(・V・)■福永武彦■(・V・)

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1ふぁん
ソネットの巨匠福永武彦さんの作品について語ろう。

2吾輩は名無しである:2009/01/04(日) 17:26:57
3吾輩は名無しである:2009/01/04(日) 17:52:37
「死の島」ほどの傑作がどうして長年に渡り絶版なのか、納得出来ない。
4吾輩は名無しである:2009/01/04(日) 19:10:40
「廃市」読んだけどいいね。
5吾輩は名無しである:2009/01/04(日) 19:15:55
「モスラ」って単行本化されたことあるの?
6吾輩は名無しである:2009/01/04(日) 20:35:20
映画化はされたね
7ふぁん:2009/01/05(月) 21:23:29
『夢見る少年の昼と夜』に収録されている短篇の中にけっこういいのあるよ。
8吾輩は名無しである:2009/01/05(月) 23:54:48
「死の島」はオンデマンド版で買った。
上下巻あわせて1万円くらいだが、それだけの価値のある作品なので悔いはない。
しかし時刻表と七曜表が割愛されていたのは許せない。
9吾輩は名無しである:2009/01/05(月) 23:57:16
「別れの歌」に出て来る小山わか子さんの歌集が読みたくて仕方ないんだが、手に入れる手段が思いつかない
10ふぁん:2009/01/06(火) 21:22:18
福永さんのモチーフのひとつに確固たる自己というのがある。主人公の絶対的な自我は、どんな場合にも
流されず変わることなく、中心にしっかり据えれられている。『飛ぶ男』の最後の場面の分断されたかに
見えた自我が、生死を境にしてしっかりと崩れることなく在ることを見せつけるところは圧巻。『秋の嘆
き』のヒロインの時空を越えたような自我の強さも凄い。

11吾輩は名無しである:2009/01/06(火) 23:30:55
好きな作品がたくさんある作家だ。
死の島、風土、草の花がマイベスト3
12ふぁん:2009/01/07(水) 19:54:48
文庫だと今は『草の花』がある。内容として実際にありそうなこと。
13ふぁん:2009/01/09(金) 22:05:46
きょうは、ここのか、こいにいく

恋して
焦がれて
呪った
過去かな

そして、

恋して
焦がれて
惚気た
傘かな

ハッピーエンドにいきたいもんだ。
14ふぁん:2009/01/11(日) 08:54:25
「s」
 彼は見ることが出なかった。それは何時も後ろの正面であった。そこで彼はもう一枚用意した。しかし、
角を持たず彼自身を映すことは無かった。彼は連続という名の反復を数えて、その角の無いところにある
彼自身を想像することにした。
15ふぁん:2009/01/11(日) 08:58:57
「lm」
 彼はその想像に限りなく近づいた。その時、その限りなさをそうさせるものの十字の一方の存
在を知ったのだ。

16吾輩は名無しである:2009/01/24(土) 17:45:25
風土の初版が一万円、買うべきかね
17吾輩は名無しである:2009/01/24(土) 21:06:11
このサイト見るともっと安いのがある

ttp://www.kosho.or.jp/servlet/top
18ふぁん:2009/01/30(金) 21:42:16
初版である必要もないでしょう。
19吾輩は名無しである:2009/02/04(水) 12:11:25
初版本マニアなら買うべき
20吾輩は名無しである:2009/02/04(水) 12:14:21
風土初版本は回想部分がなかったんだっけ
21吾輩は名無しである:2009/02/06(金) 06:08:25
ずっとスレが無かったから、自分で立てようかなって
思ってたんだけど、既に復活してたんですね。>>1
前スレが無くなってから、1年以上が経つのかな?

22吾輩は名無しである:2009/02/06(金) 08:43:56
お孫さんに草の花を朗読してほしい。
そんな声優オタの俺。
23吾輩は名無しである:2009/02/07(土) 01:08:42
「死の島」のラストシーン、人によって好き嫌いが分かれるかもしれないけど、みんなはどう?
俺は大変すばらしいと思う。
24吾輩は名無しである:2009/02/07(土) 02:04:43
スレタイって、「死の島」イメージしてオパイ二つに挟まれてるのかと思ったんだけど、
実際どうなの。
25吾輩は名無しである:2009/02/07(土) 02:29:20
俺は何でバルタン星人のような顔文字があるんだろうって思ってた。
26吾輩は名無しである:2009/02/16(月) 21:41:56
風のかたみがまた読みたい。
27吾輩は名無しである:2009/02/21(土) 04:48:37
こんなスレがあったのかと感動!
マイベストは「草の花」
「忘却の河」「海市」「廃市」なども好きです
28吾輩は名無しである:2009/02/23(月) 13:07:26
>>5

