1 :
吾輩は名無しである:
作品リスト
「虚無への供物」講談社 1964年(塔晶夫名義)
「見知らぬ旗」河出書房新社 1971年(短編集)
「幻想博物館」平凡社 1972年(連作短編集、「太陽」1970年7月-71年6月号)
「悪夢の骨牌」平凡社 1973年(連作短編集、「太陽」1973年1-12月号)
「黒鳥の囁き」潮出版社 1974年(短編集)
「人形たちの夜」潮出版社 1976年(連作短編集、「潮」1975年3-86年2月号)
「人外境通信」平凡社 1976年(連作短編集、「太陽」1975年7月-76年6月号)
「蒼白者の行進」筑摩書房 1976年
「光のアダム」角川書店 1978年
「真珠母の匣」平凡社 1978年
「秘文字」社会思想社 1979年(日影丈吉、泡坂妻夫との共著)
「月蝕領宣言」立風書房 1979年
「とらんぷ譚」平凡社 1980年
「薔薇への供物」龍門出版社 1981年(短編集)
「夜飛ぶ女」講談社 1983年(短編集)
「金と泥の日々」大和書房 1984年(連作短編集、「ユリイカ」1981年1月-82年10月号)
「名なしの森」河出書房新社 1985年(短編集)
「夕映少年」雪華社 1985年(短編集)
「他人の夢」深夜叢書社 1985年
2 :
吾輩は名無しである:2007/09/28(金) 14:47:52
詩・エッセイ
「彼方より」深夜叢書社 1971年(日記、詩集「戦前詩編 水星の騎士」、短編)1975年に増補版
「黒衣の短歌史」潮出版社 1971年
「眠る人への哀歌」思潮社 1972年
「黒鳥の旅もしくは幻想庭園」潮出版社 1974年(エッセイ集)
「ケンタウロスの嘆き」潮出版社 1975年(文学論集)
「薔薇幻視」平凡社 1975年(書下しエッセイ)
「香りへの旅」平凡社 1975年(書下しエッセイ)
「中井英夫詩集(現代詩文庫66)」思潮社 1976年(「眠る人への哀歌」「水星の騎士」他)
「香水に寄せる11の脚韻詩の試み」世界文化社 1978年
「地下を旅して」立風書房 1979年(エッセイ集)
「香りの時間」大和書房 1981年(エッセイ集)
「流薔園変幻」立風書房 1983年(戦後日記1975-82年)
「黒鳥館戦後日記 西荻窪の青春」立風書房 1983年(戦後日記1945-46年)
「地下鉄の与太者たち」白水社 1984年(エッセイ集)
「続・黒鳥館戦後日記 西荻窪の青春」立風書房 1984年(戦後日記1947-49年)
「月蝕領崩壊」立風書房 1985年(戦後日記1982年)
「暗い海辺のイカルス達」潮出版社 1985年(エッセイ集)
「中井英夫戦中日記 彼方より 完全版」河出書房新社 2005年
3 :
吾輩は名無しである:2007/09/28(金) 14:48:47
4 :
吾輩は名無しである:2007/09/28(金) 14:51:49
この地球という流刑地に流された流刑囚たち
同胞を求めて語りましょう。
5 :
吾輩は名無しである:2007/09/28(金) 21:40:38
沿線に住んでたので羽根木公園にはよく散歩に行ったな。
ばったり出合わないかと思って。
果たせぬまま訃報に接してしまった。
6 :
ホモ江:2007/09/28(金) 23:15:20
腐女子の三浦しをんが不愉快だわ。。。
訃報を知ったときはほんとうにショックだったなー。
私が中井さんの著作に出会ったときは、もう書けなくなって、健康状態も
よくないようなことは聞いていたので、いつかこういう日が来ると予想し
て、新聞の訃報欄欠かさずチェックしてたのに、いざほんとうになってみ
ると愕然として、見ず知らずの人なのに、うちのめされた。
生前にファンレターの1通も送っておくんだったと心底後悔しました。
9 :
武陽陰士 ◆ATDF4vFZys :2007/09/29(土) 11:13:49
人は美のために死ねるだろうか。
「幻想博物館」建石本、やっと手に入れた。
幻想、上野球版の方が珍しくない?
