1 :
吾輩は名無しである :
2006/05/04(木) 17:41:15 この人のスレがないのに愕然とした。 「わたしを離さないで」は凄まじい作品だった。
4 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 18:08:03
この人の日本での知名度ってどんなもんなんだろ? ミラン・クンデラくらいかな?
>>1 Rosalyn Landor のナレーションによるCDも出てる。
ペーパーバックスは 1300〜1500円で買える。
6 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 18:18:02
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ著 早川書房 ¥1890 これって翻訳柴田? またチラシの裏に書いて訳したのか…
7 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 18:21:37
いや、訳は『日の名残り』と同じ土屋さん。 素晴らしい訳だと個人的には思う。
日本での知名度は抜群だろ。 だって中学校の教科書に載ってたじゃない。
9 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 18:28:03
>>4 冗談。両親日本人だぜぇ 父親は長崎出身の水産学者。
『日の名残り』でブッカー賞とって知名度抜群では。
映画がまた
アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンでいい仕上がり。
クンデラ知らない種族でも認知してるんでない?
10 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 18:30:27
抜群とまでは言えないんじゃないかな?俺は周りの反応から大体クンデラくらいのものだと思ってたよ。
11 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 18:41:40
>>9 映画言うならクンデラも「存在の耐えられない軽さ」あるし。
ビデオ今でも人気あるくらいだし
本は読まなくても映画観た奴は多いかも
イシグロとどっちが知られてるか、それはわからないけど
12 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 19:02:11
まぁ知名度は置いといて、新刊について語りたい。 読んだ人いる?
13 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 20:33:24
本の売り上げは、ぶっちぎりでイシグロ>クンデラだから 知名度もイシグロじゃないかな。 新作はやばいね。これでさらに日本でもブレークするんじゃないかな。
14 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 20:36:52
タイム100選を宣伝に使うんだろう。
15 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 22:24:01
私は以前「日の名残り」を読んでたいへん感銘を受けました。 また土屋正雄さんの日本語訳がとても良かった。 それ以来カズオ イシグロは私の中では別格の作家です。 しかし他には「浮世の画家」しか読んでおりません。 それも「日の名残り」がとても良かったので少し期待はずれの感がありました。 今度の新作「わたしを離さないで」は読んでみたいと思っていますが、 本の内容に夢中になりすぎて勉強や仕事に差し支えるのではないか、と危惧して おります。「日の名残り」を読んだ時のように。
16 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 23:10:31
>15 もう読んだくせに 白々しい
18 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 23:26:06
『わたしを離さないで』は本当に凄い。 感動とか、感銘とか、言葉では言い表せないし、あらすじを要約して面白さを伝えることも出来ない。 だけど本当に凄い。 静かな凄み、もはや凡百の作家とは別次元にいると感じた。
19 :
吾輩は名無しである :2006/05/05(金) 22:56:36
「わたしを離さないで」今読了した。言い回しに関してはイシグロ節は健在 であり、土屋さんの名訳により非常にリーダブルになっている。 これまでと違うのは、「日の名残り」で見せたようなあえて書かないことに よりテーマを浮き立たせるテクニックから、より直截的に物事を語る方法を 多くとりはじめていることにあると思う。「日の名残り」以降の進歩をみる と、次作はどこの方向に進んでいくのだろうと期待してしまう。
…なんべん読了すりゃ気がすむんだかw もちっと工夫しろよ。
>「日の名残り」以降の進歩をみると、 『充たされざる者』も進歩ですかい?
日の名残り、の映画、今夜の深夜にテレビでやるみたいだね
23 :
吾輩は名無しである :2006/05/06(土) 00:07:00
24 :
吾輩は名無しである :2006/05/06(土) 00:10:05
イシグロといえば『日の名残り』で話題になったあと、 なんか文芸誌に載ったよな、新潮だったかに、 原爆体験したあとの渺茫とした心象を抱えた若い女の話…だったような…。 本になったんかあれ? 不明。
25 :
吾輩は名無しである :2006/05/06(土) 13:40:21
うーん、「私たちが孤児だった頃」の方が良かったような・・・・・
>>24 なっとると思われ『女たちの遠い夏』ちくま文庫じゃね?
27 :
吾輩は名無しである :2006/05/06(土) 18:12:31
短編であれば「戦争のすんだ夏」じゃないかな。たしか、スイッチかエスク ワイアに載ってた気がするが。
『女たちの遠い夏』は『遠い山なみの光』 に改題されて ハヤカワ文庫に入ってるだろ。
29 :
吾輩は名無しである :2006/05/07(日) 18:51:49
新刊おもしろかったんだが、コレは語ったらネタばれになるんじゃないだろうか 人に薦め辛い
30 :
吾輩は名無しである :2006/05/12(金) 18:47:21
今更だがこのスレタイはどうかと思うぞ。 不覚にも吹き出してしまったけど。
31 :
吾輩は名無しである :2006/05/14(日) 10:16:20
「わたしを離さないで」は、苦労して原書で読み終わったとたん翻訳が出たw 苦労した甲斐のあるイイ小説だった。イシグロの宗教的バックボーンがなんであるかは 知らないけど、生粋の英米人ではこういう描き方は出来ないんじゃないかと思いました。
日の名残の翻訳は、中国製陶器(Chinese)を中国人と 訳しているのがちょっと……中国人を磨いてどうするのかと(w
陶器はchinaで、chineseとは言わないのでは?
34 :
吾輩は名無しである :2006/05/20(土) 14:08:53
昨日読み終わりました。 その後、本屋に行ったら、美しい中年女性が この本を手に取り、真剣な表情で帯びの解説 を読んでいました。よほど「買っても損は ないですよ」と言おうかと思いましたが、 自制できました。 また、普段はそんなことをしないのですが、 妻に読むよう薦めました。いや、薦めたと いうより、「読んで感想聞かせて」と 頼みました。 本の感想を言うのがあまり上手じゃないので、 上記のような行動を紹介することで、 本書をお薦めしたいと思います。
だから〜〜 何べん読み終わってもダメだってw ちゃんと中身を書かないと、一匹も釣れない。
36 :
吾輩は名無しである :2006/05/20(土) 14:21:18
>>31 バックボーンは両親の故郷、日本。
中でも、長崎に親族が居て、原爆体験などは身近な実感の範疇。
アメリカよりイギリスが好きって人にはオススメ 深みとコクならカズオだよな
38 :
吾輩は名無しである :2006/05/20(土) 17:20:15
「わたしを離さないで」はマジ感動。絶対に読むべし。 なので、おれも図書館で予約してきた。
「遠い山なみの光」「浮世の画家」もおすすめですよ
40 :
吾輩は名無しである :2006/05/21(日) 00:27:01
村上春樹も大好きらしいな。
41 :
吾輩は名無しである :2006/05/21(日) 08:24:59
「わたしたちが孤児だったころ」はナンジャラホイだったけどな。
あの「ですます」調翻訳はどうなんだろう。 自分はなじめなかった。「日の名残」とは違うんだから。
43 :
吾輩は名無しである :2006/05/23(火) 00:19:04
今日書店でカズオ・イシグロをめちゃく押してるところがあった。 店頭にあんなにイシグロ本が並んでるのをはじめて見たよ。 店長が好きなのかな。
44 :
吾輩は名無しである :2006/05/23(火) 00:27:19
>43 今売らないとどうしようもないから。時機を失するのが一番こわい
45 :
吾輩は名無しである :2006/05/23(火) 00:28:58
>>44 そういうもんか。
もしかして書店員?
でもバカ売れする本じゃないだろ。
よかったけど、映画の"アイランド"なんか先に見てなければ もっとよかったと思う。
47 :
吾輩は名無しである :2006/05/24(水) 23:31:50
多重人格探偵サイコなんてよまなけりゃもっとよかったのに
48 :
吾輩は名無しである :2006/05/25(木) 21:36:16
村上春樹が「美しい英語」ってほめてるけど実際はどうなんですか?
いい文章だと思う。読みやすく心地よい。
50 :
吾輩は名無しである :2006/05/25(木) 22:13:25
そんなにたくさん原書を読んだことがあるわけじゃないけど、単語のリズムがすごくきれいだった。 静かだけどしなやかな強さを感じた。
両親が日本人で日本生まれの人がイギリスに帰化できるものなのかしら?
52 :
吾輩は名無しである :2006/05/30(火) 16:17:29
サントスとか小錦とか
スレタイのセンスのなさがすごい。
要は金さえあればできます。 保証人も知人も地位も肩書も金で用意されます。 ただしその後の幸福な生活が保証されているわけではありません。
一家で移住したのに、何で日本語話せないの? 家庭内でも英語だったの?
『日本語をはなさないで』だったのでわ?
57 :
吾輩は名無しである :2006/06/07(水) 18:05:19
なにこの閑散としたスレ
なんか輝夜姫みたいな予感がするけどどお? まだしばらくは積読だけど。
いや〜良かった。 ネタはたいしたことないんだよな。驚くべき世界の真実も二部に入る前に だいたいわかるし、それでも胸にくるものがある。っていうかちょっと 感動させられ感が強すぎるかも。そこが技術的感心になるか嫌味と感じるか は分かれそう。 こう書くと抵抗ある人もいると思うがノルウェイの森に似た読書体験でしたな 孤児は後半ああ〜このネタでしたか〜っていうのでちょいひきました。
己の宿命に抗えばハリウッド映画で、やむなく受け入れれば文学なんですな。
62 :
吾輩は名無しである :2006/06/24(土) 04:02:54
>>61 そうじゃないけど閑散としすぎだあげ
63 :
吾輩は名無しである :2006/06/27(火) 03:54:56
いま読んでる。ヘールシャムはあやしすぎです。
64 :
吾輩は名無しである :2006/06/27(火) 11:56:26
>>48 春樹のアメリカ英語からみたらイギリス英語はきれいであたりまえ
そんなに凡庸なこと言ったのか春樹は
>>48 カズオイシグロはたしかに美しい英語を書く。
翻訳で読んで感動したら、ぜひ原文も読めと薦めたい。
今日AmazonでNever Let Me Go注文した。
67 :
吾輩は名無しである :2006/06/27(火) 23:54:39
日本的な美意識というか、文章の美しさに和のリズムを感じるというか、ネイティブ視点での英語が綺麗というだけではない気がする。
これミステリ風だけどどこまでネタバレしていいのよ。 途中までしか読んでないけど ルーシー先生だっけ?映画や漫画のお約束だと「メール欄」されててもおかしくない。 退職ってそういうこと?
69 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 01:42:22
コロンビア大?だったと思うが、 「Never let me go」のあらすじをあらかじめ知らせておいたクラスと、 事前情報を何も与えずにおいたクラスで、読み比べの実験を行ったらしい。 結果、面白い、すばらしいと感じた生徒の数には全く差がなかったそうだ。 僕自身もつい先頃再読を終えたところだが、 初読よりもむしろ細部まで味わうことができたように思う。 と、これはネタばれが善いか悪いかにはあまり関係がないかもしれないが。
70 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 20:14:31
感動したっていう人が多いけど、感動なのか?とすっと考えている。 うちの愛する猫の横で肉を食べるとき、どちらの命も魂が宿っている尊いものなのだ という複雑な感情があるが、それを押し殺しているうちに自分をだましきったままが 当たり前になっている。ひとつひとつに感情移入していたら発狂するだろう。 3人は生きることに切実な望みがあったのだろうか。すっとのんびりしているのは 施設での教育のせいなのか? 3人の緻密な関係の表現は、自分のその年頃と重ね合わせオーバーラップするような 生々しさがあった。生への執着の少なさは先を知っているか知らないかの違いで 若い時分というのはわりと無頓着だった気もする。 ・・何が言いたいかというと、自分がどこに感情移入したのか混乱しているのです。 だれか助けてくれ。
読書百遍 意自ずから通ず
72 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 20:43:38
家畜人ヤプーかとおもった
73 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 21:00:02
「人は思っているよりずっと短い間に愛や友情を学ばなければならない。 いつ終わるかもしれない時間の中でいかに経験するか」 イシグロ氏の言葉
>>71 そんな悟ったような物言いではなく、それぞれの感受性から出た言葉で
語り合いたいとおもうんだが。そういう小説だった。
あと感動した、とかいう漠然としたのも小泉かよと。言葉が他に出てこないのかな。
何も言わないっていちばんずるい。
みんな実は読んでないとかw
76 :
吾輩は名無しである :2006/06/29(木) 01:01:12
凄まじい、とか感動した、とか。
77 :
吾輩は名無しである :2006/06/29(木) 15:49:20
でも、本当に感動した時ってそういう言葉でしか語れないものじゃないかなあ?
日本人特有なのかも知れないけど。外人なら論理的に感動の理由を語る希ガス。
だからこそ小泉がリアリティを持つわけで。ありゃ何も感じてないけどねw
というか俺読んでないんですけどw
>>69-70 が宣伝じゃないなら、凄い作品なんだろうなと思うよ。読みたくなった。
78 :
吾輩は名無しである :2006/06/29(木) 16:23:00
>>55 カズオイシグロは聞くのはかなり出来るらしいがあまり話せないらしい。
両親とは「ディナーはフィニッシュですか?」などちゃんぽん会話になるそうだ。
>>78 でもそれって今時の日本人の会話として普通になってるよね。
セックスはオケーですか?タンポンはスムーズですか?など。
そーかなー。俺は感動すると言葉が次から次へと出てくるが。 その感動を表現したいかしたくないかの違いなんじゃないか。 あるいは伝えたいか自分の中だけで終わらせるか でも共感っていいなと思う。
今回の北朝鮮の件をみていると、運命に逆らえない人生というものがリアルだな
日の名残って、文庫になってますか?
85 :
吾輩は名無しである :2006/07/06(木) 06:37:24
凄いとか感動したとかは、上手くまとめられないから出てくる言葉で 本当に凄く感動しているのだから、これでも立派な感想だとは思っている。 しかし、実際に読んでなくても言えるような言葉でもあり 他人に自分の思いを伝えられる表現ではないということも分かっている。 でも俺はこれ以外に言葉が出てこない。 感動した。 誰かに伝えたいのではない、自分の外に出したかった。
語彙が少ないと、どんなに心が動いてもそれしか無理だよね。
87 :
吾輩は名無しである :2006/07/06(木) 21:23:45
文学界のインタビュー読んだか?
読んでない kwsk
91 :
吾輩は名無しである :2006/07/11(火) 17:33:52
でも海外では賛否両論だったよね。 ヘタに科学批判するもんじゃないとか現実的じゃないとか。 自分もヘタすれば駄作になるようなネタに思えた。 特に秘密が明かされる時は・・・・・。 でも感動できたのはやっぱりカズオイシグロの筆力だな。 トミーとのお別れのシーン、哀切過ぎる。
92 :
吾輩は名無しである :2006/07/11(火) 19:03:33
>>91 日本のamazonのレビューでは、最低でも星4つだけど、
アメリカのamazonでは、星1つのが結構あるよね。
93 :
吾輩は名無しである :2006/07/11(火) 19:08:28
>>90 GJ!
読みてえ〜〜! 図書館で見つけたら要点だけでもうPしてくれ!
94 :
吾輩は名無しである :2006/07/11(火) 20:07:51
>>92 アメリカじゃ広義な範囲で人が読むけど
日本はファンや好きな人しか買わないからかもね。
一般読者にとってはアマゾンレビューは当てにならないのかも。
テープを買ったりするお金はどっから出てきたんだろうか カズオイシグロは読んだこと無かったんだけど マダムに会いにいく直前で、これは泣かせに入るのかなと思いつつ 出てきた人物にやっぱりなと思ったが 最後まで抑えに抑えて、終わり方もやられた これだけの傑作に、この文体は納得いかない
そんな傑作なのか。図書感で予約待ちだよ。 早く読みたいなあ。
>テープを買ったりするお金はどっから出てきたんだろうか きみはちゃんと読んだのか?
98 :
95 :2006/07/13(木) 11:06:01
>>97 どうも読んでないみたいだ
どっかに記述はありますか?
101 :
100 :2006/07/13(木) 21:49:33
上手く書き込めないのでネタバレ御免。 ノーフォークで買った時の事じゃない?
102 :
95 :2006/07/13(木) 22:33:52
>>101 そうそう、喫茶店の支払いとか
世界観に直結することなんで凄く気になったんだけど
3日かけて読み終えました。 期待が高かったせいか結局感動もなにも出来なかった。 素晴らしかった、胸が詰まったなどと読書家を気取りたかったけど、 とりあえず自分の貧弱な感受性に失望してる。 ただ、映像化すればいい作品になる予感はする。 なぜ登場人物達は逃げようとしないんだろう? こんな単純な疑問は野暮なんだろか。
>>102 だって旅はコテージに移ってからじゃん。
ヘールシャムを出たときにシャバで生活するためのお金ぐらい持たせるだろうに。
コテージは壁の外なんだからさ。つか、くっだらないとこに引っかかるんだなー。
>世界観に直結
する問題かなー?悪いけど。
>>103 劇的な感動とかは、ないんじゃないかな。
ただ、静かに悲しくて切ない気持ちが長引いてしまうって感じなんじゃない。
>>104 なぜこの小説を読んで
彼らにシャバで生活するためのお金ぐらい持たせるだろうに、
と引っかかりも無くいえてしまうんですか?
というか、
>>97 さんだったら残念なんですが、違いますよね?
>>106 すごいメンドクサ・・・
想像力や常識的に考えられることをあえて説明省いてあるような
無駄のない小説読むのに向いてないんじゃないか?
