>>296 自分はスタインベックヲタではないので、信頼出来るプロの評価を参考に
出来栄えが良い面白い作品は落とさずに読んでおきたいということだ。
ゆえに、未読の「エデンの東」に関する論考は書いていない。
「疑わしき戦い」は、大久保先生等の評価は低かったが、解説に「ハードボイルド」と
評されたキャラクター(マック)が登場がする等が記されており、
個人的な興味から期待せずに読んでみた次第。
個人的な興趣は別にして、客観的に評価すれば、他者に推せるほどの作ではなく、
この作に関する限り、やはりプロの評価は妥当だったと言わざるを得ないかと思う。
「エデンの東」は、エリア・カザン監督の映画化作品(原作の一部を映像化)は
名作の誉れ高いものがあるが、ノーベル文学賞作家、文豪スタインベックの手になる
ものながら、原作は地味な存在にとどまり続け、その評は芳しくない。
この点は、同じスタインベック作品でありながら、「怒りの葡萄」とは大きく異なる
ところかと思う。(原作もジョン・フォード監督の映画化作品も名作との評価が定まって
いる)。比較論考という観点から、食指が動かなくもないのである。
すると、読むとすれば、ハヤカワか、大阪教育図書か、ということになる。
「疑わしき戦い」「エデンの東」等のマイナーな位置付けのスタインベック作品は
勿論のこと、スタインベック作品を全く未読でありながら、コテハン叩きのみにうつつ
を抜かしている輩がいると思われることにつき、注意を喚起しておくこととする。