1 :
名無しさん@1周年 :
2000/06/22(木) 14:07 わたし最近やっとボルヘスの呪縛から 解き放たれつつありますが・・ でも、どうもやっぱり好きなんですが・・ ラテンアメリカ系いってみてください。
2 :
名無しさん@1周年 :2000/06/22(木) 15:01
俺も呪縛から逃れられないでいる。 長篇小説が読めなくなってしまった。 買ったばかりの読みかけて、 すぐに挫折し放り出して、 ボルヘスを読みふけってしまう。 迂闊に近寄らぬことですな。 ボルヘスには・・・
>2 そう言われるのが、一番読みたくなるんだよなぁ。
4 :
名無しさん@1周年 :2000/06/24(土) 14:06
地湧社の「アルケミスト」を今読んでいます。 結構いいかもです。
5 :
名無しさん@1周年 :2000/06/28(水) 13:25
簡潔な表現にして過剰な物語。 というのがラテンアメリカ文学の共通点だと思っていたが、 マヌエル・プイグの場合、 過剰な表現に過剰な物語という、 ひじょうに贅沢な、または胃拡張の文学だということに、 プイグの「この頁を読むものに永遠の呪いあれ」を読んでいて気がついた。 コルタサルやカサレスなど、アルゼンチンの共通点かもしれず。 なんてことはどうでもいいが、 「この頁を読むものに永遠の呪いあれ」。かっこいい。 文学史上、最高にイカしたタイトルだとオレは思う。
よっこらしょ・・・ 山尾悠子スレッドの1は私です。 あぁボルヘス、ボルヘス・・・
もちろんボルヘスも好き。 どれがあなたのナンバーワン? オレは「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」かな。
8 :
名無しさん@1周年 :2000/06/28(水) 17:35
集英社文庫が本屋から駆逐されつつあります(泣) ボルヘスはハードカバーで買いたいかもですが。
9 :
5&7 :2000/06/28(水) 17:52
オレも「砂の本」は集英社文庫のラテンアメリカ叢書だなぁ。 あの中の最初、「ウルリーケ」だっけ? 「これはまるで夢のようだ、しかも私は夢は見ない」 というセリフが好きで好きで、いまだに覚えています。
10 :
2 :2000/06/28(水) 18:04
>7 最初に「伝奇集」を買った時は「南部」。その後「円環の廃虚」を好きになり、 他の短篇集も買い漁って「マルコ福音書」や「メルブのハキム」もお気に入りですが、 やはりボルヘスの短篇中最長の作品の一つである「トレーン,ウクバール,オルビス・テルティウス」 その精緻を極めた文章を今、ほとんど毎日のように読み返しています。
11 :
1 :2000/06/29(木) 21:05
ボルヘスはあの世界観を強靱な「知性」で 創りあげているかのような印象を受ける。 (決して膨大で詳細な引用を指してそう感じるわけではなく) ピーター・グリーナウェイの映画にも同じものを感じる。 ただ、両者ともに言えることであるのだが その世界に圧倒されたあとに 空虚さ、あるいは無意味さが残るように感じる。 それが最近呪縛から解き放たれつつある理由であると思う。 「円環の廃虚」が好きです。 グリーナウェイでは、「ベイビーオブマコン」が好きです。
12 :
1 :2000/06/29(木) 21:12
>11 「ただ」ではなく「故に」とします。 あとグリーナウェイは 「強靱な」知性ではなく、 「戯れな」知性であると思う。
13 :
ixion :2000/06/29(木) 23:18
昔、塾で『この頁を読むものに永遠の呪いあれ』読んでたら、 女子中学生に「なにその変な本。カッコつけすぎぃ!」とか 笑われましたが、私は^^;>5さん でもプイグはいいね!ボルヘスも良いけど、作品が静物画、って いうか完全に構築物だから、プイグのほうが話の流れを感じられ る点では好きかも。 ボルヘスコレクションがペンギンから出されているので、その詩集 を時折開いて言語と読み比べています。ちょっと「堅い」詩ですね。
14 :
ixion :2000/06/29(木) 23:21
言語→原語、ですね<13 大学時代無理してスペイン語やったのは、ひとえに南米作家を 読むためだったが…今となっては忙しくて忘れる一方…。
15 :
5&7&9 :2000/06/29(木) 23:25