確か出てたはずだけど。
新書サイズだったかも。>「モスラと発光妖精」
29俺様要メモ:2009/02/25(水) 21:22:38
>>28
これの事かな
Amazon.co.jp: 発光妖精とモスラ: 中村 真一郎, 福永 武彦, 堀田 善衛: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4480803297
こっちにも収録されてるんだな
Amazon.co.jp: 怪獣文学大全 (河出文庫): 東 雅夫: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4309405452

共に絶版だけど、図書館とか行ったら有りそうだし、読んでみよ。

ここには↓の件でたどり着きました(孫の池澤春菜)
J-CASTニュース : 女性人気声優「関わり絶ちたい!」 ネットストーカーに狙われ悲鳴
http://www.j-cast.com/2009/02/24036511.html
30吾輩は名無しである:2009/02/25(水) 21:42:58
>>27
草の花の藤木って、刑法の藤木英雄がモデルじゃないよね。美青年で秀才なんだろ。
31吾輩は名無しである:2009/02/25(水) 22:01:44
>>29
昨日グーグル使ってたら、急上昇ワードに「池澤春菜」があったから、
何があったんだろうって思ってたけど、それか。
32吾輩は名無しである:2009/03/11(水) 22:57:53
自分が好きだった女性がこの人好きだったから
読んでみた

廃市も読んだけど、「飛ぶ男」が印象的だった
透明感がある、とおもった
33吾輩は名無しである:2009/04/13(月) 23:31:30
保守
34吾輩は名無しである:2009/04/15(水) 22:27:46
福永スレは、なぜか短命。
たくさん語りたいのだが。。

>>30 
藤木英雄という人物の名を今日初めて知った・・・。何だかすごい人みたい。
「草の花」の藤木とは何の関係もないだろうけど・・・。

「草の花」は「ほとんど実話」と聞いたんだが、藤木忍のモデルになった方も、
本当にいたのかな?
そして、やっぱり少年のまま亡くなったのだろうか・・・。
35吾輩は名無しである:2009/04/15(水) 22:30:42
小山わか子さんの情報求む。
36吾輩は名無しである:2009/04/17(金) 22:32:21
2chにはがっかりした。もうコメントしない。
37吾輩は名無しである:2009/04/18(土) 09:12:31
福永先生はどんなお酒がお好きだったんですか?
38吾輩は名無しである:2009/04/18(土) 10:24:10
わかめ酒
39ふぁん:2009/05/05(火) 18:49:51
紹介「むちな」

東京は文の京というところに十七坂というところがある。
平成期にその名がついた通りである。馬車や人力車が丸
髷のおかみを乗せて走っていた頃は名もない長閑な通り
であった。白山から御徒町へ用達に行こうとする人は、
暑い夏の日であっても堀端通りから外神田を歩いて何町
分もの遠回りをして御徒町へ行くのであった。それは、
この坂辺りに昼夜関係なくむちながうろついて人を莫迦
すからである。
私が最近知った、このむちなに出逢った人は、一昨年に
付き纏われ気鬱が昂じて自殺した専門学校生の青年であ
った。これから話すのは、この青年が語ったものだ。
夏の盛り、両国の花火が迫っていたある日、彼は駒込か
ら御徒町へと十七坂を下っていった。それは花火大会の
日の宴会の肴を買うためであった。(以下次回予定)
40ふぁん:2009/05/06(水) 14:22:35
紹介”MUCHINA”
At Fumi-no-kyo town,in Tokyo,there is a road
called To-Shichi-zaka,which means the Road of
Loads road. I do not know why it is called the
Road of Loads road. Before era of a horse-
drawn carriages and jinriki-sha carriages a
maru-mage okami,there is peaceful. So, that is
nameless. Now,people say "Go shopping to Okachi-
machi,avoid To-Shichi-zaka,walk around Iidabashi
-moat and along Sotokamita."
All because of a Muchina that used to walk there.
41吾輩は名無しである:2009/05/06(水) 16:56:30
おかんの本棚で見た<福永
ぜったい読まん
42読みやすくためになり面白い本を俺に紹介するスレ:2009/05/06(水) 17:21:19
3行程度の解説つきで頼む
43吾輩は名無しである:2009/05/06(水) 19:25:51
>>42



