1 :
吾輩は名無しである:
鴎外のスレがなくなったようなので立てておきます。
漱石と並ぶ明治の大文豪ですが、現在では前者と比べ言及される機会も少なく、愛読者としては残念な思いもしておりますが、
舞姫、うたかたの記など初期の作品から、青年、雁といった代表作、晦渋な晩年の史伝まで、ここでは幅広い議論ができれば幸いです。
(「鴎」の字は常用外です)
「普請中」ってよく分からんかったのだが、どういうことだ?
何を描きたかったんだ、ただの私小説か?
アフォでスマソ・・・
3 :
名無し募集中。。。:2006/11/26(日) 00:52:23
新スレおめっ\(^O^)/
>>2 背伸びをして海外列強の仲間入りをしたつもりでも「日本はまだ普請中だ」ということが一番書きたかったのでは。
そういうありきたりの事くらいしか思いつかない・・・・・orz
前スレで幾度も「普請中」を押していた人がいたから、その人に意見を聞いて見たい。
牛鍋が好き
即死防止あげ
7 :
吾輩は名無しである:2006/11/26(日) 19:03:50
>>6 あげてないじゃん。
>>1 「代表作」という言葉が気になったんだけど・・・世間的に最も知られているのが「舞姫」でしょう。
次が「高瀬舟」あたりかな? でも識者に最も評価が高いのが「渋江抽斎」だよね。
「雁」や「阿部一族」も無視できないし、色んな分野で活躍しただけあって、この人の場合「代表作」
を挙げるのは非常に難しいね。
8 :
7:2006/11/26(日) 19:08:45
訂正
×色んな分野で活躍しただけあって
○色んな方向性の作品を発表したから
変な文章でスマソ
即死防止さげ
去年、日本楽劇協会のために書き下ろしたが日清戦争のあおりをくらって没ってしまったオペラ「オルフェエとウリディーチェ」の訳詞「オルフェウス」が東京芸大で舞台世界初演。紀伊国屋に公演DVDあり。
また鴎外が漢詩の基ネタとした「ゼッキンゲンのトランペット吹き」の抜粋上演が東京である。
それと、ぁー(汗)、「舞姫」のエリスとその娘が活躍する映画が12月に・・・
11 :
吾輩は名無しである:2006/11/27(月) 07:58:07
即死防止あげ
鴎外好きの人はやはり荷風好きなのだろうか?俺はそうだが。
13 :
吾輩は名無しである:2006/11/27(月) 23:45:46
>>12 鴎外好きだけど、荷風はあんまり読まないな
鴎外はとかく難解と言われているけど、むしろ思考の過程が文章に直結しているから案外読みやすい
漢語に興味があればすんなり読める所があると思う
荷風より読みやすいよ、俺は
三島あたりとくらべてもずっと簡潔な文章を書いてると思うよ
全集はまだか岩波。
15 :
名無し募集中。。。:2006/11/28(火) 07:03:39
荷風は断腸亭日乗くらいしか持ってないなぁ
荷風が鴎外を崇拝しているからな
鴎外に強い影響を受けた文学者
永井荷風、芥川龍之介、中島敦、太宰治、石川淳、三島由紀夫、平野某
とっさに思いつくだけでもこれだけ居るが、漱石の場合もっと居るだろうな、てか日本のほとんどの文学者
>>16 白樺派のメンバーは鴎外のことは殆どと言っていいほど尊敬していなかったそうだ。
そもそも志賀直哉あたりが、鴎外の史伝をすらすら読みこなせるとは思えんからな。
有島武郎あたりなら読んでそうな気もするけど。
20レス逝けば即死は無くなるんだっけ
>>13 逆にえ゛っ!?こーいった感情までロジカルなのぉ?、とおもふ時もまれにある。
ろじかるといえばスレ違いですけど泉鏡花も文章は非常に論理的だぁ、と評価する人もいる。
>>21 性的感情なんかを真面目に冷静に論理的に分析したりするからね、鴎外は
鴎外が難しい、読めないなんて言う人がいるけど
鴎外の作品は、どれも読みやすいし、解りやすい。
>>10 音楽以外にも絵画の振興にも尽力してたらしい。
>>15 「四畳半襖の下貼り」工房んときまわし読みした。
作品と本人の人格は別とはいえ、鴎外はちょっと人殺しすぎだからなぁ
たとえばヒットラーや安部英が文学者だったとして、その内容について肯定的に
語られてよいものだろうか?
