1 :
サンチョ :
2006/04/25(火) 03:57:56
短編が好き。 『セルバンテス短編集』(岩波文庫)の「愚かな物好きの話」、「ガラスの学士」とか
「私こそスペイン語で短編を書いた最初の作家である」
>小説の起源といわれる カンタベリー物語(14世紀)は小説じゃないのか?
6 :
吾輩は名無しである :2006/04/25(火) 08:27:46
ヨーロッパでは17世紀「小説」は、「小話」と長編の散文との間の、 短い物語のジャンルとして考えられていた(現在の短編小説にあたる)。 セルバンテスの『模範小説集 』は短篇の物語集であるが、それまでの散文形式にとらわれない、「新しい物語叙述」を創り出した。 同作家が書いた『"ドン・キホーテ"』は作者の世界観を表現しながら、 登場人物たちの成長や葛藤、心理の変化など、「個」に主眼においた近代的な作品であった。 よって彼をもって「近代小説の祖」とする人もいる。 また同様の理由で、デフォーの『ロビンソン・クルーソー』も「近代小説の祖」といわれる。
>>5 もっと遡れば、古代ギリシア・ラテン文学の有名な小説だけでも次のようなものがある。
ペトローニウス 『サテュリコーン』 ローマ.1世紀.
(国原吉之助訳.岩波文庫.1991年.) ――古代ラテン文学。デカダンス小説。
セネカ 『アポコロキュントーシス』 ローマ.1世紀.
(国原吉之助訳.岩波文庫.1991年.) ――古代ラテン文学。短編諷刺小説。
ルーキアーノス『本当の話』 ギリシア.2世紀.
(呉茂一他訳.ちくま文庫他.1989年.) ――古代ギリシア文学。短編諷刺小説。
ロンゴス 『ダフニスとクロエー』 ギリシア.2-3世紀.
(松平千秋訳.岩波文庫.1987年.) ――古代ギリシア文学。恋愛小説。
ムーサイオス 『ヘーローとレアンドロス』 ギリシア.5世紀.
(中務哲郎訳.岩波文庫.2004年.) ――古代ギリシア文学。恋愛小説。
すべて読んだことがあるものだけに絞ったが、これらも普通に小説だと思う。
しかしまあ、「小説」の定義がまず必要になるだろうがね。
『起源の小説と小説の起源』 マルト・ロベール
>あんま読んだ人いないのかな? 短編やなんかは日本で人気があるほうだと思わないが、 いくらなんでも『ドン・キホーテ』くらいはほとんどの奴が読んだことあるだろ。 好みや評価は別としても。 たしか岩波少年文庫などの子供向けのシリーズにすら入っていたように思うし。
『ドン・キホーテ』の文庫は 筑摩より岩波のほうが、やや好みなのだが 皆はどう?
岩波かなー。ちくまのは古い感じ。
『ペルシーレスとシヒスムンダの苦難』もよろしく!
14 :
吾輩は名無しである :2006/04/25(火) 21:34:51
最近初めて読んだけど(岩波の前編)かなり面白かった。 有名な風車の話って「無知は怖い」って話として 聞かされてた覚えがあったんだけど ぜんぜんちがうんだね。 ちゃんと読んでみるもんだ。 いま後編を読んでる。
『贋作ドンキホーテ』(ちくま文庫)もよろしく!! あっ、品切れか?
>>1 スレ建てお疲れさまです。
長生き良スレを目指しましょう。
>>16-18 おつかれGJ.
ドンキホーテは冒頭の、お暇な読者よ、の一行で名作決定だ。
「贋作ドン・キホーテ」読んでみたいけど、古本すごい値段ついてるんだなあ…
模範小説集も高いね。新品で5000円って
22 :
吾輩は名無しである :2006/04/26(水) 10:29:41
23 :
吾輩は名無しである :2006/04/26(水) 12:29:14
↑こういうおすすめ嬉しいです。 ドン・キホーテ論っていくつかあると思うけど 他におすすめありますか? ナボコフのはどうなの?
24 :
吾輩は名無しである :2006/04/26(水) 14:41:05
あ、絶版じゃなくて品切れってだけか。失礼
ドン・キホーテで一番いい翻訳はどれ? 新潮社のを読んでみようと思うんだけど
雁作ってのは面白いの? 知らなかったからググってみたけど、別の作者が無断で書いたものなんでしょ
アベリャネーダ『贋作ドン・キホーテ』全2冊. 岩根圀和(訳). ちくま文庫. 1999年. [品切] 訳者による「あとがき」より > 当時は剽窃の意識の薄い時代のことだから先に世に出たアベリャネーダの『ドン・キホーテ』は、 > 作者の異なる別の『ドン・キホーテ』後編であるに過ぎないのかも知れない。 > アベリャネーダ自身も「ある物語が複数の作者を有することは別段目新しいことではないのですから、 > この後編が別の作者の筆から生まれることにどうかおどろかないで戴きたい」と序文に述べているとおりである。 > アベリャネーダの発想の貧弱さと文章の拙さ、そしてドン・キホーテ主従の単一化された行動パターンの繰り返しにはたしかに読者を辟易させるものがある。 > セルバンテスのドン・キホーテの狂気には、なるほど騎士道小説を読み過ぎればそのような妄想も起こるかも知れないと思わせる部分があった。 > それがドン・キホーテを憎めない好人物にしているひとつの要素となっているように思える。 > ところがアベリャネーダのドン・キホーテは、相手がローランに見えたり、ブラミダン・デ・タハユンケとなったり、 > その場その場で脈略もなく歴史上の英雄に変貌する乱脈ぶりはグロテスクでさえある。 # 訳者の評はこのように厳しいですが、本編の読者にはこの風変わりなドン・キホーテもそれなりに楽しめるのではないでしょうか。
>>29 丁寧なレスありがとう。
> それがドン・キホーテを憎めない好人物にしているひとつの要素となっているように思える。
> ところがアベリャネーダのドン・キホーテは、相手がローランに見えたり、ブラミダン・デ・タハユンケとなったり、
> その場その場で脈略もなく歴史上の英雄に変貌する乱脈ぶりはグロテスクでさえある。
けっこう惹かれます。
でも、一般書店ではもう手に入らないんだね残念。
復刊しないかなあ。
>>29 >>30 正直にいって、先年の復刊書目実績を見ても、
ちくま文庫での復刊はちょっと難しいかも知れませんね。
俗説ですが、例の復刊ドットコムに載ると古書相場が上がってしまうらしいです。
適正売価での購入は、街の古書店をまめにチェックしているうちに遭遇する
ということのほうが期待したほうが良さそうです。
33 :
32 :2006/04/28(金) 18:11:45
34 :
吾輩は名無しである :2006/04/29(土) 07:33:44
ナボコフ「ドン・キホーテ講義」も復刊希望。 古書の値段高杉
36 :
吾輩は名無しである :2006/05/01(月) 12:18:16
こんなドン・キホーテのパロディ(?)小説もあるんだね。 キャッシー・アッカー『ドン・キホーテ』 時は現代、英国人女性ドン・キホーテ(66歳)は堕胎により発狂、 喋る犬セント・シメオンをお供に果敢に世界へと出撃する。 自伝、幻覚、歴史、ルポ、テクストの引用が網の目のように入り組み、 お得意の〈剽窃〉がいかんなく発揮されている。 マゾヒスティックな愛のなかに性の神話の復権を語った長編小説。
37 :
EL MANCO DE LEPANTO :2006/05/02(火) 03:30:43
『ドン・キホーテはわたしひとりのために生れ、わたしはドン・キホーテのために生れた。 彼は行ってみせ、わたしは書いてみせた。二人だけが合って一つになれるのだ。』 後年、セルバンテスはこう語ったそうです。 以前岩波文庫ででていた永田ェ定訳のドン・キホーテがよかったです。 今日的ではありませんが。 『ドン・キホーテはセルバンテスの日沒 ―柔く嚴かな日沒― である。』
38 :
吾輩は名無しである :2006/05/02(火) 14:42:55
おひまな読者よ。わたしの知能が生み出した息子ともいうべきこの書が、 想像しうる限り、もっとも美しく、愉快で、気のきいたものであれかしと 著者のわたしが念頭していることは、いまさら誓わなくても信じていただけよう。 しかしわたしもまた、蟹は甲羅に似せて穴を掘るという自然の法に逆らうことはできなかった。 (岩波書店 牛島信明 訳) 閑暇な読者よ、予がこの書物を、己が知能の子として、想像しうるかぎり、 およそ美しい、高雅な、巧緻なものであれかしと願っていることは、 いまさらとりたてて誓わないでも、お信じくださるところであろう。 とはいえ、自然の法(のり)、あらゆる物は己に似たものしか生まぬという、 この自然の法には、ついに予もまた逆らうことができなかったのである。 (筑摩書房 合田由 訳)
それほど昔のことではない、その名は思い出せないが、ラ・マンチャ地方のある村に、 槍掛けに槍をかけ、古びた盾を飾り、やせ馬と足の速い猟犬をそろえた型どおりの郷士が住んでいた。 羊肉よりは牛肉の多く入った煮込み、たいていの夜に出される挽き肉の玉ねぎあえ、 金曜日のレンズ豆、土曜日の塩豚と卵のいためもの、そして日曜日に添えられる小鳩といった ところが通常の食事で、彼の実入りの四分の三はこれで消えた。 ……(中略)…… ところで、知っておいてもらいたいのは、上述の郷士が暇さえあれば (もっとも一年中たいてい暇だったが)、 われを忘れて、むさぼるように騎士道物語を読みふけったあげく、 ついには狩りに出ることはおろか、畑や田畑を管理することもほとんど完全に忘れてしまった、 ということである。こうした好奇心がこうじて読書がやみつきになった郷士は、こともあろうに、 読みたい騎士道物語を買うために何ファネーガもの畑地を売りはらい、 その種の本で手に入るものをすべて買いこんだ。 (岩波 牛島信明 訳)
