●●●芥川賞候補予想→受賞作予想17●●●

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101栗田有起『マルコの夢』150枚 ◆T61/rdmlFM
カズマは大学を卒業したのだが就職試験にすべて落ちた。
そんなときパリに渡って日本食材の輸入を行っている姉夫婦から連絡があり
姉夫婦の会社で働いてくれないかと頼まれる。カズマはパリに渡り、姉夫婦の家に下宿し、その会社で働くうち、三つ星レストランと仕事をする。
そこの料理長はカズマを見込み、うちのキノコ担当として働くよう勧める。
姉夫婦もそれを喜んでくれ、カズマはキノコの管理を仕事にした。
ある日、カズマは料理長に呼ばれ、マルコという最上級キノコが足りないと言われる。
マルコの仕入先は姉夫婦の会社なのだが、そこにもなく、日本で直接仕入れるよう命令される。
カズマは帰国した。実家では父が蒸発していたが、母が居所をつきとめた。
母の代わりにカズマはその父の住むアパートへ行く。父のアパートには天井を突き破るほどの巨大キノコが生えていた。
父はカズマに言う。実は自分達の家系はキノコを採るのを生業にしてきたのであり、
今もこうして都心の薄暗い場所で巨大キノコであるマルコを育てて売っていると。
父は実家に帰り、カズマにマルコの育成を任せた。カズマは素質があったようで、マルコに霧を吹きかけたり、育成を順調にこなす。
マルコのそばで寝ると、夢を必ず見た。それはマルコが王子様になって白馬にまたがって現れ、カズマに話しかける。
マルコ王子はパリに行きたいとカズマに願う。カズマはパリに戻り、三ツ星レストランでキノコ担当を再び勤める。
日本での経験でより一層キノコに詳しくなり、自らの天職にすべきだとカズマは実感した。(了)