44名無し募集中。。。:2009/05/06(水) 23:50:52
海市とこの人の訳の今昔物語だけは読んでおきたいよ


>>41
どうして?
「オカズ」ならともかく
肉親と読む本がかぶったっていいと思うんだけど
45吾輩は名無しである:2009/05/06(水) 23:58:41
「だけ」と言わずに「死の島」とか「別れの歌」も読めよ
46吾輩は名無しである:2009/05/08(金) 14:58:37
18歳女だが周りで福永知ってる人いない

「草の花が愛読書です」みたいな人と結婚したい
47吾輩は名無しである:2009/05/08(金) 19:08:29
俺で良ければ
48( ̄ω ̄)獲る狸 ◆ycr5A7VfSw :2009/05/08(金) 19:19:51
さて、「文学の交流」ですがそこで旧世代の文学が滅茶苦茶に批判されておりますねぇ(笑)それから六十年たって、さて、如何でしょうかねぇ(笑)おやはや(笑)
寧ろ福永が批判した旧世代の文学が持てはやされ、戦後文学で一般にも読まれているのは三島位なのでは(笑)おやはや(笑)
49吾輩は名無しである:2009/05/09(土) 18:32:04
おやはや?

大丈夫?
日本語不自由な人?
50吾輩は名無しである:2009/05/10(日) 14:14:03
福永武彦自身「マイナー」宣言してて、読者から叱責の手紙送られたくらい。
ミュージシャンも福永の詩を参考にすればいいのに、、、
韻、踏んでてカッコいい。
大林監督作品、小林聡美主演の廃市、レンタル無いの?
合本になってる、中村眞一郎はどうなのかな?
51吾輩は名無しである:2009/05/14(木) 14:41:54
草の花が古本屋で50円で 売ってた
これいいな
知り合いにこの作家知ってる人がいないのが不思議でならない
52吾輩は名無しである:2009/05/14(木) 16:29:11
そうういう知り合いしかいない人ってフシギでならない
53吾輩は名無しである:2009/05/14(木) 23:28:29
今『海市』三読、四読しております。
安見子さん最高です。
54吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 00:06:44
俺の知人は福永どころか池澤すら知らんぞ。
さすがにザ・ピーナッツは知ってるが。
55吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 05:30:42
ベックリンの「死の島」
ゴーギャンの「風土」

画家への深い思い入れ。暗い叙情性がいい。
56吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 08:58:57
わたしの知人は池澤どころか春菜も知りませんよ。
さすがにこまどり姉妹は知ってますけど。
57吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 09:51:29
私が中学生・高校生の頃の「純文学」のイメージが福永武彦だった。
新潮文庫に、あのネイビーブルーの表紙がたくさんあった。
58吾輩は名無しである:2009/05/15(金) 13:33:33
ピーナッツはともかく、こまどり姉妹は福永と関係あるのか?
59( ̄ω ̄)獲る狸 ◆ycr5A7VfSw :2009/05/15(金) 13:43:28
どうも本人の目指していたものと現在の文学史上の立ち位置が非常に違う感じを受けてしまうのですけれどもねぇ(笑)おやはや(笑)
60吾輩は名無しである:2009/05/30(土) 00:57:54
石川淳氏の「処女懐胎」と福永武彦氏の「風土」などが戦後作品として後世に残りませう。
前者は小説を絵画(タブロオ)へ、後者は小説を音楽へ近づけた見事な試みです。
戦後文学が小説といふジャンルの根本的な反省の上に成立つものとすれば、この二作は「やはり残さでおくべきか」です。

