【ケンカ読書会】雑談スレ5【乱闘勝負】

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276マグナ
俺にとってこの「木魂」は再読である。当然だいぶ前に読んだので内容はすっかり失念しているが、
数学者を主人公に据えた鉄道事故を扱った小説、ということは覚えていた。
まずタイトルからして「コダマ」と読むのかと思えば「スダマ」である。
このことに驚いたのだが、「スダマ」は「コダマ」よりももっとざらついた、「ス」の音の下を引きずるような感覚がある。
まさにその引きずるような感覚に満たされた短編ではあろう。
箇所によって緻密になるところ、乱雑になるところが非常に分かれる作者であり、この作品もその両面を表している。
緻密に描かれたかと思えば、なんだこれはというような稚拙な感じの比喩が飛び出してきたりして、
そのアンバランスさも魅力のひとつといえるのではないだろうか。