「インドへ行こう」(長谷川まり子/双葉文庫)
→あれからもう1年か。
去年8月22日から3ヶ月間、インドを旅しましたわたし。
1ヶ月間、南インドを周遊。インド最南端のコモリン岬まで行く。
それから北へ舞台を移し仏跡地巡礼。
ガンジス川の河口から源流まで。よくも、まあ……。
結果は何もなかった。何もさとらなかった。感想? インド、大嫌い。
だけど、なんか気になるんだよなインド。だからこんなインドエッセイを。
著者はインドでさとった組。会社が破産して債権者に追われる中、逃げるように初インド。
インド名物の乞食や貧乏人を見てじぶんの不運を相対化する。まあ、さとったわけである。
それからインドリピーターへ。わかりやすい人生ですね長谷川さん。
ブックオフ105円本。
「『あやしいインド』にはまる本」(話題の達人倶楽部[編]/青春BEST文庫)絶版
→これ悪くないね、うん。インドの豆知識が読みやすくまとめられている。
インドへの過剰な幻想がないのもいい。
インドはきちがいなんだ。この国、ぜったいおかしいって。
いまでもあたまから離れないシーンがある。
ブッタガヤのホテルでベランダからそとを見ていた。
サリーを着たおばさん登場。しゃがみこむ。立ち上がる。うんこ。
どのインド本でもインドの常識としてこの種の話は書かれているけど実際見ると引くって。
ブックオフ105円本。
「インド・ネパール旅の絵本」(清水潔/旺文社文庫)絶版
→イラスト写真つきのインド紹介本。ちょっぴりいんちきくさい。
というのも、例のさとっちゃたにおいがするから。
インド行ったくらいでさとるなって。
インド人、大嫌い。んで、インドにいる日本人旅行者も嫌いだったな。
バラナシからネパールへ行くバスの中でわたしハブられたもん、日本人旅行者のグループから。
ランチタイム、わたしだけ孤立して食べてた。さみしかった。
基本的に読書が好きなインドア系だからかな。
バラナシがぁ、なんかよくてぇ、気づいたら一ヶ月もいたんですよぉ。
ばかじゃねえかこいつら。顔に出ちゃうタイプなんだろうねわたし。
アウトドア系の能天気さには殺意を覚える。古本屋ワゴン50円本。
「インド文明5000年の謎」(宮元啓一/光文社文庫)絶版
→グラフィティ・歴史謎事典の第9巻。
このシリーズはおすすめ。発見したときは小躍りしたっけ。
カラー写真がいっぱい使われているのがいい。
あんなインドでもなつかしくなる。
そうインド。インドの分際で一丁前にややこしい思想やら宗教があるんだ。
インド行くまえにもにわかじこみで詰め込んだな。
インド哲学やらインド神話やら。あと歴史も。
あはは。インド行ったらすべてがどうでもよくなった。
だって暑いんだもん。メニューがカレーしかないんだもん。
思想やら哲学なんてポイですよポイ。
あんまり暑くて、食べるものがカレーばかりだと、おかしな思想が生まれるものなのかも。
インド哲学って知ってる? わたしもちょっとかじったけど、やたら理屈っぽいんだ。
そうそうインド人の特徴。むやみに弁論をぶちたがる。
バス車内で話しかけてきたおじさん。広島の原爆はどうでもいいんです。
あなたのおかしな英語と、その粘着質な性格はなんとかならなかったのでしょうか?
「古代仏教の世界」(宮元啓一/光文社文庫)絶版
→グラフィティ・歴史謎事典の第11巻。
きれいな写真がいっぱい使われていて、ふむ満足じゃ。
わたし観光地で写真をとらない派だから、こういうのすごい嬉しい。
行きました、行きました。
仏陀が生まれたルンビニーから没したクシナーガルまで。
八大聖地にサーンチ。
それと(仏教関連がどっちだったか忘れたけど)アジャンタ・エロ−ラも。
インドの仏跡地で行ってないところはないというくらいです。
もしかしたらと思ったんです。もしかしたらさとっちゃうかもわたし。
仏様の功徳でこのどーしょーもないわたしにも人間革命が起こるのではと。
だめでしたね。あまかった。仏様はわたしの心中にはいなかった。
おっと、くだらぬ旅の感想はここらでやめて、この本のことを。
著者が前作と比べて、驚くくらい吹っ切れているのがおもしろかった。
脱皮した? いわく、日本の仏教はもはや仏教などとは呼べない。
そこまで言い切っちゃうの〜と耳(目?)を傾ければこういうことらしい。
仏陀がさとったのは「スッタニパータ」を読む限り在家信者を救済するためではない。
(「スッタニパータ」はインドに持参した。つまんなかったな……)。
仏陀のいうさとりとは、どう考えても出家信者のためのものである。
だから大乗仏教など仏陀のなんらあずかりしらぬもの。
当時インドでも反主流派だったとみて間違いあるまい。
それが中国、日本と伝わり、どう変化したか。
仏教によって救われたい在家信者が大量に仏教徒づらをするようになった。
おかしいじゃないか。仏陀は執着を捨て涅槃へいたるための道を説いたのではなかったか。
輪廻転生を断ち切ることが仏陀のいうさとりではなかったのか。
それはあくまでも出家信者のためのものである。
そう主張しておきながら、最後は学者のくせにアッカンベーをする。
いろいろボク語っちゃいましたけど、いまの日本では仏教なんて葬式仏教ですから、あははん。
このひとおもしろい。その主張するところも、浅学のわたしにはもっともに思われる。