1 :
tad:
ドイツ文学興味ある人いませんか?
僕は特にゲーテを専門にしています。
近頃低迷しているドイツ文学をなんとか
広めていきたいと思います。
こちらに僕のHPがありますので、よかったら
見てください。↓
http://www.vis.gr.jp/~tad/ まだまだこれからですが、がんばって
ドイツ文学を広めていきます!
2 :
名無しさん@1周年:2000/06/18(日) 11:31
独文の修士課程に在籍しているが、残念ながらドイツ文学には興味がない。
3 :
名無しさん@1周年:2000/06/18(日) 23:18
ムージル萌え〜〜!!
4 :
tad:2000/06/18(日) 23:25
えええ!独文の方ですか〜〜?ネットで初めて会いました。
興味ないんですか?おもしろいのに〜(^0^)
ムージルもいいとおもいます。
うちの先生はムージルの専門家で有名な人ですよ。
『ムージルー思惟する感覚』なんての出してます。
5 :
tad:2000/06/18(日) 23:32
やっぱり、新潮文庫でもらうならカフカの時計。
この前たまったので、
貼りつけてあとは送るだけ!
6 :
「特性のない男」:2000/06/19(月) 00:27
おれ、ドイツ軍戦車のプラモデルが好きなんですが、そこで、いま
話題に成ってました(笑)
恥ずかしながら、どなたか、どういう小説で、どう評価受けてるのか
レクチャーして欲しいです・・・。
7 :
>1:2000/06/19(月) 00:38
ところで、ドイツ文学の定義って何ですか?
8 :
tad:2000/06/19(月) 00:47
ううん、僕も『特性のない男』はさすがに読んだことが
ありません。ほんの少しだけ知っている知識でいうと、
ものすごく長い小説でしかも未完。それくらい長いかというと
『戦争と平和』の2倍くらいです。それでうちの先生いわく
ものすごく難しいそうです。僕もいつか研究はしようと
思っています。評価は非常に高いです。
知る人ぞ知る20世紀文学の最高傑作のひとつだと思います。
(まあムージルしってるだけですごいと思いますが)
ちなみにムージルはトーマス・マンと仲が悪く、
トーマス・マンが亡命を手伝おうとしたときも
断ったほどです。
僕も読んでみよっと
それより誰かゲーテの話題しません?(^0^)
9 :
tad:2000/06/19(月) 00:52
ドイツ文学の定義はドイツ語で書かれた文学のことです。
主にドイツ、オーストリア、スイスの一部
あとカフカなどはチェコです。
10 :
君よ知るや南の国:2000/06/19(月) 00:57
ゲーテは高橋先生や手塚先生訳の格言集しか読んだことないなあ(恥)
ただし、擦り切れるほど読んだけどね、ああいうワイマールの実務で
鍛えられた人物の文言は、やはり知恵ですね。
あと「ファウスト」の「海を切り開いて平和に働き生きる人々」のために
土地を開墾する例の近代国家の市民意識についてのあたり、読んでていいなあと
思います。グレートヒエン悲劇や、色彩学だか錬金術、フリーメイソンについては
よくわかりません。
11 :
tad:2000/06/19(月) 01:06
うんうん、いいですねえ〜。高橋先生の翻訳は
名訳ですよね。最近は柴田さんや池内紀さんが
去年だしましたが、やはり鴎外の訳につきるというところ
でしょうか。ワイマールの大臣であったというところもですが、
それより彼の天分が大きいために出てくる真理の言葉なの
でしょう。
12 :
名無しさん:2000/06/28(水) 14:31
鎌田先生に習っているのですか?
13 :
名無しさん@1周年:2000/06/28(水) 17:41
>9
え、カフカは言語としてはドイツ語じゃん。
チェコ語で書いた小説なんてあるの?もしあるなら教えて。
14 :
名無しさん@1周年:2000/06/28(水) 17:43
近年だと、パトリック・ジュースキントが、
従来の重苦しいドイツ文学の枠をうち破った、と思うんだけど。
最近、何してるんだろ。
15 :
名無しさん@1周年:2000/06/28(水) 17:44
よく考えたら、ギュンター・グラスって、
去年ノーベル賞とってるんだよな。
16 :
名無しさん@1周年:2000/06/29(木) 03:55
ゲーテの『ファウスト』は近代主知主義の限界と知の欺瞞を暴露した預言的戒告でも
あったと思います。難解でわかりかねる部分が多いんですが。
トーマス・マンの『ファウスト博士』はゲーテ的ファウストも否定した
ニヒリズムの極限として悪魔を描いた作品で、そこには救済がありません。
救済されるゲーテ的『ファウスト』とはその点で対極で、マンはゲーテへのアンチテーゼ
をニーチェを通じて描いたような気がします。
17 :
おどおど:2000/06/29(木) 04:56
オスカル・パニッツァが好きなのですが、
ほかにいらっしゃいますか?
18 :
名無しさん@1周年:2000/06/29(木) 05:10
「影のない男」。
カフカ風の不気味さだった。
カフカの小説って、大人なのに子供のようにヘロヘロした
わけのわからない人間が出てきますよね。
ああいう感じ。
19 :
jon:2000/06/29(木) 13:43
ドイツ版グーテンベルグプロジェクトのサイトで、
エロ小噺のコーナー(お客がよっぽど少ないのか、
こんなことまでやっているよん)に、強姦の容疑で訴えられた職人を
女領主が裁判官となって無罪にしてしまうという、横山ノックが
喜びそうなお話が載っているよん。
Eine Magd verklagte einen jungen Gesellen vor der Königin
Michael Lindener
(um 1520 - 1562)
http://gutenberg.aol.de/ チェコの有名作家には、カレル・チャペクがいるよん。読んだことは
ないよん。
20 :
13:2000/06/29(木) 14:33
えっと、もちろんチャペックをはじめとする、チェコ文学は
知ってるんですが。
カフカで、チェコ語で書いた作品があるのかな?と思って。
チャペックは、「山椒魚戦争」面白いよ。
山椒魚が進化して人間と対抗する文明を持ちながら、
滅んでいく話。アンチユートピアでありながら、
温かいユーモアがちりばめられている。
インチキ日本語なんかも途中で登場して、
メタな仕掛けも試みてたりして。
21 :
tad:2000/07/02(日) 23:45
はい、そうです。よくご存知で・・・
知ってる人がいたなんてびっくり!
22 :
クライネ:2000/07/02(日) 23:51
ハイネ、シラーは世界文学史の中でどう位置つけられるのですか?
23 :
tad:2000/07/03(月) 00:11
両方とも詩人です。シラーはゲーテと並んで、世界文学で有名ですが、
どうもシラーはあまり日本ではしられていません。まあ第9とか
William Tellくらいでしょうか。
でも本当は世界的に有名ですよ。ハイネは一般的には冬の詩(だったかな?)
と歌の本で有名ですが、フランスではドイツの紹介者として
ネッケルの娘くらい(名前忘れた・・・)有名です。
24 :
名無しさん@そうだドイツ文学って:2000/07/03(月) 00:38
2ちゃんにしちゃ珍しく高尚な板〜。うれしい。(って書くと荒らされそうだけど)
とりあえず、表現主義論争は面白いね。
教条主義者ルカーチをみんなでぶっ殺しましょう。
25 :
>23:2000/07/03(月) 13:09
「冬物語」ですね。
26 :
ニセasd:2000/07/03(月) 20:58
劇作家には興味無いんですかあ?
ハウプトマンとか。寂しき人々のインテリ野郎とか(笑)。
あと、詩人はあ?
ハイネ・リルケ・ヘッセとそうそうたる顔ぶれ。
27 :
tad:2000/07/03(月) 23:01
>25
そうでした。ありがとうございます。
>26
劇作家だとシラーもゲーテもそうですが、
詩人というほうがいいでしょうか。
ううん、ビュヒナーや、ブレヒトあたりなら話題になるかな?
ハイネはいいですね。以外としられていない、『古典主義の本質』
というのがおもしろい!
28 :
>tadさん:2000/07/04(火) 03:25
ハイネって何かひねくれているような所が好きです。
「冬物語」なんか屈折した祖国愛という感じで・・・
批評家としても皮肉たっぷりで、ぜひ2ちゃんねるで
大いに暴れて欲しかったという感じ(笑)
29 :
tad:2000/07/04(火) 23:08
>28
そうですね、たしかにハイネの皮肉ははげしい。
でもあんなすごい人がこんなところに現われると誰もたちうちできなくなる。
でもヘッセみたいに偽名で実はすごい人とかここにいるかもしれませんよね
30 :
tad:2000/07/05(水) 14:40
ロマンチックなものが好きなひとにはノヴァーリスの『青い花』
がおすすめ。俺はきらいだが。
31 :
>27:2000/07/05(水) 22:40
わたしは頭脳警察のファンなのですが、そのおかげでヘッセの
「さようなら世界夫人よ」とブレヒトの「赤軍兵士の歌」が暗誦できます。
あ、ドイツじゃないですがタゴールの「おお詩人よ、夕べがせまって」も暗誦できます。
パンタ、ありがとう。
32 :
tad:2000/07/05(水) 23:18
>31
すごい!僕もいつかファウストの暗唱できるようになりたいな
33 :
デロリンマン:2000/07/05(水) 23:44
>31
僕もパンタで、「さようなら世界夫人」を知りました。
ただ、「世界夫人」っていうのが、よくわからんのですが、
あれはドイツ流のいいまわしなんですか?
34 :
ニセasd:2000/07/06(木) 02:19
>tadさん
なんか、心底独文が好きなんやなぁ…。
そんな気概を持った人、日文にもほしいよん。>私の大学(笑)
ファウスト暗唱ですか、私には無理やなぁ。
「舞姫」ぐらいでしょうか、やるのなら。
35 :
名無しさん@1周年:2000/07/06(木) 20:53
パトリック・ジュースキントの「香水」は、サイコサスペンス+SFとして、
読めてとても面白かった。
ジュースキントは「ゾマーさん」も面白いよ、
香水とは全然違う、児童文学だけど。
37 :
tad:2000/07/07(金) 01:26
>34
いや、ただ好きなだけで、これで将来生計たてれたら
楽しいだろうなと、おもって。
でも文学でくってるってのはどうも世間の人様に
頭があがりませんね(笑)
ちなみに『ファウスト』の名訳といわれてるのは
いまだに鴎外が最高といわれてますね。
38 :
ニセasd:2000/07/07(金) 01:54
>tadさん
でも、鴎外版の「ファウスト」は全集でもないと読めないしなあ。
>でも文学でくってるってのはどうも世間の人様に
>頭があがりませんね(笑)
文学っていったいなんなんでしょうね?
39 :
ぴんぽん:2000/07/07(金) 02:38
ホフマンってどういう存在なんでしょう??
文庫本であまり見かけた事無くて、
「砂男」と短編集しか読んでないんですけど面白かったです。
夢野久作の文庫のあとがきで類似性を指摘されていたのが
読んだキッカケだったんですけど。
結構マイナーなのかな??
40 :
四海楼カスタム:2000/07/07(金) 05:34
>39
わーい。ドグラマグラだ〜。
あれに似ているのですか?
41 :
大小:2000/07/07(金) 13:32
ちゃかぽこ♪ ちゃかぽこ♪
42 :
天然八歩:2000/07/07(金) 14:03
>ぴんぽんさん
夢野久作の方が知性による物語のコントロールが利いています。
ホフマンは夢野よりも物語が破綻していて、多くの物語は主人公の
破滅で物語が終わります。
しかしドイツロマン派後期の最大の存在であることは間違いないです。
43 :
天然八歩:2000/07/07(金) 14:45
>33さん
「世界夫人」という表現は、たぶんドイツ語の「世界(die Welt)」が女性名詞で
あるところから来ていて、意味的には「世界夫人」=「世界・世間」。
もっと言えば「(女性のように)虚飾に満ちた世界」というイメージなんだと
思います。
44 :
名無しさん@1周年:2000/07/08(土) 10:10
「若きウェルテルの悩み」
45 :
tad:2000/07/08(土) 23:10
>42
ロマン主義というのは基本的に破滅的なのが特徴なので、
仕方がありません。日本の作家はほとんどロマン派じゃないか
と思うほど破滅的なのが多いですよね。
そこらへんはドイツと似ているのでしょうか。
ゲーテやシラーはロマン派は危険なものとして
批判しています。まさにロマン派は一歩間違ったら
破滅しかねない危険なものですね。
46 :
四海楼カスタム:2000/07/08(土) 23:50
>tadさん
日本では自然主義がロマン主義の一端を担ったのです。
自然主義作家の多くがロマン派詩人出身であったのは見逃せません。
ヨーロッパのロマン派が破滅的だと初めてしりました。
そうなんですか…。
47 :
tad:2000/07/09(日) 00:21
>46
ロマン派ってのは基本的に破滅的ですよ。とロマン派の人に
いったら怒られるでしょうけど(笑)
まあ破滅的ってのはようするに
自殺しちゃう的危険性があるということです。
極端な例が、『若きウエルテルの悩み』です。
あれはゲーテがロマン主義だったころの作品で
あれを読んで銃自殺がはやったそうです。
そういう危険性がロマン派文学にあるということです。
でこれは日本人の性格にも近いところが多々あると思います。
日本でもこれを読んで銃自殺した人がいるらしいです。
48 :
四海楼カスタム:2000/07/09(日) 00:34
今の日本では、漫画がそれをになってる…、のか?
ロマン派って、今はコバルト系しか残ってないでしょう。
かなり捻じ曲がったロマンだけど、絶対ハッピーエンド。
日本は、そろそろ懐古主義がはじまりそうだと踏んでるんですけど…。
きそうもないですな…、はぁ。
49 :
tad:2000/07/09(日) 23:50
>48
懐古主義って主義っていうほどのものなのでしょうか(笑)
やっぱりロマン主義より古典主義ですよ。
文学としては象徴主義がおもしろいですが。
50 :
四海楼カスタム:2000/07/09(日) 23:55
訂正。
懐古主義→懐古趣味(笑)
51 :
名無しさん@1周年:2000/07/11(火) 00:00
ドイツはやはりロマン主義。
青い花こそがまさしくドイツ的
52 :
名無しさん@1周年:2000/07/11(火) 16:34
トーマス・マンは
みんな好きじゃないの?
「魔の山」すごく良かったよ。
53 :
名無しさん:2000/07/11(火) 17:29
北杜生の「楡家の人々」は「魔の山」を題材にとったといわれている。
54 :
名無しさん:2000/07/11(火) 17:34
トーマス・マンは自由主義・民主主義的な作家だから大好きです。 ナチスの迫害を逃れて亡命したところなど、面目躍如だ。アデナウアーや、ブラント達は国内でレジスタンス活動を続行したらしいが、やはり、一目も二目もおかねばならないと思う。
55 :
>53:2000/07/11(火) 21:11
「ブッデンブローク家の人々」かと思ってました、、、
56 :
名無しさん@1周年:2000/07/11(火) 21:13
いや北杜生だからね・・・
57 :
tad:2000/07/11(火) 23:13
>54
もともとトーマス・マンはそんな政治な関わろうというような
作家ではなくドイツ的内面性に入り込んで政治なぞ、世俗の
ものだと軽蔑していました。民主主義的な作家になったのは
年をとってからです。それから彼はゲーテの信奉者になりました。
58 :
ぎょえて:2000/07/11(火) 23:17
岩波の「ブッデンブローク家の人びと」の解説では、
北杜夫が「トーマス・マンのすべての作品が滅びても、
ブッデンブロークだけは、いつまでもあとに残るだろう。」
と言ったと書かれています。ただ、「楡家の人々」との
関連性についての記述は無いですが。
59 :
tad:2000/07/12(水) 17:33
へえ、そうなんですか。北杜夫はドイツびいきですね。
まあ現在ドイツ文学の影響うけている作家はあまりいませんね。
みんなフランス文学ばっかり。おもしろくない。
60 :
52:2000/07/12(水) 18:28
関係ないけど
2、3年前に
北杜夫がテレビに出てた。
変だった・・・。
あれは酔ってたのか、ボケてたのか
躁だったのか。
何にしろショックだった。
61 :
名無しさん@1周年:2000/07/12(水) 20:07
NHKのやつね。久々に特大の躁が来たみたいね。
「幽霊」三部作の最後の作品書いてくれないかなぁ。
でも「木霊」で円環閉じちゃったから無理か・・・
躁で筆が荒れた作品読むのもつらいし・・・
62 :
名無しさん@1周年:2000/07/12(水) 21:23
「妻は殺人鬼」だったっけ。
本屋で手にしたんだけど
あまりの酷さにブルーになった。
63 :
名無しさん@1周年:2000/07/14(金) 01:28
ホフマンの黄金のつぼはなかなかおもしろい
64 :
四海楼カスタム:2000/07/14(金) 01:32
>tadさん
強く影響を受けただろうと思われるのが古井由吉。
ドイツ文学の訳をいていたようです。
65 :
レーベルト:2000/07/14(金) 23:50
今週発売の週刊文春で、ベンヤミン・レーベルトという18歳のドイツ人作家が
紹介されています。「クレイジー」というデビュー作が世界的に売れている
そうで、日本語訳も出版されているそうです。
内容的には悩める思春期ものらしいですが、「ウェルテル」や「車輪の下」とは
違うのでしょうか。誰か読まれた方いらっしゃいます?
66 :
名無しさん@1周年:2000/07/15(土) 03:53
トーマス・マンは第一次大戦直後には政治に強く関心を示し
ヴァイマール時代には『ドイツ共和国講演』にて反動的ナショナリストから
デモクラットへの「転向」を宣言しています。これが47歳の頃。
スイス→アメリカへと亡命した経緯は複雑で、母国での出版権をめぐって、アメリ
カに亡命するまでには政治的にはナチスにも留保的な態度を取り、それについては
息子のクラウス・マンなどからも批判を受けていました。
マンは単純にデモクラット、反政治的とステレオタイプ的に論じ切れないアンビバ
レントな側面があります。
クライスト。
工房のころ痺れまくった記憶あり。
68 :
tad:2000/07/16(日) 02:01
>65
へえ、そんなものが出たんですか。読んでみよっと。
>66
なるほど、彼が政治に関心を持ったのは第1次大戦以降なんですね
彼の長い本人いわく、族長のような長い人生を送って
たどりついたのはゲーテだったんですよね?
ゲーテに政治的関心はみられませんが。
ところでトーマス・マンの『ファウストス博士』ってどんなんなのでしょう。
まだ読んだことがないのですが。
うわさによると、音楽家が主人公らしいのですが。
69 :
腰使いサリー:2000/07/16(日) 02:30
>ゲーテに政治的関心はみられませんが。
せめて「ゲーテ作品に」くらいに留めておいた方が無難だろうな。
マンは初期の短編が一番好き。
70 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/16(日) 17:10
「ファウスト博士」どうすか?
私はこれを読んで、文学を志しました。
71 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/16(日) 18:21
>68
シェーンベルクがモデルだそうですな。
72 :
名無しさん@1周年:2000/07/17(月) 00:44
月並みだけど「トニオ・クレーゲル」が好き。
73 :
名無しさん@1周年:2000/07/17(月) 01:57
マンの『ファゥストゥス博士』はニーチェの生涯をモチーフにある音楽家の
芸術活動と破滅を描いた文学作品。梅毒で発狂し滅んでいく音楽家の人生
の悪魔との契約とドイツのナチスという名の悪魔との契約の二つをかぶせて描写し
ています。ある意味、ゲーテ的ファウスト像へのアンチテーゼでもあり、悪魔がい
くつかの登場人物に姿を変えて登場させられています。
主人公の作曲家アドリアン・レーバーキューンが自ら作曲した『ファウストゥス
博士の嘆き』という曲は、ベートーベンの『第九』への否定形であり、「音楽的」
ドイツが不遜なナチスという悪魔との契約によって、滅亡していくという運命が
そこに描かれています。マンのドイツへの自己批判、その音楽観が反映されていま
す。一九世紀末から二十世紀前半にかけての最大の問題作だと思います。
ある意味で文学の極北に到達した作品で、悪魔を描写することに最も成功した
作品ではないでしょうか。
74 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/18(火) 12:07
僕は「ファウスト博士」になんとなく自己弁護というか
そういうものを感じましたね。
もう10年読んでないので、
今度読んでみます。
75 :
名無しさん@1周年:2000/07/18(火) 12:09
あの、「若きウェルテルの悩み」をパロった(?)本、
「若きWの○○な悩み」って、どんな内容なんですか?
76 :
tad:2000/07/19(水) 00:15
>75
それって日本ででた本でしょうか?
>73
へえ、そんな作品だったんですか。
ゲーテのファウストにしか目がいってなかったもので。
今度読んでみます。
なにか良い訳本はありますでしょうか?
なにぶん原文を読むほどの時間はないもので。
ところでトーマス・マンは
『ドイツとドイツ人』の中で音楽的ということにもふれていますが、
それも何か関係ありそうですね。
77 :
>75:2000/07/19(水) 13:55
白水社から出ているはずなのですが、どこの本屋へ行っても見かけません。
絶版になったのでしょうか?
78 :
tad:2000/07/19(水) 23:05
『ドイツとドイツ人』ですか?
あれは岩波で出ています。
絶版にはなっていません。
79 :
天然八歩:2000/07/19(水) 23:30
>77
ウルリヒ・プレ「若きWのあらたな悩み」ですね。
白水社の新書版(Uブックス)で出てるはずですよ
80 :
天然八歩 :2000/07/19(水) 23:32
すみません。作者名はウルリヒ・プレンツドルフです。
81 :
>79:2000/07/20(木) 01:01
うーん、何故か書泉、三省堂などの首都圏の大型書店でも
見かけないのです。今度問い合わせてみます。
82 :
tad:2000/07/20(木) 22:54
>79
へえ、そんなんがあるんですか。
ウェルテルは他にも『若きウェルテルの喜び』なんてのがあったらしいですね。
83 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/22(土) 23:44
ロッテってほんとのところは
ウェルテルのことをどう思ったんでしょうねえ。
84 :
名無しさん@1周年:2000/07/23(日) 02:29
それについてはトーマス・マン「ワイマールのロッテ」に描かれています。
85 :
名無しさん@1周年:2000/07/23(日) 13:48
三島由紀夫がどっかで誉めてましたね「ワイマールのロッテ」。
86 :
tad:2000/07/23(日) 23:18
>83
好きだったんじゃないですか?
特にゲーテ本人の恋を基に書いているので、
向こうが好きでいてくれると思ったほうがいいですし。
『ワイマールのロッテ』は読んでおりません。
また読んでみよっと。
87 :
名無しさん:2000/08/22(火) 11:53
最近評判の『朗読者』読んだ人います?
2chでマンの話はしたくないな。
89 :
名無しさん@1周年:2000/08/22(火) 12:25
2chは魔の山ですからね。なかなか下山できません
90 :
名無しさん@1周年:2000/08/22(火) 21:08
みなさん、ヘルマン・ブロッホって読んだことありますか?
私は『ウェルギリウスの死』を、あまりにもタル過ぎて挫折したのですが(笑)。
91 :
挫折したのは:2000/08/23(水) 11:38
順当なところでしょう。
私は何とか最後まで読みましたが、
ヘルマン・ブロッホへの一般の評価は高すぎるなと思いました。
もしかして、読んでないから高い評価を受けてるのかな(笑)。
92 :
名無しさん@1周年:2000/08/23(水) 20:43
>62
やさしい女房は殺人鬼ですね。中3のときコンビニで立ち読みしました。また
読みたいなあ。私はどきどきして読んだんですが。
93 :
tad:2000/08/24(木) 14:06
ヘルマン・ブロッホってよく知りません。
どこの出版社ででてますか?
