【博覧強記】衒学小説/百科全書的文学【羅列嗜好】

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1かめ ◆1q5xukD1QY
「薫風そよふく文学の性を捨て、歪んだ真珠として在る事に挑み、結果、今も怪しく輝く過去の怪作。
 また、高密度のコンテンツとして今まさに刷られ、我々に好かれて読まれる近年の実り。
 ここを、それらについて語るスレッドとしよう。
 則ち『琥珀捕り』『人生使用法』『ハザール事典』『重力の虹』『東京空想百景』『アフリカの印象』『蓬莱学園』『エステルハージ博士の事件簿』
 それだけじゃない、『黒死館殺人事件』『ハイペリオン』『吉里吉里人』『地図集』『芸術の蒐集』『ノンシャラン道中記』『南総里見八犬伝』『シルマリリオン』エトセトラ、エトセトラ──」な感じで立ててみました。
ちなみに僕が完読できたのは、琥珀捕り、蓬莱学園シリーズ、ノンシャラン道中記。黒死館は今読んでます。
2かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 20:00:44.50
「──コプト織は床に密着しているものではないし、それに櫨木には、パルミチン酸を多量に含んでいるので、弾水性があるからだよ。
 表面から裏側に滲み込んだ水が、繊毛から滴り落ちて、その下が櫨木だと、水が水滴になって跳ね飛んでしまう。
 そして、その反動で、繊毛が順次に位置を変えてゆくのだから、何度か滴り落ちるうちには、終いに櫨木から大理石の方へ移ってしまうだろう。
 だから、大理石の上にある中心から一番遠い線を、逆に辿って行って、それが櫨木にかかった点を連ねたものが、ほぼ原型の線に等しいと云う訳さ。
 つまり、水滴を洋琴の鍵にして、毛が輪旋曲を踊ったのだよ」
「なるほど」
3かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 20:01:36.26
『一月上旬の顕出節から、五月下旬の基督昇天祭まで、碧瑠璃海岸一帯に連る名だたる遊覧地、就中、ニース市は約半歳の間、昼夜を分たぬ大遊楽、大饗宴の熱閙と化するのが毎年の恒例。
 空には花火、地には大砲、日がな毎日どんどん・ぱちぱち。ヴェニス提灯、大炬灯。疲れをしらぬ真鍮楽隊。キャフェの卓には三鞭酒の噴泉、旗亭の食料庫には鵞鳥と伊勢海老の大堤防。
 昼は百余の山車の行進、花合戦。夜はオペラの異装舞踏会、市立遊楽会の仮装会。それでも足らずにマッセナの大広場を公開して、踊ろうと跳ねようと勝手にまかす。
 ニース全市は湧き返るような大混雑、大盛況。有銭無銭の大群集は、それぞれ費用と場所をわきまえて、ただもう一切夢中に法楽する。虚空に花降り音楽きこえ、霊香四方薫ずる、これぞ現世極楽の一大顕出──』
4かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 20:13:24.18
『──周り中で手に負えぬ騒ぎが生じ始め、即座に戦える相手を探して闘鶏を持歩く黒人奴隷、小黒人種の従者達を連れたバタヴィアから追放された山賊、面紗を被った女、商売を営みに山から下りてきた逃亡奴隷、
何処の港に寄ってもウォッピングの模倣と見えてしまう船乗り等々で賑わい、薄暗い四つ角ごとに、岬系馬来人は売物を携えて待ち、その全員がじきにディクスンと顔見知りになる。
「よう、旦那! 最高の大麻だよ、掃除済み、格付け済み、直ぐに火ぃ点けて喫えるよ……」
「本物の和蘭陀杜松子酒だよ、封印(シール)も本物の壜、そうとも! 処女みたいに無傷……」
「出来立ての野菜煮醤、印度支那から特急で届いたよ! 鳳梨、朱欒、答満林度、──百の風味、千の混合!」
 和蘭陀の支配する長い日中には見えぬ、岬夜が今や至るところで羽を伸ばし始める。ディクスンの鼻を、煮え立つ食物、香辛料、家畜、夜に花開く蔦植物、貪欲で広大な海の匂いが襲う。
ディクスンは今や町の鼻地図を獲得しつつある。漂ってくる匂いによって、時の経過を知ることを学びつつある、──煙管、羊の脂漲る夕食、宵越しの杜松子酒、──そして其処から逃げる術を学びつつある……
 こっそり隠れ、夜に溶込んだディクスンは、通りすがる奴隷が運んでゆく角燈にぴったり寄添い、その熱を、輿の窓幕越しに漂ってくる和蘭陀人人妻の匂い(聖ヘレナ珈琲、英国製石鹸、仏蘭西の湿り)に劣らず生々しく感じている』
5かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 20:47:01.25
『──山の町と一口にいっても、ここは世界に著名るアルプス山麓の大遊楽境、宏壮優雅な旅館・旗亭が甍をならべ、流行品店、高等衣裳店、昼夜銀行に電気射撃、賭博館や劇場やと、至れり尽せりの近代設備が櫛比して、誠に目を驚かすばかりの殷賑、
昼は犬を連れて氷河のそばでfiveo'clocktea、ホテルの給仕に小蒲団を持たせてブウシエの森でお仮睡。
 夜はMAJESTIC-PALACEの広間に翻る孔雀服の裳裾、賭博館の窓からは、(賭けたり、賭けたり)という玉廻し役の懸け声もきかれようという。
 右行左行するものは遊子粋客にあらざれば、偽装いかめしい氷海の見物客ばかり、かいがいしい登山者は町はずれででもなければ見当らない──』
6吾輩は名無しである:2012/04/19(木) 21:25:31.16
スティーヴン・ミルハウザーの架空伝記ものとかでは、物足りないかな。
7かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 21:28:33.01
>>6
ミルハウザーも全然オッケー!
バーナム博物館、三つの小さな王国とかは積ん読だけどいちおう持ってます。
8かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 21:29:43.76
キアラン・カーソン『琥珀捕り』