>>107 確かに、お金の描写は意図的にはぶかれてる気はしますね
だからこそ、マダムの家での話に意味が加わるのかも知れない
でも、
せっかくの文学板なんですから
「あえて書かれてないこと」=常識ってのはどうですかね
もっと想像して議論しませんか
というわけで、
>>97 さんがちょっとヤバそうな人なんでこの話はやめます
スレ汚しすいませんでした
>>108 自分のマヌケさを最終的に他人になすりつけて去るなw
ラノベスレに帰ってよかった。
110 :
吾輩は名無しである :2006/07/14(金) 03:00:56
>>94 「『日の名残』には非常に感銘を受けた」と書いてる人でも、
『わたしを離さないで』には星1つのレビューを書いてる人がいたよ。
>>110 登場人物が flat and childish で
科学への考察が shallow ってのが多い気がする
星1の人ってこの小説をアンチ科学ととらえすぎ
>>111 今読み返すと妙に女性的でおかしいな
>>108 は読書に慣れてないんだろうねw
「タカシくんは、はじめておつかいにいきました。」
えっ?タカシくんそのお金はどうしたんだろう?とか思っちゃうんだろうねw
114 :
吾輩は名無しである :2006/07/14(金) 11:51:09
いや、タカシくんって誰?
読んでみたいが、春樹が好きというのがひっかかる
村上春樹はすばらしい作家だと思う
・・ここでもか・・・ w
119 :
吾輩は名無しである :2006/07/20(木) 21:00:00
『わたしを離さないで』を購入して、さっそく読み始め、 50ページほど読んで、この作家おもしろいと思い、 インターネットで名前を検索。 するとwiki-カズオ・イシグロというのがgoogle検索でトップになり、クリック。 ちょこっと目を通してみると、「クローンを題材に……」と 『わたしを離さないで』の項目に書かれていた。 少し傷ついた。
ディックのアンドロイドは電気羊の夢を見るか、にアプローチは似てるよな
122 :
吾輩は名無しである :2006/07/23(日) 09:58:43
今読み終わった... 心理描写が丁寧でどんどん感情移入しながら一気に読んだ。 静かにいつのまにか心を鷲づかみされていた感じ。 日の名残りはだいぶ前に映画でしか観ていないけど キャシーとトミーのどこか抑制された関係に共通するものを感じました。 最後に残ったのも個人的にはこの感情の部分。 イギリス気質に美学まではいかなくても共感できるかが 分かれ目のような気もするけど、 変わった設定とミステリーっぽさだけでも単純に楽しめると思いました。
123 :
吾輩は名無しである :2006/07/23(日) 18:40:07
「充たされざる者」 脳内の自意識の垂れ流しをえんえんとしゃべる人たちばかり。 でもそれが面白いですね。
124 :
吾輩は名無しである :2006/07/24(月) 00:19:46
↑ 高見の見物おつかれさま
125 :
吾輩は名無しである :2006/07/28(金) 15:35:47
>1 夏の読書に。 ちょうどイイ
>>125 おまい、どのスレでも具体性を欠くバカレスしかできねぇな
127 :
吾輩は名無しである :2006/07/29(土) 07:01:23
図書館に予約したんだけど、回ってくるのは秋になりそうだYO!
この作品の生徒って知的障害という設定じゃないよね? なんとなく知的障害なのかと感じてしまう。
130 :
吾輩は名無しである :2006/08/03(木) 01:15:30
文学界のインタビュー読んだ。ク□□ン社会云々はあくまで
131 :
吾輩は名無しである :2006/08/03(木) 01:48:25
文学界のインタビュー読んだ。 本作でイシグロが描きたかったのは〈子供時代特有の不安定感〉であって、ヘールシャムはあくまで〈子供時代〉のめたふぁーなんだそう。だから「ク○○ン社会への警鐘」だの「ブレードランナー的ミスディレクション」云々ばかりが取りざされるのは、ちと心外なんだとか。 解釈は読者の自由だとは思うけど、とりあえずふーん、という感じ。
あまりにもおもしろいおもしろいといわれているので 原文で読むことにしたお 時間かかりそうだけど楽しみ
あの子供時代の描写が一番ガツンときたよ。 すっごい見に覚えのあるあれやこれに。 しょーもない妄想にもとづいた秘密だとかってみんなあっただろー!
134 :
吾輩は名無しである :2006/08/07(月) 21:54:26
スレ違いかもだが 何処に書けばいいのか迷い、ま一応英国関係だから。邪魔する。 英国伝統のプライベート・プレスの珍しい展示会が 千葉市美術館で8月27日まで。 ーー『イギリスの美しい本』展ーーー ウィリアム・モリスらによる貴重な130点に加えて 製本装丁家協会の最近作も展示。 芸術の域にまで達した装本技術が堪能できる。
ウィリアム・モリスいいよね 行きたいけど千葉か〜
136 :
吾輩は名無しである :2006/08/11(金) 23:04:39
ゴガギーン ドッカン m ドッカン =====) )) ☆ ∧_∧ | | / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( )| |_____ ∧_∧ < おらっ!ヘールシャムから出ろ! 「 ⌒ ̄ | | || (´Д` ) \___________ | /  ̄ | |/ 「 \ | | | | || || /\\ | | | | | へ//| | | | | | | ロ|ロ |/,へ \| | | | | ∧ | | | |/ \ / ( ) | | | |〈 | | | | / / / / | / | 〈| | | / / / / | | || | | / / / / =-----=-------- | |
137 :
吾輩は名無しである :2006/08/11(金) 23:33:34
目的のない主人公なぞに感情移入などできません。 で、なに? そんな三文でした
139 :
吾輩は名無しである :2006/08/21(月) 08:50:42
わたしを離さないでって売れてるのか?
売れてる方じゃないかな? 色々な層に受け入れられそうだ。 ミステリ好きにも評判良いみたい。
141 :
吾輩は名無しである :2006/08/21(月) 10:30:18
ミステリか。 SFの要素もあってハヤカワらしいっちゃらしいな。
142 :
吾輩は名無しである :2006/08/24(木) 04:29:40
>>139 今日本屋に行ってみたら第8刷があったぞ。
かなり売れてる方に入るだろう。
ちなみに俺は、初版を買って積ん読www
すごく読みやすい本ですねコレ 伏線(というのだろうか?)の張りかたがうまくてどんどん読み進んじゃう ストーリーの展開でどきどきさせられるだけじゃなく、 心理描写もとても丁寧でぐっときた 自分の読書体験が少ないせいかもしれないけど こういうタイプの本ははじめてだった ミステリーとかだとこういう感じのもの多いのかな
144 :
吾輩は名無しである :2006/08/25(金) 20:43:15
聞くに聞けないのですが・・・メ欄でいいので教えてもらえませんか。 ・何をどんな順番であげちゃうのかな ・最後はハートもあげて尽くしちゃうのでしょうか。 4つって普通は大丈夫なのかな 読みながらそれが気になってました。
145 :
吾輩は名無しである :2006/08/26(土) 19:01:42
さっきな本屋に行ったら、 帯の推薦文が柴田元幸から角田光代に変わってたぞ!w いやはや。
146 :
吾輩は名無しである :2006/08/27(日) 00:25:06
私のとこは茂木健一郎と古川日出男だった。 複数ある? 力入ってますね。
>>143 ないとはいわないけどミステリーに丁寧な心理描写を期待するのはどうかと。
>>144 普通によく(メ欄1)されるのから順にかなーと思って読んでた。最後はまるごと使いそう。
これ読んだ直後に、(メ欄2)を作るトリックのミステリを読んでおののいた。
>>144 ドミノって、通常は事故死を待って病状の異なる複数の患者が順番に玉突きで交換していくわけだが、
「待たないドミノ」が可能で医療技術さえ整っていれば、いくらでも、どこでも交換してあげられる、のでは。
『ガンは不治の病ではなくなった』云々の記述があるから、それ絡みの部位だろうか。
そんな風に悪いパーツが集まったら、・・・かる望みは皆無ですね。
読了。 少しずつ読んでいる間、変な夢ばかり見てしまった。 キャシーはどうして提供者にならないで済んだのでしょう。 介護人を終えたら、その後はどんな毎日が待っているんでしょう? 読みが足りないのかな。すごく知りたい…。
介護人としての能力が高かったから提供者になるのが遅くなった。 介護人を終える=提供者になる と理解してますが。
ラストの方で辞めた後のことを 「・・・今後、どこかのセンターで・・・」云々の記述を見て、 初めて、あーやっぱり、キャシーもそうなんだ と思った。
152 :
149 :2006/09/01(金) 00:19:22
>150 ありがとうございます。 「今年が終わったら」と、介護人を終えるのがやや先のような 表現だったので、「通知がきたらなるもの」である提供者とは 結びつかなかった。 というか、キャスを好きになってしまったので、そういう小説内の 現実を受け入れがたいというか。悲しいラストですね。
153 :
吾輩は名無しである :2006/09/02(土) 09:43:08
最後の一行の "I just waited a bit,then turned back to the car,to drive off to wherever it was I was supposed to be" がキャシーのそれまでとその後を端的に表現していると思う。
154 :
吾輩は名無しである :2006/09/02(土) 12:51:07
>>151 わざとだろうね
(キャシーは大丈夫・・・みたいね)と期待させながら、引っ張って、最後に。
ルーシー先生は、なんの書類を塗りつぶしていたんでしょう。 「猶予のお願い」?
北上次郎が、退屈でつまらんと感想述べておられた。 安心した。
>>154 かなり最初の方に提供を匂わす部分なかったっけ。
初めから最後までキャシーも"そう"だと思って読んでたし、
だからこそ介護人としての12年間と「もう辞めたい」という思いが
単なるストーリー進行以上の意味を持ってくるものだとばかり・・・あれ?
158 :
吾輩は名無しである :2006/09/18(月) 16:54:18
>>153 今、読み終わったところ。(もちろん日本語のほう)
153さんのよんで、今更トリハダ。ありがとう。
159 :
吾輩は名無しである :2006/09/19(火) 01:24:53
Never Let Me Goが面白かったのでPale View of Hills(遠い山なみの光)も 読んでみたけど非常によかった。まさに佳品といったかんじ。
161 :
吾輩は名無しである :2006/09/28(木) 10:13:00
イギリスの惨酷。 タイムズが主張した、弾圧の歴史。 イギリスは当時、クリミア戦争、アロー戦争などで忙殺されていたが、中国へ 派遣中の部隊を急遽インドに回したりして大弾圧を行なった。 イギリスの新聞『タイムズ』は 「キリスト教会の破壊1に対し100のヒンドゥー寺院をたたき壊せ。 白人殺害1に対し老若男女を問わず1000人の暴徒を死刑にせよ」と 主張し、インド人に対する残虐な報復をあおった。 捕虜は見せしめのために大勢の村人の見ている前で大砲の砲弾に縛りつけられ て吹き飛ばされた。 また、縛られたまま舟に乗せられて激流に流されたり、象に引かれて身体を 八つ裂きにされたりした。 イギリス兵の中には、とろ火で捕虜を焼き、「炎の中で肉がはじけて焦げるとき、 肉の焼ける異様な臭いがたちのぼり、あたりの大気に充満する」のを楽しむ 者さえいた。 こうして、インド大反乱は大量の犠牲者とともに鎮圧され、インドは イギリスの直轄領とされた。インドの新たな苦難の道が始まる。
162 :
吾輩は名無しである :2006/09/28(木) 10:28:21
Remain of the dayのほうが好きです
163 :
吾輩は名無しである :2006/09/30(土) 04:13:22
本屋大賞取れそう? >わたしを離さないで
北上次郎が貶したのでだめ
165 :
吾輩は名無しである :2006/09/30(土) 10:47:09
北上のおっさんは良くも悪くもとことんエンタメ、骨の隋までメインストリームの人だから、 読者を不安定にさせるイシグロ作品には向かない。
つーか、海外作品部門ってあるのか? >本屋大賞
11月にハヤカワepi文庫から「浮世の画家」が復刊だって
というか絶版してたの
絶版だったようだね
epi文庫を置いてる本屋が近所にない・・・
172 :
吾輩は名無しである :2006/10/15(日) 12:02:26
今日の週刊ブックレビューで中江有里さんがお薦めしてましたよ。
173 :
吾輩は名無しである :2006/10/15(日) 13:17:12
この話って、清水玲子の「輝夜姫」ていう漫画に似てる。
自分の運命を受け入れられず、暴れる奴とかもいてもよかったな。。。俺ならそうだ。みんな大人すぎる。
通常のSFならそうなったでしょうな。そうじゃないから、いい。
暴れるどうこうはないにせよ、どうして逃げ出す奴すら一人もいないのだ。疑問や葛藤はあるにせよ、来たものは全て受け入れるのか? そこが彼らの『欠陥』というか、生まれ持った性というか、良い部分であるのかもしれないが…。
「いずれは提供者となること」そのものに疑問や葛藤を抱く者が一人もいない。 おそらく、この作品でイシグロが仕掛けた、最も重要な仕掛けがこれ。 その疑問や葛藤を作中から消し去ったのが"わざと"であることは、まず間違いないと思う。
>>131 の
>本作でイシグロが描きたかったのは〈子供時代特有の不安定感〉であって、
>ヘールシャムはあくまで〈子供時代〉のめたふぁー
を踏まえた上で、
「それから逃げることを想像することすらできない、問答無用で不可避な"提供"」が
何のメタファーであるかを考えれば、
キャシー達が自らの運命に疑問や葛藤を抱かない(抱けない)ようにした
作者の意図がおぼろげに見えてくるのではないかと思う。
キャシー達が運命に抵抗しない理由? そんなの作者のインタビュー読めば一発じゃん。
>>179 インタビュー読まないと分からないなんていうのは、そもそも駄目だろw
作品のみで考えろ。
181 :
131 :2006/10/18(水) 22:25:30
えーと、ま、作者自身が何と言ってようと、それもまた数多ある「わた離」解釈の一つに すぎないわけで(おお、バルトっぽいな)、唯一無二の正解があるわけじゃないでしょう。 それよりも、こうして皆で「なんだろね」「なんでだろね」ってやいやい議論する プロセスそのものを楽しめばいいのでは。「ブレードランナー」の例の謎について、 R・スコット自身がネタばらしをした後も論争が一向に止まなかったように。 9刷っすね。
182 :
吾輩は名無しである :2006/10/19(木) 16:31:22
頼むから角田光代の帯はやめてほしい。 柴田元幸のに戻して欲しい。
俺、これ、全然面白くなかった。読み方が悪いのか?
今日発売のクーリエ・ジャポンに長いインタビュー載ってたな。
186 :
吾輩は名無しである :2006/10/19(木) 23:47:36
なんだなんだ、昨日の朝日のインタビューで知ったところだが 新作でてるのかよ? しかももう翻訳も出てるのか! 紀伊国屋にペーパーバック買いに行こうと思ってたのに
>>184 北上次郎乙。
まあ万人受けする作品ではないし、
そもそも「面白いかどうか」という意味では、
この作品を極めて高く評価する俺から見ても
若干微妙だと思うから気にしないほうがいい。
イシグロの作品は、面白いつかつまらないとか、そういうのとは別のところで
思わず見入ってしまうような感じなんだよな・・・
起承転結がない。だから面白くない。 という北上のような人には、まあ、必要のない本
189 :
吾輩は名無しである :2006/10/20(金) 01:13:55
そうそう起承転結もストーリー性も希薄。 でも何か恐ろしくリアルだという不思議な時空間。 日の名残もそうだし、The Unconsoled もそうだ。
190 :
吾輩は名無しである :2006/10/20(金) 01:54:03
>>185 内容をコンパクトにまとめてうP汁、エロい人!