名は思い出したくないが、ラ・マンチャのさる村に、さほど前のことでもない、 槍かけに槍、古びた盾、痩せた馬に、足早の猟犬をそろえた、型のごとき一人の郷士が住んでいた。 昼は羊肉よりも牛肉を余分につかった煮込み、たいがいの晩は昼の残り肉に玉ねぎを刻みこんだからしあえ、 土曜日には塩豚の卵あえ、金曜日にはランテーハ、日曜日になると小鳩の一皿ぐらいは添えて、 これで収入の四分の三が費えた。 ……(中略)…… ところでご存じねがいたいことは、上に述べたこの郷士が、いつも暇さえあれば (もっとも一年のうちの大部分が暇な時間であったが)、 たいへんな熱中ぶりでむさぼるごとく騎士道物語を読みふけったあまり、 狩猟の楽しみも、はては畑仕事のさしずさえことごとく忘れ去ってしまった。 しまいにはその道の好奇心と気違い沙汰がこうじて、読みたい騎士道物語を 買うために幾アネーガという畑地を売り払ってしまった。 こやって、手に入るかぎりのそういう書物をことごとく己が家に持ち込んできたのであるが…… (筑摩 合田由 訳)
Desocupado lector: sin juramento me podras creer que quisiera que este libro, como hijo del entendimiento, fuera el mas hermoso, el mas gallardo y mas discreto que pudiera imaginarse. Pero no he podido yo contravenir al orden de naturaleza; que en ella cada cosa engendra su semejante. [...] (Cervantes. "Prologo". El Ingenioso Hidalgo Don Quixote de La Mancha. 1605.)
En un lugar de la Mancha, de cuyo nombre no quiero acordarme, no ha mucho tiempo que vivia un hidalgo de los de lanza en astillero, adarga antigua, rocin flaco y galgo corredor. Una olla de algo mas vaca que carnero, salpicon las mas noches, duelos y quebrantos los sabados, lantejas los viernes, algun palomino de anadidura los domingos, consumian las tres partes de su hacienda. [...] Es, pues, de saber que este sobredicho hidalgo, los ratos que estaba ocioso, que eran los mas del ano, se daba a leer libros de caballerias, con tanta aficion y gusto, que olvido casi de todo punto el ejercicio de la caza, y aun la administracion de su hacienda. Y llego a tanto su curiosidad y desatino en esto, que vendio muchas hanegas de tierra de sembradura para comprar libros de caballerias en que leer, y asi, llevo a su casa todos cuantos pudo haber dellos; [...] (Cervantes. "Capitulo I". El Ingenioso Hidalgo Don Quixote de La Mancha. 1605.)
43 :
吾輩は名無しである :2006/05/13(土) 08:08:39
なかなかレスがつかないなあ ドン・キホーテのスレッドだよ〜 みんなおいで〜 本読み過ぎて狂っちゃた男のはなしだよ。 他人事じゃないよ。
そのドン・キホーテが耽読した騎士道物語なんだけど、どんなものなんだろう? 読んだことある人います? 翻訳されているのかな? 『ラサリーリョ・ド・トルメスの生涯』は違うよね。
おお人が来てくれたw 嬉しい。 でも、騎士道物語は読んだことないんだよなあ。 作中には、 「あらゆるこの種の本(騎士道物語)の中で、あの名高いフェリシヤーノ・ デ・シルバの作ったものほど彼(ドン・キホーテ)の嗜好に投じた作品はなかった」 とありますね。 で、いちおう訳注によると 「フェリシヤーノ・デ・シルバ(1492?〜1558?)は当時人気のあった作家で 『リスアルテ・デ・グレシア』『アマディーヌス・デ・グレシア』そのた多くの 騎士道小説を書いている…」
46 :
吾輩は名無しである :2006/05/13(土) 18:38:25
ドン・キホーテの著者ピエール・ベルナール のスレはここですか?
それを言うなら「ベルナール」じゃなくて「メナール」じゃないんですか? 似た名前でのかたで、例の 《 Paul et Virginie 》 を書いた Bernardin de Saint-Pierre ってかたもいましたけど、 Jorge Luis Borges さんが論文のなかで Quixote の作者として扱っているのは、 Pierre Menard さんですよねw To be, in the twentieth century, a popular novelist of the seventeenth seemed to him a diminution. To be, in some way, Cervantes and reach the Quixote seemed less arduous to him --and, consequently, less interesting--than to go on being Pierre Menard and reach the Quixote through the experiences of Pierre Menard. (Jorge Luis Borges, Pierre Menard, Autor del Quijote. tr. J. E. Irby. 1939.) Borgesさんは、Menard さんとやらを高く買いすぎなんじゃないですかねw
48 :
吾輩は名無しである :2006/05/15(月) 12:30:12
セルバンテススレできてるのか 模範小説集もペルシーレスも前読んだことある あと贋作も 新潮社から新訳出てるみたいなので今度読んでみる
ペルシーレスどうでしたか?
質問です このスレ見てドンキホーテを読んでみたいと思ったのですが、どなたの訳が読みやすいでしょうか?
>>51 いつもなら、スレに一通り目を通して疑問が解決しなければ質問していたのですが、今回はちゃんと目を通してなかったです
今後は気を付けます
明日辺りに岩波のドンキホーテを買いたいと思います
親切にありがとうございました
>>52 読んだら感想かいてね。
ってそれまでスレ生き残ってるかわからんが…
十分な勢いでレス伸びてるよ。 長い作品だし、ゆっくり行きましょう。
今新潮社の読んでる途中 読みやすいんだけどちょっとはしょってる印象だな
>>55 もしよろしければ
>>38-42 の補足として
新潮社の同じ箇所(序文と1の頭)を
引用していただけませんでしょうか。
57 :
吾輩は名無しである :2006/05/26(金) 02:52:14
>>57 かなり通好みのアンソロジーみたいだね。
ボッカッチョふうってとこが、飛び切り陽当たりが良さそうで気に入ったよ。情報まいどありぃ。
わたしが読んだことある作家は、それらのなかでは情けないことにケベードだけだよ。
そういえば「笑いの騎士団」っていうので思い出したから書くけど、『アマディス』系の騎士道物語では、
モンタルボ Montalvo の『アマディス・デ・ガウラ』 Amadís de Gaula (Amadis of Gaul) っていうのならば、以前読んだことがある。ざっとだけどね。
モンテーニュが「『アマディス』は少年時代の興味をひきとめるだけの力もなかった」とか『エセー』で扱き下ろしていたから、逆に気になって挑戦してみたんだ。
まあたしかに、ごく一般の大人の読み物としては、彼がいうとおり退屈の牢獄だと思うよ。
けれど、わたしみたいに荒唐無稽なエピソードが好きなひとには、宝箱でしょうね。
剛直で勇敢な騎士アマディスが、心の女性たるオリアナに献身的に仕えている。
彼女のお気に入りの色の服を身にまとい、行く先々で困難に立ち向かうけれど、
彼女のためとあれば水火をくぐることも辞さない――っていうアリガチな感じ。
当時のスペインで大いに流行ったみたいだけど、アリオスト『狂えるオルランド』[it]や『アーサー王と円卓の騎士』[gb]のほうが素敵におもしろいと思う。
先生方に質問です この本は少年文学扱いされているじゃないですか 翻訳として大人向け=原文に忠実or簡略化されていないもの はありますか?