三島由紀夫
「文学史に残るべき戦後文学作品は何か?その理由」
61ふぁん:2009/05/31(日) 12:25:19
紹介

"Tobu-Otoko"

preface

"Tobuotoko" is a fairly tale by FUKUNAGA TAKEHIKO. It contains his soul in his
philosophy. So, that be must not translate into "Flying man" or "The man's Jump".
"Tobuotoko" should be translate into turn and turn for "Tobuotoko". It has no
expression for moving. But his soul has movement. His tale expresses impossible
to read a novel "imagine", and thats proof.
62吾輩は名無しである:2009/06/01(月) 00:25:14
>>47
何歳?
63吾輩は名無しである:2009/06/04(木) 22:56:02
中央公論社の『日本の文学』の編集会議(委員は谷崎潤一郎、川端康成、伊藤整、高見順、大岡昇平、三島由紀夫)のなかで、
三島由紀夫は松本清張の収録を強く反対して、代わりに福永武彦と柳田国男の収録を希望した、って書いてありました。
64吾輩は名無しである:2009/06/05(金) 01:25:27
てか福永は放っておいても入ったんじゃね?
小倉日記伝?は昔に読んだが、なんか、つまんなかったという印象しか。
65ふぁん:2009/07/20(月) 22:13:19
むかしの新潮文庫の100冊にあったような気もしたが、もう、思い出せない。

66ふぁん:2009/07/20(月) 22:20:39
>>39-40
原作の小泉八雲のむじなの解釈はけっこう難しい。怪談の他の作品とは違って
主題がないからだ。他の作品は勧善懲悪がかなりはっきりしているが、この作
品はただのおばけばなしにみえる。しかし、八雲の意図はただのではあるまい。
こういったことは源氏物語を章別の違いを見る視点とも同じだろう。
67吾輩は名無しである:2009/07/20(月) 23:06:24
小泉八雲の「怪談」って採話文学じゃなかったっけ?
68吾輩は名無しである:2009/07/21(火) 12:07:05
『塔』読みたいんだけど、入手は難しいかな?
69吾輩は名無しである:2009/08/04(火) 12:52:52
「海市」をまた読み返そう。
70ふぁん:2009/08/15(土) 17:19:31
『飛ぶ男その後』

 気がついてみると上を向いていた。端の黒くなった蛍光灯がひとつ、身体と同じ向きに
延びている。この時、男は自分が病室の中にいることが分かった。ワタシハアノトキトン
ダノダ、タシカニトンダノダ。ワタシハソレヲミテイタノダカラ。(中略)それから幾年
が過ぎ男はアトリエの中で毎日を過ごすようになった。昭和という年号が歴史となってか
らもうかなりが過ぎていた。しかし、男の中では平成の今も昭和であった。昭和は男にと
りすべてのはじまりであった。ナニモナイヤケタチカカライマガアルノダ。ダカラソレラ
ハツナガッテイル、ワタシモソノママダ。(中略)しかし、男は自らが平成を受け入れら
れないことがもう昭和は過ぎてしまった過去だということだということ知っていた。だか
ら今夏も秩父鉄道で早朝の西吾野駅で降り子の権現へ向けて歩いた。西吾野は昭和そのま
まの町だ。駅前から子の権現の登山口まで間は何も変わってはいない。もちろんそれは外
観でのことであるが。しかし、男はその外観ということへの意識はなかった。男にとって
それは全てが昭和なのである。改札を出てやや急で長い坂を下っていく。坂が向きを替え
71ふぁん:2009/08/15(土) 17:20:22
る地点の売店もそのまま彼は信号のある交差点へと歩いていく。溝の上のコンクリ敷もそ
のまま道路の両端の生垣もそのままであった。男が川のある側へ横断歩道を渡ってからい
くらかした時、電話の呼び鈴が聞こえてきた。かなり大きな音だ。男は顔を向け微笑む。
長閑な風景のコントラストとして面白かったのだろう。しかし、家の縁側の雨戸は閉じら
れたままどこにも電話はみえなかった。生垣に若い女が立っている。遊んでいるような女
でペンケースをしきりに耳にあて囁いている。ライターなのだろうかと男は思った。ペン
ケースに頬ずりをするなどよほどかくことに愛を抱いているのだろう。あのペンケースと
その中にあるだろうパーカーはあの女にとっては恋人以上のものなのであろう。だから、
まだ、こんな早い時間に家の者にも分からないように人目を忍んで構想に耽っているのだ
ろう。男は感心した。しかし、それがペンケースではないことに男は気づかされた。それ
は携帯テレフォーンであった。女は顔を赤らめながら見つめているそれからは相手の男の
声が漏れ聞こえてきたからだ。(略)男はここが昭和でないことを見せつけられた。携帯
テレフォーンは昭和にはない平成のものだ。そして、男はここが外観だけのものであるこ
とを意識した。しかしそれでも男は自らを閉じたままオープンセットのような町の中にい
た。
72吾輩は名無しである:2009/08/25(火) 18:39:43
福永武彦 こんなステキなスレがあったとは
福永氏の文庫本、ずっと捨てられずに全部取ってある
きっともう虫だらけになってしまっただろうけど
73吾輩は名無しである:2009/09/14(月) 18:14:00
何気なく見た講談社文芸文庫のコーナーで「告別」があって驚愕!
レジで気づいた1200円という金額にも驚いた。
でも久しぶりに読めて嬉しかった。
復刊してくれてたんだね、ありがとう講談社!
74吾輩は名無しである:2009/09/14(月) 23:13:32
廃市や草の花を読むと自分の母国語が日本語で良かったと感謝するよ。大好き。
75吾輩は名無しである:2009/09/15(火) 05:26:21
死の島の最後意味がわからんかった
結局どうなったんだ?
76吾輩は名無しである:2009/09/15(火) 12:19:39
「愛の試み」の文庫版げっと
挿話が意外におもしろい
77吾輩は名無しである:2009/09/15(火) 12:24:08
>>75
三種類の中から好きなのを選べば良い
78吾輩は名無しである:2009/09/16(水) 01:28:25
>>77
えー!!
なんじゃそりゃ・・・ラスト丸投げかよ・・・
せっかく1000ページ読んでオチがこれかよ・・・
かなり面白かったのに
79吾輩は名無しである:2009/09/16(水) 02:03:42
別に丸投げじゃないだろ。
ちゃんと、最後に主人公が作品の意図を説明してるし。
80吾輩は名無しである:2009/09/16(水) 02:09:55
むしろ、あの終わり方だから感動するんだが。
81ふぁん:2009/09/16(水) 17:48:26
現実の世界と小説の世界の違いとは?
それは、小説には目的性が欠くべから
ざる要素であるということ。つまりは、
目的性というひとくくりで小説は成り
立っている。目的のない人生は味気な
いものかも知れないが、実際にはそう
いう人生というものは多い。浮世に流
されてというやつだ。しかし、これを
小説にすると目的を持ってしまう。そ
のあたりが虚構なのだ。
82吾輩は名無しである:2009/09/24(木) 15:30:01
>死の島の最後意味がわからんかった

