐色の……おまけに節つきの! ≪―先生、どうしたらいいでしょうか? やっこさん大弱りだ。 ―食餌療法ですな、ヌーユ(うどん)とミネラルウォーターの! それしかありませんよ! ―Ja! Ja!(ええ! ええ!)≫ 諸君には信じてもらえそうもない……なにしろこの私だって、毒虫の治療なんざ生まれて 初めてで!……まあ動物ならいくらでも……私は動物には滅法優しいんだ……(以下略) セリーヌです。誰かがやってくれるだろうと思って楽しみにしていたらとうとうスレッドも 変わってしまい、なら自分がやってみるかと思って敢えて書いてみました。でも難しい…… 批判があれば甘んじて受けます。
段落分けがうまくいってない・・・どうしたんだろう。
4 :
フロム・エー :2000/08/04(金) 17:30
やってきた夏休み!パッと稼いで、パッとあそぼう! グレゴール・ザムザが夏期激短バイト大募集!!!! 職種:軽作業(建築・イベント・毒虫等) 給与:日給(1)キュウリ(2)ラッキョウ※全額即日払い! 勤務地●プラハ(当社請負先)※現場直行直帰●(1)8:00〜17:00 (2)9:00〜17:00 ※虫により多少異なります。他の虫も有日給 全額即日支払い!期間●いつまでもOK!長期・永久大歓迎!! 18〜45歳迄※あなた以外不可※登録制●TEL問い合わせの後 面接●保険証(即決の為)写真(尊厳を失わないため)要持参 社名(株)グレゴール・ザムザ(分泌ッ業)
5 :
名無しさん@1周年 :2000/08/04(金) 17:34
新スレッドもお題は「変身」のままなのね。
6 :
名無しさん@1周年 :2000/08/04(金) 23:28
「悪魔の辞典」ってスレッド作りません?
7 :
ミュージックジャーナル :2000/08/05(土) 00:12
グレゴール・ザムザはある朝突然毒虫になったらしい・・・MJ
8 :
世界まるみえ :2000/08/05(土) 00:28
この番組では今までも海外の貴重な映像を紹介 してきた。そして、今回も極秘に入手した極め つけ映像。 ゴカイ度200% ここ、モルダウ川のほとりのある町。 最近奇妙な人物が町中の評判である。 寝袋に入り込んで這う姿はまるで虫。 道行く人の好奇の視線にさらされながらも、 彼はいたってご満悦のようす。 「親父もお袋もいいかげん目を覚ませっていうけれど、 目が覚めたらこの姿だったんだ。」 本気で虫と信じ込み、横断歩道を渡るたび交通渋滞を 引き起こすこの男。許せる許せない? たけし 所 植草 ラサール 釈 × ○ ○ × ○ 楠田「ということで、イモムシコロコロ競走ゲーム!」
9 :
赤ずきんちゃん@1周年 :2000/08/05(土) 01:34
「おばあちゃんの背中はどうして固いの」 「それはね。お前とお馬さんごっこをしやすいようにさ」 「どうしておばあちゃんのお腹はまるくふくらんでいて、褐色で、 弓形の固い節で分け目をはいっているの」 「お前の洋服が泥だらけになった時に洗濯板がわりに 使うためさ」 「どうしておばあちゃんは虫なの」 「ちがうよ」 「毒虫じゃない」 「…………」 「毒虫だってば」 ドクッ!無視……。
10 :
アーサー・C・クラーク :2000/08/05(土) 02:44
タプロバニーでは沈んだ太陽だが、宇宙では太陽の高度に気をもまされる必要はなかった。 その太陽光に照らされた住居の一室で、グレゴール・ザムザは目を覚まそうとしていた。 惑星アパートメント---周囲に広がる緑もなく、足の下に土はない。 ただそこには闇夜につつまれた無窮の静寂のみがある。 地球の軌道をぐるりと取りかこむリングの甲殻が太陽と地球の放射熱で暖められ、 まるで寝返りをうつようにねじれる。だがこれは設計者たちの計算どおりだった。 ねじれは地球の自転にそって1日かかってリングを一周する。 ねじれた部分がふたたび太陽熱の洗礼を受けて身をよじるころには、もう充分に冷えているのだった。 ねじれが起こすアパートメントのおごそかなきしみが、ザムザを夢から呼び覚ました。 アパートメントに住む者ならば誰でも目覚ましがわりに聞いている音だった。 ザムザはあたりをそっと見まわした。首をひねりながら、彼は胸から腹部へ、 そして手足へと視線を走らせた。彼がその光景を理解できたのは、もうしばらく後のことだった。 そしてザムザは知ったのだ---ちょうどこの瞬間に地球上の誰もが知ったように、 自分がもはや普通の市民の暮らしを送れないことを。しかもそれは、幾千万年もの年月を越える 旅のように絶望的であることも。その褐色の甲殻---研究室で見なれている標本とは大違いだった ---まるく膨らんで節のついた腹部は、まるで悲鳴のように小さく音を立てていた。 彼はもはや人類ではないのだ。
11 :
正史三国志 :2000/08/05(土) 03:03
黄龍元年、独逸に住むグレゴール・ザムザという者が毒虫に変身したという報告があった。[一] [一]『捜神記』にいう。朝にザムザが目覚めると、自分が毒虫に変身しているのに気がついた。 寝床に横たわったザムザの体は茶色で、殻に覆われていた。邑の者はおおいにあやしんだ。 臣裴松之が思うに、この逸話は『変身』から取られたものであろう。
12 :
細野晴臣 :2000/08/05(土) 06:47
次はモア・ザムザーよ!
13 :
安部公房 :2000/08/05(土) 10:34
いつもどおりの朝になるはずだった。 何時間眠っていたのか覚えていない。ベッドの足もとで誰かがタバコをふかしている夢をみた。煙が邪魔だから追い払おうと思って、右手でベッドの下の空間を半円状に払った。良く研いだ鎌で柔らかい青草を薙払う、意外なほど軽快な切れ味。 手を眼の前にかざしてみた。これは何だろう。黒光りする殻。硬く、しかししなやかな、畳針のような爪。 左手も持ち上げてみた。空気を切り裂く音。こっちもだ。 左脚を突っ張って、尻を支点にして身体を右に傾けようとした。思いがけないことに、背骨の20センチメートルくらい下で身体が支えられている。北京鍋を背負った感覚。身体を反対側に切り返してみると、背の曲率の見当がついた。もともと猫背だったので、そんなに深刻ではない。それにゆったりした上着を着ればあまり目立たないだろう。 それにしても手はどうしたんだろう。心因性の幻視だろうか? そうかもしれない。ここ3週間ほど、休暇もなかったのだ。 起き上がろうとして、ちょっとばかり頭をもたげると、まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目を入れられた腹部が見えた。そういうことか。おれは甲虫になっていた。
14 :
モンテローソ :2000/08/06(日) 00:31
目を覚ますと、毒虫はまだそこにいた。
15 :
銀河万丈の声で :2000/08/06(日) 00:51
不安な夢が予兆だったのか。 黒く光る甲殻。褐色の節になった腹部。 地の底を這う、一匹の毒虫となった己自身を見る。 これは現実か。それとも幻覚か。 問いかけの果てに得られる物が悪意の果実だけだとしても。 次回『変身』。 来週も、ザムザと一緒に不条理につきあってもらおう。
16 :
>15 :2000/08/06(日) 00:53
いいね! その手も有ったか(笑)
17 :
サザエさん :2000/08/06(日) 00:58
マスオです! もう20年も前から妻が裸足で猫を追いかけたり、 買い物にでかけて太陽に笑われたり、 ご近所の手前、神経をすり減らす毎日を過ごしています。 これこそが生きることの不安、という奴でしょうか? さーて、来週のサザエさんは、 「カブト虫」 「城」 「アメリカ」 の3本です。 ・・・じゃんけんをしたいが、俺の手はすでに節足だ
18 :
名無しさん :2000/08/06(日) 17:41
age
19 :
名無しさん@1周年 :2000/08/07(月) 05:33
このスレ好きなのでage
第1回 邪武者、毒虫に変じ 家人たち、慌てふためく
人間毒虫化現象の謎を追う かふかあきお チェコ国プラハにて、人間が毒虫化するという奇現象が報告された。 果たしてそれは霊の祟りか、黒魔術の呪いか、それとも…… 人間毒虫化現象の裏に隠された恐怖の神秘現象を追う! 第1章 突然の毒虫化は謎に満ちていた Д 朝起きたら虫に…… その日、グレゴール・ザムザ氏は寝覚めの悪い朝を迎えた。不安な夢を見たのだ。このような悪夢というのは、予知夢の可能性がある。わたしたち人類が潜在的に有している予知能力を、ザムザ氏も知らず知らずのうちに発揮していたらしい。 しかし、ザムザ氏の身に起こったことは、あまりにも不条理極まりない現象であった。なんと、氏の肉体は毒虫に変型していたのである! 一体、人間が毒虫に変化するなどということが存在するのだろうか? いや、それはまぎれもない事実なのだ。我々はまずその事実を受け入れ、しかるのちにその背後に潜む「神の意思」を探らなければならない。 Д それはまさに毒虫 固い甲殻の背中を下にして、仰向けになっていたザムザ氏。少し頭をもたげると、なんと、そこに見えたのは、まるくふくらみ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部だったのだ! これが驚かずにいられようか? まさに、自然を無視し、破壊し続けてきた現代人に対する警告ではないだろうか。わたしたちはこの事実から目を逸らしてはならない……。
23 :
しゃべくり変身 :2000/08/07(月) 20:21
−−もしもし…。もしも‥ −−わたしが〜家を〜♪ −−アホ、しょもないことすなっ。 −−おう、その声は和戸君やな。 −−そや。和戸や。 −−おれや。保住や。 −−わかっとるわ、俺が電話したんやないか。 −−それはそや。しかしなーおまえ、養老の滝にチョコ食いに行く、ゆーとったんとちゃ うか。 −−アホ、おれはチェコにおるんや。 −−ひえ〜あわ〜むぎ〜ビールー飲みたい。 −−もうええか?実はな。また、相談したいことがあるんや。 −−なんや、女にでも惚れたんか? −−うん、よおわかったな。細身でなかなか可愛い娘なんや。ご当地の。ほでな、可愛い んや。 −−電話切るで。おれも大概暇やが、ひとのノロケー聞いとれるほど暇ないよって、大体 おれにそんなん話したかて役にたたひん… −−待て待て、話の腰を折らんと聞いてえな。これから奇妙な事件の話になるんや。保住 やないと解決できひんて。 −−その話い長いんか?長いときは勘弁な。ずーっと立ってるのもきつーてな。 −−なんやあ。座って聞けばえやろー? −−おまえ腰折るなて。 −−アホ、おれの話を黙って聞けちゅうこっちゃ。座って聞け。腰折りたくなければ、寝っ 転がってもええで。でな、ご当地で可愛い娘さんと仲良うなったんや。話通じへんけ どな。その娘(こ)には兄さんがおってな。セールスマンらしいんや。でな、その兄 さんがな。朝、部屋から出て来いひん。代わりに兄さんの部屋から出て来たんはごっ つうでかい毒虫でな。おーい、聞いとるんか。おーい。おーい。鼾かいとる。困った な。保住に解決できひんと。しもたー。デートの時間や。金欠やしー。市場で林檎で も買おて…
24 :
小野不由美 :2000/08/07(月) 20:23
夢を見ていた。 危機の接近とそれから逃れようのないことに発する焦燥感がひどく重苦しく不快な夢 だった。 彼はその夢から逃れるために目覚めた。しかし、夢のもたらした不安は去らず、それ はやはり不快に思えた。 とりあえず周囲が自身のベッド、いつもと変わらないとそのときは考えたベッドに少 なからず安心した。 すこしすると、自身のベッドらしきものの見た目に、意識の上に明瞭にはわからない 違和感を覚えて、目覚めても不安を引きずっていることに気付いた。しかし、それが何 によるものかはっきりしない以上、それについて深く考えるのは止めた。 とにかく起き上がろうとした。ところが、起き上がれない。力が体重に負けて、身体 が振り子のように、ベッドの中央に戻ってしまうのである。もちろん、この時点で身体 の変調を感じてはいた。しかし、ただ病気かなにかで力が出にくくなっているのだと思っ たのだ。だから、繰り返し起きようと試みた。 なん回めかのその試みで、たまたま頭をひょいともたげたときに、自身の腹が見えた。 磨かれた玉(ぎょく)を多数並べたような硬質の体節でそれは構成されていた。頭を枕 に戻して考えた。 おれはグレゴール・ザムザ。人間である。服地の販売で生計を立てている。昨夜は自 分のベッドで寝た。ここはそのベッドらしい。しかし、目覚めてからのことを考えると、 おれは巨大な南京虫になってしまっているらしい。だが、そんなことはあるはずがない、 と。
25 :
小林聡美<文体で当てるのは無理なひと :2000/08/07(月) 20:25
どうにも夢見が悪くって、ヘチャムチャのヨレヨレという気分で目覚めた私であった。 それにしてもどうにも腑に落ちなかった。さっきからなんとか仰向けの状態から起き 上がろうとしていたのだったが、起き上がれないのだ。 見かけによらず虚弱体質の私だが、いままでこんなへんてこに身体を起こせないこと はなかった。はじめ、どうにか起きあがろうとして、失敗したのに気付いた私はひどく 疲れているからだと思った。 しかしどうやらそうではないらしい。 たとえば、寝ているうちに神経のつながりが切れてしまって身体をうまく動かせないっ ていうこともあるだろう。 それとも違うらしいのだ。 結局、貧弱な腹筋を使って、ぐわーっと上半身をを曲げて、自分の身体を見てみるこ とにした。 なんだか茶色の弓みたいなものをだんだんでんでんと並べて膨れたおなかと、その左 右両側ではれはれのひろひろの脚てんこもりなのだった。 それにしてもどっひゃーとつぶやいてはみたものの、冷静に考えてみると私は本気で 驚くことに疲れていた。あまりのことに、心というかなんていうのか感情をひねくりだ す部分が壊れてしまっていたのだった。とりあえず、ケケケケケと笑ってみることにし た。 ますますわからん。グレゴール・ザムザ。昨夜、食べたものが悪かったのだろうか。 そんな疑問をまるっきり無視して、脚はひらひらわしわし空気をかき混ぜるのだった。
26 :
変身は憂欝 :2000/08/07(月) 20:26
その朝、私は目を覚ました。 いつもなら私は午後になってから床を離れるのは、あなたもご承知であろうが、その 日は、内容は覚えていないが、不安な夢を見たので目を覚ましてしまったのだ。そして ベッドの上で仰向けになっている私を発見した。 上記のように書くと、私がベッドの上以外で目を覚ますことがあるようだが、実際の ところ、目を覚ましたときにはその上に乗って寝たはずの可愛らしいひとが、いやこん な話はどうでもいい。とにかく、この話のあとのほうでは、ベッドに上がることはおろ か人の上に上がることもなかなか困難になったから、あながち間違いではあるまい。も ちろん穴を違えるのは間違いではある。 それから、説明しなくてはならないと思うので説明するのだが、仰向けで目を覚ます のもそう珍しいことではない。ただ「いつものように」と形容することは、いかに拙い 文章の書き手であるところの私でもニノアシといわずいっぱいある脚で踏まざるを得な かったのである。というのも、私は脚がたくさん、し、ご、ろく、なな、なんとも数え たくないくらいいっぱいある巨大な毒虫になっていたのである。 と、あっさりほたてさざえあまぐり(*1)しじみ書いてしまったが、どうにも起き 上がれないので、身体をいろいろ動かしてみた。そのうち、首を、胸を、背中を、蟲の 身体についてはよく知らないのでその辺りを腹にむかって曲げたときに、自分の腹らし きものが見えた。アコーディオンの蛇腹のようなそれを見つけたとき、さすがに私も胸 がむかっとした。そして、自分がアコーディオンでもバンドネオンでもカメラでもなく、 それらの楽器(もちろんカメラのだす音は短調ではある)のキーすべてをいちどに押さ えられるくらいたくさんの脚を持つ蟲になっているのに気付いたのだった。 ドットーレ・コグレは食べてすぐ寝ると牛になると日本の有名な医者スギタゲンパク だかキタザトシゲルだかキタモリオだかケーシータカミネだかモリオーガイだかバイガ イだかソンナノロンガイだかの格言としてあると昔教えてくれたが(*2)、飲んで寝 たトスカーナ人が蟲になったことは聞いたことがない。とりあえず、ドットーレもドッ トーレである以上、ドーレ口を開けてごらん、などとやってくれるのではないかと思っ てドットーレに電話をかけようと思ったが、ベッドから起き上がれないのだった。 *1 amaguri フェデリコが受けを狙ったものか、打ち込みミスか、わからない。 *2 教えたことはないが、ケーシー高峰はそう言ったことがある。
27 :
津本陽 :2000/08/07(月) 20:29
グレゴール・ザムザはチェコはプラハのしがない服地販売員である。両親と妹ととも に暮らしていた。 ある朝、不安な夢から彼は目覚めた。その夢の内容は覚えていなかった。 彼は自身が巨大な毒虫であることをそのベッドの上で知ったが、それはどのようにし てであったか。 もちろん、目覚めたとき、自身の身体の様子が平生と異なっていることは意識してい た。しかし、そのようにはっきり異質といえる変化が自身に起こったとは考えていなかっ たようである。それは肉体の変化とともに感覚も変質したからである。 とにかく、変身に気付いていなかった彼は平生と同様にして起床しようとした。しか し、起き上がれない。特にその理由を分析しようという考えもなく、彼は身体を動かし て、再度起き上がろうと試みる。それに失敗すると三たび試みる。 そのうち、身体を腹にむかって曲げたとき、偶然自身の腹が目に入った。硬質に光る 弓形の分け目の入った褐色の体節である。彼はそのときはじめて変身という可能性を認 識したのである。
28 :
塩野七生 :2000/08/07(月) 20:30
服地販売人グレゴール・ザムザが巨大な毒虫になったのは、これといって変わったと ころのない朝だった。 その日、普段とほぼ同じ時刻に、彼は目覚めた。そのとき、彼は違和感を感じた。し かし、直前まで見ていた夢が、内容は覚えていないものの、重い不安感をもたらしたも のだったのと、自身のベッドで目覚めたことには、間違いないことから、寝起きの感覚 などあてにならないものとして捨てたのだった。 そして、彼はいつものように起床しようとした。しかし、起き上がれなかった。どう いうわけか、仰向けになった彼の身体は、体重に力負けして、ベッドの中央に揺れ戻っ てしまうのである。その起床の試みを幾度か繰り返しているうちに、偶然、ぐっと頭を 起こした彼の視界にその腹が見えた。堅い弓状で褐色の体節が並んでいたのである。
29 :
ロス・H・スペンサー :2000/08/07(月) 20:34
ベッドで見る、脚がいっぱいある毒虫なんざ、そう珍しくもない。 特にしらふの度合いが高い朝はな。 −−−モンロー・D・アンダーウッド おれは今朝、おれのベッドで目を覚ました。 おれは両親の家で父母や妹と暮らしていた。 今でも、だが。 今朝は、その具体的な内容は覚えていないが、夢見がよくなかった。 それでベッドの上で仰向けのおれは理由もなく不安な心持ちだった。 そのときは。 そのうちに、ベッドからうまく起き上がれないのにおれは気付いた。 おれは自分のへその上に巨大な灰皿が乗っているのじゃないかと思った。 それで、へそを見た。 褐色の弓を並べたようなふくれた節が見えた。おれは毒虫になっていたのだ。 おれは肩をすくめた。 つもりしかできなかったが。 これだけ脚がいっぱいあれば、酔っ払ったとき、ひとりで分列行進ができるだろう。
30 :
尋常小学教科書 :2000/08/07(月) 20:35
彼夢ヲ観ルニ酷ク不安ヲ覚エタリ朝目覚ムニ己カ寝床ニ在レトモ其ノ身体巨大ナル毒虫ニ 変スヲ見ツケ得タリ其ノ形円ク堅キ背甲ヲ持チ背ヲ下ニ在リキ彼其ノ心一ツニテ寝台ヨリ 出スルヲ望ムトモ能ハス以テ自ラノ腹ヲ観スニ褐色ノ弓ヲ多数並フカ如ク膨レタ体節ヲ認 ムニ止マリタリ
31 :
梶井基次郎 :2000/08/07(月) 20:36
朝、起きると、俺は巨大な毒虫になつていた! どうして、ただの服地の販売員の俺、グレゴオル・ザムザが、普通に俺の小つぽけな部 屋で寝て、−−奇妙に落ち着かない夢を見たとはいえ−−目覚めると、蟲になつているの か。とてもぢやないが信じたくないぢやないか。俺はこんなことが他ならぬ俺の身体に起 きるなんて信じなかつた。 仰向けのままベツドから俺はどうしても起き上がれなかつた。起きようともがくうち に、俺の目に映つたのは、茶色の弓を並べたような堅そうな段になつて膨れた節、節、 節、の俺の腹だつた。その腹が俺の動きに合はせて起伏を変へてゐる!
32 :
三浦しをん :2000/08/07(月) 21:44
ある朝、不安な夢からふと覚めてみると、自分のからだが何やら変だ。 背中が昭和新山のようにせり出しているし、お腹なんてひび割れた 地殻変動だ。どうやら私の皮下活動は活発な周期を迎えている模様。 もっと生命力に溢れていたころならまだしも、なぜ今なのか。新陳代謝 の激しい年頃は遠い昔。お肌の曲がり角も通り過ぎて、下り坂を転がり 落ちるさまはローリング・ストーンかおむすびころりんの如し。 死火山だと思ってたものが休火山だっただけで、突然爆発しちゃって あらびっくり。裏切られたわー、と思いつつ溶岩に飲み込まれていく 俺の肌。お肌の手入れにいくら気を付けていたって、肌に何が起こるか わからないのだ。やけのやんぱちになって、昼にカップラーメンを二個 (大盛&ワンタンとか)も爆食する。ぼかぁやっぱりカップラーメンが好き だあ(若大将風にすがすがしく)。
33 :
清少納言 :2000/08/08(火) 05:22
ザムザはあけぼの。やうやう不安になり行く夢ぎは、薄く目あきて、 節くれ立ちたる四肢の細くたなびきたる。目には甲殻。背中の方は さらなり。仰向きてなほ、頭もたげたるほどに見ゆる腹部、褐色げ にして、いとすさまじ。まいて関節の四つ三つ、二つ三つなど、禍々 しく幾重にも連ねたること、返す返すもすさまじけれ。また、参り 果てて、さらでもいと寒きに、腹に掛けたる布団の止めどなく落ち 急ぐ様こそ、あはれといふも愚かなり。
34 :
名無しさん :2000/08/08(火) 18:20
>33 春はザムザ、じゃないんだ(笑)
35 :
金正日を賛美する北朝鮮自己陶酔文体 :2000/08/08(火) 20:21
革命の聖山白頭の天空高く、漆黒の闇に浮かぶ眩い希望の星が、 我々の無限の栄光を高らかに謳歌する夢を見られた、我が民族の 偉大なる指導者キム・ジョンイル同志が爽やかに目覚められると、 独創的革命理論、不滅の主体思想、高邁なる共産主義的徳性、 天才的軍事戦略、芸術的な縮地法、慈愛あふるるマルクス・レーニン主義、 という六大機能をもつ六本足の百戦百勝の甲鉄将軍に変身されておられ、 革命と建設の英雄誕生と森羅万象が祝福する中で、突如赤い陽光が 燦然と輝き、米帝打倒の革命の炎が全山河を覆った歴史的な その朝、朝鮮の未来を明るく照らす旭日が力強く昇っていった。
36 :
さし絵つき :2000/08/08(火) 20:22
/~~⌒~⌒~⌒~ヾ / ) ♪ ( /~⌒⌒⌒ヽ ) ( ξ 、 , |ノ _______ (6ξ--―●-●| / > 、 ) ‥ ) < 米帝打倒!! //\ヽ_ _ ー=_ノ \_______ / / ∧ .彡Ξミ/\ / ,し\ 彡Ξミ/へ| | | /\ 彡Ξミ,へ,,(ノ ♪ λ (ノ√ 彡ミ,/へ| ヽ./ 人__ミミ__ヘ 〉(ノ (/ ̄  ̄ (/
>36 ナイスですっ
よく種が尽きないね、、、 でも読んでしまう俺。
39 :
33 :2000/08/08(火) 22:05
>>34 「春はザムザ」
んー、こっちの方がよりナンセンスだったかも。
もっと壊れた感じを目指してたんだけど、案外こぢんまりしちゃったな。
40 :
やる気大学 :2000/08/09(水) 01:18
「今のは全然無視していただいて結構ですから、グレ ゴール・ザムザさんの理想の女性を思い浮かべながら、 セクシーボイスで、お願いします」 「セクシーボイスですか(笑)。できるかなあ(笑)。 いいですか。いきます。あ、んっ。(エコーかかる) う〜ん、ザムザ、今朝もま〜たまた、デカい、毒虫に なっちゃったものなあ〜」 「すいませんねえ〜(笑)」
41 :
ライダー :2000/08/09(水) 13:27
第12話:怪奇!毒虫男 (住宅街の平凡な家、昼下がり) 「ピンポーン」 主婦「あら、誰かしら」 セールスマン「ちわー、服地の訪問販売にやってまいりました。」 主婦「はーい、いまいきまーす。」 主婦、玄関に 主婦「あら、きれいねー。買っちゃおうかしら」 主婦、服地を眺める。 その間にセールスマン、煙につつまれる。 効果音と共に毒虫男出現 「ザアームザーー」 主婦「きゃー!」 毒虫男、腹から毒液を発射。主婦、倒れる。 毒虫男「ザアームザアー。人間を不条理にしてしまうこの毒液で 日本人を全員キ(ピー)にしてしまうのだ。」 しばらく後、肩にバットをかついだ子供が帰ってくる。 子供「ただいまー!」 主婦、目の下に黒いクマ、鋭い眼光「おかえり、おやつが出来てるわよ」 といってミミズの入った皿を出す。 子供「ぎゃー!助けてー!」 子供、立花藤兵衛の店にかけこむ。 子供「大変だ!ママが!ママが変なんだ!」 滝「ショッカーの仕業か!」 ショッカー秘密アジト (納屋悟郎の声)「よくやった、毒虫男よ。この日本人全員キ(ピー) 作戦で日本中を恐怖のルツボにおとしいれるのだ!」 つづき誰かおねがい オマケ 名前:毒虫男 出身:ドイツ とくちょう:背中はこう鉄よりもかたい。腹から人間を不条理にしてしまう毒液をだす。 じゃくてん:リンゴに弱い
42 :
MtG(実は5版あたりまでしか知らない) :2000/08/09(水) 16:31
ザムザ 青黒1 レジェンドの召喚 1/1 ザムザはあなたのアンタップフェイズにアンタップされない。 アンタップ状態のザムザは−1/+2の修正を受けるとともに 毒虫として扱われる。 リンゴの対象になった場合、毒虫は埋葬される。 −−不吉な夢から目覚めてはいけない−−プラハの服地販売員
43 :
42 :2000/08/09(水) 17:53
自己レス。 「アンタップ状態」じゃないな。「タップ状態のザムザ」だ。恥。
44 :
男塾 :2000/08/10(木) 04:20
富樫・虎丸 「げえ〜〜〜〜っなんじゃああれはーーっ 毒虫と化した奴の体がまるでダンゴムシのように丸まって 雷電の上にのしかかって回転してやがるーーーーっっ!!!」 卍丸 「むぅ・・・こ これは奥義圧殺挫無座・・・!! ま まさかこの奥義を使える者が現代にいようとは・・・」 〜奥義・圧殺挫無座〜 中国拳法には猛獣の姿を模して戦う戦闘術が多々あるがその中でもこれは毒虫の 姿を借りたものでありその異様さとその恐ろしさで知られている。 かつて清朝中国において高名なる武人・呉轟龍挫無座(ぐれごおるざむざ)は 修行を重ねることにより甲殻状の鎧をまとい毒虫の姿を模した戦法を編み出した。 中でも相手に毒を吐きかけて身動きの自由を奪い、甲殻の鎧で丸まって体当たりを 行う奥義「圧殺挫無座」を得意とし、この技を使ってとどめを刺すことを好んだと いわれる。この「圧殺挫無座」がひとたび放たれれば絶対に逃れることは出来ない と言われており、相手の息の根を止めて彼岸へ送るまで技が終わることはないこと から人々はこの技を称して 「圧殺挫無座も彼岸まで」 と例えたというが、これが日本に間違った形で伝わり気候の移り変わりを表現する 「あつささむさも彼岸まで」という言葉となったことはいうまでもない。 (民明書房館・『吃驚!世界の毒々拳法』より抜粋) 富樫・虎丸 「あわわわわ・・・どうすればいいんだこのままじゃ毒で動けないまま 雷電はペシャンコに潰されちまうぞ〜〜〜雷電ーーーーーっっ!!!!」
45 :
ゲーム帝国 :2000/08/10(木) 04:28
Q.やっぱり帝国でも朝起きると毒虫ですか。 A.そのような程度では全然あまく帝国の場合国民は朝起きたら全員毒そのもの! そして拙者などはその毒を全部飲んでしまうほどの毒マニアであり 我が偉大なる総督に至っては自らひり出した毒を自分で飲んでは またひり出して飲むという程の毒スカトロマニアであり単なる自殺志願者。 ところでゲーム帝国ネタはすでにがいしゅつであるというのは本当ですか? と例によってまた拙者のほうが質問者でありスマヌとす。
46 :
>42 :2000/08/10(木) 09:53
このカードのイラストは是非Mark Tedinに描いて欲しいですね〜
47 :
寺山修司に挑戦 :2000/08/10(木) 17:20
変身病 蟲に変わる病ありといふ。 ある男、不安な夢から目覚めてみると一匹の毒蟲に変わりていたり。 妹嘆けども癒えず。母親は彼を激しく厭えり。 大鳥のごとく羽ばたかんとすれども空を飛ぶ事かなわず。 終に林檎の実に打たれて死すと言ふ。 グレゴオル=ザムザの墓や恐山 変身地獄のいもうとと蟲
>40 ははは(笑)おれ、午後は自動車営業だから、これ、よく特徴つかんでて いいね
49 :
>45 :2000/08/11(金) 11:52
50 :
名無しさん@1周年 :2000/08/12(土) 04:26
500渋松の特に前半部分と1009ポンちゃん、笑った。 中野翠、伊集院静をリクエスト。
紫の上きぼーん
52 :
松平龍樹 :2000/08/12(土) 15:01
(うっ、ううう〜〜〜んん……ッ!) ある朝、グレゴール・ザムザはベッドの中で目を覚ました。 (何だか不安な〈モヤモヤした〉夢だったな……) 気がつくと、彼〈ザムザ〉は自分の肉体〈カラダ〉がとてつもなく大きな毒虫になっていた。背中は天使の輪〈エンジェル・リング〉を持った、光沢に満ちた甲殻だ。 (うわァァァァァ〜〜〜〜ッッ! あヒぃ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!) 吃驚〈びっくり〉して、体勢を入れ替え〈仰向けになり〉ちょっと頭を持ち上げて見る。 ぽこ、ぽこぽこッ、ぽこぽこぽこッ。 腹部〈おナカ〉のあたりは、まるくて、ふくらんでて、褐色で、弓形の固い節で分け目が入って〈段々になって〉いた。
君たちの誰かが芥川賞を貰う日が来る。 楽しみにしてるよ。感心してロムってる。凄いよ。
54 :
名無しさん@1周年 :2000/08/15(火) 22:18
ageちまえ
55 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/16(水) 23:21
最近、新作ないですね
56 :
平井和正<犬養道子邂逅前 :2000/08/17(木) 07:58
彼は巨大な毒虫だった。その名はグレゴール・ザムザといった。たとえ虫であっても、 かつてはヒトであったのだ。名前で呼ばないわけにはゆくまい。 するりとした曲面からなる硬質の背の甲殻。多数の体節からなるものの滑らかな稜線 を描く背から尾。刻み込んだような腹節。身体の左右両側に配された、意志に従わない、 多数の脚。そして、思考も感情も表出しない堅く乾いた眼球を持っていた。 もとより彼はそんな体を持って生まれついたわけではない。グレゴールはぱっとしな い単なる独り者の服地のセールスマンであり、両親や妹と暮らしていた。そういう意味 ではほかの若い人々となんら際立った違いをもたなかった。 運命の誤謬。もしくは気紛れ。それが彼を堅いキチン質の甲殻をまとった巨大な毒虫 に変えた。暗褐色の怪物に変えたのだ。 その朝はとくにどうということもない朝のはずだった。グレゴールは小市民なりの悩 みはあったものの、目覚めるほどの悪夢を観るような想いを持ってはいなかった。しか し、その朝彼は、夢の重い不安感ゆえに目覚めてしまった。そして、身体を起こそうと して自身の腹が目に入ったところで、既にぼんやりと意識をつついていた違和感は爆発 したのだった。 彼が夢から目覚めてから、かえって不安と苦悩は肥大していた。あまりに普段と知覚 が異質なのだ。光、音、触覚。それらは彼の理解をまったく越えた新しい切り口を持っ て、脳裏になだれ込んだ。その違和感に精神は、戸惑うばかりだった。自身の見たもの が腹節であることを知ったとき、まるで水に溺れたように、瞬間瞬間の驚愕と焦燥と恐 怖の間を巡るようになってしまった。人間の知覚と蟲の身体の知覚とが、一部共有し一 部相反していたために、総体としてはほとんど意味を見いだすことができなかったのだ。 しばらくすると、グレゴールは新しい身体に適応した。感覚を自動的に取捨選択でき るようになった。そして、彼はふしぎなほど意識が明瞭になり、いま現在の彼の部屋、 彼自身の身体について、カットされたボヘミアングラスのように硬質に磨ぎ澄まされエッ ジの効いた認識を得た。 直後、黒い衝撃をともなった理解とそれに対する驚愕が彼の意識を貫いた。激情が彼 の感情を、体躯を震わせた。自分が慣れ親しんだ人間の身体と生活を失ったこと。やわ らかな肉体を失い、皆目わからない堅い甲殻に包まれた蟲の生活を強いられることに気 付き、いかに貴重なものを失ったかを、身に鏝をあてられたも同然に押しつけられたこ とに思い至ったのだ。なにより、この変身の原因となるような自身の行為にはまったく 心当たりがなかった。ヨブ同様、巨大な力の前に翻弄されていることを知ったのだ。 このような運命をもたらしたものにとって、たかが人ひとり、虫けら一匹の進退や生 死には薄っぺらな興味以上のものはない。だいたいそんな個々のものが意志や感情を持 つものであることなど知ったことではないだろう。ましてや、その悲しみや当惑にはな んの同情も共鳴もありはしない。 彼の胸のうちは痛憤でたぎりかえったが、虫の体では泣くことさえできないのだった。
57 :
ヒトーパデーシャ翻訳調 :2000/08/17(木) 08:06
ラベ河の合わさるところの上手、ブルタバ河の畔にプラハの街はあります。その街で は様々な産業が盛んです。たくさんの職業とそれに携わる人々が住んでいます。さてあ る朝、夜が明けて白い雪をかぶったような下弦の月が低い空に昇っている頃、グレゴー ル・ザムザという服地の販売人が目を覚ましました。そして、どうにも不安な気持ちが 残るような夢を見ていたのを思い出したのです。その男はベッドの上で仰向けのまま考 えました。 「今日はどうして朝から不安な心持ちで目覚めたのだろうか。なにか悪いことの前兆 だとしても、覚えていない夢では解らない」 このように考えると、グレゴールは起き上がろうとしたのです。なんとなれば、 起き上がるごと、災いの 近くにありと思えども ただ夢見によりて日常を 踏み外すことこそ愚かなり、 と言われるからです。のみならず、凡そ、勤め人とは次のようなものだからです。 単なる勤め人の平日は 毎日毎日額に汗して 働くことよりほかになし 働かざれば職はなくなる さて、起き上がろうとしたところ、ちっとも起き上がれないのにその男は気付きまし た。何回か試してみましたが、だめでした。まるで亀が仰向けになったようです。固い 丸い背中でぐらぐらするばかりでした。これはおかしいと思ってひょいと頭を上げて自 分の腹を見ました。すると、褐色の艶々した弓を並べたような膨らんだ体節が目に入り ました。どうやら、巨大な毒虫になってしまったようです。いくら何でもそんなことは あるまいとその男は思いました。なんとなれば 後天的ハイブリットを作り出す ショッカーやゲルゲは 極東の地、日本に現われども 半世紀は後になる と言うことからです。そりゃまた一体なんです。とその男は考えましたから、筆者は次 のように説明せざるをえないのでした。 もちろんベリャアエフの鮫人間やウェルズのDr.モロウのオペレイター達も後天的 ハイブリットだが節足動物との後天的ハイブリットが人間の意識を持つ(以下略)
58 :
ねこぢる :2000/08/17(木) 08:10
こわくて確認できないが、つかまるとキケンなものに追いかけられている。つかまり そうになったとき、目がさめた。白いシーツのベッドの上であおむけになってねている。 カブトムシみたいなにおいがした。かけぶとんがなくてはだかだったけど、グレゴール・ ザムザという男になっていたし虫になっていたから恥ずかしくないと思った。背中が丸 くてちょっと動くとぐらぐらした。ベッドは幅がせまくて高いからころげ落ちたら痛そ うだから、ころげ落ちないようにぐらぐらさせないように体を固くした。 でも虫はいやだったから、やすお君に相談しようとして起き上がろうと、頭をあげたら ごきぶりの茶色の腹みたいな節の入ったおなかが見えた。 おわり。
59 :
岡本かの子 :2000/08/17(木) 08:12
ある朝、グレゴール・ザムザは、夢を見た。それは重くろしく、汚らわしく、厭わし く、わずらわしかった。その一方、勤め人のかれは覚醒を感じ始めて居た。カーテンで 暗い部屋のベッドの上に広がるシーツのほの白さは大理石の台のように冷たくかすかに 光り、悪夢に由来の匂う寝汗を含んで目覚めたグレゴールを待って居た。 グレゴールが起き上がるために体を捻るとベッドのスプリングがきしきし鳴った。起 き上がれないのを知ったグレゴールがその手足を意識すると、不気味な、こそばゆい感 じがかれの感覚に立ち騰って来る。両肩や腰から下が意味もなく竦むのを自分で叱って グレゴールが再度起き上がろうと動くと、ベッドがしねしねと動きを吸収するのを感じ た。マットが背中に糊づいたように感じられ、それが剥がれない。強いて剥がそうと更 に二三度体を動かすと、マット全体がゆらんゆらんと水平動と上下動の入り混じった妙 な揺れ方でグレゴールの体を翻弄し始めた。俄にグレゴールは人間にはありえない自身 の背中の丸さと背中から腰の固さを感じた。グレゴールはまず不安を感じ動くのを止め た。そんな不安にも徐々に馴れて来る。一分、二分、グレゴールはまったく馴れて来た。 ひそやかな噎ぶような激情が静まって、呑気な心持ちがやって来るとグレゴールにも意 地が涌いた。どうせ体を確認するよりほか道はないではないか。グレゴールは口に力を こめて頭を強いて擡げ上げて自分の腹を見た。褐色の弓形に艶々と丸く膨れた固そうな 節が連なっているのが見えた。グレゴールは息を喘がして頭を落とした。たくさんの体 節とその左右両側に細い脚を持つ丸く肥えて大きな毒虫になっていたのだった。
60 :
佐藤春夫 :2000/08/17(木) 08:13
グレゴール・ザムザは二十余年の生涯にそれほどの驚愕を覚へたことはなかつた。別 に普段と変はつた事をしたわけではない。ただ朝目覚めると巨大な毒虫になつてゐたの である。こころ当たりといへば目覚める直前に見た夢が、内容を忘れてしまつたといふ せいもあるのか、正体の知れない不愉快さを伴ふものだつたためかもしれない。尤もた かが気味の悪い夢を見る程度で人が毒虫になるであらうか。さう疑はしく思はなかつた わけではない。 その朝彼は目が覚めてから自身がそのベツドの上で仰向にあるのを知つた。彼は先程 まで見てゐた夢のもたらした不安が消えないのを訝しく思つた。ともあれ普段のとほり 起き上がらうとしたが、起き上がれなかつた。背中を下に起き上がり小法師のやうにぐ らぐらするばかりなのだつた。あとになつて思ひ当つたのだが、背中が丸く固くなつて ゐたためだつた。然しその時彼は手足がその行為に協力してゐないのを不思議に思ひ、 なんともいやな心持が刻々に迫るのを感じた。気を奮つて頭をチヨイトもたげて見ると 自身の腹があるべき所に艶のある茶色で弓形に膨れた腹節が多数並んでゐるのが見えた。
61 :
吉田健一 :2000/08/17(木) 08:15
ある朝のことグレゴール・ザムザは不安な夢を見ていてそれから目覚め違和感を感じ たのだつた。その違和感がどこから来るものか彼は解らなかつた。どうやら身体の調子 がおかしいらしいとは思つたものの、例へばまだ夢を見ていて目覚めてゐなかつたとい ふことになればどうだらうかといふことも考へた。併し身体の感覚がどうにもあやふや なところがあつた。そのやうに寧ろ夢であると考へるのが当を得た感じがした。 然し彼は勤め人であるから目覚めなければならない。兎に角起き上がろうと頭をもた げたときに見えた褐色で固い艶のある弓形の分け目を入れたやうな節のある膨れた腹が 直ぐには自分のものとは思へなかつた。然し暫くするとどういふ具合にか彼にも解つて 来た。さうして気が付いたのが自身がとてつもなく大きな毒虫になつているということ だった。
62 :
59, 61訂正 :2000/08/17(木) 08:34
59ラスト−誤:いたのだった。>正:居たのだった。 61ラスト−誤:になつているということだった。>正:になつてゐるといふことだつた。
63 :
名無しさん@1周年 :2000/08/18(金) 17:48
age
64 :
模写? :2000/08/18(金) 21:25
●みなさん今晩は、苦いたわごとの時間がやってまいりました。今夜は[馬鹿な]文芸評論家のかたがたにお集まりいただき、文体模写のヘンシーンを考えると題しまして、おはなしをお伺いいたします。みなさんよろしくお願いいたします。 一同:よろしくおねがいします。 ■どうも。ええと、んじゃあ、まず僕からいきます。まあ、ぼっ、んん。僕の場合はね。ハードコピーに降ろしてから読んでんだけど。今の文体模写はさ。なんてえの、こう、いいものもある。だけどわるいものもあるよね。 ◆いやいやいや僕の場合はね、ちょっと君とは違うんだけどね。あのトウコーシャの友達がロスとかニューヨークにいるんだけどねえ。いつも変な話送ってくれるんだけど。よく読むとまあ、いいものもある。悪いものもある。 ★あの、ちょっちょっといい?僕はやっぱり目が覚めたら一番はじめに気付いたのが ■でもね、僕なんか、なんていうの。トランスファーに本を読む機会がすごい多いわけ、ね。こないだもロンドン、ニューヨーク回ってきたんですよね。そこでいちばん感じたのはですねえ。いいものもあるけど、悪いものもあるというのをいちばん感じたなあ。 ◆いえ、君とはちょっと違うんだよね。僕はドイツ語がわかるでしょ。だから向こうの原書なんか覚えてないくらい何度も読んてね。断っておくけど。まあ、だけどよく読むといいものもある。んー。悪いものもあるっていう。 ★でねえ。やっぱり僕はベッドで仰向けで ■そうじゃなくてさ。君の言いかたちょっとおかしいよ。そうじゃなくてさあ、僕なんかわあ、ま、一日にね。一日に八時間テキスト・ネット繋ぎまくって生活してるわけですよ。そうすると、すごいよく解るのは、んー、いいものもある。だけど悪いものもあるって感じだなあ。 ◆違うよ。僕なんか全然時間の問題じゃないと思うんだよね。僕はダウンロード五万ファイルだよ。五万持ってるんだよ。それもテキストのファイルばっかりよ。そいで、よく読むと。いいものもある。悪いものもあるんだよ。 ★ちょっといわせてもらうとね。僕はなんか起き上がれなくてね。背中がね。 ■あのちょっと君違うよ。だってね。ディスケットの枚数なんかで言ったら<フロッピーディスクね><ふふん>僕なんか八万枚ありますよ、テキスト。それをさあ、全部読みまくってて感じんのは、はっきり言っていいものもある。だけど悪いものもある。 ◆んふっ、僕なんかね。君とちょっと違うんだけどね。携帯電話でインターネットしたりとかね。<モバイるとか言おうよ、せめて><っせえな>ちゃーんと文体模写の話して読むとですね。いいものもある。悪いものもあるんだよね。 ★いいですか。えーとね、あのー、僕はね。絶対おかしいと思ってね。 ■なんか違う。全然違う。全然話違うよ。いーい? 変身を理解するためにはさ。ファッションと切り離せないと思うわけですよ。<なるほどね、気になって>ねえ、聞いてる? ねえ。僕はほらいま、毒虫スーツ着てますよね。褐色の。ほら。ま、これは別に大したことじゃないですよね。<そうかあ?>毒虫スーツ十着ぐらい持ってますよ。<ほほお>だから、そうゆうふうに、生活に変身を取り入れることからね、文体模写を考えると、いいものもある。だけど悪いものもあるといいきれると思うわけよ。 ◆ちょっと待ってよ。きみとはちょっと違うんだけどね。文学ネタなんかオフミするとね。全部僕がすき焼きとかてんぷらシャブシャブとかみんな連れてくんだよ。面倒見るんだよ。そうやってコミュニケーションしてね。で、文体模写はいいものもある。悪いものもあるんだよね。 ★やっぱお腹を見たらね。腹節が見えるじゃない、とすると ■なんかおかしいんじゃないの。矛盾してるよ。まったく矛盾してるよ。僕はさあ、んんっ、ネットで掲示板を十本もってるわけです。はい。えー、今度文学評論でチャットの企画の司会もします。まあ、こうゆう世界にいてですねえ、初めて文体模写がよく解ると言い切れると思うんですよね。だからそうゆういいかたからしてもね。いいものもある。だけど悪いものもあると僕は思うわけなんですよ。 ◆違ーう、ちょっと、僕は君とちょっと違うんだけどね。僕なんかね。今度小説誌のプロデュースやるんだよ。しかもニューウェーブでよ。<いまどき?>そうやって実際文学を当たってみてね。いいものもある。悪いものもある。 ■(深呼吸)だからさー。ニューウェーブがどうしたか知らないけどさあ。僕ね、今度みんなに頼まれてチャットで公開討論やろうかどうしようか悩んでる自分がここにいるわけ。相手は今一番の一番の、あんた一番人気とやったことある?そうゆう真剣勝負を ◆だけどね。僕はね。ネットがいくら
65 :
名無しさん@1周年 :2000/08/19(土) 04:55
えと...64って途中なの?
66 :
名無しさん@1周年 :2000/08/19(土) 04:58
ディスケットってIB◎固有の用語ですよ。
67 :
名無しさん@1周年 :2000/08/19(土) 05:41
なんか、和訳ツールにかけて説明書作ってるからわけわかんない
68 :
名無しさん@1周年 :2000/08/19(土) 06:24
擬態。 惹かれるな。 複数の自分を意識して使い分ける。 ってことは、文体模写は文豪を自分で飼うことになる!!??
69 :
名無しさん@1周年 :2000/08/19(土) 06:37
なんかいい発見が沢山ある。 これからも生産的なんだろうなぁ。
70 :
64さんの代わりに答えると… :2000/08/20(日) 00:03
>65さん 64は、スネークマン・ショウのパロディ(模写?)です。 この三人のやりとりがこの後も延々と続くという意味で、フェイドアウトしています。
71 :
スパイ大作戦 :2000/08/20(日) 00:27
おはようフェルプス君。 グレゴール・ザムザはプラハに住む服地販売人だ。しかし、実はその裏の顔は とてつもなく大きな毒虫で、その毒液によってすでに多くの被害が報告されている。 このままではドイツは言うに及ばず、我が国にとっても重大な脅威となる事は 明白である。 そこで今回の君の使命だが、彼の背中にリンゴを撃ちこみ、その野望を阻止する 事にある。 例によって君もしくは君の仲間が捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切 感知しないからそのつもりで。成功を祈る。 なお、このディスクは自動的に消滅する。
72 :
強殖装甲 :2000/08/20(日) 15:25
ザムザ「グ.グギギギギ....」 深町「巻島さん、これは?!」 巻島「ああ、こいつ、どうやら自分でも知らないうちに獣化兵に調製されてしまっていたらしい...」 ギュオー「その通り、このザムザとか言う男、調製期間中の記憶は消去済みだ。 もし、意識があるなら不条理小説の主人公にでもなった気分だろうが、 現在はこのギュオーの思念波の支配下にある。 ガイバーどもよ、果たしてこいつが倒せるかな?」 瀬川「クロノスめ、なんてひどい...」 深町「く...」 (獣化兵とはいえ、この人は罪のない一般人だ。そんな人を倒すことなど...) ガ オ (メガスマッシャー炸裂!) ッ ギュオー「!!」 巻島「深町はどうだか知らんが、このガイバーIIIは違う。 獣化兵を倒すのになんのためらいもないぜ...残念だったな、ギュオー!!」
73 :
↑ちなみに :2000/08/20(日) 15:43
「グレゴール」っていうゾアノイドがちょうどいます。 虫型じゃないですけど(笑)
>64 「増殖」でしたっけ?なつかし〜
75 :
名無しさん@1周年 :2000/08/21(月) 23:29
>64 「あ〜〜〜、にっぽんは、へいわだなぁ〜〜〜〜〜〜」
76 :
ダーシェンカとプドレンカ・ネタ :2000/08/22(火) 20:29
ダーシェンカ。そのサンダルを返しておくれ。おとなしく返してくれるなら、ぼくが おはなししてあげよう。ぼくらと同じ国の人の話だよ。 その人の名前は、グレゴール・ザムザといって若い男なんだ。服地の販売をしていた。 まあ、どこにでもいるような普通の男だったんだよ。ある朝、目が覚めたら、でっかい 毒虫になっていたんだ。変だよね。なんでかって?夢見が悪かったのかもしれないねえ。 とにかく、その男は仰向けで目が覚めた。ダーシェンカ。いまきみがやってるみたいに ばたばたしたけど、起き上がれなかったから、ひょいと体を見たら、たくさんの節の入っ た茶色いおなかが見えたから、蟲になっているっていうのが、おいダーシャ、待ちなさ い!ダーシャ! * * * 毒虫についてのこのお話(まさに現代社会同様、辻褄のあわないお話)の最初にはひ とりの男、しかも、ごくフツーの若い独身男が登場する。凶事には、みなどこか贈り物 めいたところがある。そんな贈り物は、別世界から落ちてきたようで、余分なものを供 なって、わたしたちの思惑を無視してわたしたちの生活に押し入ってくる。とりわけそ れが、背中に丸く固い甲殻、お腹に褐色のたくさんの節をつけた毒虫の身体ならなおさ らだ。その男は、その地味で落ち着いた気性を表しているわけではないから取り立てて 示す必要もないが、グレゴール・ザムザという名前だった。
77 :
ザムザブロウ2000 :2000/08/22(火) 22:18
「毒虫! 毒虫!」 群衆の激しい叫び声はブルタバ河畔の狭い路地の壁から壁へと跳ね返り、灰白の石畳を 打つ鋼の履帯の重い軋みが、その喚声にいがいがした輪郭を着けていた。 「毒虫! 毒虫!」 ノースウェスト・スミスはその群衆が近付いてくるのに気付くと、手近な戸口に退り、 熱戦銃のグリップに手を掛けて、鋼色の双眸を細めた。 テラフォーミング後の新興地球植民露天都市ニュープラーグではこの手の騒ぎは当た り前だった。このまだまだ発展の余地のある露天都市ではどんなことでも起こり得たし、 実際起こってもいた。 やがて、路上を平べったい茶色のものがひらめき、ポケットに突入する的玉のように 狭い通りのくぼみからくぼみを縫って走るのが見えた。それは一匹の巨大な毒虫だった。 褐色で固く丸い甲殻を持ち、身体の両側の多数の脚で走ってきた。その虫はノースウェ ストの前でよろめくと、彼の立つ戸口に滑りこんできた。 それを追ってきたのは、雑多な群衆で、先頭の男は階級章を引き千切られた星間パト ロールのジャケットを着ていた。毒虫とその傍らのノースウェストを見てその男は一瞬 唖然としたが、すぐ「毒虫!」と喚くと突進してきた。背後の群衆も「毒虫! 毒虫!」 と声を上げた。 ノースウェストは熱戦銃で路面に弧を描くと、それに押し返された群衆がやや静かに なるのを待って言った。 「これは俺の虫だ。さがれ!」 それが聞こえた群衆の先頭は退がった。彼らの顔には当惑が表れていた。元宇宙パト ロールは言った。 「あんたの? あんたのものと言ったか?」その声は恐怖と疑惑と嫌悪の混合物だった。 ノースウェストが肯定すると「こいつのだと! 勝手にしろ! 二度と外に出すな!」 と怒鳴ると群衆とともに去っていった。ノースウェストはもっともめるかと思っていた ので呆気にとられた。群衆は三々五々彼に侮蔑の視線を与えては帰ってしまったのだ。 「モウ コワクナイ」毒虫はおずおず言った。 「彼らはどうしておまえを追いかけたんだ? 一体何をしたんだ? 名前はなんて言う んだ?」 「シラナイ アサオキタラ ヘンシンシテタ ナマエハ グレゴール・ザムザ」
78 :
森銑三 :2000/08/23(水) 08:20
或朝のことだつた。、 グレゴオル・ザムザは、少し気味が悪い夢から、目を覚ました。仰向けのまま、何時 だらうかなと思つた。そして何やら不安な心持であることは気に懸かつたが、それは夢 見が悪かつたことを忘れかねてゐる所為ではないかと思はれた。 その日も勤めがあるから、グレゴオルは自分のベッドから起き上がらうとした。とこ ろが、それが果たせなかつた。改めて試みた。やはり果たせなかった。一体どうしたと いふのであらうか。その一事は気に懸かる。何か変事があつたのではあるまいか−−。 とかうする内に、何やら背中の丸みを中心に自分の身体がぐらぐら揺れるやうである。 さうした事を奇妙に思ひながら、なほ起き上がる試みを繰返してゐると、頭を擡げた拍 子に、自分の腹は褐色の弓を並べたやうな固さうな節からなつてゐるのが目に入つた。 その左右両側には数え切れぬほどの脚がわさわさ蠢いていた。 グレゴオルは、ひと目見るなり驚いた。かれは、もとより一体に内気な、物静かな生 れつきだつたから、先づ、自分の感覚を疑つた。けれども、よく考えてみると目が覚め てからの自分の感覚や身体の変化に思ひ至らずにゐられなかつた。そして身と魂とが離 れ離れになつたかの如くになつた。
79 :
ラカイナ4269星系、惑星チャイにて :2000/08/23(水) 21:48
ある朝、グレゴール・ザムザは、ディルディルのツァウグシュの獲物になる夢を見た。 目が覚めると自分が人間サイズのスカラト−−キスロヴァン大陸の東の沿岸に浮かぶリュ ウム島名物調味料となる肉食の虫−−になっているのに気付いた。丸く堅い甲殻の背中、 たくさんの腹節と一節あたり一対の脚を持っていた。ただ、よく足元を素早く走るもの は黒いのに、自分は褐色であるから、大きくなると色が薄くなるのだろうかと思った。 また、グレゴールはこのような変身について聞いた事がなかったので、プニュームのあ やしい呪術によるものだろうかと考えるのだった。なにしろプニュームについて詳しい ことは忘れられてしまっているのだ。
80 :
森喜朗 :2000/08/23(水) 23:21
共産党のグレゴール・ザムザくんは国賊でありまして、 八紘一宇の精神で、 未来に禍根を残さぬためにも 一族郎党連座で誅すべきかと愚考します。
81 :
不可>80 :2000/08/23(水) 23:42
「毒虫に変身」もしくはそれを類推できる表現は必須。再提出を命ず。 誰か、クワタケースケ、オールナイトニッポンの中島みゆき、モダチョキのマリちゃんやらないか?
82 :
フィリップくん×フィリップくん×フィリップくん :2000/08/24(木) 21:52
「あのねえ、グレゴールザムザくんはねえ、不安な夢を見ていたんだけど、目が覚めた ら家族がみんな知らんぷりするんだ。グレゴールくんは思ったねえ、どうしてみんなド ク、ムシするんだ」 <もうひとつ、よけるやつやって> 「グレゴールくんはでっかい蟲になったもんだから、床をうろうろ這っていたんだけど、 お父さんは邪魔だって、ひっぱたいたら、グレゴールくんはすぐ避けた。グレゴールく ん退く虫」 64: ディスケット 「■」は「ディスケット」しかない時代から、というアレなヒトというキャラクタ設定。 それを立てるために<フロッピイ云々>をバックグランドノイズ発言として表現した つもりが、通じなかったか。発言がどんどん進行している感じが出そうにないので、改 行せずに、いいかげんな<>くくり表現をしてみたんですが。()はルビや深呼吸のよ うな状態表現、あるいは、文中註にしか見えないから使えないし。 うーん。どう表現するのがよかったんですかね。ご教示ください。
83 :
つげ義春「山椒魚」 :2000/08/25(金) 09:02
俺がどうして毒虫になったのか分からないんだ 気がついたら背中を固い甲殻に覆われた虫になっていたのさ ではそれ以前の俺はどこでどうしていたのかというと サッパリ思い出せないんだ ただ遠い故郷があったような気はするのだが…… もちろん初めのうちはひどく不愉快だった 殺虫剤をかけられて俺は何度も気絶したんだ そればかりではない 空腹のあまり得体のしれない腐肉や虫ケラを食べて 吐気と下痢を同時にやらかしたこともある だが今ではすっかり慣れてしまって 弓形の固い節で分け目をいれられた腹をひきずって 地面をはうのに快感すら覚えているのだ 俺はいつのまにか俺ではなく まったく別のいき物になってしまったのだ 背中なんて時たまながめると たくましく黒光りしてじつに感じがいいんだ そうさ俺はだれにも邪魔されず自由に 勝手気ままにしていられるのさ
84 :
虫の来歴 :2000/08/25(金) 09:16
一寸の虫にも宇宙の全過程が刻印されている。後年グレゴール・ザムザが毒虫に変身するに至った最初のきっかけは、スイスはバーゼルの某研究室で、ひとりのポスドクから聞いた話である。 針金細工に渋紙を貼りつけた趣の顔面にあって、そればかりが敏捷に動く眼でザムザを眺めた男は、すっかり肉が削げ落ち痩せごぼうみたいになった指に傍らのゴキブリを摘んでみせると、これは種別するならチャバネゴキブリというゴキブリであると講釈を述べ、いまわれわれが眼にするのに似たゴキブリは古生代に初めて地上に姿を現わしたものである、したがってこのゴキブリも恐竜より古い種族の末裔である、と述べたあと、およそ次のような事柄を語った。 君は普段路傍の虫に気をとめることなどないだろう。蝶や玉虫ならばまた話はべつだろうが、およそハエやゴキブリなどは詰まらない、ただ意味もなくうろついているもので、邪魔にこそなればわざわざ手にとって眺めてみる価値などないと考えているのであろう。だがそれは違う。変哲のない虫けらにも生物の進化の歴史が克明に記されているのである。たとえば君はキイロショウジョウバエ、Drosophila Melanogaster 、がどうして発生するかを知っているか?卵の中で始めにギャップ遺伝子が働き、その産物は胚を大ざっぱに分割する。次にペア・ルール遺伝子が働き、セグメント・ポラリティー遺伝子が働いて体節が区切られる。胚はふ化して幼虫となり、幼虫は蛹化して蛹となる。蛹の中では劇的に体が作り直され、受精から約9日で成虫が現われる。と成虫はまた卵を産み、卵は幼虫になり蛹になり成虫になり、さらには再び卵を産んで世代を繰り返す。虫は一瞬も静止することなく変化している。素材は絶えず循環している。生物が進化しているのは君も知っているだろう。ショウジョウバエの発生に働く遺伝子とよく似た遺伝子は哺乳類も持っている。分子生物学を用いて、哺乳類の眼を作るのに働く遺伝子をショウジョウバエに入れることで、眼がたくさんあるショウジョウバエを作ることさえできる。ショウジョウバエも人間も、時間を遡れば、起源を同じくしているのだ。つまり君が何気なく眼にする一匹の虫は、およそ三十億年前、後に地球と呼ばれるようになった惑星に生命が誕生したときからはじまったドラマの一断面であり、物質の運動を刹那の形態に閉じ込めた、いわば宇宙の歴史の凝縮物なのだ。
85 :
ヂャアマアイイカ実験作−或る人類毒虫変身に就いての一考察 :2000/08/25(金) 20:42
人が、ふわふわと心浮き立つ未だ浅い春の、とある朝、花ほころびたる美しき春や来 たらんと、希望にまなざしを上げる、まだ肌寒い日のひねもすを、あやしげなる小売人 の群れに伍して、そこばくの利といえども争うべく、ひとりの若い男グレゴール・ザム ザは自室のベッドの上で不安な夢から目覚めた。 ところが、ちっとも起き上がれなかった。ぐらり、ぐらりと丸く重い背中で揺れるば かりだった。彼は何度か努力を繰り返していたのである。ところで、しかるにその枕と 頭はいっかな距離を得ない。時計の振り子のように、大きな振幅でゆっくりと行きつ戻 りつしていた。 ?(はて) 彼は不可解千万のことが起きていることに気付き、凝然と思案に暮れる のであった。 が、急にくるり、と、それはさっきまで彼が身体を起こすべく身体を曲げていたごと く、(たぶん推測するに、彼は今は朝であるからゆっくり考えていられないと判断した ために、ほとんど無意識に再び動きだしたのであろう)頭をもたげたところで、自分の 腹を見詰めたのであった。その動作の中途で、彼は今朝の異常の原因を提示され、それ を認定したのである。 「あ!」 彼は、この刹那、こう、口の中で叫ばざるを得なかったのである。 というのはほかでもない。彼の眼前には褐色の弓形に刻みの入った、膨れた節が並ん でいるのが見えたのであった。 巨大な毒虫の身体!毒虫に変身!? ああ、何ということ!