?普通に文庫で出てるのは違うの?
>>59 岩波の児童文学文庫(とかって名前のやつ)は抄訳本
あと、白水社のも
>>56 序
この本を読もうという酔狂なあなたに。
本書を産み出すには、それはそれは知恵を絞りました。それだけに、見目麗しく、品よく、
気高い子であってほしい、と願っております。
しかし、世の中は、儘ならぬものであります。鳶に鷹は産めないということです。
もともと痩せた土地、それを、無い知恵しぼって耕しても、穫れるものは高が知れています。
所詮。イスパニアのそこかしこに生える榛の木のように、がさつで、もの欲しげで、首が据わらず、
木を衒ったものしか生まれて来ないのでありましょう
さほど昔のことではない、ラマンチャ平原の、どこかであったか、さる村に郷士がいた。
端くれながら侍貴族。錆びてはいるが、しかるべき場所に先祖伝来の槍、時代物の盾、くたびれた痩馬をそなえ
何とか走れる猟犬をおいて、侍が用済みの世に、その典型であった。
昼は、ありあわせのものを鍋で煮込んで食った。肉は値のはる羊よりも牛が多め。夜はたいてい昼の残りをサラダにした。
土曜は肉をさけて臓物の卵あえ。金曜は、腹持ちのいい篇豆の煮込み。日曜は、普段の鍋に鳩などをくわえてご馳走にした。
いとも単調ながら、この食事に収入の四分の三が消え、
……(中略)……
この郷士、暇さえあれば、ほぼ年中暇であったが、騎士道小説を読み、日課のような狩猟も、
田畑の管理もほったらかし、読み耽って、現をぬかし、あげく、騎士道本を手に入れるために幾町部も人手に渡した。
この手の本とみれば片っ端から買い集めたのである。
(新潮社 荻内 訳)
いちお
63 :
56 :2006/05/28(日) 03:57:54
>>62 [新潮社の翻訳]
どうもありがとうございます!
ますます良スレになりましたね。
これでこのスレで3つの訳の比較ができます。
64 :
1 :2006/05/28(日) 08:04:12
>>62 乙です。岩波、筑摩と比べてなんか印象がちがいますね。
参考になります。
あと、いまさらながら原文をアップしてくれた人もありがとう。
65 :
59 :2006/05/28(日) 08:36:49
こうして三つの訳を並べてみると、会田訳はより逐語的、荻内訳はより意訳的、 牛島訳はその中庸を得ているってところなのかな。 たとえば、会田訳で「あらゆる物は己に似たものしか生まぬという」としている部分。 この会田訳は、ほぼ原文 (que en ella cada cosa engendra su semejante) に即した訳だね。 それを牛島訳では「蟹は甲羅に似せて穴を掘るという」とし、荻内訳では「鳶に鷹は産めないという」としている。 原文にはない表現を使いながらも、日本語として通りをよくする工夫なんだろうね。 ついでに、同じセンテンスにある、会田訳で「自然の法」としていることばについて。 牛島訳では、原文にある「自然の法 orden de naturaleza」を訳文に活かしている。 他方、荻内訳ではこれを「世の中」と言い替えてしまっている。 イスパニアの黄金時代は、自然界についての客観的な知識の糸口を掴み始めたルネサンスから、 理神論を経て18世紀的唯物論の時代にいたるまでの間に位置するわけで、 「自然の法」は「人間の法」「神の法」とならんで重要なキーワードだった。 荻内訳は全体として、短い句のたたみ重なりによって、音楽的な効果が出ている。 簡潔な翻訳を目指したんだろうけど、こういう方便は気になるところ。
「翻訳者は裏切り者」と俚諺にもあるように、 原文にはない表現を上手く使いこなして訳しこむのはとても難しいだろうね。 もし翻訳がことばの語釈的な意味を伝えるだけでよいものなら 語学力さえあればよいわけで、 もしかしたらシグロ・デ・オーロ文学を専攻する優秀な院生の覚え書のなかに、 よりストイックな訳を見出せるかもしれない。 そんななかにあって、牛島訳の世界に生きるドン・キホーテとサンチョ・パンサの やり取りはドラマティックであり、その粋な語り口は紛れもなく 彼らのものとなっている。 まあ、ひっきょう自分の惚れたものが一番しっくりくるということなんだろうけど、 劈頭の一文からして渡邊一夫のラブレーを髣髴とさせる調子の見事な翻訳に、 わたしは第一等の折り紙を付けたくなるよ。
ところで、カフカの愛読者なら知ってると思うけど、彼の作品のなかに ドン・キホーテに関する洒落た掌篇がある。ごく短いので以下に資料として引用するね。 サンチョ・パンサはとりたてて自慢にするでもなく、 何年もの間、夕方から夜にかけて騎士道小説や盗賊物語を読みふけり、 その結果、自分のなかの悪魔を ――のちにドン・キホーテの名を与えたものだが―― まんまとわが身から追い出した。 そやつはあてもなくバカげたことをしでかしたが、前もって定めておいた ――つまりサンチョ・パンサその人であるところの―― 相手がいなかったので、だれの害ともならなかった。 自由人サンチョ・パンサはこともなげにドン・キホーテのお伴をする。 おそらく、ある種の責任感である。 そしてドン・キホーテが死の床につくまで、とびきり意味深いよろこびを味わった。 (Kafka, F. Die Wahrheit über Sancho Pansa. 1917.; カフカ 「サンチョ・パンサをめぐる真実」『カフカ寓話集』 池内紀(訳). 岩波書店. 1998年.)
>>66-68 おー、勉強になります。
「自然の法」の一語にそんな歴史的背景があったとは。驚きました。
カフカの掌編の引用もありがとう。
「変身」しか読んだことないから知らなかった。今度書店で買ってみます。
>そやつはあてもなくバカげたことをしでかしたが、前もって定めておいた
>――つまりサンチョ・パンサその人であるところの――
>相手がいなかったので、だれの害ともならなかった。
ってとこがなんかいいな。
新潮のって14700円もするのしか無いのか!?