94 :
名無しさん:2000/08/24(木) 14:19
>93
昔、集英社の世界文学全集で出てました。
今は品切れでせう。
古書店か図書館で探しませう。
95 :
名無しさん:2000/08/24(木) 16:19
>85
たしか『裸体と衣裳』でしたね。
昔は第7章以外は退屈だと思ったが、読み返してみたら非常に面白かったと書いている。
96 :
ミック :2000/08/28(月) 01:16
西洋史です。卒論は「ナチスに追われた亡命知識人の足取りを追う」です。
お尋ねのトーマス・マンについて。
彼の政治姿勢を過大評価しちゃあダメですよ。彼が亡命したのは国外に講演旅行に
でかけていたら、その間にナチスが政権握って帰るに帰れなくなった、というのが
真相です。日記にそう書いてあります。
亡命中も腰が重く優柔不断で、意欲的に活動した兄のハインリヒや息子のクラウス
からだいぶ突き上げを食らってます。本人も自分のことを「非政治的人間」と呼んで
政治的センスが無いことを認めてました。
ちなみに、僕が好きな作家はヨーゼフ・ロート
作家じゃないですけど、ヴァルター・ベンヤミン
二人ともナチスに追われて亡命中に亡くなりますが、最期まで救済を求めて闘う姿勢
に敬服。一生もんでっせ。
97 :
名無しさん :2000/08/28(月) 11:29
>96
トーマス・マンの政治姿勢についてはまあその通りなんだけど、
兄のハインリヒに政治的センスがあったかというと
かなり疑問。
ナチの手を逃れてフランスに亡命してから、
ジッドのソ連批判がすでに出ているのにそれを無視して
共産党にかなり肩入れして人民戦線を作ろうとしたばかりか、
スターリンを絶賛している。
ならばフランスじゃなくてソ連に亡命すればいいのにと思うが、
実態を知らない国やその指導者を賛美する癖が彼にはあった。
いずれにせよ作家の「政治的」活動は、本物の政治家からすると
噴飯物のことが多い。
トーマス・マンは、ある意味でそのことがよく分かっていたのだ。
98 :
tad :2000/08/29(火) 15:06
ヨーゼフ・ロートってのはそんないい作家(批評家?)ですか?本を少し読んだ
限りではあんまりおもしろいとは思わなかったのですが。
おもしろいってのは思想的に、という意味なのでまあ趣味の
問題ですけど。あまりそんなたいそうには思えません。
政治的なトーマス・マンの態度は老年になってからの民主主義
を唱えていますが、なんか少しアメリカに媚びを売っている部分もありますが、
あの中でドイツの良さを強調しているところなんてすごいと思います。
99 :
名無しさん :2000/08/29(火) 17:17
ヨーゼフ・ロートは思想家というより作家ですね。
だから小説を読むべきでしょう。
独文専攻の人だったら原文で読みたいところ。
端正な文章の魅力がよくわかります。
100 :
ミック :2000/08/30(水) 00:11
>98
何読んだの?
僕は『ラデツキー行進曲』とか『聖なる酔っ払いの伝説』は
とっても良いと思ったのだけど。今橋映子さんの『パリ・貧困と街路の詩学』
も亡命時代のロートとベンヤミンをクローズアップしてるから、合わせて読む
とさらに味わい深いよ。
>97
まあ、ハインリヒも政治音痴だったと思うよ。あの一家の政治音痴は
同時代人にも有名だったし。でも人民戦線の崩壊は、共産党の
路線変更を社会民主党が受け入れなかったことが主因だと思うから、彼の
人民戦線への尽力は正当なものと評価したいのだけど。
101 :
名無しさん@1周年 :2000/08/31(木) 05:52
ハインリヒよりトーマスの方が徐々に政治には敏感になっていったように思う。
マン日記なんか読むと相当詳しいし、時局の変化には極めて強い関心を持って
書いていたことが明らか。マンは本来のドイツ精神とそれに規定された自己の非政治性
を強く自覚しつつ、デモクラシー擁護や共和国への選択、社会民主主義への道を
もって克服しようとしていた。日記では日本の「2.26事件」のことまで示されてい
ます。マンが生涯を通して非政治的で、ディレッタントであったという見方は
明らかに妥当ではない。今世紀は作家の生活領域まで政治現象が浸透していった
政治の時代だったということも言い得る。
102 :
名無しさん :2000/08/31(木) 15:12
うーん・・・
トーマス・マンが非政治的でディレッタントだとは言っていないんですね。
政治のことに言及するから政治のことが分かっているとは言えない、ということなんです。
ハインリヒもトーマスも、政治を語っても結局表層的な宣伝役に過ぎなかったと思うんです。
現実の政治の複雑さや冷酷さとは無縁で、理念的なきれい事を言っただけでしょ。
日本でも戦争中は文士が宣伝に駆り出されたわけだけど、
連合国と枢軸国の違いはあっても、要するに同じ役割を勤めたんですよ。
103 :
tad :2000/09/03(日) 04:01
>100
ロートの作品、なかなか見つからなく、全集でしか読んでおりません。
よって全集1の短編を数品読んでみました。やっぱ、短編だったからでしょうか。
さっぱり面白さがわからずじまい。今度は『ラデツキー行進曲』読んでみます。
>99
へえ、原文ですか。とりあえず翻訳で読んでみようと思います。
ところで僕はやっぱり作品の中に書いてある思想が好きなのですが、
文章の魅力ってのがあるんですか?まだ原文の良さが分からないので
まだまだ修行しなくちゃいけないんですが、いつかドイツ語の
美しさがわかるといいなあ。
104 :
名無しさん :2000/09/04(月) 10:05
>103
長篇なら『ラデツキー行進曲』、
短篇なら白水社から出ている『聖なる酔っぱらいの伝説』あたりかな。
ただ後者の池内さんの訳は、分かりやすいけど、やや砕きすぎている感じがするね。
原文はもう少しきっちりした、かといって堅苦しくはない文章で、
読解力養成にも最適(笑)。
でも思想を文学に求める人には向かないかも。
105 :
tad :2000/09/04(月) 11:33
読解力養成ですか。ううん、いいですねえ。
題名はなかなかおもしろそうなので、ちょいと探して読んでみます。
文体ってのはあんまり興味ないのですが、
文体に実はおもしろいところが隠されてるなんてこともありますよね
ファウストでもヘレネとファウストの会話など
文体がわからないとおもしろくないらしいです。
106 :
ミック :2000/09/04(月) 18:04
>104
フォローありがとう。
白水社の短編集には『皇帝の肖像』(だっけ?)も入ってるよ。
ロートの現実離れした帝国への愛着と復古主義がよく出てます。今
では問題にもならないけど、当時のオーストリアでははやったらしい。
社会学者のシュパンとかも同じようなこと言ってたし。
>105
是非ベンヤミンの作家論を読もう。カフカをアレゴリーの文学と
して捉えるやり方は、シンボルによる批評に慣れた僕らにはとても
斬新です。ただし文体は「ベンヤミン語」と揶揄され畏怖される難
解さ。『ベンヤミン・コレクション』(ちくま学芸文庫)
107 :
ぎょえて萌え :2000/09/05(火) 00:50
ムージルの「愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑(岩波)」を読んでいる
ところですが、理解できません。どなたか解説してください。
ムージルは落ち着いてゆっくり読む本です。
表現の細部と情景を頭で思い浮かべながらじっくり楽しんで下さい。
106は勘違いしてるような・・・
読解というのは独文の読解力です。そっちの読解じゃなくて。
109 :
名無しさん :2000/09/05(火) 10:43
>106
『皇帝の胸像』ですね。
かつて『絶版文庫発掘ノート』で岩男淳一郎が、
ロートはどこにもない場所を求める人間だったと書いていましたが、
彼のそういう面がよく出ている作品です。
>107
ムージルは、私も分からない。
ムージル本人以外は分からないような気がする(笑)。
でも『三人の女』なんかは比較的とっつきやすいのでは。
110 :
ぼーもぁ :2000/09/05(火) 11:20
ロートですか。「聖なる酔っぱらい…」いいですね。
なんとも言えない詩情がありますよね。映画も良かったです。
「果てしなき逃走」よりも好きです。
ムージルの「特性のない男」誰か最後まで読んだ人いる?
111 :
ミック :2000/09/06(水) 01:52
>108
>106は勘違いしてるような・・・
>読解というのは独文の読解力です。そっちの読解じゃなくて。
別に誤解してないよ。tadさんのHP見たらカフカの『城』が好きだと書いてあった
から、ベンヤミンのカフカ論を思い出しただけだよ。
それは失敬しました。
脈絡がなかったので、てっきり衒学趣味のジレッタントな方だとばかり。
113 :
tad :2000/09/06(水) 07:46
へえ、ベンヤミンですか。作家論ていうのがあるんですか。それはおもしろそう
です。
ところであるカフカ好きな友達がカフカで論文書こうとしてるんですが、
彼がとりあげようとしているのはカフカのユーモアについてです。
確かに『変身』でも『城』でも実は冗談だった、と思うと結構
おもしろいかも。
114 :
ミック :2000/09/06(水) 20:33
>112
ああ、脈絡なかったね。ごめんよ。
でもベンヤミンは、ただの衒学趣味のディレッタントのための批評家ではない
です。断じて。
>113
ユーモアの定義ってなんだっけ?ジョークやエスプリとは違うんだよね、確か。
115 :
名無しさん :2000/09/07(木) 10:09
>114
「ユーモアは定義できない。ユーモアを定義するのは、ユーモアの欠如を示すものだ」――チェスタトン
冷笑ではなく、対象を包み込む暖かい微笑、といったところか。
ジョークだと単なる冗談、エスプリは自分の頭の回転の早さを示すのが主目的、なような気がする。
116 :
名無しさん :2000/09/07(木) 10:20
ドイツ・ロマン派お得意のイロニーはどうだ?
『カフカにおけるロマンティシェ・イロニー』とか言って
カフカとロマン派の関係を探る。(ナンセンス?)
117 :
tad :2000/09/07(木) 11:33
>116
え、カフカとロマン派?関係なさそうですよね。
でもロマン派ってひとつの枠にくぎられるんでしょうか?
ドイツ、日本の文学ではなにかしらロマン派的なものが
含まれている気がします。
>115
そういわれるとカフカはユーモアというより
ただの冗談といったところでしょうか。
どちらかといえばイロニーに近い?
118 :
名無しさん :2000/09/07(木) 13:34
115ですが(116とは別人)、
ドイツ文学のイロニーの概念は広すぎるから、
結局何でも含まれるようになってしまっているね。
だからロマンティッシェ・イロニーとカフカ、もアリなんじゃないかな。
ウシシ。ネタもらったぁーー
120 :
吾輩は名無しである :2000/09/07(木) 18:18
「私バカだからみんな笑ってください」がユーモア
「こいつバカだからみんなで笑おう」がエスプリ
「実はみんなバカでした」がイロニー
121 :
ミック :2000/09/07(木) 18:32
ふーん。笑いにもいろりろあるにょ。「なぜ人は笑うのか」なんて
テーマの本もあったね。
さて、ゲーテの『親和力』(岩波文庫にあるはず)を読もう。
そして今村仁司さんの『貨幣とはなんだろうか』(ちくま新書)
の解釈を読もう。「実は『親和力』は貨幣小説だった!」という
ユニークな解説です。
そしてさらに今村さんのネタ本である『ベンヤミン・コレクション』
一巻の「『親和力』論」を読もう。
毎回べんやみんでごめんよ。でも今村さんの本はおもしろいから
読んでみ。
122 :
Junger-Junger :2000/09/08(金) 07:49
エルンスト・ユンガーのIn Stahlgewittern(鋼鉄の嵐の中で)を
読みました。現代のもっとも問題のある戦争肯定文学らしいけれど、
さすがは、ホーフマンスタールと並ぶ言語の魔術師といわれるユンガー、
迫力がすごいです。
ところで、ユンガーの戦争作品のスデオロギー批判的読解に対する
カール・ハインツ・ボーラーの批判と、ユンガー文学の評価はなかなか
面白い。ボーラーによると、ドイツの自力のデカダンや唯美主義を
極めた文学はユンガーらしい。
123 :
Ernst von Salomon :2000/09/08(金) 07:55
124 :
>122 :2000/09/08(金) 07:59
確か、第二次世界大戦後のドイツで「三作家」と言われたのは、
ヘルマン・ヘッセ、トーマス・マン、エルンスト・ユンガー
だったよね。
125 :
独文科 :2000/09/08(金) 08:03
ユンガーの小説で日本語で読めるのは、
大理石の断崖の上で
ヘリオーポリス
の2作だけなのでしょうか。
126 :
tad :2000/09/08(金) 10:32
>125
なんか上のHPを見る限りではもう少しあるみたいですよ。
>124
そうなんですか?僕はてっきりヘッセ、マン、ムージルだと
思ってました。
127 :
名無しさん@1周年 :2000/09/09(土) 07:26
話しは少し戻りますが、マンの亡命前の講演のヴァーグナーのナチス的な曲解への
批判が直接の原因で、マンはヴァーグナー像を政治的に利用されることから擁護し
ようとしていた。それとパリ訪問記などで、民主主義の行商人として、西側に
プロパガンダ役を買って出てたことも、亡命のきっかけ。旅行前から、半ば必然的に
亡命は宿命づけられていたように思う。
128 :
吾輩は名無しである :2000/09/09(土) 08:08
マンの亡命と、ユンガーのドイツ残留の比較精神史も面白いかもしれません。
ユンガーはドイツに留まったけれど、ナチス政権成立前に、すでにナチスへの
批判はしてましたから、逮捕される危険性が多く、友人達は亡命をすすめた
そうですが、ユンガーは、「ドイツと共に生きる」ということでドイツに留まった
らしいです。彼は、陸軍大尉として再招集され、戦争中はパリで任務に就いて
いましたが、陸軍はナチスが手を出せない領域でもあり、それがユンガーを
守ったのかもしれません。
とにかく、戦後ドイツにおけるマンの拒否と、ユンガーへの熱い論議などは、
面白いかもしれません。
129 :
名無しさん@1周年 :2000/09/09(土) 10:55
>127
そうかなあ。
確かに33年以前から反理性主義的な傾向を批判してはいたし、民主主義や共和制を頭から反ドイツ的と
受け取るのはやめようと言っていたけど、「民主主義の行商人」になるのは
はっきりナチと決別してから、つまりボン大学から博士号を剥奪された36年末あたりからでしょう。
「亡命」と言うけれど、要するに講演旅行から帰らなかったというだけの話で、
それも自分の意志というよりは子供たちの忠告による影響が大きかったわけです。
またハインリヒ・マンと違って33年以降しばらくはトーマス・マンの作品は
ドイツ国内で売られていたし、作家だから印税収入のことを考えざるを得ないから、
露骨に反ナチを表明するわけには行かなかった。
それは、33年以前の、反理性主義を批判しつつしかしドイツロマン派的なものにも
理解を示した、というトーマス・マンの姿勢とそれほど違ってはいないと思います。
130 :
名無しさん@1周年 :2000/09/09(土) 12:39
=129
>128
たぶん、亡命者(トーマス・マンも含め幅広い意味で)と国内残留者の
様相は、個々に細かく見ていかないといけないと思うんです。
とても2項対立では収まりがつかない。
亡命文学者も、トーマス・マンみたいにノーベル賞取ってて
どこ行っても通用するという作家はほんの一握りです。
それにナチ政権成立直後は、どうせ長続きしないだろうという見込みで
フランスなんかに移った作家も多かったんですね。
それが見込み違いで、数年経つと亡命作家もばらばらだし、自殺する者も増えてくる。
悲惨きわまりなかったわけですよ。
S・ツヴァイクみたいに、ブラジルという安全地帯まで逃亡して経済的に恵まれてても自殺しちゃうのもいるしね。
131 :
ミック :2000/09/10(日) 02:10
>個々に細かく見ていかないといけないと思うんです。
>とても2項対立では収まりがつかない。
いやあ、そう思ってがんばってるんですよ。実際、亡命文学をやってる日本人研究者
少ないしなあ。この分野って独文と西洋史の谷間みたいなもんだから。
>それにナチ政権成立直後は、どうせ長続きしないだろうという見込みで
>フランスなんかに移った作家も多かったんですね。
>それが見込み違いで、数年経つと亡命作家もばらばらだし、自殺する者も増えてくる。
>悲惨きわまりなかったわけですよ。
これはその通りです。最初からアメリカへ高飛びすればよかったのに、そうした人は
ほとんどいませんでした。やっぱりフランスが一番多いですね。その次に僕がテーマ
にしてるオランダ、左翼はチェコスロヴァキアにも行ったな。でもみんなナチスの
占領を受けててんやわんやでアメリカへ逃げ出そうとします。『カサブランカ』の世界
ですな。ベンヤミンもピレネー山脈を越えたところで自殺してしまうし・・・
132 :
名無しさん@1周年 :2000/09/10(日) 17:26
>いやあ、そう思ってがんばってるんですよ。実際、亡命文学をやってる日本人研究者
>少ないしなあ。この分野って独文と西洋史の谷間みたいなもんだから。
確かにそうですねえ。
独文だと、山口知三・山口裕の両京大教授(裕氏は退官しましたけど)が頑張っているかな。
昔は他にも割にいたんだけど、日共系のイデオロギー臭があったりしてね・・・
ところでミックさんはその方面で印刷物を出しておられるんですか?
133 :
ミック :2000/09/11(月) 00:12
僕まだ学部生です。ごめんなさい。
134 :
ナハト :2000/09/11(月) 00:23
レ・マルクは如何なんでしょうか?
お尋ねいたします。駄目ですか?
はぁ〜難しそうな会話ですね・・・。
135 :
ミック :2000/09/11(月) 00:25
1日見ないうちに「シンボル/アレゴリー」スレがなんとまあ実りある
スレに成長したことか。参考なりまくり
136 :
ミック :2000/09/11(月) 00:56
>独文だと、山口知三・山口裕の両京大教授(裕氏は退官しましたけど)が頑張っているかな。
>昔は他にも割にいたんだけど、日共系のイデオロギー臭があったりしてね・・・
そうですね。
山口知三『ドイツを追われた人々 反ナチス亡命者の系譜』人文書院 1991
は基礎文献です。クラウス・マンの伝記っぽいですが、人民戦線モスクワ作家会議の部分も
詳しいです。トーマスにも1章割かれてたはず。
平田達治他『ナチス通りの出版社』人文書院 1989
その名のとおり、作品が生まれる環境として出版社と作家との関係に注目してます。
マーリク、キーペンホイアー、ド・ランゲなど出版社の気骨もなかなか。
池田浩士『ファシズムと文学』白水社 1978
時々「どうかと思う」左翼的な言辞を見かける。
長橋芙美子『アルノルト・ツヴァイク 戦争と作家』近代文芸社
長橋芙美子『言葉の力で ドイツ反ファシズム作家たち』新日本出版社
長橋さんに限らず独文系の人達は、基本的に作家一人に焦点を当てた伝記的な研究をする。
ハインリヒやオシエツキーについての論文もあるけど、それも同じ路線だね。
ルイス・A・コーザー『亡命知識人とアメリカ その影響と経験』荒川訳 岩波書店
マーティン・ジェイ『永遠の亡命者たち 知識人の移住と思想の運命』今村他訳 新曜社
フランクフルト学派の歴史学者F・ノイマンの弟子達です。やっぱりフランクフルト学派の思想形成
に重点が置かれている。
137 :
ミック :2000/09/11(月) 01:10
トーマス・マン『トーマス・マン日記』岩田・森川・横塚訳 紀伊国屋書店
まあ、客観的に見て、これ読まずに亡命文学語る人はいないでしょう。
クラウス・マン『反抗と亡命 転回点2巻』渋谷訳 晶文社
僕はクラウスのがトーマスよりすき。以上。
野村修『ベンヤミンの生涯』 平凡社ライブラリー
いぇい、ベンヤミンの伝記読まずに亡命文学は語れねえぜ(独断と偏見)
スチュアート・ヒューズ『ふさがれた道 失意の時代のフランス社会思想』みすず書房
今橋映子『パリ―貧困と街路の詩学』 都市出版
ともに亡命地としてのフランスがテーマです。今橋さんの本は多分にヒューズの焼き
直しだけど、美人だしベンヤミンとロートを取り上げてるから許す。
すぐ学校や本屋で見つかって、読み物としても面白い本はこんな感じでしょうか。
興味あったらどうぞ。
138 :
ミック :2000/09/11(月) 02:34
139 :
インネレ・エミグラツィオン :2000/09/11(月) 05:48
亡命文学もさることながら、日本では、ナチス時代の
所謂「国内亡命」を取り上げた研究は少ないね。
国内亡命派の文学は、けっこうドイツでは支持されている。
例えば、リリーマルレーンの歌でも
マレーネ・ディートリヒは、ドイツ人には人気はないけれど、
ララ・アンデルセンは戦後も長く支持されていたというのに
似たようなもの。
140 :
庭と道 :2000/09/11(月) 05:58
日本の独文科は、エルンスト・ユンガーを取り上げる見識が
なかったのは、想像以上の損失だね。
トーマス・マンが、本質的に第一次世界大戦までの文学だと
すると、それ以降のドイツ的な文学になると、やはりユンガー
になるからね。
ユンガーを無視してしまったため、日本の独文学は、戦後の
ドイツ文学について、まともな地図も描けず、把握も出来なく
なってしまった。だから今もって、ゲーテとカフカが大半と
いう、つまらなさ。ギュンター・グラスやエンデもさること
ながら、20世紀前半のドイツの文学を見るにはユンガーは
不可欠。ただし、プレ・ファシストというイデオロギー的読解
は意味がない。ちゃんと文学的表現として読むこと。すると、
世紀末から今世紀へのドイツのモデルネの消息もよく分かる。
141 :
吾輩は名無しである :2000/09/11(月) 06:09
>所謂「国内亡命」を取り上げた研究は少ないね。
ドイツでは国内亡命派と国外亡命派は犬猿の仲だからなあ。
ケステンは『私は連邦共和国では暮らさない』なんて本を編集してるし、
(「何百人ものドイツ人が今日でもなお、政治的亡命者よりも、それどころかユダヤ人よ
りも、ナチス親衛隊や旧ナチス党員たちの方を良く思い、よく言っている」)
ハインリヒも「私がドイツへ帰らないのは彼らがそれを望まないからです」と言って、アメリカ
に留まったし。
>国内亡命派の文学は、けっこうドイツでは支持されている。
これ本当かな?国外亡命文学はアデナウアー時代の終わりと共に再評価が始まる
けれど、国内亡命派についてはほとんどしらない。よかったら情報ソース教えて。
>マレーネ・ディートリヒは、ドイツ人には人気はないけれど
ディートリッヒとララやリーフェンシュタールの関係がそのまま文学にも当てはまる
のだろうか。もう少し戦後すぐの状況を詳しく調べないと簡単には断定できないと思うけど。
142 :
tad :2000/09/11(月) 07:36
もう、マンや、カフカとかは現代文学にはいりませんよね。
現代文学ってのは、グラス、エンデ、ユンガー以外あまり
知らないのですが・・・
143 :
名無しさん@1周年 :2000/09/11(月) 10:19
ミックさんはよく勉強してますね。
山口知三の『廃墟をさまよう人々』(『ドイツを追われた人々』の続編)
によると、国外亡命派と国内亡命派の関係も一筋縄ではいかないみたい。
144 :
ミック :2000/09/11(月) 17:11
>山口知三の『廃墟をさまよう人々』(『ドイツを追われた人々』の続編)
>によると、国外亡命派と国内亡命派の関係も一筋縄ではいかないみたい。
ありがとうございます。読んでみます。
145 :
名無しさん@1周年 :2000/09/12(火) 03:23
トーマス・マンの亡命や出版をめぐる政治的な立場や駆け引きは評価が分かれる
ところですね。また戦後の国内亡命派と亡命作家の対立全般や、戦後東西ドイツの
どちらの側についたか、(帰国や支持)っていうのも大きく評価を左右しているよ
うな気がします。旧西ドイツのゲルマニストはそういう面でどうしてもトーマス・マ
ンの評価に消極的だったような気がします。そういう意味でも読んだ文献からしても
政治的な見地にはどこかで拘束されたりしているかもしれませんね。
他方、日本ではトーマス・マンは佐藤晃一はじめ反ナチ亡命知識人の代表、デモ
クラットの擁護者としてマンを評価する傾向が多かったような気がします。先行
研究に少なからず日本のマンの文献も影響を受けてます。
>ミックさんや>129さん御指摘のように
亡命をめぐっては最近、家族の中でのクラウスやエリカと比較しての『転回点』
や、山口知三『廃墟をさまよう人々』での、マンの人間像に迫る新しい評価・研究
が見られます。後者は特に新しいマン像を提供し、人間マンの実像に迫る立派な
研究かと存じます。政治的な立場以上に、その政治評論は、難解ながら
教養市民層を中心としたドイツ人論としては最良の部類に達するものと思います。
また、それは、極度に抽象的ゆえに多くの議論の余地を残しているように思います。
146 :
吾輩は名無しである :2000/09/12(火) 03:42
トーマス・マンね、古くさいって感じだなぁ。
哲学でいうとマンは、ニーチェ以前、ショーペンハウアーってとこかな。
最近話題になってるユンガーは、詳しく知らないけれど、
有名な第二次大戦中の日記、『庭と道』『第一パリ日記』『コーカサス日記』
『第二パリ日記』『キルヒホルスト日記』を通してよんだけれど、
なかなか面白い。フランスではユンガーは、異例なくらい評価が高い。
ドイツではハイデガーと同じく簡単に評価出来ない難しさがあるのだろう。
最初にマンは古いと書いたけれど、違う意味でマンの評価も難しい。
日本だと、亡命−抵抗ということで簡単に評価してしまう人もいるが、
ドイツでは、ドイツ人への裏切り、民族の苦難から逃亡した人になるからね。
国内亡命派の詩人のゴットフリート・ベンが書いた「亡命文学者へ」という
原稿は、問題もあるが、そうした一面をついている。
147 :
145 :2000/09/13(水) 01:37
>146
マンが古いって印象は戦後西ドイツでも同じようで、これは彼が一九世紀の
ドイツ教養市民層の末裔であり、ゲーテ的な古典的な教養主義に強く規定されて
いたからという部分があるでしょう。日本でも古いという印象を僕も感じますが、
マン研究がドイツ文学の中で5.60年代と違い、もはや流行ではなくなった
ところにもよるでしょう。マン評価も色々山があったり、流行り廃りが
ありますんで、今は確かに谷間なのかもしれません。マン評価はそういう意味で、
時代の流行と関係なく主観に拘束されずに、客観的に今考えてみると、意外に面白
いような気もします。
E・ユンガーは保守革命との関係で論じる部分では興味あります。
彼も実に調理しにくい素材ですね。長く生き過ぎたんでしょうか。
148 :
吾輩は名無しである :2000/09/13(水) 06:54
それこそ画期的なユンガー論を書いて文芸評論家デビューしたらいいんじゃない?
