つまらないです。
あまりにつまらないので、レビューを書く意味があるような気もします。
130ページほどの薄い1冊に40篇くらい入っているので、1篇が3ページ程度です。
ここでポチッと買われる前に、まずは本屋で立ち読みされることをオススメします。
それでどうしても欲しいと思ったら(もしあなたの琴線に触れたら)買われるといいと思います。
以下の3つの例はご参考まで。
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つまらない例:『客の男』(P93)
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先の見えない野球選手が、野球に興味の無いソープ嬢とセックスします。その表現が絶望的につまらない。
「二度目は最初の時よりも、男の動き方がゆっくりだった。まるで恋人同士がセックスをしているようだった」
これ、芥川賞作家の最新作からの引用です。
そしてこの話の最後の7行がこれです。
「よかったよ。最高に気持ちよかった」
「ヒット打った時みたい?」
「俺がね、もしすごい選手になったら、今日のこと、バラしていいよ。自慢しろよ」
「だからさあ、日本のプロ野球にすごい選手なんていないから。あんたが何万本ヒット打ったところで、あんたはあんたでしかない」
「打つよ。何万本も。見ててくれよ」
「無理しないでね。でも見てくれって言われてもさ、テレビ中継とか、ほとんどないし」
「いいから、見ててくれ」
こうやって書き出してみるとラノベですね。
これでタイトルがまた「客の男」ときています。完璧。
命がけで書いていて、他の作家を読書量で軽蔑している著者の作品がこれって、笑ってもいいですか?