71 :
吾輩は名無しである :2006/06/07(水) 21:26:50
agetest
72 :
:2006/07/04(火) 16:18:21
73 :
吾輩は名無しである :2006/07/13(木) 09:39:35
あげ
この物語の主な登場人物をあげてくれ!お願いします
75 :
吾輩は名無しである :2006/07/25(火) 10:00:48
>>74 ドン・キホーテ (アロンソ・キハーノ)
サンチョ・パンサ
ドゥルシネーア・デル・トボーソ (ドン・キホーテの思い姫)
シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ (アラビアの歴史家でドン・キホーテの真の作者という設定)
ニコラス親方 (床屋)
ペロ・ペレス(司祭)
サンソン・カラスコ (後編に出てくるサマランカ大学の予科学士)
テレサ・パンサ (サンチョの嫁)
サンチカ (サンチョの娘)
ヒネス・デ・パサモンテ
公爵夫妻
フェルナンド
ドロテーア
ルシンダ
カルデニオ
76 :
吾輩は名無しである :2006/07/25(火) 17:25:01
けっこうおもしれえよな
公爵夫妻ヒドス
78 :
吾輩は名無しである :2006/07/26(水) 02:08:45
79 :
吾輩は名無しである :2006/07/26(水) 21:56:12
80 :
吾輩は名無しである :2006/07/27(木) 23:44:31
>>79 買っちゃいましたw
背表紙以外に文字入れてないですね
ボケ老人いじめちゃ駄目だよ
82 :
吾輩は名無しである :2006/09/03(日) 00:09:51
調子が悪いのでちょっくら 霊水をつくって飲んでくるわ
83 :
吾輩は名無しである :2006/09/04(月) 18:04:14
どうやって作るんだっけ たしか油に何か混ぜて煮たんだよな
夜中にドンキホーテ行ったら怖い人たちがいっぱいいました。・゚・(ノД`)・゚・。
85 :
吾輩は名無しである :2006/09/18(月) 00:40:29
1.服を脱ぐ 2.たたむ 3.霊水を入れる 4.騎士に叙任されないうちに飲む ●ノ□ ● .。、.,,。*● ノ■ヘ ●■ <■> ▼ ,*゚;゙。■〜u / □ ノノZ乙 つつ ▲ / \
読んでみようかな
87 :
吾輩は名無しである :2006/09/25(月) 16:17:49
初めて読もうという人は会田訳は絶対にやめた方がいい。 それ以外にしなさい。会田訳は古語混じりだし僕は古語辞典引きながら読みましたよ。 一応全部読んだけど訳に慣れるまで時間がかかりました。 ちなみに読んだのは中央公論「世界の文学 セルバンテス」全体の三分の一を 削っている抄訳版だけど長かった。でも面白かったのでまた別の訳で読もうと思っています。 次は岩波の牛島訳かな。新潮版も是非読んでみたいです。
岩波文庫の旧版、永田(+高橋)訳がいいよ。
89 :
吾輩は名無しである :2006/09/28(木) 14:24:34
>>88 読みやすいんでしょうか?
だったら読んでみたいです。
どなたか堀口大学訳を読んだ方いらっしゃいませんか? ときどき立ち寄る古本屋で簡素な革装丁の堀口訳を見かけて おっと思ったのですが、荷物になるのでそのときはパス、 次に行った時にはお店がありませんでした。これで某駅周辺の 古書店は、ほぼ全滅です。そんなことはどうでもいいですね。 ぱらっと見た感じではよさそうだったのですが、どうでしょうか、 感想を教えてください。
91 :
吾輩は名無しである :2006/09/30(土) 23:25:08
牛島訳と比べたらどっちがいい? 今度ドン・キホーテ読むとき旧版読んでみるわ
93 :
吾輩は名無しである :2006/10/08(日) 00:01:23
ドン・キホーテの生涯戦績は何勝何敗何分けですか?
>>93 ナボコフがドン・キホーテ講義で検証しているよ。
95 :
吾輩は名無しである :2006/10/16(月) 17:29:19
ナボコフによる分析だと20勝20敗。無血勝利・精神的勝利(言い負かしたり調停したり)も含まれる。 ・前編での勝利(数字は章) 3 甲冑の見張り 4 アンドレスの主人 7 夢の中の戦い(ドン・ロルダン) 7 サンチョの説得 8 修道僧との戦い 8 ビスカヤ人の騎士 9 グリソストモの葬儀(牧人の説得) 19 騎士の葬列 21 マンブリーノの兜 22 漕刑囚の解放 35 夢の中の戦い(巨人) 37 武人の優越に関する演説(ナボコフは、これを最も重要な勝利だと考えている) 44 旅籠の客の説得 45 旅籠の庭での乱闘 なんだかいつもボコボコにされてる印象があるけど、思った以上に勝ってるね。 でも、ドン・キホーテ本人の視点からなら、一勝一敗ではないかな、とも思う。 騎士が生きること自体が勝利なんだから。
96 :
吾輩は名無しである :2006/10/16(月) 21:50:46
97 :
吾輩は名無しである :2006/10/16(月) 23:35:25
おもしれえよな
98 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 00:25:09
我が道理にすげなく当たる、道理なき道理にわが道理も弱り果て、 君が美しさを嘆き恨むもまた道理なれ。 ……この超文章、なんだか深読みしちゃいそうになるなぁ。
そんなにたいした量の本を読んできたわけじゃないけど 初めてもう一度読んでみたいと思った作品がこれだったな。 本読んで泣いたことがない俺が泣いちゃったんだから、これは名作だ
セルバンテスの生涯がハタから見ると面白すぎる件について。 ・医者の息子として生まれるが、当時の医者は儲からなかった。 ・決闘相手に傷を負わせたため、スペインを離れるハメに。 ・レパントの海戦で、戦自体はスペインが勝ったのに左手の自由を失う。 ・さらに凱旋途中で回教徒の海賊船に襲われて捕虜となる。 就職のための推薦状を持っていたのがアダになり、とても支払えない巨額の 身代金を課せられる。四回にわたって脱走をくわだてるがことごとく失敗。 ・カンパで身請けに成功して帰国するが、実家は借金地獄。 宮廷で報酬を求めるが却下される。新大陸のアメリカでの官職を志願したがこれも却下。 ・37歳で結婚。家族はセルバンテス・姉・妹・姪・妻・娘(私生児)の六人家族。稼ぎ手がまるでいない。 ・牧人小説『ラ・ガラテーア』を出版するが不評。20〜30の戯曲を書いたが、いずれも評判はイマイチ。 ・無敵艦隊の食糧徴発係の職を得て、単身セビーリャに移住するが、教会から食料を徴発したら 破門を言い渡される。わずか二年後に無敵艦隊が英艦隊に撃破されて失職。 新大陸で空席になっていた官職への任官を願いでたが却下される。 ・なんとか滞納税金の徴収吏の職を得る。徴税した金を持ち歩くのは危険と考えて銀行に預けたら 銀行が破産してしまい、借金のためにセビーリャの刑務所に入獄。 ・ 『機知に富んだ郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』を出版、発売直後から大評判となる。 が、版権を売り渡していたので、知名度が高まっても貧窮生活を余儀なくされる。 ・レーモス伯爵がナポリ総督に任命された時、随員になろうと希望して手を尽くしたが選に漏れる。 ・『機知に富んだ騎士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ 後篇』を出版した翌年に死去、享年68歳。 最期まで貧窮していて、家族は葬式代を出せなかった。
セルバンテスかわいそす。
テラセルバンテス
>>100 娘がニンフォマニアで、トラブった男を殺したらしい・・・・(事故あつかいで無罪)
っていうのはこの人だっけ?
>>103 不倫&結婚は中年になってからだから、違うんじゃないかな?
105 :
吾輩は名無しである :2006/11/06(月) 23:53:56
このスレ的にはどうよ?
テリー・ギリアム「ロスト・イン・ラ・マンチャ」
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=240891 > 「未来世紀ブラジル」「バロン」の鬼才テリー・ギリアム監督が長年暖めてきた企画が
>「The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)」。ところがこの映画は
>撮影6日目にして中断に追い込まれ、脚本は保険会社により差し押さえられてしまう。
>本作は、そんな世界が注目した大作のメイキングをつくるためにカメラを回していた
>クルーが図らずも見届けることとなった製作中断までの経緯を追った“アン・メイキング”
>ドキュメンタリーである。
勘違いした悪評も多いみたいだが、俺は吹いた。ある意味、これ以上ないドン・キホーテの映像化だ。
どんどん監督とクルーの間に温度差ができていくのがやるせない。
面白そう。今度の休みに観てみよ
ケーブルでちょっと見たけど、糞つまんなかったよ。 ただのドキュメンタリー。 でも、もう一度挑戦して欲しい。
108 :
吾輩は名無しである :2006/11/07(火) 00:41:45
>>105 これかなり気になってた。
絶対完成させてほしかった
>>107 むう、やっぱりクソゲー好きな自分が特殊なのか?