86 :
ビートたかし(ターザン山本) :2000/08/25(金) 22:27
俺は不条理というものを悟ってしまった! 天皇賞に100万円を賭けて、大ハズレした俺は家に帰って布団にもぐりこん だんですよ! そして眠っているうちにものすごい悪夢にうなされたんだよね。 朝になって目を覚ましたら俺は巨大な虫になっていたんですよ! 体は黒くなっているし、手足はゴソゴソいって起き上がろうにも起き上がれな いんですよ! カミさんも娘も逃げてしまったし、競馬で100万円をスってしまって、しか も朝になったら虫になっていた。 これこそが不条理なんだと、50になって発見してしまったわけなんですよ! 競馬に負けたことによって自我の崩壊を起こして、崩壊した自我を取り戻すた めにエネルギーを生み出すというのが俺の真理だったんですよ! それが虫になってしまった事により、自我を取り戻す方法を新たに見つけなけ ればならなくなったんですね。 ああ、これこそが不条理なんだと俺は悟ったわけです! これは青春の大発見なんですよ〜〜〜〜!(炎上して机をバンバン叩く) プロレスファンの方、斎藤文彦、井上義啓で書いてください。
87 :
糸萬ピ@お題「毒虫を愛しましょう」 :2000/08/25(金) 22:29
なんかしら、私が家元の糸井重里である。 ところで番頭さん。 「はい。なんでございましょうか家元。」 今日の私はどう見えるかね。 「さぁ。いつもより黒うございますねぇ。」 黒くなってしまったばかりではないぞ。 「足も増えてしまったようですなぁ。」 それだけかい? 「さぁ、とんと判りません。」 冷たいなぁ、番頭さんは。「どうしてなったのでございますか?」と聞くのが番 頭さんの仕事なんじゃないのかい? 「さぁ。私には家元の深いお考えがとんと見えませぬから。」 さらに冷たいねぇ。ゼンソクが直りかけていて、せっかく穏やかな眠りについた と思ったら、ヒドイ悪夢を見ちゃってさぁ、朝方になって「カサコケカキカキ」な んて音がするから起き上がろうとしたら起き上がれなくてさぁ、体を見たら虫にな っていたのよ。 「どうやらおなかも節くれだっておりますなぁ。」 そこまで気づいてくれたかい番頭さん。 「うわっ!何か変な液体まで出ておりますよ家元。かかってしまったではありま せんか。」 私もはじめて見た。 「い、いえもとぉ。な、なんか苦しゅうございます...。」 毒かもしれない。 「いえもとぉ。お助けください...。」 番頭が倒れてしまったのでお稽古をはじめるとする。
88 :
もりりんたろう :2000/08/25(金) 23:25
グレゴオル・ザムザが途轍もなく大きな毒虫になってしまつたのに気が附いたのは、 妙な夢から目醒めた朝であつた。厭な夢であつたとは思つたが、その内容は、翳んだ、 濁つた、不快なものであつたと云ふ極曖昧な記憶しきや呼び醒ませないのであつた。背 中が、丸く、堅い甲殻になつてゐた。其所為で起き上がり得なかつたから、ひよい と頭を擡げると節の連なる褐色の腹が見へた。
89 :
名無しさん@1周年 :2000/08/25(金) 23:27
初めて読んだけど、超おもしろ。 私は2ちゃんねるの「文体模写 スレッド 2」という、レスにして八十七足らずの文章が好きで、繰りかえし読んだ。 いつの頃か、グレゴールという途方もなく世に喧伝された人物の生き様を黒々と活字で埋めていく、その営為になにやら おかしみを感じた。 ちなみに、この少しばかり洒落た思いつきを創めた人物は誰なのか、そこはかとない疑問だが、考証のしようがない。 たれ風かな?
90 :
宣伝 :2000/08/26(土) 00:25
91 :
松浦寿輝@芥川賞 :2000/08/26(土) 00:42
或る朝のこと、空が白々と明け初める頃、しめやかに降り出した雨の音を 聞きながらザムザはようやくまどろみの中に落ち、やがてその浅い眠りから 引きずり出された。病院にあるような足高のシングル・ベッドの上に、大きな 毒虫に変わってしまっている自分がいた。 半ばこの世からはみ出してしまった俺にはもう急ぎの用は何もない、 ここでいつまで雨空を仰いでいようとも誰からも文句は出ないわけだ。 そんなことに妙に新鮮な解放感を覚えている自分に気づいてザムザは 少々驚かないでもない。
92 :
藤原伊織 :2000/08/26(土) 21:46
目が覚めると、蛍光灯のスイッチをいれ、いつものように窓から首をつきだした。 陽のささない部屋の住人が、いつのまにか見につけた習慣だ。もの悲しい天候 だった。セーターに腕を通そうとすると、手の先がセーターに引っかかる。自分の 手が蟲のそれのように細くギザギザになっていることに、はじめて気づいた。 ベッドの上で、すわりながら折るように自分の腹を見た。褐色の、弓形の固い節で 分け目をいれられた腹だった。そのとき、ラジオで若い女のアナウンサーが 明るい声をあげた。きょうもよく降っていますねえ。もう一度、窓の外を見た。そうだ。 たしかにきょうもよく降っている。
93 :
真保裕一@ホワイトアウト :2000/08/26(土) 22:06
風が巻き、時折下からも雪のつぶてが顔にぶつかってくる。 突風が思い出したように押し寄せては、渦となって雪が舞い 上がる。 波のように逆巻く雪の中から、風音とともに声が聞こえてきた。 「いたぞ。こっちだ!」 樹氷をつけた枝を震わすカラマツの低木の下だった。固い 甲殻の背中を下にして、仰向けになっている毒虫が、半分雪に 埋もれてうずくまっていた。雪を堀り進めていくと、まるくふくらんだ 褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が見えた。 「なんだ。虫じゃねえか」 「俺たちが捜索しているグレゴールじゃない」 その言葉を残して吹雪の中に消えていく男たちには、その虫こそが 遭難中に変身してしまった哀れなセールスマンであることを知る 由もない。
94 :
イッセー尾形@ひとり芝居・毒虫編 :2000/08/27(日) 10:18
朝、目覚めて大きな毒虫に変わってしまっているのに気づいたグレゴールは、 まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた 腹部を気にしながら、ふと思い出したかのように、演歌のサビの部分を口ずさ んでいる……。 ♪ゆうわくじゃ……ない。 おい、グレーテ。 グレーテ! 聞こえたら返事しろ。 グレーテ。 ……シカトかよ……。 俺はな、 親父とオフクロにな。 な、 「妹の面倒をみるように」 って、ちゃんと言われてんだから。 グレーテ。 なんか言うことはねぇのか、おまえ? 俺はな、 おまえみたいな、バカじゃないんだ。 喋ってないときは、 ちゃんと考えてんだ。 ああ。だから、黙ってるときでも考えてんだよ、俺は。 今週、俺、忙しいんだぞ、おまえ。 今週は、なぁー……、夏物だすんだぞ。 いいか、冬物、洗濯屋に持って行くんだぞ。 おまえみたいに不潔じゃないんだからな、俺は。 フケツじゃねぇかよ、オメエー。 俺のワイシャツは、糊の効いたワイシャツなんだよ。 セールスマンてのは、清潔さが必須なの。ヒ、ッ、ス、ウ。 おまえ、トマトケチャップがついたの三日はいてんじゃねぇのか。 そのズボンよぉ!三日だろう。 ばかやろう。このシミはさっき付いたの! 洗濯してないからじゃないの! おまえ、虫ってのは、カラダから勝手に汁とか出て、大変なんだぞ。 いろいろと。 オマエみたいなフケツ女には虫はつとまんねぇの! 神さまも、そこのところ、よーくわかってるから この俺が夢から覚めると、虫なわけよ。 わかる?
95 :
セーラームーン@ゆん :2000/08/27(日) 21:07
あたし、グレゴール・ザムザ。14歳、厨2!性格は人よりちょっとオッチョコチョイで、 ちょっと泣き虫ってとこかな。ある朝ヘンテコな夢からさめたら、自分のカッコが ものすごーく大きな毒虫に変わっちゃってて、もぉ不安タラタラーって感じ。でもまぁ、 何とかなるなる、アハハハハ〜
96 :
ドクター秩父山 :2000/08/31(木) 20:41
1) 秩:おはよう! グレゴール君。今日はどうかな〜 (秩父山、病室に入って来る。後ろにインターン・ケロタン) 2) 吉:先生! このカワイイ看護婦さんがリンゴをぶつけてくれたら思い出しました。 (顔を赤らめる看護婦) 3) 吉:これからは吉田君と呼んでください。ハハハハハ (人間ムカデのヘッドとして伸び上がる吉田君) ケ:おお! 看:ええっ? 4) 秩:しまったー! お:おええっ おええっ
97 :
名無しさん :2000/08/31(木) 21:14
あげ
98 :
折口信夫<描写は字下げしない :2000/09/01(金) 19:38
ぐれごおる・ざむざは、さつきからからだがをかしいと感じて居た。何だか、もだもだ と手足が侭にならず、自分のからだでない様な気がするのだつた。昨夜(ユフベ)、寝 (ネ)の足らなかつた覚へもない。いつに変わらぬ朝だつた。窓に掛かるかあてんに当 たる日かげも、真っ白に澄んで見えた。 毎日々々の仕事がからだに応(コタ)へると感じることもある。其が基やろか。さう考 へて一時落ち着いては見たが、どうにも腑に落ちない。仰向きに臥(ネ)た侭起き上が れなくなつて了う原因とは思はれないのである。何より感覚がをかしいのだつた。 夢見が悪かつた所為(セヰ)やろか。 と、呟いてみた。厭な夢の記憶が胸の辺りに蟠つて居るのを感じて居た。しかし、それ しきのことが原因であらう筈がない。「ぐずぐず言うてんと、力(リキ)入れてちやつと 起きたろ」さう思ふと、頭を枕から擡げ上げた。 茶色の弓を並べた様な堅(カタ)相に膨(フク)れた節で覆はれた腹が見えた。 なんやあ、おっきな毒虫になっとる。 びつくりしたが、最前から暗く蟠つて居た疑ひに行き当たつて、さらりともつれを解い た。そして、崩ほれる様に頭を枕に落とした。 あゝこれや、この所為なんや。くそたれ。 と、ぶるぶるからだがふるふのを覚へた。おれは、こんなんで兵子(ヘコ)垂れる餓 死(ガシ)んたれやないぞ。 <[もだもだ]のふたつめの[もだ]は濁点つき繰り返し記号。
99 :
国枝史郎 :2000/09/01(金) 20:52
場所はプラハ、日は朝まだき、勤め人がその家々で暮らしを再開する時刻であった。 グレゴール・ザムザは服地販売員、その年令は二十代であり、両親、妹とアパートに同 居していた。 グレゴールは厭な夢から目覚めた。酷く悪い予感がした。しかし夢の中身を覚えてい なかったから、どんな凶事が先にあるか解らなかった。 恐ろしいことが起こらなければよいが! ベッドの上で仰向けのまま茫然(ぼんやり)していても仕方ないので、とにかく起き 上がろうとした。だが、それがが出来なかった。二三度試みたが、背中の丸みを中心に ぐらぐらするばかりで、起き上がることが叶わなかった。グレゴールは嘆息した。凶事 とはこのことだろうか。しかしなぜかは見当がつかなかった。手足が効かないようであ る。 「おかしいなあ?」と呟き、頭を擡げて腹を見た。 グレゴールは度胆を抜かれ、周章(あわて)た。褐色で弓形の硬そうな節が連なって いたのである。 「巨大な毒虫? しかしなぜこれが?」 グレゴールはそう思った。
100 :
日本放送連続ラジオドラマ怪人二十面相<誰も覚えてないって :2000/09/01(金) 23:15
あなた、節いくつ持ってます? くるぶしに、こぶし。腕っ節に、奥さんはプシイ。かつ節に、宗田節に、ペプシに、 文体模写にがっぷし。 フフフフ、この男、元は人間。体節はうんざりするほど。人が見るに人間サイズ毒虫。 グ:ふわーあーあーあ、朝か。やな夢だったな。あれえ?起き上がれないぞ。うんしょ。 ナ:グレゴール・ザムザは若い服地販売員。その朝、自分のベッドで仰向けだった。か れは身体を曲げ伸ばしして、起きようともがいた。そして、ひょいと頭をあげて、 自分の腹を見た。 グ:エイヤッ。あっ! うわーっ! ゴッキー! でけーっ! いや待てよ?これは俺の腹か? 茶色でテラテラ。プックリ。ゾロゾロ。うへー。
101 :
名無しさん@1周年 :2000/09/02(土) 04:36
>89 誰? その文体には覚えがあるけど。 志賀直哉とか? 全然違うだろうな。
102 :
北村薫 :2000/09/02(土) 14:05
まともでない事件というものは−−とくに自分のうえに起きれば−−まことに嫌なも のである。 朝、グレゴール・ザムザは目を覚ますと、何となく不吉な予感がした。目が覚める寸 前まで見ていた夢がそう感じさせたのかもしれない。とはいえ、夢の内容を覚えていな いのだから、なにやら不安であったという印象ばかりだった。グレゴール自身はめった に夢の内容を覚えていることはないが、夢からなかなかおもしろい物語の着想を得るひ ともあるようだ。などとぼんやり考えていた。 彼は目が覚めてからもすぐベッドを出ることがない。低血圧であるために、しっかり 目が覚めて来るまで暇がかかるのだ。実際、頭は目覚めていても身体は完全には目覚め ていない。もし、これで無理に動くと身体の循環器系がついて来ない。すこし後になっ てから、たいへんな思いをすることになる。そういうわけで、ベッドの上で違和感に確 信するのにずんぶんとかかってしまった。 はじめは金縛りだと思った。よく怪奇体験談などで読むあれであるが、実際にはおど ろおどろしいところは少しもない。低血圧のものには馴れっこの、目が覚めている、い や視覚は目覚めているが、運動を司る部分はまだ睡眠状態にあり、意識は明瞭でも身体 が寸毫も動かない状態のことだ。ところが今朝はかなりあやふやながらも背中の曲げ伸 ばしはできるのだ。したがって、身体と意志は繋がっている。身体も目覚めているので ある。ただ、触覚と手足の感覚がおそろしく鈍い。 グレゴールは、仰向けのまま、どうにも起き上がれなかった。背中をしたに、ふわっ ふわっとヘッドボードが上下するのを見るともなしに見ていた。とにかく起き上がらな くては始まらないと思い切った。勢いをつけて腰を曲げれば、手足を使わなくても身体 を起こせるかもしれない。えいやっと頭を持ち上げると、腹のあるべきところに、蟲の 腹が見えた。艶のある褐色は硬そうで、弓を並べたように膨れて分け目の入った腹だっ た。見なければ、人間が等身大の《毒虫》に変身などというおよそありえないことに気 づく筈はなかったが、気づいたところでどうなるものでもなかった。
103 :
藤原審爾 :2000/09/02(土) 19:10
ある朝、目を覚ましたグレゴール・ザムザは巨大な毒虫の姿になっていたが、はじめ そのことを能くのみこむことが出来なかった。もとより人が然様な変身をする筈もない。 感触がおかしいのを、寝呆けているのだ夢見が悪かったのだと、うちすてて、仰向けの 躯をベッドから起こそうとしたが、出来なかった。ふたたび試みても出来なかった。こ れには思いもよらなかったようである。そして思わず声をもらしたつもりが、声になら なかったではないか。 こは如何なることか。 躯がなにかおかしくなったに相違ない。 頭をもちあげて自身の躯を見たグレゴールはまったく心も魂もつぶれ果てた思いをさ せられた。茶色の弓を並べたように、横に継目のある堅く膨れた腹が見えたのだ。もと より気丈な男ではない。そのもの凄さに竦んで躯に力が入らなかった。
104 :
五味康祐 :2000/09/02(土) 21:30
兄の失踪にまつわる、この不思議な物語を、どのようにお話し致せばよろしいのでご ざいましょう。たぶん、らちもない女の囈言(たわごと)と、まことの事とはお想いに ならないでございましょう。しかし、これは実際にわたくしどもの身に起きたことなの でございます。 兄はグレゴール・ザムザと申しまして、その頃まだ若く、両親とわたくしと同居して おりました。若いと申しましても、既に服地の販売員として勤めに出ておりました。 その朝、兄の部屋から這い出てまいりましたのが、兄とほぼ同じ大きさの、途轍もな く大きな茶色い毒虫でございました。背中は丸く硬い甲で、身体は後にいくほど細くなっ たたくさんの節となっておりました。おぞましいことに身体の両側には細い脚がたくさ んかさかさとうごめいていたのでございます。おとなしい蟲でしたのでわたくしには兄 が化生したものだと直ぐに解りました。 兄は仰向けに寝るたちでしたので、起きたときには、さぞベッドから下りるのに苦労 したことと思います。あの蟲の身体で仰向けでは、そう簡単には起き上がれやしません。 身体を曲げて自分の腹を見たときにはどんなに驚いたでしょうか。
105 :
三浦哲郎 :2000/09/02(土) 22:41
グレゴール・ザムザは仰天した。 自分の腹が見えるものと思ったら、茶色で弓形に膨れた節が連なる蟲の腹が見えたの である。不安な夢から目覚めてみれば、なんと、自分は巨大な毒虫に変身しているらし いのだ。 グレゴールは仰向けで目覚めたものの、自分のベッドから起き上がれなかった。一体 なにが起きたのだろうか。それで頭をひょいともたげて腹を見たのだった。
106 :
甘えんじゃねぇよ! :2000/09/04(月) 19:37
1)船漕ギみっちゃん(コクリ、コクリ) 心配保母:みっちゃん、どうしたの? 眠いの? 2)電話青筋保母:長谷川さん、みっちゃんにまた嘘を! 3)電話平静君枝:みちこに伝えてください。 「目を覚ましたとき、あおむけでなければ、 グレゴールザムザ毒虫に変身しないのよ。 みっちゃん。」 4)腹這いお昼寝笑顔みっちゃん:なあんだ。そうだったのかー。 憤懣無言保母(ぷるぷる)
107 :
ご冗談でしょファインマンさん :2000/09/05(火) 06:10
ブラジル時代のある朝、僕が目覚めたときのことだった。 ベットの中の僕がなんと大きな毒虫になっていたのだ! 一体どうしたことか?と思うより、僕はこの機会に 毒虫について調べることにした。「ひょっとすると僕は世界で初めて 毒虫になった人間なのではなかろうか!」 そう思うといても立ってもいられなくなったからだ! 「背中は硬いな、これは甲羅だな。甲羅というものは 意外と軽いものだな、人間のときは重そうに感じたけど」。 この甲羅があれば女の子をデートに誘うことも簡単だな。 なんていったって、甲羅を持つ生き物で女の子をデートに誘えるのは 僕だけだからな。 そしてちょっと首を下げてみるとお腹が丸出しだった。 「こんなんじゃすぐに腹をこわしちゃうなー」と思った。 毒虫についてひとまず観察をを終えてふとカレンダーを見ると 今日は楽しみにしていたカーニバルの日だと気づいた。 このままじゃカーニバルに出れなくなってしまう! そうするとあのうるさい親方に怒られてしまう。 だけどこんなことでへこたれる僕じゃない、 そこで僕は人がびっくりするようないたずらを考え出した。 考えるだけで大笑いをしてしまいそうだ! だけどこのいたずらが成功するには僕が毒虫じゃないと 思わせなければいけない…
108 :
立花隆(科学系の作品群) :2000/09/05(火) 06:53
この本の内容は昨年「文芸春秋」で私が書いてきた「毒虫体験」と 今年3月にNHKで放送された「毒虫になる私」から構成されている。 私は約一年間ほどNHKの取材班と共に集めた膨大な資料と 毒虫研究家の方々にインタビューした記事・毒虫になった方への インタビューと仮想毒虫研究所で仮想的に毒虫体験を私自身が行ってみる、 と言った形で内容は進む。 テレビ版を見た方も多くいらっしゃると思うが、テレビ版とは違った内容に なるとは思う。そもそもテレビで放送された記事は原稿用紙で言うと たかだか数百枚ほどにしかならない。しかし私達が集めた資料は それだけで本棚をまるまる一つ埋めてしまうものである。 したがってこの本にはテレビで放送されていないものを多分に 含んでいる。テレビで放送されたインタビューなどは 一人30秒で5、6人ほどであるが、実際に私がインタビュー した人数は50人ほどで長い人は5時間近くになる。 それを本にするのだからテレビとは全く違ったものになる。 分からないところがあればどんどん読み飛ばして いただいて結構だ。基本的な部分は注釈を読んでいただければ きっと分かると思うし、それ以外はなんとなくでいい。 このような作品を書くときにはまず対象の知的レベルを どの辺りにすればいいのかで悩んでしまう… 毒虫というとフランツ・カフカの「変身」を思い出す方が 多いと思う。カフカの小説ではグレゴールザムザが朝 目覚めてみると毒虫になり、結局は毒虫がザムザだと分かりながらも 最後に家族に殺されてしまうと言った作品だ。人が毒虫に なり家族に殺されるといった話しは奇妙なことだが、 驚くべきことにまさにグレゴールザムザのように 家族に殺されてしまった人もいる。それがこれから 紹介して行く「やまだやまお」さんだ。 生前のやまださんは中堅出版社に入社5年目の まだ若い方だったそうだ。写真を見ると…
新潮文庫『ウンベルト・エ−コの文体練習』(ウンベルト・エ−コ著、和田忠彦訳)2000/09出版 って、このスレと同じようなもの?
110 :
舟崎克彦 :2000/09/05(火) 19:33
その朝、グレゴール・ザムザは悪夢にうなされた。 なにか正体の知れないものに追われていた。捕まって身体がどろどろに溶けてなにか の型に流し込まれて、目をさますとベッドの上で仰向けに寝ていた。何とも気色が悪い 夢だった。暫らく放心の後、彼はいささか平静を取り戻すと、呟いた。 「なんだ、夢か…」 そして、いつものように起き上がろうとした。しかし、起き上がれない。改めて試み てみた。身体は動くことは動くが、効かなくなってしまったようだ。本来、もっとしな やかに動いたはずだ。彼は途方にくれてしまったが、起き上がれなければ先に進めない。 しかも、腹の辺りで何かの蠢く気配がする。 何回か同じような経験をへて、彼は苛立ちを募らせると、不安に心おののかせながら も、頭をもたげて自身の身体を見ることにした。 腹へ目をやって彼は言葉を喪った。呆気にとられてしまい、体の芯が抜けたように頭 を落とした。 腹は硬質の艶を帯びて、茶色く膨れた形、その表面に横に節の入った蟲の腹であった。 彼は人間等身大の毒虫になっているらしい。違うであろうか……。 >109 エーコは主題に縛られてないぶん、楽をしてる。訳には苦労が見える。 エーコのおふざけによるハズシにはこのスレッドに似たところがある。しかし、 表現のトンガり方はこの文学板の方が上。という点ではこちらの方がヨクキク。 ま、無記名だから、その点ではこっちが楽できる。
111 :
香納諒一 :2000/09/06(水) 22:13
目覚める街が夜の静寂を壊しはじめた。 何かを感じていたのだろう。しかし、意識の表層では知覚できなかった。不快な夢の 深みからグレゴール・ザムザが浮上し、外界を意識しだすと、朝になったことだけは確 かだった。はじめは仰向けのまま躰の違和感を不思議に思いながら逡巡していたのだが、 何も見つからないことがはっきりしてからは、ベッドの上をさっさと離れるに気になっ たのだった。しかし、それはあとになって思えばなんとも的を射た疑問だった。 ベッドを出ようとして動きをとめた。動きをとめた理由がわかるまでに少しだけ時間 がかかった。グレゴールの目から眠気が消しとんだ。 上半身を上げようとしたが、首筋にぴんと痛みが走った。バランスを保ちきることが できず、グレゴールは背中をシーツに崩れるように落とした。シーツに背の丸みがこす れて聞き慣れない鈍い音をたてたことに気がついたのだ。 眠っている間になんらかの事件があった可能性を危惧し、部屋の隅にむかって一瞬視 線を投げた。しかし、はっきりとした変化を知ることはできなかった。 なんとか躰を起こし、再度体勢を立てなおそうと試みたグレゴールは自分の腹に目を やってどきっとした。ついで目を凝らした。それはまさに「虫の腹」と呼ぶべきものだっ たのだ。 眠っているうちに毒虫に変身したのだろうか。腑に落ちるもののまったくない説明だっ た。躰を硬直させ、腹の中の物が上がってくるのを堪えた。頭が激しく掻きまわされた気 がした。吐き気さえおさまれば、ただそう願っていただけだった。
112 :
夢枕獏(格闘モード) :2000/09/08(金) 18:34
変わった。 変わった。 変わった。 変わった。 さらに変わった。
113 :
地下室の手記 :2000/09/10(日) 11:38
ぼくは病んだ人間だ……ぼくは意地の悪い人間だ。およそ人好きのしない人間だ。いや人間ですらなくなってしまった。ぼくの考えでは、これは2チャンネルが悪いのだと思う。もっとも、病気のことなど、ぼくにはこれっぱかりもわかっちゃいない。医学や医者は尊敬しているが、医者にだってぼくのことはわかりゃしないだろう。 ところで諸君、きみらが聞きたいと思うにしろ、思わないにしろ、ぼくがいま話したいと思うのは、なぜぼくが毒虫になってしまったかという点である。まじめな話、ぼくはこれまでに何度虫けらになりたいと思ったかしれない。しかし、ぼくはそれに値する人間であった。誓って言うが、諸君、あまりに意識しすぎるのは、病気である。正真正銘の完全な病気である。おかげでぼくは本当に毒虫になってしまった。賭けてもいいが、おそらく諸君は、ぼくがこんなことを書くのは、自分が自意識の強いことを見せつけたいからだ、とお思いだろう。しかし、諸君、どこに自分の病気をたねに見栄を張るやつがいるものか、まして、それを鼻にかけて威張りかえるやつが? その夜、ぼくは醜悪このうえもない夢を見た。それも不思議ではない。その晩は、床につくまで、学校時代の徒刑囚のような日々の思い出にとりつかれて、どうしてもそれをふり切ることができなかったのだ。学校友だちは、ぼくがかれらのだれとも似ていないという理由から、意地の悪い、容赦ない嘲笑でぼくを迎えた。学校を卒業してぼくが第一に手をつけた仕事は、ぼくがそのために勉強してきた専門の職務をなげうつことだった。それも、いっさいのつながりを断ちきり、過去を呪い、きっぱりと忘れ去ってしまうためだった…… 翌朝、ぼくはわくわくしながら目を覚ました。まるでそのいっさいがいますぐにも成就するような気持ちだった。ぼくは本当に、ぼくの人生の一大転機が訪れようとしている、いやすでに訪れている、と確信していたのだ。実際、転機は訪れていた。ぼくは、自分がベッドの中で、一匹の大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。背中は、固い甲殻に包まれていた。仰向けになった腹には、褐色の、弓形の固い節で分け目が入っていた。 そいつは眉唾だ、毒虫に変身した人間がいるなんて、それこそ眉唾だ、と諸君は言うだろう。それはぼくも承知している。この一部始終を思い出すと、ぼくはなんとも後味の悪い思いがする。もうこのあたりで『手記』を打ち切るべきではないだろうか?こんなものを書きはじめたのが、そもそもまちがいだったようにも思われる。すくなくとも、書いている間じゅう、ぼくは恥ずかしくてならなかった。もういい、ぼくはこれ以上書き送ることをしたくない…… とは言え、この逆説家の『手記』は、まだここで終わっているわけではない。彼は我慢できずに、さらに先を続けた。しかしわれわれもまた、もうこのあたりでとめておいてもよかろう、と考えるものである。
114 :
舟崎克彦「ぽっぺん先生」 :2000/09/10(日) 11:41
これは夢だ。これは夢だ……。自分はキョウチクトウの木かげでねむりこんで不安な夢を見ているんだ。先生は自分にいいきかせました。それでなければ、自分が虫になるなんてばかなことがあるものか。 夏のむし暑い風が、浅瀬においしげるまっさおなアシの、サーベルのような葉を鳴らし、はり絵のように水面をいろどるひつじ草のまるい葉をめくりながら、沼のおもてをわたってきます。 すると先生の頭からのびた長い触角はそれにこたえて、湿気をふくんだ風の波や、風にまぎれてただよってくる岸辺の花々のにおい、花粉の感触、あたりをとびかっている虫たちのさまざまなハネ音を敏感にうけとめはじめました。先生がなんと思おうと、その体はもう、いやおうなしに一ぴきの昆虫としてうごきはじめていたのです。 「ああ……」 先生はまぶたをとじました。どこがどうくるったのかしらないが、これは夢なんかじゃないらしい。わたしはほんものの毒虫になってしまったんだ。 先生はそこで深いためいきをつくと、いつも大学の付属幼稚園からながれてくる「小さいころからお花がだいすきで、大きくなったらお花屋さんになっちゃった」という歌を思い出しました。 そして先生は、その歌を自分の身の上におきかえてつくりなおすと、ぶつぶつと小声で歌ってみるのでした。 小さいころから 昆虫がだいすきで 大きくなったら 毒虫になっちゃった
115 :
呉エイジ@我が妻との闘争 :2000/09/10(日) 18:31
「変身談義」 日曜の朝はゆっくりおきる...はずだったのが、その朝は嫁の甲高い声でたたき起こされた。 嫁「アンタ、早くおきてや。この前あたらしいソフト買うのに『第1、第3日曜日は早起きして 掃除・洗濯するから』って土下座したよな。」(大声) 呉「わかった、わかった、今起きるから...」 困ったしまうとすぐに土下座してしまう自分のプライドのなさを恥じつつ、私はしばらくは 布団の中でごそごそしていたが、ついに観念してむっくり起き上がった。 すると、なにかいつもと勝手が違うことに気が付いた。 呉「俺、虫になってしもたがな!!」(絶叫) 台所から嫁のやけに冷静な返事が返ってきた。 嫁「なに、訳分からんこというてんねん。わたし、こども連れて出かけなきゃならんのやから、 はやく朝ごはんたべてや。それから、掃除やで」 呉「なに落ち着きはらっとんねん。亭主が虫になった言うてんのに、なんじゃそのリアクションは! しかも、虫は虫でも毒虫やで。いったいどないなっとんねん! 掃除どころやないがな」(狼狽&涙目) 嫁「なに今さらむしむしってあわててんねん。今さら毒虫なんぞにならいでも、アンタはとうの昔から マックおたくの金食い虫や。もう、でかけんねんからさっさと朝ごはん食べてや」 呉「お前、それが一家の大黒柱に向かって言う......」(フェードアウト) ---------- これを読んでいる独身者諸君、 「せめて虫になったら心配してくれる程度には、女房を教育しておけ。」 と、一言いっておきたい。
116 :
残酷なザムザが支配する :2000/09/11(月) 01:35
・・・が変わる・・・・・はずだったのに・・・・ ・・・あ・・・なんで・・・あいつと一緒に・・サンドラ・・ い・・いや・・やめて・・あーー! グレッゴール・・おやじ・・・ !! なにをしてる! おや 来たのか イアン。 おまえの番だ ぞんぶんに愛するがいい。 ど どういうことだ! おやじ・・・その体は・・ クスクスクス けさ起きたら・・・こうなっていたんだよ。 ジェルミ・・おまえがやったのか・・・ おまえがやったんだな! い いや やめて いやだあ! 告白しろ! ジェルミ! あ あいつが グレッゴールが ・・・ ・・・ ・・ぼ・・・ぼくは汚い・・・ああ! おやおや、私はこの体がきにいっているんだがねえ。 い・・いやあー! きがつかなかった・・・きにいっているなんて・・・!?
117 :
ベルンハルト・シュリンク「朗読者」 :2000/09/11(月) 02:25
ぼくは彼女の体臭がとりわけすきだった。 彼女はいつも新鮮な青い草の匂いがした。 ぼくはしばしば、好奇心の強い動物みたいに彼女のにおいを嗅ぎまわったものだった。 まるくふくらんだ節や固い甲殻の匂いをかぐとその朝のことを思い出した。 「今朝起きたら毒虫になっていたよ。坊や」 ぼくはどのように毒虫になったか聞き出そうとしたが、彼女はいつものようにはぐらかした。 「あんたのなんでも知りたがることときたら、坊や!」 そんなときでも彼女は僕の声を聞きたがった。 ぼくは、ハンナのために朗読したテープを彼女の耳だったはずの場所において、しばらく待ってから、スタートボタンを押した。彼女の短い足では決して文字は書けないのだろう。これまでと同じように。
118 :
別役実 :2000/09/12(火) 11:08
グレゴール・ザムザについての考察 グレゴール・ザムザを、はたして「虫」と呼ぶべきか否かについては、議論のあるところである。保守系の生物学者は、グレゴール・ザムザが人間に生まれた以上、それを「虫」に分類することに一様な拒否反応を示している。一方、マルクス主義系の生物学者の多くは、現にグレゴール・ザムザが虫の形態を有している以上、それを「虫」と呼ぶことが合理的であり、また弁証法によれば人間が虫になることは自然のことであると主張する。実際、ジュネーブで開かれた国際生物学会における両陣営の対立は激しく、食事の時もテーブルを別にしたばかりでなく、一緒にお便所に行くことすらさける有様であった。 しかし、どうやらこの問題の解決は間近のようである。実際にグレゴール・ザムザを試食してみたニューギニア系の生物学者による「グレゴール・ザムザは虫のような味がした」「少なくとも、人間の味はしなかった」という報告が、国際生物学会誌に受理されたのである。もちろん、件の論文が未発表である以上、内容の詳細は明らかでないが(註)、これは「虫」派の主張を大きく後押しするものだ。生物学会の風見鶏とあだ名されるT大学のH博士によると「もうこれは『虫』で決まりだね」ということになる。 もちろん保守系の生物学者たちが素直に納得しているわけではない。マルクス主義系の生物学者たちが政治的圧力をかけたのだなどと陰口を言う者もいる。しかし、これは負け惜しみだろう。社会主義圏が崩壊した今、マルクス主義系の生物学者たちには、いかほどの政治的影響力もない。だいたい、ニューギニア系の生物学者は、人間の味に関することには少しの妥協もしないものなのである。 ニューギニア系の生物学の方法は時代遅れだと言われることも多い。しかし、生物学が実証的な学問である以上、実践を重んじる彼らの方法はいつの時代でも価値を失わないであろう。 註 人間ほど美味しくはなかったが、佃煮にしたらイナゴのような味がしたらしい。
119 :
吾輩は名無しである :2000/09/12(火) 13:24
それが私の人生の最良の日でした。 ふとしたことから、私は旧友の広に裾野を届けることとなりました。 七月の中旬であったので、夏の日差しは私の肌にいたく応え、私は外を歩く事もままならず、 居ても立ってもいられず、江戸の頃から続いていそうな、古びた茶屋に駆け込んだのです。
120 :
野口悠紀雄@超整理法 :2000/09/13(水) 18:16
足や腹部の固い節が増えてくると、その中には毎日使うものと長期間使用しないもの があることに気づく。 埋もれてしまった重要な足を不要なものの中から探すだけで1時間を要することも あり、これほど無駄な時間の使い方はない。 そこで私は「押し出しファイリング」方式を提案する。 これは、私が不安な夢から覚めて毒虫に変身した朝以来、長年の試行錯誤を経て完成 した方法である。 まず角ニの封筒を何枚か用意し、足と節を小分けにして収納しブックエンドに立てる。 使用後の足や節は直ちに封筒に入れて本棚の右端に立てる。以後、足や節を使用する たびにこの方法を繰り返す。 そうすると約1ヶ月後には、1ヶ月使用しなかった足や節を納めた封筒が自然にブック エンドの左端に溜まってゆき、後は左端に溜まった封筒を廃棄すればよい。 「押し出しファイリング」を実行すると1ヶ月でたちまち不要な足と節が片付き、元の 姿に戻るという仕組みである。
121 :
桜井亜美 :2000/09/15(金) 01:38
凄く息苦しくて目が醒めた。 ―大丈夫、あたしはグレゴール・ザムザ、19歳だ。 記号のようにつぶやいて、何かを確認したかのように安心する。 昨夜開け放ったままの窓からは、蒼く澄んだ風が吹き込んでくる。 なんであんな夢を見たんだろう。とても苦しいのに、誰も助けてくれない。目を閉じても、赤や、黄色や、緑の光が容赦なく瞼を刺すように飛来してくる。 窓の外では、枯れ木に止まったカモメのように木蓮が白い花を咲かせている。甘い香りを運んでくる風を感じようと、あたしは起き上がった・・・つもりだった。 起き上がれなかった。あたしの体は、硬い甲殻で覆われた無機質な感触がした。首を持ち上げて、なだらかにカーブを描いているはずのあたしの体を見る。 お気に入りのカスティリアン・レッドのパジャマはそこになかった。ただ、茶色い殻があたしの体を包んでいた。 ―こんなことあるわけない。 と心の中で絶叫する。ベッドの上をごろごろと転げまわっても、あたしの体に伝わる感触はやわらかいベッドじゃない。冷たく硬い殻だ。きっと、エゴイストで、意気地なしのあたしに与えた、神様の罰に違いない。
122 :
船越雅史@日テレ絶叫アナ :2000/09/19(火) 10:55
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。 「グレゴール…。ぐれごーる。ごおる、ごおる、ごる、ごる、ごる(あと23回繰り返す)!」 (一呼吸おいて)「ぐれ、ご〜〜〜〜(約6秒伸ばす)〜る!!!」
123 :
>122 :2000/09/21(木) 01:41
最低だけど最高だよ、アンタ。 くだらな過ぎるんだけど、今船越の声が聞こえてきたもの。
124 :
松本人志 :2000/09/21(木) 02:30
…まあな。 まあナンヤ、言い難いんやけど、そらどう見たってオマエ… どう見たってオマエ、どう贔屓目に見たって、そらザムザやで。 いや、オマエの言い分も分かるで。 けどな、あの角度から来てあの薄さなら、誰がどう見たって、ザムザやんか。な。 いやちゃうて毒は関係あらへんがな。 問題はあのザムり具合や。今ワシが問題にしてるんはムザっこいところなんや。 そこらへんもうちょっと分かってもらわへんと話しすすまへんやんか。 自分ダンスにはちょっとうるさいやろ。顔残すクチやろ。 それがアカンねん。だからザムザやねん。サラダ感覚や。 つまりザムとザが離れてんねん。ザム、ムザになってねん。 それではアカンねん。それでは。 アメリカ大統領演説の「ユナイテッドステイツ………オブアメリカ」 の「………オブアメリカ」くらいの繋がっとるようで、繋がっとるとも言い切れないような、 微妙な感覚やねん。 そや。 昨日な。ワシ車乗っとてな。高速に入ったんや。したらないきなりヴワー雨振ってきてん。 なんやも、ごっつ嫌な予感したんや。したら、もう案の定ザムザやがな。 ワシ今ええ話したでぇ〜。これでもうナンボなんでも分かるやろ。もうごっつハッキリ、 この上なくザムザやろ!な!な! ホンマ、もうちょっとザムザに気い付けや、自分。
125 :
しりあがり寿 :2000/09/21(木) 03:53
「かあさん。またザムザが上がってるみたいだぞ」 「あら、ほんとですか?お父さん」 「…よもやアレがあがるとは、こりゃ今後も要注意だぞ。かあさん」 「困ったわねぇ」 「ウム。全くだ。…いや、しかし待てよ。 逆手に取ればこりゃイケルかもしれんぞ、かあさん」 「だとイイけどねぇ…」
126 :
ジェイ・マキナニーfeaturing源一郎 :2000/09/21(木) 13:25
きみはそんな男ではない。 夜明けのこんな時間に、そんな格好をしているような男ではない。しかし、 君がしているのは間違いなく「そんな格好」なのだ。君の格好といったら、こん な感じだ。ストライプのパジャマはいつも通り。しかし、その袖から突き出よう としているもの、それは毒虫のむすうの足だ。 バスルームに入り、ボリヴィア製の強いコカインをひとつまみやりさえすれば、 何もかもがもっとはっきりとしてくるかもしれない。だがそんなことをやっても、 何もはっききりとはしてこないかもしれない。きみの内側で誰かの声がそう囁い ている−コカインをどこから吸うつもりだ?君のそのぶざまなパジャマの下の、 脇腹に空いた穴からかい?
127 :
丸山健二 :2000/09/21(木) 13:46
私は寝台だ。このプラハの喧燥と沈黙の中、ただひとりのサラリーマンの眠りを 支えるという役割を負う寝台だ。永劫と続く日常の中、このグレゴールはただ自ら の職責を果たすべく早朝より深夜まで身を粉にして働いている。当代の若者として は異端とも思えるこの青年の眠りは深い。紅灯の巷にも近寄らず、ただ父母との夕 餐のみを精神の糧とし、健やかな労働の疲れを私のややばねの緩んだマットレスに 投げ出していた。私はこの青年の寝台であることに満足していた。青年は起床すれ ば即時に私のことなど脳裏から消し去り、私は一人青年の残した体温が徐々にプラ ハの大気に吸われてゆくのを楽しんでいた。 それが、どうしたことか、今日のグレゴールは私を見放す気配もなく、街が喧騒 に包まれる時間となっても動く気配すらない。若者らしい体温も無く、掃除の行き 届かぬ隣室から時折迷い込むゴキブリのごとき爪が、私の純白のシーツに突き立っ ている。なんということか。この勤勉にして実直なグレゴールは、一介の巨大な毒 虫に姿を変えて私の上にただ横たわっている。無機質にも思える触覚が枕に触れる たび、私は世の不条理を嘆いた。
128 :
自虐系オルタナ :2000/09/21(木) 13:59
I'm a mare poisonous insect. I'm a mare laughingstock. I'm a mare wasted junk. and you're a fine man. So Shoot me a insecticide, Shoot me a bullet, Hit me with a newspaper, Shoot me an apple.
129 :
雅彦 :2000/09/21(木) 14:38
気のふれたワーグナーが怒鳴りながらセックスしているような嵐の朝、 ぼくはベッドの中で震えながら、これは悪い夢なんだ、と思い込もうとしていた。 8時の目覚まし時計が鳴っても、ぼくは起き出す気にはなれなかった。セールスマンとして 鍛えあげられた僕の下半身は、無残にねじくれてしなだれた数本の足の生えたポリバケツにな ってしまった。もうカモシカを思わせるステップで歩くなんてできやしない。 茶色い足は僕のペニスよりも細いのだから。
130 :
長屋変身談 :2000/09/21(木) 15:52
暑いですな。こう暑いと人間ボーッってなことになりますな。こう、私なんぞ 昔から足わずらわっておりましてな。こう暑いと足のほうからアカンようなりますな。 足がボーになる言うやつですな。いや、そんなお客さん、帰るなんて殺生な。 今でこそクーラーだのエアコンだのゼネコンだのありまして、もうどうしようも のうなったら喫茶店なんか逃げ込んでしまえますからな。でも落語に出てくるよう な貧乏長屋にはクーラーどころか蔵も無い。 人間暑いとおかしゅうなるもんです。死んでみたり殺してみたり変身してみたり。 太陽が黄色いから言うて人を殺すような話も昔ありましたな。 私なんぞヨメと家におったら太陽なんか黄色通り越して真っ赤になってくる。 殴られすぎて眼底出血しとるんですな。 「ご隠居、ちょっとええですか、事件ですわ」 「どうしたいハチ。火付けか、強盗か。強姦か。強姦ならワシも一つ」 「ザムの野郎が仕事出てこんのですわ。戸にもしんばりかってもうて」 「それは引きこもりいうヤツやな。どれ、ワシが一つ強姦でもして治したろ」 ってことでご隠居、与太郎連れてザムザの家の前に行きますな。 「これ、ザムや。あんたみたいな腕のええセールスマンが仕事もせんと何やっ とるんや。ワシも大家やさかい、仕事せんと家賃払えんようなヤツはおいとけんで」 「シャァァァァァァ」 「ほら、ご隠居、なんかザムのヤツ、おかしいんですわ」 そこでご隠居、戸ごと蹴破って入りますな。すると中にはでっかい虫が横たわって おります。ザムザは文学的不条理とかなんとかで毒虫になってしもうたんですな。 虫になってもうたザムザは自分の姿を見られることが悲しゅうて辛うて仕方が無い。 とにかく追い出そうとご隠居と与太郎をシャアシャアと威嚇します。 「シャーシャー言うてますが」 「仕方おまへんな。もうこうなったらザムは人間ちゃう。化け物や。話も通じへんみ たいやし死んでもらいまひょか」 ご隠居の殺気を感じたのか、ザムザは跳ね上がり、上から二人に襲い掛かります。 「シャァァァァ。シャァァァァ」 しかし動じず、御隠居は懐から真っ赤なリンゴを取り出すと、ザムザに向かって 投げつけます。リンゴが当たったザムザは苦しみ、倒れてしまいます。 「ザムザ、死にましたんか。なんでリンゴなんぞで」 「赤いだけにな、シャア専用やったんやろな」 ♪テケテケテケテンテンテン♪ 最低、むしろ死ね暇人め。
131 :
欽ちゃんのドーンといってみよう :2000/09/21(木) 22:52
東京都、豊島区のペンネームはとくめいきぼーん。 匿名希望じゃなくて、んーがついてる、とくめいきぼーん。 よいざむざ、ふつーのざむざ、わるいざむざ。 まず、よいざむざ。おとーさま、おかーさま、おはようございます。ごはんはこちらに用意いたしました。 ふつーのざむざ。朝起きて、仕事に行く。(パジャマ党笑う) わるいざむざ。目が覚めたら仰向けで起き上がれない巨大な毒虫になってた。 (沈黙2秒) うー、つぎいってみよー。
132 :
ドラゴン、再び :2000/09/22(金) 14:09
数年前から、夢日記をつけている。あたりまえの話だが夢は現実とは違う。たとえば夢の中でどこか遠い国の陽気な太陽の下でピッとお尻のあがった可愛い女の子に囲まれて踊り狂っていたとしても、それでN.G.を聞いたことにはならない。シンコペーションがなければ音楽は成立しない。 あっ、ヤバい疲れてしまった。 話題を変えてみよう。今朝起きたときには本当に驚いた。 何ヶ月ぶりか忘れたが久しぶりに自宅のキングサイズのベッドで目を覚ますと俺はゴキブリになっていた。ゴキブリだぜ。あのときと同じぐらい打ちのめされてしまった。あっ、この話もやめよう。エクスキューズしてしまった。疲れてるみたいだ。今月は諦めてくれ、サラリーマン編集者。お前らも大変だよな。 とここでゴキブリについて考察してみる。もともと色は似ているのでそれほど違和感はない。ただ俺は脂性ではなかったのでこの体液にはなじめなかったがすぐにジャグジーみたいだと気が付いた。先週イタリアに連れていった女は来年にはトップモデルって娘でいつでも入れたがるのだが、最初ゴキブリのティンポの位置がよくわからなくて苦労してた。湯船の中で後ろ向きに突き出してくれるお尻が最高なんだよ。じゃあ、これから純粋に仕事でニューヨークに行って来ます。
133 :
スネークマン@タレコミinサポセン :2000/09/22(金) 21:20
いつも楽しく拝見させていただいております。今日、うちのジャ○キー大○センセーと患者さんのヤリトリが、キョーレツな患者さんのせいでハチャハチャだったのでタレコませていただきます。 ジ:はい、どういった、ご相談ですか? 患:はい、あの実は、あのわたくしのムスコがですねぇ、あの赤茶色くかたくなってしまって、ま1週間ぐらい前からガタガタあちこちこすりまわしてしょうがないんですけど。大丈夫でしょうか? ジ:ん。はい。ご心配ありません。それはセイチョウです。心配ありません。お大事に。 患:はい、あ、でもセンセ、もしもし? ジ:はい。 患:もしもし、あ。あのー、どうしたら治るんでしょうか? ジ:はぁ、セイチョウは、自然に任せるのが一番ですねえ。 患:はあー、 ジ:適当に、あしらってやることですねえ。お大事に。 患:はぃ。あ、もしもし?ぁぅ、センセェ、あのーでも実はですね。あのちょといま、とっても心配でですね。くすり飲んでるんですよ。 ジ:ん。ん。 患:で、あのー、あの警察の心配なんかないんでしょうか? ジ:ん。ありません。お大事に。 患:はあー、あっ、あっ、もしもし?もしもし、せんせ?もしもし? ジ:はあい。 患:あ、ですけどもね。あの、いま、実は、あのームスコ見ないようにしているんですよね。でもあたくしもとってもつらくてですね。ほかのこにうつるのがあたくし心配だっていぅ、まああれもあるんですけども。そうゆうことはあのだいじょうほかのこにうつらないんでしょうか? ジ:うつりません。 患:ああ、そぅ ジ:お大事に。 患:ああぅ、もしもし?もしもし? ジ:はあい! 患:もしもし?あ、センセェ、でも実はですね。いまあたくしいま肉体的にもとっても不満なんですよね。ま息子がまぁなんだか節の多い足の多い虫になっただとか、なんだかセイチョウだかなんだか、這いずって稼いでこないとか。 ジ:ふん。(なんか吸ってる) 患:毎晩まあ、体が熱いっていうか眠れないようなことも続いてるんですけど、そういうのはセンセどうしたらよろしいんでしょうか? ジ:ふん、ひんぱいありません。お大事に。 患:いえ、ね、もしもし?センセ。ですからね、あたくし、あのうなんて、センセ! ジ:あー!! 患:いえ、ですからあたしの場合はね。 ジ:ああん!! 患:あの隣のあたくしね、奥様に噂されてんです。隣の奥さまに。あそこのうちの家庭は主人も乱暴者だし、まあこどもも、ま禄なことは、まて、固い甲殻も、こどもの、まあ、こどもの、まあこどもの、ですからこどものね、 ジ:ありません。お大事に。 患:え?ですからね、息子がおおきな虫になっているんですよ。それであたくし ジ:ありません。お大事に。 患:え、あるんじゃないんです。ないんですよ、そして。ないんです。稼ぎ ジ:あんー!? 患:がね。働いてないんですよ。どうしようがありますかこどもが虫になっているんです。うつったりするんじゃないかと、 ジ:ぐおー(鼾) 患:やっぱりうしろに節がたくさん、たくさんなんですの。まわりに脚がたくさんでも気持ち悪く思ってるんですけど。 ジ:ぐー(鼾) 患:センセェどうしたらよろしいんでしょうか。もしもし?もしもし?センセ!センセ! ※コピペじゃん。
134 :
吾輩は名無しである :2000/09/23(土) 07:05
age
135 :
トマス・ピンチョン :2000/09/23(土) 07:33
空港の、とある便所にはAC−DCの広告があった。これは「アラメダ郡拝死教」(Alameda Country Death Cult)の略で、 私書箱の番号と郵便喇叭が書いてある。一か月に一度、彼らは罪のないひと、徳の高いひと、社会と協調してよく順応しているひと、 そうしたところから犠牲者を選び、性的な慰みものにしたあとで、いけにえにする。エディパは番号を写さなかった。
136 :
森博嗣に挑戦 :2000/09/23(土) 09:06
グレゴル・ザムザはふと目を覚ました。 何か、夢を見ていたように思う。ベクトルも定まらず、エネルギィだけを多大に消費する 錯覚を覚えるほどの異様な夢。気分が良いとはとてもいえない。 どうやら、いつだって朝がクリームソーダのように心地良いものだとは限らないようだ。 やがて、ザムザは自分の普通でない姿に気付いた。「普通でない」とは、「予期していない」 という、それだけの意味である。 背中に硬い甲羅がある。硬いとはいってもダイヤモンドほどではなさそうだ。 頭を起こすと、ややブラウンがかって綺麗なアールを描いた腹部が確認できる。硬い皮膚が 階層的に横に連なり、節になっている。不思議だ、ザムザはそう思った。 ・・・不思議?本当に不思議なのだろうか。大人になるほど、不思議だという感覚は減少 するものだと考えていた。つまりそれは、頭が悪くなるということだ。良くなることではない。 自分に残っていた幼い感覚に、ザムザは純粋に嬉しくなった。 寝起きの冴えない頭脳で原因を考える。しかし、思考を巡らせるには今手元にある条件では少なすぎた。 別の考えが浮かび、ザムザは電話まで歩く。受話器を手に取り、ダイヤルする。 「・・・あ、もしもし。ザムザです。急いで来てくれないかな?うん・・・不確定性原理をちょっと 体験してね・・・」
137 :
柳美里@「命」 :2000/09/23(土) 23:33
薄明かりのなかで目を醒ました。 いつものように悪夢にうなされたわけでも、眠りが浅かったせいでも、なにかの物音や尿意によって起こされたのでもなさそうだ。わたしの内部の微かな気配、なにかが起こっていることを無意識のうちに察知して目醒めたのではないか、そんな気がした。 額にてのひらを当ててみる。堅い。何日か前から微熱が続いていたのだが、忙しい時期にはよくあることなので無視していたのだ。皮膚が堅くなるなんてなにかの勘違いだろう。まだ寝惚けているのかもしれない。鏡で確認しようと起き上がる。けれど、わたしの体は起き上がるには無理があった。 わたしの体は毒虫になっていたのだ。 夏はいつもわたしを苦しめる。いい想い出の夏は記憶のなかに一度もない。夏を嫌い憎んでいるから、しっぺ返しを受けるのだろうか。今年の夏は、わたしを断崖ぎりぎりまで追いつめようというのか。これまで、錯乱して激情にかられて狂態を演じる人間の気持ちを理解することはできなかったが、今の私はまさに血腥い情念の中にいた。
138 :
カミュ 異邦人 :2000/09/24(日) 00:57
今日、毒虫になった。
139 :
原律子 :2000/09/25(月) 21:32
1)♀:ぐれごおる君、何コレ?くろーい、おっきー、ぺかぺかー ♂:あ、朝起きたら、こうなっていたんだな 2)♀:固ーい(はあと)でもこの脚ジャマ。むしっちゃえ。(効果音:ムシッ、ムシッ) ♂:うひゃー 3)♀:メリハリなさすぎ。リンゴ埋めちゃえ。 4)効果音:ドクッ! ♂:あ!(白目) ♀:果てた?まだ入れてないのに?!
140 :
逢坂剛 :2000/09/26(火) 23:13
グレゴール・ザムザは目を醒ました。 街が朝の気配を部屋に浸透させているのに気付く。同時に夢見が悪かったことを思い 出す。彼は起き出そうとして体がおかしいのが分かった。上体が重く、体を起こせない。 そのまま元通り仰向けになってしまう。そして、果たせなかったその行為のエネルギー は固い背中の丸みに合わせて、ベッドのシーツの上で彼の体を何度か揺らした。 彼は仰向けのまま、頭をもたげて自分の腹を見た。光沢のある茶色で弓形にふくれた 節が連なり、その両側には多数の細い脚が空気を掻いている。彼はとてつもなく大きな 毒虫になっていた。 >124, 125 スレッドのテーマに沿って「名前の置き換え」だけでなく、「表現」してください。 「名前の置き換え」だけで笑えるのは、有名かつ全然関係ないからこそ予想外なネタ 「ハマッタ表現」の加工のみ。是非笑わしてください。 >135 笑えない。
141 :
京極夏彦に挑戦 :2000/09/27(水) 02:25
毒虫―― かたちは虫の如きにてその実人なり。変化の物なるが、生り物をおそるるといふ ならん。 ――――――――――――― ――聞いた話である。 唯唯薄らと部屋を照らす弱い光の中――グレゴオル・ザムザは独り、耄けていた。 眠りから覚めたザムザは、つい今し方まで見ていた夢を思い出そうとしていた。し かし意図的に記憶を遡ろうとする行為は、意外と難しい。摩訶不思議な空気で覆われ た、吐き気を覚える程不愉快な夢だった様に思うが、如何せん明瞭しない。夢なら ば明瞭しないのは常である。変に納得し、そこで――ザムザは考えるのをやめたと云 う。 その時初めてザムザは自分の身体の異変を認識した。 背には固い――そう、殻だ。 腹には褐色の節目が見える――まるで毒蟲の様な。 通常のそれではない己の身体に少なからず動揺し、ザムザは耄けた。 ――何が如何なったのかさっぱり判らぬ。怪しげな夢の所為だろうか。 しかし――いつまでもこうしているわけにはいかぬ。仕事に向かわなければ――。 ザムザは慣れぬ身体を動かし、身の支度を始めた。 清清しいとは云い難いある朝のことである。
142 :
すごい科学で守ります :2000/09/27(水) 17:30
さて、このグレゴール・ザムザの毒虫への変身ですが、 これを単なる不条理と考えるのは間違いでしょう。 固い甲殻の背中や褐色で節に分け目が入った腹部など 仮面ライダー系の技術が感じられます(特に、スカイ ライダーとの類似が見られますね)。タイトルも「変身」 ですし。 しかし、それにしては彼が何らかの改造手術を受けた という記述がどこにも見あたりません。これはショッカー の技術流出の影響としては奇妙です。 私はこれはカクレンジャーと同じ「忍法」ではないかと 思います。恐らく不安な夢によって送り込まれた設計図に 基づき、例によって一発成形されたのでしょう。 この忍法をプラハに伝えたのは何者なのかという事は、 今後の研究を待たねばなりません。
143 :
イッ○リウム@あめ学 :2000/09/28(木) 06:52
>毒虫 うるせえ。あれは単なるカキコミスだと何度も言っただろ! テメエ、グレ○ール・ザ○ザだろ。わかってんだクソ! 近代文学専攻の人間だからカフカやカミュやディケンズやヘッセは多少は語れるけどな。 いい加減にしろ。ぶっ飛ばすぞ!(固い甲殻がミエミエなんだよ) 不愉快だ。
144 :
吾輩は名無しである :2000/09/28(木) 10:21
>近代文学専攻の人間だからカフカやカミュやディケンズやヘッセは多少は語れるけどな。 存分に語ってくれよ、 ただし別スレでな。
143はネタだろ
146 :
徹子の部屋 :2000/09/28(木) 16:32
今日は、あたくしが”グレにいさん、グレにいさん”と、いつもお呼びして、ほんとに尊敬して、あたしの生きる上の……人生相談っていっちゃうと、あまりにも簡単すぎちゃうんですけど、いろんな生きる知恵を教えてくだすっている、服飾セールスマンのグレゴール・ザムザさんにおいでていただいてるんですけど、ようこそ、 グレにいさん、しばらくでした。あら、やだわ、しばらくお会いしないうちに、随分と変わられて…。なんだかとても固そうなお背中に、褐色の節で分けられたお腹で…。これはなんと言えばいいのかしら、ちょっと説明してくださる?
147 :
吾輩は名無しである :2000/09/28(木) 17:03
うーん、気持ちはわかるけど、やっぱり自分の魅力を磨くことが大切なんじゃない? そうすれば彼女だって君のことを見なおしてくれるかもしれないし。 いずれにしてもまだ若いんだから、これからいろんな人が目の前にあらわれるかもしれないし、 とにかく何事にも一生懸命とりくむことが大切なんだと思う。 そういう人って、光輝いて見えるものだよ。 ぼくも応援してるから、がんばれ! おぇ…
148 :
吾輩は奈々氏である :2000/09/28(木) 18:35
>147 これ何?意図がわからん。
149 :
森敦 :2000/09/29(金) 23:55
ある朝起きてみると、グレゴール・ザムザは大きな毒虫になっていました。自分で紡 いだ繭の中で、時を待つうちに、おのずと変成して、まったく別のものになってしまう 夢からさめてみたらそうなっていたのですが、目がさめてすぐ、自身が人外のものに変 身したとはわかりませんでした。 おかしな夢を見たものだと、グレゴールはあお向けになって気もうつろに目を上げて いると、だんだん身じたくすることを思い出して、いつもの朝のように自分のベッドか ら起き上がろうとしましたが、背中が重くて果たせませんでした。疲れているからだろ う。思うともなくそんなことを思っているうちに、またいつかこうしていたことがある ような気がして来、しばし学生時代のことを思い出したりしたのですが、からだを起こ す試みのあと、なかなかからだの揺れが落ち着かないことに唖然ととするまで、背中が なにか固い丸みをなしているのも気がつきませんでした。いまさらのようにまったく違っ てしまった自分を感じないではいられませんでしたが、たんなる思い過ごしかもしれま せん。解せぬといえば解せないのですが、起き上がらないことには何が起こったのかわ かりませんから、何度も起き上がろうと試みました。 横向きにもならない自分のからだを思って、グレゴールはなにか空恐ろしくなって来 ました。さすがにかなりまずいことが起きたという思いはするのですが、想像していた ような疲れや病気といった感じもしないのです。それどころか、いつか経験したような 気がするのは先に見た夢の印象に似ていたからかもしれません。むろん、人が虫になる などありえません。とにかく頭をもたげて自分のからだを見よう。そう思って腹を見て、 ふと吹き出したい気持ちになりましたが、あやうく、笑いを圧えました。茶色の弓を伏 せて並べたように艶々とふくれた節また節が連なっていたのです。
150 :
ヘンシンたちのわるいヤリカタ :2000/09/30(土) 15:14
へんーしんっ、とおっ! 尋ね人:グレゴール。怒ってない。帰れ−父 服地販売員 失踪 プラハ市民グレゴール・ザムザ氏、衣類、私物、金銭を残して自室より失踪し、数週 間戻らないと、家族から届け出。 [モノローグ]1 ……目を覚ますと、私は背中に体重を、腹には空間を感じて横たわっていた。だが、 本当に目覚めているのか、依然不快な夢の世界にあるのか、よくわからない。なぜなら、 五感に違和感があったからだ。 しかし、いつまでも夢のもたらした不安を思い患う暇はない。何度か体を起こそうと 試みるうち、偶然、自分の腹が視界に入った。それは光沢のある褐色で、膨れており、 硬そうな横長の殻に覆われているように見えた。そして呼吸に合わせて、それがずれて …… ●妹(20代) えー、やあねえ、女性に年令聞くなんて。あなた、ガキのお相手しかしたことないん じゃないの? あら、むくれることはないのよ。何事も経験よ。インタビューは相手を 見て臨機応変にしなきゃ。あ、歳は20代にしといて。嘘は書きたくないでしょ? 兄さんのことよね。ほんと、あの時は驚いたわあ。兄さん起きてこないでしょ。で、 部屋から出てきたのが、でっかい虫。茶色くて、ぷっくりてかてかした節がいっぱいの。 んーと、気持ち悪いからよく見てなかったけど。ゴキブリに似てたかなあ。でもあんな 速くないの。脚が違うからかなあ。羽のないゴキブリの両側に細かい脚をいっぱいくっ 付けたようなの。両側と言ってもね、片側は部屋を出るとき、ドアのとこでかなりこす り落としてたみたいね。ね、どんぐらいおっきな虫だったかわかるでしょ。 よく見てるって? やあねえ、毎日足元うろうろしてたのよ。兄さんたら、ペチコー トにでも興味あったのかしら。なに赤くなってるのよう。兄さん服地を売ってたのよ。 [ザムザ家の巨大毒虫記録]1−覚醒 毒虫 初日 長男グレゴール失踪。代わりに人間サイズ毒虫出現。家族驚愕。 * * * 1 グレゴール・ザムザはまだ二十歳をいくつか越えたばかりのしがない服地販売員だっ た。両親や妹とともにプラハ市街のアパートに暮らしていた。 ある朝、彼は自分の部屋から出てこなかった。代わりに出てきたのは巨大な毒虫だっ た。 | 変身 | フランツ・カフカ | ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと目覚めてみると、(以下略)
151 :
考える名無しさん :2000/10/02(月) 09:10
なかなかネタが尽きない事に日本語の可能性をやや見出しつつage
さすがに全部読んでる人は少なそうと思いながらsage
153 :
吾輩は名無しである :2000/10/02(月) 19:18
誰か総長でやってくれ
154 :
名無しさん@1周年 :2000/10/02(月) 19:27
俺がスレッド1の最初の方でやったのに・・・ あれじゃものたりなかった?