とあるブログの書評より
『──名画、チューリップ狂、望遠鏡と顕微鏡など、十七世紀オランダ黄金時代のあれこれ、西ヨーロッパ各地の人魚伝説、アイルランドのネイ湖の由来、バルト海沿岸の琥珀捕り漁師、香りの分析、植物の毒と効能、
装飾写本のできるまで、シェイクスピアの「冬物語」、オランダからアフリカへの煙草の伝来、アヘンの幻覚、リューベックの名匠、木星とイーオー、琥珀の間の謎、エスペラント語、
ソルレゾルという音楽言語、贋作王ファン・メーヘレン・・これはほんの一部です。そんな合間に、琥珀の起源や用途、派生効果、細工の意匠などが仔細を極めて物語られていくうちに、
例えば、錯乱円で響き合う琥珀と暗箱、水底に沈む潜水艦と琥珀が二重写しに見えてくるなど、数珠繋がりのようだった物語が、いつの間にか琥珀が取り持つ網の目のような絡まり合いをみせてきて、わたしの脳内のアラベスク迷宮はいっそう広がるばかり。
更にそこへ、様々なアイルランド民話、ギリシア・ローマ神話、キリスト教聖人伝が贅沢に挿入されるんです。索引をつけてくれたらどんなに有難いか・・と思ったけど、読み終えてみれば、そういうのは、やっぱりちょっと違うかな。
モチーフの変容や移動や連鎖が放つ光彩に感応し、一見、非計画的な美しさが輝かせる調べに身を委ねる漂流者のような心許なさも悪くなかったのです──』
9吾輩は名無しである:2012/04/19(木) 21:37:57.43
未邦訳(英文なら簡単に手に入る)だけど、
Zoran Zivkovic 'The Library' 面白いよ。
10かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 21:50:24.83
>>9
ググッてみた。「ゾラン・ジフコヴィッチ」って読むのかー。
以下、とある会社の紹介ページより。