どうしようもないな。
それにあの見事な結びをオチとか言ってやがる。
83吾輩は名無しである:2009/10/09(金) 11:21:05
気持ちが沈んだ時にも読みたくなるんだけど、この人の本に出会えてよかった
84吾輩は名無しである:2009/10/13(火) 23:05:52
85吾輩は名無しである:2009/11/29(日) 19:28:03
「死の島」はいつ読んでも、胸に迫ってくるものがあるな。
これまで読んだ小説10作の中に確実に入る。
86吾輩は名無しである:2009/12/02(水) 22:31:26
国語の先生が「草の花」を紹介してた。
福永さんの作品では異質だけど、先生はこれが一番好きだって。
どの辺が他の作品とは違うか分かりますか?
87吾輩は名無しである:2009/12/13(日) 15:18:15
草の花、改めて読み返している。
文庫でいうと39〜40頁が特に好きだなあ。
汐見の、昨晩見た夢の話と、満州の奥地で小さな村を守備していた時の話。
自分には戦争も、死ぬほどの病気も経験が無いけれど
何ともいえない共感と悲しさ、切なさを感じる。
88吾輩は名無しである:2009/12/26(土) 18:11:47
先日テレビで大原麗子の追悼番組を見ていたら、彼女の自宅が公開され、
読書家という故人の本棚が映った。そこに福永の『死の島』箱入り2巻があった。
これが映像化され、彼女が萌木素子を演じるのを想像した。
89吾輩は名無しである:2010/02/03(水) 00:38:49
「慰霊歌」読んだ事ある人いる?
未刊行著作集がどこにもないんだよなあ
90吾輩は名無しである:2010/02/03(水) 22:02:43
>>89
タイトルさえ初めて聞いた。
もし見つけたらこのスレで報告するよ。