155 :
吾輩は名無しである :2000/10/03(火) 03:26
いや、蓮實版むちゃくちゃ上手かったよ。
156 :
名無しのさん :2000/10/04(水) 05:40
J-oの日記風をリクエストです。
157 :
フィッツジェラルド :2000/10/04(水) 19:11
毒虫‐それが私の姿だった。私の腹部は三つに分かれ、かといって柔らかい わけでもなく、背中はまるで世界の終わりを思い起こさせるような黒色の輝きに 満ちていた …予想もつかぬ事、実にその通りだ。不安な夢のあとにやってきたのはあの 華やかな時代にあってはありふれていたとも言える変身物語 (メタモルフォーゼ・ストーリー)のひとつだった。しかしそれは私にとっての グレゴール・ザムザという悲劇の重要なひとこまである。確かに虫のような息づかいを ひしひしと感じてはいたが、どうにもそれを表現する段となると隔靴掻痒の感は まぬがれなかった。
158 :
山尾悠子 :2000/10/06(金) 20:41
疲れが出たのだろう、とはじめグレゴール・ザムザは思った。 ベッドの上で目覚め、仰向けの状態から体を起こそうとして失敗した時、最初にそう 思ったのだ。 部屋の中には、いつものように動きはじめた街の朝が漂い流れてきていた。不安な夢 の残滓を意識しながら、そこに臥ったままで、グレゴールはかつてない奇妙な感覚に落 ちこんでいた。 どうしよう困るな。 疲れというのか、体がままならないうえ、感覚の違和感には頭が混乱するばかりだっ た。――この時、この不本意な体調だけでは済まないような――、なにかつよい出来事 で自分とかかわっていくだろうという予感が、グレゴールの内に生まれていた。 仕事に出なければ、とグレゴールは自分に言い聞かせた。そして、起き上がろうとし て上体を曲げた時、視野の下すみにふと茶色いものが見えた。それは一瞬見えただけだっ たので、なにであるか見当もつかなかった。それを確かめるために頭をもたげて、目に 入った時、仰天した。それは巨大な虫の腹であるに違いなかった。 ――弓を伏せてびっしり並べたように、膨れた褐色の体節。それはまた、堅そうな光 沢を見せて、遠ざかる波のようにベッドのフットボードに向かって続いていた。いった いこれがなぜ自分のベッドの上にあるのか、頭が混乱するばかりだった。 ……この「虫の腹」の意味がほんとうに理解できはじめたのは、再度ベッドから出よ うとつとめるまでの、いつごろであったのかグレゴール自身にもそれと指摘することは 出来ない。いつからともなく、自然にゆっくりとその虫の体を着けるということに馴染 んだのであり、そう気づいてみれば、けさのけだるい寝起きから肉の上を覆う甲殻を意 識していたようにも思われた。
159 :
吾輩は名無しである :2000/10/06(金) 22:30
総長ぉー(笑) カミンバックプリーズ!!!(笑)
はーい,あたし,ザムザ。 隣にいるのは仲良しのミミー。 「ねえ,ミミー。あたし,毒虫になっちゃった。」 「えー、ザムザ。こ、こわいよー。」 二人「そうだ。ママに聞こう。」 ママ「ザムザ、大丈夫。よくあることよ。 それより,ママの作ったケーキを食べて、はやくお片づけしなさい。」 二人「はーい。」 ミミー「ザムザ,元気出して。すぐ,元通りになるわ。」
161 :
pc-info :2000/10/08(日) 01:15
Counterattack: ザムザ 2000/10/07 ザムザ反撃。Rambusに毒虫の特許を侵害しているとして訴訟を起こされているザムザだが、 Semiconductor Bussiness NewsによるとザムザはRambusが毒虫でザムザの特許を侵害しているとして 米連邦地裁に提訴した模様だ。これにより米Micron、チェコザムザ、韓Hyundaiの3者が米Rambusと 全面衝突に発展したことになる。また、MicronやHyundaiなどは Rambusの毒虫の特許の無効性を語ってきたが、 この訴訟ではRambusの生命線であるDR毒虫の設計そのものがザムザの持つ 特許を不正に使用していると指摘している模様で、 つまりこれは毒虫だけでなく、 Rambusが普及させようと必死になっている DR毒虫ライセンスそのものの正当性が 問題となる可能性の話ということになる。新展開。ザムザ反撃。
162 :
名無しさん :2000/10/08(日) 05:17
| ケケケ.| | Ψ(`∀´)Ψ | \_____/ 。○. __Λ_Λ ウーン | __(; -д-) ̄ ̄| |\⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | \ \ \ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒| \ |_______| −−−−−−−−−−−−−−−−−− ガバッ Λ_Λ! / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ __( ;´Д`)__< ユ、ユメかっ…! | 〃( つ つ | \_______ |\ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | \ \ \ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒| \.|_______| −−−−−−−−−−−−−−−−−− Λ_Λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ Σ( ;´Д`) < うわー、体が虫に〜 (( つ つ \_______ ((ヘ= =)ヘ ギチギチ __((ヘ= =)ヘ__ | 〃((ヘ= =)ヘ | |\ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒\ | \ \ \ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒| \.|_______|
163 :
名無しさん :2000/10/08(日) 06:16
1 名前: グレゴール・ザムザ 投稿日: 2000/02/24(木) 03:32 ━━━━━毒虫に変身は笑えた! 体の節10ごとにカウントしてたのってオレだけ? (よっしゃー20突破!よーし次は30突破しろーって) でも結局は100も節ねえんだよね。全然、騒ぐほどじゃないし。 毒虫に変身は笑えた。まじで 朝起きて知って、手を叩いてわらったなぁ。 家族が朝食とってる間、ベットで体を眺めてた 気持ち悪いなーこの体って思いながら わざわざ病院まで行って医者に看てもらおうかと思ったよ。 でもオレが毒虫に変身したおかげで何かしらの利益を得た人だっている訳だし 結果的には良かったんじゃないかな。 たしか寝てる間不安な夢を見てたような気がするんだけどさ、 結局目が覚めた時にそのまま忘れちゃったんだよね。 今でも部屋から出るに出られず困ってるんだけど、 ツライんだよ!体が上手く動かないんだよね。むかつく。 ところで毒虫に変身した俺ってトイレどするの? もしかして野グソ?汚ねぇなぁー。 どちらにしろ変身したオレの体はまさにナウシカに登場する蟲達のようで壮観だった! 気持ちの良い目覚めでした
164 :
毒虫人間ザムザ :2000/10/08(日) 14:10
早く人間になりたい! 暗い運命を吹き飛ばせ! ザムザ!ザムザ!ザムザ! 毒虫人間!
165 :
綾波レイ :2000/10/08(日) 18:55
私、虫になってるの? 何故毒虫なの? (思索の海へ…) 虫 毒虫 足が6本あるもの 背中が硬いもの 人とは違うもの 褐色の腹部を持つもの 碇君? 私何? 私何? 私何? 私何?
166 :
ザ・ピーナッツ :2000/10/09(月) 21:20
ザムザーヤッ ザムザ−
167 :
村上春樹5 :2000/10/10(火) 07:56
目覚めた時にはオアシスの「スタンド・バイ・ミー」が流れていた。 やれやれ、昨日の夜、僕はラジオをつけたままで眠りこんでしまったのだ。時計 の針は朝の6時を指していた。カーテンの隙間から射し込む光はもう十分に明るい。 目を閉じると、まるで自分がばらばらになってしまいそうな感覚を覚えた。体中 の毛穴という毛穴から濁った色の液体が絞り出されて来そうな気がする。僕はしば らくじっとその感覚が通り過ぎるまで待った。 そして、ゆっくりと目を開けて、天井を眺めながら、彼女のことを考えた。全て のことが中途半端なまま、まるで早朝の歓楽街に散らばったゴミのように放り出さ れたままでいた。 彼女は何処に行ったのだろう?彼女が去らなければならない理由は僕には何一つ 思い浮かばなかった。 考えの整理、と僕は思った。全てはそれからだ。こめかみのあたりがまるで締め 付けられるようにずきずき痛んだ。まずは起きあがって嫌な臭いのする汗をシャワー で流したかった。僕は自分のものじゃないように重い体を起こそうとした。 その時、初めて僕は自分の体が毒虫に変わっていることに気がついた。固い甲殻 の背中を下にして、僕は仰向けになっていた。少し頭をあげると、 まるくふくらんだ、 褐色の腹が見えた。一瞬僕は何が起こったのかわからずに混乱してもう一度自分の体を 見直してみた。
168 :
吾輩は名無しである :2000/10/10(火) 12:51
村上の模写は どれだけ表層的な読み方をされているのかが よくわかる。 まじで、もっと本を読め?
169 :
吾輩は名無しである :2000/10/10(火) 12:54
村上の模写は どれだけ表層的な読み方しかされていないかが よくわかるね。かなし
170 :
吾輩は名無しである :2000/10/10(火) 16:09
>>168 ,169
お遊びの文体模写なんだから文体の表層だけ似ていればいいんじゃないの?
私は167は村上ワードをうまいぐあいにちりばめていて、いままでの
なかでは一番よくできてると思うけど。
171 :
吾輩は名無しである :2000/10/10(火) 16:49
>169 文体の模写ってのはいかに表層のわかりやすい部分をわかるように アピールできるかが重要なんじゃん(笑) モノマネ王座とかそうなんだからさ。こんなものに文学性を求めるなよ。 おれも168は今までで一番よくできてると思う。 村上ファンならニヤリとする箇所がいくつもあった。 っていうか君も書いてみなよ>169。 煽りじゃなくて純粋な興味として見たいからさ。
172 :
吾輩は名無しである :2000/10/11(水) 00:51
なるほど。
173 :
ステップ・フシ・ステップ :2000/10/11(水) 20:19
どうやら、おかしくなったらしい。 目を覚ますと、身体中が軋んだ。強力な接着剤が乾いて、全身の皮膚がひっぱられて いるような感じだ。それも外側だけでなく、内側からも。とりわけひどい違和感がある のが身体の両側で、特にたくさんの脚は、反乱を起こして体から独立しようとして胴体 と全面戦争しているみたいだった。実際……やばいな……こりゃ、本当にどうかなっち まったのかもしれない。 自問してみて、ようやく、記憶と理性が手に手をとりあってお出かけしているのを感 じた。この状況では、まったくその帰還を歓迎したくない二人連れだ。門前ばらいにす るためには、また眠ってしまうに限る。もう、永遠に目を覚ましたくない気分だった。 理性と記憶は帰ってきた、だが、頭の中で「いないいないばあ」をはじめた。目はばっ ちり覚めているらしい。五感はすべて異常というべき正常。いまいましいほどに。 頭がおかしくなっているのかもしれない。 記憶が言う。(昨晩、寝たときはグレゴール・ザムザという人間だった) 理性が言う。(人間は身体の両側にたくさん脚を持っていない) 起き上がってそのふたつに折り合いを持たせようとしたが、予想より背中が重かった。仰向けのままベッドのシーツの上で、堅い背中の丸みに合わせてぐらぐら揺れるだけに その試みは終わった。このまま一生起き上がることもできず、ベッドに釘づけなんてこ とにもなりかねない、と思った。それとも、この先ずっとこんなふうに、身体がままな らないのだろうか。 顎に力を入れて、頭を上げて腹を見た。褐色の弓を伏せて並べたように膨れて光沢の ある硬そうな腹節の行列――わめこうにも声は出なかった。体のサイズはそのままで毒 虫になったのだろうか。
174 :
名無シーク :2000/10/12(木) 02:13
毒蟲の母でございます。 このたびは、息子がこのような醜い姿を曝け出してしまい、 皆様には大変ご迷惑をおかけしております。深くお詫び申し上げます。 息子は幼い頃に父親を亡くし、そのショックで不安な夢を見るようになって しまいました。そのせいか、背中には固い甲羅のようなものができてしまったのです。 この年になるまで、恋人はおろか友達さえもいないようで、大変心配 いておりましたが、この姿になって以来、息子も 少し明るくなったようです。「今日夢の中でね、ドキュソがさあ…」 と、とても楽しそうにおぞましい姿で話してくれるのです。 どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし。本当は良い蟲なんです。 よろしくお願い申し上げます。 毒蟲の母より
175 :
坂口安吾 :2000/10/12(木) 02:50
或朝、ヒロポンの酔いも覚めやらぬまま私は目を覚ました。 田舎の一日というものは誠に退屈で、豊かな自然と純朴な村人なぞという 笑止千万なステロタイプとは雲泥の差の、妬み嫉み、因習に満ち満ちた 、精神の自由な発露の上でまことに不都合これ極まりない環境である。 今日は東京から奥野健男君が「やみ将軍」というこれまた名前だけは仰々しい 密造酒を携えて遊びに来るというので多少の期待を抱きつつ、されど起きようか 起きまいか決心これを得ず横臥の姿勢を維持す。 世の東西を問わず、作家の正体見たりという瞬間があるならば それは起き抜けの顔であるに違いあるまい。もし寝起きのニーチェが 凡夫さながらの抜け作面を下げていれば彼の作中の陶酔感もへちまも あったもんじゃない。残るのは抜け殻だけである。 だから私がその朝、毒虫に変身していた、というのは 若干正確を得ていない。わたしは元来、その本質において毒虫で あったに過ぎないのである。世間に疎まれ、洞察とは名ばかりの毒を吐き散らし、 糊口をしのいでいるという点において毒虫と言う外はあるまい。 私の哲学に如何ほどの一般性があったというのか。否!否!否! されど、毒虫にも矜持あり。毒虫が毒虫たる由縁は己が毒を徒に、 戯れに浪費せざる、この一点に存すると断じて過言でもあるまい。 節くれだった、その怠惰の象徴であるところの腹を見るにつけ 私は何とも懐かしい、そして滑稽な感慨を惹起させられずにはいられないのである。 それはまぎれもなく魂のふるさとであった。
176 :
みつお :2000/10/12(木) 03:12
いいじゃないか。 虫けらになったって。 だって生きてるんだもの。 いいじゃないか。 空を飛べるようになったんだもの。
つ→か超眠いんだけど何か変な?夢?とか見て何か知んないケド 目覚めちゃったわけ☆ したらさ→! 何か、変な虫っつ→か。 何かよくわかんないけど虫になっちゃてたの〜〜〜〜!!!! しかも毒持ってる系の虫ってかんじ〜〜〜〜!!!!! マジでマジでマジで!? 何か背中超固いっぽいし。何コレ? んでさ→、お腹とか、超変になってたの〜キャーッ! どう変っつってもよくわかんないんだけどさ→すっげ変なの!マジで! どうせ虫なるんならさ→、蝶とかにして欲しいよね→何かムカつく! つ→かど〜しよ〜〜マジで〜〜超死にた→い(><) つ→かとりあえず寝る☆
178 :
ばなな、出ました? :2000/10/12(木) 04:05
人は必ず一生のうちに「これは忘れようとしても忘れられない」という 不思議な体験をするものだ。夏、白い日差しが地面を焦がすように、それは焼きつく。 ある朝のことだ。私はなんと虫になっていた。 それはもうすごいほどに。完璧に。 あの恥ずかしい台詞「ここは何処?わたしは誰?」が口をついて出たほどだ(本当よ!)。 部屋中をうろうろと歩きまわった挙句、私はなぜかキッチンへ行ってみた。 まるで生まれる前から知っている声に導かれるように。 足を踏み入れた瞬間に分かった。ここは私の場所だ。 なぜかわからないけど落ち着く。そう思った。 この世でいちばん好きな場所、キッチン。 そうか、私はゴキブリになったのだ。
179 :
スペル・デルフィン@大阪プロレス :2000/10/12(木) 04:23
まいど!浪速の英雄グレゴール・ザムザやで。 今朝起きたら毒虫になっていました。 固い甲殻、割れた腹部、かっこええやろ! 仮面ライダーフリークのワイとしては、満足している。 ワイらのプロレスはホンマにオモロイで! チビッコからお年寄りまで楽しめるエンターテイメントや! 週末にNGKスタジオでやっていますから、観に来てな! ほな!
180 :
吾輩は名無しである :2000/10/12(木) 04:23
中井英夫 ジャック・ケルアック トーベ・ヤンソン やってもらえませんか?
181 :
吾輩は名無しである :2000/10/12(木) 05:04
帝●BBS風、誰か出来ます?
朝、起 きたら 毒虫だ ◎182点 った。 Σ(゚Д゚
183 :
STR SINGER TOKYO :2000/10/12(木) 05:39
これは メジャー志望の ザム ザ専用ページ いま甲殻類界は 話題いっぱいのもりあがりです。 あなたも 毒虫で世にでませんか。デビューしません。 *プロになれるか いなかについて プロなら 夢からさめて<初見で>毒虫の うごきを すぐに 完璧にできるのが あたりまえです。さらにいうなら 腹部に 褐色 弓形 かたい 節 が当然あります。それもわからないのは 手のほどこしようがない。 こういうのを 練習をたくさんして 80%くらいの かたさの 甲殻レベルに達せる レベルのひとを 素人毒虫というのですが メジャーなんて おこがましいです。 したがい プロのproducerやdirectorは 絶句して ノーコメントです。 みなさんは <メジャー>めざし いかかが お考えですか。 きびしい と おもいますか。 としたら 毒虫失格です。 素人毒虫の プレゼンは こちらの信用にも<対メジャー>かかわるため 今後いたしません。 レベルアップしないと producer director <major>から はなで わらわれ 素人毒虫 など おくるな!!といわれてます。 それだけ 十代でも かたいのです。そういう 甲殻や腹部に自信のあるかたが おおいのです。<メジャー>には あふれかええてるのです。候補生か。 よく 肝に おいてください。
184 :
稲川淳二風 :2000/10/12(木) 06:25
いやね、これはうちのかみさんの友達でデザイナーやってる奴の話なんですがね。 かれこれ3年前ぐらいのことでね。いやほんとに普通ーーーの奴なんですよ。 どこにでもいるデザイナーって感じでちょっとカマっぽかったりしてね。 そんなことはどうでもいいんですけど、そいつがですね、かみさんに相談があるってんで 震えた声で電話かけてきたんですよ。それがもう普通じゃないって感じで、かみさんが言うにゃ こんな感じでブルブルーーって電話もつ手が震えてんのがわかるっつーんですよ。 そいでかみさんすっ飛んでそいつのとこにいったんですけどね。向かう車の中でも 行くのいやだなー、いやだなーって感じがしてたらしいんですよ。 虫の知らせって言うんですかね。あるんですねー、やっぱりそういうの。 なんかゾワゾワゾワーーーっていやーーーな感じがしたってんですよ。 それでも行かなきゃってんで、そいつん家までいったんですがね。 呼び鈴押してもでてこないんですよ。何度も何度も何度も何度も押したけど やっぱり出て来ない。うんともすんとも言わない。 ただ事じゃないってんでかみさんドア開けようとしたら、鍵がかかってないんですよ。 そいでかみさん、こんなガタガタガターーーって震えながら開けたんですよ。 そしたらなんかイヤーーな音でドアが開くんですよ。 「いぃぃーー」って「いぃぃーー」って音で開くんですよ。 そいで中になんかいるってんでかみさんウッて覗いたら…。 ごめんなさい違うものになっちゃいました。
185 :
朝日新聞 社説 :2000/10/12(木) 07:23
「さあ布団から出て、飛び立とう。」 君たちは、よく学校の先生が「人の気持ちになって考えてごらん。」 と言うのを聞いていることだろう。きっと聞き飽きた台詞だし、そんな こと言われても実感が沸かないやと思うかもしれない。でも、最近の若い 人たちの犯罪、恨みもないのに知らない人にナイフで切りつけたり、 クラスメイトから想像も出来ないような額のお金を脅し取ったりしている 事件は自分自身の痛みの感覚が薄いことに原因があるんじゃないかな? 「想像力と身体感」の欠如。難しく言うとこういう事になる。 確かにテレビゲームは面白いし、ポケモンは気になるかもしれない。 でも、みんながほんの少しの想像力、つまり思いやりを発揮しているだけで みんなの周りの世界は大きく変るはずなんだ。 想像してみてごらん。君がある朝起きて、ふと自分の体を見たら 虫になっている光景を。きっと驚くことだと思う。体が突然茶色になって、 おな化はなにやら仮面ライダーのように節に分かれて、堅い兜みたいな 背中を下に向けて布団に包まっている光景はきっと抵抗があるに違いない。 それも毒々しい茶色で背中も甲(かぶと)みたいに堅くなっていたりしたら。 でも、想像すること、当事者意識を持つことからしか始まらない。 みんなは今朝から毒虫だ。誰一人として例外はない。誰だってこの世の中に 生きている価値があって、かけがえのない命を持っているんだ。 そしてその一人一人が社会を作っていることを私達大人は君達に知って欲しい。 もし友達が一人で毒虫になったとき、君も毒虫になってみよう。 自分だけ虫になりたくないなんて思ってはいけない。 一人一人の思いが明るい二十一世紀を創っていくんだ。
10/12 プラハで服生地売ってるザムザ君ですが、 朝目が覚めたらいきなりバージョンアップ していたようです。これほどまでに大きな 変更になると、もはやバージョンアップと いうより新ソフトと呼んだ方がいいかもし れません。 >Ver.0.20α:自分の姿が一匹の、とてつ もなく大きな毒虫に変わってしまっている のに気がついた。 ナイスじゃん!毒虫だぜ、毒虫!サナギマ ンからの2段階変身じゃなくていきなり毒 虫ってところがIT革命って感じです。そ れにしてもどうしてわざわざサナギマンに なってこてんぱんにやられなければならな いんでしょうか。謎です。つーかITって つければ何でもいいんです。ITザムザ。 で、肝心の更新内容ですが、 >固い甲殻の背中を下にして、仰向けにな グレゴール っていて、ちょっとばかり頭をもたげると、 ザムザ まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節 2.0α版 で分け目をいれられた腹部が見えた。 (毒虫版) なんだかよくわかんないんですが、腹部が 見えたようです。よかったですね。もしか したら複眼になってしまっていて何も見え なかったかもしれません。トンボのめがね はって歌うたいませんでした?歌わない? あっそ。ごめんなさい。で、ザムザ毒虫バ ージョンですが、あまりに変貌しすぎたの で家族にもわかってもらえなかったみたい です。俺もよくわかりませんでした。ダメ じゃん、俺。どうやらアップル製品にこの 毒虫バージョンをぶつけると壊れるらしい んですが、マッキンが壊れるのか毒虫が壊 れるのかは試してないのでわかりません。 とりあえず、プラハで服生地をアップした りしてる人には便利かもしれません。ネタ 元:掲示板でカフカさんが教えてください ました。ありがとうございます!
187 :
エロ本 :2000/10/12(木) 10:17
高偏差値を鼻にかけるも付き合い始めからきっちり仕込んでやった おかげで、今では羞恥の虜となった淫臭ただよう22歳の若妻、 グレゴール・ザムザが朝起きて、夫を送り出しては昼前には間 男の肉棒をくわえこんでいるという貞淑のかけらもない団地妻生活 を見てやってください。少々くたびれ気味のバストと肥大した乳首 に生活観を滲ませながら、彼女が淫猥な夢からふと覚めてみると、 ベッドの中であられもない自分の姿が、とてつもなく大きなクリト リスのような一匹の牝奴隷毒虫になってしまっているのですが、セ ックスに向けるエネルギーは誰にも負けません。「…ああ、こんな 恥ずかしい姿、あなた以外には絶対に見せられない…」と一応は唇 を噛んでみるものの、そのキンキンに固くなった甲殻の背中を下に して、仰向けに体位を変えてひざまずいた尻を浮かせ、淫裂にあて がうと、うむうっ…と口いっぱいにぺ二スをほうばったままでは喘 ぐこともままならず、代わりに口許からは涎が溢れ出し、ローター も淫汁まみれ、すり変わるように侵入してきたペニスにちょっと ばかり頭をもたげると、まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節 で分け目をいれられた腹部にナマ姦、言い方さえ間違えなければな んでもさせてくれるので、しばらくはアソんでやろうち思います。
>180 な、中井英夫・・・愛しているが故に自分では到底マネ出来ないお人 ですう・・・
189 :
池波正太郎 :2000/10/12(木) 12:09
ある朝・・・・・・。 グレゴール・ザムザは、不安な夢から目覚めた。 いつもの朝とは、何かが違う。 ザムザは、なんとも言えぬ、 (妙な胸騒ぎ) を感じた。 そして、ふと・・・・・・、何気なしに自分の身体に視線をやった。 すると、どうであろう。 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな (毒虫) に変わってしまっているではないか。 「むぅ、これは・・・・・・。」 固い甲殻の背中を下に仰向けになっており、ちょっとばかり頭をもたげると、 褐色でまるまるとふくらんだ、弓形の固い節で分け目をいれられた腹が見える。
190 :
俺も京極夏彦 :2000/10/12(木) 12:22
上手く行くかは判りませんが。 ―――――――――――――― 不安な夢。 まるで自分が自分でなくなるような、 そんな夢である。 ――自分は、****だ。 そんな夢である。 ――寝覚めの悪い朝だった。 不快な寝汗を拭いて、私は身体を起こす。 厭な夢を見た。ただ、その記憶が残っていた。 起きた身体は、甲殻に覆われた、褐色の肉体であった。 虫のような、弓型の節の入った腹部。 そして思い出す。私は、毒虫だったのじゃないか。 自分は、どうも疲れているようだ。 どうして「自分が人間である」というような夢を見たのだろうか。 人間など、自分が知る限りで、最も下らぬ種族ではないか。 私は自分の名前を確認する。グレゴオル・ザムザ。 それが自分の名前だ。まるで人間の名前だ、と私は苦笑する。 だが、それ以上は何も思い出せぬ。自分が、今まで何であり、 そして今、何であるかも善く判らぬ。 ただ、夢の中で自分は、自分が自分でない、そういう夢を見たのだから、 私は多分、生まれたときから毒虫だったのだろう。 私は首を擡げて、そして再び床についた。 ――――――――――― 死にたい。下手過ぎる。
191 :
山本周五郎 :2000/10/12(木) 12:49
巳の刻になると、俄かに雨が降って来た。 下足番の持ってきたぐれ吾郎の駒下駄は、びしょびしょに濡れていた。 下足番は四十二三になる頑丈な躯つきの男で、そしてそっぽを向いた まま、ぐれ吾郎の足下へ、その濡れた下駄を置いた、置いたというよ りも、ほとんど放り投げるような手つきであった。 「この野郎」 ぐれ吾郎は頭の触覚をせわしなく動かし、下足番を睨んだ。彼は尻に いちばん近い足に下駄を履くと、さりげなく下足番のほうに近寄り、 力まかせに毒液を吐いた。 下足番の躯は腰掛けからずり落ち、腕の肉が焼ける音がした。 ところが、さすがに躯のがっしりした壮年の男である。下足番は直ぐ に何が起こったか理解し、反撃に転じた。 「野郎」と下足番は叫んだ。「なめたまねをするな」 下足番はぐれ吾郎を引っくり返した。身動きのとれなくなったぐれ 吾郎の鼻っ柱を、下足番はさらにしたたかに殴りつけた。
192 :
阿刀田高。 :2000/10/12(木) 13:16
閑話休題。 私は長年ベッドを利用しているのだが、気に入りのベッドである。寝具は硬めがよろしい。 先日こんなことがあった。 持ち帰った仕事をようやく終えると、傍らのベッドへ倒れ込むように眠ってしまった。 翌朝目覚めると気分がよくない。 どうもそれまで見ていた夢のせいであるらしい。 ふと気付くと手足が痒いような気がする。動かしてみたが感覚があやうい。 私は、時間が気になって時計の方に首を曲げた。 ギクリとする。 私の身体はいやな虫のように黒光りしており、表面には毒々しい模様が浮き出ている。 固い背中は甲羅のようにまるく甚だ不安定である。 おかしいな、と思った。 朝突然毒虫になったという話は聞いたことがない。 こうは考えられまいか。 記憶の遺伝というのがある。右に行くと必ず感電する箱に入れたマウスからは、とうとう右には行かないマウスが生まれるらしい。 まるく膨らんだ、弓形の固い節で分け目をいれられた褐色の腹部を撫でる。 もぞもぞとたくさんの手足を動かしてみる。 懐かしい感じ。 親の記憶が脳のどこかに残っていたりして。 はて、私の親は人間だったろうか。
193 :
リクエスト :2000/10/12(木) 16:00
D・フランシス風か山田詠美(ポンじゃなく)風ってできますか?
194 :
小学1年生 :2000/10/12(木) 16:29
あるあさ、グレゴルーザムザは、おきた。 ねているときには、いやなゆめをみていた。 そして、おきたら、ザムザは、大きなムシになってた。 ザムザは、上をむいてねていて、せ中がカブト虫みたいだつた。 おなかは、大きくて、いくつかに、わかれてた。 そして、ザムザは、すごくいやだなーとおもた。
キン肉ザムザ「うわー!たずけてー!苦しいよ−!むにゃむにゃ」 解説「あーっと!キン肉マン寝苦しそうだぁ−!」 ロビン「キン肉マン!起きるんだ!」 ブロッケン「夢なんて所詮まやかしだぜ!」 テリー「いや、どうかな・・・ここまで勝ち抜いてくる実力の持ち主。 そう一筋縄ではいかないはず・・・何かあるはず・・・」 〜〜〜ブチブチ!〜〜 テリーマンの靴ヒモ切れる ロビン「テリーマンの靴ひもが! テリーマンの靴ひもは正義超人たちの危機の度に警鐘を鳴らし続けてきた・・・ はっ!キン肉マン!起きろー!」 キン肉ザムザ「うっ・・・」 解説「ゲェー!!!なんてグロテスクな!!キン肉マンの体が!!」 一同「虫になってる!!!」 キン肉ザムザ「うわー!気持ち悪いよ−!!起き上がれないよ−!!たすけてー!!」 ロビン「キン肉マン!反動をつけて起き上がるんだ!!」 キン肉ザムザ「そうか!それっ!」 起き上がる キン肉ザムザ「さすが超人博士ロビン!!」 ロビン「キン肉マン!!前だ!」 敵襲い掛かる キン肉ザムザ「火事場の糞力−!!!」 ♪〜胸の炎が マントを焦がす〜♪ 今日の相手は〜♪ 並みじゃないぜー・・・・・・ キン肉ザムザ「キン肉バスター!!」 テリー「ダメだキン肉マン!!」 キン肉ザムザ「ゲゲー!虫になって所為で手が届かない!!」 敵「キン肉バスターやぶれたり!!」 ドドーン!! 一同「キン肉マン!!」 解説「あーっと、キン肉マンダウーン!!」 つづく
196 :
はれときどきぶた :2000/10/12(木) 17:36
ザ ムザ に 毛が は え た。
197 :
吾輩は名無しである :2000/10/12(木) 17:43
198 :
仮面ライダー風 :2000/10/12(木) 18:40
グレゴール・ザムザは改造人間、毒虫男である。 彼はショッカーの改造人間毒虫計画で捕えられ、脳改造手術寸前で恩師のフランツ・カフカ博士に救出された。 彼は毒虫の体に正義の炎を燃やし、悪のショッカーと孤独な戦いを繰り広げるのだ! 第1話 怪奇クモ男 戦闘員「イィーッ! ハイル、ショッカー!」 首領「目覚めよ、グレゴール・ザムザ! お前は名誉あるショッカーの改造人間、毒虫男に選ばれたのだ!」 ビーコンビーコンビーコン…… ザムザ「う……ううっ……な、何だ、ここは、お前達は何だ?」 首領「すでに首から下は名誉あるショッカーの改造人間、毒虫男なのだ。高圧電流を流せ!」 戦闘員「イィーッ!」 ビビビビビ、バリバリバリバリ…… ザムザ「わああああああ……え? 何ともない……」 首領「さあ、脳改造手術を開始せよ!」 ババーン! 科学者「停電だと、戦闘員、予備電源に切り替えろ!」 カフカ「ザムザ、ザムザ、今の内だ、無事に逃げてくれ! 娘を、娘を頼んだぞ」
199 :
仮面ライダー風 :2000/10/12(木) 19:39
あらら、もうあったのね。 鯖エラーと出で全文が読めなかったので。 新人です、よろしく。
200 :
麻原彰晃説法 :2000/10/12(木) 20:13
人は死ぬ、必ず死ぬ、絶対死ぬ。死は避けられない。 この死をはじめとして、すべては無常であると。そうだね。 (信者)はい。 無常であるというのはどういうことだったかな、マンジュシュリー。 (マンジュシュリー・ミトラ)はいっ、尊師!すべては変化するということです。 そうだね。生じたものはすべて滅すると。これが無常であると。 あるいは、すべてのものは変化すると。これが無常であると。 では聞こう。昨日、サマナのグレゴール・ザムザがプラハ支部で突然毒虫になったという話はもうみんな聞いたのかな? 聞いた?こういう話はすぐに伝わるんだね(笑) では君たちはどう思うか。ザムザはどうして毒虫になってしまったのか。 ・・・ミラレパ。ミラレパはいないのか?ではヤソーダラー、答えてみろ。 (ヤソーダラー)やはりそれはカルマだと思いますけど。 カルマ。うん。では、どういうカルマだ。 (ヤソーダラー)動物界に転生するカルマが、生きているうちに現われた。 よし。では、それはいいことだと思うか、それとも悪いことだと思うか。 ・・・いいことか。では、なぜだそれは。なぜだか言ってみろ。誰か言えないのか。 (ティローパ)カルマは早めに清算したほうがいい・・・ そうだな。 みんな、よく聞きなさい。ザムザには動物界に転生するカルマがあったと。 これは今回ザムザが毒虫にならなかったとしても、いずれ発現したと思うか、しなかったと思うか。した。 それならば、早めにカルマを清算しておいたほうがいいと。これはサットヴァだからであると。 いいね。 (信者)はいっ! では今日の法話はこれで終わる。しっかり修行しなさい。カルマ落としをおそれてはいけないよ。 (信者)はい。 オウム三唱
往年のタモリのハナモゲラってできないのかなあ
202 :
仮面ライダー風 :2000/10/12(木) 23:29
>>200 ぴきっ(恐怖に凍り付く)、ラ、ライダー助けて!
203 :
吾輩は名無しである :2000/10/13(金) 02:52
Once upon a midnight deary as I studied long a book I become quite bored and weary so off to the chatroom, I went for alook... and I heard a maiden laughing as she proclaimed, OH sheesh!! and I saw her nerf bat slighty wap- wap- wapping some curious figment on a leash.?? Oh, I think you know who she is? she's a sort of dusty blue... As I heard my maniacal rave- rave- raving!!! Periwinkle it is YOU!!!!.. hahahahahaha... It's the Raving lavenderlou, never flitting, still is sitting, still is sitting.. by her 'puter, just like you! And the New year's crowd was screaming o'er her dreaming prose and more.. Happy New year!! you are darling!! Quothe sp? her RAVING... I WANT MORE!!... 誰の模写でしょう???
204 :
紫式部(光源氏虫になる) :2000/10/13(金) 03:13
いみじき夢見給ひて、あしき心地にうちおどろかれ給ふあしたありけり。 ふし給ひけるまゝに、頭をうちもたげて見給へば、まるくふくよかなる御腹のさま、 幾重にも弓なりの固き節にわかれたり。御背も、げにかぶとむしの固き殻か とまがふばかりなりければ、わが身はあやしくも悪しき虫と成り果てにけり、これ も我が前世の報ひにやあらむ、いとあさましきことかな、とおぼすにも、たヾ胸つ ぶるゝ心地ぞし給ひて むしの身に なるは原作(ほん)にはあらねども なほうらめしき2ちゃんねるかな ひとりくちづさみて泣きたまふ御有様、いとあはれなり。 >33清少納言こそ、したり顔に枕草子の文体を使いまわしたるがいみじく憎き人なれ。
205 :
早坂茂三@馬克思 :2000/10/13(金) 04:02
あれは田中のオヤジが大蔵大臣になって間も無い頃でした。 ある朝、オヤジが寝室から起きて来ていうのです。 「おい、不安な夢をみたゾ」と。 私は直ぐに田中派の議員と、全国各地の大小のボスに電話を 入れました。 二階堂さんなんかは「早ちゃん、気にし過ぎだよ」と言う。 しかし、田中のオヤジに何かがあってからでは遅い。 下手をすれば自民党そのものを揺るがしかねない。 しかし、田中本人はベッドの中で、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっていました。 尋常小学校を出て、新潟から東京に出て来て、 人の何倍も働き政界のトップにまでのぼりつめたオヤジの事です。 これぐらいでは、諦めない。
206 :
浅田彰(初期)@馬克思 :2000/10/13(金) 04:13
グレゴール・ザムザの不安な夢・・・ スタイルといい、感性といい、いかにも軽薄な響きである。 もし、君がある朝、ベッドの中で一匹の、とてつもなく 大きな毒虫に変わってしまっていたとしよう。 この時点で君はすでにパラノ人間からスキゾ人間への 転換を果しちゃっているわけ。 背中が固い甲殻に、腹部が褐色の、弓形の固い節で分け目を いれられた状態に組み替えられていくダイナミズムこそが、 脱コード化のメカニズムとしての資本主義の本性である以上、 弁証法的なかたちで革新の見通しを得ると言うような事は 全くナンセンスなんだよね。
207 :
ねこぢる@馬克思 :2000/10/13(金) 04:17
1995ねん10がつ13にち 子供の頃、近所の公園にコ○キがいた。 友達とからかったりして遊んでいた。 ある朝、見たらとてつもなく 大きな毒虫になっていた。 なにか見てはいけないものをみた気がした。
208 :
中島らもの明るい悩み相談室 :2000/10/13(金) 05:53
朝、起きたら毒虫になった私 Qある夜、とても嫌な夢を見ました。私は汗びっしょりで目を覚ますと 体が、ヘンなのです。 体は茶色。背中に硬い殻、腹には3段腹のような分け目があり、手足 が節になってました。そして尻から緑色の液体が出ていました。 どうやら、毒虫になったようなのですが、どうすればよいでしょうか? 家族にも合わす顔がありません。 (プラハ・グレゴール=サムザ・?歳) Aあなたは考え方が間違ってます。 「人間に戻りたい」 そう思うから悩むのです。 あなたは、毒虫であることを誇りに思うべきです。そして、人と共存する道 を選ぶべきです。間違ってもその毒で人を殺してはいけません。 私は、楽器集めが趣味で、世界の楽器を所有しています。そのなかのいくつか の楽器には、わざとクモが入ってます。 この中でクモがクモの巣を張るため、音がまろやかになるからだそうです。 つまり、この楽器にはクモは必要不可欠なのです。 ですから、あなたも 「何本もの手足で素早いマッサージ(軽い毒の刺激付き)」とか 「象が踏んでもつぶれない毒虫ショー」 等で、人との共生を目指せばよろしいと思います。 その為の努力は当然必要と思われるので、いまから頑張ってみては いかがでしょうか。 そうすれば、家族も「一家の大黒柱の毒虫」を追い出すこともなく 家族円満に・・・なりませんか?
209 :
これで合格!原付免許 :2000/10/13(金) 07:49
毒虫になるのは難しいことではありません。16歳以上で健康な身体を 持っている人なら誰でもなれます。ただし、以下の方には免許証が発給 されないので注意してください。 1.アルコール・麻薬中毒の人 2.ダダイストの人 3.精神力強固な人 4.足の三大関節のどれかがきかない人、ロボトミー手術を受けた人 以上は毒虫になる資格がない人と定められていますから、毒虫になる ために眠りにつくこと自体ができないことになります。 毒虫は大きいため、歩行者には含まれません。国家公安委員会により 軽車両に指定されていますので、歩行者専用道の通行は禁じられて います。 自動車は二重追い越しが禁じられていますが、毒虫は自動車ではない ので、毒虫を追い越そうとしている前車を毒虫が追い越すのは禁止 されていません。 荷物の積み下ろしの際に、どうしても毒虫をやめたくなった場合は 駐車と見なされますので、駐車禁止場所で寛ぐのは止めましょう。 いくらウザイからといって、老人や身体障害者に注意のための毒液 を吐いて通行を妨害するのは、3ヶ月以上10カ月以下の懲役刑になる のでご注意ください。 毒虫がリヤカーを牽引する場合の制限速度は25キロ毎時です。 後半の模擬テストにもチャレンジして、目覚めた時には立派な 毒虫になりましょう!くれぐれもアフリカ象やマングースにな らないように、気をつけましょう。
210 :
吾輩は名無しである :2000/10/13(金) 08:16
>どうしても毒虫をやめたくなった場合は 駐車と見なされますので この部分にはまりました。
211 :
特攻の拓 :2000/10/13(金) 11:38
「・・・・・・・・っつ!!!!」 「・・・・毒蟲・・・・?」 「!」 「っんっだらぁ!!!」 「へぇ・・・なめられたもんだな愚黎瑚屡挫無沙も・・・」 「てめぇらビッキビキにしたんぞぉ!あぁ?!?!」 「!!!!!!!」
>203 Nevermore---またとなけめ
213 :
203 :2000/10/13(金) 13:27
>212 正解!! エドガー・アラン・ポウの「The Raven」 某サイトからのパクリでした (汗) --もう二度としません
>213 確かポーの小説風はまだです 頑張ってくだされ
215 :
CHARA :2000/10/13(金) 16:01
やだ こんなんなって でも まだ あたし虫やめらんないの こわいからね… ずっと ずっと 抱きしめててよ −−−−−−−−−永遠の毒で 茶色のおなか ずーっとあたしの前で なんでってくりかえして 迷子のことを考えてるの? それは愛だと こたえてくれない きっと −−野蛮なのは あたしが虫だから こわれてく・・・まって まってて あの林檎をきらめかすのは こわれてく・・・
216 :
プリンス :2000/10/13(金) 16:30
目 became a big poisonous insect 4 U.
217 :
グルグル :2000/10/13(金) 22:48
有る朝、THE GUREGOOLU-ZAMUZA以為がいつも乍ら不安な夢or睡眠から ふと覚めて見るといったことは、ベッドの中で自分の姿が一匹のand徒手 つもなく大きな毒虫に以為変わってしまって居るのに氣が付いたので有り ま仕手、 a)固い甲殻orCRUBの背中を下に仕手、 b)仰向けになっていているのですよ、 c)ちょっとばかり頭をもたげることは、2億語がどうのとわざわざ言 う程の事でもないので有りまし田以為ど。 至いには、丸くふくらん田and褐色のor弓形の固い節で分け目尾居れ られ田腹部が見え田ので氏てね。
218 :
吾輩は名無しである :2000/10/13(金) 22:55
ワラタ... 懐かしいね。
219 :
>217 :2000/10/13(金) 22:55
ワラタ... 懐かしいね。
220 :
新宿虫@大沢在昌 :2000/10/14(土) 00:15
歌舞伎町はあいかわらずの人間量だった。 コマ劇場前に向かう道は、夜の新宿で最も人の多い通りだ。 ザム島は新宿署を出ると今日も独り、その人波の中をすりぬけ、かわして歩いた。 単独捜査だった。 めざす現場が歌舞伎町広場の向こうに見えたとき、ザム島は立ち止まった。 ゲームセンターの前に人だかりが出来ていた。 喧嘩だ、それもやくざがからんだ喧嘩だと、ザム島は直感した。 舌打ちしたくなった。それは喧嘩と呼べるものではなく、ただの袋叩きだった。 うずくまった男を三人のやくざが蹴っている。 花井組の盃をもらってるチンピラだ。 ザム島は無造作に花井組の男の左足を払った。見事に仰向けにひっくり返る。 「何しやがる!!この野郎ぅ!」 残りの二人が血相を買えてザム島に向き直り、誰なのかを察知した。 「や、やめろ・・・デカだ。」 「勘弁して下さい、虫の旦那。こいつはまだ知らないんで。」 「兄貴、この野郎、誰なんすか。」 「馬鹿野郎!虫だよ。新宿虫の旦那だ。」 思えば三年前の朝、突如として毒虫と化してしまったザム島を、署内で快く思う者はいなかった。 あの一件以来、ザム島とチームを組もうと言う刑事は一人もいないのだ。 警視庁上層部にとってもザム島の存在は爆弾を抱えたも同じだった。 なにしろ確実に出世街道を約束されたキャリア組の警察官が、 一夜にして一匹の虫になってしまったのだから無理も無い。 同僚たちは、ザム島の固い甲殻の背中や丸く膨らんだ褐色の腹部を横目で見ては、 ------奴は危ない。 ------いつか退治されるかもな。 などと囁き、ザム島を孤立させた。 それでもザム島は警官として、「死んではいなかった」。 そのことがかえって、ザム島をして、新宿署唯一の、単独捜査官にしたてた。 三年間の独歩行が、新宿署防犯課での記録的な重要犯罪検挙率を生んだのだ。 そして、挙げられる側からは、ぶうぅんという羽音を出して近づき、不意にタカってきては、 纏わりつく、この新宿署の刑事への恐怖をこめて、「新宿虫」の渾名がザム島につけられたのだった。
221 :
新宿虫@大沢在昌 :2000/10/14(土) 00:23
歌舞伎町はあいかわらずの人間量だった。 コマ劇場前に向かう道は、夜の新宿で最も人の多い通りだ。 ザム島は新宿署を出ると今日も独り、その人波の中をすりぬけ、かわして歩いた。 単独捜査だった。 めざす現場が歌舞伎町広場の向こうに見えたとき、ザム島は立ち止まった。 ゲームセンターの前に人だかりが出来ていた。 喧嘩だ、それもやくざがからんだ喧嘩だと、ザム島は直感した。 舌打ちしたくなった。それは喧嘩と呼べるものではなく、ただの袋叩きだった。 うずくまった男を三人のやくざが蹴っている。 花井組の盃をもらってるチンピラだ。 ザム島は無造作に花井組の男の左足を払った。見事に仰向けにひっくり返る。 「何しやがる!!この野郎ぅ!」 残りの二人が血相を買えてザム島に向き直り、誰なのかを察知した。 「や、やめろ・・・デカだ。」 「勘弁して下さい、虫の旦那。こいつはまだ知らないんで。」 「兄貴、この野郎、誰なんすか。」 「馬鹿野郎!虫だよ。新宿虫の旦那だ。」 思えば三年前の朝、突如として毒虫と化してしまったザム島を、署内で快く思う者はいなかった。 あの一件以来、ザム島とチームを組もうと言う刑事は一人もいないのだ。 警視庁上層部にとってもザム島の存在は爆弾を抱えたも同じだった。 なにしろ確実に出世街道を約束されたキャリア組の警察官が、 一夜にして一匹の虫になってしまったのだから無理も無い。 同僚たちは、ザム島の固い甲殻の背中や丸く膨らんだ褐色の腹部を横目で見ては、 ------奴は危ない。 ------いつか退治されるかもな。 などと囁き、ザム島を孤立させた。 それでもザム島は警官として、「死んではいなかった」。 そのことがかえって、ザム島をして、新宿署唯一の、単独捜査官にしたてた。 三年間の独歩行が、新宿署防犯課での記録的な重要犯罪検挙率を生んだのだ。 そして、挙げられる側からは、ぶうぅんという羽音を出して近づき、不意にタカってきては、 纏わりつく、この新宿署の刑事への恐怖をこめて、「新宿虫」の渾名がザム島につけられたのだった。
222 :
向田邦子 :2000/10/14(土) 02:58
ハショウフウ、という言葉が怖かった。 今では、かかる人もほとんどいないのだろうが、子供の頃は、割合身近な病気であった。 買い物から帰ってきた母が、祖母と 「角の××さんの所のお兄ちゃん、傷口から菌が入って亡くなったんですって…」 「あぁ、ハショウフウは怖いねぇ」 などと話しているのを幾度となく聞くうちに、ハショウフウ=死、という イメージを抱いたのだろう。ちょっとでも傷を作ると、死んでしまうかも、と 口には出さずにびくびくしていた。 ある時、珍しく父が子供たちを釣りに連れて行ったことがあった。 川に向かうまでの道は、草木がはえ放題で、子供には難儀な道であった。 ふと、父が歩みを止め 「この草が血止め草というもので、傷口によく揉んではりつけるといい。 殺菌にもなるから、覚えておきなさい」 と教えてくれた。よく見ると、どこにでもはえていそうな草だった。 それからは転べば血止め草、手を切れば血止め草と、とにかく血止め草に 思えるものを傷口にあてるようになった。 果たしてそれらが血止め草であったか、血止め草であっても 本当に殺菌効果があったのかは定かでないが、どうにかハショウフウには かからずに済んだ。 ハショウフウは『破傷風』と書く、と知ったのは、女学校にあがった時分だった。 何だかうなされたような気分で目覚めると、私は虫になっていた。 虫、と認めたくはないが、目に映る手足は、合わせて6本。背中の感触も、何となく硬い。 どう考えても虫である。自分が虫になったというのに、何だかなつかしいような、 かなしいような、おかしいような、奇妙なものがこみあげてきた。 ハショウフウだ。 私の節目だらけの褐色の腹は、子供の頃に想像していた、破傷風の傷口にそっくりだった。 こんもりと盛り上がった部分はてかてかとし、ケロイドのようである。 私は慌てて、血止め草を探そうとした。 血止め草は、どこにあるのだろう。
223 :
ギレン毒虫 :2000/10/14(土) 10:21
我々は一人の毒虫を失った。 しかし、それは敗北を意味するのか。 否! 始まりなのだ。 人間達に比べ、我が毒虫の生息数は30分の1以下である。 にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのは何故か。 諸君!我が毒虫の生存目的が正しいからだ。 一握りの人間達が、全世界にまで膨れ上がった人間社会を支配して50余年。 全世界にすむ我々が、自由を要求して何度人間達に踏みにじられたかを思い起こすがいい。 毒虫公国の掲げる、毒虫一匹一匹の自由のための戦いを、神が見捨てるわけはない。 私の弟、諸君らが愛してくれたグレゴール・ザムザは死んだ。 何故だ! (シャア「毒虫だからさ・・・」) 戦いは、やや落ち着いた。 諸君らは、この戦争を対岸の火と見過ごしているのではないか。 それは、決めがたい過ちである。 人間達は、唯一の地球を汚して生き残ろうとしている。 我々は、その愚かしさを、人間達のエリートどもに教えねばならんのだ。 ザムザは、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、死んだ! 戦いはこれからである。 我々の軍備は、整いつつある。 人間達とて、このままではあるまい。 諸君の父も兄も、人間達の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。 この悲しみも怒りも忘れてはならない。 それを、ザムザは、死をもって我々に示してくれたのだ。 我々は今、この怒りを結集し、連邦に叩きつけて、はじめて真の勝利を得ることができる。 この勝利こそ、戦死者全てへの最大のなぐさめとなる。 毒虫よ立て! 悲しみを怒りに変えて立てよ毒虫! 毒虫公国は諸君らの力を欲しているのだ!! ジーク毒虫!
224 :
ファッション誌風 :2000/10/14(土) 14:39
―――流行り甲殻を誰よりもカッコよく着こなしたい!――― 買っても買ってもまた欲しくなっちゃうほど、今年は甲殻が大充実。 どれにしようか悩んだときには、流行カラー・エンジを選ぶのが正解 です。これだけで今年っぽく見えるから、どんな虫種にもOK。明日か らソク、成虫スタイルへの仲間入りが可能なはず! エンジコウカク \16,000(ウヨウヨヤマダ) セッソク \8,800(コンチュ/コンチュ新宿店) ☆☆☆ 特集 ☆☆☆ おしゃれ通のモデルたちは、どこの甲殻を背負って、どんな生活をし ているのか。やっぱり気になります。 今月は、大人気モデルのグレゴール・ザムザさんに密着取材しました! キュートな存在感が雑誌やCMで人気のザムザさん。 そのニヒルな笑顔の源は、家族や友達とは一線を画した自分の時間が 充実していることに尽きるよう。 「最近凝っているのは、ネイルのお手入れや関節もの。あとは、粘液 にもこだわってますね。」と、ザムザさん。 一見派手めの甲殻でも、ザムザさんの透明感あるキャラクターとマッ チして、モードな雰囲気になるからフシギ。どんな甲殻を着けていて も、しっとりとした品の良さを感じます。シンプルで体のラインが きれいに見えるアイテムがお気に入りという。 「最近よくつけるのが、パールの爪。デザインが可愛いんですよ。 爪質も堅過ぎないし、とにかくおすすめ」 幼虫を思わせるような愛くるしさ・・・。 そのほのぼのとした存在感が印象的でした。 ●グレゴール・ザムザ 1910年生まれ。ドイツ在住の人気モデル。フランツ・カフカの「変身」 で大ブレイクの後、本誌をはじめ、ドラマやCMなどで活躍中。 逝き逝きとした表情がカワイイと大好評です。
225 :
さくらももこ :2000/10/14(土) 16:40
ある朝起きると、私は毒虫になっていたのである。 足は六本に増え、腹はいつくもの節に別れて非常に気持ちが悪い。 いかにも「毒虫です」といった姿である。 私は普段から健康にはかなり力を入れているのだ。 それが突然こんな致命的にバカげた姿になるとは一体どういう了見であろうか。 対処に困った私はとりあえず居間へ行くことにした。 足が六本もあるおかげか意外なほど速く歩ける。 これなら漫画も普段の3倍のスピードで描けるかもしれぬ。 そんなことを考えながら居間に行くと姉がこたつでテレビを見ていた。 姉は虫になった私を見ると「ぎゃあ」と叫び、こたつの上に乗っているみかんを私に向かって思い切り投げてきた。 ”ちょっとアンタいくら虫になったからといって実の妹にみかんを投げつけるなんてひどいんじゃないの” と言ってやりたかったが、口から出るのは「ぎぃぎぃ」という情けない音ばかり。 私って一体…。
226 :
邪悪神父@騙りです :2000/10/14(土) 17:24
ある朝、アタシはイヤ〜ンな夢見て朝起きたら、毒虫になっていた(^▽^ケケケ。 しかし、よく見れば見るほど、イヤ〜ンな体になったなヽ(;´Д`)ノ でも、アタシ自身はマッタリと糸を吐く毒虫のほうが性に合うらしい。 人間なんてやってると疲れてくるしね(笑)。 世に「癒し系」なんてものが数多くあるが見ててもあまり癒されない。 何故ならばそこに「癒してやろう」という押しつけがましさを感じてしまうからだ。 アタシはアタシに会い来たヒトを癒そうなんて考えは毛頭ないが一緒に毒でも吐いてマッタリしようぢゃないか。 それと、アタシが毒虫だからって、アタシのサイト攻撃しないようにしてもらいたい。 できれば、「また、毒虫が毒吐いてやがるぜ。」ぐらいで見てもらうとありがたい(^▽^ケケケ。 ああ、全然意味不明な文章に(泪) 全然面白くない 鬱だ氏のう
227 :
清水義範 :2000/10/14(土) 22:32
或る老ザムザのワープロ日記 10月12かにち 晴れ 思うところあて、京より日記をちけることとした。 小生も時代に送れ茶遺憾とおもてワープロナルモノヲ、アレレカタカナニシタラモドラン。 シパイ。四敗質牌。失敗。くそ。小さなつはどうしたら出るのかわからん。 年寄りだて、わあぷろ暗い屋欄と、孫たちに笑われるとおもたのだが、 どうもこの機種は性能が悪い。電気屋にねぎ田せいか。くそ。まともな児は打線のか。 10月13にち 亜紀バレ。快晴。 小さなつの出しかた、わかたぞ。わかったぞ。どうだ。簡単なモンだもん。もんだ。 出もまだ消し方がわからん。ここまで書くのに半日かかつた。かかった。 今日はこれでやめ。 10月14にち あめ どう夏照るんだ。なってるんだ。はてな。あれ。?。出た出た。 大変なことだ。朝起きた裸、小生、蒸しに名っ撮った。蒸しと言うのはこの児じゃないぞ。 あの無視だ。違う違う。無死。務市。むC。なかなかでないな。 ほら、あの跳ねの栄えた部ん分と部あのムシシシシシシsだ。うううう嘘じゃない。 手手手手というかあああ足Csがぎょうさんあるからボタンを何度も押してしまううう。。 狂ってるのか和紙は。?。たたたたたたたたた助けてくれ。 にきなんか買取る場合じゃないぞ。
228 :
吾輩は名無しである :2000/10/15(日) 01:47
>222さん、 向田邦子最高でした。お上手ですね。
229 :
小林信彦 :2000/10/15(日) 13:56
「ベッド」の中で<自分>の姿が一匹の(この場合あえて一匹とする)、 とてつもなく大きな『毒虫』に 変・わ・っ・て・しまっているのに気がついた。 固い甲殻の背中を下にして【仰向け】に (やっぱ`あおむけ`ですね。アタシとしては)なっていて、 「ちょっとばかり」<頭>をもたげると・・・・・ (このほかあちこちに濁点がつきます。)
230 :
陳寿 :2000/10/15(日) 20:12
座無雑伝・巻十二 座無雑(ざむざ)は姓は座無、名は雑、字を愚礼古里といい、河内省温県の人である。 家は代々温県の経理を担当しており、座無雑も成人すると家業を継いでいたが、 司馬宣王と同郷であり、また、人並み外れた計算能力と人事の才能を買われて、 司馬宣王の推挙により洛陽に出、偏将軍に任命された。 明帝の三年、司馬宣王に従事してキ山に赴き、諸葛亮の賊軍を征伐した。 諸葛亮が五丈原に出ると、諸葛亮の命数はもう尽きかけているから、絶対に 出陣してはならないと司馬宣王に進言。これが受け入れられて魏軍は軍門を 固く閉ざして攻撃しようとしなくなった。これに怒った諸葛亮は司馬宣王を 挑発しようと手紙に毒虫の装束を添えて使者に渡した。 諸葛亮の手紙に言う「司馬仲達におかれては、漢軍の快進撃に万策尽き、 遂には毒虫風情を軍師につけるほど人手不足に陥った。もし我が軍に降る ならば、その目障りな毒虫を必ず成敗して差し上げましょう」 この手紙を読んだ司馬宣王は怒ったが、座無雑は高笑いをすると毒虫の 装束を取り上げ着用し「足が6本もあれば、その神速を得て、諸葛亮ごとき あっという間に倒してみせるでしょう。これは素晴らしい賜り物をいただいた」 と、使者を一喝した[1]。
231 :
ハイ松之・注 :2000/10/15(日) 20:31
[1] 王沈の『魏書』にいう。座無雑は司馬宣王に命じられて毒虫の装束を 着用した。 習麹歯の『漢晋春秋』にいう。座無雑は幼少の頃、その醜い体躯を 指して毒虫と仇名されていじめられていた。諸葛亮はその事を魏の 降兵から聞いて、こうした挑発に出たのである。 魚カンの『魏略』にいう。座無雑は五丈原に布陣した直後のある晩、 悪夢にうなされ、翌朝本当に毒虫になってしまった。これは諸葛亮 の妖術によるものとも、座無雑が司馬宣王の命を受け徐晃とともに 滅ぼした孟達の祟りともいわれているが、このため魏の陣は混乱し、 攻撃に出なくなったのである。 臣ハイ松之は考える。魚カンの如きはまったくの妄言で信じるに 値しないが、習麹歯の説は、今でも温県の座家には毒虫を祭った 寺院があり、信用してみる価値はある。しかし、諸葛亮の陣営に 降った魏兵が、そのようなことを果たして知っていたかというと 甚だ疑わしい。座無雑はどちらかというと座学の徒であり、若い 時は家から出ないことも多く、また、陣中においても座して計略 を練る事が多かったから、このような悪口が魏の陣中に蔓延し、 諸葛亮はそれを巧みに利用したのであろう。
232 :
ザム厨 :2000/10/16(月) 13:48
あれほど言ったのに、まだそんなスレッドつくるですか!もう許さんです! あんたを許すわけにはいかんです!こんなスレでレスたくさん付くとでも 思ってるなんて頭おかしーよです!あんたみたいなバカ初めて見たです! あんたみたいなバカ、ウジ虫以下です!あんたみたいなバカ、毒虫以下です! 死んでほしーです!つーか、死ぬべきです!あんたは絶対に許されないです! 毒虫になったと勘違いしたバカを許すわけにはいかんのです! 面白半分にいい加減なスレつくるヤツなど許さんです! キャラメルコーンの固い甲殻をケツの穴に詰めて死ねよです!!! 今まであんたがどんな悪夢をみてきたか知らんけど、どーせひどい夢 だったと想像出来るです! あんたのスレから読みとれるです!毒虫特有の匂いがするです! あんたのことが全く理解出来んです!あんたは絶対許さんです! 死んでも許さんです!地獄で苦しめよです!それでも足らんくらいです! 豆腐の角に頭ぶつけて死ねよです!!! あんたもっと現実を知れよです!いつまでもベッドの上で引きこもって毒虫になっている 場合じゃないよです! でも、もー手遅れです!あんたは何をやってもダメです! この世に生まれてきたことを後悔してもダメです! あんたは生まれ変わっても どうせ毒虫に決まってるです! 絞め殺したいけどあんたに触るのが嫌なのでやめるです! でも、あんたみたいな毒虫は死ねよです!風呂の排水溝に吸い込まれて死ねよです!!! 絶対許さんです!絶対許さんです!絶対許さんです! あんたみたいな毒虫は 絶対許さんです!早く消えろです!さっさとこの世からいなくなれよです!!! いつまでも人間に戻れると勘違いしたまま生きていけると思ったら大間違いだよです! このまま生きててもお前にはいーことなんにもねーよです! 何でもいいからさっさと石切り場で犬死にです!!!