12 :
吾輩は名無しである:2007/10/25(木) 07:02:23
古書店では上野球版しか見たことないなー
13 :
吾輩は名無しである:2007/10/31(水) 10:12:46
オクに「星の不在」限定310部の288番出品中。
20000円だと・・・
こんなのも
墓地 終りなき死者の旅 1981 白水社
月蝕領映画館 1984 潮出版社
磨かれた時間 1994 河出書房新社
15 :
吾輩は名無しである:2007/11/04(日) 01:00:17
こんなのも
LA BATTEE 1981 立風書房
黄泉戸喫 1994 東京創元社
16 :
吾輩は名無しである:2007/11/04(日) 20:02:20
む
17 :
吾輩は名無しである:2007/11/10(土) 11:44:50
中井読みの友達が欲しい。
18 :
吾輩は名無しである:2007/12/03(月) 13:50:37
スレタイは「この地球という流刑地」がよかったなぁ。
このことばに救われた20歳の自分。
19 :
吾輩は名無しである:2007/12/10(月) 15:16:00
命日age
個人的に「黒鳥忌」と呼んでいる。
20 :
吾輩は名無しである:2007/12/10(月) 20:07:09
命日ですね。
面識のない人の死でこれほどショックを受けたのは初めてでした。
ホモ英ちゃん
23 :
吾輩は名無しである:2008/03/20(木) 22:30:56
この方の作風はどういうの?
幻想文学に分類されるけど、表層の道具立てが耽美、幻想風味なだけで、
実質はかなりの社会派だと思う。
自身の戦争体験を核にした戦後社会批判が、どの作品にも通奏低音として
流れている。
建石の画集が手にはいらない
まずオークションにもでないし、出ても高杉orz
>>24 丁寧にどうもありがとう
中井さんは三島由紀夫が好きだったみたいですが、作風も少し似ていそうですね
一番のお勧めは何ですか?
虚無への供物以外、手に入りづらい。
幻想博物館が無難にオススメ。
創元の文庫全集なら入手しやすくない?
やっぱりまずは「とらんぷ譚」がおすすめだけど、
「見知らぬ旗」も名作だと思う。
30 :
27:2008/04/02(水) 23:07:31
新聞や週刊誌の中には、しごく単純に三島を異常性格者ときめつけ、最初から彼が自分の文学の主要テーマとして選び貫いた同性愛をも風俗の眼で眺めたあげく、ホモだオカマだと立ち騒ぐ向きまであるのには一驚した。
死んだのは流行歌手でも映画スターでもない、戦後にもっとも豊かな、香り高い果実をもたらした作家である。
彼の内部に眼玉ばかり大きい腺病質の少年が棲み、あとからその従者として筋肉逞しい兵士が寄り添ったとしても、それをただ劣等感の裏返しぐらいのことで片づけてしまえる粗雑な神経と浅薄な思考が、こうも幅を利かす時代なのか。
中井英夫
中井の文章って中井の名前が無くてもわかりやすいな。
文体に独特のリズムがある。
これはアメリカのゲームです。1度やってみてください。
これは、たった3分でできるゲームです。試してみてください。 驚く結果をご覧いただけます。
このゲームを考えた本人は、メールを読んでからたった10分で願い事が
かなったそうです。このゲームは、おもしろく、かつ、あっと驚く結果を 貴方にもたらすでしょう。
約束してください。絶対に先を読まず、1行ずつ進む事。 たった3分ですから、ためす価値ありです。
まず、ペンと、紙をご用意下さい。 先を読むと、願い事が叶わなくなります。
@まず、1番から、11番まで、縦に数字を書いてください。
A1番と2番の横に好きな3〜7の数字をそれぞれお書き下さい。
B3番と7番の横に知っている人の名前をお書き下さい。(必ず、興味の
ある性別名前を書く事。男なら女の人、女なら男の人、ゲイなら同姓の名前をかく)
必ず、1行ずつ進んでください。先を読むと、なにもかもなくなります。
C4,5,6番の横それぞれに、自分の知っている人の名前をお書き下さ
い。これは、家族の人でも知り合いや、友人、誰でも結構です。
まだ、先を見てはいけませんよ!!
D8、9、10、11番の横に、歌のタイトルをお書き下さい。
E最後にお願い事をして下さい。さて、ゲームの解説です。
1)このゲームの事を、2番に書いた数字の人に伝えて下さい。
2)3番に書いた人は貴方の愛する人です。
3)7番に書いた人は、好きだけれど叶わぬ恋の相手です。
4)4番に書いた人は、貴方がとても大切に思う人です。
5)5番に書いた人は、貴方の事をとても良く理解してくれる相手です。
6)6番に書いた人は、貴方に幸運をもたらしてくれる人です。
7)8番に書いた歌は、3番に書いた人を表す歌。
8)9番に書いた歌は、7番に書いた人を表す歌。
9)10番に書いた歌は、貴方の心の中を表す歌。
10)そして、11番に書いた歌は、貴方の人生を表す歌です。
この書き込みを読んでから、1時間以内に10個の掲示板にこの書き込みをコピーして貼って下さい。
そうすれば、あなたの願い事は叶うでしょう。もし、貼らなければ、願い事を逆のことが起こるでしょう。とても奇妙ですが当たってませんか?