「本」をテーマに奇妙に絡まる6つの物語。
どこかおかしな、熱心で神経質な蔵書家たちが出会った悪夢とは?
まだ執筆していない未来の作品がインターネット上に掲載されているのを発見した作家。
郵便ポストを開け閉めするたび永遠に出現するハードカバーの本を、せっせとアパートの自室に運び込む孤独な男。
あらゆる人間の記録書を所蔵する不気味な夜の図書館に忍び込んだ青年。
罰ならぬ治療として悪魔に読書を義務づけられた、地獄におちた男。
開くたびに新しい話が現れる奇跡の本を、期せずして手にした作家。
蔵書の中で一冊だけあるソフトカバーの本を葬り去ろうと躍起になるハードカバー収集家。
本のまわりに集まる男たちに起こった奇怪なストーリー。
11かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/19(木) 22:01:38.62
トールキン『シルマリリオン』

とあるブログの書評より
『──これだけの分量の、異世界の神話・伝承を、言葉は悪いがでっち上げてしまうというのは、とんでもないエネルギーの必要な仕事だ。
ここでトールキンは「はじめに歌ありき」の天地創造から、様々な神話らしいエピソードまで広範な物語を語る。
中にはちゃんと小説化すれば「指環物語」に匹敵する大著にすら発展できそうなエピソードもいくつか含まれている。
いや、500ページに渡る本文のうち、「指環物語」で語られる事件に関する記述はわずか15ページ。
「ホビットの冒険」に至っては断片的に語られているだけなのだから、もしここでかいつまんで語られる物語たちを完全に小説化したら一体どれだけの巨大な作品群になるのだろうか。
「指環物語」や「ホビットの冒険」を読んでいないと全く理解できないだろうし、とにかく恐ろしく登場人物が多く、漫然と読んでいると何がなんだかわからなくなってくるし、そういう意味で極めて敷居の高い作品でもある。
そもそもトールキン自身はこれを作品として考えていたのだろうか』
12かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/20(金) 14:12:36.81
「媚薬とマヨネーズにどう関係があるのかって?ハンミョウを集めて殺すには酢の蒸気にさらさなければならないの。てことは生きているものとか、さっきまで生きていたものとの結びつきが強いっていうこと──卵黄は意識を持った存在と考えてもいいかもしれない。
マヨネーズを作るときに料理人が泡立て(ホイップ)って言うのは鞭打ち(ホイップ)のことだし、掻き混ぜ(ビート)は殴打(ビート)、つなぎ(バインド)は緊縛(バインド)、なじませる(ペネトレーション)は挿入(ペネトレーション)、他にも、言うことを聞かせるとか、寝かせるとか。
マヨネーズには間違いなくサディスト的な側面がある。見逃しようがないわ」
13吾輩は名無しである:2012/04/20(金) 14:20:53.02
すたいる あす
14吾輩は名無しである:2012/04/20(金) 14:31:57.97
僅かながら選挙の匂いが漂ってまいりました。

                    _____________
                    ||                      |
                    ||   ちょっと待て .  .     .|
                    ||         .           |
                    ||    その民主党員  . |
                    |l -――-               |
                     '"´: : : : : : : : :`丶 . 帰化鮮人|
                 ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ______|
                  /.::.::./.::.::.::.:j.::.::.:|.:ム;ヘ.::.:ハ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                  ,'.::.::.::i.::.::.::.:/|.::.:: l/  `|.::./7
                :.::.::.::j:|.:!.:_:/´|_.::_」   くV <|
                   |:ハ_::_ル'´     /⌒丶 j//V|
               |:::::::::i x==ミ     _ 〈/.:|.::|
               |:::::::::i:'"     ´ ゙̄Y}!.::.l.::|
                 八:::::::圦   、' _   "/_ノ.::,'.::j
             /⌒ヽ::::ト{\   _,.ィ__/.::/l:./
               / 丶∧::| 丶 `ニ´ 彡// :厶|∧
            {/  丶ヘ|     ノ / |:/ (こ ハ
                /       }ヽ、 ∧ /  'x┴〈 }_ゝ、
           /         \∨ ∨  /  ニW }  )
             〈       _ノ∧ 厶=7  ,.-、) 人ノ
           }⌒ヽ     `<__,>イ  |__ノ| |/∨
           /   ヘ   /  │  丶ノ.| |   \
             /    ヽ      \__/ | |    ノ
         /       >'"⌒\ 〃⌒\| ト、__/
15吾輩は名無しである:2012/04/20(金) 14:34:00.95
▼手掌紋D線3型出現率から求めた朝鮮人との遺伝的距離
(山口敏『日本人の顔と身体』より)
0.000…朝鮮半島
0.007…近畿地方
- - - - - - - - - - - - -
0.012…中部地方
0.035…中国九州
0.038…四国地方
0.048…関東地方
0.068…東北地方