>13 カッコつけすぎぃ?いいじゃん。 最近、そこまでカッコつけてる人、いないでしょ? カッコつけるの、大変なんだから。 プイグは、テクストの遊び方というか、 物語にとってはたいした意味のない実験性というか、 そこが好きだったり時には「あは〜ん?」だったり。 「ブエノスアイレス事件」での、 主人公の声が全て「…」で表された章は最初読んで興奮した。 今読むと、もしかしたら「若いなぁ」と苦笑するかもしれん。 でも、カッコつけるのは大変だし、カッコがつくのは難しい。 だからプイグは偉い。 ちなみに、ボルヘスは、自らを「詩人」としたがるところが、 最大の欠点だと思います。
16 :
ixion :2000/06/29(木) 23:36
>ボルヘスは、自らを「詩人」としたがるところが、 最大の欠点 うーん、至言ですな。でも、「文学は韻文から発展して散文までに 数世紀を要した…(中略)…詩人の務めは、たとえわずかなりとも、 言葉、その原初的で今や秘された力に立ち戻ることだ」ってある 詩集の序文に書いてますから、まぁそう言うつもりなんでしょうね。 『蜘蛛女のキス』読んで、ラテンアメリカに目が向いたんだよな… 懐かしい。
17 :
名無しさん@1周年 :2000/06/30(金) 02:06
ボルヘスは詩人じゃないの? でも芥川竜之介について書いたエッセイは とっても良かった記憶あり。
18 :
名無しさん@1周年 :2000/06/30(金) 06:38
地の文が全然なくて、それがまず面白かったなぁ、、『蜘蛛女のキス』 プイグに限らず、外国の小説って一つの台詞が矢鱈と長かったりすること、 珍しくないですよね。そういうのって、けっこう好きなんですが・・・。
なんかオレ一人で書いてますな。 ところで、ボルヘスといえば、盟友、 「ABC」ことカサレスはいかがですか? 「モレルの発明」の前文にボルヘスが「これは完璧な小説である」 とか書いたおかげで、オレも思わず読んでしまったが、 あの程度で「完璧」といってもらえるなんて、 持つべきものは友達だなぁ。と思ってしまったんですが。 っていうか、「ソラリスの陽の下に」の方がずっと上だな、 ある隔絶された状態においての装置としての幻影、というテーマでは。
20 :
天然八歩 :2000/06/30(金) 15:18
「モレルの発明」はビオイ=カサレスの作品の中では例外的な傑作では ないでしょうか。「完璧」は誇張としても。 「地球の裏側にも乱歩みたいな人がいるんだー」と思って感銘深く読み ました。あの「人外」の感覚といいレンズ嗜好症といい、あれはもう一 つの「パノラマ島」でしょう
21 :
2 :2000/06/30(金) 15:50
「蜘蛛女のキス」中途挫折。戯曲版の出来は良いですか? やはり別物と考えるべきでしょうか。出来が良ければ戯曲版を 先に読もうかなんて思ってたりして・・・
22 :
名無しさん@1周年 :2000/06/30(金) 16:29
カルペンティエールだよ。「失われた足跡」だよ。「時との戦い」だよ ああ、それに「バロック協奏曲」だよ ヽ(´ー`)ノ
23 :
名無しさん@1周年 :2000/06/30(金) 23:02
アルゼンチンって、ラテンアメリカでも、 なんか独特だよね。 マルケスとか、バルガス・リョサとかアレホ・カルペンティエールとか 比べても。 コルタサルなんて、「石蹴り遊び」が有名だけど、 中編の、意識の流れを執拗なまでに追った小説 (タイトル忘れた) なんて、ラテンアメリカとは思えない。
24 :
名無しさん@1周年 :2000/07/01(土) 09:09
ホセ・ドノソ「夜のみだらな鳥」最高だよ(´ー`)y-~~
25 :
名無しさん@1周年 :2000/07/04(火) 08:01
『ソラリス〜』が出た隙についでに訊いてしまいます。 ボルヘス読みから見てレムはどうですか? 同列に論じること自体、冒涜と言われかねないのかも知れないし、 無論、『完全な真空』が「ポスト・ボルヘス的書物」などと評されて いるのを真に受ける程お人好しでもないつもりですが、果たして、 如何なものでしょうか? それと、国書の同じシリーズにある『永遠の薔薇、鉄の貨幣』について、 思うところあれば、是非、聞かせてください。
26 :
名無しさん@1周年 :2000/07/04(火) 15:59
「失われた足跡」読書中ー。だりいー。 これってたんなる文明批判アンド自然賛美じゃん とかって言ったらドキュン?