191 :
184 :2006/10/20(金) 05:54:40
193 :
吾輩は名無しである :2006/10/20(金) 16:24:49
俺が編集なら カズオ・イシグロと春樹村上の、対談あるいは往復書簡集を作るな。この時宜 テーマは「21世紀・文学のゆくえ」。IT言語から風土と出自と自己同一性、 創作の苦悩と歓び、人生と時間、身体と精神、民族と宗教 宗教と戦争、それを越える人間の連帯可能性、そこに文学の資する要素、etcetc… 村上春樹は日本文で発信、カズオイシグロは英文で発信、同時翻訳して 欧米&アジア、世界で同時発売。
イシグロはOKするにしても 春樹がイシグロに対しどう思ってるか判らんしな
基本的には、お互い無視できない作家ではある。 同時代にしかも日本出自で世界に読まれる立場となった。 イシグロは両親共に日本人で親族は長崎に居る。 幼児期に英国に渡って、第二の国を生きる場としそこから即作を始めた。 春樹が興味をもたないはずはない。 好き嫌いの問題ではなく、 今後に向かう重要な刺激を「互いに」受ける可能性のある同士だ。
ささいな感情を言えば、 TIMEが100選に「〜カフカ」を差し置いてイシグロの「〜離さないで」を 入れたこと…だろうが、そして春樹は存外そうしたことに傷つき拘泥する心象の持主だが あれはイシグロが英文創作であった点で有利だっただけで、 記念的行事といっても所詮TIMEの内部判断だから、本当は問題じゃないんだ。 それよりもカズオ・イシグロがなお保持している感性と そうした春樹の個人的性向を含めた感覚とは、極めて近いところにある。 両者が互いを叩き台に自らを検証すれば、 日本人的なるものそれ以外のもの、源氏以来の民族伝統とそこからはみ出していくもの、 様々な自性について、二人のみならず普遍的な思索が深まる、可能性がある。
198 :
吾輩は名無しである :2006/10/21(土) 15:11:20
>>198 P10-11のFACESのコーナーで載ってる。
見開き2P。
脚本かずおいしぐろ 解説: 36年、激動の上海を舞台に、盲目のアメリカ人元外交官とロシアから亡命してきた美ぼうの 伯爵夫人の運命を描くラブストーリー。監督は『ハワーズ・エンド』の名匠ジェームズ・アイヴォリー。 主人公2人を『ナイロビの蜂』のレイフ・ファインズと『チェルシーホテル』のナターシャ・リチャードソンが演じる。 ミステリアスな日本人役で登場し、英語のせりふもこなす真田広之の熱演と、 30年代の上海を再現したゴージャスな映像美に注目
202 :
吾輩は名無しである :2006/10/22(日) 22:57:54
>>196 自分は「日の名残り」を今まで読んだ小説の中でNo1に思っている。
一方,村上春樹はというと「ノルウェイの森」しか読んでいないが、
というかこれを読みながら嘔気がして、他の作品を読もうという気が
全く起こらなくなってしまった。他の作品を読めばなにか共通点が見いだせるのか、
たまたま対極にある作品を読んでしまっただけなのか、意見を聞きたい。
203 :
吾輩は名無しである :2006/10/22(日) 23:02:21
俺は村上春樹好きじゃないし理解できないが ノルウェイだけは好きだったけど。 海外作品のやきまわしちっくではあるが、 喪失感でたっぷり読者を共感させておいて、 でもちゃんと再生要素も匂わせてる。
204 :
吾輩は名無しである :2006/10/22(日) 23:38:41
いったい何人自殺させているんだというのと まったく高揚感のない、読み飛ばしたくなるような性描写の連続で ストイックな「日の名残り」とはまったく対照的に思うのだが。
いも
206 :
吾輩は名無しである :2006/10/23(月) 20:52:05
この人の作品て登場人物が操り人形みたいですね。
というか、主人公が。 最新作は読んでないけど。
>>200 レイフ・ファインズて『イングリッシュ・ペイシェント』が良かった。
監督は『眺めのいい部屋』『ハワーズ・エンド』が名高いが
異色作『モーリス』も印象的だった。 伯爵夫人もいい映画かもな。
ちなみに村上春樹の『海辺のカフカ』も映画になりそうだと思う。
無国籍な要素が強いからどこの国に移し替えてもいい。
三島の『午後の曳航』のようなやり方で映画化されないかな。
やってみたいと思う監督はいると思われ。
209 :
吾輩は名無しである :2006/10/26(木) 01:00:46
ところで、ラウンダースって何のことですか? スポーツか何かのようなんですけど、 劇中の仮想の競技なのでしょうか? きっと最後にその正体が分かるに違いないと思って読んでたんですが、 何にも書かれてなくて肩透かしを食らった気分でした。
211 :
吾輩は名無しである :2006/10/26(木) 15:07:47
直木賞作家の森絵都も薦めてた。
214 :
吾輩は名無しである :2006/11/01(水) 23:51:26
森絵都っていろんな作家薦めてるよね 批評家みたいだ
never let me go を、近所の割と大きな町の本屋に買いにいったんだけど 何軒回ってもそもそも石黒のペーパーバックが置いてなかったorz 春樹の英訳のはどこいっても並んでるというのに何故だ?
あとどこ見てもCOLE…(イタリア人?)って人の本が何冊もあった。 さいきん売れてる人? すれ違いスマンガ
うちのど田舎の本屋の洋書コーナーにもイシグロは置いてるけどな。 あと、パウロ・コエーリョ Coelhoは多いな。てかアマゾンで買えばどうだ?
>>218 あ、どーも。
こんど新宿まで出て紀伊国屋行ってきますわ
220 :
吾輩は名無しである :2006/11/05(日) 13:04:06
「浮世の画家」って久米宏とか筑紫哲也がモデルじゃないか?
今度イギリス行ったら訊いとく
222 :
吾輩は名無しである :2006/11/15(水) 15:23:26
先日、「日の名残り」を読了しました。 出色の邦題と、中公文庫の趣のある表紙に、重厚で懐かしさの漂う、硬質な、 追憶の物語だと勝手に想像していましたが、これは日本人の琴線にも触れる、 とても品のいい上質なユーモア小説だったんですね。 最初は面食らいましたが、嬉しい誤算でした。 おかげ様で、忘れえぬ作品のひとつとなりました。
翻訳の文章はユーモア小説っぽいものなんですか? 品の良い上質なという印象には頷けますが。
この作品を評価できるひとがうらやましい。 オレは何も感じなかったよ。ただ文字を読み通しただけ。苦痛だった。 海外での評価はやたら高いから、翻訳との相性が悪かったんだろか。 高い評価をしている読書家が多いから、つまんなかったと言うのは勇気がいるね。
225 :
吾輩は名無しである :2006/11/16(木) 12:43:51
確かにユーモア小説と言い切るには語弊があるかもしれませんね。 しかし、作品全体に、どことなくユーモアが漂っているのも確かです。 この行間からにじんでくるような、上質なユーモアをかもし出せる筆者の手腕は、やはり尋常ではないでしょう。 面白いところは、執事の一途すぎる職務への執念が、時に滑稽に見えたりするところや、 執事と女中頭のやり取りですが、漫才のようにわかりやすいわけではないので、ただ漫然と読んでいては、 この小説の面白味を汲み取ることは出来ないかもしれません。 さらに、私を含めた殆どの現代人が無くしてしまった、確固とした信念と誇りを持った執事の生き様に、心を揺さぶられました。 執事の最後の人生に対する独白は、誠実に人生と向き合って生きてきた人間だけが持てる感慨でしょう。 そして一番重要なのは、押し付けがましくない。これがこの小説の成功した最大の要因でしょうね。
日の名残り 俺は上手い小説だと思った。 ダーリントン卿は実はファシストだったんではないのかという疑問が浮かび上がってくるシカケが凝らされているところがたまらん。
英語版で読んで各所の感想を違和感なく楽しんでいたが、先日書店で土屋まさお版を 立ち読んであぜん。これは30代女性のしゃべりなのか?好きな翻訳家だが原書の印象と ここまで違う翻訳にはなかなかお目にかかれない。キャシーは「さっきも申し上げました 通り」などと話すのか?as I said beforeだろこれ? このしゃべりではまるで提供する 側が提供される側に仕えている印象を受ける。原書ではそういう差は感じなかった。
>>117 「提供」云々のSF的設定は抽象化だと思います。
底が浅い科学批判、とか言ってる連中がいるのが
俄かに信じられない。
>底が浅い科学批判 そんなこといってる奴がいるのかw
このスレ読んだら(どこかの書評サイトの引用ですが)前のほうにありましたよ。
スレタイが 「わたしたちがカズオ・イシグロだった頃」 だったらちょっとイヤかも。 今月の「English Journal」でインタビューが聞けますね。
かといって「カズオ・イシグロの名残」 とかでも嫌だなあ。 ところで最近neverletmego読んだんですが なんかハリポタ連想しちゃいました、すいません。
日のカズオ
浮世のカズオ・イシグロ
充たされざるカズオ
いかんせん作品数が少ないので あと一つくらいしかネタ残ってない…
「遠きカズオの光」
95年にロンドンに住んでたころThe Unconsoledが発売になり本屋で朗読会/ 即売会があっていったことがあります。そのとき本人が言ってたのは 「僕は日本文化を代表しているかのように意見を求められることがあって 困ってるんだ。実は僕は三島由紀夫のことなんかさっぱり理解できない。」 英語は非常にわかりやすい人で、美文家だと思います。ちなみに 私の宛名入りサイン入りのThe Unconsoledは今も持ってます。
>>238 貴重な体験ですな。
ロンドンでは、結構朗読会やサイン会などのイベントに参加されているようですね。
書店では、普通に直筆サイン入り本も売られているし。私も昨年ロンドン土産として
チャリングクロスのとある書店でサイン入り「Never Let Me Go」を購入しました。
The Unconsoledはとても好きな小説です。が、発表当時は結構問題作扱いだったのでしょうか?
終わり方とか、「日の名残り」に通じるモノがあると思うんですが。。
問題作ではなかったと思います。 本人が朗読していた葬式の場面では 「この葬式はユダヤ教であることを示唆していると思われるが。」という質問に 「そんなことはまるで考えたこともなかった。」と答えてました。 日の名残りのイメージで何作か書いたが、今回が新しい挑戦だといってました。 読んでいらいらする場面(ピアノの練習のところなど)はありましたが。
わたしを離さないで 読了したけれど、どうも、作り物くさくてしらける。」 わたしだけ?
だいじょうぶ。北上次郎というプロの人も つまらんといっていたから
何いってるんだよ。 作り物くさくてしらけるのがいいんじゃないか!
>>240 あの小説でいちばんunconsoledなのは読者自身かな、と最初読んだときは思いました。
演奏会がせまっているのになかなか練習できないところとか。
でも冗長な感じは全然ないと思います。
平易で読みやすい英語での読書体験は思ったより気持ちよく、シュールな話の流れにも結構嵌りました。
イシグロ氏の朗読で聴いてみたいものです。
キノベスかよ! 外文だぞ
247 :
吾輩は名無しである :2006/12/09(土) 23:18:36
イギリスの友人に勧められて原語でこないだ読んだよ。 つか、マジでつまんなくね? だいたい、男のオレがどの登場人物に感情移入できるのだろう? 娑婆を知ってからもなお、全員が宿命を淡々と受け入れる様子から、 「彼ら」の精神構造が一般人とは異なるという設定だと察するが、 とすれば、そのような非現実の心理にいったい誰が共鳴できるのか? あるいは仮に、そのような仮想社会を想像することのスリルがドラマの主眼ならば なぜもっと緻密にバックグラウンド(社会状況)を描く努力をしなかったのだろう? 気遣いと精神分析の達人を気取るクールな主人公がなんで癇症のうすのろと? どこに彼のチャームポイントが語られているの? (「母性本能」なんて理由じゃ納得できないんだが・・) それほど聡明でクールな主人公がなぜ、「相性判断」などという他愛もないファンタジーを 検証することもないままに信じるのだろう? 「幼年期の揺れ動く不安定な心情」を描きたかったイシグロが、なぜ敢て 成人男子から一番遠い存在であるはずの思春期の女の子などを主人公に選んだの? (その方が売れると考えたから?まあ、奥さんに意見は聞けるだろうけど・・) やっぱ、宣伝しやすい奇抜な設定を無理に追求した結果としか思えないんだが・・
想像力というものがないのか?
249 :
吾輩は名無しである :2006/12/10(日) 22:35:35
>>248 オレの想像力が欠落しているってことでいいからさ、質問に具体的に答えろや。
おバカのオレにも分かるように優しくな。
オレからすれば、あんたこそが表層のお手軽おセンチにからめとられて
思考停止状態に陥っているとしか思えないんだが?
>>247 世界観のツメが甘いのはその通り
ただ、247みたいな俺なら抵抗してる、みたいなことを言う奴が多いのは何故だろう
成人なら税金を払わなければいけないという設定の小説を読んだ
異人さんも同じこと思うんだろうか
そして、反抗するやつがいるなら、それはそれで別の小説
「幼年期の揺れ動く不安定な心情」ってそんな簡単に理解できるもの?
実際、理解できてないみたいだが
(俺はこの点興味ないが)
最後に
表層のお手軽おセンチってのはどう考えても違うだろう
これ読んでおセンチになっちゃってたら、それは小説の力
この小説の白眉は、
ミステリと見紛う展開と、抑制をきかせ(すぎ)た主人公のモノローグなんだから
252 :
吾輩は名無しである :2006/12/13(水) 02:44:44
>>250 はううw
この小説を好む人って、ひょっとしたら、
「ノルウェイの森」とか「せかちゅー」の愛読者と精神年齢ないし精神構造がダブるのかね?
この句読点と改行と言葉の選び方のいい加減さ、支離滅裂な論旨・・
触っちゃいけない類の人かもしれないが、(正義を代表して)一点だけ。
>>247 さんは、明らかに、「彼ら」が盲目的に従順であることに不満を述べているのではない。
彼らの恭順が教育の成果ならば、読者がある程度納得できるように、その洗脳教育の過程を
明らかにしないのは片手落ち(卑怯または怠慢)と思われる。
あるいは、彼らが生まれついて恭順な性質ならば、我々とは異なる精神構造を
有する彼らに対していかなる共感が可能なのだろう?
(多少の知恵のあるイシグロ・シンパはここで、‘では、動物やロボットを主人公にした
物語も同様に無意味なのか?’と無駄な反論するかもしれないが、それらのキャラクターに
人間的な心理を仮託して人間社会の合わせ鏡とすることと・・)
253 :
250 :2006/12/13(水) 04:55:38
>>252 美文レス有難いけど、
まず、「世界の、、」を読んで泣く奴がこの小説で泣けるわけないでしょ
読んだこと無いのに悪いけど
それからさ
この社会が実際に成立するかどうかといったら、怪しいのは認めてるのよ
ただ、要は○○納税なわけだ、この社会で彼らは。動物やロボットに例えるほどのものか?
なぜ、そこまでベタっとしたものを求めるのかな
カズオ・イシグロは抑制をきかせた淡々とした語りの効果のほうを選んだってことでしょ
つまり、そういう小説じゃねえよ、って事
この小説における正義でも考えながら再読しなよ
254 :
吾輩は名無しである :2006/12/13(水) 15:07:39
読んだこと無いのに悪いけど
255 :
吾輩は名無しである :2006/12/13(水) 16:23:57
まぁ自分はカズオイシグロは過大評価されてると思うな。 文章が英国らしく格調高いがストーリーテリングとしては どうなんだ、、、。前作のWhen we were orphansといい 最後まで読んだら「えーそういうオチ?」と思うことは しばしばある。本人も世界が劇的に変わるのではなく 定められた運命を逃れられない人間を書いていると 語っていたが、文章の巧さで話の整合性が取れてない ところを誤魔化しているところもある。
>>247 この小説で描かれてる舞台が自分の世界とは異なる絵空事
だと思ってる時点で想像力がないといってるんだよ。
しかし我ながらなにいってんのかわからんな
258 :
吾輩は名無しである :2006/12/14(木) 19:00:39
私を〜読みました。 こんなことはすでにどこかで行われてるんじゃないかと、最近の臓器売買のニュースを聞くたび思います。
羊でできた以上、人間でやらずにはいられまい。 ところで、俺は、ネバーレットミーゴーはけっこう面白いと思ったぞ。 何が面白かったかというと、気取って言えば、内側からは見えない膜のなかで生きてるやつを外からみる感じがあるから、かな。 俺も自分が入っている内側から見えない膜の気配をときどき感じるわけなんで。
登場人物の生存放棄が、本能に反する。 かれらはどうして、そういう状況を受け入れることが出来たのか? そのことが説得力がない。 また、一見、慈愛に満ちたような、学校の存在が、じつは、状況を さらに残酷にしている。誰も疑問に思わないのか。 作品は、読者をどこへ連れて行こうとしているのか。
だからある意味で現実世界のメタファーだってのがわからないのか。 そういう社会批判的なのはあくまでも作品の本題ではないと思うが
>>260 「ピカソの絵は、空間的に歪んでいる。
泣く女といわれても顔の左側が前にめくれあがってる化け物にしか見えない。
そんな絵が美しいといわれても説得力がない。」
といってるようなものですよ。
そういう人は映像関係を楽しむなら抽象画はみないでアクション映画をみればいい。
でも、また何年かたってふとみたら抽象画も面白く感じるかもしれない。
ま、気長に楽しみましょう
でも何故あの3人だけ愛を知ることが出来たのだろうか、、、? 普通の孤児院の話しにした方がよかった様な、、、、。
264 :
吾輩は名無しである :2006/12/15(金) 19:08:42
>>263 そもそも、どこに「愛」が描かれている?
>>263 にはこの本はまだ無理
マンガでも読んでろ
266 :
吾輩は名無しである :2006/12/15(金) 21:14:16
イシグロをマンセーしてるのは マンガとかせかちゅーを碌に読みもしないで見下すような糞スノッブだけw
267 :
吾輩は名無しである :2006/12/15(金) 22:20:30
>>266 権威にとらわれない本物の目利きは言うことが違うな・・・なんつってw
268 :
吾輩は名無しである :2006/12/15(金) 22:32:30
>>259 なるほどね。
「膜」の内側に閉じ込められてもがく(若しくは、なぜか、もがかない)主人公たちを
「膜」の外側から眺めることのセンセーションか。
だけど、あなたとは逆に、それこそがこの本のアンチに、
不可解さや生理的嫌悪感を与えているのじゃない?
つまり、中の主人公たちが、ある種の極限状況下にあえぐ「普通の人間」だったなら、
あなたの言っていることは良く分かる。
でも、この本の主人公たちは明らかに「違う」よね?
確かに、彼らのそこはかとない「いびつさ」を眺めながら
プラスの刺激を得られる人もいるのだろうね。
例えば、「トスカ」のような登場人物全滅型のまるで救いのない悲劇を
ある程度距離を置きながらドラマとして楽しめる人と、
絶望感に引きずられて滅入ってしまう人とがいるように。
まあ、どっちが良いということでもあるまいが。
>>262 オレは古今東西の美術狂だが、「泣く女」はフツーに醜いだろ?
30年代までのピカソは神の域に近かったが、戦後のいくつかは明らかに裸の王様だな。
みんな怖くて、ダメじゃんこれって言えないんだよw
まあ美的アンチテーゼとしての強烈なエネルギーと破壊力は認めるけどさ。
仮に、もしも1万年後に、全人類が後期のピカソを神と崇めてひれ伏したとしても、
それはオレが間違っているということにはならん。
彼が一万年早く生まれすぎたというだけの話だ。
>>268 >つまり、中の主人公たちが、ある種の極限状況下にあえぐ「普通の人間」だったなら、
>あなたの言っていることは良く分かる。
>でも、この本の主人公たちは明らかに「違う」よね?