34 :
吾輩は名無しである:2008/06/21(土) 01:53:09
狩人のお兄さんが好みのタイプだったみたいね
竹本健治の『ウロボロスの基礎論』にエピソードが載っていたよ
※中井さんのファンはこの本は読まなきゃだめだよ
天啓の器も忘れずに。
36 :
吾輩は名無しである:2008/06/23(月) 00:02:42
「天啓の器」は笠井潔さんの作品ですね。
「ウロボロス」はまだ読みかけなんだけど中井さんの葬式の様子も描かれて
います。短歌絶叫コンサートで有名な福島泰樹が読経したそうです。
先日より「とらんぷ譚」を読んでます。
すでに「幻想博物館」を終え、「悪夢の骨牌」も10月を迎えましたが、実に面白い。
ブラッドベリの初期短篇を更に硬く透明度を増して結晶させたような味わいですね。
つい最近、「虚無への供物」も読了しましたが、
第一・第二の殺人はやや退屈でページの進み具合も芳しくなかったのですが、
第三の殺人の土俗的とも呼びたくなるようなグロテスクと生々しさに驚き、
後半は一気に読み終えてしまいました。
旧講談社文庫版の解説者がドストエフスキーに少し触れていましたけど、
犯人の肖像にはやはりラスコーリニコフ的な一面を感じますし、
事件全体の印象は「悪霊」の血生臭さと黒い笑いに近いものを感じた瞬間もありました。
(解決編でその印象は半分以上間違いであったことに気付きましたが・・・)
39 :
吾輩は名無しである:2008/10/01(水) 00:28:10
とらんぷ譚は悪夢の骨牌がいちばん好きだな
たとえ作者が駄作と言おうとも…
40 :
吾輩は名無しである:2008/12/10(水) 09:57:04
――その人々に
ALIPROJECTの宝野アリカが中井ファンだと知った
意外なところに支持者がいるなあ
作風聴くとなるほどなと思うところはある組み合わせですね。
43 :
吾輩は名無しである:2009/02/28(土) 00:52:05
寺山修司の葬儀の模様を伝えるワイドショー。
中井先生が献花をされるようすが写っています。
http://www.youtube.com/watch?v=4w33uVlYfR0 寺山修司を世に出したのは中井先生なのに。インタビューくらいあって
もいいのになぁ。でも、だからこその「黒衣の短歌史」なんだよねぇ・・・。
自分はまったくそういうことをしない人間なんだけど、訃報を知った
ときには、なぜご存命のうちにファンレターの1通でも書かなかった
かと悔やまれて悔やまれて仕方がありませんでした。
>>43 参列者の最初の映像からけっこう頻繁に映ってますね。
当時のTVクルーの文化的素養が感じられます。
東海林さんも美輪さんも若い
46 :
吾輩は名無しである:2009/03/01(日) 22:25:54
虚無への供物って、結局、犯人は「時代」ということでよろしいんでしょうか?
あと、中井さんは、なぜか同性愛者という雰囲気が感じられませんね。
理系というより、もっと抽象的な数学者のような顔をしている。
「時代」というよりは、「人間の、他の人間に対する善意の欠如」「他人の生命に
対する責任感の欠如」といった、誰の心の中にもある「自分さえよければいい」「こ
のくらいまあいいか」といった無責任さ、ではないかと思います。
中井先生がいまの世相(「事故米」の流出や、乳製品へのメラミン混入、派遣切りなど)
をどのように評するか、是非聴いてみたかったところです。
中井作品の挿絵を手がけていた建石修司が、中井の第一印象を「おお、厳格なる数学よ」
と言ってますねw
>46
いま「続・黒鳥館戦後日記」を読んでるけど、女性に恋したりしてるよ。
戦中日記にも大本営で働いていた「紫の君」との熱烈な恋愛が書かれてますね。
結婚も考えるくらいだったらしい。
一方で「半身」と呼ぶ存在はB公だったわけだから、バイセクシュアルだった
んでしょうね。
ちなみに、ミステリ作家の竹本健治氏によると、「ジュリーよりはショーケン
が好みのタイプ」だったらしいですw
52 :
sage:2009/04/30(木) 00:25:19
虚無への供物のアナザーストーリーみたいなものがあるって聞いたんですけど
それって、どれか分かりますか?