27 :
名無しさん@1周年 :2000/07/04(火) 19:14
ボルヘスとレムは、ボルヘスと山尾悠子ほど違う(ごめんなさい) 「失われた足跡」にはレムと共通するもの(現実認識の不可能性?)を感じたけど。
28 :
名無しさん@1周年 :2000/07/04(火) 19:27
ボルヘスに比すものなし。ということでしょうか?
29 :
天然八歩 :2000/07/04(火) 22:42
>ボルヘスに比すものなし。ということでしょうか? 当然でしょう(^_^) レムはユーモアの人だけど、ボルヘスはユーモアが(たぶん)通じない人 レムは現在(&未来)に生きているけど、ボルヘスは時間を超越して生きている。 レムのキーワードは「サイバネティクス」ボルヘスは「バベルの図書館」 レムは長編が書けるけど、ボルヘスは書けない レムは詩が書けないけど、ボルヘスは書ける レムは頭髪がないが、ボルヘスは視力がない こんなとこかな? ちなみにわたしは、ボルヘスを原語で読むためだけの目的で、 スペイン語を習いました。
30 :
名無しさん @1周年:2000/07/05(水) 01:26
>25 ソラリスの名を出したものですが、 レムとボルヘスに何らかの類似があるとは思えませんね。 ボルヘスはそれこそ世界構築型というか神話型だけど、 レムは構築された世界の中で人(生命体)はどういきるか、 という一種リアリズム的スタンスだと思うんです。 だから、「モレルの発明」のところでも書いたと思うけど、 ソラリスでは、幻影はあくまで装置として働くのであって、 それはあくまで人間に働きかけるファクターにすぎない。 でも、ボルヘスがソラリスを書いていたら、 その幻影がいかにして作られ、いかにして像を結ぶのか、 ということだけに終始しそうな気がします。
31 :
ixion :2000/07/05(水) 12:06
>30さん 思いっきり納得できますね、その説明。 ボルヘスの詩で、確か「一人一人が先達の作り上げた迷路のうちに あるが、それぞれは他者ではなく、孤立した瞬間としてある」 みたいな奴があったんですが、ボルヘスはどうも垂直型人間で あるように見えますね。実際は「ボルヘスという作者は存在せず、 ただ時が立てば如何様にも読み取れる数枚の紙片があるだけだ」 とか言うんでしょうが。 でも『完全な真空』は、ボルヘスほど真剣じゃないと思う。 今カルペンティエル『追跡』読んでるけど、あーややこしい!
ixionさん、毎回レスありがとう。 このスレッド、オレはちょっと出過ぎですね。 ところでカルペンティエル「追跡」、 実はオレは途中で諦めました。 でも名前が出たのでまた読もうかな、と思います。 読み終えたら、感想をお願いします。
33 :
Y :2000/07/07(金) 15:38
最近書きまくっているものです。 ここから固定ハンドルにしますね。 ところで、ラテンアメリカといってもそのほとんどはスペイン語系で、 ポルトガル語のブラジルは少し事情が異なるように思います。 ブラジル文学って読んだことないんですが、どうなんでしょうか?