いつもの二枚目半じゃない、出番の少ない三枚目のジョニーデップも
なかなか新鮮だったが。
>>106 見たら絶対がっかりするけど、そのガッカリ感を楽しめる人なら超お勧め。
ロストインラマンチャ映画館で見た俺が通りますよ。
淡々と進む映画そのものよりも、見舞われる不幸が
あまりにドラマティックで面白かったような記憶がなきにしも。
もしかすると普通に映画が完成するより面白いものが
見れたんじゃないか? という気さえする不思議。
>>109 むしろジョニーデップが打ち合わせのときも格好良くて困る。
111 :
吾輩は名無しである :2006/11/24(金) 15:32:13
112 :
吾輩は名無しである :2006/11/24(金) 22:49:55
岩波の永田訳が 正編1〜3 後編1〜2 が売っていたので買ったけど 後編の3って訳者が代わったのな 後編の3が欲しい
>>111 ああ、どっかで聞いた名前だと思ったら、
サンチョの嫁の名前(誤)だな。グティエレスって。
114 :
sage :2006/12/28(木) 23:14:35
ひまな読者よ、わしの知性が生んだ息子ともいうべきこの書物が、 人間の想像力の及ぶ限りの美しさ、けなげさ、器用さの備わったものであれかしと、 著者なるわしが当然念願したところであろうとは、わしの証言を待つまでもなく、 君は信じてくれるだろう。 ただ、わしも実は、万物は自分と類似したものしか産まないという、 自然の法則には抗【さか】らうわけには行かなかった。 ラ・マンチャ県の或る村に、名前は思い出したくない或る村に、 さほど昔のことではないが、槍かけに槍、古風な楯、痩馬に、 足の速い猟犬まで揃えたm型どおりの郷士がひとり住んでいた。 羊肉よりは牛肉のちと余計に入った鍋料理、大ていの晩は辛【から】ソース、 土曜日にはベーコン添えた目玉焼、金曜日には扁豆【レンズまめ】、 日曜日には雛鳩くらいが余分につく、これだけで収入の四分の三が消えた。 ……(中略)…… ここで知って置かなければならないのは、われわれのこの郷士が、ひまさえあれば (もっとも彼は年じゅう殆どひまだったが)大変な熱を入れて、 騎士物語を耽読したという事実だ。おかげで彼は狩猟のことも、 自分の資産の管理も殆ど忘れてしまった、果は物好きが狂気の沙汰にまで高じ、 立派な畑地を幾町歩も売り払って、騎士物語を買い集め、 手当たり次第に我が家へこれを持ち込んだ。 (新潮社 堀口大學 訳)
115 :
sage :2006/12/28(木) 23:17:39
すまん。へんなところにmが入った。 誤:猟犬まで揃えたm型どおりの 正:猟犬まで揃えた型どおりの
堀口訳、サンクスです
117 :
吾輩は名無しである :2006/12/30(土) 02:15:18
あー遍歴の旅してーなあ
118 :
吾輩は名無しである :2007/01/13(土) 01:35:10
あー古本や行ってもみつかんねーな
119 :
吾輩は名無しである :2007/01/24(水) 22:47:24
ドストエフスキー『作家の日記』1877年9月(ちくま学芸文庫・小沼訳) 人間の魂の最も深い、最も不思議な一面が、人の心の洞察者である偉大な詩人によって、 ここに見事にえぐり出されている。おお、これはまことに偉大な書物であり、今時そのへんで 書きなぐられているものとは訳がちがう。このような書物はせいぜい数百年に一冊の割合で 人類に送られるにすぎない。またこのようにえぐり出された人間の本質の最も奥深い一面は この書物のどのページにも見出される。(中略) しかしながら人類の天才によって作られたあらゆる書物の中で、最も偉大で最ももの悲しい この書物に親しむことは、その偉大な思想によって疑いもなく若い人たちの精神を高め、その ハートにさまざまな疑問を投げかけ、いつの世にも絶えることのない愚かな中庸という偶像や、 独善的なうぬぼれと俗悪な分別くささを崇めたてまつることから、その頭をそらしてくれる助けと なるに違いない。
今、遍歴の騎士がモテる! 「玉ねぎが一つとチーズが少し、パンのかけらがいくつか……騎士の食い物じゃないな。」 「心得違いスキー、一月くらいはものを食わずにいるのが遍歴の騎士の誇りなのじゃよ? 騎士は料理番など連れて行かないので、おそらく手近にある草を次々と食っていたに違いない。」 「分かった。今度から僕は肉とか魚とかを食うから、騎士のお前は草でも食ってろ。」 「知った風な口をきくな!」 「……でもそろそろ本気で草を食う自体になりそうだ。 こいつ、旅に出てから殴られる以外に何もしてないからなあ。」
121 :
吾輩は名無しである :2007/02/08(木) 22:50:13
そろそろドン・キホーテが悲劇か喜劇か決めようぜ
122 :
吾輩は名無しである :2007/02/19(月) 20:01:13
決まっているじゃないか
123 :
吾輩は名無しである :2007/02/19(月) 20:36:59
喜劇のフリをした悲劇でしょ。
「喜劇のフリした悲劇」のフリした喜劇
125 :
吾輩は名無しである :2007/02/20(火) 17:35:10
ヘンタイという名の紳士だよ!
126 :
吾輩は名無しである :2007/02/20(火) 22:16:19
前編は喜劇として、後編は悲劇として読んだ。
くまきちくん・・・
128 :
吾輩は名無しである :2007/02/22(木) 22:36:39
見事な推理だったよ
>>121-126 ちゃん
でも一つだけ見落としたことがあるよ
僕もまた 騎士道小説におどらされただけの
犠牲者の一人にすぎないってことさ……
129 :
吾輩は名無しである :2007/04/01(日) 10:53:35
スレが下がったときはさりげなく上げるのが騎士のたしなみなのだ 覚えておくがよいぞ、サンチョ。
いいスレだ
132 :
吾輩は名無しである :2007/05/25(金) 23:48:56
新潮読んでるが立ち読みした牛島訳のほうが読みやすい印象受けた。 それとも新潮はハードカバーだから読みにくいだけか?w
133 :
吾輩は名無しである :2007/07/02(月) 06:32:07
>>132 よ、wをそんな風にみだりに並べ立てるものではない。
wというのは適切な場で植林するから効果的なのだ。
134 :
吾輩は名無しである :2007/07/02(月) 21:41:28
うおお、どうでもいいけどセルバンテスのあだながマンコだって、 みんな知ってた?
135 :
吾輩は名無しである :2007/07/04(水) 13:46:39
俺が初めて読んだドンキホーテは中学生一年の時に嬉々として借りてきて 一気に読んだ贋作ドンキホーテだったよ。 当時の俺は「贋作」の意味が分からず「ドンキホーテおもすれー」ってはしゃいでた。 ちょっとセルバンテスに申し訳なかったかもしれないな。
136 :
吾輩は名無しである :2007/07/06(金) 17:19:23
ドストエフスキーはドンキホーテを文学上のキリストだと言ったが 読んでいて痛々しいのは俺だけ この爺さんのやることなすこと胸がつまる
永田訳は正直ひどいよ
138 :
吾輩は名無しである :2007/07/10(火) 17:54:41
ドスト「ドンキホーテは人間の天才によって創造されたあらゆる書物の中で最も偉大で憂鬱な書物」
139 :
吾輩は名無しである :2007/07/10(火) 19:47:49
ホント憂鬱になる
>>132 牛島訳もハードカバーで読んでみそ
雰囲気出ていいよ、挿絵も大きいし
図書館にあるとおもうから
この本読むと遍歴したくなる
でもしないんだろ? ドンキホーテの行動力には憧れる。
143 :
吾輩は名無しである :2007/08/10(金) 20:21:28
岩波文庫のセルバンテス短篇集が今月重版
145 :
吾輩は名無しである :2007/08/30(木) 18:14:22
>>139 でも貴方は「立花隆が風車に突進した」と聞いたら笑うだろ?
