小林秀雄「無常という事」

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172吾輩は名無しである:2006/08/25(金) 11:35:24
「難しいこと」「やさしいこと」という中身や
「難しく書く」「やさしく書く」という文体が
別個にあると思っている?
まあそういう商売もあるけどね。
173吾輩は名無しである:2006/08/25(金) 13:39:35
>>172
難しいことをやさしく書く商売は沢山ある。物理の教科書を書くとか機械の取扱説明書を書くとか。
あ、文芸評論もそうだ。

小林秀雄はやさしく読み解くことを拒否する姿勢で一貫してるから、信奉者の側からは入門向けに
分りやすく書いた解説が出てくることはない。従ってこれからは急速に忘れられて行くだろうね。
174吾輩は名無しである:2006/08/25(金) 19:40:12
はいはい。
175吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 04:01:15
むしろ忘れられないんじゃないかな。
「難しい」というより「開かれてる」んだよ。
「優しい」というのは「閉じられてる」だよね、思考が。
だから飽きちゃうんじゃないかな。
すぐ消費されて忘れられる、別に悪いことじゃないけどね。
176吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 04:03:04
まーだこんなこと言ってるバカがいる
177吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 07:16:01
> 「難しい」というより「開かれてる」
> 「優しい」というのは「閉じられてる」
「優しい」を「易しい」という意味に取ると、「閉じてない」ものつまり」「開かれてる」ものは
自動的に易しくない即ち難しいという意味になるんだけど。

小林秀雄を読むとこういう単純な論理を何やら不可解な言葉に翻訳する才能が
付くようになるのかな?
178177:2006/08/28(月) 07:20:10
"つまり”のあとの“」”は余計だ
179吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 11:28:36
>>175
言いたいことはわかる。
既成の考え方は理解しやすいが、それだけではだめということだろう。
しかし小林秀雄の文章はそんな議論以前に解読不可能なんだよ。
試しに英語に訳してみろ。
180吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 13:11:57
まあ解読できない、という人に
できるよ、と言っても無駄。できないという人もいれば
できる人もいるが、できない側はいつも
「こんなのは誰もできない」ことにしたがる、ということで。
181吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 15:40:19
>>180
じゃあ、次の一節を英語に直せるかな?別に文法的な正確さは問わないけど。

> ロダンの考へによれば、モオツァルトの精髄は、表現しようとする意志そのもの、
> 苦痛そのものとでも呼ぶより仕方のない様な、一つの純粋な観念に行きついて
> ゐる様に思はれる。
182吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 16:09:59
It seems, in fact this thought comes from Rodin, that we find the essence of Mozart
in a pure idea, which we can call only as the will itself for expression, or the
the pain itself of expression.

180じゃないけど、ためしに訳してみた。
間違いもあるかも。それに、何より、小林の「議論がすっとぶ様子」が出せない。
183吾輩は名無しである:2006/08/28(月) 22:16:13
つーか、自分が解読できない=誰も解読できない
=だって英語に直せないもん
ってなんだかな。
184181:2006/08/28(月) 22:20:29
>>182
英訳ありがとう
ちがった解釈もできそうなので、180氏が英訳を見せてくれるかちょっと待ってみるね
それからコメントする
185吾輩は名無しである:2006/08/29(火) 00:43:05
なんでしないといけないことになってんだ?
なんかレスで将棋みたいなことしてる
つもりなんだろうな〜。疲れる。
186吾輩は名無しである:2006/08/29(火) 12:52:02
>>182
whichはideaではなくessenceにかかるんだよね?
ほぼ同じような解釈を俺の下手な英訳で披露する。
If we follow the thoughts of Rodin, we may encounter a some notion that the essence
of Mozart is a pure will for expression which is so intense as pain.
a some notion で「一つの純粋な観念」に対応させた積り。

謎は元が「表現しようとする意志」と「苦痛そのものとでも呼ぶより仕方のない様な、一つの純粋な観念」
が同格に見えることだ。おなじものを意志と観念と二通りに呼ぶのは釈然としない。
それと「モオツァルトの精髄は」が主語で、「一つの純粋な観念に行きついて ゐる」が述語に見えるが、
そうすると182氏の解釈(と俺の訳)とはちがう。

