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川上未映子さんの作品について:
>思考が脳ではなく歯に宿るという奇想だけでなく、物語展開としての構造も似てしまうというの
>は偶然とは言い難く、これでは川上さんが津原さんの作品からアイデアを盗用していると
>見なされても仕方ありません。今回の津原さんの告発文は、そのことを裏書きするものです。
>
>本来これは作品内で語り手が津原さんの短篇に言及していたり、作品外で作者が
>オマージュやパロディであると公言していたりすれば、出来不出来は別にして
>創作としてまったく問題ないものです。けれども発表から津原さんの公式ホームページ
>の掲示板における騒動をへて現在にいたるまで、作者である川上さんからは
>そのような表明はなく、したがってそれは川上さんがアイデア盗用をする書き手
>であることを示す作品でありつづけています。
>
>わたしが以上の事実を知ったのは、2010年9月に刊行された尾崎翠の映画台本を
>原案とする津原さんの小説『琉璃玉の耳輪』を読んでその公式ホームページを
>訪れてからであり、よってそれまでアイデア盗用の可能性のあるものとしてその
>作品を読んだことはありません。わたしは過去に2度、共同通信の配信記事と
>して担当していた文芸時評「文学の羅針盤」で川上さんの作品を取りあげています。
>ここにその該当部分を採録しておきます。
>(略
>
>取りあげたのはその時点でそれに値すると感じたからですが、もしそのときすでに
>行われていた川上さんのコラムにおける盗作と小説におけるアイデア盗用を知っていたら、
>わたしはこうして取りあげることはしなかったでしょう。なぜならアイデア盗用をする
>書き手によるアイデア盗用の可能性のある作品を、その月における注目すべき作品として
>推薦する文学観をわたしがもっていないからです。