149 :
名無しさん@129 :2000/09/13(水) 10:00
>146
ベンの「亡命文学者へ」は、とてもじゃないけど評価できませんね。
別段、国外亡命者=白、ドイツに残った者=黒、なんて単純に分けるつもりはないけど、
ベンのあの文章には端的に言って彼の政治音痴が100%出ていますね。
あれを評価するとなると、ナチズム自体を評価することになりますよ。
150 :
tad :2000/09/13(水) 13:58
>146,147
マンが古いというと、ゲーテってどうなるんでしょうか。(^^)
確かに古いですが、その中にあるものはまだ現代の我々にも必要な
はずです。(なんか平凡な意見ですが)
去年ドイツで、『ゲーテについての禁忌』とでも
訳せばいいのでしょうか。ゲーテについての言ってはいけないこと
についての研究書がでましたが、生誕250周年に
そういう本がでてきたのはおおもしろいと思います。
今までのようなゲーテ崇拝をやめようというのが
主旨らしい(まだ読んでません)です。
ところで、ゲーテ以降の古典主義的な作家の流れは
トーマス・マンで止まってしまったのでしょうか。
18世紀のことばっかりに目がいって
現代文学は勉強不足でして(^^;)
151 :
吾輩は名無しである :2000/09/14(木) 04:21
ゲーテは、ドイツ文学では特異な例外的存在のように思う。
ゲーテは古典主義者で、ドイツ文学にはゲーテという古典主義者は
いたが、古典主義は存在しなかったと思う。
盟友のシラーは、プレ・ロマン主義と捉えた方がよく、ドイツ文学の
基底音は、やはりロマン主義だろう。
ゲーテは、一度っきりの偉大なる例外。
152 :
シルトの岸辺 :2000/09/14(木) 04:26
フランスの孤高のシュルレアリスト作家のジュリアン・グラックは、
ワーグナー的幻想が大好きらしいが、彼が読むに値すると言ったのは、
ヘルダーリン、ノヴァーリス、ユンガーの3人だった。
153 :
吾輩は名無しである :2000/09/14(木) 04:30
ロマン主義は下手すると気じるし。
古典主義は下手すると凡庸。
154 :
吾輩は名無しである :2000/09/14(木) 04:33
カール・ハインツ・ボーラーの「ロマン派の手紙」が邦訳
されましたが、読まれましたか?
155 :
シルトの岸辺 :2000/09/14(木) 04:42
>154
読みましたが、ボーラーの著書なら、『驚愕の美学』や『神話とモデルネ』
の方が面白かった。前者は、ユンガーの初期文学を美学的に解析した大著。
後者は、やはり大部のフリードリヒ・シュレーゲル論。
ボーラーは、唯美主義者とつとに喧伝されているが、本格的に紹介・翻訳
されるべきだと思う。
156 :
145 :2000/09/19(火) 05:24
>150 トーマス・マンが古き時代のドイツ教養市民層の落とし子であり、
本人も自覚しているように、ゲーテの末裔である一方、彼を境にドイツ文学の世代
が戦後の世代に分断されているような気がします。
マンをゲーテ的なドイツ文学の分水嶺と見るのはある意味正しいと思います。
彼が戦後世代にあまり受けなかったのは(西ドイツで)文学上の世代的な転機が影響
してるような気もします。
157 :
名無しさん@129 :2000/09/19(火) 11:14
>156
マンは文章が難しいですからね。
戦後生まれのドイツ人には読みにくいということもあると思う。
それと、60年代から70年代にかけて、西ドイツは反体制運動が盛んだったから、
左翼からブルジョワだと決めつけられたことも多少影響していそう。
アカデミックなゲルマニスティクにもその影がうかがえますよ。
その際の左翼が使ったトーマス・マン批判のフレーズが、
実はナチスのそれとそっくりだったという話がある。
NationalsozialismusとSozialismusには同根のところがあるらしい。
いわゆる国内亡命派がドイツ国内で評価されるのも、それと関連があると思う。
また、ブレヒトみたいに東独に帰ってモロ政治化した文学者は、かえって評価が安泰だったりする(笑)。
しかし戦後ドイツが世界に通じる文学を生み出せたかというと、疑問。
ある程度通用する作家というとグラスくらいでしょう。
文学そのものの影響力低下もあるにせよ、
ドイツ文学の沈滞感は否めない。
158 :
tad :2000/09/19(火) 13:44
ドイツって強くなると文学が沈滞するという傾向がありますね。
ドイツがどん底の時に文学の最盛期があり、戦時中にも
マン、その他がでてきますし、グラスはノーベル賞取りました
けど、僕はあまり好きではないのですが・・・
159 :
名無しさん@よっぱらい :2000/09/19(火) 16:03
ホフマンスタールのチャンドス卿の手紙を最近読んでとても興味を持ちました。
この作者の作品の中で質が高いものといったらどれなんでしょうか?
あと川村二郎の訳は読んでいて安心でした。
ドイツ文学やっている人から見て、この訳はどうでした?
あれかな、また原典読めとか言われてしまうのか・・
ドイツ語圏の人数は1億人はいかないんでしたよね。
日本人とほぼ同数くらい。
>150
東西分断があったから、戦後は一概に強いといえるかな?
(どうでもいいか、そういうことは)
>ムージルの「特性のない男」誰か最後まで読んだ人いる?
ぜんぶ読みましたよん(遺稿まで)
162 :
ミック :2000/09/19(火) 23:35
>しかし戦後ドイツが世界に通じる文学を生み出せたかというと、疑問。
どう考えてもこれは戦時中に左翼やユダヤ系の作家が根こそぎドイツを追われた
ことが主因でしょう。他の理由、思い当たる方おしえてください。
>ブレヒトみたいに東独に帰ってモロ政治化した文学者は、かえって評価が安泰
ゼーガースやベッヒャーも戦後の東独で顕官に上り詰めた亡命作家だね。
東独に批判的だった文学者がたどった悲惨な末路はヴァルター・ヤンカ『沈黙はウソ』に詳しい。
たとえ政治をテーマに扱って無くても、文学や文学者が政治とは無縁でいられない世界というのはあるもんだ。
戦後西独が亡命さ家を冷遇した背景にも、間違いなく東独が亡命作家を持ち上げたことへの反感があったし、
「事件」としての文学を歴史上の文脈で考えるなら、どれだけ政治臭がいやでも政治面を抜きにはできないのではなかろうか。
逆に日本で「事件」としての亡命文学研究が、全くされたことがないのも(このスレで議論されたようなトーマス・マンについての
議論なんて、歴史畑では一度もなかったんじゃなかろうか)そこに起因してるかもしれない。
163 :
doko :2000/09/19(火) 23:52
「文学」と「政治」というと、
ここ最近のハントケなんてすごいですね。
164 :
名無しさん@129 :2000/09/20(水) 10:22
>159
きちんと検討したことはないけど、
悪くはないんじゃないかな。
個人的な趣味としては、川村氏の翻訳は(彼の文体がそもそもそうだが)
どこか脱力感がありすぎで、それほど好きではないが。
ホフマンスタールは生前は相当重要な作家と目されていたし、
現在も評価する人は思いきった高評価をするね。
ただ、マン、ムージル、カフカみたいに「これだ!」というインパクトのある
文学作品を残していない。
評論活動やR・シュトラウスとのオペラでの共同作業など、
あの時代の文化圏全体の中でどう活動したかを
複層的・総合的に見ないと、
極東の島国に住む人間としては彼の意義はとらえにくい。
>162
独文でも本当にトーマス・マンや亡命文学の意味が議論されたのか、疑問。
上の方にも書き込みがあったが
戦後間もない頃は、佐藤晃一が「独裁者と闘うマン一族」という視点で本を出した。
以後しかし、文献上の制約もあったにせよ、研究の深まりが見られなかった。
70年頃、西ドイツの反体制運動が盛んになってトーマス・マンがやり玉に挙げられたときなど、
それに便乗してトーマス・マン批判をやる日本人ゲルマニストもいた。
人によっても違うからこういう大ざっぱな言い方は危険だが、
どうも東京は欧米文化の輸入基地的な意識の人が多いので、
時代の流行には敏感でも、独自の視点でこつこつと研究を深めるところが余りないような気がする。
山口裕のハインリヒ・マン研究、山口知三のトーマス・マン&クラウス・マン研究のような
きちんとした仕事が京都でなされたのも偶然じゃないと思う。
(私は関西の人間じゃありません。念のため。)
165 :
真ん中 :2000/09/21(木) 03:02
ゴットフリート・ベンやエルンスト・ユンガーの翻訳や研究をしている人間が
総じて関西系というのも面白い。東京はやはりカフカやマンになるのだろうか。
政治思想でも、カール・シュミットをやっているのは関西系が圧倒的に多い。
関西の方が、いろんな意味で屈折しているのだろうか。
166 :
145 :2000/09/21(木) 04:27
やはり未だ関西と関東のゲルマニストは反目しあってるんでしょうか?
それなりの傾向やカラーの違いは感じますが..
(文学の畑の人間ではないので良く知らないのですが..)
個人的にも山口裕と山口知三の研究は立派な業績だと思います。
骨のあるマン兄弟研究ですね。
関学の下程息教授の『「ファウストゥス」博士研究』もマン研究では
特筆されるべきです。自分は関東に住んでますが、関西ゲルマニストの
元気さを感じます。長年の研鑚が身を結ぶってのは尊敬に値します。
>165 シュミットはカトリシズムとの絡みでやれば面白いと
思ってましたが(ハイデッガー然り)最近立て続けに研究書が出てます
ね。ユンガーとマンとシュミット、ウエーバーあたりを脇圭平が『知識人
と政治』で扱ってたのは政治と文学との微妙な関係が背後にあり、面白か
ったですが。
>162 亡命文学者にしても国内亡命者にしても文学とは言え、政治的な
決断が介在してたわけで、政治との関係も含めて、比較しつつ再評価し
てみると今、面白いような気がしますね。第一次大戦からヴァイマル期
・第二次大戦、戦後、冷戦の激動の時代にかけて、時系列で見ると。
167 :
吾輩は名無しである :2000/09/25(月) 02:31
戦後のドイツ文学の低迷は、やはりまず戦争での人的資源の戦死という喪失が
大きく。次いで、ナチス時代を「空白の断絶期」としか見れないからでしょう。
亡命文学は、ドイツ語の文学と言えるかも知れないけれど、ドイツの国民や歴史
と共にあるドイツ文学とは言えないし、カフカなどのドイツ周辺のドイツ語文学
とも異なる。さりとてドイツにいた作家たちの文学は、どうなのか。これについ
てはイデオロギー批判的な読みが多かったが、ボーラーがユンガー論でも述べて
いるように表現としての文学として読む作業が必要だろうと思う。
168 :
大盛名無しさん :2000/09/29(金) 05:20
亡命作家と比較して、国内亡命派は作家としては質が下がるような気がする。
政治的な意志決定を何等かの形で表明せざるを得なかった亡命作家と
沈黙や消極的な形にせよナチスへの服従をした者とでは、前者の方に「表現の自由」
の衝動がより強かったように思える。マン兄弟などは例外としても多くは悲劇的な
様相を呈することになろうが、ナチス政権に理由はともかく盲従し、留まった国内
亡命派に戦後亡命作家は激しく批判を受けるが、国内派はどうも旗色が悪く思える。
結果的に、B級作家が多かったのか?論争自体もあまり発展的なものというよりは
ルサンチマンに還元されるようなレベルのものに感じられる。(ふっかけたのは
国内亡命派だが)戦後世代との断絶はこのような国内派の質の低さにもあった
ように思えるんだが…
ように思えるが・・・
169 :
吾輩は名無しである :2000/09/30(土) 06:01
>168
いちがいに国内亡命派の作家のレベルが低いとはいえないよ。
ユンガーやベンは、一級で言うまでもないとして、ヴィーヘルトなんかも
ちゃんと評価しないと。
170 :
門外漢 :2000/10/01(日) 02:51
グラスは面白いと思います、純粋なエンターテインメントとして。
171 :
名無しサンシティ :2000/10/01(日) 05:31
ドイツでノーベル文学賞取ったのはトーマス・マンとギュンターグラス意外いたっけ?
172 :
>171 :2000/10/01(日) 06:00
ヘルマン・ヘッセがいるではないですか!
(でも、それ以外は知らない)
173 :
名無しさん :2000/10/01(日) 18:36
>172
ハウプトマンがとってるよ。
174 :
吾輩は名無しである :2000/10/01(日) 19:08
カール・クラウスに興味を持ちました。
どういう人なんですか?
175 :
名無しさん :2000/10/04(水) 08:49
>174
どんな人かは、なかなか簡単には言えません。
ジャーナリスト兼作家といえば間違いじゃないけど。
池内紀『闇に一つの炬火あり ことばの狩人カール・クラウス』(筑摩書房)
という本があるが、品切れ中なので、
古書店か図書館で探してごらんなさい。
ちなみに池内氏も「このカール・クラウスは何とも語りにくいのだ」
と書いているくらい。
176 :
名無しさん :2000/10/06(金) 23:09
この板面白いからage
独文とは関係ないけどショウペン・ハウエルは古いけど、いいよ。
177 :
名無しさん :2000/10/06(金) 23:12
この板面白いからage
>146
マンの位置付けは『魔の山』(岩波文庫)しか読んでないのでわかんないけど、
ショウペン・ハウエルはいいよ。
2重書き込み失礼しました。
板?
ショウペン・ハウエル?
ネタですか?
176>
ネタなら余所に行ってやれ。
そうじゃないなら、勉強して出直せ。
でもほんとのところ、ちょっとワラタ<ショウペン・ハウエル
181 :
吾輩は名無しである :2000/10/07(土) 22:25
>175 池内のクラウス本の紹介、ありがとうございました。
早速借りて来て今読んでいます。
どうやらクラウスはとても喧嘩っぱやい人だったらしいですね。
それと、冒頭から翻訳の限界みたいなことを池内が指摘してます。
やっぱりドイツ語で読まなきゃダメなのかなー。
182 :
名無し :2000/10/08(日) 00:10
古典じゃないけど・・
ミヒャエル=エンデ アガタ=クリストフは
どうでしょうか??
183 :
名無しさん :2000/10/11(水) 12:18
クリストフは読んだことないので何とも。
エンデは、まあ好きな人にはいいかも。私はちょっと・・・。
184 :
吾輩は名無しである :2000/10/11(水) 16:40
クリストフは…容赦ない作風ですね。
好きです。
185 :
吾輩は名無しである :2000/10/11(水) 18:52
アゴタクリストフってドイツ文学なの?
文学ではないけど、ウィトゲンシュタインにもって逝かれつつある。
よいよ。
とっても。
人間の救済を目指す言語論なんて壮大じゃないですか。
主著といわれる『論理哲学論考』『哲学探究』よりは『青色本・茶色本』(全集6巻)のほうが読みやすいと思う。
ついでにベンヤミンとのからみで言えば
粂川万理生「理想言語はどこに行ったか?――W・ベンヤミンとL・ウィトゲンシュタインの言語観比較」芸文研究第69号1995 190―176p
も良い論文だよ。両者の目指した理想言語は、「媒介」ではなく「実現」としての聖書の言語だった、という趣旨は説得力がある。
187 :
ミック :2000/10/12(木) 02:31
さげちまったい
勉強になるのでage
189 :
:2000/12/12(火) 05:33
190 :
吾輩は名無しである:2001/01/30(火) 02:12
ファウスト読んだ。面白い。メフィストがいーよメフィストが。
もともとドイツの民話としてファウスト博士の物語があったという話を読み
ましたが、こうしたモチーフをあつかった物語は他にありますか?
(過去ログではマンのものがあるみたいですね)
191 :
吾輩は名無しである:2001/01/30(火) 19:28
>>163 >「文学」と「政治」というと、
>ここ最近のハントケなんてすごいですね。
これってヴェンダース映画の脚本家と同じひとですか?
192 :
JPB:2001/01/30(火) 22:16
勉強になりました。もう1の方はこないのかな?
ゲーテの『色彩論』、18000円のやつもってますが。
あまりにでかいので読みづらい。
ていうか、哲学的な側面から読んだわけじゃなくて、色彩学の一環
として読んでみました。なんか、ゲーテは自分の仕事の中であれが
一番いいと自負していたとまたぎきしましたが文学的評価はどうなんでしょう?
193 :
吾輩は名無しである:2001/01/31(水) 02:49
今大学院にいるんだけど、なんかまさに『魔の山』って感じ・・・
はやく下界に脱出したいよお。
194 :
吾輩は名無しである:2001/02/03(土) 02:08
ドイツ文学ってやっぱりけっこう人気があるんだな。ちょっと安心。
ハイナー・ミュラー研究してます。
文学史に詳しい人は、彼のことどう思うのかな。
某研究者には、ミュラーの作品は残らない、っていわれちゃったけど。
195 :
吾輩は名無しである:2001/02/05(月) 22:02
『青い花』とても最後まで読み切れない・・・気違い文学。
196 :
163:2001/02/06(火) 22:20
>191
>これってヴェンダース映画の脚本家と同じひとですか?
違いますけど、なぜ?
197 :
考える名無しさん:2001/02/07(水) 00:58
良いスレだからもう一回盛り上がってくれないかなあ。
198 :
吾輩は名無しである:2001/02/08(木) 16:07
ドイツのドはドキュンのド
199 :
JPB:2001/02/08(木) 16:56
いや〜、批評空間の二人のトークの再現は、なんだか凄かったですよね。
なんか、ほんとに適当な言い方すれば
東「ていうか、何いまさら小林とかいってんだよこの野郎!節操とか
抜かすんだったら、こんなとこのこのこ出てくんな!」
鎌田「うるせえよ、西洋かぶれが、この野郎!デリダ?もう終わってん
だよ、そんなもん。ピーチクパーチクどこにでも出てきやがって!
八方美人もいい加減にしろ!」
のように要約してしまいました。いや、二人とも私は読んでみたい
んですけどね。何かあると思うし。
200 :
JPB:2001/02/08(木) 16:57
すみません、間違えました。
201 :
実習生さん:2001/02/10(土) 08:34
ドイツ文学研究者・院生の方、現在ドイツ文学で人気のある作家やテーマはどこ
あたりなんでしょう?マン兄弟やっている人とか少ないのかな?
202 :
吾輩は名無しである:2001/02/11(日) 14:28
私の知る限りは、人気があるのはやっぱり現代文学。作家で言えば、
カフカやベンヤミン、それからツェラーン。ちょっと古いのならビュヒナーも。
マン兄弟は学部生の頃沢山読まされたけど、若手の研究者や院生で研究してる人は
ほとんどいないみたいですね。やっぱり戦後イメージがどんどん悪くなったからな。
あと、悲しいくらい人気がなくなってるのがリルケですな。
私の後輩が研究してて、院受験しようとしてましたが、どこの大学もリルケ研究者
はじいさんばっかでした。
203 :
吾輩は名無しである:2001/02/12(月) 02:19
age
204 :
カイザーブロート:2001/02/12(月) 02:39
>カフカやベンヤミン、それからツェラーン
って、戦前の作家まで「現代文学」に入れるの?
205 :
吾輩は名無しである:2001/02/12(月) 02:50
202
ツェラーンは戦後に書き始めたし、カフカ、ベンヤミンは
戦後読まれるようになったんだから、いいんじゃないですか。
206 :
吾輩は名無しである:2001/02/12(月) 03:42
っていうか、トーマス・マン面白いよ。
いかれ気味の人間を描写させたら凄いじゃないの。
政治音痴かどうかしらんが、とにかく笑える。
207 :
カイザーブロート:2001/02/12(月) 04:03
>>205 カフカはいわゆる世紀末文学。
ツェラーンは戦後西ドイツの文学活動を担ったグループに属する作家。
ベンヤミンは現代「文学」の作家というよりも、現代「文明批評」家。
としたほうが、より精度の高い定義かと思いますが。
208 :
ん?:2001/02/13(火) 00:52
「いわゆる世紀末文学」ってなんでしょうか?