34 :
名無しさん@1周年 :2000/07/07(金) 17:38
わたしもしりたいですね
35 :
名無しさん@1周年 :2000/07/07(金) 18:58
すいません、レムって作家の事、 教えて下さい。興味があります。
36 :
>35 :2000/07/07(金) 19:19
私も知らんかったので、WEBで調べました。 スタニスラフ・レム 映画「惑星ソラリス」の原作者であってますかね。 早川から文庫でいっぱい出てるようですが・・・
37 :
Y :2000/07/07(金) 20:34
レムは、ポーランドのSF作家です。 基本的には、人間と、他の知性体との接触 (これをSFでは「ファーストコンタクト」と呼ぶ) を描いてきた作家です。 (cf「砂漠の惑星」「エデン」「ソラリスの陽の下で」) まったく異なる環境で進化した知性体が、人間と対話可能か? というテーマは、地球内の文明間理解のメタファーともいえ、 またサイバネティクスなどの新しい考えを導入することにより、 SFに新たな風を巻き起こしました。 その流れは、文明の証左そのものである小説、テクストにも及び、 架空の小説の書評集である「完全なる真空」は、 ポストボルヘス的文学の夜明けとして、注目をあびました。 とりあえず、ソラリスは読んでも損はないと思います。 古本屋で100円程度で買えますし。
38 :
25 :2000/07/08(土) 05:52
まさか両者の類似性のにみ終始するとは思ってもみなかったので、 我ながら余計なことをしたものだ、と反省頻りです。 あの時は、レムのボルヘス論が念頭あったとはいえ、些か軽挙妄動に 過ぎたかも知れませんね。お騒がせしてすみませんでした。 それと、付け足しのようで申し訳ないのですが、天然八歩さんの意 見には、正直なところ新鮮な驚きがありました(ユーモア云々のとこ ろです)。いい具合に揺さぶられた感じ、とでも言いますか。これには もう、心から感謝感謝です。
39 :
名無しさん@1周年 :2000/07/08(土) 21:04
ガルシア・マルケスは? 最近、「予告された殺人の記録」読んだけど、 「百年〜」とはまた違ってて、よかったです。 私も、プイグの「蜘蛛女のキス」を読んで、 ラテンアメリカに目が向いたひとりです。
40 :
ixion :2000/07/09(日) 03:42
『追跡』読了。で、感想です。 言葉が扉で物語がその向こうにあるとすると、リアリズムは扉の摩擦 をできるだけ少なくしようとするもの。でもこの作品は扉=言葉が 分厚くて堅いのでその手前で立ち止まってじっと扉を見つめてしまう。 やりたいことは鮮明で、プロットも簡素。モチーフはベートーヴェン 『英雄』で、だから第三(楽)章の「死」から全てが生じるし、そこ がメイン。盛り上がる…かな?でも、中央に「死」(文字通り登場 人物の、また同時に小説の死)が再現するわけだけど、それをこれだけ 厳重な棺に入れてしまうと、戸惑ってしまうし面倒くさい。 本当は、死体に触れるぐらいの「実感」が欲しい。生々しさという べきか。入り組んできれい過ぎるな、ってのが感想。 「そして語りの、終わりという語句の、創造の崩壊である言葉の 後は、沈黙が引き延ばされる。もはや以後における沈黙」 言葉がなけりゃないで踊ってもいいと思うけどな、俺は。
41 :
>24 :2000/07/09(日) 04:41
『夜のみだらな鳥』、おれもイチオシ。 読み終えたとき、世界がまるでちがったものにみえた。 集英社のラテンアメリカ全集全巻読んだんだけど(笑)、 この本が最高だね。ホント。
42 :
Y :2000/07/12(水) 02:40
『夜のみだらな鳥』面白そうですね! 次の週末にでも読んでみたいと思います。 ixionさん、「追跡」感想、じっくり読ませてもらいました。 >言葉がなけりゃないで踊ってもいいと思うけどな、俺は。 文学を読むことは、時に「踊る」ことを忘れさせますよね。 いや、忘れるのではない、閉じこめるだけなのかもしれない。
43 :
名無しさん@1周年 :2000/07/12(水) 08:10
精霊たちの家はー?
