【駄訳】古典珍訳文庫4【満載】

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353吾輩は名無しである
224 :吾輩は名無しである:2007/08/16(木) 02:25:07
普通の読解力があり普通に読めば(人によって解釈のレベルの高い低いは当然あるだろうが)
バフチンを亀山のように「誤解」することなどあり得ない。ここから三つのことがいえる。

1:ドストエフスキー研究の理論水準の驚くべき低下。草稿段階で誰も亀山の誤りに気付かなかったということは、亀山の周囲では
誰一人としてバフチンを読んでいないことを意味する。バフチンをどう評価するかはともかくロシア文学が専門だったら必読書だろう。

2:ろくに読んでもいない本の解説を自慢げに書いてしまうという恐るべき倫理観の欠如。そして、それで通ると思っている鈍感さ。
こんなことは理系では考えられない。こんなことしたら一発でアウト。その人の学者生命は終わる。それくらいひどい。

3:あんな粗雑でレベルの低い解説をいくら文庫本の解説とはいえ「傑出したすばらしいガイド=指針」などと宣伝する出版社の良識と能力の欠如。 
亀山の詐術的で虚仮威しでしかない記述に気が付かないということは基本的な読解力がないか、そうでないなら原稿をチェックをしていないかのどちらか。

まさか21世紀にもなって、あんなデタラメな解説付きの『カラマーゾフの兄弟』の翻訳が出るとは夢にも思わなかった。魂消たね。

354吾輩は名無しである:2008/02/20(水) 00:06:15
226 :吾輩は名無しである:2007/08/16(木) 02:35:33
「新発見」(だかなんだか知らないが)を見つけて有頂天になってしまい、うれしくてうれしくて堪らないのか、頭の中が
それだけでいっぱいになって他のことには目が届かなくなり、つい短絡した結論を出してしまうというのが亀山の解釈の特徴か?
亀山の強引で粗雑な解釈の多くは、亀山のこの単細胞的性格からきているものと思われる。
例: イワンを単純にコントラに分類していること。イワンがびっこを引いていることが『ファウスト』のメフィストフェレスの隠喩だと知って余程うれしかったのだろう。
何度もうれしそうに書いているから。しかし、これはイワンが悪魔であることの隠喩というより、イワンが悪魔に憑かれていることの隠喩ではないのか?
イワンがプロとコントラとに引き裂かれている人間だということは、イワンとゾシマの会話をちょっと読むだけでもわかる。
「あなたは、魂の不死も自分の主張のどちらも信じておられない。問題は解決されておらず、そこに、あなたの大きな悲しみがあるのです」
「私の問題は肯定の方向で解決されるでしょうか?」
「肯定の方向で解決されないなら、否定的な方向にも解決されないでしょう。そういう、あなたの心の本質は自分でもよくおわかりのはずです。
そして、そこに、あなたの大きな苦しみがあるのです。そのような高き心を持ったことを神に感謝なさい」。
イワンが単にコントラでしかないのなら、イワンの苦悩など存在しないだろう。また、イワンが自分の発した言葉の意味を執拗にアリョーシャやスメルジャコフに問い質す
こともないに違いない。それに、イワンが悪魔なら、イワンが、その悪魔と口論することなどあり得ないだろう。そもそも、『カラマーゾフの兄弟』というのは多かれ少なかれ
プロとコントラとの間で揺れ動く人間の物語ではなかったか?(というかこれ、常識レベルの話じゃないの?)
『カラマーゾフの兄弟』で、はっきりとプロとコントラとに分けられるのはキリストと悪魔くらいのものだろう。アリョーシャや大審問官でさえ躊躇している。
注:イワンとゾシマの会話は簡略化した。
355吾輩は名無しである:2008/02/20(水) 00:08:15
227 :吾輩は名無しである:2007/08/16(木) 02:40:33
亀山は専門家なので当然細かい知識はあるのだろうが、その細かい知識に引きずられて、全体から見ると常識レベル以下の解釈になっているように思う。
逆に言えば、そうでもして無理な解釈を打ち出して耳目を驚かさないと名前が売れないということなんだろう。
ちょうど背伸びをした発言をしてアリョーシャの苦笑を誘うコーリャ・クラソートキンみたいに。

94 名前: 名無しさん@八周年 投稿日: 2007/08/22(水) 19:35:26 ID:w+uDIHS7O
確かこれの解説のポリフォニーの概念がバフチンから引用してるくせに
バフチンのいうポリフォニーを理解してないとしか思えない使用法をしてるんだよね

そんなのが売れてるってのはちょっと怖いなぁ
後書きの解説は読んでもバフチンなんか読まないだろうし
356吾輩は名無しである:2008/02/20(水) 16:42:21
バフチンがわからなくてロシア文学者の第一人者っておかしいよ