▼各地の男性頭骨の弥生・縄文判別関数値
(池田次郎・京都大学名誉教授による)※数値が高いほど朝鮮に近い
+2.12…畿内
+1.08…四国
+0.76…東中国
+0.70…西中国・北東北・北九州
+0.51…関東・南東北
+0.40…北陸
-0.87…西九州・南九州

▼身体的特徴から求めた朝鮮人との遺伝的近似性(小浜基次・大阪大学教授による)
     頭示数 比肩峰幅 比上肢長 比下肢長
アイヌ..  76.55   23.65   44.60   55.14
東北人  80.16   23.07   44.46   54.33
畿内人  84.98   22.67   43.99   54.23
朝鮮人  85.16   22.35   43.30   53.48
16吾輩は名無しである:2012/04/20(金) 18:46:01.38
澁澤龍彦とか?
17かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/20(金) 21:16:19.93
>>16
澁澤龍彦氏は、かつて平凡社の世界百科事典で、さまざな項目を書いていました。
『──すでにベルレーヌが詩のなかで〈われはデカダンスの末期の帝国〉と歌っており,のちに彼はこれに説明を加えて〈真紅と金とできらきら光った,このデカダンスという言葉を私は愛する〉といった。
マラルメもGermainNouveauも,好んでデカダンスの語を使っている。
しかしそれらのなかでも,もっとも広範な影響を青年たちに与え,デカダン派を当時の主流であった自然主義と高踏派の流れから切り離し,その進むべき方向を明示したのは,〈デカダンスの聖書〉と呼ばれたユイスマンスの小説《さかしま》(1884)であった。
《さかしま》の神経症的な主人公DesEsseintesのモデルは実在する貴族詩人RobertdeMontesquiouだといわれているが,必ずしもそう考えなくてもよい。
この気むずかしい病弱な独身者は,ある程度まで作者たるユイスマンスの教養や学殖や趣味を代弁しているからである。
すなわちデゼッサントは,自分の生きている19世紀末のブルジョア社会,物質主義と功利主義の浸透したフランスを頭から軽蔑し,日常的な俗悪な現実をいっさい拒否し,
カトリック的中世にあこがれ,ひたすら感覚と趣味とを洗練させて,この世ならぬ人工的な夢幻の境に逃避しようとする。
彼の愛するものは頽唐期のラテン文学であり,サドでありボードレールでありマラルメであり,画家ではゴヤでありG.モローでありルドンである。
のちのデカダン派の作家や画家が手本としたような,〈宿命の女〉たるサロメへの共感や,両性具有的な倒錯への好みや,スフィンクスや宝石や香料や蘭の花や,
中世趣味や,ビザンティン趣味や,サディズムや悪魔学や神秘主義や人工性の賛美についても語られている──』
18かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/20(金) 21:22:24.48
『ココナットから象が出る馬耳塞の朝景色。マルセーユの旧港。──この四角な、鱒の孵化場のようなもののなかには、あらゆる船舶の見本と、あらゆる国籍が詰め込まれている。
 二本檣のゴエレット船、地中海の三角帆船、マルタ島のトロール船、バクウの石油船。そうかと思うと古風な三檣砲艦なんてのもいる。
 だから、独逸の潜水艦だってそのへんの水の中にくぐっていないわけのものではない。国籍の方はあげて数えるのも愚かである。サルヴァドル国コスタ・リカ共和国、……諸君は聖シェージュ王国というのを聞いたことがありますか。
 ところが、白と黄の奇妙な旗をかかげたその国の船が、ちゃんと波止場のそばに停泊しているのだ。
 ところが、その波止場には、税関吏、運送屋、宿引き、烏貝売り、憲兵、人足、小豆拾い、火夫、人さらい、トーマス・クックの通弁、……そういった輩が、
材木、小麦、椰子の実、古錨、オーストラリヤの緬羊、瀝青、鯨油の大樽と、雑多に積みあげられた商品や古物の間を、裾から火のついたように走り廻っている。
 可動橋の歯車の音、船の汽笛、怒声に罵声、機重機の呻き声、蒸気の噴出する音、それに護母寺の鐘の音まで入り交じり、溶け合って、轟然混然たる港の朝の音楽を奏している。
 キャヌビエールの船着場から、烏街の方へ入った一軒の乾物屋の店先に、楕円形の黒いすべすべしたものが山のように積まれてあった。これはちょうど、いま南洋から到着したばかりのココアの実なんだ──』
19吾輩は名無しである:2012/04/20(金) 21:38:53.67
640 名前:名無しさん@12周年[] 投稿日:2012/02/18(土) 15:05:47.13 ID:sskgsjsc0 [2/2]
『平清盛』プロデューサー在日朝鮮人 磯智明(天皇制度廃止論者)のプロデュース作品