私の理解ではシュニッツラーやホフマンスタール、
ロートその他のイメージなのですが。
カフカはカテゴライズできない気が。。。
そもそも作家としては今世紀初頭のひとで、
そもそも生前はあんまり発表してないし、
ブロートが遺志を無視したために世に出たわけだし。
209 :
考える名無しさん:2001/02/13(火) 00:55
ベンヤミンて「文明」批評が主な仕事かあ?
ただの「批評家」のほうがいいんじゃないのか?
彼の関心範囲は「文明」という言葉とは馴染まない希ガスる。
210 :
お願い。:2001/02/13(火) 00:59
手塚富雄がどれだけすごいか、知らない人に教えてください。
211 :
・e・:2001/02/13(火) 01:03
ヘルダーリン研究の第一人者。
ハイデガーとの対話はハイデガー全集にも収録されている。
212 :
カイザーブロート:2001/02/13(火) 04:29
>>209 「批評家」と称しては文芸批評家としか解されないのではと心配したのと
(確かにベンヤミンには作品論もありますが)、
ベンヤミンは複製技術云々やパサージュ論で現代社会について論じているので
「文明批評家」と、あえて「文明」の語を付け加えただけです。
「文明」の語は余分、「批評家」で十分ならば、それで異存はありません。
213 :
吾輩は名無しである:2001/02/13(火) 09:36
現代文学って、いまでは主に戦後の文学について言われることの方が多
いような気がする。「戦後文学」というカテゴリーもあるけど。
214 :
吾輩は名無しである:2001/02/13(火) 18:40
ベンヤミンといえば、「ドイツ悲哀劇の根源」の新訳がでましたね。
さっそく買っちゃいました。翻訳者の岡部仁ってだれだっけ?
215 :
WOW:2001/02/14(水) 14:35
トーマス ベルンハルトって作家、戦後ドイツでは目立ってる作家だよ。
なぜか日本ではしられてないけど。ハイナー ミュラーとかアンナ ゼガースー
モもっと知られていいと思う。
216 :
吾輩は名無しである:2001/02/15(木) 02:19
以前早稲田通りで、よくゼーガースの研究書『アンナ・ゼーガースの文学世界』が
うってました。ゼーガース本人の作品の翻訳は全然ないのにねえ。
217 :
JPB:2001/02/15(木) 12:03
クリスタ・ヴォルフとか、結構熱くていい。
ゼーガース、ないですね。ふっるーい本で時々見掛けます。
218 :
吾輩は名無しである:2001/02/16(金) 14:21
ヘッセってあまり人気ないんですか。
今年から大学でドイツ文学やるんですがヘッセ研究のお薦めの本って有りますか。
作品はほとんど読んだと思いますが。
219 :
宝壺:2001/02/16(金) 17:12
ロマン派ってやっぱ軽く見られてるのかなあ。
そういう私も児童文学のノリで捉えてるけど。
220 :
吾輩は名無しである:2001/02/17(土) 02:25
ヘッセねえ。ドイツではあまり受容が無くて、むしろ、アメリカのヒッピー系に
よく読まれたって話だけど。あと、ユンクの心理学とよく関連付けられるな。
ロマン派(ヘッセはロマン派じゃないよ)は、戦後暫く(ナチの関係もあって)
ドイツ国内での研究が敬遠されたけど、最近は掘り起こしがさかん。
ただ、日本国内にまだその活動があまり紹介されていない、ような気がする。
221 :
カイザーブロート:2001/02/17(土) 04:18
222 :
カイザーブロート:2001/02/17(土) 04:20
指摘が重なった、スマン。
223 :
宝壺:2001/02/17(土) 12:15
あ、ごめん、タイミング悪かったかな。
全然関係無い話題です。繋がってないので、あしからず。
私はヘッセはあんまり…嫌いじゃないけど。
224 :
吾輩は名無しである:2001/02/17(土) 12:27
ブッデンブロ−グ家の人々っていうのをよみたいんですけど、
岩波は絶版しているみたいで、それ以外ででていませんか、
知っている人いたらおしえてくださいい
225 :
吾輩は名無しである:2001/02/17(土) 14:22
ヘッセはロマン派だと思ってました。
何派なんですか。
226 :
宝壺:2001/02/17(土) 17:38
>>225 やっぱり表現主義に分類されるんじゃないでしょうか。
なんか本人の生き様もそんな感じだし。
表現主義の性質自体もそうだけど、ヘッセの作品もなんとなく
不安定性を孕んでいて、で、フロイトの説なんかと絡められたり
してますね。
また関係無い話だけど。
岩波から出てたマンの『ファウスト博士』、三冊揃って1,000円で
見つけたんですが、これってお得だったのかな?
227 :
191:2001/02/20(火) 15:29
>>196 いや苗字が同じだったので。違うなら委員ですけど。
228 :
196:2001/02/20(火) 17:43
>227
ああ、カン違いしていました。
そのひとです、ハントケ。
229 :
吾輩は名無しである:2001/02/21(水) 02:59
>>226 ヘッセが表現主義?う〜ん、個人的にはロマン派という印象が
強いのですが。まあ、私は単なるドイツ文学ファンだから
学問的分類はどうでもいいのですが・・・
『ファウスト博士』が三冊で1,000円?めっちゃ欲しい!
宝壺さん買わないのでしたら私買います!どこの店か教えて〜
以前、『ブッデンブローク家の人びと』を手に入れるのに
散々苦労したのを想い出してしまった ( ;∀;)涙
誰かツェラン好きな人いない?
青土社から出てた全集安価で譲ってくれ(藁
231 :
宝壺:2001/02/21(水) 10:00
>>229 や、もう買っちゃったよ、『ファウスト博士』。
昔、教授に借りて全ページコピーした想い出がある作品だ。
232 :
127:2001/02/21(水) 19:00
>岩波から出てたマンの『ファウスト博士』、三冊揃って1,000円で
見つけたんですが、これってお得だったのかな?
>『ファウスト博士』が三冊で1,000円?めっちゃ欲しい!
お買い得でしたね。かなりいいお買い物です。
>以前、『ブッデンブローク家の人びと』を手に入れるのに
散々苦労したのを想い出してしまった
文庫で今は容易に手にはいりますが、手に入りにくい時期もありましたね。
ドイツの本屋ではマンの著作コーナーはそれほど広く取っていなかったですね。
戦後は特に西ドイツではマンのゲーテ的教養主義的な要素が受けずに、68年世代
以降はあまり人気がないように思います。
233 :
JPB:2001/02/21(水) 21:24
>127さん
マンの『ヨゼフとその兄弟』はどんなもんでしょ。
古本屋のオヤジに四冊一万円は絶対安いから、とい
われたんだけど、マンに当時は興味なかったせいで
ことわっちった。もったいなかったかな?
234 :
名無しさん@1周年:2001/02/21(水) 21:33
235 :
吾輩は名無しである:2001/02/22(木) 00:47
>>231 あぁ、そうでしたか。残念・・・
マンの作品は絶版が多くて本当にファンとしては悲しいです。
>>232 >文庫で今は容易に手にはいりますが
いや、今は品切れ状態だと思いますが。岩波のHPにも無いですし。
それにしても岩波は突然品切れになったかと思えば突然復活したり、
どういう販売方針なのか理解し難いところがあります。
>ドイツの本屋ではマンの著作コーナーはそれほど広く取っていなかった
へぇ、ドイツ本国でもそんなものなのですか。ちなみにどんな作家の本が
多かったですか?
ペリーローダン・シリーズ
237 :
127:2001/02/22(木) 07:48
>127さん 近所でバラ売りで一冊2500円ってのがありました。
全部で一万円って損はないと思いますよ。『ヨゼフ物語』、長いけど展開が面白くて、飽きません。
>へぇ、ドイツ本国でもそんなものなのですか。ちなみにどんな作家の本が
多かったですか?
あまり覚えてなくてスマソですが、ギュンターグラスやマルティン・ヴァルザー
はタイムリーだったようです。戦後西独ではゲーテ的な教養主義的な小説は受けな
かったようですね。グルッペ47以降、さらに68年世代あたりで断絶あるような
気がします。ちなみにマンの講演や朗読のCDもありました。
238 :
吾輩は名無しである:2001/02/23(金) 02:36
『ブッデンブローク家の人々』って絶版だったのね。でもあれくらいメジャー
な作品なら、古本屋をめぐってれば見つかるでしょう。
ドイツ本国にマンの本はあまりおいてない?どこだよ?
おれは二年前にベルリンのドゥッスマンによく通ってたけど、
マン一族のコーナーはものすごかったよ。
トーマス、ハインリヒはもちろん、クラウスやカーチャの本までたくさん
あったな。でっかい写真集とかも。
>230
おれもツェラーン大好き。全集欲しいけどどこの古本屋でも高いね。
トラークル全集とかゲオルゲ全集も高い。
ツェラーンはペーパーバックならけっこうたくさん出てて、やすいので
ドイツ語で読んだほうがいいでしょう。
239 :
237:2001/02/23(金) 02:57
>ドイツ本国にマンの本はあまりおいてない?どこだよ?
おれは二年前にベルリンのドゥッスマンによく通ってたけど、
マン一族のコーナーはものすごかったよ。
僕が思っていたよりも意外に少なかったってことです。ドイツでは ベルリンのツォー近くの
キ−ペルト、ミュンヘンのフ−ゲンドュ−ベル、いずれもかなりの有名書店です。
マンが博士号を取得し剥奪されたボン大学前の書店にも行きましたが、
少なくとも購入が難しいようなものはなかったですね。ただCDは貴重でした。
ちなみにリューベックのブデンブロ−クスハウスでCDを購入しました。
10年以上前の(旧西独)統計では、確かハインリヒの方がトーマスよりもドイツでは
ポピュラーだったように思います。いずれにせよ、日本でのドイツ関係の
本の並び方とドイツでは、少し違うメンツだな、という印象でした。
240 :
吾輩は名無しである:2001/02/24(土) 04:16
>>239 >ベルリン、ミュンヘン、ボン、リューベック
すごくうらやましい!
>ハインリヒの方がトーマスよりもドイツではポピュラーだったように思います。
それはかなり意外です。というより日本ではハインリヒは過小評価され過ぎている
と見るべきでしょうか。
ところでハインリヒの作品の日本語訳ってなにかありますか?
241 :
実習生さん:2001/02/26(月) 00:57
≫240 ハインリヒ・マンの翻訳は最近のものでは『短編集』くらいしかないようです。
山口裕の『ハインリヒ・マンの文学』は詳細な本格的研究書。
やはり日本ではなかなか気軽に読めないようです。
>というより日本ではハインリヒは過小評価され過ぎている
と見るべきでしょうか。
それは言えてるかもしれません。邦訳が少な過ぎる気がします。兄の方は
読んでないので比較しようがないですが、開拓の余地はあるかもしれませんね。
242 :
ちょっともどるけど:2001/02/26(月) 17:21
ロマン主義と表現主義に関して:
『ロマン主義と表現主義』っていうのが法政大学出版からでてて、
そこでは(かなり粗いけど)両者が結局は同じだよんって論です。
個人的にはドイツ文学は全部ロマン主義だと思う。
243 :
宝壺:2001/02/26(月) 20:41
私はロマン派=メルヒェンだと思ってるけど。
244 :
吾輩は名無しである:2001/02/26(月) 23:28
>>243 手元にある独和辞典で「Marchen(aはウムラウト)」を調べてみると、
「童話、おとぎ話」
う〜ん、この定義だとヘッセがロマン派かどうかは微妙ですか。
メルヒェン的なところも結構あるとは思いますが。
ちなみに手元に2つある国語辞典で「ロマン派」を調べてみると、
一方はゲーテ、もう一方はノヴァーリスをロマン派の代表の中の一人として
挙げています。なんだかロマン派の定義って人によって全然異なるという
感じがします。まあ、それでいいと思いますけど。
>>242 >個人的にはドイツ文学は全部ロマン主義だと思う。
これ、賛同したい気持ちです。でも例外もありそうですけど。
245 :
吾輩は名無しである:2001/02/26(月) 23:41
ホフマンスタールも?
シュニッツラー、ムジール、
ノサック、カフカも?
246 :
世界@名無史さん:2001/02/27(火) 04:27
ブデンブローク家絶版だって?
望月市恵先生(翻訳者で、松高時代の北杜夫に殴られた(笑))の偉業にたいして不敬だ。
たとえばだ。諸君。
ヴィスコンティの「地獄の落ちた勇者ども」をみたあと、その感動の余韻を味わいたくて
2chにきて
「なにか参考文献ありませんかね?」
とカキコしても、
「あるにはあるけど、もう絶版なんだよ」
というレスしか帰ってこないのか。
岩波文庫よ。何をしているのだ
247 :
吾輩は名無しである:2001/02/27(火) 04:43
↑よし!
248 :
宝壺:2001/02/27(火) 11:41
>>244 初期のゲーテは確かにロマン派かも。
でもあの人ってロマン派をコケにしてた人だし。
ノヴァリスがロマン派の代表というのには同意です。
彼の人生もまたロマンティーク。
249 :
吾輩は名無しである:2001/02/28(水) 11:51
「新ロマン主義」という概念もあるよ。これは1900頃からの潮流で、
自然主義に対抗した勢力。ヘッセなんかはここに分類されると思う
けど、詳しくは文学事典で見てくだされ。
表現主義=ロマン主義てのは、ちと引っ掛かるけど
青年文学という共通項はあるね。
250 :
吾輩は名無しである:2001/03/03(土) 07:15
age
251 :
実習生さん:2001/03/03(土) 07:44
フランス象徴主義の影響も流入して19世紀末からはロマン主義だけ
では語れなくなってる。北欧やフランス、英文の影響も以外に大きいんじゃ
ないか?特に19世紀末以降。
252 :
輝ける闇:2001/03/03(土) 23:19
イタリア紀行あげ。
というか「君よ知るや南の国」が好きなだけです。はい。
ヴィルヘルム・マイスターは現代人の小生からすれば、やや冗長を感じますが、
それでも好きな詩ですね。
253 :
フェイバー:2001/03/04(日) 21:58
シャミッソーが三度のメシより好きなんですが.....。
昔、若気の至りで原書版全集(2巻本)買っちゃったよ。
14万円もしたよ.....(涙)
254 :
そうそう:2001/03/08(木) 02:21
週刊朝日百科「世界の文学」76号が、
ドイツ特集なので、みてみておくれ♪
けっこう知られていないものがあって
よいです。
255 :
どうも:2001/03/08(木) 15:07
>238など
トーマス・マンの『ブッデンブローク家の人々』は
新潮社の『新潮世界文学トーマス・マン1』に収録されている。
ただし4500円もする。
古本屋でこの版か岩波文庫版の古本探した方がいいかも。
または岩波文庫版(絶版じゃなくて、品切れでしょう)の再版を待つか。
>240
ハインリヒ・マンの作品で入手可能なのは、
『ハインリヒ・マン短篇集』全3巻、松籟社
『アンリ4世の青春』『アンリ4世の完成』晶文社
あと、恒文社から『息吹き』が出てるが、訳が悪いから買わない方がいい。
『臣下』は昔、筑摩書房版の世界文学全集『H・マン集』に収録されていたが、
絶版だから古本屋で探すしかないね。
すぐれた研究書『ハインリヒ・マンの文学』を書いた山口裕・元京大教授が
ハインリヒ・マンの長編『小さな町』を訳したが出版社が見つからないらしい。
誰かいいとこ知ってたら教えてあげると喜ばれると思うよ。
256 :
吾輩は名無しである:2001/03/09(金) 01:39
>>255 >トーマス・マンの『ブッデンブローク家の人々』は
>新潮社の『新潮世界文学トーマス・マン1』に収録されている。
そういえばたまに神保町で見かけます。値段を見て引いてしまいますが・・・
文庫で安く出してくれれば間違い無く買うんですけどねぇ。
>ハインリヒ・マンの作品で入手可能なのは、(以下略)
あれ、意外と出ているのですね。今度神保町で探してみます。
貴重な情報有難うございます。
>ハインリヒ・マンの長編『小さな町』を訳したが出版社が見つからないらしい。
はぁ、この世界ではこういうこともあるのですか。ちょっと意外です。
でも、このままお蔵入りになるぐらいならインターネットでタダで頒布して
下さい。お願いします、山口先生!
257 :
どうも:2001/03/09(金) 12:15
258 :
吾輩は名無しである:2001/03/10(土) 04:15
>>255 この古本屋のサイト面白いですね。ゲーテを検索してみると、
「若きエルテルの悲しみ」こんなふうに翻訳されていた時代があったのですね。
それに、確かにそれほど高くないです。素敵な情報有難うございます
>意外じゃないんですよ。
>外国文学は、SFやミステリーじゃなけりゃ売れない時代なの。
そういう時代なのは解りますけど、意外だったのは翻訳者が翻訳した後で
出版社を探すというところです。出版社に依頼されてから翻訳するのが普通だと
思っていたので。
260 :
どうも:2001/03/12(月) 10:07
>258
>出版社に依頼されてから翻訳するのが普通だと思っていたので。
いま、純文学(?)に関しては出版社側がそれほど情報を持ってないでしょう。
そもそも、売れないものを出していこうというほどの文化的情熱があるわけないし。
外国文学者が一種の責任感から訳して、出版社を探し出して、なおかつしばしば
自分で出版社側に多少の金銭的援助をして、やっと出せる、というのが実状。
261 :
cudo9:2001/03/13(火) 14:50
はじめまして。
ベルンハルト・シュリンクの「朗読者」を読んで本当に感動しました。
おすすめのドイツ文学作品を教えてください。
262 :
どうも:2001/03/15(木) 10:08
>261
ふだんどういう傾向の小説が好きなのか、言っていただけるとこちらも助言しやすいんですが。
とりあえず、ヘッセあたりどうですか。
本格的にドイツ文学したいなら、シュティフター『晩夏』なんかいいかも。
263 :
白子:2001/03/18(日) 00:13
>246さん
「地獄に堕ちた勇者ども」に酔いしれるには、何が適当でしょうか?
いまみてきたたところなのです。
246
>>263 「ヴィスコンティ秀作集4/地獄におちた勇者ども」(新書館)
たぶん絶版でしょうが、大きな図書館にいけばあると思います。
内容はシナリオ+赤色貴族ヴィスコンティの構想、インタビュー集。
トマス・マン「ブデンブローク家」
前述の通り絶版ですが、これも是非、望月市恵先生訳の岩波文庫で読んでください。
映画冒頭の大誕生会がなにに由来するか、参考になります。
「カリガリ博士からヒトラーまで」「ヒトラーと映画」
出版社名は失念しましたが、書名検索で公立図書館でみつかると思います。
マレーデ・ディートリッヒに扮した女装マルチンの退廃ぶりの根源について
示唆される記述あると思います。
ピーター・ゲイ「ワイマール文化」(みすず書房)
ヒトラー、パーペン、ヒンデンブルグによって扼殺された20年代ドイツ文化史の
研究です。
ほかにもお勧め映画として、
「キャバレー」「ブリキの太鼓」「メフィスト」おなじくクラウス・マリダウアー(?)主演
のハンガリーの魔術師映画いいです。
ヴィスコンティの不肖の女弟子がこさえた「愛の嵐」、内容的にはハーレクインロマンスの
域を出ませんが、映像的にはよろしいです。
なおヘルムート・バーガー主演「サロン・キティ/ナチスSEX警察」もそのポルノまがいの題名ながら
見て損はないでしょう。
そうそう、わが日本では久世光彦氏が・・・・(以下、長文につき省略)
265 :
吾輩は名無しである:2001/03/18(日) 05:08
とにかくクライストでしょう。
仏文に行って損したと思ったドイツ作家は奴だけだ
266 :
どうも:2001/03/20(火) 17:54
クライストのどこがいいの?
或いは、作品では何が気に入ってるのかな?
267 :
名無しさん@公演中:2001/03/20(火) 22:20
魔の山ようやく読み終わったけど長かった………。
268 :
吾輩は名無しである:2001/03/29(木) 01:01
アゲゲ
269 :
吾輩は名無しである:2001/04/08(日) 03:31
>>266 「ミヒャエル・コールハース」と「ペンテジレーア」
270 :
吾輩は名無しである:2001/04/16(月) 22:22
今日、近所の古本屋に「ヨゼフとその兄弟・全六巻」(新潮社版)があったんで、
思い切って買ってしまいました。函入りで、結構きれいです。
271 :
吾輩は名無しである:2001/04/16(月) 23:10
ニ-チェ!ありゃ哲学か…でもニ-チェが好き。皆はニ-チェ好き?それとも嫌い?
魔の山は、あたしゃ下巻の<楽音の泉>、という章しかよみません。
オーディオ・レコード、そして再生させる音楽の魅力を、微にいり細にいり
描写したフェチ短編小説。
たぶん、感性が鈍っちゃったから、魔の山全巻は、もうこの先一生読めないだろうし、
まして「ヨーゼフとその兄弟」なんて、目も通さないだろうな。
歳をとるって悲しい
273 :
吾輩は名無しではない:2001/04/17(火) 01:55
マンは「神の剣」「トリスタン」とか短編もいいよね。
「魔の山」は、高校生にぜひ読んで欲しい。
国書刊行会のバベルの図書館でグスタフ・マイリンク
の作品、初めて読みました。
やたら下手物めいてるけど面白かった。
好きな人いる?
>>271 おお、同士よ! ニーチェ、最高! 厨房の頃からハマり
ました。
275 :
吾輩は名無しである:2001/04/17(火) 20:57
>>274 おれは高校の時、偶然「悦ばしき知識」を手にして、なんだこの人は!と衝撃を受けました。中学まで道徳の授業やなんかで、ひたすら平等やら善やら悪やら刷りこまれてきたもんだから、ニ-チェを読んで目が覚めたって感じがしましたね。どうでもいいことだけど中学生とか高校生のニ-チェ読者って、やたらと人を軽蔑したりしてたち悪いと思いませんか(笑) とにかく読む程に、偉大な人だなと感心します。
276 :
サヴィニー:2001/04/18(水) 10:26
ハインリヒ v. クライストはいいね。前にも誰か書いてたけど
『ミヒャエル・コールハース』は血沸き肉踊る。岩波文庫もク
ライストの復刊してくれないかねえ。私は、最初、沖積社から
出てるクライスト集みたいなので読みました。
今、カール・ハインツ・ボーラーの『ロマン派の手紙』読んで
るけど、これも中々面白い。クライスト関係は、日本人の書い
たものも何冊か読んでみたけど、余りの水準の低さに驚いた記
憶がある。文学という学問は名誉教授になっても、あんなもん
書いて許されるのか、とちょっと驚いたんですけど。
277 :
吾輩は名無しである:2001/04/20(金) 09:42
>>276 東大法学部の和仁陽が、
短いけどボーラー等を押さえた論文を書いている。
本当に法学者か?と驚きの熱いパッションを感じたよ。
278 :
サヴィニー:2001/04/20(金) 16:49
>277
そうだね。この論文は非常に良かった。ところであの論文の
中に出てくる鴎外の蔵書印だかがあるカイザーライヒの決闘
マニュアルを今度暇な時に書庫に見に行こうと思ってる。
余談だけど、村上淳一のロマン主義関連のものも中々面白い
よ。
ゲルマニストはゲルマン魂ってゆうのか熱いね(笑)
279 :
吾輩は名無しである:2001/04/21(土) 10:09
夜中に鼻をかむとき、いつもマンの『悩みのひととき』思い出す。
シラーもおれと同じ慢性鼻炎だったんだ。ちょっと元気でる。
280 :
吾輩は名無しである:2001/04/21(土) 14:37
モーリッツの『アントン・ライザー』読んだ人はいる?
