安部公房:COMPLETE WORKS 009

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196吾輩は名無しである
人生の教訓を書くなんていうことはね、論文とかねエッセイに任せればいいことで。
小説っていうのはそれ以前の、ま、意味にまだ到達しない或る、実態を提供すると。
で、そこで読者は体験、それを体験すると。いうもんじゃないかと思うんだな。
(で、それを割合その、私などは意味を読んでってしまう。と、やはり迷路に入るっていうことに・・)
いや、迷路でいいんです。迷路という風に自分がそれを体験すれば、迷路なんですよ。それでいいんです。

終局的に意味に到達するってことは、ちょっと間違いですね。
これは日本の、やっぱり国語教育の欠陥だと思う。