【ケンカ読書会】雑談スレ5【乱闘勝負】

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281マグナ
上のカキコはちょっと繰り言的になったかもな。「木魂」における主人公の視点とそこから描き出される意識はよく顔を出すものである。
「意識の流れ」ってほどでもない。
この小説の構成は現在の主人公→過去の主人公の行状→現在の主人公と描いたところで話の円環は閉じられるというかたちになっている。
そしてその間を縫う存在として主人公の脳内の独り言が中断(生い立ちを語る箇所)を除いて乱雑に配置されている。
現在過去にかかわらず主人公は冒頭から独り言を続けているわけであり、円環が主人公の現在にいたるにおいて、独り言は数を増し、
やがてその増殖ヘ飲み込まれるかたちとしての主人公の死がある。話の幕切れとして必然的に用意された死が周到にやってくるというわけだ。
一方でこの短篇は瑕疵も多い。
「暖かい他人の同情の言葉もあれば〜」
以下のダラダラな羅列はいかにも稚拙なものであったり、書きすぎ、誇張しすぎといったような微妙な表現は数多く見受けられりする。
もちろんそれが効果的に力を発揮している場面はあるが、興ざめな箇所はいくらかある。
これはダメだと思ったのは数学をネタにした優生学(疎い俺でもこれ見てダメだろっていうような箇所がいくらかあった。)の開陳だったり、
伏線の張り方だったりするものがある。
また線路に数式等が浮かび上がるシーンも初読時は強烈に記憶に残ったものだったが今回はそうでもなかった。
主人公が数学者でなかったらこの作品が成り立つのかはわからんが、少なくとも作者が数学にはそれほど興味がないのが伝わってくる気がする。
作者本人の思考はあくまで優生学的なモチーフにあり、数学にはそれほどないものであると思われる。