現代詩を語ろうぜ!!!!!

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884吾輩は名無しである
あんぱん       豊田和司 

げんばくがおちたつぎのひ
あてもなくまちをあるきつづけた
きがつくといつのまにか
しらないおんなのこがついてくる
あっちへいけ!
おいはらっても
おいはらっても
おんなのこはついてくる
ていぼうにこしをおろして
ひとつだけもっていたあんぱんをたべた
おんなのこもとなりにすわって
あしをぶらぶらさせていた
くすのきのねもとで
よるはのじゅくした
おんなのこもすこしはなれて
ごろりとよこになった
よくあさめがさめると
おんなのこはつめたくなっていて
なにごともなかったかのように
ぼくはまたあるきはじめた…
いまでもときどきおんなのこは
ゆめのなかであしをぶらぶらさせていて
あんぱんをわけてやるのは
いまこのときだとおもって…
いつも
なきながら
めがさめる