233 :
みかんちゃん :2000/10/16(月) 20:27
>>224 すごくおもしろかったです。おおわらい。
234 :
藤本ひとみ@マリナシリーズ :2000/10/16(月) 22:18
なっ、なんなのこれって……。 うっ、うそでしょ、夢だわ、あたしは夢の続きを見てるだけなのよっ! わーん、お願いだから、誰かうそだと言って!! 思い返せば、昨日の晩。 あたしはとってもいやぁな夢をみていた。 そしてやっとその夢から覚めたかと思えば、ベッドの中にいる自分が、 昨日の自分の姿と変わってることを知ったのだった。 あたしは固い甲殻の背中を下にして、仰向けになっていた。 ちょっとだけ頭を持ち上げてみると、 まぁるくふくらんだ、弓形の固い節で 分け目が入れられてる褐色のお腹が見えた。 思わず眼が、点々。 うっ恐ろしい、これってもう人間じゃ絶対ないわ。まるで虫になったみたい。 ん、そうだ、きっとそうだ、あたしはでっかい虫になったんだ。 しかも虫は虫でも、これは毒虫に違いない。 なぁんてすごい状況判断力だろう、天才みたい、ワッハッハ。 といい気になりかけたあたしは、すぐにそれどころじゃないということに気づき、 さあっと一気に青ざめた。 きゃぁっ! どっ、どっ、どっ、毒虫っ? あっ、あたしは、あたしはね、これでもちゃんとした人間なのよ。 いっくら三流漫画家だからって、日ごろミソクソに言われてる容姿だからって、 毒虫にされちゃたまんないのよ、アンポンタン。 それに、だっ、だめ、だめなの、ほんと、やめてほしい。 あ、あたし、毒虫だけは大のニガ手。 だって食べられないもん。 わーん、神様のばかやろう。
235 :
倉坂鬼一郎 :2000/10/16(月) 22:35
目覚めると、もう朝だった。壁にうっすらと日の光が差していた。 何か悪い夢を見ていたような気がする。門があり、川から角張ったものがぞろぞろ出て きて……そこから先は思い出せない。頭全体が靄に覆われているかのようだ。 わずかに朝の焦燥感に追われながら、仰向けに横たわったままグレゴール・ザムザは今 日の仕事の段取りを考えた。そうしているうち、ふと妙なことに気づいた。どうもいつも と微妙に感覚が違っているのだ。ある瞬間は二本の足で直立して歩いていたようで、また ある瞬間は多数の脚で床を這っていたような気がした。 なんだか不安が差してきた。 とにかく起きだそうと、上体を起こそうとした。一動作で起き上がれるつもりだったの に背中の重みに耐えきず、もとどおりにベッドに返ると、妙な具合にシーツの上で身体が 揺れた。 目覚めに違和感があったときには病気を危惧したけれども、どうやらその心配はなさそ うだ。しかし、現在いかに疲れているかに気づいて、いささかげんなりしてきた。 今度は勢いよく上体を持ち上げて、仰向けの状態から起き上がろうとした。 見ると、お腹が出ていた。いや、それをお腹と呼べるならばだ。 光沢のある褐色で弓形に膨れ硬そうな板の連なり。そして、その両側に蠢く多数の脚……。 急に頭がはっきりした。むろん、怒りのせいだ。大体、自分が巨大な毒虫に変身すると は、いったい何を信じていいのか。非常識にもほどがある。
236 :
株式速報 :2000/10/17(火) 02:59
株式会社グレゴール・ザムザ アパレル小売業からの撤退が報道され朝方は小安く始まったが、 場中に発表となったドイツ、ドク・ムシ社による買収決定のニュースに 一時ストップ高。 ドク・ムシ社は人間と昆虫の遺伝子研究に定評があり、骨格を 強化する骨粗鬆症薬の領域で多数の特許を獲得している。 今後(株)グレゴール・ザムザはバイオ〜ゲノム関連企業への 変身が市場では期待されている。 なお、同社は今後の事業展開についてアナリスト向け会社説明会を 行う予定。 ドイチェ証券では今回の買収を好感、投資判断を「ストロング・バイ」に 引き上げた。
237 :
半信半疑 :2000/10/17(火) 03:08
はたらけどはたらけど わがくらしらくにならず じっと手をみる ふしくれくろずんだ手 なきぬれてつぶやく くもはてんさいである
238 :
age :2000/10/17(火) 08:45
age
239 :
秋月こお? :2000/10/17(火) 08:53
グレゴール・ザムザはイヤな夢を見た。 目がさめると一匹のでかい『毒虫』に変わっていた。 固い甲殻の背中を下にして、仰向けになって。 まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が見えた。
240 :
pre-school :2000/10/17(火) 09:24
I am a poisonous insect,yeah (俺は毒虫、イェー)
241 :
山田芳裕 :2000/10/17(火) 19:06
すとすと どがら 「起きゃ〜〜〜!求列呉尾流 坐無座!」 「…障子越しの陽も又一興。フフフ…いやなに。ちょいとばかり気掛かりな夢を見たが…もの憂きも又良い。」 どがば 「ぎゃ…ぎゃ〜〜〜!の、のに〜〜〜、坐無座…!」 フト 「…ん?ほう。これはまた興味深い姿になったものだ。 これは、…大きいな。うん?堅い殻で節ごとに覆われている…。 酔狂な、フッ…。だが面白い!これでは貴様も手も足も出せまい、虎之介! なにしろ関節毎に鎧に覆われているような物。」
242 :
岬兄悟 :2000/10/17(火) 23:48
頭蓋が鋼でできているかのように、頭が重かった。 街の朝の雰囲気に起こされて目を覚ましたものの、グレゴール・ザムザはベッドから起 き上がることができないでいた。 昨晩の悪夢のせいであろうか。 グレゴールは仰向けのまま、夢のことを思い出そうとした。だが不安な感触以外は思い 出せなかった……。 平たく体を伸ばして寝床によこたわり、硬く重い背中を支点にふらふらと揺れていた。 主観的にはJの字に頭をもたげ上げ、仰向けのまま、ぐにっと自分の腹を見下ろした。 暗い部屋にシングルベッドが壁に押しつけてあり、中央に身体は伸びている。 グレゴールの上に向けた腹に褐色で伏せた弓形に膨れた節の連なりが照かっていた。呼 吸に合わせて上下している。 寝室は暗かったが、今はもう朝といえる時刻だった。 わさわさわさ……。 身体の左右のたくさんの脚が足掛かりのない空中を這い回る。 頭がぼんやりしていたが、かなり変なことが起きているらしい。だが、これは幻覚なん かではない。しかし、夢でもない。なぜならば先ほど夢から覚めたからだ。 ああ、そうか。私が見ているのは私の腹なのだ。そして……。 そのとき、ふいに膨れた腹節とたくさんの脚のことがくっきりと脳裏に浮かんできた。 グレゴールはうろたえた。すでに彼は人間ではなくなっていた。 その朝に目覚めた瞬間からグレゴールは人間ではなくなり、床を這いずる巨大な毒虫に 変身してしまったのである。
243 :
あまんきみこ :2000/10/18(水) 08:11
茶色のぴかぴかの毒虫が、一匹、仰向けになっていました。 しゃがみこんで、さっきから、ねっしんに腹部をしらべているのが、 このベッドに寝ていた───グレゴール・ザムザさんでした。丸い 背中には、つぶつぶ毒液がひかっています。 不安な夢を見て、今、おきたところでした。 ちっ─── ザムザさんは、らんぼうなしたうちをしながら起きあがりました。 思ったとおり、おなかに分け目が入っていたからです。
244 :
ジェフリー・ユージェニデス@ヘビトンボ… :2000/10/18(水) 10:09
グレゴール・ザムザが突然毒虫になった日の朝の事を、ぼくらは一連の資料から次のように理解している。雑然と散らばった布地のサンプルがテーブルに乗ったいつもの部屋で、グレゴールはまず最初に、何か気をひどく滅入らせるような夢を見た。「それまでも夢の話をときどき聞いた」と訪問販売員仲間だったジェレミー・フォンテインは後年、自動車のパンフレットをプラスティックケースに納めながら語った。「その話ほど俺を退屈させるものはな かったんだが。いや、聞いてやったさ。布地の訪問販売なんて、そう希望に満ちあふれた仕事とも言えないからな」
245 :
栗ちゃん2号 :2000/10/18(水) 11:29
今日、朝に部屋で目が覚めて起き上がろうと思ったんですが 一瞬自分の体がなんか変な感じがして しばらく自分の体を見つめていたんです そしたら僕の手らしきものがワラワラ左右に動くんで驚いてさらに見ていたら 手足が6本もあるのです 思わず「6本ぞー!」と叫んでしまいました たしかに毒虫のようになってました 腹部は平面でなく節がいくつもついていて、 ちゃんと腹の中まで見えました しかしなんで毒虫なのでしょうか 毒虫にお心当たりのあるかた教えてください
246 :
吾輩は名無しである :2000/10/18(水) 17:05
247 :
買ってはいけない :2000/10/18(水) 17:34
堅い甲殻と褐色の腹部、常識はずれの巨大さで大人気の グレゴールザムザ。 輸入解禁以来のフィーバーぶりは皆さんご存じのとおりである。 しかし消費者はその危険性に気づいているのだろうか? まず、ザムザは立派な毒虫である。その毒性は以前より指摘されており ザムザの体液30rをラットに投与したところ80%以上が死亡したという 報告がある。さらに体液5%を混入させた餌を3ヶ月間与えたウサギは、 発ガン率が通常の30倍以上との実験結果もあり、原産地のチェコでは とっくに国内での販売は禁止されている。 ところが、外圧に負けた日本政府が輸入を受け入れてしまった為、 今や日本中がこの巨大な毒虫だらけである。 こんな危険な生物を飼う必要があるのか? どうしても毒虫が欲しければ、私は日本古来の「百足」で充分だと思う。
249 :
吾輩は名無しである :2000/10/18(水) 20:08
>私は日本古来の「百足」で充分だと思う。 笑った。
250 :
挫無残邸事件 :2000/10/18(水) 23:26
意識下の警告。 それはどこからやってくるのだろう。文字どおり意識の床下か。体表によって肉体から隔てられた外界から感覚器たちに取り入れられた情報が、ハシゴ型の神経を通り、日ごろは忘れられているルートをたどって意識へと−−脳へと届く。そして黄色い警告灯が明滅する。異常。異常。異常。 だがそれには言葉がなく、音もなかった。グレゴール・ザムザを不安な夢から覚醒へと移行させたのは朝という習慣だったかもしれない。ベッドの上で目を覚ましたとき、部屋のなかはひっそりとしていた。 背中を下にして、身体を真っすぐ伸ばし、一秒か二秒のあいだ、目覚めた状態のまま、グレゴールは見えているものを理解しようとしていた。いきなり目覚めて、なにかおかしな感覚に驚いていた。夢が実際の生活に影響を与えるわけはないのに、どうして? 寝起きははっきりした性質(たち)だ。一度目覚めてしまえば、すっきりすっぱりパッチリ目覚めしまう。仕事がきつい時期だって、それが自慢の種だったのだ。どれだけ前日はげしい仕事をしても、少し眠れば翌日に残すことがない。隣の部屋にいる妹が忍び足で夜中ににやってきて、ふざけ半分にシーツをかぶって、彼の顔を羽はたきで撫ぜたことがあるのだけれど、そのときだって、朝食の時になるまで、何とも目がさえて寝なおせなかったほどだ。 (きっと、殺されるんじゃないかと思ったわね、お兄ちゃんに) だが今は違う。よこたわったままグレゴールは、しだいに身体が強ばり、緊張が高まってくるのを覚えた。 部屋のなかに、また妹がいるのか? 最初に考えたのはそのことだった。他人の気配で目覚めたのか? 動くに動けない。瞬きさえできずに、息を殺して周囲の物音に耳をこらした。でも、何も聞こえない。 よし、寝返りをうってみよう。できるだけさりげなく、自然にやるんだ。そうして気配をうかがう。部屋のなかに誰かいるのなら、きっとリアクションがあるはずだ。 目はどうしたわけか閉じることができない。それから身体を反転させるために勇気をふりしぼらなければならなかった。悪い予感ばかりがどんどんつのっていた。絶対、普通じゃない。なんかおかしい、今のこの状態は。 一、二の三で身体を動かしたそのとき、背中がひどく重かった。それを証明するようなベッドの大きな軋み。 グレゴールはベッドの上で引っくり返ろうと身体をゆさぶった。覚醒が進んだ意識に仰向けに寝ていて枕を見ることができる不条理を、ほんの一瞬意識した。そして深く考えたわけでもなく、反射的に身体をゆさぶるのをやめた。背中の丸みに合わせて身体はゆっくり振れた。ベッドの軋みに合わせて背中が乾いた音をたててシーツを押しつぶす。 違和感の元を探り当て、考えた。いったいどうなっているんだよ? 叫びだしそうになりながらも手も足も出ずにいるとき、初めてパニックが支配した。今度は力を奮って、腹の底から勢いをつけて、ズドーンと起き上がるつもりだった。 今やすべての分別を忘れ判断力も失って、グレゴールはベッドから飛び起きようとした。頭がある程度持ち上がったとき、自分の腹が見えた。なめらかに艶のある褐色で横に筋目のあるふくれた腹が目に入った。その両端にはたくさんの足が蠢いていた。気力を失くして力を抜きながら、グレゴールは元通りベッドに倒れ込んだ。 認識が下腹のあたりから駆けのぼってきた。神経全体がピンと張ったワイヤになって、その一端をひっぱたかれたみたいだ。グレゴールが掴んだ認識は、それ自体が恐怖で硬直と痙攣をもたらしながら、身体中を駆け回った。 でっかい虫だ。どうしよう、毒虫になっちまった。
251 :
尾崎放哉 :2000/10/19(木) 10:48
虫になっても一人
252 :
中也 :2000/10/19(木) 12:12
変わつちまつた悲しみに
253 :
ぞうさん :2000/10/19(木) 20:47
「僕さあ、この前、何か嫌な夢を見たんだよね。 それで目が覚めたら、、、毒虫になちゃった」 「・・・・・・・・・・・そうゆうことってよくあるよね」 「それでね。まあとにかく起き上がろうとしたんだよね。 でも上半身を起こそうとしたら、背中がごつごつとしたせいか ごろんって一回転して、またもとの姿勢に戻っちゃってね。 で、また起き上がろうとしてもごろん、起き上がろうとしてもごろん 何回やっても元の姿勢に戻って、結局起き上がることは出来なかったんだ」 「・・・・・・・・・・・オートリバースだね」
254 :
中也2 :2000/10/19(木) 22:14
私の上に降る林檎は いとしめやかになりました
255 :
放哉 :2000/10/19(木) 23:55
悪い夢を見て虫になる
256 :
吾輩は名無しである :2000/10/20(金) 02:19
33
>>204 の紫式部さま
堪能いたしました。
何か気に障ったのなら、ごめんなさいです(笑
257 :
ひょうきんベストテン :2000/10/20(金) 13:17
「さーて今週の第1位は?」 と、KANSAIを着た山村美智子アンド島田紳介。 「恋のぼんちシート」ザ・ぼんちのお二人です!!」 異常な量の紙ふぶきのなか登場する2人。紙ふぶきが口にはいったりして苦しそう。 「アレ?どちら様でしたっけ?」と紳介 「ぐ、ぐ、ぐ、ぐれご−−−る、おざむざちゃんです!!! ありー?コン(頭をたたく)潮来のいーたろうおぉーちょっとみなぁれぇばぁーー 薄情そうな渡り鳥〜。あ、むひょおぉ〜。むひょおぉ〜。(もう覚えてない)」 やっちった。
258 :
フランツ・カフカ@高橋義孝訳 :2000/10/20(金) 15:35
ある朝、グレゴール・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、 自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した。彼は鎧の ように堅い背を下にして、あおむけに横たわっていた。頭をすこし持ちあ げると、アーチのようにふくらんだ褐色の腹が見える。
259 :
高志@邦楽板 :2000/10/20(金) 16:17
ザムザ最高!
260 :
永井均 :2000/10/20(金) 22:06
「なぜ人を毒虫にしてはいけないか」という問いは本来単純で素朴な問いだが、発するに 憚られる問いでもある。問い自体を封じようとする何かの力。それを感じることが、この問い を発する動機になるのだが……。 この問いには(毒虫にしてはいけないという結論に導くための)答えがない。もし、正直に 答えたければ、究極的には理由はないが、「とにかく」毒虫にしてはいけないのだ、と答え るしかない。しかし、それはすでに問うてしまった者をけっして納得させないだろう。 もし、無理に答えようとすれば、「きみ自身やきみが愛する人が毒虫にされる場合を考えて みるべきだ。それが嫌なら、自分が人を毒虫にする場合も同じことではないか」という「相 互性の原理」を持ち出すことになる。でも、そんな説明が説得力をもたない場合だってある のだ。 ・自分などいつ毒虫になってもいいと思っているし愛する人などいないという場合。 ・自分が毒虫になるのは嫌だが、だからといってそれがどうして自分が他人を毒虫にして はいけない理由になるのかわからないという場合。 道徳の要求を凌駕するようなもっと強い動機をもった場合にも、説得力をもたない。その場 合、道徳は一旦考慮された上で捨てられるのである。 「なぜ人を毒虫にしてはいけないのか」という問いに対する本当の答えは、実ははっきりし ている。 「重罰になる可能性をも考慮に入れてどうしても毒虫にしたければやむを得ない」という肯 定である・・・だれも公共の場で口にしないがこれが本当の答えであり、誰もが知っている 自明の真理でもあるのだ。
自分文才ないので、おねがいですが、週刊文春の「淑女の雑誌から」で誰か・・・
262 :
結城彩雨 :2000/10/21(土) 04:06
源三はザムザの頬をたたいた。 ザムザは低くうめき、顔を右に左にと振るようにして意識を取り戻した。 「フフフ、お休みのところ悪いが、奥さんの為におもしれえものを用意したんだ」 ベッドの前には全身の写る鏡が用意されており、いやというほどザムザの姿を映し出した。 その姿はまさにおぞましい毒虫そのものだった。 「ひ、ひどいわ!・・・こんなのひどい!」 源三はザムザの背中をまさぐった。ザムザはその行為のおぞましさにガチガチと歯を鳴らした。 「フフフ、どうしたんだい奥さん、こんな背中を固くして」 「いやあ・・・かんにんして」 もうどうにもならない絶望とあきらめがどす黒くザムザを覆った。 「驚いたぜ。分け目の入った腹から足が6本も出てるじゃねえか」 「あ、ああ・・・いや、言わないで」 源三は狂ったようにゲラゲラ笑った。まだ肉宴ははじまったばかりなのだ。
263 :
虫愛ずるネカマ :2000/10/21(土) 05:44
英米文学もお願い!
264 :
星新一 :2000/10/23(月) 04:13
ノックの音がした。 ここは郊外の住宅地。Z氏はベッドから起きあがろうとしてどきりとした。 自分が毒虫になっているのに気づいたのだ。自分のからだは中肉中背、とりたてて 美男子というわけでもない。しかし今の自分は褐色の腹部をあらわにしたみにくい 毒虫なのだ。 Z氏はあわててふとんをかぶろうとしたが、うまくかぶれない。そうこうしている うちにまたノックの音がした。 「どうしたんだい、気分でもわるいのかい。」 「なんでもないんです。ほうっておいてください。」 そう言おうとしてZ氏は自分の声が声にならないことに気づいた。
265 :
朝、でっかい毒虫が泣く :2000/10/23(月) 22:28
その朝、自分のベッドの上で目を醒ましたグレゴール・ザムザは立直れないほどのショッ クを受けた。仰向けのまま体がままならなかった。彼は大いに焦った。そして、怯え たりもした。 グレゴールは自分の腹が見えるまで頭をもたげると、光沢のある褐色の弓を伏せて並べ たように膨れて横に分け目の入ったたくさんの節をしげしげと見つめ、あんぐりと口を開 けて、しばらくの間それを眺めていた。そのあと頭をまくらに落として、軽く唸ったり尾 を振ったりして、さかんに口をモゴモゴさせた。たぶんグレゴールは、「あそこにいるば かでかい生きものは何だ?」と、訊きたかったのだろう。少なくとも百足や紙魚の仲間だ とは考えていなかったに違いない。それからしばらくして、自分のことがわかってきたと きに人間ではない毒虫になってしまったと気がついて、ひどいショックを受け……
266 :
電報対決@とんねるずのオールナイト :2000/10/24(火) 12:24
ドクムシミッキーヤスカワ
267 :
吾輩は名無しである :2000/10/25(水) 01:36
ソムトウ・スチャリトクル 冬川亘訳 ドクムシノ おお!毒虫が アシヲタタミテ 正座をして死んでいる。 シニニケリ 何と美しい死に様であることよ! ―― 蕪村(一七一六〜一七八三) 目覚めるとムシダ・リョーコは毒虫になっていた。 日本民族の偉大なる父祖、夢を見る毒虫「ゲゲゲゲゲグゴゴゼザムザ」の 遺伝子が子孫たちの間で発現すると予言された日だった。 リョーコは不思議な安堵感を味わっていた。毒虫とのファーストコンタクト により自分たちの祖先が毒虫であると判明した日以来、 全ての日本人は自らが侵した先祖殺しの原罪に苛まれ続けていたのだ。 その重荷から逃れる術は毒虫になることをおいて他になかった。 リョーコは辺りを見まわした。この特別な日に「シコク」に集まった 人間の中では他には何人かが毒虫になっていたが大部分は人間のままであった。 近くにいた人間のままの男がリョーコに近づいてきた。 「おぉ!なんと美しいのだ。せめてその完璧な美の風景の中で死なせてくれ!」 そういうと白キモノからナイフを取りだし、自分の胃袋に突き刺した。 リョーコと一緒に来ていたジョッシは叫んだ。「あんたらジャパニーズは みんなクレイジーだ!この毒虫のどこが美しいんだ!分からない!教えてくれよ!」 しかしセップクした男は既に息絶えていた。混乱したジョッシはリョーコの脚をつ かんで揺さぶった。「おい!教えてくれ!どうなってるんだ。何とかいってくれよ!」 しかしリョーコの頭に浮かんだのは人間の言葉でなく、毒虫の真の話法トゥルー スピーチだった。 茶毒 飛沫蟲生 ↓ 光甲 ←不→ 触悪 ↓ 節息 グポザゲモモモデバズズ 脚 脚 脚 脚 脚 脚 それらは到底人間の言葉には翻訳できるものではなかった。 シコクの特設舞台ではガガク・ミュージックに乗せてカブキ・スターの ウタエモンが「懺無惨白暮浪漫(ざむざはくぼのろまんす)」をえれがんとに演じ ていた。人々は少女と毒虫の美しい悲恋の物語に涙を流し、少女が身投げする シーンでは恍惚とした表情を浮かべていた。そして黒サムライ達が近づいてカタナを 振り上げても微動だにせず、首を切り落とされていった。 「逃げろ!殺されるぞ!何してるんだ、早く!逃げろ!」 ジョッシは走り回って叫んでいたが老人の声に一喝されて立ち止まった。 「たわけ!」それはキンカクジの管長であった。 「そなたは生を一面的にしか見ておらぬ。そのような者には死の瞬間の持つ重大な 意味なぞ分かろうはずもない。『毒虫の、脚を取ったら、柿の種』そなたにはこの ハイクの意味するところが分かるか!」 「分からない!分からない!分からない!」そう叫ぶとジョッシは 再び駆け出していた。
268 :
吾輩は名無しである :2000/10/25(水) 11:58
269 :
木村卓球屋 :2000/10/25(水) 15:18
朝起きたら大きな毒虫に変わっていた、 グレゴール・ザムザにスマーッシュ!!!
270 :
264 :2000/10/25(水) 15:36
> 268 ご指摘の通りでござんす。でもエヌ氏はよく出てもゼット氏ってほとんど出て こないから語呂的にどうかなーと思ってしまったわけです。んで、日和って Z氏にしてしまいました。
271 :
宣伝 :2000/10/25(水) 22:19
272 :
264 :2000/10/26(木) 17:50
よく読んだら前スレッドの126に星新一があるじゃないか。 しかも同じ「ノックの音がした」を踏襲しているしー。はずかちー。 いやしかし、「ノックの音がした」は傑作だなあ。
273 :
名無しさん@1周年 :2000/10/27(金) 15:37
フランス書院文庫はないのか?無理か・・・
274 :
264 :2000/10/27(金) 16:25
> 273 いや、実にやってみたい題材ですな。 フランス書院でも、ファンタジー系と実写系(?)とがあるし、作者によって全く 異なるし、面白そう。
275 :
フランス書院では無いですが :2000/10/28(土) 09:50
程よく肉付いているヴィーナスの丘には、ようやく生えそろった感のある恥毛が小判型 に薄く茂っている。 だが、男は自分の本当の感想とは正反対の事を口にする。 「フン、かわいい顔してるわりにすごいはえっぷりだな、見てるこっちの方がはずかしく なってくるぞ」 悪魔のささやきに、ザムザはもう悲鳴をあげる事もなく、泣きながらイヤイヤを続けて いる。 「さて、中身の方はどうなってるかな?」 夢にまでみた毒虫の、誰にも晒した事のない秘苑をついに暴く事ができるのだ。男は 生唾をゴクリと飲み干して、マクラをザムザの腰の下に敷いて、腹を折り曲げて縛り上 げた。そして、その縄尻をベットの脚に括り付けると、ザムザは大開きの状態から一 切丸くなる事ができなくなった。 「見ないで……見ないで……」 ザムザはしゃくりあげながら弱々しく哀願している。 そんな毒虫のあられもない姿を見下ろし、男は激しく興奮している。大開きにされて いても、男を知らないザムザの美苑は、ピッチリととじあわさっている。その下に視線 を落とすと、セピア色の菊座が小さなつぼみを咲かせていた。 「ザムザのオマ○コもケツの穴も丸見えだぞ」 男はわざと卑猥な言葉を使って、ザムザに必要以上の屈辱を与えてプライドをもぎ取ろ うとする。 そのザムザは時々鳴咽をもらす以外は、しくしくとしゃくりあげているだけだった。 「じゃあ、どんなに汚いオマ○コか一応確認しておかないとな」 男ははやる気持ちとは裏腹なことを言って、両手を緋ザムザ肉門に添えて、ゆっくりと 開いた。 その瞬間、ピクンとザムザが痙攣したが、もう何も言わない。ただただ泣き続けている。 恥辱の沈むザムザをよそに、男は露呈したザムザの美苑に感嘆の声をあげる。 「おお……」 鮮烈なエメラルドグリーンの粘膜がキラキラと輝いている。汚れをしらないとはまさに こと事だろう。と、少しだが濡れているようだ。多分キスのときに分泌されたのだろう。 「何だ濡れているじゃないか? キスだけでこんなベチョベチョになるなんて、おまえ淫 乱じゃないのか?」 男は執拗にザムザを貶める。人間としてのプライドを打ち砕き、奴隷である事を認識さ せるためだ。 しかし、何を言われても、ザムザはしくしくと泣くだけで反応しない。 一切の思考力がなくなっているようだ。そんな時の方が、味わうエクスタシーは強く印 象度は高い。今イク事を覚えさせる事ができれば、今後の調教は楽になるだろう。 「よし、ザムザ、イカせてやるから、たっぷり味わえ」 男はそう言って、甲殻に覆われた肉芽をクルリとむき出し、微妙なタッチでくすぐり はじめた。 途端、ビクン、ビクンとザムザの腹部が痙攣をはじめる。 「どうだ、どんな気持ちだ」 クリ○リスへのやさしい愛撫を続けながら男はザムザに尋ねた。しかし、答えは返って こない。 しかし、辛抱強く肉芽をいじり続けると、小さな喘ぎ声がザムザの口から漏れ出した。 「ああん……イヤぁ……」 ――ああ、何なの? この感じ…… せりあがってくる初めての感覚に、ザムザは戸惑いをおぼえる。 ザムザの気持ちとシンクロするように、秘苑から愛液が溢れ出してきた。意外なほど多い 量に男は驚きつつも、順調に感じているザムザに更なる快楽を与えようと、粘膜にそっと 中指を挿入した。続いて、肉芽を口に含み、舌先でコロコロと転がし始める。 「ああっだめぇ!」 生まれて初めて異物を挿入され、ザムザは恥辱にわななく。が、それも一瞬で、再び快感 の波に溺れ始めた。 「どうだ、気持ちイイだろう?」 愛撫を続ける男に聞かれ、明らかに先ほどとは変化しているザムザがうわごとのように 答える。 「……ああん、わかりません……ああん、イヤん……」 その感覚が気持ちイイかどうかはまだよくわからないが、ずっと浸っていたい誘惑にか られてそれから逃げ出せない。 そんなザムザを見て男は本格的にイカせるべく、中指のピッチをあげ、クリトリスをき つく吸い上げる。 「ああ……イヤ……あん……だめぇ」 ひっきりなしに喘ぐザムザは、その感覚を自分から求め出すように、遠慮がちに腰を動か し始めた。 その様子を見て男はほくそえむ。 ――こいつ、きっちりし込めばド淫乱のスケベマゾ毒虫になるぞ。 そうなれば、将来的にザムザを使って商売が出来るかもしれない。
276 :
264 :2000/10/30(月) 12:20
> 275 こんな文章でチンコピンコ立ちな俺様のナニは虫並。
277 :
根岸鎮衛 :2000/10/30(月) 22:12
南蛮の一國、チエコと云ひしか、布を商ひし、グレゴルザムザ為る名のもの有り。或朝 人ほどの毒むしに為るよし。古銅にて造りたる鉢のごとき甲を背負ひて、あまたの脚に て這ふと。むかでや紙魚の類なりしか。家のもの祈祷などなすとも験なく、家の女過ち て落としたる水菓子にて負ふ傷が元で患ひ、身まかるよし。
278 :
アンドリュー・クラヴァン :2000/10/30(月) 23:14
はっきりと自分を知ることはとても難しい。だから、ザムザは毒虫になった。 ある朝のことだった。ザムザは自分のベッドに、どうにか横たわっていた。横たわることには成功していたのだ。
*** 目01 2/30 31 ザムザ―人間から毒虫,そして蝶に *** ザムザ―人間から毒虫,そして蝶に ドイツの「目ざめよ!」通信員 幼い少女が,細くて柔らかい髪をそよ風に波打たせながら,チョウを追いかけています。さあ,わたしたちも少女に加わることにしましょう。そうすれば,神の創造物の中でも特に色彩豊かな創造物に対するわたしたちの認識も深まるでしょう。 人間から毒虫へ 夜明けの薄明かりの淡い光が徐々に空に広がっています。冷気と霧が立ちこめる早朝,グレゴール・ザムザは不安な夢からふと目覚めてみると,ベッドの中で自分の姿が一匹の,とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がつきました。「固い甲殻の背中を下にして,仰向けになっていて,ちょっとばかり頭をもたげると,まるくふくらんだ,褐色の,弓形の固い節で分け目を入れられた腹部が見えた。」(カフカ『変身』1:1) ドイツ地方を旅行したいと思っておられるなら,この素晴らしい変態の様子を見つける喜びにあずかれるかもしれません。あるチョウの専門家は「目ざめよ!」通信員にこう語りました。「6フィート(約180a)の成人男性が,一夜にして1インチ半(約4a)のイモムシに変化する様子は,まさに自然界の神秘である」。 しかし,醜いイモムシとしての生活も,やがて終わりを迎えます。さなぎの中で長い眠りを迎えた後,蝶として新たな人生を始めるのです。 わたしたちが最初に見ていたチョウは,鮮やかな色を放って再び舞い上がり,どこか知らない場所に行こうとしています。毒虫はとかく嫌がられる虫ですが,蝶へと変化する驚くべき設計図を持つこの昆虫は,確かに創造者が科学の天才である証拠を提出しています。―箴言 30:24と比較してください。
280 :
W・H・ホジスン :2000/10/31(火) 20:59
久しぶりのカーナッキの夕食の招待にわたしたちはチェイン・ロードに集まった。夕食が済み、めいめい葉巻でくつろぐと、カーナッキは切りだした。 今回、間が開いたのは、ヨーロッパに行っていたためだ。いろいろな街に滞在したが、今日はチェコのプラーグの事件を話そう。たいへん興味深いものを見たが、写真はない。フランスで赤帽に乱暴に扱われて、カメラは壊れてしまったからだ。 さて、プラーグの事件だが、ある朝グレゴール・ザムザと云う名の若い服地販売員が失踪した。もちろん仮名だ。そのアパートに同居していた家族はその両親と妹だ。つてを頼ってその妹がわたしの元を訪れ、わたしに調査を要請した。わたしが当地の言葉に慣れていないせいか、この時の会談では失踪後の家族自身による調査の進展については要領を得なかった。しかし、なんらかの巨大な生物、あまり一般的でない、が関与しているという印象をわたしは受けた。そこで興味を感じたわたしは、失踪したその兄の部屋について調査することにした。 着いてみると、両親ともひどく怯えていた。それもそのはず、足元を巨大な毒虫が這い回っているのだ。 「あれはわたしたちに決して危害を加えようとしたことはありません。」彼女は生真面目な若い娘にありがちの真摯な口調で説明した。 さらに説明を求めると、その虫はグレゴールが失踪した朝に現われたことがわかった。わたしはその褐色の身体を仔細に観察した。体長は6フィート以上でわれわれの身長よりも長い。背中は丸く盛り上がっており、硬い鎧状の甲殻で覆われていた。人間ならさしずめ腰というべきところから後ろは、幅の狭い節が連なった尾になっていた。どうやら身体の左右にたくさんの脚があるらしい。その甲殻の左右の端はひどく傷んでいた。体重はわれわれと同じくらいだろう。 次に失踪したグレゴールの部屋を測定した。ドアの軸側の低い位置、また、間口のほぼ同じ高さにかすかに擦った跡があり、床にはあの虫の脚の一部とおぼしき組織が落ちていた。母親に訊ねると、そんな気味の悪いもの、と言うだけであった。ベッドの乱れ方からみても彼の失踪後のまま現場は保存されていたようだった。調査のためにはたいへん有り難い。間口の状況と虫の傷、それぞれの寸法から、あの虫はこの部屋から外に出たことがあるらしい。したがって、その巨大な虫がグレゴールである、もしくはあったかもしれないということだ。 これは人間の霊的防壁が外界からの影響に屈した事例だろう。グレゴールは外界からの干渉の焦点になりやすいなんらかの条件を持っていた。しかし、心霊的門となるには不完全であったために、いわゆる取り替え児現象が発生した。すなわち、肉体のみ外界の怪物を通過させてしまい、彼の精神はこの虫に閉じこめられているとわたしは考えた。この見解のもとでは、官憲の手が入っていないことは事件解決のために僥倖であった。もし、この変身と同じ条件を再現できれば、その不安定な平衡を利用して逆変身させられるかもしれない。それから防壁の強化を行なうことでグレゴールを人間に戻すことができるだろう。
281 :
モンゴメリ :2000/11/01(水) 05:42
「ああ、目が覚めたら全く別の生き物になるなんて、どんなに わくわくすることでしょう。悪い魔法使いに、白鳥の姿に変えられて しまった王女様も、こんな気持ちかしら。ああ、私の髪も目が覚めたら この子の甲羅のように、突然真っ黒になったりしないかしら。 変身してから見る夕日は、湖は、いつもと違って見えるのかしら。 そうだわ、私、この子をグレゴール・ザムザって呼ぶわ。 グレゴールはeのついたグレゴールよ。ただの毒虫って呼ぶのって、 ロマンチックじゃないと思うの。」
282 :
椅子 :2000/11/01(水) 10:01
>281さん モンゴメリ、と言うより、村岡花子さんですね(^^) (でもお上手〜♪)
うまい。笑わしてもらいました。ありがとう。
284 :
大岡昇平 :2000/11/01(水) 20:37
或る朝グレゴール・ザムザは悪夢をともなう眠りから醒めた。眼を覚ますと、部屋のな かは暗く、彼はベッドの上に仰向けで横たわっていた。 奇怪な観念がすぎた。彼は眼を見張り、見廻した。あたりが自分の部屋であることに気 がついて、なんの変哲もない朝だと思い、悪夢に想起された観念と感覚の混乱と判断した が、実はその時既に変身していたのである。 彼の体はただだるく感じられた。病気だろうかという観念が彼の心をかすめたのはこの 時である。彼は初めて悪夢から覚醒した時の異常な感覚から、こういう重大な感覚の違和 感を誤解してしまった。 起き上がろうとしたが、背中が重く頭を持ち上げることが出来ただけであった。 咄嗟に頭を落とした彼は、自身の胸の先に、夜の海のように鈍く輝く、膨れた数個の波 が並んでいるのを認める暇があった。そして、その弓を伏せたように盛り上がった褐色の 曲面の両側に、硬い艶をもつ細い草のようなものが風にそよぐように並んでいるのも。 彼の眼は我にもあらず視線の先にあの褐色の波を探したが、既に枕に頭をついた眼の位 置からは、それは見えなかった。まだ、重い背の丸みに合わせて彼はベッドの上で揺れて いた。 もう一度、見究めなくてはならない。逡巡が彼を捉えたが、彼は押し切った。或る行為 をしたいと欲し、結果の確率が不明の場合、彼はいつもやってみることにしていたのであ る。家族が彼を起こしにくるまで待つことは、彼のこのような性質上、不可能であった。 狼狽と逡巡の裡(うち)に眺めれば、腹節は一層硬質に輝きを増すように思われた。彼 はもう一度それが自分の腹であるかどうか疑ってみたが、無駄であった。見凝めれば、そ の外骨格はますます明らかに、自身の呼吸に合わせて上下していたのであった。
285 :
吾輩は名無しである :2000/11/02(木) 01:57
ザムザ どくむしポケモン 1.7m 62.0kg タイプ1:むし タイプ2:どく あさ めが さめたら どくむしに なっていた。 むしなのに りんごが きらい。 グレゴールからレベル18で進化 (グレゴールはプラハ21ばんどうろでゲット) 基本 たいあたり 基本 にらみつける レベル6 いとをはく レベル8 つのでつく レベル12 どくばり レベル18 いやなおと レベル24 ちょうおんぱ レベル32 どくどく レベル35 みだれづき レベル40 すてみタックル
286 :
ディア ダディ ロング レグ :2000/11/02(木) 21:28
わたしは朝目が覚めました。昨夜ベッドで6時間眠りました。とても奇妙な胸がむかむ かするような夢を見ました。だってわたしは今までこんな変な夢を見たことがなかったん です。 毒虫って、とっても大きくって、とってもまごついています。――わたしは朝起きたら 毒虫になっていたんです。もっと気が落ち着いてから体の様子をお知らせするつもりです。 知らない人に手紙を書くなんて変な気がします。第一手紙を書いてること自体変です。 わたしは蟲になってから、体の両側にむやみやたらと脚が生えています。ですけど、ペン を持てないのですから、字が書けるわけないですね。 おう!!! こう悲鳴を上げたつもりだったんですが、ひどく具合の悪いことに声にさえならないの でした。それはこの図のような虫の体のせいです。 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< ⊂□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□○ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< それはひどく恐ろしいことに、ちょうど目が覚めて仰向けから体を起こしたときに―― ひょいと――頭をあげるとそれが目に入ったのです。わたしは倒れる直前に小さく膨れた 茶色の節がたくさん並んでいるのを見てしまいました。わたしはいきなりベッドに背中を 打ちつけて――そのとき硬い背中の丸みで二度ほど揺り返しました――体の後ろ半分は見 えましたが、残りの半分も50本の脚がわさわさとわたしの意志と関わりなく逃げようと しているのでした。 お粗末さまでした。 グレゴール・ザムザ
287 :
中井英夫? :2000/11/03(金) 20:51
「あゝ」 主ザムザの嘆きに他愛もなく薔薇の精はたいへん、 逃げなくっちゃ、とひととき綾なる尾を曳いて、 「あゝ、口惜しい、冷たい牢獄にもにた甲羅を身に、 わたくしはこれから生きていかねばならないのね、 たまたま虫として生まれ変わったばかりに、もう薔 薇の棘さえあじわうことも叶わぬとは」 眼を伏せて主がお泣きになられたころには、もう 窓の外で螺旋を織りなしてい、むせぶばかりの香は 幽かにも残っていなかったのです。
288 :
hau :2000/11/03(金) 20:55
zamuza=musi
289 :
吾輩は名無しである :2000/11/05(日) 07:37
age
290 :
さまぁず 三村 :2000/11/05(日) 22:13
毒虫かよっ!
291 :
南木佳士 :2000/11/06(月) 20:16
早朝のプラハの街の喧騒が漏れ入る自室のベッドの上で、グレゴール・ザムザは目を覚 ました。小鳥たちのさえずりが閉じた板戸を通して窓の方向から降ってくる。服地の販売 員になって数年、この時刻に目覚めるグレゴールだが、いまだに鳥たちの声を聞き分けら れない。窓から部屋のなかに入り込む様々な鳥の声は、グレゴールにとって幼い頃から呼 吸している街の空気の一部となっていた。 その朝目覚めてから、グレゴールはおかしなことを感じるようだった。十本以上の脚と 硬い甲殻で覆われた体というのは今朝方見た悪夢がもたらした感覚の錯誤のようだったが、 ごく常識的な指向の彼のときおり感じる奇妙な印象は、彼の意識に巨大な落し穴を開けて いた。 部屋はいつもと変わらなかった。グレゴールはあおむけに横たわっていた。彼は人が虫 に変身するような馬鹿馬鹿しい夢から覚められないのはどうしたことだろうか、と真剣に 考えた。そんな想いを頭の中で回しながら、ベッドのシーツの上で、ままにならない感覚 がなくなるまですごした。そうやってから足もとを確かめずにはいられなかった。 グレゴールが枕から顔を上げると、体節が段を造っている茶色い下腹部が延びていた。 弓型の甲殻の波の連なりが、彼の呼吸に合わせて上下している。彼は巨大な毒虫になって いるのを確信した。
292 :
名無しさん@1周年 :2000/11/07(火) 07:34
>>286 今ごろですが、絵がいいですね。そう、あの子って、手紙に絵を書くのよね。
293 :
愚痴スレッド@2ch Leaf・Key板 :2000/11/09(木) 04:14
朝起きたら虫になっとったぞゴルァ(゚д゚)
294 :
都築道夫 :2000/11/09(木) 19:57
目がさめると、部屋のなかは薄明るくなっていた。 どういうわけか、首すじにうそ寒さをおぼえながら、彼はあおむけに身をよこたえてい た。頭のなかの暗闇を、背中に硬い甲殻を並べた、巨大な虫が這いまわる。昨夜の悪夢が 奇妙な錯覚を生みだしたのだろう。気が狂うのを予知して脅えながら待っているような不 安な気持ちだった。 けれど、こんな疲れはてたからだで、無理に行動を起こすよりも、何も考えないことに したほうがよい。そう思ったのは、まったくのごまかしだった。理解できるような気はし ていたが、とつぜん新しい意味を持ってきたのは、背なかの重さと硬い丸みに気がついて からのことだった。疲れではなかったか、と考えはじめたのだ。それを彼はたしかめたかっ た。どうして、昨夜の悪夢と目がさめてからの現実とを間ちがえるほど似ているのか、そ のわけも知りたかった。自分のからだは、どうなっているか、見たい、と思って、重い頭 を振りながら、寝床の上で起きあがろうとした。けれど、そのとちゅうで彼はあおむけに 夜具のうえにひっくり返った。背なかが、思いのほか重かった。 ふたたび彼は力をこめて起きあがった。上半身だけが寝床の上に起きあがる。彼は口の なかで叫びをあげて、硬直した。 褐色の蛇の腹の鱗みたいなものが、彼の腹の上でいくつもいくつも折重なって、にぶく 光っていたからだ。彼のこころの状態から考えても、それが幻覚だとは思えない。小さく 縁を光らして、彼の呼吸は起伏を波うたせていた。恐怖のあまり、目をそらすことも出来 ないで、彼はその恐ろしいものを見つめつづけた。
295 :
大屋政子@グレーテ :2000/11/09(木) 23:25
うちのおにーちゃん、虫になってもーたーっっ。
296 :
ひみつ日記 :2000/11/10(金) 17:19
9月20にち 今日カフカのところへいった。 ザムザはいなかった。 リンゴをいただいた。 エラーが出るほどなでられた。 声に出しそうだった。 今日はどくむしを手に入れた。ラッキー。 ---------- モモ
297 :
荒木飛呂彦 :2000/11/10(金) 17:56
こッ…これはッッッ!! ムシ!ムシかッ! ・・・・・・・・・・・・ なんということだッ!おれがムシになっただとッ!!!!! (ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……) そうっ!この褐色の硬い腹ッ! 我慢できるのかッ?いや!それは無理ッ!!! (ドキューン) 戻ろうとしてもッ!!無駄だというのかッ!!!!! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!無駄だッ!!!!!!!!!
298 :
ザムザのダチ :2000/11/11(土) 14:51
彼は虫になりました。半年は戻りません。
朝になったら毒虫美人。 無論、私がその女。 褐色かつ、甲羅が固い。 その毒々しさたるや、家族が林檎を投げつけるほどだと言うわ。 今日も私は下水を彷徨っていたのだけれど、それは毒虫小僧なのかもしれないわ。 そんなプラハの春、残る未練は会社の給料。 支配人に直。 毒虫「虫になりました。有給休暇ください」 支配人「・・・」 毒虫「虫になりました。有給休暇ください」 支配人「・・・はい」 虫になって、よかったわ!
300 :
吾輩は名無しである :2000/11/14(火) 09:59
age
301 :
ダンテ・アリギエリ :2000/11/14(火) 14:19
わが人生の旅路の半ば、寝台で悪夢から 目覚めるや否や、わが身が毒虫に変じているのに気付いた。 わたしは正しい肉体を見失ったのだ。(3) わが身は背の甲殻を下に、柔らかな腹部を上にして横たわる。 その恐怖を伝えることのいかに難いことよ。 その記憶はありし恐怖をすべて呼び起こす。(6) 何と辛いことか。その辛苦は死にも劣るまじ。 しかし、そこでわたしが得た平安を詳らかにせんとするのならば 私は善なるものより他のことについて語らねばなるまい。(9)
302 :
森鴎外(擬古文) :2000/11/14(火) 14:38
とある旦、われはわが身の毒蟲となりたることを知りぬ。 そのときの驚きはいかばかりぞや、読者知るべし。 あゝ哀しきかな、わがせなは堅き甲殻となりて寝台に横たはれり。 頭をもたぐれば、見ゆるは結節のみ。あゝわが腹は青蟲のごとく 節つきてまろく膨らみたり。
303 :
もぐもぐ名無しさん :2000/11/16(木) 02:53
がははは、ここ面白すぎるよ、投稿された全ての方に感謝! リクエストは高野文子、糸井重里、宇多田ヒカルで。
デイル・クーパーinツインピークスをきぼーん
305 :
吾輩は名無しである :2000/11/16(木) 03:26
高野文子、絵で挑戦してみようかとペイントにて頑張るも、自らの画才 のなさを発見し断念。文章だけじゃ難しいよ。
306 :
週刊金曜日の投稿 :2000/11/16(木) 11:12
天皇制反対のゼッケンで私が受けた人権侵害 婦等葉町 呉郷流寒挫 (35歳) 国民体育大会の会場内に「天皇イラン」「天皇ナクセ」と書いた キチン質のゼッケンを胸と背中につけて、一介の毒虫が入って行けば どういうことになるか。保健所に連行されました。 僕は某月某日、知得古国国体のレスリング会場である婦等葉中学校の 中に「天皇イラン」「天皇ナクセ」と書いたキチン質のゼッケンを 胸と背中につけ、匍匐するスタイルで会場内を歩いていると、 国体婦等葉町実施本部長を務める某という婦等葉町助役が、僕の前に 「警告」と書いたプラカードをもってやってきて、「ゼッケンを 消毒しろ」と命令した。僕が「ゼッケンは表現の自由だ」と抗議して いると、私服の保健所員4人がやってきて、僕を車にのせ校門から 走りだした。保健所員は車内でいきなり右手で僕の左頭部を強くなぐり、 僕のゼッケンの甲殻を乱暴にひきちぎり、キチン質のゼッケンでさらに 僕の頭を数回なぐった。保健所員は僕の触覚を指でつまみ、僕の触覚を 押しつけねじり、僕の触覚と食肢を両手の指でつまんだ。 4人の保健所員たちは、僕を林道の奥につれこみ、路上に僕をうつ伏せに 寝かせて「消毒とはどういうものか教えてやる」と言いながら僕の背中を 足で踏みつけた。警察は林檎を僕の背中の上にさしだし「お前の背中に これを突き刺してやろうか」と僕を脅した。 国体の会場内で「天皇イラン」「天皇ナクセ」と書いたキチン質の ゼッケンをつけて歩いていただけで、保健所員は僕にこのような暴行を はたらいたのである。国体の会場内で「天皇イラン」のゼッケンを 禁止されるようなことでは、「表現の自由」がある国とはいえない。 天皇制度は一家族差別の悪法である。この悪法の支持者たちは、 国体会場で悪法を廃止させるためにゼッケン運動をしている国民の 「表現の自由」をこのような強制力で封じこめているのである。 天皇制度は非常に卑劣である。
307 :
週刊金曜日 :2000/11/16(木) 11:16
■前回の訂正 本文中17行目の「警察」は「保健所員」の誤植でした。ここにお詫びし 訂正します。
308 :
淑女の雑誌から(>261) :2000/11/18(土) 20:52
〜エルティーン12月号より〜 「こないだ目ぇ覚ましたら横で寝てた彼氏のザムくんが虫になってて超ビックリ。 見た目はマジキモイけど、アレは前より硬くなってイイ感じだよ!」 ◆蓼くう虫も好きモノ…
309 :
名無しさん@いらっしゃい :2000/11/18(土) 21:32
>306 いただけませんねえ。
310 :
ザムザIN朝生 :2000/11/20(月) 02:09
田原「これだから自民党政治はなってないってゆうんですよ」 いつものように声を荒げ、コメンテーターに食って掛かる田原。 その様子をモニターで冷ややかに眺めた後、 ザムザは渡辺ノリツグのことを考え始めた。
>310 ワラタ 乗り継ぐ萌え〜
312 :
ウタダ :2000/11/20(月) 08:15
目が覚めた時には 昆虫の flavor がした 苦くて不快な香り 明日の今ごろには 私は どこにいるんだろう 誰が 餌をくれるんだろう? I don't wanna be a kind of a bug いつか誰もがみな虫になっても I don't wanna be a bug you know,it's sad now and forever just bug, that's my life 今はまだ悲しい bug song 新しい new life 迎えるまで
>いつか誰もがみな虫になっても 中島みゆきの歌にありそうなフレーズだ
314 :
山本弘 :2000/11/20(月) 22:11
グレゴール・ザムザは悪夢に苛まれていた。 寝台に横たわるわが身が、いつの間にか巨大な毒虫と化しているという夢だ。 平生見慣れている人間の体躯は影も形もない。背中は甲殻状になって、腹部は 節のついた柔らかな丘陵をなしている。余りの恐ろしさに、悲鳴を出そうとしても 声帯が思いのままにならない。 「ううっ………うう………」 不意にザムザは目覚めた。腕で蒲団をはねのけようとしたのだが、その感触が おかしかったのだ。腕を動かそうとすると、わさわさという動作感が発するのみで 長大な一本の腕を動かしているという気配がない。それに体もなにやら重い。 夢うつつにも不思議に思って、恐る恐る目を開けると、ザムザは今度こそ 本格的な恐怖に襲われた。 まさに夢に見た通り、おのれの体が一個の毒虫と変じていたのだ。 量子力学を貫く原理に、ハイゼンベルクの提唱した不確定性原理がある。 我々は普段この世の物質はあくまでも確固たる存在としてあると信じているが、 極微の世界、原子核や電子のレベルにおいて、そうした迷信は打破される。 電子の位置や運動量を観測しようとするには、それにエネルギーを持った粒子を ぶつけなければならない。だが、この「観測」の過程で、粒子をぶつけられた 電子の物理状態が攪乱されてしまい、一組の物理量、例えば位置と速度を同時に プランク定数以下の誤差で正確に測定することは不可能となる。 別の言葉でいえば、量子力学においては、あらゆる事象が確率的に存在可能なのだ。 電子は、図式化される時には原子核を取り巻く小さな粒としてイメージされるが、 実際には、電子は「電子雲」として確率的にしか記述されない。ここにある電子は、 確率的には月の向こう側にも存在しうる。 さてシュレディンガーという物理学者は、この「量子は確率的にしか記述できない」 という原理を考究して、ある名高いパラドックスを考え出した。 ここに一つの密閉された箱があるとする。その中には一匹の猫が入れられている。 そしてある装置が箱の中にセットされている。その装置には一時間に50パーセントの 確率で崩壊する放射性物質が組み込まれており、それが崩壊すると感知器が反応し、 同時に猫を殺すに十分な青酸ガスを発生する。 一連の装置をセットして、一時間後、箱の蓋を開けた。さてこの猫は生きているか、 それとも死んでいるか? これが「シュレディンガーの猫」のパラドックスだ。この問題は、長年物理学者の 頭を悩ませてきた。 ここでは、「猫は50パーセントの確率で生きており、50パーセントの確率で 死んでいる」、としか記述のしようがないだろう。すなわち、このパラドックスは マクロサイズの猫をミクロサイズの法則、波動関数に組み入れるのも可能である ことを意味する。従って、猫の様態も、確率的にはあらゆる状態をとることは可能である。 箱の蓋を開けた瞬間に波動関数が収束し、猫の状態は生きているか、死んでいるかの どちらかに確定する。しかし、箱を開けるまではどちらの状態にあるのか、確率的に しか記述できない。 さてザムザである。ザムザはまた睡眠中で五感がはたらかず、瞼を固く閉じており、 わが身を観測の範囲外に置いていた。つまり、睡眠中のザムザはシュレディンガーの 猫と同じ状態にあったのだ。そしてザムザは、己の身が毒虫と化する悪夢を見た。 ここで、悪夢が確率のさいころを振ったのだ。 毒虫になる夢を見たザムザは、この瞬間、己の肉体を毒虫として観測したことに なる。瞼を開けたとたん、観測が成って、波動関数が収束し、ザムザの肉体は悪夢の 量子効果で毒虫の肉体に再構成されたのだ。 波動関数………量子効果の作用する奇蹟の演出である。
315 :
吾輩は名無しである :2000/11/21(火) 22:11
age
317 :
ギブスン=黒丸 :2000/12/05(火) 14:09
注意:<RUBY>タグが有効なブラウザ(IE,etc)で読むべし 俺は<RUBY><RB>電極</RB><RP>(</RP><RT>トロード</RT><RP>)</RP></RUBY>をつけてホサカの<RUBY><RB>端末</RB><RP>(</RP><RT>デッキ</RT><RP>)</RP></RUBY>に<RUBY><RB>没入</RB><RP>(</RP><RT>ジャックイン</RT><RP>)</RP></RUBY>した。 プラハの安ホテルの部屋は目の前からフェイドアウトし、 データマトリクスが目の前に広がる。俺はその中で 侵入型<RUBY><RB>毒虫</RB><RP>(</RP><RT>ワーム</RT><RP>)</RP></RUBY>に<RUBY><RB>同調</RB><RP>(</RP><RT>シンクロ</RT><RP>)</RP></RUBY>した。ニュー千葉の<RUBY><RB>闇市</RB><RP>(</RP><RT>ブラックマーケット</RT><RP>)</RP></RUBY>で買った<RUBY><RB>最新型</RB><RP>(</RP><RT>エッジ</RT><RP>)</RP></RUBY>。 自分の腹をみると、無数の脚が 俺の首から下全部の運動神経に<RUBY><RB>直接接続</RB><RP>(</RP><RT>ニューロリンク</RT><RP>)</RP></RUBY>されてうごめいている。 「いいか、ザムザ。足の指からケツの穴まで全部だ。全部同時に動かせ」 とこいつを売りつけた<RUBY><RB>闇市</RB><RP>(</RP><RT>ブラックマーケット</RT><RP>)</RP></RUBY>の<RUBY><RB>売人</RB><RP>(</RP><RT>バイニン</RT><RP>)</RP></RUBY>。姿は見えない。 「お前さんはこの脚一本一本で別々の<RUBY><RB>氷</RB><RP>(</RP><RT>アイス</RT><RP>)</RP></RUBY>をクラックするって寸法だ。 侵入したら腹から<RUBY><RB>毒液</RB><RP>(</RP><RT>ウィルス</RT><RP>)</RP></RUBY>をぶちまけろ。それで あちらさんのシステムはオシャカだ。」 「むこうの<RUBY><RB>氷</RB><RP>(</RP><RT>アイス</RT><RP>)</RP></RUBY>はこのタイプの<RUBY><RB>毒虫</RB><RP>(</RP><RT>ワーム</RT><RP>)</RP></RUBY>には対応してないのか?」 と俺。 「なんたって<RUBY><RB>最新型</RB><RP>(</RP><RT>エッジ</RT><RP>)</RP></RUBY>中の<RUBY><RB>最新型</RB><RP>(</RP><RT>エッジ</RT><RP>)</RP></RUBY>だからな。でも一つだけ ヤバいもんがある。あそこに赤い球みたいなやつが浮かんでいるだろう。 <RUBY><RB>攻撃型</RB><RP>(</RP><RT>A</RT><RP>)</RP></RUBY><RUBY><RB>パルス</RB><RP>(</RP><RT>P</RT><RP>)</RP></RUBY><RUBY><RB>順列</RB><RP>(</RP><RT>P</RT><RP>)</RP></RUBY><RUBY><RB>リンク</RB><RP>(</RP><RT>L</RT><RP>)</RP></RUBY><RUBY><RB>炸裂弾</RB><RP>(</RP><RT>E</RT><RP>)</RP></RUBY>、APPLEだ。 いくらお前さんの背中の<RUBY><RB>甲羅</RB><RP>(</RP><RT>プロテクト</RT><RP>)</RP></RUBY>が厚くても、あいつにやられたら <RUBY><RB>ご臨終</RB><RP>(</RP><RT>フラットライン</RT><RP>)</RP></RUBY>だ。」
RUBYタグって何のタグ? 初めて見たんだけど・・・
>>318 そのまんまルビだってば。
>>317 をメモ帳にでもコピペしてhtmlで保存してブラウザで見れば分かるよ。
>>319 ありがとうございます。
聞く前に試すべきだよな。逝ってきます・・・
321 :
発情期ザムザ検査 :2000/12/06(水) 21:21
「佳風ちゃん……」 呉雄は驚いた。 部屋に入ってきた佳風はコスチュームプレイをしていた。 ごつごつした黒い甲殻に身を包み、頭には触覚のついた黒いゴム帽子、手には 黒い手袋。言うまでもなく『変身』のザムザのコスプレだった。 (それにしてもなんで『舞姫』のエリスや『罪と罰』のラスコリーニコフのコスプレ じゃなくて、色物キャラの毒虫のコスプレなんだろう?) 訝しむ呉雄の横に、佳風はそっと腰をおろした。 呉雄は何か声をかけようとしたが、佳風はうつむいたままで顔をあげようとしなかった。 「あ、あの、佳風ちゃん……?」 すると、呼びかけに応えて佳風がぽつりと口を開いた。 「……呉雄君、カフカの『変身』は読んだ?」 「……うん」 (いくら定評ある名作文学とはいえ、なぜ何十年も前に発表された古典作品の話を するのだろう?)と呉雄は不思議に思いながらも素直に答えた。 「そう。……私も読んだわ。そして、許せなかった」 呉雄はドキッとした。 まさか、巷の文学青年のように、不条理小説不要論をはじめるつもりではないか、 と考えたからだ。 (ううっ……僕だってカフカはいらないと思うけど、文学ヲタじゃないんだから コアな話はやめてくれよ……不条理は放置しておけばいいじゃないか……) 内心頭を抱える呉雄に、佳風は思いがけない話を切りだしてきた。 「呉雄君、ザムザの最期、どう思った?」 「え……、可哀想だなって、思ったけど……?」 呉雄はとまどいながらも素直に感想を述べた。 佳風の言う「ザムザ」とは『変身』に登場してくる一人称の主人公で、ある朝 目覚めると、自分の体が毒虫に変身していることに気付く。しかし周りからひどく 迫害されて無惨にも殺されてしまうのだ。背中に腐敗した林檎をつきたてて……。 「そうよね……、可哀想よね……。可哀想すぎるよね……。ヒドイよね……。 ヒドすぎるよね……」 佳風の頬に涙が伝う。 佳風は泣いていた。そして声を震わせて絶叫した。 「たとえ不条理小説の登場人物だって、たとえ殺人事件の犠牲者だって、人間は 人間よッ! 毒虫じゃないわッ! 毒虫じゃないのよッ! それが「殺されるべき 毒虫」? 「不条理の運命」? 許せないッ! 許せないわッ! 挙げ句の果てに、 殺される凶器がよりによって、林檎なんていくらなんでもあんまりよッ! 可哀想すぎるわ……。ヒドすぎる……。残酷よ……ッ!」 佳風は本気で怒り、泣いていた。 呉雄はたまらなくなり、佳風の細い肩を抱き寄せ、そっと涙をキスでぬぐった。 そして唇を奪う。 「ああ……」 まだ涙の糸を引きながらも佳風は呉雄の口づけを受け入れた。 呉雄の優しいキスと、なだめるように背中を撫でる手のおかげで、佳風は少し 落ち着きを取り戻した。しかし、なおも弾劾は終わらない。 「たとえ毒虫だって……心を……魂を持って生まれてきたのなら……林檎なんかの ためにでなく、人間として生きて……死んでほしかった……。なのにあの人は 毒虫として……人間性のカケラもないような極悪非道な周りの人間のために…… 自分の巡りあった運命にとまどいながら死んでいった……もう少し生きながらえて いれば、人間として生きていける機会はあったのに……家族のみんなとも仲良く やっていけたのに……。「文学史に名を残す」……? そんなのウソよッ! そんな……そんなことのために、犬死にできる人間なんかいるはずがないわッ……。 どんな人間も、自分が生きているうちに幸せになれるように、精一杯生きなきゃ ならないんだわ……。一人の人間を犠牲にして、踏みにじってまで実現しなけりゃあ いけない文学って何? 「不条理文学の創始」? 一人の人間を……、人生を……、 想いを踏みにじってまで毒虫に変身させなければいけない『文学』なんて、何の 意味もないわッ!そんな文学は間違ってるわよッ……!」 佳風は呉雄の胸にもたれかかり、泣き崩れた。 「……たとえ小説の登場人物だって、人間は人間なのよ。人間は小説家の野望を 達成させる道具ではなく、自分の人生を歩むのよ……」 「佳風ちゃん……、佳風ちゃん……」 呉雄は最愛の少女をどうやって慰めればよいかまったくわからず、ただ抱擁を したまま口づけを繰り返すばかりだった。
322 :
名無しさん@お腹すいた :2000/12/07(木) 11:38
>
>>321 大爆笑!!!