44 :
ixion :2000/07/12(水) 17:03
『追跡』、後半の教会の場面で、司祭は「明日」という言葉を繰り返す。 また、言葉だけで力のない〈奨学生〉が「超人…。力への意思」と 曖昧に呟く。未来に従属した生や、思想に偏って安易に現在を肯定する ような言葉などにいらだちを隠さない作者の書き方、それには共感 を覚えました。そして 「これから全てが崩壊する時が来るだろう、死というものに先行する もう一つの死、自らの遺体を背負いつつ、果てしなく続く抱擁なき 日々をずっと、このことに耐えていかねばならないだろう」 と、拷問の中で自分の性器を切り取られるかもしれないと思った 男は書いてますが、これは死に瀕した、と言うより既に死んでいる 〈文学〉が、死から出発してだらだらと続いていくことへの不安 を口に出しているようにも読めます。 ただ、この死は黙殺されるように過ぎていき、無自覚な生ばかりが 溢れている、ってのは行き過ぎの現代文学批判でしょうか?>Yさん
45 :
Y :2000/07/16(日) 14:22
追跡、見つからないな。新宿紀伊国屋で探したんだけれど。 文学はアヘンのようなものだ、って言ったのレーニンでしたっけ? (文学だったか?ともかく、エンターテイメント否定)。 僕はむしろ、日本の現代文学の特徴は、 「生に無自覚なあまり、黙殺されるべき死を表現することで満足している」 という言い換えができると思います。 簡単にいえば、「考えるフリをしてみましたぁ〜」みたいな小説。 無自覚な生を溢れさせる小説、ってのは多分傑作だと思うな。 でもきっと、ixionさんの読みによるカルペンティエールの問題提起から考えると、 「傑作?傑作って何よ?面白ければいいのかよ?」ってことになるのかな。 何にせよ、もうちょっと追跡を「追跡」してみます(笑)。 読まないと話にならん。
46 :
名無しさん@1周年 :2000/07/17(月) 03:11
ウンベルト・エーコの「前日島」。よい。
47 :
名無しさん@1周年 :2000/07/18(火) 23:48
おーい。エーコのどこが「ラテンアメリカ」なんすか〜? いや、ラテンアメリカと一緒に論じるのはいいとは思うが、 それだけ出されてもこのスレッドの趣旨と違うのでは・・・
48 :
メナール :2000/07/19(水) 00:55
ここの掲示板を知りまして、驚きました。こんなにボルヘスや ラテンアメリカ文学好きがいるなんて。ボルヘスは翻訳では すべて読みましたし、すべて持っています。おもわず古本屋 で集めてしまいました。スペイン語はほとんど出来ないので、『砂の本』 や『創造者』を少しだけ原語で楽しんでいます。 ただラテンアメリカの文学はほとんど読んでいないので、ここでの お話を参考にさせていただこうと思っています。 不勉強ですがどうかよろしくお願いします。 3つ質問があるのですが、 >15 まずボルヘスが詩人としたがるのが、欠点だとおっしゃっていますが もう少し具体的な説明、意見をお願いします。 >17 芥川についてコメントありましたっけ?どの本でしょうか? もし覚えていらっしゃったら教えてください。 >ここの掲示板だいたい何人ぐらいの方が書かれている のでしょうか?
49 :
名無しさん@1周年 :2000/07/19(水) 04:04
エーコ「開かれた作品」萌え。
50 :
名無しさん@1周年 :2000/07/20(木) 00:16
エーコはラテン文学? 「薔薇の名前」の中では「神曲」をコキ落としてたけど、 どうなんでしょ。
51 :
うんこ :2000/07/20(木) 03:22
「精霊たちの家」は、はっきりいって「百年の孤独」です。
52 :
名無しさん@1周年 :2000/07/20(木) 04:55
少し古風ですが、ムヒカ・ライネスはどうですか?