俺は
>>268 じゃないが、ここが決定的に違うところだろうな。
いろんな違いはあっても根っこでは彼らと自分は同じ「普通の人間」だと
心から思えるんだよ。
SFなら楽しめるけど、この小説は嘘くさくてだめ。 なぜだろう。
物語のリアリティを高める描写を意図的に廃してるからね。 逆にSFとして見ると全然楽しめない。
272 :
吾輩は名無しである :2006/12/16(土) 02:37:49
イシグロの作品には一種の諦観が漂っていて、クローンの主人公たちも運命に抗うようなことはしない。 「自分たちはまだマシな方だ。」と落ち着いてしまう。 そこをリアリティがない、と批判する読者もいることだろう。 しかし、人間の道具として使われることに反抗し、逃走や反乱を企てる安物小説はゴマンと読まされたはずだ。 何もイシグロまでその途を辿ることはあるまい。 読後感はすっきり爽快とはいかないが、哀愁と寂寥感が尚も私を捉えて離さない。
彼らが従容と運命を受け入れるからこそ、読者に刺さるものがあるんだと思う。 抵抗したり抗議したりすれば、そこに一種のカタルシスが生まれてしまうし。 逆に、そういう人間を作る「人道的」教育が果たして倫理的なのか?という問いも生まれる。 正直、あの小説の登場人物で一番狂っているのはヘールシャムの先生たちに思えたし。
>正直、あの小説の登場人物で一番狂っているのはヘールシャムの先生たちに思えたし。 それは同感。
バ○が絡んでくると話がつまらなくなるな〜
276 :
吾輩は名無しである :2006/12/18(月) 13:42:27
だめだ。 キャラクターと状況設定のすべてが嘘っぽいわ。 少年時代のエピソードのどの一つにも素直に頷けないし、 やたら老成した主人公のキャラにも、最後までシンパシーを感じることがない。 イライラさせられっぱなしの、まるで締りのないお話でした。
278 :
吾輩は名無しである :2006/12/18(月) 16:48:24
>>276 ヒント:フィクション
イライラする人はまあダメな本だと思う。
279 :
吾輩は名無しである :2006/12/18(月) 17:29:19
>>278 ヒント:ドラマツルギー、または創作の技法
あっ、(もしかしたら)それってあるかも、
って少しは思わせてくれなっくっちゃね。
人間の潜在的な不安と願望がくっきりと織り込まれていないような
キャラや状況設定には永遠に同調(興奮、没入)できないよ。
イチイチツマンネ・・
読者の同調を拒絶するからこそイシグロだろ
282 :
吾輩は名無しである :2006/12/18(月) 20:54:21
>>279 あれ、もしかしてを期待してるのであればイシグロなど読まないほうがいい。
大きな感情の流れ(書き手のイシグロも含め)が表面に出ていないからこそ、この小説が傑作たりえているのだと思う。
読者の同調を拒絶するかな? 「提供者」とか「川の流れ」とかぜんぶ思い当たるんだけどね。 そういう未来を無意識に予感して不安な子供時代の話が特にいいと思うな
285 :
吾輩は名無しである :2006/12/19(火) 00:00:15
>>283 むう、これを傑作呼ばわりとは!
よかったら、「傑作」の名に値する他のお気に入りを幾つか教えてくれないか?
これを傑作呼ばわりする人は、あまりに理解を絶して 宇宙人のようだ!
とりあえず
>>2 のリストを読むと良いぞ。
この作品を傑作と評価した連中が作ったリストだ。
288 :
吾輩は名無しである :2006/12/19(火) 00:56:57
ある意味、刺激剤になってよかったレスだな ところで新聞各紙、今年の総評でもうちょっと取り上げられるかなと 思ったんだけど、皆無。そこまでマイナーな本だったか これ・・・ ほとんど、読まれてないのかなあ
>>284 安直な同調や共感を拒みながら、
なおかつどこかが「自分自身の物語」であるところが
イシグロのイシグロたる所以。
あの訴求力は、虚構であるという安心感に基づく
感情移入からは決して得られない。
織田作之助 六白金星 藤枝静男 田紳有楽 ガルシアマルケス 百年の孤独 エドワード・ケアリー 望楼館追想 最近読んだものではこの辺は傑作
>>288 取り上げられたら上げあられたで、
傑作ってなるもんな
気楽にツマンネってできるこの場は貴重だな
俺は傑作だと思うけど
292 :
吾輩は名無しである :2006/12/20(水) 16:26:31
週刊文春のベスト・ミステリで8位 いつもすてきな評を書く豊崎由美さんがすてきなコメントつけてて萎えますよ おまいら
>>288 今年の「このミステリーがすごい!」で第10位ですよw
>292-293 ミステリーと言えばミステリーかもしれないけど 何か違和感が・・・
ミステリーじゃないよね。カテゴリーを分ければ純文というやつでは?
豊崎が推薦するとなぜか萎えるよな
297 :
吾輩は名無しである :2007/01/11(木) 23:10:46
今の学生さんなんかが読んだら我がことのように感じるのでは?
298 :
吾輩は名無しである :2007/01/12(金) 15:05:22
今の学生の大半はクローンだからな。
299 :
吾輩は名無しである :2007/01/16(火) 06:11:29
一方、ワーストは簡単に挙げられる。 カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』とアーザル・ ナフィーシーの『テヘランでロリータを読む』だ。 イシグロの方は、日本の市場動向を調査して書いたのかと言うくらいのお涙頂戴ぶりが情けなく、 受け狙いにちょっとホグワーツ入れて、 社会性を持たせるべくクローン技術と臓器移植の問題入れて (ネタバレ、とか言わないように。最初の四分の一読んで、ははん、と思わないなら、 小説なぞ読むのは時間の無駄だ)、はい出来上がり、という手抜き工事ぶりも情けない、 全くのポルノグラフィである。 こんなものを読んで感動したと言えるのは、 悲しいお話を読んで泣くことを感動と平気で混同できるど素人だけである。 本を読んで泣いたとかいうのは、エロビデオ見て抜いたというのと何の違いもないことなんだから、 外行って堂々と言わないように。恥ずかしいぞ。
300 :
吾輩は名無しである :2007/01/16(火) 07:30:16
301 :
吾輩は名無しである :2007/01/16(火) 11:06:53
否定する人はほんとそれをいうよなあ 上のほうで「世界の中心で愛をさけぶ」と比べてる人もいるし 実際にコレ読んで泣いたなんて言ってる奴なんか聞いたことないんだが
胸が熱くなるというより寒々しくなるからね。 ラストの場面とかもわざと投げ遣りに書いてると思う。 むしろ「反お涙頂戴」のような気がしたな。ここで読者に 泣いて欲しいなら、もっと他の書き方ができると思った。
amazonのレビューは泣いたやつだらけだが 2ちゃんねるはさすがにちがう。
むしろ森見のほうが萌えだろ
さすがに優生保護的な選択解体ではなく、 くろーんという無難な線をとったな、と。
>>304 泣いた云々より星5ばかりなのが異様だな
これを「セカチュー」に例える奴も泣く奴もなんかズレてる気がする
泣く一歩手前で妄想をやめるラストがいいじゃないのかなあ
泣くとこ1つもないだろ。 もうyoshiの本しか読めなくなってんだな。 今の世代は。
箸が転がるの見ても泣いちゃう年頃なんだろ
俺も「泣ける」小説だとは思わなかったな。 そういう風な先入観でよむとそんな感想になるんだろうな。 佐藤亜紀にはがっかりだ。
泣ける泣けないより 御時世に踊らされる病人呼ばわりされたことが悲しい。
でもって提案ですけど、この件に文句のある人、『小説のストラ テジー』読んでから来いとか無理難題は申しませんから(いや、 たぶん、無防備に気持ちよく泣いたり滅入ったりするために小説 を読んでおかしくなる人は読んでも怒るだけだから)、もう少し まともな――つまりは作品に則したご意見ご反論を寄せて下さい。 おれはビョーキじゃない、というならなおのこと。悪口と雑言だ けじゃ、それこそ病人にしか見えませんよ。
ぷぷ。ここで佐藤馬鹿にしてないで、 ちゃんとわたしを離さないでのよいところを書いて送ってみろよ。 「泣き」以外の要素でなw
314 :
吾輩は名無しである :2007/01/22(月) 00:14:53
じゃあ、酒入ってるが思いつくままに批判してみる、一応ネタバレ有 とりあえず、佐藤亜紀じゃなく翻訳が糞じゃないか 文体はこれでいいの? あと、”癇癪玉が破裂”とか”先生の元気溌剌ぶり”とか、それは無いだろと感じること多々 で、 >>受け狙いにちょっとホグワーツ入れて >>(寄宿舎の餓鬼どものちまちました交流、ってみんな好きだよな) どこがちょっと入れてなんだ?「わたしを離さないで」、つまり ホグワーツ=心の中で消えつつある古い世界、から離さないでと懇願する少女 というのがこの小説のメインテーマだろ >>社会性を持たせるべくクローン技術と臓器移植の問題入れて 解説に、 この小説が遺伝子工学における倫理を考える最重要テキストとなるだろうとあったが こっちも大馬鹿 この小説におけるクローン技術は、さっきいったテーマを描くための装置でしかない そもそもこの小説世界から、どんな立体的な社会がたちあがるんだ >>ネタバレ、とか言わないように。最初の四分の一読んで、ははん、と思わないなら、 >>小説なぞ読むのは時間の無駄だ そんな事いったら 最初のページから介護とか提供者って言葉を出してるんだから、四分の一も要らない それらの言葉と過去の思い出が同時に語られることに対して違和感を感じ続ける、 ははん、と思うまでの読みは無駄なのか?
反論への反論はいいですから、 この小説が良いと思った理由を教えてくださいよ 泣き以外でね
316 :
吾輩は名無しである :2007/01/22(月) 00:38:19
続き >>全体は難病悲恋サナトリウム風味に仕上げて、はい出来上がり、 >>という手抜き工事ぶりも情けない この小説はそんな単純じゃない ナボコフの「ロリータ」は、純粋恋愛小説か?(amazonのレビューにあったが、白痴か) 解説にもある「記憶は捏造する」というテーマは重要だろ 解説を読んでから再読すると、読み方が変わった 俺には 彼女によって語られる記憶が、黄金色の過去が、ほとんど妄想的領域にあるように読めた 他の提供者の記憶が急速に褪せていくのに、キャシーのそれは鮮やかなまま だからこそ、ラストの彼女が妄想(のような回想)を 一度でやめることに読者が胸を打たれるんだと思う この一度というのは、「わたしを離さないで」という回想録のための一度だな
>>315 俺は
反論への反論、への反論はいいと思うよ、してくれ
泣き以外って何?
「泣かせ」るのは駄目だけど、「胸を打たせ」るのはいいの?
長々と書いたけど、俺は要はラストが好きだったの
普通、あそこの妄想でいろんな言葉をリフレインさせるわけでしょ
トミーにもう一回会ったりさw
で
反論ある?泣き以外で
318 :
吾輩は名無しである :2007/01/22(月) 01:19:43
あ、あと「バルタザールの遍歴」はすっごく良かったんだからね!
319 :
吾輩は名無しである :2007/01/22(月) 01:53:01
酔いに任せて連投 >>世界が異様なくらいちまちまと狭苦しく、そのちまちました迷路の中を、 >>作者によって鼠並みの知能しか与えられなかった登場人物が右往左往して >>可哀想な目に遭う話でも平気な方にはもちろん大いにお勧めできます 世界が狭いというイメージは大事かも、まあジャンルだよ、「キミとボク」 でも、迷路ってのは違うだろ 解説の柴田のいうとおり「不可避な運命」ってのは、どうしようもなく一本道なわけで キャシーもトミーも運命には最初から気づいてたって書いてあるじゃん まあ、鼠並みの知能ってのは同意かな 「動物の絵描いて、ご褒美に自由」って「ポイントためて、ご褒美に戦車」並みに馬鹿 でも結局、彼らに与えられている形象は、ベイビーなんだよな、まあ馬鹿なんだよ (「わたしを離さないで」のキャシーの解釈) 子宮、産道、赤ちゃんか、出来過ぎだな
佐藤の言うお涙頂戴つーのは、エモーショナルな反応だけを狙いやがったってことだよ。
バルタザールでたとき読んだけど、 あれ何かの引き写しだったらしいじゃん。 お涙頂戴はいけないけど人真似はOK?
323 :
吾輩は名無しである :2007/01/22(月) 13:44:59
>>321 いくらなんでも、
それで何かを語ったつもりになってないよな?
ここが2ちゃんねるだとはいえ
って事で向こうに貼りなおしてくるわ
誰だか知らないが佐藤亜紀のブログに投書した奴 出て来てあやまってくれ。 あんな奴の仲間だと思われるのはたまらない。 普通のイシグロファンはもっとまともです。
いつものイシグロファンとは違う層が動いているのは確か。 だからああいう人も出てくるんだよ。仕方がない。
あれ有名なアンチ佐藤だよ。
ほらみろ、お前らが煽るからまた馬鹿が暴れ出した。
328 :
321 :2007/01/22(月) 23:43:58
えっと…ガセなんですかあれ? 調子に乗ってあんなこと書いちゃいましたが バルタザールは面白く読みましたよ。 10年以上前なのでよく覚えてませんが
信じてる人がいるんだから 何百回とコピペしてみるもんだ
331 :
321 :2007/01/23(火) 00:48:02
>>331 なんで俺が自分の嫌味の解説しなきゃならんのだ
このテイ脳
>>330 は
>>321 も例のコピペも、何も語ってないという点じゃ同レベルって意味だ
お前はあのコピペ読んでさ、まず、「これはガセではない」と思ったんだろ?
あ
というか、お前「わたしを離さないで」も読んでないだろ
>>320 しかしそれを言うなら、エモーショナルな反応をしてしまった自らを省みるべきだな。
一見エモーショナルな反応を狙っているように見せて、
実は安易な感情移入(「同情」や「共感」)を強く拒絶するように作り上げられていることを
見逃すとは、若干サトアキらしからぬところだ。
アキたんはエモアレルギーだから 普通なら何ともない程度のエモでも蕁麻疹が出る エモ入ってるよと教えてやると ほんとは入ってないものでも蕁麻疹が出る
それより柴田解説の2005ブッカー云々が響いてるとおもた。 受賞者はサトアキご贔屓のジョン・バンヴィル。 確かにあんなこと書く必要はない。
佐藤のイシグロ批判は、「文学的野心がない」この一点につきる。 文学的野心もなく安易で猪口才なエモ狙いってとこが許せないんだろう。 たぶん期待してただけに失望もでかかったんじゃない。
>>337 ナボコフ好きらしいし、そうなんだろうな。ひたすらエモエモ言ってるし。
でも、あそこまで徹底しちゃったらペンペン草も残らない。
文句出しといた
340 :
吾輩は名無しである :2007/01/24(水) 18:33:53
エモいの嫌いだから、サンホラもアリプロも嫌いだってね。 >あとさ、前から猛烈に気になってたんだけど、三十過ぎ、四十過ぎの女を捉まえて「乙女」とか「少女」とか言うのは(「女子」ってのも気持ち悪いな。「文系女子」とか、聞くなり鳥肌立つんだが)馬鹿にしていすぎやしないか? >人を半人前呼ばわりするほどてめえはお偉いお方かよ、としか返答のしようはないぞ。 >そしてなおさらよく分からんのが、平気で「乙女」とか「少女」とか自称する三十女、四十女だ。大抵は何となく腑抜けた情けなさ漂うキッチュ (『ロスト・イン・トランスレーション』のちっちゃなおリボン付きデカパン、みたいな)に対する執着を明かす時に使う韜晦のようだが、端で聞いてたって、不気味なものは不気味である。
パブリックスクールで勉強できなくて虐められていたけど サッカーは得意だったリチャード・ブランソンを思い出した。
腐ってもイシグロと腐っても森川の違いだろ
森見。
345 :
吾輩は名無しである :2007/01/28(日) 14:27:14
age
ただ「age」とか書かれると 次に書く気しないんだよね。
(他のスレにあったイシグロ関係レスを勝手に転載)
>>347-350 16 :吾輩は名無しである :2007/01/28(日) 13:20:43
雑談といえば、
去年話題になった『わたしを離さないで』やっと読んだ。
カズオイシグロは書くたびに実験的な試みをやるが
今度はさすがにアガサの国の…と思わせるミステリー仕立て、
もって行き方が巧くて、思わずいっき読みさせられてしまった。
ページを開いたら最後食事もトイレも惜しんで
最後までいっきに読み通したのは、思えば『海辺のカフカ』以来だ。
18 :吾輩は名無しである :2007/01/28(日) 13:33:06 英国は、クローン羊ドリーを産んだ生殖&先端医学の先進国で 科学的見地からいえば 臓器移植はES細胞から各人の移植用臓器を作ることがじき実用化されるのは 自明の理であって、 臓器移植の為のクローン人間が創られ集団で育てられる…などという 設定自体が、荒唐無稽すぎるのはいうまでもない。 にもかかわらず高い評価を得たのはなぜか。 第一にイシグロの巧みな構成と展開によって作品としての面白さが一級であるから。 そして、それよりも重要なのは、 含まれるテーマが、まさしく人間の本質を衝いていて、 読んだ者は誰でも、それが自分自身のことでもあると、無意識に感知するからだ。
19 :吾輩は名無しである :2007/01/28(日) 13:45:22
>>16 >>18 から続いて
読後の重さ、どこかに底知れない凄みを含んだ砂を噛むような後味…、
それらが、作品自体に秘められた意味を教える。
我々自身が、まさしく、
「次の代」へDNAを渡して消えていくように運命づけられた存在であり、
何故?何時?何の為に?と問うことも
何者によってこの世に存在させられ再び消えていくのかも知らされず、
ただ、ときがくれば全てから離れて
従容と消えていくしかない、それ以外の在り様は許されない存在であるのだと、
それは、したたかに教えている。
20 :吾輩は名無しである :2007/01/28(日) 14:06:14 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』は だれもが 地球の有限さを実感し、宇宙の広大さを知り、 ヒトゲノムの解読や心脳問題への科学的肉迫を目の当たりにしながら 自分という卑小な命の生きて死ぬ全体構造を知的に俯瞰できる21世紀の いっそう先鋭化した存在の不安を 象徴的に描きえた最初の小説かも。その意味で衝撃的である。 かといって永く後々まで残るかどうかは不明。 凌駕するような作品が、これから続々現われると思われる。
どーでもいいレス転載乙
これはひどい
佐藤がまた書いてるぞ。反応してやれ。
今回の批判はまともだね。 前回までは何も言ってないに等しかったが。
「わたしを離さないで」推してる奴ってかなりそうそうたる面子だけど、 まあ、佐藤も嫌なもんは嫌って言えて凄いわ 豊崎じゃ話しになってないな
もしこれが渡部淳一や宮本輝だったら 「ほら読めてないw」って言われるだけなのに
357 :
吾輩は名無しである :2007/02/10(土) 18:45:00
スレ違いもいいとこですみませんが、 フォースターのハワーズエンド、この話のテーマってなんですか?