しかし、コレ分かるやつ何人ぐらいいるんだろ?
鬱ダシ脳
323 :
いや、 :2000/12/11(月) 07:54
324 :
吾輩は名無しである :2000/12/14(木) 14:09
325 :
吾輩は名無しである :2000/12/14(木) 14:47
はぁ〜わけわからんスレだなぁ〜 「コピペ文はいったいどこから生れるのか? 」スレ でも見に行こうっと。
>325 文体模写パート1はおもしろかったぞ。
327 :
吾輩は名無しである :2000/12/15(金) 22:46
> >204 名前:紫式部(光源氏虫になる) いみじき夢見給ひて、あしき心地にうちおどろかれ給ふあしたありけり。 ふし給ひけるまゝに、頭をうちもたげて見給へば、まるくふくよかなる御腹のさま、 幾重にも弓なりの固き節にわかれたり。御背も、げにかぶとむしの固き殻か とまがふばかりなりければ、わが身はあやしくも悪しき虫と成り果てにけり、これ も我が前世の報ひにやあらむ、いとあさましきことかな、とおぼすにも、たヾ胸つ ぶるゝ心地ぞし給ひて むしの身に なるは原作(ほん)にはあらねども なほうらめしき2ちゃんねるかな ひとりくちづさみて泣きたまふ御有様、いとあはれなり。 204の主はめでたく書きたまへるかな。ここにも、とて。 さてもおそろしき夢を見つるかな、とおぼゆるほどに、すずろにかしらをもたぐ れば、あやしう、肥えたる腹の、色いと見にくく、すぢども多かるぞ見ゆる。背は 見えねど、つねにはかはりたる心地のするは、かたき殻めきたるもののあるなるべ し。あないみじ、我は虫になりにたるよ、いかがすべき、とまどはる。
328 :
名無しさん@1周年 :2000/12/15(金) 23:04
はああ
329 :
浜崎あゆみ :2000/12/16(土) 17:34
栗・・・?
330 :
名無しさん@1周年 :2000/12/16(土) 20:30
「パート1」はげにいとこそあはれにをかしかりしか。
331 :
あずまんが大王 :2000/12/18(月) 21:16
ゆかりザムザ 1)んー? 2)虫だー 3)朝っぱらから気味悪い 寝なおし、寝なおし 4)ぐ――… ちよちゃんザムザ 1)あれ? 2)虫…になってますね 3)これはーカフカの変身ですね 4)どうしよう? おおさかザムザ 1)[眠ってる] 2)[まだ眠ってる] 3)んー? えらいおっきい虫やーなんやろ? 4)[また眠る] 榊ザムザ 1)きゃー 2)きゃー 3)きゃー 4)きゃー 神楽ザムザ 1)うわー 2)うわー 3)うわー 4)うわー ともザムザ 1)ひゃー 2)虫になっちゃったよ 3)うーん、これは学校に行くべきだな 4)みんな驚くぞー よみザムザ 1)…虫になってる 2)カフカの変身みたいだ 3)…寝呆けてんだな 4)[二度寝する] にゃもザムザ 1)あ? 2)虫っ? 3)いやーっ 4)お嫁にいけないーっ
332 :
吾輩は名無しである :2000/12/21(木) 20:58
age
333 :
吉村昭 :2000/12/26(火) 21:33
その日、夜明けをいくらかすぎた頃、グレゴール・ザムザは悪夢から逃れようとして眼 をさました。すでに朝の陽光は窓のカーテンの隙間から流れこんでいた。 かれは夢の余韻に怯えを感じて、ベッドの上で仰向けのまま体をかたくし、部屋のなか をうかがったが、いつもと変わったところには気づかず、目覚めはじめた街の音がきこえ るだけであった。 かれはベッドから起きだそうとしたが、背中がどうにも重くはたせなかった。丸く硬質 の甲殻を背負ったようにシーツの上で揺れるばかりだった。体の不自由を疑問に思ったか れは、頭をもたげて自身の体を見た。 かれはその巨大さに目をみはった。光沢を持つ茶色い板を多数弓なりに曲げ、瓦のよう に並べたと見えたもの、膨れた虫の腹が見えたのだった。それは普段の生活のなかに出没 するすばやく身を隠す害虫たちよりはるかに大きく逞しいものだった。 もちろんそれを目にしたグレゴールははじめ、精神の疲れがもたらした些細な幻覚の一 つだと解釈した。白昼夢の類か、いまだ悪夢から目醒めておらず夢を見ているにちがいな いと思った。しかし、その体の異常は、かれとその家族の規則正しい営為のリズムを根底 からかき乱すものであった。 そのうち、自身の息に合わせてその巨大な腹が呼吸することに気づいたかれは、その目 にする異常の内容が事実であることに気づき、狼狽した。無力感がかれを襲った。その現 実を逸脱した巨体に比して、自分がいままで抱いていた常識が余りにも貧弱であることを 強く意識した。
334 :
名無しなんだってば :2000/12/27(水) 20:51
331巧い。 とくにちよちゃん。笑えたよ。
335 :
平成よっぱらい研究所 :2000/12/28(木) 22:11
1)[ ――朝起きたらでっかい虫になっていた ] 2) 。oO(…虫? とうとう幻覚が見えだしたか?) 3) 。oO(飲めば見えなくなるはずだよね?) 4) 。oO(とりあえずー幻覚にかんぱーい!) 1)キュー 2) 。oO(ぷはー!) 3) 。oO(んー? 消えねえじゃん、幻覚) 4) 。oO(ま、いっか。よっぱらってるし)ぐびぐび
336 :
グレゴール・ザムザ・スーパースター劇団四季'76 年版 :2001/01/05(金) 20:25
「彼らの心は天国に」で唄えます。たぶん> わたしは今、変なのだ。朝に起きたら、すべて。グレゴールと、だれもが、わたしを、呼ばなくなれば、どうなる? ジーザス! ベッドの上で、目が覚めたら、でっかい毒虫に、なってるとは。今どきでは、どんな変身譚も、すべてたわごと、迷信のはずだ。 いつも普通に暮らし、過ごしてきた、わたしの、平凡、わたしに返して欲しい。若い男の、わたしの体に、すぐに戻して欲しい。 わたしは人間のはず。毒虫ではないのだ。信じた、そのひとたちが怖い、信じたことさえあぶないと知れば、許すはずはないのだ。 いろんな町で、わたしはただの、服地セールス、してたら、うちのひとを、惑わすような、こんなことに、なるなんて。 わたしはヨブではない、試すのは、おやめください。わたしには、度をすごしすぎなのです。このからだでは、押しつぶされて、しまう。いけない、ゆきすぎは、よくないぞ。 わたしは人に返りたい、だが道が見えやしない。平凡は夢、なり果てたのだ。むかしはよいが、だめだもう今では、味方なんかもうない。 ジーザス。ジーザス。聞いてくれよ。おれのことばを。 ◆おまけ>「スーパースター」 グレーテ: わたしは理解ができない。大きな虫になるなんて、 地道に生活してたのに、時代もところも悪いでしょ。 今なら映画化でぼろもうけ。昔のチェコにゃテレビもないもんね。 気を悪くしないでちょうだい。気を悪くしないでちょうだい。 考えが知りたいだけよ。考えが知りたいだけよ。 女性コーラス:グレゴール・ザムザ。グレゴール・ザムザ。あなたは何なの。何なの。 グレゴール・ザムザ。グレゴール・ザムザ。あなたはどうして。毒虫。 グレーテ: そちらじゃ皆さんどうです? フランツ・カフカはお元気で? ドイツ語で本を書いたけど。世界を意識してたんですか? 名高い兄さんの変身は、現実逃避? それとも災難ですか? 気を悪くしないでちょうだい。気を悪くしないでちょうだい。 考えが知りたいだけよ。考えが知りたいだけよ。 女性コーラス:グレゴール・ザムザ。スーパースター。あなたは自分のことを、 グレゴール・ザムザ。スーパースター。本の通りと思うの?
337 :
志賀直哉 :2001/01/09(火) 20:07
ある朝グレゴール・ザムザが眼を覚ました時、彼はなにか不思議で多少怖い気もする夢 を見たような気がした。が、それを明瞭(はっきり)と憶い浮べることができなかった。 寝床で仰向けになって寝ていた。自分には仕なければならぬ仕事があるのだ、と彼は思っ た。しかし体の感覚が普段と違って、いかにも不確かだった。そして、それを何気なく眠っ ていた間に見た夢と結びつけていて、それが暗い当惑となって彼におおい被さって来た。 首筋に不安を感じ、暫らく、凝然(じっ)としていた。 しかしながら、動かないということにどうにも堪えられなくなった。到頭(とうとう) 眼を上げて自分の腹を見た。茶色の滑かな、艶を持って堅そうなものが、弓を伏せて並べ たように見えた。 彼は驚いて起きあがろうとした。が、同時にそれが自分の体であることに気付くと二度 吃驚し、思わず寝床の上で暴れて頭をヘッドボードにぶつけた。原因は知れた。何かでこ ういう場合を自分はもっと知っていたと思った。彼はすでに大きな肥った毒虫になってい た。 まだ眠っていて夢を見ているのだと、眼が覚めれば普段と同じ朝なのだと、朧げな希望 を彼は持った。しかし、ぶつけた頭の痛みから、本到に虫になっているのであり、それは 到底不可能なことと知れた。
338 :
おれがそいつで、そいつがおれで :2001/01/12(金) 22:43
「やれやれ。」 服地の外交をして、ほうぼうを歩くうちに、足がぼうになってしまった。おれは、ひといきいれようと、公園のベンチにこしをおろした。と、おれの頭の上のほうから、声がした。 「グレゴール・ザムザちゃん! よくあたしのうちが、ここだってことが、わかったわね。」 なんと、ベンチのうしろの古い石垣の高いところにはりついた、そいつが見おろしていたのだ。ほんとに、おれは、そのヤスデの成長ぶりに、あきれかえってしまった。 そんな、おれの気持ちもしらずに、そいつは、 「いま、そっちへおりて行くから、まっててねえ!」 と、うれしそうにいった。 ――冗談じゃねえや! とはいえ、どうしたものかな……―― おれは、なにくわぬ顔をしていたが、そいつが近付くのを待ったりしなかった。いきなり、おれは、すわっていたベンチからとびあがるようにして、逃げだそうとした。 でも、それがいけなかった。おれが、全身の力で、立ちあがると同時に、そいつが石ころのように石垣からとびおりてきて、おれの脳天に、まともにぶつかってきたものだから、それっきり、なにがなんだか、わけがわからなくなってしまった。 * 気がついたとき、おれは、見知ったおれのへやの、いつものおれのベッドで、あおむけにねていた。 まちがいなかった。かべの上には、気にいったので、雑誌から切りとったピンナップが、手製の額にいれてかざってあったし、つくえの上には商品サンプルが、ゆうべ片づけずに出して置いたままだった。 おれは、どうしたわけか、へんにからだの自由がきかなかった。 ――あれ? もしかすると……―― 朝っぱらから、手ひどいショックを受けた、おれは、そっと、自分の胸を見て、高圧電気にふれたみたいに、とびあがった。 ――ガアーッ! ム、ム、ム、ムシの、デケーッ! プクプクテカテカが並んでる! えれえこっちゃ!―― まちがいなかった。それは夢に見た大きな毒虫の腹なのだ。おれは、そいつから逃げようとして、ベッドの上をはいずろうとしたが、背中がかたく、丸くなってしまったようで、ぐらぐらするだけだった。その虫もぐらぐら動くのが見えた。 ――ことによると、これは……―― おれは、目をみはって、ゆっくり、大きく息を吸って、それから、息をはいた。 「スウー、プシュー」 とんでもないことになった。 ――虫のからだがおれと息をあわせている!―― 手足がきかないのは病気かと思った。だが、いま、その理由が、はっきりとわかった。これは、おれのからだではない。大きな毒虫のからだなのだ。
339 :
森真沙子 :2001/01/15(月) 20:16
気がついた時、グレゴール・ザムザはベッドの上に仰向けに横たわり、朝のざわめきを 感じていた。彼はぼんやりと天井を目にした。何かひどく怖い夢を見たような気がしたが、 もう何も覚えてはいなかった。 いつもどおり起き上がろうとした。背中がシーツを離れぬうちに、その重さに引き戻さ れてしまう。バランスを崩して、彼はもがいた。だが不思議に効果はなかった。 すうっと頭が沈む。 一瞬、浮き上がる、重力に引っぱられてまた沈む。背中の硬い丸みを支点に彼はベッド の上で揺らいでいた。 初め、まだ夢を見ているのだ、と思った。 だがそれにしては、まったく正常な聴覚もあれば、視覚もあった。どうして体がままな らないのかまるで見当がつかない。 何かの事故で記憶が飛んでいて実は体がおかしくなってしまっているのではないだろう か。 その考えは一条の光線のようにスッと彼の胸底の暗がりまで届いた。ふと何かが見えた ような気がした。 考え過ぎじゃないか? 思い惑いながら彼は震える頭をもたげて、自分の胸を見た。 褐色で、弧を描いて膨れた腹に横縞の刻み目が並んでいるのが見えた。 彼は目覚めからの不調の正体を知った。巨大な毒虫になっていたのだった。
340 :
りえぞう :2001/01/17(水) 20:19
1)西:みつえちゃん、グレゴール・ザムザ。わし、妹のグレーテな 青:なんでやー? 2)西:背中丸くて 3)西:腹膨れとる 4)青:キ〜〜〜 1)青:朝起きたらえらくでかい毒虫にされてた 2)西:ほれ腹が段段 青:センパイ〜〜!! 3)銀:ってーと、オレがパパザムザか。リンゴ食うか〜?(ブンッ ビュン ビュン) 4)ぱこっ ぎゃーっ 西:知らねっ
341 :
名無しさん@1周年 :2001/01/18(木) 08:00
地球の歩き方 グレゴールは2万3000人の町。市内のおもな見どころならまず徒歩でまわれると いってよい。街歩きの基点となるのは、高さ132mのザムザタワー。甲虫をモチー フにして1963年に建設されたこの塔はグレゴールの街のどこからでも見つけるこ とができる。まず街歩きを始める前にこの塔に登って、それぞれの位置関係を頭 に入れておくとよい。このザムザタワーから東西に伸びる太い道がフランツ通り。 朝から夜遅くまでひっきりなしに車が行き来する賑やかな通りだ。観光客目当て の土産物屋が多く、歩いていると「ジャポン」などと声をかけてくるが、ふっか けてくることも多いから注意しよう。このフランツ通りを東に進むと左手に3つ の尖塔が印象的な教会が見えてくる。これが聖アシクラツィオーニ教会だ。グレ ゴールは第二次世界大戦の際、連合軍の毒虫爆撃によって壊滅的な打撃を受けた が、この教会は奇跡的に破壊をまぬがれ、グレゴールの人々の心のよりどころと なっている。聖アシクラツィオーニ教会から南に伸びるのがユーリエ通り。近く にアルトシュテッター女子大学があるため、女子大生の姿を多くみかける。アル トシュテッター大学は日本でいえば聖心女子大と御茶ノ水大を足して2で割ったよ うなところ。そのせいか流行に敏感な彼女らお気に入りのショップがユーリエ通 りには多い。大学前にあるヘルマン広場には初夏になるとアイスクリームを売る 出店が並び、地元の人で大賑わい。アイスクリームを舐めながらユーリエ通りを 歩けばグレゴールっ子の気分に浸れるはずだ。
342 :
或毒蟲の一生 :2001/01/18(木) 20:46
一 時代 それは或寝臺の上だつた。三十歳の彼は悪夢から目醒めると、腹部にかけた 西洋風の掛蒲團に氣附き、彼は固い甲殻の背中を下にしてちょつとばかり頭を擡げ、 わが身を探してゐた。膨らんだ腹、弓形の固い節、か細い脚、腹の白い斑點…… そのうちに彼はわが身が毒蟲になつてゐるのを覺つた。しかし彼は部屋の中を 熱心に見探つてゐた。四方の壁、毛織物の商品見本、雑誌から切り抜いた繪、 窓のトタン板、…… 彼は驚愕と戰ひながら、職場にある自分姿を想像して行つた。が、運命はおのづから もの憂い影の中に沈みはじめた。彼はとうとう根氣も盡き、寝臺を下りようとした。 すると何時もは右側を下にして寝てゐたのだが、今のやうな身の上になつては、どんなに 力をこめても體がゆれるばかりでそれは叶はなかつた。彼は寝臺の上に佇んだまま、 箪笥の上にかちかち鳴つてゐる目覺し時計を見上げた。針は妙に遅かつた。のみならず 如何にも遅刻らしかつた。 「人生は一行のカフカにも若かない」 彼は暫く寝臺の上からかう云ふ自分を見下ろしてゐた。……
343 :
皆川博子 :2001/01/19(金) 21:54
白く硬いシーツを張った床に、グレゴール・ザムザはあおのいて睡っていた。一糸まと わぬ裸体であった。死者のように、その躰は硬直していた。ある種の美意識によって構築 された、完璧な構図だった。意識のない躰は、堅く丸い背中を下にして、その頭と胴から 先は固まったようにまっすぐ伸びて床から浮いている。 部屋に朝の光が差してきた。グレゴールは眼に焔をつきつけられたような気がした。彼 の眼には目蓋がなかったからだ。ふいに、睡りの底から引き出される。 彼は顔を上げる。自身の腹に視線を向ける。その先には、濡れたように艶を発する褐色 の膨らみがあった。弓を並べて伏せたような多数の節からなる腹。 まさか! 声が出なかった。ベッドに縛りつけられたように躰が動かない。 激しい戦慄がその全身を走る。夢の中の恐怖が現実になった。 彼は、巨大な毒虫に、なっていた。
344 :
ナイナイ@漫才 :2001/01/22(月) 07:22
岡村:どうもーナインティナインでーす。 そんなわけで頑張っていこうと思ってるんですけどもね… 矢部:そんなわけってどんなワケや。って岡村さん、今日スッゴク変ですよ? 岡村:このあいだ渋谷行ったんですけどね、 矢部:いやいや岡村さーん、さらっとネタに入らんといて。今日のアナタ変ですよ? 岡村:渋谷に109ってあるじゃないですか、 矢部:ハナシ聞いてへん(笑)。岡村さーん? 岡村:ナニがやねん!横からヤイノヤイノ言いやがって!僕のナニが変なんですか? 矢部:ナニがって、自分の姿見たら分かるじゃないですか? 岡村:(自分の体をじっと見る)それで109に行ったんですよ、 矢部:うわ!この人分かってない。しかも平然とネタの続きまでしよる。 岡村さん!もう一回自分の体見てください。ナンか変でしょ? 岡村:(もう一度自分の体をじっと見る)あっ…! 矢部:やっと分かったでこの人。ね?明らかに変でしょ? 岡村:そしたらその109の前にぎょーさん人がおるじゃないですか、 矢部:(はたく)ナニ涼しい顔してネタの続きやっとんねん!アナタ虫になってますよ? 岡村:そんなこと言われたかてしゃーないやろ!朝起きたらなってたんですし。 矢部:「朝起きたらなってたんですし」じゃあらへんがな。それになんやこれ。 うわっ!キモっ!なんか変な液体出とるで。 岡村:気持ち悪いとか言うな!そんなこと言われりゃボクのココロも傷つくさ! 矢部:(笑)何で東京弁やねん。 岡村:なんか昨日の晩えらく気色の悪い夢見たんですよ、そしたらコレさ。 矢部:全っ然意味分からへん。 岡村:分かるやろ!何で分からへんねん! 矢部:うわっ、逆ギレや。そもそも何で気色の悪い夢見ると虫になるんですか? 岡村:それは…(矢部をじっと見つめる) 矢部:(はたく)やっぱり分かっとらんやんけ! 岡村:けど虫になったら僕、背伸びたんですよ。 矢部:マジで!?何センチ? 岡村:ひゃくごじゅぅんにゃぅセンチ… 矢部:ナニ後半ぼかしとんねん!もうキミとはやっとれんわ。 関西人ではないので関西弁はかなり適当。
345 :
吾輩は名無しである :2001/01/22(月) 20:25
今回はネタはなしだけど、情報提供。 最近出た『パタリロ!』の最新刊?の71巻にパタリロ版『変身』が載ってるよー。
346 :
松本侑子 :2001/01/23(火) 21:23
朝、目覚めると、街の音がきこえた。ベッドに仰向けに横たわったまま耳をすましてい ると、車輪や沓の石畳を打つ音が、沸きたつお湯の声のように枕元まで響いてきた。 片手をついて体を起こそうとすると、グレゴール・ザムザは、手がなくなっていること に気づいた。彼は、一瞬、躊躇したが、苦笑しながら、寝相のせいで手が痺れているのだと、思った。 グレゴールは、反対側の手を試してみて、そちらも反応がないのに驚いた。けれど彼は、 その驚きの中で、おののきながら考えてもいた。 腹筋だけで起き上がれないだろうか。病気だったりすると困るな。 どうやら眠っているあいだに、なにかおかしなことが起きてしまったことに、うすうす 感づいてもいた。そして、おびえてもいた。 家族を呼ぶことを考えたが、思いなおして、ちょっと頭をもたげて、自分の体を見た。 褐色で硬質の光沢を持ち、膨らんだ曲線を描く、幅狭い板をたわめて並べたような虫の 腹が見えた。 かれは、巨大な毒虫になっていたのだった。 こんな恐ろしいこと、もちろん聞いたこともなかった。けれど、夢で見たような気がす る。 どうやって今朝は、虫になったとはいえ、ベッドを出たらよいのだろう。硬く丸い背中 でぐらぐらするばかりで、ちっともはかがいかない。いつものグレゴールなら、そんなこ と造作もないのに。
347 :
Morgensフランツ・カフカ(1920) :2001/01/25(木) 20:51
朝に浮上した。突然すぽんと悪夢から抜け出すような、いわばそんな感じで朝に浮上し た。家のなか、自分のベッドのうえ、家族と暮らすアパートの一室、敷き布団に仰向けで、 背中は丸くて硬く、しわのよった敷布のうえ、体の下半分に毛布を載せて目が覚めたのは、 いつもとおんなじと思えた。でもまあそれが無邪気な自己欺瞞だったとまではいえないだ ろう。実際にはいつもと全然違っていて、それからまた、そのあと気付くんだが、どでか い毒虫になっていた。褐色の甲殻を纏ったやつだ。胸をぼんやり見ると節また節がたくさ ん並んでて、冷たい光沢が膨らんだ曲線を描いていて、どう見たって蟲で、そいつが本来 人間の皮膚が見えるはずのところにでろんと転がってて、枕に頚を載せて顔を自分の腹に 向けて、ぎくっと驚いたとこだ。だがグレゴール・ザムザはもっと早く目覚めてたはずだっ た。彼は外交員の一人で、普段は会社から種々雑多の見本をカバンに積めて出掛けては次 の顧客を探してる。なぜ彼は目覚めるはずだったかって? とんでもなく朝早く汽車に乗 らなくてはならなかったからだ。ここで毒虫してる場合じゃない。
348 :
吾輩は名無しである :2001/01/26(金) 00:38
おもしろい!!
>>342 「のみならず」ちゃんとおさえてますねー
>>226 おいおい、本家邪悪板でネタにされてるぞ(^^;
関係ないのでsage
350 :
あんこ :2001/01/27(土) 18:36
おいっす。もいっちょ、おいっす。 今朝、すっごいイヤなユメをみたよ!そんで飛び起きたら、毒虫なんだよ!なってんだよ!毒虫に!イヤ〜ン。そこで虫の先輩であるところのスタパ兄さんにメールしてみたさ。したら「ていうか、虫でもよくなくなくない?」って、刷り込み説得攻撃。で、あっさり納得したさ。ていうか、あぁん虫サイコー!一生ついていくね。そんなわけで、餅月@毒虫です。体中の節もカワイイよ。でもネコが怖がって近づいてくれないよ。なんか、キーボードも心持ち打ち辛いカンジ。まだまだ6本脚に慣れてないんだね。先が指じゃなくて"カギ"(ふたまた)になってるから、HとKのキーを一緒に押しちゃってタイヘン! はっ。 なんか急に冷静になりました。ひとり部屋で、シコシコとこんな文書いてるのも、不気味なモンですな! 「花ぺXラジオ」もよろしくね。ていうか、おたよりくれ。
351 :
吾輩は名無しである :2001/01/28(日) 11:20
スレッド1から全部読みました。最高! ありそうでなかったのが、スティーヴン・キング。 誰かお願い!
352 :
佐藤哲也 :2001/01/30(火) 22:42
目を覚ますと暗い部屋の片隅で横になっていた。 夢の記憶は風化を待つ迄もなくひどく曖昧で、あいにくとその不安の由来するところを わたしは忘れてしまった。しかしながら記憶をかすめる恐れの微かな匂いは決して芳しい ものではない。 わたし、グレゴール・ザムザはその早朝の出立への思いに急き立てられて、身体を起こ そうとした。ところが頭を上げると灰色の天井は左右に揺らぎ、硬く丸くそして重い背中 を重力が引きずるままにくしゃくしゃのシーツに向かって倒れ込んだ。そして見たのだ。 目の端でほんの一瞬それを見て、心は忽ち竦み上がった。 驚きが去った後、恐れが静かに膨れ上がった。しかし初めは微かに、やがてはっきりと わたしの心から痛みは取り除かれた。寝床の冷たいシーツの感触は、なにか不可思議な存 在をあるがままに受け入れさせ、ひとを落ち着かせる。わたしは投げ出したままの頭を持 ち上げて、それから両の目ではっきりと見たのだ、自身の腹があるべき位置に仰向けに横 たわる途方もなく巨大な毒虫の腹を。 わたしは目を見張っていた。膨れた褐色の円弧が並ぶそれは、冷え冷えとして光沢を帯 び、生物の器官というよりは、むしろ鉱物を思わせた。
353 :
藤田宜永 :2001/02/01(木) 22:20
不快な目覚めが訪れた。 その朝、グレゴール・ザムザは、心の奥に、不安とも呼べぬ不安が宿っているのに気づ いていた。自分の躰が、つかもうとしてもつかめない水面の影のような、もどかしくも頼 りないもののように思え、しかたがなかった。 その原因が何であるのか、彼は何度も考えていた。 何かがおかしい。仰向けに横たわったまま、しばし天井を見ていた彼は、意を決して、 何とか躰を横にしてベッドを出ようとした。だが、両手は自由が利かない。躰の下に敷い てしまって、痺れてしまったのかもしれないと、自分に言い聞かせてもみた。だが、彼は、 その推測を信じることができなかった。 気を紛らせようとして、とりとめのないことを考えた。 夢を見、うなされた記憶は頭の隅に残っていた。 心に巣くう、とらえどころのない不安の原因が、そこにあるのではないか、と思ってみ たこともあった。だが、そうではなかった。 気力を取り戻した彼は、今度は一瞬、屈伸運動をしているみたいな姿勢で、頭を持ち上 げて、自分の腹を覗き見た。何かが蠢いている。 口からかぼそい悲鳴が出た。 褐色に丸く弧を描いた体節がたくさん並んでいた。その大きさが普通ではない。ほぼ自 分と同じ大きさだった。そして、それは自分の胸から続いていた。 胃袋が、何かきゅっと絞めつけられるような思いがした。自分の躰に恐怖を覚え、しば し、吐き気を覚えた。悪夢の続きを見ている。そうに決まっている。こんな馬鹿なことが 起こるはずがない。 これは夢ではないのか。頭が混乱をきたした。何かが狂っている。彼は、自分が悪夢の 中にいると思おうとした。しかしそれはほんの一瞬のことだった。自分の息に合わせてそ の虫の腹は上下していたことに気づいたのだ。彼は、やはり、これは現実なのか、と愕然 とした。 冷静さが少し戻ってきた。彼は、自分が巨大な毒虫であるということをなんとか飲み下 そうとした。
354 :
ヘンシンだけではヤナセない :2001/02/06(火) 23:03
朝目覚めたグレゴール・ザムザは全身が彼の意志に返唱せず身心が混信したようで、音信不通という感じだった。それで満身に電信を送りその所々の近信を、原因の片鱗だけでも知りたかった。返書なきものには三審四審争っても罰を与えようと思った。だがこの斬新な感覚に感心した彼の中の分身は返詞した。遍身のどこも返信できぬゆえ片言の短信程度の返簡さえ返電されず本審に至る迄もない。原審もありえない。この見解に片紙で雁信とて返翰するならそれは返抄となろうがその編首さえできまい、前審など前例あらば前信に倣うと返論した。 こんな反心に会うとは自分の心身の王国は甘心し殷賑を極むうち讒臣たる縉紳によって惑い人心を失ったのだ。その心神の遠心的部分いわば片々の民心は変質転進、すなわち変心した。そして郡臣中、賢臣は権臣たらず、諫臣の力及ばず、叛臣は振振とした。偏小なところでは、叛心抱く奸臣に唆されたり、偏芯した方向に転針した近臣や貪心な新進気鋭の田紳の如き賤臣から乱臣とし、懇親だった君臣の交わりを返還転身し、といった精神の変乱の三晋や前秦の王国の末期の如き翩翩たる変遷を遍年体風に編修編纂し編章したらと考えた。編者として篇章の篇首はと…。だがそんな偏執的な物は、先進というより前衛に過ぎ、どんな閑心持つ変人編集者も返本が怖く乗らなかろう。そんな編章は撰進に至る訳もないと意識は変幻した。大体これでは偏人だ。 何か持っていた病気が変症し変現したか。昨夜、片志をもって返盞を重ねたり献進に過ぎていない。食った点心か葷辛で調子が悪いのか。いやこれ以上散心での延伸は駄目だ。現身を律すべしと翻心した。三針において分針は漸進し短針は南進していよう。覚醒から実生活は寸進も前進していない。早朝の汽車に遅刻する。 彼は起床に専心し奮進した。だが全身の三振四振もベッドの上で仰臥のまま扁舟の如く揺れるだけだ。むろん敷布団に免振構造はない。翻身するが如く渾身の力を奮い自身の重力的円心へ向かって頭を擡げて躰を見た。 妊娠した腹のように膨れ、印信による如く似たものが片岩の連なりの如く沢山、硬質の天津甘栗の褐色の体節が森森と焔心のほのめきで部屋の薄明りを返照していた。それが彼の半身であって文身ではなかった。懸針様の脚が金針の如く蓁蓁と炎心の輝きを並べていた。部屋との比率からそれは褊少な虫の体躯ではない。睡眠時眼振中の認識ではない。初め半信半疑だったが興味津津見つめるうち、不調と思っていたものが、いわば前震を感震したに過ぎず今こそその本震と気づいた。深深と寒心が彼の意識に含浸し遍満した。 想いは駸駸と駆け巡った。自分はこうなる変種か? たとえば何かのきっかけ、変音階の三線や編鐘の音色で変身するような。そして禅心究めた東洋の坊主が褊衫を偏袒して金鍼や銀鍼あるいは管鍼を打つと治るような。こんな千辛万苦で報われる程陰唇の奥から現世に至る以前は悪い前身か?(軍神にそそのかされ線審に暴力を振るうとか?)それとも誕辰の三辰が悪かった? 単親でないことに感謝や参進が不足ゆえ尊神に欠けるとして見神を促すため? 悪霊蕃神による肉体騙取? 丹唇美しき人に片思はあっても、春心も姦心にも染心は寸心の潭心に、いや浅深を問わずその版心迄も読まれればあったかもしれないが、蛮神につけ込まれることはない。こちらに非のある返品や返金に応じなかったこともない。敬神深信な家でもないに偏私されても困る。偏食は躰を変色させるかも知れないが、こんな体質変換はない。短身なら我慢もする。医師の検診もこの躰でどう問診を受けるか。仁心ある医師も聞診に躊躇しよう。尊信篤く以心伝心の間柄でなければ。探針で甲殻の下の俺を検真できるか。今ぽっくり逝っても変死にさえならぬ。汗疹の心配はないが。意思は陰森に迷うようだ。もし心のゲージがありそれを検針すれば、その銀針は嵐の日の片雲の如く早く、風に玩ばれ翩翻とする旗の如く激しく振れたろう。 彼は安心を奪われたが乱心できず自省に潜心した。厳親たる父の事業失敗以来、学業を残心なく捨て、勘進によらず単身善心をもって丹心をこめ三親に献身とは偏信であり、自らの歓心を買うに過ぎず慢心か。塵心持たずして春信のように純真また錦心とはいえ運針もできぬと近親たる妹を誹ったり、または負債返金のため資産を失い自ら謹慎の両親と尊親に悖る如き存心はなかったか。肥大した自尊心の齎す偏見いやむしろ奸心があったか。彼の天真の人身を扁円形断面の多数の体節と多数の支点を持つ変温動物たる巨大な毒虫にしたのは、そんな異なった視点に無関心だったからか。韓信の股潜りを地でいっても、こんな躰は返進したいと岑岑たる頭を抱え本心から願った。他人より沈深より偏勝たるものを持たぬ凡身の俺には甚深に過ぎる。天心に善神はないのか。
355 :
小林よしのり :2001/02/12(月) 09:57
朝起きたらわしは毒虫になっていた。 秘書のカナモリもチーフ広井も中卒のポカQもわしを見るなり一目散に逃げていく。ふびんである。 しかしなぜわしが毒虫になっただけで逃げていくのか。 人間と言うのは生態系の頂点に位置する生き物であるが、それ自身は見を守る武器を持っていない。 それどころか戦争が危険視されている今、身を守る武器を持ってはいけないことになっている。 つまり怖いのだ。自分にはない武器を持っているわしが。 まあ、そう考えると、カナモリたちが逃げたのは間違いとは言えない。 もともと、生物というのは、多種と共存できないのかもしれない。 特に人間は、同種で争う生物だからな。 しかしわしは人間でなくなって改めて思うが、生態系の頂点に立つ生き物として今必要とされるのは共存への道ではないだろうか。 わしは神など信じないが、もしかしたらわしが毒虫になった原因も、神と呼ばれるものが人間を試すためにしたものかもしれない。 ごーまんかましてよかですか。 人間ども、今こそ共存の扉は開かれたぞ。わしが怖けりゃ鎧でも着ろ。
356 :
素人 :2001/02/12(月) 10:04
ココの奴の文ってさ、なんかチマチマしてて言葉遊びでつまんないんだよね。 ただ言葉並べてるだけってカンジ。こんなんやってちゃ売れるはずないよね。 だってつまんないんもん。そこんとこは、どうなの?はは。
>356 今のノルマってどれ位?
358 :
マルグリット・デュラス :2001/02/13(火) 21:27
一頭の多脚類。 それは仰向けに横たわっている――ベッドの、シーツの上で。ベッドは普通の人間用で あり、時刻は早朝、時の経過はまだ緩慢。 躰を真っすぐに伸ばしてその蟲は横たわっている。 その体躯は人間とほぼ同じ大きさである。それは硬質の膨れた曲線を描く褐色の甲殻の 連なりで覆われている。 それは目覚める。 それは身じろぎする。その頭をもたげて、自分の腹を眺める。 伏せた弓形の弧を描いて鈍く光を反射する縁が、連なって遠ざかっている。 遠くに壁と腹に掛けた毛布。腹の両側に蠢く多数の脚。その蟲は夢見が悪かったことを 思い出す。さらにグレゴール・ザムザという、人間の男として、服地販売外交員として早 朝の汽車に乗るはずであることを思いつく。 かれは辺りを眺める。 脇にあるテーブルには商品サンプルが前夜出しっぱなしのまま。壁には自作の額に雑誌 から切り取った美人画。これら事物により、グレゴールは自分の部屋を確認する。さらに また自己を同定する。時刻を確認し、寝坊したことに気づく。
359 :
吾輩は名無しである :2001/02/14(水) 04:30
誰かヒップホップのノリで。
360 :
って、ジャズだけど :2001/02/14(水) 11:47
血が熱い鉄道ならば 走りぬけてゆく汽車はいつかは心臓を通るだろう 同じ時代の誰かが 地を穿つさびしいひびきを後にして 私はクリフォード・ブラウンの旅行案内の 最後のページをめくる男だ 合言葉は A列車で行こう だ そうだ A列車で行こう それがだめなら走っていこう 寺山修司
361 :
↑ :2001/02/14(水) 12:03
すまん、スレがちがってた。
362 :
吾輩は名無しである :2001/02/15(木) 23:33
ブルトンの『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』風きぼんぬ。
363 :
ぼんじゅー毒虫 フランソワーズ・サガン :2001/02/16(金) 23:37
驚愕と粘液がつきまとって離れないこの慣れない異形を、毒虫という何も示さないあり きたりの名で呼ぼうか、わたしは迷う。その異形はあまりにも人間とはかけ離れ、知る限 り唯一無二の個人的体験であって、わたしはそれをほとんど恥じている。ところが、わた しはたくさん脚がある蟲たちに興味はなかったのだから。わたしは異形への変身というも のを信じていなかった。けれども、いもむしがさなぎになって、やがて蝶になるのは知っ ていた。今は、うんざりするほど脚がおおく、硬い甲殻がわたしの肉体を包み、わたしを 他の人たちから離れさせる。 その朝まで、わたしは人間の男性、グレゴール・ザムザだった。そしてわたしは、その ころ少しばかり不幸だったかもしれない。そのアパルトマンには、わたしのほかに父母と 妹のグレーテがいた。そのほかに、通いのメイドがいた。そうだ、この不思議な体験のま えに、すこしばかり背景を説明するべきかもしれない。わたしは外交員で、若く独身だっ た。父は、壮年を過ぎ、事業に失敗して以来、すべてに希望を失ってしまった。それで、 わたしは、学業を中途で捨て、服地の販売員として、勤めに出ないわけにはいかなかった。 そうして、その朝は地方の得意先を廻るべく、早朝の汽車に乗らねばならなかった。しか し、不安な夢からの目覚め、この新しい、異様な身体、そしてわたしの寝坊が、平凡な生 活から逸脱させていった。わたしはベッドの上で、身体を真っすぐにのばし、いつも右を 下にして寝ているはずだのに、背中を下にして横たわっていた。わたしは苦労して、頚に 力をいれることで、自分の腹を見ることができた。なぜなら、硬く丸く重い背中のせいで、 ぐらぐらするばかりで、わたしはどうしても起き上がれなかったからだ。わたしは、遅刻 以上の驚きやおそろしいという認識はしなかった。その認識の初め、目の前にあったのは、 褐色で膨れた曲線を持つ、境目はくびれた、たくさんの体節が、連なって遠ざかっている ことが、わたしの目の前にあるということだった。
364 :
ぼーずぅ :2001/02/16(金) 23:43
俺は死んだ。さあれ、されど、しかし。 足元に転がったビンを、割れたビンを見て。 呟いた。 「神よ、俺はアンタに殺されちまったな。はは」 そうだ、神も、しんだのだ。殺された俺の華百合と共に、死んだのだ。
365 :
ぼーずぅ :2001/02/16(金) 23:44
やがて風は吹く。されど人は去りぬ 純粋な光は闇夜と共に消えていった。
366 :
スティーブン・キング :2001/02/21(水) 20:38
その事件が起きたとき、当の本人だけは本心から驚かなかった。うわべはともかく、変 わってしまった彼自身の成長しすぎた硬質の甲殻のしたの意識にしては彼は驚かなかった。 表面的には、彼はショックを受け、興奮し、焦り、あるいは社長の不興を買うかもしれな いと単純に不安になった。なかでも本当に驚いたということが寝坊したことだったうえ、 出勤することに拘泥した。グレゴールはごく平凡な最近零落した家の若者として外交員を してきたので、こういった傾向はそのときでさえ、人間の性質を支配するところの惰性に よって、以前のからだと今のからだの違いを知りながらも、まったく変わらずに、出勤す べく努力したのである。 ただ彼ひとりだけ気づかなかったのは、いうまでもなく、グレゴール・ザムザの変身し た巨大な毒虫を見た誰もが不快に思うことだった。 早朝のその部屋には蹄や靴音や、鉄路のきしり、その反響などの音が侵入してきていた。 グレゴールははっきりと覚えていない悪夢から目覚めたばかりで、寝起きとしてはあまり 愉快な気分といえなかった。 彼は、ベッドのうえで背筋をのばして、仰向けに横たわっていた。まるで、大きくなり すぎたヤスデの死骸というところだった。背中も腹も膨れた曲線を描く硬そうな褐色のた くさんの体節を持っていて、その両側にたくさんの細かい脚を持っていた。 彼が自分の変身に気づいたのは、その頭をもたげて自分の腹を見たときだった。
367 :
名無しさん@1周年 :2001/02/21(水) 21:35
368 :
吾輩は名無しである :2001/02/22(木) 20:52
age
369 :
しゃこ :2001/02/27(火) 00:32
ギブ寸やったやついねえの?
いたよ。黒丸訳で。
371 :
戦え! 軍人くん :2001/02/27(火) 21:34
1)グ:どわわーっ! ――朝起きたら巨大な毒虫になっていた。 2)将:おはよう! グレゴールザムザくん。今日から君は褐色の装甲を持つ強化毒虫兵 に生まれ変わったのだ。このとおり丸い傾斜装甲で弾を跳ね返す 効果音:ぱんぱんキンキン グ:うわっ うわっ 3)将:もちろん角度によっては撃たれてしまう 効果音:ぱんぱんプスプス グ:いてて いてて 4)将:でも翌朝には回復してしまう 効果音:けろり グ:ほんとだ 5)将:食事も残飯で充分 グ:えぐっ、えぐっ(涙) 6)将:ただしリンゴが弱点 グ:ええっ? 7)将:リンゴを打ち込まれるとな 効果音:どすん グ:うぎゃあ!! 8)グ:しょ、しょおぐん… 将:死んでしまう。…あ、しまった。銃を持てないじゃないか
372 :
しゃこ :2001/02/27(火) 23:17
>370 で、出来はどうだった? 見たいけど探すのめんどいな。
373 :
ぼうず :2001/02/27(火) 23:22
「すいませんしにます」 文体模写スレッドの皆さん今までありがとうございました。 そういって奴は逝った。 よし、そろそろ俺も逝くとするか・・・ がちゃ
374 :
吾輩は名無しである :2001/02/28(水) 13:03
375 :
しゃこ :2001/02/28(水) 23:06
>374 ども。でもルビの見方がわかんない。
376 :
吾輩は名無しである :2001/02/28(水) 23:29
半年ぶり?
うう、まだ生きている。 なんていうことだ!! 悪夢はまだ、消えない・・・
378 :
>377のしにかけ :2001/03/02(金) 22:26
何かあったのか? 気になるからそれを書いてから逝け。
379 :
吾輩は名無しである :2001/03/06(火) 04:28
面白かったのでage
380 :
キチョム :2001/03/08(木) 21:48
あんなー朝なー目え醒ましちかんのー。かだらがどーかしたよーごたるきい、起ききら んのじゃ。ざまねえうーけんごたるかもしれーんちおむうたんじゃ。てーげーわしゃーか だらのみぎゅう下ん寝ちょんじゃがのお、こん朝あ仰のきいなっちょんじゃ。そひちかん、 なしかぁち思ーちけえのーコーベあぐちみたんじゃ。こんねきい油塗っちゃぐったよーに 照かりよる茶いれえまりいもん、がとんなこつ並んじょるきい、おとろしゅーたまがっち もーた。寝つるうちい、こげえでけえ虫い呑まれよったんかのー。ほんじゃあち、逃りょー ちずっちみた、したらな、わしゃーいごくとそん虫いついちきよる。どげえむこげえむね えわしゃーグレゴオルダムダじゃけんど、わしゃー虫いなっちもーたんじゃ。 ちゃー、にいちゃん、まーたそげーらっしょもねえすらごつぬかしちょお。じゃけえよ そんし、にいちゃんんこつほげキチョムち… っんだあ、うなー、きょーでーでむゆうちむいーこつとぅ、ゆうとぅむしれーこつあん のじゃぞ。ちーくらーすぞー。
381 :
>380 :2001/03/08(木) 23:57
ウザい文かくなボケ
382 :
偽紫田舎源氏 :2001/03/10(土) 02:42
三月十日 小雪 未明、蟲ニナル。 腹部褐色ニシテ、割裂。 起床セント奮起スルモ、叶ハズ。 リンゴ。 三月拾壱日 晴れ 午後、壁伝ニテ徘徊。 触手節足にして、カツレツ。 リンゴ。 三月拾弐日 曇り、後小雨。 已然、蟲ナリ。 リンゴ。 三月十三日 毒液紛紛セリ。リンゴ。 三月壱拾四日 リンゴ。 三月壱拾五日 リンゴ。 三月拾六日 リンゴ。
383 :
偽紫田舎源氏 :2001/03/10(土) 02:53
↑ 断腸亭ね
384 :
新井素子@偽紫田舎源氏 :2001/03/10(土) 03:20
…あ、むし。 変なの。 俺、虫になってる。お腹のあたりが、妙に…もぞもぞして。 濃密な不快感。貼りついたように..そう、ベッドの上で。 身動きができない。 ちょっとだけ、もう、少しだけこのまま…。 丸まって。胎児の格好で。 ちょっとだけ、もう、少しだけこのまま…。 * * * * * * * * * * * * * * * * 気がついたら、やっぱり虫だった。俺。 わお!!笑っちゃうよな。ったく。 おーし。 大きく声に出して。開き直ってみる。 濃い茶褐色の、固い殻に覆われて、俺。 思いっきり、伸ばしてみる。足、つっても、虫なんだけどね。 とにかく。 俺は、虫だ。 不思議なくらい、満ちてくる、強い感情。 軽く目を細めて。つっても、複眼? んー。…煙草、吸いたいな。
385 :
吾輩は名無しである :2001/03/14(水) 01:21
age
386 :
吾輩は名無しである :2001/03/17(土) 02:50
sage
387 :
花田清輝 :2001/03/17(土) 13:27
カフカによれば グレゴール・ザムザは虫になってしまった ということであるが、 はたして彼は彼の肢体を 複眼で見たのだろうか、それとも 単眼でみたのであろうか。 まあ、そんなことは実はどうでも良いのだ。 彼にとって虫になったと思っていることが罪であり、 それ以外の何者でもないのだ。
388 :
坪田譲治 :2001/03/19(月) 21:13
ある朝のことです。グレゴール・ザムザさんが目を覚ますと、からだの調子がどうにも おかしいのです。いつもはからだの右がわを、下にして寝ているのですが、けさは背中を 下にしています。それだけにしては、どうもヘンなのです。 それで、どうしたことだろうと思って、自分のからだを見ました。すると、茶色くてつ やがあって、上に丸く曲げた、はばのせまい板のようなものが見えました。その板は、足 元から首のすぐ下まで、海の波のようにたくさんつらなっているのでした。どうやらもの すごく大きな虫のからだのようです。 グレゴールさんはびっくりしました。これは眠っているあいだに、大きな虫に呑みこま れてしまったのだろうかと、グレゴールさんは思いました。そこで、からだをひねってそ の虫から逃げようとしました。ところが、その虫がついてくるのです。どうやら、眠って いるうちに大きな虫になってしまったようです。 「いやいや、そんなはずはない自分はグレゴール・ザムザのはずだぞ。」 と、グレゴールさんは思って、妹にその話をしました。 しかし、妹はとりあいません。 「兄さんはまた、そんなおかしなことをいうから、きっちょむさんとみんな言うんですよ。」 これを聞いて、グレゴールさんは言い返しました。 「世の中には、言っていいことと、言うとおもしろいことがあるのだぞ。度が過ぎるとぶ つよ。」 < けーつまらん、吉備ンしのくスぃスカシよっち、わしん話が死んじょるじねーか。 < にいちゃん、そげえゆうちもなー標準語じねえとよそんしにゃ筋さえ見えんじゃろお。 < なんなーエーゴは良くち野津ぅ言葉はいかんちゆーか。そげえすもつくれんしは読ま んでもよろしいッチ。
389 :
ドラクエ3 :2001/03/20(火) 13:22
おきなさい。 おきなさい。 わたしのかわいい ぐれごる や・・・ (でどでどでどでどどぅーえ) おきのどくですが あなたは どくむし になってしまいました。
390 :
吾輩は名無しである :2001/03/20(火) 14:36
391 :
町田康 :2001/03/20(火) 14:39
起きたら、虫だった。ってんで慌てて四畳半を独楽踊り、暫し。
392 :
吾輩が名無しである :2001/03/20(火) 19:32
亀レス(亀感想)で申し訳ないが、
>>384 (新井素子@偽紫田舎源氏 )は面白い。
実は新井素子というのは1冊も(1行も)読んだことがなく、
この模写でどんな内容、文体の作品かが分かった(気分になった)。
貴重な金と時間を使ってまで読むようなものではないというのが結論。
偽紫田舎源氏さん、責任とってね。(w
最終行「んー。…煙草、吸いたいな。 」は、秀逸。
393 :
偽紫田舎源氏 :2001/03/20(火) 23:33
>>392 レス、どうもありがとう。
>貴重な金と時間を使ってまで読むようなものではないというのが結論。
ほんとうは、「女の子」のモノローグが延々つづくものが本道だろうと思います。
立ち読みしてみてくださいね(爆)
394 :
小池真理子 :2001/03/22(木) 21:45
グレゴール・ザムザが目を覚ました時、プラハの街は既に朝の営みをはじめてしばらく たっていたらしく、部屋の中にも車馬の音は侵入していた。 グレゴールはあくびをして身体をベッドの上で伸ばした。まだ少し、頭がくらくらした。 寝ていた時、よっぽど汗をかいたのか、全身にべとつくような感じを覚えた。夢見が悪かっ たような気がする。だが、それだけではない、と彼は思った。 何かがおかしかった。いつもの朝の通り、ベッドの上にいる。いつもは身体の右側を下 にしているが、今朝は仰向けになっている。それ以外、どこといって変わったところはな い。 なのに、どうして。何が起きたというのだろう……とグレゴールはまだベッドの上で起 き上がらないまま思った。本当に疲れているのかもしれない。少し、休暇でもとって家族 とのんびりできたらいいのだけれど。 ふっと自嘲気味に笑い、額の生え際を指で掻こうとしたその時。グレゴールは説明しが たい違和感を覚えて身体の動きを止めた。 彼は意識を集中して自身の腹の方を窺った。 褐色で硬質の艶の縁が、丸く膨れた曲線を描き、ベッドのフットボードに向けてたくさ ん、連なっていた。グレゴールはわけがわからなくなって身震いした。 その時、グレゴールは自分がただならない状況にはまりこんでしまったことを初めて理 解した。彼が見ている巨大な虫の身体が身震いした! グレゴールは巨大な毒虫になって いたのだ。
ある朝、グレゴール=ザムザが不安な夢からふと目覚めてみると、 ベッドに自分の手足が縛りつけられているのに気付いた。 「へっ、お上品ぶった毒虫にはお似合いだぜ」 「なんですの?これは。何かの悪い冗談ですの?」 ザムザは固い甲殻の背中を下にして、仰向けにされ両方の手足は 特殊な用具でもって大きく広げられている。足は大きく広げられ 水色の襦袢がはだけて秘所が今にも見えんばかりである。 昨日ザムザは所用で銀座に出たのだが、そこで夫の友人の木村に 出くわしたのであった。木村の素行については、常々よくない噂を 耳にしていたザムザは挨拶を済ませて早々に立ち去ろうとしたのだが、 どうしても相談したいことがある、銀座では人目につくので私のマン ションまで来て欲しい、何奥さんの家とは目と鼻の先ですお時間は 取らせませんよ。と無理に乞われて渋々タクシーに乗り込んだので あった。 「昨日夜はお楽しみだったな。え?奥さんよ。俺の手練で何度も何度も 気をやってたじゃねえか。覚えてないならもう一度教えてやろうか。」 「およしになって、木村さん、堪忍して。」ザムザは力なく嫌々をして 頭をもたげると、まるく膨らんだ乳房の向うに、褐色の、弓形に反り 返った固い肉棒がザムザの秘所をかき分けんとしていた。 「お、なんだ奥さんのここは。嫌がってるようでも実は俺を迎えたがって 蜜があふれているぜ。」 木村は一気に腰を深く入れ、昨夜と同じザムザの吸引力にますます木村 自身を固くしてしゃにむに腰を前後させだした。。。
396 :
吾輩は名無しである :2001/03/24(土) 00:51
↑秘所あげ
397 :
×―ペケ― :2001/04/02(月) 22:14
■ほかほか家族 第3巻P.98でヤモリに「変身」はあるんだが 1)晃:うわぉう! ――朝起きるとオレは大きな毒虫になっていた。 2)鈴:なあにー? 朝から城司お兄ちゃんたら、晃司お兄ちゃんのベッドで何してんの? 3)城:鈴妥 オレがどうしたって? 鈴:あれえ、城司お兄ちゃんがふたり? 4)晃:。oO(確かに、これが扮装なら城司のキャラのはずだが…) ■ルイルイ グレゴールひとりごと多過ぎ、ねこ神さまとカブってるし、ツメ甘いし 1)グ:あああ、明日は始発で出張かよ。ったく、病欠しただけで社員の自宅まで確認に来るくらい社長暇ならてめえも営業すりゃいいんだ 2)グ:疲れてんのにな。支度は朝でいいや。もう寝よう。ちぇ、毎日ぐーたらできたらなー 3)ル:えイ! 4)グ:ぐわわーっ! 電気蚊取り薫いてるのに虫に変身かよ ――朝起きたら巨大な毒虫になっていた。 ■ぼくの保健室へようこそ あ、こっちのグレゴールは学生だよ 1)グ:おはようございますー 先:なんだ? ずいぶんでかい毒虫だな 2)グ:グレゴール・ザムザですよう。朝起きたらこんなんなっちゃって… 3)先:ほう、ぼくもまだ毒虫を相手にした経験はないが 4)先:この膨らみ、滑らかな…このくびれが…ちょっと待て、今、服脱ぐから グ:さっさいならー ■イナバ これってやっぱり盗作… 1)先:今日から一緒に勉強することになったグレゴール・ザムザ君だ グ:ザムザです。ドイツ語もしゃべりますが、チェコから来ました 2)生A:。oO(どでかい蟲? 褐色の甲殻。丸っこいのがいっぱい連なって…) 生B:。oO(床這ってる。脚いっぱい…しかし、イナバのこともあるし…) 生C:。oO(ロボットかな? キグルミにしちゃ…) 生D:。oO(こんなのが高校の授業受けて…どっきりカメラ?) 3)先:。oO(みんな口に出さない? 変に見えるのはオレだけ?…来週有給取って医者に行こう) 授業を始める…こうやって冷たいビーカーの尻に樟脳を暖めてできた蒸気をあてると… 4)生C:先生! ザムザ君アワ吹いてます 一同:ホッ。oO(しかし、そういう問題なのか?) [どこがイナバ…]
398 :
吾輩は名無しである :2001/04/03(火) 01:38
399 :
遶句次縺医j縺? :2001/04/03(火) 01:53
縺ゅk譛昴√*繧縺悶■繧?繧薙′襍キ縺阪k縺ィ縺ェ繧薙□縺区乖譌・縺ィ驕輔≧縺薙→縺ォ縺阪▼縺阪∪縺励◆縲? 縲後≠繧後∞?シ溘崎?ェ蛻?縺ョ蟋ソ繧定憶縺剰ヲ九k縺ィ縺翫→縺、縺?蠎ュ縺ョ繝悶Ν繝シ繝?繝シ繧ク繝シ縺ョ縺昴?ー縺ァ隕倶サ倥¢縺溯勠縺ォ濶ッ縺丈シシ縺ヲ縺?縺セ縺吶ゅ♀豈阪&繧薙′縲梧ッ偵′縺ゅk縺九i隗ヲ縺」縺。繧?縺�繧√h縲阪▲縺ヲ險縺」縺ヲ縺溘¢縺ゥ窶ヲ縺悶?縺悶■繧?繧薙?ッ荳牙ケエ蜑阪♀縺ー縺ゅ■繧?繧薙↓雋キ縺」縺ヲ雋ー縺」縺溷ァソ隕九〒閾ェ蛻?繧偵≧縺、縺励※隕九∪縺励◆縲?
400 :
吾輩は名無しである :2001/04/07(土) 01:49
あげ。400ゲット。
作家本人が書いてたりして・・・
402 :
中沢けい :2001/04/09(月) 22:35
目を覚ますと、部屋は白っぽい朝の色に染まっていた。いつもと同じベッドの感じが しなかった。ぼうっと、どうしたのだろうと私は思案した末、壁やテーブルの上に異常を 探したが、昨日、ベッドに潜り込んだ時とちっとも変わらない。狐につままれた気分で、 考えることは嫌な夢の中にころがりそうで、切れ切れになってしまう。妄想と実際のこと がごたごたに混じり合ったようで、判別がつかなくなっていた。事実、私の頭はこんがら がったままで、自分が何をしなければならないのかさえ、はっきりと理解できずにいた。 何の気なしに起き上がろうとして、若い男性グレゴール・ザムザの身体を予測し、自分 の胸を見た私はぽかんとした。顎を引いて覗き込んだ腹は褐色に輝いていた。その輝きは 磨き上げられた馬や金属のではなく、古い大事に手入れされてきた家具に似ていた。褐色 の波が中央を膨らまして遠くに連なっている。私は身動きもせず仕事のことも忘れていた。 その褐色の波の光沢が視線の先で規則正しく動く。そのリズムに合った湿り気をおびたか さこそという音がかすかにした。私が息を吸ったり、はいたりする度に、なにかと思った その音はシーツのたてるものだったことに気付いたが、それと知るまで自分がどうなって いるのかさえ解らなかった。 頭の中の大混乱のうちで、はっきり目覚めて解ったのは自分が巨大な毒虫になって しまったという事実だった。
403 :
マルクス『共産党宣言』 :2001/04/22(日) 15:03
一匹の巨大な毒虫がヨーロッパを徘徊している−−グレゴール・ ザムザという毒虫が。 およそ反体制勢力で、体制側から毒虫だと罵られなかったものが どこにあるだろうか? すなわち、グレゴール・ザムザは、ヨー ロッパのすべての体制から、すでに一つの毒虫と認められている。 今朝こそ、その固い甲殻の背中、その褐色の弓形の固い節で分け 目を入れられた腹部を公表し、彼らの勝手気ままな毒虫の怪談に 向けて、毒虫自体の宣言を示す絶好の時期である。 この目的のために、あまたの国籍の巨大な毒虫がロンドンに集合 し、次の宣言を起草した。 第1章 ザムザと非ザムザ 今日までのすべての毒虫の歴史は、変身の歴史である。 (中略) 毒虫は、これまでのあらゆる社会秩序を暴力的に転覆してのみ 自己の目的が達成されることを、公然と宣言する。支配階級よ、 恐れおののくがいい。毒虫は、この変身において、鉄鎖の他に 失うべきものを持たない。彼らの得るものは、全世界である。 万国の毒虫、団結せよ!
404 :
【きょうの森総理】 :2001/04/22(日) 19:27
記者 総理、今朝の腰の具合はいかがですか。
首相 うるさい。
記者 総理失礼します、ちょっと背中が固いように見えるんですが。
首相 歩きながら話はしません。
記者 総理、お腹が丸くふくらんで・・・
首相 (質問を遮り)歩きながら話さないことに決めています。
記者 総理、よろしいでしょうか。
首相 よろしくない。
記者 質問します。
首相 質問は受けません。
記者 宮内庁が皇太子妃懐妊の兆候を発表しましたが。
首相 おめでたいことですね。うれしい限りのニュースです。
記者 総理、お腹が弓形の固い節で分け目をいれられたように・・・
首相 (質問をさえぎって)歩きながらそんな話できないでしょ。
記者 褐色の腹部が・・・
首相 (質問をさえぎって)話しません。
記者 節目の・・・
首相 (質問をさえぎって)何にも話さない。
記者 腹部なんですが・・・
首相 (小声で)・・・。
記者 今何と?
首相 独り言。
記者 総理、お話よろしいでしょうか。
首相 だめ。
記者 総理・・・
首相 今ちょっとやめて。考え事してる。大事な考え事してる。
(4月19日午前8時57分ごろ、首相官邸で)
(参照
http://iij.asahi.com/politics/mori/today/index.html )
405 :
吾輩は名無しである :2001/04/23(月) 09:22
もりageる
楽しい!! がんばって!!
