【アセンション】雑談スレ69【って本当にあるのか】

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>>927
事件の前の晩は五反田駅近くのラブホテルに泊まりました。レンタカー屋の裏あたり、当時
「うさぎちゃん」というピンサロがあった近くだったと思います。一緒の御婦人は始発の
前に帰宅しました。
ひと眠りのあとチェックアウト。この日は神谷町にある在京キー局に仕事がありました。
JRで恵比寿へ行き、地下鉄に乗ろうとすると止まっている。案内放送は要領を得ません。
ホームまでは人がぎっしり。このままでは
身動きが取れなくなると思い、公衆電話
(当時携帯は既に出ていましたがさほど普及しておらず、街にはまだ沢山の公衆電話が
ありました。)で先方へ連絡し、タクシーに乗りました。渋谷。いつもの朝です。
広尾、。ラッシュは過ぎたのに混んでいます。「地下鉄が動かないからですかね」
「なんかガス爆発みたいですねえ」運転手さんがラジオを点けます。アナウンサーも記者も
よくわからないの一点張り。「爆発か、なんか大きそうですね」「迷惑な話ですねえ」
青山、麻布。明らかに異常です。大渋滞。ときおりパトカーや救急車、消防車が走っていく。
「火事ですかね。」ラジオではレポーターが喚きはじめています。霞ヶ関駅から、意識のない
乗客が地上に運び出されている様子を中継しています。ラジオからは緊急車両の音、
ラウドスピーカーからの呼びかけ、走り叫ぶ人々の音と声。港区上空を低くヘリコプターが
飛びはじめました。
六本木。いよいよ車はノロノロ運転です。それまでラジオから聞こえていた、放送局のマイクが
拾う騒ぎの音、その同じ音がどんどん近づいてきます。いまやタクシーの窓ガラスごしに
はっきりと聞こえる。道路は緊急車両でいっぱい。「だめだお客さん。もう行けない」
仕方ありません。車を降りて霞ヶ関方向へ歩き出す。見たこともないような数の
救急車と消防車、パトカーです。
(数年後、宮崎アニメの先行オールナイトを観て劇場を出たら、夜中の歌舞伎町の町が水浸しで
全ての通りが消防車で溢れていた時も驚きましたが、もちろん比較になりません。)
歩くにつれ、サイレンと怒号はますます大きくなります。放送局の報道カメラを突き飛ばす
ようにストレッチャーを押して(霞ヶ関や神谷町まで車が入れないのでしょう)走る救命士、
足音を立てて進む沢山の機動隊員たち。上空を飛び回る見たこともないほどのヘリコプター。

あの空気には、どんな戦争映画やパニック映画からも感じたことのない強烈な緊張感が
ありました。(戦争ってこんな感じかしら)と思ったけど、これはちょっとナメた感想かも
しれませんね。でも、今も事件の映像を見るたび、あのとんでもない光景と、
ラジオから聞こえていたその音がしだいに現実の音になっていく、あのぞっとするような
感覚が蘇ってきます。