53 :
天然八歩 :2000/07/20(木) 06:23
>メナールさん わたしは17さんではないけど代返ね(^^) ボルヘスの芥川論はスペイン語訳「河童・歯車」の序文として掲載され ました。この序文は英訳され、英語版の芥川作品集の序文として使われ ています。 Ryunosuke Akutagawa "Hell Screen、Cogwheels、A Fool's Life" with a foreword by Jorge Luis Borges (Eridanos Press@`1987) 本になってるかどうかはよく分かりません。例の「序文集」には収録 されてないみたいですね。もっともわたしの持ってるのはフランス語 版なので、原書には入ってるのかもしれませんが。
54 :
明石家マルクス :2000/07/22(土) 06:03
>39 ガルシア・マルケス『予告〜』 ほんっっっっっとに最高だった。僕は月に7〜8冊読む程度の人間ですが、 2年に一度くらい現れる大傑作だと思います。別に泣ける話、とかいうわけじゃ ないですよね、そんなに。けど、もう「こんな素晴しい作品が存在するんだ、」 という、そういう物語とは別のところで読了後、泣いてしまった。 イチオシ。
55 :
名無しさん@1周年 :2000/07/22(土) 10:00
じゃあエバルーナのお話は?
56 :
ixion :2000/07/22(土) 14:58
メナールさんへ。 詩人としたがるのが欠点と言うのは、ガッチリしすぎ、真面目過ぎ、 ってこととつながると思います。『永遠の薔薇』(邦訳知らない… "La rosa profunda"です)の序文で、「私は遠く離れた島のような 形式を捉えることから始め、それが結局は物語か詩になる。私は始めと 終わりを見るが、間にあるものは見えない。星や運のめぐりが良ければ、 間にあるものは徐々に現れて来るのだ」と書いて、その後に作品の発展 に介入しないこと、現実と思われているものに対してではなく、想像力 に忠実であることなどを述べてます。あと『果て』(『限界』の方が いいかな?) の序文でも、「知的な詩」("La poesia intelectual") について、つまり、抽象的思考とイメージ・神話・寓話の融合により 書くことについて語ります。 何が言いたいか?隙がなさ過ぎるんです。「始めと終わりを見る」っつー ことはきっちりと閉じた枠が見えるということにもなりかねない。また、 「知的な詩」であることが結果として現われるのではなく、思考・デザイン としてあらかじめ現われている。いいかげんに隙があってもいいはず なのに、それがない。凝縮しすぎたものは時に恐ろしいです。だから エーコに図書館燃やされちゃったりして^^; ただ、間違いなくボルヘスは最高の書き手の一人です。あと、ペンギン 選集の"Non-fiction"に芥川に関するエッセイものってたと思います。 (長文失礼)
57 :
2 :2000/07/22(土) 16:17
なるほど。興味深い指摘です。ixionさん。 私は、そのきっちりと隙なく造り込み凝縮されたイメージが、 小説というフレームを超えて現実の世界に侵入してくるような迫力を もつところに、ボルヘスの真骨頂があると積極的に評価してます。 枠をきっちりと造り込む事によって、はからずもその枠を超えてしまう力が、 ボルヘスの短篇小説に内在するのではないか、と。
58 :
名無しさん@1周年 :2000/07/23(日) 00:44
図書館で夜のみだらな鳥発見。あわてて借りちゃいました
59 :
Y :2000/07/23(日) 07:33