状況からいって、「ロダンはモーツァルトを苦痛と呼べるくらい強い表現に対する衝動を持った人間として
表現しているように思われる。」程度しか言えないと思うし、大抵の読者はそういう趣旨に取るだろう。
でも正確に読もうとすると「一つの純粋な観念に行きついてゐる」の部分は何なの?ということに
なってしまう。
187吾輩は名無しである:2006/08/30(水) 07:34:17
こんなとこでぐだぐだ言ってるやつは、まず女にはもてないな(藁)。
188吾輩は名無しである:2006/08/30(水) 09:10:36
議論に入れないやつがぐだぐだ言ってるw187は嫉妬深い女だ絶対w
189吾輩は名無しである:2006/08/30(水) 11:52:15
これ「議論」なんだ。
190吾輩は名無しである:2006/08/30(水) 13:44:13
age
191吾輩は名無しである:2006/08/30(水) 23:01:57
別に英訳しにくくてもいいだろう、本意が伝われば。
「翻訳とは裏切り行為である」と、言ったのは誰だったか?
192吾輩は名無しである:2006/08/30(水) 23:17:27
英訳を持ち出したのは文の構造の解析を強制するため。
もちろん日本語の範囲内でもきちんと解析するならそれで一向に構わない。
193192:2006/08/30(水) 23:52:44
要するに小林秀雄がきちんとした日本語の文を書いているかどうかを問題に
してたんだけど、どうもここでそんな話をしても無意味な気がする。
もうやめるわ。お騒がせしました。
194吾輩は名無しである:2006/08/31(木) 00:11:07
そのまま読めば、文章の骨子は、
「モオツァルトの精髄は一つの純粋な観念に行きついている」なわけだけど、
「モオツァルトの精髄」が「行きついている」って表現はちょっとヘン。
普通なら、「モオツァルトの精髄は一つの純粋な観念である」でしょう。
だけど、そこに「ロダンの考えによれば」ってのが入ってくるわけで、
「ロダンの考えるモオツァルトの精髄は一つの純粋な観念に行きついている」
というのなら筋は通るわけ。あるいは、「モオツァルトの精髄は一つの純粋な
観念である、という考えにロダンは行きついている」の方がいいかな。
ところが、この「ロダンの考え」っていうのが、ロダンのモーツァルト像から
小林が勝手に読み取った「考え」なわけだから、平たく言えば、
「ロダンのモーツァルト像は一つの純粋な観念に行きついている、と私には思われる」
ということでもある。どうも、このあたりが小林流に錯綜している模様。

それぞれのニュアンスをできるだけ残すとすれば、

ロダンのモーツァルト像を眺めていると、ロダンの考えるモーツァルトの精髄とは、
表現しようとする意志そのもの、あるいは表現しようとする苦痛そのものとでも
呼ぶより仕方のない様な、一つの純粋な観念にまで行きついている様に
私には思われる。

てとこでしょうか。
195吾輩は名無しである:2006/08/31(木) 00:38:19
問題になってる箇所の前も読んでみた。
小林は、ロダンの作ったモーツァルトの頭部の像(の写真)を見てショックを受けた。
モーツァルトに全く似ていなくて、プルタークの登場人物か発明家の像のように見える。
そして思った、
「これは作者の強い批評と判断の結実であり、そういう能力を見るものに強要している。」
そこで、そういう能力(=強い批評と判断の能力)を持った俺の出番だ、とはりきって書いたのが、
あの「・・・様に思われる。」で終わる箇所である様に思われる。
196吾輩は名無しである:2006/08/31(木) 19:10:23
ところで僕はやはり、言語以前に人間の思考というものがあるというふうに
ある程度思っていて、
考えを言葉に頼って正確に他人に伝えるということは
それなりに困難なことであると感じるのだけれど、
小林秀雄を読んでその部分をうまく表現してるなあ、と感じることは良くあるよね。
だから小林の文章は解りにくい部分もあるけれど、そんなに気にならない。
逆に思考が言語以前には無くて、言語によってのみ思考が成立していると考えると、
小林の文章の解りにくさが許せないんじゃないかな。
でも、それってあり得ないことじゃない?

197吾輩は名無しである:2006/09/02(土) 00:07:50
同意。
198吾輩は名無しである:2006/09/03(日) 05:18:06
小林自身が晩年、
 若い頃は難しく書いたほうが良いと思っていたけれど、
 少し経ってからは考え方が変わった
みたいな事言ってなかったっけ。
記憶違いだったら申し訳ない。
199吾輩は名無しである:2006/09/03(日) 05:59:55
ウィトゲンシュタインが「沈黙せねばならぬ」と宣言した領域において、
沈黙どころか饒舌の限りを尽くした。
こういう評論家が、この国では「評論の神様」だった。

語りえぬもの、言語が表現しえぬものが存在する。
それは真実だろうが、それを小道具にしてご託宣を並べるのは醜悪だろう。
おまえの専門分野は「言語」じゃないのか?
言語の限界を語るとき、そっくり返って天才づらするのは、見苦しい。