阿部一族難しいですよ
NHK某番組にて鴎外作品が平積みされる事が決定されました!!w
どの番組よ。
クリスマスには鴎外と実相寺氏を想いながら恋しい人と愛の特撮アクション「シルバー仮面」を観に行きましょう・。*゜+゜。*
32 :
吾輩は名無しである:2006/12/18(月) 19:28:57
恥ずかしい話だが『最後の一句』の結末を教えてくれ。
結局タロえもんは処刑されたのか?
35 :
吾輩は名無しである:2006/12/30(土) 17:21:55
ドイツ三部作はある程度実体験に基づいているらしいが、
うたかたの記のマリィの死は、幾ら何でも創作だよな?
最も、王は実際に小説に書いてある日に死んだそうだが。
36 :
吾輩は名無しである:2007/01/02(火) 11:27:33
?タ・セクスアリス読んでるんだが、
↑ここ何て読むの?
「キ」に似てるからついキタ・セクスアリスと読んでしまって、
なぜかキタキタおやじを連想してしまうのをいい加減なんとかしたい。
ワ行のカタカナもよめない無知をなんとかしたい。
「ウィ」と書けない鷗外の無知をなんとかしたい。
ゐ(ひらがな)→ヰ(カタカナ)だよ。
最近は50音が正確に書けない国文科の学生も多い。
ゑ(ひらがな)→ヱ(カタカナ)とかね。
エタ・セクスアリス?
現代仮名遣だと
イタ・セクスアリスもしくはウィタ・セクスアリス
気取った題名付けやがって
42 :
36:2007/01/03(水) 12:25:35
そうなんだ。「ヱ」も知らなかった。
恥さらしと自覚しつつ質問して良かった。
ヰもヱも気持ち悪い字だな。
たとえ知らなくてもちょっと考えればわかる事を教えてくれてさんきう。
で、ヰタ・セクスアリスって一体何の事?
うんこが出そうで出ないようなむず痒い気分で半分くらい
読み進めてるんだが。
全部読んだらわかるよ
性の発現
とかなんかそんな感じ。
性的生活
性欲的生活
本当に恥さらしだわね
47 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/21(日) 22:31:23
48 :
吾輩は名無しである:2007/01/22(月) 17:22:47
ロマンチーック!
49 :
吾輩は名無しである:2007/01/23(火) 12:50:10
「青年」神作。
50 :
吾輩は名無しである:2007/01/23(火) 18:51:42
去年末に、津和野に初めて行ってきました。
漱石『三四郎』と鴎外『青年』とを比較すると、鴎外の方は外国語の乱舞により
難解な印象を与えるので、「何だ、このエリート意識丸出し野郎!」って思った。
でも、遺言の「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」を読んだ後、
『舞姫』を読んだら、自分の意志で物事を決められないエリートって悲しいなって
思ってしまった。
結局、鴎外の文体の明晰さって、自らの意志に基づくものではなく、
西洋に国家代表として送りだされた悲哀の表象なのではないか、と思ったよ。
『妄想』や『かのように』が好きだ
52 :
natukaze:2007/01/31(水) 01:34:11
鴎外の面白味って何?
54 :
吾輩は名無しである:2007/01/31(水) 16:45:53
鴎外と言えば、「史伝」でしょう。
55 :
吾輩は名無しである:2007/01/31(水) 23:36:35
高瀬舟だよ
>鴎外の文体の明晰さって、自らの意志に基づくものではなく、
>西洋に国家代表として送りだされた悲哀の表象なのではないか、
意味がよくわからないなあ。
57 :
吾輩は名無しである:2007/02/04(日) 18:45:57
「雁」読み終えた。
末造夫婦の行く末が少し気になる。
58 :
吾輩は名無しである:2007/02/16(金) 00:47:28
ヰタセクスアリス読んだが、舐めとんのか!!鴎外は九州人が皆ゲイだと
でも思ってるのか?特に逸見が主人公犯そうとする場面は、熊本出身の
俺としては不快だった。
でも作品としてはなかなか面白かった。この作品のせいで、「昴」と
いう雑誌が発行禁止になったそうだが、著者としては心外だろうね。
現代人の目から見れば、むしろ健全な青春自叙伝のような印象なんだがw
59 :
吾輩は名無しである:2007/02/16(金) 12:48:42
娘の森茉莉の方が好きだ。
60 :
名無し募集中。。。:2007/02/22(木) 19:51:21
鴎外の漢詩集がもっと安上がりで手に入らないものだろうか…
明治書院や岩波書店の香具師は上下合わせて壱万円前後して高いんだよな
古本屋はどうよ。
ところで今日、岩波の全集が来たよ。
旧字、旧かなで満足だが、ルビが殆どないのが残念。
同時に来た紅葉全集の復刻版は総ルビで文字も大きいだけに尚の事。
ヰタ・セクスアリス読んだがなかなか良いな。
他の作品もどんどん読んで逝こう。
舞姫どう思う?
