第一章§2の途中まで(p.13の途中)
ノート
※時間をめぐる二つの錯覚
(いずれも運動を幾つかの瞬間と幾つかの位置によって再構成しようとすることに起因する誤り)
A:古代ギリシャの時間認識
時間を、幾つかの「特権的な瞬間」(=ポーズ、形相という超越的なエレメント)に連関させる(理性的)
B:近代の時間認識
時間を、「任意の瞬間」(内在的物質的エレメント)に連関させる(感性的)
※映画(系統Bの末子)の決定的な諸条件
1、瞬間写真(スナップショット、ポーズではない)
2、瞬間写真どうしの等しい距離
3、フィルムを構成する素材への等しい距離の転写
4、コマを牽引するメカニズム
・アニメは全く映画の側にある。デカルト幾何学であり、ユークリッド幾何学ではない。
一つのユニークな瞬間において描写された形態ではなく、かえって形態を描写する運動の連続性である。
・エイゼンシュタインは「特権的な瞬間」を用いるが、それは運動に属する特異点という意味であり、
超越的な形相が現動化する瞬間という意味ではない。
特異点は任意の点から取り出される。
「パトス的なもの」の前提として、「有機的なもの」がある
※映画の定義:運動を任意の瞬間に連関させることによって再現するシステム
すなわち、映画は芸術でもなければ、科学でもなかった。