大体検索してみたんですけど、それっぽいタイトルのものが見つかりませんorz
『虚無への供物』の第一稿は作品が50年代の会員制ゲイ雑誌『アドニス』
に連載され(未完)ました。長らく幻の小説だったのですが
『小説推理・05年1月号』にその一部が発表されました。単行本収録はまだないと思います。
作者によると『虚無への供物』が「植物と色」の物語なので
「動物と匂い」、「鉱物と音」の物語で3部作にしたい、という「構想」
だけがインタビューやエッセイで触れられています。
実際には書かれていません。
「空しい音 愛読者探す登場人物」という『虚無への供物』の登場人物が
後日談を語るという短編があります。『中井英夫全集・6巻』に収録されています。
相沢さんは元気かな
>>53 ありがとうございます
前から気になっていたので早速読もうと思います
>>54 アイちゃんは結婚して子供が三人おるがな。
しかもみんな女の子。
今更だけどアドニス版の載った小説推理欲しかったとぼやいてみる
文庫化してくれないかな
アドニス版『虚無への供物』は05年当時、いつか本にしたいと編集者がいっていたが、
まだ実現してないのか
自分は図書館で『小説推理』をコピーして読みました
全体の半分ぐらいしか収録されてませんが
だったら、本にならないだろね
何となく書いてみたら意外と人居たんだな
アドニス版はやっぱりアレだから出来ないんだろうか
そのへんのBL本の方がよっぽどやばいのに
三島由紀夫とか塚本邦雄とかの作品も入れて
アドニス傑作集を出したいという企画も聞いたことがある
「往書月刊アドニス特集号」より
すいません間違えました『彷書月刊』(ほうしょげっかん)でした
2006年3月号「特集アドニスの杯」です
もう少し資料が知りたい人には
『回想 回転扉の三島由紀夫』堂本正樹著文春新書にも少しアドニス関連の事情があり
『トーキングヘッズ叢書No.23 昭和幻影絵巻』にも志賀信夫氏の
「中井英夫『虚無への供物』の闇」という論考が載ってます
ぜひ読みたいなぁ。
中井さんは同性愛者というか、性同一性障害なんじゃないかな・・・
>>63 言いたい事はそれとなく分かるw
父親との不和も影響大な感じだけどね
65 :
吾輩は名無しである:2009/11/07(土) 23:52:00
変ないい方だけど、AとBの関係ってなんかうらやましい。最期がああだったとはいえ…。
「間違っていた。なにもかも」だっけ?
これ死の間際に言われた中井は相当つらかっただろうなー。
後年、アル中になってからの中井が、昔は酒なんて飲まなくて、仕事帰りに
ケーキを買って帰ってBと食べるのがなによりの楽しみだったのに、どうし
てこんなことに・・・と書いていたのが切なかった。
夏に法昌寺の供養塔にお参りして来た。
すごくちっちゃかったけど、あれでもそれなりのお値段はするんだろうなー。
白薔薇をお供えしたかったんだけど、近所のお花屋さんにピンクと赤しかなくて(下町の
小さい店だからね)、娘からのお供えなのでピンクでもいいだろう、と妥協した。
この世に残された骨になんの意味も見出しはしないけど、Bとはずっと離れ離れなんだ
ね。
いつか山口市のお墓にもお参りに行きたい。
命日が近づいてきましたね。
見ず知らずの人の死にこんなに衝撃を受けたのは中井先生ひとりです。
勝手に「黒鳥忌」と名づけて毎年歌を読んでいます。
よく太宰のことを「永遠の思春期」みたいな言い方するけど、中井先生もその眷族だと
思います。
ただ、中井先生の青春を止めたのは戦争だということ。
69 :
吾輩は名無しである:2009/12/09(水) 05:31:36
まもなく代表作「とらんぷ譚」の文庫新装版の1巻目が発売ですね。
装丁とか、中井らしいものにして欲しいけど、新規読者を獲得するためには
いまふう(太宰の表紙を人気イラストレーターに描かせるとか)のデザインが
必要なのかな…
建石さんの絵が消えてしまったら問題だなあ
一方で今の読者にも読んで欲しいし
BLや美少年、ゴシック趣味、個人の夢想から時間旅行なんてラノベに近い
『虚無』の終わり方なんてセカイ系ともいえなくもない
文体だけは中井作品は桁違いだと思うけど
若い読者にも届いて欲しいもんだ
ご冥福をお祈りします
72 :
吾輩は名無しである:2009/12/11(金) 00:02:57
「香りの時間」を読みながら赤ワインを飲みました。
今年は供養塔にお参りできてよかったです。
作品に出会って20年、「この、地球という流刑地」という言葉にどれだけ救われたか。
安らかにお眠りください。
楽天ブックスに幻想博物館きてたけど表紙が建石さんっぽいね
変な改悪入ってなくて安心した
74 :
イケメンジロー:2009/12/14(月) 14:55:05
>>70 >『虚無』の終わり方なんてセカイ系ともいえなくもない
たしかにぃ〜。テレビドラマ風な感じもした。
75 :
イケメンジロー:2009/12/15(火) 02:00:56
アオヒゲ公爵的イメージで消費され過ぎてるキガス
新装版・幻想博物館を本屋で発見
建石さんの絵はそのままだったので安心
隔月で出るらしい
77 :
吾輩は名無しである:2009/12/15(火) 20:11:47
三島や澁澤とどう違うんだ?