407 :
吾輩は名無しである :2001/05/01(火) 01:52
408 :
吾妻ひな子 :2001/05/02(水) 20:17
……また、わたしが♪ノンキダネ♪ですまそうとしてると思ってんでしょう。いっつもいっつも、わたしだって、そんなことですむとばかり思ってるわけじゃありません。こないだなんか、朝起きたら、手足が強ばってて起き上がれないんですワ。いやもうわたし引っ張りダコなもんですから…ここ何年も休みなく昼夜働いて疲れが出たのでもありません。…わたしまーだまだ若いんですから。…夜ねてるあいだにいい男衆にでも追っ掛けられる夢でも見てそこらじゅう飛んで逃げて節々痛くなってるのかもしれません。ひょっとしたらこないだ読んだお話みたいに♪朝ァ起きたら、ぐれごるざむざはドデカイ毒虫なあてーたと。これで仕事はチャラになる/ハ、ノンキダネ♪てな具合に夢見が悪くって、毒虫に変身してるのかもしれない。ってんで、頭ァあげて腹を見たんですが、胸がじゃまで見えないんですワ。お着物着てるとチョットわからないでしょうが、これで脱いだら出るトコ出てるんですワ。すごいんですってぇのはちょっとばかり時代が違ってますけどネ。マ、どうせソラゴトですけど。♪ハ、ノンキダネ/あること、ないこと、女放談、ようこそ御辛抱(ごしんぼ)いただいて/これで日当できました/ハ、ノンキダネ♪
409 :
中勘助 :2001/05/08(火) 20:53
次に軽く跳ね出たのは雀だった。茶の帽子を粋に前に傾げてかぶり、黒いほおひげとあごひげ、淡い灰色のシャツに茶のジャケツを羽織った街のいなせな兄さんである。 「おれはチェッコのプラーグから来た。その朝もほかの朝とどうといって変わったことはなかったんだ。いつもとおりの高みに止まって、空にそちらのこわい兄さんがたあいねえか、下の街になんか面白いことでもありはしねえか と眺めていたのさ」 雀はちらと猛禽の席に目をやって頚をすくめた。 「そのいつもの高みってのがシャルロット街って筋のアパルトマンのとある窓枠だったんだが部屋の中がどうもいつもと違った。いつもならグレゴール・ザムザって若え男が寝ているはずだ。だがね、その朝はどうしたわけか、その男のかわりにでっかいこげ茶の毒虫が仰向けに寝てる! いやこんなでかい虫はついぞ見たことなかったから、おれはまじまじ見たね」 雀は黒い目をつぶって間を置いた。 「そのあとも、そんな虫は見たことがない。おおよそ人と同じ大きさなのさ。艶のある膨れた腹に横にたくさんの節が入っていて、その両側にたくさん脚がもぞもぞしてるとこなんざ、よく地べたでおれらに食われるのを待ってるやつらとそっくりさ」
410 :
ギュンター・グラス :2001/05/14(月) 12:55
……そしてある朝、グレゴールがすでに服地の外交販売員として働くようになってからだが、かれは自分のベッドの上で寝ていた。かれは郊外への出張のため始発列車に乗らなければならなかったのに、起床することができなかった。なにやらはっきりしない悪夢からなかなか目覚めなかったからだ。ごく自然に目覚めたときにはもう遅刻していた。一頭の巨大な毒虫がかれのベッドに仰向けに横たわっていた、そのほかにはだれもいない。その毒虫の胴体の中央からフットボード側は毛布で覆われていた。その毒虫はかれの変身した姿で、つやのある褐色をしていた。グレゴール・ザムザは仰向けで目覚めたことに奇妙な感をいだいた。時計の針は前進していた。時間はもう始発の出る時刻になっていた。かれはひどく焦ってしまって、起き上がろうとした。彼は力んだが、それを果たせなかった。シーツの上で丸く硬い背中を下にしてぐらぐらするだけだった。かれの目にはヘッドボードと天井が上下を繰り返すだけだった。いまだにそのベッドの上では巨大な毒虫が仰向けのまま腰を曲げたり、いらいらと脚を動かしたりしていた。かれは頭をもたげた。甲殻の胸を何本もの横線が膨れた曲線を描いて横切っていたが、その毒虫の身体の認識程度では遅刻に対する焦燥感を追い出すことはできなかった。
411 :
吾輩は名無しである :2001/05/14(月) 14:27
すげーね、ここ。
412 :
吾輩は名無しである :2001/05/18(金) 16:50
age
413 :
吾輩は名無しである :2001/05/19(土) 01:56
中学の時読んだ、色んな文体で雪国やってるの思い出した。あげ。
414 :
鳥肌実 :2001/05/19(土) 02:47
グレゴール・ザムザ 42歳 毒虫です 褐色のファッションリーダーです 朝日の中で銅像です 触覚は私の性感帯です ギチギチ音を立てました 裸には自信があります 失敬だな!君!毒でもくらいたまえ! 樹木に向かって敬礼!!
418 :
司馬遼太郎 :2001/05/21(月) 15:36
グレゴール・ザムザという男がいる。 かれの人生の変化は、不安な夢からめざめたある朝、自分が大きな毒虫に変 わっているのに気づいたときにはじまる。 異形、といっていい。 かれの背中は固い甲殻と化し、腹部には、弓形で固い褐色の節による分け目 が刻み込まれていた。みずからの運命におどろきつつも、 「不安な夢」 という、一種玄妙なことばでもって、自らの生き方が激変する予兆があった ことをいいあらわしているところに、このザムザという男のおもしろみがある。 「毒虫」 とはなにか。 その前に、そもそも人間にとって毒とはなんであるかをかんがえなければ、 かれの運命を理解することはできないであろう。 ここで、 「毒」 というものの歴史的な意味について、すこし触れたい。 健康やからだに害を与える化学物質、と定義すればそれまでであるが、古今 東西の歴史の中で、毒が重要な役割を果たした例はかぞえ切れないほどある。 「悪法も法である」 というソクラテスの有名な言葉は、かれが呷った毒杯の存在とともに人々の 記憶にのこっている。 慶応二年、大の長州ぎらいであり、保守派でもあった孝明帝が崩御した時、 岩倉具視には 「かれが孝明帝を毒殺し奉ったのではないか」 という疑いがのちのちまで向けられた。むろん噂の域を出るものではないが、 もし毒殺が真実であったとすれば、日本の歴史の中でこれほど大きな意味をもっ た毒はなかったであろう。孝明帝の崩御により、歴史は倒幕へと向かって大きく 転回することになったからである。 さらに、 「毒」 についての余談をつづける。 新選組の成立については、 「毒をもって毒を制す」 と江戸城殿中でささやかれていた。文久二年の暮から同三年の初夏頃にかけて、 京では天誅と称する暗殺が流行し、佐幕家とみなされた多くの連中が浪士たちの 襲撃を受けた。そうした過激浪士たちを幕府は、新選組という、非常警察権を持 つ超法規的組織によって制圧しようとかんがえたのである。倒幕派、佐幕派のい ずれにとっても毒は、単なるテロルの手段を越え、政治を動かす上での重要な道 具として機能していたのである。 つまり、歴史を変えるにせよ、その変化に抵抗するにせよ、毒は 「触媒」 としての役割をもつといっていい。 はなしが、それた。 ザムザという男についてである。 要するに、 「毒虫」 とは、こうした一種の触媒たる毒をふくんだ虫ということであり、この時ザムザ は歴史を変える触媒として運命づけられたともいえる。ザムザの運命をただ 「非条理」 とだけみることは、毒というものがもつ革命的な本質を無視した見方であるとい わざるをえない。 だがむろん、かれはこの朝、そうした自分の歴史的意義に気づくはずもない。 この時にはまだ、たれにもわからなかったであろう。 ザムザはただ、 「やっかいなことになった」 とおもっただけのことである。
419 :
吾輩は名無しである :2001/05/22(火) 01:17
420 :
吾輩は名無しである :2001/05/22(火) 03:45
421 :
コナン・ドイル :2001/05/22(火) 12:14
その朝ホームズは、捜査すべき事件を何も持っていなかった。またコカインという悪習に手を染め そうなホームズを見て、私は不安にかられた。彼の頭脳は退屈に耐えられないようにできているのだ。 ホームズの興味を引こうとして、私は街を歩いている妙な足取りの男に目を向けて言った。 「あの男は一体どこに行くつもりだろう?」 もの憂げな様子でバイオリンをかき鳴らしていたホームズは、窓の外にちらっと目を走らせて言った。 「君が言っているのは、あの毒虫になった男のことかい」 「毒虫だって? 驚いたな。どうしてそんなことがわかるんだい?」 「あの男の背中を見てみたまえ。固い甲殻になっているじゃないか、ワトスン。おまけにあの腹は どうだい。弓形の固い節で分け目が入っているぜ。しかも色は褐色ときた! あれを便所コオロギだ と思う奴はスコットランド・ヤードにもいやしないだろう」 ホームズはバイオリンを置くと、愛用のパイプに火を付けながら言った。 「まだ君に話したことはなかったが、ロンドンにいるすべての毒虫の生育状況を把握することはぼくの ライフワークでもあるんだ。『ロンドンにおける毒虫の分布と犯罪発生数の関連について』というぼく の論文を読めば、犯罪捜査に毒虫の知識がいかに有益であるかがわかるはずだ」 窓の外の男はひどくゆっくりした歩調で歩いていた。危く馬車に轢かれそうになった彼を見ながら私は 言った。 「だが、どうして毒虫だとわかるんだい? ただのダンゴ虫かもしれないじゃないか」 「君はあの男を『見て』はいるかもしれないが、それだけだ。君は『観察』していないのだよ、ワトスン。 あの男の尻をよく観察すれば、ぼくの言うことが正しいとわかるはずだ。尻から緑色の液体をたれ流す ダンゴ虫なんて見たことがあるかい? ハドソン夫人のベーコンエッグでも食べて、いさぎよく自分の負け を認めたまえ」
422 :
横光利一 :2001/05/22(火) 14:55
毒虫に変わったはじめのうちは、こんな妙なこともあるのかと不思議に思った。しかしそんなことを気にして毒虫の姿を憎く思ってみたところで、元に戻るすべもわからず、そもそも毒虫になった原因がわからぬのだから仕様が無い。こうなればひとつ毒虫の気持ちも味わってやろうとまで思うのだが、毒虫らしく這ってみたところで自分が毒虫、毒虫が自分ともなれば自分の頃との違いも良くわからず、仕舞いにははじめから毒虫だったのではないかという考えも浮かんでくるのだ。
423 :
グレゴール・サムザの一日 :2001/05/22(火) 19:16
午前6時、いつものように目覚し時計が鳴った。ベット傍の サイドテーブルに置いてあるものだ。その切れ切れの時計の 音は、朦朧とした脳裏に弱々しく響いた。が、それもすぐに 静まった。寒かった。グレゴール・サムザは起きださなかった。 いつだって彼は目覚し時計の鳴り終わりとともに起きた。が、 きょうは起きなかった。なんとなく体がだるく、四肢の節々 が疼いた。彼はバタ、バタと全身を動かした。バタ、バタ… 寝台がブルブルと揺れ動いた。サムザは目を覚ますと思わず驚 きの声をあげた。
424 :
(1912)トレンジャー :2001/05/24(木) 17:20
毒虫グレゴール・ザムザ 変な夢から目をさました朝、巨大な毒虫に 変身していた元は服地のセールスマン [特徴]丸い背中はかたい茶色の甲らになっ ていて、ふくれた腹にたくさんの節をもつ。 からだの両側のたくさんのあしではいまわる。 あしの近くからべたべたする汁を出してかべ や天井を歩くのもへっちゃら。けがをしても、 次の朝にはなおってしまうぞ。 [弱点]背中にリンゴを打ちこまれること。 (C) 弥七プロダクション
安部公房風希望
426 :
吾輩は名無しである :2001/05/25(金) 14:34
421称えあげ
427 :
車田正美 :2001/05/27(日) 01:42
「な、なにぃ?!これは…これは幻覚か?! この毒虫から感じるのはまぎれもなくザムザの小宇宙 い、いったい奴の身に何があったというのだ…」 ――ザシャァァ!! 「フッ、何を驚いている」 「ザムザ!本当にザムザなのか?!」 「そうならどうだというのだ。オレはもう昨日までのオレとは違う もうお前等とは違うのだ!」 「う、奴の小宇宙が巨大化してゆく…なんて攻撃的な小宇宙なんだ!」 「いくぞ!!」 「待て!オレは戦いに来たのではない!」 「問答無用!!くらえ!ポイズン インフェルノ!!」 「うわあぁぁーっ!」 「フッ、笑止な」
ぎゃふん、次号予告入れ忘れた…… 宇津田
429 :
東海林さだお :2001/05/27(日) 23:30
ある朝、グレゴール・ザムザさん(チェコスロバキア在住、独身、服地販売員)は、 不安な夢から目を覚ました。 起きてみると、なんとなく背中がムズムズする。 背中が、固い甲殻になっていたのだ。 そう、ザムザさん(チェコスロバキア在住、独身、服地販売員)は、毒虫になってしまった のである。 「そんなバカなことがあってたまるか」 と言う人がいるかもしれない。 「人間のDNAが突然変異を起こして毒虫に変化するなんてことが起こりうると、科学的・ 生物学的に実証できるのか。エ? どうなんだ。きりきり説明しろッ」 と言う人もいるかもしれない。 いいのッ。 そうでないと話が先に進まないのッ。 「毒虫といっても、トビズムカデからフトゲツツガムシ、マダラサソリからセアカゴケグモ までいるではないか。一体いかなる毒虫を指しているのか」 とムズカシイことを言う人がいるかもしれない。 どうでもいいのッ。ただの虫じゃなくて毒を持ってる毒虫なのッ。 毒虫も 毒がなければ ただの虫 という名句がある。(ぼくがつくったんだけどね) ザムザさんは、ベッドの上で頭を持ち上げてみた。 腹筋が痛い。 痛みをこらえて頭を持ち上げてみると、自分の腹が見えた。 ただの腹ではない。 丸くふくらんでいる。のみならず、色は褐色で、弓形の固い節で分け目が入っている。 「なんだなんだ一体どうしたんだコレは」 ザムザさんはうろたえた。 と、ここまで読んで 「ケッ、くだらねー」 と思った人は、あっちに行って田口ランディでも読んでなさい。
430 :
吾輩は名無しである :2001/05/29(火) 01:09
431 :
宇野 鴻一郎 :2001/05/29(火) 23:04
あたしとってもいけないことしちゃったんです。 あたし朝起きたら毒虫になっちゃってたんです。
432 :
吾輩は名無しである :2001/05/30(水) 03:09
>>431 宇能鴻一郎は1で既出だよー
名前欄をほぼそのままコピペの目次でよければあるけど、いる?
2の分だけだけど
433 :
吾輩は名無しである :2001/05/30(水) 04:47
434 :
431 :2001/05/30(水) 22:09
既出だったのか.... 鬱だ。将来に対する漠然たる不安で逝きます....。
>>427 なつかしい。その昔読んでた。押さえてますねー車田単語…
文学板だからスレするの迷ったよ…
436 :
リーガ・エスパニョーラ :2001/05/31(木) 14:46
倉敷『フランク・デブール グァルディオーラ グレゴール・ザムザ リバウド』 倉敷『そういえばグレゴール・ザムザの心温まるエピソードが地元紙に載っていたのですが、ある朝、彼が目を覚ますと、ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついたそうです』 金子『ほう』 倉敷『固い甲殻の背中を下にして、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が見えた。といことなんですが』 金子『それのどこが心温まるエピソードなんでしょう』 倉敷『いやなんとなく、フィリップ・K・ディックみたいじゃないですか。世界の真中で愛を叫んだ毒虫、というような感じで』 金子『またヲタクなことを』 倉敷『アタッキングエリアに入ってきました。シンプルなクロスです』 倉敷『コクー ゼンデン オノプコー ファールです』 倉敷『オノプコにタルヘッタアマリージャ 今期8枚目』 金子『なにげに後ろから行きましたね』 倉敷『グァルディオーラ早いリスタートです』 倉敷『ザムザ グレゴール・ザムザ ザムザ シュート撃ちます』 金子『うぃ〜』 倉敷『ゲットォ〜』 倉敷『ザムザ羽ばたいています。毒虫というよりは怪鳥のようですねぇ』
437 :
孔子 :2001/06/06(水) 00:04
子曰く、毒虫となりて、甲殻・粘液を恥づる者は、未だ与に議するに足らざるなり。
438 :
吾輩は名無しである :2001/06/06(水) 00:11
みんな(゚д゚)ウマー!
439 :
吾輩は名無しである :2001/06/20(水) 22:34
436、かなりスバラシ。 所属チームがスパルタプラハならなおよし(ナンチテ
440 :
白土三平 :2001/06/21(木) 00:27
アッ! ムムッ!! 手が。ムッ!足もか…。 おいらは一体…。 いかん まさか…。 ウーム…。 フフフ…。 ハハハハハハ! ここで、何故カムイが突然笑い出したかは定かで無い。 非人ゆえに、差別から抜けだそうと試み、忍となったカムイ。 突然毒虫になってしまったに対して、更なる絶望に浸っているのだろうか。 また、現在のカムイの心理状態からいっても、どうでもよいという、虚脱状態にあったのかもしれない。 カムイは、果たして元の姿に戻れるのであろうか。 そしてこれは、赤目の術なのであろうか。 ナナと弥助はカムイをどうするのであろうか。 それは巻を追って明らかになるだろう。 そのためにも次回からはまたあの白オオカミにスポットを当てねばなるまい。 赤目プロ(次巻「天狼の巻」ではカムイは登場しません)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− これは文体模写です 大量リストより書き込んでいますので 読んでしまった方 誠に申し訳ございません よく削除要求をされる方がいますが 故意に複数書き込んでいる訳ではないで著作権侵害とは普通言いません よろしくご理解ください この文章が面白くないという方 私のHPでじっくり話しましょう −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− グレゴール・ザムザは 毒虫であり 毒虫から なんら金銭的なやり取りは発生いたしません そのため 褐色で弓形の固い節で腹を割った 極めて正確な情報交換を可能としています そのなかで 有望な毒虫情報があれば この中から募集を募り スタートしましょう というものです どんな毒虫でも仲間は必要です ならば先に集めてから始めましょう 変身前に仲間内で率直な反応を知ることができ 毒虫の中の成功者の意見も直に聞くことが出来ます これは全員が同じ毒虫に強制変身を強いられるものではありません あくまで個人の自由です 毎月固い甲殻の背中を下にしたい人や 仰向けでちょっとばかり頭をもたげたい人 さまざまです 変身するきっかけに今回リストを用意してみました 来るもの拒まず去るもの追わず 泣かぬなら一緒に泣こうかグレゴール ぐらいのグループです 一度変身していただければ 以後なんらかのお力になれるかもしれません 2chの文体模写っておかしな文体模写多くないですか?でも不安な夢はあります やるならもっと健全な文体模写がしたいからグループを作ろうと思いました グループは私とあなたを文化庁からきっと守ります だから安心して一緒に俺達と探さないか!! メールアカウント削除は覚悟の上です お好きになさいな この内容が著作権侵害だという人を私は軽蔑します
442 :
名無子 :2001/06/22(金) 00:59
おいおい、こんなところで才能を浪費するなよ。
443 :
吾輩は名無しである :2001/06/22(金) 01:00
しょせんまね
444 :
吾輩は名無しである :2001/06/22(金) 23:38
全然関係ないんですけど、村上春樹の文体で誰か、コーヒーの代わりにカップメンを 清潔そうに喰う男を書いてくれませんか?
445 :
吾輩は名無しである :2001/07/01(日) 04:14
とりあえずage。 書いてみたいけど、登場してないやつ探すの大変そう。
446 :
吾輩は名無しである :2001/07/05(木) 23:18
age
>>444 書いたけど、このスレはザムザ専用だからね…
どこにウプしたらいい?
448 :
アイザック・アシモフ@アザゼル(訳:小梨直) :2001/07/07(土) 06:03
ある晩、友人のジョージがため息をつきながら言った。 「あんたはあの毒虫に似てるよ。あのグレゴール・ザムザに」 「なんだい、それは。またアザゼルの話かい?」 アザゼルというのは身長2センチの悪魔だか宇宙人だかで、ジョージはしょっちゅう 彼のことを話したがるくせに、こちらから尋ねると決まって口を閉ざしてしまう。 そのときも体を強ばらせて、「アザゼルの話はしたくない。誰に聞いたんです?」 「いや、いつも君が話してくれるじゃないか」わたしの返事を無視してジョージは語り始めた― グレゴール・ザムザと知り合ったのはチェコスロバギアでした(以下ジョージの話)。 彼はプラハに住む青年でね、わたしみたいな社会的信用を得ている人間が集まるクラブにたまたま来ていたんですよ。 あんたみたいな人間が入れるようところじゃないですよ、そのクラブは伝統もあるんだから。三流の作家はお断りです。 わたしの人間ができているからだと思いますがね、彼はわたしをまるで父親のように慕っていたのですよ。 彼と出会ってしばらくたったある日のことです。 いつものように彼の家を訪ねていくと、なかなかでてこないじゃないですか。 これはおかしい、と思いましたね。彼はあんたなんかと違って居留守をするようなケチな人間じゃなですから。 心配になって彼の部屋を訪ねてみて驚きましたよ。毒虫になってたんです。分かますか、毒虫ですよ。 あんたみたいな金のことしか頭にない惨めな人間に信じられるかどうかはわかりませんがね。 そう、毒虫になってベッドに横たわっていたんです。そうなったらあいつの出番です。 その晩、わたしはいつも儀式をとりおこなってアザゼルを呼び出しました。 呼び出されたアザゼルはいつものように不機嫌でした。どうも厳かな宗教儀式に参列中だったらしい。 その大事な式の途中で呼び出されて、面子が丸つぶれだって言うんです。そんなの知ったこっちゃないですよ。 なにしろザムザが毒虫になってしまったんですからね。 「それでいつものように解決できそうでうまい具合にはいかなかったんだろ?」 わたしは話にうんざりしていたのでそうたずねた。 するとジョージはウェイターが運んできた勘定書をわたしの方に押しやりこう答えた。 「つまりあんたもその毒虫みたいだ、って言ってるんですよ。何もできやしない虫と同じだ」 「じゃあ、ここはわたしが払おう」わたしは勘定書を手に取って立ち上がった。 「そう、あんたにできるのはそのくらいのことだ」とジョージは言った。 おそまつさまでした
449 :
笙野頼子ふうに(あったらすみません) :2001/07/09(月) 01:05
あっ私、虫に変わってるっ、って叫んだ途端に窓の外からそやそやお前は虫になった<BR> んや、部屋から一歩も出ずにワープロの中の虫と格闘しているうちについに私も虫に<BR> なってしまったのだ。とはいえ虫になっても私の日常には何の支障もない。虫になっ<BR> てもキーは打てるし複眼になったお陰で実は一層、蛹化した文字を一つずつ検証して<BR> いくのに都合が良かったりするのだがそういうときに限って大家が私の様子を見に来<BR> たり「城」の連中がファクシミリを延々と送り続けてきたりして、私の虫化を阻止し<BR> ようとするのだ。 ――八本木さあああん、八本木さああん。虫なんぞになっている場合ですかっ。
450 :
あちゃ :2001/07/09(月) 01:06
<BR>は余計でした・・・
451 :
吾輩は名無しである :2001/07/09(月) 01:15
久々の新作続きだね。 もう一回リクエストとこれからの傾向と対策やればいいのに。 まだまだあると思うがなあ。流石にもう少ないだろうけど・・。
452 :
赤坂真理 :2001/07/09(月) 01:29
朝、最初に起きたときは自分が虫になったとはわからなかった。あたし虫?あたし虫?何度か繰り返してようやくあたしは本当に虫になったことに気づいた。腹筋のひとつひとつが褐色に染まり彼と一体になったその感触と共にあたしは虫になった自分を受け入れていた。
453 :
吾輩は名無しである :2001/07/09(月) 01:32
阿部和重、多和田葉子がないぞ。
454 :
清水博子 :2001/07/09(月) 01:37
小説家が虫になったその話はS区S町が舞台だったが、自分が虫になるまではわたしはそのことについて考えてみることもなかったのに、いざなってみて、どうも虫になったようで外に出るのも億劫なのに、配偶者がもうすぐ帰ってくるので虫になったままでは困るんです、と云うと、由子は、そんないかにも小説の中でしか起こらない出来事を現実に繰り返しているなんてあまりにもありがちで恥ずかしいことだと云わんばかりの目をしてわたしを見ているように思えてくるのだった。
455 :
449,454 :2001/07/09(月) 01:38
校正がちと足りなくて文がねじれている、スマン。 J文学(苦笑)ならなんとかやれるかと。
456 :
難しいな :2001/07/09(月) 01:44
手元に「インディヴィジュアルプロジェクション」と「かかとをなくして」しかない(ぉ
457 :
453 :2001/07/09(月) 02:38
>>456 充分じゃあないですか。まったく問題なし。
458 :
何度もでたけど、あえて宮沢章夫で :2001/07/09(月) 04:59
朝、目を覚ますと自分が虫になっていることに気がついた。 これは、ちょっとすごいですよ。なにしろ「虫」である。 「虫」っていうのもいかがなものか。 しかし、そんなこと言ってみても手遅れだ。実際になっているんですから。 なぜこうなってしまったのか、ということは自分でもよくわからない。 しかし、なぜ、よりによって「虫」なのか。もっと他のものでもよかったじゃないか。 「朝、目を覚ますと自分が女になっていることに気がついた」 これならまだなんとなくわかる。いや、わからないがきっと可能性はあるはずだ。 性転換とか、心だけ女になったとか、色々あるでしょう。 「朝、目を覚ますと自分がグアテマラ人になっていることに気がついた」 これもありうることだ。自分の知らない間に国籍をグアテマラに変えられていればいいのだ。 変えられていればいい、というのもおかしな話だが、可能性としてはあるだろう。 なら、これはどうだ。 「朝、目を覚ますと自分が空になっていることに気がついた」 どうだ、ってこともないが、なんだか哲学的な空気を漂わせているじゃないですか。 虫なんかよりはるかに高尚な感じがする。どうせ変身するのなら空あたりがよかった。 それにしても虫である。しかもどうやら甲虫らしい。節まである。 いったい、どうしてしまったというのだ。 もしかしたら、下北沢にたむろする若者の怨念が原因かもしれない。 そうか、そうに違いない。よし、原因はわかった。 でも、だからなんなんだ。
459 :
吾輩は名無しである :2001/07/10(火) 11:32
筑紫哲也、久米宏、木村太郎でやって
460 :
久米 :2001/07/10(火) 12:36
えー次は…僕だったら諦めるかなぁ、特集です。
461 :
木村 :2001/07/10(火) 12:42
問題はどうして虫になったかっていうことではなくて、 虫になった今どうしていくかっていうことが問題なんですね。
462 :
453 :2001/07/10(火) 13:38
重要なことに気がついた。 ベケットがないぞ!
463 :
吾輩は名無しである :2001/07/10(火) 14:06
プラトン ゲーテ 井上靖 高村薫 考えるヒット 家栽の人 ナニワ金融道 なんかもまだないですよね?
毒虫だよ、毒虫。 家族が、いやーな顔をするよ。 北に電話してみた。 「なんや知らん、毒虫に化けてもうた」 「ボクなんか、只今、発狂中でちゅ」 阿川は例によって、 「だからどうした!結論を言え!」 冗談だと思っているらしい。 吉行にも知らせると、 「うむ。それは、かなり、鬱だな」 さすがに病気との付合いが長い人間は違う。
465 :
義経 :2001/07/10(火) 17:03
源義経乍レ恐申上。 意趣者、宿運極所歟、 将又先世之業因所レ感歟、 我身成2毒虫1而不レ能レ述素意、 永不レ奉レ拝2恩顔1。 不レ尽2書紙1、併令2省略1訖。 恐惶謹言。
467 :
岡崎京子 :2001/07/10(火) 23:33
ねー あの子って虫になるって知ってた? 知ってる、知ってる。 でもそんなふうには見えなかったな。 んー。 だけどあたしは知っている。 この世には、どんな美しいこともどんな酷いことも、 起こりうるのだということを。 その晩、虫になったザムザくんは踏まれて殺された。
468 :
456=467 :2001/07/10(火) 23:35
思い入れのある作家でないと難しい・・・ また出てきたらやります。
469 :
ゴダールふう :2001/07/10(火) 23:41
「虫など、どこにも居はしない」 「虫」 「虫」/シーツの上の「点」 現在=ここにいるということ 移動していくこと=虫に「なる」 「虫になれ!」 「どうして?」 男、ホテルの部屋の一室でベッドの上に腰掛けたまま こめかみに銃口をあてて引き金を引く 床の上に横たわる虫けらのごとく虫は死んでいる fin
470 :
「風の歌を聴け」ふうに :2001/07/10(火) 23:51
「虫なんてみんなくそくらえだ」 鼠は煙草の吸い殻を足で踏み消しながらそう言った。 「だけど僕もそうなんだな。それはもう決まったことだし」 土手からは海に日が沈むのが見えた。 「何故決まっている?」 「見ろよこの手を」 しかし僕には彼が虫になりたがっていることしか分からなかった。 「わからないな」 僕は首を振った。
471 :
ローリングストーンズの訳詞ふうに :2001/07/10(火) 23:54
虫になれ! 虫になれ! 虫になれ! 悪魔に魂を売り、虫になる。虫になり液をぶちまける。
472 :
ボブディランの訳詞ふうに :2001/07/10(火) 23:57
ある日俺は虫になっていた。 セントジョーンズの丘の上から 見張り塔からずっと俺は虫になる機会を窺っていた。 どんな気がする? どんな気がする。 昔あんたは誇らしげに振る舞っていたね。 それが今じゃ虫けら同然だ。 あたかも転がる虫のように 虫けらのように扱われ、 まさにお前はいま虫そのものだ。 帰る場所もなく、誰もお前のことなど 知らない。 部屋のドアが閉まるその前に 早く外へ出ていくがいいさ。 外ではコヨーテが鳴いている。 ハイウェイ66では 風はただ強く吹いているだけ。
473 :
吾輩は名無しである :2001/07/11(水) 00:25
ボブディラン好き
474 :
長嶋茂雄 :2001/07/11(水) 23:07
んーどうでしょう、いわゆる一つの不安なドリームですか。 夢から覚めた時グレゴール・ザムザは、ベンチの中で非常にビッグで、グレートな毒虫に 変身してしまっていたわけです。毒という字は英語でポイズンでしたか? ここはやはり代打を出そうと思ったんですが、まあザムザの背中的には非常に固い甲殻なので、 彼に打たせました。 ザムザは打席で仰向けになっていたんですが、いわゆるヘッドをもたげてみると、ブラウン色の、 弓形の固い節で分け目を入れられた腹部が目に入ったわけです。そこで思い切って ガーンと打たせました。 んーどうでしょうねえ、毒虫にとらわれるのではなく、あえて打っていく。 守備の時も、やはり一歩でも前に出てキャッチする。そこがいわゆる変身のポイントであり、 ジャイアンツのベースボールの魅力だと言っても過言ではないわけです。 まあ幸い一茂も、バラエティーの方で頑張ると言ってますからね。
475 :
吾輩は名無しである :2001/07/11(水) 23:20
>>474 ワラタ
>毒という字は英語でポイズン
いかな長嶋でもこれは言うまい…あ、言うかもしれん(滝汗
476 :
プラトン :2001/07/15(日) 01:26
ソクラテス「はたして、おお親愛なるザムザス、君は毒虫になったと言うが、 それは毒虫になったのだろうか、それともある毒虫にだろうか」 ザムザス「と仰るのはどういう意味ですか」 ソクラテス「ほかのことと同じだよ。例えば円を、一方、ある形だとは言うけれども、 他方、形であるとは君は言わないだろうね。ほかにも形はいろいろあるのだから」 ザムザス「それでしたら私は、ある毒虫になったのだと申します。なぜならサソリ、 ムカデ、加えてよろずに賢きホメロスの詠ずるあのハチもまた毒虫なのですから」 ソクラテス「それでは君が変身したという、その毒虫とは何のかね。言ってくれたまえ」 ザムザス「それが、おおソクラテス。私は分らないのです。背中は鎧のように固く、 また腹は褐色で横筋のある毒虫なのですが」 ソクラテス「ヘラクレスに誓って、おおザムザス。君は何を謎がけているのだろうか。 その毒虫がどのようであるかを知っていながら、何であるかを知らないとは! それとも君には可能だと思われるのかね。グレーテーが誰であるのか知らない人が、 グレーテーがどのような娘であるか知ることができるなどと」
478 :
五代友義「隷従愛玩夫人」 :2001/07/16(月) 22:47
ザムザ夫人が意識を取り戻すと、まだ体を縛られて畳に寝かされていたまま で、義父が夫人の仰向けになった大きく膨らんだ腹をさすっていた。 「目が覚めたかね。だいぶ感じていたようだが」 「ああ、きついです。縄を解いてください」 「まだだめだ。これからもっとよくしてやるからな」 そう言って義父は夫人の固い甲殻に包まれ始めた背中に手を回して撫で回した。 「はあん、もういやです」 夫人は体をよじったが、縄はますます秘所に食い込んで、夫人はまた喘ぎ声を 上げた。 「う、ううん、苦しい。お義父さま、もう許してください。ああん」 「縄だけで感じているようだな。ここもほらこんなに」 義父は手を夫人の下腹部に手をまわした。固い節で分け目の入ったそこはしとど に体液で濡れ、褐色にぬめっていた。 「わしがもっとよくなる体にしてやる。さあ、よく見るんだ」 夫人が目をあけると、義父の暉立したものが目に入った。 ああ、お義父さま、まだあんなにお元気だわ。
479 :
田口ラソディ :2001/07/20(金) 21:00
ある朝、グレゴール・ザムザは不安な夢から目覚めた。ザムザはベッドの中で、 一匹のとてつもなく大きな毒虫に変わってしまっていたのだ。これは夢なのだろうか? いや、これこそがザムザにとっての現実なのだ。現実って何だろう。 毒虫が垂れ流す粘液がムンムン匂う。蝙蝠穴の中みたいな 生臭い匂いだ。これが毒の匂いなのだ。その匂いを感じながら、私は 現実というものについて思いを巡らせていた。 ザムザは、固い甲殻の背中を下にして、仰向けになった。毒虫ってのは悲しい動物だなあと思う。 腹部は、褐色の、弓形の固い節で分け目を入れられている。なんて醜いんだろう。 でも、こういう毒虫は、実はもう、たくさんいるんだ。そこらじゅうにいるんだ。 それを認めなければ何も始まらない。それが今という時代なんだ。だからこそ、 ここに新しい何か別の毒がないと、私にはやりきれないんだよ。毒虫は存在する。 その事実は認める。 でも、それをただ描いただけじゃ、私がやりきれないんだよ。表現ってのは、 そこに新しい毒、つまりそれが救いではないにしろ、すべからく何か別の価値観とか、 視点とか、世界観とかがあるに違いない。 そういうものがない毒虫なら、ただ残酷でむなしいだけじゃ、私はやりきれないんだ。 つまり、毒虫はただのエスケープゴートではないってことだ。 こうした表現によって、毒虫を限りなく解毒することから、さまざまな描写が 可能になるということだ。そんな気がするから、ザムザは「毒」によって照射される 無数の自分にのみ執着し続けていた。その場所において確かに言葉は力をもち、 ザムザは呪術にはまってたように思う。だからこそいろいろな考え方が存在し、 さまざまな表現が可能なはずだ、ということだ。 だからザムザは、いっこうに毒虫としてのコメントが書けないのかもしれない。
480 :
泉鏡花 :2001/07/20(金) 22:08
先日から我が家に勤めるやうになった新しい女中が、張り切って床に余りワックス をかけたので、転ばぬやうに注意してそろっと歩く羽目に為ったと云う、 其の床が、鏡の如く光を反射する。天井に茫ッとした光を映じて居たから 小生の目にその朝飛び込んできたのは此の紛い物で在ったに違いない。 然うして目覚めたから如何も、此方も紛い物に見えて不断のやうでは無い。 腹と布団の間に突ッかえるものが在る。 昨夜の蕎麦が馬鹿に固かったのを思い出して、夜中に体を捩ッた表紙に臍から 蕎麦が突き出たかと思うたが、何、別の事か。こいつは大きな虫の脚だ。 思わずキャッと飛びあがった拍子に引ッ剥がれる思っていたら、くっ付いて くるこれが他人の虫ではなく、己の脚であった。
481 :
内田百 :2001/07/20(金) 22:20
「其れにしては先生、馬鹿に虫じゃないですか」 「虫だというのに程度が在りますか。どのくらい虫だ、という 云い方は可笑しい。」 「可笑しいですか。」 といいながら甘木くんは畳の縁をついばんで居る 「変だ。美味そうな饅頭だ、大きな饅頭だというのはあっても とても饅頭な饅頭だ、というのは間違いだ」 先生は畳の縁を見ていると頭の天辺がムズムズするような気が してきたので足という足をじたばたさせたが如何にも収まらない。 「それでも先日まで人間であったものが今日は虫だという、その 変よりは大分まともだと思います」 「それは俺の都合だからしょうがない。然し日本語は厳然とした 公のルールが在る。其れを守れないような奴は其れこそ虫にでも なって仕舞えば良い」 先生は段段言ってることが良くわからなくなり、頭の痒いのは 収まったが、今度は体が段段長くなる気がした。
482 :
200X :2001/07/24(火) 12:20
FILE 0363: 現代人を襲う謎の毒虫病 (ナレーション) 1920年のある朝、プラハ在住のグレゴールさんは 腹部に違和感を覚えて目を覚ました。特に病気の心当たり のないグレゴールさんは不思議に思い、腹部を見てみた。 すると何とそこにはまるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い 節で分け目をいれられた腹部が見えたのだ。 これは一体どういうことなのか!? (東京大学医学部・加普家教授) 「これは、変身症候群、いわゆる毒虫病と呼ばれるものと 思われます。」 (SEと共に) 変身症候群 METAMORPHOSES SYNDROME 加普家教授によれば、人間は不条理レベルが ある限界に達すると、変身症候群と呼ばれる 症状を引き起こし、場合によっては死に至ることも あるという。 (佐野史郎) 「うーん、変身症候群か、、、」
483 :
吾輩は名無しである :2001/07/29(日) 01:01
このスレッドも、1年間続いているのだなぁ…。
484 :
吾輩は名無しである :2001/07/29(日) 01:10
オモロイぞ!age
維持sage
486 :
ご変身後のお言葉 :2001/08/09(木) 09:48
「ワタクシのカラダが・・ふたたび・・・ 国民の皆様と等しき、ヒトのカラダに戻ることを、深く希望します・・・」
487 :
吾輩は名無しである :2001/08/10(金) 20:42
誰か玉音放送でやってくれんか
488 :
書けないのは先ちゃんのマネじゃない :2001/08/11(土) 02:38
ゴ:こんにちわ グレゴール・ ザムザです テ:こんにちわ グレーテ・ ザムザです ゴ&テ:わたしたちわ きょうだいです ゴ:両親と四人で アパートに 住んでます テ:通いの メイドがきます ゴ:服地の セールスマン してます テ:プー してます ゴ:……… テ:……… ゴ:それだけ ならば まだ いいが テ:それだけ ならば まだ いいが テ:きょうは 始発の汽車で 出張なのに にいさんたら 部屋から出て こないんです ゴ:寝坊しました ゴ:……… テ:……… ゴ&テ:そッれッだッけッなッらッばッまッだッイ・イ・がッ ゴ:夢見が 悪かったんです テ:……… ゴ:で 目がさめたら 仰向けになっていて いつもなら 右を下に してるんですが おかしいなと おなかを見たら 茶色いテカテカした 虫の段々腹が 見えました テ:でっかい毒虫に なっていたのよね ゴ&テ:そッれッ だッけッ なッ らッ ば まッだッ イ・イがッ
489 :
パスカル :2001/08/11(土) 06:09
ニンゲンハカンガエルムシダ
490 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 11:09
>>488 わらた。でももう完全に文学ネタじゃないW
491 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 16:18
>>488 すいません。それって元ネタはナニ? わっかりまっせ〜ん。
492 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 16:21
でも、元ネタ知らなくても、笑える。どうしてだろ(w
493 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 16:50
488は江口寿史だよね?
494 :
吾輩は名無しである :2001/08/13(月) 17:05
>>493 そうなんだ。漫画ね。しらん(w
サンクス
495 :
チョウセンゴ :2001/08/13(月) 19:26
ザムザガ アッチメ イロナボニ ジャシニ 巨大ハン ボンレロ 変身デンゴスル 発見ヘッタ。「ヤー、アッチムブト チョンマル ジェースオムネ」ザムザヌン クロッケ ジョンオルゴリミョンソ 不快ハン 気分ヌロ 寝台エソ イロナ、 ハルイリ オプシ TVルル キョッタ。ファミョネ カプチャギ イルボン コイズミ スサン オルグリ ナワソ クガ シンサチャンベルル ハンダヌン ニュースガ ナワッタ。「イ シーバル セッキガ!」クヌン ヨルル バドウミョンソ ジャギガ ボンレガ デッタヌンゴスル クッテヌン ワンジョニ イッコイソッタ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ナンタァ゙? 目覚めたら虫になってたって、オマエ、 |ダイのオトナが信じることか? \____________ ______ V / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ミ / ̄ ̄ ̄ \ / ,――――-ミ / | / / / \ | ∨∨∨∨∨\ | | / ,(・) (・) | |ー ー || : (6 つ | |(・) (・) 6) | ___ | | | || | /__/ / | ¨ / /| /\ \/\ /\ / ̄ ̄ ̄ \ ∧ / ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | それいっちゃ、太田さん、文学というものが・・・・・・。 \__________________
497 :
手紙魔まみ :2001/08/15(水) 02:51
不安な夢は思い出せないままだけど、ゆゆ、ゆゆ、まみの甲殻をあいして 目覚めたら虫になってただけなのって、兎に言い訳してる、まみなの。
498 :
ゲン :2001/08/15(水) 03:24
ギギギ。ザムザあんちゃんが毒虫になってしもうた。 くやしいのうくやしいのう。
499 :
吾輩は名無しである :2001/08/17(金) 20:11
鈴木ムネオでやってくれ。
500 :
吾輩は名無しである :2001/08/18(土) 02:32
age,
502 :
:01/08/28 03:08 ID:OcNdfiDU
どなたか長野まゆみをお願いします!
503 :
吾輩は名無しである :01/08/28 03:09 ID:BNnAxNBM
ぶ、文学板、これだけしか表示されないの?? やっぱ統合??
505 :
吾輩は名無しである :01/08/28 23:16 ID:rpmJo1Rc
小田嶋隆、誰かやってくれないかな。 簡単そうだと思って自分でやったら、意外と難しかった。
506 :
風俗レポート :01/08/29 15:11 ID:4F1JHk36
はてさて、今日も一日スケベにイキルゾー!と力いっぱいに 起き上がろうとした本誌記者でアリマスガなにやら不可解な ココロモチでいっぱいであります。な、なんと小生の愚息が 朝立ちしていない!すわ、コレはED!?小生も年貢の納め時かと 思いきやそうではゴザラン。な、何と小生カワイイ毒虫ちゃんに なり申してゴザイマス。こりゃ、女の子にもてないじゃないか! しかもカワイイカワイイおペニタンが行方不明!?な、なんてこと! しかしココでメゲナイのが本誌記者のスケベたるゆえん! こりゃあこのタクマシサならメス毒虫ちゃんたちにモッテモテ!? 早速2階のプレイルームにチン入、本日のお相手はピンクのまだらが 小生好みのカワイコちゃんでアリマス! ん、この香水のカホリはポイズンか?と思っているといきなりパックン! ローション代わりの毒液をたっぷりとすり込む思わぬテクに 小生大満足でイック〜〜ッ!でありました。 しかしココで終わるはずもあるません。 ああ、もう良いや。 コレで大2枚は安い、安すぎる!で締めようと思ってたんだが。
507 :
福本伸行 :01/08/29 15:31 ID:4F1JHk36
間違いない…! 虫だっ! それも特大の毒虫だっ! ざわ・・・ ざわ・・・
508 :
風呂屋 :01/08/29 15:33 ID:4F1JHk36
当店では、刺青および 毒虫のお客様の入泉は お断りしております。 かふか湯
509 :
ノヴァ教授 :01/08/29 15:35 ID:4F1JHk36
くっくっくっく… 見せていただきますよザムザ君。 虫になったアナタがいかに自分のカルマを乗り切るのか…。 おお、プ、プリンをッ!!
510 :
ファイナルファンタジーIII :01/08/29 18:04 ID:v.kloQuY
そのグルカンぞくのおとこはは しずかにさとった・・・・ あのあくむでさえも たんなるよちょうにすぎぬと。 せかいの ひかりのみなもとである クリスタルを ちちゅうふかくひきずりこみ まものをうみだした おおきなふるえさえも これからおとずれるものに くらべれば ちっぽけなものである。 それはとてつもなく おおきく ふかく くらく そしてかなしい・・ だが きぼうはまだ うしなわれてはいない。 ふたたび ひとりのおとこが どくむしに すがたをかえるであろう そこから すべてがはじまり・・・・ グレゴール ザムザは みなしごで へんきょうのむらウルの そうりょトパパに そだてられた。 だいじしんで クリスタルがちちゅうにしずみ そこにできた どうくつへとやってきた。 ザムザは たんけんきぶん。 ちょっとした どきょうだめしのつもりだった・・・・
511 :
石原リサ :01/08/30 00:18 ID:u7BhnD4U
いわば社会の粗大ゴミである立場をわきまえず、人の人生に口をはさむ人たち、それが毒虫です。 みなさんの周りにも、毒虫は必ずいるはずです。 毒虫には、いくつかの特徴があります。 固い甲殻の背中。弓形の、固い節で分け目を入れられた褐色の腹部。 なんて醜いんでしょう! こうした毒虫に限って、 「毒虫だって大変です。家にいてもやることはいくらでもあるし、不安な夢を見ることだってあるんですから。 子育てをしたこともないような人に文句を言われたくありません」(グレゴール・ザムザ 専業主婦暦6年) などと、お局毒虫の価値観を人に押しつけてきます。毒虫なんてただの家畜のくせに。 これだけ毒虫に悪感情を持っている人がいるんですよ。それなのにはっきり言う人がいなかったって、 どういうことなんだろうって考えたら、恐くならない方が不思議でしょう? 毒虫って、税金払ってないんですよ。
512 :
JOJO初期。 :01/08/30 14:30 ID:FyEtVuZY
我々はッ!この毒虫を知っているッ! いや、毒虫が人間だったころをッ! ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
513 :
ドラクエ :01/08/30 14:45 ID:WsoQ.CEA
とんぬらはラーのかがみをつかった! どくむしはなんとザムザだった!
514 :
:01/08/30 23:31 ID:kvW74yCY
えーん、過去ログが読めないよー!
515 :
シンボー :01/08/31 02:45 ID:gZDwWlak
ボクがある朝、デッカイ虫になってたらどうしよう。アゲハチョウとか カッコイイ虫なら「お、これはこれで」なんて風にも思えちゃったりするのでしょうが もぉっとどてーっとした、芋虫とかだったらどうしよう。毒とか持ってたりして。 コーンナ風に書き出すと「またシンボーの奴はテキトーな事を言ってやがるな」 などとお思いでしょうが、全くもってそのとおりです。自分でも あまり頭の良くないシツモンだとは思うのですが、こればっかりは ドーニモコーニモしようがない。だってホントーに虫になっちゃったんだから。 しかも毒もある芋虫。ま、キレイなチョウチョなんかよりもズーッと ボクには似合ってるな、ナンテコトも思っているのですが。 こうしてイザ虫になって見ると、今まで「虫=キモチのワルイモノ」てな具合に 考えていた事が不思議にさえ思えてくるモノです。コレばっかりはホント 虫になってみないとワカリマセン。虫も結構イイモノです。 で、こうして考えている自分が、ニンゲンとして考えているのか、虫として 考えているのかってぇコトを考えられるのはきっと、モトモト虫みたいな 考え方をボクはしていたんじゃないかな、でもニンゲンらしく 考えるってのも本当はすごーくツマラナイコトなのかな、何て 思ったりもしたのでした。
516 :
シンボー :01/08/31 02:46 ID:gZDwWlak
うーん、ダメですね。ただ軽薄なだけですよコレじゃ。
517 :
稲川淳二 :01/08/31 03:04 ID:gZDwWlak
コレはドイツの方で実際にこの目であたし見てきちゃったんですけどね なんとかザムザって人が新しい家に引っ越したわけなんですけど この家が、あたしも実際に入ってきたんですが、すごぉ〜くいや〜な 感じが、こう、するわけですよ。わかりますかね、ぞくぞくというか。ね。 その家に引っ越したザムザさんが、寝室に選んだ部屋ってのがこれまた やな感じのネ、ちょっとそういうのに敏感な人なら近寄りたくも無い っていうか、きっとね、あそこで写真取ったらなにか、写っちゃいますよ。 みんながやめろーやめろーっていってもね、そこを寝室に決めちゃったんですって。 そしたらザムザさん、なんだか怖い夢見るようになっちゃったって。 いや、たかが夢なんて思っちゃいけませんよー。こう、夢ってのは 寝てるときっていう、一番死んでるのと近いときに見るわけでしょ? そう、正夢とか、皆さんも見ると思うんですよ。ええ、そうでしょ。 ま、それでもザムザさん、仕事が忙しかったり疲れてたりで 当分そのままに、そこで寝てたわけですよ。勇気あるなあもぉ。 で、そしたらなんですけど、あの、ココからもしかしたら 放送しないでってお願いしちゃうかもしれないんですけど、いいですか? あ、そう、はい、はい、あ、わかりました。 ザムザさん、また怖い夢でうなされてるわけですよ。それで朝おきたら 身体がうまく動かない。朝、金縛りってのもおかしな話で、 ……なんですか?なんか今ガサガサって音、しませんでした? マイクさん、入ってませんでした?…ねえ、聞こえましたよねえ。 あ、あとで再生できるようにお願いしま……ほら、またガサガサって。 ………ま、まあいいや。で、えっとザムザさんが朝、うまく動けない。 それで自分の身体見ると………… 虫になってたんですよ。(SE、スタジオパニック) ちょっと!ビックリするでしょ!やめて下さいよホント! え、ええ、や、でっかいコレっくらいの毒虫に。 ホントにね、そいつが、というかザムザさんがこう、ガサッ、ガサガサッ って動くわけですよ。あ、そうそう、ちょうどさっきの物音くらい。 あ、再生できます?お願いします。 「…うまく動かない。朝、金縛りってのも(カサカサッ)おかしな話…」 (スタジオ、またパニック)
518 :
松鶴家ちとせ :01/08/31 06:31 ID:5dtvyk3w
昔、俺が毒虫だったころ、弟は泣き虫だった。 親父は水虫で、おふくろは茶碗蒸だった。 分かるかなぁ、分かんねぇだろうなぁ。 イエーイ
519 :
我輩は鼻無しである :01/08/31 14:25 ID:g2DM7ieA
いやな夢見る ↓ 目がさめると虫になってる ↓ 仕事行かなくて済む ↓ (゚д゚)ウマー
520 :
少事情 :01/08/31 18:36 ID:QiDffmeo
521 :
春風亭柳昇 :01/08/31 19:17 ID:QiDffmeo
大きな事を言うようですが、今となっては 毒虫のグレゴール・ザムザと言えば、 世界で私一人でございます。
522 :
火浦 功 :01/09/01 00:59 ID:41gLtufk
朝、目が覚めたら虫だった。 とだけ書いたところで才能の限界を感じた俺は テニスラケットをさらしに巻いて武者修行の旅に出た。 作者急病の為、火浦功先生の「変身。」は 休載いたします。
523 :
ハナモゲラ :01/09/01 01:07 ID:41gLtufk
あるへれ、グレゴール・ザムザがぽはんな夢からふとさけりてみると、 ベッドのやかで自分のとかめがめっちりの、とてつもなくたまつい毒虫に もわってしまっているのに気がついた。のるい甲殻のへなかを下に して、ほけりてにけねっていて、ちょっとばかり頭をもこせると、 なるくにけよんだ、ぬけ色の、弓形の固いやめでせけりぬりへめた もこしもこしふくまけった。
524 :
吾輩は名無しである :01/09/01 02:20 ID:4XRHaHsU
松鶴家ちとせ ってなんて読むの? ネタは知ってたけど
525 :
鼻。 :01/09/01 10:42 ID:Adl/PLT.
しょかくやちとせ?
526 :
大江健三郎 :01/09/01 11:43 ID:medceUx2
妹よ、今日の朝、正確に言うなら6時45分の目覚まし時計のベルの音がする前 に、暗く淀んだ、目覚めようとしながら眠り込むような、また、眠りに引き込まれ ながら覚醒に近づくような「不吉な夢」から目覚めた僕の身体上の異変について、 やがて僕の部屋を訪れるであろうきみが、僕がそうであったように、まず背のまる みに気づき、次に褐色をしながら丸く膨らむ腹部を眺め、最後にかぼそく、かつて の僕のそこがもっていた脂肪とか、体毛とかをすっかり失ったかわりに数ばかりを 押しつけられた足へと目をやるような、そういうしかたで気づくのではなくて、人 のかたちを失った、それでもなお魂はあのきみのよく知る僕であるような、変わり 果てた僕の姿を一目で見渡してしまうそのとき、きみの心中はいかばかりであろう か? この僕を認識してなお、妹よ、きみがいつものように優しくいたわってくれるで あろうと、僕は期待してよいものだろうか?醜くおぞましい毒虫に変わり果てたこ の僕であっても!
527 :
村上春樹に挑戦。 :01/09/01 11:57 ID:medceUx2
目が覚めたとき、僕は毒虫になっていた。 僕は、やれやれ、と呟いて、体を起こそうとした。でも、背中は象 の足の裏のように固く、しかも丸まっているので、何度試しても上手 くいかなかった。 そのうち、ちょうど百回も試したぐらいで、脇腹が鈍く痛み始めた ので、僕はあきらめて仰向けに寝転がった。何年かぶりに無性に煙草 が吸いたくなったが、どうせ煙草を持っていないのは明らかだったか ら、あきらめるしかなかった。 僕は、しばらくうす茶色の腹から突き出した、節くれだった十本の 足をひらひらさせていたが、それは無意味なことには違いなく、すぐ に止めてしまった。出勤時間が近づいていたが、今の僕にはどうしよ うもない。あいかわらず起き上がることはできないし、煙草もない。 仕方なく、僕は寝転がったままザ・ナックの「マイ・シャローナ」 を口笛で吹いてみた。その曲はいくぶん僕を勇気づけてくれたが、だ からといって僕が毒虫であるということに変わりはなかった。 「人間なんて、みんな、毒虫よ」 僕が何人めかに寝た女の子が、そう言っていたのを思い出した。彼 女が今の僕を見たら何と言うだろうか。でも、彼女はすでに去ってし まっていた。 僕は、天井を眺めながら。僕が人間であったときに失ってきたもの を順に思い出していった。それらの全てが、今、起き上がることもで きないこのベッドの周りに集まってきているような気がした。 「グレゴールや・・・」 母親が僕を呼んだ。でも、僕はもうグレゴールではなく、一匹の毒 虫だった。 だけどその考えは、僕をどこにも連れていきはしなかった。
528 :
519の続き :01/09/01 12:47 ID:fMacrdQc
↓ でも、殺される ↓ (゚Д゚)ヒー
529 :
吾輩は名無しである :01/09/02 01:45 ID:WyCQ8xOY
新潮文庫版では、「グレーゴル」じゃありません?
530 :
吾輩は名無しである :01/09/02 03:10 ID:rq5Dknf2
age
531 :
吾輩は名無しである :01/09/03 14:14 ID:TZ3hLQqk
火浦功最高age
532 :
吾輩は名無しである :01/09/08 14:12
南シンボーとハナモゲラ 実に完成度が高い 文体模写としてグッド!
朝起きたら虫になっていたけれども 君は君の道をいけ。 363
534 :
吾輩は名無しである :01/09/10 22:16
age
細かい・・・でもイイ!
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537 :
吾輩は名無しである :01/09/13 03:05
プロジェクトXりくえすと
ここに、とてつもなく大きな毒虫がいる。 それは禍々しく彩られた甲殻で身を固め、大きく足を伸ばし、 毒を撒き散らしながら世界の富を吸い上げ続けている。 それは言う、「私こそがこの世界の秩序だ。私は君達のためを思っている。 抵抗などはやめて私に身を委ねるべきだ…」 だが見るがいい、それの腹はまるくふくらんでいながら、 その欲望には一向に衰えがないのではないか? 諸君、これがイスラエルの、アメリカの正体なのだ! 必要なのは、言葉ではなく武器、話し合いではなく戦いなのだ! 戦士たちよ、今こそ立ち上がるのだ! これは聖戦なのだ! アッラー・アクバル!
「鳩よ」の9月号にピーナッツ(シュルツの)で 変身をやるというものが載っています。 ちょっとタイムリーなのでおどろきました。
540 :
笠井浄(もうなにがなんだか) :01/09/22 14:34
都会の空が灰色に明るくなるなってから起き出したザムザは、自分の体が毒虫と変わっていることを確認して、遅い朝食用にトーストを焼き、郵便受けに放り込まれた手紙、多くは調査用の資料に目を通し始めた。 物語の冒頭で主人公が無視になることは何を指し示しているのだろうか。古来の神話から近代直前の民話にいたるまで変身たんは多くあるが、その動物や異形のものは神、あるいはそれが象徴する自然への恐れを表していると言っていい。 しかし中世以降は人間の恐れの対象は、この人間社会そのものに変わり、その明確な形を持たない恐怖は悪夢として、たとえば西欧ではゴシックロマンスの形態をとって描かれてきた。その傾向は「神の死」によって傾斜を強め、ついには物語の作者までも変身させるにいたっている。
541 :
キース中村 :01/09/22 23:12
「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。」 ある作家の文章である。思うに、これはちょっとかなりなことになるのではないだろうか。 まず、ザムザである。ザムザ。これが「はらみーた・ろろれ」などという名前であったとしよう。 「ある朝、はらみーた・ろれれが不安な夢からふと覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく甘そうなクリームパンに 変わってしまっているのに気がついた。」 知らない内に毒虫がクリームパンになっているが、はらみーたのせいということにしておく。 うーん、恐るべしザムザ。
本物が書き込んでたら面白いよねえ
543 :
吾輩は名無しである :01/09/25 11:10
さすがキースさん、作家並だね
544 :
かなざわいっせい :01/09/28 01:23
ある朝である。 わしはセコセコ小銭貯金で買った有馬記念が ハズれてしまった夢から、ふと目覚めてみた。 わしのせんべい布団の枕元でエサをねだる 2個の猫の声もしない。 なんとも落ち着かずに寝返りを打とうとした。 だけんどもしかし、 固い甲殻の背中は柔軟性がまったくもってないもんだから 寝返りが打てなかった。 頭を少しばかり起こして、わしのたるんだ 中年らしいビールっ腹を見たら、 まるく膨らんでいるのはいつもどおりなんだけんども……、 弓のような形の固い節で 分け目がついておるではないかあああッ! わしは毒虫になってしまったのだ!! これではコキコキに冷えたビールを グイグイと飲むことはできずに、 石川のオヤジや亀和田武がこぼしたビールをすすることしか できんではないか……。 #果たしてこのスレに競馬ブック読者がどれだけいるか……。
グレゴール・ザムザ。プラハに住む、服地販売員。 家族と共に暮らす、平凡な男だった。 ある朝目覚めた時、彼の人生は変わった。 固い甲殻の背中。丸くふくらんだ褐色の腹部。 腹部に刻まれた、弓形の固い節の分け目。 男の目に飛び込んできたのは、醜く変身した自分の姿だった。 戸惑うザムザ。不条理な運命。 男の人生は暗転した。 ザムザは、毒虫になった。 だがそれは、彼の運命の変化の、ほんの小さな一歩に過ぎなかった。 ♪風の中のす〜ばる〜 砂の中の銀河〜
昔、困ったちゃんで書いたカフカから聞いたんだけど、 ある朝、担当のザムザさんが不安な夢から目覚めたら、 毒虫に変わってたらしい。 私がその話をユーヤにすると 「そういうこともあるんじゃないの?」 と言われた。この辺の感性が同じ人間が夫で幸せ。 元夫ならきっとこんな風には言ってくれなかっただろう。 お腹を見たら丸く膨らんで、 茶色い弓の形の節で分け目が入っていたらしい。 私だったらそんな無気味な姿には絶えられない。 この話を聞いていた息子は「気持ち悪いよう」と 言って泣いてしまった。子供が泣くような話を 聞かせるカフカの無神経さが信じられない! 午後は気分が悪くてそうめんしか食べられなかった。 私は妊婦なんだから、普通は話の内容にも 気を使ってくれるもんだと思う。
547 :
吾輩は名無しである :01/09/29 10:47
ザムザの母でございます。 このたびは、息子がこのようなスレッドを 立ててしまい、 皆様には大変ご迷惑をおかけしております。 深くお詫び申し上げます。 息子はある朝、毒虫に変身してしまい、そのショックで内気な青年に なってしまいました。そのせいか、きょうだいからいじめにあっていたのです。 この年になるまで、恋人はおろか友達さえもいないようで、大変心配して おりましたが、この2ちゃんねるというサイトを知って以来、息子も 少し明るくなったようです。「今日文学板でね、ドキュソがさあ駄文を 投稿してね……」と、とても楽しそうに夕食の時に話してくれるのです。 どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし。 本当は良い子なんです。 よろしくお願い申し上げます。 ザムザの母より
ちっ、既出だったか。不覚!
変身しちゃったよ! 毒虫かよ! 腹が膨らんでるよ!
552 :
吾輩は名無しである :01/10/12 20:41
スレッド一はもう見れないんでしょうか?