せめてかつての友、中原中也のように「自嘲」しろよ・・・。
春宵感懐:ttp://www2.big.or.jp/~hisana/poem/nakahara2.html
200吾輩は名無しである:2006/09/04(月) 00:52:40
中原中也よりは小林秀雄のほうが面白いし。
201吾輩は名無しである:2006/09/04(月) 19:51:31
「自嘲」は良くないでしょ。
中也の詩は悪くないけど。
小林は天才面してないと思う。
それなりに天才だから傍からはそう見えるのさ。
そんなことどうでもいいけどさ。
でも限界も見える、故に可能性も残ってるし、実際いろいろ参照されるのさ。
忘れられることは、まだしばらくないんじゃないかな、やっぱり。
それもどうでもいいことだけど。
個人的には言語以後派の反論を聞きたいなあ。
それとヴィトケンシュタインの有名な「沈黙せねばらなぬ」はどの本に出てくるのですか?
ヴィトケンはあまり読んでないのです。
202吾輩は名無しである:2006/09/04(月) 20:03:06
論理哲学論考でーす!
203吾輩は名無しである:2006/09/04(月) 20:10:18
>198
「易しく、解りやすく書くほうがいい」って、
晩年になると人はたいていそういう言うんだよ。
弱ってくるから、身近な人たちに理解してもらいたくなるんだよ。
でも問題は何を書くかであって、難しく書くことに価値はないし、
身近な人に理解してもらうために易しく書く事も二の次の問題だったと思うよ。
204吾輩は名無しである:2006/09/04(月) 20:26:58
>202
論哲論考読んでみるわ
ありがとう
205吾輩は名無しである:2006/09/10(日) 21:36:24
英訳ってのは意味がある。アングロサクソンは勿体ぶらないんだよ。フランスの
哲学者が英訳された自分の本を読んで、なるほど俺はこういうことを言っていたのだ
と言ったという笑い話がある。小林秀雄は日本語をフランス語にしたのだ。
206吾輩は名無しである:2006/09/10(日) 21:39:31
昔、旧制山口高校に福本なにがしという学者がいてマルクスの本を翻訳したんだが、
何のことだかさっぱりわからない翻訳だった。今でも入手出来るから読んでみな。
しかし当時は意味がつかめない高校生が俺は頭が悪いって絶望したらしい。
笑い話だが、頭が悪かったのは福本なにがしだったのだ。小林だってそうだよ。
なにしろ「文学部」だもんな。
207吾輩は名無しである:2006/09/11(月) 02:20:07
なんか微妙に頭が悪い文章だな。
208吾輩は名無しである:2006/09/11(月) 02:21:14
小林じゃなくて>>206ね。
209吾輩は名無しである:2006/09/11(月) 05:40:55
小林秀雄がどうこう言う前に他のもの読んでみたらどうだ、と思える「感想」が多い気がする。
別にわからんとか、つまらんならそれで構わないけれど、
どうしてそれを盾にして自分自身を持ち上げようとするのかがわからん。
世間でエライと言われてる小林を詐欺師だと看破できる自分がそんなにエライかね。
見下すのが好きなら小林秀雄に限らずヘーゲルでもグラムシでもマクルーハンでも良さそうなもんだ。
それともここで小林を一刀両断にしてる連中は上に挙げた連中なら「解る」ってのかね。
210吾輩は名無しである:2006/09/29(金) 13:19:02
無常の反対は常住です、すべてのものは絶えず変化し続けるというのが
理であり、花が咲き枯れていくのも無常また、新しい命が生まれてくるという
こと、つまり常に同じ状態でそこにあり続けるということは不可能である。
ということが無常ということになります。
その中で「常なるもの」というものにあたるのは、時間は等しく流れて、
絶えず変化しているという万物流転の理ことではないでしょうか。
211吾輩は名無しである:2006/10/01(日) 18:30:38
つうか、思い出力をつければいいんでしょ?
212吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 19:27:29
ところで「私の人生観」いいよね。
あの講演記録よんだら
「無常という事」で書かれている曖昧なモチーフがよりしっくり来る感じがする。
213吾輩は名無しである:2006/10/02(月) 20:02:07
無謀という事

(例)菊池桃子のロックシンガー宣言
214吾輩は名無しである:2006/10/03(火) 02:04:32
無能という事

(例)阪神大震災の際の村山総理の無為無策
215吾輩は名無しである:2006/10/04(水) 11:15:05
無口という事

(例)ゴルゴ13
216吾輩は名無しである:2006/11/17(金) 04:41:25
>>98
揚げ足取りですまんが、
62年から2年間アドルノのもとにいた徳永恂によれば、
ハイデガーを「存在論的詐欺師」と罵倒したのは、
アドルノじゃなくてホルクハイマーですよ。
21798:2006/11/17(金) 08:54:35
>>216
久し振りに見たら、すごいところにレスが付いてるな。
よく読んだね、あんな書き込み。

ホルクハイマーなのは知ってた。
ただ、Heideggerに対する彼等共通の感情が表れてる言い方だったから。

けどそのエピソードを書いたのは、確か小牧治だったんじゃなかったっけ。
いかにも理論的闘士といった雰囲気のアドルノに対して、
ホルクハイマーは好好爺然としていたが、
ことハイデガーに話しが及ぶと突如そういう激しい物言いになったのには驚いた、
って話だったんじゃないかな。

どうでも良いけどなんでこんなスレ見てるの?
218吾輩は名無しである:2006/11/17(金) 23:44:27
秀雄は晩年、瀬戸内寂聴に「本当は小説家になりたかったんだ」とこぼしたそうな。
219吾輩は名無しである:2006/11/18(土) 00:49:22
自分で書いてるし、対談でも言ってるじゃん。
小説も残ってるしさ。
220吾輩は名無しである:2006/12/05(火) 17:28:05
若い頃の秀雄の写真見ると黒人っぽいよね
221吾輩は名無しである
素直になることだ。
素直になることが、無常ということだ。
それ以上聞くな。