18世紀の。
281 :
宝壺:2001/04/23(月) 20:49
マイリンクはいいね。幻想文学に興味ある人は必ず通ると思うけど。
私はホフマン→人形関係→マイリンク『ゴーレム』で通った。
澁澤がガイド引いてくれてるから、それで読んでみる人も多いかもね。
282 :
吾輩は名無しである:2001/04/23(月) 21:25
山尾悠子『仮面物語』->『ゴーレム』の線もあったりして。
283 :
実習生さん:2001/04/24(火) 18:40
本当におもしろくて気持ちのよい情報ありがとうございます
284 :
JPB:2001/04/24(火) 23:47
すごい、ためになることばかりです。
ちなみに、ケラーとかシュティフターとかは、ドイツ文学に入るの
でしょうか?
285 :
吾輩は名無しである:2001/04/27(金) 05:34
>「魔の山」は、高校生にぜひ読んで欲しい。
キガトオクナルヨ。
286 :
どうも:2001/05/02(水) 20:21
>276
>クライスト関係は、日本人の書い
>たものも何冊か読んでみたけど、余りの水準の低さに驚いた記
>憶がある。文学という学問は名誉教授になっても、あんなもん
>書いて許されるのか、とちょっと驚いたんですけど。
誰の書いたものが、どういう具合にレベルが低いのですか?
具体的に述べよ。
287 :
サヴィニー:2001/05/03(木) 01:30
> 誰の書いたものが、どういう具合にレベルが低いのですか?
> 具体的に述べよ。
おっけーおっけー。
特に酷かったのは、これだ。
『クライスト序説』中村志朗著/未来社
こんなもんで2800円というのは詐欺。買った俺が悪いん
だけどな。
288 :
サヴィニー:2001/05/03(木) 01:33
「レベルが低い」というのは正確な表現ではなかった
かもしれんが、とにかく詰まらない。フィロロギッシ
ュには細かい手つきなのかもしれんが、何を問題にし
ているのかが、個々の収録論文から全く伝わって来ず
「お前研究して手楽しいか?」いう感情が延々と持続
する、読んでる間中。
そういうわけで、レベルが低い云々は、俺の言い過ぎ
だったかもしれんが、とにかく「詰まらん」。
>>288 特に優秀な研究者になればなるほど,
そういう傾向が顕著になるような気が・・・
290 :
で:2001/05/03(木) 02:20
>「お前研究して手楽しいか?」いう感情が延々と持続する、読んでる間中。
ありがちだ。研究のための研究になっているから、
読んでて面白くないんだよね。
291 :
どうも:2001/05/03(木) 17:14
>288
多分、文学研究に求めているものが違うのではないかな。
例えば鴎外の史伝でも、面白いと思う人間とそうじゃない人間がいるでしょう。
細かい事実関係が面白いと思える人間(および年齢)と、観念構図みたいなものが面白いと思える人間(および年齢)がある。
292 :
どうも:2001/05/03(木) 17:19
>284
遅くなりましてすみません。
日本でドイツ文学とは、ドイツ語で書かれた文学の意味であり、国籍は無関係です。
293 :
サヴィニー:2001/05/03(木) 22:39
> 多分、文学研究に求めているものが違うのではないかな。
> 例えば鴎外の史伝でも、面白いと思う人間とそうじゃない人間がいるでしょう。
うむ、云いたいことはよく分かる。
ただ、「細かい事実関係」でびっしり塗り込められていても、その中か
ら圧倒的なものが立ち上がってくるものってのはあるだろ、文学研究でも。
フランス文学の塩川徹也なんて、そういう意味では素晴らしいぞ。
あと、鴎外の史伝ものだが、これはちょっとなあ。石川淳の『森鴎外』
は、「鴎外の最高傑作を抽齋・霞亭と認めんやつは、俺が認めん」みた
いなことを書いていて、「どっちらけ」だと思ったが、実際、両作品を読
んで、なおかつ中野重治その他の評伝を読むと、ますますもって「どっち
らけ〜」だと思うよ、実に。
いずれにしても、「どうも」氏が仮に文学研究者なのであるなら、血沸
き肉踊るような、圧倒的な何かが立ち上がってくるようなものを書かれる
のを祈っとるよ。
ちなみにハンドルからも分かる通り、俺は文学研究者ではないよ。
>293
法学の方に激励されて、恐れ入ります(微苦笑)。
295 :
宝壺:2001/05/06(日) 10:35
ドイツ文学だと川村二郎はハンパじゃなく読みやすいな。
有名なのはエッセイだけど、ありったけの知識をぶち込んだ感じで、
当人の想い出やら何やらだらだら読んでるうちに余計な知識が
身に付いているという(笑
296 :
どうも:2001/05/09(水) 20:03
池田浩士編訳『ドイツ・ナチズム文学集成』全13巻が柏書房から近く刊行開始。
池田浩士も頑張ってるなあ。
『ファシズムの文学』(白水社)なんか名著だったけど。
297 :
訂正:2001/05/09(水) 20:04
ゴメン。
『ファシズムの文学』じゃなくて『ファシズムと文学』でした。
298 :
シューアバルト:2001/05/09(水) 20:35
日本文学専攻の俺だが、このスレはいつ来ても面白いし
有意義な提言にも出会える。優良スレにつきageっ!
299 :
吾輩は名無しである:2001/05/17(木) 01:12
エンデのももなどの作品について詳しくご存知の方なんでもいいので教えていただけないでしょうか。
300 :
吾輩は名無しである:2001/05/19(土) 06:50
>>214 >ベンヤミンといえば、「ドイツ悲哀劇の根源」の新訳がでましたね。
>さっそく買っちゃいました。翻訳者の岡部仁ってだれだっけ?
都立の独文の先生ですよ。川村二郎の弟子?だとおもう。
301 :
吾輩は名無しである:2001/05/19(土) 10:26
この板、埃っぽい。古本屋のにほひがする・・・
302 :
宝壺:2001/05/20(日) 09:52
303 :
吾輩は名無しである:2001/05/20(日) 13:32
304 :
吾輩は名無しである:2001/05/20(日) 14:47
>>302 先生やってる人はね。慕ってきたら、拒むわけにいかないでしょう。
305 :
吾輩は名無しです:2001/05/21(月) 13:33
>302、303
まさか。
東大独文の先輩後輩の関係でしょ。
ヘッセはナルシストに思えてあまりいいとおもわない。
どういうところがいいのでしょうか。教えてください。
ちなみに車輪の下とデミアンしか見たことない。デミアンは比較的いいかな
307 :
tad:2001/05/21(月) 23:59
なんか、ひさしぶりに見たら300までレスが!
長いことご無沙汰しておりました、スレ立てた人間です。
>306
僕もあんまりヘッセが好きではありません。でも、作品を
読んでみると、結構芸術性があると思います。
文学に何を求めるか、によって、人の好き嫌いって分かれる気がします。
>299
エンデの作品はほとんど児童用です。モモなどは結構思想性を読みこまれて
いますね。例えば現代人の時間的な豊かさについて、などと
言われております。現代の人はせかせかとしており、豊かさとは、
お金ではないということなどなどです。詳しくは読んでみてください。
308 :
吾輩は名無しである:2001/05/22(火) 00:11
モモに関しては、時間泥棒という一つのかたちをとっていますが、
世界を覆う全ての闇と、それへの癒しである夢 という普遍的なテーマを
感じます。
つまりいいたいのは、時間に関してだけのことじゃなく、お金に関してだけじゃ
なく、もっと広い範囲で何かを感じ取ることができると思うということです。
310 :
ぴらら:2001/06/02(土) 07:23
私は、ゲオルク・トラークルの詩が好きです。
311 :
白子:2001/06/08(金) 23:53
>310 我も。ブレヒトの詩はどう?
312 :
宝壺:2001/06/19(火) 10:12
ちょいと古いが、ハンス・ザックスなんて読んでる人いるかな?
313 :
名もなく貧しく美しくもなく:2001/06/20(水) 17:17
高田里恵子『文学部をめぐる病い―教養主義・ナチス・旧制高校』(松籟社、2380円)が出た。
ドイツ文学者の二流性を扱った注目すべき本。
314 :
凸(`ー゚)Danke!!:2001/06/20(水) 17:58
悪童物語がいいよ。
>>299 私はちょっと好きなだけなんだけど。モモもいいけど。
「鏡の中の鏡」が好きです。しょっちゅう読み返してます。
岩波新書だったかな?「ミヒャエル・エンデ」というのが出てて。
それを読むだけでも各作品読みたくなります。ちょっと昔の出版だけど。
316 :
吾輩は名無しである:2001/06/23(土) 11:27
age
317 :
吾輩は名無しである :2001/06/27(水) 01:27
作品って年月が経ってから評価されるもの、あると思います。
10年、50年経ってから人気化している作家って・・誰なんでしょ?
グラス?
318 :
吾輩は名無しである:2001/06/27(水) 01:30
ヤーン
319 :
犬の林:2001/06/27(水) 12:00
ホフマンさいこー!
320 :
宝壺:2001/06/29(金) 11:36
>>319 私はやっぱり『砂男』が好きだな。
『クレスペル』も好きなんだけどね。
321 :
のま:2001/06/29(金) 21:52
Thomas Bernhard
322 :
犬の林:2001/06/30(土) 13:25
砂男はたしかにぶっとんだ。古典は
いいとは言われるけど、ポーとか
ウォルポールとかってちょっと基本
すぎるきらいがあるけど、
ホフマンは一味ちがうな。
っつってもつい最近
読んだばかりなんだけど、今まで何
で読まなかったのか不思議になるくらい
はまった。ハリーニルソンを最近になって
はじめて知ったのと同じくらいの衝撃。
>>237>>239 マンの自作朗読CDって『トニオ・クレエゲル』と『詐欺師フェーリクス・
クルルの告白』がありますよね?録音年代とか録音状態って、どんなモン
なんでしょう?
あと『ヨセフとその兄弟』も出てるってきいたのですが、小塩節さんだった
かどうか忘れましたが『ヨセフ・・』の自作朗読録音は残されてない、って
書いてたのですが、最近発見された録音なんですかねえ・
>>313 読んだ。面白かったよ。「二流性」については、ドイツ文学に限らず
教養主義を掲げる文学紹介者や、大学に勤める文芸批評家一般に該当
しそう。
325 :
313:2001/07/07(土) 13:50
>324
ダンケ。
でもちゃんとageて書きませうね。
326 :
吾輩は名無しである:2001/07/07(土) 15:40
今でもドイツではまず詩集出さないと
小説家としてデビューできないのでしょうか。
327 :
吾輩は名無しである:2001/07/12(木) 22:10
Christoph Hein について知っている方、いますか?
邦訳されているのだろうか?
328 :
吾輩はドイツ文学である:2001/07/13(金) 16:36
>327
訳されてますよ。
『僕はあるときスターリンを見た』(みすず書房)や『龍の血を浴びて』(同学社)があります。
>326
はぁ?
329 :
吾輩はドイツ文学である:2001/07/21(土) 11:08
法政大学出版局からゲーテ関連本が2冊出た。
そのうちの一冊『知られざるゲーテ』は、ゲーテのローマ滞在中の女性関係を扱っている。
だが、相当に細かい内容なので、専門家か、よほどのゲーテ愛好家でないとお薦めはできないな。
330 :
白子:2001/07/28(土) 00:35
「魔の山」な人!(好きな人、も)
331 :
吾輩は名無しである:2001/07/28(土) 04:16
やっぱクライストでしょ。
何故かスレも立ちゃしないが。
332 :
吾輩は名無しである:2001/07/29(日) 22:47
『ファウスト博士』(岩波) 復活記念age
333 :
吾輩は名無しである:2001/08/05(日) 01:24
『点子ちゃんとアントン』age
334 :
吾輩は名無しである:2001/08/06(月) 11:00
現代作家もなかなか。
ベルンハルト・シュリンク「朗読者」(新潮社)
マルギット・ハーン「ひとりぼっちの欲望」(三修社)
335 :
独文っ子:2001/08/11(土) 22:23
良スレにつき定期age!
336 :
吾輩は名無しである:2001/08/11(土) 22:26
ブリキの太鼓が好きでした
337 :
吾輩は名無しである:2001/08/12(日) 06:21
息の長いスレだ。(この板には多いけど)
シュティフターの「水晶」好きなんだけど、
ここには読んだ人いるかなあ。
338 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 16:41
「水晶」大好きです。「みかげ石」と「石さまざまの序」も。
「晩夏」も読みました。
339 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 17:01
やっぱ、軽いところで、
エルンスト・ユンガーの『鋼鉄の嵐』と
ゴットフリート・ベンの『静力学詩集』かな。
あと、ハンス・グリムの『土地なき民』ってとこ。
340 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 17:09
ヘルダーリン、シュテファン・ゲオルゲ、トラークルもいいね。
341 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 17:13
>339
むっちゃ「重い」やんけ。
342 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 20:24
>>339 エルンスト・ユンガーの「鋼鉄の嵐」、邦訳がないのが残念でなりません。
この言葉は、ドイツのあの世代の合言葉みたいなものだったんでしょうね。
ぼくがこの言葉を知ったのは、ハンナ・アーレントがブレヒトについてのエッセイ
の中で、「鋼鉄の嵐によって、旧い秩序が消えてなくなってしまった世界に、ブレヒト
はくつろいだ」と語っている箇所でした。20世紀の運命の重みのすべてを
この言葉に感じたものです。
ユンガーでは、残念ながら「ヘリオポリス」と「断崖」しか読んでおらず、
これらの著作の耽美的(独裁者との対決や結構グロテスクな戦闘シーンも
あるけれど)な調子は、「鋼鉄の嵐」の世界からは離れてしまっている
ような気もします。
あと、有名な(?)「DER ARBEITER −HERRSCHAFU UND GESTALT-」も
早く邦訳されてほしいですね。
343 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 20:28
>>342です。
HERRSCHAFU→HERRSCHAFTのパンチミスです。ごめんなさい。
344 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 21:00
>342
『鋼鉄の嵐』の邦訳は、戦前陸軍省の将校が訳しています。国会図書館で検索すると分かります。
それから、『労働者』も、左翼系の雑誌のナチズム特集にあった記がします。
345 :
追加情報:2001/08/17(金) 21:05
Googleあたりで検索すると、「ユンガー・ファン」(ドイツ語で、Junger Junger か? -ウムラウト入らん)のサイトが、少なくとも二つあることが分かります。
英独仏の研究書が満載されていて、なかなか本格的!
346 :
吾輩は名無しである:2001/08/17(金) 22:28
最近の作品を読む方は
ここでは少数派なのでしょうか?
たとえば
ジークフリード・レンツ とか
ハインリッヒ・ベル とか。
347 :
吾輩は名無しである:2001/08/18(土) 01:04
ツヴァイク全集(みすず書房)がほしいのですが
高すぎて未だに購入せず。
「昨日の世界」は私の愛読書です。
読むたびに感銘を新たにする。
348 :
吾輩は名無しである:2001/08/18(土) 01:17
ホフマンスタール、大好きです。
岩波文庫から「チャンドス卿の手紙」が出ていますが、
彼の才能が最も発揮されたのは若き日の「詩集」や
いくつかの韻文劇だと思います。
「チャンドス卿の手紙」はホフマンスタールのスランプ期の
心境を知ることができる散文ですが、
作品としてはどうか。「道との出会い」や「美しき日々の想い出」
などの方が彼ならではの詩情に溢れた作品だと思います。
349 :
吾輩はドイツ文学である:2001/08/18(土) 11:50
350 :
吾輩は名無しである:2001/08/18(土) 12:42
ツヴァイクって、これが「遺書」だったんですね。
『メアリー・ステュアート』とも感動しました。
351 :
吾輩は名無しである :2001/08/18(土) 22:37
シュトルムの『みずうみ』じゃなくて『白馬の騎士』って二外で読みました。
クライストもえがったー
352 :
ダダ:2001/08/19(日) 00:03
ヘルダーリンの”An die Parzen”と
ツェランの”Todesfuga”が特に好き。
精神病棟で研修していたときには、なぜかしっくりくるところがあって
何度か読み返していました。
ところでパトグラフィはいかが?
ヘルダーリンは分裂病だったといわれるけど、あのあまりにも清らかすぎる
魂は、ワタシには分裂病的に思えます。
ツェランは今風にいうとPTSDではないかと思う。あの痛々しい詩は
外傷的記憶の断片ではないか、とも。
またワタシだったら、”Todesfuga”は”Tod=死”以外は
すべてカナ文字で訳すんだけどなあ。あの語彙の異様な平易さというか
幼稚さは故意だよね?ナチスの愚民政策を皮肉ったのかな?語彙さえも
奪われたってことなのかな?と、あれこれ考えてしまうんだなー。
353 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 00:30
小さい頃カール・マイを読みふけった記憶はあるが・・・・・・
およびでない?
354 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 00:49
え、カール・マイを日本語で?
どれくらいの世代でしょうか。
355 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 01:52
ヘッセは「車輪の下」や「デミアン」よりも
「ペーター・カーメンツィント」「青春はうるわし」
「ゲルトルート」「ナルツィスとゴルトムント」の方が
広く受け入れられると思うのですが。
「車輪の下」は学校時代の体験に重点が置かれているし
「デミアン」は実験作という感じがするし。
356 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 09:13
カール・マイって、要するに「ビーダーマイヤー」の典型で、ヒトラーの愛読書でもあったんでしょ?
でも、近々の翻訳もありますよ。
357 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 09:27
>352
パトグラフィーって、おもろいけど、やっぱ還元主義ね。
「分裂病」そのものが、創造の源泉になるわけではないので、
ヘルダーリンやツェランなら、ハイデッガーやガダマーの
字面に即したものがいいね。
358 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 10:35
>>357 「創造の源泉」なんて、案外、取るに足らないものばかりですよ。
色々深読みすると、それはそれで面白いかも、です。
359 :
吾輩は名無しである :2001/08/19(日) 16:23
357です。
そうかもしれませんね。やっぱ、テクストあるのみ。
360 :
輩は名無しである:2001/08/19(日) 18:54
前からの疑問だけど、ドイツの作家は何故、ナチズムに抵抗できなかったのか?
「プロテスタント」(抵抗者)の国なのにキボーン!?
361 :
ドイツ在住:2001/08/19(日) 19:18
>>360 ドイツはプロテスタントの国ではありません。
数で言えば、カソリックとプロテスタントは半々ぐらい。
地域によって偏りがあって、北ドイツにはプロテスタントが多く、
南ドイツ(バイエルンなど)はほとんどカソリックです。
362 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 21:17
>361
カソリック万歳!!
363 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 22:07
カール・マイがビーダーマイヤーの典型?
初耳だな。
他の作家に失礼なんじゃないか。
364 :
吾輩は名無しである:2001/08/19(日) 23:49
ファウスト。いい評論があったら教えて。
>>360 それは、やはりフェルキッシュ革命に賛同したというか、
ナチズムがそもそも、彼らのドイツ人としての血に、なにかしら
訴えかけるものがあったからなのでしょう。
戦後になって、みんな否定してますが
366 :
黄昏の国、西洋:2001/08/20(月) 00:06
ヘッセ自身はもちろんナチズムに反対したが、彼のもつ非合理的な超越願望のような
ものと、ナチズムに惹かれた土壌とは、共通のものがあるといえるのでは
なかろうか。
それをいうとドイツロマン派全般にまでさかのぼることになるのかも知れないが。
ドイツロマン派ってのが、そもそもわからんものですなあ。
僕自身は、ナポレオンに蹂躙された神聖ローマ帝国在住のドイツ語系
住民が、まだ見ぬ地上の千年王国<統一ドイツ国家>への憧憬と
実現の難しさとの葛藤こそが、ドイツロマン派だと思ってます。
ワイマールからナチ政権にかけて、<偉大なドイツ>の実現(再現ではないです)
に文学士の先生方も、こぞって献身したんでしょう。
トマス・マンなぞは、むしろ少数派なのでは?
・・・あ、いや。よろしければ、識者の方、手ほどきを。
368 :
吾輩は名無しである:2001/08/20(月) 00:30
ヘッセの作品の中では、「デミアン」をナチス信奉者が愛読したとしても
不思議はないね。
「荒野の狼」「ガラス玉演戯」などは別だろうが。
369 :
吾輩は名無しである:2001/08/20(月) 03:24
ヘッセはスイスに亡命し、ナチ批判を行っていた。
ナチに協力していたリヒャルト・シュトラウスとの面会を断った
(同じホテルに滞在していたのだが)。
370 :
吾輩は名無しである:2001/08/20(月) 04:24
シュニッツラーってどうなんですか?