@『かんさほうじん (2008)』反体制・反社会
A『最後の戦犯 (2008)』反日・天皇制度廃止・反体制・反社会
B『リミット -刑事の現場2- (2009)』反体制・反社会

大河の画面が汚いのも、役者が大根なのも、衣装がぼろぼろなのも、役者の下品な立ち回りも、
画面が薄暗いのも、役者が汚いのも全ての原因は




NHKが汚れているから
 史実うんぬんの話ではないのですよ。あの大河は役者、セット、演出等が、いまのNHK内部の汚れ具合を見事に反映しているのです。

薄汚れた空間内で繰り広げられる捏造・妄想(=今年の大河)は、反日・在日の脳内を表しているのだ。
20吾輩は名無しである:2012/04/20(金) 22:34:38.24
トマス・ピンチョン 重力の虹
21かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/20(金) 23:02:31.20
>>20
『夜も更けて、爆撃機と高射砲と落下するロケットの爆音の合間の深夜の静寂に彼らは、ネズミのような大きな物音をたてながら、
グウェンヒドウィの紙袋の中を食べ進み、その体色と同じ色の排泄物を踏みつけ這いずり回った跡を残していくだろう。
ソフトな食感の果物野菜の類は好物ではなさそうで、ずしんと存在感のあるヒラマメやインゲンみたいな物をガリガリやるのがいいらしい、
紙や漆喰でできた障壁にも穴を開ける、堅いインターフェイスは食い破る、だってこいつらは合一のエージェントなのだ。まさにクリスマスの虫。
ベツレヘムの飼葉桶の藁の中の奥深くにも彼らはいたのさ、黄金の藁が格子状に織りなす中をヨロヨロ進み、登っていっては、
赤肌を煌めかせてヒラリと落下していた、何マイルにも思えただろう距離を──
食べられる居住世界、ときどき咬み切った拍子に、その神秘のヴェクトルの束が崩れて近くにいる虫がひっくり返り、
まっさかさまに転がり落ちるが、きみは踏みとどまった、六本の足すべてを震え続ける金色の茎に差し入れて。
平穏な世界だった。温度も湿度もほぼ一定、一日のサイクルは柔らかで、ゆるやかな光の移ろい、
金色の昼からアンティークゴールドの夕方へ、影が濃くなりもう一度金色の夜明けが始まる。
赤ん坊の泣き声がきみに届く、目に見えない距離を渡ってくるエネルギーのバーストのようなものとして──
感じられるとしてもごく仄かだ、気づくことは多くない。きみの救世主だってよ、ほら』
22かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/21(土) 20:47:08.24
ミロラド・パヴィチ『ハザール事典』

とあるブログの書評より
『本書は、赤色の書(キリスト教)、緑色の書(イスラーム教)、黄色の書(ユダヤ教)の3部から成り、ハザールにまつわる事物、人物、伝説が事典形式で並べられている。
もちろん、どの宗教も「ハザール論争の結果、かの国はわれわれの宗教に改宗した」と主張してやまず、同じ出来事についての見解も時には大きく違い、時には裏側から重なる(しおりヒモはちゃんと3本ついている)。
さらにこの本には「男性版」と「女性版」があり、全篇中17行だけ記述が違っているという。自分が読んだのは男性版。
すごいのは、これだけ凝った形式の中に詰め込まれているエピソードの数々が、どれもこれも、形式なんかどうでもよくなるほど奇想天外な展開とオチを見せてくれることだろう。
朝起きると口の中から一千年前の鍵が出てきた考古学者。失われたハザール語で歌う鸚鵡。「死」という名前をもった人造人間の娘が恋に落ちる。他人の夢の中に現れる夢の狩人とは。そして、この『事典』刊行にまつわる不可解な殺人──』
23v(・x・)vピース ◆JSPf4VvHXo :2012/04/23(月) 22:53:43.80
かめさん長いよ!読めないよ!
24吾輩は名無しである:2012/04/24(火) 20:45:31.68
エリアーデ読んでるんだけど正直しんどい
25かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/27(金) 20:51:14.30
重力の虹は来年の秋かー。