ところで超短篇の「一時間の航海」、
こういうの結構好きだなあ〜
昔の大学生の妄想ぶりが面白い。(自分自身、割と妄想好きなのでw)
91吾輩は名無しである:2010/02/12(金) 20:44:25
『死の島』の相馬と素子の関係に惹かれる。
好きな女が描いた絵を自室に飾るっていいよね。
92吾輩は名無しである:2010/02/13(土) 10:58:23
>>89
白地社のだよね。
たまに古本屋で見かけるけど、ものすごく高くて手が出ない。
Amazonのマーケットプレイスにも有ったけど、29000円だった。
慰霊歌は草の花と関係があるんだっけ?
もし読んだら感想をきかせて下さいね。
93吾輩は名無しである:2010/02/17(水) 03:56:22
忘却の河はいかがですか^^?
94吾輩は名無しである:2010/02/17(水) 18:36:20
忘却の河いいよー^^

関係ないけど、現代文の問題集に使われてて嬉しくなった。
95吾輩は名無しである:2010/02/17(水) 19:53:43
『忘却の河』は気が滅入る
96吾輩は名無しである:2010/02/17(水) 23:16:03
私は「忘却の河」は合わなかった。なんか頭に文章がすーっと入ってこなくて・・・
同じ作家の作品でも作品との自分の相性その他あるんだろうね。
自分にとっては気に入る本なんて、好きな作家の作品でもそう滅多にない。
97吾輩は名無しである:2010/02/19(金) 13:47:50
『忘却の河』センター試験に出題された。
「愛の不在」が沈痛な文体で描かれている。
98吾輩は名無しである:2010/02/20(土) 00:06:00
じつは『風土』が好き。ロマネスクな構成が。
9989:2010/02/23(火) 02:38:48
>>92
図書館でよんできたよ〜

未刊行著作集に収録されてる「かにかくに」、「慰霊歌」が草の花の元みたいだね。
「かにかくに」はとにかく若さ爆発って感じの話で、感情が生々しい。
「慰霊歌」は第二の手帳と流れはまったく一緒、
ところどころ違う所があるって程度かな。
草の花好きなら読んでみるといいかも。
10089:2010/02/23(火) 02:40:55
第二の手帳じゃなくて第一の手帳でした。
すみません。
101吾輩は名無しである:2010/03/08(月) 01:17:10
ストーリーに謎と面白さがあって、
登場人物たちが魅力的で彼らの人生の陰影が感じられて
(今でいうところの「キャラが立っている」)、
美しくて格調が高い書き言葉の文体で、然も純文学ってのがすごいことだと思う。
102吾輩は名無しである:2010/03/10(水) 19:34:58
>>96
忘却の河は文体をあえて変えることで、各人物との対比を表わしているのは自明。
冒頭の文章とかもあえて迂遠な言い回しにして心象を表現している。
それがいい。
103吾輩は名無しである:2010/03/14(日) 11:40:48
久しぶりに読んだら「草の花」の脇役が印象的だった。
無骨で単純だけど友達思いの柳井とか、知的で穏やかな木下とか特に。
そういう風に思えるのってこちらの変化の(年取った)せいかな。
104吾輩は名無しである:2010/04/10(土) 04:15:25
息子さんのお嫁さんからこのスレに辿り着きました。


お薦めってありますか?
105104:2010/04/10(土) 04:21:34
すみません、自分のレス読み返したら質問の仕方が失礼でした。


普段、ノンフィクション以外の本を読まないのですが、そんな人間にお薦めの福永武彦氏の作品は何でしょうか?
106吾輩は名無しである:2010/04/10(土) 07:27:07
「別れの歌」
107吾輩は名無しである:2010/04/10(土) 20:22:42
>>105
つ新潮文庫
108104、105:2010/04/11(日) 05:14:14
>>106-107
ありがとうございました!

さっそく読んでみます。
109107:2010/04/11(日) 17:54:45
>>108
ちなみに「別れの歌」は新潮文庫にはない。

お薦めは同文庫の「草の花」か「忘却の河」。
110吾輩は名無しである:2010/04/12(月) 09:20:48
>>104
「お薦め」なんか無いよw
媚びなのか、コミュニケーションの一手段なのか
何なのか分からないけど、ここ数年
あらゆるジャンルで
「お薦め」という言葉を使って安易な質問をする奴が多くて
凄く気持ち悪い。
そんなもの他人に聞いてどうするの?と思う質問ばかり。

読書一つ取っても
たくさん読んで、自分の感性と合うものなんてほんの一握りなのに・・・
多くの日本人の知性ってこの程度なんだね。
111吾輩は名無しである:2010/04/13(火) 22:03:12
読もうと思う作家が決まってる場合、どの作品にするか選んでる時がとても楽しい
でもそれが微妙だったりすると、他の作品も読んでみるべきなのかどうか悩むことになる
112吾輩は名無しである:2010/04/15(木) 06:30:48
あげ
113107:2010/04/20(火) 23:55:12
>>110
「お薦めは?」という問いは、「好きな作品は?」という問いと重なる部分が多いはず。
嫌いな作品は薦めないからね。