読んだことないのでご教示下さい。
371 :
吾輩は名無しである:2001/08/20(月) 12:51
>>343さんへ。
>>342です。ご教示どうもありがとうございます。探してみます。
「著しい苦痛は、それがどの領域で感受されるのであれ、既に語詞に
よらず、音声を通して表出される。誕生の、また死の場面は、そのような
ひびきに満ちている。たぶん私たちは、そのひびきの十全のつよさを、
いまさらながら戦争で耳にすることになった―夜の、負傷兵の呼び声に
満ち満ちた戦場で、大野戦病院で、しかも聞き違えようもない、はげしい
死のさけびにみをこわばらせた。心臓はこのひびきを、語詞とはべつのものに
感じ取るのである。いわば熱やつめたさに直接触れるのだ。人々はここでは
ごく似通ったものとなる。ひどい苦痛によって、感じ取るものの個性は
破壊される。同様に声の特徴も粉砕される。子音は焼き尽くされる―極度の
苦痛の声は、純然たる母音の性質をもつ」
これは、ユンガーのエッセイ「母音頌」からこんな一節を見つけました。
(菅谷規矩雄訳・法政大学出版会刊「言葉の秘密」19ページ)
母音に関するとりとめもないエッセイですが、ユンガーにとっての戦争の
イメージがすごく良く出ている一節ではないでしょうか。
372 :
吾輩は名無しである:2001/08/20(月) 13:08
ドイツ・ロマン派、ナチズムにいたるドイツ的内面性の歴史を
宗教改革の頃にまで遡り自己批判的に徹底検証した作品が、
トーマス・マンの『ファウストゥス博士』だと言われていますよね。
マン自身、若い頃には反ユダヤ傾向を強く持つ国粋青年だったので、
ナチズムに現れたものを、あくまで自分の問題として対決していたようです。
その辺の事情は「ドイツとドイツ人」という講演で分かりやすく語られています。
373 :
維納の黄昏:2001/08/20(月) 20:54
じつは今、1933年にかかれた反ナチ・ドイツ精神分析本の
ヘルムート・ブレスナー「ドイツロマン主義とナチズム」(講談社学術文庫)
いう本、読んでいるのですが、『ファウストウス博士』の解読本として
あげておいても、そう間違いではないでしょう。
プロテスタント信仰の世俗化が、<神の信仰>のかわりに哲学信仰をうみ、
ロマン主義をふくめた文化(クルツアいう、これまた、ドイツ語の面白い表現なのですが)信仰をうみ、
ひいては合理主義万能信仰をうみ、ナチズムの即物性(ザッハリヒカイト)にたどりついた・・・
いう、なんだかマックス・ウェーバーみたいな内容ですが、なかなかいいです。
374 :
維納の黄昏:2001/08/20(月) 21:04
しかし、ナチ党時代のゲーテ賛歌は、すさまじいものがありますな。
ぼくは47年だか48年集団では、ギュンター・グラスしか読んだことないんですが、
・・・。
彼がよく書く
「ただ一回きりの生の特殊性を顧慮することなく世界内に存在することを人間は許されない。
ならば民族共同体に奉仕し、生の特殊性を顧慮しないユダヤ人を100万人虐殺することこそが
世界の厳しさにあって初めて実存をゆるされるのだ。ぬはははは」
みたいなグロテスクな屁理屈って、「ファウスト」ラストの埋め立て開発にジーンとくる
ドイツ人の<義務観念>に、結構、訴えかけるものがあったのでしょう。
375 :
黄昏の国、西洋:2001/08/20(月) 21:26
>>373 その本、ぜひ読んでみたくなりました。
俗っぽい言い方になるのですが、ドイツ精神史をかじってみると、
「一所懸命修行すれば、かならず自己を超えた高く大いなるものに
融合できる」
みたいな思考が脈々と流れているように思えるのですね。
「高く大いなるもの」=神、世界精神、民族精神、集合的無意識、その他
真善美的なもの・・といろいろありうるわけですが。
個々人の自我を超えたものへの融合超越願望が、ゲーテ、あるいはもっと
さかのぼれるのかも知れませんが、ずっと見て取れます。
ロマンティカーとかニーチェはまさにそのものですし、ヘッセもそれでしょう。
この傾向から自由な人は、ハイネとか、例外的ではないのかな。
トーマス・マンも辛うじてバランスを取っているという感じで。
もちろん、この超越願望イコールナチズムというわけであるはずはないし
価値を否定することはできないのですが、ナチズムの集団的陶酔にむすびつく
要素でもあったように思います。
フランスの思潮(の主流)は、この種の超越願望とは無縁ですね。
啓蒙主義とか革命とか、その後の国内の数多くの殺し合いや政変を繰り返して
他人へのさめた眼や悪意が叩き込まれた国民だからでしょうか。
376 :
吾輩は名無しである:2001/08/20(月) 23:35
エルンスト・ユンガーは、戦後、ノーマン・スピンラッドの筆名で
「鋼鉄の夢」(ハヤカワ文庫SF)って、SF書いてたな・・・
377 :
吾輩は名無しである:2001/08/21(火) 19:28
>>376 正確には「鉤十字の帝王」じゃ。また、ユンガーが用いた
ペンネームは「アドルフ・ヒトラー」じゃ。
スピンラッドはこの小説に解説をくっつけたものを「鉄の夢」
と題して売りに出しただけなのじゃよ。
378 :
吾輩は名無しである:2001/08/21(火) 19:57
ありゃ、ちょうど帰ってきたところで嬉しいレスが・・・(笑)
>>377 尊師の仰せの通りでございまする。スピンラッドは形骸。すべては
ユンガーが筆名にこめた、民族精神の発現がなせるワザでござりまするよ。
・・・ま、冗談はともかく、あの暴走族の喧嘩のような独ソ戦の描写には
眩暈がしてしまいましたわい
379 :
聖なる春:2001/08/21(火) 23:28
>>375 おっしゃる通り、あの、啓蒙時代から1815年のウィーン会議に爆発する、
ドイツ文化の「永久なるものへの融合願望」というのはいったいなんなんでしょうね?
ぼくも、たまたま「哲学と音楽の国が何故、アウシュビッツを生んだか?」というテーマで
ブレスナー(私見ながら、その知名度からしてトマス・マンは<博士>の執筆時、おそらく
本書を読んでいるでしょう)を読んでます。
結局、中世からの脱却に失敗し、
<神とヒトが契約することで、世界の孤独のなかでも耐えうる個人>
というものの樹立に失敗した・・・
・・・という図式的なことを、漠然と夢想しているのですが、どうも巧くまとまりません。
ただ醒めたフランスの現実主義者としてのモンテスキューの陽気さと、
たしかに市民感覚抜群の巨人ですが、ゆえにどこか誇大妄想的なゲーテと
くらべると、
(おそらくご想像どおり)
宗教改革の成否に、その謎を解くカギが隠されていると想像します。
・・・すいません、この2人の格言集は、大好きなんで引用しましたが、
中世の英仏独の農民説話集の類では、読み比べても、それほど各国民のメンタリティや世界観に
差異を感じないのですが、18世紀後半から、(おそらくはヘルダーリンのドイツの黒い森回帰願望を嚆矢とする)
どこかドイツの文芸には<崇高>や<究極>
<世界を焼き尽くすばかりの憧憬>といった、多少、不健全な匂いがします(笑)
ただ、それがやはり、ドイツ文学の魅力でもありますが。
なお、これにドイツ市民革命や、R・ワグナーの反ユダヤ主義が加算された場合の考察については
小生の手におえません。
380 :
聖なる春:2001/08/21(火) 23:29
>>347 うーん。それにしてもツバイク「昨日の世界」は、いいです。泣けます
黄昏のハプスブルグ帝国(旧ヨーロッパ秩序)というのは、ファンの多い対象ですが、
やはり魅力のひとつは、勃興著しいウィーンの近代ユダヤ文芸でしょう。
天才ホフマンスタールの挽歌「薔薇の騎士」とかシュニッツラーの初期の若旦那さんと小間使いが
挿しつ挿される類のお話(笑)とか、トマス・マンが同時代、
「はやく人間として完成したいなあ」と
彼岸ばかり眺めていたのと比べ、えらいものです。エッチです。
「薔薇の騎士」をフィガロのバッチ物というなかれです。バイエルンの国粋野郎のR・ストラウスの音楽
も素晴らしいのですが、この劇の魅力は、やはり、ホフマンスタールが心血を注いだ元帥夫人とツバメ男の情事を通して、<過ぎていく時への甘美な諦念>でしょう。
そしてその諦念が、ときとして『チャンドス卿の手紙』のごとく虚無をのぞかせるところが、
やはりユダヤ的な自己解体と申しましょうか
381 :
聖なる春:2001/08/21(火) 23:30
>>370 シュニッツラーはフロイトの分身として名高い、ウィーンの閨秀作家です。世紀末ウィーンは
ご承知の通り、お金持ちの若旦那さんと町のお針子娘の援助交際がさかんなところでしたが、
自身、ハンガリー系ユダヤ人医者のせがれで、やはり医学生だったシュニッツラーは、
そのドン・ファンな性体験や、いわゆる社交舞踏会の人間関係を、非常に冷めた目で、
小説やエッセイにしました。
その初期の作風は、抑圧される女性のセックスと奔放な男性紳士のセックスや、抑圧する
ウィーンの社会そのものを、声高に<告発>するわけでなく、ただ<現存在>として提示し、
シニカルにうけとめるところに特徴があります。
同時代、フロイト博士は「夢判断」などを著作してましたが、人間存在の背後に潜む
なにか、たとえば<無意識>の存在を、このふたりはほぼ、同じ時期、追及してたようです。
黄昏のハプスブルグ帝国の中にあって、芽生えつつある反ユダヤ主義の隠微な圧力にもめげず、
東欧ユダヤであることをやめ、普遍的な真理を求めたフロイトの影法師として、よく語られる作家さんです。
最近では『カサノバ最後の恋』や『アイズ・ワイド・シャット』など、映画化作品も多数です。
PS
後期のシュニッツラーや、後期のフロイトについては、むしろユングの集合無意識じみた
<巨大なる物への>融合願望がでてくるのですが、こえはまた後日
382 :
黄昏の国、西洋:2001/08/21(火) 23:43
>>379 >中世の英仏独の農民説話集の類では、読み比べても、それほど各国民のメンタリティや世界観に
>差異を感じないのですが
やはりこの点は、ひとつはルターなどの宗教改革が大きいのでしょうね。
ニーチェ自身がいうように、ルターは中世への回帰という側面を有していた
のでしょう。
門外漢なので不正確なのはご容赦いただきたいのですが、ルネサンス期以降、
カトリック圏(特にラテン系)は概して世俗的・不信心になっていた、という
感じで把握しています。
一例でいうと、モンテスキューの「ペルシア人の手紙」の一エピソードで、
聖職者が、
「どの程度の罪であれば天国に行くのに妨げにならないかを信者に教えてやるのが自分の仕事だ」
「天国には、最優先でなくていいから、多少好き勝手もやって、ぎりぎりのところで入れてもらうように
してやる」
とうそぶくシーンがありました。
当時(18世紀)のフランスのカトリックのていたらくを端的に風刺したものですが、
これなど、ルター的ドイツの信仰メンタリティのおよそ正反対のものですよね。
ルターが教皇を「悪魔の豚」呼ばわりしたのは有名で、トーマス・マンも講演及び
「ファウスト博士」で、「自分はルターより教皇に親近感を持つ」と言っていますね。
あと、「森」への回帰傾向は、いろいろな要素があるでしょうが、仏革命やナポレオン
への反動も大きかったのでしょうか。
ちなみに、吉田健一氏が「ヨオロッパの世紀末」で、「ドイツ人こそは、夢想の中で自分をごまかすのには
天才的な才能をもつ国民である」のようなことを言っていたのも忘れられません。
383 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 00:11
ホフマンスタールの「ティツィアンの死」「痴人と死」
が大好きです。こういう美麗な作品をもっと読みたいんですが
何かお勧めのものはありますか?
ホフマンスタール以外でもいいので。
384 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 01:25
>>337 遅レスですが、Insel Taschenbuchでシュティフターの「石さまざま」を
買いました。表題は'Bergkristall und andere Erza"hlungen'(水晶及び
他の物語)となっていますが、中をみると'Bunte Steine'=石さまざま に
なっています。
文章は平明で読みやすいです
385 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 04:15
シェーンベルクの「浄められた夜」との関連で有名な
デーメルに興味があるのですが、デーメルについて教えてください。
>ルネサンス期以降、カトリック圏(特にラテン系)は概して世俗的・不信心
>になっていた、という感じで把握しています。
ルネサンス初期は、異端審問の終焉の時期に重なりますね。
恰度、ローマを中心に波紋を広げるような恰好で、時代が下れば下るほど
強烈な異端が頻出しています。異端審問の方もそれに合わせて制度を確立
させてゆく(というか手練手管を洗練させてゆく)といった案配で、南仏・
スペインでは、そうとう酷いことをしました。
宗教改革の先駆者ボヘミアのフスを「史上最も豪奢な」と評される火刑台
に架けた実質の指導者が皇帝ジギスムント。手許の資料によると、1415年
のことになります。また、この処刑を決定した公会議では、それまでの40
年間に渡る教会の対立関係が完全に修復されており、ローマ・カトリックの
地歩が広範に固まりつつあるのを窺うことができます。
それで民衆なんですが、どうも、尤もらしいことを言う坊さんがいれば、
すぐそっちに転ぶといった感じで、まだ、この頃はそうとう信心深い。
兎に角、死んだら天国へ逝きたいので、キリストに直結する清貧の思想を
もったカタリ派やワルドー派に肩入れする者も少なくなかった・・という
より、早い話、正統・異端の区別が無かったのですね。
というわけで、書いていて自分でもわけが分からなくなってきましたが(笑)、
メンタリティにあまり差異が感じられないのは、やはりキリスト教の影響
が無視できないのではないか、と。そしてルネサンス期以降のカトリック
圏での世俗的・不信心(実は、この辺、まったく不明なのですが)につい
ては、ローマ教会の強引な敷衍活動も一項に入れてみては如何でしょうか?
387 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 11:38
訳はまだでてないと思いますが、「朗読者」のベルンハルト・シュリンク氏の
別な小説がドイツ語洋書売場に出ていた(横浜・桜木町の有隣堂)
388 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 13:12
上の議論の流れを見ていると、「ドイツの精神性」なるものが、「愚鈍な中世」を
そのまま近代まで引き継がれているということみたいだけれど、本当にそうなので
しょうか。
>>382 あなたは「ルターは中世への回帰」というニーチェの言葉を引用しているけれど、
ニーチェだって所詮19世紀の人間だし、その中世観が現在にそのまま通用するとは
思えません。
あなたがあげてる「中世の英独仏の説話」はそれではすべてルター的な世界で塗りこめ
られているのでしょうか。
私の中世のイメージは、はっきり言ってもっと俗っぽいものです。羅馬教皇は、世俗領主
として他の世俗勢力(皇帝や王、自由都市)との権力争いに余念がないし、そのためには
お金も必要になります。純粋な宗教的心情からみれば、「悪魔の豚」に見えるのは当然で
しょう。
また、一般民衆の宗教観も、ルターのような精神的なものというより、ご利益目当ての
ものだったのではないでしょうか。ホイジンガが「中世の秋」で、「中世末期は、ありと
あらゆるものを目に見えるように表そうとした時代」なんて表現してるけど、これは、
信心深さというよりは、宗教的なものを物質的なものに還元しようとする志向をさして
いると思います。
ルターやカルヴァン、あるいはその反動としてのイェズス会といった、宗教的
ファンダメンタリズムは、むしろ近世以降に発するものであり、
ドイツの内面性についても、近世以後のヨーロッパ諸国のあり方の違いからみていった
ほうがよいのではないかという気がしています。
389 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 13:15
ゲルマン系が詩的夢想的で、ラテン系が散文的現実的で、
ナチズムの興隆にはゲルマン的な夢想癖が底流としてあるとよく言われますが、
ラテン系のイタリアやスペインでもファシズムはあったし、
フランスにも集団的陶酔がなかったわけではないですよね。
ラテン文明圏におけるファシズムの分析ってあまり聞いたことがありません。
390 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 14:08
>>389 思いつき論で一言いってしまうと、フランスはいったんおいておいて、
イタリア・スペインについていえば、
イタリア=ファッショ政権は結局国内の政争・蜂起で倒された
スペイン=ファッショ政権が成立するには内戦を経過せねばならなかった
・・という点がドイツと違いますね。ここらへんは文学や思想というより
現実の政治過程の話でしょうが。
391 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 14:13
ヒトラーを信奉するようなレベルで、ムソリーニやフランコを信奉する
ような風潮があったと言えるのかどうか、どなたか詳しい人いらっしゃい
ますか?
「散文的」という言い方に乗るならば、ムソリーニやフランコを見る国民の目は
ドイツよりはるかに「散文的」でさめていたような気がしています。
392 :
比較論で言えば:2001/08/22(水) 14:53
スペインやイタリアの場合、ドイツのような「民族神話」は
無かったのではないでしょうか。
393 :
吾輩は名無しである:2001/08/22(水) 16:19
ファシスト・イタリアは古代ローマの復興を叫んでいましたよね。
これは一種の民族神話ではないでしょうか?
ゲーテの母でございます。
このたびは、息子がナチ党時代の文脈で反ユダヤの風評を立てられてしまい、 皆様には
大変ご迷惑をおかけしております。深くお詫び申し上げます。
息子は旧弊なゲットーをかかえこむフランクフルトの市民貴族に生まれ、
早くからユダヤ人街の風習になじんでいましたが、やはり
保守的なワイマールの時代精神のなせるワザでしょうか。
ヘブライ語まで学んだにもかかわらず、
『ユダヤ人て、やっぱDQNでさ。ヨーロッパ文化の根源を否認するユダヤ人に美はない』
と、こともあろうに『ヴィルヘルム・マイスター』にまで書きこん
歴史に名を残してしまいました。
しかし皆様におかれましてはご存知の通り、ゲーテの筆名をたからしめた
彼のサロンをささえたのはフランフルトの勃興著しいユダヤ銀行家たちの
文化活動であり、けしてレッシングのような攻撃的な反ユダヤ主義でなかったことは
お分かりいただけるかと思います。
どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし。本当は良い子なんです。
よろしくお願い申し上げます。
ゲーテの母より
天才ってキライ
ありゃ、ネタをこさえて遊んでいる場合じゃありませんな(笑)
>>388 いやいや、あまりに乱暴な図式を用いて誤解をまねいて申し訳ない。
もちろん中世文化を愚昧などとは、毛頭おもっておりませぬ。
おっしゃるとおり
ドイツの深遠な(ときとして偏狭で排他的な)精神性は、地理的には
選定帝以来の領邦<land>という分裂と交通の不便に、その背景をもとめられましょうし、
そこにフリードリッヒ以来の啓蒙主義がナポレオンによるドイツ侵略という暴力によって
<忌まわしいもの>とのけられたところに、その後進性の不幸があると
思うております。
フィヒテが
「ドイツ国民よ、目覚めよ!」
といったとき、何に目覚めようといったか、けして近代や西欧に追いつけ負い越せ
ではなく、まして、国境をこさえて領土を作れ!のような単純なものをめざしたものでもなく、
それは
<この世のどこにもないドイツ民族による地上の1000年王国(Reich)をこさえよう>
という、精神的な志向をもってたと思ってます。
これこそが宗教改革に失敗した後進国家の悲劇というものであり、
さきに成功した英仏の近代国家が地上的なものであるのに、
後進のドイツは、むしろVolk(民族)のアイデンティティを古代の
アルカディアにもとめ、国家建設の求心力としたところが、
「ロマン主義者は古典の賛美者だ」と
よくいわれる由縁かと思います
でも、本当は、ドイツの黒い森の呪いじゃないか説にも一票と投じよう(笑)
tadさんへ
HPのトップから「時間がない」ってのはヤメタ方が良いかもー
社会に出て企業勤めを始めたならば、学生時代とかわらず
研修会にレポート提出に昇進試験に資格試験勉強をこなしつつ
通常業務に当らねばならないんだよ?
全てとは言わないけどぉ・・・
リーマンに過労死と自殺者が多いのは何故でしょう。
学生時代の方が時間はあったし、おまけに気楽なくらいだったよ?
トップから「更新するひまがない」ってのは・・・・(ゴニョゴニョ
ちょっとその甘さにムカついたので荒しなカキコをしてみました。ごめんね。
>>388 ははははは、中世について不用意なこと書いてしまいましたね。ニーチェを持ち出しちゃったりして。
おっしゃることには反論できません。
ローマ教皇の地位が売買されたり泥沼の政争の的になっていたとか、修道院の腐敗とか、中世は
いかにも「世俗」でしたね。
400 :
吾輩は名無しである:2001/08/23(木) 00:18
こわれ甕、面白かったな。
クライストで一番好き。
401 :
吾輩は名無しである:2001/08/23(木) 12:53
>>396、>399
>>388です。私の拙いカキコにレスいただいてありがとうございます。
みんな近代以降のドイツの内面性(というか政治音痴)の話をしている
中で、中世にこだわったのはポイントを外したかなと内心思ってました。
私がこんなこと言ったのは、「ドイツ人は大昔からこうだ、だから云々」
という言い方が、アングロサクソンのグローバリズム全盛の今日、ひどく
人種差別的に響きかねないという懸念があったからです。
その程度のカキコだということで。
ところで、ドイツのファシズム関係の論争についてですが、どうしても、
枢軸国側だけの(そして「国民性」の)比較が中心になっていますが、
連合国側だって、相当の勢いで大衆動員を行っているはずです。
エルンスト・ユンガーのエッセイ「総動員」(これはWWTを扱ってるけど)
を読むと、ドイツがアメリカに負けたのは、「総動員競争で負けた」という
興味深い観点を提出しています。「国民性」も「デモクラシー」も、ともに
総動員のためのスローガンというわけです。
402 :
名無しさん:2001/08/23(木) 17:43
>385
『新潮世界文学辞典』を見られたし。
403 :
名無しさん:2001/08/23(木) 17:46
と書いてみたが、少しだけ引き写し。
1863年生まれ、1920年死去。
自然主義のに影響を受けて労働者を歌った詩を書いたりしたが、本来的にはエロスを介して世界と一つになろうとする思想的傾向が彼の本領である。
404 :
吾輩は名無しである:2001/08/23(木) 22:14
みんなエッカーマン訳した山下肇センセの「ドイツ・ユダヤ精神史」(講談社学術文庫」)
読んだかしら。あたしゃ、最近、エルスント・ブロッホ読んだだの原文主義にはうんざりだ。
なんというか山口昌男「歴史・祝祭・神話」以来の見せ場の連続に、のけぞったぜ
405 :
ブンガクする名無しさん:2001/08/24(金) 12:31
>>404 昔、『近代ドイツ・ユダヤ精神史』というタイトルでハードカバーで出ていたのは読んだ。
文庫本になって内容は変わったのかどうか。
いずれにせよ全体的に浅い内容で、あんまり感心しなかった記憶がある。
406 :
吾輩は名無しである:2001/08/24(金) 14:25
トーマス・マン
ブデンブローク家の人々好きな人いる?
407 :
吾輩は名無しである:2001/08/24(金) 14:28
>406
はい、大好きです。クリスチアンが一番好きかな。
ところでドイツと日本のロマン派を比較考察したものでいい本てないでしょうか?
408 :
>407:2001/08/24(金) 17:14
日本のロマン派ってどういうのをいうのでしょうか。
まさか、いわゆる「日本浪漫派」じゃないよね
409 :
吾輩は名無しである:2001/08/24(金) 19:26
日本浪漫派は最近復活してきています。昔の本だけど、橋川文三「日本
浪漫派批判序説」なんかはどうですか。中心は保田與重郎だけど、太宰
治や伊東静雄との比較など、なかなか興味深いですよ。
ドイツロマン派との比較については、例のロマンティックアイロニー
が保田の戦争に対する態度にどう表れているか、とか、
保田=シュレーゲルやA.ミュラー(カトリック帰りの保守派)、
伊東=ヘルダーリンやクライスト(どこにも帰るところがない)
として両者の違いを論じたくだりは印象的でしたね。
410 :
JPB:2001/08/25(土) 01:30
>>407さん
比較、というわけではないですが、ケヴィン・マイケル・ドークの本と
アイザイヤ・バーリンの本を比較して読むとわかりやすいかもしれないです。
書名は失念してしまいました。あとで調べます。
411 :
吾輩は名無しである:2001/08/25(土) 03:45
ライナ・マリア・リルケ『マルテの手記』
これから小説家、芸術家を目指す人は絶対読むべきだ。
今の日本が似非芸術家、似非インテリの楽園になってしまったのは
リルケ文学のようなものと、まともに向かい合って格闘しようと
する人が何処にもいないからではないのか。
いたとしても誰も相手にしてくれない? きっとそうだ。
彼こそが僕の仲間だ、世界で唯一の!
と、つい興奮してしまうくらいリルケの良さのわかる人間が
僕の周りにはいない。
412 :
吾輩は名無しである:2001/08/25(土) 07:38
>>405 で、どういう風に浅かったの?