彼等のような典型的成り上がり者の子孫でないことは知っているがw
澁澤と比べると女性っぽい。
三島と比べると幻想より。
なにより中井は地上が嫌いだった。
79 :
吾輩は名無しである:2009/12/15(火) 22:28:53
…と言いつつ、「この世のこと」に深い関心を寄せていた、と文庫版全集の解題で元担当編集者さんが
書いていたよ。
かなり具合が悪くなるまで新聞記事の詳細なスクラップを続けたことも有名。
作品を読んでも、幻想小説の骨格をとりながら、現代社会に対する鋭い批評精神が根底に流れている
ことがわかる。
○○と比べて…とか、ある程度の傾向をご存知なら、ここできくより短編集の1冊でも読んだらいかが?
80 :
イケメンジロー:2009/12/16(水) 00:04:29
彼方より、はどうなん?
81 :
吾輩は名無しである:2009/12/16(水) 00:44:25
サヨと言われるかも知れないが、戦争(特に勝てるあてのない)はしないがいいと痛感するよ。
当時の大本営の雰囲気がわかったりして興味深い。
宮さまの上の執務室で、見つかったら粛清間違いなしの手記を書き続けた中井の本質もつかめる。
当時の学生が大政翼賛じゃなかった情勢もわかるし、戦災で愛する人を喪う悲惨さもわかる。
中井の本質は虚構じゃなく、その日記にあるね。
日記がそのまま文学に昇華するのは、ほんとに稀有な運命に生まれた人なんだと思う。
>>79 それは解った上でかいたつもりだった。ごめん
83 :
吾輩は名無しである:2009/12/16(水) 02:08:53
謝らなくていいけど…。そっから話題が広がることもあるだろうし。
いろいろ比較したうえで批評するのもいいよね。
でも自分には中井先生は唯一無二の存在だ。
ある作家に「我が息子」とサインに添え書きをしたそうだけど、娘は認めてもらえそうにないなぁ…。
自分は心の父と思ってるんだけどね。
84 :
吾輩は名無しである:2009/12/16(水) 13:22:53
生身の女性には興味なかったそうですね。
85 :
吾輩は名無しである:2009/12/16(水) 23:36:39
そんなことはないですよ。
日記やあとがきなど、また関係者の証言から、女性と関係があったこと、妊娠させた女性に堕胎させたこと
などがわかります。
ただし、結婚という制度については完全に否定的だったらしく、歴代の助手が結婚をきっかけに中井先生
との縁が切れているようです。
お父様がDV傾向のある方で、苦しむお母様を見ていたので、幸福な結婚というイメージがなかったのかも
知れないですね。
あと自分が父親という立場になる事にも抵抗がありそうな感じがするね
ところで、age進行になりつつあるけどここって大丈夫なんだっけ?
特に決めてなかったです。
正直マイナーな方なので、できるだけ目立つように自分はageてました。
age、sageは自由ということではいかがですか?