『耳を澄ませば、その中にリルケが、ワグナーが、ユングが、ウェーバーが、ノーマン・O・ブラウンが聞きとれる。
一方から〈北欧神話〉の神々が、他方から〈ハリウッド〉の神々──オズの魔法使いとキングコングとローン・レンジャ──が乱入し、
微積学と弾道学と有機化学と行動主義心理学に、古代ルーン文字、カバラ、グノシズム、タロット、禅アーチェリー、果ては南西アフリカ、ヒレロ族の神ヌジャンビ・クルンガやキルギス草原の神秘の光がもつれ合う。
名前を持った登場人物(人と物)は総勢三百敷十。菜米独露蘭にはじまり、アルゼンチン、日本人、ヒレロ族、更にはクコ、ネズミ、レミング、ドド鳥、コンピューター・ロボット、電球が入り乱れる。
主人公は謎のロケット00000、そして00001。こんなものを小説と呼んでいいのだろうか』
26かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/30(月) 14:51:27.85
『われわれは、世界の唯一の健康法である戦争、軍国主義、愛国主義、無政府主義者の破壊的な行動、命を犠牲にできる美しい理想、そして女性蔑視に栄光を与えたい。
われわれは、美術館と図書館と各種アカデミーを破壊し、道徳主義と女性賛美主義と、すべての日和見的で功利的な卑屈さと戦いたい。
われわれは、労働、娯楽、暴動に揺り動かされる大群衆をうたうだろう。
近代的な大都市における革命の多彩で多音声的な潮流をうたうだろう。
荒々しい電気の月によって煌々と照らし出された造船所や兵器工場の、震えるような夜の熱気をうたうだろう。
煙を吐き出す蛇を飲みこむ大食いの駅、
吐き出す煙のよじれた糸で雲から吊るされているように見える工場、
日にさらされてナイフのように光る川をまたぐ巨人の体操選手に似た橋、
水平線を察知しながら冒険をする汽船、
パイプの手綱をつけられた網鉄の巨大な馬のように線路のうえで足踏みをする胸板の厚い機関車、
旗のように風にひるがえるプロペラが熱狂した群衆の喝采のように聞こえる飛行機の滑るような飛行を、われわれはうたうだろう 』
27かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/30(月) 15:17:00.93
森??外バージョン
『吾等の頌せんと欲するところは戦なり。
戦は唯一なる世界の衛生法なり。
また軍人主義なり。
自由の為に戦ふ戦士の做し出す破壊なり。
吾等は人の之が為に肯て死する諸理想を賛美す。
又女子に對する輕侮を讚美す。
吾等は博物館、圖書館及あらゆる種類の學士會館を破壊せんと欲す。
吾等は道徳主義Moralismo女性主義Femininismo及あらゆる因循なる怯懦を攻撃す。
吾等の詩は之を勞働若くは遊戯若くは反抗の為めに活動せる大多数に献ぜんと欲す。
現代諸大國の革命の多色多聲なる潮流は吾等の歌はんと欲する所なり。
試に主なる詩料をい列記せん乎。
電灯に照らされたる武器工場及其他の工場の騒がしき夜業、
烟を吐く鐡の龍蛇を臙下して厭くことなき停車場、
烟突より騰る烟柱の天を摩する工場、
刀の如く目にかゞやきて大河の上に横れる巨人の體操者に類する橋梁、
地平線を嗅ぐ奇怪なる船舶、
鋼鐡の大馬の如く軌道の上に足踏する腹大なる機關車、
螺旋の占風旗の如く風にきしめく風船の目くるめく飛行等是なり 』
28森ノ内さかな:2012/04/30(月) 19:36:45.31
ディドロ、ヴォルテール、ついでじゃないにしてもJ.J.ルッソーとかは自分の専門だったな……
29かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/30(月) 20:44:37.15
『──我々は此処に改めて確認する──戦争は美しいものであると。
なぜなら、ガスマスクや威嚇用拡声器や火焔放射器や小型戦車によって、人間の力が機械を支配していることを証明できるからだ。