スレ違い 自分のうんこ食って氏ね
359 :
吾輩は名無しである :2007/03/01(木) 17:23:47
>>347-350 転載乙。
大体言ってることはわかるけども…反論もある。
>だれもが 地球の有限さを実感し、宇宙の広大さを知り、
>ヒトゲノムの解読や心脳問題への科学的肉迫を目の当たりにしながら
>自分という卑小な命の生きて死ぬ全体構造を知的に俯瞰できる21世紀の
>いっそう先鋭化した存在の不安を
>象徴的に描きえた最初の小説かも
存在の不安は原始時代から変わらずあったはずで。情報と知識の共有化が進んで
知的思弁人口が少しは増えたとはいえるだろうけど、
あらゆる時代に先端部の人々が体感する存在の不安は全然変わっていないと思われ。
自分が何処から来て何処へ行くのか、自分とは何か?
何故死ななければならないのか? 一体いつ死ぬのか? …死とは何か?
>>359 なにが「先端部の人々」だよ。
死の不安や恐怖くらい誰もが持ってるよ。
たしかにお前は今ごろ遅まきながら気づいたのかも知れんがね。
みんなが知ってることにいまやっと気づいたことを知れ。マヌケ。
カズオ・イシグロ読んで 頭に「科学」「SF」とか浮かぶ奴はクローン
だから、「中国人の部屋」だろ?
363 :
マロ :2007/03/03(土) 00:24:42
呼び名は石黒かずおじゃ何かまずいのだろうか。
オカズ・カリ黒
366 :
吾輩は名無しである :2007/03/05(月) 18:05:43
必ずしも石黒とは限らないしね。
367 :
吾輩は名無しである :2007/03/07(水) 13:26:57
意志黒加州雄
んなーこたーない
369 :
吾輩は名無しである :2007/03/14(水) 22:46:09
セルヒオ・アグエロかと思った
370 :
吾輩は名無しである :2007/03/18(日) 23:30:59
アイランド
「充たされざる者」文庫落ち。1,260円 05/25
英語で読むなら faber and faber と Vintage International の どっちがいいですか。 紙の質や書体を比較できる人は居ますか?
1冊洋書(ハードカバー)で持ってるけど、和書と違って裁断面が不揃いであんまりいい印象は持たなかったよ。
374 :
吾輩は名無しである :2007/05/30(水) 22:31:41
あげ
375 :
吾輩は名無しである :2007/06/01(金) 08:46:44
まげ
376 :
吾輩は名無しである :2007/06/02(土) 10:18:25
あげ
さげ
はげ
ペーパーバックで読んでたのですが chapter2あたりでいつのまにか挫折してしまいました やっぱり最後まで読みたいと思って 今日、一年ぶりにふたたび本を開いてみますた
380 :
吾輩は名無しである :2007/06/04(月) 22:11:03
わたしも読んでます。2ヶ月かかってまだchapter8です。 なかなか進みませんね。
381 :
吾輩は名無しである :2007/06/08(金) 11:28:57
あ
382 :
379 :2007/06/09(土) 12:53:54
chapter2じゃなくて12でした。 また読み始めたらやっぱり面白いかも。 Ruthってやな奴だな。でもなんだか憎めない。
383 :
吾輩は名無しである :2007/06/11(月) 12:33:50
ミス・ケントンはツンデレ
384 :
吾輩は名無しである :2007/06/11(月) 22:59:34
映画版はがっかりでした。
そもそも、満足する映画化といもの自体がありえんのですよ。
文学の場合とくに文章を味わうものだからね
387 :
吾輩は名無しである :2007/06/14(木) 11:40:30
そうですね。でもあのラストは再現してほしかった。
388 :
吾輩は名無しである :2007/06/18(月) 21:48:35
あげ
389 :
吾輩は名無しである :2007/06/19(火) 18:34:59
あげ
390 :
吾輩は名無しである :2007/06/25(月) 21:38:56
石黒ならば
391 :
吾輩は名無しである :2007/06/26(火) 20:27:20
イチグロ
文庫化された『充たされざる者』読了。 疲れる小説だった、、、 読後、スケジュールの確認にちょっと神経質になってしまったw
「わたしを離さないで」やっと読み終わった やばい泣きそうだ泣きそうだーと思いながらぎりぎりまで引っ張られて 最後のチャプターでどっと涙が出た
394 :
吾輩は名無しである :2007/07/15(日) 10:57:40
コインロッカーベイビーズと永遠の仔のパクリだな。 しかしこいつ日本の小説よくよんでるわw
395 :
吾輩は名無しである :2007/07/15(日) 11:41:25
>>394 だからバレないように日本語できないふりしてるw
ではこれ誉めた人って龍を読んでないんだなw
397 :
吾輩は名無しである :2007/07/16(月) 02:54:28
おれもコインロッカーはちょっと思い出したな。 たしか英訳もされてたと思う。
398 :
吾輩は名無しである :2007/07/16(月) 11:12:13
どこでだか忘れたんですけど 「わたしを離さないで」の原文では 主人公が少し頭の足りない人っぽい感じで語っている という見解があったんですが、ほんとうでしょうか。
399 :
吾輩は名無しである :2007/07/16(月) 14:28:13
このスレタイ なんか にくたらしいな
400 :
吾輩は名無しである :2007/07/16(月) 15:02:39
離すもんか
>>398 意図的にかなりシンプルな文体にしたのかなとは思った。
でもおかげでペーパーバック初心者の自分にも読みやすかったなあ。
頭が足りない人っぽい、というところまでは読み取れなかったけど
奇妙なくらい淡々としていて
キャシーたちの生い立ちやその後の展開を考えると
あの語り口はすごくはまってるのではないかと自分は思った。
402 :
398 :2007/07/17(火) 01:33:14
>>401 「頭が足りない人」は信じないでください。
私も信じられなかったのでちょっと聞いてみただけです。
キャスィーの仕事の評価からしてそれはないと思う。
404 :
吾輩は名無しである :2007/07/17(火) 20:13:40
高橋源一郎は「面白いけど、ただそれだけの小説」とかいってたな。
佐藤亜紀なんて去年のワーストっていってたぞ
よりによってその二人か
豊崎なんて涙なしには読めない感動作といって誉め殺してたぞ
408 :
吾輩は名無しである :2007/07/18(水) 18:19:31
たしかにちょっと最後の一行とかありきたりかも
409 :
吾輩は名無しである :2007/07/18(水) 18:21:44
村上訳の『ロング・グッドバイ』の帯跋文は カズオ・イシグロが書いていたんだな…知らなかった たいした褒めようで驚いた 村上はイシグロ作品評をどこかに書いているのか?
「わたしを離さないで」 これでレポートを書こうとしているんだけどどうも書きづらい、 科学批判をしたいってわけでもなし、 哲学があるわけでもなし、 文化が描かれているわけでもなし みなさんだったらどんなテーマで攻めますか レスがくるまでにレポートは終わってるでしょうが こういう文学に皆がどうアプローチしているのかが気になります。
>>410 科学批判や倫理的問題提起をするための作品としてではなく、
ヘールシャムを「幸福な子供時代」の、
そしてキャシー達“提供者”を「人間」のメタファーとして捉えた上で、
そのメタファーが作中でどのような形で処理されているのか、
そして読者(読んでいる自分)に対してどんな感覚、感情を呼び起こしたか、
といったところから攻めてみたいところ。
『わたしたちが孤児だったころ』の文庫版解説(古川日出男)が参考になるかもしれない。
あ、解説って古川日出男なんだ この人も村上春樹大好きらしいが 妙なつながりだなあ
414 :
吾輩は名無しである :2007/08/15(水) 23:02:45
一般書籍版にも書いたけど、遠い山なみ〜 話の構成より、翻訳の芝居くさい日本語がたまらなく嫌でたまらなかった。 その勢いで読了したようなもんだ。 会話「」が畳みかけるような勢いなのも、嫌いじゃないはずだけど、あの調子で喋るから疲れた… 「わたしを離さないで」は先を読みたいのに、しれっと出てくる言い回しに、 虚をつかれてその言葉を噛み締めるように読んだのに。
『日の名残り』っていい? 何か薄っぺらいな〜と思った記憶があるんだけど。
単純に「古き良きあの日」を回顧する話だと思って読むと薄っぺらい。 その薄っぺらさに気づいていない主人公が徐々にそれを自覚していく話として 読むとかなりいける。
という主題自体が密度が薄いと思った。好みの問題かもしれんが。 しかし映画で見ると良いだろうね。 見たことないけど。
主題そのものには薄いも濃いも無いのでまさに好みの問題。 それを描く筆致の密度という意味なら、 「薄っぺらい」と思う人がいるのは分かる。
そうそう、それです。 あなたの言ってることの方が適切。
420 :
吾輩は名無しである :2007/09/09(日) 19:18:50
>>415 『日の名残り』素晴らしい。濃密な描写が特徴。
執事の人生を通し英国史の最も印象的な時代を夕照の中に鮮やかに浮上させた。
英国の人々も驚嘆する確かな才能。
今後も順調に推移すればいずれノーベル賞とるだろう。
ふーん。
「わたしをはなさないで」を読んで キャシーとルースの心理描写の細かさと的確さに 作者はもしかしてゲイなのでは?と思ったら 普通に結婚しているんですね デビュー作も女性が主人公の作品みたいですね
レポートには なぜこの登場人物たちは自分で考えないバカばっかなのか。 学園生活描いて大衆に媚びたのはいいのか。 など書けばいい。 どうだ役に立っただろ
この前、ふっと本屋で目に留まったんで「充たされざる者」を買ってみた。 カズオ・イシグロは初挑戦だったんだけど久々に文章を貪る快感を得られたかな、と。 内容を理解できたかっていうと怪しいんだが こういうストーリーが進まずエピソードが積み重なる作品は好きだな。 エンデの「鏡のなかの鏡」を初めて読んだ時を思い出した。
>>409 > 村上はイシグロ作品評をどこかに書いているのか?
今年読んだ本で一番良かった、と村上さんに聞いてみるかシリーズのどれかに書いてあった
>>422 私も思った。
ああいう、少女時代特有の意地悪さと駆け引きをあそこまで的確に理解している男性がいるとは
そうやって少女時代というものを特権化したいんだろうが、 誰にもわかられないと思ってるその考え方が女の傲慢で盲目的であほくさいところなんだよ。 と橋本治が言ってた。
428 :
吾輩は名無しである :2007/10/18(木) 00:08:15
豚の屁は臭い!と豚が言うだけのことがそんなに気にくわないのかw
429 :
吾輩は名無しである :2007/10/18(木) 01:02:31
でも、臭いだろ
430 :
みちるの友 :2007/10/18(木) 01:09:10
少女というものはただの物ですし、肉の塊だと意識すれば、やがては玩弄物としてそれを扱えるようになるでしょうねぇ(笑) そうなれば人間の屑ですが、せめて作品の中では、という意識はあるでしょう、男性ならば(笑)
>>427 > そうやって少女時代というものを特権化したいんだろうが、
> 誰にもわかられないと思ってるその考え方が女の傲慢で盲目的であほくさいところなんだよ。
> と橋本治が言ってた。
そうなんだよね。分かるって言えば誰にでも分かるし、分からないって言えば分からないし。
実は「少女時代の気持ち」とか「思春期の少年の気持ち」とか、そんなものは
ないんだよな。
理解できるできないは別にして、 細やかに描く男性作家はあまりいないってことじゃないのか? で、イシグロはそういう描写を重視するタイプだから、 少女「の」心裡だとか行動だとかを理解してるように見える、と。
韓流ドラマ見過ぎ思うたよ。 イタイだけ。
北村薫みたいな感じだった。うまいけどきもい。 この人には娘いるのかな?なら納得。
つまり北村かおるは世界的作家ということでw
『上海の伯爵夫人』を観たが、素晴らしくクラシックな映画だった。 クリストファー・ドイルの撮影は、いつもの艶が感じられないが、 ジェームズ・アイヴォリーの演出は、『日の名残り』以来の堅実さ。 レッドグレーヴ家の女優たちの演技合戦も、実に見応えがあった。 真田広之扮する「謎の日本人紳士」は、まるで川喜多長政のようだ、 なんて思っていたら、実際に日本側の配給会社は東宝東和だった。
437 :
吾輩は名無しである :2007/12/04(火) 16:48:54
「わたしを離さないで」は漫画「あずみ」の読後感とそっくりだった。 キャシーとあずみがそっくりで、トミーやルーシーが飛猿だな。 救われなさもそっくり。 たぶんカズオは「あずみ」を読んでるだろう。
漫画のパクリを評論家たちは絶賛していたのかw
新作情報まだですか。 今度出る本は、いち早く ペーパーバック買って読む。
440 :
吾輩は名無しである :2008/01/04(金) 20:30:12
イシグロは「日の名残」がベストだと思うけど あれはちょっとミステリとはいえないよねえ。 あれをミステリというならば、ほとんど [文学=ミステリ]になってしまう。
カズオイシグロは本格じゃないから糞
「わたしを離さないで」をやっと読んだ 出だしからほのめかしの連続で謎の概要を把握するまで100ページ近くかかった 読了後最初からまた100ページ読んだ、もちろん面白かったからだ だけどどうだろうな、あのイシグロだぜイシグロ これがイシグロの最高傑作だとは思わなかったわ 「日の名残り」とまではいかなくても「遠い山なみの光」や「浮世の画家」のような普通の小説のほうが読みたかったな 科学的には「万能細胞」登場の前でもES細胞は常識になってたからなぁ ところでこの小説ってテーマが「戦後日本」じゃないかって思うんだけど 俺の深読みのしすぎかなぁ そんなこと言ってる奴いる? みんなそれぞれ自由に生きてるつもりになっているけどアメリカに骨がらみに縛られてることに誰も気付かない、気付くことをタブーとしてる「戦後日本」そのものじゃないかと・・・ この小説だけだと深読みだと思うんだけど「日の名残り」の前の2作と合わせて読めばそうとしか感じられないんだけどね
444 :
吾輩は名無しである :2008/01/12(土) 18:04:31
>>443 東京裁判史観のことだな
確かに日本人の9割が未だに洗脳されてるんだよな
まさかこの人がって人まで日本が何か悪いことをしたと思い込んでる
445 :
吾輩は名無しである :2008/01/14(月) 08:07:53
普通にリアリズムの小説書いてればいいのにミステリーとかSFにはまり過ぎておかしくなったんじゃね? 日の名残りクラスの作品を4,5編マンネリ感じるまで書いて欲しかったなぁ
「日の名残」そんな面白いんだ ペーパーバックで挑戦してみよかな
447 :
吾輩は名無しである :2008/01/15(火) 19:01:24
日の名残りで燃え尽きた感が有るけどな その後は実験ばっかでちょっと辛い
よくあんな長い書き込み真面目に読んだな
「戦後日本」という解釈はもちろんありだと思うが、 個人的にはもっと大きな枠での「人間」「人生」そのもののメタファーとして読んだ。
>>449 どこに読めないほどの長い書き込みがあるの?