どう説明しよう、と思って悩んでるウチに、 ixionさんが説明してくれちゃった。ラッキー。 私が「自らを詩人としたがるのが欠点」と書いたのは、 ボルヘスが詩を最高の形式としてみる癖があるのにも関わらず、 ボルヘスの思想を表すものとしては小説の方が出来がいい、 という単純な理由からです。 つまり、「ある仕組み」を描写することで ボルヘスの小説は成り立っていると思いますが(うわあ大胆な定義だ) これは詩に要求されるイメージの提示とは、 一見似ていますが別物だと思うんです。 上にixionさんの「隙がなさすぎ」という意見がありますが、 「ある仕組み」をイメージに変換して、詩に封入しようとしたとき、 実際には封入でききれず、「隙」がなくなるんだと思います。 しかし、ボルヘスの困ったところは、 「詩」がサイコー!と思ってるらしきところです。 だから、ファンとしては、詩を書いている暇があるなら、 もっと小説を書いて欲しかった、なんて思ったりして。 それもあって「詩人としたがるのが欠点」と書いた訳です。
60 :
名無しさん@1周年 :2000/07/24(月) 02:04
カルペンティエル「失われた足跡」(そくせきと読むのだよ) 読了。ふいー、疲れた。なんか悲しいオチやね。時間の魔術師とか いうほどでもなかった。ウンチク多すぎ。途中からずっと気になってた けど、やっぱこれってすごく単純な文明批判なんじゃないかなー。 うなずけるところもあったけど。ロサリオ萌え。浅田彰が 「バロック協奏曲」絶賛してるし、だまされたと思って 次はこれを読んでみるかな・・・・。
61 :
ixion :2000/07/24(月) 07:34
サンリオ文庫のバロック、オークションでも5000円はざらなんだよなぁ…。 カルペンティエルは確かに「〜批判」と取れなくもないですが、「〜主義」 では決してないですよね>60さん 「月」っていう詩はいいですし、他にもいい詩があります。でも、 欠点はこういう詩にあらわれていると思います、ってことで拙訳。 「夢」 もし夢が(よく言われるように)一つの 休戦で、精神の純然たる休息であれば、 なぜだ?ふいに目が覚めたとき、 一つの運が手元から奪われたと感ずるのは? なぜだ?早朝がこれほど悲しいのは?その時 我々から奪われるのは想像しえない恵み、 あまりにも近しいがためにただ知りうるのは 不寝番が夢で飾り立てる微睡みのうち その夢は、おそらく映された像 切り取られた断片、陰の宝物庫から 時を経ぬ球体から、名を持たず、 またその日が自らの鏡の中で歪める球体から。 おまえは誰になるのか?今夜、暗い 夢に落ち、壁の向こう側で? ボルヘスのイマージュがここに全て込められていながら、 なぜか小さく、広がりがない。「暗室の思想」に留まっている ような気がします。…それとも訳が悪いのか^^;
62 :
名無しさん@1周年 :2000/07/24(月) 12:57
ではボルヘス狂いが好意的に再読してみましょう。 (ixionさんが許してくれるならという条件付きですが・・・) 「夢」 夢というものが(数多なされる物言いのように)ある休戦 すなわち精神の全き休息であるならば ふいに目が覚めた時 一つの命運が我が手より奪われたと感ずるのは何故なのか。 そのまだ明けきらぬ朝が これほどもの悲しいのは何故なのか。 我が身より奪われる計り知れない恩寵。 その近きゆえただ知りうるのは 不寝番の飾り立てる夢に微睡み映しだされた像 切り取られた断片 その夢は 日の当たらぬ宝物庫 いわば時を忘れた球体 己の鏡の中でその日歪められた 名もない球体より来たることのみ。 汝の至れる所は何者ぞ。 今宵暗き夢に落つ 壁の向こう側。 壁の向こう側に茫漠と広がる空間をイメージするのは私だけでしょうか・・・
>高野の時代にネットがあったら ネットで安易に寂しさを紛らわす自分、孤独感に真正面から向き合えない自分に嫌悪しつつネットに入り浸ってしまう高野を想像してしまった。 確かに自殺はしなかったかもしれないが素晴らしいアウトプットもまた、無かったのではないか?