戦争は美しい。なぜなら、人間の肉体を鋼鉄につつむ夢が初めて実現できるのだ。
戦争は美しい。なぜなら、花の咲き乱れる野を、火をふく機関砲の焔の蘭でかざることができる。
戦争は美しい。なぜなら、銃火と砲声、死の静寂、芳香と腐臭をひとつの交響曲に統一することが出来る。
戦争は美しい。なぜなら、大型戦車や編隊飛行機の描く幾何学的な図形、炎上する村落から立ち上る煙のらせん模様など、新しい構成の美が創造されるからだ』
30森ノ内さかな:2012/04/30(月) 20:50:22.16
いや、戦争という国家主体の行為。みにくいものだよ。(笑)
現代では、経済的諸目的に通じている「選択肢のひとつ」に過ぎないんだよ。
……わかりますか?
一国覇権主義の結果としてね。
31吾輩は名無しである:2012/04/30(月) 20:52:18.35
>>30
バカ?
32吾輩は名無しである:2012/04/30(月) 20:53:11.34
戦争礼賛は、レイプ最高〜☆!と公に開陳するみたいものだろ実際w
33かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/30(月) 21:01:43.89
念のためだけど、>>29は昔のイタリアの、マリネッティという人が書いたポエムです。
僕自身は、戦車とかのミリタリーメカやアニメやSFの戦争シーン大好きだけど、現実世界での戦争は、もちろん大反対ですよ。
34かめ ◆1q5xukD1QY :2012/04/30(月) 21:06:48.14
『 ヘルメス・トリスメギストスの手になるとされる伝説的な錬金術文書の一つに《エメラルド碑板》(ラテン語で《タブラ・スマラグディナ》)というのがあるように,エメラルドはその美しい緑色の光輝のために,古来,もっとも貴重な石とみなされてきた。
多くの効能があるとされたが,その中でもいちばん知られているのは,目のために良いという説であろう。
大プリニウスは《博物誌》第37巻のなかに,〈わたくしたちは緑色の草や葉をむさぼるように眺めるが,同じ緑色といっても,エメラルドに比すべき良質のものはどこにもないので,これ以上目にここちよい色はない〉と書いている。
また〈エメラルドの平べったい形をしているものは,鏡のように物の姿を映し出す〉として,〈皇帝ネロは1個のエメラルドのなかに剣闘士たちの闘技を眺めた〉と書いている。
この文脈から判断すると,どうやらネロは一般に信じられているように,エメラルドを眼鏡として使ったのではなく,平べったいエメラルドの表面に闘技場の光景を映して眺めたらしい。
戸外の光の反射で,目がまぶしいのを防ぐためだろうか 』
35吾輩は名無しである:2012/04/30(月) 21:08:17.69
所謂「限界革命」の形成の諸背景を理解しているのか?
ただばかばかしく自覚してふざけているのなら構わんが、、

36吾輩は名無しである:2012/04/30(月) 21:38:54.00
>>33
ああ、すまなかった。まあ戦争は一概に否定的側面だけがあるとも言えない場合があるしw
ただね、対症療法的じゃない方策による恒久的無戦争状態は可能でしょうね、現代では。

では!!!
37v(・x・)vピース ◆JSPf4VvHXo :2012/05/09(水) 20:57:20.57
        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、
38吾輩は名無しである:2013/04/25(木) 23:06:45.90
すべての小説は日記的である。
39吾輩は名無しである:2013/04/26(金) 00:51:33.96
はらくちい小説もどうかと
40ダダカン:2013/06/05(水) 21:44:29.39
ディドロ、、高いよ、書籍
41吾輩は名無しである
おけたいち