「真面目」に読まずともすぐに読めるようなのしかないと思うけど……
浮世の画家なんか読むと戦後日本がマトリックスだってことを言ってるな もちろんそれを入り口として自我とはなにか世界とはなにかって広がっていくんだけど
最悪とも言わんが、「「日の名残」を越える」とかは全くどうかと思うな。アマゾンでなんで絶賛なのか。 メイン人物たちがあまり反抗しない、というのは寓話的・象徴的と考えてまあいい。 がそれにプラス、「この制度を許している平穏先進社会」 (「多数の子供を**のために培養する」将軍様国家でもさすがに引いてやらんわけだろう。ナチスや731部隊が極秘でやるか否か。) という二重の非現実設定でさすがに違和感。 スプラッタ殺戮大好き信長と、同様に血に飢えたキチガイ周辺国との合戦を、 同じく女子供の串刺し処刑大好き籐吉郎の目からグロ満載で描く戦国戦記文学。 「戦争の実体など実はこうで、リアル。寓話的デフォルメが多少あるとしても」とかやられても普通はやり過ぎになるだろう。 よほどうまく書かねば、まんまスプラッタか単純ドタバタでしかなくなる。 エンタメ迎合と言われようと、もう少し引いておいた方が、という印象。 (つまり、元々もっと暗黒国家で反体制勢力もいるとか、せめて主人公達が反逆する算段を一度くらいはするとか)
>という二重の非現実設定でさすがに違和感。 いや寓話的・象徴的な意味付けなら、社会が許容してる 非人間的な現実なんていくらでも当てはまることあるだろ。 たとえば非人間的というほどでもないかもしれないけど たかがスーパーで最近は正月も休みなしでやってる店 みんな何の疑問もなく便利だからって利用してるし。 そんな非人道的な経営の店になんか誰も買い物にいかなきゃ その店で働いてる人達も正月くらい家族一緒に休めるわけで。
そういう想像力の欠如ってのは いわゆる善良な人たちにも蔓延してると思うけど。 臓器バンクの提供者なんてのは程度問題なだけで。
どうなんだろう。 「反抗するということを考えつきもしない」 「伝説にまでなった、考えうる限り最高の夢が“たった3年間という期限付きの自由”でしかない」 ことこそが、それを譲ってしまうと作品そのものが成立しなくなる 最も重要なポイントであり、そのポイントを「物語」に押し込めるための ギリギリの妥協点があの設定だったような気もするな。 『充たされざるもの』になるのを辛うじて回避したとでも言うか。
457 :
吾輩は名無しである :2008/02/11(月) 02:10:07
カズオ・イシグロのリアリズムが良いとか 言ってるやつは分かってない
458 :
吾輩は名無しである :2008/03/13(木) 13:07:59
vvv
今更ですが わたしを離さないで 読みました。 文学としてならルースとキャシーの幼い頃から思春期までの関係性など リアルでしょうが、自分が女なのでリアルなだけに夢がなくてつまらないというか エンタメとしてはメインキャラ三人にキャラ的魅力が薄く感じたけど、 読み終わった後色々なことを考えて眠れなかった。 彼らが反抗しないのは「教育」の成果だと思った。 へールシャムの子は「親」は無いけど「保護者」にきちんと扱われて 将来の役割について教えられはいる。でも、彼らが自分達の運命に怒り 脱走や反抗を企てるほどの真実は教えられていない、また彼らは 真実を見つめることを無意識に避けている、「知りたくないから」。 そういう箇所が何回も出てくる これが生まれた時からの「洗脳」の成果だという気がした。 外界から隔絶された環境で物心ついた時から保護官と仲間の子供たちだけで 生きてきてるんだよ、語り手はあくまで外界の「人間」じゃなくて そういう環境で生まれ育った人間なんだから。彼女の従容もわかる気がする。 まぁ淡々と運命を受け入れることで作者がわざと 「切なさ」を際立たせている感じもする。 「ノーフォーク」ネタはウマイ!の一言です。泣かせますねぇ。 ラストページ、映画のように心の中に映像が浮かんできた。 トミーとの最後の会話、キャシーの今後の運命を考えると 切なくて切なくて胸が塞がれる思いだった。 この文体、感情や筆致を抑えて抑えて極限まで抑えることで かえってある感情を強く表現する「能」のようなテクニック!と思った。
「ひとはみな、執事のような存在だと思うのです。自分が信じたもののために 仕え、最善を尽くし、生きる」 (中略) イシグロはいう。現代のわたしたちもまた、与えられた仕事や境遇に、自分を 捧げて生きるのだ。別の人生があったかも知れない。でも、それを選び直すこ とは、できない……と。 「人生は、とても短い。振り返って間違いがあったと気づいても、それを正す チャンスはない。ひとは、多くの間違いを犯したことを受け入れ、生きていくしかないのです」 Asahi Shimbun Weekly AERA 2001.12.24
461 :
吾輩は名無しである :2008/05/12(月) 21:51:36
何か男性より女性のファンの方が多いような気がする。
ヒロヤマガタと間違えて買うとか
463 :
吾輩は名無しである :2008/05/13(火) 20:45:12
何か感想としては「えええ〜」しかない。 嘘だと分かってても。
新作まだ〜? ほんとペース遅いよな…
多作だと追っかけるのしんどいから俺としては助かるw
>>422 ローナという人と結婚してます。子供もいます。
467 :
吾輩は名無しである :2008/07/07(月) 16:01:52
早川なんかで出したら色物視されちゃうじゃん… てか最初から早川だった、この本?
そうだけど?
あ、そうなんだ。確かにSFとかミステリっぽい要素のある作品だけど なんか早川だとさー、読み所はそれだけじゃないでしょっていうか… 新潮あたりで出してほしい渋い作品なのに
なんかハヤカワepiとハヤカワ・ミステリあたりを混同している奴がいるな
ていうか早川ってそんなイメージなの
わたしを離さないで文庫化マジですか… 前に図書館で読んで、最近一大決心してハードカバー買ったオレ涙目 文学青年は貧乏なのさ…
本当に大好きな本ならハードカバーも文庫も買うものですがなにか?
475 :
吾輩は名無しである :2008/07/15(火) 18:52:58
>>473 よくわかる。俺は散々悩んだ末に見送った。ふひひひ文庫ゲットするお
金がない嘆きは人に押し付けていいんですか?
478 :
吾輩は名無しである :2008/07/16(水) 01:03:14
いまの文庫は高いから、気にしなくていいんじゃない? 昔みたいに価格が半分以下ってことはないんだから。
ハードカバーで読む愉しみというのもある。
「わたしを離さないで」 単行本→1890円 文庫本→945円
わたしを離さないでハードカバー初版をブクオフで800円で買ったYO
ハードカバーの置き場所なんて うちにはもうない。
484 :
吾輩は名無しである :2008/08/02(土) 00:00:18
節度をずうっと維持しながら話を進めていく筆力(翻訳だけどね)に脱帽。 大したもんだ・・・・・・・・
「わたしを離さないで」文庫840円やて
単行本買っててよかったじゃんw文庫でこの値段はない
487 :
吾輩は名無しである :2008/08/13(水) 15:37:53
探せば安いのはぎょうさんあるがな。 節穴か
カバーがかわいかったのでfaber&faberのやつを買った。
絶版や古書でもないのに中古はないわ
490 :
吾輩は名無しである :2008/08/16(土) 14:09:34
そんなの人の勝手だ大きなお世話
おれはペーパーバック全部中古で買ったよ。
わたしを離さないで 豊崎由美 「柴田さんが現時点での最高傑作と言っている。私もそう思う」 「謎解きといったサプライズで読むものじゃない。 悲しみとはどういったものだろう。その深さを描いたもの」 「どこまで感情移入できるか。最大限の成果をあげている」 「恋愛小説としてもたいへん切ない」 「最後、表紙を見ただけで泣けてくる」 「私の上半期のイチオシ」
「輝夜姫」がクソつまんなかったから、 この手のネタをどう調理してあるんだろって気になる
>>434 わかる
俺は宮部みゆきのキモさを感じた
多分
>>434 も俺と同じで私を離さないでしか読んでないからだろう
そうだな。
『日の名残り』→『充たされざるもの』→『わたしたちが孤児だったころ』→『わたしを離さないで』
という流れで考えれば、『日の名残り』で得たものを一旦ことごとくぶち壊しにして
そこから再構築していく過程、「物語性からの乖離と回帰(ただし同じ立ち位置ではない)」
とでも言うべきものがうすらぼんやりと見えてくるかもしれない。
そして、『日の名残り』の溢れるセンチメンタリズムがそうであったように、
『わたしを〜』のリリシズムもまたある種の罠、あるいは撒き餌ではないかと思う。
(そういう意味では、
>>434 の言う「北村薫みたいな感じ」という印象は極めて示唆的である)
496 :
吾輩は名無しである :2008/10/06(月) 02:25:57
あげますよ
新作情報ないの?
498 :
吾輩は名無しである :2008/10/06(月) 12:18:44
ひとつ聞きたいんだが、ペーパーバックはなぜあんなに値段が高いんだ? 皆どうしているんだ?
ペーパーバックは高くて買えないので仕事帰りに10ページずつ立ち読みしてます 次の日のために読み終わったとこに鼻毛植えてる。
500 :
吾輩は名無しである :2008/10/15(水) 23:05:05
>>398 それは初耳だけど、その方が雰囲気でそうな気がするね。
>主人公が少し頭の足りない人っぽい感じで語っている
マダムの試みは失敗だったってことになるけど。
501 :
sage :2008/10/30(木) 11:04:28
文庫版の限定カバーが出ているね。
「わたしを離さないで」を読んで もしかしてゲイの人なのかな?と勘違いしてしまった 女性の書き方が面白いと思った
自分は女性が書いたような作品だなあと思った 男性が書いたっぽくないというか。 あと普段は絶対やらないのにこの作品だけ 我慢できず最後を先に読んでしまった。
「日の名残」の執事がホモっぽい
「わたしを離さないで」ってあの世界でいろんな人物主人公にしたら シリーズでたくさん出せそうだなーなんて思った。
今更だけどスレタイが急にじわじわ来た。おかしいよな。意味考えたら。
507 :
吾輩は名無しである :2008/11/11(火) 16:54:28
わたしを離さないでを読んだ。 内容を一言でいえば、茹でガエルたちの悲劇、ですね。
never let goを「わたしを離さないで」に訳したのはうまいと思ったわ
meが抜けてる。 というかむしろ直訳に近い(それ以外にどう訳すの?)
>>1 読んだ。カズオ・イシグロは大学で創作を学びすぎて
様々な技術というか物語作成手法に懲り過ぎてるのではないか?とちょっと思った。
その仕立てにひきずられて一気に読了したわけではあるが。
案の定、というか、その後京大山口伸弥教授の万能細胞発見によって
折角の発想が途端に色褪せた感がある。
もう、臓器提供者は不要、なんだ。
医学はまっすぐに万能細胞から個人の臓器を創り出す道へ進む。実現は近い。
SF仕立てミステリー構成は、現実科学の急激な進歩に追い抜き追い越される危険性がある。
肝心な物語の重心をどこにおくかが問題。
ところが実際は人間と同じ知性を持たないと臓器単体では死滅するんだな。 最近TVでやってた「アイランド」によるとw
山中伸弥ね
514 :
吾輩は名無しである :2008/12/07(日) 14:14:51
「わたしを離さないで」を読んでみました。イシグロ作品は初めてでした。 これがなんでそんなに凄い評判を呼んでいるのか正直言って不可解。 テーマが良く分からない。 この程度のプロットなら半分くらいの長さでいいのではと思いました。
映画化されるらしいけど、スタッフが糞だったね
この作品のテーマを言葉で説明すると恐ろしく陳腐になる 不可解のままでいいんじゃないの
>>512 ふむ。
イシグロは一種職人的な物語の創り手に堕さなければいいが…
518 :
吾輩は名無しである :2008/12/16(火) 03:08:10
インタビュ−でイシグロが言っていた 「ひとは、多くの間違いを犯したことを受け入れ、生きていくしかないのです」 これが「私を離さないで」で描かれたテーマだと思った。 過ちも残酷な運命も美しい記憶も全て受け入れ、生きようとする姿勢が 素晴らしいのであって、意義や成功を求めることだけが人生の正解ではないと。 知能も低く消極的な提供者、SFとしては非現実的で曖昧な設定のキャラクター達に対して、 最後は何故か人間らしく感じてしまう自分がいた。
随分未来の話ですね。
雑誌に発表済みのやつなんだろうか。 日本の短編集の場合ってたいていそうだよね。
『Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall』
>>521 某HP(
http://living.scotsman.com/books/Good-reading-we-bring-Writers.4763833.jp )から抜粋
>Kazuo Ishiguro's new book, Nocturnes, is top of my list. Whether I can get hold of one is a different matter as it is not published until May next year but I'm hoping I can get an advance reading copy from friends at Faber.
ってことは、未発表作品なんじゃないかな。
あくまで想像で申し訳ない。
PBになるのはいつ頃かな〜。
URLだけはるのはやめてくれ
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』映画化、主演はキーラ・ナイトレイに
http://www.allcinema.net/prog/news.php#4554 カズオ・イシグロの傑作感動SF成長小説『わたしを離さないで』の映画化で、「つぐない」の
キーラ・ナイトレイが出演することが明らかとなった模様。共演はアンドリュー・ガーフィールド
とキャリー・マリガン。アレックス・ガーランドが脚本を担当し、マーク・ロマネクが監督を務める。
4月からロンドンとノーフォークで撮影開始予定。
スレチだけど、↑で書かれてる映画「つぐない」の原作、 イアン・マキューアン の「贖罪」もいいよ。 イシグロとはまた違った趣だけど、読み終えた時のあの何とも言えない感じは 「わたしを離さないで」を読んだ時以来だったな〜。
>>525 げげげ映画化するのか、ってかSF呼ばわりヤーメーテー
そうそう、あれはミステリだろー
ちゃいまんがな! こうですか?
530 :
吾輩は名無しである :2009/03/17(火) 03:56:19
マダムに萌え・・・ ハアハア・・・
531 :
吾輩は名無しである :2009/03/17(火) 13:12:45
海外版のこのミステリーがすごい! の10に入ってたな。 俺はノンジャンルだと思うが
530> むしろエミリ先生に萌え。
533 :
吾輩は名無しである :2009/03/30(月) 02:15:57
いややはりルースのツンデレぶりに萌えだろう。
キャシー・Hに一票
535 :
吾輩は名無しである :2009/05/05(火) 01:16:16
ミス・ケンdに一票。
ミスター・スティーブンスこそ漢の中の漢。
彼は声が良いね。 ソフトでしかもノーブルな声質。
ジョークの研究するスティーブンス萌え萌え。
夜想曲集 カズオ・イシグロ(著) 刊行日: 2009/06/10 1,575円 旧共産圏出身の流しのギタリストが、敬愛していたアメリカの大物シンガーより 演奏の極意を授かる「老歌手」他、・音楽・と・人生の黄昏・をめぐる書き下ろしの 五篇を収録。ファン待望の最新作
訳者は誰なんだろうね。 早川のサイトにも訳者名が書いてないんだが。
これ最近出たばかりだよね? 執筆中の原稿をもらって翻訳を進めてたのか。 短篇だし原書で読んでもいいと思ったが この値段なら翻訳の方が安そうだし良さそうだ。
542 :
吾輩は名無しである :2009/05/10(日) 23:17:36
ハリポタの専属訳者もすこしは見習うべき
543 :
吾輩は名無しである :2009/05/13(水) 03:19:37
ファラディ様とスティーブンスの漫才キボンヌ。
>>537 はカズオ・イシグロのことなので念の為。
(スレタイトルだけ見て書き込んだので今見たら流れにズレている、スマソ>all)
545 :
吾輩は名無しである :2009/05/17(日) 00:54:57
1番自分の気持ちが揺れたのは、後半トミーが車を降りて暗闇で叫ぶとこ。 情景が思いっきり頭に広がった。
新宿紀伊国屋行ったらNocturnesのPB版売ってた
548 :
吾輩は名無しである :2009/06/06(土) 15:04:30
549 :
吾輩は名無しである :2009/06/07(日) 14:53:10
映画化ですか。ステイシーケントがネバーレットミーゴー歌うのかな。 なんか友達みたいでステイシーケント「市街地で朝食を」に4曲も作詞 提供してるしね。そのアルバムの8曲目にスタンダードナンバーのネバー レットミーゴー歌ってるのは明らかにイシグロの影響。個人的にかなり 好きなジャズシンガーなんで楽しみです。ちなみにアルバムは名作です。
550 :
吾輩は名無しである :2009/06/07(日) 18:48:59
古い話になるけど、「わたしを離さないで」の初版ではたしか柴田元幸が 帯を書いていた。 それが売れ始めたらいつの間にか江國香織の文章にさしかえられていた。 柴田先生、かわいそう。
角田光代じゃなかったっけ?>さしかえ
553 :
吾輩は名無しである :2009/06/10(水) 07:03:12
それは解説も差し替えってこと?
帯だけだよお、たしか。ちなみに角田の後か前には古川日出男だった。 都合、三人も帯書いたのか。文庫も加えるとあともう1人? 古川「心をノックする小説とはこういうのを言うんだ。そして魂をノックアウトするのは。」 文庫「泣くとか泣かないとか、そんな程度の心の震えでは収まらない。」 古川版しか手元にないので他の持ってる人いて暇だったら教えてくれ。
柴田「著者のどの作品をも超えた鬼気迫る凄味をこの小説は獲得している。 現時点での、イシグロの最高傑作だと思う。」 角田「ページをめくるごとに露になる真実に愕然とする。けれども小説は、そんな真実を よそに、淡々と美しく紡がれる。受け入れて生きることの重みが、何も損なわれずに 伝わってくる」
柴田のは中学生の読書感想文かよw
もっともらしいってどういう意味?