110は好きな作品とか他の人に読んでほしい作品はないのかな。
孤高の人を気取ってる、「ニヒリストの俺」に酔ってる感じ。
「日本人の知性」とかそんな大上段に構える話ではないよ。

小説や出版ということ自体が作家や出版社の「お薦め」行為であって、
110は自ら選んでいるように考えているけど、一面で選ばされてもいるんだよ。
そもそも、というか、もっともというか、他人のお薦めを聞いても、それを読むかは本人次第なんだし。
114吾輩は名無しである:2010/04/21(水) 20:46:04
あまり関係ないかもしれないけど
福永武彦が好きだという事を伝えたのは
今までの人生で数人だけ
115吾輩は名無しである:2010/04/21(水) 20:55:31
そんなこと伝えても「誰?」で終わる
116吾輩は名無しである:2010/04/21(水) 21:01:31
終わらないよ
「誰?」で始まるのさ
117吾輩は名無しである:2010/04/21(水) 21:55:04
10年以上前、中学の図書室から借りて読んだアンソロジー 「ちくま文学の森 機械のある世界」
に載っていた 「夢みる少年の昼と夜」 を読んでから福永武彦にはまった。
最近、古本屋で初めて 「機械のある世界」 を買った。 夢野久作も稲垣足穂もこの辺りで既に出会っていたのだなあと感慨を覚えたよ。
118吾輩は名無しである:2010/04/23(金) 19:07:07
>>110
お前が一番気持ち悪いよw
君に才覚があれば、あと10年くらいでそれに気づけるだろうw
119吾輩は名無しである:2010/05/10(月) 17:26:06
本屋の棚にひっそりと並ぶ数少ない福永作品がどうか手に取られ、読まれますように。
120吾輩は名無しである:2010/05/12(水) 23:00:56
長らく宿題だった『死の島』をついに読了。
ストーリーの面白さと迫力とドライヴ感に圧倒された。
文章の格調の高さに襟を正した。
現代日本純文学にこれだけ魅力的なキャラ達がかつていたのかと仰天した。
シニカルな悪漢の匿名の男の語りの妙に引き込まれた。
作者が二人のヒロインに託した悲劇的情念、妄想の積み上げに感動させられた。
その彼らの語りを通して次第に謎が明らかになっていく綿密な構成に驚嘆した。

これで『海市』を読めば、主要作品は一通り読んだことになるな。
121吾輩は名無しである:2010/06/04(金) 09:32:55
今朝サンテレビ見てたら、『一冊の本』という番組で
大林宣彦監督が「草の花」をとりあげて熱く語ってた。
122吾輩は名無しである:2010/06/07(月) 02:49:11
>>121
それは見たかったな
しかも地本のオッサンテレビか
123吾輩は名無しである:2010/06/07(月) 03:06:35
>>122
訂正
地本→地元
124吾輩は名無しである:2010/06/09(水) 02:37:25
>>122
でも内容は『廃市』のDVDに収録されてるインタビューの方が濃かったよ。
125吾輩は名無しである:2010/06/11(金) 00:20:34
その映画の中で安子がショパンの「幻想ポロネーズ」の楽譜を持ってるシーンがあった
クラシックは全くの門外漢なんだが、Wikiを読んでこの曲を選んだ事にも理由があったんだなと感心した
126吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 06:42:17
とりあえずちくま日本文学全集16 福永 武彦買ってきたお
これはお勧めですか?
127吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 06:54:40
んなこと聞くとブチ切れる奴がいるから気をつけろ
128吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 08:15:23
え!なんで?
129吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 08:23:41
女はこういうの好きなんだよな。
130吾輩は名無しである:2010/06/25(金) 07:41:10
一昔前なら、競馬ライターの名前と思われただろうな。
福永洋一と武邦彦をつなぎ合わせたような。
寺山修司がペンネームとして羨ましがりそうな名前だw
131吾輩は名無しである:2010/06/25(金) 07:48:45
お前まさか福永が現役作家だと思ってるのか?
132吾輩は名無しである:2010/06/25(金) 07:57:32
浅い奴w
頭あるのかね、とほほw
133吾輩は名無しである:2010/06/27(日) 22:47:31
海市はよく読んだ
若いころ
134吾輩は名無しである:2010/06/27(日) 23:20:34
『草の花』は石原慎太郎閣下もご推薦。
135吾輩は名無しである:2010/06/28(月) 21:43:04
>>134
最初に出てきた人が主人公かと思ったら、違った不思議。