64 :
吾輩は名無しである:2007/03/28(水) 17:46:31
>>63 抽斎が好きな俺でも舞姫を再読しようという気にはならんな。
舞姫や即興詩人は今では、既に滅んだ擬古文の非常によく出来た見本としての価値しかないんじゃないか?
なんて書くと舞姫好きの人に怒られそうだけど・・・・
未だに舞姫を載せている幾つかの教科書があるけど、教材として適切であるとは思えないな。
>>64 漏れは『即興詩人』は三回くらい通読したぞ。
あんな美しくてポエジーな文体は鴎外しか書けないと思うぞ。
次は音読しろ
67 :
吾輩は名無しである:2007/04/02(月) 07:33:27
舞姫の感想ってあります?
結局最後ってエリス捨てるのか?
68 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 00:21:40
エリちゃんは捨てられて発狂するのだ。
『舞姫』という小説は、そう馬鹿にしたものでもない。
70 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 00:44:58
鴎外はださい演劇くさw
71 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 00:54:23
歌舞伎アレンジしたみたくなだせー情景描写w
72 :
名無し募集中。。。:2007/04/04(水) 03:08:01
ださいスかね
儂はカメラのように精密な情景描写だと思いますた
俺もそう思う。
ステンドグラスみたいに美しい。
74 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 10:32:52
75 :
吾輩は名無しである:2007/04/04(水) 16:17:59
「寒山拾得」の最後がどうも気になるのですが。
「驚いて跡を見送つてゐる閭が周圍には、飯や菜や汁を盛つてゐた僧等が、ぞろぞろと來てたかつた。」
僧たちはどうして閭のまわりに「たかって」来たのでしょうか。
>>75 何が起こったのだろうという好奇心と、要人に対して無礼があったのではないかという心配からじゃない?
五つも六つも肩書きを並べる閭に対して、寒山と拾得はそれを小馬鹿にする反権威の象徴として描かれていて、
他の僧侶たちは一応、要職にある閭を形の上では敬う常識人として描かれているからね。
でも、確かによく分からん所のある作品ではある。
俺も『即興詩人』の文章は美しいと思う。
鴎外にしてみれば、「これくらい訳せるよ」という感じで訳したんだろう。
78 :
75:2007/04/04(水) 17:55:21
>>76 早速のレス感謝です。
好奇心と心配から集まってきたということですね。
そういわれればおっしゃるとおりの気もします。
「たかった」という表現が、なんだか閭を取り囲んで何をするかわからない不気味な
ものを感じたのですが、これは読み違いですね。
>>78 いや、俺の見解が合っているかわからないよ。
確かに「飯や菜や汁を盛つてゐた僧等が、ぞろぞろと來てたかつた」
と字面を見ると、物乞いがわらわら集まってきたような気味の悪い印象があり、
芥川の「蜘蛛の糸」みたいな場面を想像してしまうから。
何か別の意味があるんかもね。分らんね。
そもそも鴎外があの小説を書いた意図も俺にはよくわからんのよ。
「盲目の尊敬」という言葉や文末に縁起が附されてはいるんだけど、
「高瀬舟」ほど執筆の意図がはっきりしていないよね。
だれかわかる人教えて下さい。
鴎外の随筆を久しぶりに読み返していて、「長谷川辰之助」という作でなんとも言えない感動を覚えた。
インド洋上の船の中で二葉亭の臨終の様子が描かれている。
鴎外は総て自らの想像で描いているのだが、その文章に故人に対する哀惜の念が溢れている。
81 :
名無し募集中。。。:2007/04/05(木) 03:22:49
故人に対する哀惜の念といえば羽鳥千尋も良いねえ
82 :
75:2007/04/05(木) 11:42:35
>>79 「寒山拾得」を読むと、肩書きや栄誉を重んじる人間がいい気になっているのを
大笑いして相手にしない寒山と拾得の様子に痛快さをおぼえます。
そういうスノッブと非俗の対比を描くのが鴎外の意図だったのではないでしょうか。
鴎外自身はエリート的な身分を脱しないまま文学の中で自由な精神を求めた。