それ、いってくれなきゃあ。
いま、このスレ、ばーっと読んだけど、思わせぶりにドイツ語タイトルあげたり
してるけど、山下肇のあの教科書レベルで、何かを理解している人って、文学板に
いるのかなあと、ちょっと思っただけなので(笑)
413 :
まぁまぁ>411:2001/08/25(土) 09:48
リルケの良さは折口信夫が分かってましたよ。
414 :
405:2001/08/25(土) 11:55
>>412 山下肇の書きかたってのは、概説ふうなんだね。
ドイツで出ている概説書のたぐいを引き写しにしている感じ。
自分の頭で考えていないし、多少考えても教科書風の見取り図しか描けないから、面白みがない。
独文学者としてより、ある程度評論家としても名を売ってる人間の方が面白いのを書く。
川村二郎、種村季弘など。
415 :
412:2001/08/25(土) 17:44
はあ。教科書風ではなく、あれは教科書ですよ。
講義のためのテキスト。前書きにその旨、明記してあります。
ただ、その教科書の範疇で、前書きが
「この大碩学たるオレ様が、なんで学生のために、毎年、基礎から教えなおさなきゃ逝けないんだ。
腐れ外道どものために概説を記す」
というストレートな爆笑のマエフリからはじまり、アドルノ(ほら、「アウシュビッツのあとに芸術は存在しない」ていったアレ)なんてとびこして、
一応、東西ドイツ80年代まで、カバーしています。
種村センセの縦横無尽は、大好きですが、教科書では、もちろんないでしょう。
教科書マスター後の趣味の本です。
しかし、池内紀といい、種村センセといい、何故にドイツ文学者は温泉オタクが多いのか。
敬愛しますぜ、お二方。
416 :
405:2001/08/25(土) 17:59
>>415 ハードカバーを読んだのはだいぶ前だから、記憶も怪しくなっているが、多分内容も少し増補していると思う。
ハードカバーのは80年代は入っていなかったはず。
山下肇は、率直に言って学識はさほど深くないと思う。
教科書だから教科書風に書いたんじゃなくて、そういうことしか書けない人だろうな。
417 :
415:2001/08/25(土) 19:00
はあ。まあ、そういうお話なら、まあそういうことなんでしょうな。
学識うんぬんって、たいてい不毛な結末になるので、まあ、意見は手控えましょう。
さてと・・・。
>>暇人の方々
アドルノ「アウシュビッツのあとに芸術は可能か。(いや不可能)」
って、その後、東西ドイツで、どのように発展したんでしょうね?
我輩、いまウベ・リヒタの戦後ドイツ文化史概観みたいなエッセイ集読んでいるのですが、
なんというんですか、どうしようもない逝き詰まりの袋コジに入り込んでいる印象も受けるのですが・・・
>409さん,410さん
ご教示ありがとうございます。それらの本探して見ますね。
419 :
維納の黄昏:01/08/26 19:57 ID:TLqF7qOk
>>401 いやいやいや。401氏の中世に対する一方ならぬ愛情、よくわかります。
ぼくもご多分にもれず、ホイジンガー読みふけりましたが、中世をルネサンスと
古典をつなぐ逼塞の期間と了解するのはあかん!といわんばかりに、これでもかと
<中世の豊穣ぶり>をくりだす「中世の秋」は面白い読み物ですなあ!
ぼく自身は、アルビジョン十字軍とかカタリ派とか、面白そうなのですがどうも知識なく、
逆にご教示願いところです
>「ドイツ人は大昔からこうだ、だから云々」
>という言い方が、アングロサクソンのグローバリズム全盛の今日、ひどく
>人種差別的に響きかねないという懸念があったからです。
ご寛恕くだされ。ダンチッヒ・・・じゃねえや、カリーニングラードのドイツ返還間近であり、
ドイツ・ポーランド教科書問題も<ドイツ騎士団>評価でようやく歩み寄りを見せている今日、
「ドイツは昔からこうだった」とするのは、まったく戦後第3世代に迷惑です。
ただ、ですなあ。
ドイツの持つ、暗黒や不合理、彼岸と現実の差異から生じる憂愁。
こればかりはやはりドイツ文学の魅力を支える<お約束>だと思うが
いかがか。
正直、我輩は、フロイド博士はホフマンの「砂男」ではなくPKディック
「高い城の男」をテキストに『不気味なる物』というエッセイをかくべきだったと
信じる、ばりばりのドイツ暗黒主義者。
迷妄の徒ゆえ、ご嘲笑くだされ。
なお、連合国側の総動員についてはですなあ。
エルンスト・ユンガーもよろしいが、より軍事板の住人が詳しかったりします(笑)
420 :
ダダ:01/08/26 23:46 ID:LUZFe1dw
>>411 私もリルケ好きだよ。
あなたのような意見があるとほっとする。
私は長い小説はもともと弱いほうなんでね。集中力が続かなくて。
ただ私はリルケも散文より詩が好きでさ。
「あらかじめ失われた恋人よ」とか、臨終間際の
"Ich brenne..."とかが好き。ところで
「ドゥイノの悲歌」はいかがでしたか?
421 :
吾輩は名無しである:01/08/26 23:49 ID:yRtpWC12
>>412=417
この板のイタさをやっと指摘するレスがでてきたか。
途中まで、なんかつらいというか・・・。
無限の自己イロニーも独文の欠かせない視点だと思われ。
文学どっぷりでありながら同時に文学的であることの
サムさも包みこむような。あるいは文学的でありつづけることが、
かえって弁証法的にそれを排除し
非文学的になってしまうことの痛みをもつような。
ちなみにドイツ文学の道程とは違い、
ウィーン文学は非政治的であるはずの芸術的言説が、ふと気づくと
政治的になってしまっているところが面白い。
そして戦後ドイツ文学は、この弁証法を批判的に徹底化して
いるのでは。で、どつぼにはまるっと。(w
個人的には、非政治的文学者の代表と
(批判された)ゲーテこそ、実はこのアンビヴァレンツを
濃密にかかえこんだ作家だと考えているが。
でもこのイタさこそ日本における(ドイツ)文学受容の問題点として、
相対化すべきなんだろうな。
422 :
401:01/08/27 09:21 ID:2pEQki56
>>419 >ドイツの持つ、暗黒や不合理、彼岸と現実の差異から生じる憂愁。
>こればかりはやはりドイツ文学の魅力を支える<お約束>だと思うが
>いかがか。
全く同意。私もホントはそういう魅力には弱いんですよ。(W
エルンスト・ユンガーを出したのはちょっとマヌケでしたね。
あのエッセイ「総動員」自体、あんな文脈で引用するには内容があまりに複雑
微妙ですよね。
423 :
アホか?:01/08/27 10:07 ID:9OrcV8gg
>>421 ここは「ドイツ文学に『興味』ある人!」というスレ。
興味というレベルだから、来る者の知識のバックグラウンドもばらばら
だろうし、痛いとか寒いとか思える書き込みもあって当然
イタいのがいやなら、別スレ立てて、たとえば「大学院レベル以上の
専門知識ある人限定」で好きにやってろ
424 :
405:01/08/27 11:16 ID:AJVJAfIs
>>421 逆じゃないか、と思う。
ゲーテはあなたのようなオタク的言説を批判したから今に生き残っているんじゃないか?
マジにドイツ文学してしまうと、ロマン的イロニーとやらにはまりこんで、行き着く末は見えてる。
戦後ドイツ文学が日本でさっぱり人気がでないのは、ある意味、健全なことだろうと。
425 :
421:01/08/27 12:24 ID:EOzE6wkM
>>424 なにを指して「逆」といっているのか、あるいは
どこが「オタク的言説」と思われてしまうのかわからんが、
文脈からすると、ロマン派はオタクで今に生き残っていない
とでも思っているのかな。誤読だったらごめんね。
それに「行き着く末」はどこなんでしょうか?おれにはわからん。
「見えてる」とか、そういう物言いに慣れていないもんで。
あと最後の1文の「健全」というのは、戦後ドイツ文学か日本か
それとも受容のされ方そのものを指してるの?
ただ一言いっとくと、ゲーテとロマン派との関係はそんな単純ではないと
思う。ゲーテとロマン派、そしてシラーとの三角関係の綱引きは
複雑怪奇で、それこそ教科書的にきれいな図式で
描けないよ。
>>423 アホでスマソ。
まさかスレ違い、板違いとは思わなかった。
ここは制服の世界だったのか。
ちなみにおれが興味あるのはトーマス・ベルンハルト。
じゃぁ退散するよ。チュース!
426 :
405:01/08/28 12:12 ID:HtwDCHD2
>>425 こちらの書き方も不親切だったかも。スマソ。
政治性と芸術性が表裏一体で入れ代わりがちだってのは、どんなに非政治的な作家・詩人にも言えるということなんだよ。
その場合、ゲーテのように政治に実際に携わった人間の政治性ならオレはある程度は信用するが、言説上のみの政治性は信用できない。
平凡な言い方になってしまうが、社会と文学・言説の乖離、これはドイツの宿痾だからね。
ゲーテこそが、だから政治的なのであり、ロマンティッシェ・イロニーなんてのは非政治的そのものなのだ。
ただ、細かく見ていくとゲーテってのはよく分からない部分があって、確かにロマン派との関係も一筋縄ではいかないというご意見は、その通りだと思うが。
427 :
吾輩は名無しである:01/08/28 23:11 ID:IRwF73fk
このスレ読んでると構造主義の問題点が判る気がする、なんとなく・・・
とまれ、良スレあげ
428 :
吾輩は名無しである:01/08/29 04:06 ID:NG5ZFpNg
「マルテの手記」は素晴らしい散文ですよね。
都会の密室の孤独な住人の研ぎ澄まされたセンス。
429 :
吾輩は名無しである:01/08/29 14:31 ID:.ncJW8.6
>>381 >シュニッツラーはフロイトの分身として名高い、ウィーンの閨秀作家です。
おいおい、冗談はやめてくれ。
>>429 「閨秀」の意味を勘違いしただけと思われ。
待て。
>>429 もちろん冗談ではなく勘違いだ。すまん。
で、もっと話をおもしろく展開してくれ
432 :
維納の黄昏:01/08/29 21:08 ID:pADB.R4c
なんだったら、おれの文章、一行一行、ぜんぶあげつらっても良いぞ。
基本的におれはネタは提供するほうで、消費する人間じゃないので
433 :
吾輩は名無しである:01/08/29 22:24 ID:AKLpwU3A
山下肇の「ドイツ・ユダヤ云々」
あまりのパクリにのけぞりました。
著じゃなくて、訳、とすべきだ。
434 :
吾輩は名無しである:01/08/30 10:11 ID:1m2qoRvE
>>433 外国文学者の仕事ってのは、そういうのが多い。
昔、筑摩書房から出ていた菊盛英夫『評伝トーマス・マン』なんか、あとがきで、最近ドイツで出たペーター・ド・メンデルスゾーンの伝記を見たがあまり教えられる所はなかった、なんて書いてるくせに、メンデルスゾーンの丸写しをやっていた。
435 :
吾輩は名無しである :01/09/04 01:05 ID:41e.DPQk
教養小説が好きなのですが、最近はもう流行らないですよね。
教養小説も近代とともにその使命を終えてしまったのでしょうか?
ゴットフリート・ベンってどうよ?
437 :
吾輩は名無しである:01/09/10 01:39
ドイツ文学を語る上で欠かせないのは
ゲーテもシラーももちろんそうだけど
レッシングこそそうだと思う。
レッシングの「賢者ナータン」なんて
当時の演劇戯曲の中では傑作中の傑作。
現代だったらミヒャエル・エンデが大作家。
なんだかさっきから、それこそ凡庸な文学史的な見方を
垂れ流しで書き続けているようなゴクツブシがいるみたいなんだけど・・・
439 :
吾輩は名無しである:01/09/10 03:18
ツヴァイクの「バルザック」は面白い。
小説はどうなんだろう。本領は伝記かな。
>>435 池田浩士『教養小説の崩壊』という本がある。
すでに品切れだから図書館か古本屋で探すしかないが。
441 :
吾輩は名無しである:01/09/10 17:14
今日は雨なので、探すのやめます。
442 :
吾輩は名無しである:01/09/10 20:51
ゲーテの、急がすに、だが休まずに、の原語を教えてください。
>>442 ohne Rast und Ruh
ただしこの言い回しはゲーテのオリジナルじゃなく昔からあったみたい。
444 :
吾輩は名無しである:01/09/11 20:07
443さん、ありがとうございます。ところでRuhってなんですか?ゲーテのオリジナルじゃないなんてがっかりです。
445 :
吾輩は名無しである:01/09/11 21:10
>>444 Ruhというのは、静けさとか言う意味じゃなかったかな。
吉祥寺に行くと、Ruheという名前の本屋があるよん。
http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news&key=1000210038 “迷惑メール”発信サイトに“じゅうたん爆撃”運動が勃発
【国内記事】 2001年9月11日 06:43 PM 更新
出会い系サイトなど会員勧誘などが携帯電話やPCに無差別
に届く“迷惑メール”問題で,ユーザーが発信元のサイトを
“じゅうたん爆撃”して攻撃する運動が広がっている。
掲示板サイト「2ちゃんねる」に,出会い系サイトに対し
スクリプトを実行するURLが複数公開されている。ここをク
リックすると,出会い系サイトに対して「迷惑メールを送るな
」などといった書き込みや,会員登録を連続して自動的に実行
する。多数のユーザーが参加すれば出会い系サイトはDoS攻撃を
受けることになり,サーバがダウンする可能性がある。
純粋にドイツ文学を語っているレスがあまりないね。このスレ。
政治版とか世界史版行けばって感じの内容のレスばかり。
448 :
名無しさん:01/09/29 14:58
ハインリヒ・マンの傑作長篇『小さな町』の邦訳が三修社から近く出る。
元京大教授・山口裕氏の訳で。
449 :
吾輩は名無しである:01/10/03 13:11
何はともあれ、ドイツ文学はいいね。
別ドイツ文学掲示板で、G.グラスと大江健三郎氏がどうとかこうとか、
という書き込みがありました。
...どういう関係?ノーベル繋がりだが...。
知ってる方、ご指南のほどを。
>>450 朝日新聞に以前掲載された往復書簡のことかね?
そもそも、別ドイツ文学掲示板ってどこ?
452 :
吾輩は名無しである:01/10/08 01:40
453 :
吾輩は名無しである:01/10/08 22:03
>>411 リルケは「若き詩人への手紙・若き女性への手紙」しか読んでませんが
非常にショックを受けました。
本に線をひいたり、書き写したのはこれが初めてです。
454 :
吾輩は名無しである:01/10/11 19:09
トーマス・マンの「非政治的人間の考察」を読んでいます。
めちゃくちゃ感動的です。
日本にも、こんな風に自分の国を語ってくれる作家がいたらなあ・・・
455 :
アンチ石川(元石川ヲタ) ◆1uZeEEEs :01/10/12 15:18
歴史専攻なんだが、ドイツ文学全然読まないで来てしまった。
が、論文書いた後に読んでみようかな、と思った。
「朗読者」は一応読んだけど…。あとはハーバーマス、エンツェンスベルガー、
マイネッケ、ゴーロ・マン(文学ではないが)。
とりあえずFaustかねえ。高校生の時シュトルムを読んだんだけど、いまいち
よく分からなかった。
456 :
吾輩は名無しである:01/10/12 20:12
>トーマス・マンの「非政治的人間の考察」を読んでいます。
めちゃくちゃ感動的です。日本にも、こんな風に自分の国を語ってくれる作家がい
たらなあ・・・
イロニーが多く、難解な本ですね。最後の方でドイツの敗戦が
確実になった時点で、デモクラシーの可能性を運命として支持しており、
前半部分と政治的見解も少なからず変化しています。ドイツ精神に自己賛辞と
自己批判が交錯しているアンビバレントな本です。個人的には20世紀
ドイツで最も論争的な書物の一つでもあると思います。
458 :
吾輩は名無しである:01/10/13 01:41
辻邦生の「トーマス・マン」っていい本なんですか?
>458
まだ上巻の半分くらいなのですが、
今のところそれほど難解さは感じていません。
一行一行ビンビン来てます。
けどマンには「イロニー」があるので、
早合点はしないように読んでいこうと思っています。
>辻邦生の「トーマス・マン」
難し目ですが、良く研究された本だと思います。しっかりしてます。
メンデルスゾーンの写しとも批判されますが、菊盛英夫『評伝トーマス・マン』
は和書の評伝では一番細かく精緻だと思います。小塩節の『トーマス・マンとドイツ
の時代』や、理想社の『トーマス・マン』もいいと思います。オマージュになってるような
評伝は、お薦め出来ません。
>457 兄ハインリヒと文明=フランス、野蛮で戦闘的、文化=ドイツという
2項的図式が意識的に作成され、折り込まれてます。それゆえ一筋縄では
いかないところがあります。兄弟喧嘩が執筆の動機の
一つですんで、愛憎入り乱れております。ドイツにも古き精神にも。
ドイツ語としての翻訳し切れない特殊な用語法もあるので、そこがまた邦訳になる
と厄介ですね。まあ、彼にとっては苦がい思い出なんでしょうが、非常に
論点が豊富な大著ですね。
461 :
吾輩は名無しである:01/10/13 19:58
辻邦夫「トーマスマン」って、北杜夫「どくとるまんぼう航海記」のパリのシーンで
、辻がブデンブローク家の原文、単語ごとにカードに書き出して、その配列から調べた
アレ?
462 :
吾輩は名無しである:01/10/13 22:31
463 :
弁証法的理性批判放棄:01/10/13 23:54
ベンヤミンの文学論なんかどうよ?
464 :
吾輩は名無しである:01/11/01 14:50
ベンジャミン松本って知ってますか?
465 :
弁証法的理性批判放棄:01/11/01 14:52
466 :
弁証法的理性批判放棄:01/11/01 14:53
自分に返事してどうするつもりなんだか
>>464 改めまして知らない
467 :
吾輩は名無しである:01/11/15 19:04
age
468 :
吾輩は名無しである:01/11/15 19:50
むー汁きぼんぬ
470 :
吾輩は名無しである:01/11/26 01:35
みんな、ノヴァーリス全集の新しいやつ買った?
以前のやつよりだいぶましになってるだろうと思うだろうけど、
感想キヴォンヌ。
正直、ドイツ文学つまらない。
おもろいの、カフカぐらい。
>>471 カフカはドイツかな?
クライストは読んだかな?
473 :
吾輩は名無しである:01/11/27 00:11
ケラー好きな人いる?
474 :
:吾輩は名無しである:01/11/27 01:47
>473
詳しくないけど、『緑のハインリヒ』、好きです。
475 :
吾輩は名無しである:01/11/27 02:00
>>470 俺もノヴァー栗鼠が気になってるよ。
誰か読んでないの?
独文のコアはこの辺じゃんか。
476 :
吾輩は名無しである:01/11/27 08:09
け・・ケストナーはだめですか?
え・・エンデとかはどうですか?
「文学」には入らないのでしょうか・・
477 :
吾輩は名無しである:01/12/12 01:22
素人なりに知る限り最良。この頃の文学版にいたかった。
今は随分荒らし率が増え、真面目に書き込む人は去りつつあるのか。
否、もう一度あげてみよう。
478 :
吾輩は名無しである:01/12/13 01:51
くだらないスレが多すぎて、まともなスレが急速にsagaっていく。
文学版も終わりか?
479 :
:吾輩は名無しである:01/12/14 16:15
ロマンチック・イロニーについて誰かわかりやすく教えて下さいませんか?
480 :
吾輩は名無しである:01/12/18 01:03
クライストの『こわれがめ』を読みましたが、どうして評価が高いのか
分かりません。
これは喜劇なのでしょうか。
専門の方、どうか教えてください。
481 :
:吾輩は名無しである:01/12/18 11:44
>480
ゲーテやシラーやシェイクスピアと読み較べてみれば、評価の高さの理由はわかるのでは?
私は単純に読み物として面白いと思いましたが。たしかに、ちょっとドリフのコントみたいではあるかな…
482 :
吾輩は名無しである:01/12/18 12:47
ツヴァイクの小説ってどうですか?
483 :
吾輩は名無しである:01/12/19 00:14
ストリントベルグについてはここで尋ねればよいのでしょうか?
>>483 ドイツじゃないから、ここでは無理では?
485 :
吾輩は名無しである:01/12/19 11:28
ヤパーリ、げーて、好きですね。昔専攻したときは、それなりにって感じだったけど、年取るゴトに好きになっていく、、、。
なんか、明るい諦念のような雰囲気が流れているっていうか。あの、悪態大好き毒舌ニーチェでさえも、ゲーテのことは批判していませんよね。
(^▽^)V
486 :
吾輩は名無しである:01/12/21 00:31
>>481 どうもありがとうございます。
もいっかい読み直してきます。
確かに、コントとして読んでみれば面白いかも・・・知れません。
487 :
吾輩は名無しである:02/01/04 02:53
「ファウスト」
どの訳が一番好き??
488 :
吾輩は名無しさん:02/01/05 15:08
>>480 喜劇です。ただし現代日本テレビ番組風のドタバタ喜劇を前提にすると面白くないかも。
誰の訳で読みましたか? 岩波文庫のは問題が多いと言われています。
489 :
吾輩は名無しである:02/01/10 17:03
エンツェンベルガーの「ロバートは歴史の天使」の
原題をご存知でしたら、教えてください。
教えてチャンでスマソ。
490 :
吾輩は名無しである:02/01/11 07:02
Wo warst du,Robert?です。
因みに、エンツェンスべルガー。ミスタイプだと思いますが。
491 :
吾輩は名無しである:02/01/11 07:42
どうでもいいがドイツ語だったらローベルトじゃないのか?
492 :
吾輩は名無しである:02/01/14 11:30
> 491
エンツェンスベルガー読むような人なら
そんなことは当然知ってるはず。
邦題が「ロバートは・・・」なんだからしょうがない。
変な邦題だ。
493 :
吾輩は名無しである:02/01/14 13:23
494 :
吾輩は名無しである:02/01/14 14:15
ベルンハルト・シュリンク「逃げてゆく愛」はよかった。
495 :
吾輩は名無しである:02/01/17 10:01
age
496 :
吾輩は名無しである:02/01/25 02:04
>>488 確かに岩波文庫のでした。
ただ、図書館に返却しちゃったので訳者は失念しました・・・。
高橋健二?だったかな。
岩波文庫のは、問題が多いという事ですが、
それはクライスト限定でなのですか??
497 :
吾輩は名無しである:02/01/25 09:19
これは昔話ですが、翻訳は教師のポストが少ないところのものほど
立派と言われています。
ロシア文学、フランス文学、ドイツ文学、英文学、の順に立派です。
498 :
吾輩は名無しである:02/01/26 12:14
ぜんぜん話題になってないけど、アイヒェンドルフは好きですか?
自分的には処女作の「秋の妖惑」が好きなのですが・・・。
ドイツの現代文学で良いのを教えてください
500 :
草双紙趣味:02/01/27 09:57
>>498 自分もティークの「金髪のエックベルト」とならべて
好きです。最近突然ですが「大理石像」読みました。アイヒェン
ドルフってほんとに微熱みたいな「雰囲気で勝負」のお人!
501 :
吾輩は名無しである:02/01/27 11:52
>>500 レス、ありがとうございます。ティークの金髪のエックベルト面白いですね。
秋の妖惑は、あの美しさがたまりませんね。
アイヒェンドルフの作品ではマイナーかもしれませんが、「航海」が好きです。
ロマン派+冒険ものなのが自分的に非常に良いです。
それにしても彼の才能っていうのは、かなり特殊な感じがして
絶対に他の誰かでは真似が出来ないもののような感じがします。
>>500 >微熱みたいな「雰囲気で勝負」
禿同!
503 :
吾輩は名無しである:02/01/27 16:51
ドロステの詩集売ってるサイト知りませんか?なるべく安いのをお願いします。
504 :
吾輩は名無しである:02/01/27 18:52
「ユダヤ人のブナの木」の人?
505 :
吾輩は名無しである:02/01/27 19:32
>>504 そうです。ドイツ詩集にこの人の詩があって、とても良かったので、
もっと読みたいのレス。
506 :
吾輩は名無しである:02/01/27 19:55
そっかー。「ユダヤ人…」入りづらくて
積ん読になってたんだが、いっちょ
読んでみるかな?