夜のドンキホーテ
147 :
吾輩は名無しである :2007/09/16(日) 22:38:32
岩波で読みました。 ギュスターブ・ドレの挿絵が面白かった。 サンチョがウンコみたいなの飲んですっごく苦しそうなところ。
148 :
吾輩は名無しである :2007/10/08(月) 21:29:42
おれ、ミュージカルの「ラ・マンチャの男」見て ボロボロに泣いてしまった。 原作読んでみようと思う。 見果てぬ夢か・・・。 「何で俺みたいなどうしようもない奴について来るんだ?」 て問われて、サンチョパンサが「だって好きなんだもん!」て言うんだよね。 泣けたよおお
149 :
吾輩は名無しである :2007/10/24(水) 14:28:20
若者らに読んで欲しいね
151 :
吾輩は名無しである :2008/01/04(金) 14:27:37
なんだかんだでお手本になってる作品だよね 出典がドンキホーテってものもたくさんあるし
152 :
吾輩は名無しである :2008/01/11(金) 21:15:09
>>151 漫画のワンピなんかも時々オマージュが入ってるよね。
153 :
吾輩は名無しである :2008/01/31(木) 10:38:51
今現在岩波版ドンキホーテの5冊目です・・・ 年末年始はマドリッドのアトーチャ駅でも読み込みますた。
154 :
吾輩は名無しである :2008/01/31(木) 10:42:29
あ、それとさセルバンテスって永井荷風と同じで、作品よりは 本人の生き様のほうが面白いねw まあ、それ言えば キューバでダイキリの好きなアノ人もおなじか。
「サンチョよ、わしにお前のけつ穴を向けるのじゃ」と、ドン・キホーテは言った。 「というのもなるほどわしの童貞はこの世に並ぶものなき美姫ドゥルネシーア・デル・トボーソのものだが、 現実としてこうも性欲が沸き立つ以上、遍歴の騎士の純潔をその従士が身を呈して守るのは当然の道理だからじゃ」
『ドン・キホーテ』は過去の傑作だけど 『模範小説集』は現役の傑作
ガラスの学士は妄想に取りつかれるとこまでは良かったんだけど締めかたが…
『ペルシーレス』は無視ですか? 処女作の『ガラテア』は?
160 :
吾輩は名無しである :2008/04/18(金) 11:20:39
スペイン語で読みたくて、マドリッドで買ったが さっぱり歯がたたんw
161 :
吾輩は名無しである :2008/04/23(水) 16:57:55
ドンキホーテ、岩波の6冊やっと来週中くらいに読破できそう・・・
やったじゃん!w
163 :
吾輩は名無しである :2008/04/23(水) 17:11:10
冗長過ぎて読む気がしないんだけど パラパラ捲ると言葉遣いも古くて読み辛そうだし
164 :
吾輩は名無しである :2008/04/23(水) 17:36:30
ドンキホーテって歴史の勉強にもなるような、史実を舞台としているの?
165 :
吾輩は名無しである :2008/04/23(水) 21:18:21
後篇に実在の盗賊が出てきたよw あと追放されたモーロ人とか出てきた記憶が
166 :
吾輩は名無しである :2008/05/07(水) 10:00:03
今度は何とかラッセルとかいう人が書いたセルバンテスの人物記を 読んでるけど、妙に馬鹿丁寧な言い回しが気になる
ペルシーレス好きだ。 萌えキャラだらけだし展開も派手だから いとうのいぢあたりに表紙絵書かせたら ラノベ読者層が狙えるような気がするなあ。
『ペルシーレスとシヒスムンダの苦難』はどこが問題作なのかわからん
>>157 の言い方を借りると、「現役のエンタメ」という感じがする>ペルシーレス
あれいま読んでもおもしろいよな。
170 :
吾輩は名無しである :2008/05/25(日) 02:03:58
ここ半年くらい、途中で別の本を読んだりしながら、少しずつドンキホー テ(岩波文庫版)を読み進めていってるんだけど、いま後編の二巻、第四 十一章なんだけど、このへん読むのすごくつらい。なかなか進まない。話 がとにかく退屈で…。ただのお話になってて、読んでても「ふ〜ん」って 感じなんだよね。最後までこの調子なの? それとも挽回して、深い文学 的な内容に変わるんだろうか?
172 :
吾輩は名無しである :2008/06/18(水) 13:40:58
古典というものは総じて退屈だったり難解だったりして苦痛なもの。 これはまだいいほうだよ。
レスあとんす。 しかし長かった…(遠い目)
174 :
吾輩は名無しである :2008/06/25(水) 12:26:26
スペイン語達者なかた、岩波のドンキホーテの翻訳は、原書をすべて 網羅しているの?
175 :
吾輩は名無しである :2008/06/27(金) 19:35:00
? 完訳ではないといいたいのかな?
個人的には前編の方がつまらなかった
177 :
吾輩は名無しである :2008/06/30(月) 17:38:52
>個人的には前編の方がつまらなかった まあ、だれでも知っているパーツだしね
ドンキホーテ読もうと思うのですが新潮と岩波どっちがいい
どっちも悪くないけど 岩波のほうが注訳が多い ドレの挿絵もあるし
181 :
吾輩は名無しである :2008/09/09(火) 22:40:20
今日から読みます
182 :
吾輩は名無しである :2008/09/14(日) 19:52:50
岩波版読み終わりました。 読んでる時はドンキホーテの狂気ぶりに半ば呆れ、「ホント何やってんだよこのジイさんは・・」 とばかり思っていましたが、ラストになって、実はそんなドンキホーテの狂気を心のどこかで期待し、愛していた自分に気づきました。 読了後は寂しさを感じてしまいました。
184 :
吾輩は名無しである :2008/11/05(水) 23:03:03
本の読みすぎで気が狂った男の物語。 最期に正気に戻った彼の姪への遺言は、 「聖書以外の本を読む男とは結婚してはならない」 つまり、小説はその始まりにおいて、究極の総括を行なっている。
185 :
吾輩は名無しである :2008/12/13(土) 00:50:17
遅読だが爆笑しまくりw 3冊まで揃えた 春までは読み終えるかな
186 :
吾輩は名無しである :2009/01/23(金) 04:07:39
ドン・キホーテ前編 狂気のデラマンチャが隣人たちに連れ戻される物語 不思議に記憶に残るし思い出しても楽しい
最近ドンキホーテに興味をもったのですが、児童むけのは後半部分を 「なんかいろいろありました」で省略しており、岩波文庫のは文章が無駄に硬くて疲れました。 話の大半はそのままで、楽しませるを娯しませると書いたりしていない出版社ってありませんかね?
答えでなくて申し訳ないが、岩波はいうほど硬くないような気が。 文が硬いのではなく、興味を持ったので読み始めたけど、いまいち 内容をおもしろいと思えず、そのため文にのれないということなのでは。
むしろ岩波なのに読みやすくて新鮮に感じたな
190 :
吾輩は名無しである :2009/01/25(日) 01:55:13
The soldiers were stationed in Beirut
>>189 同意。行間が広いせいか?
その上これは挿絵つきだし(笑)、注もほぼ見ずに読める。
193 :
吾輩は名無しである :2009/02/27(金) 16:25:18
あのバクチクのエピソードのときなぜサンチョは嘘ついたんだ?
ペルシーレスとシヒスムンダの苦難を読んでるんだが 新キャラ登場→自分語り が連発されて飽きてきたんだが、この展開っていつまで続くの?
>>194 そんなに続かなかったと思うが・・・
読んだのが随分前だからあやふや。
少なくとも私は気にならなかった。
>>194 アラビアンナイト(千夜一夜物語)とか読んだことない人? そんなのばかり。
>>195 俺は気になったのです。
意味ありげにでてきたポルトガル人が電波な子にふられた〜。と話したところで死んで
えぇ、と思いつつページめくってたらまたぽっと出の新キャラ、元・妾のおばちゃんと
批評家のおっさんが語りを始めてきて、思わずふんにょりしてしまいました。
>>196 ありがとうございました。
つまり途中をすっ飛ばしてパラパラ読んでも問題ないわけですね。
ところどころにでてくる表現はおもしろいのでそうやって読んでいくことにします。
199 :
吾輩は名無しである :2009/05/02(土) 06:39:41
前編と後編で語り手が変わってないか? 前編ではベネンヘーリがアラビア語をスペイン語に起こしてそれをセルバンテスが編集したという体裁をとっているけど 後編ではベネンヘーリがアラビア語からスペイン語に起こしてそれを誰かが編集してそれをセルバンテスが眺めているという体裁になっている気がするんだけど
200 :
吾輩は名無しである :2009/05/02(土) 06:40:30
あ、語り手は変わってないか でもいずれにせよ後編ではベネンヘーリとセルバンテスの間に誰かいつような書き方になってる
201 :
吾輩は名無しである :2009/05/02(土) 06:41:32
誰かいる ね
202 :
吾輩は名無しである :2009/05/02(土) 20:48:58
作品も興味深いけど、セルバンテスの人生も壮絶で気になる。 それこそ波瀾万丈の物語。
スペインの水木しげる
204 :
吾輩は名無しである :2009/05/04(月) 03:56:04
公爵夫人の足にある排水口って何のことだ?
