「よく眠らない人々は、常に多かれ少なかれ良俗に悴る者のように見える。
そうした人々は何をするのであろうか?彼らは夜をして現存せしめるのだ。」
粟津・出口訳には、とてもお世話になってるんだけど、やや重厚で硬め。
「夜熟睡しない人間は多かれ少なかれ罪を犯している。
彼らはなにをするのか。夜を現存させているのだ。」
伊訳がタブッキ自身のものかどうかはともかく、そこからの須賀訳。
両方を参照した上で、やや平易に訳してみた。
「あまり眠らない人たちは、常に多かれ少なかれ罪を犯しているようだ。
どんな罪を? 彼らは夜を現出させているのだ。」