すいません、質問しているんですが。
508 :
吾輩は名無しさん:02/01/28 12:49
>>507 「現代文学」が現存する作家という意味なら、ギュンター・グラスをどうぞ。
ノーベル賞を取ったし、お墨付きではあるわな。
オレは『ブリキの太鼓』と『猫と鼠』しか読んでないが、いずれも秀作だと思う。
もう少し若い世代については、オレは答える資格がない。
あんまり読んでないし、評判のシュリンク『朗読者』も感心しなかった。
509 :
吾輩は名無しである:02/01/28 12:59
sineomaera
510 :
吾輩は名無しである:02/01/28 13:43
ドロステ=ヒュルスホフ、私も岩波文庫の
『ドイツ名詩集』で名前を知りました。
ドイツに行ったら、この人がお札(何マルクだったか
忘れた)になってましたね。
511 :
吾輩は名無しである:02/01/28 17:24
ゴットフリート・ベンの詩って、どう思います?
512 :
吾輩は名無しである:02/01/29 05:58
ゲルハルト・ツヴェレンツという作家を
ご存知の方いらっしゃいませんか。
直訳だと思うのですが
「地球も月と同じく住めない」という
作品を書いているそうなんですが。
翻訳があれば読んでみたいなと思っていました。
なにかご教示くださると助かります。
よろしくお願いします。
513 :
吾輩は名無しである:02/02/02 01:34
514 :
吾輩は名無しである:02/02/02 17:58
ビデオ、DVDが出てる。
ていうかおれDVD持ってる。
衝動買いだが、原作読んでから
見ようと思ってる。永遠に見れないかも
しれないので見といてくれ。
515 :
吾輩は名無しである:02/02/03 01:15
日本語訳ならかつて旺文社文庫から出ていた川崎良芳隆さんのが良い
ですよ。ヨシタカでも高橋義孝さんの訳は古風で味はあるけれども
ちょっと文体が違うんじゃないかなと思うことがありました。
人生の厄介息子たるハンス・カストルプの物語は、表題と同様に
読者も異なった時間の流れを経験できるのが魅力です。川崎さんの
訳なら、2日もあれば一気に読めるでしょう。
さすがに、ここは若い方が集まっているから、この映画の印象記
などを記してくれる方もいるだろうと思っていましたが残念です。
日曜というか、日付が代わって月曜の0時から2時くらいなので
辛いところがあります。土曜深夜なら、もっと数多くの視聴者に
恵まれるのに。
516 :
吾輩は名無しである:02/02/03 01:38
517 :
吾輩は名無しである:02/02/04 02:56
ムージル美しい。
『魔の山』ビデオで持ってますよ。TaurusVideoから出された1981年作品。
148Min。ドイツで買って来ました。全篇を通してはまだ見てません。
けど、映像的にはかなり優れた作品だと思いました。ドイツでなら購入可能だと
思います。ただし、日本のデッキ(VHS)とは方式が違うので、大学の情報処理
センターや語学センターで日本用にダビングしてもらう必要があります。
ナフタやセテムブリーニ、クラウディア・ショーシャのキャステイングに興味がありますが
なかなか、いい演技とキャスティングだったように思います。なぜか英語版で
見たこともあります。(もう放送終りましたけどね…スマソー)
ビデオ、DVDともに日本語字幕入りが出てます。
ビデオはたしか上下2巻。今、手に入るかわかり
ませんが。DVDは去年の夏買いました。
…それとも「魔の山」って何回も
映画化されてるのか!?
520 :
吾輩は名無しである:02/02/04 12:01
ヴィスコンティの映画化企画シナリオ、ちゃんと1分冊で出てたな。
芳賀書店かどこかから
521 :
吾輩は名無しである:02/02/04 13:43
>>513 見ましたけど僕には時間の無駄に思えました。
途中までは良かったんですが、ラストが全く変わってしまってて、
製作者は何をしたかったのかさっぱりわかりません。
原作に遜色ない映画というのは見たことがないですが、
あれは原作を冒涜する映画だと思います。
522 :
吾輩は名無しである:02/02/05 07:58
少し前に紹介されていたギュンターグラスの「ブリキの太鼓」の映画化作品
に較べると、今回の「魔の山」は駄作でしたね。ハンス・カストルプ役は
自信無げで少々阿保面の青年として登場したのは良かったのですが、最後まで
阿保面のままで失望しました。セテムブリーニは原作とは違って、これは
イタリア人への偏見ではないかと思えるほど軽薄な役回りに貶められていて
憤慨物でした(タフタも同様)。語学屋の小生にとっては、彼の喉ひこの
r音を朗々と発する場面を楽しみにしていましたが、あえなく捨象。
ハンスが身繕いをして午睡をするシーンも最後の方にワンカットのみ出てきた
だけで、物憂くけだるい午睡の時間の描写がカケラも無かったのは不思議で
なりません。病んだあの時代の比喩として、患者として滞在を始めた頃の
描写としてどうしても必要だったと思うのですが。
原作から離れた脚色の問題に関しては、冒頭の鉛筆を借りた少年の姿を
ショーシャ夫人の姿にフラッシュバックさせるのは、誰でも思いつくもの
であっても、時間枠の中で原作の物語部分を語るにはそれなりに効果的だ
ったとは思います。しかし、最後のドイツ人とユダヤ人が取っ組み合いを
やっている中で、ドイツ参戦の報が入り、聞きそびれたハンスが周囲に尋
ね回る中、混乱のうちに人々が次々に消え去り、途方にくれたハンスが頬杖を
つく姿で終わる演出は、あまりに安易で、この作品の価値を毀損している
ように思えます。セテムブリーニ登場まで、あるいは従兄弟の死の場面まで
くらいがこの映画化作品の限界だったように思います。
簡潔に言えば、「途中までは良かった」という一言に尽きることに同意
します。原作から外れた結末部分の脚色は、「原作を冒涜する映画」と
言っても良いかもしれません。
「伊豆の踊り子」や「ヴェニスに死す」のような短編なら、映画化も
意味があるのでしょうが、長編となると無理が生じるのは仕方が無いと
ころもあるかもしれません。それにしても、あそこまで改変してしまう
現代ドイツの映画作家の知性を疑ってしまいます。政治的な文脈しか
語られず、時の流れに幻惑される体験というもうひとつの大きなテーマが、
レントゲン写真撮影シーンを除いてディテールへのこだわりが殆ど無い
ために、また、好演した従兄弟役とベーレンス医師役を除きおよそ全ての
登場人物の陰影のない描写のために、全く感じられなかったことを残念に
思います。
523 :
吾輩は名無しさん:02/02/05 12:09
トーマス・マンは映画化ということでいうと恵まれていないですね。
『ヴェニスに死す』のように、外国の大家が映画化しないと駄目だと思う。
作品を忠実にたどるのは長篇では無理だから、エッセンスを思い切って取り出して造り替えることができる力量のある監督でないとね。
『ファウストゥス博士』や『選ばれし人』なんか誰かやらないかと思うんだが。
マンの小説は文学というよりも音楽に近いイメージで表現されいるんで
映画化するにしてもドイツ語での語感や韻がわからないと、通じない部分はあるでしょうね。
その点、マーラーを巧く使った『ベニスに死す』は監督はもちろん、
キャスティングやBGM、演出も美的に優れています。
≫523『ファストウス博士』 個人的にはキューブリック先生あたりにやってもらい
たかったですが、評価は抜群になったとしてもストーリー的にはこれほど救いのない
話しもないんで、興業成績は伸びないでしょうね。
≫『魔の山』 映画としては特にナフタがポイントだと思います。
完璧な天才的な奇人を演じられる役者じゃないと難しそう。
カストルプの凡庸さも難しそう。凡庸ながら理知的に育っていく教養小説が筋なんで
ラストシーンや2人の決闘シーンはポイントですね。
ヨゼフ物語なんかは、大スペクタクルで…う〜ん、やっぱ文学の方がいいです。
映像化されても、本作を超えるものを創るのが難しそうな作家かも。(結論)
525 :
吾輩は名無しである:02/02/06 04:35
ファウストゥス博士はなー。どんな映像化でも幻滅しそうだ。
筋はあるからある意味向いてるとも言えるんだろうけど。
やっぱレーベルキューンに肉体与えちゃいかんですよ。
526 :
吾輩は名無しさん:02/02/06 13:22
文学的名作の映画化は、幻滅を覚悟の上で見ないとね。
『ヴェニスに死す』だって、私個人の評価は実は低いんですよ。
『ファウストゥス博士』、たしかドイツ国内で映画化はされてるはずです。
私は未見ですが。
何てことはない出来なので外に出てこないんでしょうね。
『ブッデンブロークス』も映画化はされてるはず。
多分、過日の『魔の山』程度のシロモノなんでしょう。
527 :
吾輩は名無しである:02/02/07 17:42
ゲオルク・トラークルとゲオルク・ハイムなんか似てませんか?
名前だけではなく詩も。
関係ないが「トラークル・詩人の誕生」ってどう?
529 :
吾輩は名無しである:02/02/14 02:56
>>528 『トラークル・詩人の誕生』おもしろかった。
外語大関係者によると、著者は語学系教官(罪魔とか)の反発で、大学を
追われたそうだ。参考文献にあがってるものが凄いよね。
私はいま、ハイナー・ミュラーの『悪こそは未来』を読んでます。
誰か読んだ人いる?
530 :
吾輩は名無しである:02/02/14 14:45
突然失礼します。どなかご教授ください。
ヘルマン・ヘッセの第二作に"Eine Stunde hinter Mitternacht"(1899)という
作品があります。このhinter Mitternachtはどのような意味なのでしょうか。
日本語では「真夜中過ぎ」と「真夜中後」との二通りの訳を見つけました。
ヘッセ自身は本来"Eine Meile hinter Mitternacht"としようと思ったのだが
それではdrei Meilen hinter Weihnachtenに余りにも似てしまうのでやめたと
のちに書いているようです。
ヘッセ愛好家の知人に訊かれたのですが、なにしろこの本を読んでいないので、
ニュアンスがどうも分かりません。
どなたかお教えください。
531 :
吾輩は名無しである:02/02/19 13:42
リルケの「旗手クリフトフ・リルケ・愛と死の歌」って、かなり良くないですか?
532 :
吾輩は名無しである:02/03/01 23:51
保守あげ
533 :
吾輩は名無しである:02/03/04 02:38
保守のなかにこそ恐ろしさがある、こともある。
534 :
吾輩は名無しである:02/03/04 15:46
私の保守主義は、過去と反動に仕えるものとしての保守ではなく、未来に仕えるものとしての保守なのであります(トーマス・マン)
535 :
吾輩は名無しである:02/03/10 13:23
このゼークト信者が!
536 :
吾輩は名無しである:02/03/13 13:10
保守革命を提唱したのはホーフマンスタールでしたっけ?
537 :
吾輩は名無しである:02/03/16 01:00
ガダマーが亡くなりましたね。なんというか存命中から時代離れした
哲学者!的雰囲気を感じさせる人でしたが
欧米とは違った”ドイツ”を感じさせる人がまた一人。。って
538 :
吾輩は名無しである:02/03/20 02:16
リンザー死んだね。ていうか、まだ生きてたんだ。ガダマーより年下だけど、
享年90歳だもんなあ。すごいなあ。
学部3年の頃に、ゼミで「赤い猫」を読んで、かなりショック受けたんだけど、
これって邦訳でてるんだろうか?誰か知ってる人いない?
539 :
吾輩は名無しである:02/03/22 18:23
今、誰かさんの訳の『巨人』を読んでいるのですが、
なぜこの時代らへんのドイツの小説の主人公は
こうも逝っちゃてるお方ばかりなのでしょうか。
読んでいてムカつくのですが、なぜか読むのをやめられません。
540 :
吾輩は名無しである:02/03/26 22:49
映画「ピアニスト」を見て
の原作に興味を持ったのですが、
本屋で日本語訳の本を見たらひどい訳で買う気が起きず
買わなかったんんですが、
小説の方がよいでしょうか?
541 :
吾輩は名無しである:02/04/09 07:03
パウル・シェーアバルトってどうでしょう?
人気あるのかなあ?
542 :
吾輩は名無しである:02/04/09 12:26
シェーアバルトといえば、ブルーノ・タウト。
平凡社ライブラリーで彼の作品が出てるけど
表紙はタウトの絵。
ベンヤミンも評価していたとか。
543 :
吾輩は名無しである:02/04/10 03:15
>541タルホっぽい気がする
544 :
吾輩は名無しである:02/04/11 19:17
「小遊星物語」は楽しかったなあ。
レザンベンディオだっけ?
のちにクライストで気になった
種村訳もこのときは楽しく読めた。
若さゆえのあやまちか
545 :
吾輩は名無しである:02/04/12 05:44
<小遊星物語
ジャンプ(?)して別の惑星に落ちちゃう・・・
>563 保守革命を提唱したのはホーフマンスタールでしたっけ?
超亀レスでスマソ。
そう言えるでしょう。所謂ヴァイマル初期の保守革命の厳密な定義づけは
難しく極めて多様。トーマス・マンも早い時期に別のニュアンスで
保守革命なる用語を使ってます。
保守革命という言葉を使ってなくても保守革命に含められると見なされる思想家、
作家はいます。左右両極を包摂していったんでスペクトラムとしては
非常に広義。
547 :
吾輩は名無しである:02/04/12 12:45
>>546 エルンスト・ユンガーみたいな人もそこに含められると聞いたことが
あります。あと、ゲオルゲ派なんかは?
548 :
吾輩は名無しである:02/04/12 13:19
ドイツ文学って最近人気無いんでしょ?
549 :
吾輩は名無しである:02/04/12 13:20
ドイツに限らず、どこの国も20世紀前半の巨人
たちに比べれば、というところがあるんじゃ
ないかな。
550 :
吾輩は名無しである:02/04/12 18:41
ドイツ文学五大湖
トーマス・マン
ヘルマン・ヘッセ
アルブレヒト・ブレヒト
エルンスト・ユンガー
ギュンター・グラス
551 :
吾輩は名無しである:02/04/16 00:51
グラスなんかいらない。
552 :
吾輩は名無しである:02/04/16 09:07
カフカが抜けてる。
>549 エルンスト・ユンガーみたいな人もそこに含められると聞いたことが
あります。あと、ゲオルゲ派なんかは?
ここあたりは議論の分かれるところでしょうね。ユンガーは特にその後の変遷
もあるし長生きし過ぎたんで文学的に位置付けするのが極めて難しい作家です。
ゲオルゲ・クライスにはTh・マンも一時接近しており、(後に離別)マックス・
ウェーバーさえも魅了された時期があるようです。
が、ウェーバーにとってゲオルゲの神秘的な「芸術カリスマ」は
学問の専門人としては認め難いものと映り、離反していくようです。
ここあたりは政治、芸術、文学が交わった独特のヴァイマルの文化状況
があり、包括的に保守革命と括るのも難しいでしょう。「保守革命」
はアルミン・モーラーやゾントハイマーの政治思想研究の類型化が
一応は整理されていますんで政治的な諸集団を中心に分類した方が分かり易い
でしょうね。いやあこれは難しい問題です。
》550 旧西独では意外にもハインリヒ・マンの方が弟トーマスよりも
むしろポピュラーだったようです。ドイツの書店でもトーマス・マンの本は
意外に少なかったですね。
554 :
吾輩は名無しである:02/04/16 10:52
ヘッセもドイツ国内ではさほど読まれていないと聞いたよ。
しかし、恣意的な五大湖だな。
555 :
吾輩は名無しである:02/04/17 12:12
>>550 確かに恣意的だ。カフカがないのが致命的だし
ヘッセやユンガーやグラスなら、他に選択肢が
ありそう。ムージル、ブロッホ、ベンヤミン等
ブレヒトについては、最近流行らないのか、
このスレではあまり話題にならないね。
556 :
Catest(偽ネコの偽ネコ):02/04/17 12:26
557 :
Catest(偽ネコの偽ネコ):02/04/17 12:29
すみません。はげしくスレ違いでした。本物に怒られるよ〜。
逝ってきます。
558 :
吾輩は名無しである:02/04/18 11:14
>>555 ベンヤミンは作家じゃないしなあ。
何で20世紀だけ? 16・17世紀はどう?
ハンス・ザックス、グリンメルスハウゼン、セバスジャン・ブラント
ヨルク・ヴィックラム、グリューフィウス
559 :
吾輩は名無しである:02/04/19 01:04
最近の作品はどうなのですか?
560 :
吾輩は名無しである:02/04/19 19:28
「ベニスに死す」の主人公はストーカーである、に一票。
561 :
吾輩は名無しである:02/04/26 09:10
>>558 19世紀もいれちゃうと、20世紀で残る作家は
カフカくらい?
562 :
吾輩は名無しである:02/04/28 10:48
何とかVanderbeekeという女性作家の「Muschelessen」という本を
友人に勧められた。読んだ方いらっしゃいますか?
>>540 小説(原語)を読んだ友人(上の人物とは別人)は、なかなか良かったと
言っていました。
563 :
>>553:02/04/30 14:48
ハインリヒ・マンは70年前後にドイツでポピュラーだったというが、一部の反体制左翼から持ち上げられただけのこと。
実際にはさほど読まれていたわけではない。
読まずに雰囲気だけで評価された、というのが実態だろう。
その頃の西ドイツ左翼の言説を真に受けた日本の独文学者若干は、自分が単に思想の輸入業者に過ぎないことを自ら明らかにしたわけだった。
564 :
吾輩は名無しである:02/05/04 11:25
アルブレヒト・ブレヒトってだれ?
ベルトルト・ブレヒトとは別人?
565 :
吾輩は名無しである:02/05/04 20:49
グーテンベルクってもう無料では見られなくなったんですか?
566 :
吾輩は名無しである:02/05/04 20:59
いま行ったら見えましたよ。
と思ったら普通に見れました。
>>566 あ、すいません。以前見に行ったらなんか説明だけしかなかったような気がして。確認せずに書き込みしてしまいました。
それにしても以前の方が見やすかったような気が・・・。
関係ないですがパワードバイ主ピーゲルって感じになったんですね。
確かに前と感じが変わってますね。
私は独文を専攻したことはないので、
殆ど行くことはないのですが(笑)。
というかジャンル少なすぎだろ、と。ジャンル内に入ってない人とかいるし(汗
しかも作者のインデックスへのリンクがなんであんな下の方にあるだけなんだ、と。
ジャンル選択→作者名というふうに飛ぶとその人のジャンル内の作品しか見れないし。
一見きれいになったんですが。
僕もあんまり独語が出来ないので使い方解ってないだけかも知れませんが。
まあ無料で提供してくれてるものに文句いってはいかんですな。
非常にありがたいことには変わりないし。申し訳ない。
572 :
吾輩は名無しである:02/05/05 18:16
>>411 僕もリルケが好きです。彼を読んでいると僕自身の孤独が癒されます。
「マルテの手記」は驚くほど自分の体験談と似ていて共感できたし
「若き詩人への手紙」などの書簡集は僕自身へのアドバイスかと思いました。
今はリルケ全集を読んでいます。僕の中ではリルケは別格かもしれないなと
感じ始めています。リルケって純粋ですよね。純な心地よさがある。
でもあまり人気はないみたいですね。なぜでしょうか。
573 :
吾輩は名無しである:02/05/08 09:55
見難くなった。>グーテンベルク
というより、ポップアップメニューの読み込みが終了せずに
そのままブラウザが死んでしまう。何とかして欲しいぞ
574 :
吾輩は名無しである:02/05/08 22:13
リルケ「神様の話」を読みますよ。
ぞねってあんおるふぉいす読め。
ドイツ文学史本でお薦めのってありませぬか?
577 :
吾輩は名無しである:02/05/10 20:07
さげちゃった
>576
便所民の
ドイツ悲劇の根源
579 :
吾輩は名無しである:02/05/11 00:47
いやそういうんではなくて通史的な奴で。
ベンヤミンは好きなんですが。
580 :
吾輩は名無しである:02/05/11 00:53
今更シュトリヒとか読むのもアレだなーとか思いつつ。
いやそれ自体としては凄く価値あるものだろうというのは承知しつつ、
やっぱ実用面から行くと古き良きものより悪しき新しきものに分があるとこもあるかなてことで。
582 :
吾輩は名無しである:02/05/23 08:56
岩波文庫でヘルダーリンの新訳が出ましたね。
自分的にはとても読みやすい訳だと思ったけど
独文屋さんの評価はどうなのでしょうか?
583 :
吾輩は名無しである:02/06/06 00:18
独文に入った俺。
ここで勉強する羽目になるとは。
取り敢えずレスをつけておきたいです。
584 :
吾輩は名無しである :02/06/06 00:27
>>583 ん? ってことは、大学に行かなくてもここで学べるってことか!
585 :
吾輩は名無しである:02/06/06 20:54
いい加減にしろ
全員死ねよおめーら
586 :
吾輩は名無しである:02/06/06 21:14
580じゃないけど、重い腰をあげて
シュトリヒ目を通してみようか 弱腰ー…
587 :
吾輩は名無しである:02/06/07 00:50
>584
大学入らなくてもおおよそ全ての学問が学べることを
大学に入ってから学んだ。
ここで学べるのはまず悪口。
587と588は583です。
打たれ強くもなる。
>589
それはある
591 :
吾輩は名無しである:02/06/17 12:37
age
593 :
吾輩は名無しである:02/06/18 18:13
ヘルダーリンがいいね。
594 :
吾輩は名無しである:02/06/19 08:33
595 :
吾輩は名無しである:02/06/19 16:16
印象的だったのは
「西の窓の天使」「黄金の壷」「鉛の夜」
かな。
...読破した絶対数少ないのがバレバレだな。
597 :
吾輩は名無しである:02/07/03 22:54
保守あげ
598 :
吾輩は名無しである:02/07/15 01:36
あげないとオチル
599 :
吾輩は名無しである:02/07/15 01:39
ドイツ語独学してます。暗記するとしたら、教科書の例文でしょうか?それともカッコヨクゲーテとかの詩でしょうか?
600 :
吾輩は名無しである:02/07/15 02:05
ゲーテの詩は現代語じゃないから、教養として学ぶにはいいが実用の役
には立ちにくいでしょう。言葉を耳から憶えるタイプの人だったら、ド
イツ語版のビートルズの歌詞でも暗記したら?
601 :
吾輩は名無しである:02/07/15 02:08
現代語ならいいのですね。僕は文字で覚えるタイプなので、何かお薦めのテキストがあったら教えていただけないでしょうか?
602 :
吾輩は名無しである:02/07/15 02:28
なら、とりあえず自分で興味がある分野の本を原書で一冊読み通してみ。
ただし辞書を引く手間を惜しまないこと。単なる例文の暗記なんかより
ずっと力がつくよ。
603 :
吾輩は名無しである:02/07/15 02:35
ありがとうございます。ヘッセでも読んでみようと思います。
604 :
吾輩は名無しである:02/07/20 00:47
>>603 放送大学テキストが良いよ。
ビートルズは耳から入るならよしたほうがいい。
発音が・・・
dich を 「ディック」と発音してる・・・
>dich を 「ディック」と発音してる・・・
ワロタ
でも、BACHをバックということもあるしね。
SKID ROWのボーカルとかさ。
ところでWienerwaldのシュニッツェルはウマイね。
そうだ、追加だけど、放送大テキストは
解説があるけど、有る程度力ついたら、
エンデの「モモ」がおすすめ。単語も文法も比較的易しい
(一応児童文学だし)。
それでいて、日本でもベストセラーになるくらい内容は
おもしろい。
あれは力つくし、退屈しないし、洋書の有る本屋行ったら必ず
置いてあるし、翻訳もあるし。