553 :
吾輩は名無しである :01/10/12 23:37
どうもありがとう。1のリンクじゃ見れなかったもので。 お礼に明日起きたら毒虫になってるように祈っておきます。(゚д゚)ナムナム
546>遂に出たか、基礎体温日記。近日バージョンもきぼんぬ。 前スレ読んでたら2時間経過してたよ。みんなすごすぎる(「半虫」は下手な詩より 詩的でないか)。石田千尋のが読みたい・・・。(自分でやってみる自信がないっす)
556 :
長文ゴメソ@石田千尋 :01/10/19 02:16
あのな、昔、グレゴール・ザムザという人がおってな、 不安な夢を見たと言うのでお払いに逝ってやったのじゃ。 ところが、行ってみるとザムザは毒虫になっておった。 私は急いで祭壇を組み、祝詞をうたった。するとザムザはうめきだし、 手足と触覚を上下させ始めた。祝詞を終えた私はザムザの褐色の、 弓形の固い節で分け目をいれられた腹部に手を置き、 「辛くはないか、辛くはないか」 毒虫は更にうめく。私はザムザを毒虫に変えた正体が、 この部屋に潜む悪霊であると気付いた。悪霊は子供だ。 「苦しくはないか、苦しくはないか」 毒虫はうめきながら泣き始めた。 「お前はまだ子供じゃな」 毒虫はかすかに頷いた。 「お前は何が気に入らないのじゃ」 毒虫はうめくばかりだ。 「この者を苦しめることでお前の気は晴れるのか」 毒虫は涙をこぼし始めた。 「そうではなかろう、そうではなかろう」 毒虫は触覚を高く上げた。 「喉が渇いておるのか、水はあるぞ、握り飯もあるぞ」 毒虫はしばし大人しくなり、またうめきだした。 「ここはお前のおる場所ではないぞ」 毒虫はうめく。 「私が成仏させて」 ここで撮影見学の者がクスリと笑った。 すると祭壇が大きな音を立てて崩れた。私はそのものをにらみつけた。 「初めてじゃぞ! こんなことはこれまでには一度もなかったぞ!」 その者も黙って部屋を出て行った。 ザムザに宿った毒虫はまたもや暴れだした。 仰向けのまま、背中の羽根をバタつかせている。 私は祭壇を立て直し、再び一から祝詞をうたった。 しかし、毒虫は飛んでいってしまった。 私のただ一度のお払い失敗はこのような感じであったのじゃ……。
557 :
フレザー 金虫篇より :01/10/19 14:51
ボヘミア地方の村々では、四旬節の第2日曜日に、藁で 巨大な甲虫を象り、これを村の乙女たちが総出で広場か ら森の近くまで引き回した後に、森の縁にその儀式のた めに特別に設けられた開墾地で焼き捨てるという風習が みられる。この風習は、すでに見た他の動物の例と同様 に、甲虫に化身した穀物霊という見地から最もた易く説 明がつく。一方また、この甲虫は村の中を引き回される うちに毒を帯びると多くのばあい信じられており、ここ では、この行事はさらに災厄転移の祈願とも結びついて いる。じっさい、この甲虫の藁人形に子供たちが触れる と天然痘の退治になると言い伝える村もある。 さらには、ある村がこの行事を怠ると、村の一人が何の 前触れもなく、こうした甲虫に変身するということがボ ヘミア全域で信じられている。ダニエル・レヴィ氏はこ の伝承を詳細に採集しており、そこでは、褐色で弓形の 固い節の連続する丸い腹部を持った甲虫の形状や、グレ ゴリーなる平凡な農夫が朝起きたとき突然にそうした甲 虫に変身した顛末などについて記録されている)。 (訳者注: ダニエル・レヴィ(1834-1886)は、ドイツ の法律家、アマチュア民俗学者。作家フランツ・カフカ の母方の義理の叔父にあたり、彼の小説『変身』の記述 がここで触れられたレヴィの記録に大きく依拠している ことはすでに明らかにされている。詳しくはKaefer & Gift (1981), p. 43,参照のこと)。
558 :
フレーザー :01/10/19 14:53
と著者名をするべきだった。失礼。
559 :
ヘミングウェイ :01/10/19 16:08
ザムザは目覚めた。色の褪せた天井にはバラの花が一面に描かれていた。 窓から差し込む朝日に、埃が舞っていた。何か鉄の臭いに似た臭いがした。 一晩中降った雪が解け、ぬかるんだ道をドイツ兵はやってきた。泥だらけのブーツを引き摺り、 カノン砲を一門数人がかりで引いていた。どの顔も無表情だった。犬がしつこくドイツ兵たちに吠えかけた。 それからまもなく、セントスルタンの町は陥落し、冬のアルプスの山を越え、ドイツ軍はオーストリアまで撤退した。 ベットから起き出そうと思ったが、身体が異様に硬く言うことを聞かない。 ザムザは辛うじて首を起こし、自分の体を見た。節くれだった褐色の腹部が目に入り、 12本の節足が宙をもがいていた。顔の前を、親指ほどの太さのある触覚が ワイパーのように左右に揺れた。 春がくると、スペインやギリシアに逃げ出していた人々も町に戻り、賑やかに陽気になった。 男たちはワインを飲み、女たちは着飾って町の通りをぶらついた。誰もドイツ兵のことは口にしなかった。 ザムザは起きあがるのを諦めて、天井を見た。色褪せたバラの花。こうなることは分かっていた。 こうなることは分かっていたのだが、誰にも言わなかっただけだ。そうザムザは思った。
560 :
scheme :01/10/23 20:56
(define (zamza size) (if (= size 0) '(e) (cons '(w) (zamza (- size 1)))) > (zamza 5) ((w) (w) (w) (w) (w) e) > (zamza 10) ((w) (w) (w) (w) (w) (w) (w) (w) (w) (w) e) >
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。文体模写とあんま関係ないけどさ。 今朝、グレゴール・ザムザが不安な夢から目覚めたんです。不安な夢。 そしたらなんか足がめちゃくちゃいっぱいで動けないんです。 で、よく見たらなんか巨大な毒虫になっていて、背中は固い殻に覆われているんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 ザムザな、不安な夢ごときで普段ならない巨大な毒虫になってんじゃねーよ、ボケが。 変身だよ、変身。 なんか両親や妹もいるし。一家4人でうち1匹毒虫か。おめでてーな。 よーしパパ毒虫始末しちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、林檎やるから毒虫に投げて電車で郊外に逝けと。 カフカってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 身に覚えのないヨーゼフ・Kがいつ逮捕されてもおかしくない、 無罪か有罪か、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっとザムザが死んだと思ったら、隣の奴が、不条理、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、不条理なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、不条理、だ。 お前は本当にカフカを読んだのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、不条理って言いたいだけちゃうんかと。 カフカ通の俺から言わせてもらえば今、カフカ通の間での最新流行はやっぱり、 オドラデク、これだね。 星型の糸巻きみたいな形をしてるオドラデク。これが通の読み方。 オドラデクってのは突起が多い。そん代わり何だかよくわからない。これ。 で、それが突き出た棒と星型の突起を使って動く。これ最強。 しかしこれを読むと次から凡庸な小説が読めなくなるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前らド素人は、東野圭吾の「変身」でも読んでなさいってこった。
562 :
吾輩は名無しである :01/10/24 02:02
563 :
吾輩は名無しである :01/10/24 02:52
誰か薀蓄たれまくりの幸田露伴でやってくれ
あなたがたがもし私を朝の光の中に見出し、 その毒虫と変わり果てた姿を見ても うとましく思い、忌み嫌ってはなりません。 もしあなたがたが私に石を投げ、またリンゴを投げつけるならば それは私にとってではなく、あなたがたにとって試練となるでしょう。 主はわたしが朝起きたら毒虫と変わり果てている運命を試練として お与えになりました。あなたがたがあなたがたのために苦労したのは、無駄になったのではなかったかと、あなた方のことが心配です。 つまんないのでsage(w
ジーザス、名前書くのを忘れたぜ
566 :
吾輩は名無しである :01/10/27 01:42
むしろ
>>561 のいろんな作家バージョンを読みたい。
もう吉野屋コピペはつまらんよ。あれ楽しいの作る人だけだし。
我が国随一の服飾品販売員であり、同時に我が人生における最大の友人、 グレゴール・ザムサの身に降りかかった、非常に恐ろしくかつ不条理な変化に関し、 彼の家族や関係者達の心情を鑑み、私は今まで小説をして世間に発表することを躊躇ってきた。 しかし、彼とはまた別の友人で我が国唯一の民間諮問探偵 シャーロック・ホームズと共に、幾多のこの世の物とは思えない 奇怪な事件に立ち会ってきた私の人生においても、 これ程までに奇怪な出来事は他に類を見ず、 私の記憶の中のみにしまって、この命と共に忘却の彼方へと 消し去ってしまうことは非常に惜しいという気持ちが禁じ得ない為、 いつの日かこの文章によって何人たりとも害の及ぶことのない時が来た折りに 紐解かれることを願い、ここに予め記しておくことにした。 その日はかの有名な「プラハの春事件」のあった年であるため 明瞭に覚えているのだが、1912年の11月半ば頃、 そのころ私は最愛の妻の死の痛みを忘れるため、 住み慣れたロンドンの雑踏とせわしない開業医の仕事を離れ、 しばらくプラハのある服飾生地問屋において、 雇われ支配人として糊口を凌いでいた。 うむ、ヘタレ。 改行制限もきついし、力つきたのでここまで。 ちなみに「プラハの春」はワトソン故です・・・クスリッ
569 :
吾輩は名無しである :01/11/05 13:01
556>まんが日本昔話のようだ。
570 :
サウスパーク :01/11/07 10:55
「何てこった!ザムザが毒虫になっちゃった」 「このひとでなし!」
ザムザはプラハ原産といわれ、強力な幻覚成分グレゴールを含む。 ふつう活字を通じて摂取するが、最初の数分で吐き気、眩暈を感じ、 やがて人間不信、離人感、絶望などを味わう。小児や妊婦、健康に 問題のある者は読むべきではない。グレゴール自体の耐性は緩慢に 形成されるが、問題はこういったカフカロイドを常用することで 起こる他種の文学にたいする不感症である。 同系統に「審判」「城」などがあり、恐るべき効果に比べて 末端価格は1冊、数百円ていどである。
ごちた。
573 :
太宰治「女生徒」主人公・少女ザムザ :01/11/12 03:51
あさ、目を覚ますときの気分は面白い。 などと言っている場合ではなかったようだ。 だが、実に面白い。面白いぞ!
574 :
吾輩は名無しである :01/11/21 13:44
きんぱちプリーズ
575 :
吾輩は名無しである :01/11/24 20:28
スタンドバイミーで一つ思いついたんだけど、キングじゃなくてゴーディっていう 設定でやってもいいですか?
576 :
吾輩は名無しである :01/11/25 02:02
577 :
吾輩は名無しである :01/12/04 12:30
age
578 :
吾輩は名無しである :01/12/14 05:30
○毒虫変身法律施行令 (平成13年12月14日 政 令 第 45 号) (用語の定義) 第1条 この政令において「虫」とは、多足かつ甲殻を持つ ものをいい、「毒虫」とは、体内に毒液を持つものをいう。 (変身の申請及び許可) 第2条 作家並びに虫は、毒虫への変身を希望する際、当該 変身予定日の7日前までに、所属する自治体の長宛に毒虫 変身申請書(別記様式第1号)を提出するものとする。た だし、申請者が不安な夢により突発的な変身を行った際は、 この限りではない。 2 自治体の長は、前項の規定による申請書を受け取った場 合、速やかに審査をし、毒虫変身許可書(別記様式第2号) を当該申請者に発行しなければならない。 (変身後) 第3条 毒虫への変身を行った作家並びに虫(以下「毒虫」 という。)は、次の各号に掲げる事由が無い限り、背中を 下にしてはならない。 (1) 頭部をもたげ、毒虫となった自らの腹部を閲覧する 場合 (2) 就寝時 (罰則) 第4条 前項の規定に違反した者は…………
579 :
吾輩は名無しである :01/12/24 12:44
age
580 :
初期レディヘッド :01/12/24 14:27
不安な夢に苦しんでいたあの時 まともに寝ることもできなかった 僕は毒虫 僕は害虫 一体ここで何をやっているんだ? ここは僕の居場所じゃない リンゴを投げ付けられても構わない 僕が求めるのは完璧な肉体 固い甲羅 無欠の節足
581 :
吾輩は名無しである :01/12/28 00:50
ageゴール・ザムザ
582 :
吾輩は名無しである :02/01/15 19:17
age
朝起きたら 毒虫
咳をしてもむし
585 :
種田山頭火 :02/01/16 18:25
転がっても転がっても硬い腹
586 :
小林一茶あるいは北杜夫 :02/01/16 19:27
やれうつな、おれはグレゴール・サムサだぞ
587 :
日本政府の対応 :02/01/16 23:00
-朝起きたら虫になっていたのではないか? 米軍はそんな事実は無いと言っている。 -腹部の状態はどうなっているか? まるく膨らみ、褐色で、弓形の固い節で分け目が入っている。 -背中は? 固い甲殻になっていると聞いている。 -それは虫ではないのか? 米軍から虫になったという報告は受けていない。 また政府としてもそういう事実はないと確信している。 -一部では毒液が出ているとの情報もあるが? そんな話は知らない。とにかく政府としてはいま話したことで全てだ。 これ以上話すことはない。
588 :
吾輩は名無しである :02/01/17 06:37
BRUTUSで紹介記念age
589 :
吾輩は名無しである :02/01/17 06:45
>588 何を紹介?
今出てるBRUTUSの21ページに このスレが紹介されてる。 「2ちゃんに集う最強のお笑い文体模写作家たち」 と、わりと絶賛。
591 :
吾輩は名無しである :02/01/17 08:13
URL込みか、板の名前つきで紹介されないと、 なかなか見つけてもらえないかも。
俺もブルータスの紹介で来た。 じっくりと読むとするか。
>591 URLも板の名前も全部載ってるよー 多少は人増えると思われ
爆。 はずかしー!
595 :
ブコウスキー :02/01/18 01:59
どんな奴にだって朝は来る。全然たいした事じゃない。 いつだって人並みのつもりでいた。この界隈じゃ。 紙幣が二日以上続けて財布に滞在する事だって偶に在る。 金を払わないのに女とデキる日もある。一年に両方が起こった事はないけど。 まぁ、普通。でもそれも昨夜まで 虫としちゃどうだ?俺は人並みか?俺の大きいモノは女達にそこそこ人気だったが 虫も大きいのが好きなんだろうか? それより問題なのは、俺は虫の美女がどんなだか分らん。全然分らん でも幸せなのかもな。全員美人だと思うことにしよう。 今日は意外といい日かもしれない。 きっとそうだ。たぶん。くそったれ
,
597 :
吾輩は名無しである :02/01/18 10:58
私もブルータス見てきましたが・・ おもしろい!!
598 :
吾輩は名無しである :02/01/18 18:26
どういう記事なん?本屋でブルータスが見つからない・・・
599 :
吾輩は名無しである :02/01/18 22:41
私もBRUTUS見て来ました。 おもろそうなのでこれから読ませていただきます。
600 :
吾輩は名無しである :02/01/18 23:26
601 :
吾輩は名無しである :02/01/24 15:22
私もブルータスから来たんですが、↑を読もうとしても 表示できません。となってしまいます。
602 :
吾輩は名無しである :02/01/24 15:27
ある朝虫になっていたよ 虫は悲しいよね 虫は切ないよね 居場所がなかった どこにもなかった そんな時いつだって 目を閉じれば 笑ってる君がいる こんな虫に生まれかわったよ だけど君に出会えたよ こんな虫に生まれかわったよ だから君に出会えたよ 幾度幾度めぐりゆく季節の中で 君は何を思うだろう・・・
ある朝、目が覚めたとき あなたは自分の姿に満足しましたか? すぐに「はい、もちろん」といえなかったあなたに このメールを贈ります。 世界には63億匹の 毒虫がいますが もしもそれを 100人の村に縮めると どうなるでしょう。 100人のうち 52人がとてつもなく大きな毒虫で 21人が固い甲殻の背中を持っています。 そのうち7人が まるくふくらんだ、褐色の固い節で 分け目をいれられた腹部を持っています。
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、 そこには予想だにしなかった出来事が!!! 私は毒虫です。だめな男なんです。だから旨いラーメンを作りたいんです! うまかったよ、お前の甲殻スープ。 はーい、そこの固い背中を下にして、 仰向けになっているやつ。 そうお前。帰っていいよ。 なんじゃと?わしの褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた 腹を笑うやつは、はよリングにあがれや。ボコボコにしちゃるけえの。
607 :
吾輩は名無しである :02/01/26 01:44
ここまで読んだ。>418 最高。
第1問 次の文章は、カフカの小説「変身」の冒頭の一節である。これを読んで、後の問い(問1〜6)に答えよ。(配点 50) ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢(注1)からふと覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。固い(ア)コウカクの背中を下に して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、 まるくふくらんだ、(イ)カッショクの、弓形の固い節で分け目をいれられた 腹部が見えた。 問1 自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついたザムザの心情はどのようなものか。その説明として最も適当なものを、次の@〜Dにうちから一つ選べ。解答番号は、1。 @信じがたい Aきまりの悪い B身に余る C個性的な Dちょっぴり嬉しい
私が甲殻をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のように、 地べたを速くは転がれない。 私が褐色の腹をゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のように 家族の殺意を事前に予感はできないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。
昔、ある遠い国に、一匹の毒虫が住んでいた。彼はいつも迷路でチーズを探しまわっていた。食料にするためと幸せになるためだ。 一匹の毒虫は、「ザムザ」という名前。 彼はとても小さいので、何をしているのかわからないだろう。でも、よく注意して見れば、本当にびっくりするようなことに気づくはずだ! 変化は起きる。変化を予期せよ。変化を探知せよ。変化にすばやく適応せよ。変わろう。変化を楽しもう!進んですばやく変わり再びそれを楽しもう。
あれから、一晩が過ぎ、プラハの町の夜も明けた。 ザムザはもちろん毒虫で、大きくて、多足で、しがない反物のセールスマンだった。 たとえ固くて艶やかな甲殻にその身を覆われていようと、ザムザはザムザであり、 彼がザムザである以上、いつもと同じ1日の始まりを迎えねばならない。 自分自身が生きていくために。そして家族を養っていくために。 『-----やれやれ俺は何てシンの疲れる仕事を選んだものだ。』 ザムザはまだ霧のかかったような大脳を乱暴に稼動させ、朦朧とした意識を覚醒へと導く。 丸く大きな身体の全重量を支えるため、慣れない触覚を頼りに、情けないほどかぼそい肢で 運動器官に膨大なスピードでコマンドを叩きこむ。 しかし、昆虫節のチャンネルレンジを大幅に越える情報量は全関節のジンバルロックを誘発し 彼の肢はただ虚空でぐるぐると空しく蠢くだけだった。 結局その姿勢から、かろうじて視界の淵に映ったものは、まるくふくらんだ褐色の、弓形の 固い節で分け目を入れられた物体。それが彼の腹部だった。 黴臭く薄暗い部屋の空間を、静寂が満たす。 聞こえるのは雨垂れがブリキの屋根を叩く音だけだ。 わけがわからなかった。 わからないが、とにかく悲しかった。
.......... 目覚め(1) ............... ザムザ「ウグッ!」 ザムザ「か、からだが・・」 ザムザ「な、なにがあったというのだ・・」 ズル─ッ! ザムザ「あっ?!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・! ザムザ「ギャ─────ッ!!」 ザムザ「ウワ──────────ッ!」 ザムザ「ウワ─────────ッ!」 ドタ! ザムザ「ウッ!」 ザムザ「ウウウ・・・」
613 :
モンティ・パイソン :02/01/29 16:47
John Cleese「それではお話変わって・・」 毒虫の着ぐるみを着たGraham Chapmanがベッドの上に 仰向けになったままカメラ目線。 テロップ: ある朝のグレゴリー・ザムザ ・ ・ 同人 6秒後 ・ ・ このテロップだけで2ポンド11シリング ・ ・ このテロップを除く 妹役のEric Idle、壁をぶち破って登場。 Idle「んまあどういうこと! この恥知らずの小便垂れの マスかき野郎のチーズ頭の穀潰しが! よりによってそん な醜悪な****(ピー)になるなんて!」 Chapman「わたしのせいじゃない。起きたら**** (ピー)になってたんだ。(カメラ目線で)やあ水兵さん」 Idle「『わたしのせいじゃない』ですって? この薄ら馬 鹿のナチ野郎」 そこに「16t」と書かれた巨大なリンゴが落ちてくる。 テロップ: BBCはただ今のコントにおける****(ピー)に ついての表現及びザムザのキャラクター設定について深く お詫び申し上げます。
>613 なつかしage! 広川太一郎〜っ、アンタど〜してるのかなかな。
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと目覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。固い甲殻の背中を下に して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、 まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目を入れられた 腹部が見えた。 ――カフカ「変身」より
616 :
>>614 :02/01/29 17:38
ageてませんがなw
617 :
ガルシア=マルケス :02/01/29 17:48
何ヶ月かがすぎて妹にリンゴを投げつけられるはめになったとき、 おそらくグレゴール・ザムザは、不安な夢からふと覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わって しまっているのに気がついた、あの朝を思い出したにちがいない。
618 :
イタロ・カルヴィーノ :02/01/30 23:19
変身公爵の日常 目覚めたザムザ公爵は、自分の体が毒虫に変わっていることに気づく。 この唐突に公爵に訪れた変身という出来事の原因に思いを巡らせて、 まず進化論でいうところの遺伝子による変異であるという可能性を頭 から排除した。むしろこの宇宙で進行しているうエントロピーの増大 によってもたらされた乱雑さが公爵の日常にも侵入して来たのではな いかという説明の方がまだ納得ができるように公爵には思える。 しかし公爵の生活がこれまでそれほどに混乱を増していたと思い当た る要素もない。 公爵は、自分が毒虫に変わってしまった事態をそれほど悲観している わけではない。 黒くててかてかと光る背中の甲殻や、柔らかく節の入った腹部、それ に小さな関節できめ細かく動く手足は機能的であるように見えるし、 美しいとさえ感じはじめてくる。
619 :
アニソン風 :02/01/31 04:17
WAKE UP!ザムザ! WAKE UP!グレゴール! 戦いの朝が来た 腹部を見よ 力強い おお 6本の足 弓形の腹部 鋼鉄の輝き 巨大な敵を倒すため 進め グレゴール 毒虫人間 「ポイズン・ハリケーン!」 「インセクト・インパクト!」 オオ 正義の毒虫人間グレゴール・ザムザ
620 :
吾輩は名無しである :02/01/31 19:21
age
もう誰もネタないのかな?age・・・
623 :
吾輩は名無しである :02/02/08 08:03
プルースト期待時代(age)
624 :
いつかは俺も :02/02/08 11:53
age
諸君 私は変身が好きだ 諸君 私は変身が好きだ 諸君 私は変身が大好きだ 変身が好きだ 変形が好きだ 変貌が好きだ 変遷が好きだ 変化が好きだ 変態が好きだ 転身が好きだ 転化が好きだ 平原で 街道で 塹壕で 草原で 凍土で 砂漠で 海上で 空中で 泥中で 寝室で この地上で行われるありとあらゆる変身が大好きだ 悪夢から目覚めたセールスマンが驚きと共に毒虫と化したのに気付くのが好きだ 途方に暮れたグレゴールがじたばたして右側にひっくり返ろうとする時など心がおどる 彼の操る操作肢がベッドの足に直撃するのが好きだ さんざん苦労して扉を開けたグレゴールを見て母親が腰を抜かした時など胸がすくような気持ちだった 雁首をそろえた家族の横隊がグレゴールの部屋の扉を蹂躙するのが好きだ 恐慌状態の母親が既に変身した彼を見て何度も何度も嗚咽している様など感動すら覚える 敗北主義の支配人共を饒舌に吊るし上げていく様などはもうたまらない 哀願するグレゴールが父の振り下ろしたステッキとともに部屋に追い返されるのも最高だ 親父の叱咤に滅茶苦茶にされるのが好きだ 必死に守るはずだった家庭が蹂躙され女子供が怯える様はとてもとても悲しいものだ 人間の暴力に押し潰されて撲滅されるのが好きだ 家族に追いまわされ毒虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ
諸君 私は変身を地獄の様な変身を望んでいる 諸君 私に付き従う毒虫朋友諸君 君達は一体何を望んでいる? 更なる変身を望むか? 情け容赦のない糞の様な変身を望むか? 神変変化の限りを尽くし三千世界の鴉と化す嵐の様な変身を望むか? 『変身! 変身! 変身!』 よろしい ならば変身だ 我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ だがこの暗い闇の底で半世紀もの間堪え続けてきた我々にただの変身ではもはや足りない!! 大変身を!! 一心不乱の大変身を!! 我らはわずかに一個大隊 千匹に満たぬ毒虫に過ぎない だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している ならば我らは諸君と私で総力100万と1人の毒虫集団となる 我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう 髪の毛をつかんで引きずり降ろし林檎を突き刺し思い出させよう 連中に恐怖の味を思い出させてやる 連中に我々の匍匐の音を思い出させてやる 天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる 一千匹の毒虫の戦闘団で世界を燃やし尽くしてやる 「最後の毒虫大隊指揮官より全匍匐部隊へ」 目標チェコ本土プラハ首都目前!! 第二次フェアヴァンドルング作戦 状況を開始せよ 征くぞ 諸君
627 :
藁って許して :02/02/09 10:28
ポパイ「おおなんてこった!!!!!」 オリーブ「ポパァーイ、あなたむしよー、どくむしよー!!!!!」 ポパイ「おおなんてこった!!!!!!!!!!!」
628 :
吾輩は名無しである :02/02/12 17:22
I.A.リビングストン(ソーサリー!)キボン。
112 君は目を覚ますと、自分の体がおかしなことになっていることに 気がついた。6本の足、分け目の入った腹部・・・まるで毒虫のようだ。 しばらく自分の体を観察していると、突然部屋のドアを強くノックする 音が聞こえた。 とりあえずドアを開けるなら 154へ ベッドの下へ隠れるなら 42へ 魔法を唱えるなら 156へ
そう、気付いていた。 午後の日差しに僕はまだ眠っていたが 思い通りにならないこの体がZAMZAであることを。 とまどうばかりのシナリオ。 ベッドの中、目を閉じて、次の次の朝までも 元の僕に見惚れている。
なんじゃいこりゃあ〜!!! 失敬。
634 :
吾輩は名無しである :02/02/19 16:23
>633 意外といいかも(w
まず毒虫が登場する。彼は気がくるっていた。足のつけ根が ゆるんでいたので完全な歩行は出来なかったが自分ではそれを 完全な歩行だと信じ込んでいた。
朝起きたら俺は虫になっていた。 くそったれ、俺が何をしたって言うんだ。神様か? 俺が週1のミサにロウソクを持ってかないのが、そんなに気にくわないのか、くそくそ、神なんて、緒戦はペテンだ、どうだ、違うか?くそくそ。 いやいや、そういう場合じゃない。 大体、見ろよ、この身体。べこべこの殻に、うまくうごかねえ。 ビッチ! 考えたくもねえ。 こんな身体じゃ女を抱くことも出来ない。どこに何をつっこめってんだ、こん畜生。 いやいやいや、そうじゃないだろ。会社、どうやって、仕事まで行くんだ。いや、そうじゃない。 俺は、もう人間じゃないんだ。いや、この世界で俺が暮らしていけるところなんて、どこにもない、そうだろう? くそ、くそったれだ、すべて、なにもかも。 山に入って木に登ってろっていうのか? 樹液を吸って、雌の虫を捕まえて、よろしくやれってか? ああ、ああ、ドアがドアが叩かれてる、くそ、なんだ、俺にどうしろっていうんだ、やめろ、入るな。入ってくるな。 お粗末様でした。 ガイシュツだったら、すまそ。
毒虫になったら 毒虫になったら 友達百匹できるかな
638 :
いつもここから :02/03/01 19:09
悲しいとき〜 悲しいとき〜 朝起きたら自分の姿が毒虫に変わっていたとき〜〜っ!
「このカラダ、虫だね」と君が言ったから7月6日は毒虫記念日 万智ちゃんを毒虫と呼ぶ子らがいて神奈川県立橋本高校
age
641 :
吾輩は名無しである :02/03/12 23:29
age
あのですね私はですね害虫と呼ばれることはあってもですね 残念ながら毒虫そのものではない、ということは明確にしておきます。 そりゃあ弓形の固い節で分け目を入れられた私の腹部は畜生ですよ いやあの表現が悪くて誤解を与えたとすれば、この場でお詫びしますが その前段をもって毒虫呼ばわりはいかがなものかと・・・。 離党してもですね(涙声)虫として議員は続けたいと思うわけであります。 え・・・あなたどこの局? フジテレビは要らない・・・!
643 :
吾輩は名無しである :02/03/18 21:15
>642 恫喝バージョンも期待
644 :
吾輩は名無しである :02/03/20 21:04
>642 イイ!
645 :
吾輩は名無しである :02/03/20 21:26
虫になってんの? 床這ってんの? もっとハッキリ言っとけー
646 :
吾輩は名無しである :02/03/20 23:21
647 :
吾輩は名無しである :02/03/27 07:10
辻元真紀子あたりもきぼ〜ん
648 :
吾輩は名無しである :02/04/05 18:39
age
649 :
吾輩は名無しである :02/04/05 18:49
650 :
実況パワフルプロ野球 :02/04/12 15:15
ザムザ「・・・ん?あそこにいるのは矢部君じゃないか」 矢部「あ、ザムザ君見てくれでやんす。何と!カルハトのチョコタマゴの新シリーズを 箱買いしたでやんす。やっぱり大人買いは男のロマンスでやんすね」 ザムザ「あっそう・・・どれどれ、よく見せて」 矢部「ダメでやんす!まだ全部みてないでやんすから!」 ザムザ「いいじゃないか。すこしくらい」 パキ。 矢部「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!! ひどい!ひどいでやんす!今回のレアアイテム、サソリモドキを壊したでやんす!!」 ザムザ「ご、ごめん。悪かったよ。今度、新しいの買ってやるからさ」 矢部「駄目でやんす!この償いは、あとでつぐなってもらうでやんす・・・」キラン! その夜 ザムザ「うーん、なんかうまく寝返りできないなぁ」 翌朝 ザムザ「おはよう」 矢部「おはようでやんす。毒虫くん」 ザムザ「毒虫くんって」 矢部「鏡で自分をよくみるでやんす」 ザムザ「・・・あ!!ああああああああ!!!」 ザムザが毒虫になってしまった。 敏捷が20下がった。技術が10下がった。 やる気が10下がった 「ムード×」がついた。 「タイムリーエラー」がついた。 「弱気」になってしまった。 矢部「しばらく毒虫の気分を味わってもらうでやんす」
651 :
吾輩は名無しである :02/04/16 13:54
シングルベッド上にパックリと口をあけたクレバス。 まるで岬の突端に立つモーゼが海を割って道を作ったように ある種、神話にも似た快楽への街道が通行止めを解除したようであります。 そこへ、欲望みなぎる赤い頭のテスタロッサが、官能的な雫を全身にまとい 更には陰毛をかき分けるようにスラロームしながらクリトリスタワーを 通過ーーーーー! 夜のモナコGPは、今、青いシグナルが点灯されましたーーーーー! おおーーーっと、男の腰はエンジン全開レッドゾーンだ! 濡れた路面は本来コントロールしにくいわけでありますが 摩擦力の低下が逆に功を奏したのか、しぶきを上げながら 奥へ奥へと突き進んでおります! まるでストックカーレースのような膣壁とのサイド・バイ・サイド、 子宮へのバンパー・プッシュ。 抜き所の無いモナコのコースは、あまりの狭さに抜けてしまいそうであります!! イマミヤ「ん?逝っちゃった?」 おおーーーっと、腹の辺りにコースアウトした赤い頭のテスタロッサの先から 白煙が上がっていますーーー! 逝ったのかーーー!早くも逝ってしまったのかーーー! オイルもダダ漏れでありますーーー! モナコの女神は一瞬微笑みかけたように思われましたが、難攻不落の狭き門は やはり刺激が強すぎるのかーーー! カワイ「フルタチさ〜ん」 はい、カワイちゃん。 カワイ「男のコメント取れました。『気持ち良かった。もう一度やりたい。』 とのことです〜〜」
文体模写ってどうやってやるんですか。 崇高なるテクニックを教えてください。 実作はもういい。理論だ。
653 :
吾輩は名無しである :02/04/18 15:02
age
654 :
吾輩は名無しである :02/04/18 15:08
ぷり
誰かルーセルやってくれ。(藁
sage
ある朝、グレゴール・ザムザは不安な夢を見ていた。夢の中の身体は、 だんだんに薄膜がかかったように頼りなくほどけていき、中心を失っていく。 身体の中から、遠く突き放すように眺める感じ。しかし、細くなった意識は、 やがて先のほうからまた広がっていき、矩形の空間が浮かび上がる。 そんな輪郭だけの部屋の中で、きれぎれの意識を取り戻して、ベッドの中に 見つけた自分の姿は、堅い殻に包まれた一匹の大きな毒虫であった。 甲殻の身体の下で、熱っぽい焦りが点となり、線を作り、面へと広がっていく。 そうしてなぞられた身体を仰向けにして、ちょっとばかり頭をもたげると、 まるくふくらんだ腹部が見えた。その姿に、彼は自己嫌悪に似た感じを覚えた。 そのふくらんだ腹部が、彼自身の恥辱にじかにつながってくるように思えるのだ。
658 :
吾輩は名無しである :02/04/21 01:27
age
659 :
安部公房@デンドロカカリヤ :02/04/21 11:08
ザムザ君が毒虫になった話。 ある朝、ザムザ君はベッドで目を覚ますと、何気なく両手を伸ばそうとした。 明け方の部屋は、黒々として湿っていた。ふと、その両手を伸ばすという行為が、 如何にも奇妙に思われ始めて、思わずあたりを見まわしてみる。 すると、伸ばしたはずの両手の感覚が、なんだか不安で、ああ、おれの心は そんなにたよりにならないのだろううか、そう思ったその時なんだ。 ザムザ君は、心の中で何か甲殻の鎧が張り出してくるのを感じた。 まったく変なのさ、伸ばした手の感覚はぼんやりで、あちこちに発散していく。 いや、事実発散したんだ。頭を少し持ち上げると、少しふくらんだ腹が見えて、 たくさんの足が彼の目の前でぴくぴく動いていた。
age
661 :
浜崎あゆみ :02/04/22 17:46
どうして笑ってってるの?(あたしが虫だから?) どうして泣いているの?(あたしが虫だから?) どうして離れてくの?(やっぱりあたしが虫だから?) ねえ教えて〜 <中略> 居場所が無かった(虫だからね) 見つからなかった(虫だから。) 未来には期待できるのか分からずに(虫じゃなくても……)
自他共に認める変わり者の寝言。 「俺どうしちゃったのさ?」 と困惑する。ポーズ。
よっこらしょっと
664 :
吾輩は名無しである :02/04/24 19:24
職人さん、空想科学読本調で書いて下さい。おねがいします。
age
寝る=牛の法則 「メシ食ったあとに寝ると牛になるよ」っという説教を2ギガ回くらい聞かされて育った俺は今までずっとメシを食った後30分以内は寝ないことにしていた。 しかし昨日は違った。カツ丼とのり巻きを食べたあと、猛烈に眠くなったのだ。うぉ〜眠いぜ、寝ちまいそうだぜ、寝たら死ぬぜとひとりごとをくり返していたら、ホントに寝てたぜ俺。 起きてみたら・・・。 というわけで、生まれて初めて食事後30分以内睡眠にトライしてしまった俺なわけだが、 ・・・・だめだ。疲れた。
667 :
田中ユタカ『愛人 AI-REN』 :02/05/01 19:04
ぜんぶイヤになった ぜんぶキラいになった フランツもキラいになった あいはフランツの「愛人AI-REN」… 「愛人」 フランツをなぐさめるためだけに 毒虫として 目覚めさせられた者 節くれだった 節くれだった 節くれだった 女の子 きらい… いやだ…… うわーん うわーーん とうとうある日 毒液が全部抜けてしまった
668 :
三瓶です。 :02/05/04 17:49
ザムザのちょっと面白い話。 「ねえねえお母さん、手袋買ってよ、ねえ買ってよ」 「手袋ってどの足にするのよ」 「・・・」 毒〜虫〜です。
669 :
がいしゅつだが長嶋 :02/05/04 19:30
今こうありますようにね、あのグレゴールが非常に大きなね、 巨大なビッグワームになっていたという点ね、これが朝起きたら、 そういうふうになっていたと、ま、彼のそういうところ、 色々指摘されているわけですけども、このグレゴール・ザムザがですよ、 ややもすると微妙にポイズンなね、この非常に毒のある姿が、 そういう夢を見てそうなったのではないかと彼の場合、 周囲によっては言われかねない状況なわけですよ、はい。
670 :
吾輩は名無しである :02/05/04 19:58
ざわ‥‥ ざわ‥‥ 虫‥‥!虫だっ‥‥! 朝起きたら‥‥虫になっていたっ‥‥! こうなったら最後‥‥元には戻れない‥‥! 変身の恐怖‥‥!まさに魔性‥‥! 虫になった人間は‥‥家族に殺されるまで地べたを這いずり回るッ‥‥!
毒虫に生まれ変わったゆえの感情、悲しみ。できることなら、減らしていきたい。 私はただのセールスマンで、ちっぽけな力しかないけれど、何かせずにはいられない。 私が受けた愛は、私にそう命令する。やれることはせよ、と。私ができること、それは、 私がどうしてこんなに幸福であるか、少しでも多くの人に知ってもらうこと。 参考になればと思う。傲慢かもしれないが、私の愛を受け取ってほしい。 針金のように細い脚だけど、私は愛を伝えたい。それが愛を受け取った者の使命だと思うから。
わたくしはですねィ。さっぱりわからないんですよ。なぜ?なぜこのわたくしがですよ、党首を辞めろといわれるのか?毒虫に変身していまったのか? この腹部のですね、弓形の固い節の分け目はですよ、辻元さんが、いみじくも述べられたように、ワーク・シェアリングの象徴なんですね。これは社会主義の基本中の基本の考え方ですよ。 ですから政策秘書に支払われるべき賃金は、政策秘書に支払われているわけですよ。これはもう固い甲殻の背中に誓って間違いない事実なんですね。 不安な夢から覚める前に、憲法についてしっかりと考えるべきじゃないですか?もういっぺん、しっかり考えていただきたいですねィ。
正直、申し上げまして、青天の霹靂でございます。 目覚めてみますと姿が変わっていたのでございますから。 ドタキャンですとか、チコクですとかは、実はこの固くて重い甲殻の背中のせいなのでございます。 ハイ。もちろんそんなことは言い訳にならないことは存じております。 たとえ、まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部になろうと、宗家をお守りするのがワタクシの使命でございます。ハイ。 こうような大きな毒虫になっちゃったものは仕方ないことでも、「出来ちゃった婚」は仕方がないでは済まされないのでございます。 能楽協会からどのような批難を浴びようとも、和泉家二十世宗家はお守りしていくのでございます。 このようなカラダで「笑っていいとも!」のレギュラーになったのも伝統文化を守るためでございます。まだまだ嫁のは任せられないのでございます。ハイ。
私は変身した。 ある朝、私が目覚めた時、嵐が我が身に振り掛かった。 私は生きられるのだろうか? 言葉にならない不安が心をよぎる。 暗い世界から、光りあふれる暖かい世界にやっと目覚めたのに! 私の周りは急に騒がしくなった。たくさんの人が何やらわめいている。 何か大変なことが起きているのはよくわかった。 私は、痛くなかったが、自分の身に起きていることは知っていた。 私は目を開けて周りを見た。 一匹の、とてつもなく大きな毒虫となった自分の姿だけだった。 私は確かにここにいるのに、まるで私の存在を否定したくなるような感じ。 なんだろう……? 私は私の存在を、まだ感じられないでいた。 私が私の存在をやっと自覚できたのは、母が、私に会いにきた時だった。 私ははじける心を抑え、私がどうすべきか考えた。 私は、ここが世界なのか確かめたかった。 固い甲殻の背中。 世界とは、この中のことだったのだろうか? 私がイメージしていたのとは、だいぶ違っていた。 おまけに身体(からだ)はだるく、まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部は私の自由を奪っていた。身体、手、足、あらゆるところが変な感じがした。 私には、目に見えぬ脳細胞を守るべき手段を持てるはずもなく、私自身の運命をただ受け入れ、甘んじなければならなかった。私の脳細胞は、私の命と引き替えに消えて、世界を隠そうとしていた。 世界、私を 知識の海に誘(いざな)う。 その道、悲しく、 遠くに見た。 暗闇まだ晴れず、 暗黒の海に独り漂う私。 名はまだ無く、小さき神の 作りし子のひとり。
おかしな話 夕べ 私 夢を見たの とても不思議な夢 朝 目がさめると 私は変わった まるで虫のような 何だか不安で もしも このまま ずっと このままなら おかしな話 夕べ 私 夢を見たの とても不思議な夢 とても悲しい夢
誰か半村良追悼記念を・・・
678 :
谷岡ヤスジ :02/05/21 22:18
昼に近いアサー!!(ムジドリ) ギャギャギャ!オレ毒虫になっちゃったもんネ! 母「ザムザちゃん…アーレー!!」 ドして!?ドーしよ…ドーすることもできんからお外に遊びにいくモンね!!
まず、事実から書く。 毒虫になった男はグレゴール・ザムザという名で、二十代だった。 彼は、販売員を職業としており、自宅のアパートに両親と、妹の四名で居住していた。 当日朝未明、ザムザは自分が突然毒虫になっている事を発見した。 その姿は甲虫のようであった、とザムザ本人も、その家族も後に証言している。 ザムザは起床する前、何か不安な夢を見たということである。 その理由は本人自身にも解らなかった、としている。
680 :
吾輩は名無しである :02/05/21 23:18
は、腹イテーェ! 面白すぎるぞオマエら! その才能を生かして山藤章二をめざせ! (戯れ絵師だけどな…)
ちょっと聞いて 私の秘密 今日の朝ね びっくりしたの いつものように 鏡を見たの そしたらぁぁぁぁぁぁ〜 ちょと聞いて 私の秘密 私のカラダ 虫になぁってた 信じられない 鏡の中が さいていぃぃぃ〜 変身(変身) 変身(変身) それでもパパはやさしいかしら 変身(変身) 変身(変身) 捨てたりしないで私のことを
682 :
シンガー板尾 :02/05/23 09:45
浜田「さっ、それでは、創路の歌声が ニューヨークのその友達にも届くと思う…はずです。 今週の第10位! 板尾創路です。 『変身』。」 ハイテクサラリーマーン! 格付けをするか〜 朝起きたら虫になってたけど オレは会社に行くのか〜 (セリフ)「今や!全部買い占めや!!」 変身、変身、変身さ〜 ヤーッ!!(変身ポーズ)
683 :
吾輩は名無しである :02/05/25 14:38
奇跡の詩人ネタ最高!
って、起きると虫になりやがっていた。はは。あきまへんの?あきまへんの?ほんまに? ええわい、酒飲ませ。もうこうなると仕事もできぬ、酒飲ませ、やほほ。 たいへんな美男が虫、えへら。捨てよう、自分。あんけらそ。
685 :
笠井潔@デビュー作 :02/05/25 19:27
寝具の汚れを嫌って、傍らの小卓の隅で昨夜からの多量の吸殻に埋もれた灰皿 の底に、風化する軽金属の肌に増殖し脆く盛り上がった灰白色の錆めいて見え る、煙草の先端でどのように微かな振動にも呆気なく崩壊し去るほどの成長し た棒状の灰を誤りなく落とすための、注意深く抑制された腕そして肩の微細な 動きに神経を集中し、その腕が茶褐色の触手に変貌している様を唐突に発見し、 硬い発条の軋む耳障りな金属音の呻き声で克明に反応する時代がかった大型の 寝台の上に横たわる姿を懐疑とともに見据え、一様に黒ずんだ堅牢な殻で覆わ れたその姿を認め、頭蓋の仄暗い内奥にいつしか確かな存在感をもって凝固し 終えた想念をあらためて、その意味の重さを噛み締めるように呟いてみる。 完璧な変身それが問題だ。 目覚めて三本目の煙草に火をつけ、どこか鬱屈して凶暴な翳のある想念に至る、 意識の薄明に錯合する捩れ縺れた迷路を辿りながら、辛い刺激的な紫煙を吸い 込むことを意識的に反芻するのだが、昨日までは無意識の行為としての煙草が、 血液に溶け出すどころか肺を失うことになっていることにはたと気付き、胸の 裏側に疼く微かな痛みが点々と散るのに軽く耐え、成分を殆ど損なわれていな い紫煙が吐き出されるのを眺めつつ、あてどもなく意識の迷路を彷徨い続ける。
686 :
吾輩は名無しである :02/05/25 20:03
えっと、「文は人なり」って言うことについて。 確かに文章にはその人間の人生とか経験、性格、環境…なんかが どうしても反映されてしまう。隠そうとしても別人を騙ろうとしても、 なんかその人間特有のクサさというか、それが露われてしまうもんだよね。 それで、例の神戸事件の酒鬼薔薇と名乗った「犯行声明文」なんだが、 あれはどう見ても何度読んでみても、 14歳の少年が書いたものじゃないんだよなー。試みに、 祖母を殺して自殺した朝倉泉の克明な犯行ノートを読み比べてみると ますますハッキリする。 エリートを自他ともに認めていた16歳の少年の、祖母を殺そうと決心するに 至る経緯を、自ら詳細に辿ったノートの文章……それですら、 如何に大人びていようともやはり、16歳の少年の文章なんだよ。 それに比して、酒鬼薔薇と名乗った「犯行声明文」は 完全に大人の文章であり、とても少年A(国語の成績も2の中学生14歳) が書いたとは思えない。・・・冤罪説に対しては、革マル派がどうだのと 言い立てて即潰そうとする動きがあるようだが・・・・ 文章だけをじっくり読み込んでいくだけで、 謎はどんどん深まってしまう・・・・>ニュー速板にスレあり
687 :
吾輩は名無しである :02/05/26 04:32
笑いage
688 :
吾輩は名無しである :02/05/26 20:26
もう旬は過ぎたな、このスレ。
689 :
吾輩は名無しである :02/06/11 05:54
age
朝起きるとぼくは虫になっていた。トレンディーじゃない。 「トレンディーじゃないんだ」と、ぼくは口に出して言ってみた。
691 :
吾輩は名無しである :02/06/11 15:47
そーいやこんな良スレあったな!age
692 :
吾輩は名無しである :02/06/16 14:57
なりきりドラも面白いが、こっちの新作が寂しい。
ハイ皆さん、また会えましたね。 さて、今夜ご覧頂くのは「変身」、いっせんきゅうひゃくじゅうろくねん、ドイ ツの映画ですね。 変身、何に変身するんやろ、一人の男が虫、大きい大きい、毒虫に、変身するん ですね、コワイですね〜。監督はフランス・カフカ、「審判」ありましたね、 「城」ありましたね、「アメリカ」、他にもいっぱいいっぱい撮ってますね。 それでは時間来ました。虫になった男は一体どうなるんだろ、ドキドキしながら、 御覧なさい。それではまた会いましょうね。サイナラ、サイナラ、サイナラ。
フランス→フランツ
シンガー板尾うまいなー。
どうやったら1みたいに名前が赤くなるの?
698 :
吾輩は名無しである :02/06/30 19:41
699 :
吾輩は名無しである :02/06/30 19:41
700 :
ピーコ@辛口 :02/07/01 03:01
「次はコレね。グレゴール・ザムサさんね。 今起きてすぐなのね。お化粧のりが悪いですね。 この人にはこんな甲殻に合わないと思うわ。 ちょっと見た目お固いのよね。 どうせならもっと軽めのスカーフなんかのほうがよろしいんじゃないかしら。 あら、おなかの部分はなかなかいいわね。 まるくふくらんでて、弓の形した固い蛇腹なんていい個性的でおしゃれですね。 でもね、ちょっと素材がダメね。てかってて主張しすぎなの。 白茶色のラメはいただけないと思います。 冷静になってちょっと覗き込んでみれば分かると思いますよ。」
君が妹であるようにオレも毒虫であり オレたちはみんな毒虫 オレがリンゴを投げつけられた毒虫みたいに逃げていくのを見なよ こんなに慌てちゃって まったく泣けてくるね ベッドの下にうずくまって 支配人がむかえに来るのを待ってる たくさんの足をモゾモゾさせてバカでうんざりさせるモーニング セールスマンだった僕 ずいぶんひどい体になったもんじゃないか オレはセールスマン 彼らはセールスマン オレは毒虫 goo goo goo joob
702 :
ポール・マッカートニー :02/07/01 16:46
これから何年もたって アタマが薄くなっても 僕の部屋を掃除したり 朝起こしに来たりしてくれる? もし僕が部屋から一歩も出られなかったら ドアに鍵をかけちゃう? まだ僕は必要とされてるのかな? 僕にごはんを与えてくれるかな? ぼくが虫になっても 君だって虫になるかもしれないんだ そのときは君にこう言ってほしい 「ずっとそばにいるよ」ってね 僕は色々役に立ってあげるよ 大家が押しかけてきたとき 尻尾をあげて追い返してあげる 君たちは一家四人で暖炉にでもあたって 日曜の朝には郊外までピクニックに行くといい 君たちの弾くヴァイオリンを聞いたり 河をながめたり それだけで僕は満足さ まだ僕は必要とされてるのかな? 僕にごはんを与えてくれるかな? ぼくが虫になっても
新規期待age
704 :
吾輩は名無しである :02/07/07 06:52
>>702 ワロタ
何だっけ? when i`m sixty-four?
705 :
金井美恵子 :02/07/07 11:00
........もちろん、そんなことはたいしたことじゃない、こんな(毒虫に なったことは)たいしたことじゃないし、どおってことのない、取るに 足りないこと、少し頭痛がするし、頭も何だか、ぼんやりしている、 熱があるんだろうか、熱が少しあるのかもしれない、顔がほてるし、額も 熱くなってるもの、それに手と触覚が冷たい、頭も痛いし、てらてら 光る腹部の、どんよりと重くかさなる蛇腹をちらっと見て、アスピリンか なにか、とにかく痛み止めの薬を一錠か二錠、とにかくそれを飲んで眠って しまいたい、それでどうなるというわけでもないけれど、だって結局目は 覚めるのだし、だいいち、今朝毒虫になってからというもの、どのくらい 時間がたったのかしら、
706 :
681=685→J. ケルアック :02/07/07 15:56
以前はザムザも若かった──イメージもはっきりしていた──。物語はある朝か ら始まった──何も変わらない朝──グレゴール・ザムザが不安な夢(いまでは もう覚えていない)からふと目覚めてみる──そう、いつものように。ザムザは、 ……そうだ、初めて女の子とキスしたのは夏だった……ザムザ──その名前は忌 まわしい名前として刻まれる──ベッドの中で自分の姿が毒虫になっている……。 股間の白日夢。固い甲殻──マードゥの艶やかな肌のような褐色──爪を立てた 背中……。マードゥの歌──ザムザの背中──あんなに心を躍らせたマードゥの 歌──あたたかいヴァイブレーション……。仰向けになっていたザムザ。頭をも たげる──ほんの少し、ほんの少し──不安な夢の再来……。ザムザの腹には弓 形の節が刻まれていた。
707 :
吾輩は名無しである :02/07/08 00:33
エルロイ光臨きぼん
708 :
岩本ツトム@勝利インタビュー :02/07/08 01:01
まいどー、えーファンのみんなには自分が毒虫なってえらい心配かけて、 岩本はいったいどないなってるねんとおもわれたことでしょうが 節足になっても、今日なんか腕が上がらない中、チームの皆さんには感謝してます。 これからも今まで休んで分取り返す勢いで優勝に向かって投げぬきますので 応援よろしくお願いします!
709 :
吾輩は名無しである :02/07/08 01:50
リンボウ先生のご来訪をお待ちしております。
710 :
吾輩は名無しである :02/07/12 11:40
711 :
<font color= ◆l1nIZxlk :02/07/12 12:51
うーむ。
712 :
吾輩は名無しである :02/07/12 16:15
たまに文才とか無視したところでツボにはまるレスがあって 文学の本質とはナンダロウカと考える('Д`;)
713 :
新庄剛志@勝利インタビュー :02/07/13 07:36
明日も毒虫!
714 :
吾輩は名無しである :02/07/30 18:59
やばい
715 :
吾輩は名無しである :02/08/07 19:57
人が少なくなると、なぜか当たりが増える。
(履歴書に目を通しながら) 銀行員やってたそうだけど、転職の理由は? え? 目が覚めたら虫に なっなってたからだって? うん、まあ、どこから見ても君は虫だよね。 で、その原因は一体なんなの? え? わからない? そんな「わから ない」なんてことでビジネスが通用すると思ってんの? 社会っていう のは君が思ってるほど甘い世界じゃないんだよ! それでぇ、うちを選 んだ理由は? なに? 寝ころんで仕事ができそうだから? なに馬鹿 なこと言ってんだよ! そうやって厚い甲冑に身を固めてたって、社内 で寝てるだけでこの大競争時代に勝ち抜けるわけないだろ。考え方が腐 ってるよ・・・って、君、お腹のあたりホントに腐ってない? なんか 厭な臭いがするよ。うわっ、クセーな。もう帰って。シッシッ。あ、出 口は右側ね。はい、おつかれー。次のかたーどーぞー
717 :
ジム・モリソン :02/08/08 02:17
今から虫になった男の話をしてやるからな、よく 聞いてろよ。ある朝、男が目覚めると、巨大な虫 に変身していた。なあ、よお、そこのお前ら、よ く聞けよ、虫になってたんだ。ムシにだ。それで 男はその醜い姿を受け入れた。誰からも省みられ ず、鬱々として、だ。なんてこいつはイカす野郎 なんだ。クールだろ? 一発しこみたい気分だぜ。 なあ、そこのポリ公どもよ、想像力ひとつないお まえらには思い描けないだろうが、ムシになって 死んでいくなんて最高に燃えるだろ? なあ、燃 えるだろ? オーケー おれはムシになって燃え 尽きたいんだ。お前らもそろそろ準備はいいか?
718 :
名無しの康さん :02/08/08 03:46
これは如何なる禍事か。ある朝目覚めたら俺(グレゴール・ザムザの 事ね)は毒虫になってた。それもとてつもなく大きいやつ。うくく。 かかる状況下、どれってんで甲殻の背を下に仰向けになってちょいとばかり 頭をもたげると、カブト虫のようなまあるくふくらんだ腹部が見えてやんの。 やれんよ。はは。
1:これってカミュの『変身』だよな?:02/08/08 5:30
これってどうよ?
29:グレゴール・ザムザ:02/01/01 5:30
>>25 つーか、今日起きたら毒虫になってたんだけど…
30: :02/01/01 5:31
2ゲットオォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´
∧∧ ) (´⌒(´
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
31: :02/01/01 5:34
>>30 おせーんだよ、ヴォケw
32: :02/01/01 5:34
糞スレ認定
33:29:02/01/01 5:34
俺が独虫になったことに誰も驚かない。ウワーン。。。
34: :02/01/01 5:38
>33
通報しますた。
2:2:02/08/08 5:31
2
3: :02/08/08 6:03
朝っぱらから糞スレたてん名。氏ね。
それとカミュじゃなくてカフカな。
=== 終了 ===
720 :
吾輩は名無しである :02/08/08 08:37
721 :
吾輩は名無しである :02/08/08 10:09
723 :
大島弓子@綿の国星 :02/08/18 09:18
わたしはまだ子供の猫 猫には二つのルート 人間になる猫と毒虫になる猫 朝おきてみるく飲んで寝て朝おきてみるく飲んで寝て そうしたらわたしはとうとう毒虫になった トキオ わたしあんたにいっぱい毒液出してあげるね
724 :
美香 ◆5qBZxQnw :02/08/31 14:33
ここも上げておくか。うんとこしょ♪
725 :
武者小路実篤 :02/09/01 22:07
毒虫共 おまえの賢さと尊さとを のこりなく生かして見よ。 そこに神があらはれる。 神! 最後に神への凱旋。 毒虫の勝利 毒虫万歳! その道を歩かう 自分達兄弟姉妹
俺の文体を模写してみろ
728 :
吾輩は名無しである :02/09/13 21:01
保全
729 :
吾輩は名無しである :02/09/16 19:43
この人の文体、イイ! っていうの教えて。 買ってくるから。
730 :
おりじなるはだめ? ◆XRLSErE6 :02/09/16 22:04
目を瞑ってみたまへ。 きみの形をきみは覚へているだろうか? 奇妙に長い腕と足。 2本のひょろ長い足できみはどのやうに 歩いていたのだろうか? ひょろ長い胴体。 頼りない節で接続された皮と骨。 その上に不安定に乗せられた頭部。 きみの形はそのやうなものだっただろうか? 本当のきみの姿を思い出してみたまへ。 頑丈な胴体。安定した脚。 そんな形ではなかったか? きみのあるべき姿はどのやうなものか? 思い出せるだらうか? さあ、起きたまへ。 ・・・なにか妙な夢を見た気がする。 なにか、違和感を感じるのはそのせいか? 俺は・・・グレゴール・ザムザ。 なんのことはない。いつもの朝だ。 体にも異常はない。 固い甲殻の体。頭をもたげればまるくふくらんだ 褐色で弓形の固い節で分け目のある腹部が見える。 何か・・・忘れている?
731 :
吾輩は名無しである :02/09/16 22:05
ぼくは人間として生まれ、 何十年かかって 完全な毒虫となるのである そのときがきたら ぼくは思いあたるだろう ぼくの体は固い甲殻でできていて、 ちょっとばかり頭をもたげると、 まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で 分け目を入れられた腹部が見えるのだ。 ぼくは人としての形が 自分自身の夢のなかにしかないことを 知っていたのだ
733 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:01
ほんとうに、こういうオナニースレやめてほしい。 文才があるつもりのオナニー馬鹿が精子をもっともなく まきちらしているだけ。 自己満足いかだし、ぜんぜん文体もでたらめ。 すぐ 死ね
734 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:04
735 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:07
736 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:09
>>730 そういうのは、誰にも見られない日記に書いて
一生抱いていなさい。人眼にさらすモノではない、恥かしい。
見る方が、なお恥かしい。
737 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:10
738 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:28
・・・なんかひどく巧いパクリ文章を並べたスレあったろ、 ここじゃないんか?
739 :
吾輩は名無しである :02/09/16 23:35
っていうか今の時代「文学」とか言ってる時点でダメ人間に 片足つっこんでるだろ。おまえらみんなダメ板行け。
それをダメというなら時代は関係ないと思うが… ダメ上等
741 :
山下清@アシヤガンノスケ :02/09/17 08:28
〜ルルル〜ル ルルル〜 清「おなか、すいたな」 清「おなか、すいたんだな」 しゃがみこむ清、照りつける夏の日差し 女「アラ、ちょっとあなた、どうしたんですか」 清「ボクはあやしいものじゃありません おなか、すいたな」 女「何も食べてないの?」 清「毒虫、食べたいんだな お母さんがおなかがすいたら 下さい、って云えばいいって教えてくれました」 女「はい、これ残り物だけど...どうぞ召し上がれ」 清「はい、ありがとうございます」 てりっとした毒虫の脚が5本ばかり小さく切ってある 清「おいしいなあ... 固い脚だな」 清「ウッ 喉につまったんだな」 女「あら、ウフフ」 清、絶命
古池や 毒虫飛び立つ オナラ音 お粗末!
743 :
県立ザムザ高校校歌 :02/09/17 22:57
古城そびゆる モルダウのほとり その背ぞ堅く その腹は太く その脚は さやけき心 その毒は 邪をくじく剣 悪夢に負けぬ いさおし我等ぞ おお おお ザムザ ザムザ プラハの誇り
744 :
吾輩は名無しである :02/09/17 22:58
糞スレ、認定!
745 :
ベンヤミン :02/09/18 12:20
その朝、おれは毒虫に複製されて世界に偏在していた。 それは将に毒虫の凋落としか言えない状況であった。 おれのアウラが失われたのだ。 デュシャンの便器におれは身を投げて死のう。 せめて家族によって踏み潰されぬ内に。 デュシャンの泉に我が死体を浮かべることこそ 芸術であるからだ。
おまえらこんなとこに溜まってないで、スポーツをしろ。
その朝、おれは外野の塀に寄りかかって 守備をさぼりつつ,居眠りしていたら 毒虫にさされちゃった。 だからメジャー・リーグってヤダ。 毒虫になって空中を飛び、新庄の 凡フライに噛みついてやろうと思ったのにさ。 スポーツはやだやだ。
748 :
ジャック・ニコルソン :02/09/20 00:12
仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで 遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザ ムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫に なる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ば かりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばな いとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは 毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。 仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで 遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザ ムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫に なる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ば かりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばな いとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは 毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。 仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで 遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザ ムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫に なる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ば かりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばな いとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは 毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。 仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで 遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザ ムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫に なる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ば かりで遊ばないとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばな いとザムザは毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは 毒虫になる。仕事ばかりで遊ばないとザムザは毒虫になる。
749 :
吾輩は名無しである :02/09/20 00:45
redrumか、ウケタ
750 :
吾輩は名無しである :02/09/21 05:21
シャハラザードは言った。 おお、幸多き王様よ、語り伝えますところでは、──さあれアッラーは さらに多くを知りたもう── ある朝のこと、グレゴール・ザムザが落ちつけぬまどろみの夢からふと 覚めてみると、ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒 虫に変わってしまっているのに気がついたのでした。仰向けに寝ていた のですが、下になった背中は甲殻になっていて、その固くてなめらかな ことといったら御影石のようでした。おなかはというと、鳶色の砂丘の ようにふくらんでいて、弓形の固い節で分け目をいれられていました。 しなやかな槍の穂のようにとがった足がいく本もはえていたのですが、 その細いことといったら、よくも全身の体重が重みをささえられるもの だと思えるくらいです。その姿の前では百合の花も薔薇の花も色香を失 ってしまうようでした。アッラーの御業に称賛あれかし! グレゴール・ザムザの方はこのような次第でありました。 ──ここまで話した時、シャハラザードは朝の光が射してくるのを見て、 慎ましく、口をつぐんだ。 小さなドニアザードは、姉に言った。 「お姉様のお言葉はなんと快く、味わい深く、愉しいのでごさいましょう。」 するとシャハラザ−ドは答えた。 「もしわたくしになお命があって、王様が私を生かして下さるならば、明晩 お二人にお話しするものに比べれば、このお話は、ものの数にも入りません!」 シャハリヤール王は心の中でこう言った。 「アッラーにかけて!余はこの話の続きを聞いてしまうまでは、この女を殺すまい。」
751 :
吾輩は名無しである :02/09/21 05:37
Fukouda. mainichi ohanashi shtekurenaito・・・・・・
752 :
非情支配人"ザムザ君”を再び泣かす! :02/09/22 06:40
「あれは変身ではないよ。うちの社員はみんな、本当に怒っていたんだからねネ。 常識なんだよ。本人が知らないなら、身内の人間(親や妹)が教えてやらなきゃ。 あの時だって、ザムザ君が知らないで遅刻したのなら、 身内の人間が店の小僧に一言謝っておけば、だいぶ違ったよ」と、 正当性を主張するばかり。
753 :
吾輩は名無しである :02/10/01 02:28
二死たんage
754 :
モリッシー :02/10/02 22:59
毒虫になった少年 甲殻に覆われた背中に隠した殺人的な愛への欲求 毒虫になった少年 ふくらんだ褐色の腹の中には毒毒しい愛への欲求 僕の複眼を見つめながら なぜ林檎を投げつけたりできるの そして天は僕がみじめなのを知っている 僕は虫だけど愛を必要としている みんなと同じように
755 :
吾輩は名無しである :02/10/02 23:06
こんなところで二死タンの名言を見るとは・・・(w
誰か日記サイトの「猫を起こさないように」やってくれないかな……
オレヤバイ スグカエル -ザムザヨリ-
758 :
吾輩は名無しである :02/10/20 22:28
トンネルを出るとそこは毒虫だった。
ふと、朝、目が覚めてみたら、からだの全体が、こう、こそばゆいような、くすぐったいような、感じがして、 あわてて家人を呼ぼうと、思ったのであるけれども、 どうにも、こうにも、体の方が動かないので、あった。 そこで私は、まず、煎餅布団の中から、首だけを、ひょぃと、動かしてみようと、思ったのであるが、 それすらも、ままならないのであった。 芥川のこともあるし、幾多の西洋の詩人のこともある。 私は、不吉な予感に襲われて、「ああ、もう自分も駄目か。世紀末の悪鬼にたたられたのか」と観念したので、あったが、 それはそうと、私の生涯は、いまさらながら、こうして、布団の中から、首を出して、だらしなく、無為に過ごしてきたようなものでもあり、 誰に何をいうともない、自業自得という考えが、浮かんだので、あった。 閑話休題。 はて、驚いたのは、私の体から、黒い爪のような、直径三寸ぐらいの大きな棘が生えていることで、あった。 またしても、頭の病気の再発であるかと、私は、恐怖し、ひたすら「おおい、おおい」と叫んだので、あった。
760 :
吾輩は名無しである :02/11/04 21:09
age
761 :
吾輩は名無しである :02/11/05 06:34
age
762 :
pl.koyanet.jp :02/11/15 17:55
ちょっと試させてください。
763 :
吾輩は名無しである :02/11/15 17:56
???