64 :
名無しさん@1周年 :2000/07/24(月) 14:35
スレ間違えてますよあげ。
65 :
名無しさん@1周年 :2000/07/25(火) 00:29
>61殿 うげっ。マブ!?そんな値段がするとは・・。 図書館においてあるかな?詩と説明ありがとう。 美しいですね。僕には開かれてるようにも 閉じられてるようにも感じられました(卑怯かな?)。
66 :
ixion :2000/07/25(火) 01:06
62さん、きれいな訳ですね!韻と音数で制限せず、言葉の美しさ にこだわるべきだったか…失敗>俺 壁の向こう、ってクリシェに集約させずに、「日の当たらぬ宝物庫」 のイマージュのままならいいんですが。鏡、球、壁と言うとちょっと 狭い気がしたんです。でも俺の偏見かも。 カルペンティエル、マジ手に入らない。て言うか、あるところには あるんでしょうけどねぇ…。
67 :
名無しさん@1周年 :2000/07/28(金) 10:03
救いあげ
68 :
Y :2000/08/20(日) 03:09
カルペンティエール、いまだ入手できず。 ところで、8月26日に東京の高田馬場でオフ会をやるようですが、 ラテンアメリカスレッドの皆さんはご出席はいかが? 私は仕事が入らない限りは行くつもりですが。
今日から徹夜して金曜までに仕事が仕上がれば出席できるのですが・・・。 ・・・いや、徹夜でもなんでもやりましょう。出席します。 今まで人とボルヘスについて語ったことがないので、 ぜひ語り合ってみたいと思います。
70 :
Y :2000/08/23(水) 20:04
すみません、そう言っておきながら、 自分が仕事で行けなくなってしまいました。 62さん、申し訳ない。
71 :
62 :2000/08/23(水) 20:18
残念ですね。私も仕事が詰まってるので諦めようかな。 このスレの皆さんは出席されないのかな。
72 :
キダキダにょろ〜投にょろ〜投 :2000/08/23(水) 20:25
73 :
名無しさん@1周年 :2000/08/27(日) 02:06
age
74 :
名無しさん :2000/08/30(水) 07:48
別スレ立ってたけど、引っ越してきました。 ドノソの「夜のみだらな鳥」、読んだのはもう十年くらい前になるけど良かった。 ラテンアメリカの匂いが濃ゆすぎ。あの暗黒度はゴヤの黒い絵のシリーズくらい しか思いつかないです。
75 :
脳脳脳天壊壊壊了 :2000/08/31(木) 17:54
映画『アンダルシアの犬』の監督、ルイス・ブニュエルが映画化 しようとしてやめたらしい<「夜のみだらな鳥」 立ち読みした本に書いてあった。鼓 直氏が訳した本かもしくは 鼓 直氏が著した本だったけど題名は忘れてしまった。
76 :
JoseArcadio :2000/09/03(日) 23:32
先日、古書店で「死がお待ちかね」(文芸春秋社)という推理小説を買った。 ベゴーニャ・ロペスというキューバ人が書いて、 1989年に第7回サントリーミステリー大賞を受賞。 でも作者は受賞直後に死んだとか。 彼女についての情報を知りたいんですが。 原題は「La muerte es la que espera」 作者は、Begon~a Lopez です。
77 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/09/05(火) 14:29
レムはタイトルにひかれて買ってみて凄く面白かったので なんかボルヘスという人の作品も気になります。 その『完全な真空』っぽいっていう作品はなんというタイトルなのでしょう?
78 :
名無しさん@1周年 :2000/09/05(火) 15:01
「悪党列伝(汚辱の世界史)」 「伝奇集」 「不死の人」 「ブロディーの報告書」 「砂の本」 「バラケルスの薔薇」 短編小説集は以上です。「伝奇集」がオススメです。
79 :
odigo :2000/09/07(木) 19:54
odigoで、ガルシア=マルケス好きな女を捜したんですが、まったくいませんでした。 まあ、odigoだから仕方ないか
80 :
77 :2000/09/08(金) 07:05
>78 お礼が遅くなりましたがありがとうございます。 「伝奇集」買ってきたので読んでみます。 まだ開けてもないんですが架空書籍集みたいなもんですかね?
81 :
Tango :2000/09/08(金) 07:43
『完全な真空』かぁ、可懐しい・・。 訳調がああいう感じだから、たぶんボルヘス読みは歯牙にも挂けてないだろうけど 沼野光義、けっこう好きです。 久しぶりに『輝く世界』引っ張り出してみようかな。
82 :
名無しさん@1周年 :2000/09/27(水) 17:18
国書刊行会からボルヘスコレクションが発刊されるそうです。 (詳しくは国書刊行会のホームページの”パンフレット”をクリックして下さい) それを記念してボルヘスについて語りませんか? OFF板の文学板スレに書き込みました。
83 :
名無しさん@1周年 :2000/09/28(木) 21:51
( ‘〜‘) ゴメン 1カイダケ アゲサセテ ^l___l^ _] [_
84 :
ILJLB :
2000/10/01(日) 15:32 岩波書店からボルヘスとビオイ=カサーレス共著の 『ドン・イシドロ・パロディ六つの難事件』が発売されました。 さっき買ってきたので、仕事が終ったら読んでみようと思います。 私の勘では来年はボルヘスブームが来そうですね。