205 :
吾輩は名無しである :2009/05/04(月) 04:54:12
尿道に決まってるじゃん。
206 :
吾輩は名無しである :2009/05/04(月) 05:13:30
あーそうなのか 両足の裏に排水口があるかと思ったw
207 :
吾輩は名無しである :2009/05/05(火) 09:47:50
牛島訳で読み終わった アロンソ死んじゃってなんかしんみりしちゃうね 牛島さんが亡くなられたことを念頭にあの後書きを読んでまたしんみり しかし最高の翻訳だった
岩波だけど読みやすかったな。 旅を辞めてしまうのはけっこうあっけなかったな。サンソンカラスコめ〜
s
今読んでいる本を読み終わったら、挑戦しようと思ってる。 手元に牛島訳のハードカバーと、永田訳の文庫本がある。 持ち歩いて読めるにこしたことはないので、できれば文庫で読みたい。 このスレを見ていると牛島訳が素晴らしいという印象を受けた反面、永田訳の情報はあまり出ていないんだが、 どうだろうか?
210だが、牛島訳で読み始めた。 最初の2章ですっかりハマってしまった。 大長編とは相性が悪く、たいていは長さにウンザリしながら挑むんだが、 これならスイスイいけそうだ。
212 :
吾輩は名無しである :2009/06/15(月) 07:01:12
サンチョかわいいです 駄驢馬も可愛いです
213 :
吾輩は名無しである :2009/06/20(土) 09:54:03
ドン・キホーテはメタフィクション形式で書かれてるけど メタフィクションは前衛的な小説手法だと思っていたら実は古くからあるのね。 まあ、平家物語もメタフィクションつったらメタフィクションかな。 それとも、現代になるまで作家がメタフィクション形式を捨ててきて、 前衛的な作家が再びメタフィクション形式を使ったので前衛手法のように思うのかな? 詳しい人、教えてください。
『千夜一夜物語』や『カンタベリー物語』にあるような、枠物語の一種だと思っていたが
語り要素が強いと必然的にメタっぽくなるんじゃない。平家も語りものだから。
216 :
吾輩は名無しである :2009/06/20(土) 18:15:41
子供のころに読んだ子供版ドンキホーテだと風車との闘いがクライマックスなのに 実は初めのほうの小さなエピソードの1つにすぎないのですね。 それと、いわゆる有名なドンキホーテは前編で本編といったほうがよくて、後編は続編ですね。 前編は版権が奪われて印税が入ってこなくて売れたわりに儲からなかったので、後編を書いたのでしょうね。 でも、前編が売れたからこそ、その後次々と作品が発表できたわけだけど。 セルバンテスは困窮の中で死んだとあるけど、そこそこ儲かったんじゃないかな。 当時としては、戦傷がありながら68歳まで生きたわけだしね。
ごめん、それで何?
218 :
吾輩は名無しである :2009/06/20(土) 18:56:55
ネラベリャーダみたいな人が書いた贋作って世界初の同人とかになるんかな 聖書の外典の方が早いか
>>216 シャリアピンが主演の映画『ドン・キホーテ』(音楽はジャック・イベール)でもクライマックスは
風車のシーンで、それで体を壊し死んでしまうことになっている。
220 :
吾輩は名無しである :2009/06/22(月) 07:03:12
ドンキホーテの前編と後編では序文の印象がずいぶん違うよね。 前編の序文では自信無さげに謙っているのに 後編の序文では売れっ子作家になったせいか自信に溢れ、意気揚揚としていて、 おまけに当時進行中のプロジェクトにまで触れている。 セルバンテスは売れっ子作家になったんだなーって感じる。 まあ、ドンキホーテ(前編)も当時大ベストセラーになったから文学史に残ってるんだろうけどね。 そうすると幻冬社の社長が言ってた売れる本が良い本っていうのもあながち間違いではないかもね。
当時売れたってのは口コミで徐々に売れたんじゃないのかな〜
222 :
吾輩は名無しである :2009/06/23(火) 07:18:15
ドンキホーテ後編で前編の2つの挿話を本筋と関係無いと読み飛ばした読者がいると作者が書いてるけど、 私も読み飛ばしましたw
ようやく前編の25章まで読んだ。 面白いんだが、文庫ではなくて分厚いハードカバーのため、 家でしか読めないせいで進行が遅い。 とは言え、このペースなら2ヶ月後には読み終わってるな。
224 :
吾輩は名無しである :2009/07/06(月) 11:50:03
ドンキホーテは前篇では損害賠償金をほとんど払ってないのに後篇では気前良く払ってるよね。 しかも、前篇では宿を城だと錯覚してたのに後篇では貴族の城に招かれてる。 たぶんセルバンテス自身がベストセラー作家になって金回りが良くなったのと 文人としての名声が高まって貴族から招待されることが増えたからだろうね。 ドンキホーテ前篇は版権は売り渡していてセルバンテスに印税は入らなかったようだけど 発売と同時に大評判になって発売年にかなり重版になったみたいだから、 職業作家としてやっていく盤石の足がかりにはなったんだね。
後編まだよんでないわ 前編よんだの二年ぐらい前だけど
226 :
吾輩は名無しである :2009/07/06(月) 15:57:14
前編:次から次へと笑い話でたたみ掛けてくる。キホーテはただの笑われ者。 後編:物語の大きな構成と哲学がある。キホーテは愛すべき愉快な人格者。 小説としてのクオリティは後編のほうが上だと思う。
ようやく前編終わった。
後編行くか。
>>222 「愚かな物好き」が、本編と同じくらい好きなのは異端かね。
確かに本編と全く関係ねーとは思ったが。
公爵夫人がマジでウザくて仕方ないんだが・・・ 単純な愛すべきバカをつかまえて、散々かついで夢を見させた上で 猫けしかけたりサンチョをボコボコにしたりして笑ってるって、 どこまで性悪なんだよ・・・
229 :
吾輩は名無しである :2009/08/05(水) 22:26:29
ジュブナイルしか読んでないけど、好きだった 気の利いたセリフが随所にあってニヤリとさせられるよね 確かに公爵夫妻は酷い奴らだと思った そもそも、騎士物語読みたいと思って来たんだけど、邦訳ないのかな? 「アマデウス・デ・ガウラ」とか たちどころに傷が治る香油とか、聖女ナントカが出てくるやつ読みたい
230 :
吾輩は名無しである :2009/08/06(木) 02:58:49
ゴダールの映画でドン・キホーテをモチーフにした場面が出てくる映画があったと思うんですが 映画の題名を忘れてしまいました どなたかご存知ないですか?
サンチョがエンコした車押してるやつなら、新ドイツ零年
>>231 あぁそれです!
どうもありがとうございます
233 :
吾輩は名無しである :2009/08/16(日) 08:32:30
セルバンテスの良いところは作家としての喜びに満ちていることだな。
娘はヤリマン
たった今読み終わりました。最高に面白かったです。
236 :
吾輩は名無しである :2009/08/29(土) 19:54:46
この本を開いて又登場人物に会いたいと思わせる小説 ドン・キホーテ 吾輩は猫である
おれ、ハイジはぜったい病んでる(病んでた)と思うんだポリアンナとは違って。
239 :
吾輩は名無しである :2009/11/27(金) 17:12:57
この本、面白かったよ。↓
贋作ドン・キホーテ―ラ・マンチャの男の偽者騒動 (中公新書) (新書)
岩根 圀和 (著)
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/28355727 遍歴の騎士が風車を怪物と見誤り、従士サンチョ・パンサが必死にとめるのもきかず、
槍をかまえて突進していく―セルバンテス作『ドン・キホーテ』の有名な場面である。
作品は発表当初から大評判となり、気を良くしたセルバンテスは後篇を出版すべく執筆に励んでいたのだが、
そこへ非常に手の込んだつくりの贋作が現れた。偽物を読まされた作者の反応は、
そして贋作者の真意とその正体は。黄金期スペイン文学史を彩る贋作騒動の顛末記。
サンチョそれほど必死に止めてなかったよな
解説本はいいから贋作そのもの読ませて
なにか、読むことができない理由でもあるのか?