確かにマイナーな人だから荒らしも少ないし大丈夫か
見てる人の数からして落ちたら次に何時立つか分からないしね
何時も居てる所はsage進行だったからちょっと気になっただけなのであんまり気にしないで下さい
89 :
吾輩は名無しである:2010/03/27(土) 12:10:44
新聞や週刊誌の中には、しごく単純に三島を異常性格者ときめつけ、最初から彼が自分の文学の主要テーマとして
選び貫いた同性愛をも風俗の眼で眺めたあげく、ホモだオカマだと立ち騒ぐ向きまであるのには一驚した。
死んだのは流行歌手でも映画スターでもない、戦後にもっとも豊かな、香り高い果実をもたらした作家である。
彼の内部に眼玉ばかり大きい腺病質の少年が棲み、あとからその従者として筋肉逞しい兵士が寄り添ったとしても、
それをただ劣等感の裏返しぐらいのことで片づけてしまえる粗雑な神経と浅薄な思考が、こうも幅を利かす時代なのか。
異常というなら、わけ知りの、ありきたりの、手垢まみれな説の援用でなしに、その淵に息をつめて身を潜め、
自身の眼でその深みの神秘をさぐろうとはしないものか。この一九七〇年代に、異常というレッテルを小抽出しに
張って、もうそっぽを向いていられる“正常人”がこれほど多いというなら、それこそが異常の証しであろう。
中井英夫
「ケンタウロスの嘆き」より
90 :
吾輩は名無しである:2010/03/27(土) 12:11:04
(中略)
ただ、あれほど感性すぐれた彼に、いま一言、突っこんで話をしたかったと思うのは、ぷよぷよとした肉体、
指で押すとちょっとの間はへこむが、またすぐ元に戻って知らん顔をする、さながら腐肉そのままの感触を、
何よりも徹底して憎悪していたのではないか。なぜそれを最後まで、ありのまま憎みとおさなかったかという
点である。「世の中すべて気に入らぬことばかり」にしろ、われわれを包んでいる情況の本質がそこにあり、
一番の敵がそれであることは三島も当然知りぬいていたので、この気持もまた、彼の死後にも変わらない。(中略)
芥川や太宰が、なぜ志賀直哉と長生き競争をしなかったのか、私には不思議でならない、というより、無理にも
そう思いたいのだ。三島にも、また。
中井英夫
「ケンタウロスの嘆き」より
91 :
吾輩は名無しである:2010/03/27(土) 13:04:42
なんだ中井正一と混同していたよw
じゃ、また今度w
92 :
イノウエ・アル:2010/03/27(土) 17:04:16
中井英夫にはこの世にまともに生きられないきことの誇り、かなしみと嘆きがきこえてきます。
「女?おれはそこから生まれてくる、魂のなかに、死を抱いて...(ラフォング)」
『凶鳥の影』という推理小説家たちが中井に追悼をささげているアンソロジーがありましたが、
津原泰水『ピカルディの薔薇』と嶽本のばら『流薇園の手品師』が秀逸だったと記憶しています。
これは異なる作家の作品ですが
トランプはトートランドとトランペットではなくトランプ類税に挟まれて...
そういう世界なのですよね...
流薇園の主に...いとすこしの回向のことばを...死者はなにより沈黙をおそれるとききましたので...
そういやのばらって今なにやってるんだ?
94 :
イノウエ・アル:2010/03/27(土) 18:53:57
>>93 逮捕後に短編集とその事件をあつかった小説をかいてましたが...
凶鳥の影は皆川博子と赤江瀑が一番だった。それ以外は中井と名前を並べて欲しくないと…
96 :
イノウエ・アル:2010/03/28(日) 15:10:11
そうですか、ぼくは津原と嶽本の作品が好きですが...侮辱みたいな作品もありましたね...
『凶鳥の影』はほとんどの作家が『虚無への供物』をあつかっていて、
『とらんぷ譚』をあつかったふたりにぼくが感情移入してしまったのかもしれませんね。
津原はともかく嶽本の短編はなかなかとおもうのですが...
技巧的で、カルヴィーノ『宿命の交わる城』を使ってましたね。
おやはや(笑)中井は別格としても、現行の連中は中井の遺産を食い潰しておるように思えるものも多いのですけれどもねぇ(笑)おやはや(笑)さて果て(笑)
98 :
イノウエ・アル:2010/03/28(日) 15:41:45
>>97 否定できないところが痛いですね。
津原の短編集『たまさか人形堂物語』のなかの『最終公演』はなかなかいい作品とおもいますよ。
すこしばかり奇妙な味でして。
99 :
吾輩は名無しである:
中井英夫の愛人では誰と誰とが有名ですか?
もちろん男性ですよ。