まあ帯のコピーなんて売らんかなの短文だからインパクト勝負ってのもある
古川・文庫→この本の帯である必要性がないし陳腐。 角田→「受け入れて生きることの重み」は運命に押しつぶされる話には不適では? 柴田→最高傑作かは保留するにしても、感情に訴えるようチューンナップしてあるのは事実。 ただ帯だから目に留まれば何でもいいのは事実だとは思う。
561 :
吾輩は名無しである :2009/06/16(火) 02:02:19
今、日の名残りの映画がテレビでやってる
今日の名残りか。
座蒲団一枚。
今日のイシグロ
最近、ヴィレッジヴァンガードで紹介されてて読んでみた。 チラ裏ネタバレだけど書くよ俺は。 タイトルにある「わたし」が離してほしくない存在は、人それぞれなんだと思う トミーの場合は、川の中で抱き合いながら流されまいとする二人の男女、を思い浮かべたように 愛する人から離れたくない、という想いがあって マダムの場合は、多分当時から世論が傾き始め、臓器提供を止められないような状態だったのか 提供者たちを安全なヘールシャムから離させたくない、という思いがあった 終盤、マダムがキャシーを思い出すシーンで、マダムにメチャクチャ感情移入した。 罪もない無垢な子供たちが、勝手な都合で生み出され身体を切り売りされていく。 そんな残酷な世界のシステムと戦って、でも勝てなくて... 結局提供者たちは死んでいく。自分は何もできず。そんな状況だからこそ涙しちゃったんだろう こういう罪もない無力な存在がただ蹂躙されるって話は、本当に辛いわ。
566 :
吾輩は名無しである :2009/06/25(木) 12:59:50
新刊もう出てるんだね。 ペーパーバック安いのが出たら買おうと思ってるうちに先越された…
567 :
吾輩は名無しである :2009/06/26(金) 07:33:23
今朝のえぬえちけーてれびで特集されてたね
>>567 できればどんな内容だったか教えてください。
イギリスに引っ越した後も両親はいずれ日本に帰るつもりでした 伝統的な日本のやり方で育てられたので私の基本的なものの見方は日本人のままです 好きな日本語に「もののあわれ」という表現がある 訳すと日常にある哀しみとでもなるのでしょうか 好きな日本の文化の多くで鍵となる概念だと思える 小津安二郎の東京物語や村上春樹の小説にはもののあわれがあると思う 夜想曲集「老歌手」について 歌手としてのキャリアは終わろうとしているがこの人物なりの岐路に立っている 岐路は誰にでも訪れるのだと思う ナレーション "人生の岐路での選択に正解があるわけではない 大事なのはその時自分自身にどう向き合うかだとイシグロさんは考えています" 私も年を取るにつれ人生には筋道がないと気がついた 人生の岐路でどちらの道を選ぶか必ずしも明確な判断はできない 人生はたいてい混乱していて近道がないもの 5つの物語で様々な人に共通するものを描き出すことで 誰にでも当てはまることだと伝えたい ナレーション "夜想曲集を書くにあたってイシグロさんがもう一つ拘ったことに物語の時代設定がある ベルリンの壁崩壊から20世紀の終わりまで 冷戦が終結し素晴らしい世界が訪れるという期待に膨らんだ時期 一方で経済がグローバル化してマネーゲームが繰り広げられ貧富の差の拡大を招いた時期でもある" 甘い夢に浸っていた時代 その一方で現在の世界の種が蒔かれた時代でもあった 金や地位ばかりを追い求め真面目に政治の議論をしなくなったのもこの時代からだと思う
ナレーション "この時代の小説に書き人を思いやる心や一人一人の幸せの価値を 描いていきたいとイシグロさんは考えたのです" 小説家にとって現代の重要な問題を作品に反映しようとすることは重要 それはなにも誰が権力を握るかという政治的な問題でなくてもいい 人々の感情に訴えることで人間は人間であって単なる統計の数字ではないということを 思い出させることができるかぎり小説家の役割は重要だと思ってる 夜想曲集は発売3週間で1万8千部 通常の海外小説の5倍 イシグロ作品は39カ国で翻訳されている
三話目読み終わったとこだけど、ちょっとRダールっぽい 皮肉の効いた人物描写とドタバタ感があって最後はしんみりとする。 とくに2話目のラストは秀逸。
>>569 >好きな日本語に「もののあわれ」という表現がある
>訳すと日常にある哀しみとでもなるのでしょうか
う¨〜〜〜〜〜ちと違うんだよなぁ、ニュアンスが。微妙だが肝心なズレ。
もののあわれを訳すのは困難だろうなぁ、感得するしかない域の言葉の一つだから。
カズオイシグロが憧れるのはわかるが、彼には無理かもしれない。
感性というよりはキッチリ方法論に基づいて創作するタイプに思える。
話の作り方は、巧い。
>>569 、
>>570 >>568 です。
詳しく書いてくれてありがとう!
イシグロ作品の紹介ぐらいかと思ったら、本人のコメント(?)もあったんですね。
>>572 私は「もののあわれ」という言葉は学校の教科書で読んだくらいで、
感得するような生活や経験、学習をまったく持たなかったため、
日本人ですがその言葉の意味がまったくわかっていません。
あなたはどのようなプロセスを経て感得されましたか?
(実は私も意識化してないだけで日本人としてその意味は感得してるんでしょうか?)
わたしはイシグロ作品のよい読者ではないのですが(2つ読んだことがあるだけ)、
そのインタビューや談話にはいつも心を打たれます。
ふだんテレビに出ない人だけどインタビューに答えてくれましたって NHKが自慢してた
男前な
短編集なのに一気に読めちゃうな
もちあげすぎ
とはいえ、ここはイシグロスレだからね
>>572 もののあわれについてどう感得したのかkwsk
581 :
吾輩は名無しである :2009/07/02(木) 00:10:52
カズオ・イシグロの作品はいづれ全集化されるのだろうか 「わたしを離さないで」は良かったね。ルーシー先生の生徒達への告白は衝撃的だった。 ”この”問題については時勢に合ってるしいいかもね。 ただ文学の仕事としては時代遅れな感じは少ししたな。 動物の体をいわばパーツのように扱うようになったことって、ある意味じゃ批判されつくされてるじゃん。 個人的にはノーベル賞レベルにはまだ届かない気がするな、芸術世界としても何かが足りない気がするし まあ全体的に評価の高いオールマイティ型、能力は高いけど突き抜けたものがなくて 高名な賞を受賞するに決定的な何かがほしいところだ。 それと、この人とクンデラを比較してしまうのは何故だろう。これはまったく個人的なんだけど
文学作品をテーマだけで評価したらそうかもね
「わたしを離さないで」は社会批判があるようにも見えるけど 実際のところ、個人の問題しか扱っていないのでは。 (まああまり科学技術に強そうな感じはしないけど) その点が、「日の名残り」に劣ると言われることがある理由なのだろうかと思う。 あとノーベル賞は思想的なもので受賞することが多くないか? 少なくともここ最近は。 基本的にはヨーロッパの賞なのにも関わらず 現代文明とか西洋文明に対する批判とやらで賞をあげていくような印象がある。 イシグロは逆をやってるからその点でも厳しいのでは。 ねちねち日系イギリス人について書けばあるいは…と思うがやらないだろうし。
585 :
吾輩は名無しである :2009/07/05(日) 13:30:49
トミーのセリフのところどころに九州の北のほうの方言なかったか? それにしても、作品としては申し分ないが 物語物語しすぎて一場面の味わいが殺されてるのが多いように感じた。
586 :
吾輩は名無しである :2009/07/08(水) 21:24:11
8月19日 am1:00~3:00 BS2 衛星映画劇場「上海の伯爵夫人」 カズオ脚本の映画。ロマンチックな作りになってるらしい
朝日にインタビューのってる。 ノーベル賞のこと訊かれてて苦笑いしてる。
え、最後の(笑いながら)ってやつは苦笑いじゃないですか?
590 :
588 :2009/07/20(月) 22:27:41
あ、悪い。
>>587 の書き込みを見て、
じゃあネットでも見れるかなと思って調べてみただけなんで
元記事読んでないからわからない。
しかも同じ記事かどうかも自信がない。
>>589 は
>>587 と同じ人かな? 違うかな?
ま、いいや。上のレスでは書き忘れてた。
情報ありがとう。
591 :
587 :2009/07/20(月) 22:52:45
こちらこそ貼って頂いてすみません。 いま手元に新聞ないですが大体同じだと思います。
592 :
吾輩は名無しである :2009/08/03(月) 17:00:13
>>586 嬉しくてテンションあがったが
うちBSうつんねーや('A`)
その映画の主演女優、今年3月に亡くなったばかりなんだよね… ご冥福をお祈りします。
594 :
吾輩は名無しである :2009/08/05(水) 18:03:41
正直「日の名残り」「わたしを離さないで」以外は… とくに「孤児」は2度と開きたくない駄作
595 :
吾輩は名無しである :2009/08/05(水) 18:51:57
カズオ・イシグロさんは昨夜、心不全で亡くなりました。享年60才。ご冥福をお祈りします。
596 :
吾輩は名無しである :2009/08/05(水) 20:36:40
2014年の記事ですね ありがとうございました
>>594 最近「わたしたちが孤児だったころ」を読んだけど
そこまで駄作だったか?
問題点は
・冗長
・前半の仕掛けがあからさますぎて読んでて疲れる
・主人公が名探偵というより自己中で馬鹿
・なので自称名探偵かと思ったのだが、周りの人が名探偵として扱うので違和感
・大きなテーマを持ってきたが完全に消化不良で肩すかし
くらいだと思うが。結構面白かったよ。
最後の重いテーマが消化できないのはそれがイシグロの限界って気がするし…
また読もうとはあまり思わないが…それはイシグロ全般に言えることだ。
それに日の名残りってそんなに良かったか?
減点法では点数が高く出そうな気はするけど。
598 :
吾輩は名無しである :2009/08/06(木) 03:08:53
>>597 そちらも「孤児」にかなりイチャモンつけてるよ(笑)
「孤児」は作品の狙いが何なのかが不明瞭すぎるのが個人的に我慢ならない
読んでて頭がイライラ
「名残り」は風呂敷の広がりが狭いかもしれんけど、それで上手く収まってるからいいかな、って思う
599 :
吾輩は名無しである :2009/08/06(木) 08:26:40
思うだけなら誰にでもできる。
>>598 人間は誰しも孤児のような状態を経験するのだ、
というのがイシグロの言いたいことだったっけ?
確かにそういうのは感じられなかったな。
「わたしを離さないで」も結構無理矢理感はあったけど
現実のメタファーである、という点は感じられたのとそのあたりは違うのかも。
601 :
吾輩は名無しである :2009/08/06(木) 09:09:21
「孤児」は、浦沢直樹の漫画みたいな読後感。 ひっぱるだけひっぱって、冗長にしておきながらすっきりしない終わり方。
602 :
吾輩は名無しである :2009/08/06(木) 12:37:57
浮き世の画家、遠い山並みの光も地味だけど悪くはないでしょ
BSで「上海の伯爵夫人」やってた。 これもぐっと抑えめで、安易に「日本軍」を悪者扱いするでもなく、 ただ、未来がかすかにみえるようで救われた。
映画公開は来年だったっけ? 映画向きの作品ではあるが、脚本家と監督が微妙でちょっと不安。 キャシー役のキーラはちょっと綺麗すぎると思うが(もっと地味なイメージ)、 ルースとトミーはわりとイメージに近そう。 あと、映画だとどうしても設定のツメの甘さが目立ってしまうので、 そこをどう見せるか気になる。
主演はスカーレットとユアンじゃないんだ…
>>606 情報ありがとう。
ルースが主役!?
ルースは読んでいてイライラしたので、あまり好きなキャラではないな…。
激情的なルースが主役だと、原作の淡々とした雰囲気がなくなって
かなりエモーショナルな映画になりそうだね。
傍観者っぽい性質のキャリーが主人公だから、原作のあの雰囲気があったと思うのだが。
>>607 ルースが主役? というのは、もちろん自分の推測です。
キャシー役のCarey Mulliganは、2005年のデビュー作が
キーラ主演の「傲慢と偏見」でキーラ(五人姉妹長女)の妹(四女)役。
http://www.imdb.com/name/nm1659547/ その後、良作への出演を重ねて
少なくともイギリス国内では、知名度急上昇中のようだけど、
キーラ・ナイトレイを脇によせて主役ってアリなのかな。
・・・と思っていたのだが、
知名度急上昇どころでなく、今年出演の「An Education」では
来年のアカデミー賞ノミネート確実!というぐらいの高評価の記事(誤読してなければw)も発見。
なんか楽しみになってきました。
>>608 追加レス。
Carey Mulligan がオリバー・ストーン監督「ウォール・ストリート2」に出演決定という今月13日の記事。
ttp://www.ropeofsilicon.com/article/carey-mulligan-cast-in-stones-wall-street-2 該当部のみ抜粋すると、
For those of you that don't know Carey Mulligan, you will very soon.
She played one of Keira Knightley's little sisters in 2005's Pride & Prejudice,
will star opposite her again in Fox Searchlight's Never Let Me Go
and is only months away from what I believe will be an assured Oscar nomination for her role
in An Education due in theaters on October 9 from Sony Pictures Classics.
カーレイ・マリガンを知らないという人も、すぐにわかるはず。
あの2005年「高慢と偏見」でキーラ・ナイトレイの妹の一人を演じた彼女だ。
そしてフォックス・サーチライト制作の「ネバー・レット・ミー・ゴー」で、彼女は再びキーラと競演する。
さらに、あとわずか数ヶ月で、その作品での彼女の演技に対してオスカーノミネートは確実だと
私が信じている「An Education」が公開される。ソニー・ピクチャー・クラシックスから10月9日公開だ。
(2009年8月13日 Brad Brevet )
-------
訳文まちがってたらスマソ。
ビッグ女優に化けるかもしれませんね。
映画化作品には興味ない方々、失礼しましたw
キャシー役結構イメージと合ってるんじゃないかな。 トミーもださいところがぴったり(笑) 個人的には背がこんなに高そうなイメージはなかったけど… ただキーラがルースだとそれはそれで変な気も… そもそもキーラは華がありすぎて 「わたしを離さないで」に向いてないんじゃなかろうかという気がしてきた。 あの顔でルース役やったらとんでもなく嫌みになりそうじゃないか? まあ実物の仕上がりに期待。
しかし、凄い作家だと思います。 今1番好きです。 全てに、きめ細かいコントロールが効いている。 淀みなく、染み入るように文章、情景が入って来る。 何たる品位。 秀逸です。
612 :
吾輩は名無しである :2009/09/04(金) 13:13:36
ヘールシャムはhell shameのことで、キャシー達も気づいている通り、 犯罪者等、社会にとって望ましくない遺伝子をもつ子どもが集められている。 知的発達も、遺伝子操作により抑えられているので、逃走・反乱もない。 トミーが「運転がうまく覚えられない」ことや、ヘールシャムでの授業が、 文学や図工などしかない。数学は無理なのだ。 トミーがいい年をした大人なのに、空想動物の詳細な絵を描き続けていること、 またそれをまだ展示館に入れることができる、と信じていることは大人の 知性ではないのではないか。 効率を重視し、望ましくない遺伝子を持つ人間を排除する社会、望ましくない 人間を排除するどころか臓器提供する機械として扱おうとする非人間的な 社会に対し、効率的ではないが母が赤ん坊を抱き締めることに象徴される 人間的社会を「離さないで」。 ってことでいいですかねー。
613 :
吾輩は名無しである :2009/09/04(金) 14:01:09
おk
614 :
吾輩は名無しである :2009/09/04(金) 19:18:01
>613 ありがとうございます。
そういう解釈もありですね、としか
616 :
吾輩は名無しである :2009/09/05(土) 00:17:09
いや…、何かその…、違う気がしますな。 ごめんな。
617 :
吾輩は名無しである :2009/09/05(土) 00:54:08
土方でも生活保護でも当らず触らず子孫を残したものの勝ちだよw
618 :
吾輩は名無しである :2009/09/05(土) 00:54:33
とりあえず日本語は読める。 でも、読解力、想像力があるかはビミョーってことでw
繊細で、微妙な心の揺れ動き、感情の機微が見え隠れする、 どこか愛らしさのある、切ない、丁寧な文章に心を打たれた。 もののあわれをどこかに感じ、美しかったが、 同時に痛々しく、物悲しさもあり、ページをめくるのが辛くなっていった。 脆く美しい心を綴るキャシー達の実に人間らしい事。 善と悪、美と醜、、、 人間は心がある限り、混沌とした複雑怪奇な存在。 モノじゃない。
こういうナルシストの御用作家というイメージが強いんだよなぁ。
村上春樹とかイシグロとかオースターとかは読者に恵まれない。 とっつきやすいから変なやつがとりついてる。
623 :
吾輩は名無しである :2009/09/11(金) 10:28:44
Timeの書評遅まきながら読みました。 could be easily mistaken as a political novelみたいに(?)書いてありますが、 日本人の作家による、西欧の歴史への批判なのではないですか? 世界史詳しくないんですけど、絶えず異民族同士が互いにを攻撃・蹂躙・搾取しあい、奴隷制 の元での容赦のないinfringement upon people's rights. 人間同士なのに、相手を人間とみなさない行為・・。 そうした歴史に対する、島国である日本人からの批判・・じゃないですかねー。 人類学では、人間は共同的にしか生きられない、と言っているらしいですけどね? 現在の英国人にそんな気質が潜んでいるという告発なんですかね?(違いますね) クローン人間を作り出していることが「罪」なのですかね。やはり。 支離滅裂でごめんなさい。暇なとき、ついこの小説のこと考えちゃいます。
>>623 >>583 のURLを参照してみたら?
TIMEの書評っていうのは
tp://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1044735,00.htmlのことだと思うけど、ラストの
"it's an existential fable about people trying to wring some happiness out of life before the lights go out.
Because death comes for all of us, and too soon..."
は
>>583 のURLで書かれてることと(一部? ほぼ?)一致しない・・・?