しかし、草の花こそ純文学っぽい書き方だよ。
鬱陶しいくらいに、じめついた空気が流れている。
薄っぺらいのに中身は重厚で、確かめるように読まざるを得ない。

しかし、純文に出てくる人物って、笑顔が似合わないな。
翳があって短命、或いは夭折こそが相応しいような。

一部のBLっぽいところは時代を先取りか?
136吾輩は名無しである:2010/07/01(木) 00:55:10
BLって……
137吾輩は名無しである:2010/07/01(木) 02:07:43
程度の差こそあれ、我々は誰しも自分の狭い世界の中で生きているのだよワトソン君
138ふぁん:2010/07/09(金) 22:00:00
忘却の河の文庫が復刊された。
139吾輩は名無しである:2010/07/09(金) 23:27:10
今頃気付いたんかい
140ふぁん:2010/07/11(日) 16:36:56
>>139
 いやいや、そうじゃありません。
 コメントを忘れていただけです。
 復刊ものは、以前のものと表紙が違っていました。
 以前は、蝶か蛾が2つあるイラストでしたが、復刊ものは看板文字だけに
 なっていました。
 
141吾輩は名無しである:2010/07/12(月) 00:45:40
コメント忘れていたって、どれだけ永い間忘却してたんですか
何が今頃あなたにそれを思い出させたんですか
142ふぁん:2010/07/12(月) 21:37:34
>>141
一言、二言だけ言っておきましょう。
感傷的な気分になったから。以前の表紙は、むかしはあった、田舎道の街灯、
そう、ブリキの雨避けに裸電球に集まってくる蝶や蛾を想わせるものがあった。
今はそんな街灯はないから。
143吾輩は名無しである:2010/07/12(月) 23:14:15
「忘却の河」復刊?

見たことないおれは田舎者?
144吾輩は名無しである:2010/07/13(火) 00:20:01
>>142
そうですか
今出ている『忘却の河』は、そういう感傷的な気分で手に取ると違和感を感じるかもしれません
紙の色は明るすぎるし、文字が大きくて小学校の教科書みたいですから

>>143
うちの地元も田舎だから置いてない
というか、置いてたら逆に「何故?店主の好みか?」と勘ぐってしまうと思うw
145吾輩は名無しである:2010/07/13(火) 21:46:59
新潮文庫の「死の島」が古本屋で上下巻セットで1600円で売ってたけど買ったほうがいいかな?
わりかし綺麗だったけど・・・。
146吾輩は名無しである:2010/07/26(月) 23:53:45
>>145
高い
単行本なら古書市とかで上下数百円
147吾輩は名無しである:2010/07/27(火) 18:24:32
品切れ新潮文庫は百均一の華。
148ふぁん:2010/08/07(土) 16:47:29
福永さんのものは、虚構然としているところが、楽である。
だから、続きを辿ってみたくもなる。
その後、飛ぶ男はどうなったのか。
 西吾野から帰ってからしばらくして、男は板橋の大谷口にいた。
 ココハ、ワタシガ、サイショニ、エガイタトコロダ。
 もちろん、それは給水塔のことである。男がまだ少年の頃、帝
 都然とした威容を描かずにはいられなかった。昭和のはじめの
 ことで、大正浪漫様式が未だ当然のごとく周囲を睥睨していた。
 男は夏の夕暮れを仰ぎ見ながら四村橋のほうへ歩いていく。無
 数の蝙蝠が川面から空に向かって飛んでいる。しかし、それは
 規則的ではなく、夕日に焦げた紙吹雪が舞っているように見え
 る。両岸にそそり立つ家並みに遮られ弧を描くことが出来ない。



149吾輩は名無しである:2010/09/07(火) 09:21:22
日記が発見されたらしいですね!


新潮買わないと……!!
150吾輩は名無しである
最近の本屋には「新潮」置いていないところが多いね。
3件回ったけど入荷していませんと云われた。
アマゾンに頼むか・・・