一応岩波旧版。 つれづれな読者諸君、わしが脳みそをしぼって生まれさせたこの本は、美しさもけだかさも賢 さも、このうえなしにおもわれたかったこと、誓わないでも信じてもらえよう。しかし、わしと ても、大自然の法則には逆らえなかった。転地の間では、者がそれぞれおのれに似たものを産む、 ということがあるのだ。(岩波書店 永田寛定 訳) ラ・マンチャ県のさる村、名は思い出したくない村に、さほど前のことでもなく、槍かけに槍、 古びた盾、ひょろひょろ馬にはしっこい狩犬をそろえた、型のごとき郷士が住んでいた。昼は羊肉 よりも牛の勝った煮込み、たいていの晩は昼の残り肉へ玉ねぎなど刻みこんだサラダ、土曜日に 塩豚の玉子あえ、金曜日にレンズ豆、日曜だと小鳩の一皿ぐらいそえて、それだけに収入の四分 の三が消えた。
ダウンロード販売はあるけどね
読み終わってしまった この寂しさを何としよう。
部屋に6冊置いて、何の気なしに取って開いたところから読んで、 それでまた感動できる
248 :
吾輩は名無しである :2010/02/20(土) 23:41:42
かつて、古本屋で新品同様の筑摩大系『ドン・キホーテ』を安く購入した。 そのうち読むだろうと思っているうちに20年が経過してしまった。 積読状態の本が山のようにあり、あれこれ読んでいるとなかなか手に取る ことができないでいる。古語混じりの会田訳にまったく抵抗はない。 同じような『白鯨』の阿部知二訳がお気に入りだし、木村榮一も会田訳 を勧めている。近いうち、必ず読むとしよう。
249 :
吾輩は名無しである :2010/02/21(日) 13:53:23
『ドン・キホーテ』はヨーロッパでは世界文学史上ベスト1の小説という評価だ。
250 :
吾輩は名無しである :2010/02/21(日) 17:11:36
先行文学から新しい文学作品を書く。 近代小説の祖からしてこうだったのだ。 ジョイスもナボコフも小説の王道を歩んだ。
251 :
吾輩は名無しである :2010/02/22(月) 02:21:39
今日いうところのメタフィクションは、17〜18世紀の小説では当たり前の手法だった。 それがリアリズム全盛の19世紀になって、すっかり影をひそめてしまった。 そして、20世紀も半ばをすぎると、あたかも新しい手法であるかのように 多くの作家がまたメタフィクションを用い始めた。
252 :
吾輩は名無しである :2010/02/22(月) 02:32:09
「おそらく思考方法にはふたつしかない、ラ・パリス的な思考方法とドン・キホ ーテ的な思考方法とである。このふたつのもの、つまり明証性と情熱的態度との 均衡によってのみ、ぼくらは感動と明晰とに同時に至ることができる」。 シジフォスの神話
253 :
吾輩は名無しである :2010/02/24(水) 02:58:44
実は『ドン・キホーテ』を読んだことないのに、「ドン・キホーテ的」という 言葉を使う輩がとても多いと感じる。
それをカミュの後に書くというのもなんだか
岩波のセットでドンキホーテを読破しました。 なんというか、読み終わった寂しさが異常。 まあ、充実感もあるけど・・・寂しい。
256 :
吾輩は名無しである :2010/02/25(木) 00:15:17
俺も岩波の箱入りセットをアマゾンで注文して届いたところだ。 きれいな本で感激。読む気も増すというものだ。
岩波は旧版(永田訳)が神だった
258 :
吾輩は名無しである :2010/02/27(土) 00:22:04
3月に入ったら、『ドン・キホーテ』を読もう。
259 :
吾輩は名無しである :2010/02/27(土) 13:37:34
完読した人少ないね。 ここのレスの少なさ。
260 :
吾輩は名無しである :2010/02/27(土) 15:03:49
neoton familiaの「ドン・キホーテ」のmp3を今、聞いてるんだが。 懐かしい〜
261 :
吾輩は名無しである :2010/02/27(土) 23:42:41
新潮版なかなか文庫にならんね。
262 :
吾輩は名無しである :2010/03/01(月) 02:24:34
荻内訳には何と石川五右衛門が登場するとか。 すごい超訳だな。
263 :
吾輩は名無しである :2010/03/03(水) 01:44:56
『ドン・キホーテ』で一番好きな場面を挙げよ。
264 :
吾輩は名無しである :2010/03/03(水) 02:45:19
砂煙あげて走る羊の群れを合戦だと勘違いするところ
旦那様がふるちんで宙返りするのを、なるべく見ないようにするサンチョ
あーあそこは名場面だね 自分もそこが印象に残っているな
サンチョの言い間違いにいちいち突っ込まずにいられない騎士殿
268 :
吾輩は名無しである :2010/03/04(木) 00:25:48
ほのぼの。
269 :
吾輩は名無しである :2010/03/05(金) 01:21:19
サンチョが童貞を捨てるところ。
第2部の主人公は三著
271 :
吾輩は名無しである :2010/03/05(金) 18:36:40
全巻読了するのにどれ位かかった?2カ月?
272 :
吾輩は名無しである :2010/03/06(土) 19:35:18
これから読み始める。
273 :
吾輩は名無しである :2010/03/07(日) 03:39:41
セルバンテスの人生そのものが小説みたいで凄い。 よくへこたれなかったと思う。人によっては絶望の内に自殺しかねない波乱の人生。
274 :
吾輩は名無しである :2010/03/08(月) 00:54:56
セルバンテスとバルザックは人間として愛すべき存在だと思うよ。
275 :
吾輩は名無しである :2010/03/12(金) 14:17:00
『ドン・キホーテ』とうとう今日読み始めた。
276 :
吾輩は名無しである :2010/03/13(土) 20:39:00
岩波文庫の挿絵なかなかいいね。 イメージを手助けしてくれる。
277 :
吾輩は名無しである :2010/03/20(土) 19:16:52
風車への突撃あっけなく終わった。
278 :
吾輩は名無しである :2010/03/27(土) 12:50:20
読んでいていまいちわくわく感がないな。まだ1巻だが。
うざい高校生が上から目線で読書報告。
280 :
吾輩は名無しである :2010/03/27(土) 20:23:35
俺は70歳だ。失敬な。
70にもなって本にわくわく感を求めてんのか?爺さんw
280はドンキホーテ本人というメタフィクション。
283 :
吾輩は名無しである :2010/04/06(火) 23:48:02
70歳って、信じた?
>>283 んな訳ないって
第一リアル70歳は2chになんか滅多に来ないだろw
どんな反応するか見たかったんだ
次はもうちょっとがんがれ
285 :
吾輩は名無しである :2010/04/09(金) 00:58:51
がんがれ? 何それ?
286 :
吾輩は名無しである :2010/04/09(金) 16:21:49
284こそ高校生だろ。
キチガイは100年ROMってなさい(笑)
288 :
吾輩は名無しである :2010/04/12(月) 00:43:51
がんがれ
(・∀・)ニヤニヤ
290 :
吾輩は名無しである :2010/04/15(木) 00:39:27
第2巻突入だー。
>>38 読みやすい面白い、ってのは、牛島訳のことだな、それを読むと
永田訳は、「〱」とか普通に出てくる……
この作品って正編だけで十分? 後編読む価値ある?
ぜひ読むべし
294 :
292 :2010/05/10(月) 21:01:25
ありがとう。ぜひ読んでみる。 規制中でレス出来なくてごめん。
カバーつきの永田訳ってマケプレにはないなあ
296 :
谷川浩司 :2010/08/07(土) 21:51:23
学者より騎士の方が偉いとは、 首領キホーテは良いことを言うなあ
297 :
吾輩は名無しである :2010/08/11(水) 19:01:43
>>295 あの時代にカバー付きの岩波文庫があった?
オブラートみたいな紙じゃなかった?
>>297 カバー付きの永田・高橋訳はありますよ。
私が持っているのは1994年54刷。(正編一)
299 :
吾輩は名無しである :2010/08/21(土) 15:38:40
ケットあげ やりてーな
300 :
吾輩は名無しである :
2010/08/27(金) 16:23:07