政治批判とか一面的に捉えるなってことじゃないの それ読んでないけど
626 :
吾輩は名無しである :2009/09/12(土) 00:18:59
「わたしを離さないで」賛否両論だね。 俺は本能的にこの話は否ととった。 なんか作り物の胡散臭さがある。作者の声が聞こえて来ない。 表面上は完璧で歪んでる物を見せないようにしてる。 まさにこの物語の骨子そのものだけど。 俺には作者が最後に出てきた先生にみえる。 そういう胡散臭さ・・・
しばしば、社会、組織は人間をモノとして捉え、歯車と化す事を強いる。 しかしながら、それはたいてい、悲惨な結果を生む。 人間の歴史がそれを証明している。 なぜなら、人間の心、精神は、決して合理的な物差しでは計れないからである。 計ろうとした瞬間、それは姿形を変える、曖昧模糊、変幻自在な、不可解な存在である。 善と悪、強さと弱さ、賢さと狡さ、美しさと醜さ、表裏一体の存在。 それ故に悲劇的であり、時に喜劇的であり尊い。 人はその精神を捉えようとして、意識的にも無意識的にも、様々な芸術を生んで来た。 キャシーの独白、綴りがまさにそれではないか? 芸術とは言えないとしても、弱々しい故、脆い故に尊く、美しいではないか? 遺伝子操作、臓器提供は、人を部品扱いする辛辣、極端な例である。 その状況下で、運命のもとで、強烈に人間の心(キャシー達の精神世界)が浮かび上がる仕掛けが、この小説にはある。
そう読むのが、まあ正しいんだろうけど。 なんかそれだけで割り切れないものを感じるんだよね〜。 妙なグロテスクさがあるんだよな。
>>626 >なんか作り物の胡散臭さがある。
これだけでなく全部そうじゃん。
日の名残の執事とかロボットみたいだし。
「日の名残り」は、仕事を全うする無機質な人間が、 思わぬ時に、生の感情、心を垣間見せる所にドラマがあるんだよ。 ロボットのような仮面が、 あの小説のヤマ場で、より明確に、人間の心を浮き彫りにさせるんだよ。 涙だったり、怒りだったり、喜びだったり、 素直な感情は、人の胸を打つもの。 でもそれは生のモノであるから、しばしば人はそれを隠したがる。 本音、本性を晒すのは、大人になり、社会に組み込まれると、恥ずかしいし、難しいものだ。 胡散臭いとまでは言わないまでも、 誰だって仮面を被って、役割を演じているはず。 その仮面のすき間から、もしくは仮面を破って、複雑な心が顔を見せた時、 ドラマが生まれる(様々な悲劇、喜劇、、、犯罪など)。
俺の言う「作り物の胡散臭さ」とは、人物も物語もきちんと語られていて整合性もあるにも関わらず、 それが虚構である事を強く意識させられる何かがあるっつう事なんだよ。 悲しい話にも関わらず、「これは単なるお話ですよ〜、 どうです悲しいでしょう?悲しんで下さいね〜」みたいな興醒めな声が聞こえる気がする。 これは受け手である俺の問題なのか、何なのか。
宮部みゆきの方が面白い
宮部みゆきだったらマンガのほうが面白い
読んでる最中は、確かに作り物感やご都合主義的なところが鼻についた。 設定のツメの甘さとか(これはわざとなんだろう)、 「深く愛し合っていたら猶予をもらえる」という思いつきとか、それが噂として一般化してるところとか。 最後におばさんたちが出てきて全部べらべら喋って説明しちゃうところとか。 でも、読んで数日経つと、あれは凄い作品だった、素晴らしい小説だったと 思えてくるんだな。
素晴らしい所を説明してみて下さい。 ルース・トミー・キャシーらは一体何なのか? 俺たち人間の投影だとすりゃ、作者の人間観がそういう物に基づいてるのか? カズオ・イシグロから我々に向けて放たれた悪意のある矢か? 人間は、もう少し自分たちで現状を打開していける力を持っているはず。 人間の歴史を振り返ってみればいい。 この物語を素晴らしいと感じる人間は、表面的な悲劇・BADENDにしか目が向いてないか、 すでに飼い馴らされた家畜同然の存在に共感している家畜なのか。
(横やりではじめまして) 私もこの「物語」に関しては全く素晴らしいとは感じず むしろ無理もあるし冗談なのかシリアスなのかすっきりせず後味も悪かった。 しかし、とにかく文章力だかなんだろうか、読ませる力がすごくて、 ストーリー展開の波瀾がない(とくに幼少期のだらだら話)のに、ぐいぐい引き込ませるという 文章でしかできない表現のしかたを味わえて、そういう類いの「小説」として素晴らしいと感じた。 だから同じあらすじ?を他の人にかかせてみたら、チープに感じそう。 この人の書き方だと何かキャシーからすごい大切なものをもらったような気になってしまう。 (その後気に入ってこの人の本、何冊か読みましたが、なんか「まじめに生きてもいいことない、が それでもやっていくしかないのだ…」的な内容が多く、気がめいります…。 <特に夜想〜のチェリストは最悪!>それでも文が楽しいので読んでしまう。 もっと明るい話を書いてくれたらうれしいのだが。)
このひとの諦観は、やけにすんなりと染み込んでくるんだよ。 現状を打破していくストーリーなら巷に溢れまくってるし、 そういうのは読みたくないっていう気分のときもある。 まあ、その無力感みたいなのが駄目っていう人間が多いのもよくわかるが。 確かに緻密で淡々とした文章に底上げされている部分は、かなりあると思う。 ストーリーテラーとしては微妙だよね。小道具の使い方は抜群に巧いと思うけど。
638 :
吾輩は名無しである :2009/09/13(日) 17:02:16
なにこのスレwwwくどい自己提示野郎、糞自己酩酊ナルシストばっかwww
623です >624 読みました。ありがとうございました。 existential fableを表すには、こんなひどい設定いらないだろう・・。 人間の社会では、他人の死を自分の 生の糧にするというか、他人の死によって自分に喜びがもたらされるシステムの 社会は成立しないんだと思う。 もし社会がそんなシステムだったら、居心地が悪くて仕方ないはず。 「わた離」の社会は、そんな社会なんじゃないかなぁ。。 キャシー達の死によって恩恵を受け、彼女らを省みることもなく 「でもそういう決まりだから」とか言っていそうな、ヘールシャムの先生たち。 (先生たちに葛藤があるのは分かっていますが) でも著者は、現在の私たちの社会も、実はだれかの犠牲によって成り立っている ということを暗に風刺しているのかもしれない、とか思うんですが。 (また違ってますかねw)
風刺とかそういうもんだけじゃないだろ。
風刺が好きなら天声人語でも読んでればいいじゃん
642 :
吾輩は名無しである :2009/09/19(土) 14:57:07
イシグロの小説から、風刺を読み取るやつはメクラ
643 :
吾輩は名無しである :2009/09/19(土) 20:02:49
イシグロの小説を読むやつはメクラ
なんか、表面的な悲劇(=設定)だけに囚われてる人が多いような・・・ ま、好きに読めばいいし、嫌な作家の作品を無理して読む必要もない。
645 :
吾輩は名無しである :2009/09/20(日) 17:39:31
俺が好きなのはイメクラ
646 :
吾輩は名無しである :2009/09/21(月) 18:40:23
充たされざる者長すぎ!疲れるわボケ!
宮部みゆきや京極を読んでからまた来なさい
> 宮部みゆき (*≧m≦*)ププッ
いまさらながら「日の名残り」を読んだ。辛すぎる話だったわあ。 「人類の進歩に寄与した徳の高い紳士」に仕えることこそ最高の名誉であり、 そんな自分に絶対の誇りを持っていたのに、 雇主が問題のある人物だったと高齢になってから気付いてしまうなんて。 人生の夕暮れの地点で自分の間違いを悟るなんて、きつすぎる。 ユーモラスで希望が見えるラストにはしてあったが、あの程度の希望じゃ救われないなあ。 最初は「偉大な紳士だったダーリントン卿と、堅物だけど立派な執事」だと思って読み進めていたのが、 ダーリントン卿の行動に疑いが出てくるとともに、執事の思考停止っぷりや本心を隠しているような歯がゆさが 気になるようになり、最後にはああなってしまうとは。巧い小説だわ。
>>650 宮部ププ━━━。+゚( *´艸)( 艸`*)。+゚━━━!!
イシグロ好きって京極とか好きそうだねw
自分は京極とか宮部って以外だな 村上春樹とかじゃないのか?
いや、浅田次郎でしょ。 村上なんか本棚の飾りにもならん。
655 :
吾輩は名無しである :2009/09/29(火) 21:30:05
インタビューで村上春樹がどおのこうの言ってて 心底がっかりした。
656 :
吾輩は名無しである :2009/09/29(火) 21:31:23
あげてしまって、ごめんなさい。
「私のライバルです」でしょ?
ハルーキムラカーミ
それって日本人向けのインタビューですか? そんなもんリップサービスに決まってるますね。 「好きな食べ物は寿司・テンプラです」みたいなもんで。
>>659 詳しいことはわすれましたが、どこかのサイトに掲載されてるやつです。
確かここでみつけたのだと思う。
リップサービスだとよいのだが。
そこまで春樹を毛嫌いしなくたっていいじゃないか… ところで客観的に見てイシグロのライバルっていうと誰あたりになるんだ?
662 :
吾輩は名無しである :2009/11/13(金) 23:41:06
皆さん、ここらへんで素直になって、どこで泣いたか話し合ってみるっていうのは如何でしょうか。 では私から申し上げます。 第11章 「宝物」をケファーズさんに託すくだり。早川文庫版では201、202頁。 「『よくみたら、確かにいいもんばっかりだ』・・・」 ちょっとアメリカっぽくセンチメンタル過ぎるでしょうか。 第20章 トミーとのことを思って 同364、365頁 「いまこうしているのは嬉しい、こうできるのは嬉しい、だが、・・・」 映画にするなら、ここまで相手のことを考えられそうな人に演じていただきたいものです。
これはとてつもないラブストーリー。 こんな純愛小説を否定する人が信じられない!!
664 :
吾輩は名無しである :2009/11/16(月) 21:14:17
「私を離さないで」の次に読むべき作品はどれですか? 私は「私を」が初めてのカズオで、身体全体を感動が 駆け巡って、自分が誰かと入れ替わったかのようです。 失望したくはありませんが、「私を」以上の感動は、 怖い。元の自分に戻って、なおも感激する作品はどれ でしょう。
トヨザキ社長絶賛のシマダマサヒコをオススメいたします
666 :
吾輩は名無しである :2009/11/16(月) 21:53:13
早速ありがとうございます。探してみます。 シマダマサヒコさん、、、ですね? カズオと同様帰化された方でしょうか? どれから読んでも良いですか?
すべて傑作ですので大丈夫です とくに最近のものをオススメいたします
668 :
吾輩は名無しである :2009/11/17(火) 08:05:55
>667さん ありがとうございます。 シマダさん?カズオさん?どちらのことでしょうか?
669 :
腹詮索 :2009/11/27(金) 14:19:48
ちょっとまえに毎日変態新聞にカズオの写真があった どうみてもカズオに見えなかった、違う人物だったとおもうけど 気づいたひといる?
島田雅彦はロシア語(もしくは文学)専攻だったので サヨクがどうのという作品で若くしてデビューを飾った作家 旅好きで語学には堪能かもしれないけど、日本育ちの日本人だよ
>>663 ラブストーリー???
もう1回読むことをおすすめ。
百年の孤独の感想で、男と女の話でしょ、って言った人を思い出す。
イシグロもcreater
「夜想曲集」の話があまりないね。 自分も読んだのは少し前だけど、よく思い出すのはモールバンヒルズかな。
確かにモールバンヒルズの風景とああ言った旦那さんにきーっとなる感じが なんとも印象深く思い出される。 私は最後の『チェリスト』。が、もぉ〜身悶えるほど嫌い! 立ち直れなそうなくらい考えさせられた。 なので、読めてヨカッタです。
うろ覚えなんだが確か昔の女(?)とダンスするやつがあるでしょ。 最後にためらいながら踊りだす場面で語りの調子というかテンポ感が 一変したのは、まさに小説でしか味わえない不思議な感覚だった。
今日東西線乗ってたら、斜め前に立ってた人が、 Kazuo Ishiguro, Nocturnes(ペーパーバック)読んでた〜。 (混んでて距離もあったので話かけなかったが、にやにやしてしまいました) ナイン・インタビューズ読んだ方いますか? 本屋でも見かけないし 多少お高いので買うか迷ってるので、感想聞きたし。
やっとPBのポケット版出たから買ってきた
>>678 もしや東西線の人?? 普段は英語興味ないけどこればっかりは
原文で読めるのうらやましいっす。
映画版「わたしを離さないで」のキャシー役の人、 ゴールデングローブに次いで、アカデミーでも主演女優賞候補に上がったね。 該当作品「An Education」自体も、最優秀作品賞ノミネート。 キーラ・ナイトレーとアカデミー主演女優賞候補女優の二枚看板で 日本でも広範囲で上映されることを期待。
681 :
678 :2010/02/03(水) 22:53:24
>>679 非常に紛らわしいですが別人です
すみません
682 :
吾輩は名無しである :2010/02/11(木) 18:01:42
Never Let Me go Kazuo Ishiguro のペーパーバックを買ったんだが、TOEIC600、準2旧〜2級って書いてある。 和訳は読んでるんだけど、そんな簡単だろうか? まぁ、参考程度って書いてるけど。 リライト版かと思ったけど、そういう記載ないからオリジナルっぽいんだよなぁ。 カズオ・イシグロは両親とはあやしい日本語で話すくらいの、 イギリス生まれイギリス育ち、イギリス在住の人だし、特別やさしい英語ってわけじゃないよね。 vintage international のだけど、思ってたより薄いな。
そんなに易しくないと思う。 単語自体はそこまででなくても、 イギリス英語の口語だから熟語周りが普通の日本人にはしんどい。 (読みなれている人ならどうってことないのかもしれないけど。) あと意味の取りづらいところも多くて相当ごまかして訳してる感触がある。 TOEIC 600とか英検2級程度じゃ全く歯が立たないと思う。 そのレベルって日常会話も無理でしょ?実際。 ただ日の名残りの執事の語りに比べれば相当楽なはず。
アメリカ英語もスラスラじゃないのに 何がイギリス英語だからしんどいだよw アホいってろ
アメリカ英語よりも一段としんどいってことだろ
日本人が習うのは普通アメリカ英語だろ
687 :
679 :2010/02/11(木) 21:07:29
>>681 こちらこそ、はやとちりスミマセン。
映画早く観たいなあー
クローン持ってくるなら 日本の漫画家のほうがよっぽど心に響く いいものを書いているんじゃないかとオモタ。 中途半端な感じ。
漫画(笑
日本のマンガはレベル高いからなあ。
>>688 ストーリーも漫画っぽいよね。SF少女漫画にありそうな感じ。
たまに電車の中で30過ぎのリーマンがジャンプとか読んでるの見かけると うら悲しくなる
クローンを持ってきちゃった時点で質のいい他のSFと比べられるのはまあ 世に出た以上仕方がない罠。そうすると「そんなわきゃねーだろ」 という部分があまりにも多すぎる。エンタメ系が頑張っているからね。 SFとしてではなく、文学作品として楽しめと言われても、そう想定しても あまりにも辻褄があわなすぎるとちょっといくらなんでもねえ。最後は 強引な気もしたし。どっちつかずで虻蜂取らずになっちまったかな。 「日のなごり」は評判いいし、もうちょっとはいけてるのかな。
クローンとか提供みたいなプロットの大枠はSFではありがちだし、この作品の特徴ではない気がする。 (行動の理由付けとかが割り切ったようにズサンな点は、むしろ新しいかもw) それよりもこのネタを波風立てずに淡々と語っている表現を楽しむ作品だと思う。
そういえば途中からグダグダしてきて読んでないけど輝夜姫とかそんな話だったような。 センチメンタルでリリカルな感じはブラッドベリっぽいので萩尾望都あたりが漫画化してもいいかも。
萩尾望都はクローンとか双子物で いいの描いているよなあ
最近「わたしを〜」読んだから来てみた 諦観に批判的な意見多いんだね 私は、死のメタファとして読んだ 自分もある程度の年齢なので、死は現実的なものとして 最近捉えていて、必ず誰にもいずれやってくる運命を前に どう生きるかが描かれてると思った だからこそ、主人公たちは提供のことを「使命」と捉えているのだろうと。 これ読んで以降、「いつかは灰になる」と思うと目の前の不満や 苦しさに囚われることがちょっと減った、鴨
主人公たちはなんで戦わないの? みたいな感想書く奴らは高校生とかだろう
>>698 絶対に突っ込まれるのが分かっているのに書いてないからじゃない?
信頼できない語り手だからというのが理由なんだろうが
避けられないなら避けられないなりに肉付けしないと。
(発信器でも埋め込まれていそうな描写はあるけども。)
現実的にはそう簡単に固定概念(=抵抗しない)って覆されるものではないと思うけど
舞台設定の練り込みの浅さもあって、全体的に書き込めてない印象を与えるんだと思う。
他の作品を読んでもそういうところがあるし。
面白いのは確かなんだけどね。
これいつ面白くなるんだろうと我慢しながら読んでいて 最後で唖然とした。あれが伏線だったの?あれが説明? リアリズムも結構だけれど、読んであそこまで面白くないんじゃ 小説としてしょーもないんではと思った。
ならシドニー・シェルダンでも読んでろよ
もっとつまらないなあ。
シドニー・シェルダンw
705 :
吾輩は名無しである :2010/06/03(木) 16:08:04
やはり、彼の最高傑作は「日の名残」だね。こんな傑作を書いてしまっては どの作品にも物足りなさを感じる。
マダムがプロジェクトの黒幕でキャシーの親だよね? 絶えずドナーから移植を受けて若さを保っていた。 カセットを盗んだのもマダム? 日の名残りのムッシューデュポンもそうだけどフランス人にはひどい扱い。 紳士たるもの人前で服は脱がない、とかいって靴下まで脱いでた彼はどうなるん?
707 :
吾輩は名無しである :2010/06/19(土) 11:50:52
708 :
吾輩は名無しである :2010/07/03(土) 03:59:45
「わたしを離さないで」でググるとキチガイのブログが上位にヒットするんだが。