764 :
吾輩は名無しである :02/11/15 17:58
あれー??なんで?セキュリテイーガードのしかたがわかんない
765 :
舞城王太郎〜土か水か糞〜 :02/11/18 20:46
俺は目覚めてみて驚く。不安な夢から醒めて一安心の俺の顔がみるみる強張るのが判る。俺のベッドから 出ている俺の足。黒くて細くて長くて不気味な俺の足。ゥアット?何なんだコレは。俺は仰向けになっている。 背中にゴツゴツした感触。何かがある?嫌な予感。足でそのゴツゴツしたとても嫌な何かに触ってみる。 予感的中。俺は泣きそうになる。ああ、俺の背中! シット!シット!シット!何なんだこれは!頭をもたげる。そこに広がる光景に俺は危うく失神しそうになるが 俺のクソみたいな理性がそれを許さない。視界に広がる俺の体。俺の体!俺のウルトラ素敵ボディはどうやら 俺が寝ている間に得体の知れぬ神様によって丸くされて膨らまされて褐色にされてついでに弓形の固い節で 分け目を入れられたらしい。ううおぞましい!
766 :
吾輩は名無しである :02/11/18 22:36
767 :
吾輩は名無しである :02/11/20 13:35
保全age
768 :
致命的誤訳 :02/11/23 16:34
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、自分の隣の ベッドの中に一匹の、とてつもなく大きな毒虫がいるのに気がついた。
僕が読んだ本はカフカというひとの「変身」という本です。 この本は主人公のグレゴールがある朝不安な夢から覚めると自分が 巨大な一匹の毒虫になっていたところから始まります。 (中略) この本を読んで僕が思ったことはどうして家族がわかってあげられ なかったのかということです。あと、リンゴくらいで死んでしまうの はちょっと情けないと思いました。
保守age
結局、余の伝えたいことの半分以上がこの文明社会の中を ただ通り抜けていくだけ、という無力感を噛み締めているのであります。 窓の外に広がる美しい風景を通して、余は千年に連なる歴史を懐古することもあれば、 また、狂おしくこの二十世紀の道のりを歩んでいかねばなるまい、という決意を同時に 固めるものであります。余が小説を書くということは、すべて過去と未来を繋げていくことなのであります。 それ以上もそれ以下でもありません。
起きた、見た、毒虫だった。
775 :
吾輩は名無しである :02/12/16 23:23
保守あげ
【グレゴール】ダメな上に毒虫に変身!!!【ザムザ】
777 :
湾岸ミッドナイト風 :02/12/28 23:50
いつだったっけか 朝不安な夢を見てサ 目ェ覚ましたら ベッドの中で自分の姿が変わってるのヨ オイオイこれ毒虫だろーって(笑) 背中なんか固い殻になっちゃっててサ ちょっと頭もたげたら 腹んトコがまるくふくらんで 褐色の 弓形の固い節で分かれてるワケヨ
朝。お日サマがキラキラしてて、あたしは目が覚めた。 あたし、ザムザ。なんだか不安なユメ見たな……なんて思いながら。 ふあぁ……って。 大きく伸びをした……ううん、伸びをしようと、した。 あ、れ――――……? 瞬間。あたし、気付いたんだ。 『あたし、ドクムシに変わっちゃってる』……!!? ちょっと、ちょっと、これって一体どーゆーコトよ!? ジョーダンじゃないわよ、って、アタマ動かしてみても、おなかがまぁるく 膨らんでるのが見えるだけ。しかも、よりによって色なんて褐色で、気持ち ワルーイ弓形の節で分かれちゃってる。 朝ッパラから、こーんなメに遭うなんて。 あたしは大ゲサにタメイキをついた。 あーあ、もう、サイアクッ☆
(^^)
780 :
吾輩は名無しである :03/01/22 04:33
山崎渉
職人召喚プログラム作動シマスタ
村上春樹でいきまーす。 作家じゃなくて、作品のキャラで^^ 星野っち↓ 参ったなあ。にっちもさっちもいかねえよ。 なあ、おじさん、ナカタさん。聴いてるかい? 俺っち、虫になっちまった。わかるかい? 虫だよ虫。それも特大の毒虫だ。 背中は固えし、腹はエビみたいな節があるしな。 俺っちは、自慢じゃないがせっかちなんだよ。 お前は春先の猫みたいに落ち着きがないって、 じいちゃんにも言われたもんだ。 だから、どうすりゃいいのかわかないけど、 長くは待てないわけだ。 やれやれ。参ったな。
ナカタさん↓ ナカタは頭が悪いので、詳しいことはわかりません。 ナカタが朝起きて、立ち上がろうとしますと上手くいきませんので これは困ったなと思っていますと、お腹が節のようになっています。 ナカタには思い出はありません。前にも同じことがあったかもしれませんが わかりません。 背中も固い、亀のからのようになっていまして正直ナカタにはどうしていいか わかりません。このままでは、知事さんのホジョも 受けられなくなるかもしれません。
大島さん↓ 「『おおよそ心ある女性で、私と同じような責め苦を負わされて、私と同じよう に振舞わないものがいるだろうか』僕はそう思ったんだ」 僕は黙ってうなずく。 大島さんは笑う。「僕は人間からすれば間違いなく虫だけれど、 週朝の虫じゃなくて、朝目が覚めたら、文字通り毒虫に変わっていたんだ。 でも、変な夢を見ただけで前兆は無い。背中は甲殻で覆われているし、 腹は、褐色の節でまるく分かれている。さっぱりしているといえば、 とてもさっぱりしている。それがどういう感じのものか、君には理解できない だろうけど」 「たぶん」と僕はいう。 「ときどき僕自身にもなにがなんだか理解できなくなることがある。 僕はいったいなんなんだろうってさ。ねえ、僕はいったいなんなんだろう?」 「それもメタファーかもしれない」と僕はいう。 以上。「海辺のカフカ」からでーす。
785 :
吾輩は名無しである :03/01/22 23:38
786 :
吾輩は名無しである :03/01/22 23:50
787 :
吾輩は名無しである :03/01/22 23:53
湾岸ミッドナイト風にワロタ
>>786 過去ログちゃんと読んでない・・・ ごめんね・・・
もう寝よ・・・ ZZZZZZZ
______ ____________
V
"""" ∫ ∧∧"" |/) """""
""""━c(- -*)つ⌒つ """""
""""""""""
「ねえキク、分かるでしょう? あたしとても嫌な夢を見たの、ヌルヌルした温かい渦がどこまでもあたしを追ってくるのよ、 逃げようとしても身体が動かなくてあたしはその渦が自分の目の前に迫っても何も出来ないの、 悔しいじゃない、だからあたし渦を受け入れる事にしたの、おいで!と叫んだわ、 追い掛けてくる時はあんなに速かったのに呑み込まれる時はとてもゆっくりだった、 身体が少しずつ噛み砕かれて溶かされていくような本当に嫌な気持ちだったけどあたし あんたとオムライス食べながら約束したプライドだけは守れたと思って嬉しかったのよ、 汗をびっしょりかいて目を覚ましたわ、身体が重いの、パンツの中まで汗が滲みてるような気がした、 熱でも出たのかしらと身体を起こそうとして目を開けて、あたし、あたしあたしもう一度寝ようと思ったの だってそこに何が見えたと思うねえキクそこに何が見えたと思う? あたしでっぷり太った毒虫になってたのよキク信じられる? お気に入りだった赤いシルクのキャミソールはびりびりに裂けてたけどそんな事はどうでも良かったの、 問題は、何であたしが毒虫になってるのかって事なのよ、背中は何だか固くて感覚が無いのよ気持ち悪い、 少し頭を起こすと、縦長のお臍が自慢だったあたしのお腹は安い絵具で塗り潰したような黄土色になってて 節くれ立った分け目が入ってるのよねえキク聞いてる?どうしようあたしどうしたらいい?」 「ダチュラ、だ」
791 :
吾輩は名無しである :03/01/23 18:26
age
【目覚め】メル友が毒虫でした・・・12匹目【鬱】
今朝 わたくし 目を覚ましますと 全身 毒虫でございました。 おやおや また再発したのかと思い ウインタミンを4錠 飲み終えると 思いきって お布団の外に出てみました。 42歳 厄年 自称セールスマン。 妹思いの 統合不全症患者でございます。 朝の8時から 夜の8時まで 妄想幻覚と闘いながら(以下略)
795 :
吾輩は名無しである :03/02/25 13:13
Come out!毒虫恋心 (作詞・作曲/ つんく♂) 怖い夢 めっちゃ怖い夢 見ちゃった朝は なんだか不安になるじゃない? だから だからこんな朝は あなたにメールするわ そういえば そういえば私 今日はバイトで こうしちゃいられない! 急いで ベッドから飛び起きたの いつもどおりの朝 そのときです 驚き大仰天 虫になっちゃった 私 でっかいでっかい めっちゃでっかい虫 なぜなの? ああ、なぜでしょうね? だけど 私 それでも女の子だもん! こんなに君が好きなんだ! おなかが割れちゃった ダイエットしなくちゃ そうよ 私 これでも女の子だもん! 君は私を愛してくれる? ああ メールが帰ってこない 原宿で待ち合わせ
796 :
世紀のetudiante ◆JALx7HZTVo :03/02/26 04:15
高村光太郎『雨にうたるるカテドラル』ver おう又吹きつのる雨風。 外套の襟を立てて横しぶきのこの雨にぬれながら あなたを見上げているのはわたくしです。 毎日一度はきっとここへ来るわたくしです。 あの日本人です。 けさ、 夜明け方から急に上がりだしたおそろしい熱が、 今巴里の果てから果てをかけめぐってゐます。 わたくしにはまだ自分の体の異変がわかりません。 イイル ド フランスに荒れ狂ってゐるこの甲殻の背中と、 褐色の節でまるく分かれている腹をパリジャンヌがどう思っているかさへ知りません。 ただわたくしは今日も此処へ立つて、 ノオトルダム ド パリのカテドラル、 あなたを見上げたいばかりに這って来ました。 あなたにさはりたいばかりに、 あなたの石のはだに人しれず接吻したいばかりに。
しまった! >あの日本人です。 を、あの毒虫です。とすればよかった・・・^^; というか、このレスは止めれば良かったな。 心が痛む。
ho
799 :
吾輩は名無しである :03/03/18 08:13
age
800 :
吾輩は名無しである :03/03/27 23:30
椎名林檎やって、だれか。
「グレゴール。いとしいわ」 母親の涙声に、本を読んでいたグレーテは眼を上げて見た。 「たくさんはえた脚。固い甲殻に覆われた背中。きっと、お腹なんかたくさん節が入っているわよ。 重い荷物を背負ってきたチェコの男の歴史を体現している肉体よ。若い女の子たちはどうしてこの体 の美しさ、哀しさ、いとしさがわからないんだろう」 「あらぬ方向に八つ当たりするのはやめてちょうだい」 グレーテが言った。
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
803 :
吾輩は名無しである :03/04/22 05:02
僕は毒虫になった。 わき腹や背中がチクチクするが、慣れればどうってことはない。 僕はウマいと思った。 これで今日は学校をさぼれると思ったからだ。 じっさい、母が狼狽している様子を眺めるのはいい気味だ。 「おやすみなさい」 僕はふとんにもぐりこんだ。
805 :
吾輩は名無しである :03/04/22 05:23
806 :
吾輩は名無しである :03/04/23 23:07
ざむざ はめがさめた ! ざむざ はどくむしになっていた ! ざむざ のこうげき ! せなかがまるくておきあがれない ! ちちおやのこうげき ! ちちおやはりんごをなげつけた ! ざむざ はしんでしまった …
ところで、今朝寝床から起きたら身体の様子が変なのです。 まず、身体を起こそうとどんなに努力してみても動かない。 そう、どうしたことか寝ているうちに毒虫になってしまって いたのです。なんとも文学的ではありませんか? 背中にシーツの感触がない、触れているのに触れていないような もどかしい感触を感じるに至り、僕はついに毒虫へと変貌を 遂げてしまったことへの確信を持つに至りました。 世間に背を向けて頑なに自分の意志を堅持し続けて生きてきたことも 要因の一つかもしれません。
>>808 けっこううなされることあるね。特に発情してるときとか。w)
今朝も金縛りでした。アルコール最近ひかえてるんだけどな。
>>808 私が毒虫だと書いたのは今朝の時点ですよ。いまだに
毒虫であるとは限らないでしょう?
>>808 つまんない煽りだね。
私のまるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目を入れられた
腹部は君のどす黒い腹よりもましだと思うけどね(w
ほんとに忙しいんで落ちるね〜。
爆裂ザムザ OP テーマ 「触覚少女・萌ぇ」 迫る官憲地獄の軍団 ナオンを狙う黒い影 世界の平和を守るタメゴロー ゴー、ゴー、五号発進! 到着まであと何分何秒だ? 「パーカー、やって頂戴」 「はいお嬢様」 クチクラアタックそりゃーっ! マルピーギ管クラッシュとりゃーっ! 赤色灯が街を染める 「そこのお嬢ちゃん、 わしの触覚を試してみないかね」 フェロモンはナオンの特許 だけど汁が出ちゃう。毒虫だもん 体液も毒針も硬い甲羅と体節で 大空に遠く叫びたい 「へんっしんっ。とうっ!」 交尾器の使い方がわからない
しまった、5号は発進しない。 ま、いいか。ファーザーだし。
アキレスと亀が、ある日、散歩の途中で出くわす。 亀 いい日だな、アキ公。 アキレス まったくだ。 亀 いいところで会ったよ。 アキレス 嬉しいことを言ってくれるね。 亀 そうかい。どうだい、ピルスナービールを一杯飲まないか? アキレス きみも俗物だなあ。この地域では、チェコびいきはそうとうに趣味が劣るん だぜ。そう思わないかい? 亀 同調しかねるな、この場合は。チェコといえば、カフカは素晴らしい作家だね。 アキレス ありゃ僕の友達だよ。あいつはしょっちゅう愚かな真似をするからな。 (突然、毒虫がどこからともなく現れ、興奮しながらやってくる) 毒虫 やあ、やあ!どうしてるね?元気かい?見えるだろう、この固い甲殻、 弓形の固い節で分け目を入れられた褐色の腹。目が覚めたら虫になってたんだよ。 ふん!こんないい日だってのに。這うだけで過負荷がかかるんだよ。でも、むざむざ 死にたくないね。おっとっとっ!そろそろ行かなくちゃな。なんせこんないい日和だ。 グレゴールの人生をたたえて歌ってぐれごーる! (現れたときと同じように突然姿をくらます) 亀 ありゃ僕の友達だよ。あいつはしょっちゅう愚かな真似をするからな。 アキレス 同調しかねるな、この場合は。カフカと言えば、チェコの作家は素晴らしいね。 亀 きみも俗物だなあ。この地域では、チェコびいきはそうとうに趣味が劣るんだぜ。 そう思わないかい? アキレス そうかい。どうだい、ピルスナービールを一杯飲まないか? 亀 嬉しいことを言ってくれるね。 アキレス いいところで会ったよ。 亀 まったくだ。 アキレス いい日だな、亀公。
☆ ある晩 グレゴール・ザムザがブリキの月から真っ逆さまに落ちる夢から目覚めると 大きな毒虫になっていた 窓の外にはお月様が出ていた 彼は 固いシエルの背中を下にして ちょっとばかり頭をもたげた すると まるくふくらんだ 褐色の 弓形の固い節で分け目を入れられた ハイカラアな腹部が見えた ☆
814 :
いかいか ◆YffIGX9Bno :03/05/07 23:07
毒虫になっていく。これが進化なのか退化なのかは なってみなければわからないが、ひとついえるのが 私が完全に毒虫になりきるには、一握りのコショウと 微量の日光が必要なのである。 しかし、これがどうも手に入らない。 店を何件か回ってみても、あるには塩だけで、日光は重い どす黒い雲に覆われてやがる。 どうしたものか。
815 :
吾輩は名無しである :03/05/08 11:08
私はザムザが嫌いです ザムザは大きな毒虫で 固い甲殻におおわれた背中と 節のはいったふくらんだ褐色のおなかをしている 私はそんなザムザが嫌いです 努力のそぶりも見せない 忍耐のかけらもない 人生の深みも渋みもなにも持っていない そのくせ下から見上げるようなあの態度 火事の時は足手まとい 離婚の時は悩みの種 いつも一家の問題児 そんなお荷物みたいな そんな宅急便みたいな そんなザムザが嫌いだ
>815 つぎは咲坂さんでお願い(゚д゚)
ザムザ「どうも背中に甲殻のようなものが……」 店員「かさぶたですね。オロナイン、フェミニーナ、 とまあ、どれをお使いになっても似たようなモノですが」 ザムザ「お腹に変な節まで出来ているんですが……」 店員「痒み止めでしたらレスタミン、ウナコーワ、 とまあ、どれをお使いになっても似たようなモノですが」 ザムザ「家族に白眼視されているようなんですが……」 店員「コデイン、モルヒネ、ヘロイン、 とまあ、どれをお使いになっても似たようなモノですが」 ザムザ「どうも毒虫になったような気がして……」 店員「スピード、速いやつ、S、シャブ、 とまあ、どれをお使いになっても似たようなモノですが」
変身とは批評です。 変身する人というのは、ほぼ例外なく無口です。無口で社交下手、そういう性格と変身の才能は、 どこかで根っこがくっついているような気がするんです。 つまり批評家の目。これは僕の感覚だけど、人生を華やかに送って、不平不満のない人には、批評 とか諷刺の才能はあまりないんじゃないかな。人生の中で鬱屈を抱えながら過ごす、そういうものが どこかに溜まっていって、エネルギー源になっているのではないか。 うちの塾生にグレゴール・ザムザという人がいますが、彼の場合はある朝突然に大きな毒虫に変身 してしまいました。僕は「毒虫派」と名づけたんですが、人間ぐらいの大きさで、固い甲殻におおわ れた背中と弓形の固い節で分けられた褐色の腹をした毒虫という過激な姿なんです。 ザムザは元々プラハで服地の販売人をしていました。詳しくは知りませんが、物を売るためには、 下げたくもない頭を下げなければいけないこともあったと思います。その鬱屈エネルギーが爆発した んじゃないかと思う。ちょっと見る者をして慄然とさせる変身です。
ひとつ私も、毒虫になってみようかな  ̄ ̄
820 :
ニュー速他でお馴染み千葉のJOYさん(笑) :03/05/25 03:46
2003年05月18日(日) 毒虫な家系!? そのうち子供たちが食事に飽きはじめ、店内をちょろちょろ走り回って遊んでいて 私たちも帰ろうか…と荷物をまとめ始めたとき、舞衣が 「さっき親の姿が毒虫って言ってた」というので ザムザと目くばせをして「誰が?」と聞くと「お店の人」とのこと。 舞衣の手を引っ張り、ホールに出て「どの人だった?」と聞くと 「ほくろのある人だけどよく覚えてない」と言いました。 「はっきり言いなさい!」と言うと泣きそうになりながら 一人の若い男の子を指差しました。その人のところへ行って 「お前、うちのザムザを見て褐色の弓形の固い節で分け目を入れられた 腹部とか言ったんだって?」と言うと 「いえ、言ってません」というので舞衣に 「こいつなんでしょ?」と聞くと目をこすりながら 「わかんない」と、怒られたときのようにしゅんとしてしまいました。 弟たちも奥の部屋から出て来て、「どうした?」と言うので説明すると 「なにぃ?」と飛んできて「従業員全員並べろ!!」と大騒ぎ。 もう一度舞衣のそばに行き「お店のためにもきちんと言わないといけないから この中の誰が言ったのかちゃんと言いなさい」と説得したらやはりその人だと言いました。 頭をなでながら「先に出ていなさい」と外に出し、そいつの胸ぐらをつかんで 「やっぱりテメーが言ったんじゃねーか!!」と言うと「すいません!!」と蚊の鳴きそうな声を出していました。 殴ろうと思ったら弟が横からやってきてボカッ!バコッ!! 少しするとヒデも出てきてまたもやバキッ!ボカッ!バコッ!! 「アタシらが固い甲羅の毒虫だよ!!」と言うと「すいません、すいません!!」と 泣きそうな顔で謝り、ガタガタ震えていました。 殴るザムザの手を止めようとする店長の手を押さえ、「店のためだよ」とワタシが言うと すんなり手を引っ込めたということは殴られても仕方がないなと店長も思ったのでしょう。 ザムザは店長にも「お前んところは従業員にこういうことを平気で言うような教育を しているのか!」と怒鳴りまくり。かなり変身してしまいました。
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
携帯ゲーム機"プレイステーションポータブル(PSP) このPSPは、新規格UMD(ユニバーサルメディアディスク)というディスクを利用しており、そのサイズは直径6cmととても小さい(CDの半分程度)。 容量は1.8GBとなっている。 画面は4.5インチのTFT液晶で、480px x 272px(16:9)。MPEG4の再生やポリゴンも表示可能。外部端子として、USB2.0とメモリースティックコネクタが用意されているという。 この際、スク・エニもGBAからPSPに乗り換えたらどうでしょう。スク・エニの場合、PSPの方が実力を出しやすいような気がするんですが。 任天堂が携帯ゲーム機で圧倒的なシェアをもってるなら、スク・エニがそれを崩してみるのもおもしろいですし。かつて、PS人気の引き金となったFF7のように。
823 :
吾輩は名無しである :03/06/12 16:23
age
街のネオン、とんかつ屋の看板 A,B,C(中村伸郎、佐分利信、田中春夫)座敷に三人差し向かい A「時に聞いたかい、あの話」 B「なんだい、なんの話だい」 A「虫だよ、凄いんだってさあ」 C「凄いって、何がさ」 A「脚だよ、生えてんだよ、こう、ざわざわって」 B「よせやい、そんなに生えるわけないじゃないか」 A「いやあ、生えるんだな。ほんとなんだ」 C「君見たのかい、それ」 A「いやあ、見てはないんだけどね」 B「そらみろ、怪しいもんだ」 A「いやあ、ホントさあ。ほんとなんだ」 C「おいねえさんビール!」 B「で、どうしたんだい」 A「なにがさ」 B「虫だよ。やっぱりこう、腹なんかふくらんでるのかい」 A「そりゃそうさ、虫だもの」 C「へえ、そんなもんですかねえ、と」 A「そうさ、そんなもんさ」 裏路地の明かり
825 :
吾輩は名無しである :03/06/22 13:30
誰かエガちゃんでやっつくれ!
ある朝、グレゴール・ザムザがなにか奇妙な夢から目を覚ますと、 寝床の中で自分の毒虫が巨大に固くなっているのを発見しました。 「大丈夫だよ、グレゴール・ザムザ。それは病気じゃない」 (電撃hp23号掲載「撲殺天使ドクロちゃん 恋のキューピッド大作戦だよ!ドクロちゃん」より引用)
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
あのう。 僕らね。 朝。 起きたら、虫に。なっ。 てしもて、こらアカン、て思うでしょ。 虫は、困るて。 それはね。 あの、虫て。 どんな虫か。 知らんのですけど。 虫ですよね。 アルカロイロ 出てる虫やったらね。 よかったんですけど。 こないだ、六甲の山でね。 くるまが。 動かんようになってしもて。 それ見てたら。動かんでもええんちゃうかて。 思たんですわ。 もぅ、ええんちゃうかな。 とね。 思たんですけど。 なんやかんや言うて。 キッチュが動かしたんですけど。助かった。 思たんですけど。 あれ、動けへんかったらね。 もう、虫ちゃうか。 思うんですよ。
♪ある日、兄の部屋、どくむしと、出会った せまい兄の部屋、どくむしと出会った
>828 牛しゃべりの感じが良く出ている。 「キッチュ」は「わかぎえふ」でもいいんじゃないかな。
(^^)
10時きっかりにTBS。山本圭主演の『変身』。 新藤監督の映画だとしょっちゅう顔を合わすんだが、 ビテレではこうなってみると意外に少ないね。俺の役は圭の親爺で、 こいつがまたひどいんだ。息子が毒虫に変身してるんで邪険に扱うの ってなんの。 で俺の娘、つまり圭の妹ってのが和泉雅子なんだよ。俺として ああいう優等生は苦手だね。気が強いのなんの、え、リンゴを 命中させて兄貴を殺しちゃうんだぜ。仮にも兄貴だろ。いくら足が 生えてるってもこいつは考えものだぜ、諸兄姉よ。どうせシヌんなら、 俺としては宮下順子の手にかかりてえなあヒヒヒ!! あれよあれよっていう具合に進み、これだからTVは楽。で、「はい、 タイちゃん、ごくろうさま」ってんで。昼にはロケの弁当を食って、 日テレへ。しかしなんだね、俺は撮影の合間に『城』を読んでいたんだが、 こういうのは俺の好みじゃないな。75点。
こんなスレッドがあったとは! はじめて知ったヨ! もう、誰かもっと早くageといて! ウチが気付かなかっただけかナ…
834 :
ハスミ総長 :03/08/06 11:19
夢のからの覚醒によって説話論的開始が行われたとことさらここで述べてみ るのが問題というわけでは勿論なく、また覚醒によって毒虫への変身という 表層的な風景が「事件」となったということでも勿論ないのであって、では どこに事件の唐突さがあるかといえば、むしろ何の唐突さもなく物語が開始 されてしまっていることに気付かざるを得ないことが問題であるわけだが、 かといってそうした事件性なき事件という逆説的表現をあえてここで言って のけることもまた凡庸な物語の「風景」の中に配置されてしまうのであり、 そうした言説自体がとりたてて事件となるわけのものでもあるまい。 (なんのこっちゃ・・・既出だったらスマソ)
835 :
吾輩は名無しである :03/08/06 13:11
>834 ワラタ!
836 :
名無し@4年目 :03/08/06 16:27
(1が原文出してなかったのでここに出しとくネ) ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。固い甲殻の背中を下に して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、 まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた 腹部が見えた。 だいぶネタでたけど1000までいきまひょ 834さん、蓮實重彦は前回スレであったけど うまいのでOKっす。 別のでもう1回おながいします 個人的には 705 :金井美恵子 759 :宇野浩二 スキですヨ!
837 :
くろうど・しもん練習 :03/08/06 22:30
ある朝グレゴール・ザムザが夢から覚めたとき自分が毒虫に変わってしまっている のに気づいた。固い甲殻の背中を下にして仰向けになっている姿勢で(その姿勢は フランドルで戦火の中をくぐりぬけたときに軍務用リュックを担いだまま寝転がっ ていたときのことを思い出させるのだったが)、その姿勢のままちょっと頭をもた げると、丸くふくらんだ褐色の弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が(丸くふ くらんだ褐色の――肌は、プロヴァンスに旅行に行ったときに出会った二十歳ぐら いの女の子(それはアルジェリア生まれの女の子だったが(アルジェリアがまだフ ランス領でなかった頃に私の父はそこで二十歳の母と出会い(私はもう二十六歳を すぎて当時の父の年齢を超えてしまい(主人公ザムザが(というよりも作者カフカ が)父という存在に対して持っていたあの複雑な節くれだった(固い節で分け目を いれられた)感情を今思い起こすとき(いま目の前を路面電車(赤色の路面電車) が走りすぎる)フランドルでの赤い戦火をもまた思い起こすのであり(アルジェリ ア生まれのあの子の赤い唇(あの弓なりの曲線)作者のかたくなな(まるで甲殻の ような(軍務用のリュックのような))性格(また慎ましくも頑固な文学的姿勢) は父親ゆづりであっただろうし(親と子の代が入れ替わるごとに(節がつけられる ごとに(それは中国で見た竹のように(竹がああまで垂直に伸びるのも節があるた めであり(弓形の固い節で分け目をいれられ(そうだ竹がときに弓形にしなること ができるのもまた節のおかげであって(目の前のアカシアの木にも節が見える‥‥ (後略)
今度はいつだ? 今度はどこだ? 今度はだれだ? それはある晴れた朝だ。部屋の中だ。グレゴール・ザムザという名前だ。 ベッドの中でもぞもぞとうごめいているのはだれ? おれか? いやそんなはずはない。 おれは寝てるんだからな。それとも起きているのか? まあいい。そんなことはどっちでも。いやはや。 しかしまるで毒虫だな。背中が固い甲殻になっているような気がする。 たぶん夢だ。起きているのでなければ。やれやれ。 ある朝に 部屋の中で 毒虫に 変身した。 ある朝に 部屋の中で 変身に 毒虫した。 ある朝に 毒虫の中で 部屋に 変身した。 ある朝に 毒虫の中で 変身に 部屋した。 ある毒虫に 朝の中で 変身に 部屋した。 ある毒虫に 変身の中で 部屋に 朝した。 ある変身に 部屋の中で 朝に 毒虫した。 ある変身に 毒虫の中で 部屋に 朝した。 ある部屋に 朝の中で 変身に 毒虫した。 (中略) 朝ではなかった。雨が窓ガラスを打っていた。
839 :
吾輩は名無しである :03/08/07 02:21
そういえばシモンもベケットもなかったっけ
840 :
吾輩は名無しである :03/08/07 03:26
ハテナの長旅にはいつも当てはない そして果てがない,いつまでも夢中になって バテない 肉体後に現れる理解者を待てないんじゃ いつまでたってもお前は俺には勝てないな 100年に一度のどんな発明にしても,99年も待ったんだ,1999年 俺じゃ無理かもな,だがエントリーだけはするぜ 執念燃やして少なくとも狙うぜ 答えはやはり心の中にあるらしいな 偉大な哲学者達にはとても及ばないが 進むという点では100年前と全く同じ 今日ここは20世紀の終わりだ
843 :
吾輩は名無しである :03/08/07 11:06
>841-843 ・・・ほとんど全部やん・・・ ヒマ人がw 勉強でもしろ
>841-843 ・・・ほとんど全部入れはって・・・おひまな人どすなあ 勉強でもしてくれはったらよろしゅうおましたのに (でもまあおおきに)
846 :
吾輩は名無しである :03/08/07 17:35
コレはまってますね(笑 (すいませんコピベで、しかも3年前か…) 33 :清少納言 :2000/08/08(火) ザムザはあけぼの。やうやう不安になり行く夢ぎは、薄く目あきて、 節くれ立ちたる四肢の細くたなびきたる。目には甲殻。背中の方は さらなり。仰向きてなほ、頭もたげたるほどに見ゆる腹部、褐色げ にして、いとすさまじ。まいて関節の四つ三つ、二つ三つなど、禍々 しく幾重にも連ねたること、返す返すもすさまじけれ。また、参り 果てて、さらでもいと寒きに、腹に掛けたる布団の止めどなく落ち 急ぐ様こそ、あはれといふも愚かなり。
あ、「漏れが書いた」のは伊集院静のやつです。
849 :
吾輩は名無しである :03/08/08 00:55
今後の希望===== ・みのもんた(おもいっきりテレビ) →これはみなさんかんたんでしょう。 ・花森安治(暮しの手帖) あの独特の調子はむずかしいか。 ・カトリック要理 問いと答えが連続する、しかつめらしい調子ですね。 ・池田大作(人間革命) 山本信一青年が活躍する部分をピックアップ? 聖教新聞(寸鉄でも信仰体験発表でも)
>>845 ×ほとんど全部入れはって
○ほとんど全部入れてくれはって
×勉強でもしてくれはったらよろしゅうおましたのに
○勉強でもしてはってたらよろしゅおしたのに
◇第1章 長い間、私は夜早くに床に就いていたのだった。ときにはた ちまち目がふさがり、「ああ、眠るんだな」と考える暇さえな いこともあった。しかも三十分ほどすると、もうそろそろ眠ら なければという思いで目が覚める。するとどうしたことだろう。 私は自分の身体がとてつもなく大きな毒虫に変わってしまっ ているのに気づいてすっかり驚くのだった。背中は固い甲殻 に覆われ、丸くふくらんだ褐色の腹部は弓形の固い節で分 け目がついている。
◇第2章 この夢とも現ともわからぬ半睡半醒の中で、私はやはり目を 覚ましているに違いないという感覚が与えられたのは、どこ からか投げ込まれたリンゴが背中にのめり込んだからだった。 こうした偶然でも起こらなければ、あの記憶が蘇ることはな かっただろう。私は痛みに耐えながら長く伸びた触覚を動か していた。
◇第3章 その時だった。触角が無意識につぶれたリンゴの汁に触れた 途端、私は自分の内部で何か異常なことが起こりつつあるの に気づきびくっとしたのである。痛みさえも吹き飛ぶような 素晴らしい快感に私は包まれていた。私が小さい頃、スワン 家だったかゲルマント家だったかでプチ・マドレーヌ菓子を ご馳走になったときの記憶が何の予告もなしに突然蘇ってき たのだった。私はそのマドレーヌ菓子をアップルティーに浸 して食べたのだった。
◇第4章 なぜこれまで一度も思い出したこともない記憶が蘇ってきたの か。この力強い歓びは一体どこからやってきたのか。それには 何の意味があるのか。私はもう一度触覚を動かしてリンゴの甘 い汁をすすってみた。しかし、そこには最初の時以上のものは 何もなかった。
◇第5章 そうだ。あれはコンブレーでスワン家のお茶会におよばれした時 のことだった。しかしどうしてだろうか。触覚に触れたリンゴの汁 の味が、アップルティーに浸されたプチ・マドレーヌの味を蘇らせ ただけで、どうしてあんなにも甘美な感情が呼び起こされたのか。 いや、それは味覚だけの記憶ではないのだ。
◇第6章 蘇ったのは、ママンと共に散歩したコンブレーでの楽しい日々で あり、あの幼い頃の記憶の総体なのだ。教会、村人達、スワン家 の庭園、全コンブレーとその周辺、これらすべてが何滴かのリン ゴの汁から飛び出してきたのである。
◇第7章 しかし私の命はもう長くはない。甲殻に覆われた背中が痛む。 この死の観念はまるで愛のように私の中に腰を下ろした。し かし死の前に私は長い作品を書かなければならない。私にそ の力が残されていれば、とたえそれが人間を毒虫のような怪 物的存在に変えようとも、それに全力を注ぐだろう。毒虫に割 り当てられた空間は限られたものだ。しかし、それでも様々な 時間に私は触れていて、多くの日々が入り込んでいるのだ。 だから場所もまた際限なく伸びている――《時》の中に。
>858の訂正 ◇第7章 「とたえ」じゃなく「たとえ」 ソーリー
860 :
吾輩は名無しである :03/08/08 11:36
>847 1のネームが赤字のスレは 管理者によって落ちないよう 保護されているみたいだね まとめサイトどうもです(´∀`) >851 やっぱネイティブでないとね(´∀`)
862 :
吾輩は名無しである :03/08/08 11:45
入んねーや
863 :
名演奏のクラシック :03/08/08 20:43
交響詩『変身』op.51 最近のCDにはいいものがない。レヴァイン・ウィーンフィル(DG)は、 やたらぶよぶよした感じに仕上がっていてテンポが悪いし、アーノンクール・ ロイヤルアムステルダム・コンセルトヘボウ(ワーナー)は騒がしいだけ。 もっともこれとてもハイティンク(フィリップス)時代の愚鈍な演奏に比べ ればまだましといえよう。 一部で評判の高いサヴァリッシュ・チェコフィル(デノン)など、原作者の母 国のオケというだけで、僕はどこがいいのかさっぱりわからない。どうしても、 LP時代の名演から選ぶことになる。
864 :
名演奏のクラシック :03/08/08 20:47
◎ヨッフム・ベルリンフィルの旧盤(DG)は、チェコ情緒にはやや欠けるが、引き締まった造形美だ。 晩年のバンベルグ交響楽団(BMG)と同じくインテンポで進めていくが、 冒頭の「プラハ市街のテーマ」から最後の「家族の団らん」にいたるまで旧盤はかなりテンポが動いていて、かえって活気に満ち ている。「悪夢」は低音部の充実がすばらしいし、「六本の足」での弦のグリッサンドや「触覚」のピチカートもなんとも不気味だ。「甲殻」のテーマは禍々しい輝きに満ちており、カフカはこうでなくてはならない。 リンゴの一撃でのホルンで始まる金管と打楽器の強奏は阿修羅の如く、 ザムザの生命を奪う衝撃そのものだ。 だがしかしなんといってもこのCDのうまさは、偽善的な家族の描き方だろう。 たとえば、第二ヴァイオリンとフルートでの妹の主題を例に取ると、 ヨッフムは音色による描きわけを極力抑えており、一見、作曲家の意図に反するようだが、実はこれが効果を奏している。たと え変身前と同じように挨拶してもそれがかえってうつろなのだ。 同じベルリンフィルでも、カラヤン盤(DG)ではこうはいかない。 妹の立ち居振る舞いが、だんだんよそよそしくなっていく描き分け方 こうまいものの、繰り返して聴くと鼻についてくる。 なお、ヨッフムにはロンドン交響楽団との盤(EMI)もあるが、 演奏の充実はベルリン盤バンベルグ盤に比べるとはるかに劣る。 (宇野功芳) カフカ『変身』ヨッフム・ベルリンフィル(1964) MG−646464(廃盤)
>863-864 シブイとこきましたね! 敬意を表して今度わたしも絵画でやってみようかな? (やっぱムリかも・・・どなたかぜひ)
乙>>一
とらやの茶の間 寅=渥美清 タコ=太宰久雄 おいちゃん=下條正巳 おばちゃん=三崎智恵子 博=前田吟 タコ ザムザさんて外人さん、どこだい。 寅 そこだよ。 (タコ、振り向く、ザムザ、しゅーしゅーと挨拶) タコ ひぇっ! 毒虫じゃないか。あっはははは。こりゃいいや。 寅さんが一肌脱いだって感心してりゃあこりゃ外人でなくて害虫だよ。ははははは。 寅 (激して)何だと。(殴りかかる) タコ だってそうじゃねえか。大体、足がこんなに生えた外人さんなんて いるかい。え、触覚生えてて、腹は段々になってて、甲羅までしょってて。 毒虫だよ。毒持ってんだよ。俺、こういうのにションベンしてえらい目に あったんだからな。
寅 そりゃ、みみずだろうが、てめえ。大体、グレゴールはなあ。俺と同じように見本を持って 旅から旅の人生よ。そのあげくくたくたになって久しぶりにうちに帰って、 ベッドで寝ていたら、なんかや〜な夢見て、そっからが苦労の始まりよ。 挙句の果ては親爺とお袋に半死半生の目に遭わされて、可愛がっていた 妹にはリンゴまでを投げつけられて。それをお前はかわいそうとは 思わないのか、え、このタコ。君には人間の血というものがないのかね。 (ふたたび殴りかかる真似)。 さくら お兄ちゃん! 博 まあまあ兄さん、社長も、少し言いすぎですよ。 おいちゃん まあ、当分うちにとまってもらうよ。 寅 そうよ。タコみたいな奴は、毒入りの汁でもかけてやれ。 おばちゃん しかし、一階に住んでもらうのかい。 マイケルさんのときみたいに寅ちゃんの部屋ってわけにはいかないだろ、 上り下りが苦しそうだし。……い、いえね。あたしたちは何とも思っていないんだけど。ね、 お客さんがくるからね。 寅 あー、ちょうどいいところがあるじゃないか。な、博。おまえんとこの職工、 やめたんだってな。 博 田中君ですか、ええ、青森に帰っちゃったんですがね。 タコ 筋はいいと思ってたんだがねぇ。……おい、おい、まさか変なことを 言わないでくれよ。 寅 (得意満面で)な。ちょうど、寮もあいていると。こんばんはこれで お開きにしよう。な、そうしようそうしよう。博、グレゴールを案内 してくれよ。
>967-968 『変身』を読み込んでるのがナイス!
>>869 さて、この予言の真贋が判明するのはいつだろうか?
朝は目が覚めてぼやっと起きかえる。 なにか不安な夢を見ていたような。 ふと布団の中で自分の姿が変わってしまっているのに気付く。 以前にも覚えがある。 この有様を知人に、ええと、お腹がね、節で分かれていて それで褐色でまるくふくれているの、これはどういうこと。 などと言うからすぐ揚足を取られた。 「ばかいってらぁ。そんな腹で背中が甲殻じゃ虫だろう。 そこへ無数の脚が生えたとあれば、毒虫へ変身としゃれたか」 癪に障っても言い返しができないのだった。 そんなやりとりの間にもかぼそい無数の脚がぴらぴらと動いている。 こんなことになったのは丁寧でない暮らしをしているせいだと思う。 ちゃらっぽこな気持ち、やり方で布地のセールスをしているからだ。 部屋を見回しても雑然としていて、布地の見本も机に放り出してある。 とにかく万事にとぱすぱしているのだ。 もうひと眠りすれば、こんな姿はきれいさっぱり忘れられる。 明日は測量士に姿を変えよう。 家人が寝静まっている夜ふけ、あけがたに様々に変身することは ふだんが「眠り上手」といわれるくらいよく眠る私にとっては なかなか興のあるものだった。 焦って詰め込んで意味がわからん。sageじゃ。
「『変身』の著者、ピエール・メナール」(原註1) 私は以前にピエール・メナールの著書のほとんどを挙げたことがある(原註2)。ここでは以前に述べたことを繰り返して読者の顰蹙をかうような真似はするまい。 ただし、以下の一文――「ある特定の作家との〈完全な〉同一化のテーマについて書いたノヴァーリスの、あの文献学的断章」――を再度ここに披露することは、決して読者諸賢にとって無益なことではあるまい。 しかし、その後判明したことであるが、ピエール・メナールにはもうひとつの隠された著書が存在していたのである。私は『変身』という名のその本のことを最近知ったのだが、それは、あたかもフランツ・カフカの同名の作品と瓜二つである。 だが、メナールはカフカのそれを現在風にアレンジしたのでも2ちゃんねる風に焼きなおしたのでもない。別の『変身』を書くこと、これは誰にでもできる(このスレをご覧になればおわかりだろう)。 メナールの野心はもっとユニークなものである。彼が書いたのはカフカの作品と一言一句まったく同じページを生み出すことにあるのである。 その芸術的行為は一見どんなにそう見えようとも、書き写すこととは似て非なるものであることは確かだ。 メナールの『変身』とカフカのそれとを比較してみれば一目瞭然であるが、前者の文章には往時のプラハの陰鬱な雰囲気を伝えようとする洗練された技法が窺われる。 それに対し、後者の文章にはそうした努力が感じられず、当時の雰囲気をそのまま伝えるだけである。 *原註1 上記作品は書肆ミメシスより刊行予定の『不完全な真空』第8章の抄訳である。 掲載にあたり同社の好意ある了解を得たことをここに記し感謝の意を表する。 *原註2 『伝奇集』(岩波文庫)所収
書肆ミメシスより、近刊予告! ボルヘス+レム、あの伝説の共著が遂に刊行なる! 待望の本邦初訳! 十篇の架空の本の書評集成! 『不完全な真空』 ホルへ・ルイス・ボルヘス+スタニスワフ・レム共著 種村季宏訳 書肆ミメシス 2003年9月刊行予定 B5判 448P 函入 コード: ISBN4-S8G2-0075Z3-X 価格: 8,800円(税別) 500部限定 【目次】 序文 スタニスワ・レム @章 『冬の夜一匹の毒虫が』 イタロ・カルヴィーノ (レム) A章 『ザムザ百二十日』 マルキ・ド・サド (ボルヘス) B章 『千のプラハー』 ジル・ドゥルーズ=フェリックス・ガタリ (レム) C章 『変身現象学』 G・W・H・ヘーゲル (ボルヘス) D章 『グレゴール・ザムザはこう語った』 フリードリッヒ・ニーチェ (ボルヘス) E章 『痴愚虫礼讃』 デシデリウス・エラスムス (レム) F章 『グレゴール・ザムザの真実の生涯』 ウラジミール・ナボコフ (レム) G章 『変身』 ピエール・メナール (ボルヘス) H章 『虫に至る病』 セーレン・キルケゴール (ボルヘス) I章 『カフカのパルマコン』 ジャック・デリダ (レム) 後書 ホルへ・ルイス・ボルヘス 希望者には内容見本進呈。予約特価: 7,800円(税別)。 限定部数出版のため、お近くの書店でお早めにご予約ください。
ザムザは毒虫に生まれるのではない。毒虫になるのだ。
875 :
吾輩は名無しである :03/08/12 10:36
>872-873 乙ー!!! 『不完全な真空』、う〜ん、ぜひ読んでみたい!
876 :
吾輩は名無しである :03/08/12 21:13
噂の真相匿名座談会 人気ユニット・D★O★K★U★M★U★S★H★Iの事務所は超同族企業 A 音楽雑誌編集者 B テレビ局編成部員 C CM作曲家 D テレビ雑誌編集者 A この春から人気の、ヴィジュアル系ユニット D★O★K★U★M★U★S★H★Iだけど、事務所についてはいい噂を聞かない ね。 B うん。オフィスKUREってすごい同族企業だよ。リーダーの呉五郎の 両親が社長・副社長、五郎も取締役に名を連ねてはいるが、妹の照代が実権を握ってるらしい。 C 五郎は、リストラされるまでダメ社員の筆頭だったんだっていうしね。ア パレル関係のセールスの成績は毎月ビリかブービー賞。 D それがいまはフロムエーのキャラクターだからな(笑)。腰も低いしね。 B 照代は、以前アイドルデビューして失敗しているね。最初の頃は、結構露出し てたし。でもあの顔で性格は相当きついらしい。 A きついって? B ギターの角田も、原田も、蹴りを入れられているっていうしな。ドラム スの甲野だってあれだけのいかつい顔でしかもアメフトの選手だったのに、「照代ちゃんのことは……」 っていうしな。 D 甲野って、マック雑誌に出てるだろ。ガタイが立派だから、兄貴より目 だつし、照代としてはそれもがまんできないらしい。 B あ、ノートパソコン投げたって話だろ。 C 俺の聞いたのは少し違うぞ。キューブだって。 A ま、マックユーザーでなくともどちらもかなわんな(爆笑)。でも、五 郎には当たらないんだろう? D いや、そうでもないらしい。五郎が詞にこって、なかなか、録音に 出て行かないと「はやく行けよ、バカ」っていうのが毎日らしいよ。 A ひどいね。
>877 ↑って模写だったのか(w 人気ユニットの名前を見落したら わかんねえなあ
ザムザは夢から醒めて毒虫になったと思い込んでいたのだが、 それは夢だった。長い夢だった。 人は夢から醒めたと思いながらもまだ夢を見続けていることがある。 さて、ザムザは今度は本当に目を醒ました。 目覚めたとき、自分が虫になった夢を見た人間なのか、 それとも今人間になった夢を見ている虫なのか ザムザにはわからなかった。
879 :
877です :03/08/13 14:27
>878さんの言うとおりなんですな。 作者としても忸怩たるものあり。 角田とか原(=腹)田、っていう風に容れてみたのだが、シパーイ。 あたりまえのことだが、カフカの持っている不条理性というのは、 これはほとんど、とらえにくいのですね。
880 :
吾輩は名無しである :03/08/14 02:45
平野の新作でさ、 平野がカフカを模倣ってるわけだが、 平野は絶対、2ちゃんのこのスレを意識してると思ったんだが、どうよ? と同時に、このスレを知っていたら、 あんなこっぱずかしい、中途半端な同人誌文体を 垂れ流すわけないだろうとも思ったんだが、どうよ?
881 :
吾輩は名無しである :03/08/15 00:45
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
883 :
吾輩は名無しである :03/08/15 14:10
↑すごく上手い模写だが、 残念ながらカフカにはなってないよ、山崎クン。
ぼくはウォルト・ホイットマン、じゃなくてグレゴール・ザムザ、 ぼくは一個の宇宙、じゃなくて一匹の毒虫、 ぼくはマンハッタンの、じゃなくてプラハの子、 肉づきよく、背中は固い甲殻で、好色で、食い、飲み、仰向けになっていて、 腹部は、丸くふくらみ、褐色で、弓形の固い節がついている。 清潔ではないが汚れているわけでもない。 ぼくを通して長いあいだ沈黙していた多くの声が、 無数のこおろぎやすず虫やくつわ虫の声が、 不具で、取るに足らず、平凡で、愚かで、軽蔑されている虫の声が、 糞のだんごを転がしているこがね虫の声が、 ぼくを通して禁じられた声が語る。 ぼくは神聖だ、ぼくの内も外も。 そして触覚で触れるものすべてを何もかも神聖にする。 この丸くふくらんだ褐色の腹部の匂いは祈りよりもかぐわしく、 頼りなくぴくぴく動くたくさんの脚は教会、聖書、すべての教義にまさる。 ぼくはぼく自信をたたえ、ぼく自信をうたう、 ぼくが身につける固い甲殻を、君も身につけるがよい、 ぼくに属するいっさいの原子は同じく君にも属するのだから。
885 :
吾輩は名無しである :03/08/30 21:55
万全の体勢でふかふかの椅子に体を埋め込む。 その瞬間、肛門から放射状に噴霧される放屁が革張りの椅子に反射して 衣服を通じて全身に広がる。その匂いを全身で受取ると、 「まだだった。まだ十分じゃなかった。」 便所問題を解決しないままに全身を快楽に委ねた事。 昨日彼女に、生まれてから今まで母親に、言われつづけてきたある種の だらしなさ。詰の甘さ。 私は未練を残して立ち上がる。携帯の電源も切った。意を決して便所へ向かう。 階段を降りる。うんこよ、待っていろ。あと少しだ。
■第T章 この世の中には2ちゃんなどすこしも見ない善男善女も大勢 いらっしゃると同時に、2ちゃんずきのお方もたくさんおいでに なる――そしてそういう中には、コテハンの身の上に関するこ となら、初めから終りまで細大もらさず、どんな秘密でも打ち明 けてもらわないとどうにも落ちつかない、という名無しの方もい るものです……。 ここでは、そうした方々の期待に応えることはできません。で すから、興味がないといわれる方々には、私の差し上げうる最 上の忠告は、どうぞこれから先の部分はお読みにならないよう にということです。あらかじめ宣言しておきますが、これから先 は文学に造詣の深いお方、ロレンス・スターンの『トリストラム・ シャンディ』をお読みになられたことがあるというお方のために のみに書くのですから。どうか今すぐ、 ―――――――ウィンドウを閉じて下さい―――――――― ■第U章 さて、グレゴール・ザムザのお話を始めましょう。その前にこ のお話を始めるにあたって、まず私の胸に去来した思いを打ち 明けておくことにいたします。私めの切なる願いは、今さらかな わぬことながら、グレゴールの父か母かどちらかが、と申すより も、この場合は両方とも等しくその責任があったはずですから、 なろうことなら父と母の双方が、グレゴールというものを仕込む ときに、もっと自分たちのしていることに気を配ってくれたら、と いうことなのです‥‥。なぜこんな話をするかといえば、グレゴ ールについて話すとなれば、当然その発端から話さなければ ならないからでして、理想としてはアダムとイヴにまで遡ってみ たいところではありますが‥‥(後略)。
■第V章 ――どうしてまああなたはすぐエクスプロウラアを終了しなかっ たのですか? 第T章をそんなにうわの空で読んでいらしたと いうのですか? ――それじゃ私、最初の章を抜かして読んだのか知ら? ――いいえ奥さま、一章だって抜かしてなんかいらっしゃいま せん。 ――じゃ眠っていたんだわ、きっと。 ――奥さま、そんな逃げ口上はゆるしませんよ。 ――そんなことは、一言だって記憶がなくってよ、本当に。 ――だからそれは奥さまの責任だと申すのです。そこでその 罰として、今すぐ第T章にまでもどって、いえ、ついでにこのス レの最初まで戻ってから、ゆっくりこのスレ全体を読み返してい ただきます。その前に『トリストラム・シャンディ』を、その前の 前にカフカ『変身』を読了していただくことは勿論ですが。 ■第W章 ……現在私がはからずも迷いこんでしまったこの長い脱線で すが、ここには私の脱線術の妙技が秘められているのです。が そういう秘術を残念ながら読者諸賢は終始見落としておいでら しい。つまりこういうことです。たしかに私の脱線ぶりは、自分の 従事している仕事そっちのけで、遠いかなたまで逸脱してしまっ ているにはちがいありませんが、それでいて私は私の本来の仕 事の布石だけは忘れていないのです。永遠に辿り着けないこの 私の歩みっぷりは、カフカの『城』を充分に意識しているのです から。脱線話の途中でも、いわばメタフィクション的に本題に間 接的に触れているのであって、いわば語らずして語っていたわ けなのです。
■第X章 文体模写は、争う余地もなく、日光です。――たとえばこの板 のスレッドから文体模写スレをとり去って御覧なさい――それくら いならいっそ、ついでに文学板ごとどこかに持ち去られるほうが よろしい――後に残るのは各スレを支配するコテハンと名無しの 一連の煽りと叩き、そして山崎荒らしの永遠の冷たい冬です。 レスとは、適切にこれをあやつれば(私のレスがその好例とい えることはいうまでもありません)、ネチケットを心得た者が品の ある人たちと同席した場合なら、何もかも自己中でカキコしよう とするような差出がましいことは致しません。読者の悟性に呈し うる最も真実な敬意とは、考えるべき問題を仲よく折半して、カ キコ者のみならずロム者のほうにも、想像力を働かす余地を残 しておくということなのです……。 ところで、今は読者の持ち場です。――今度は読者の想像力 にこの先を考えていただくことにしましょう。 ■第Y章 ●○ff●○●○●○●○●○●age○●○●○●○●○●ff ○●○●○●○●○sage●○●○●○●○●○●○●○● ○●○●○●○●○ffff●○●○●○●○●○●○●●○● ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○● age●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ ○●○●○●○●○ff●○●○●○●○●○●○●○●○ ●○●○●○●age○●○●○●○●○●○●○●○●○ ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○● ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●sage○●○● ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ (本当はここで極彩色の墨流し模様を挿入)
■第Z章 さてこのあたりからいよいよグレゴール・ザムザのお話に本格 的にはいってゆくわけですが、……これによりこのスレはかなり 直線に近い形で進められることを私は信じて疑いません。ふり かえって見ますと、このスレでの歩みっぷりは 〜━━WWWWWWWWWWW(^^)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (これがこのスレの1-100が辿ってきた線でした) 。。。( ̄ー ̄)━━━ニヤリッ ~ ̄ ̄ ̄ ̄(´・ω・`)ショボーン━━ (これが101-300) ━━━(^^)< (^^)(^^)(^^)= ◎――◎ あぼ〜ん(^^) (そして301-500まではこうでした) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜━━━(゜∀゜)━━━〜〜〜〜〜〜 (そして500-800まではこのようにまずまず) ~~`~~'`'`''''"`'`'`'~`'(l|l・ω・)`''~~'`'`''''"`'`'''`'`'`~'~'''"` (800台ではたいへんうまく行って、このようなものでした) (この調子でレスしてゆくならば、今後はつぎのような模範的な 進み方に到達することさえ決して不可能ではありません) ------------------------------------------------- ■第[章 さてグレゴール・ザムザのお話です。ザムザがある朝にどうなった かといえば‥、おや、もうお暇する時間がきてしまいました。残念な がら私には、もう執筆する時間も紙数も残されておりません。(了)
書肆ミメシスより、異色文学全集遂に配本開始! 全作品本邦初訳! 2003年8月第1〜4回配本、全15巻完結。 『世界毒虫文学全集』 種村季宏監修 書肆ミメシス B5判 250P-330P 予価2,300円-3,000円(税別) 【全15巻内容】 第1巻 『西蟲記』 呉承恩 第2巻 『真夏の夜の虫』 シェイクスピア 第3巻 『グレゴール・ザムザ氏の生活と意見』 ロレンス・スターン *既刊 第4巻 『白蟲』 ハーマン・メルヴィル 第5巻 『不思議の国のザムザ』 ルイス・キャロル 第6巻 『グレゴール・ザムザの肖像』 オスカー・ワイルド 第7巻 『ザムザ氏との一夜』 ポール・ヴァレリー 第8巻 『むしの回転』 ヘンリー・ジェイムズ 第9巻 『木曜の虫』 G・K・チェスタトン 第10巻 『失われた虫を求めて』 マルセル・プルースト *既刊 第11巻 『老人と虫』 アーネスト・ヘミングウェイ 第12巻 『ザムザを待ちながら』 サミュエル・ベケット *既刊 第13巻 『フランドルの虫』 クロード・シモン *既刊 第14巻 『去年プラハで』 アラン・ロブ=グリエ 第15巻 『蒼老たる毒虫』 残雪 全巻セット予約いただいた方にはもれなく2ch特製ブックカバー進呈。 限定部数出版のため、お近くの書店でお早めにご予約ください。
891 :
吾輩は名無しである :03/09/01 22:52
>>書肆ミメシス (・∀・)イイ!
892 :
吾輩は名無しである :03/09/12 20:55
どっこいしょ。
明け方になって急に窓から夏芙蓉の甘いにおいが入り込んで来たので息苦しく、まるで花 のにおいに息を止められるように思ってグレゴール・ザムザは眼をさまし、自分の姿が一 匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついて、自分がはじめて 中本の澱んだ血を引いたのを納得した。 朝の日の光に照らし出されたグレゴール・ザムザの姿を見て、オリュウノオバは乳房の辺 りから鳥肌立ち、一瞬に仏の化身のような赤ん坊をうやまい畏れたのは醜さ極まりない者 の化身に変るからだと思い、そんなグレゴール・ザムザそのものがこの世の者ではないの ではないかと疑いもした。中本の一統の男は口あたりがよいが確実にどこかを麻痺させる 毒があるとオリュウノオバも思っていたが、固い甲殻の背中を下にして仰向けに寝たグレ ゴール・ザムザの虫の体からは毒が吹き出るように思え、オリュウノオバは不安になるの だった。ザムザの腹は弓形の固い節で分け目をいれられていた。まるくふくらんだ褐色の 腹が上下するたびに、一つ一つの節が軋みを発てて愉悦を味わっているようで、ザムザが 路地にもありこの山にも濃密にある人の意を越えた力のようなものに狙われ、もみくちゃ にされなぐさみ物にされるのではないかと怖れた。
894 :
吾輩は名無しである :03/09/13 21:10
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと目覚めてみると、 ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に 変わってしまっているのに気がついた。・・・さて、朝となれば朝食です。 イギリスでは、ミルクティーが朝食には欠かせない。まず、目が覚めたら 一杯、朝食前に一杯。食後に一杯。食後の一服のために一杯。 なんでもないから一杯、というように非常によくミルクティーが飲まれます。 イギリスではミルクティーなしに、朝は始まらないのです。さて、この ミルクティーにはちゃんと作り方があるのです。この作り方でないと どうしても、イギリスのミルクティーの味にはならない。その作り方とは まず、コップに”冷えた”ミルクを注いでおく。そして、その後にポットの 熱いお茶を注ぐのです。こうすれば、イギリスと同じ味を出せるのです。
895 :
吾輩は名無しである :03/09/13 21:12
>>894 ごめん、名前を忘れてた
伊丹十三でした
にいさん夢にうなされる 目がさめたのは真昼だった おかあさん にいさん毒虫になっちゃった かたいせなかを下にして ふしの一つ一つ数えられるおなかが ふくらんでいるのはなぜですか 毒虫よ毒虫 毒吐け 五色の毒を吐け おとうさんはきのうプラハへ行った おかあさんは台所 お天道さま とても赤いから わたしリンゴぶつけてくれます わたしリンゴぶつけてくれます くすん かわいそうなの けがしているの てあてしてあげなくちゃ わたしのベッドにしばらく寝かせていいでしょ 「グレゴールはどうしたの?にげたの?」 しらない
そうしたらまたもらってしまったのである。チェコのカフカ社のザムザ。これは大変なも のなのである。いままでのトロの刺身とか、鯛の押し鮨とかいう小さなものではなくて、 何というか、これはとてつもなく大きな毒虫だ。ボディは黒い甲殻である。レンズの部分 は褐色でまるくふくらんでいて、弓形の固い節で分け目がはいっている。
くろくてかたいこうら くろくてかたいこうら くろくてかたいこうら くろくてかたいこうら くろくてかたいこうら くろくてかたいこうら くろくてかたいこうら もぞもぞとうごくあし くろくてかたいこうら
n n (ヨ ) a u 最 強 ! ( E) / | _、_ _、_ | ヽゴミスレで900get! \ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/ / \(uu / uu)/ | ∧ /
\documentclass[bunkosize,jtranslation]{Kafka} \title{変身} \author{フランツ・カフカ} % \begin{document} \maketitle \section{文体模写} \begin{samsa} \inbed \begin{nightmare} \transmorphism{poisonousbug} \end{nightmare} \recognize{\huge{甲殻類}} \begin{characteristics}{|r|lll|} \hline 背面 & 甲殻 & 仰向け & 多足\\ 腹部 & 節 & 褐色 & 弓形\\ \hline \end{characteristics} % $\cdots$ % \hatred{family} \[ \shoot{apple}, \hit{apple}{samsa} \to \death{samsa} \] \end{samsa} \end{document}