世間的栄誉の中に生きながら非俗的な人物に惹かれた鴎外だからこそこの作品を書いた、
と思うのですが。
>>82 さらにそのエリートである閭が脱俗の宗教者に対して「盲目の尊敬」
を抱いているというちょっと複雑な関係になってるね。
結局エリート官僚が、世間一般の流儀で脱俗の徒に近づこうとしたわけだが、
うまくいかなかったといった所かな。小説の筋としては。
84 :
75:2007/04/05(木) 13:15:31
>>83 同意です。
全體世の中の人の、道とか宗教とか云ふものに對する態度に三通りある。
自分の職業に氣を取られて、唯營々役々と年月を送つてゐる人は、道と云ふものを顧みない。
これは讀書人でも同じ事である。勿論書を讀んで深く考へたら、道に到達せずにはゐられまい。
しかしさうまで考へないでも、日々の務だけは辨じて行かれよう。これは全く無頓著な人である。
次に著意して道を求める人がある。專念に道を求めて、萬事を抛つこともあれば、日々の務は怠らずに、
斷えず道に志してゐることもある。 儒學に入つても、道教に入つても、佛法に入つても基督教に入つても同じ事である。
かう云ふ人が深く這入り込むと日々の務が即ち道そのものになつてしまふ。
約めて言へばこれは皆道を求める人である。
この無頓著な人と、道を求める人との中間に、道と云ふものゝ存在を客觀的に認めてゐて、
それに對して全く無頓著だと云ふわけでもなく、さればと云つて自ら進んで道を求めるでもなく、
自分をば道に疎遠な人だと諦念め、別に道に親密な人がゐるやうに思つて、それを尊敬する人がある。
尊敬はどの種類の人にもあるが、單に同じ對象を尊敬する場合を顧慮して云つて見ると、
道を求める人なら遲れてゐるものが進んでゐるものを尊敬することになり、こゝに言ふ中間人物なら、
自分のわからぬもの、會得することの出來ぬものを尊敬することになる。そこに盲目の尊敬が生ずる。
盲目の尊敬では、偶それをさし向ける對象が正鵠を得てゐても、なんにもならぬのである。
85 :
吾輩は名無しである:2007/04/05(木) 14:38:00
鴎外の一番弟子って荷風かな? だれか教えて?
86 :
吾輩は名無しである:2007/04/05(木) 15:03:33
>>85 鴎外は党派を作らないし、弟子は取らない人だったので、年下の友人というものはあっても
弟子というものは無い。
鴎外に、文学上・進路上のことでアドバイスを受けた人というと
永井荷風や木下杢太郎がいるけど、単に私淑していた同時代人となると無数にいる。
石川淳は学校に行く電車の中で鴎外を見かけて感動したと書いているし、
樋口一葉が世に出るきっかけとなったのが、鴎外・露伴・緑雨の『三人冗語』で誉められたことだし、
関川夏央原作の漫画の中では嘘かまことか実に様々な文人が鴎外と関係している。
でも、正確な意味での弟子という者は無い。
88 :
吾輩は名無しである:2007/04/05(木) 17:00:21
私淑かあ〜、いい言葉だね。若者の特権だよね〜♪
「私淑」では足りないという人もいる。
小田実なんかは中村真一郎のもとに強引に押しかけて行った。
90 :
吾輩は名無しである:2007/04/15(日) 18:45:08
小田実はホモの研究家だったとのことですが。ちなみに実践はしてないとのことでした。
91 :
名無し募集中。。。:2007/04/17(火) 07:57:54
二人の友で鴎外がFくんにラムネをおごってもらうシーンがありましたが明治時代にもラムネってあったんですね
知らなかったの?
保守
94 :
吾輩は名無しである:2007/06/01(金) 20:45:24
小林よしりの本によると山椒大夫はその後死刑になり、
ノコギリでゆっくり体をきられたんだそうです。
ほんとうでしょうか。
知っている人がいたら出典おねがいします。
>>94 元ネタの話でしょ。
ノコギリできられるかどうかは忘れたけど、厨子王に酷い仕返しをされるのは確か。
96 :
吾輩は名無しである:2007/06/01(金) 21:13:35
出典おねがいします。
出典おねがいします。
出典おねがいします。
99 :
吾輩は名無しである:2007/06/01(金) 21:23:51
出典おねがいします。
100 :
吾輩は名無しである:2007/06/01(金) 21:24:34
出典おねがいします。