現代詩を語ろうぜ!!!!!

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186吾輩は名無しである
「暗黒物質」埴谷雄高

無限が考えられぬものには
俺の姿は捉えがたい。
俺はどこにもあるものの
基底で
光を産み出す唯一の始源だ。
俺の覚めているあいだがあまりに
短く
眠っているあいだがあまりに
短く
眠っているあいだがあまりに
長いので
神性は俺からとり去られているが
神の部分であるように走る
つかのまの光芒は
目覚めかかったときの
俺の瞬きに過ぎない。
もしそこになにかが産まれれば
もちろん
背後にあれがいるのではなく
俺がいるのだ。